説明

プロリンが豊富なペプチドの構造的模倣薬およびその医薬用途

本発明は一般式(I)


に係る化合物に関し、特にプロリンが豊富なペプチドの構造的模倣薬として使用可能であり、タンパク質のPRM結合ドメイン(プロリンが豊富なモチーフ結合ドメイン)に結合し得る。本発明はまた、医薬的活性薬剤としての前記化合物の使用、ならびに細菌性疾患、神経変性疾患および腫瘍を治療するためのこれらの医薬的活性薬剤の使用に関する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に飽和または不飽和の7員環を有する一般式1に記載の化合物であって、
【化1】

式中、
XはOおよび/またはSであり;
A、Bは架橋環であり;
、YはH、アルキル、フルオロアルキル、アリールおよび/またはヘテロアリールであり;
、ZはH、カルボニル、OH、O‐アルキル、O‐アシル、Rおよび/またはRがH、アルキル、アシル、スルホニルであるNR、アルキル、アシル、フルオロアルキル、アリールおよび/またはヘテロアリールであり;
はアルキル、アシル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニルおよび/またはアミノカルボニル(CONH、CONHR、CONH‐ペプチジル、(Rを含む))であり;
はH、アルキル、アリール、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノアシルおよび/またはペプチジルである、
化合物。
【請求項2】
Aおよび/またはBは5および/または6環原子であり、その環員はC、O、Sおよび/またはN原子からなる群から選択されるAおよびBによって表されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
一般式2に従った請求項1または2に記載の化合物であって、
【化2】

式中、
、Zは式1に示したものと同じであり、その立体配置は式2に示され;
、Rがアルキル、アシル、ヘタリールおよび/またはスルホニルであり、
Xが‐CH‐、‐O‐、‐S‐および/または‐NH‐(R)である、
化合物。
【請求項4】
好ましい実施態様が式3に示す構造に対応することを特徴とする、請求項1〜3に記載の化合物であって、
【化3】

