説明

ヘアコンディショニング組成物

本発明は、水性担体、カチオン界面活性剤および脂肪物質から形成される薄板状ゲル相および脂肪酸および一般式:
H(OCHCHR)OH
(ここで、RはH、メチル、またはその混合物、およびnは少なくとも150の平均値を有する。)
のアルキレンオキシドの水溶性、非イオン性ポリマーを含む前記薄板状ゲル相のためのレオロジー調整剤を含むヘアコンディショニング組成物を提供する。本発明の組成物は優れた粘着性を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本発明の分野)
本発明は、脂肪酸および水溶性、非イオン性ポリマーを含むヘアコンディショニング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(本発明の背景および先行技術)
ヘアコンディショニング組成物は、通常毛髪のシャンプーおよびリンス後すぐに毛髪に適用される。コンディショニング組成物は、毛髪を介して作用し、水でそれを毛髪からリンスする前に一定の期間毛髪に浸透するために放置される。
【0003】
従来このようなコンディショニング組成物は、カチオン界面活性剤および脂肪物質、通常長鎖脂肪アルコールの組み合わせを用いた。この組み合わせが薄板状ゲル相を形成し、これが製品に望ましい粘度を与え、その製品の使用中に毛髪の上に沈着し、コンディショニングの利益を提供する。
【0004】
多くの消費者は、毛髪にツルツル感およびコーティング感の少ない「軽い」コンディショニング製品を望む。これが、脂肪物質の量を減らした「低脂肪」製剤の開発に導いた。
【0005】
しかし、脂肪物質の含量の低減は、製品の粘度を許容できないレベルに下げ得る。その結果、増粘剤を組み入れることが必要であることが見出された。
【0006】
この目的のために用いられている増粘剤の例は、ヒドロキシエチルセロースなどの非イオン性セルロースエーテルである。
【0007】
セチルヒドロキシエチルセロースなどの疎水処理セルロースエーテルが用いられている。この種類の物質はEP412705、EP412706およびEP412710に、殆どのポリマー性増粘剤に関連するネバネバ感がなく、四級アンモニウム化合物/脂肪アルコールゲル網目増粘系を用いずに、通常のヘアコンディショナーのゲル網目構造に非常に似たレオロジーを与えるとして記載されている。
【0008】
上述のヘアコンディショニング組成物などに関する問題は、製品の使用の異なる条件下で正しい粘度のプロフィルを得ることが困難であることである。毛髪への制御された流し込みと製品の量を可能にするために、例えばクリーミーな製品粘度が望ましい。しかし、毛髪を介しての製品の広がりおよびリンスを容易にするために、製品粘度が、希釈時に急速に低下することが望ましい。もしも該製品を、毛髪からリンスすることが困難であれば、使用後の汚れた、「コーティングされた」毛髪感などの消費者によって知覚される感覚上の欠点に寄与する。
【0009】
発明者らは、この問題は、脂肪酸および、アルキレンオキシドの非イオン性ポリマーをヘアコンディショニング組成物に組み入れることによって解決されることを見出した。
【0010】
JP2002226327は、容易に流し込め得、手に乗せた時に裕福な製品の感じがあり、リンスおよび乾燥後に滑らかな毛髪感を与える毛髪化粧品を記載している。該化粧品は、12−ヒドロキシステアリン酸などの側鎖にヒドロキシ基を有する高級脂肪酸を有する。
【0011】
DE19641841は、直接作用するヘアダイおよび特定のアルコールまたはグリコールエーテル溶媒と組み合わせて、10から26の炭素の脂肪酸を含む水性組成物を記載している。該組成物は、良好なヘアコンディショニングとヘアダイ効果を提供すると言われている。
【0012】
WO99/44568は、高pH媒体中に製剤化され、細い毛髪に適用されたときに、ヘアボディーおよび豊かさを増加するための水溶性非イオン性ポリエチレンオキシドホモポリマーの使用に関する。これらは毛髪のキューティクルの下に沈着し、それに表面の粗さおよび触感をより多く提供するといわれている。
【0013】
WO95/20939は、低融点脂肪アルコールとポリエチレンオキシドホモポリマーとの組み合わせによる増粘された、クリームリンスエマルジョンを記載している。該エマルジョンは、優れたウェットな毛髪感、延展性およびリンス能力および光沢度、毛髪の配列、および容積減少、特に乾燥梳毛の利益を与えると云われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】EP412705
【特許文献2】EP412706
【特許文献3】EP412710
