説明

ヘアケア組成物

本発明は、水溶性非イオン性エチレンオキシドポリマーと水溶性非イオン性セルロースエーテルとを含むヘアケア組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性非イオン性ポリマーを含有させたヘアケア組成物、より特定的にはシャンプーおよびコンディショナーのようなリンスオフヘアケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
リンスオフヘアケア組成物は典型的には、頭髪に洗浄およびコンディショニングの双方の効果を与えるために、1種類または複数の洗浄目的界面活性剤と、1種類または複数のコンディショニング剤とを含む。典型的にはこれらのコンディショニング剤は水不溶性油性材料、カチオン性ポリマーまたはカチオン性界面活性剤である。
【0003】
このようなリンスオフヘアケア組成物に付随する問題は、多くの消費者には洗髪中の髪の手触りの改善のような“濡れた”髪の官能効果が十分なレベルで得られないことである。
【0004】
本発明の発明者らは、ある種の水溶性非イオン性ポリマーの組合せをシャンプーのようなリンスオフヘアケア組成物に含有させると“濡れた”髪の官能効果が有意に改善されることを知見した。本発明の組成物はまた、すすぎ易さについても驚異的な改善を示す。
【0005】
水溶性非イオン性ポリマーは例えば国際特許WO99/44568に記載されている。該特許は、高pH媒体中で配合され細い髪に使用されたときに髪のボリュームおよび豊かさを増す水溶性非イオン性ポリエチレンオキシドホモポリマーの使用に関する。記載されたポリマーは、100,000(PEG−2M)−5,000,000(PEG−115M)の範囲、好ましくは300,000(PEG−7M)の分子量を有している。これらは髪のキューティクル下に沈着してその表面粗さおよびテキスチャーを増すと言われている。
【0006】
国際特許WO95/20939は、脂肪アルコールと100,000(PEG−2M)から600,000(PEG−14M)までの範囲の分子量をもつポリエチレンオキシドホモポリマーとの組合せから形成された増粘クリームリンスエマルションを記載している。組成物は特に髪のつやを増し、乾いた髪の櫛通りを改善すると言われている。
【0007】
日本特許JP95015116は、界面活性剤と0.1−2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含有し高い洗浄能および起泡能を有している洗剤組成物を記載している。
【0008】
日本特許JP94055656は、第四級アンモニウム塩、油および非イオン性セルロースエーテル誘導体を含有するコンディショナーまたはリンスのような頭髪化粧品を記載している。組成物は髪を滑らかにかつ柔らかくする効果を有している。
【0009】
欧州特許EP0191564は、スクロースの脂肪酸エステルと、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースのような非イオン性セルロースエーテル誘導体とを含むシャンプー組成物を記載している。組成物はクリーム状の泡を発生し、髪の“フライアウエー”を改善する。
【0010】
米国特許US6,153,569は、アミノ官能性シリコーンマイクロエマルションとメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース誘導体から成る増粘剤とを含有する光学的に透明なシャンプー組成物を記載している。
【0011】
国際特許WO98/31327は、頭髪および皮膚のコンディショニングおよび清潔感を改善するために水性界面活性剤相に懸濁した独立の水性ポリマー液滴相の形態のセルロースエーテルのような非イオン性水溶性ポリマーを記載している。
【発明の開示】
【0012】
本発明は、水溶性非イオン性エチレンオキシドポリマーと水溶性非イオン性セルロースエーテルとを含むヘアケア組成物を提供する。
【0013】
詳細説明
水溶性非イオン性エチレンオキシドポリマー
本発明のヘアケア組成物は、水溶性非イオン性エチレンオキシドポリマーを含む。
【0014】
本文中に使用した“水溶性”という用語は、25℃の水中で1.0重量%以上の材料濃度のとき裸眼で見て清澄なまたは透明な溶液を形成できる水に十分に可溶できる材料を意味する。
【0015】
本発明のヘアケア組成物に使用するための適当なエチレンオキシドポリマーは、一般式:
H(OCHCHOH
で示される線状エチレンオキシドホモポリマーである。
【0016】
これらの材料は一般にはポリエチレンオキシド(あるいは、ポリオキシエチレンまたはポリエチレングリコール)と呼ばれている。
【0017】
上記一般式中の、nは、少なくとも2,000、好ましくは2,000−235,000、より好ましくは45,000−185,000、最も好ましくは130,000−185,000の平均値を有している。
【0018】
エチレンオキシドポリマーの重量平均分子量(Mw)は、適正には100,000−10,000,000ドルトン、好ましくは1,000,000−10,000,000ドルトン、より好ましくは6,000,000−10,000,000ドルトン、最も好ましくは7,000,000−8,000,000ドルトンの範囲である。
【0019】
本文中に使用したポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ポリマー分子の数と個々のポリマー分子の分子量の二乗和との合計をポリマー分子の数と個々のポリマー分子の分子量の和との合計によって除算した値である。
【0020】
