説明

ヘッドレスト装置

【課題】ヘッドレストが最下位置のとき、ヘッドレストの使用不可を認識させる。
【解決手段】ヘッドレスト装置であって、回動軸のクロスフレーム33を含むヘッドレストフレーム15、一端がクロスフレーム33にそれぞれ枢設され、他端を接続部材17a、17bに移動可能に挿入、係止されるステー18a、18b、ステー18a、18bに向いてヘッドレストフレーム15に固着されるガイドブラケット23、24、ガイドブラケット23、24とステー18a、18bとが当接するように付勢するスプリング27a、27b、ガイド部材28、29を備え、最下位置までヘッドレスト11を降下させると、ガイドブラケット23、24が、ガイド部材28、29上を摺動し、ガイドブラケット23、24の離反により、ヘッドレスト11の下端を座席前側に向ける向きに回動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートのヘッドレスト装置に関し、特にヘッドレストを所定位置より下降させる動作に連動して、ヘッドレストを回動させる機構を備えたヘッドレスト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
座席のシートバック上部に装着されるヘッドレストは、乗員の頭部・頸部を保護する機能を有するものであり、近年、安全面の強化を図るべく、前部座席のみならず後部座席にも標準装備化が進められている。ヘッドレストを有効に使用するために、その設置高さには、使用に適した下限の位置(以下、本明細書では「使用下限位置」という)が定められており、この使用下限位置以上の所定高さの範囲をヘッドレストの使用可能範囲としている。
【0003】
一方、後部座席に乗員がいない場合、運転者の後方視界を良好にすべく、後部座席のヘッドレストは、使用下限位置より低い位置(以下、本明細書では「最下位置」という)に設定可能となっている。
【0004】
後部座席のヘッドレストを使用下限位置より低い最下位置にした時は、安全性確保のために、ヘッドレストの位置が使用可能範囲でないことを乗員に明確に認識させる必要がある。
【0005】
ヘッドレストの各種パターンの断面図を図5に示す。図5(a)に示すヘッドレスト101aは、従来の昇降可能なヘッドレストである。ヘッドレスト101aは、使用下限位置よりも下の最下位置に下降させた場合でも、乗員の胴部103側への突出量が小さいため、乗員の着座に対して特に支障とはならず、ヘッドレスト101aの位置が使用可能範囲でないことを明確に認識させることができない。
【0006】
そこで、図5(b)に示すように、奥行き寸法の大きい、肉厚のヘッドレスト101bとすることで、ヘッドレスト101bを最下位置に降下させた場合に、着座した乗員の胴部103の中心軸線である胴部基準線105を前方側に起こさせ、乗員の着座を妨げるヘッドレストが提案されている。
【0007】
また、図5(c)に示すように、後方視界を確保するために、ヘッドレスト101cを前方に転倒させる起倒式のものが提案されている。ヘッドレスト101cの下部に回転機構を設け、ヘッドレスト101c全体を座席前側に回転させ、後方視界の確保と、乗員の着座を妨げる役割の双方を兼ねるものである。
【0008】
しかしながら、図5(b)に示す肉厚のヘッドレスト101bでは、ヘッドレストが大型化してしまい、シートバック102の前倒しの際に、ヘッドレスト101bが邪魔になるという支障が生じる。また、図5(c)に示す起倒式のヘッドレスト101cは、転倒させたときに、シートバック102からの突出量が大きく、デザイン的に問題がある。さらに、後部席の片側に乗員がいるときには、転倒したヘッドレスト101cにより、後部座席の乗員の側方の視界が妨げられてしまうという不都合が生じる。
【0009】
上記問題を解消するために、回転機構としての関節部を2箇所備えた、二つ折りが可能な可倒式後部座席ヘッドレストが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
特許文献1に記載のヘッドレストの使用時の断面概略図を図6(a)に示し、ヘッドレストの収納時の断面概略図を図6(b)に示す。
【0011】
図6(a)及び(b)に示すように、ヘッドレスト107は、ヘッドレスト107のシートバック108側と、ヘッドレスト107の中心部とに、2つの関節部111、112が設けられている。
【0012】