【特許文献4】JP2002226327
【特許文献5】DE19641841
【特許文献6】WO99/44568
【特許文献7】WO95/20939
【発明の概要】
【0015】
(本発明の概要)
本発明は、水性担体、カチオン界面活性剤および脂肪物質から形成される薄板状ゲル相および脂肪酸および一般式:
H(OCHCHR)OH
(ここで、RはH、メチルまたはその混合物、およびnは少なくとも150の平均値を有する。)
のアルキレンオキシドの水溶性、非イオン性ポリマーを含む該薄板状ゲル相のためのレオロジー調整剤を含むヘアコンディショニング組成物を提供する。
【0016】
(本発明の詳細な説明)
カチオン界面活性剤
本発明による組成物は商業的に入手できる1つ以上のカチオン界面活性剤を含み、毛髪への局所適用に適する。
【0017】
該カチオン界面活性剤は、脂肪物質および水性担体とともに、さまざまなヘアコンディショニング属性を提供するために適した薄板状ゲル相を形成する。
【0018】
本発明の組成物における使用のために適したカチオン界面活性剤は、該組成物に溶解したときに正に帯電する、アミノまたは四級アンモニウム親水性部分を含む。
【0019】
適した四級アンモニウムカチオン界面活性剤は次の一般式に対応する:
[N(R)(R)(R)(R)](X)
(ここで、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して(a)1から22の炭素原子の脂肪族基または(b)芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、22までの炭素原子を有するアリールまたはアルキルアリール基から選ばれ;およびXは、ハロゲン、(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコレート、リン酸硝酸塩、硫酸塩およびアルキル硫酸塩基から選ばれる塩形成アニオンである。)
脂肪族基は炭素および水素原子の加えて、エーテル結合およびアミノ基などの他の基を含み得る。長鎖脂肪族基、例えば、約12以上の炭素を有する長鎖脂肪族基は飽和または不飽和であり得る。
【0020】
一般式(I)のカチオン界面活性剤の適した種類において、RおよびRは、それぞれ独立してRおよびRの両方において少なくとも1つのエステル結合を含むCI6からC22のヒドロカルビル鎖から選ばれ、およびRおよびRは、それぞれ独立してCHおよびCHCHOHから選ばれる。
【0021】
一般式(I)のカチオン界面活性剤の他の適した他の種類において、RおよびRは、それぞれ独立してC16からC22の飽和または不飽和、好適には飽和の鎖であり、RおよびRは、それぞれ独立してCHおよびCHCHOH、好適にはCHから選ばれる。
【0022】
一般式(I)のカチオン界面活性剤の好適な種類において、Rは、CI6からC22のアルキル鎖およびR、RおよびRはそれぞれ独立してCHおよびCHCHOH、好適にはCHから選ばれる。
【0023】
一般式(I)の適した四級アンモニウムカチオン界面活性剤の具体的な例は、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(BTAC)、塩化セチルピリジニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化デシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化タロートリメチルアンモニウム、塩化ココトリメチルアンモニウム、塩化パルミトイルエチルジメチルアンモニウム、塩化PEG−2オレイルアンモニウムおよびこれらの塩(ここで、該塩化物は、ハロゲン、(例えば、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸硝酸塩、硫酸塩またはアルキル硫酸塩で置換されている。)。
【0024】
本発明における使用に特に好適な四級アンモニウムカチオン界面活性剤は、例えばGENAMIN CTACとして、Hoechst Celaneseから商業的に入手できるセチルトリメチルアンモニウム、およびAkzo Nobelにより供給されるArquad16/29、およびClariantにより供給されるGenamin KDM−Pなどのベヘニルトリメチルアンモニウム(BTAC)である。
先述の物質のいずれかの混合物もまた適している。
【0025】
一級、二級、および三級脂肪アミンの塩もまた、本発明における使用に適したカチオン界面活性剤である。このようなアミンのアルキル基は好適には約12から約22の炭素原子を有し、および置換されまたは置換され得ない。これらのアミンは、通常、酸との組み合わせで用いられ、カチン性分子種を提供する。