上記一般式に対応するポリエチレンオキシドのMwは、30℃の水中のそれらの固有粘度を測定することによって決定できる。固有粘度[η]はポリエチレンオキシドの分子量Mwに相関関係を有しており、以下の等式によって表すことができる:
[η]=1.25×10−4Mw0.78
【0021】
本発明のヘアケア組成物に使用するために適当な市販のポリエチレンオキシドの非限定例は、商品名POLYOXRTMおよびUCARFLOCRTMで販売されておりAmerchol Corporationまたはその提携会社から入手可能なポリエチレンオキシドである。
【0022】
このようなポリエチレンオキシドの具体例は、Mw100,000ドルトンのPOLYOXRTM WSR−N10;Mw200,000ドルトンのPOLYOXRTM WSR−N80;Mw300,000ドルトンのPOLYOXRTM WSR−N750;Mw400,000ドルトンのPOLYOXRTM WSR−N3000;Mw600,000ドルトンのPOLYOXRTM WSR−205;Mw1,000,000ドルトンのPOLYOXRTM WSR−N12K;Mw4,000,000ドルトンのPOLYOXRTM WSR−301;Mw7,000,000ドルトンのPOLYOXRTM WSR−303;Mw8,000,000ドルトンのPOLYOXRTM WSR−308;Mw7,000,000ドルトンのUCARFLOCRTMポリマー304;Mw8,000,000ドルトンのUCARFLOCRTMポリマー309;Mw10,000,000ドルトンのUCARFLOCRTMポリマー310;およびそれらの混合物である。
【0023】
上記ポリエチレンオキシドのうちで、Mwが少なくとも6,000,000ドルトン、より好ましくは6,000,000−10,000,000ドルトン、最も好ましくは7,000,000−8,000,000ドルトンの材料が好ましい。
【0024】
本発明のヘアケア組成物中の(上述のような)水溶性非イオン性エチレンオキシドポリマーの全量は、組成物の全重量を基準として一般には0.001−1%、好ましくは0.01−0.25%、より好ましくは0.02−0.2%のエチレオオキシドポリマー全量となる範囲である。この範囲よりも高いレベルでは組成物が望ましくないねばねばしたまたはぬるぬるした感触になるので避けるほうが好ましい。
【0025】
水溶性非イオン性セルロースエーテル
本発明のヘアケア組成物は水溶性非イオン性セルロースエーテルを含む。
【0026】
“水溶性”という用語は、上述のように25℃の水中で1.0重量%以上の材料濃度のとき裸眼で見て清澄なまたは透明な溶液を形成できる水に十分に可溶性の材料を意味する。
【0027】
好ましい水溶性非イオン性セルロースエーテルは、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースである。これらの材料は、セルロース繊維を苛性ソーダ溶液と共に加熱し、次いでメチルクロリドで処理してセルロースのメチルエーテルとすることによって製造する。メチルクロリドだけを使用するとメチルセルロースが得られる。ヒドロキシプロピルメチルセルロースを得る場合は、メチルクロリドに加えてプロピレンオキシドを使用し、無水グルコースユニットをヒドロキシプロピル置換する。この置換基−OCHCH(OH)−CHは2番目の炭素に第二級ヒドロキシルを含有する。無水グルコースユニットの置換基の量がセルロースエーテルの溶解度特性を左右する。従って、本発明のヘアケア組成物に使用するための適当なメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースは、それらが上記に定義のような水溶性となるために十分な程度のメトキシルまたはメトキシル/ヒドロキシプロピル置換を有している。
【0028】
メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースはDow ChemicalからそれらのMETHOCEL商標シリーズとして様々な粘度等級で市販されている。ヒドロキシプロピルメチルセルロースが最も好ましく、これはDow ChemicalからそれらのMETHOCEL E,F,J,Kおよび40−シリーズの製品として入手できる。
【0029】
水溶性非イオン性セルロースエーテルの粘度は、Ubbelohde管粘度計で測定して20℃の2%水溶液で一般に100−100,000、好ましくは4,000−75,000mPa.sの範囲である。
【0030】
好ましい市販材料の例は、Dow Chemical社のMETHOCEL 40−100、METHOCEL 40−101およびMETHOCEL 40−202である。
【0031】
上記の水溶性非イオン性セルロースエーテルのいずれかの混合物も適当であろう。
【0032】
水溶性非イオン性セルロースエーテルは組成物の全重量を基準として一般に0.01−2.0%、好ましくは0.1−0.5%、より好ましくは0.1−0.3%のセルロースエーテル全量となるレベルで本発明の組成物中に存在するであろう。
【0033】
製品形態
本発明の組成物は典型的には、頭髪に塗布し次いで洗い流す“リンスオフ”組成物である。
【0034】
特に好ましい製品形態はシャンプー組成物である。
【0035】
シャンプー組成物
本発明のシャンプー組成物は一般に水性である。すなわち、水、水溶液または離液性液晶相を主要成分として有している。好適には組成物が組成物の全重量を基準として50−98重量%、好ましくは60−90重量%の水を含むであろう。
【0036】
アニオン性洗浄用界面活性剤
