説明

ヘアスタイリングフィルム、およびフィルム形態の毛髪固定製品の製造のための方法

本発明は、フィルム形態の毛髪固定製品を製造するための方法であって、まず、ポリマーを液体キャリア媒質中に溶解または分散することにより、粘性の、圧延可能な調合物を作製し、その後、当該調合物を、圧延装置による圧延によりフィルムに成形し、次いで液体キャリア媒質を蒸発させることによる方法に関する。本発明はまた、少なくとも一種の毛髪固定ポリマーを含み、有利には、更なる界面活性剤またはポリオールを含み、かつ、好ましくは、付着性の粉末の疎水性分離剤で処理される、ヘアスタイリングフィルムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の方法は、フィルム形態の毛髪固定製品、並びに、特に、プルランおよび場合により追加の毛髪固定ポリマーに基づく、固形の水溶性フィルム形態の、毛髪の固定のための毛髪処理剤に関する。
【背景技術】
【0002】
人の毛髪を固定および支持するために、または形成されたヘアスタイルを安定化するために、毛髪処理剤が、通常、液体溶媒に基づくゲル、泡、スプレーまたはローションの形態で用いられている。かかる溶媒に基づく製品は、その高い溶媒-および/または推進剤含量のために、容積が嵩張り、そして重く、それ故に、携帯に不便であるという不都合がある。この問題は、通常、かかる製品を非常に小さな容器に充填することにより解決される。そのような製品は、ごく少量の使用のためにしか足りないという不都合を有する。その他、かかる製品は、製造に際して、固形の、分離した、使用のために十分な部分に分けることができない。また、立体的な成形および魅力的な外形の調製が不可能である。圧力下に液化される薄い液体のゲルまたはチキソトロープゲルは、その使用により、手または毛髪から流れ落ち得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
JP01-131109より、溶液を鋳型に注いだ後、当該溶媒を蒸発させることにより製造される、薄片または板状の毛髪処理剤が公知である。かかる薄片または板は、特に、表面の一様さ、製品の厚さ、およびそれと結びつく、例えば使用中の溶解速度に関連する使用態様に関して、完全に満足のいくものではない。
EP1317916号より、プルランまたは変性されたスターチを含有し、所定のスターチ誘導体のスターチ溶解物から、いわゆるナイフ-オーバー-ロールコーティング法と、一晩のコンディショニングの後、フィルムを引延することにより製造されるフィルムが公知である。前記フィルムは、詳しくは、ガラス容器中で37℃の温水を用いて溶解されるが、これは、湿らせた手または湿らせた毛髪上で優れた溶解態様を示すヘアスタイリングフィルムとしての使用のためには、もちろん満足のいくものではない。前記ナイフ-オーバー-ロールコーティング法は、概して、0.5mmの厚さのコーティングの作製のみを可能とする。典型的に達成可能なコーティングの厚さは、1〜30mmである。このような厚さのフィルムは、ヘアスタイリングフィルムとしての使用のために、満足のいく溶解態様を示さない。
【0004】
本発明の基礎をなす課題は、それゆえ、湿気、即ち、比較的少量の水と、手で刷り込むことにより十分に接触させることにより、溶解され、毛髪に馴染ませた後、毛髪固定作用を展開して、ヘアスタイルの形成を可能とする、本質的に溶媒を含まないフィルムを提供することにある。刷り込みにより、ヘアスタイルの形成の際に、頭髪に、不都合な、目に見えるまたは顕著な残り滓をもたらす虞のある、柔化された不溶性のフィルム粒子が残らないことが求められる。フィルムは、積み重ねることができ、および/または非常に弾力性があり、その結果、巻き付け可能であることが求められる。これは、空気中の湿気に対して耐えるように作製されており、互いに直接貼り付き合わず、かつ、長期間の貯蔵の後で、良好に互いに剥がされ得ることが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の対象は、フィルム形態の毛髪固定製品の製造のための方法であって、
−まず、ポリマーを液体のキャリア媒質中に溶解または分散させることにより、圧延可能な調合物を作製し、そして、
−次いで、前記調合物を圧延装置を用いた圧延により、フィルムの形態にし、そして、
−同時にまたは次いで、液体の前記キャリア媒質を蒸発させることによる方法である。
【0006】
本発明の対象は、ヘアスタイリングフィルム、特に本発明により作製されたヘアスタイリングフィルム、および、毛髪固定のためのかかるフィルムの使用である。
前記圧延可能な調合物は、半固体の、パン生地のように柔らかい粘度を有し、または、粘性の流動物としての挙動を示し得、これで適当なキャリアを覆い、圧延装置を用いて圧延することにより、望ましいフィルム厚を生じる。乾燥後、作製されたフィルムをキャリアから離す。適したキャリア材料は、例えば、シリコン、金属、金属化ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテル/ポリアミドブロックコポリマー、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ナイロン、アルキレン/スチロールコポリマー、ポリエチレン、ポリエステル又はその他の再剥離可能な材料である。適当な圧延装置は、特に、コーティングおよび塗装技術の専門家に公知の、少なくとも2つの同一方向または逆方向のシリンダーまたはローラーを備えた、いわゆるフォーワード-ロール-またはリバース-ロール-コーターであり、リバース-ロール方法が好ましい。
【0007】
本発明の意味におけるフィルムは、平たく滑らかな形態と、好ましくは1mm以下、特に0.5mmより薄い、例えば0.05mm〜0.5mm未満の厚さを有する、固形の、本質的に溶媒を含まない製品である。溶媒の残存量は、好ましくは5重量%未満、特に1重量%未満である。
ポリマー
