説明

プールの水の循環装置とその方法

【課題】プールの水の循環装置とその方法を提供する。
【解決手段】本発明に係わるプールの水の循環装置は、建築済みのプールの中に設置されて使用され、又は、建築中のプールに嵌設されて使用され、プールの中に設置される容器があり、容器の前後両端に、それぞれ、プールの水面位置の上方に位置する一列の排水口と入水口が設けられ、また、容器の前端に設置される水循環動作機構により、制御可能の流速で、容器の前端に位置する水を押して、排水口からプールのもう一端の方向へ流し、押されたプールの水が、容器の入水口から容器の中に入り込んで、排水口へ向かって流れて、循環水流を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プールの水の循環システムに関し、特に、建築済みや建築中のプールに設置され、プールにおいて、循環水流を発生し、水水泳者が定点運動するための小型プールに適用されるプールの水の循環装置とその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昔から、連続式プールが既に存在し、図12は、1927年、M.I.Wheelerにより提案された米特許案(No.1,731,554)であり、主として、小型空間に応用されて、単独的に使用できるプール装置Aであり、当該プール装置Aの中にある水が、プールの底部に実装される水循環システムA1により押されて、プールの中で、上下に循環して、水泳者が定点水泳することに供する。また、図13は、1934年、H.Raberにより提案された他の米特許案(No.2,035,835)であり、M.I.Wheelerによる特許案と同じように、小型空間に使用されるが、相違な所は、複雑の構造を簡素化して、コストダウンするものである。上記の二つの発明は、単独的に存在するプール設備であり、建築済みのプールに使用できない。
【0003】
図14は、ドイツ特許第2、222、594号許可案であり、主として、水循環の概念をプールBに応用し、建築する時、水循環システムB1とプールBとを一体に結合する。水循環システムB1を実装する時、専門技術者による実装作業が行わなければ、操作する時、水や電気が漏れる恐れがあり、そのため、実装コストが高く着き、また、実装された後、プールを破壊しない状態では、当該水循環システムを外すことができなく、実用的ではない。
【0004】
既存の数多いプールは、長さが不足である場合、運動効果が良くなく、そして、プールの中に上記の水循環システムを実装すると、全面的な改装をしなければならないから、経済的ではない。
【0005】
本発明は、上記の欠点を解消するために、水循環の効果が得られるだけでなく、建築済みの異なる長さのプールに設置でき、また、工事費を節約できるプールの水の循環装置を提供する。
【特許文献1】米特許案(No.1,731,554)
【特許文献2】米特許案(No.2,035,835)
【特許文献3】ドイツ特許第2、222、594号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、容器と水循環動作機構とが含有され、プールに循環水流を発生するプールの水の循環装置を提供する。
【0007】
本発明の他の目的は、容器と水循環動作機構とが含有され、組立て方式によりプールに設置されることにより、異なる長さのプールに適用できるプールの水の循環装置を提供する。
【0008】
本発明の更に他の目的は、パワーの出力を調整できる水循環動作機構を制御して、循環水流の速度を制御し、水泳者の必要に応じて、異なる水泳の運動効果が得られるプールの水の循環装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の目的を達成するために、容器と水循環動作機構とが含有され、既存のプールに設置されて使用されるプールの水の循環装置である。当該容器は、プールの中に設置され、前後の両端に、それぞれ、排水口と入水口とが設けられ、当該放入水口が、プールの水面位置の上方に位置し、当該水循環動作機構は、容器の前端に設置され、制御可能の流速で、容器の前端に位置する水を押して、排水口からプールのもう一端の方向へ流し、押されたプールの水が、容器の入水口から上記の容器の中に入り込んで、排水口へ向かって流れて、循環水流を形成する。
【0010】
上記の容器は、連通された底箱と、底箱の両端から、それぞれ、上へ延伸する前後箱とが含有され、当該前箱の内側の上方に、当該排水口が形成され、当該後箱の内側の上方に、当該入水口が形成され、また、当該前箱の排水口の高さが、後箱の入水口の高さより高く、前箱の排水口の幅が、後箱の入水口の幅より狭い。
【0011】
