説明

ヘアトリートメント組成物

毛髪を直毛化するためのヘアトリートメント組成物。本組成物は、i)糖ラクトンを、処方物全体の0.1から7.9重量%と;ii)式1:
[N(R)(R)(R)(R)](X)
の陽イオン界面活性剤(式中、R、R、R及びRは、(a)1個から22個の炭素原子の脂肪族基又は(b)22個以下の炭素原子を有する、芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール又はアルキルアリール基から独立に選択され;Xは、ハロゲン、酢酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、グリコール酸イオン、硝酸リン酸イオン、硫酸イオン及びアルキル硫酸イオンから選択される、塩形成陰イオンである。)を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンディショナー組成物に関する。とりわけ、本発明は、毛髪を直毛化するコンディショナー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪直毛化組成物は、以前から存在している。市場にあるそのような組成物の多くは、チオール又は水酸化物ベースの還元剤を用い、次いで、中和又は酸化段階が行われるといった、2段階プロセスで毛髪を化学的に処理することに基づく。このようなシステムは、それらの処理に関連する様々な欠点を有し、そのプロセスそのものが比較的長時間を要し、処理を行うのが困難で、多くの場合、この直毛化プロセスは、プロフェッショナルサロンで有資格の美容師により行われる。さらに、この直毛化プロセスは、毛髪に損傷を与え、不快な臭いがあり、頭皮に刺激を与える場合がある。
【0003】
DE697634及びUS4911919で開示されるように、スタイリング組成物において糖が使用されてきた。本発明者らは、今回、上述の欠点のない、コンディショニング処方物を用いることによる毛髪の直毛化の方法を見出した。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、
i)糖ラクトンを、処方物全体の0.1から7.9重量%と;
ii)式1:
[N(R)(R)(R)(R)](X) 式1
の陽イオン界面活性剤(式中、R、R、R及びRは、(a)1個から22個の炭素原子の脂肪族基又は(b)22個以下の炭素原子を有する、芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール又はアルキルアリール基から独立に選択され;Xは、ハロゲン、酢酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、グリコール酸イオン、硝酸リン酸イオン、硫酸イオン及びアルキル硫酸イオンから選択される、塩形成陰イオンである。)と、を含有するヘアトリートメント組成物に関する。
【0005】
本発明のさらなる局面は、糖ラクトンを含有する組成物を毛髪に塗布する、機械的介入なく毛髪を直毛化する方法である。
【0006】
毛髪を直毛化するための糖ラクトンの使用も述べる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
別段の指定がない限り、重量によるパーセンテージは全て、本組成物の総重量に基づくものである。
【0008】
本発明による組成物は、好ましくは、シャンプー及び洗い流し後に毛髪に塗布されることを意図する水性組成物である。それらを湿った毛髪及び頭皮に擦り込み、好ましくは、その後、毛髪が乾燥する前に水でさらにすすぐ。水性組成物とは、本発明の組成物が、水を60重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、含有することを意味する。
【0009】
陽イオン界面活性剤
本発明による組成物は、化粧品として許容可能であり毛髪への局所適用に適切な、1又は複数の陽イオン性コンディショニング界面活性剤を含有する。
【0010】
本発明の組成物において有用な陽イオン性コンディショニング界面活性剤は、アミノ又は第四級アンモニア親水性部分を含有し、それは、本発明の水性組成物中で溶解させた際に正電荷を有する。
【0011】
本発明とともに使用するための陽イオン界面活性剤は、式1:
[N(R)(R)(R)(R)](X) 式1
に対応するものである(式中、R、R、R及びRは、(a)1個から22個の炭素原子の脂肪族基又は(b)22個以下の炭素原子を有する、芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール又はアルキルアリール基から独立に選択され;Xは、ハロゲン(例えば塩化イオン、臭化イオン)、酢酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、グリコール酸イオン、硝酸リン酸イオン、硫酸イオン及びアルキル硫酸イオンから選択されるものなどの、塩形成陰イオンである。)
【0012】