本発明のシャンプー組成物は一般に、化粧品に許容され頭髪に表在使用するための適当な1種または複数のアニオン性洗浄用界面活性剤を含む。
【0037】
適当なアニオン性洗浄用界面活性剤の例は、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルカリールスルホネート、アルカノイルイセチオネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、N−アルキルサルコシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボン酸とその塩、特に、それらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウム並びにモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン塩である。アルキル基およびアシル基は一般に8−18、好ましくは10−16個の炭素原子を有しており、不飽和でもよい。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボン酸とその塩は1分子あたり1−20個のエチレンオキシドユニットまたはプロピレンオキシドユニットを有し得る。
【0038】
本発明のシャンプー組成物に使用するための典型的なアニオン性洗浄用界面活性剤は、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼスルホン酸ナトリウム、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネート、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルエーテルカルボン酸およびN−ラウリルサルコシン酸ナトリウムなどである。
【0039】
好ましいアニオン性洗浄用界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(n)EO(nは1−3)、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム(n)EO(nは1−3)、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム(n)EO(nは1−3)、ココイルイセチオン酸およびラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム(n)EO(nは10−20)である。
【0040】
上記のアニオン性洗浄用界面活性剤のいずれかの混合物も適当であろう。
【0041】
シャンプー組成物中のアニオン性洗浄用界面活性剤の全量は、組成物の全重量を基準として一般に0.5−45%、好ましくは1.5−35%、より好ましくは5−20%のアニオン性洗浄用界面活性剤の全重量となる範囲である。
【0042】
その他成分
場合によっては本発明のシャンプー組成物が、性能および/または消費適性(consumer accessibility)を強化するために以下に記載のようなその他成分を含有し得る。
【0043】
補助界面活性剤
組成物は、組成物に美的特性、物理的特性または洗浄特性を付与する補助界面活性剤を含み得る。
【0044】
補助界面活性剤の一例は、非イオン性界面活性剤であり、組成物の全重量を基準として0.5−8重量%、好ましくは2−5重量%の量で含有させ得る。
【0045】
例えば、本発明のシャンプー組成物に含有させ得る代表的な非イオン性界面活性剤は、脂肪族(C−C18)第一級または第二級の線状または分枝状アルコールまたはフェノールとアルキレンオキシド通常はエチレンオキシドとの縮合生成物であり、通常は6−30個のエチレンオキシド基を有している。
【0046】
別の代表的な非イオン性界面活性剤は、モノ−またはジ−アルキルアルカノールアミドである。具体例はココモノ−またはジ−エタノールアミドおよびココモノ−イソプロパノールアミドである。
【0047】
本発明のシャンプー組成物に含有させ得る別の非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)類である。典型的なAPGは1つまたは複数のグリコシル基のブロックに(場合によっては架橋基を介して)結合されたアルキル基を含む。好ましいAPG類は以下の式によって定義される:
RO−(G)n
式中のRは飽和または不飽和の分枝状または直鎖状のアルキル基であり、Gは糖基である。
【0048】
Rは約C−約C20の平均アルキル鎖長を表す。好ましくはRが約C−約C12の平均アルキル鎖長を表す。最も好ましくはRの値が約9.5−約10.5の範囲である。GはCまたはCの単糖残基から選択でき、好ましくはグルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノースおよびそれらの誘導体から成るグループから選択され得る。好ましくはGがグルコースである。
【0049】
重合度nは約1から約10またはそれ以上の値を有し得る。好ましくはnの値が約1.1−約2の範囲である。最も好ましくはnの値が約1.3−約1.5の範囲である。
【0050】
本発明に使用するための適当なアルキルポリグリコシドは市販されており、例えば、Seppic社のOramixNS10;HenkelのPlantaren 1200およびPlantaren 2000などの名称の材料がある。
【0051】