【0026】
好適なアミンの種類は、次の一般式に対応する:
−C(O)−N(H)−R−N(R)(R
(ここで、Rは、12から22の炭素原子を含む脂肪酸鎖、Rは、1から4の炭素原子を含むアルキレン基、およびRおよびRは、独立して、1から4の炭素原子を有するアルキル基である。)
一般式(II)の適した物質の具体的な例は、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチル1ジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミンおよびジエチルアミノエチルステアラミドである。
【0027】
ジメチルステアラミン、ジメチルソヤミン、ソヤミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N−タロープロパンジアミン、エトキシ化(酸化エチレン5モルで)ステアラミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミンおよびアラキジルベヘニルアミンもまた有用である。
【0028】
特に好適には、ステアラミドプロピルジメチルアミンである。
【0029】
先述の物質のいずれかの混合物もまた適している。
【0030】
カチオン性分子種を与えるために用いられる酸は、遊離のアミン窒素を中和するのに十分な酸強度を有するいずれかの有機酸または無機酸であり得る。このような酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、酢酸、グルコン酸、グリコール酸およびプロピオン酸またはその組み合わせを含む。一般に、アミドアミン化合物を中和し、該組成物の最終pHを約2.5から約6、好適には約3から約5のpHの範囲に調整するために、十分な量の酸が加えられる。該酸からのHに対するプロトン化可能なアミン基のモル比は、好適には約1:0.3から1:1.2、およびより好適には約1:0.5から約1:1.1である。
【0031】
上述のカチオン界面活性剤のいずれかの混合物もまた適している。
【0032】
本発明の組成物において、カチオン界面活性剤の濃度は、該組成物の全重量に対するカチオン界面活性剤の全重量で、好適には0.1から10%、より好適には0.2から5%、最も好適には0.25から4%の範囲である。
【0033】
脂肪物質
本発明の組成物は、脂肪物質を含む。
該脂肪物質は、カチオン界面活性剤および該水性担体と共に、さまざまなヘアコンディショニング属性を与えるのに適している薄板状ゲル相を形成する。
【0034】
「脂肪物質」によって一般式R−X(ここで、Rは脂肪族炭素鎖であり、Xは、機能性基(例えば、アルコールまたは誘導体)を有する化合物が意味され、これはレオロジー調整剤の脂肪酸とは異なる。
【0035】
Rは、好適には8から30、より好適には16から22の炭素原子を含む、飽和脂肪族炭素鎖である。
【0036】
Rは、炭素および水素原子に加えて、エーテル結合およびアミノ基などの他の基を含み得る。
【0037】
好適にはRは炭化水素鎖である。
【0038】
Xは、好適にはヒドロキシル基である。
【0039】
最も好適には、該脂肪物質は、一般式CH(CHOH、(ここで、nは7から29の整数、好適には15から21の整数である。)の脂肪アルコールである。
【0040】
適した脂肪アルコールの具体的な例は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールおよびその混合物である。
【0041】
本発明の組成物中の脂肪物質の濃度は、該組成物の全重量に対する該脂肪物質の全重量で、0.01から15%、好適には0.1から10%、より好適には0.5から4重量%である。
【0042】
脂肪酸
本発明の組成物は、脂肪酸を含む該薄板状ゲル相のためのレオロジー調整剤を含む。
【0043】
好適な脂肪酸は、一般式R−COOH、(Rは飽和脂肪族のC12からC22の炭化水素鎖(以下、「飽和脂肪族のC12からC22の脂肪酸」と云う)。
【0044】
より好適には、該脂肪酸は、一般式CH(CHCOOH、(ここで、nは、14から20の整数である。)を有する。
【0045】
適した脂肪酸の具体的な例は、パルミチン酸、ステアリン酸およびベヘニン酸およびその混合物である。
【0046】
本発明のコンディショナー中の脂肪酸の濃度は、該組成物の全重量に対するC12からC22の脂肪酸の全重量で0.01から15%の範囲が適しており、好適には0.05から10%、およびより好適には0.3から1.2%である。