上記の脂肪族基は、炭素及び水素原子に加えて、エーテル結合及びアミノ基などのその他の基を含有する。より長鎖の脂肪族基、例えば、約12個以上のもの、は、飽和又は不飽和であり得る。
【0013】
本発明のコンディショナー組成物に対して好ましい陽イオン界面活性剤は、RがC16からC22アルキル鎖であり、R、R及びRが、CH及びCHCHOHからなる基から独立に選択される、式1による陽イオン界面活性剤である。
【0014】
陽イオン性コンディショニング界面活性剤の別の好ましいクラスは、C16からC22飽和鎖又は不飽和鎖、好ましくは飽和鎖、から独立に選択される、R及びRを有し、CH及びCHCHOHからなる基から独立に選択される(好ましくはCH)、R及びRを有する。
【0015】
特に好ましい陽イオン性システムは、上記の、ジメチル及びトリメチル第四級アンモニウム基の両方を含有するものである。
【0016】
陽イオン性コンディショニング界面活性剤の別の適切なクラスは、R及びRの両方において少なくとも1個のエステル結合を含有するC16からC22のヒドロカルビル鎖から独立に選択される、R及びRを有し、CH及びCHCHOHからなる基から独立に選択される、R及びRを有する。R及びRは、C15からC22の、飽和又は不飽和アルキル鎖から独立に選択される。Xは、好ましくは、ハロゲン化物、メトサルフェート陰イオン又はそれらの混合物である。塩化イオンが特に好ましい。
【0017】
単独で、又は混合物中で使用される、好ましい陽イオン界面活性剤の例には、塩化セチルトリメチルアンモニウム及び塩化ビフェニルトリメチルアンモニウム及び塩化ジ水素化牛脂ジメチルアンモニウムが含まれる。
【0018】
特に好ましいシステムは、塩化セチルトリメチルアンモニウムと塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウムとを、1:3から3:1の割合(重量)で、又は塩化セチルトリメチルアンモニウムと塩化ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウムとを、1:3から3:1の割合(重量)より好ましくは、3:1から1:1、最も好ましくは、3:1から2:1で含有するものである。
【0019】
本処方物中の陽イオン界面活性剤濃度は、好ましくは、本組成物全体の0.1重量%から15重量%、より好ましくは0.5重量%から10重量%、最も好ましくは、2重量%から6重量%である。
【0020】
単糖類
本発明の組成物は、糖ラクトン、好ましくはグルコノラクトン、特に、グルコノ−δ−ラクトンを含有する。
【0021】
グルコノラクトンの濃度は、本組成物全体の、0.1から7.9重量%、好ましくは、0.5重量%超、より好ましくは、グルコノラクトンの濃度は、本組成物全体の1重量%から7重量%、最も好ましくは、2から6重量%である。
【0022】
グルコノラクトンの、総陽イオン界面活性剤に対する重量比は、好ましくは、1:3から10:1(活性重量%に基づく。)の範囲、より好ましくは、1:1から8:1、最も好ましくは、2:1から5:1である。
【0023】
ワックス
本発明の組成物は、好ましくは、ワックスを含有する。蜜ロウは、知覚的な面で欠点なく、毛髪をさらに直毛化するので、本組成物において好ましいワックスである。
【0024】
本蜜ロウは、好ましくは、50マイクロメーター以下の中位径(D50)を有する粒子、好ましくは、20マイクロメーター以下、より好ましくは、10マイクロメーター以下、さらにより好ましくは、1マイクロメーター以下であるような、微粒子形態である。
【0025】
本蜜ロウは、適切に、本組成物の、0.2重量%から4重量%、好ましくは、0.4重量%から3重量%、より好ましくは、0.6重量%から2重量%で存在する。本蜜ロウは、本組成物の残りの部分に添加する前に、エマルジョン又は分散液の形態に成され得る。
【0026】
脂肪物質
本発明のコンディショナー組成物は、好ましくは、少なくとも1つの脂肪物質を含有する。本コンディショニング組成物中で脂肪物質と陽イオン界面活性剤とを組み合わせて使用することにより、構造化ラメラ又は液晶相が形成され、そこに陽イオン界面活性剤が分散される、と考えられる。
【0027】
「脂肪物質」とは、脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪アルコール、脂肪酸又はそれらの混合物を意味する。好ましくは、本脂肪物質のアルキル鎖は完全に飽和している。
【0028】
適切な脂肪物質は、12個から22個の炭素原子、好ましくは、16個から18個の炭素原子を含有する。適切な脂肪アルコールの例には、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物が含まれる。これらの物質の使用はまた、それらが、本発明の組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与することにおいて、有利である。
【0029】