本発明の組成物に含有させ得るその他の糖由来非イオン性界面活性剤は、C10−C18N−アルキル(C−C)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えば、国際特許WO9206154および米国特許US5194639に記載されているようなC12−C18のN−メチルグルカミド、並びに、N−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えば、C10−C18のN−(3−メトキシプロピル)グルカミドである。
【0052】
補助界面活性剤の好ましい例は、両性または双イオン性界面活性剤であり、組成物の全重量を基準として0.5−約8重量%、好ましくは1−4重量%の範囲の量で含有させ得る。
【0053】
両性または双イオン性補助界面活性剤の具体例は、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートであり、これらのアルキル基およびアシル基は8−19個の炭素原子を有している。本発明のシャンプーに使用するための典型的な両性および双イオン性界面活性剤は、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインおよびココアンホ酢酸ナトリウムである。
【0054】
特に好ましい両性または双イオン性界面活性剤はコカミドプロピルベタインである。
【0055】
上記の両性または双イオン性界面活性剤のいずれかの混合物も適当である。好ましい混合物は、コカミドプロピルベタインと別の上記の両性または双イオン性界面活性剤との混合物である。また別の好ましい両性または双イオン性界面活性剤はココアンホ酢酸ナトリウムである。
【0056】
本発明のシャンプー組成物中の界面活性剤(何らかの補助界面活性剤および/または何らかの乳化剤も含める)の全量は、組成物の全重量を基準として一般に1−50%、好ましくは2−40%、より好ましくは10−25%の界面活性剤全重量となる量である。
【0057】
カチオン性ポリマー
カチオン性ポリマーは本発明のシャンプー組成物中でコンディショニング性能を強化するための好ましい成分である。
【0058】
適当なカチオン性ポリマーは、カチオン性に置換されたホモポリマーでもよくまたは2種類の以上のモノマーから形成されてもよい。ポリマーの重量平均(Mw)分子量は一般に100,000−2,000,000ドルトンの範囲であろう。ポリマーは第四級アンモニウムまたはプロトン付加アミノ基またはそれらの混合物のようなカチオン性窒素含有基を有するであろう。ポリマーの分子量があまりにも小さいとコンディショニング効果が十分でない。あまりにも大きいと伸長(extensional)粘度が高くなり過ぎて、使用の際に組成物がねばねばするという問題が生じる。
【0059】
カチオン性窒素含有基は一般にカチオン性ポリマーの全モノマーユニットの一部分に置換基として存在するであろう。従ってポリマーがホモポリマーでないときは、非カチオン性のスペーサーモノマーユニットを含有できる。このようなポリマーはCTFA Cosmetic Ingredient Directory,3rd editionに記載されている。カチオン性モノマーユニット対非カチオン性モノマーユニットの重量比は、必要な範囲のカチオン性電荷密度を有しているポリマーが得られるように選択される。このような電荷密度は一般に0.2−0.3meq/gmである。ポリマーのカチオン性電荷密度の測定には米国薬局方(US Pharmacopoeia)の化学的窒素定量試験法の項に記載されているケルダール法が適している。
【0060】
適当なカチオン性ポリマーは例えば、カチオン性アミンまたは第四級アンモニウム官能基を有しているビニルモノマーと、例えば、(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトンおよびビニルピロリドンなどのような水溶性スペーサーモノマーとのコポリマーである。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは好ましくはC1−C7アルキル基を有しており、より好ましくはC1−3アルキル基を有している。他の適当なスペーサーは、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールである。
【0061】
カチオン性アミンは、具体的な種および組成物のpH次第で第一級、第二級または第三級アミンでよい。一般には第二級および第三級アミンが好ましく、特に第三級アミンが好ましい。
【0062】
アミン置換ビニルモノマーおよびアミンはアミン形態に重合でき、次いで第四級化によってアンモニウムに変換できる。
【0063】
カチオン性ポリマーはアミン置換および/または第四級アンモニウム置換モノマーおよび/または相溶性スペーサーモノマーに由来のモノマーユニットの混合物を含むことができる。
【0064】
適当なカチオン性ポリマーの例を以下に挙げる:
−カチオン性ジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー、および、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー、業界名(CTFA)はそれぞれポリクオタニウム6およびポリクオタニウム7;
−3−5個の炭素原子を有している不飽和カルボン酸のホモ−およびコポリマーのアミノ−アルキルエステルの無機酸塩(米国特許第4,009,256号に記載);
−カチオン性ポリアクリルアミド(国際特許WO95/22311に記載)。
【0065】
使用できる他のカチオン性ポリマーは、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体およびカチオン性グアーガム誘導体のようなカチオン性多糖ポリマーを含む。