【0047】
本発明のコンディショナー中の脂肪物質および脂肪酸の合わせた濃度は、該組成物の全重量に対して全重量(脂肪物質および脂肪酸)で0.01から15%の範囲が適しており、好適には0.5から10%、およびより好適には1.5から4.5%である。
【0048】
本発明のコンディショナー中の(脂肪物質):(脂肪酸)の重量比は、1:5から10:1が適しており、好適には1:2から8:1、より好適には1:1から6.5:1である。
【0049】
(カチオン界面活性剤):(脂肪物質および脂肪酸)の重量比は、10:1から1:10が適しており、好適には4:1から1:8、より好適には1:1から1:7である。
【0050】
アルキレンオキシドの水溶性、非イオン性ポリマー
本発明の組成物は、
一般式:
H(OCHCHR)OH
(ここで、Rは、H、メチルまたはその混合物およびnは、少なくとも150の平均値である。)のアルキレンオキシドの水溶性、非イオン性ポリマーを含む該薄板状ゲル相のためのレオロジー調整剤を含む。
【0051】
本明細書の使用される「水溶性」は、水に十分に可溶性で、25℃において水中で1.0重量%以上の濃度で肉眼に対して透明なまたは半透明な溶液を形成するいずれかの物質を意味する。
【0052】
RがHである場合、これらの物質は、ポリエチレンオキシドとしても知られているエチレンオキシドのポリマー、ポリオキシエチレンおよびポリエチレングリコールである。
【0053】
Rがメチルである場合、これらの物質は、ポリプロピレンオキシドとしても知られているプロピレンオキシドのポリマー、ポリオキシプロピレンおよびポリプロピレングリコールである。Rがメチルである場合、得られるポリマーの各種の位置異性体が存在し得る。
【0054】
上述の構造において、Rは、最も好適にはHである。
【0055】
上述の構造において、nは、通常約150から約235、000、好適には約2、000から約225、000、より好適には約40、000から約185、000の平均値を有してよい。
【0056】
本発明における使用に適したアルキレンオキシドの商業的に入手できるポリマーの例は、ポリオックス(POLYOX)(登録商標)およびウカーフロック(UCARFLOC)(登録商標)の商品名で販売されており、Dow Chemical Companyまたはその関連会社から入手できるこれらのポリエチレンオキシドを含む。
【0057】
本発明における使用に適したこのような物質の具体的な例は、ポリオックス(POLYOX)(登録商標)WSR−N10(ここで、nは約2000の平均値を有し、PEG−2Mとしても知られている);ポリオックス(POLYOX)(登録商標)WSR−N80(ここで、nは、約5000の平均値を有し、PEG−5Mとしても知られている);ポリオックス(POLYOX)(登録商標)WSR−N750(ここで、nは約7000の平均値を有し、PEG−7Mとしても知られている);ポリオックス(POLYOX)(登録商標)WSR−N3000(ここで、nは約14、000の平均値を有し、PEG−14Mとしても知られている);ポリオックス(POLYOX)(登録商標)WSR−N12k(ここで、nは約23、000の平均値を有し、PEG−23Mとしても知られている);ポリオックス(POLYOX)(登録商標)WSR−N60K(ここで、nは約45、000の平均値を有し、PEG−45Mとしても知られている);ポリオックス(POLYOX)(登録商標)WSR−301(ここで、nは約90、000の平均値を有し、PEG−90Mとしても知られている);ポリオックス(POLYOX)(登録商標)WSR−303;ポリオックス(POLYOX)(登録商標)WSR−308(ここで、nは約180、000の平均値を有し、PEG−180Mとしても知られている);ウカーフロック(UCARFLOC)(登録商標)ポリマー304;ウカーフロック(UCARFLOC)(登録商標)ポリマー309(ここで、nは約180、000の平均値を有し、PEG−180Mとしても知られている)およびウカーフロック(ウカーフロック(UCARFLOC))(登録商標)ポリマー310(ここで、nは約225、000の平均値を有し、PEG−225Mとしても知られている、)を含む。
【0058】
アルキレンオキシドの上記ポリマーのいずれかの混合物もまた適している。
【0059】
本発明の組成物中のアルキレンオキシドの水溶性、非イオン性ポリマーの全量は、該組成物の全重量に対して、アルキレンオキシドのポリマーの全重量で、一般に0.001から1%、好適には0.002から2%、より好適には0.005から0.1%、および最も好適には0.01から0.05%の範囲である。
【0060】
