説明

プロトン伝導性シリカ

【課題】耐熱性、特に高湿度条件下での耐熱性に優れ、化学安定性および寸法安定性を備え、100℃を越える温度でも安定なプロトン伝導が達成可能な、新規なプロトン伝導性シリカを提供する。
【解決手段】Na含有量500ppm以下、B含有量100ppm以下のシリカ基材において、特定の固定アニオン基5種のうち少なくとも1種有するプロトン伝導性シリカを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトン移動を伴う各種電気化学デバイス、特に燃料電池の電解質に適用することができるプロトン伝導性シリカに関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体の中をイオンが移動する物質は、電池やセンサーをはじめとする種々の電気化学デバイスを構成する材料として研究が進められている。
【0003】
中でも、プロトンを伝導イオン種とする材料は、燃料電池の電解質への適用が可能で、世界的な燃料電池システム実用化への期待の高まりとあいまって、精力的に研究が進められている。
【0004】
燃料電池は、電解質に用いられる材料とその作動温度によって、高分子固体電解質形(〜100℃)、リン酸形(〜250℃)、溶融炭酸塩形(〜500℃)および固体電解質形(〜800℃)の4つのタイプに分類されている。これらのうち、最も高出力な燃料電池を構成することができるのが高分子固体電解質形であり、携帯機器や自動車駆動用の電源として、また家庭用オンサイト発電機として、実用化および普及に向けた研究開発が加速している。
【0005】
高分子固体電解質形燃料電池の電解質には、現在、スルホン酸基などの固定アニオン基を持つフッ素系ポリマーが主に使用されているが、耐熱性の改善やプロトン伝導性の向上を目的に、炭化水素系ポリマーの研究開発も進められている。しかし、現時点では、これらの材料は実用化に際して満足できる耐熱性や化学安定性を達成するまでには至っていない。さらに、ポリマー材料は容易に膨潤するため、燃料電池セルやセルスタックを構成する際に重要な要素となる寸法安定性の改善も必要とされている。
【0006】
高分子固体電解質形燃料電池では、純水素以外の燃料、例えば都市ガスを改質して取り出した水素やメタノール等のアルコールも燃料として利用することが可能である。しかし、これら燃料を用いた場合には不純物として、あるいは電極上での酸化過程において一酸化炭素が存在する。このため、電極触媒に使用されている白金系材料の被毒が起こり易くなり、電池作動電圧の低下を引き起こす要因となる。これを回避する最も簡便な方法として、電池の作動温度を100℃以上に高め、一酸化炭素による触媒被毒の影響を低減させることが考えられるが、ポリマー系材料を電解質に使用する燃料電池においては、100℃を越える温度で作動させた場合には、ポリマー材料中に含まれるプロトン伝導性を促進する水が構造内部から放出され、プロトン伝導体として安定に作動させることが困難となる。
【0007】
ポリマー材料を電解質に用いる高分子固体電解質形燃料電池においては、ポリマー材料が抱えている上述したような材料の本質的な課題を解決することが必須である。このため、ポリマー材料にかわる、耐熱性、化学的安定性および寸法安定性に優れ、100℃を越える温度でも安定に作動させることができる新しい電解質と、これを用いた新しいカテゴリーの燃料電池が求められている。
【0008】
これまでに基材をシリカガラスとし、固定アニオン基を有するプロトン伝導性シリカ薄膜の提案が成されている。(特許文献1、非特許文献1及び非特許文献2)具体的には、ホウケイ酸ガラスを調製し、酸化ホウ素及び酸化ナトリウムを分相させた後、酸処理により酸化ホウ素及び酸化ナトリウムを溶出させることにより得られた多孔質ガラスを基材とし、ガラス表面の水酸基をアニオン基に交換したプロトン伝導性シリカ薄膜が提案されている。
【0009】
しかし従来のプロトン伝導性シリカ薄膜では、150℃、100%相対湿度条件下で0.1S/cmと高いプロトン伝導度が得られているが、高湿度条件下での耐熱性が低く、高温・高湿度条件下でのプロトン伝導度の経時的な低下があるという問題があった。高湿度条件下での耐熱性が低い原因としては、基材である多孔質ガラス中に不純物として酸化ホウ素及び酸化ナトリウムが数千〜数万ppm程度と多く残存しているために、高温・高湿度条件下で細孔内に凝縮した水にこれらの不純物が溶出し、基材であるガラスの骨格構造が崩壊することが原因と考えられる。また基材である多孔質ガラスの細孔径、表面積及び細孔容積が不均一な場合、細孔構造が不規則となり、固定アニオン基の密度及び配列が不均一となり、細孔内に凝縮した水分子がガラスとアニオン基の結合を攻撃してアニオン基が脱離することによって水やアニオン基を介したプロトンの移動が起こりにくくなることが考えられる。
【0010】
【特許文献1】WO2004/019439(明細書40頁1行〜6行)
【非特許文献1】NEDO ナノガラス技術プロジェクト平成15年度報告書、203頁−205頁、209頁−212頁(205頁23行〜24行)
【非特許文献2】化学と工業、第57巻、第1号(2004)、41頁−44頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記の状況を鑑みて、耐熱性、特に高湿度条件下での耐熱性に優れ、化学安定性および寸法安定性を備え、100℃を越える温度でも安定なプロトン伝導が達成可能な、新規なプロトン伝導性シリカを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は鋭意検討を行った結果、Na含有量500ppm以下、B含有量100ppm以下のシリカ基材において、下記(1)から(5)式のいずれかで表される固定アニオン基を有するシリカ薄膜によって、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0014】
本発明のプロトン伝導性シリカは、Na含有量500ppm以下、かつ、B含有量100ppm以下のシリカ基材において、下記(1)から(5)式のいずれかで表される固定アニオン基を少なくとも1種有するシリカからなるものである。
【0015】
Na含有量は300ppm以下、B含有量20ppm以下であることがさらに好ましい。
【0016】
Na含有量及びB含有量が少ないことにより、高温・高湿度条件下で細孔内に凝縮した水によるシリカ骨格からのNa及びBの溶出が低減され、高湿度条件下での高い耐熱性が達成可能となる。
【0017】
Na含有量及びB含有量の少ないシリカ基材を構成する元素はNa、Bの含有量が本発明の範囲内であればSiだけには限定されず、Zr又はAlを含有していても良い。
【0018】
本発明のプロトン伝導性シリカは、下記(1)式から(5)式のいずれかで表される固定アニオン基を少なくとも1種有することにより、高いプロトン伝導度が達成され、さらに、疎水性が増加し、高湿度条件下での高い耐熱性が得られる。
【0019】
【化1】