【0066】
本発明の組成物に使用するための適当なカチオン性多糖ポリマーは式:
A−O−[R−N(R)(R)(R)X
のモノマーを含み、式中の、Aはデンプンまたはセルロースの無水グルコース残基のような無水グルコース残基である。Rはアルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基またはそれらの組合せである。R、RおよびRは独立に、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキルまたはアルコキシアリール基を表し、これらの基の各々は約18個までの炭素原子を含有している。各カチオン性部分の炭素原子の総数(すなわち、R、RおよびRの炭素原子の和)は好ましくは約20以下であり、Xはアニオン性対イオンである。
【0067】
別の種類のカチオン性セルロースとしては、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの高分子第四級アンモニウム塩があり、業界名(CTFA)をポリクオタニウム24という。これらの材料はAmerchol Corporationから例えばPolymer LM−200の商品名で入手できる。
【0068】
他の適当なカチオン性多糖ポリマーは第四級窒素含有セルロースエーテル(例えば米国特許第3,962,418に記載)およびエーテル化セルロースとデンプンとのコポリマー(例えば、米国特許第3,958,581号に記載)を含む。
【0069】
使用できる特に好適な種類のカチオン性多糖ポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのようなカチオン性グアー誘導体である(RhodiaからJAGUAR商標シリーズで市販されている)。このような材料の例は、JAGUAR C13S、JAGUAR C14、JAGUAR C15、JAGUAR C17およびJAGUAR C16 Jaguar CHTやJAGUAR C162である。
【0070】
上記カチオン性ポリマーのいずれかの混合物も使用できる。
【0071】
カチオン性ポリマーは組成物の全重量を基準として一般に0.01−5%、好ましくは0.05−1%、より好ましくは0.08−0.5%のカチオン性ポリマー全重量となるレベルで本発明のシャンプー組成物中に存在する。
【0072】
懸濁化剤
好ましくは本発明の水性シャンプー組成物が懸濁化剤を含む。適当な懸濁化剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリルエステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶質長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は望ましくはエチレングリコールステアレート、16−22個の炭素原子を有している脂肪酸のアルカノールアミドおよびそれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレートおよびポリエチレングリコール3ジステアレートは組成物に真珠光沢を与えるので好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能剤で架橋されたアクリル酸ポリマーも使用し得る。これらはCarbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。好適なカルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマーの例はCarbopol 1342である。すべてのCarbopol(商標)材料はGoodrichから入手可能である。
【0073】
好適なアクリル酸とアクリレートエステルとの架橋ポリマーはPemulen TR1またはPemulen TR2である。好適なヘテロ多糖ガムは例えばKelzan muとして入手可能なキサンタンガムである。
【0074】
上記懸濁化剤のいずれかの混合物も使用し得る。アクリル酸の架橋ポリマーと結晶質長鎖アシル誘導体との混合物が好ましい。
【0075】
懸濁化剤は組成物の全重量を基準として一般には0.1−10%、好ましくは0.5−6%、より好ましくは0.9−4%の懸濁化剤全重量となるレベルで本発明のシャンプー組成物中に存在する。
【0076】
コンディショナー組成物
本発明の組成物の別の好ましい製品形態は、頭髪を(典型的にはシャンプー後に)トリートメントし次いで洗い流すコンディショナーである。
【0077】
このようなコンディショナー組成物は典型的には頭髪に表在使用するのに適しており化粧品に許容される1種または複数のコンディショニング界面活性剤を含む。
【0078】
適当なコンディショニング界面活性剤は、カチオン性界面活性剤から選択され、単独使用されるかまたは混用される。好ましくはカチオン性界面活性剤が式Nを有しており、R、R、RおよびRは独立に(C−C30)のアルキルまたはベンジルである。好ましくは、R、R、RおよびRの1、2または3つが独立に(C−C30)アルキルであり、他のR、R、RおよびR基の1つまたは複数が(C−C)アルキルまたはベンジルである。より好ましくは、R、R、RおよびRの1つまたは2つが独立に(C−C30)アルキルであり、他のR、R、RおよびR基が(C−C)アルキルまたはベンジル基である。場合によっては、アルキル基がアルキル鎖に1つまたは複数のエステル(−OCO−または−COO−)および/またはエーテル(−O−)結合を含んでもよい。アルキル基は場合によっては1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されていてもよい。アルキル基は直鎖状または分枝状であり、3個以上の炭素原子を有しているアルキル基の場合は環状である。アルキル基は飽和でもよく、または、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい(例えばオレイル)。場合によってはアルキル基のアルキル鎖が1つまたは複数のエチレンオキシ基によってエトキシル化されている。