上記の水循環動作機構は、少なくとも、電動機と、複数の駆動体と、複数のタービン翼セットとが含有され、底部のプールの水を上へ押して、排水口から排出する。当該電動機は、前箱の外部に設けられても良いし、前箱の内部に設けられても良い。
【0012】
本発明は、上記の容器が、プールの内周縁に沿うように設置されても良い。当該水循環動作機構は、互いに連通される送風機と複数のノズルとからなっても良い。
【0013】
また、本発明は、水循環動作機構に電気的に接続される検知器が含有されても良く、当該検知器により、水泳者の水泳速度を検知して、相対的に水循環動作機構の出力パワーを調整して、プールの水の流速を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明のプールの水循環方法のより良い実施例であり、建築済みや建築中のプールに適用され、a、前後の両端に、それぞれ、プールの上方に位置する入水口と排水口とが設けられる容器をプールの中に設置するステップと、b、容器の前端にある水を押すことにより、排水口からプールのもう一端へ向かって流れる水の流速を制御し、また、押されたプールの水が、容器の入水口から上記の容器に入り込んで、排水口の方向へ流れ、これにより、循環水流が発生される水循環動作機構を容器の前端に設置するステップと、が含有される。
【0015】
図2、3は、本発明のプールの水の循環装置1の第1の実施例であり、建築済みのプール9や建築中のプールに適用され(図4を参照しながら)、プール9に設置される容器2と水循環動作機構3が含有される。
【0016】
第1の実施例において、当該容器2は、ややU文字の板体構造であり、互に連通する、底箱22と、当該底箱22の両端からそれぞれ上へ延伸する前、後箱(21、23)とが含有され、当該前箱21は、上方に、複数の上下に貫通する貫通孔211を有するパネルが設けられ、その内部に、複数の円形状のガイドパイプ212が設けられ、当該ガイドパイプ212の上方に、円弧状のガイド板213が設けられ、当該ガイド板213は、傾斜面の平ら板でもよい。当該前箱21は、内側において、上方に、長方形である後箱23へ向かう開口が形成され、当該開口が、排水口24であり、当該底箱22は、上面221の両側が、上から下へ向かって拡大するように傾斜し、二つの斜面222とより大きい面積を有する底面223とが形成され、これにより、安定的に、プール9に位置付けられ、当該後箱23は、上方と内側の上方に、上方と前箱21へ向かう欠け口が形成され、当該欠け口が、入水口25とされる。上記の放入水口(24、25)は、それぞれ、複数の穴からなっても良く、その形態は、特に制限がない。また、より良い実施例において、当該前箱21の排水口24の高さが、後箱23の入水口25の高さより高く、当該前箱21の排水口24の幅が、後箱23の入水口25の幅より狭い。
【0017】
当該水循環動作機構3は、容器2の前端に設置され、少なくとも、電動機31と複数の駆動体32及び複数のタービン翼セット33が含有され、上記の電動機31は、異なる回転速度に切り替えられるように制御され、当該駆動体32は、前箱21の上方に位置する板面の上の貫通孔211を通してそれぞれ、複数のタービン翼セット33を連動する軸桿セットが含有される。本実施例において、当該複数のタービン翼セット33は、前箱21の内部に設けられ、電動機31は、前箱21の上方に設けられる。また、当該電動機31は、防水可能の水中式でもよく、これにより、駆動体32とタービン翼セット33と一緒に、前箱21の内部に実装することができる。
【0018】
図5、6は、本発明の第1の実施例の循環水流の状態概念図であり、本発明の容器2は、建築済みのプール9の中に設置される時、当該容器2の放入水口(24、25)が、プール9の水面位置の上方に位置し、また、前箱21の排水口24の高さが、後箱23の入水口25の高さより高い。当該電動機31により、駆動体32が連動され、駆動体32の一端に位置する複数のタービン翼セット33が回転を開始すると、タービン翼セット33の底部にあるプールの水は、それにより、上へ流れ、そして、前箱21の内部に設けられ、それぞれ、タービン翼セット33に接続される各ガイドパイプ212と、円弧状のガイド板213とのガイドにより、排水口24から入水口25へ向かって水平的に流れていき、その流速が、流動距離の増加とともに遅くなり、そして、扇形状に、拡散して、本発明の格別の設計である後箱23の入水口25へ流れ込む。そして、後箱23と底箱22の内部の水流通道26を介して、前箱21へ流れ込むことにより、循環水流が発生される。
【0019】
図6、7を参照しながら、水泳者がプール9で水泳運動をする時、水泳者の体能状態や必要に応じて、電動機31の回転速度を調整して、プールの水の流速を制御することにより、水泳者がほぼ原点で泳ぐことができ、そのため、プールの水との相対速度により、大きいプールで水泳運動をすると同じ効果が得られる。