適当なポリマーは、独力で確実にフィルム形成および/または毛髪固定特性を示すことができるものである。適当なポリマーには、しかし、ポリマーの混合物であって、溶媒の蒸発後にフィルム形成および/または毛髪固定特性を示すものも含まれる。圧延可能な調合物中のポリマー含量は、10〜80重量%、20〜70重量%または30〜60重量%である。液体のキャリア媒質の蒸発後、完成されたフィルム中のポリマー含量は、50〜97重量%、60〜95重量%または80〜95重量%であり、特に85重量%以上の含量が好ましい。
【0008】
特に、含有されるポリマーの少なくとも一つは、水溶性である。特に好ましいのは、プルランである。適当なプルランは、10,000〜5,000,000の平均分子量を示し得る。特に、少なくとも一種の毛髪固定ポリマーが含まれ、特に、プルランと少なくとも一種の毛髪固定ポリマーの組合せが含まれる。プルランの、追加の毛髪固定ポリマーに対する重量比は、1:10〜10:1、特に1:5〜5:1または1:2〜2:1である。当該比率は、好ましくは2未満:1、特に好ましくは1未満:1、例えば1:2〜1未満:1である。
【0009】
前記毛髪固定ポリマーは、アニオン性、カチオン性、双イオン性、非イオン性および両性ポリマーから選択され得る。これは、天然または合成ポリマーであってよい。合成ポリマーなる文言により、非天然起源の純粋な合成によるポリマー、特に、エチレン性不飽和モノマーからラジカル重合により、またはポリ重合により製造されたものが理解される。天然ポリマーなる文言により、後に化学的または物理的に変性されてもよい天然起源のポリマーが理解される。キャリア媒質中で、溶解されたまたは均一に分散された形態で存在するために、キャリア媒質、特に水、アルコールまたは水/アルコール混合物中で十分な溶解能力または分散能力を示すかかるポリマーが特に好ましい。毛髪固定ポリマーなる文言により、0.01〜5%の水性、アルコール性または水性-アルコール性溶液または分散液での使用により、毛髪上でポリマーフィルムを析出し、毛髪を固定する本発明によるかかるポリマーが理解される。
【0010】
適当な非イオン性ポリマーは、以下のモノマーの少なくとも一種から構成されるホモ-またはコポリマーである。:ビニルラクタム、特にビニルピロリドンおよびビニルカプロラクタム、ビニルエステル、例えばビニルアセテート、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキルアクリルアミド、ジアルキルアクリルアミド、アルキルメタクリルアミド、ジアルキルメタクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、プロピレングリコール又はエチレングリコール、ここで、これらのモノマーのアルキル基は、特に、C1-〜C7-アルキル基、特に好ましくはC1-〜C3-アルキル基である。例えば、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン又はN-ビニルホルムアミドのホモポリマーが適している。更に適当な合成フィルム形成、非イオン性毛髪固定ポリマーは、例えば、ビニルピロリドンとビニルアセテートからの共重合物、ビニルピロリドン、ビニルアセテートおよびビニルプロピオネートからのターポリマー、ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール並びにポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールコポリマーである。特に好ましいのは、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタムおよび少なくとも一種の更なる非イオン性モノマーとのそのコポリマー、特にポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマーである。
【0011】
適当なアニオン性毛髪固定ポリマーは、例えば、酸基を含むモノマー単位からの合成ホモ-又はコポリマーであり、これは、酸基を含まないコモノマーと共重合されても良い。酸基は、特に、-COOH、-SO3H、-OSO3H、-OPO2Hおよび-OPO3H2から選択され、中でもカルボン酸基が好ましい。酸基は、中和されていなくてもよく、部分的または完全に中和されて存在してもよい。好ましくは50〜100%まで、アニオン性、または中和形態で存在する。中和剤としては、化粧目的のために適した有機または無機塩基を使用することができる。塩基の例は、アミノアルコール、例えば、アミノメチルプロパノール(AMP)、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン又はテトラヒドロキシプロピルエチレンジアミンおよびアンモニア、NaOHおよびその他である。適当なモノマーは、少なくとも一つの酸基を有する不飽和のラジカル重合可能な化合物であり、特に、カルボキシビニルポリマーである。適当な、酸基を有するモノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸あるいはマレイン酸無水物またはそのモノエステルである。
【0012】
酸基で置換されていないコモノマーは、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル-およびジアルキルアクリルアミド、アルキル-およびジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、ビニルピロリドン、ビニルエステル、ビニルアルコール、プロピレングリコール又はエチレングリコール、アミン置換ビニルモノマー、例えば、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、およびモノアルキルアミノアルキルメタクリレートであり、ここでこれらのモノマーのアルキル基は、特にC1-〜C7-アルキル基、特に好ましくはC1-〜C3-アルキル基である。
【0013】