【0079】
本発明のコンディショナー組成物に使用するための適当なカチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、
オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、
デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、
ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、
ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、
ジオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、タロウトリメチルアンモニウムクロリド、二水素化タロウジメチルアンモニウムクロリド(例えば、Akzo Nobel社のArquad 2HT/75)、ココトリメチルアンモニウムクロリド、PEG−2−オレアンモニウムクロリドおよび対応するそれらの水酸化物である。別の適当なカチオン性界面活性剤は、CTFA名がクオタニウム−5、クオタニウム−31およびクオタニウム−18という材料である。上記材料のいずれかの混合物も適当であろう。本発明のコンディショナーに使用するための特に有用なカチオン性界面活性剤は、例えばHoechst Celanese社からGENAMIN CTACとして市販されているセチルトリメチルアンモニウムクロリドである。本発明のコンディショナーに使用するための特に有用な別のカチオン性界面活性剤は、Clariant社から例えばGENAMIN KDMPとして市販されているベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0080】
単独でまたは1種類もしくは複数の他のカチオン性界面活性剤と共に本発明に使用するための適当なカチオン性界面活性剤のクラスの別の例は以下の(i)と(ii)との組合せである:
(i)一般式(I):
【0081】
【化1】

[式中、Rは10個以上の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖、RおよびRは独立に炭素原子数1−10のヒドロカルビル鎖から選択され、mは1−10の整数である]のアミドアミン、および、
(ii)酸。
【0082】
本文中に使用したヒドロカルビル鎖という用語は、アルキルまたはアルケニル鎖を意味する。
【0083】
好ましいアミドアミン化合物は、式中の
が約11−約24個の炭素原子を有しているヒドロカルビル残基であり、
およびRの各々が独立に1−約4個の炭素原子を有しているヒドロカルビル残基好ましくはアルキル基であり、
mが1−約4の整数を表す式(I)の化合物である。
【0084】
好ましくは、RおよびRがメチル基またはエチル基である。
【0085】
好ましくは、mが2または3、すなわちエチレン基またはプロピレン基である。
【0086】
本発明に有用な好ましいアミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、および、それらの混合物である。
【0087】
本発明に有用な特に好ましいアミドアミンはステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびそれらの混合物である。
【0088】
本発明に有用な市販のアミドアミン類を以下に挙げる:LEXAMINE S−13という商品名でInolex(Philadelphia Pennsylvania,USA)から、および、AMIDOAMINE MSPという商品名でNikko(Tokyo Japan)から入手可能なステアラミドプロピルジメチルアミン、AMIDOAMINE Sという商品名でNikkoから入手可能なステアラミドエチルジエチルアミン、INCROMINE BBという商品名でCroda(North Humberside,England)から入手可能なベヘナミドプロピルジメチルアミン、および、SCHERCODINEシリーズという商品名でScher(Clifton New Jersey,USA)から入手可能な種々のアミドアミン。
【0089】
酸(ii)はヘアトリートメント組成物中のアミドアミンにプロトンを付加し得る有機または無機のいかなる酸でもよい。本発明に有用な酸の適例は、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸およびそれらの混合物である。好ましくは酸が、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸およびそれらの混合物から成るグループから選択される。
【0090】
酸の主要な役割は、ヘアトリートメント組成物中のアミドアミンにプロトンを付加してヘアトリートメント組成物中で第三級アミン塩(TAS)をin situに形成することである。実際にはTASは非永久的第四級アンモニウムまたは擬似第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤である。
