ベッドサイド情報制御システム
【課題】システムの管理・運用上、経済的負担や人材的負担などが皆無となる入院施設などで用いられるベッドサイド情報制御システムを提供する。
【解決手段】本発明のベッドサイド情報制御システムは、病院関連施設を利用するユーザーによって用いられるベッドサイド情報制御システムであって、ユーザーが所有すると共に、当該ユーザーの決済を電子的に可能とする電子決済手段を読み取る非接触式チップリーダーライター部117と、前記非接触式チップリーダーライター部117で読み取った前記電子決済手段のIDを、ユーザー毎のIDとして記憶するカードチップIDデータベース(210)と、前記カードチップIDデータベース(210)の記憶内容に応じて、ユーザーに提供するサービスメニュー画面をユーザー毎に変更するディスプレイ106と、を有することを特徴とする。
【解決手段】本発明のベッドサイド情報制御システムは、病院関連施設を利用するユーザーによって用いられるベッドサイド情報制御システムであって、ユーザーが所有すると共に、当該ユーザーの決済を電子的に可能とする電子決済手段を読み取る非接触式チップリーダーライター部117と、前記非接触式チップリーダーライター部117で読み取った前記電子決済手段のIDを、ユーザー毎のIDとして記憶するカードチップIDデータベース(210)と、前記カードチップIDデータベース(210)の記憶内容に応じて、ユーザーに提供するサービスメニュー画面をユーザー毎に変更するディスプレイ106と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院の入院施設のベッドサイドに設置され、ユーザー(入院患者)に種々のサービスを提供するベッドサイド情報制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院の入院施設のベッドサイドにおけるテレビ視聴環境、インターネット利用環境を病院側が提供する方式としては、ユーザー(入院患者)毎にID、パスワードを割り振り、ユーザーが割り振られたID、パスワードをベッドサイドに設置されたシステムに入力し、ユーザーはこれにより認証を受けて、テレビやインターネットを利用する方式が知られている。また、このような方式に関連し、ユーザーに割り振ったIDを元に、テレビ視聴やインターネット利用に対する課金などを行う仕組みなどが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2006−20877号公報)には、病院内のベッドの近くに置かれるベッドサイド端末装置であって、病院内の医療情報を提供する医療情報システムへの接続と、外部のネットワークへの接続と、テレビの映像信号の供給の何れかを切り換える切替装置を有し、前記切替装置は、病院内の医療情報システムに対するアクセス許可が得られた場合には、前記ベッドサイド端末装置を前記医療情報システムにのみ接続し、外部のネットワークとの接続の許可が得られた場合には、前記ベッドサイド端末装置を外部のネットワークにのみ接続し、前記切替装置がテレビの映像信号を前記ベッドサイド端末装置に出力している場合には所定時間単位または日単位で課金を行い、前記切替装置がインターネットに前記ベッドサイド端末装置を接続している場合には所定時間単位または日単位で課金を行う課金手段を有するベッドサイド端末装置が開示されている。
【特許文献1】特開2006−20877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のベッドサイド情報システムでは、ユーザー毎にID、パスワード等を割り振って管理・運用を行うために、システムの管理・運用を行うためだけのスタッフが必要となったり、或いはシステムとは関係のない病院スタッフにシステム管理の作業負担を要求する必要性が生じたりすることとなり、システムを管理・運用する上で、経済的にも人材的にも負担が大きい、という問題があった。
【0005】
ところで、入院施設では、マナーなどの問題から、入院患者及びその関係者に対して一切の携帯電話の使用を禁止する病院などがある。このような携帯電話の院内での使用禁止については、マナー問題に加えて、医療機器への影響を懸念する入院患者もいるためであることも一因である。このような携帯電話使用禁止の入院施設では、目に触れるところに携帯電話が存在すること自体が問題となることもあるが、実際には携帯電話の使用が禁じられると困る者も存在するわけであり、入院施設内では携帯電話が目に触れない形で携帯電話による通話ができる環境が整えば理想である。しかしながら、従来このような環境を整えることが不可能であり、入院施設における問題のひとつなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、病院関連施設を利用するユーザーによって用いられるベッドサイド情報制御システムであって、ユーザーが所有すると共に、当該ユーザーの決済を電子的に可能とする電子決済手段を読み取るリーダー手段と、前記リーダー手段で読み取った前記電子決済手段のIDを、ユーザー毎のIDとして記憶する記憶手段と、前記記憶手段の記憶内容に応じて、ユーザーに提供す
るサービスメニュー画面をユーザー毎に変更する表示手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のベッドサイド情報制御システムにおいて、ユーザーの在不在を検出する検出手段を有し、前記表示手段は、前記検出手段の検出結果に応じて、表示を変更することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のベッドサイド情報制御システムにおいて、前記リーダー手段を外部からは不可視的に収納する収納部と、前記収納部内に収納されたリーダー手段が読み取る電子決済手段によって、決済を行って良いかをユーザーに確認する確認手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載のベッドサイド情報制御システムにおいて、前記電子決済手段が携帯電話に内蔵されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明は、請求項3に記載のベッドサイド情報制御システムにおいて、
前記電子決済手段がカードに内蔵されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のベッドサイド情報制御システムによれば、ユーザー毎にID、パスワード等を割り振る必要がなく、システムの運用管理のためのスタッフが不要であり、システムの管理・運用上、経済的負担や人材的負担などが皆無となる。
【0012】
