説明

ヘアケア方法

乾燥タオルで乾かした毛髪に、20℃で非晶質の非界面活性剤のエステル化糖を含むヘアケア製品を塗布するステップを含む、毛髪の処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪のもつれを解すことを向上させるための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプー及びコンディショナー製剤は、長年、市場で販売されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術にかかわらず、シャンプー中に生じるもつれを防ぐことができる組成物の必要性が存続している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、乾燥タオルで乾かした毛髪に、20℃で非晶質である非界面活性剤のエステル化糖を含むヘアケア製品を塗布するステップを含む、毛髪の処理方法に関する。
【0005】
毛髪のもつれを防止するための非界面活性剤のエステル化糖、好ましくはイソ酪酸酢酸スクロースの使用も開示される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、非界面活性剤のエステル化糖の塗布1回で、洗浄を重ねることに対して効果があるという、さらなる利点を有する。実際に、洗浄を重ねることによって、もつれを解す効果を高めることができる。
【0007】
毛髪は、乾いていることが好ましい。
【0008】
毛髪の処理方法は、以下のステップを含めば好ましい。
【0009】
i)非界面活性剤のエステル化糖を含む組成物を毛髪に塗布するステップ、
ii)続いて、毛髪を洗浄するステップ。
【0010】
本発明の組成物は、乾いた毛髪に塗布されるので前処理用組成物であることが好ましい。製品を塗布して間もなく(1時間以内、より好ましくは5分以内)、毛髪を洗浄し、次いですすぐ。
【0011】
本発明に関して、タオルで乾かした毛髪は、毛髪1gが水を0.8g未満、好ましくは0.6g未満結合しているように規定することができる。乾いたヘアピースはごくわずかな水を結合しており、濡れた毛髪は1gより多い水を結合していることに留意されたい。
【0012】
毛髪は、任意の市販のシャンプーを使用して、従来通りに洗浄される。
【0013】
前処理用製品に特に好ましい製品は、スプレー、ムース、ジェル、セラム/オイル、クリーム又はローションである。スプレー製品及び/又はセラムが特に好ましい。
【0014】
非界面活性剤のエステル化糖のアルキル鎖長がC2からC6であれば、好ましい。好ましくは、非界面活性剤のエステル化糖はスクロースであり、特に好ましくはイソ酪酸酢酸スクロースである。
【0015】
もつれ防止用組成物中のエステル化糖のレベルは、好ましくは全組成物の0.001から10wt%、より好ましくは0.01から5wt%である。
【0016】
該組成物中の非界面活性剤のエステル化糖が、グラム当たりの毛髪に糖を0.3から12mg、好ましくは0.6から6mg、より好ましくは1から1.5mg与えるようなレベルであれば、さらに好ましい。
【0017】
該組成物は、非界面活性剤のエステル化糖に対する溶媒を含むことができる。適した溶媒としては、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル又はこれらの混合物が挙げられる。また、これらの溶媒と共に、水が存在してもよい。特に好ましいのはエタノールであり、エタノールと水とのミックスが特に有用である。
【0018】
非界面活性剤のエステル化糖と溶媒との重量比が0.01:100から1:100であれば、好ましい。
【0019】
本発明の組成物は、より好ましくはエマルションの形態のシリコーンをさらに含むことができる。
【0020】
場合によっては、特に製品がセラム又はオイルである場合、該組成物はシクロペンタシロキサン(D5)を含むことができる。また、オイル、セラムに対しては、トリグリセリドも好ましい。
【0021】
CTFA名称がアモジメチコンであるアミノ官能性ポリジメチルシロキサンは、本発明と共に使用され得る。好ましいシリコーンはエマルションであり、これには、ポリジオルガノシロキサン、詳細には、CTFA名称がジメチコンであるポリジメチルシロキサン、CTFA名称がジメチコノールであるヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンなどのシリコーンが挙げられる。
【0022】
本発明の組成物で使用するのに適したシリコーンエマルションは、Dow Corning社及びMomentive社などのシリコーンの供給業者から入手可能である。このような予備形成シリコーンエマルションの使用は、処理及びシリコーン粒径の制御の容易さから、好ましい。このような予備形成シリコーンエマルションは、典型的には、アニオン性若しくは非イオン性の乳化剤などの適切な乳化剤、又はこれらの混合物を追加的に含み、乳化重合などの化学的乳化法、又は高せん断ミキサーを用いる機械的乳化によって、調製され得る。適切な予備形成シリコーンエマルションの例としては、エマルションDC2−1766、DC2−1784、DC−1785、DC−1786、DC−1788並びにマイクロエマルションDC2−1865及びDC2−1870が挙げられ、全てDow Corning社から入手可能である。これらは全て、ジメチコノールのエマルション/マイクロエマルションである。
【0023】
適切なアモジメチコンエマルションは、DC939、DC7134(Dow Corning社から)及びSME253(Momentive社から)である。
【0024】
シリコーンは、一般に、該組成物の総重量に対して、シリコーンの総重量で0.05から20%、好ましくは1から15%、より好ましくは2から10%のレベルで、本発明の組成物中に存在する。
【0025】
製品がセラム又はオイルである場合には、溶媒のレベルが上述したレベルより高く、このような場合には、そのレベルは、通常、該組成物の総重量の80から99wt%である。
【0026】
ここで、以下の非限定的な実施例を参照して、実施例を説明する。本発明による発明は数字で示され、比較発明は文字で示される。
【実施例】
【0027】
実施例1 Wt%
イソ酪酸酢酸スクロース 0.2
エタノール 50
微量成分及び水 100になるまで
【0028】
もつれの解し実験
2組のヘアピースを試験して、毛髪のもつれを解すのに必要なエネルギー量を減らすためのイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)付着物の能力を評価した。以下で説明する通り、Dove Intensive Care Shampoo(2007年、ヨーロッパで製剤)のみを使用して、第1の組を処理した。Dove Intensive Care Shampooを塗布する前の前処理として、第2の組を製剤例1で処理した。
【0029】
いずれの場合も、質量2.5g、長さ6インチの濃褐色のヨーロッパ人ヘアピースを、故意の機械的又は化学的変化を全く起さずに使用した。各ヘアピースを、以下に規定する複数の処理サイクルにかけた。製剤例1は、使用する場合、乾いたヘアピースに、塗付した。この溶液1.5mlをヘアピースに注入して、均等にのばした。次いで、Dove Intensive Care shampooを、固定した端から1インチの所に、ヘアピース当たり0.5g塗布し、もつれ抑制器具を用いて、ヘアピースに取り入れた。
【0030】
次いで、ヘアピースをすすいでシャンプーを落とし、もつれの解し装置に配置した。この装置は、1kNロードセルを有するInstronロードフレームを備えていた。歯の間隔が狭い、グレーのDupont社製Starflite 858番の櫛を、4cm/分の一定速度で、各ヘアピースに使用した。この櫛を、ヘアピースの最下部から1インチの所に挿入し、梳き通した。次いで、ヘアピースのさらに1インチずつ上の位置から毎回開始して、最下部からの距離が5インチに達するまで、櫛を繰り返し梳き通した。いずれの櫛通しにおいても、ロードカットオフが30Nに達したら、その櫛通しを繰り返す。櫛通し当たりのエネルギーをソフトウェアで計算し、各試験に対する全ての5つの値を合計した。この値は、もつれの解しエネルギーとして記録された。
【0031】
このヘアピースが完全に解された後、洗浄、もつれ及び解しの全サイクルを繰り返した。このサイクルを、各ヘアピースに対して実行した。各製剤に対して、3つの複製物を使用した。
【0032】
このプロセスを、最大8回繰り返した。
【0033】
その結果は以下の通りである:
【0034】
【表1】