【0091】
酸は存在するアミドアミン全部にプロトン付加するために十分な量、すなわち、組成物中に存在するアミドアミンに少なくとも等モル量で含まれるのが好適である。
【0092】
本発明のコンディショナー中のカチオン性界面活性剤のレベルは、組成物の重量に対して一般に0.01−10重量%、より好ましくは0.05−7.5重量%、最も好ましくは0.1−5重量%の範囲であろう。
【0093】
本発明のコンディショナーは典型的には、脂肪アルコールも含有している。コンディショニング組成物中に脂肪アルコールとカチオン性界面活性剤とを併用することが特に有利であると考えられる。何故ならばこれによってカチオン性界面活性剤を分散させたラメラ相が形成されるからである。
【0094】
代表的な脂肪アルコールは、8−22個の炭素原子、より好ましくは16−22個の炭素原子を含む。脂肪アルコールは典型的には直鎖状アルキル基を含有する化合物である。適当な脂肪アルコールの例は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、および、それらの混合物である。これらの材料の使用は、これらの材料が本発明の組成物の総合的コンディショニング特性に寄与するという点でも有利である。
【0095】
本発明のコンディショナー中の脂肪アルコールのレベルは、組成物に対して通常は0.01−10重量%、好ましくは0.1−8重量%、より好ましくは0.2−7重量%、最も好ましくは0.3−6重量%であろう。カチオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比は適正には1:1−1:10、好ましくは1:1.5−1:8、最適には1:2−1:5である。カチオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比があまりにも高いと組成物が目にしみる。あまりにも低いと、消費者によっては髪がきしむと感じる。
【0096】
追加のコンディショニング剤
本発明の組成物は濡れた髪および乾いた髪にコンディショニング効果を最適に与えるために追加のコンディショニング剤を含んでもよい。
【0097】
特に好ましい追加のコンディショニング剤はシリコーンエマルションである。
【0098】
適当なシリコーンエマルションは、ポリジオルガノシロキサン、より特定的には、CTFA名をジメチコーンというポリジメチルシロキサン、CTFA名をジメチコノールというヒドロキシル末端基をもつポリジメチルシロキサン、および、CTFA名をアモジメチコーンというアミノ官能性ポリジメチルシロキサンのようなシリコーンから形成されたものである。
【0099】
エマルション液滴は本発明の組成物中で典型的には0.01−20マイクロメーター、より好ましくは0.2−10マイクロメーターの範囲のSauter平均液滴直径(D3,2)を有している。
【0100】
Sauter平均液滴直径(D3,2)の適当な測定方法はMalvern Mastersizerのような計器を使用するレーザー光散乱法である。
【0101】
本発明の組成物に使用するための適当なシリコーンエマルションはDow CorningおよびGE Siliconesのようなシリコーン供給業者から入手可能である。加工容易性およびシリコーン粒度の制御のためにはこのような予め形成されたシリコーンエマルションの使用が好ましい。このような予形成シリコーンエマルションは典型的には、アニオン性もしくは非イオン性乳化剤、または、それらの混合物を更に含み、乳化重合のような化学的乳化プロセス、または、高剪断ミキサーを使用する機械的乳化によって調製し得る。Sauter平均液滴直径(D3,2)が0.15マイクロメーター未満の予形成シリコーンエマルションは一般にマイクロエマルションと呼ばれている。
【0102】
適当な予形成シリコーンエマルションの例は、エマルションDC2−1766、DC2−1784、DC−1785、DC−1786、DC−1788およびマイクロエマルションDC2−1865およびDC2−1870であり、これらはいずれもDow Corningから入手できる。これらはすべてジメチコノールのエマルション/マイクロエマルションである。また、DC939(Dow Corning製)およびSME253(GE Silicones製)のようなアモジメチコーンエマルションも適当である。
【0103】
また、例えば国際特許WO03/094874に記載されているように、ある種の高分子量界面活性ブロックコポリマーをシリコーンエマルション液滴とブレンドしたシリコーンエマルションも好適である。このような材料では、シリコーンエマルション液滴が上記のようなポリジオルガノシロキサンから形成されるのが好ましい。界面活性ブロックコポリマーの1つの好ましい形態は、以下の式:
【0104】
【化2】

で表され、式中のxの平均値は4以上であり、yの平均値は25以上である。
【0105】
界面活性ブロックコポリマーの別の好ましい形態は、以下の式:
【0106】
【化3】

で表され、式中のaの平均値は2以上であり、bの平均値は6以上である。
【0107】
上記シリコーンエマルションのいずれかの混合物も使用し得る。
【0108】
シリコーンは組成物の全重量を基準として一般には0.05−10%、好ましくは0.05−5%、より好ましくは0.5−2%のシリコーン全重量となるレベルで本発明の組成物中に存在するであろう。
【0109】
他の任意成分
本発明の組成物は性能および/または消費適性を強化する他の成分を含有してもよい。このような成分は、着香料、染料および顔料、pH調整剤、真珠光沢剤または乳白剤、粘度調整剤、保存剤、および、植物、果実エキス、糖誘導体、アミノ酸などの天然毛髪栄養素を含む。
