プロセス制御システムにおけるプロパティを結合する方法、装置、及び機械アクセス可能媒体
【課題】プロセス制御システムにおける構成要素のプロパティを結合し、プロパティの変更を追跡・伝播してプロパティの結合参照を更新する方法、装置、及び機械アクセス可能記憶媒体を提供する。
【解決手段】プロセス制御システムにおけるプロパティを結合する方法、装置、及び機械アクセス可能媒体を提供する。本方法は、構成要素のプロパティに結合型を関連付けることを含む。その後、プロパティに関する複数の値が、結合型に関連付けられている複数の値に基づいて読み出される。前記複数の値の少なくともいくつかがユーザに提示される。また、本方法は、前記複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザが選択した値を受け取り、前記ユーザが選択した値を構成要素に結合する結合参照を生成することも含む。
【解決手段】プロセス制御システムにおけるプロパティを結合する方法、装置、及び機械アクセス可能媒体を提供する。本方法は、構成要素のプロパティに結合型を関連付けることを含む。その後、プロパティに関する複数の値が、結合型に関連付けられている複数の値に基づいて読み出される。前記複数の値の少なくともいくつかがユーザに提示される。また、本方法は、前記複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザが選択した値を受け取り、前記ユーザが選択した値を構成要素に結合する結合参照を生成することも含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してプロセス制御システムに関し、より具体的には、プロセス制御システムにおいてプロパティ(性状)を結合する方法、装置、及び機械アクセス可能媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
化学薬品処理工程、石油精製工程又はその他のプロセスにおいて使用されるようなプロセス制御システムには、一般に、アナログバス、デジタルバス又はアナログ・デジタル混在バスを介して、少なくとも一つのホスト又はオペレーターワークステーションと、一つ以上のフィールド装置に通信可能に連結された、一つ以上のプロセスコントローラおよび入・出力(I/O)装置が含まれている。フィールド装置は、例えば、バルブ、バルブ・ポジショナ、スイッチおよびトランスミッタ(例えば、温度、圧力、流量センサ)などでありえ、バルブの開閉や工程パラメータの測定などのプロセス内における機能を行う。プロセスコントローラは、フィールド装置により生成された工程計測及び/又はフィールド装置に関するその他の情報を示す信号を受信し、制御モジュールを介して制御ルーチンを実施するためにこの情報を使用し、その後、プロセスの動作を制御するために、フィールド装置にバス又はその他の通信回線を通じて送信される制御信号生成する。このようにして、プロセスコントローラは、フィールド装置を通信可能に連結するバス及び/又はその他の通信リンクを介してフィールド装置を使用し、制御手法を実行および協調させることができる。
【0003】
多くの場合プロセス制御システムは、製品を生産するために制御モジュールに準じて処理を行うように構成されている。製品の設計又は技術担当者は、設計時間中に制御モジュールを用意し、後でプロセス制御システムによって複数回使用できるようにその制御モジュールを格納(記憶)する。一般に、制御モジュールは、処理を行うために、プロセス制御システムにおいて成分の運搬や混合などを行うプロセス設備(例えば、タンク、大樽、混合機、ボイラ、蒸発器、ポンプ、バルブ、など)を制御するための構成情報を含んでいる。プロセス制御システムの動作を可能にするには、プロセス制御システムの設備又は装置(例えば、ポンプ、バルブ、混合機、ボイラ、センサ、など)も構成されなければならない。レシピおよび当該レシピと関連する装置構成情報は、プロセスレシピの変更とともに、及び/又はプロセス制御システム内の設備又は装置の変更とともに、何回でも更新又は改訂できる。変更が加えられる度に、ユーザは、正しく正当な値に変更されていることを確かめ、制御モジュール又は構成情報が参照される全ての箇所にも適切に変更がなされることを確かめなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、プロセス制御システムにおける構成要素のプロパティが有効に結合されることを支援するプロパティを結合する方法、装置、及び機械アクセス可能記憶媒体を提供すること、及び、構成要素のプロパティに変更が生じた場合にも、その変更を追跡し、変更したプロパティを参照する箇所に伝播して有効な結合状態を維持できるようにする、プロパティの結合参照を更新する方法、装置、及び機械アクセス可能記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、プロセス制御システムにおけるプロパティを結合(バインド)するための例示的な装置、方法、及び機械アクセス可能媒体について説明する。本明細書記載の実施例による方法は、結合型を構成(コンフィギュレーション)要素のプロパティに関連付けることを含み、その後、前記結合型と関連する複数の値に基づいて、プロパティに関する複数の値が読み出される。複数の値の少なくともいくつかがユーザに提示される。また、例示的な方法は、複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザが選択した値を受け取り、前記ユーザ選択の値を構成要素に結合する結合参照(バインディング・リファレンス)を生成することを含む。
【0006】
本明細書記載の別の実施例による装置は、構成要素のプロパティに関する値を複数読み出すための結合提供機構が含まれている。結合提供機構は、プロパティと関連する結合型に基づいて複数の値を読み出す。また、前記装置には、前記複数の値の少なくともいくつかをユーザに提示するための要素エディタが含まれている。さらに、要素エディタは、複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザに選択された値を受け取り、前記ユーザに選択された値を構成要素に結合するために結合参照を生成するためのものである。
【0007】
本発明の第1の態様は、プロセス制御システムにおけるプロパティを結合する方法であって、構成要素のプロパティに結合型を関連付け、前記結合型に関連付けられている、プロパティに関する複数の値を読み出し、ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示し、複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取し、ユーザ選択値を構成要素に結合するための結合参照を生成することを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の態様は、プロセス制御システムにおけるプロパティを結合する装置であって、構成要素の複数のプロパティに関する複数の値を、プロパティに関連付けられている結合型に基づいて読み出すための結合提供機構と、ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示し、複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取り、ユーザにより選択された値を構成要素に結合するための結合参照を生成するための、要素エディタ(編集手段)と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の態様は、命令を格納して有する機械アクセス可能な媒体であって、前記命令は実行されると機械に、結合型を構成要素のプロパティに関連付けさせ、前記結合型に関連付けられている、プロパティに関する複数の値を読み出させ、ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示させ、複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取らせ、ユーザにより選択された値を構成要素に結合するための結合参照を生成させることを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の態様は、プロセス制御システムにおいて結合参照を更新する方法であって、構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出し、前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込み、更新済み結合参照の更新済み識別子を前記構成要素に関連付けること、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の態様は、プロセス制御システムにおいて結合参照を更新する装置であって、構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出す結合提供機構と、前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込むためのエディタ・オブジェクトと、前記構成要素に更新済みの結合参照の更新済みの識別子を関連付ける結合参照オブジェクトと、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第6の態様は、命令を格納して有する機械アクセス可能媒体であって、前記命令は実行されると機械に、構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出させ、前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込ませ、更新済みの結合参照の更新済みの識別子を前記構成要素に関連付けさせることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例として挙げられるプロセス制御システムを示すブロック図である。
【図2】図1の例示的なプロセス制御システムのプロセス制御装置を表すグラフィック(図形)要素およびグラフィック要素間の相互接続を含む例示的なグラフィカル・ユーザーインターフェース(GUI)を描く図である。
【図3】グラフィック要素のプロパティを作成し定義するために使用される例示的なプロパティ定義ユーザーインターフェースを示す図である。
【図4】グラフィック要素のプロパティを構成するためにユーザーインターフェースが使用した例示的なグラフィック要素プロパティを示す図である。
【図5】グラフィック要素のプロパティにより参照された値への変更を追跡及び伝播するために使用できる例示的な命名および改名法を描く図である。
【図6】グラフィック要素のプロパティにより参照された値への変更を追跡及び伝播するために使用できる例示的な命名および改名法を描く図である。
【図7】表示定義クラスを用いてどのように結合参照を表すことができるかを示す例示的なクラス図を描く図である。
【図8】グラフィック要素を制御モジュールに結合することについて、選択された制御モジュール識別子の有効性に関するメッセージを提示するために使用できる例示的な検証メッセージを描く図である。
【図9】本明細書に記載される例示的な方法および装置が制御モジュール識別子値を選択するために用いることができる例示的なイベント処理部ユーザーインターフェースを描く図である。
【図10】本明細書に記載されるプロセス制御モジュールをグラフィック要素に結合するために使用できる例示的な装置のブロック図である。
【図11】異なる結合提供機構を使用して結合型を読み出す際の異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す例示的なオブジェクトベース・プロセス図である。
【図12】グラフィック要素のプロパティに結合型を割り当てる際の、異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す例示的なオブジェクトベース・プロセス図である。
【図13】結合参照を作成する際の、異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す例示的なオブジェクトベース・プロセス図である。
【図14】結合参照を保存する際の、異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す別の例示的なオブジェクトベース・プロセス図である。
【図15】更新された結合参照情報を使用してグラフィック要素を読み込む際の、異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す別の例示的なオブジェクトベース・プロセス図である。
【図16】異なる結合提供機構を使用して結合型を読み出すのに使用できる例示的な方法のフローを示す図である。
【図17】制御モジュール識別子を装置又は設備グラフィック要素に関連付けるために使用できる例示的な方法のフローを示す図である。
【図18】結合参照を格納するために使用できる例示的な方法のフローを示す図である。
【図19】更新される結合参照情報を使用してグラフィック要素を読み込むために使用できる例示的な方法のフローを示す図である。
【図20】本明細書に記載される例示的な方法および装置を実施するために使用できる例示的なプロセッサシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、数ある構成部分の中でも特に、ハードウェア上で実行されるソフトウェア及び/又はファームウェアを含んだ状態で例示的な方法および装置が説明されているが、これらの実施例は単なる例示に過ぎず、本発明を制限するものではないと理解されたい。例えば、当該ハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェア構成要素のいずれか又は全ては、ハードウェアのみ、又はソフトウェアのみ、或いはハードウェアとソフトウェアのあらゆる組合せでも具体化できるものとして考慮されるべきである。従って、実施例として挙げられる方法及び装置が以下に説明されているが、通常の技術を有する当業者であれば、本明細書に提供される実施例がこれらの方法と装置を実施する唯一の手段ではないことは容易に理解できるはずである。
【0015】
本明細書に記載される例示的な方法および装置は、プロセス制御システムにおける制御手法を実施するために使用される要素(エレメント)又はメソッドのプロパティに値を結合(バインド)するために使用できる。例示的な方法および装置は特に、要素又はメソッドの特定のプロパティに結合できる複数の可能値を、結合型に基づいて値の部分集合又は異なる群に分類又はセグメント化するために結合型情報が使用される制御方式環境において、要素又はメソッドに対して結合型情報をユーザが関連付けられるようにすることによって実施できる。要素又はメソッドに結合型を関連付けることにより、要素又はメソッドのプロパティに関して間違った値又は無効な値をユーザが入力してしまう可能性を実質的に削減又は完全に消去することが可能になる。例えば、ユーザがプロパティの値を設定又は変更しようと試みる際に、プロパティフィールドは、そのプロパティの結合型と関連付けられている値だけを自動的に提案できる。それに加えて、本明細書に記載される例示的な方法および装置は、有効な結合参照(例えば、有効な制御モジュール又はその他の有効な対象標的に結びつく有効な結合参照)を生成するためにプロパティ値の各々のプロパティと関連付けられている結合型に基づいてユーザ提供のプロパティ値が正当(有効)であることを保証するべく、該ユーザ提供のプロパティ値を検証するためにも使用できる。
また、本明細書に記載される例示的な方法および装置は、構成(コンフィギュレーション)要素(例えば、グラフィック要素)のプロパティ値への変更を、例えば当該変更がエディタ環境の外部でこれらの構成要素又はメソッドに対してなされた時などに追跡するためにも使用できる。この方法により、以降行われる当該構成要素又はメソッドのインスタンスに、更新済みのプロパティ値が含まれるようになる。
【0016】
本発明では、グラフィックエディタ(これを介してユーザは、プロセス制御システムにおけるグラフィック、又は装置・設備のグラフィック描写表現のプロパティ値を作成及び/又は編集できる)を実施するために使用されるヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)に関連して、例示的な方法および装置を説明する。HMIは、グラフィカル・ユーザーインターフェースを提供する。このグラフィカル・ユーザーインターフェースを介して、ユーザは、プロセス制御装置又は設備を表すように一つ以上の形状(型)からグラフィックを設計し、グラフィックを使用して構成された制御モジュールを介してプロセスを監視及び/又は制御できるようにするためにグラフィックの異なるプロパティを設定できる。本明細書では、プロセス制御システムのプロセス制御モジュールが、プロセス制御システム装置又は設備、或いはプロセス制御システムの機能のグラフィック描写表現に結合するために使用されるものとして例示的な方法および装置を説明する。プロセス制御システム装置の例としては、フィールド装置(例えば圧力センサ、温度センサ、弁制御器、レベルセンサなど)、プロセス制御装置(例えば混合機、ポンプ、バルブ、ボイラ、熱交換器、加熱炉など)、制御装置(例えばコントローラ、プログラム可能論理制御装置(PLC)、分散型制御システム(DCS)コントローラ、入出力(I/O)装置など)などが挙げられる。本明細書に記載される例示的な方法および装置は、ユーザがグラフィックエディタ環境においてグラフィック要素を定義又は構成する間に、装置又は設備グラフィック要素との結合に利用可能なプロセス制御モジュールの名称又は識別子を、当該グラフィック要素と関連付けられている特定の結合型に基づいてユーザ(例えばエンジニア、プログラマなど)に提供するような、自動提案処理を使用するように構成されうる。自動提案処理に加えて、又は自動提案プロセスの代わりに、自動補完処理やインテリセンサー(INTELLISENSER(登録商標))技術による処理、又はその他任意の適切な処理を、本明細書に記載されるように、結合型に基づいて制御モジュールの名称又は識別子を提示するために使用できる。それに加えて、プロセス制御モジュールの名称又は識別子値を、当該値が後になってグラフィックエディタ環境外で変更された場合などに、異なるグラフィック要素においてこれらが自動的に変更されるようにするためにも、本明細書に記載される例示的な方法および装置を使用できる。このようにして、グラフィック要素が、正しく各々の制御モジュールに結合された状態を維持できるのである。
【0017】
周知のプロセス制御システム用ユーザーインターフェース表示ディスプレイにおいては、ユーザが例えばプロセス制御ルーチンを作成、構成、又は定義する際に文字列を入力しなければならない箇所が多くある。例えば、ユーザが画面上でプロセス設備グラフィック要素(例えばポンプ、混合機、ヒータなどプロセス設備の描写表現)を選択又は作成する場合、グラフィック要素の名称やツールチップ(説明表示)の記述、及び/又はその他の情報を定義するオプション(選択肢)がユーザに提供される。多くの場合これらの値は文字列を用いて格納されるが、場合によっては構成又は定義の間に提供された値は単なる文字列以上のものである。いずれの場合も、提供された文字列が正当(有効)であることを確かめる構成の検証が行われないと、意図した構成が実施されるという保証はない。
【0018】
プロセス制御システムを構成するために使用される周知の技法とは異なり、本明細書に記載される例示的な方法および装置を使用すれば、ユーザ提供の情報が正当なプロセス制御ルーチン、レシピなどを生成するのに有効なものであることを、周知の技法よりも比較的確実に保証して提供できる。例えば本明細書に記載される例示的な方法および装置は、ユーザがポンプのグラフィックを作成し、特定の制御モジュール結合型を該ポンプのグラフィックに関連付ける場合、該グラフィックと関連付けられているユーザ指定の制御モジュール結合型に基づいて、選択されたポンプのグラフィックとの結合に利用可能な制御モジュール名又は識別子値の一覧リストをユーザに提案又は提示するように使用できる。このようにして、ユーザが、無効なグラフィック構成を作成する結果になるような不正又は無効な制御モジュール(例えば、存在しない制御モジュール、或いは装置又は設備グラフィック要素と互換性がない制御モジュール)を、装置又は設備グラフィック要素と結合してしまうことを防止できる。加えて、プロセス制御ルーチンのグラフィック描写表現の有効性を維持するためには、本明細書に記載される例示的な方法および装置を使用すれば、制御モジュールの名称又は識別子が(例えば、グラフィックエディタの外部で)変更又は改名された時にはそれを検出し、その識別子に結合されている対応するグラフィックにおける制御モジュールや装置又は設備の名称もしくは識別子を更新できるようにする。対応するグラフィック要素がその後グラフィックエディタ又は制御部のグラフィックHMI実行時(ランタイム)ソフトウェアに読み込まれた場合、それが結合される制御モジュール識別子値への結合状態が更新されることになり、それによってグラフィック要素および制御モジュール間の結合の有効性が維持される。このようにすれば、ユーザが、制御モジュール識別子値の名称を更新するためにプロセス装置のグラフィック要素をそれぞれ閲覧してマニュアル操作で再構成する必要がなくなる。
【0019】
以下、例示的な方法および装置を制御モジュールに関連して説明するが、例示的な方法および装置はレシピ(例えばバッチレシピ)に関連して使用することもできる。本明細書に記載される図で示した実施例において、制御モジュールは、外部の行為(例えば、オペレータにより、又はレシピプロセス)により停止されるまで繰り返し又は連続的に作動する処理過程又は動作であり、レシピ(例えばバッチレシピ)は起点および終了点を有する処理過程である。例えば、制御モジュールがその構成に則ってある一連の動作を終了すると、制御モジュールは、始点に戻り同じ動作を再度実行する。一方、レシピがその構成に則って特定の目標に達すると(例えば、レシピがある一定数量のペンキを製造し終えると)、レシピはそこで停止する。
【0020】
ここで図1を参照すると、本明細書に記載される例示的な方法および装置を実施するために使用できる例示的なプロセス制御システム100には、ワークステーション102(例えばアプリケーションステーション、オペレータステーションなど)およびコントローラ106が含まれうる。ここで、ワークステーション102およびコントローラ106は両方とも一般的にアプリケーション制御ネットワーク(ACN)と呼ばれるローカル・エリア・ネットワーク(LAN)108又はバスを介して通信可能に連結されてよい。LAN108は所望のあらゆる通信媒体およびプロトコルを使用して実施されうる。例えば、LAN108は、ハードワイヤード又はワイヤレス・イーサネット(登録商標)通信方式に基づいても良い。これについては周知の方式であるため、本明細書においてさらに詳しく説明しない。しかしながら、通常の技術を有する当業者ならば、その他のあらゆる適切な通信媒体およびプロトコルを使用できることは一目瞭然のはずである。さらに、LANが一つだけ備えられた状態で図示されているが、二つ以上のLANおよびワークステーション102内の適切な通信系ハードウェアを使用して、ワークステーション102と別の同じようなワークステーション(図示せず)との間に冗長通信路を備えるようにしても良い。
【0021】
ワークステーション102は、一つ以上の情報技術(IT)アプリケーション、ユーザ対話型アプリケーション、及び通信アプリケーションの少なくとも一つに関連した操作を行うように構成できる。例えば、ワークステーション102は、所望のあらゆる通信媒体(例えば、ワイヤレス、ハードワイヤードなど)およびプロトコル(例えば、HTTP、SOAPなど)を用いて、その他の装置又はシステムとワークステーション102およびコントローラ106が通信することを可能にする通信アプリケーションおよびプロセス制御関連アプリケーションに関連した操作を行うように構成できる。ワークステーション102は、あらゆる適切なコンピュータシステム又は処理システム(例えば、図20のプロセッサシステム2010)を使用して実施されることができる。例えば、シングルプロセッサのパソコン、シングル又はマルチプロセッサのワークステーションなどを使用して、ワークステーション102を実施することが可能である。
【0022】
コントローラ106は、コントローラ106にダウンロードされてインスタンス(実体)化された一つ以上のプロセス制御ルーチン(ワークステーション102又は任意のワークステーションを使用してシステム・エンジニア又はその他のシステム担当要員により生成されたものであってよい)を実行できる。コントローラ106は、例えば、フィッシャー−ローズマウント・システムズ株式会社およびエマソン・プロセスマネジメント(登録商標)により販売されるDeltaV(登録商標)コントローラであってよい。但し、その他のコントローラを代わりに使用することも可能である。さらに、図1においてはコントローラが一つだけ備えられている状態で図示されているが、所望のあらゆるタイプの又はタイプを組み合わせて、又は別のコントローラをさらに追加してLAN108に連結できる。
【0023】
コントローラ106は、デジタルデータ・バス114および入・出力(I/O)装置116を介してフィールド装置110a−bおよびポンプ112を含む複数のプロセス制御装置に連結されうる。プロセス制御ルーチンの実行中に、コントローラ106は、フィールド装置110a−bおよびポンプ112と情報(例えばコマンド、構成情報、測定情報、状態情報など)を取り交わることができる。例えば、コントローラ106には、プロセス制御ルーチンを備えても良く、このプロセス制御ルーチンはコントローラ106により実行されると、コントローラ106に、フィールド装置110a−bおよびポンプ112に指定された動作(例えば、計測を行う、バルブを開/閉する、有効/無効設定を行う、など)を行わせるコマンド、及び/又は、デジタルデータ・バス114を介して情報(例えば測定データ)を通信させるコマンドをフィールド装置110a−bおよびポンプ112に対して送らせるものである。
【0024】