ヘッドレスト107の使用時には、図6(a)に示すように、中心部の関節112を折り曲げた二つ折の状態にして、ヘッドレスト107をシートバックの上に設けている。ヘッドレスト107の不使用時には、図6(b)に示すように、シートバック側の関節111を折り曲げて、ヘッドレスト107を前方に倒すと共に、中心部の関節112を伸ばして、シートバックの表面に沿った状態に置くことで、後方の視界を広くとることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平9−224776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1に記載のヘッドレスト107は、使用下限位置より低い位置にあるときでも、シートバック108の表面に沿った、展開した状態に置かれているため、着座した乗員の胴部を起こす作用が弱く、ヘッドレストが使用下限位置よりも低い位置にあることを確実に認識させることができない。
【0015】
本発明は、ヘッドレストの高さが、使用下限位置よりも低い最下位置となったときに、乗員にヘッドレストが使用不可の位置にあることを明確に認識させることができる、ヘッドレスト装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために本発明が提供するのは、車両の座席のシートバック上部に昇降可能に装着されるヘッドレストを回動させるヘッドレスト装置であって、前記ヘッドレストの内部に設けられ、座席の幅方向を軸方向としたヘッドレストの回動の軸となる回動軸部を含むヘッドレストフレームと、前記回動軸部の両端に一端がそれぞれ枢設され、他端がそれぞれ、前記シートバックフレームの上部横桟設けられている一対の接続部材に、スライド移動可能に挿入されて、係止される一対の棒状部材であるステーと、前記ステーに向かって前記ヘッドレストフレームに固着されるガイドブラケットと、該ガイドブラケットと前記ステーとの間に係止され、前記ガイドブラケットと前記ステーとが当接するように弾性力を付勢する弾性部材と、前記ステーが挿通され、前記接続部材に設けられたガイド部材と、を備え、前記ステーと前記接続部材との係止を解いて、前記ヘッドレストを使用下限位置に降下させると、前記ガイドブラケットが前記ガイド部材に当接し、前記使用下限位置から最下位置までさらにヘッドレストを降下させると、前記ガイドブラケットが、前記座席前側に向けて前記ガイド部材上を摺動することにより、前記ガイドブラケットが、前記弾性部材の弾性力に抗して前記ステーから離反し、この離反する前記ガイドブラケットの動作に連動して、前記ヘッドレストが、前記回動軸部を中心に回動することを特徴とするヘッドレスト装置である。
【0017】
このように、ステーと接続部材との係止を解いて、ヘッドレストを降下させるときに、使用下限位置より下の最下位置までヘッドレストを降下させたときのガイドブラケットの動作に連動して、ヘッドレストが回動して突出するので、その突出したヘッドレストが乗員の着座の支障となり、ヘッドレストが使用不可の位置にあることを乗員に明確に認識させることができる。
【0018】
また、ヘッドレストは、回動軸部を中心に回動するので、ヘッドレスト全体が前方に突出することがなく、隣席乗員の側方視界に与える影響を抑え、デザイン上の支障も抑えたものとなっている。
【0019】
ヘッドレストを最下位置から使用下限位置まで上昇させると、ガイドブラケットが座席後側に向けてガイド部材上を摺動し、ヘッドレストは起立した元の使用状態に復帰すべく逆向きに回動する。さらに、ヘッドレストを使用下限位置より上昇させると、ガイドブラケットとガイド部材との当接は解除されるので、弾性部材の弾性力により、ガイドブラケットはステーに当接する位置に復帰し、このガイドブラケットの復帰の動作に連動して、ヘッドレストフレームが回動前の状態に戻り、ヘッドレストは本来の頭部・頸部の保護機能を発揮する使用可能な状態となる。
【0020】
また、前記ガイド部材に形成された突部に、前記ガイドブラケットに設けた傾斜面が当接、摺動することにより、前記ガイドブラケットが、前記弾性部材の弾性力に抗して前記ステーから離反するようにできる。この傾斜面は、座席前側に向けて下がるようにする。傾斜面の傾斜角度は、ヘッドレストが滑らかに回動するように設定することが望ましい。
【0021】
前記ヘッドレストフレームは、前記回動軸部と、U字形状部材の両側を途中で屈曲されて成るメインフレームと、を含み、該メインフレームが前方に突出して下がるように、前記メインフレームの両端を前記回動軸部の側面に固着して成ることが好ましい。