【0035】
これらの結果は、イソ酪酸酢酸スクロースを含む前処理用製品を毛髪に塗布することによって、毛髪のもつれを防ぐことを示している。さらに、本発明の実施例では、最初の塗布後、繰り返しの洗浄時にこの効果は存続しており、比較例の場合にはそうならない。
【0036】
以下の実施例(クリーム製剤)は、界面活性剤主体の糖と比較して、非界面活性剤のエステル化糖を用いる有益性を示している。
【0037】
【表2】

【0038】
実施例で処理した(乾燥時塗付に続いて、基礎的なノンコンディショニングシャンプーで洗浄を6回繰り返した)、新しい、濃褐色のヨーロッパ人(7g、10インチ)ヘアピースは、訓練された審査員団によって、櫛入れしやすさが評価された。Bradley Terry検定によって分析した櫛入れ容易性のデータは、発明例2の実施例に対してp=0.005のSAIB(より容易)を含む有意性の高い成功を示している。
【0039】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥タオルで乾かした毛髪に、20℃で非晶質の非界面活性剤のエステル化糖を含むヘアケア製品を塗布するステップを含む、毛髪の処理方法。
【請求項2】
製品が乾いた毛髪に塗布される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
i)非界面活性剤のエステル化糖を含む組成物を毛髪に塗布するステップ、
ii)続いて、毛髪を洗浄するステップ
を含む、請求項1に記載の毛髪の処理方法。
【請求項4】
エステル化糖のアルキル鎖長がC2からC6である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項5】
エステル化糖がスクロースである、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
エステル化糖がイソ酪酸酢酸スクロースである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
エステル化糖のレベルが全組成物の0.01から5wt%である、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
組成物がスプレーの形態である、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
組成物がエタノールをさらに含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
製品がセラムの形態である、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
セラムがトリグリセリドをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
組成物がシリコーンをさらに含む、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
シリコーンがシリコーンエマルションの形態である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
毛髪のもつれを防止するための、非界面活性剤のエステル化糖の使用。

【公表番号】特表2011−520940(P2011−520940A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509979(P2011−509979)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056145
【国際公開番号】WO2009/141381
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】