図1に示される実施例では、ポンプ112をコントローラ106により実行されるプロセス制御ルーチンを実施する制御モジュール120を介して制御できるように、ポンプ112を制御、及び/又はポンプ112とインターフェース接続するためのプロパティおよび構成情報を定義するように、ワークステーション102においてポンプ制御モジュール120が構成される。制御モジュール120を同定するために、制御モジュール120はFIC101の名称又は識別子値を備えている。
図示される実施例ではフィールド装置110a−bが圧力伝送器として示されているが、フィールド装置110a−bは、その他のタイプのセンサ又は計測装置、アクチュエータなどを含むその他任意のタイプの装置であってよい。それに加えて、本明細書に示される実施例ではポンプ112は設備と称されてもよい。
また、例えば、タンク、大樽、混合機、ボイラ、ヒータなども設備の例として挙げられる。但し、議論の目的上、本明細書では、「装置」および「設備」という用語は置き換え可能に使用される。
【0025】
図示される実施例において装置110a−bおよび112は、周知のフィールドバス・プロトコルを使用してデジタルデータ・バス114を介して通信するように構成されたフィールドバス適合装置である。フィールドバス標準に従い、デジタルデータ・バス114は、計測装置と制御装置(例えば、装置110a−bおよび112)に通信可能に連結されるように構成されたデジタル双方向マルチドロップ通信バスである。装置110a−bおよび112は、マルチドロップ(分岐)構成のデジタルデータ・バス114に通信可能に連結された状態で図示されている。デジタルデータ・バス114又はそれに類似したデータバスは代替的に、一つのフィールド装置がI/O装置116と通信するデジタルデータ・バス専用に設けられている二地点間構成を使用してフィールド装置をI/O装置116に通信可能に連結するのにも使用されうる。代替の実施例として挙げられる実施形態における方法および装置は、フィールドバス適合装置を含んでも含まなくてもよいその他のタイプのフィールド装置(例えば、周知のProfibus(登録商標)およびHART(登録商標)通信プロトコルを使用して、データバス114を介して通信するProfibus(登録商標)又はHART(登録商標)プロトコル適合装置)に関連しても使用されうる。
【0026】
本明細書に示される実施例において、I/O装置116は、フィールドバス・プロトコル又はその他のタイプの通信プロトコル(例えば、Profibus(登録商標)プロトコル、HART(登録商標)プロトコルなど)を使用でき、コントローラ106および装置110a−b及び112をその他のフィールド装置に接続することを可能にする入出力サブシステムインターフェースを使用して実施されている。例えば、I/O装置116は、フィールドバス・プロトコルとその他の通信プロトコルの間で翻訳を行う一つ以上のゲートウェイを含みうる。フィールド装置のさらに別のグループがコントローラ106と通信できるようにするために、さらに(I/O装置116に類似するか同一の)I/O装置を追加してコントローラ106に連結してもよい。
【0027】
例示的なプロセス制御システム100は、より詳細にわたり後述される例示的な方法および装置を有利に採用できる一つのタイプのシステムを例示するために提示されている。但し、本明細書に実施例として記載される方法および装置は、望ましい場合は、図1に示される実施例として挙げられるプロセス制御システム100より複雑な、又はより簡易なその他のシステム、及び/又はプロセス制御動作、企業管理動作、通信動作などに関連して使用されるシステムにおいても有効に採用できる。
【0028】
図2は、図1の例示的なプロセス制御システム100のプロセス制御装置の描写表現であるプロセス設備グラフィック要素202a−cおよびグラフィック要素202a−c間の相互接続を含むグラフィック構成201を作成し編集するために使用できる例示的なエディタ(編集手段)のグラフィック処理ユーザーインターフェース(GUI)200を描く図である。グラフィック構成201を作成すると、ポンプ制御モジュール120のための設定点値及び/又はその他のパラメータを監視及び変更するために、図1のポンプ制御モジュール120において制御構成203がインスタンス化される。本明細書に示される実施例において、プロセス設備グラフィック202a−cのそれぞれは、単一の形状を有するグラフィック又は複合形状のグラフィックを使用して実施できる。例えば、プロセス設備グラフィック(例えば、プロセス設備グラフィック202a−c)のいくつかを、ユーザがエディタGUI200中の異なる形状から選択して対応するプロセス設備の描写表現となるように形状を配置できるようにし、ユーザにより作成されるようにしても良い。その他のプロセス設備グラフィックを事前に定義してプロセス制御ソフトウェアに実装することにより、ユーザが独自に作成する必要なく事前に定義されたグラフィックから選択できるようにしても良い。プロセス設備グラフィック202a−cは、例えばワークステーション102により実行されるGUI基盤の設計ソフトウェア・アプリケーションを使用して、ユーザ(例えば、エンジニア、オペレータなど)により相互接続されることができる。図示された実施例において、タンクグラフィック202aの名称はTANK_1であり、ポンプのグラフィック202bの名称はPUMP_1であり、混合機グラフィック202cの名称はMIXER_1である。当該グラフィックのプロパティ定義又はプロパティ値を編集するために、プロセス設備グラフィック202a−cのそれぞれをユーザが選択できるようにしても良い。例えば、ポンプのグラフィック202bをクリックすると、エディタGUI200は、「Edit Property(プロパティを編集する)」のオプション204および「Properties(プロパティ)」オプション206を表示する。
【0029】
図示される実施例では「プロパティを編集する」オプション204を選択すると、エディタGUI200は、ポンプのグラフィック202bのプロパティを定義又は編集するために使用できる図3の例示的なプロパティ定義ユーザーインターフェース(UI)300を表示する。図示される実施例では、グラフィック構成201(よって、図1の制御構成203)を一旦作成し、これをその後、図1のポンプ制御モジュール120及び/又はその他の制御モジュールで複数回使用することができる。例えば、ユーザは、ポンプのグラフィック202bを介してポンプ112と対話処理を行うために、ポンプのグラフィック202bを例えば制御モジュール120(図1)に結合するようにモジュールプロパティを作成しても良い。「プロパティ」オプション206を選択すると、エディタGUI200は、ポンプのグラフィック202b(図2)のプロパティ(例えば、図3のプロパティ定義ユーザーインターフェース300を介して作成されたプロパティなど)を構成するために使用できる図4の例示的なプロパティユーザーインターフェース400を表示する。
【0030】
図3を参照すると、例示的なプロパティ定義UI300は、名前(NAME)フィールド302、データ型(DATA TYPE)フィールド304および結合型(BINDING TYPE)フィールド306を含んでいる。本明細書に示される実施例において、名前フィールド302は、テキストボックス制御を使用して実施され、データ型フィールド304および結合型フィールド306は、ドロップダウン・リスト制御を使用して実施される。ユーザは、ポンプのグラフィック202bに対して定義されるプロパティの名称を提供するために名前フィールド302を使用することができる。図示される実施例において、提供されているプロパティ名は「MODULE(モジュール)」、つまり、制御モジュール(例えば、図1の制御モジュール120又はその他任意の制御モジュール)をポンプのグラフィック202bに結合するために使用されるものとして定義されるプロパティを指す。データ型フィールド304は、名前フィールド302において指定された名称をメモリに格納するのに使用されるべきデータ型を指定するために使用することができる。
【0031】
結合型フィールド306は、ポンプグラフィック202b(図2)が結合すべきモジュールのタイプを指定するために使用することができる。図示される実施例における図1のポンプ制御モジュール120はDeltaV(登録商標)モジュールであり、従って、ポンプ制御モジュール120と作動するものである。結合型フィールド306に指定された結合型は「DV Module」308である。本明細書に記載されるグラフィックと制御モジュール間の結合(バインド)は、グラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−c)と制御モジュール(例えば、図1のポンプ制御モジュール120)との間にリンク又は関連性を作成するために使用され、それによって、プロセス制御システムにおいて物理的装置又は設備(例えば、装置110a−bおよびポンプ112)を各々の制御モジュールを介して制御および監視するために使用できるプロセス制御システム構成を作成するためにグラフィックを使用できるようにする。
【0032】
特定の有効な結合を形成するために正しくない又は無効である制御モジュール識別子値(例えば、FIC101、FIC102、FLOW−REACTOR(流動反応装置)など)がユーザによって入力されることを実質的に削減するか完全に無くすために、例示的なプロパティ定義UI300の結合型フィールド306を介して指定された結合型を使用し、その後に、指定された結合型と互換性をもつ制御モジュールの制御モジュール識別子だけを提案するようにできる。例えば、図4を参照すると、ユーザがプロパティユーザーインターフェース400を介してポンプグラフィック202bを構成する時に、ユーザは、プロパティ値フィールド402を使用して図1のプロセス制御システム100と関連付けられている制御モジュールの制御モジュール識別子(例えば、FIC101、FIC102など)を指定し、指定された制御モジュール識別子に対応するポンプグラフィック202bに制御モジュールを結合するようにできる。本明細書に示される実施例において、プロパティ値フィールド402は、プロパティ定義UI300にて定義されるモジュールプロパティ404のための制御モジュール識別子フィールド402である。
【0033】
図4に示されるように、ユーザが制御モジュール識別子フィールド402にタイプ入力し始めると、ポンプグラフィック202bに結合できる制御モジュールに対応する識別子の提案又は結合のヒントを含む自動提案ドロップダウン・リスト406が表示される。自動提案ドロップダウン・リスト406における制御モジュール識別子は、図3の結合型フィールド306にて指定された結合型に基づいて、フィルターされて提示される。このように、無効な、又は存在しない識別子をユーザが選択できないように構成されている。本明細書に示される実施例においては、識別子値FIC101が、MODULEプロパティ404に対して自動提案ドロップダウン・リスト406にて選択される。
【0034】
場合によってユーザは、図3の結合型フィールド306に「NONE(該当無し)」310を指定しても良い。結合型が指定されないと(すなわち「該当無し」310を指定すると)、ユーザは、図4の制御モジュール識別子フィールド402に任意の識別子を入力できる。つまり、無効な、又は存在しない識別子をユーザが入力できないようにするための結合型フィルター保護機能が有効になっていないということである。従って、もしユーザが、存在しない識別子、又は、制御モジュールを特定のグラフィックに結合するための有効な結合参照を生成するには有効でない制御モジュールの識別子を入力すると、その結果生成されるグラフィック構成は、無効なものでありえ、意図するように機能しないものとなる可能性がある。
【0035】
図5および図6は、装置又は設備グラフィック要素のプロパティにより参照される値への変更を追跡し伝播するために使用できる例示的な命名・改名技法を描く図である。図5および図6に示される実施例において、命名・改名技法は、制御モジュールの制御モジュール識別子値(例えば、図1の制御モジュール120の識別子FIC101)がグラフィックエディタ・ユーザーインタフェース(例えば、図2のグラフィックエディタUI200)の外部で変更された時点を検出するため、及び、制御モジュールとグラフィック間の結合が有効性を維持した状態で更新された制御モジュール識別子値がポンプグラフィック202bに含まれることを保証するよう識別子の変更をポンプグラフィック202bに伝播するために使用される。図示される実施例では、一つ以上のデータ記憶領域502(例えば、一つ以上のデータベース)は、制御モジュール情報、グラフィックプロパティ定義情報、および制御モジュール(例えば、図1の制御モジュール120)を、各々のグラフィックに(例えば、図2のグラフィック202a−c)に結合するために使用される結合情報を格納するように構成される。例えば、図10を参照すると、データ記憶領域502は、結合情報データ記憶部1010及び/又はグラフィックデータ記憶部1020を含みうる。例示的なデータ記憶領域502は、プロセス制御システム100の任意のプロセッサシステム又はサーバーに格納されるか、及び/又は、プロセス制御システム100に通信可能に連結されることができる。
【0036】
制御モジュール情報を格納するために、例示的なデータ記憶領域502は、複数の制御モジュールデータレコード又はエントリ(図中、うち一つが参照番号504で示されている)を格納する。図示される実施例では、FIC101制御モジュールデータレコード504が、ポンプ112(図1)と関連付けられている図1のFIC101ポンプ制御モジュール120に対応する構成およびプロパティ情報を格納するために使用される。本明細書に示される実施例において、ユーザは、FIC101制御モジュールデータレコード504をエクスプローラのユーザーインターフェース506(例えば、モジュール・エクスプローラ及び/又は選択ユーザーインターフェース)を介して閲覧することができる。このように、ユーザは、制御モジュール120(図1)のインスタンスの一つ以上を使用して、レシピ又は制御法を構築することができる。
【0037】
装置又は設備グラフィックに対応する構成情報を格納するために、例示的なデータ記憶領域502は、複数のグラフィック構成レコード(図中、うち一つが参照番号508により示されている)を格納する。図示される実施例では、グラフィックエディタユーザーインタフェース514において示される「PUMP_1」という名前のグラフィック202bに対応するグラフィック構成データレコード508が、構成情報を格納するために使用される。グラフィックプロパティユーザーインターフェース400(図4)及び/又はグラフィックエディタユーザーインタフェース514を介してユーザにより提示されたプロパティ値は、グラフィック構成データレコード508に格納することができる。図示される実施例ではグラフィック構成データレコード508は、モジュールプロパティ(すなわち、図4のモジュールプロパティ404)と関連するモジュール制御識別子値FIC101を格納した状態で示されている。また、グラフィック構成データレコード508は、グラフィック構成データレコード508が制御モジュール(例えば、図1の制御モジュール120)に結合されているか又は結合されていないかを示すために使用される結合済フラグ(「B」)509も含んでいる。本明細書に示される実施例において、結合済フラグ509は、グラフィック構成データレコード508が結合済であることを示すように「1」に設定されている。グラフィック構成データレコード(例えば、グラフィック構成データレコード508)、即ち対応するグラフィック(例えば、図2および5のポンプグラフィック202b)が結合されていない場合には、その結合済フラグ(例えば、結合済フラグ509)はゼロ(「0」)に設定され、グラフィック構成データレコードは未結合リストに置かれる。
【0038】
どの制御モジュール(例えば、図1の制御モジュール120)がどの設備グラフィック要素(例えば、図2のグラフィック202a−c)に結合されているかを追跡するために、例示的なデータ記憶領域502は、複数の結合参照データレコード510を含んでいる。結合参照510のそれぞれは、結合参照ID、結合型、結合提供機構の名称、および結合値(例えば、FIC101、FIC102など)を含んでいる、結合参照ID(ユーザには未表示であってよい)は、結合参照510のそれぞれにアクセスしてそれを追跡し、結合参照510のそれぞれを装置又は設備グラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−c)に関連付けるために使用される。結合型は、例えば図3の結合型フィールド306への入力に利用可能な結合型など、特定タイプの結合を指定するために使用される。結合提供機構の名称とは、ユーザによる選択用に特定の結合型を提供するために使用される特定の結合提供機構(例えば、図9に関連して後述される結合提供機構902)の名称である。結合値は、特定の制御モジュールの識別子(例えば、図4の自動提案ドロップダウン・リスト406中の制御モジュール識別子)である。例示的な実施形態のいくつかにおいて、結合参照510は、図5において参照番号516で示されるような拡張可能マークアップ言語(XML)形式又はその他任意の適切な形式を使用して実施されうる。図7を手短に参照すると、例示的なクラス図700には、表示定義クラス702を使用してどのように結合参照510を表せるかが示されている。図7に示される実施例における表示定義クラス702は、ポンプグラフィック202b(図2および図5)を形成するために使用される一つ以上の形状に対応する形状要素704と、形状要素704の異なるプロパティを記述するために使用されるプロパティ使用内容説明706、そして例えば、図5の結合参照516において示される情報のタイプなど、指定された結合情報を格納するために使用される結合参照708とを定義することができる。
【0039】
図示される実施例において、結合参照データレコード510は、FIC101制御モジュール情報504に対応する図1の制御モジュール120を、グラフィック構成データレコード508に対応するポンプグラフィック202bに結合するために使用されるFIC101結合参照512を含んでいる。モジュールプロパティ404(図4)に対応する識別子値(すなわちFIC101識別子)がグラフィックエディタ514の外部で異なる値(例えば、LI444)へと変更されると(例えば改名されると)、結合参照512には新規の識別子(例えばLI444識別子)が格納され、それによって、モジュールプロパティ404に対応する更新済みの制御モジュール識別子値に基づいて、ポンプグラフィック202bが自動的に正しい制御モジュールに結合された状態を維持できる。このように、結合参照(例えば、結合参照512)における制御モジュール識別子値の改名により、装置又は設備グラフィックと、その装置又は設備グラフィックと関連するように構成された制御モジュールとの間で有効な結合を維持するべく結合参照の有効性が維持される。
【0040】
図6に示される実施例では、ユーザは、制御モジュール120をLI444に改名する、即ち制御モジュール識別子値をFIC101識別子からLI444に改名するためにエクスプローラ・ユーザーインタフェース506を使用する。エクスプローラ・ユーザーインタフェース506を介するこの変更に応答して、制御モジュール識別子が制御モジュールデータレコード504においてLI444に変更され、結合参照512が、識別子値をFIC101からLI444に変更するべく制御モジュール識別子値FIC101を有するグラフィック構成データレコード508を見つけるために使用される。ユーザが、グラフィックエディタユーザーインタフェース514を使用してポンプグラフィック202b(図2)に対応する構成情報を閲覧表示すると、グラフィック構成データレコード508において指定されるような更新済みの制御モジュール識別子値がLI444として表示される。
【0041】
図8は、装置又は設備グラフィック要素(例えば、図2のポンプグラフィック202b)との結合に向けて選択された制御モジュール識別子の有効性に関するメッセージを提示するために使用できる例示的な検証メッセージ800を示す図である。図示される実施例において、検証メッセージ800は、ユーザ提供の制御モジュール識別子LI443が存在しないこと、又はそれが各々の結合型(すなわち、DeltaV(登録商標)制御モジュール結合型)に対して無効であることを示す。指定された結合型に基づいてユーザ提供の制御モジュール識別子が有効かどうかを検証するために使用されうる例示的な検証工程には、ユーザ提供の識別子を、前回ユーザにより例えば結合型フィールド306を介して指定された結合型と関連付けられている利用可能な識別子と比較することを含む。指定された結合型と関連付けられている制御モジュール識別子が存在しない場合に、検証メッセージ800などの検証メッセージをユーザに提示することができる。それに加えて、又はその代わりとして、本明細書に記載される例示的な方法および装置は、制御モジュール識別子が有効でないことを示すために(例えば、音声警報を発したり、文字列に下線を引いたり、文字列をハイライトで強調表示したり、文字列に取消し線を引いたり、及び/又は、制御モジュール識別子の文字列に関連するその他任意の修正変更を行ったり、など)その他の標示を提示することができる。それに加えて、例示的な方法および装置は、いくつかのグラフィック(例えば、図2のグラフィック構成201)にわたって報告レポートを実行し、有効ではない制御モジュール識別子が存在するかどうかを判断してその結果をユーザ分析用のレポート形式にて提示するように構成することができる。
【0042】
例示的な実施形態のいくつかにおいては、ユーザが、例えば図5のグラフィックエディタユーザーインタフェース514を介して特定のグラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−cのうちの一つ)に関する構成情報の閲覧を依頼(要求)した時点で検証工程を行うことができる。
このように、結合が無効な場合、要求されたグラフィックを表示する前に、又は表示をしないでユーザに検証メッセージを提示することができる。例示的な実施形態のいくつかでは、ユーザがプロパティユーザーインターフェース400(図4)又はグラフィック制作機構のユーザーインターフェース514内で作業を行っている時に検証工程を行うことができる。例えば、ユーザが、別名の付いたパスを決めるべく装置又は設備グラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−cの一つ)のために制御モジュール識別子を提供することを試みる際に、提供された制御モジュール識別子のためのパスが存在するかを判断するために検証工程を使用することができる。例示的な実施形態のいくつかにおいて、ユーザは、正しくない又は無効な結合をそのまま残しておいて、後でその正しくない又は無効な結合に対応する結合型を有する制御モジュール識別子を作成するようにしても良い。このようにして、ユーザが正当な結合型を用いて制御モジュール識別子を作成すると、それ以前は正しくなかった又は無効であった結合が解消され、それ以降の検証工程では、それ以前は正しくなかった又は無効であった結合が有効であると判断されるようになる。
【0043】
図9は、制御モジュール識別子値を選択するために本明細書に記載される例示的な方法および装置を使用できる例示的なイベント処理部ユーザーインターフェース900を描く図である。例示的なイベント処理部ユーザーインターフェース900は、制御モジュールを装置又は設備グラフィックに結合するための上記結合型をどのようにして、その他のタイプのユーザーインターフェースにおいて、(例えば、結合型に基づいた制御モジュール識別子値の自動提案リストなどの)結合ヒントを提供するために、グローバルメソッド(方法)に基づいたパラメータとともに使用できるかを示している。例えば、メソッドパラメータ定義に、定義された結合型を備えるようにして、ユーザが対応するメソッドを呼び出す際に、有効な制御モジュール識別子選択肢のリストが、定義された結合型に基づいて提案され得るようにすることも可能である。図9に示される実施例では、例示的な結合ヒント・リスト902によって、グローバルメソッド「GLOBAL_1」に対して定義される結合型に基づいてフィルターされた制御モジュール識別子の提案が提供されている。また、図5−図7に関連して、上述される改名追跡および検証工程は、プロパティ値のグローバルメソッドへの結合に関連して使用することができる。
【0044】
例示的な実施形態のいくつかにおいて、本明細書に記載される例示的な方法および装置は、異なる制御モジュールを装置又は設備グラフィックに結合するために、ユーザがスクリプト本文(例えば、図9のスクリプト本文904)においてインライン(埋め込み)スクリプト言語を提供することを可能にするために使用できる。例えば、XMLタグ・スクリプト行「<DVモジュール> ”FIC101” </DVモジュール>」において、XMLタグ・スクリプト行は「DVモジュール」という名前の結合型に対して結合名称「FIC101」を定義する。
【0045】
図10は、プロセス制御モジュールを結合するため、結合ヒントを提供するため、そして制御モジュール識別子値への変更をそれら制御モジュール識別子値に結合されている異なるグラフィック要素へと伝播するために使用されうる例示的な装置1000のブロック図である。例示的な装置1000は、一つ以上の結合提供機構1002、グラフィック記憶部提供機構1004、グラフィックエディタ1006およびメモリ1008を含んでおり、これらは全て図示されるように、又はその他任意の適切な方法によって通信可能に連結されうる。例示的な装置1000は、ハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアのあらゆる所望の組合せを使用して実施されうる。
例えば、一つ以上の集積回路、個別半導体構成素子又は受動電子部品を使用できる。それに加えて、又はその代わりとして、例示的な装置1000のブロックのいくつか又は全て、又はその一部分は、例えばプロセッサシステム(例えば、図20のプロセッサシステム2010)により実行されると図16−図19のフローダイアグラムに示される動作を行う、機械アクセス可能な媒体に格納された命令(指示)、コード、その他のソフトウェア及び/又はファームウェアなどの少なくとも一つを使用して実施されてもよい。例示的な装置1000は後述される各ブロックの一つを備えた状態で記載されているが、例示的な装置1000には、後述されるブロックの任意のものを二つ以上備えることができる。さらに、いくつかのブロックを無効にしても、省略しても、又はその他のブロックと組み合わせても良い。