脂肪アルコールそのものの代わりに、又はそれに加えて、そのアルキル鎖において約12個から22個の炭素原子を有するアルコキシル化(例えばエトキシル化又はプロポキシル化)脂肪アルコールを使用することができる。適切な例には、エチレングリコールセチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)セチルエーテル及びそれらの混合物が含まれる。セテアリルアルコール(セチルアルコール:ステアリルアルコールの1:2混合物)が特に好ましい。
【0030】
本発明のコンディショナー中の脂肪物質の濃度は、適切に、本組成物全体の、0.5から10、好ましくは、1から6重量%である。陽イオン界面活性剤の、脂肪アルコールに対する重量比は、適切に、10:1から1:10、好ましくは4:1から1:8、最適には、1:1から1:7である。
【0031】
アルカリ金属塩
本組成物は、ハロゲン化アルカリ金属又はそれらの混合物を含有し得る。
【0032】
好ましいアルカリ金属は、ナトリウム又はカリウムであり、好ましいハロゲン化物は、塩化物及び臭化物である。塩化カリウムが特に好ましい。
【0033】
コンディショニング油
本発明による組成物の好ましい成分は、疎水性コンディショニング油である。本発明による組成物中で離散液滴として好ましい形態でこのような油が存在するために、これは水不溶性でなければならない。水不溶性とは、水中での溶解度が、25℃にて0.01重量%以下であることを意味する。
【0034】
本コンディショニング油は非揮発性であるのが好ましいが、これは、その油の25℃での蒸気圧が10Pa未満であることを意味する。
【0035】
本明細書中で使用される場合、「コンディショニング油」という用語は、特定のコンディショニング効果を毛髪に与えるために使用される、あらゆる物質を含む。例えば、適切な物質とは、光沢、柔軟性、櫛通り、湿潤時の扱い、抗静電気特性、ダメージに対する保護、ボディー、ボリューム、スタイリングの簡便性及び扱いやすさに関する、1又は複数の利益を与えるものである。
【0036】
適切な疎水性コンディショニング油は、炭化水素油、脂肪エステル、シリコーン油及びそれらの混合物から選択される。
【0037】
炭化水素油には、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)及び分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)が含まれる。直鎖炭化水素油は、好ましくは、約12個から約30個の炭素原子を含有する。分枝鎖炭化水素油は、より多くの炭素原子数を含有することができ、通常、含有し得る。C−Cアルケニルモノマーなどの、アルケニルモノマーのポリマー炭化水素もまた適切である。これらのポリマーは、直鎖又は分枝鎖ポリマーであり得る。この直鎖ポリマーは、通常、比較的短く、一般に直鎖炭化水素に対して上記で述べられるような炭素原子総数を有する。この分枝鎖ポリマーは、非常に長い鎖長を有し得る。このような物質の数平均分子量は多岐にわたるが、通常、約2000、好ましくは、約200から約1000、より好ましくは、約300から約600である。
【0038】
適切な炭化水素油の具体例には、パラフィン油、鉱物油、飽和及び不飽和ドデカン、飽和及び不飽和トリデカン、飽和及び不飽和テトラデカン、飽和及び不飽和ペンタデカン、飽和及び不飽和ヘキサデカン及びそれらの混合物が含まれる。これらの化合物の分枝鎖異性体ならびに、より長鎖の炭化水素もまた使用することができる。例となる分枝鎖異性体は、高度に分枝した飽和又は不飽和アルカン、例えばパーメチル置換異性体など、例えば、ヘキサデカン及びエイコサンのパーメチル置換異性体(Permethyl Corporationから発売されている、2,2−、4,4−、6,6−、8,8−ジメチル−10−メチルウンデカン及び2,2−、4,4−、6,6−ジメチル−8−メチルノナンなど。)である。炭化水素ポリマーのさらなる例は、ポリブテン(イソブチレン及びブテンのコポリマーなど)である。このタイプの市販物質は、Amoco Chemical Co.(Chicago,Ill.,U.S.A.)からのL−14ポリブテンである。
【0039】
特に好ましい炭化水素油は、様々なグレードの鉱物油である。鉱物油は、石油から得られる(石油からワックスが除去され、蒸留によって、より揮発性の高い留分が除去される。)、透明で油状の液体である。250℃から300℃の間の分別蒸留物は、鉱物油と呼ばれ、それは、C1634からC2144の範囲の炭化水素の混合物からなる。このタイプの適切な市販の物質には、Sirius M85及びSirius M125(全て、Silkoleneより入手可能。)が含まれる。
【0040】
適切な脂肪エステルは、少なくとも10個の炭素原子を有することを特徴とし、これには、脂肪酸又はアルコール由来のヒドロカルビル鎖を有するエステルが含まれ、例えば、モノカルボン酸エステル、多価アルコールエステル及び、ジ及びトリカルボン酸エステルが挙げられる。本明細書中の脂肪エステルのヒドロカルビル基はまた、それに共有結合したその他の適合する官能基、例えば、アミド及びアルコキシ部分(例えばエトキシ又はエーテル結合)も含む、又は有することができる。