水性担体
本発明のコンディショニング組成物は水性担体を含む。
【0061】
適した水性担体は水および低級アルキルアルコールおよび多価アルコールの水溶液である。
【0062】
適した低級アルキルアルコールの例は、1から6の炭素を有する一価アルコール、好適にはエタノールおよびイソプロパノールである。
【0063】
適した多価アルコールの例は、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンおよびプロパンジオールである。
【0064】
好適には、該水性担体は、実質的に水である。
【0065】
一般に、本発明による組成物は該組成物の全重量に対して、少なくとも60%、好適には少なくとも65%、より好適には少なくとも70重量%の水を含む。
【0066】
追加のコンディショニング剤
本発明の組成物は、湿式および乾式コンディショニングの利益を最大化するために追加のコンディショニング剤を含んでよい。
【0067】
特に好適な更なるコンディショニング剤は、シリコンエマルジョンである。
【0068】
適したシリコンエマルジョンは、ポリジオルガノシロキサンなどのシリコンから形成されたもの、具体的にはジメチコンのCTFA表示を有するポリジメチルシロキサン、ジメチコノールのCTFA表示を有するヒドロキシ末端を有するポリジメチルシロキサンおよびアモジメチコンのCTFA表示を有するアミノ−機能性ポリジメチルシロキサンを含む。
【0069】
エマルジョン液滴は、通常、本発明の組成物中で0.01から20マイクロメータ、より好適には0.2から10マイクロメータの範囲のSauterの平均液滴直径(D)を有し得る。
【0070】
該Sauterの平均液滴直径(D)を測定するための適した方法は、Malvern Mastersizerなどの装置を用いるレーザー光散乱による。
【0071】
本発明の組成物中における使用に適したシリコンエマルジョンは、Dow CorningおよびGE Siliconesなどのシリコン供給業者から入手できる。このような前形成されたシリコンエマルジョンの使用は、シリコン粒径の加工および制御の容易性のために好適である。このような前形成されたシリコンエマルジョンは、通常更に、アニオン性または非イオン性乳化剤またはその混合物などを含む、適した乳化剤を含み、エマルジョン重合などの化学的乳化プロセスまたは高せん断混合機を用いる機械的乳化によって調製され得る。0.15マイクロメータ未満のSauterの平均液滴直径(D)を有する前形成されたシリコンエマルジョンは、一般にマイクロエマルジョンと云われる。
【0072】
適した前形成されたシリコンエマルジョンの例は、エマルジョンDC2−1766、DC2−1784、DC−1785、DC−1786、DC−1788およびマイクロエマルジョンDC2−1865およびDC2−1870を含み、すべてDow Corningから入手できる。これらは、すべてジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。DC939(Dow Corning製)およびSME253(GE Silicon製)などのアモジメチコンエマルジョンもまた適している。
【0073】
高分子量の界面活性ブロックコポリマーのある型がシリコンエマルジョン液滴と混合されている、例えばWO03/094874に記載されている、シリコンエマルジョンもまた適している。このような物質において、該シリコンエマルジョン液滴は、好適には上述のようなポリジオルガノシロキサンから形成される。該界面活性ブロックコポリマーの1つの好適な形は、次式に従う:
HO[CHCHO][CH(CH)CHO][CHCHO]
(ここで、xの平均値は4以上およびyの平均値は、25以上である。)
界面活性ブロックコポリマーの他の好適な形は次式による:
(HO[CHCHO][CH(CH)CHO]−N−CH−CH−N([OCHCH(CH)][OCHCH0H)
(ここで、aの平均値は2以上およびbの平均値は6以上である。)
上述のシリコンエマルジョンのいずれかの混合物もまた用いられ得る。
【0074】
シリコンは一般に本発明の組成物中に、該組成物の全重量に対するシリコンの全重量で0.05から10%、好適には0.05から5%、より好適には0.5から2%の濃度で存在する。
【0075】
他の場合による成分
本発明による組成物はまた、他の化粧品的に適した成分を、好適には2重量%以下の濃度含んでよい。適した成分は:保存剤、着色剤、キレート剤、抗酸化剤、香料、抗生物質、フケ防止剤、カチオン性コンディショニングポリマー、スタイリング成分、日焼け止め、蛋白質および加水分解蛋白質を含む。
【0076】