【0046】
図示される実施例において、結合提供機構1002は、結合参照(例えば、図5および図6の結合参照510)および制御モジュール情報(例えば、図5および図6の制御モジュールデータレコード504)を格納するように構成される一つ以上の結合情報データ記憶部1010(例えば、一つ以上の結合情報データベース)に通信可能に連結される。1以上の結合提供機構1002のそれぞれは、各々の結合提供機構登録ファイル1012にプロパティを登録することによりユーザーインターフェース(例えば、図3、図4、図5、図6および図8のユーザーインターフェース)で利用可能な結合サービスとして登録されうる。結合提供機構登録ファイル1012のそれぞれには、それの各々の結合提供機構1002を同定する情報および、結合提供機構1002のインターフェース(例えば、結合型インターフェース1014、照合検索(ブラウズ)インターフェース1016および結合参照管理機構1018)を実施する結合提供機構アセンブリおよびクラスが含まれている。結合提供機構登録ファイル1012は、拡張可能マークアップ言語(XML)形式又はその他任意の適切な形式を使用してグラフィックエディタ1006のディレクトリ(例えば、「<disk>:/<path>/Graphic Editor/Binds」)に格納されうる。
【0047】
図示される実施例において、結合提供機構1002のそれぞれは、異なる結合型(例えば、図3の結合型フィールド306において指定される結合型)に対応する。結合提供機構登録ファイル1012には、結合提供機構1002により実施されたインターフェースの任意のものに関する一つ以上の結合提供機構ID、結合提供機構名称(例えば、「DeltaV(登録商標)」)、内容説明、ダイナミック・リンク・ライブラリ(DLL)ファイル又は.netアセンブリファイル、および結合提供機構1002の各インターフェースに関するクラス名が含まれる。図10に示される実施例において、グラフィックエディタ1006に結合提供機構登録ファイル1012を与えることにより、結合提供機構1002がグラフィックエディタ1006に登録される。
【0048】
結合提供機構1002は、結合型IDのおよび結合型名称を読み出し格納するために結合情報データ記憶部1010にアクセスすることができる。結合型IDは、ユーザには表示されなくてもよいが、結合情報データ記憶部1010内で結合型(例えば、図3の結合型フィールド306の結合型)を参照するために使用される内部IDである。ユーザが選択できるように表示される結合型名称は、例えば結合型フィールド306への入力に利用可能な結合型名称のうちの一つでありうる。結合型名称は、結合型IDに関連付けられるか、又はユーザの現在のロケールを表す文字列(例えば、現在の作業環境のインスタンス)に置かれうる。
【0049】
図10に示されるように、結合提供機構1002は、結合型インターフェース1014、照合検索インターフェース1016および結合参照管理機構1018を提供するように構成されうる。結合型インターフェース1014は、結合情報データ記憶部1010から結合型(例えば、図3の結合型フィールド306の結合型)を読み出すように構成される。図示される実施例では、結合型を読み出すために、結合型インターフェース1014は、例えば例示的なプロパティ定義UI300を介して装置又は設備グラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−c)に関連付けられ得る項目タイプ(例えば制御モジュールタイプ)のリストを提供するために使用できる「GetBindingTypes(結合型取得)」メソッドを実施する。例えば、図3の結合型フィールド306に関連して表示された結合型を読み出すために「GetBindingTypes(結合型取得)」メソッドを使用できる。
【0050】
照合検索インターフェース1016は、照合検索又はINTELLISENSER(登録商標)技術によるサポート(すなわち、ユーザによりタイプ入力された文字に基づいて漸進的にフィルターされる項目の自動提案リストを生成するためのサポート)が望まれる場合に使用できる任意選択的に設けられる(オプションの)インターフェースでありうる。図示される実施例において、照合検索インターフェース1016は、特定のテキストフィールドにユーザによって既に入力されたパス又は文字と一致するユーザ指定の結合型に関する値のフィルターされたリストを返すために使用できる「GetBindingValues(結合値取得)」メソッドを実施する。例えば、図4を参照すると、ユーザがプロパティ値フィールド402に「F」という文字を入力すると、「GetBindingValues(結合値取得)」メソッドは、結合型フィールド306において選択された結合型「DVModule」308に関連する自動提案ドロップダウン・リスト406において「F」の文字で始まる制御モジュール識別子のフィルターされたリストを返す。
【0051】
結合参照管理機構1018は、制御モジュール識別子(例えば、FIC101、FIC102など)への変更を、図5および図6に関連して上記されるように、異なる装置又は設備グラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−c)の全体にわたって伝播するために改名の追跡を実施するために使用されることができる。本明細書に示される実施例において、結合参照管理機構1018は、「LoadBindingReferences(結合参照読込み)」メソッドおよび「SaveBindingReferences(結合参照保存)」メソッドを実施する。「LoadBindingReferences(結合参照読込み)」メソッドは、事前に定義されたグラフィック又はユーザに作成されたグラフィックのための結合参照の文字列(例えば、拡張可能マークアップ言語(XML)又はその他任意の適切な形式での文字列)を読み出すために使用されうる。例えば、図5および図6を参照すると、「LoadBindingReferences(結合参照読込み)」メソッドは、ポンプグラフィック202bに基づき、データ記憶領域502からグラフィックエディタユーザーインタフェース514に結合参照512を供給するために使用できる。「SaveBindingReferences(結合参照保存)」メソッドは結合参照の名称変更を格納するために使用されうる。例えば、図6を参照すると、ユーザがエクスプローラ・ユーザーインタフェース506において名称FIC101をLI444に変更すると、「SaveBindingReference(結合参照保存)」メソッドは結合参照510にLI444名称を格納する。
【0052】
グラフィック記憶部提供機構1004は、グラフィックデータ1022を格納するように構成されるグラフィックデータ記憶部1020(例えば、グラフィックデータベース)に通信可能に連結される。グラフィックデータ1022は、装置又は設備グラフィック(例えば、図2の装置又は設備グラフィック202a−c)および各グラフィックに関するプロパティ及び/又は構成情報(例えば、図5および6のグラフィック構成データレコード508)を含んでいる。グラフィック記憶部提供機構1004は、グラフィックデータ記憶部1020からグラフィックデータ1022を読み出して、この読み出されたグラフィックデータ1022を、ユーザに表示するためにグラフィックデータ1022をメモリ1008に読み込むグラフィックエディタ1006に通信するように構成されている。図示される実施例において、グラフィック記憶部提供機構1004がグラフィックデータ記憶部1020からグラフィックデータ1022を読み出すと、結合参照管理機構1018は、対応する結合参照1024(例えば、図5の結合参照510のうちの一つ)を結合情報データ記憶部1010から読み出して、該結合参照1024を、グラフィックデータ1022と関連する表示のために結合参照1024をメモリ1008に読み込むグラフィックエディタ1006に通信する。グラフィックエディタ1006は、図5および図6のグラフィックエディタユーザーインタフェース514に実質的に類似するか又は同一のものであってよく、例えば図3および図4のユーザーインターフェース300および400に実質的に類似する又は同一のものであるユーザーインターフェースを使用してグラフィック(例えば、図2、図5および図6のグラフィック202b)のプロパティおよび構成を編集するためにユーザにより使用されることができる。
【0053】
図11−図15は、本明細書に記載される例示的な方法および装置を実施するために使用される異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す例示的なオブジェクトベース・プロセス図1100、1200、1300、1400および1500である。オブジェクトベース・プロセス図1100、1200、1300、1400および1500のそれぞれは、図16−図19に示されるもののうち各々のフローダイアグラムに関連して説明される。例示的なプロセス図1100、1200、1300、1400および1500はオブジェクト指向プログラミング命名法に基づいたオブジェクト・インスタンスを使用して説明される。
但し、図16−図19のプロセス図1100、1200、1300、1400および1500、ならびに各々のフローダイアグラムに記載されるプロセスは、オブジェクト指向プログラミング以外のプログラミングのタイプを使用しても実施されうる。
【0054】
図16−図19は、プロセス制御モジュールを結合するため、結合ヒントを提供するため、そして制御モジュール識別子値への変更をそれらの制御モジュール識別子値に結合されている異なるグラフィック要素へと伝播するために、ここに記載される例示的な方法および装置を実施するために使用されうるフローダイアグラムを描く図である。
例示的な実施形態のいくつかにおいて、図16−図19の例示的な方法は、プロセッサ(例えば、図20の例示的なプロセッサシステム2010に示されるプロセッサ2012)により実行されるプログラムを含む機械可読命令を使用して実施されうる。該プログラムは、CD−ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、又はプロセッサ2012に関連するメモリなどの有形媒体に格納されたソフトウェアにて、及び/又は、周知の方法においてファームウェア及び/又は専用ハードウェアにて具現化しうる。さらに、実施例として挙げられるプログラムが図16−図19に示されるフローダイアグラムを参照して説明されているが、通常の技術を有する当業者であれば、その代わりにその他の多くの方法を使用してそれらのプログラムを実施できることが容易に理解できよう。例えば、ブロック又は動作を実行する順序を変更することも可能であるし、記載されるブロック又は動作のいくつかを変更、削除、又は組み合わせることも可能である。図16−図19の例示的な方法は全体として一つのグラフィック要素と当該のグラフィック要素に関する一つの結合参照の処理(例えば、作成する、保存する、読み込むなど)を行っている状態で説明されているが、図16−図19の例示的な方法は、複数のグラフィック要素および複数の結合参照を処理するためにも用いることができる。例えば、図2に示されるようにユーザがプロセスグラフィック表示を作成する場合、設備グラフィック要素202a−cおよび対応する複数の結合参照に対応するグラフィックデータの全てを処理するために図16−図19の例示的な方法を用いることができる。
【0055】
図16に移ると、異なる結合提供機構から結合型を読み出す例示的な方法には、初期段階において1以上の結合提供機構1002(図10)を登録することを伴う(ブロック1602)。例えば、結合提供機構1002のうちの一つは自身を、それの各々の結合提供機構登録情報1012(図10)をグラフィックエディタ1006に提供することにより登録することができる。図11を手短に参照すると、DeltaV(登録商標)結合提供機構が自身を登録する場合、それは、DeltaV(登録商標)結合提供機構オブジェクトグラフィック1102の位置をエディタ1006に提供し、また、資産管理システム(AMS)結合提供機構が自身を登録する場合、それは、AMS結合提供機構オブジェクト1104の位置を提供する。
【0056】
図16に戻って参照すると、その後、グラフィックエディタ1006(図10)は、登録した結合提供機構1002を、例えばローカルメモリ1008に読み込む(ブロック1604)。例えば、グラフィックエディタ1006は、例えば図7の表示定義クラス702などの表示クラスを作成するために結合提供機構登録ファイル1012を読み取ることにより、登録した結合提供機構1002を読み込むことができる。その後、グラフィックエディタ1006は、読み込んだ登録済み結合提供機構1002のそれぞれに対して結合型(ブロック1606)を要求する。例えば、図11を参照すると、図10のグラフィックエディタ1006を実施するために使用できるグラフィックエディタ・オブジェクト1106は、それに関連付けられている一つ以上の結合型を読み出すべくDeltaV(登録商標)結合提供機構オブジェクト1102に結合型要求(Ibinding.GetBindingTypes())を通信でき、それに関連付けられている一つ以上の結合型を読み出すためにAMS結合提供機構オブジェクト1104に結合型要求を通信できる。
【0057】
図16に戻って参照すると、その後、登録済みの結合提供機構1002(図10)は各々のデータ記憶部から各々の結合型(ブロック1608)を読み出す。
例えば、図11を参照すると、DeltaV(登録商標)結合提供機構オブジェクト1102は、その結合型(例えば、「DeltaV(登録商標)モジュール」結合型)を、図10の結合情報データ記憶部1010の一つを使用して実施されうるDeltaV(登録商標)データ記憶部1108から読み出す。AMS結合提供機構1104は、その結合型を、ネットワーク1110を介して別の記憶領域(例えば、遠隔地の記憶場所、第三者の記憶場所など)(図示省略)から読み出す。
【0058】
図16に示されるように、グラフィックエディタ1006はその後、読み出された結合型(ブロック1610)を提示する。例えば、グラフィックエディタ1006は、図3の結合型フィールド306に表示された結合型の一つ以上を表示しうる。図12を手短に参照すると、グラフィックエディタ1006(図10)が1以上の結合型を提示できるようにするために、「モジュール」という名前のプロパティに関する(図3の例示的なプロパティ定義UI300を実施するために使用されうる)プロパティ対話オブジェクト1202は、読み出された1以上の結合型のリスト(例えば、図3の結合型フィールド306に表示された結合型のリスト)にデータを投入するようにDeltaV(登録商標)結合提供機構オブジェクト1102に要求(IBinding.GetBindingTypes())を通信する。
【0059】
図16に戻って参照すると、グラフィックエディタ1006は、ユーザ選択の結合型を受け取り(ブロック1612)、その結合型を装置又は設備グラフィックの結合型プロパティに関連付ける(又は割り当てる)(ブロック1614)。例えば、ユーザは、図3の結合型フィールド306を介して結合型のうちの一つを選択し、選択した結合型を例えば図2、図5、図6および図10のポンプグラフィック202bに関連付けることができる。図12を参照すると、ユーザ選択の結合型をポンプグラフィック202bの結合型プロパティに割り当てるために、「モジュール」という名前のプロパティに関するプロパティ定義オブジェクト1204は、選択された結合型(例えば、「DVモジュール」)を含む結合情報オブジェクト1206を作成する。その後、図16の例示的なプロセスは終了する。
【0060】
ここで図17のフローダイアグラムを参照すると、制御モジュール識別子(例えば、FIC101)を装置又は設備グラフィック要素(例えば、図2、図5、図6および図10のポンプグラフィック202b)に関連付ける例示的なプロセスには、初期段階において一つ以上の登録済み結合提供機構を読み込むことを伴う(ブロック1702)。例えば、図10のグラフィックエディタ1006は、図16のブロック1604に関連して上述されるような結合提供機構1002の一つ以上を読み込むことができる。
その後、グラフィックエディタ1006は、装置又は設備グラフィックに関して構成ユーザーインターフェースを表示する(ブロック1704)。例えば、グラフィックエディタ1006は、図2、図5、図6および図10のポンプグラフィック202bのプロパティを構成できるように、図4のグラフィックプロパティユーザーインターフェース400を表示することができる。図13を手短に参照すると、グラフィックプロパティユーザーインターフェース400を表示するために、プロパティ対話オブジェクト1202は、ポンプグラフィック202bに関連付けられている結合型を受け取るよう、プロパティ定義オブジェクト1204に結合型要求(GetBindingType())を送る。それに対して、プロパティ定義オブジェクト1204は、結合情報オブジェクト1206からポンプグラフィック202bの結合型(例えば、「DVモジュール」)を読み出し、プロパティ対話オブジェクト1202に結合型を返す。結合型をポンプグラフィック202bに関連付けておくことにより、その後、グラフィックエディタ1006が、例えば図4の例示的なプロパティユーザーインターフェース400のプロパティ値フィールド402に関連して当該結合型の制御モジュール識別子の自動提案リストをユーザの使用のために生成できるようにする。
【0061】
図17を再び参照すると、その後、グラフィックエディタ1006は、例えば図4のプロパティユーザーインターフェース400のプロパティ値フィールド402にユーザにより部分的に入力された制御モジュール識別子値を検出する(ブロック1706)。この部分的なユーザ入力は、一連の文字、数字、記号などでありうる。その後、グラフィックエディタ1006は、照合検索インターフェース1016(図10)が利用可能かどうか判断する(ブロック1708)。例えば、照合検索インターフェース1016が有効に設定された機能でないと、グラフィックエディタ1006は、グラフィックの特定の結合型に関連付けられている利用可能な制御モジュール識別子の自動提案リストを提示することができない。即ち、グラフィックエディタ1006は、図4に示されるような自動提案ドロップダウン・リスト406に制御モジュール識別子値の一覧を提示することができない。照合検索インターフェース1016が利用可能でないとグラフィックエディタ1006が判断すると(ブロック1708)、その後グラフィックエディタ1006は、ユーザが例えばプロパティ値フィールド402に制御モジュール識別子を入力し終えることを許可する(ブロック1710)。
【0062】
照合検索インターフェース1016が利用可能であるとグラフィックエディタ1006が判断すると、(ブロック1708)、グラフィックエディタ1006は、ポンプグラフィック202bに関連付けられている結合型(例えば、「DVモジュール」)と部分的なユーザ入力を結合提供機構1002の一つに受け渡す(ブロック1712)。例えば、図13を参照すると、「モジュール」という名前のプロパティに関するプロパティ対話オブジェクト1202は、結合型および部分的なユーザ入力(例えば、パスの一部分)を、当該結合型に関連付けられている制御モジュール識別子値を受け取るようにとの要求(IBrowse.GetBindingValues(結合型、パス))を介してDeltaV(登録商標)結合提供機構1102へと伝える。図17に示されるように、その後、照合検索インターフェース1016(図10)は、結合型に関連付けられている制御モジュール識別子値のリストを読み出すべくデータ記憶部1010(図10)の一つに問い合わせ(クエリー)を行う(ブロック1714)。その後、結合提供機構1002は、データ記憶部1010から読み出された制御モジュール識別子値を受け取る(ブロック1716)。
【0063】
結合提供機構1002又はグラフィックエディタ1006は、プロパティ値フィールド402(図4)に入力された部分的なユーザ入力に基づき受け取った制御モジュール識別子値をフィルターする(ブロック1718)。このようにしてグラフィックエディタ1006は、ユーザの部分的な入力と一致する制御モジュール識別子値だけを提示することができる。例えば、図4に示されるように、ユーザが「F」という文字をタイプ入力するのに応答して、自動提案ドロップダウン・リスト406は、「F」という文字で始まる制御モジュール識別子値を提示する。その後、グラフィックエディタ1006は、例えば図4の自動提案ドロップダウン・リスト406を介してフィルターされた制御モジュール識別子値を提示する(ブロック1720)。その後、グラフィックエディタ1006は、例えばユーザが自動提案ドロップダウン・リスト404における値の一つを選択するのに応答して、或いはユーザがブロック1710で制御モジュール識別子値を入力するのに応答して、ユーザ選択の制御モジュール識別子値を受け取る(ブロック1722)。例示的な実施形態のいくつかでは、図17の例示的な方法は、グラフィックエディタ1006がブロック1710で提供されたユーザ入力値がグラフィック要素に対する有効な結合参照を作成するために使用できることを確認するために、該ユーザ入力値の検証動作を行う検証動作を含むように修正変更できる。ユーザ入力値が有効でない場合、例えば図8の例示的な検証メッセージ800を介して警告をユーザに表示することができる。
【0064】
その後、グラフィックエディタ1006は、ユーザ選択の制御モジュール識別子値に基づいて結合参照(例えば、図10の結合参照1024の一つ)を作成する(ブロック1724)。例えば、図13を参照するに、プロパティ対話オブジェクト1202は、ユーザ選択の制御モジュール識別子値を含む「モジュール」という名前のプロパティに関するプロパティオブジェクト1302にプロパティ値設定要求(SetPropertyValue)を通信することができ、プロパティオブジェクト1302は、その値(SetValue())を、ユーザ選択の制御モジュール識別子値(例えば、FIC101)に設定することができる。その後、プロパティオブジェクト1302は、結合型取得要求(GetBindingInfo())を用いて「DVモジュール」という名前の結合型に関する結合情報オブジェクト1206からポンプグラフィック202bの結合型を得て、結合型(例えば、「DVモジュール」)およびユーザ選択の制御モジュール識別子値(例えば、FIC101)に基づいて結合参照オブジェクト1304を作成することができる。図17に戻って参照すると、グラフィックエディタ1006は、ローカルメモリ1008(図10)に結合参照オブジェクト1304を格納する(ブロック1726)。その後、図17の例示的な方法は終了する。
【0065】
図18に移って参照すると、結合参照(例えば、図10の結合参照1024の一つ)を格納するために使用できる例示的な方法は、グラフィック要素を保存するとのユーザ要求を初期段階において受け取ることを伴う(ブロック1802)。例えば、ユーザは、図2、図5、図6および図10のポンプグラフィック202bを保存するオプションを選択できる。グラフィックエディタ1006は、ローカルメモリ1008(図10)からポンプグラフィック202bに関連付けられている結合情報を抽出して(ブロック1804)、あらかじめ定められた形式で結合情報および関連付けられている制御モジュール識別子値を配置することによって、結合参照(例えば、図10の結合参照1024)を生成する(ブロック1806)。あらかじめ定められた形式は、例えば図5の参照番号516により示される結合参照のXML形式など、グラフィックエディタ1006の外部で使用できるものであってよい。例えば、図14を参照すると、グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、結合参照オブジェクト1406を形成するために、表示オブジェクト1402、形状オブジェクト1404、プロパティオブジェクト1302を介して結合情報(例えば、結合提供機構名称、結合型および制御モジュール識別子値)をフォーマット(例えば、シリアル化)できる。
【0066】
グラフィックエディタ1006は、ポンプグラフィック202bのグラフィックデータ1022をグラフィック記憶部提供機構1004へと送り(ブロック1808)、グラフィック記憶部提供機構1004は、グラフィックデータ1022をグラフィックデータ記憶部1020(図10)に格納する(ブロック1810)。その後、グラフィックエディタ1006は、結合参照に1024を結合提供機構1002(図10)に送り(ブロック1812)、結合提供機構1002はデータ記憶部1010の一つに結合参照1024を格納する(ブロック1814)。例えば、図14を参照すると、グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、記憶部提供機構オブジェクト1408への保存要求(Save(xmlGraphic, xmlBindingReferences))を伝えることによりグラフィックデータ1022と結合参照1024を格納するために記憶部提供機構オブジェクト1408を使用することができる。その後、記憶部提供機構オブジェクト1408は、結合提供機構1002(図10)が結合参照1024をデータ記憶部1010(図10)に格納できるようにするために、結合参照1024を、DeltaV結合提供機構1102(IBindingReferenceManager.SaveBindingReferences(”xmlBindingReference”))に伝える。それに加えて、記憶部提供機構オブジェクト1408は、図10のグラフィック記憶部提供機構1004を実施するために使用されうるグラフィックデータベースサーバ・オブジェクト1410にグラフィックデータ1022を通信することができる。このように、グラフィック記憶部提供機構1004は、グラフィックデータ記憶部1020にグラフィックデータ1022を格納することができる。
【0067】