【0041】
モノカルボン酸エステルには、式R’COOR(式中、R’及びRは、独立に、アルキル又はアルケニル基を表し、R’及びRの炭素原子の合計数は、少なくとも10、好ましくは少なくとも20である。)の、アルコール及び/又は酸のエステルが含まれる。
【0042】
具体的な例には、例えば、約10から約22炭素原子の脂肪族鎖を有する脂肪酸の、アルキル及びアルケニルエステル、約10から約22炭素原子の、アルキル及び/又はアルケニルアルコール由来の脂肪族鎖を有する、アルキル及び/又はアルケニル脂肪アルコールカルボン酸エステル、約12から約20炭素原子を有する脂肪アルコールの安息香酸エステルが含まれる。
【0043】
このモノカルボン酸エステルは、脂肪族鎖炭素原子の総数が少なくとも10である限り、必ずしも、少なくとも10個の炭素原子を有する、少なくとも1個の鎖を含有する必要はない。例としては、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソへキシル、パルミチン酸イソへキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジヘキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル及びアジピン酸オレイルが挙げられる。
【0044】
カルボン酸のジ及びトリアルキル及びアルケニルエステルもまた使用できる。これらには、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸及びオクタン酸の、C−C22(好ましくはC−C)エステルなどの、C−Cジカルボン酸のエステルが含まれる。例としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソへキシル及びセバシン酸ジイソプロピルが挙げられる。その他の具体的な例には、ステアロイルステアリン酸イソセチル及びクエン酸トリステアリルが挙げられる。
【0045】
多価アルコールエステルには、アルキレングリコールエステル、例えば、エチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリプロピレングリコール、モノステアリン酸ポリプロピレングリコール、モノステアリン酸エトキシル化プロピレングリコール、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、モノステアリン酸エトキシル化グリセリル、モノステアリン酸1,3−ブチレングリコール、ジステアリン酸1,3−ブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びモノ、ジ及びトリグリセリドが含まれる。
【0046】
特に好ましい脂肪エステルは、モノ、ジ及びトリグリセリド、より具体的には、グリセロール及び長鎖カルボン酸(例えば、C−C22カルボン酸)の、モノ、ジ及びトリエステルである。様々なこれらのタイプの物質を、ココナツ油、ヒマシ油、ベニバナ油、ヒマワリ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、ヤシ油、ゴマ油、ピーナツ油、ラノリン及びダイズ油などの、植物及び動物性油脂から得ることができる。合成油には、ジラウリン酸トリオレイングリセリル及びジラウリン酸トリステアリングリセリルが含まれる。
【0047】
好ましい物質の具体的な例には、カカオバター、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油及びココナツ油が含まれる。
【0048】
本油は、本発明による組成物中に存在する離散液滴において、他の物質と混合し得る。
【0049】
本組成物中に存在する疎水性コンディショニング油の総量は、好ましくは、組成物全体の、0.1重量%から10重量%、より好ましくは、0.2重量%から6重量%、最も好ましくは、0.5重量%から4重量%である。
【0050】
シリコーンコンディショニング油
本発明による組成物における使用に対して好ましい疎水性コンディショニング油は、シリコーンである。
【0051】
コンディショニング油としての使用に適切なシリコーンには、ポリジオルガノシロキサン、特に、ジメチコンのCTFA表示を有するポリジメチルシロキサンが含まれる。CTFA表示ジメチコノールである、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンもまた、本発明の組成物での使用に適切である。
【0052】
このシリコーン油はまた、官能化シリコーンを含有することが好ましい。適切な官能化シリコーンには、例えば、アミノ−、カルボキシ−、ベタイン−、第四級アンモニウム−、炭水化物−、ヒドロキシ−及びアルコキシ−置換シリコーンが含まれる。好ましくは、本官能化シリコーンは、複数の置換を含有する。