【0020】
【化2】

【0021】
【化3】

【0022】
【化4】

【0023】
【化5】

(但し、R、R及びRは、OH、OCH、OC、OC、F、Cl、Br、I、C2n+1(n=1〜10)、C2n+1(n=1〜10)、CCl2n+1(n=1〜10)、CBr2n+1(n=1〜10)、フェニル基、ナフチル基及びアンスリル基から選ばれる少なくとも1種の置換基であり、アニオン基同士が架橋していてもよい。XはC2m(m=1〜10)、C2m(m=1〜10)、CCl2m(m=1〜10)、CBr2m(m=1〜10)、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、アンスリル基から選ばれる置換基である。)
本発明のプロトン伝導性シリカは、固定アニオン基の密度が0.7個/nm以上10個/nm以下であることが好ましい。固定アニオン基の密度はさらに0.8個/nm以上であることが好ましい。
【0024】
固定アニオン基の密度とは、プロトン伝導性シリカを膜状にした場合において、導入した固定アニオン基の量を、固定アニオン基を導入する前のシリカの表面積(BET表面積)で除したものを示す。この密度が0.7個/nm以上10個/nm以下であることにより、シリカ表面の疎水性が高くなり、高湿度条件下での高い耐熱性が達成可能となるとともに、アニオン基を介したプロトン移動が容易になることで高いプロトン伝導度が達成可能となる。
【0025】
本発明のプロトン伝導体シリカは、全ての細孔径が1nm〜3nmの範囲にあることが好ましい。これにより、シラノール基との相互作用や水分子同士の相互作用が、細孔内部に水を安定に留まらせることに対して最適な状態となり、100℃以上の高温及び低加湿条件において細孔内部に水を保持することが容易となり、水やアニオン基を介したプロトン移動が容易になることで高いプロトン伝導度が達成可能となる。
【0026】
本発明のプロトン伝導体シリカは薄膜であることが好ましく、膜厚が1〜500μm、特に10〜200μmであることが好ましい。膜厚が薄いほど電気抵抗が減少するが、膜厚が薄くなると物質(例えば燃料電池に用いる場合には燃料ガス)の透過性が増すため、発電素子に用いる場合の膜厚は10〜200μmの範囲が特に好ましい。
【0027】
次に本発明のプロトン伝導性シリカの製造法について説明する。
【0028】
本発明のプロトン伝導性シリカは、基材をNa含有量500ppm以下で、かつ、B含有量100ppm以下のシリカ基材を用い、上記(1)式から(5)式のいずれかで表される固定アニオン基を少なくとも導入するものであれば特に限定されるものではない。
【0029】
シリカ基材の合成方法としては、例えば、ケイ素のアルコキシドを用いたゾル‐ゲル法によるシリカ合成において、反応時に3次元的に自己集積する界面活性剤を加えて合成したのち、界面活性剤を除去して細孔を形成させる方法が例示される。ここで、ケイ素のアルコキシドとしては、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランが、また、3次元的に自己集積する界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンセチルエーテルやポリエチレン‐ポリプロピレン‐トリブロックコポリマー、陽イオン界面活性剤のセチルトリエチルアンモニウムブロマイドが例示される。
【0030】
反応時に加えた界面活性剤は、形成させた細孔の規則性を保持した状態で除去することが好ましく、加熱処理によって除去する方法が好ましい。
【0031】
シリカ基材に固定アニオン基を導入する方法としては、シリカ表面の水酸基とアニオン基を交換する方法であれば特に制限はないが、シリカをシランカップリング剤で処理する方法が好ましい。
【0032】
プロトン伝導性シリカの細孔径を1〜3nmに制御するためには、シリカ基材の細孔径を1〜4nmに制御することが好ましい。これは、固定アニオン基の導入により細孔径が減少する場合があるためである。シリカ基材の細孔径は、ゾル組成、界面活性剤の種類、界面活性剤の添加量、及び、1,3,5−トリメチルベンゼン等の添加剤により制御可能である。
【発明の効果】
【0033】
本発明のプロトン伝導性シリカは、耐熱性、特に高湿度条件下での耐熱性に優れ、化学安定性および寸法安定性に優れるため、燃料電池の電解質に用いて100℃を越える高温で使用して安定に作動し、出力特性に優れた燃料電池となる。
【実施例】
【0034】