式中、
Xが‐CH‐、‐O‐および/または‐S‐であり;
Rが‐NHR"、‐OR"であり、R"がペプチジル、置換アルキル、ヘタリールであり;
R'がアシル、ペプチジルおよび/またはスルホニルである、
化合物。
【請求項5】
医薬的活性物質としての請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
任意で医薬的に許容可能な担体を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物を含む医薬品。
【請求項7】
該医薬担体が、充填剤、希釈剤、結合剤、保湿剤、溶解遅延剤、崩壊剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸収剤および/または滑剤からなる群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の医薬品。
【請求項8】
Src相同性3ドメイン、WWドメイン、Ena/VASP相同1ドメイン、GYFドメイン、UEVドメインおよび/またはプロフィリンからなる群から選択されるドメインのリガンドである、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物が、ポリプロリン模倣薬として使用される、請求項8に記載の化合物の使用。
【請求項10】
ポリプロリンヘリックス構造により媒介される細胞内シグナル伝達経路の修飾と関連する、細菌感染および/またはウイルス感染疾患、神経変性疾患および/または腫瘍性疾患からなる群から選択される、疾患を治療するための薬品の製造における請求項6または7に記載の医薬品の使用。
【請求項11】
細菌性疾患がレジオネラ菌、連鎖球菌、ブドウ球菌、クレブシエラ菌、インフルエンザ菌、リケッチア(腸チフス熱)、マイコバクテリア、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、ナイセリア(髄膜炎、ウォーターハウス・フリーデリクセン(Waterhouse-Friderichsen)症候群、淋病)、シュードモナス菌、ボルデテラ(百日咳)、コリネバクテリウム(ジフテリア)、クラミジア、カンピロバクター(下痢)、大腸菌、プロテウス菌、サルモネラ菌、赤痢菌、エルシニア菌、ビブリオ菌、腸球菌、クロストリジウム、ボレリア、梅毒トレポネーマ、ブルセラ、フランシセラおよび/またはレプトスピラ、リステリアからなる群から選択される細菌により誘発されることを特徴とする、請求項10に記載の医薬品の使用。
【請求項12】
リステリアが、L.モノサイトゲネスSv1/2a、L.モノサイトゲネスSv4bF2365、L.モノサイトゲネスSv4bH7858,178コンティグ、L.モノサイトゲネスSv1/2aF6854,133コンティグ、L.モノサイトゲネスSv4b、L.モノサイトゲネスSv4a、L.イノキュアSv6a、L.ウェルシメリ(welshimeri)Sv6b、L.シーリゲリ(seeligeri)Sv1/2bおよび/またはL.イワノビ(ivanovii)Sv5からなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の医薬品の使用。
【請求項13】
神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病および/または筋萎縮性側索硬化症(ALS)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の医薬品の使用。
【請求項14】
ウイルス感染性疾患が、肝炎および/またはHIV性疾患であることを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載の医薬品の使用。
【請求項15】
腫瘍性疾患が、癌腫、肉腫、神経内分泌腫瘍、血液腫瘤性腫瘍、異固体発生性腫瘍および/または混合腫瘍であることを特徴とする、請求項10〜14のいずれかに記載の医薬品の使用。
【請求項16】
腫瘍性疾患が、内鼻、鼻洞、鼻咽頭、口唇、口腔、中咽頭、喉頭、下咽頭、耳、唾液腺の腫瘍および傍神経節腫を含む耳鼻咽喉領域の腫瘍;非小細胞気管支癌、小細胞気管支癌、縦隔の腫瘍を含む肺の腫瘍;食道、胃、膵臓、肝臓、胆嚢および胆管の腫瘍、小腸、結腸および直腸癌ならびに肛門癌を含む消化管の腫瘍;腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道、陰茎および精巣の腫瘍を含む泌尿生殖器腫瘍;子宮頚部、膣、外陰部の腫瘍、子宮癌、悪性栄養芽細胞疾患、卵巣癌、卵管の腫瘍(Tuba Faloppii)、腹腔の腫瘍、乳癌を含む婦人科系腫瘍;甲状腺、副甲状腺、副腎皮質の腫瘍、膵島腫瘍、カルチノイド腫瘍およびカルチノイド症候群を含む内分泌器の腫瘍;多発性内分泌新生物;骨および軟組織肉腫;中皮腫;皮膚腫瘍;皮膚および眼内メラノーマを含むメラノーマ;中枢神経系の腫瘍;網膜芽細胞腫を含む乳児期腫瘍;ウィルムス腫瘍;神経線維腫症;神経芽細胞腫;ユーイング肉腫腫瘍ファミリー;横紋筋肉腫;非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫;皮膚T細胞リンパ腫;中枢神経系の原発性リンパ腫;ホジキン病;急性白血病、慢性骨髄性およびリンパ性白血病を含む白血病;形質細胞新生物;骨髄形成異常症候群;腫瘍随伴症候群;原発不明腫瘍の転移(CUP症候群);腹膜癌腫症;カポジ肉腫、AIDS関連リンパ腫、中枢神経系のAIDS関連リンパ腫、AIDS関連ホジキン病およびAIDS関連肛門生殖器腫瘍などのAIDS関連悪性腫瘍を含む免疫抑制関連悪性腫瘍;移植関連悪性腫瘍;脳転移、肺転移、肝転移、骨転移、胸膜および心膜転移を含む転移腫瘍;ならびに悪性腹水、からなる群から選択されることを特徴とする、請求項10〜15のいずれかに記載の医薬品の使用。
【請求項17】
発癌タンパク質活性の調節またはシグナル伝達経路の調節のための薬品の製造における請求項10〜16のいずれかに記載の医薬品の使用。
【請求項18】
請求項6または7のいずれかに記載の医薬品が、ゲル、散剤、粉末、錠剤、徐放錠剤、プレミックス剤、乳剤、茶飲料形態(brew−up formulation)、ドロップ、濃縮物、顆粒、シロップ、ペレット、ボーラス、カプセル、エアロゾル、スプレーおよび/または吸入薬の形態で調製および使用されることを特徴とする、請求項10〜17のいずれかに記載の医薬品の使用。
【請求項19】
請求項6または7に記載の医薬品が0.1〜99.5、0.5〜95.0、または20.0〜80.0wt.%の濃度で製剤中に存在することを特徴とする、請求項10〜18のいずれかに記載の医薬品の使用。
【請求項20】
製剤を、経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内および/または局所に投与することを特徴とする、請求項19に記載の医薬品の使用。
【請求項21】
請求項6または7に記載の医薬品を24時間ごとに総量0.05〜500mg/kg、または5〜100mg/体重kgで使用することを特徴とする、請求項10〜20のいずれかに記載の医薬品の使用。
【請求項22】
接触が、経口的に、注射で、局所的に、経膣的に、経直腸的に、および/または経鼻的に達成されることを特徴とする、請求項10〜21のいずれかに記載の医薬品の使用。
【請求項23】
請求項8に記載のドメインを含む第1分子と、前記ドメインに結合して請求項1〜5のいずれかに記載の少なくとも1種の化合物を含む薬剤である第2分子との結合の阻害剤を同定する方法であって、第1分子と第2分子の結合に適した条件下で、該結合を阻害する1以上の化合物を検出し、所望の阻害剤の選択を行うように、1以上の薬剤とのインキュベーションを含む阻害剤の同定方法。
【請求項24】
請求項8に記載のドメインを含む分子と請求項1〜5のいずれかに記載の化合物との結合に影響を与える化合物を同定する方法であって、前記方法が以下の工程:
(a)候補化合物の存在下で結合することに適した条件下で、Src相同性3ドメイン、WWドメイン、Ena/VASP相同1ドメイン、GYFドメイン、UEVドメインおよび/またはプロフィリンを請求項1〜5のいずれかに記載の化合物に接触させ、該ドメインと該化合物間の結合の程度を測定する工程;および
(b)工程(a)で測定した結合の程度と、既知の結合の程度、または候補化合物の非存在下でドメインと化合物間に存在すると判定された結合の程度とを比較し、工程(a)で測定した結合の程度と、既知の結合の程度、または候補化合物の非存在下でドメインとリガンド間に存在すると判定された結合の程度との差異により、該候補化合物が該ドメインと請求項1〜5のいずれかに記載の該化合物との結合に影響を与える化合物であることが示される工程、
を含む化合物の同定方法。
【請求項25】
請求項1〜4のいずれかに記載の少なくとも1種の化合物および/または請求項6もしくは7に記載の医薬品を含み、任意でキットの内容物を組み合わせるための情報を含むキット。
【請求項26】
神経変性疾患、細菌感染性疾患または腫瘍性疾患の予防または治療における請求項25に記載のキットの使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2010−520851(P2010−520851A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528597(P2009−528597)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【国際出願番号】PCT/DE2007/001768
【国際公開番号】WO2008/040332
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(507389646)
【Fターム(参考)】