【0053】
誤解を避けるために、ヒドロキシル−置換シリコーンに関して、単にヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサン(CTFA表記ジメチコノールを有する。)は、本発明内の官能化シリコーンとはみなさない。しかし、そのポリマー鎖に沿ってヒドロキシル置換のあるポリジメチルシロキサンは、官能化シリコーンとみなす。
【0054】
好ましい官能化シリコーンは、アミノ官能化シリコーンである。適切なアミノ官能化シリコーンは、EP 455,185(Helene Curtis)で述べられており、トリメチルシリルアモジメチコンを含む。
【0055】
本発明の組成物のシリコーン成分において有用な市販のアミノ官能化シリコーンの例は、Dow Corningから入手可能なDC−8566(INCI名:ジメチル、メチル、(アミノエチルアミノイソブチル)シロキサン)である。これは、約1.4重量%のアミノ官能基を有する。
【0056】
「アミノ官能シリコーン」とは、少なくとも1個の、一級、二級もしくは三級アミン基又は第四級アンモニウム基を含有するシリコーンを意味する。適切なアミノ官能シリコーンの例には、CTFA表記「アモジメチコン」を有するポリシロキサンが含まれる。本発明での使用に適切なアミノ官能シリコーンの具体的な例は、アミノシリコーン油 DC−8220、DC−8166、DC−8466及びDC−8950−114(全て、Dow Corningより。)及びGE 1149−75(General Electric Siliconesより。)である。適切な第四級シリコーンポリマーは、EP−A−0530974で述べられている。好ましい第四級シリコーンポリマーは、GoldschmidtからのK3474である。
【0057】
本疎水性コンディショニング油中の成分としての使用に対する別の好ましい官能シリコーンは、アルコキシ置換シリコーンである。そのような分子は、シリコーンコポリオールとして公知であり、シリコーンポリマー骨格に、場合によってはアルキル連結基を介して、連結された、1又は複数のポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシド基を有する。
【0058】
適切なシリコーンコポリオールは、10以下、好ましくは7以下、より好ましくは4以下のHLBを有する。適切なシリコーンコポリオール物質は、Dow Corningより入手可能である、ラウリルPEG/PPG−18/18 メチコン(INCI名)として公知の、DC5200である。
【0059】
ジビニルジメチコン及びジメチコンのコポリマーもまた、本発明との使用に適切である。水性エマルジョンとして供給される適切な市販の材料は、Dow Corning HMW 2220である。
【0060】
疎水性シリコーンコンディショニング油として、官能及び非官能シリコーンの組合せを使用することが好ましい。好ましくは、本シリコーンは、本発明による組成物に組み込まれる前に、一般的な液滴にブレンドされる。
【0061】
シリコーンが、前もって形成されたエマルジョンとして、より好ましくはマイクロエマルジョンとして、本発明の組成物に添加されるのが好ましい。
【0062】
さらなる成分
本発明による組成物はまた、その他の化粧品として適切な成分を、好ましくは2重量%以下の濃度で組み込み得る。適切な成分には、粘度調整剤、保存料、着色剤、ポリオール(グリセリン及びポリプロピレングリコールなど)、キレート剤(EDTAなど)、抗酸化剤、香料、抗菌剤、フケ防止剤、陽イオン性コンディショニングポリマー、スタイリング成分、サンスクリーン、タンパク質及びタンパク質加水分解物が含まれる。
【0063】
本製品は、毛髪への塗布に適切なあらゆる形態であり得るが、洗い流しタイプの製品であることが好ましい。毛髪の状態を整えるために使用される製品が特に好ましい。
【0064】
使用時に、本発明の組成物は、毛髪に塗布され、次いで、好ましくは、塗布後30分以内に洗い流され、より好ましくは、本製品は、塗布後10分で洗い流される。
【0065】
ここで、次の実施例により本発明を例示する。本発明の実施例は、数により示され、比較実施例は、文字により示される。
【0066】
なされた次の実施例は、説明としてのみ示されるものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0067】
インビトロ試験
シャンプーベースで入れ毛を2回洗浄し、50%RH及び23℃で一晩そのまま乾燥させた。写真を撮影した。1.0g シャンプーベースでその入れ毛を2回洗浄し、目の粗い櫛で梳かした。次に、実施例の表で詳述するように、その入れ毛を2.0g コンディショナー処方物で2分間トリートメントした。そのコンディショナーを洗い流し、目の粗い櫛でその入れ毛を梳かし、50%RH及び23℃で一晩、乾燥させた。その入れ毛の写真を撮影した。パネリストが、トリートメント前後に撮影した入れ毛の写真を評価し、標準的なコンディショナー組成物でトリートメントした入れ毛と比較した、直毛化効果を観察した。