【0020】
上記のプールの水の循環流動速度を調整する方法は、本発明のような、予めに設定した電動機31の異なる回転速度により、所定の水流速度を得られる方法に限らず、図6のように、プール9の側面に検知器4を設置して、当該検知器4が、水循環動作機構3の電動機31に電気的に接続され、水泳者の循環水流に相対する水泳速度を検知し、水泳者の水泳速度が水流より遅いか速い速度である時、相対に、電動機31の出力パワーを調整して、プールの水の流速を制御する。
【0021】
図8は、第1の実施例の他の使用形態図であり、水循環の効果を達成するために、前記の水循環動作機構5は、互いに連通される送風機51と複数のノズル52が含有されても良い。上記の送風機51は、空気圧縮機や高速水流を生成できるポンプであっても良い。当該複数のノズル52は、容器2の前箱21の内側に設置され、当該ノズル52の噴出口が、後箱23の入水口25に向いていて、これにより、前箱21内のプールの水が、前箱21から後箱23へ向かって流れる。
【0022】
図9、10を参照しながら、本発明の複数のガイドパイプ212は、上記のより良い実施例の配置方式の他に、複数のガイドパイプ212を、前ガイドパイプセット214と後ガイドパイプセット215とに分けて、当該前後ガイドパイプセット(214、215)の上方に、それぞれ、ガイド板213を設け、また、当該後ガイドパイプセット215の上方が、前ガイドパイプセット214の上方より高くするようにしても良い。これにより、水循環が、二つの流路を形成して、前箱21の排水口24から後箱23の入水口25へ向かって水平的に流れていく。
【0023】
図11は、本発明のプールの水の循環装置1の第2の実施例であり、当該容器6は、プール9の内周縁に沿うように設置され、当該容器6の前後両端に、それぞれ、排水口61と入水口62が設けられ、当該放入水口(61、62)が、プール9の水面位置の上方に位置する。本実施において、当該水循環動作機構5に互いに連通される送風機51と複数のノズル52とが含有されるのが、好ましい。上記の送風機51は、空気圧縮機や高速水流を生成できるポンプであっても良く、容器6の前端にある水は、当該ノズル52から高圧流体が噴出されることにより、押されて、制御できる流速で、排水口61からプール9のもう一端の方向へ流れ、そして、押されたプールの水は、容器6の入水口62から上記の容器6に入り込んで、また、排水口61へ向かって流れ、循環水流が形成される。
【0024】
本発明は、次の利点が得られる。
【0025】
1、本発明によれば、パワー出力を調整可能の水循環動作機構が設けられるため、水泳者の実際の必要に応じて調整できて、相対的にプールの水流速度を制御できるため、非常に実用である。
【0026】
2、本発明によれば、容器と水循環動作機構とが、直接に建築済みのプールに実装できるため、非常に便利である。
【0027】
3、本発明によれば、容器と水循環動作機構とが、プール構造を変更しない前提で組立てられるため、工事費を節約できる。
【0028】
4、本発明によれば、容器の水流通道とプールの水面により、循環水流が形成され、必要とするパワーが、従来の大型連続性プール設備より小さいため、水泳運動をする時、有効にエネルギーを節約できる。
【0029】
以上の説明から分かるように、本発明は、確実に発明の予期の目的を達成でき、水循環の効果を達成できるだけでなく、建築済みの異なる長さのプールに設置でき、そして、柔軟的でありながら、工事費を節約できる実用的なものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の追加式プールの水循環方法のステップの流れ図
【図2】本発明のプールの水の循環装置の第1の実施例の一部の素子の分解図
【図3】本発明の第1の実施例を建築済みのプールに実装される時の断面図
【図4】本発明の第1の実施例を建築中のプールに嵌設する時の断面図
【図5】本発明の第1の実施例の循環水流の形成の概念図
【図6】本発明の第1の実施例の循環水流の形成の上面概念図
【図7】本発明の第1の実施例の使用状態図
【図8】本発明の水循環動作機構が空気動力噴射式であるの第1の実施例の使用状態図
【図9】本発明の第1の実施例の複数のガイドパイプを前後ガイドパイプセットに分ける時の局部断面図
【図10】本発明の第1の実施例の複数のガイドパイプを前後ガイドパイプセットに分ける時の上面概念図
【図11】本発明の第2の実施例の循環水流の形成の上面概念図
【図12】従来の米発明No.1,731,554特許案の断面図
【図13】従来の米発明No.2,035,835特許案の使用状態図