図18に戻って参照すると、その後、結合提供機構1002は、もはや使用されていないデータ記憶部1010にある結合参照の全てを削除する(ブロック1816)。例えば、図6を参照すると、結合参照FIC101がLI444に変更されると、データ記憶部1010にあるFIC101という標識の付いた結合参照が削除される。即ち、結合参照識別子FIC101がLI444に変更された後に、LI444の結合参照が、ポンプグラフィック202bを特定の制御モジュール(例えば、図1のポンプ制御モジュール120)に結合するために使用される。さもなければ、結合参照が重複して問題(例えば、システム同士の競合)を引き起こしうる。その後、図18の例示的な方法は終了される。
【0068】
図19を参照すると、図中のフローダイアグラムは、直近の結合参照情報を使用して装置又は設備グラフィック要素(例えば、図2、図5、図6および図10のポンプグラフィック202b)を読み込むために使用されうる例示的な方法を描くものである。図19の例示的な方法は、結合参照における制御モジュール識別子値への変更(例えば、上記のようなFIC101のLI444への変更)を、対応する装置又は設備のグラフィックがグラフィックエディタ1006により読み込まれた時に当該グラフィックに伝播するためにも使用できる。例えば、結合参照1024がデータ記憶部1010の一つに格納された後に、ユーザが、グラフィックエディタ1006の外部で(例えば、図5のエクスプローラ・ユーザーインタフェース506において)結合参照1024(図10)の制御モジュール識別子値を変更すると、この変更の記録は、グラフィックエディタ1006には保存されない。但し、図19の例示的な方法を使用することにより、グラフィックエディタ1006がグラフィックを読み込んだ時に、結合参照1024の新規の制御モジュール識別子値が、対応するグラフィック(例えば、ポンプグラフィック202b)に対して更新されることが可能になる。
【0069】
図19に示されるように、最初に、グラフィックエディタ1006はユーザに要求されたグラフィックを読み出す(ブロック1902)。例えば、グラフィックエディタ1006は、当該グラフィックを読み込む又は当該グラフィックを含む表示を読み込むようにとのユーザ要求に応答して、ポンプグラフィック202bを読み出しうる。ポンプグラフィック202bに対応する結合提供機構1002は、データ記憶部1010(図10)の一つからポンプグラフィック202bに関する更新済み結合参照を読み出す(ブロック1904)。更新済み結合参照は、グラフィックエディタ1006の外部でユーザにより結合参照になされたあらゆる変更を含む直近の情報を有する結合参照であってよい。
【0070】
グラフィックエディタ1006がブロック1902に関連してグラフィックデータ1022を読み出しうる例示的な方法および、結合提供機構1002がブロック1904で更新済み結合参照を読み出しうる例示的な方法が、図15に示されている。例えば、図15を参照すると、グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、ユーザに要求されたグラフィックに対応するローカルメモリ1008におけるグラフィックとおよび結合参照識別子情報に基づいて読込み要求(Load(xmlGraphic、xmlBindingReferences)を記憶部提供機構オブジェクト1408に通信しうる。記憶部提供機構オブジェクト1408は、DeltaV(登録商標)結合提供機構オブジェクト1102に結合参照要求(IBindingReferenceManager.LoadBindingReferences(”xmlBindingReference”))を通信でき、且つ、グラフィックデータベースサーバ・オブジェクト1410にグラフィックデータ要求(LoadGraphic(xmlGraphic))を通信できる。このように、結合提供機構1002は、データ記憶部1010から更新済み結合参照を読み出すことができ、また、グラフィック記憶部提供機構1004はグラフィックデータ記憶部1020からグラフィックデータ1022を読み出すことができる。
【0071】
図19に戻って参照すると、グラフィックエディタ1006は、ローカルメモリ1008においてポンプグラフィック202bのメモリモデルを構築する(ブロック1906)。例えば、図15に示されるように、グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、読み出されたグラフィックデータ1022を含むグラフィックメモリモデルを作成する要求(Create(xmlGraphic))を、表示オブジェクト1402、形状オブジェクト1404、プロパティオブジェクト1302および結合参照オブジェクト1406に伝えることができる。グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、ユーザが同じグラフィックで作業を行うために選択した前回のセッションの間にグラフィックエディタ1006によりローカルメモリ1008に格納された値に基づいてグラフィックメモリモデルを構築する。従って、いくつかの値は、ブロック1904で読み出された更新済み結合参照における値とは異なりうる。失効している可能性のある結合参照がグラフィックメモリモデルに対して読み込まれていることを示すために、結合参照オブジェクト1406は、結合参照オブジェクト1502のリストに、読み込んだ結合参照に関する結合参照識別子(例えば、「Ref1」)を追加する。
【0072】
図19に示されるように、その後、結合提供機構1002は、更新済みの結合参照のXML表示を再構築する(ブロック1908)。例えば、図15に示されるように、グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、ブロック1904で表示オブジェクト1402に読み出された更新済み結合参照情報を含む回復要求(RestoreBindingReferences(xmlBindingReference))を通信することができる。図19に示されるように、その後、グラフィックエディタ1006は、ローカルメモリ1008のメモリモデルにおける失効した制御モジュール識別子値を、更新済み結合参照における対応する更新済み制御モジュール識別子値に置き換える(ブロック1910)。例えば、図15を参照すると、表示オブジェクト1402は、結合参照オブジェクト1502のリストに回復要求(Restore(xmlBindingReference))を伝えることができ、結合参照オブジェクト1502のリストは、結合参照オブジェクト1406に更新要求(Update(xmlBindingReference)を伝えることができる。このように、結合参照オブジェクト1406は、結合参照識別子(例えば、「Ref1」)に基づいて結合提供機構1002から更新済みの制御モジュール識別子値(LI444)を読み出して、ポンプグラフィック202bに更新済みの制御モジュール識別子値(LI444)を関連付けるために、前回の失効している制御モジュール識別子値(FIC101)を更新された制御モジュール識別子値(LI444)と置き換える(つまり、それによって失効した制御モジュール識別子値(FIC101)のポンプグラフィック202bとの関係を切り離す)ことにより更新済みの制御モジュール識別子値(LI444)を格納することができる。例示的な実施形態のいくつかにおいては、ブロック1904で読み出された更新済み結合参照情報における制御モジュール識別子値がブロック1906でローカルメモリ1008に読み込まれたグラフィックメモリモデルにおける制御モジュール識別子値と異なる場合、結合参照オブジェクト1502のリストは結合参照オブジェクト1406への更新要求のみを伝える。その後、グラフィックエディタ1006は更新済みの制御モジュール識別子値を表示する(ブロック1912)。その後、図19の例示的な方法は終了する。
【0073】
図20は、本明細書に記載される装置および方法を実施するために使用できる例示的なプロセッサシステム2010のブロック図である。図20に示されるように、プロセッサシステム2010は相互接続バス2014に連結されるプロセッサ2012を含んでいる。プロセッサ2012には、レジスタセット又はレジスタ領域2016が含まれている。このレジスタセット又はレジスタ領域2016は、図20において完全にチップ上に備えられた状態で示されているが、その代わりとして、完全に又は部分的にチップ外に備えられた状態で、専用の電気接続を介して、及び/又は相互接続バス2014を介して、プロセッサ2012に直接連結することも可能である。プロセッサ2012には、適切なプロセッサ、処理装置又はマイクロプロセッサであれば如何なるものでも使用できる。図20には図示されていないが、システム2010は、マルチプロセッサシステムでありえ、従ってプロセッサ2012と同一である又は類似する且つ相互接続バス2014に通信可能に連結される一つ以上のさらに追加された別のプロセッサを含みうる。
【0074】
図20のプロセッサ2012は、メモリーコントローラー2020および周辺入出力(I/O)コントローラ2022を含むチップセット2018に連結される。周知のように、チップセットは一般に、チップセット2018に連結される一つ以上のプロセッサによりアクセス可能であるか使用される複数の汎用及び/又は専用レジスタやタイマーなどに加え、入出力および記憶管理機能を備える。メモリ制御器2020は、プロセッサ2012(又は、複数のプロセッサが備えられている場合は「複数のプロセッサ」)がシステム・メモリ2024および大容量記憶メモリ2025にアクセスできるようにする機能を果たす。
【0075】
システム・メモリ2024は、例えば静的ランダムアクセス記憶装置(SRAM)、動的ランダムアクセス記憶装置(DRAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリなど(ROM)など所望のあらゆるタイプの持久及び/又は揮発性記憶装置を含みうる。大容量記憶メモリ2025は、ハードディスクドライブ、オプティカルドライブ、テープ記憶装置などを含む所望のあらゆるタイプの大容量記憶装置を含んでいてもよい。
【0076】
周辺I/Oコントローラ2022は、周辺I/Oバス2032を介して、周辺入出力(I/O)装置2026および2028、ならびにネットワーク・インターフェース2030とプロセッサ2012が通信することを可能にする機能を果たす。I/O装置2026および2028には、例えば、キーボード、ビデオディスプレイ又はモニター、マウスなど、所望する任意のタイプのI/O装置を使用しうる。ネットワーク・インターフェース2030は、例えばイーサネット(登録商標)装置、非同期転送モード(ATM)装置、802.11装置、DSLモデム、ケーブルモデム、セルラーモデムなどでありえ、プロセッサシステム2010が別のプロセッサシステムと通信することを可能にする。
【0077】
メモリ制御器2020とI/Oコントローラ2022は、図20においてチップセット2018内の別々の機能ブロックとして表されているが、これらのブロックにより実行される機能は、単一の半導体回路内に統合しても、個別の集積回路を2つ以上用いても実施できるものである。
【0078】
本明細書には実施例として挙げられる特定の方法、装置および製造品が記載されているが、本発明の適用領域の範囲はそれに限定されるものではない。逆に、本発明は、字義的にもしくは均等論に基づいて添付の特許請求の範囲内に公正に含まれる方法、装置および製造品の全てを網羅するものである。
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してプロセス制御システムに関し、より具体的には、プロセス制御システムにおいてプロパティ(性状)を結合する方法、装置、及び機械アクセス可能媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
化学薬品処理工程、石油精製工程又はその他のプロセスにおいて使用されるようなプロセス制御システムには、一般に、アナログバス、デジタルバス又はアナログ・デジタル混在バスを介して、少なくとも一つのホスト又はオペレーターワークステーションと、一つ以上のフィールド装置に通信可能に連結された、一つ以上のプロセスコントローラおよび入・出力(I/O)装置が含まれている。フィールド装置は、例えば、バルブ、バルブ・ポジショナ、スイッチおよびトランスミッタ(例えば、温度、圧力、流量センサ)などでありえ、バルブの開閉や工程パラメータの測定などのプロセス内における機能を行う。プロセスコントローラは、フィールド装置により生成された工程計測及び/又はフィールド装置に関するその他の情報を示す信号を受信し、制御モジュールを介して制御ルーチンを実施するためにこの情報を使用し、その後、プロセスの動作を制御するために、フィールド装置にバス又はその他の通信回線を通じて送信される制御信号生成する。このようにして、プロセスコントローラは、フィールド装置を通信可能に連結するバス及び/又はその他の通信リンクを介してフィールド装置を使用し、制御手法を実行および協調させることができる。
【0003】
多くの場合プロセス制御システムは、製品を生産するために制御モジュールに準じて処理を行うように構成されている。製品の設計又は技術担当者は、設計時間中に制御モジュールを用意し、後でプロセス制御システムによって複数回使用できるようにその制御モジュールを格納(記憶)する。一般に、制御モジュールは、処理を行うために、プロセス制御システムにおいて成分の運搬や混合などを行うプロセス設備(例えば、タンク、大樽、混合機、ボイラ、蒸発器、ポンプ、バルブ、など)を制御するための構成情報を含んでいる。プロセス制御システムの動作を可能にするには、プロセス制御システムの設備又は装置(例えば、ポンプ、バルブ、混合機、ボイラ、センサ、など)も構成されなければならない。レシピおよび当該レシピと関連する装置構成情報は、プロセスレシピの変更とともに、及び/又はプロセス制御システム内の設備又は装置の変更とともに、何回でも更新又は改訂できる。変更が加えられる度に、ユーザは、正しく正当な値に変更されていることを確かめ、制御モジュール又は構成情報が参照される全ての箇所にも適切に変更がなされることを確かめなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、プロセス制御システムにおける構成要素のプロパティが有効に結合されることを支援するプロパティを結合する方法、装置、及び機械アクセス可能記憶媒体を提供すること、及び、構成要素のプロパティに変更が生じた場合にも、その変更を追跡し、変更したプロパティを参照する箇所に伝播して有効な結合状態を維持できるようにする、プロパティの結合参照を更新する方法、装置、及び機械アクセス可能記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、プロセス制御システムにおけるプロパティを結合(バインド)するための例示的な装置、方法、及び機械アクセス可能媒体について説明する。本明細書記載の実施例による方法は、結合型を構成(コンフィギュレーション)要素のプロパティに関連付けることを含み、その後、前記結合型と関連する複数の値に基づいて、プロパティに関する複数の値が読み出される。複数の値の少なくともいくつかがユーザに提示される。また、例示的な方法は、複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザが選択した値を受け取り、前記ユーザ選択の値を構成要素に結合する結合参照(バインディング・リファレンス)を生成することを含む。
【0006】
本明細書記載の別の実施例による装置は、構成要素のプロパティに関する値を複数読み出すための結合提供機構が含まれている。結合提供機構は、プロパティと関連する結合型に基づいて複数の値を読み出す。また、前記装置には、前記複数の値の少なくともいくつかをユーザに提示するための要素エディタが含まれている。さらに、要素エディタは、複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザに選択された値を受け取り、前記ユーザに選択された値を構成要素に結合するために結合参照を生成するためのものである。
【0007】
本発明の第1の態様は、プロセス制御システムにおけるプロパティを結合する方法であって、構成要素のプロパティに結合型を関連付け、前記結合型に関連付けられている、プロパティに関する複数の値を読み出し、ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示し、複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取し、ユーザ選択値を構成要素に結合するための結合参照を生成することを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の態様は、プロセス制御システムにおけるプロパティを結合する装置であって、構成要素の複数のプロパティに関する複数の値を、プロパティに関連付けられている結合型に基づいて読み出すための結合提供機構と、ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示し、複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取り、ユーザにより選択された値を構成要素に結合するための結合参照を生成するための、要素エディタ(編集手段)と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の態様は、命令を格納して有する機械アクセス可能な媒体であって、前記命令は実行されると機械に、結合型を構成要素のプロパティに関連付けさせ、前記結合型に関連付けられている、プロパティに関する複数の値を読み出させ、ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示させ、複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取らせ、ユーザにより選択された値を構成要素に結合するための結合参照を生成させることを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の態様は、プロセス制御システムにおいて結合参照を更新する方法であって、構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出し、前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込み、更新済み結合参照の更新済み識別子を前記構成要素に関連付けること、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の態様は、プロセス制御システムにおいて結合参照を更新する装置であって、構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出す結合提供機構と、前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込むためのエディタ・オブジェクトと、前記構成要素に更新済みの結合参照の更新済みの識別子を関連付ける結合参照オブジェクトと、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第6の態様は、命令を格納して有する機械アクセス可能媒体であって、前記命令は実行されると機械に、構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出させ、前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込ませ、更新済みの結合参照の更新済みの識別子を前記構成要素に関連付けさせることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例として挙げられるプロセス制御システムを示すブロック図である。
【図2】図1の例示的なプロセス制御システムのプロセス制御装置を表すグラフィック(図形)要素およびグラフィック要素間の相互接続を含む例示的なグラフィカル・ユーザーインターフェース(GUI)を描く図である。
【図3】グラフィック要素のプロパティを作成し定義するために使用される例示的なプロパティ定義ユーザーインターフェースを示す図である。
【図4】グラフィック要素のプロパティを構成するためにユーザーインターフェースが使用した例示的なグラフィック要素プロパティを示す図である。
【図5】グラフィック要素のプロパティにより参照された値への変更を追跡及び伝播するために使用できる例示的な命名および改名法を描く図である。
【図6】グラフィック要素のプロパティにより参照された値への変更を追跡及び伝播するために使用できる例示的な命名および改名法を描く図である。
【図7】表示定義クラスを用いてどのように結合参照を表すことができるかを示す例示的なクラス図を描く図である。
【図8】グラフィック要素を制御モジュールに結合することについて、選択された制御モジュール識別子の有効性に関するメッセージを提示するために使用できる例示的な検証メッセージを描く図である。
【図9】本明細書に記載される例示的な方法および装置が制御モジュール識別子値を選択するために用いることができる例示的なイベント処理部ユーザーインターフェースを描く図である。
【図10】本明細書に記載されるプロセス制御モジュールをグラフィック要素に結合するために使用できる例示的な装置のブロック図である。
【図11】異なる結合提供機構を使用して結合型を読み出す際の異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す例示的なオブジェクトベース・プロセス図である。
【図12】グラフィック要素のプロパティに結合型を割り当てる際の、異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す例示的なオブジェクトベース・プロセス図である。
【図13】結合参照を作成する際の、異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す例示的なオブジェクトベース・プロセス図である。
【図14】結合参照を保存する際の、異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す別の例示的なオブジェクトベース・プロセス図である。
【図15】更新された結合参照情報を使用してグラフィック要素を読み込む際の、異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す別の例示的なオブジェクトベース・プロセス図である。
【図16】異なる結合提供機構を使用して結合型を読み出すのに使用できる例示的な方法のフローを示す図である。
【図17】制御モジュール識別子を装置又は設備グラフィック要素に関連付けるために使用できる例示的な方法のフローを示す図である。
【図18】結合参照を格納するために使用できる例示的な方法のフローを示す図である。
【図19】更新される結合参照情報を使用してグラフィック要素を読み込むために使用できる例示的な方法のフローを示す図である。
【図20】本明細書に記載される例示的な方法および装置を実施するために使用できる例示的なプロセッサシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、数ある構成部分の中でも特に、ハードウェア上で実行されるソフトウェア及び/又はファームウェアを含んだ状態で例示的な方法および装置が説明されているが、これらの実施例は単なる例示に過ぎず、本発明を制限するものではないと理解されたい。例えば、当該ハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェア構成要素のいずれか又は全ては、ハードウェアのみ、又はソフトウェアのみ、或いはハードウェアとソフトウェアのあらゆる組合せでも具体化できるものとして考慮されるべきである。従って、実施例として挙げられる方法及び装置が以下に説明されているが、通常の技術を有する当業者であれば、本明細書に提供される実施例がこれらの方法と装置を実施する唯一の手段ではないことは容易に理解できるはずである。
【0015】
本明細書に記載される例示的な方法および装置は、プロセス制御システムにおける制御手法を実施するために使用される要素(エレメント)又はメソッドのプロパティに値を結合(バインド)するために使用できる。例示的な方法および装置は特に、要素又はメソッドの特定のプロパティに結合できる複数の可能値を、結合型に基づいて値の部分集合又は異なる群に分類又はセグメント化するために結合型情報が使用される制御方式環境において、要素又はメソッドに対して結合型情報をユーザが関連付けられるようにすることによって実施できる。要素又はメソッドに結合型を関連付けることにより、要素又はメソッドのプロパティに関して間違った値又は無効な値をユーザが入力してしまう可能性を実質的に削減又は完全に消去することが可能になる。例えば、ユーザがプロパティの値を設定又は変更しようと試みる際に、プロパティフィールドは、そのプロパティの結合型と関連付けられている値だけを自動的に提案できる。それに加えて、本明細書に記載される例示的な方法および装置は、有効な結合参照(例えば、有効な制御モジュール又はその他の有効な対象標的に結びつく有効な結合参照)を生成するためにプロパティ値の各々のプロパティと関連付けられている結合型に基づいてユーザ提供のプロパティ値が正当(有効)であることを保証するべく、該ユーザ提供のプロパティ値を検証するためにも使用できる。
また、本明細書に記載される例示的な方法および装置は、構成(コンフィギュレーション)要素(例えば、グラフィック要素)のプロパティ値への変更を、例えば当該変更がエディタ環境の外部でこれらの構成要素又はメソッドに対してなされた時などに追跡するためにも使用できる。この方法により、以降行われる当該構成要素又はメソッドのインスタンスに、更新済みのプロパティ値が含まれるようになる。
【0016】