適当なアニオン性ポリマーは、特に、アクリル酸またはメタクリル酸と、アクリル酸-又はメタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびビニルピロリドンから選択されるモノマーとのコポリマー、クロトン酸のホモポリマー、並びに、クロトン酸の、ビニルエステル、アクリル酸-又はメタクリル酸エステル、アクリルアミドおよびメタクリルアミドから選択されるモノマーとのコポリマーである。適当な天然ポリマーは、例えばシェラックである。好ましいアニオン性ポリマーは、架橋されたまたは架橋されていないビニルアセテート/クロトン酸コポリマーである。同様に好ましいのは、ビニルメチルエーテルとマレイン酸無水物の部分的にエステル化されたコポリマーである。更に好ましいアニオン性ポリマーは、例えば、アクリル酸、アルキルアクリレートおよびN-アルキルアクリルアミドのターポリマー、特にアクリル酸/エチルアクリレート/N-t-ブチルアクリルアミドターポリマー又は、ビニルアセテート、クロトネートおよびビニルアルカノエートからのターポリマー、特にビニルアセテート/クロトネート/ビニルネオデカノエートコポリマー;アクリル-又はメタクリル酸およびアクリル-又はメタクリル酸アルキルエステルのコポリマーであり、ここで、アルキル基は、特に、1〜7C-原子、並びにポリスチロイルスルホネートを有する。
【0014】
適当な毛髪固定両性又は双イオン性ポリマーは、酸又はアニオン基の他に、更なる官能基として、塩基性又はカチオン基、特に第一級、第二級、第三級又は第四級アミン基を含むものである。双イオン性ポリマーは、第四級アミン基も酸基も示す少なくとも一種のモノマーから構成された、又は、第四級アミン基を示す少なくとも一種の第一のモノマーと、酸基を示す少なくとも一種の第二のモノマーから構成されるポリマーである。両性ポリマーは、例えば、酸基を示す少なくとも一種のモノマーおよび、塩基性アミン基を示す少なくとも一種のさらなるモノマーから構成される。これに関する例は、アルキルアクリルアミド(特に、オクチルアクリルアミド)、アルキルアミノアルキルメタクリレート(特に、t-ブチルアミノエチルメタクリレート)、および、アクリル酸、メタクリル酸又はC1-〜C4-アルキルエステルから選択される2個以上のモノマーであって、当該モノマーの少なくとも一つが酸基を示すモノマーから構成されるコポリマーであり、これらは例えば、販売名称Amphomer(登録商標)又はAmphomer(登録商標)LV-71下に入手される。
【0015】
更に適当なポリマーは、アクリル酸、メタクリレート、およびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(INCI-名称:ポリクオータニウム-47)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドおよびアクリレートのコポリマー、又はアクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、2-アミドプロピルアクリルアミドスルホネート、およびジメチルアミノプロピルアミンからのコポリマー(INCI名称:ポリクオータニウム-43)。ベタイン基を有するモノマーとのポリマー、例えば、INCI名称メタクリロイルエチルベタイン/アクリレートコポリマーの名称下に知られる、メタクリロイルエチルベタインと、アクリル酸又はその単純なエステルからの2個以上のモノマーとのコポリマーも適している。
【0016】
適当なカチオン性ポリマーは、特に第4級アミン基を含むものである。カチオン性ポリマーは、ホモ-又はコポリマーであり、ここで、第4級窒素基は、ポリマー鎖または適当な置換基として、1個以上のモノマーにおいて含まれる。アンモニウム基を含むモノマーは、非カチオン性モノマーと共重合されてもよい。適当なカチオン性モノマーは、少なくとも一つのカチオン基を有する、不飽和の、ラジカル重合可能な化合物、特にアンモニウム置換ビニルモノマー、例えば、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム、ジアルキルジアリルアンモニウム、および環状の、カチオン性窒素含有基、例えば、ピリジニウム、イミダゾリウム又は第4級ピロリドンを有する第4級ビニルアンモニウムモノマー、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム又はアルキルビニルピロリドン塩である。かかるモノマーのアルキル基は、特に、低級アルキル基、例えば、C1-〜C7-アルキル基、特に好ましくはC1-〜C3-アルキル基である。アンモニウム基を含むモノマーは、非カチオン性モノマーと共重合されていてもよい。適当なコモノマーは、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル-およびジアルキルアクリルアミド、アルキル-およびジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、ビニルエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルアルコール、プロピレングリコール又はエチレングリコールであり、ここで、これらのモノマーのアルキル基は、特に、C1-〜C7-又はC1-〜C3-アルキル基である。
【0017】
第4級アミン基を有するカチオン性ポリマーは、例えば、CTFAコスメティック・イングレディエント・ディクショナリーに、ポリクオータニウムの名称下に記載されているポリマー、例えば、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドンコポリマー(ポリクオータニウム-16)又は4級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(ポリクオータニウム-11)並びに第4級シリコンポリマー又は-オリゴマー、例えば、4級末端基を有するシリコンポリマー(クオーターニウム-80)である。カチオン性ポリマーに関しては、例えば、Gafquat(登録商標)755NおよびGafquat(登録商標)734の名称下に販売されているビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートメトスルフェートコポリマーが適している。さらなるカチオン性ポリマーは、例えば、販売名称LUVIQUAT(登録商標)HM550の名称下に販売されている、ポリビニルピロリドンとイミダゾールイミンメトクロリドからのコポリマー、販売名称Merquat(登録商標)Plus3300の名称下に販売されている、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ナトリウムアクリレートおよびアクリルアミドからのターポリマー、販売名称Gaffix(登録商標)VC713の名称下に販売されている、ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、およびビニルカプロラクタムのターポリマー、および販売名称Gafquat(登録商標)HS100下に販売されているビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマーである。