使用
本発明の組成物は、それを湿った毛髪、好適にはシャンプーされ、ついで水でリンスされた毛髪に適用することにより用いられ得る。
【0077】
一般に、該組成物は毛髪に適用され(好適にはシャンプーされ、ついで水でリンスされた毛髪。)、ついで該毛髪を介して作用される。好適には該組成物はついで、水で該組成物を毛髪からリンスする前に約1分から3分の期間放置して毛髪に浸透される。
【0078】
本発明を以下の実施例を参照して更に記載する。実施例において、特別の定めのない限りすべての比率は、全重量に基づく重量による。本発明による実施例は、数字で示され、比較例は文字で示される。
【実施例】
【0079】
次の表1に示した成分を有するヘアコンディショニング組成物のシリーズを調製した:
【0080】
【表1】

【0081】
該組成物を希釈時の粘度挙動について評価した。それぞれの組成物について、純粘度および4希釈(水による)における1つにおける粘度を測定し、比較した。評価の結果を下表2示す。
【0082】
【表2】

【0083】
結果は、本発明による実施例(1および2)が等価なカチオン界面活性剤ベースを有する比較例(a、b、c、d)と比べて、希釈時により速い粘度低下を与えることを示す。本発明による組成物(1から4)は、希釈時に急速に低下する粘度を有する。この作用は、消費者による毛髪からの該製品の速いリンスを容易にする。この作用は、本発明の組成物について、異なったカチオン界面活性剤ベースおよびポリエチレングリコールポリマーの分子量の範囲に亘って観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性担体、カチオン界面活性剤および脂肪物質から形成される薄板状ゲル相および脂肪酸および一般式:
H(OCHCHR)OH
(ここで、RはH、メチルまたはその混合物であり、nは、少なくとも150の平均値を有する。)
のアルキレンオキシドの水溶性、非イオン性ポリマーを含む上記薄板状ゲル相のためのレオロジー調整剤を含む、ヘアコンディショニング組成物。
【請求項2】
カチオン界面活性剤が次の一般式(I):
[N(R)(R)(R)(R)](X)(I)
(ここで、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して(a)1から22の炭素原子の脂肪族基または(b)22までの炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールまたはアルキルアリール基から選ばれ;およびXは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸硝酸塩、硫酸塩およびアルキル硫酸ラジカルから選ばれるものなどの塩形成アニオンである。)に対応する、四級アンモニウムカチオン界面活性剤である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項3】
該カチオン界面活性剤が、次の一般式(II):
−C(O)−N(H)−R−N(R)(R)(II)
(ここで、Rは、12から22の炭素原子を含む脂肪酸鎖であり、Rは、1から4の炭素原子を含むアルキレン基であり、RおよびRは、独立して1から4の炭素原子を有するアルキル基である。)に対応するアミンの塩である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項4】
脂肪酸が、一般式CH(CHCOOHを有する(ここで、nは、14から20の整数である。)、請求項1から3のいずれか1項に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項5】
RがHであり、nが、約150から約235、000の平均値を有する、請求項1から4のいずれか1つに記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項6】
脂肪物質が、一般式CH(CHOH(ここで、nは、7から29の整数である。)の脂肪アルコールである、請求項5に記載のヘアコンディショニング組成物。

【公表番号】特表2010−527961(P2010−527961A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508838(P2010−508838)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056251
【国際公開番号】WO2008/145579
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】