本発明では、グラフィックエディタ(これを介してユーザは、プロセス制御システムにおけるグラフィック、又は装置・設備のグラフィック描写表現のプロパティ値を作成及び/又は編集できる)を実施するために使用されるヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)に関連して、例示的な方法および装置を説明する。HMIは、グラフィカル・ユーザーインターフェースを提供する。このグラフィカル・ユーザーインターフェースを介して、ユーザは、プロセス制御装置又は設備を表すように一つ以上の形状(型)からグラフィックを設計し、グラフィックを使用して構成された制御モジュールを介してプロセスを監視及び/又は制御できるようにするためにグラフィックの異なるプロパティを設定できる。本明細書では、プロセス制御システムのプロセス制御モジュールが、プロセス制御システム装置又は設備、或いはプロセス制御システムの機能のグラフィック描写表現に結合するために使用されるものとして例示的な方法および装置を説明する。プロセス制御システム装置の例としては、フィールド装置(例えば圧力センサ、温度センサ、弁制御器、レベルセンサなど)、プロセス制御装置(例えば混合機、ポンプ、バルブ、ボイラ、熱交換器、加熱炉など)、制御装置(例えばコントローラ、プログラム可能論理制御装置(PLC)、分散型制御システム(DCS)コントローラ、入出力(I/O)装置など)などが挙げられる。本明細書に記載される例示的な方法および装置は、ユーザがグラフィックエディタ環境においてグラフィック要素を定義又は構成する間に、装置又は設備グラフィック要素との結合に利用可能なプロセス制御モジュールの名称又は識別子を、当該グラフィック要素と関連付けられている特定の結合型に基づいてユーザ(例えばエンジニア、プログラマなど)に提供するような、自動提案処理を使用するように構成されうる。自動提案処理に加えて、又は自動提案プロセスの代わりに、自動補完処理やインテリセンサー(INTELLISENSER(登録商標))技術による処理、又はその他任意の適切な処理を、本明細書に記載されるように、結合型に基づいて制御モジュールの名称又は識別子を提示するために使用できる。それに加えて、プロセス制御モジュールの名称又は識別子値を、当該値が後になってグラフィックエディタ環境外で変更された場合などに、異なるグラフィック要素においてこれらが自動的に変更されるようにするためにも、本明細書に記載される例示的な方法および装置を使用できる。このようにして、グラフィック要素が、正しく各々の制御モジュールに結合された状態を維持できるのである。
【0017】
周知のプロセス制御システム用ユーザーインターフェース表示ディスプレイにおいては、ユーザが例えばプロセス制御ルーチンを作成、構成、又は定義する際に文字列を入力しなければならない箇所が多くある。例えば、ユーザが画面上でプロセス設備グラフィック要素(例えばポンプ、混合機、ヒータなどプロセス設備の描写表現)を選択又は作成する場合、グラフィック要素の名称やツールチップ(説明表示)の記述、及び/又はその他の情報を定義するオプション(選択肢)がユーザに提供される。多くの場合これらの値は文字列を用いて格納されるが、場合によっては構成又は定義の間に提供された値は単なる文字列以上のものである。いずれの場合も、提供された文字列が正当(有効)であることを確かめる構成の検証が行われないと、意図した構成が実施されるという保証はない。
【0018】
プロセス制御システムを構成するために使用される周知の技法とは異なり、本明細書に記載される例示的な方法および装置を使用すれば、ユーザ提供の情報が正当なプロセス制御ルーチン、レシピなどを生成するのに有効なものであることを、周知の技法よりも比較的確実に保証して提供できる。例えば本明細書に記載される例示的な方法および装置は、ユーザがポンプのグラフィックを作成し、特定の制御モジュール結合型を該ポンプのグラフィックに関連付ける場合、該グラフィックと関連付けられているユーザ指定の制御モジュール結合型に基づいて、選択されたポンプのグラフィックとの結合に利用可能な制御モジュール名又は識別子値の一覧リストをユーザに提案又は提示するように使用できる。このようにして、ユーザが、無効なグラフィック構成を作成する結果になるような不正又は無効な制御モジュール(例えば、存在しない制御モジュール、或いは装置又は設備グラフィック要素と互換性がない制御モジュール)を、装置又は設備グラフィック要素と結合してしまうことを防止できる。加えて、プロセス制御ルーチンのグラフィック描写表現の有効性を維持するためには、本明細書に記載される例示的な方法および装置を使用すれば、制御モジュールの名称又は識別子が(例えば、グラフィックエディタの外部で)変更又は改名された時にはそれを検出し、その識別子に結合されている対応するグラフィックにおける制御モジュールや装置又は設備の名称もしくは識別子を更新できるようにする。対応するグラフィック要素がその後グラフィックエディタ又は制御部のグラフィックHMI実行時(ランタイム)ソフトウェアに読み込まれた場合、それが結合される制御モジュール識別子値への結合状態が更新されることになり、それによってグラフィック要素および制御モジュール間の結合の有効性が維持される。このようにすれば、ユーザが、制御モジュール識別子値の名称を更新するためにプロセス装置のグラフィック要素をそれぞれ閲覧してマニュアル操作で再構成する必要がなくなる。
【0019】
以下、例示的な方法および装置を制御モジュールに関連して説明するが、例示的な方法および装置はレシピ(例えばバッチレシピ)に関連して使用することもできる。本明細書に記載される図で示した実施例において、制御モジュールは、外部の行為(例えば、オペレータにより、又はレシピプロセス)により停止されるまで繰り返し又は連続的に作動する処理過程又は動作であり、レシピ(例えばバッチレシピ)は起点および終了点を有する処理過程である。例えば、制御モジュールがその構成に則ってある一連の動作を終了すると、制御モジュールは、始点に戻り同じ動作を再度実行する。一方、レシピがその構成に則って特定の目標に達すると(例えば、レシピがある一定数量のペンキを製造し終えると)、レシピはそこで停止する。
【0020】
ここで図1を参照すると、本明細書に記載される例示的な方法および装置を実施するために使用できる例示的なプロセス制御システム100には、ワークステーション102(例えばアプリケーションステーション、オペレータステーションなど)およびコントローラ106が含まれうる。ここで、ワークステーション102およびコントローラ106は両方とも一般的にアプリケーション制御ネットワーク(ACN)と呼ばれるローカル・エリア・ネットワーク(LAN)108又はバスを介して通信可能に連結されてよい。LAN108は所望のあらゆる通信媒体およびプロトコルを使用して実施されうる。例えば、LAN108は、ハードワイヤード又はワイヤレス・イーサネット(登録商標)通信方式に基づいても良い。これについては周知の方式であるため、本明細書においてさらに詳しく説明しない。しかしながら、通常の技術を有する当業者ならば、その他のあらゆる適切な通信媒体およびプロトコルを使用できることは一目瞭然のはずである。さらに、LANが一つだけ備えられた状態で図示されているが、二つ以上のLANおよびワークステーション102内の適切な通信系ハードウェアを使用して、ワークステーション102と別の同じようなワークステーション(図示せず)との間に冗長通信路を備えるようにしても良い。
【0021】
ワークステーション102は、一つ以上の情報技術(IT)アプリケーション、ユーザ対話型アプリケーション、及び通信アプリケーションの少なくとも一つに関連した操作を行うように構成できる。例えば、ワークステーション102は、所望のあらゆる通信媒体(例えば、ワイヤレス、ハードワイヤードなど)およびプロトコル(例えば、HTTP、SOAPなど)を用いて、その他の装置又はシステムとワークステーション102およびコントローラ106が通信することを可能にする通信アプリケーションおよびプロセス制御関連アプリケーションに関連した操作を行うように構成できる。ワークステーション102は、あらゆる適切なコンピュータシステム又は処理システム(例えば、図20のプロセッサシステム2010)を使用して実施されることができる。例えば、シングルプロセッサのパソコン、シングル又はマルチプロセッサのワークステーションなどを使用して、ワークステーション102を実施することが可能である。
【0022】
コントローラ106は、コントローラ106にダウンロードされてインスタンス(実体)化された一つ以上のプロセス制御ルーチン(ワークステーション102又は任意のワークステーションを使用してシステム・エンジニア又はその他のシステム担当要員により生成されたものであってよい)を実行できる。コントローラ106は、例えば、フィッシャー−ローズマウント・システムズ株式会社およびエマソン・プロセスマネジメント(登録商標)により販売されるDeltaV(登録商標)コントローラであってよい。但し、その他のコントローラを代わりに使用することも可能である。さらに、図1においてはコントローラが一つだけ備えられている状態で図示されているが、所望のあらゆるタイプの又はタイプを組み合わせて、又は別のコントローラをさらに追加してLAN108に連結できる。
【0023】
コントローラ106は、デジタルデータ・バス114および入・出力(I/O)装置116を介してフィールド装置110a−bおよびポンプ112を含む複数のプロセス制御装置に連結されうる。プロセス制御ルーチンの実行中に、コントローラ106は、フィールド装置110a−bおよびポンプ112と情報(例えばコマンド、構成情報、測定情報、状態情報など)を取り交わることができる。例えば、コントローラ106には、プロセス制御ルーチンを備えても良く、このプロセス制御ルーチンはコントローラ106により実行されると、コントローラ106に、フィールド装置110a−bおよびポンプ112に指定された動作(例えば、計測を行う、バルブを開/閉する、有効/無効設定を行う、など)を行わせるコマンド、及び/又は、デジタルデータ・バス114を介して情報(例えば測定データ)を通信させるコマンドをフィールド装置110a−bおよびポンプ112に対して送らせるものである。
【0024】
図1に示される実施例では、ポンプ112をコントローラ106により実行されるプロセス制御ルーチンを実施する制御モジュール120を介して制御できるように、ポンプ112を制御、及び/又はポンプ112とインターフェース接続するためのプロパティおよび構成情報を定義するように、ワークステーション102においてポンプ制御モジュール120が構成される。制御モジュール120を同定するために、制御モジュール120はFIC101の名称又は識別子値を備えている。
図示される実施例ではフィールド装置110a−bが圧力伝送器として示されているが、フィールド装置110a−bは、その他のタイプのセンサ又は計測装置、アクチュエータなどを含むその他任意のタイプの装置であってよい。それに加えて、本明細書に示される実施例ではポンプ112は設備と称されてもよい。
また、例えば、タンク、大樽、混合機、ボイラ、ヒータなども設備の例として挙げられる。但し、議論の目的上、本明細書では、「装置」および「設備」という用語は置き換え可能に使用される。
【0025】
図示される実施例において装置110a−bおよび112は、周知のフィールドバス・プロトコルを使用してデジタルデータ・バス114を介して通信するように構成されたフィールドバス適合装置である。フィールドバス標準に従い、デジタルデータ・バス114は、計測装置と制御装置(例えば、装置110a−bおよび112)に通信可能に連結されるように構成されたデジタル双方向マルチドロップ通信バスである。装置110a−bおよび112は、マルチドロップ(分岐)構成のデジタルデータ・バス114に通信可能に連結された状態で図示されている。デジタルデータ・バス114又はそれに類似したデータバスは代替的に、一つのフィールド装置がI/O装置116と通信するデジタルデータ・バス専用に設けられている二地点間構成を使用してフィールド装置をI/O装置116に通信可能に連結するのにも使用されうる。代替の実施例として挙げられる実施形態における方法および装置は、フィールドバス適合装置を含んでも含まなくてもよいその他のタイプのフィールド装置(例えば、周知のProfibus(登録商標)およびHART(登録商標)通信プロトコルを使用して、データバス114を介して通信するProfibus(登録商標)又はHART(登録商標)プロトコル適合装置)に関連しても使用されうる。
【0026】
本明細書に示される実施例において、I/O装置116は、フィールドバス・プロトコル又はその他のタイプの通信プロトコル(例えば、Profibus(登録商標)プロトコル、HART(登録商標)プロトコルなど)を使用でき、コントローラ106および装置110a−b及び112をその他のフィールド装置に接続することを可能にする入出力サブシステムインターフェースを使用して実施されている。例えば、I/O装置116は、フィールドバス・プロトコルとその他の通信プロトコルの間で翻訳を行う一つ以上のゲートウェイを含みうる。フィールド装置のさらに別のグループがコントローラ106と通信できるようにするために、さらに(I/O装置116に類似するか同一の)I/O装置を追加してコントローラ106に連結してもよい。
【0027】
例示的なプロセス制御システム100は、より詳細にわたり後述される例示的な方法および装置を有利に採用できる一つのタイプのシステムを例示するために提示されている。但し、本明細書に実施例として記載される方法および装置は、望ましい場合は、図1に示される実施例として挙げられるプロセス制御システム100より複雑な、又はより簡易なその他のシステム、及び/又はプロセス制御動作、企業管理動作、通信動作などに関連して使用されるシステムにおいても有効に採用できる。
【0028】
図2は、図1の例示的なプロセス制御システム100のプロセス制御装置の描写表現であるプロセス設備グラフィック要素202a−cおよびグラフィック要素202a−c間の相互接続を含むグラフィック構成201を作成し編集するために使用できる例示的なエディタ(編集手段)のグラフィック処理ユーザーインターフェース(GUI)200を描く図である。グラフィック構成201を作成すると、ポンプ制御モジュール120のための設定点値及び/又はその他のパラメータを監視及び変更するために、図1のポンプ制御モジュール120において制御構成203がインスタンス化される。本明細書に示される実施例において、プロセス設備グラフィック202a−cのそれぞれは、単一の形状を有するグラフィック又は複合形状のグラフィックを使用して実施できる。例えば、プロセス設備グラフィック(例えば、プロセス設備グラフィック202a−c)のいくつかを、ユーザがエディタGUI200中の異なる形状から選択して対応するプロセス設備の描写表現となるように形状を配置できるようにし、ユーザにより作成されるようにしても良い。その他のプロセス設備グラフィックを事前に定義してプロセス制御ソフトウェアに実装することにより、ユーザが独自に作成する必要なく事前に定義されたグラフィックから選択できるようにしても良い。プロセス設備グラフィック202a−cは、例えばワークステーション102により実行されるGUI基盤の設計ソフトウェア・アプリケーションを使用して、ユーザ(例えば、エンジニア、オペレータなど)により相互接続されることができる。図示された実施例において、タンクグラフィック202aの名称はTANK_1であり、ポンプのグラフィック202bの名称はPUMP_1であり、混合機グラフィック202cの名称はMIXER_1である。当該グラフィックのプロパティ定義又はプロパティ値を編集するために、プロセス設備グラフィック202a−cのそれぞれをユーザが選択できるようにしても良い。例えば、ポンプのグラフィック202bをクリックすると、エディタGUI200は、「Edit Property(プロパティを編集する)」のオプション204および「Properties(プロパティ)」オプション206を表示する。
【0029】
図示される実施例では「プロパティを編集する」オプション204を選択すると、エディタGUI200は、ポンプのグラフィック202bのプロパティを定義又は編集するために使用できる図3の例示的なプロパティ定義ユーザーインターフェース(UI)300を表示する。図示される実施例では、グラフィック構成201(よって、図1の制御構成203)を一旦作成し、これをその後、図1のポンプ制御モジュール120及び/又はその他の制御モジュールで複数回使用することができる。例えば、ユーザは、ポンプのグラフィック202bを介してポンプ112と対話処理を行うために、ポンプのグラフィック202bを例えば制御モジュール120(図1)に結合するようにモジュールプロパティを作成しても良い。「プロパティ」オプション206を選択すると、エディタGUI200は、ポンプのグラフィック202b(図2)のプロパティ(例えば、図3のプロパティ定義ユーザーインターフェース300を介して作成されたプロパティなど)を構成するために使用できる図4の例示的なプロパティユーザーインターフェース400を表示する。
【0030】
図3を参照すると、例示的なプロパティ定義UI300は、名前(NAME)フィールド302、データ型(DATA TYPE)フィールド304および結合型(BINDING TYPE)フィールド306を含んでいる。本明細書に示される実施例において、名前フィールド302は、テキストボックス制御を使用して実施され、データ型フィールド304および結合型フィールド306は、ドロップダウン・リスト制御を使用して実施される。ユーザは、ポンプのグラフィック202bに対して定義されるプロパティの名称を提供するために名前フィールド302を使用することができる。図示される実施例において、提供されているプロパティ名は「MODULE(モジュール)」、つまり、制御モジュール(例えば、図1の制御モジュール120又はその他任意の制御モジュール)をポンプのグラフィック202bに結合するために使用されるものとして定義されるプロパティを指す。データ型フィールド304は、名前フィールド302において指定された名称をメモリに格納するのに使用されるべきデータ型を指定するために使用することができる。
【0031】
結合型フィールド306は、ポンプグラフィック202b(図2)が結合すべきモジュールのタイプを指定するために使用することができる。図示される実施例における図1のポンプ制御モジュール120はDeltaV(登録商標)モジュールであり、従って、ポンプ制御モジュール120と作動するものである。結合型フィールド306に指定された結合型は「DV Module」308である。本明細書に記載されるグラフィックと制御モジュール間の結合(バインド)は、グラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−c)と制御モジュール(例えば、図1のポンプ制御モジュール120)との間にリンク又は関連性を作成するために使用され、それによって、プロセス制御システムにおいて物理的装置又は設備(例えば、装置110a−bおよびポンプ112)を各々の制御モジュールを介して制御および監視するために使用できるプロセス制御システム構成を作成するためにグラフィックを使用できるようにする。
【0032】
特定の有効な結合を形成するために正しくない又は無効である制御モジュール識別子値(例えば、FIC101、FIC102、FLOW−REACTOR(流動反応装置)など)がユーザによって入力されることを実質的に削減するか完全に無くすために、例示的なプロパティ定義UI300の結合型フィールド306を介して指定された結合型を使用し、その後に、指定された結合型と互換性をもつ制御モジュールの制御モジュール識別子だけを提案するようにできる。例えば、図4を参照すると、ユーザがプロパティユーザーインターフェース400を介してポンプグラフィック202bを構成する時に、ユーザは、プロパティ値フィールド402を使用して図1のプロセス制御システム100と関連付けられている制御モジュールの制御モジュール識別子(例えば、FIC101、FIC102など)を指定し、指定された制御モジュール識別子に対応するポンプグラフィック202bに制御モジュールを結合するようにできる。本明細書に示される実施例において、プロパティ値フィールド402は、プロパティ定義UI300にて定義されるモジュールプロパティ404のための制御モジュール識別子フィールド402である。
【0033】
図4に示されるように、ユーザが制御モジュール識別子フィールド402にタイプ入力し始めると、ポンプグラフィック202bに結合できる制御モジュールに対応する識別子の提案又は結合のヒントを含む自動提案ドロップダウン・リスト406が表示される。自動提案ドロップダウン・リスト406における制御モジュール識別子は、図3の結合型フィールド306にて指定された結合型に基づいて、フィルターされて提示される。このように、無効な、又は存在しない識別子をユーザが選択できないように構成されている。本明細書に示される実施例においては、識別子値FIC101が、MODULEプロパティ404に対して自動提案ドロップダウン・リスト406にて選択される。
【0034】
場合によってユーザは、図3の結合型フィールド306に「NONE(該当無し)」310を指定しても良い。結合型が指定されないと(すなわち「該当無し」310を指定すると)、ユーザは、図4の制御モジュール識別子フィールド402に任意の識別子を入力できる。つまり、無効な、又は存在しない識別子をユーザが入力できないようにするための結合型フィルター保護機能が有効になっていないということである。従って、もしユーザが、存在しない識別子、又は、制御モジュールを特定のグラフィックに結合するための有効な結合参照を生成するには有効でない制御モジュールの識別子を入力すると、その結果生成されるグラフィック構成は、無効なものでありえ、意図するように機能しないものとなる可能性がある。
【0035】
図5および図6は、装置又は設備グラフィック要素のプロパティにより参照される値への変更を追跡し伝播するために使用できる例示的な命名・改名技法を描く図である。図5および図6に示される実施例において、命名・改名技法は、制御モジュールの制御モジュール識別子値(例えば、図1の制御モジュール120の識別子FIC101)がグラフィックエディタ・ユーザーインタフェース(例えば、図2のグラフィックエディタUI200)の外部で変更された時点を検出するため、及び、制御モジュールとグラフィック間の結合が有効性を維持した状態で更新された制御モジュール識別子値がポンプグラフィック202bに含まれることを保証するよう識別子の変更をポンプグラフィック202bに伝播するために使用される。図示される実施例では、一つ以上のデータ記憶領域502(例えば、一つ以上のデータベース)は、制御モジュール情報、グラフィックプロパティ定義情報、および制御モジュール(例えば、図1の制御モジュール120)を、各々のグラフィックに(例えば、図2のグラフィック202a−c)に結合するために使用される結合情報を格納するように構成される。例えば、図10を参照すると、データ記憶領域502は、結合情報データ記憶部1010及び/又はグラフィックデータ記憶部1020を含みうる。例示的なデータ記憶領域502は、プロセス制御システム100の任意のプロセッサシステム又はサーバーに格納されるか、及び/又は、プロセス制御システム100に通信可能に連結されることができる。
【0036】
制御モジュール情報を格納するために、例示的なデータ記憶領域502は、複数の制御モジュールデータレコード又はエントリ(図中、うち一つが参照番号504で示されている)を格納する。図示される実施例では、FIC101制御モジュールデータレコード504が、ポンプ112(図1)と関連付けられている図1のFIC101ポンプ制御モジュール120に対応する構成およびプロパティ情報を格納するために使用される。本明細書に示される実施例において、ユーザは、FIC101制御モジュールデータレコード504をエクスプローラのユーザーインターフェース506(例えば、モジュール・エクスプローラ及び/又は選択ユーザーインターフェース)を介して閲覧することができる。このように、ユーザは、制御モジュール120(図1)のインスタンスの一つ以上を使用して、レシピ又は制御法を構築することができる。
【0037】
装置又は設備グラフィックに対応する構成情報を格納するために、例示的なデータ記憶領域502は、複数のグラフィック構成レコード(図中、うち一つが参照番号508により示されている)を格納する。図示される実施例では、グラフィックエディタユーザーインタフェース514において示される「PUMP_1」という名前のグラフィック202bに対応するグラフィック構成データレコード508が、構成情報を格納するために使用される。グラフィックプロパティユーザーインターフェース400(図4)及び/又はグラフィックエディタユーザーインタフェース514を介してユーザにより提示されたプロパティ値は、グラフィック構成データレコード508に格納することができる。図示される実施例ではグラフィック構成データレコード508は、モジュールプロパティ(すなわち、図4のモジュールプロパティ404)と関連するモジュール制御識別子値FIC101を格納した状態で示されている。また、グラフィック構成データレコード508は、グラフィック構成データレコード508が制御モジュール(例えば、図1の制御モジュール120)に結合されているか又は結合されていないかを示すために使用される結合済フラグ(「B」)509も含んでいる。本明細書に示される実施例において、結合済フラグ509は、グラフィック構成データレコード508が結合済であることを示すように「1」に設定されている。グラフィック構成データレコード(例えば、グラフィック構成データレコード508)、即ち対応するグラフィック(例えば、図2および5のポンプグラフィック202b)が結合されていない場合には、その結合済フラグ(例えば、結合済フラグ509)はゼロ(「0」)に設定され、グラフィック構成データレコードは未結合リストに置かれる。
【0038】