以下に、本発明の具体例として実施例を示すが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
【0035】
(Na含有量及びB含有量測定)
プロトン伝導性シリカをフッ化水素−硝酸処理によりケイ素を揮散させた後、硝酸に溶解し、ICP発光分光法により定量した。
【0036】
(固定アニオン基の定量)
プロトン伝導性シリカを150℃で2.5h減圧処理した後、0.01gを秤量し0.5mol/lの塩化ナトリウム水溶液50mlに浸漬して1時間攪拌した後、フェノールフタレインを指示薬として0.01mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定を行い、固定アニオン基量を測定した。
【0037】
単位面積当りの固定アニオン基の密度は、上記の定量値(個/g)をBET表面積(m/g)で除した上で、さらに(個/nm)に換算した値である。
【0038】
(細孔分布及び表面積)
日本ベル株式会社製BELSORP−HPにて窒素吸脱着等温線を測定し、得られた脱着等温曲線からDollimore & Heal法によって細孔径分布及び細孔容積を算出し、Brunauer−Emmett−Teller法によって表面積を算出した。なお、サンプルを150℃で2.5時間減圧処理した後に、測定を行った。
【0039】
(耐熱性評価)
プロトン伝導性シリカ0.2gを150℃−100%相対湿度に保持した恒温恒湿器内に100時間保存し、保存前後の表面積を測定した。なお、恒温恒湿器は、HASTEST社製不飽和型超加速寿命試験装置PC−304R8を用いた。
【0040】
(プロトン伝導度測定)
長さ25mm、幅5mm、膜厚150μmのプロトン伝導性シリカ膜に、長さ30mm、幅2mm、膜厚200μmの白金箔電極を3枚テフロン(登録商標)テープで貼り付けた後、プロトン伝導性シリカ膜と白金箔電極をホフマン式ピンチコックで挟んで固定した。白金箔電極の間隔は、白金箔1と2の間を5mm、白金箔2と3の間を10mmとした。白金箔電極には予め白金線を溶接してリード電極とし、測定用サンプルとした。
【0041】
次に測定サンプルを150℃−100%相対湿度で2時間加湿し、この環境下で2端子法によるインピーダンス測定を行い、Nyquist plotと実数軸との交点をバルク抵抗とした。
【0042】
プロトン伝導度は、3通りの電極間距離(白金箔1と白金箔2、白金箔2と白金箔3、白金箔1と白金箔3)でバルク抵抗を測定した後、電極間距離に対してバルク抵抗をプロットして傾きを求め、以下の式に従って算出した。なお、測定は、Solartron社製インピーダンスアナライザーSI1260及びポテンショ/ガルバノスタットSI1287を用いて、印加電圧5mV、周波数100Hzから1MHzの範囲で行った。
【0043】
プロトン伝導度=1/[(傾き)×(プロトン伝導性シリカ薄膜の膜厚)×(プロトン伝導性シリカ薄膜の幅)]
実施例1
テトラエトキシシラン17.35gに、水5.05g、エタノール3.40g、35%塩酸0.09gを混合したものを加え、テフロン(登録商標)製密閉容器にて1時間撹拌した。次に、この溶液に非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンセチルエーテルとしてC1633(OCHCH10OH(以下C16EO10と表記する)5.00gを加えて1時間撹拌した。次に、この溶液に1−ビニル−2−ピロリドン4.63gを加えて1時間攪拌した後に、水0.80gを加えてさらに1時間撹拌した。
【0044】
当該ゾルを、120mm×120mm×0.5mmの大きさの型に8mlを展開して、室温大気中で放置してゲル化させた。得られたゲルを型から剥離し、電気炉を用いて500℃で6時間、空気気流中で焼成し、シリカ薄膜基材を得た。
【0045】
得られたシリカ薄膜基材のNa含有量は280ppm、B含有量は10ppm以下、細孔径は1.4〜3.7nm、表面積は578m/g、細孔容積は0.40cm/g、膜厚は160μmであった。
【0046】
得られたシリカ基材0.5gに1.0mol/lの3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−トルエン溶液を50ml加え、100℃で12時間反応を行い、以下の化学式(6)で示される3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン基を導入したシリカを得た。
【0047】
【化6】