【0022】
回動したヘッドレストは、ヘッドレストの下部が乗員側に突出して着座の支障となるので、使用不可の状態であることを乗員に明確に認識させることができる。
【0023】
前記弾性部材、前記ガイドブラケット及び前記ガイド部材は、それぞれ一対であり、前記ガイドブラケットは、前記メインフレームの両側にそれぞれ固着されていることが好ましい。左右のバランスをとり、ヘッドレストの回動を円滑にすることができる。
【0024】
前記弾性部材は、引っ張りによる弾性力を付勢する引っ張りコイルばねが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、座席のヘッドレストの高さ位置が、使用下限位置よりも降下して最下位置となったときに、回動したヘッドレストが前方に突出するので、乗員にヘッドレストが使用不可の状態であることを明確に認識させることができる。また、ヘッドレストの下端を前方に向ける向きに回動するので、隣席の乗員の側方視界を妨げることがない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1(a)は、本発明に係るヘッドレストの前方斜視図であり、図2(b)は、本発明に係るヘッドレストの後方斜視図である。
【図2】図2は、本発明に係るヘッドレストの分解斜視図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、本発明に係るヘッドレストの一連の動作を示す断面概略図である。
【図4】図4は、本発明に係るヘッドレストと人体胴部との関係を示す断面概略図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、ヘッドレストの各種パターンの断面図である。
【図6】図6(a)は、特許文献1に記載のヘッドレストの使用時の断面概略図であり、図6(b)は、特許文献1に記載のヘッドレストの収納時の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態に係るヘッドレスト装置を説明する。
【0028】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るヘッドレスト装置に含まれるヘッドレスト11が、座席のシートバック12の上部に設けられている。ヘッドレスト11と座席のシートバック12とは、一対の棒状部材であるステー18a、18bを介して連結されている。ステー18a、18bは、一端がヘッドレストフレーム15に枢設され、他端をシートバックフレーム14の上部の横桟14aの左右にそれぞれ設けられている接続部材17a、17bに、スライド移動可能に挿入され、係止されている。
【0029】
ここで、ヘッドレストとは、一般的に、乗員の頭部や頸部の保護を図るべく座席に設けた装備品であって、乗員の体格に合わせるためにシートバックに対して昇降可能となっている。また、後部座席に乗員がいないときに、運転者の後方視界を広げるために、あるいは助手席に乗員がいないときに、運転者の側方視界を広げるために、後席と前席のヘッドレストは、使用可能範囲の下限とされている使用下限位置よりもさらに下の最下位置に設定可能となっている。
【0030】
ヘッドレストの昇降は、ヘッドレストの支持部材であるステーに設けた上下所定のピッチの係合部に、接合部材が備えるストッパーで係止した機構、あるいはピニオンとラックとの係合を利用した機構などをステーと接合部材に適用して、行われている。
【0031】
図1及び図2に示すように、ヘッドレスト11は、ヘッドレスト11の外形を形成するクッション体であるパッド材13と、パッド材13の外側を覆う表皮31と、パッド材13の内部に設けられ、ヘッドレスト11の骨組となるヘッドレストフレーム15とで構成されている。
【0032】
ヘッドレストフレーム15は、座席の幅方向を軸方向とする回動軸部である棒状部材のクロスフレーム33と、U字形状部材の両側を途中で屈曲されて成るメインフレーム31とで構成されている。メインフレーム31は、座席前側に突出して下がるように、メインフレーム31の両端をクロスフレーム33の側面に固着されている。ヘッドレストフレーム15の全体形状は、屈曲した略方形状の枠体として形成されている。
【0033】