【0110】
方法
本発明のヘアケア組成物の特に好ましい調製方法は、水溶性非イオン性エチレンオキシドポリマーを担体液とブレンドしてポリマーが担体液で被覆されたスラリーを形成する第一段階を含む。次にスラリーを撹拌しながら組成物の残りの成分とブレンドして担体液の被膜を分散させる。
【0111】
適当な担体液は、水溶性非イオン性エチレンオキシドポリマーを有意な程度には溶解させない化粧品に許容される材料であればよい。好ましい例は、グリセリン、油性疎水性香料およびそれらの混合物である。
【0112】
使用方法
本発明の組成物の所期の用途は主として、滑らかさ、柔らかさ、扱い易さ、キューティクル保全およびつやのような毛髪繊維の表面特性を改善しながら清浄化するためのリンスオフ組成物としてヒト対象の頭髪および/または頭皮に表在使用することである。本発明によって提供される組成物は好ましくは、頭髪に揉み込み、髪が乾く前に清水ですすぐことによって使用する水性シャンプー組成物である。場合によっては、すすいだ後、乾く前に、別のコンディショニング配合物を使用してもよいが、本発明の水性シャンプー組成物は頭髪の洗浄およびコンディショニングの双方を目的とする製品であるから、それらは不要であろう。
【0113】
以下の非限定実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。異なる指定がなければ、実施例中のすべてのパーセンテージは全重量を基準とする重量%である。
【実施例】
【0114】
(実施例1と比較実施例A、BおよびC)
以下の表に示す成分を含むシャンプー組成物を調製した。実施例1は本発明の組成物を表し、実施例A、BおよびCは比較実施例を表す。
【0115】
【表1】



【0116】
18名の熟練のパネリストによる官能検査によって実施例1、A、BおよびCの組成物を評価した。濡れた髪の種々の官能特性をパネリストが1−5の段階で格付けした(1=最低点、5=最高点)。平均スコアを以下に示す。
【0117】
【表2】

【0118】
結果は、検査したすべての特性について、実施例1の組成物が実施例A、BまたはCよりも優れていることを明らかに示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性非イオン性エチレンオキシドポリマーと水溶性非イオン性セルロースエーテルとを含むヘアケア組成物。
【請求項2】
エチレンオキシドポリマーが一般式:
H(OCHCHOH
[式中、nは、少なくとも2,000、好ましくは2,000−235,000、より好ましくは45,000−185,000、最も好ましくは130,000−185,000の平均値を有している]で示される線状のエチレンオキシドホモポリマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
エチレンオキシドポリマーが、6,000,000ドルトン−10,000,000ドルトン、より好ましくは7,000,000ドルトン−8,000,000ドルトンの重量平均分子量(Mw)を有している請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
エチレンオキシドポリマーの全量が組成物の全重量を基準として0.001−1%、好ましくは0.01−0.25%、より好ましくは0.02−0.2%のエチレンオキシドポリマー全量となる範囲である請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
水溶性非イオン性セルロースエーテルがメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびそれらの混合物から選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
1種類または複数のアニオン性洗浄用界面活性剤を含む水性シャンプー組成物の形態である請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
更にシリコーンエマルションを含む請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
シリコーンエマルションがシリコーンとエチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマーとから形成される請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
エチレンオキシドポリマーを担体液とブレンドし、ポリマーが担体液で被覆されたスラリーを形成する第一段階と、次いで、担体液の被膜を分散させるために撹拌を使用しながらスラリーを組成物の残りの成分とブレンドする段階とを含む請求項1から7のいずれか一項に記載のヘアケア組成物の製造方法。
【請求項10】
担体液がグリセリン、油性疎水性香料およびそれらの混合物から選択される請求項8に記載の製造方法。

【公表番号】特表2008−508201(P2008−508201A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522948(P2007−522948)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/007237
【国際公開番号】WO2006/010440
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】