得られた3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン導入シリカをトルエン及びエタノールで洗浄後、35%過酸化水素水溶液200gに室温で15時間浸漬し、プロピルスルホン酸基導入シリカを得た。
【0048】
得られたプロトン伝導性シリカのNa含有量は250ppm、B含有量は10ppm以下、細孔径は1.4〜2.8nm、表面積は398m/g、細孔容積は0.19cm/gであった。また、固定アニオン基量はサンプル1g当たり0.68meq、固定アニオン基密度は0.72個/nmであった。
【0049】
サンプルのS原子の分布状態を走査型透過電子顕微鏡及びEPMAにより分析した結果、固定アニオン基がサンプル中にナノメートルオーダーで均一に分布しているものであった。
【0050】
実施例2
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン導入の際の3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−トルエン溶液の濃度を2.0mol/gとした以外は実施例1と同様にしてサンプルを合成した。得られたサンプルのNa含有量は240ppm、B含有量は10ppm以下、細孔径は1.4〜2.8nm、表面積は350m/g、細孔容積は0.18cm/gであった。また、固定アニオン基量はサンプル1g当たり0.83meq、固定アニオン基密度は1nm四方当たり0.86個であった。
【0051】
実施例3
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン導入の際の3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−トルエン溶液の濃度を0.1mol/gとした以外は実施例1と同様にして合成した。得られたプロトン導電性シリカサンプルのNa含有量は250ppm、B含有量は10ppm以下で、細孔径は1.4〜2.8nm、表面積は420m/g、細孔容積は0.23cm/gであった。また、固定アニオン基量はサンプル1g当たり0.58meq、固定アニオン基密度は0.62/nm個であった。
【0052】
実施例4
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン導入の際の3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−トルエン溶液の濃度を0.01mol/gとした以外は実施例1と同様にして合成した。得られたプロトン伝導性シリカのNa含有量は260ppm、B含有量は10ppm以下、細孔径は1.4〜2.8nm、表面積は463m/g、細孔容積は0.28cm/gであった。また、固定アニオン基量はサンプル1g当たり0.41meq、固定アニオン基密度は0.43個/nmであった。
耐熱性の評価
実施例1〜4で合成したサンプルの高湿度条件下での耐熱性評価を行った。その結果をプロトン伝導度測定の結果と併せて表1に示す。
【0053】
【表1】