上下に立設するステー18a、18bの一端である上部側の端部には、断面U字形状の板状片である取付具32a、32bの一部が向かい合うように嵌め込まれて固着されている。取付具32a、32bは、ステー18a、18bの上部側の端部よりも突出している部分が徐々に広がる広がり部分となっていて、この広がり部分に孔34a、34bがそれぞれ設けられている。
【0034】
取付具32a、32bの広がり部分が、左右からそれぞれクロスフレーム33の両端を挟持し、さらに取付具32a、32bの広がり部分に設けられた孔34a、34bに挿入されたボルト35a、35bが、クロスフレーム33の両端に設けられたネジ孔33a、33bに螺設されている。これにより、ヘッドレストフレーム15は、クロスフレーム33を回動軸として、ステー18a、18に対して回動可能に設けられている。
【0035】
メインフレーム31の両端近傍には、断面が略L字形状の板状片であるガイドブラケット23、24が、互いに背を向けるように固着されている。ガイドブラケット23、24は、メインフレーム31に固着された縦状部23a、24aと、縦状部23a、24aからそれぞれステー18a、18bの側に向けて折り曲げられた折曲部23b、24bとで構成されている。折曲部23b、24bは、メインフレーム31側からステー18a、18b側に向けて上り勾配となる傾斜面として形成されている。傾斜面を形成する折曲部23b、24bの、ステー18a、18b側の端部である、傾斜面の頂部がステー18a、18bと当接可能となっている(図3を参照)。傾斜面の傾斜角度は以下で説明するように、ヘッドレスト11が滑らかに回動するように設定することが望ましい。
【0036】
ガイドブラケット23、24の縦状部23a、24aと、取付具32a、32bとには、それぞれ孔部(図示せず)が形成されていて、スプリング27a、27bの両端がそれぞれ上記孔部に係止されている。スプリング27a、27bは、引っ張りバネであり、ガイドブラケット23、24の折曲部23b、24bが、ステー18a、18bに当接した状態を維持する方向に、弾性力を付勢している。
【0037】
ステー18a、18bの下部側である他端側は、シートバックフレーム14の上部横桟14aの左右位置に固着された筒状の接続部材17a、17bと、接続部材17a、17bの上部に固着された、座席前側に突部を有するガイド部材28、29とにスライド移動可能にそれぞれ挿通され、接続部材17a、17bに係止されている。
【0038】
ガイド部材28、29の座席前側に設けた突部28a、29aは、座席幅方向である上部横桟14の長手方向に稜線を有する山形形状を有している。また、突部28a、29bは、ガイドブラケット23、24の折曲部23b、24bの真下となる配置関係に置かれている。
【0039】
本発明の実施形態に係るヘッドレスト装置は、ヘッドレストフレーム15を含むヘッドレスト11と、ステー18a、18bと、接続部材17a、17bと、ガイド部材28、29と、ガイドブラケット23、24と、スプリング27a、27bとで構成されている。
【0040】
次に、ヘッドレスト11を回動させるヘッドレスト装置の動作について、ヘッドレストの一連の動作を示す断面概略図である図3を参照して説明する。なお、図3に直接現れない部材の符号は、図3においてカッコ書きで記載されている。
【0041】
図3(a)に示すように、ヘッドレスト11は、乗員の利用に適した位置に設定されている。このとき、スプリング27a、27bの引っ張り力により、ガイドブラケット23、24の折曲部23b、24bは、ステー18a、18bに確実に当接する。このことにより、ヘッドレスト11は、乗員の頭部・頸部の保護機能を発揮できる状態となっている。
【0042】
次に、図3(b)に示すように、接続部材17a、17bとの係止を解除して、ステー18a、18bをヘッドレスト11の使用下限位置まで降下させたとき、ガイドブラケット23、24の折曲部23b、24bは、ガイド部材28、29の突部28a、29aと当接する。
【0043】
図3(c)に示すように、ヘッドレストを使用下限位置からさらに下の最下位置とするために、ステー18a、18bを降下させると、ガイドブラケット23、24の傾斜面である折曲部23a、24aが、ガイド部材28、29の突部28a、29a上を座席前側に向けて摺動することになり、これによりヘッドレストフレーム15は、クロスフレーム33を中心として座席前側に向けて回動する。
【0044】