【0068】
【表1】

【0069】
【表2】

【0070】
処方物1から5は、処方物A(対照)と比較して、直毛化が向上した。処方物2、3及び5では、99%の有意性で、直毛化効果が得られた。処方物4では、95% 有意性で直毛化が得られた。処方物5は、処方物3よりも、優れた直毛化効果を与え、処方物3は、処方物2よりも優れた直毛化効果を与え、処方物2は、処方物4よりも優れた直毛化効果を与え、処方物4は処方物1よりも優れた直毛化効果を与えた。
【0071】
さらに、処方物1から5は、膨らみを低下させた。処方物2、4及び5は、処方物Aと比較して、99%の有意性で、膨らみを低下させた。処方物4は、処方物5よりも膨らみを低下させ、処方物5は、処方物2よりも膨らみを低下させ、処方物2は、処方物3よりも膨らみを低下させ、処方物3は処方物1よりも膨らみを低下させた。
【0072】
さらに、処方物1から5は、ウェービー感を低下させた。処方物2、3、4及び5は、99%の有意性でウェービー感を低下させた。処方物5は、処方物3よりもウェービー感を低下させ、処方物3は、処方物2よりもウェービー感を低下させ、処方物2は、処方4よりもウェービー感を低下させ、処方物4は、処方物1よりもウェービー感を低下させた。
【0073】
インビボ試験
家庭での使用による単項試験において、パネリストによる処方物5、6及び7の評価を行った。各コンディショナー処方物を評価するパネリストの人数は、50名であった。5個の代表的処方物及び対照処方物を試験した。消費者総数=300である。試験期間は2週間で、消費者は、この代表的処方物を最低6回の洗浄で使用した。コンディショナー処方物の塗布直前に、標準的シャンプー処方物を使用のために供給した。
【0074】
【表3】

【0075】
処方物5、6及び7は、処方物B(対照)と比較した場合、多くの視覚的属性において、著しい利益を与えた。特に、処方物5は、90% 有意性で、直毛化を示し、90% 有意性で、カールの数を低下させた。処方物6は、95%有意性でカールの深さを低下させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)糖ラクトンを、処方物全体の0.1から7.9重量%と;
ii)式1:
[N(R)(R)(R)(R)](X) 式1
の陽イオン界面活性剤(式中、R、R、R及びRは、(a)1個から22個の炭素原子の脂肪族基又は(b)22個以下の炭素原子を有する、芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール又はアルキルアリール基から独立に選択され;Xは、ハロゲン、酢酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、グリコール酸イオン、硝酸リン酸イオン、硫酸イオン及びアルキル硫酸イオンから選択される、塩形成陰イオンである。)と、を含むヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
前記糖ラクトンが、グルコノラクトンである、請求項1に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項3】
糖ラクトンの濃度が、前記組成物全体の0.5重量%を超える、請求項1又は請求項2に記載のヘアケア組成物。
【請求項4】
糖ラクトンの濃度が、前記組成物全体の2重量%から6重量%である、請求項3に記載のヘアケア組成物。
【請求項5】
陽イオン界面活性剤の濃度が、前記組成物全体の0.1重量%から15重量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項6】
ワックスをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項7】
前記ワックスが、蜜ロウである、請求項5に記載のヘアケア組成物。
【請求項8】
洗い流しタイプ組成物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項9】
毛髪を直毛化するための、糖ラクトンの使用。
【請求項10】
糖ラクトンを含む組成物が毛髪に塗布される、機械的介入なく毛髪を直毛化する方法。
【請求項11】
前記組成物が毛髪に塗布され、次いで、塗布後30分以内に該毛髪からすすがれる、請求項10に記載の毛髪を直毛化する方法。

【公表番号】特表2007−527878(P2007−527878A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502220(P2007−502220)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001822
【国際公開番号】WO2005/084623
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】