実施例1及び2で合成したプロトン伝導性シリカ薄膜は、Na含有量及びB含有量が少なく、固定アニオン基密度の高いため、高湿度条件下での耐熱性評価前後の表面積変化がなく、高い耐熱性を示した。
【0054】
また、実施例1で合成したプロトン伝導性シリカ薄膜の高湿度条件下での耐熱処理後のプロトン伝導度は0.46S/cmであり、耐熱処理前後でプロトン伝導度の変化はなかった。
【0055】
固定アニオン基密度の小さい実施例3及び4で得られたサンプルとの比較から、高い耐熱性を達成するためには固定アニオン基密度が0.7個/nm以上であることが好ましいことが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施例1で合成した基材シリカ薄膜及びプロトン伝導性シリカ薄膜の細孔径分布を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Na含有量500ppm以下、B含有量100ppm以下のシリカ基材において、下記(1)から(5)式のいずれかの固定アニオン基を少なくとも1つ含有するプロトン伝導性シリカ。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

(但し、R、R及びRは、OH、OCH、OC、OC、F、Cl、Br、I、C2n+1(n=1〜10)、C2n+1(n=1〜10)、CCl2n+1(n=1〜10)、CBr2n+1(n=1〜10)、フェニル基、ナフチル基及びアンスリル基から選ばれる少なくとも1種の置換基であり、アニオン基同士が架橋していてもよい。XはC2m(m=1〜10)、C2m(m=1〜10)、CCl2m(m=1〜10)、CBr2m(m=1〜10)、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、アンスリル基から選ばれる置換基である。)
【請求項2】
固定アニオン基密度が0.7個/nm以上10個/nm以下である請求項1に記載のプロトン伝導性シリカ。
【請求項3】
細孔径が1nm〜3nmである請求項1及至2に記載のプロトン伝導性シリカ。

【図1】
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【公開番号】特開2009−114046(P2009−114046A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292188(P2007−292188)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】