【図14】従来のドイツ特許No.2,222,594許可案の使用状態図
【符号の説明】
【0031】
A プール装置
A1 水循環システム
B プール
B1 水循環システム
1 プールの水の循環装置
2 容器
21 前箱
211 貫通孔
212 ガイドパイプ
213 ガイド板
214 前ガイドパイプセット
215 後ガイドパイプセット
22 底箱
221 上面
222 斜面
223 底面
23 後箱
24 排水口
25 入水口
26 水流通道
3 水循環動作機構
31 電動機
32 駆動体
33 タービン翼セット
4 検知器
5 水循環動作機構
51 送風機
52 ノズル
6 容器
61 排水口
62 入水口
9 プール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型プールの中に設置されて使用され、
プールの中に設置され、前後両端に、それぞれ、排水口と入水口が設けられ、当該放入水口が、プールの水面位置の上方に位置する容器と、
容器の前端に設置され、制御可能の流速で、容器の前端に位置する水を押して、排水口からプールのもう一端の方向へ流し、押されたプールの水が、容器の入水口から上記の容器の中に入り込んで、排水口へ向かって流れて、循環水流を形成する水循環動作機構と、が含有されることを特徴とするプールの水の循環装置。
【請求項2】
当該容器は、連通される底箱と、底箱の両端から、それぞれ、上へ延伸する前後箱とが含有され、当該前箱の内側の上方に、当該排水口が形成され、当該後箱の内側の上方に、当該入水口が形成されることを特徴とする請求項1に記載のプールの水の循環装置。
【請求項3】
当該前箱の排水口の高さが、後箱の入水口の高さより高いことを特徴とする請求項2に記載のプールの水の循環装置。
【請求項4】
当該前箱の排水口の幅が、後箱の入水口の幅より狭いことを特徴とする請求項2に記載のプールの水の循環装置。
【請求項5】
当該水循環動作機構は、少なくとも、電動機と、複数の駆動体と、複数のタービン翼セットとが含有され、底部のプールの水を上へ押して、排水口から排出することを特徴とする請求項2に記載のプールの水の循環装置。
【請求項6】
更に、複数のガイドパイプが含有され、当該ガイドパイプが、それぞれ、タービン翼セットに接続されることを特徴とする請求項5に記載のプールの水の循環装置。
【請求項7】
当該複数のガイドパイプが、前ガイドパイプセットと後ガイドパイプセットとに分けられ、当該後ガイドパイプセットの上方が、前ガイドパイプセットの上方より高いことを特徴とする請求項6に記載のプールの水の循環装置。
【請求項8】
更に、各ガイドパイプの上方に位置するガイド板があることを特徴とする請求項6に記載のプールの水の循環装置。
【請求項9】
当該水循環動作機構が、前箱の内部に設けられることを特徴とする請求項5に記載のプールの水の循環装置。
【請求項10】
当該水循環動作機構は、複数のタービン翼セットが前箱の内部に設けられ、当該電動機が、前箱の外部に設けられることを特徴とする請求項5に記載のプールの水の循環装置。
【請求項11】
当該容器が、プールの内周縁に沿うように設置されることを特徴とする請求項1に記載のプールの水の循環装置。
【請求項12】
当該水循環動作機構は、互いに連通される送風機と複数のノズルとが含有されることを特徴とする請求項1や2又は11に記載のプールの水の循環装置。
【請求項13】
更に、水循環動作機構と電気的に接続される検知器が含有され、水泳者の水泳速度を検知して、それに応じて、水循環動作機構の出力パワーを調整して、プールの水の流速を制御することを特徴とする請求項1や2又は11に記載のプールの水の循環装置。
【請求項14】
a、前後の両端に、それぞれ、プールの上方に位置する入水口と排水口とが設けられる容器をプールの中に設置するステップと、
b、容器の前端にある水を押すことにより、排水口からプールのもう一端へ向かって流れる水の流速を制御し、また、押されたプールの水が、容器の入水口から上記の容器に入り込んで、排水口の方向へ流れ、これにより、循環水流が発生される水循環動作機構を容器の前端に設置するステップと、が含有される、ことを特徴とするプールの水循環方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−309003(P2007−309003A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140288(P2006−140288)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(506172137)
【出願人】(506172148)
【Fターム(参考)】