【0018】
天然ポリマーから誘導される適当なカチオン性ポリマーは、ポリサッカライドのカチオン性誘導体、例えば、セルロース、スターチ又はグアーのカチオン性誘導体である。その他、キトサンおよびキトサン誘導体が適している。カチオン性ポリサッカライドは、一般式:G-O-B-N(式中、Gは、無水グルコース基、例えばスターチ-又はセルロース無水グルコースであり;Bは二価の結合基、例えば、アルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレン又はヒドロキシアルキレンであり;R1、R2およびR3は、互いに独立に、各々18個までのC-原子を有するアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル又はアルコキシアリールであり、R、RおよびRの前記C-原子の合計は、特に最大20個であり;Xは通常の対アニオンX、例えば、ハロゲン、アセテート、ホスフェート、ニトレート又はアルキルスルフェートであり、特にクロリドである)を有する。カチオン性セルロースは、名称ポリマーJRの下にAmercholから販売されており、INCI名称ポリクオーターニウム-10を有する。この他のカチオン性セルロースは、INCI-名称ポリクオーターニウム-24を有し、Amercholから販売名称ポリマーLM-200の下に販売されている。適当なカチオン性グアー誘導体は、販売名称Jaguar(登録商標)Rの下に販売されており、INCI名称グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを有する。特に好ましいカチオン活性物質は、キトサン、キトサン塩およびキトサン誘導体である。キトサンは、完全に、または部分的に脱アセチル化されたキチンである。前記キトサンの分子量は、分散した一定幅の範囲に及び得、例えば、20,000〜約500万g/molである。例えば、30,000〜70,000g/molの分子量を有する低分子量のキトサンが適している。しかし、特に100,000g/molを越す分子量であり、200,000〜700,000g/molが特に好ましい。脱アセチル化度は、特に10〜99%、特に好ましくは60〜99%である。好ましいキトサン塩は、名称Kytamer(登録商標)PCの下にFirma Amerchol,USAから販売されているキトソニウムピロリドンカルボキシレートである。含まれるキトサンは、約200,000〜300,000g/molの分子量を有し、70〜85%の脱アセチル化度である。キトサン誘導体として、4級化、アルキル化またはヒドロキシアルキル化された誘導体、例えば、ヒドロキシエチル-、ヒドロキシプロピル-、又はヒドロキシブチルキトサンが考慮される。キトサンまたはキトサン誘導体は、特に、中和された、または部分的に中和された形態で存在する。キトサンまたはキトサン誘導体に関する中和度は、遊離塩基性基の数に基づき、特に、少なくとも50%、特に好ましくは70〜100%である。中和剤としては、原則、全ての化粧的に適合性のある無機または有機酸、例えば、蟻酸、リンゴ酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、塩酸等を使用することができ、中でもピロリドンカルボン酸および乳酸が特に好ましい。
【0019】
キャリア媒質
液体のキャリア媒質として、例えば、溶媒または分散媒、例えば、水、アルコール、エーテル、ケトンまたは炭化水素または前記物質の2種以上の混合物が挙げられ、これらの物質または物質混合物は、室温(25℃)で液体である限りのものである。圧延可能な調合物中の前記液体キャリア媒質の含量は、20〜90重量%、または30〜70重量%である。アルコールとしては、特に化粧目的のために通常使用される、1〜5個のC原子を有する低級の一価または多価アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリンおよびプロピレングリコール、例えば、1,2-プロピレン-グリコールが含まれる。
【0020】
添加物
前記フィルムは、さらなる最適化のための添加物、例えば、50重量%までの乳化剤、50重量%までの可塑剤(例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール)または、30重量%までの毛髪光沢作用剤、特に、例えば植物油、炭化水素油またはシリコン油等のオイルを含むことができる。本発明による製品は、毛髪処理剤のために通常使用されている添加物成分を、典型的には、0.01〜15重量%で含み、保湿剤、香料を0.1〜0.5重量%で;保存剤を0.01〜1.0重量%で;緩衝剤、例えばナトリウムシトレートまたはナトリウムホスフェートを0.1〜1.0重量%で;染料、例えば蛍光ナトリウム塩を0.1〜1.0重量%で;毛髪手入れ剤、例えば植物-およびキャベツ抽出物、タンパク質-および絹加水分解物、ラノリン誘導体を0.1〜5重量%の量で;生理的に許容されるシリコン誘導体、例えば、揮発性または不揮発性のシリコン油または高分子量のシロキサンポリマーを0.05〜30重量%で;光保護剤、抗酸化剤、ラジカル捕捉剤、抗ふけ作用剤を0.01〜2重量%で;ビタミン、櫛通り改善剤、色素および/または水不溶性の、粒子形の固定剤を含む。
【0021】