どの制御モジュール(例えば、図1の制御モジュール120)がどの設備グラフィック要素(例えば、図2のグラフィック202a−c)に結合されているかを追跡するために、例示的なデータ記憶領域502は、複数の結合参照データレコード510を含んでいる。結合参照510のそれぞれは、結合参照ID、結合型、結合提供機構の名称、および結合値(例えば、FIC101、FIC102など)を含んでいる、結合参照ID(ユーザには未表示であってよい)は、結合参照510のそれぞれにアクセスしてそれを追跡し、結合参照510のそれぞれを装置又は設備グラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−c)に関連付けるために使用される。結合型は、例えば図3の結合型フィールド306への入力に利用可能な結合型など、特定タイプの結合を指定するために使用される。結合提供機構の名称とは、ユーザによる選択用に特定の結合型を提供するために使用される特定の結合提供機構(例えば、図9に関連して後述される結合提供機構902)の名称である。結合値は、特定の制御モジュールの識別子(例えば、図4の自動提案ドロップダウン・リスト406中の制御モジュール識別子)である。例示的な実施形態のいくつかにおいて、結合参照510は、図5において参照番号516で示されるような拡張可能マークアップ言語(XML)形式又はその他任意の適切な形式を使用して実施されうる。図7を手短に参照すると、例示的なクラス図700には、表示定義クラス702を使用してどのように結合参照510を表せるかが示されている。図7に示される実施例における表示定義クラス702は、ポンプグラフィック202b(図2および図5)を形成するために使用される一つ以上の形状に対応する形状要素704と、形状要素704の異なるプロパティを記述するために使用されるプロパティ使用内容説明706、そして例えば、図5の結合参照516において示される情報のタイプなど、指定された結合情報を格納するために使用される結合参照708とを定義することができる。
【0039】
図示される実施例において、結合参照データレコード510は、FIC101制御モジュール情報504に対応する図1の制御モジュール120を、グラフィック構成データレコード508に対応するポンプグラフィック202bに結合するために使用されるFIC101結合参照512を含んでいる。モジュールプロパティ404(図4)に対応する識別子値(すなわちFIC101識別子)がグラフィックエディタ514の外部で異なる値(例えば、LI444)へと変更されると(例えば改名されると)、結合参照512には新規の識別子(例えばLI444識別子)が格納され、それによって、モジュールプロパティ404に対応する更新済みの制御モジュール識別子値に基づいて、ポンプグラフィック202bが自動的に正しい制御モジュールに結合された状態を維持できる。このように、結合参照(例えば、結合参照512)における制御モジュール識別子値の改名により、装置又は設備グラフィックと、その装置又は設備グラフィックと関連するように構成された制御モジュールとの間で有効な結合を維持するべく結合参照の有効性が維持される。
【0040】
図6に示される実施例では、ユーザは、制御モジュール120をLI444に改名する、即ち制御モジュール識別子値をFIC101識別子からLI444に改名するためにエクスプローラ・ユーザーインタフェース506を使用する。エクスプローラ・ユーザーインタフェース506を介するこの変更に応答して、制御モジュール識別子が制御モジュールデータレコード504においてLI444に変更され、結合参照512が、識別子値をFIC101からLI444に変更するべく制御モジュール識別子値FIC101を有するグラフィック構成データレコード508を見つけるために使用される。ユーザが、グラフィックエディタユーザーインタフェース514を使用してポンプグラフィック202b(図2)に対応する構成情報を閲覧表示すると、グラフィック構成データレコード508において指定されるような更新済みの制御モジュール識別子値がLI444として表示される。
【0041】
図8は、装置又は設備グラフィック要素(例えば、図2のポンプグラフィック202b)との結合に向けて選択された制御モジュール識別子の有効性に関するメッセージを提示するために使用できる例示的な検証メッセージ800を示す図である。図示される実施例において、検証メッセージ800は、ユーザ提供の制御モジュール識別子LI443が存在しないこと、又はそれが各々の結合型(すなわち、DeltaV(登録商標)制御モジュール結合型)に対して無効であることを示す。指定された結合型に基づいてユーザ提供の制御モジュール識別子が有効かどうかを検証するために使用されうる例示的な検証工程には、ユーザ提供の識別子を、前回ユーザにより例えば結合型フィールド306を介して指定された結合型と関連付けられている利用可能な識別子と比較することを含む。指定された結合型と関連付けられている制御モジュール識別子が存在しない場合に、検証メッセージ800などの検証メッセージをユーザに提示することができる。それに加えて、又はその代わりとして、本明細書に記載される例示的な方法および装置は、制御モジュール識別子が有効でないことを示すために(例えば、音声警報を発したり、文字列に下線を引いたり、文字列をハイライトで強調表示したり、文字列に取消し線を引いたり、及び/又は、制御モジュール識別子の文字列に関連するその他任意の修正変更を行ったり、など)その他の標示を提示することができる。それに加えて、例示的な方法および装置は、いくつかのグラフィック(例えば、図2のグラフィック構成201)にわたって報告レポートを実行し、有効ではない制御モジュール識別子が存在するかどうかを判断してその結果をユーザ分析用のレポート形式にて提示するように構成することができる。
【0042】
例示的な実施形態のいくつかにおいては、ユーザが、例えば図5のグラフィックエディタユーザーインタフェース514を介して特定のグラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−cのうちの一つ)に関する構成情報の閲覧を依頼(要求)した時点で検証工程を行うことができる。
このように、結合が無効な場合、要求されたグラフィックを表示する前に、又は表示をしないでユーザに検証メッセージを提示することができる。例示的な実施形態のいくつかでは、ユーザがプロパティユーザーインターフェース400(図4)又はグラフィック制作機構のユーザーインターフェース514内で作業を行っている時に検証工程を行うことができる。例えば、ユーザが、別名の付いたパスを決めるべく装置又は設備グラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−cの一つ)のために制御モジュール識別子を提供することを試みる際に、提供された制御モジュール識別子のためのパスが存在するかを判断するために検証工程を使用することができる。例示的な実施形態のいくつかにおいて、ユーザは、正しくない又は無効な結合をそのまま残しておいて、後でその正しくない又は無効な結合に対応する結合型を有する制御モジュール識別子を作成するようにしても良い。このようにして、ユーザが正当な結合型を用いて制御モジュール識別子を作成すると、それ以前は正しくなかった又は無効であった結合が解消され、それ以降の検証工程では、それ以前は正しくなかった又は無効であった結合が有効であると判断されるようになる。
【0043】
図9は、制御モジュール識別子値を選択するために本明細書に記載される例示的な方法および装置を使用できる例示的なイベント処理部ユーザーインターフェース900を描く図である。例示的なイベント処理部ユーザーインターフェース900は、制御モジュールを装置又は設備グラフィックに結合するための上記結合型をどのようにして、その他のタイプのユーザーインターフェースにおいて、(例えば、結合型に基づいた制御モジュール識別子値の自動提案リストなどの)結合ヒントを提供するために、グローバルメソッド(方法)に基づいたパラメータとともに使用できるかを示している。例えば、メソッドパラメータ定義に、定義された結合型を備えるようにして、ユーザが対応するメソッドを呼び出す際に、有効な制御モジュール識別子選択肢のリストが、定義された結合型に基づいて提案され得るようにすることも可能である。図9に示される実施例では、例示的な結合ヒント・リスト902によって、グローバルメソッド「GLOBAL_1」に対して定義される結合型に基づいてフィルターされた制御モジュール識別子の提案が提供されている。また、図5−図7に関連して、上述される改名追跡および検証工程は、プロパティ値のグローバルメソッドへの結合に関連して使用することができる。
【0044】
例示的な実施形態のいくつかにおいて、本明細書に記載される例示的な方法および装置は、異なる制御モジュールを装置又は設備グラフィックに結合するために、ユーザがスクリプト本文(例えば、図9のスクリプト本文904)においてインライン(埋め込み)スクリプト言語を提供することを可能にするために使用できる。例えば、XMLタグ・スクリプト行「<DVモジュール> ”FIC101” </DVモジュール>」において、XMLタグ・スクリプト行は「DVモジュール」という名前の結合型に対して結合名称「FIC101」を定義する。
【0045】
図10は、プロセス制御モジュールを結合するため、結合ヒントを提供するため、そして制御モジュール識別子値への変更をそれら制御モジュール識別子値に結合されている異なるグラフィック要素へと伝播するために使用されうる例示的な装置1000のブロック図である。例示的な装置1000は、一つ以上の結合提供機構1002、グラフィック記憶部提供機構1004、グラフィックエディタ1006およびメモリ1008を含んでおり、これらは全て図示されるように、又はその他任意の適切な方法によって通信可能に連結されうる。例示的な装置1000は、ハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアのあらゆる所望の組合せを使用して実施されうる。
例えば、一つ以上の集積回路、個別半導体構成素子又は受動電子部品を使用できる。それに加えて、又はその代わりとして、例示的な装置1000のブロックのいくつか又は全て、又はその一部分は、例えばプロセッサシステム(例えば、図20のプロセッサシステム2010)により実行されると図16−図19のフローダイアグラムに示される動作を行う、機械アクセス可能な媒体に格納された命令(指示)、コード、その他のソフトウェア及び/又はファームウェアなどの少なくとも一つを使用して実施されてもよい。例示的な装置1000は後述される各ブロックの一つを備えた状態で記載されているが、例示的な装置1000には、後述されるブロックの任意のものを二つ以上備えることができる。さらに、いくつかのブロックを無効にしても、省略しても、又はその他のブロックと組み合わせても良い。
【0046】
図示される実施例において、結合提供機構1002は、結合参照(例えば、図5および図6の結合参照510)および制御モジュール情報(例えば、図5および図6の制御モジュールデータレコード504)を格納するように構成される一つ以上の結合情報データ記憶部1010(例えば、一つ以上の結合情報データベース)に通信可能に連結される。1以上の結合提供機構1002のそれぞれは、各々の結合提供機構登録ファイル1012にプロパティを登録することによりユーザーインターフェース(例えば、図3、図4、図5、図6および図8のユーザーインターフェース)で利用可能な結合サービスとして登録されうる。結合提供機構登録ファイル1012のそれぞれには、それの各々の結合提供機構1002を同定する情報および、結合提供機構1002のインターフェース(例えば、結合型インターフェース1014、照合検索(ブラウズ)インターフェース1016および結合参照管理機構1018)を実施する結合提供機構アセンブリおよびクラスが含まれている。結合提供機構登録ファイル1012は、拡張可能マークアップ言語(XML)形式又はその他任意の適切な形式を使用してグラフィックエディタ1006のディレクトリ(例えば、「<disk>:/<path>/Graphic Editor/Binds」)に格納されうる。
【0047】
図示される実施例において、結合提供機構1002のそれぞれは、異なる結合型(例えば、図3の結合型フィールド306において指定される結合型)に対応する。結合提供機構登録ファイル1012には、結合提供機構1002により実施されたインターフェースの任意のものに関する一つ以上の結合提供機構ID、結合提供機構名称(例えば、「DeltaV(登録商標)」)、内容説明、ダイナミック・リンク・ライブラリ(DLL)ファイル又は.netアセンブリファイル、および結合提供機構1002の各インターフェースに関するクラス名が含まれる。図10に示される実施例において、グラフィックエディタ1006に結合提供機構登録ファイル1012を与えることにより、結合提供機構1002がグラフィックエディタ1006に登録される。
【0048】
結合提供機構1002は、結合型IDのおよび結合型名称を読み出し格納するために結合情報データ記憶部1010にアクセスすることができる。結合型IDは、ユーザには表示されなくてもよいが、結合情報データ記憶部1010内で結合型(例えば、図3の結合型フィールド306の結合型)を参照するために使用される内部IDである。ユーザが選択できるように表示される結合型名称は、例えば結合型フィールド306への入力に利用可能な結合型名称のうちの一つでありうる。結合型名称は、結合型IDに関連付けられるか、又はユーザの現在のロケールを表す文字列(例えば、現在の作業環境のインスタンス)に置かれうる。
【0049】
図10に示されるように、結合提供機構1002は、結合型インターフェース1014、照合検索インターフェース1016および結合参照管理機構1018を提供するように構成されうる。結合型インターフェース1014は、結合情報データ記憶部1010から結合型(例えば、図3の結合型フィールド306の結合型)を読み出すように構成される。図示される実施例では、結合型を読み出すために、結合型インターフェース1014は、例えば例示的なプロパティ定義UI300を介して装置又は設備グラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−c)に関連付けられ得る項目タイプ(例えば制御モジュールタイプ)のリストを提供するために使用できる「GetBindingTypes(結合型取得)」メソッドを実施する。例えば、図3の結合型フィールド306に関連して表示された結合型を読み出すために「GetBindingTypes(結合型取得)」メソッドを使用できる。
【0050】
照合検索インターフェース1016は、照合検索又はINTELLISENSER(登録商標)技術によるサポート(すなわち、ユーザによりタイプ入力された文字に基づいて漸進的にフィルターされる項目の自動提案リストを生成するためのサポート)が望まれる場合に使用できる任意選択的に設けられる(オプションの)インターフェースでありうる。図示される実施例において、照合検索インターフェース1016は、特定のテキストフィールドにユーザによって既に入力されたパス又は文字と一致するユーザ指定の結合型に関する値のフィルターされたリストを返すために使用できる「GetBindingValues(結合値取得)」メソッドを実施する。例えば、図4を参照すると、ユーザがプロパティ値フィールド402に「F」という文字を入力すると、「GetBindingValues(結合値取得)」メソッドは、結合型フィールド306において選択された結合型「DVModule」308に関連する自動提案ドロップダウン・リスト406において「F」の文字で始まる制御モジュール識別子のフィルターされたリストを返す。
【0051】
結合参照管理機構1018は、制御モジュール識別子(例えば、FIC101、FIC102など)への変更を、図5および図6に関連して上記されるように、異なる装置又は設備グラフィック(例えば、図2のグラフィック202a−c)の全体にわたって伝播するために改名の追跡を実施するために使用されることができる。本明細書に示される実施例において、結合参照管理機構1018は、「LoadBindingReferences(結合参照読込み)」メソッドおよび「SaveBindingReferences(結合参照保存)」メソッドを実施する。「LoadBindingReferences(結合参照読込み)」メソッドは、事前に定義されたグラフィック又はユーザに作成されたグラフィックのための結合参照の文字列(例えば、拡張可能マークアップ言語(XML)又はその他任意の適切な形式での文字列)を読み出すために使用されうる。例えば、図5および図6を参照すると、「LoadBindingReferences(結合参照読込み)」メソッドは、ポンプグラフィック202bに基づき、データ記憶領域502からグラフィックエディタユーザーインタフェース514に結合参照512を供給するために使用できる。「SaveBindingReferences(結合参照保存)」メソッドは結合参照の名称変更を格納するために使用されうる。例えば、図6を参照すると、ユーザがエクスプローラ・ユーザーインタフェース506において名称FIC101をLI444に変更すると、「SaveBindingReference(結合参照保存)」メソッドは結合参照510にLI444名称を格納する。
【0052】
グラフィック記憶部提供機構1004は、グラフィックデータ1022を格納するように構成されるグラフィックデータ記憶部1020(例えば、グラフィックデータベース)に通信可能に連結される。グラフィックデータ1022は、装置又は設備グラフィック(例えば、図2の装置又は設備グラフィック202a−c)および各グラフィックに関するプロパティ及び/又は構成情報(例えば、図5および6のグラフィック構成データレコード508)を含んでいる。グラフィック記憶部提供機構1004は、グラフィックデータ記憶部1020からグラフィックデータ1022を読み出して、この読み出されたグラフィックデータ1022を、ユーザに表示するためにグラフィックデータ1022をメモリ1008に読み込むグラフィックエディタ1006に通信するように構成されている。図示される実施例において、グラフィック記憶部提供機構1004がグラフィックデータ記憶部1020からグラフィックデータ1022を読み出すと、結合参照管理機構1018は、対応する結合参照1024(例えば、図5の結合参照510のうちの一つ)を結合情報データ記憶部1010から読み出して、該結合参照1024を、グラフィックデータ1022と関連する表示のために結合参照1024をメモリ1008に読み込むグラフィックエディタ1006に通信する。グラフィックエディタ1006は、図5および図6のグラフィックエディタユーザーインタフェース514に実質的に類似するか又は同一のものであってよく、例えば図3および図4のユーザーインターフェース300および400に実質的に類似する又は同一のものであるユーザーインターフェースを使用してグラフィック(例えば、図2、図5および図6のグラフィック202b)のプロパティおよび構成を編集するためにユーザにより使用されることができる。
【0053】
図11−図15は、本明細書に記載される例示的な方法および装置を実施するために使用される異なるオブジェクト・インスタンス間の通信及び/又はデータの流れを示す例示的なオブジェクトベース・プロセス図1100、1200、1300、1400および1500である。オブジェクトベース・プロセス図1100、1200、1300、1400および1500のそれぞれは、図16−図19に示されるもののうち各々のフローダイアグラムに関連して説明される。例示的なプロセス図1100、1200、1300、1400および1500はオブジェクト指向プログラミング命名法に基づいたオブジェクト・インスタンスを使用して説明される。
但し、図16−図19のプロセス図1100、1200、1300、1400および1500、ならびに各々のフローダイアグラムに記載されるプロセスは、オブジェクト指向プログラミング以外のプログラミングのタイプを使用しても実施されうる。
【0054】
図16−図19は、プロセス制御モジュールを結合するため、結合ヒントを提供するため、そして制御モジュール識別子値への変更をそれらの制御モジュール識別子値に結合されている異なるグラフィック要素へと伝播するために、ここに記載される例示的な方法および装置を実施するために使用されうるフローダイアグラムを描く図である。
例示的な実施形態のいくつかにおいて、図16−図19の例示的な方法は、プロセッサ(例えば、図20の例示的なプロセッサシステム2010に示されるプロセッサ2012)により実行されるプログラムを含む機械可読命令を使用して実施されうる。該プログラムは、CD−ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、又はプロセッサ2012に関連するメモリなどの有形媒体に格納されたソフトウェアにて、及び/又は、周知の方法においてファームウェア及び/又は専用ハードウェアにて具現化しうる。さらに、実施例として挙げられるプログラムが図16−図19に示されるフローダイアグラムを参照して説明されているが、通常の技術を有する当業者であれば、その代わりにその他の多くの方法を使用してそれらのプログラムを実施できることが容易に理解できよう。例えば、ブロック又は動作を実行する順序を変更することも可能であるし、記載されるブロック又は動作のいくつかを変更、削除、又は組み合わせることも可能である。図16−図19の例示的な方法は全体として一つのグラフィック要素と当該のグラフィック要素に関する一つの結合参照の処理(例えば、作成する、保存する、読み込むなど)を行っている状態で説明されているが、図16−図19の例示的な方法は、複数のグラフィック要素および複数の結合参照を処理するためにも用いることができる。例えば、図2に示されるようにユーザがプロセスグラフィック表示を作成する場合、設備グラフィック要素202a−cおよび対応する複数の結合参照に対応するグラフィックデータの全てを処理するために図16−図19の例示的な方法を用いることができる。
【0055】
図16に移ると、異なる結合提供機構から結合型を読み出す例示的な方法には、初期段階において1以上の結合提供機構1002(図10)を登録することを伴う(ブロック1602)。例えば、結合提供機構1002のうちの一つは自身を、それの各々の結合提供機構登録情報1012(図10)をグラフィックエディタ1006に提供することにより登録することができる。図11を手短に参照すると、DeltaV(登録商標)結合提供機構が自身を登録する場合、それは、DeltaV(登録商標)結合提供機構オブジェクトグラフィック1102の位置をエディタ1006に提供し、また、資産管理システム(AMS)結合提供機構が自身を登録する場合、それは、AMS結合提供機構オブジェクト1104の位置を提供する。
【0056】
図16に戻って参照すると、その後、グラフィックエディタ1006(図10)は、登録した結合提供機構1002を、例えばローカルメモリ1008に読み込む(ブロック1604)。例えば、グラフィックエディタ1006は、例えば図7の表示定義クラス702などの表示クラスを作成するために結合提供機構登録ファイル1012を読み取ることにより、登録した結合提供機構1002を読み込むことができる。その後、グラフィックエディタ1006は、読み込んだ登録済み結合提供機構1002のそれぞれに対して結合型(ブロック1606)を要求する。例えば、図11を参照すると、図10のグラフィックエディタ1006を実施するために使用できるグラフィックエディタ・オブジェクト1106は、それに関連付けられている一つ以上の結合型を読み出すべくDeltaV(登録商標)結合提供機構オブジェクト1102に結合型要求(Ibinding.GetBindingTypes())を通信でき、それに関連付けられている一つ以上の結合型を読み出すためにAMS結合提供機構オブジェクト1104に結合型要求を通信できる。
【0057】
図16に戻って参照すると、その後、登録済みの結合提供機構1002(図10)は各々のデータ記憶部から各々の結合型(ブロック1608)を読み出す。
例えば、図11を参照すると、DeltaV(登録商標)結合提供機構オブジェクト1102は、その結合型(例えば、「DeltaV(登録商標)モジュール」結合型)を、図10の結合情報データ記憶部1010の一つを使用して実施されうるDeltaV(登録商標)データ記憶部1108から読み出す。AMS結合提供機構1104は、その結合型を、ネットワーク1110を介して別の記憶領域(例えば、遠隔地の記憶場所、第三者の記憶場所など)(図示省略)から読み出す。
【0058】
図16に示されるように、グラフィックエディタ1006はその後、読み出された結合型(ブロック1610)を提示する。例えば、グラフィックエディタ1006は、図3の結合型フィールド306に表示された結合型の一つ以上を表示しうる。図12を手短に参照すると、グラフィックエディタ1006(図10)が1以上の結合型を提示できるようにするために、「モジュール」という名前のプロパティに関する(図3の例示的なプロパティ定義UI300を実施するために使用されうる)プロパティ対話オブジェクト1202は、読み出された1以上の結合型のリスト(例えば、図3の結合型フィールド306に表示された結合型のリスト)にデータを投入するようにDeltaV(登録商標)結合提供機構オブジェクト1102に要求(IBinding.GetBindingTypes())を通信する。
【0059】
図16に戻って参照すると、グラフィックエディタ1006は、ユーザ選択の結合型を受け取り(ブロック1612)、その結合型を装置又は設備グラフィックの結合型プロパティに関連付ける(又は割り当てる)(ブロック1614)。例えば、ユーザは、図3の結合型フィールド306を介して結合型のうちの一つを選択し、選択した結合型を例えば図2、図5、図6および図10のポンプグラフィック202bに関連付けることができる。図12を参照すると、ユーザ選択の結合型をポンプグラフィック202bの結合型プロパティに割り当てるために、「モジュール」という名前のプロパティに関するプロパティ定義オブジェクト1204は、選択された結合型(例えば、「DVモジュール」)を含む結合情報オブジェクト1206を作成する。その後、図16の例示的なプロセスは終了する。
【0060】
ここで図17のフローダイアグラムを参照すると、制御モジュール識別子(例えば、FIC101)を装置又は設備グラフィック要素(例えば、図2、図5、図6および図10のポンプグラフィック202b)に関連付ける例示的なプロセスには、初期段階において一つ以上の登録済み結合提供機構を読み込むことを伴う(ブロック1702)。例えば、図10のグラフィックエディタ1006は、図16のブロック1604に関連して上述されるような結合提供機構1002の一つ以上を読み込むことができる。