ヘッドレスト11が、図3(c)で示す位置にあると、図4に示すように、座席前側に向けての回動が完了したヘッドレスト11の下端部が乗員の胴部51に向けて突き出した状態になるので、人体の中心線である胴部基準線52は、ヘッドレスト11の回動前の胴部51aの胴部基準線52a(鎖線で示す)から、胴部51を起こす向きに作用する位置に移動することになる。
【0045】
これにより、ヘッドレスト11が最下位置にあるときは、ヘッドレスト11は使用不可であることを乗員に明確に認識させることができる。また、ヘッドレスト11の降下に連動して回動動作を行うので、乗員の特別な操作を必要としないので、利便性と安全性の確保を十分に行える。
【0046】
また、ヘッドレスト11を最低位置から上昇させ、さらに使用下限位置から上昇すると、折曲部23b、24bと突部28a、29aとの当接は解除され、スプリング27a、27bの引っ張り力により、折曲部23b、24bはステー18a、18bに当接した状態に戻り、併せてヘッドレストフレーム15も回動した状態から回動前の状態(図3(a))に戻ることになる。これにより、ヘッドレスト11が使用可能な高さの範囲であるときは、ヘッドレスト11本来の頭部・頸部の保護機能を発揮することができる。
【符号の説明】
【0047】
11 ヘッドレスト
12 シートバック
13 パッド材
14 シートバックフレーム
14a 上部横桟
15 ヘッドレストフレーム
18a、18b ステー
23、24 ガイドブラケット
27a、27b スプリング
28、29 ガイド部材
31 メインフレーム
33 クロスフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の座席のシートバック上部に昇降可能に装着されるヘッドレストを回動させるヘッドレスト装置であって、
前記ヘッドレストの内部に設けられ、座席の幅方向を軸方向としたヘッドレストの回動の軸となる回動軸部を含むヘッドレストフレームと、
一端が前記回動軸部の両端にそれぞれ枢設され、他端が、前記シートバックフレームの上部横桟にそれぞれ設けられている一対の接続部材にそれぞれ、スライド移動可能に挿入されて、係止される一対の棒状部材であるステーと、
前記ステーに向いて、前記ヘッドレストフレームに固着されるガイドブラケットと、
該ガイドブラケットと前記ステーとの間に係止され、前記ガイドブラケットと前記ステーとが当接するように弾性力を付勢する弾性部材と、
前記ステーが挿通され、前記接続部材に設けられたガイド部材と、
を備え、
前記ステーと前記接続部材との係止を解いて、前記ヘッドレストを使用下限位置に降下させると、前記ガイドブラケットが前記ガイド部材に当接し、前記使用下限位置から最下位置までさらにヘッドレストを降下させると、前記ガイドブラケットが、前記座席前側に向けて前記ガイド部材上を摺動することにより、前記ガイドブラケットが、前記弾性部材の弾性力に抗して前記ステーから離反し、この離反する前記ガイドブラケットの動作に連動して、前記ヘッドレストが、前記回動軸部を中心に回動することを特徴とするヘッドレスト装置。
【請求項2】
前記ガイド部材に形成された突部に、前記ガイドブラケットに設けた傾斜面が当接、摺動することにより、前記ガイドブラケットが、前記弾性部材の弾性力に抗して前記ステーから離反することを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト装置。
【請求項3】
前記ヘッドレストフレームは、前記回動軸部と、U字形状部材の両側を途中で屈曲されて成るメインフレームと、を含み、該メインフレームが前方側に突出して下がるように、前記メインフレームの両端を前記回動軸部の側面に固着して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドレスト装置。
【請求項4】
前記弾性部材、前記ガイドブラケット及び前記ガイド部材は、それぞれ一対であり、前記ガイドブラケットは、前記メインフレームの両側にそれぞれ固着されていることを特徴とする請求項3に記載のヘッドレスト装置。
【請求項5】
前記弾性部材は、引っ張りによる弾性力を付勢する引っ張りコイルばねであることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載のヘッドレスト装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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