本発明の特別な実施形態は、少なくとも85重量%の、特に85重量%以上97重量%までの少なくとも一種の毛髪固定ポリマー、および3重量%より多くの、特に3重量%より多く15重量%より少ない少なくとも一種の界面活性剤を含む。適当な毛髪固定ポリマーは、前記のもの、特に、ポリサッカライドに基づく毛髪固定ポリマーおよび毛髪固定性の非イオン性の、合成ポリマーである。特に好ましいのは、(a)プルランおよび(b)ポリビニルピロリドンおよびポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマーから選択される少なくとも一種のポリマーからのポリマーの組合せであって、(a)対(b)の重量比が特に2未満:1または1未満:1、特に1:10または1:4〜1未満:1のものである。
【0022】
界面活性剤として、非イオン性、カチオン性、アニオン性又は両性界面活性剤が含まれる。アニオン性界面活性剤は、例えば脂肪アルコールスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルベンゾールスルホネートである。両性界面活性剤は、例えばベタイン、脂肪酸アミドアルキルベタインおよびスルホベタインおよびC8-〜C22-アルキルベタイン等である。特に、前記界面活性剤は、非イオン性およびカチオン性界面活性剤から選択される。少なくとも一種のカチオン性界面活性剤および少なくとも一種の非イオン性界面活性剤から得られる界面活性剤の組合せが特に好ましい。この場合、カチオン性界面活性剤対非イオン性界面活性剤の重量比は、1:10〜10:1、1:5〜5:1、および特に1:1.5〜1.5:1である。
【0023】
適当なカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム基を有し、一般式:N(+)(−)(R1〜R4は、互いに独立に、1〜22個のC-原子を有する脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基又はアルカリル基を意味し、基R1〜R4の少なくとも一つが、少なくなくとも8個のC-原子を示し、X-がアニオン、例えばハロゲン、アセテート、ホスフェート、ニトレート又はアルキルスルフェート、好ましくはクロリドを示す)により示され得る界面活性剤である。脂肪族基は、炭素原子および水素原子に加えて、結合またはその他の基、例えば、さらなるアミノ基を含むことができる。
【0024】
適当なカチオン性界面活性剤の例は、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩に属するクロリド又はブロミド、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド又は-ブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド又は-ブロミド、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又は-ブロミド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド又は-ブロミド、アルキルピリジニウム塩、例えばラウリル-又はセチルピリジニウムクロリド、アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルスルフェート並びに、カチオン特性を有するアミンオキシド等の化合物、例えば、アルキルメチルアミンオキシド又はアルキルアミノエチルジメチルアミンオキシドである。セチルトリメチルアンモニウムクロリドが特に好ましい。
【0025】
適当な非イオン性界面活性剤は、例えば、「インターナショナル・コスメティック・イングレディエント・ディクショナリーおよびハンドブック」の第7版、第2巻の、「界面活性剤」の章に列挙されている、例えば、オキシエチル化脂肪アルコール、オキシエチル化ノニルフェノール、脂肪酸モノ-および-ジグリセリド、エトキシル化および水素化又は非水素化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、オキシエチル化脂肪酸エステル、脂肪酸糖エステル、又はアルキルグリコシドである。好ましい界面活性剤は、例えば、
−エトキシル化脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸グリセリド又はアルキルフェノール、特に2〜30モルのエチレンオキシドおよび/又は1〜5molのプロピレンオキシドの、C8-〜C22-脂肪アルコール、C12-〜C22-脂肪酸、又はアルキル基中に8〜15個のC原子を有するアルキルフェノールへの付加物、
−1〜30モルのエチレンオキシドのグリセリンへの付加物のC12-〜C22-の脂肪酸モノ-および-ジエステル、
−5〜60モル、特に20〜50モルのエチレンオキシドのヒマシ油又は硬化(水素化)ヒマシ油への付加物、
−脂肪酸糖エステル、特に、サッカロースと1又は2個のC8-〜C22-脂肪酸からのエステル、INCI:スクロースココエート、スクロースジラウレート、スクロースジステアレート、スクロースラウレート、スクロースミリステート、スクロースオレエート、スクロースパルミテート、スクロースリシノールエート、スクロースステアレート、
−特に、1個、2個又はそれ以上のC8-〜C22-脂肪酸および、特に2〜20個のグリセリル単位を有するポリグリセリンからのポリグリセリル脂肪酸エステル、
−アルキルグルコシド、特にC6-〜C-22-アルキル基を有するアルキルオリゴグリコシドである。
【0026】
好ましい実施形態では、フィルム中に適当なガス、特に空気のガス泡を封入する。ガス泡を封じ込ませたフィルムは、特に、良好な溶解特性および、特に良好な、刷り込み特性および毛髪への馴染み特性により特徴づけられる。ガス泡の導入は、泡を含む合成樹脂の作製のために公知の方法、例えば、以下に示す方法に従い行う。:
(1)膨張-または推進剤(ブローイング剤)の使用、
(2)液体の、または粘性のある液体のキャリアの機械的攪拌による泡立て、
(3)ガスを生じる化学反応による、
(4)微揮発性の溶媒の使用および高温での蒸発、
(5)粘性のある液体のキャリア中への液化ガスの注入。
【0027】