その後、グラフィックエディタ1006は、装置又は設備グラフィックに関して構成ユーザーインターフェースを表示する(ブロック1704)。例えば、グラフィックエディタ1006は、図2、図5、図6および図10のポンプグラフィック202bのプロパティを構成できるように、図4のグラフィックプロパティユーザーインターフェース400を表示することができる。図13を手短に参照すると、グラフィックプロパティユーザーインターフェース400を表示するために、プロパティ対話オブジェクト1202は、ポンプグラフィック202bに関連付けられている結合型を受け取るよう、プロパティ定義オブジェクト1204に結合型要求(GetBindingType())を送る。それに対して、プロパティ定義オブジェクト1204は、結合情報オブジェクト1206からポンプグラフィック202bの結合型(例えば、「DVモジュール」)を読み出し、プロパティ対話オブジェクト1202に結合型を返す。結合型をポンプグラフィック202bに関連付けておくことにより、その後、グラフィックエディタ1006が、例えば図4の例示的なプロパティユーザーインターフェース400のプロパティ値フィールド402に関連して当該結合型の制御モジュール識別子の自動提案リストをユーザの使用のために生成できるようにする。
【0061】
図17を再び参照すると、その後、グラフィックエディタ1006は、例えば図4のプロパティユーザーインターフェース400のプロパティ値フィールド402にユーザにより部分的に入力された制御モジュール識別子値を検出する(ブロック1706)。この部分的なユーザ入力は、一連の文字、数字、記号などでありうる。その後、グラフィックエディタ1006は、照合検索インターフェース1016(図10)が利用可能かどうか判断する(ブロック1708)。例えば、照合検索インターフェース1016が有効に設定された機能でないと、グラフィックエディタ1006は、グラフィックの特定の結合型に関連付けられている利用可能な制御モジュール識別子の自動提案リストを提示することができない。即ち、グラフィックエディタ1006は、図4に示されるような自動提案ドロップダウン・リスト406に制御モジュール識別子値の一覧を提示することができない。照合検索インターフェース1016が利用可能でないとグラフィックエディタ1006が判断すると(ブロック1708)、その後グラフィックエディタ1006は、ユーザが例えばプロパティ値フィールド402に制御モジュール識別子を入力し終えることを許可する(ブロック1710)。
【0062】
照合検索インターフェース1016が利用可能であるとグラフィックエディタ1006が判断すると、(ブロック1708)、グラフィックエディタ1006は、ポンプグラフィック202bに関連付けられている結合型(例えば、「DVモジュール」)と部分的なユーザ入力を結合提供機構1002の一つに受け渡す(ブロック1712)。例えば、図13を参照すると、「モジュール」という名前のプロパティに関するプロパティ対話オブジェクト1202は、結合型および部分的なユーザ入力(例えば、パスの一部分)を、当該結合型に関連付けられている制御モジュール識別子値を受け取るようにとの要求(IBrowse.GetBindingValues(結合型、パス))を介してDeltaV(登録商標)結合提供機構1102へと伝える。図17に示されるように、その後、照合検索インターフェース1016(図10)は、結合型に関連付けられている制御モジュール識別子値のリストを読み出すべくデータ記憶部1010(図10)の一つに問い合わせ(クエリー)を行う(ブロック1714)。その後、結合提供機構1002は、データ記憶部1010から読み出された制御モジュール識別子値を受け取る(ブロック1716)。
【0063】
結合提供機構1002又はグラフィックエディタ1006は、プロパティ値フィールド402(図4)に入力された部分的なユーザ入力に基づき受け取った制御モジュール識別子値をフィルターする(ブロック1718)。このようにしてグラフィックエディタ1006は、ユーザの部分的な入力と一致する制御モジュール識別子値だけを提示することができる。例えば、図4に示されるように、ユーザが「F」という文字をタイプ入力するのに応答して、自動提案ドロップダウン・リスト406は、「F」という文字で始まる制御モジュール識別子値を提示する。その後、グラフィックエディタ1006は、例えば図4の自動提案ドロップダウン・リスト406を介してフィルターされた制御モジュール識別子値を提示する(ブロック1720)。その後、グラフィックエディタ1006は、例えばユーザが自動提案ドロップダウン・リスト404における値の一つを選択するのに応答して、或いはユーザがブロック1710で制御モジュール識別子値を入力するのに応答して、ユーザ選択の制御モジュール識別子値を受け取る(ブロック1722)。例示的な実施形態のいくつかでは、図17の例示的な方法は、グラフィックエディタ1006がブロック1710で提供されたユーザ入力値がグラフィック要素に対する有効な結合参照を作成するために使用できることを確認するために、該ユーザ入力値の検証動作を行う検証動作を含むように修正変更できる。ユーザ入力値が有効でない場合、例えば図8の例示的な検証メッセージ800を介して警告をユーザに表示することができる。
【0064】
その後、グラフィックエディタ1006は、ユーザ選択の制御モジュール識別子値に基づいて結合参照(例えば、図10の結合参照1024の一つ)を作成する(ブロック1724)。例えば、図13を参照するに、プロパティ対話オブジェクト1202は、ユーザ選択の制御モジュール識別子値を含む「モジュール」という名前のプロパティに関するプロパティオブジェクト1302にプロパティ値設定要求(SetPropertyValue)を通信することができ、プロパティオブジェクト1302は、その値(SetValue())を、ユーザ選択の制御モジュール識別子値(例えば、FIC101)に設定することができる。その後、プロパティオブジェクト1302は、結合型取得要求(GetBindingInfo())を用いて「DVモジュール」という名前の結合型に関する結合情報オブジェクト1206からポンプグラフィック202bの結合型を得て、結合型(例えば、「DVモジュール」)およびユーザ選択の制御モジュール識別子値(例えば、FIC101)に基づいて結合参照オブジェクト1304を作成することができる。図17に戻って参照すると、グラフィックエディタ1006は、ローカルメモリ1008(図10)に結合参照オブジェクト1304を格納する(ブロック1726)。その後、図17の例示的な方法は終了する。
【0065】
図18に移って参照すると、結合参照(例えば、図10の結合参照1024の一つ)を格納するために使用できる例示的な方法は、グラフィック要素を保存するとのユーザ要求を初期段階において受け取ることを伴う(ブロック1802)。例えば、ユーザは、図2、図5、図6および図10のポンプグラフィック202bを保存するオプションを選択できる。グラフィックエディタ1006は、ローカルメモリ1008(図10)からポンプグラフィック202bに関連付けられている結合情報を抽出して(ブロック1804)、あらかじめ定められた形式で結合情報および関連付けられている制御モジュール識別子値を配置することによって、結合参照(例えば、図10の結合参照1024)を生成する(ブロック1806)。あらかじめ定められた形式は、例えば図5の参照番号516により示される結合参照のXML形式など、グラフィックエディタ1006の外部で使用できるものであってよい。例えば、図14を参照すると、グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、結合参照オブジェクト1406を形成するために、表示オブジェクト1402、形状オブジェクト1404、プロパティオブジェクト1302を介して結合情報(例えば、結合提供機構名称、結合型および制御モジュール識別子値)をフォーマット(例えば、シリアル化)できる。
【0066】
グラフィックエディタ1006は、ポンプグラフィック202bのグラフィックデータ1022をグラフィック記憶部提供機構1004へと送り(ブロック1808)、グラフィック記憶部提供機構1004は、グラフィックデータ1022をグラフィックデータ記憶部1020(図10)に格納する(ブロック1810)。その後、グラフィックエディタ1006は、結合参照に1024を結合提供機構1002(図10)に送り(ブロック1812)、結合提供機構1002はデータ記憶部1010の一つに結合参照1024を格納する(ブロック1814)。例えば、図14を参照すると、グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、記憶部提供機構オブジェクト1408への保存要求(Save(xmlGraphic, xmlBindingReferences))を伝えることによりグラフィックデータ1022と結合参照1024を格納するために記憶部提供機構オブジェクト1408を使用することができる。その後、記憶部提供機構オブジェクト1408は、結合提供機構1002(図10)が結合参照1024をデータ記憶部1010(図10)に格納できるようにするために、結合参照1024を、DeltaV結合提供機構1102(IBindingReferenceManager.SaveBindingReferences(”xmlBindingReference”))に伝える。それに加えて、記憶部提供機構オブジェクト1408は、図10のグラフィック記憶部提供機構1004を実施するために使用されうるグラフィックデータベースサーバ・オブジェクト1410にグラフィックデータ1022を通信することができる。このように、グラフィック記憶部提供機構1004は、グラフィックデータ記憶部1020にグラフィックデータ1022を格納することができる。
【0067】
図18に戻って参照すると、その後、結合提供機構1002は、もはや使用されていないデータ記憶部1010にある結合参照の全てを削除する(ブロック1816)。例えば、図6を参照すると、結合参照FIC101がLI444に変更されると、データ記憶部1010にあるFIC101という標識の付いた結合参照が削除される。即ち、結合参照識別子FIC101がLI444に変更された後に、LI444の結合参照が、ポンプグラフィック202bを特定の制御モジュール(例えば、図1のポンプ制御モジュール120)に結合するために使用される。さもなければ、結合参照が重複して問題(例えば、システム同士の競合)を引き起こしうる。その後、図18の例示的な方法は終了される。
【0068】
図19を参照すると、図中のフローダイアグラムは、直近の結合参照情報を使用して装置又は設備グラフィック要素(例えば、図2、図5、図6および図10のポンプグラフィック202b)を読み込むために使用されうる例示的な方法を描くものである。図19の例示的な方法は、結合参照における制御モジュール識別子値への変更(例えば、上記のようなFIC101のLI444への変更)を、対応する装置又は設備のグラフィックがグラフィックエディタ1006により読み込まれた時に当該グラフィックに伝播するためにも使用できる。例えば、結合参照1024がデータ記憶部1010の一つに格納された後に、ユーザが、グラフィックエディタ1006の外部で(例えば、図5のエクスプローラ・ユーザーインタフェース506において)結合参照1024(図10)の制御モジュール識別子値を変更すると、この変更の記録は、グラフィックエディタ1006には保存されない。但し、図19の例示的な方法を使用することにより、グラフィックエディタ1006がグラフィックを読み込んだ時に、結合参照1024の新規の制御モジュール識別子値が、対応するグラフィック(例えば、ポンプグラフィック202b)に対して更新されることが可能になる。
【0069】
図19に示されるように、最初に、グラフィックエディタ1006はユーザに要求されたグラフィックを読み出す(ブロック1902)。例えば、グラフィックエディタ1006は、当該グラフィックを読み込む又は当該グラフィックを含む表示を読み込むようにとのユーザ要求に応答して、ポンプグラフィック202bを読み出しうる。ポンプグラフィック202bに対応する結合提供機構1002は、データ記憶部1010(図10)の一つからポンプグラフィック202bに関する更新済み結合参照を読み出す(ブロック1904)。更新済み結合参照は、グラフィックエディタ1006の外部でユーザにより結合参照になされたあらゆる変更を含む直近の情報を有する結合参照であってよい。
【0070】
グラフィックエディタ1006がブロック1902に関連してグラフィックデータ1022を読み出しうる例示的な方法および、結合提供機構1002がブロック1904で更新済み結合参照を読み出しうる例示的な方法が、図15に示されている。例えば、図15を参照すると、グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、ユーザに要求されたグラフィックに対応するローカルメモリ1008におけるグラフィックとおよび結合参照識別子情報に基づいて読込み要求(Load(xmlGraphic、xmlBindingReferences)を記憶部提供機構オブジェクト1408に通信しうる。記憶部提供機構オブジェクト1408は、DeltaV(登録商標)結合提供機構オブジェクト1102に結合参照要求(IBindingReferenceManager.LoadBindingReferences(”xmlBindingReference”))を通信でき、且つ、グラフィックデータベースサーバ・オブジェクト1410にグラフィックデータ要求(LoadGraphic(xmlGraphic))を通信できる。このように、結合提供機構1002は、データ記憶部1010から更新済み結合参照を読み出すことができ、また、グラフィック記憶部提供機構1004はグラフィックデータ記憶部1020からグラフィックデータ1022を読み出すことができる。
【0071】
図19に戻って参照すると、グラフィックエディタ1006は、ローカルメモリ1008においてポンプグラフィック202bのメモリモデルを構築する(ブロック1906)。例えば、図15に示されるように、グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、読み出されたグラフィックデータ1022を含むグラフィックメモリモデルを作成する要求(Create(xmlGraphic))を、表示オブジェクト1402、形状オブジェクト1404、プロパティオブジェクト1302および結合参照オブジェクト1406に伝えることができる。グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、ユーザが同じグラフィックで作業を行うために選択した前回のセッションの間にグラフィックエディタ1006によりローカルメモリ1008に格納された値に基づいてグラフィックメモリモデルを構築する。従って、いくつかの値は、ブロック1904で読み出された更新済み結合参照における値とは異なりうる。失効している可能性のある結合参照がグラフィックメモリモデルに対して読み込まれていることを示すために、結合参照オブジェクト1406は、結合参照オブジェクト1502のリストに、読み込んだ結合参照に関する結合参照識別子(例えば、「Ref1」)を追加する。
【0072】
図19に示されるように、その後、結合提供機構1002は、更新済みの結合参照のXML表示を再構築する(ブロック1908)。例えば、図15に示されるように、グラフィックエディタ・オブジェクト1106は、ブロック1904で表示オブジェクト1402に読み出された更新済み結合参照情報を含む回復要求(RestoreBindingReferences(xmlBindingReference))を通信することができる。図19に示されるように、その後、グラフィックエディタ1006は、ローカルメモリ1008のメモリモデルにおける失効した制御モジュール識別子値を、更新済み結合参照における対応する更新済み制御モジュール識別子値に置き換える(ブロック1910)。例えば、図15を参照すると、表示オブジェクト1402は、結合参照オブジェクト1502のリストに回復要求(Restore(xmlBindingReference))を伝えることができ、結合参照オブジェクト1502のリストは、結合参照オブジェクト1406に更新要求(Update(xmlBindingReference)を伝えることができる。このように、結合参照オブジェクト1406は、結合参照識別子(例えば、「Ref1」)に基づいて結合提供機構1002から更新済みの制御モジュール識別子値(LI444)を読み出して、ポンプグラフィック202bに更新済みの制御モジュール識別子値(LI444)を関連付けるために、前回の失効している制御モジュール識別子値(FIC101)を更新された制御モジュール識別子値(LI444)と置き換える(つまり、それによって失効した制御モジュール識別子値(FIC101)のポンプグラフィック202bとの関係を切り離す)ことにより更新済みの制御モジュール識別子値(LI444)を格納することができる。例示的な実施形態のいくつかにおいては、ブロック1904で読み出された更新済み結合参照情報における制御モジュール識別子値がブロック1906でローカルメモリ1008に読み込まれたグラフィックメモリモデルにおける制御モジュール識別子値と異なる場合、結合参照オブジェクト1502のリストは結合参照オブジェクト1406への更新要求のみを伝える。その後、グラフィックエディタ1006は更新済みの制御モジュール識別子値を表示する(ブロック1912)。その後、図19の例示的な方法は終了する。
【0073】
図20は、本明細書に記載される装置および方法を実施するために使用できる例示的なプロセッサシステム2010のブロック図である。図20に示されるように、プロセッサシステム2010は相互接続バス2014に連結されるプロセッサ2012を含んでいる。プロセッサ2012には、レジスタセット又はレジスタ領域2016が含まれている。このレジスタセット又はレジスタ領域2016は、図20において完全にチップ上に備えられた状態で示されているが、その代わりとして、完全に又は部分的にチップ外に備えられた状態で、専用の電気接続を介して、及び/又は相互接続バス2014を介して、プロセッサ2012に直接連結することも可能である。プロセッサ2012には、適切なプロセッサ、処理装置又はマイクロプロセッサであれば如何なるものでも使用できる。図20には図示されていないが、システム2010は、マルチプロセッサシステムでありえ、従ってプロセッサ2012と同一である又は類似する且つ相互接続バス2014に通信可能に連結される一つ以上のさらに追加された別のプロセッサを含みうる。
【0074】
図20のプロセッサ2012は、メモリーコントローラー2020および周辺入出力(I/O)コントローラ2022を含むチップセット2018に連結される。周知のように、チップセットは一般に、チップセット2018に連結される一つ以上のプロセッサによりアクセス可能であるか使用される複数の汎用及び/又は専用レジスタやタイマーなどに加え、入出力および記憶管理機能を備える。メモリ制御器2020は、プロセッサ2012(又は、複数のプロセッサが備えられている場合は「複数のプロセッサ」)がシステム・メモリ2024および大容量記憶メモリ2025にアクセスできるようにする機能を果たす。
【0075】
システム・メモリ2024は、例えば静的ランダムアクセス記憶装置(SRAM)、動的ランダムアクセス記憶装置(DRAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリなど(ROM)など所望のあらゆるタイプの持久及び/又は揮発性記憶装置を含みうる。大容量記憶メモリ2025は、ハードディスクドライブ、オプティカルドライブ、テープ記憶装置などを含む所望のあらゆるタイプの大容量記憶装置を含んでいてもよい。
【0076】
周辺I/Oコントローラ2022は、周辺I/Oバス2032を介して、周辺入出力(I/O)装置2026および2028、ならびにネットワーク・インターフェース2030とプロセッサ2012が通信することを可能にする機能を果たす。I/O装置2026および2028には、例えば、キーボード、ビデオディスプレイ又はモニター、マウスなど、所望する任意のタイプのI/O装置を使用しうる。ネットワーク・インターフェース2030は、例えばイーサネット(登録商標)装置、非同期転送モード(ATM)装置、802.11装置、DSLモデム、ケーブルモデム、セルラーモデムなどでありえ、プロセッサシステム2010が別のプロセッサシステムと通信することを可能にする。
【0077】
メモリ制御器2020とI/Oコントローラ2022は、図20においてチップセット2018内の別々の機能ブロックとして表されているが、これらのブロックにより実行される機能は、単一の半導体回路内に統合しても、個別の集積回路を2つ以上用いても実施できるものである。
【0078】
本明細書には実施例として挙げられる特定の方法、装置および製造品が記載されているが、本発明の適用領域の範囲はそれに限定されるものではない。逆に、本発明は、字義的にもしくは均等論に基づいて添付の特許請求の範囲内に公正に含まれる方法、装置および製造品の全てを網羅するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス制御システムにおけるプロパティを結合する方法であって、
構成要素のプロパティに結合型を関連付け、
前記結合型に関連付けられている、プロパティに関する複数の値を読み出し、
ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示し、
前記複数の値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取り、
前記ユーザにより選択された値を構成要素に結合するための結合参照を生成すること、
を含む方法。
【請求項2】
ユーザに提示される前記複数の値の少なくともいくつかが、そのそれぞれが、部分的なユーザ入力と一致するかどうかに基づいて提示されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記部分的なユーザ入力が、文字列、数値、又は記号の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の値の少なくともいくつかを表示する自動提案リストを使用して、前記複数の値を提示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザにより選択された値が有効な結合参照を生成するために使用できることを検証することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザにより選択された値が、有効な結合参照ではないことを示す標示を表示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザにより選択された値をエディタのローカルメモリに格納し、
前記構成要素のプロパティに関する更新済み結合参照を読み込み、
前記エディタのローカルメモリにおけるユーザにより選択された値を、更新済み結合参照からの更新済みの値に置き換えること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記構成要素が、プロセス制御システムにおける装置、設備、又は機能のいずれかを描写表現するグラフィック要素であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザにより選択された値が、プロセス制御システムにおける装置、設備、又は機能のいずれかとインターフェース接続するように構成される制御モジュールを示す制御モジュール識別子値であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
プロセス制御システムにおけるプロパティを結合する装置であって、
構成要素の複数のプロパティに関する複数の値を、プロパティに関連付けられている結合型に基づいて読み出すための結合提供機構と、
ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示し、前記複数の値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取り、前記ユーザにより選択された値を構成要素に結合するための結合参照を生成するための、要素エディタと、
を備える装置。
【請求項11】
前記要素エディタが、前記複数の値の少なくともいくつかのそれぞれが部分的なユーザ入力と一致するかどうかに基づいて、ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示することを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記部分的なユーザ入力が、文字列、数値、又は記号の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記要素エディタが、前記複数の値の少なくともいくつかを表示する自動提案リストを使用して、前記複数の値を提示することをさらに特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記要素エディタが、前記ユーザにより選択された値が有効な結合参照を生成するために使用できることを検証することをさらに特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記要素エディタが、前記ユーザにより選択された値が有効な結合参照ではないことを示す標示を表示することをさらに特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記要素エディタが、
前記ユーザにより選択された値を要素エディタのローカルメモリに格納し、
構成要素のプロパティに関する更新済みの結合参照を読み込み、
前記ローカルメモリにおけるユーザにより選択された値を、更新済みの結合参照からの更新済みの値に置き換えることをさらに特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記構成要素が、プロセス制御システムにおける装置、設備、又は機能のいずれかを描写表現するグラフィック要素であることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記ユーザにより選択された値が、プロセス制御システムにおける装置、設備、又は機能のいずれかとインターフェース接続するように構成される制御モジュールを示す制御モジュール識別子値であることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項19】
命令を格納して有する機械アクセス可能な媒体であって、前記命令は実行されると機械に、
結合型を構成要素のプロパティに関連付けさせ、
前記結合型に関連付けられている、プロパティに関する複数の値を読み出させ、
前記複数の値の少なくともいくつかをユーザに対して提示させ、
複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取らせ、
前記ユーザにより選択された値を構成要素に結合するための結合参照を生成させる、
ことを特徴とする、機械アクセス可能媒体。
【請求項20】
前記命令は実行されると機械に、前記複数の値の少なくともいくつかのそれぞれが、部分的なユーザ入力と一致するかどうかに基づいて、前記複数の値の少なくともいくつかをユーザに提示させることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項21】
前記部分的なユーザ入力が、文字列、数値、又は記号の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項20に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項22】
前記命令は実行されると機械に、前記複数の値の少なくともいくつかを表示する自動提案リストを使用して複数の値を提示させることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項23】
前記命令は実行されると機械に、前記ユーザにより選択された値が有効な結合参照を生成するために使用できることを検証させることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項24】
前記命令は実行されると機械に、前記ユーザにより選択された値が有効な結合参照ではないことを示すための標示を表示させることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項25】
前記命令は実行されると機械に、
前記ユーザにより選択された値をエディタのローカルメモリに格納させ、
構成要素のプロパティに関する更新済みの結合参照を読み込ませ、
前記エディタのローカルメモリにおけるユーザにより選択された値を、更新済みの結合参照からの更新済みの値に置き換えさせることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項26】
前記構成要素が、プロセス制御システムにおける装置、設備、又は機能のいずれかを描写表現するグラフィック要素であることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項27】
前記ユーザにより選択された値が、プロセス制御システムにおける装置、設備又は機能の一つとインターフェース接続するように構成される制御モジュールを示す制御モジュール識別子値であることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項28】
プロセス制御システムにおいて結合参照を更新する方法であって、
構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出し、
前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込み、
更新済み結合参照の更新済み識別子を前記構成要素に関連付けること、
を含む方法。
【請求項29】
前記構成要素がグラフィック要素であることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記構成要素を読み込むことには、グラフィックエディタに関連付けられているローカルメモリから前記構成要素のメモリモデルを読み出し、前記構成要素のメモリモデルをローカルメモリに読み込むことを含むことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
更新済みの識別子を構成要素に関連付けることには、第1の識別子を更新済みの識別子に置き換えることを含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の識別子がプロセス制御モジュールの前回の識別子を表し、更新済みの識別子がプロセス制御モジュールの現在の識別子を表すことを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記構成要素が、構成要素を読み込むようにとのユーザ要求に応答して読み込まれることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記構成要素に関連付けられている第1の識別子が失効している可能性があることを示すために、結合参照のリストに、前記構成要素に関連付けられている結合参照識別子を格納することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
結合参照のリストに格納された結合参照識別子に基づいて更新済みの結合参照の更新済みの識別子を読み出すことをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
プロセス制御システムにおいて結合参照を更新する装置であって、
構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出す結合提供機構と、
前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込むためのエディタ・オブジェクトと、
前記構成要素に更新済みの結合参照の更新済みの識別子を関連付ける結合参照オブジェクトと、を備える装置。
【請求項37】
前記構成要素がグラフィック要素であることを特徴とする、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記エディタ・オブジェクトが、グラフィックエディタに関連付けられているローカルメモリから前記構成要素のメモリモデルを読み出し、前記構成要素のメモリモデルをローカルメモリに読み込むことにより前記構成要素を読み込むことを特徴とする、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記結合参照オブジェクトが、第1の識別子を更新済みの識別子に置き換えることにより前記構成要素に更新済みの識別子を関連付けることを特徴とする、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記第1の識別子がプロセス制御モジュールの前回の識別子を表し、更新済みの識別子がプロセス制御モジュールの現在の識別子を表すことを特徴とする、請求項36に記載の装置。
【請求項41】
前記エディタ・オブジェクトが、構成要素を読み込むようにとのユーザ要求に応答して構成要素を読み込むことを特徴とする、請求項36に記載の装置。
【請求項42】
前記構成要素に関連付けられている第1の識別子が失効している可能性があることを示すために、結合参照のリストにおいて構成要素に関連付けられている結合参照識別子を格納するための結合参照のリストをさらに備える請求項36に記載の装置。
【請求項43】
前記エディタ・オブジェクトが、結合参照のリストに格納された結合参照識別子に基づいて結合提供機構から更新済みの結合参照の更新済みの識別子を読み出すことを特徴とする、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
命令を格納して有する機械アクセス可能媒体であって、前記命令は実行されると機械に、
構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出させ、
前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込ませ、
前記更新済みの結合参照の更新済みの識別子を前記構成要素に関連付けさせる
ことを特徴とする、機械アクセス可能媒体。
【請求項45】
前記構成要素がグラフィック要素であることを特徴とする請求項44に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項46】
前記構成要素を読み込ませることが、グラフィックエディタに関連付けられているローカルメモリから前記構成要素のメモリモデルを読み出させ、前記構成要素のメモリモデルをローカルメモリに読み込むませることを含むことを特徴とする、請求項45に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項47】
前記更新済みの識別子を構成要素に関連付けさせることが、第1の識別子を更新済みの識別子に置き換えさせることを含むことを特徴とする、請求項46に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項48】
前記第1の識別子がプロセス制御モジュールの前回の識別子を表し、前記更新済みの識別子がプロセス制御モジュールの現在の識別子を表すことを特徴とする、請求項44に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項49】
前記命令は実行されると機械に、構成要素を読み込むようにとのユーザ要求に応答して構成要素を読み込ませることを特徴とする、請求項44に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項50】
前記命令は実行されると機械に、前記構成要素に関連付けられている第1の識別子が失効している可能性のあることを示すために、前記構成要素に関連付けられている結合参照識別子を結合参照のリストに格納させることを特徴とする、請求項44に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項51】
前記命令は実行されると機械に、結合参照のリストに格納された結合参照識別子に基づいて更新済みの結合参照の更新済みの識別子を読み出させることを特徴とする、請求項50に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項1】
プロセス制御システムにおけるプロパティを結合する方法であって、
構成要素のプロパティに結合型を関連付け、
前記結合型に関連付けられている、プロパティに関する複数の値を読み出し、
ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示し、
前記複数の値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取り、
前記ユーザにより選択された値を構成要素に結合するための結合参照を生成すること、
を含む方法。
【請求項2】
ユーザに提示される前記複数の値の少なくともいくつかが、そのそれぞれが、部分的なユーザ入力と一致するかどうかに基づいて提示されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記部分的なユーザ入力が、文字列、数値、又は記号の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の値の少なくともいくつかを表示する自動提案リストを使用して、前記複数の値を提示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザにより選択された値が有効な結合参照を生成するために使用できることを検証することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザにより選択された値が、有効な結合参照ではないことを示す標示を表示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザにより選択された値をエディタのローカルメモリに格納し、
前記構成要素のプロパティに関する更新済み結合参照を読み込み、
前記エディタのローカルメモリにおけるユーザにより選択された値を、更新済み結合参照からの更新済みの値に置き換えること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記構成要素が、プロセス制御システムにおける装置、設備、又は機能のいずれかを描写表現するグラフィック要素であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザにより選択された値が、プロセス制御システムにおける装置、設備、又は機能のいずれかとインターフェース接続するように構成される制御モジュールを示す制御モジュール識別子値であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
プロセス制御システムにおけるプロパティを結合する装置であって、
構成要素の複数のプロパティに関する複数の値を、プロパティに関連付けられている結合型に基づいて読み出すための結合提供機構と、
ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示し、前記複数の値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取り、前記ユーザにより選択された値を構成要素に結合するための結合参照を生成するための、要素エディタと、
を備える装置。
【請求項11】
前記要素エディタが、前記複数の値の少なくともいくつかのそれぞれが部分的なユーザ入力と一致するかどうかに基づいて、ユーザに複数の値の少なくともいくつかを提示することを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記部分的なユーザ入力が、文字列、数値、又は記号の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記要素エディタが、前記複数の値の少なくともいくつかを表示する自動提案リストを使用して、前記複数の値を提示することをさらに特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記要素エディタが、前記ユーザにより選択された値が有効な結合参照を生成するために使用できることを検証することをさらに特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記要素エディタが、前記ユーザにより選択された値が有効な結合参照ではないことを示す標示を表示することをさらに特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記要素エディタが、
前記ユーザにより選択された値を要素エディタのローカルメモリに格納し、
構成要素のプロパティに関する更新済みの結合参照を読み込み、
前記ローカルメモリにおけるユーザにより選択された値を、更新済みの結合参照からの更新済みの値に置き換えることをさらに特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記構成要素が、プロセス制御システムにおける装置、設備、又は機能のいずれかを描写表現するグラフィック要素であることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記ユーザにより選択された値が、プロセス制御システムにおける装置、設備、又は機能のいずれかとインターフェース接続するように構成される制御モジュールを示す制御モジュール識別子値であることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項19】
命令を格納して有する機械アクセス可能な媒体であって、前記命令は実行されると機械に、
結合型を構成要素のプロパティに関連付けさせ、
前記結合型に関連付けられている、プロパティに関する複数の値を読み出させ、
前記複数の値の少なくともいくつかをユーザに対して提示させ、
複数のプロパティ値の少なくともいくつかからユーザにより選択された値を受け取らせ、
前記ユーザにより選択された値を構成要素に結合するための結合参照を生成させる、
ことを特徴とする、機械アクセス可能媒体。
【請求項20】
前記命令は実行されると機械に、前記複数の値の少なくともいくつかのそれぞれが、部分的なユーザ入力と一致するかどうかに基づいて、前記複数の値の少なくともいくつかをユーザに提示させることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項21】
前記部分的なユーザ入力が、文字列、数値、又は記号の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項20に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項22】
前記命令は実行されると機械に、前記複数の値の少なくともいくつかを表示する自動提案リストを使用して複数の値を提示させることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項23】
前記命令は実行されると機械に、前記ユーザにより選択された値が有効な結合参照を生成するために使用できることを検証させることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項24】
前記命令は実行されると機械に、前記ユーザにより選択された値が有効な結合参照ではないことを示すための標示を表示させることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項25】
前記命令は実行されると機械に、
前記ユーザにより選択された値をエディタのローカルメモリに格納させ、
構成要素のプロパティに関する更新済みの結合参照を読み込ませ、
前記エディタのローカルメモリにおけるユーザにより選択された値を、更新済みの結合参照からの更新済みの値に置き換えさせることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項26】
前記構成要素が、プロセス制御システムにおける装置、設備、又は機能のいずれかを描写表現するグラフィック要素であることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項27】
前記ユーザにより選択された値が、プロセス制御システムにおける装置、設備又は機能の一つとインターフェース接続するように構成される制御モジュールを示す制御モジュール識別子値であることを特徴とする、請求項19に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項28】
プロセス制御システムにおいて結合参照を更新する方法であって、
構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出し、
前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込み、
更新済み結合参照の更新済み識別子を前記構成要素に関連付けること、
を含む方法。
【請求項29】
前記構成要素がグラフィック要素であることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記構成要素を読み込むことには、グラフィックエディタに関連付けられているローカルメモリから前記構成要素のメモリモデルを読み出し、前記構成要素のメモリモデルをローカルメモリに読み込むことを含むことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
更新済みの識別子を構成要素に関連付けることには、第1の識別子を更新済みの識別子に置き換えることを含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の識別子がプロセス制御モジュールの前回の識別子を表し、更新済みの識別子がプロセス制御モジュールの現在の識別子を表すことを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記構成要素が、構成要素を読み込むようにとのユーザ要求に応答して読み込まれることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記構成要素に関連付けられている第1の識別子が失効している可能性があることを示すために、結合参照のリストに、前記構成要素に関連付けられている結合参照識別子を格納することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
結合参照のリストに格納された結合参照識別子に基づいて更新済みの結合参照の更新済みの識別子を読み出すことをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
プロセス制御システムにおいて結合参照を更新する装置であって、
構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出す結合提供機構と、
前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込むためのエディタ・オブジェクトと、
前記構成要素に更新済みの結合参照の更新済みの識別子を関連付ける結合参照オブジェクトと、を備える装置。
【請求項37】
前記構成要素がグラフィック要素であることを特徴とする、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記エディタ・オブジェクトが、グラフィックエディタに関連付けられているローカルメモリから前記構成要素のメモリモデルを読み出し、前記構成要素のメモリモデルをローカルメモリに読み込むことにより前記構成要素を読み込むことを特徴とする、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記結合参照オブジェクトが、第1の識別子を更新済みの識別子に置き換えることにより前記構成要素に更新済みの識別子を関連付けることを特徴とする、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記第1の識別子がプロセス制御モジュールの前回の識別子を表し、更新済みの識別子がプロセス制御モジュールの現在の識別子を表すことを特徴とする、請求項36に記載の装置。
【請求項41】
前記エディタ・オブジェクトが、構成要素を読み込むようにとのユーザ要求に応答して構成要素を読み込むことを特徴とする、請求項36に記載の装置。
【請求項42】
前記構成要素に関連付けられている第1の識別子が失効している可能性があることを示すために、結合参照のリストにおいて構成要素に関連付けられている結合参照識別子を格納するための結合参照のリストをさらに備える請求項36に記載の装置。
【請求項43】
前記エディタ・オブジェクトが、結合参照のリストに格納された結合参照識別子に基づいて結合提供機構から更新済みの結合参照の更新済みの識別子を読み出すことを特徴とする、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
命令を格納して有する機械アクセス可能媒体であって、前記命令は実行されると機械に、
構成要素に関連付けられている更新済みの結合参照を読み出させ、
前記構成要素、および前記構成要素に関連付けられている第1の識別子を読み込ませ、
前記更新済みの結合参照の更新済みの識別子を前記構成要素に関連付けさせる
ことを特徴とする、機械アクセス可能媒体。
【請求項45】
前記構成要素がグラフィック要素であることを特徴とする請求項44に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項46】
前記構成要素を読み込ませることが、グラフィックエディタに関連付けられているローカルメモリから前記構成要素のメモリモデルを読み出させ、前記構成要素のメモリモデルをローカルメモリに読み込むませることを含むことを特徴とする、請求項45に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項47】
前記更新済みの識別子を構成要素に関連付けさせることが、第1の識別子を更新済みの識別子に置き換えさせることを含むことを特徴とする、請求項46に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項48】
前記第1の識別子がプロセス制御モジュールの前回の識別子を表し、前記更新済みの識別子がプロセス制御モジュールの現在の識別子を表すことを特徴とする、請求項44に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項49】
前記命令は実行されると機械に、構成要素を読み込むようにとのユーザ要求に応答して構成要素を読み込ませることを特徴とする、請求項44に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項50】
前記命令は実行されると機械に、前記構成要素に関連付けられている第1の識別子が失効している可能性のあることを示すために、前記構成要素に関連付けられている結合参照識別子を結合参照のリストに格納させることを特徴とする、請求項44に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項51】
前記命令は実行されると機械に、結合参照のリストに格納された結合参照識別子に基づいて更新済みの結合参照の更新済みの識別子を読み出させることを特徴とする、請求項50に記載の機械アクセス可能媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−205672(P2009−205672A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17817(P2009−17817)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(594120847)フィッシャー−ローズマウント システムズ, インコーポレイテッド (231)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(594120847)フィッシャー−ローズマウント システムズ, インコーポレイテッド (231)
【Fターム(参考)】
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