膨張剤は、暖めることにより分解し、例えば窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、アンモニアまたは水素などのガスを発生させる化学物質である。無機膨張剤は、例えば、カーボネート、水素カーボネート、ボルヒドライド、シリジウムオキシヒドライド等である。特に好ましいのは、例えば、多孔性の、または気泡を含む合成樹脂の作製の際に封入されるような、有機膨張剤である。
【0028】
好ましい実施形態では、前記ヘアスタイリングフィルムは、少なくとも50重量%の毛髪固定ポリマーを含み、この場合、プルランを少なくとも一種のさらなる毛髪固定ポリマーとの組合せで含み、プルラン対前記さらなる毛髪固定ポリマーの重量比が、1未満:1であり、つまり、プルランの含量が、前記更なる毛髪固定ポリマーよりも少ない。プルラン含量は、この場合、特に15〜45重量%であり、更なる毛髪固定ポリマーの含量は、特に30〜70重量%である。
【0029】
プルランの、合成スタイリングポリマーとの組合せによりフィルムが得られるが、これは、多少の脆さおよび壊れやすさのために、完全に満足のいくものではない。これは、ポリオールを含有させることにより改善され得る。さらなる好ましい実施態様では、前記ヘアスタイリングフィルムは、それゆえ、追加の少なくとも一種のポリオールを含む。ポリオールは、2個以上のアルコール性水酸基を示す有機化合物である。適当なポリオールは、例えば、特に5個までのC-原子を有する多価アルコール、特にグリコールおよびグリセリン、並びに糖アルコールおよび、25℃で液体のポリエチレングリコールである。グリコールは、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールまたはブチレングリコールである。糖アルコールは、例えばソルビトール、マニトール、マリトールまたはラクチトールである。液体ポリエチレングリコールは、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等であり、特に、約12までの重合度を有し、約600までの分子量を有するものである。50〜97重量%の毛髪固定ポリマーと、1〜50重量%、特に5重量%より多くの、例えば5〜20または10〜15重量%のポリオールの組合せが好ましく、乾燥された、水を含まないフィルムに関して、この場合、グリセリンが特に好ましい。ポリオール含有物は、特にフィルムの透明性および弾力性が向上し、つまり、フィルムはさほど簡単に折れない。
【0030】
周囲の温度が高くおよび/または湿度が高い場合、包装物中のヘアスタイリングフィルムが互いに貼り付いて、容易には互いに分離されず、包装物を取り出すことができない危険がある。これは、適当な分離剤を用いることにより改善され得る。さらに好ましい実施態様は、それゆえ、粉末形状の分離剤を用いて加工されたヘアスタイリングフィルムに関する。特に疎水性の分離剤を当該フィルムの外面に付着し、高い湿度での貯蔵または使用によりフィルムが貼り付き合うのを阻止する。適当な分離剤は、例えば、タルク、スターチまたは変性されたスターチである。前記スターチの変性は、物理的、化学的または酵素的変性を含む一般的に公知の方法でなされ得る。物理的変性は、例えば、熱処理または剪断力を用いた処理である。化学的変性は、例えば、架橋結合の形成、アセチル化、エステル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、ホスホリル化、スクシネートおよび置換されたスクシネートである。INCI名称アルミニウムスターチオクテニルスクシネートを有する変性されたスターチおよび変性されたコーンスターチが好ましい。分離剤は、完成され、乾燥されたフィルムに塗布される。典型的な使用量は、4×4cmの大きさで、0.5mmまでの厚さのフィルム当たり、約0.01〜0.1g、特に0.02〜0.05gである。
【0031】
分離剤で処理されたフィルムは、改善された非貼付特性により特徴づけられ、数週間後も、互いに貼り付くことなく包装物から良好に取り出される。同時に、髪のスタイリングのために使用した後、分離剤は、望ましくない目に見える残り滓を、毛髪上に付与することがない。
【0032】
使用
前記フィルムは、非常にコンパクトにかつ場所を取らずに、例えば、巻き付けられたものとして、または重ね合わされた積層されたプレートとして包装され得る。フィルムは、濡れたまたは湿った手で刷り込まれる。次いで、完全にまたは部分的に溶解されたフィルムを、乾燥した、または湿った毛髪に塗布し、次いで、例えば、従来のスタイリングジェルの使用と同様の態様で、ヘアスタイル形成をなすことができる。フィルムは、濡れたまたは湿った毛髪に直接塗布し、手で当該毛髪に馴染ませることもできる。
以下の実施例により、本発明をより詳しく説明する。
【0033】
[実施例]
実施例1 圧延可能な調合物
45g ポリビニルピロリドン(Luviskol(登録商標)K90)
5g Rewoteric(登録商標)AM CAS
(ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、水中50%)
0.25g 香料
100gまで エタノール
【0034】
実施例2 スタイリングフィルム
42.5g ポリビニルピロリドン(Luviskol(登録商標)K90)
42.0g プルラン
7.5g セチルトリメチルアンモニウムクロリド
7.5g PEG-40 水素化ヒマシ油
0.5g 香料
【0035】
実施例3 スタイリングフィルム
【表1】

【0036】
前記組成A、BおよびCから、溶媒として水を用いて、圧延可能な生地を作製する。当該生地の圧延により、フィルムを作製し、次いで当該フィルムを乾燥する。
フィルムは以下の基準に基づき評価する。
(a)手で少量の水と刷り込んだ際の溶解態様
非常に良好:++; 良好:+; 十分:0 ;粗悪:−
(b)毛髪に馴染ませた際の泡立ち態様
泡立たない:+; 泡立つ:−
(c)貼り付き性
良好な貼り付き性:+; 粗悪な貼り付き性:−
(d)毛髪に馴染ませた際の凝結態様
凝結しない、目に見える残り滓を形成しない:+
凝結する、目に見える残り滓:−
(e)固定態様:
優れた毛髪固定:+; 弱い毛髪固定:0; 毛髪は固定されず:−
【0037】
【表2】

【0038】
実施例4 グリセリン含有スタイリングフィルム
【表3】

【0039】
【表4】

【0040】
実施例5 グリセリンを含むスタイリングフィルムおよびグリセリンを含まないスタイリングフィルムの作製のための処方
【表5】

【0041】
処方Aにより作製されたヘアスタイリングフィルムは、非常に柔軟性があり、手の中で、非常に良好に水とすりあわされて溶解し、毛髪に馴染む。これに対して、処方Bにより作製されたフィルムは、脆くて壊れやすく、さほど良好に刷り込まれない。
【0042】
実施例6 分離剤で処理されたスタイリングフィルム
【表6】

【0043】
4×4mmの大きさのフィルムを作製し、各々0.03gの後処理剤で処理する。全フィルムは、貼り付き合わず、良好に互いに分離する。これに対して、後処理をしなかったフィルムは、数時間後、互いに貼り付き、もはや容易には分離できない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム形態の毛髪固定製品を製造するための方法であって、
−まず、ポリマーを液体のキャリア媒質中に溶解または分散させることにより、圧延可能な調合物を作製し、そして、
−次いで、前記調合物を圧延装置を用いて圧延することにより、フィルムの形態にし、そして、
−同時にまたは次いで、前記液体のキャリア媒質を蒸発させることによる方法。
【請求項2】
前記ポリマーが、フィルム形成および/または毛髪固定ポリマーであることに特徴づけられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記液体のキャリア媒質が、水、アルコール、エーテル、ケトンおよび炭化水素または前記物質の混合物から選択され、前記物質または物質混合物が室温(25℃)で液体であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧延可能な調合物中の、前記ポリマーの含量が10〜80重量%であり、前記液体のキャリア媒質の含量が20〜90重量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記液体のキャリア媒質を蒸発させた後の前記フィルム中の前記ポリマーの割合が50〜97重量%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記調合物が、少なくとも一種の水溶性ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記調合物がプルランを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記プルランが、10,000〜5,000,000の平均分子量を示すことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも一種の追加の毛髪固定ポリマーを含むことを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
プルランの、追加の毛髪固定ポリマーに対する重量比が1:10〜10:1であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記追加の毛髪固定ポリマーが、
−ビニルラクタム、ビニル-エステル、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキルアクリルアミド、ジアルキルアクリルアミド、アルキルメタクリルアミド、ジアルキルメタクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、プロピレングリコールまたはエチレングリコールから選択される少なくとも一種のモノマーから構成されるポリマー、
−アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸のモノエステルから選択される少なくとも一種のモノマーから構成されるポリマー、
−トリアルキルメタクリルオキシ-アルキルアンモニウム、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム、ジアルキルジアリルアンモニウム、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウムまたはアルキルビニルピロリドンから選択される少なくとも一種のモノマーから構成されるポリマー、
−酸基を示す少なくとも一種のモノマーと、塩基性アミン基を示す少なくとも一種のさらなるモノマーから構成されるポリマー、
−第4級アミン基も酸基も示す少なくとも一種のモノマーから構成されるポリマーまたは、第4級アミン基を示す少なくとも一種の第一のモノマーと、酸基を示す少なくとも一種の第二のモノマーと、から構成されるポリマー
から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記追加のポリマーが、ポリビニル-ピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、ポリアクリルアミド、ビニル-ピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、架橋された、または架橋されていないビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン、ビニルアセテートおよびビニルアルカノエートからのターポリマー、ビニルアセテート、クロトネートおよびビニルアルカノエートからのターポリマー、ビニルメチルエーテルとマレイン酸無水物の部分エステル化コポリマー、アクリル-および/またはメタクリル酸と、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、N-アルキルアクリルアミド、N-アルキルメタクリルアミドおよび/またはポリスチロールスルホネートからのコポリマー、アルキル-アクリルアミド、アルキルアミノアルキルメタクリレート、および、アクリル酸、メタクリル酸またはC1-〜C4アルキルエステルから選択される2個以上のモノマーであって、前記モノマーの少なくとも一つが酸基を示すモノマーからのコポリマー;アクリル酸、メタクリレートおよびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのコポリマー、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニムクロリドとアクリレートからのコポリマー、アクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリメチル-アンモニウムクロリド、2-アミドプロピルアクリルアミドスルホネートおよびジメチルアミノプロピルアミンからのコポリマー、メタクリロイルエチルベタインと、アクリル酸またはその単純なエステルからの2個以上のモノマーからのコポリマー、メチルビニルイミダゾリウム-クロリド/ビニルピロリドンコポリマー、ポリビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルメタクリレートコポリマー、4級化ビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルメタクリレートコポリマー、ジメチルジアリルアンモニウム-クロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドと、少なくとも一種の更なるモノマーのコポリマー、4級化ヒドロキシエチルセルロースまたは4級化グアー誘導体、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタムおよび塩基性アクリルアミド-またはメタクリルアミドモノマーからのターポリマーおよび、ビニルピロリドン/メタクリルアミドアルキルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマーから選択されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記フィルムが追加的に、乳化剤、可塑剤、毛髪光沢作用剤、保存剤、香料、染料、製品彩色剤および水不溶性の、粒子形の固定剤から選択される少なくとも一種の剤を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記圧延後の前記フィルムが、0.5mm未満の厚さを示すことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記フィルム中にガス泡が含まれていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法により作製されたヘアスタイリングフィルム。
【請求項17】
少なくとも85重量%の少なくとも一種の毛髪固定ポリマー、および3重量%より多くの少なくとも一種の界面活性剤を含むヘアスタイリングフィルム。
【請求項18】
前記毛髪固定ポリマーが、ポリサッカライドに基づくポリマー、および、非イオン性の合成ポリマーから選択されることを特徴とする、請求項17に記載のヘアスタイリングフィルム。
【請求項19】
毛髪固定ポリマーとして、(a)プルランと、(b)ポリビニルピロリドンおよびポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマーから選択される少なくとも一種のポリマーの組み合わせを含み、(a)対(b)の重量比が1未満:1であることを特徴とする、請求項18に記載のヘアスタイリングフィルム。
【請求項20】
界面活性剤として、少なくとも一種のカチオン性界面活性剤と少なくとも一種の非イオン性界面活性剤の混合物を含み、カチオン性界面活性剤対非イオン性界面活性剤の重量比が、1:10〜10:1であることを特徴とする、請求項17〜19のいずれか1項に記載のヘアスタイリングフィルム。
【請求項21】
少なくとも50重量%の毛髪固定ポリマーを含むヘアスタイリングフィルムであって、プルランを少なくとも一種のさらなる毛髪固定ポリマーと組み合わせて含み、プルラン対前記さらなる毛髪固定ポリマーの重量比が1未満:1である、ヘアスタイリングフィルム。
【請求項22】
プルランの含量が、測定量で15〜45重量%であり、追加の毛髪固定ポリマーの含量が測定量で30〜70重量%であり、プルラン:追加の毛髪固定ポリマーの重量比が、1未満:1であることを特徴とする、請求項21に記載のヘアスタイリングフィルム。
【請求項23】
前記フィルム厚が0.5mm未満であることを特徴とする、請求項17〜22のいずれか1項に記載のヘアスタイリングフィルム。
【請求項24】
ガス泡が封入されていることを特徴とする、請求項17〜23のいずれか1項に記載のヘアスタイリングフィルム。
【請求項25】
追加的に少なくとも一種のポリオールを含むことを特徴とする、請求項17〜24のいずれか1項に記載のヘアスタイリングフィルム。
【請求項26】
前記ポリオールが、1〜50重量%の量で含まれ、かつ、当該ポリオールが、グリコール、グリセリン、糖アルコール、および25℃で液体のポリエチレングリコールから選択されることを特徴とする、請求項25に記載のヘアスタイリングフィルム。
【請求項27】
少なくとも50重量%の毛髪固定ポリマーを含むヘアスタイリングフィルムであって、当該フィルムが、粉末形態の、フィルム上に付着する分離剤で処理されていることを特徴とする、ヘアスタイリングフィルム。

【公表番号】特表2007−518753(P2007−518753A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549958(P2006−549958)
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000151
【国際公開番号】WO2005/070376
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(591011627)ウエラ アクチェンゲゼルシャフト (64)
【氏名又は名称原語表記】WELLA AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】