また、本発明のベッドサイド情報制御システムによれば、携帯電話が目に触れない形で携帯電話による通話ができる環境を整えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システム(1ユニット分)のブロック構成の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムのネットワーク環境の概略を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおけるカードチップIDデータベースのデータ構造概略を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおける医療情報データベースのデータ構造概略を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システム(1ユニット分)の物理的構成の概要を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの収納部内の様子を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの収納部内の様子を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの処理フローを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの課金意思確認処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの画面表示処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムのディスプレイ画面表示例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムのディスプレイ画面表示例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおいて携帯電話発信時のディスプレイ画面表示例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおいて携帯電話着信時のディスプレイ画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システム(1ユニット分)のブロック構成の概略を示す図であり、図2は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムのネットワーク環境の概略を説明する図であり、図5は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システム(1ユニット分)の物理的構成の概要を示す図であり、図6は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの収納部内の様子を示す図である。図1乃至図6において、1はベッドサイド情報制御システム(全体構成)、10はローカルエリアネットワーク、50は床頭台、51は収納部、100はベッドサイド情報制御システム(1ユニット構成)、101はCPU、102はバス、103は不揮発性記憶部、104はRAM、105は画像制御部、106はディスプレイ、107は画像入力インターフェイス部、108はカメラ、109はセンサインターフェイス部、110は在床検出センサ、111はテレビ受信回路部、112は電源制御部、113は照明部、114はナースコール端末インターフェイス部、115はナースコール端末、116は携帯電話インターフェイス部、117は非接触式チップリーダーライター部、118はヘッドセットインターフェイス部、119はヘッドセット、120はリモコン受信部、121はリモコン、122は通信部、200は病院内イントラネット用サーバー、
210はカードチップIDデータベース、220は医療情報データベース、250は売店側受注端末、300は携帯電話、301は通信部、302はコントローラー部、303はストアードフェア型チップ、350はストアードフェア型カードをそれぞれ示している。
【0015】
本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムは、通常、複数の入院患者(ユーザー)を収容することが可能な病院(病院関連施設、医療福祉施設なども含む)などで用いられることを想定しており、それぞれの入院患者(ユーザー)のベッドサイドに設置された当該システムを用いることによって、ユーザーがインターネットにアクセスすることを可能としたり、病院内の情報を得ることを可能としたりするものである。それぞれのユーザーが利用する1ユニット分のシステム図が図1に示すものであり、その物理的な構成が図5にしめすものである。このような1ユニット分のシステムはそれぞれ図2に示すような病院内のローカルエリアネットワーク10に通信可能に接続されており、同じくローカルエリアネットワーク10に通信可能に接続されている病院内イントラネット用サーバー200から病院外のインターネットなどの通信回線に接続されるようになっている。また、ローカルエリアネットワーク10には、病院内の売店などに設置された売店側受注端末250とも接続されており、ユーザーは本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムから、この売店側受注端末250に対して、商品の発注などができるようになっている。そして、本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおいては、このような商品の発注に対する決裁も、携帯電話に内蔵されるストアードフェア型チップや、或いは、ストアードフェア型チップ内蔵のカードによって行うことを想定している。なお、このようなストアードフェア型チップは、ユーザーの決済を電子的に可能とする電子決済手段として広く普及している一般的なものを用いることができる。ただ、本発明のベッドサイド情報制御システムで用い得る電子決済手段は、このような携帯電話に内蔵されるストアードフェア型チップに限定されるものではない。すなわち、本発明のベッドサイド情報制御システムでは、カードに内蔵されているストアードフェア型チップ、或いは、クレジットカード、デビットカードなどといった、より広範な電子決済手段を用いるこ
とが可能である。
【0016】
ここで、病院内イントラネット用サーバー200についてより詳しく説明する。本実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおける病院内イントラネット用サーバー200には、少なくとも、カードチップIDデータベース210及び医療情報データベース220のデータベースを有している。
【0017】
カードチップIDデータベース210は、ユーザー毎のストアードフェア型チップのIDを記憶するものであり、例えばそのデータ構造は図3に示すようなものを用いることができる。図3は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおけるカードチップIDデータベース210のデータ構造概略を説明する図である。図3に示すように、カードチップIDデータベース210は、例えば「ユニットNo.」、「ユーザー名」、「決済手段有無」、「決済用チップID」に係るデータを保持するようにしておく。
【0018】
上記のような構造を持つカードチップIDデータベース210においては、入院患者(ユーザー)がどのNo.のユニットを利用するかに応じて、「ユニットNo.」、「ユーザー名」のデータを構築することができる。さらに、ユーザーがユニットにストアードフェア型チップをセットした場合には「決済手段有無」のデータを「有」とし、さらに当該ストアードフェア型チップのID自体をユーザーのIDとして用いるようにする。
【0019】
ストアードフェア型チップには、予め、唯一無二のIDが記憶されており、課金処理のためにこのID情報が利用されるようになっているが、本システムでは、このようなストアードフェア型チップに予めふられているIDを、そのままユーザーのIDとして利用する。
【0020】
このように、本発明のベッドサイド情報制御システムでは、ストアードフェア型チップのIDをそのままシステムが利用するので、従来のようにユーザー毎にID、パスワード等を割り振る必要がなくなる。
【0021】
医療情報データベース220は、少なくともユーザー(患者)毎の症状データ、及び、症状に応じた食事管理データを記憶するものであり、例えばそのデータ構造は図4に示すようなものを用いることができる。図4は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおける医療情報データベース220のデータ構造概略を説明する図である。図4に示すように、医療情報データベース220は、データベース(A)として、例えば「ユーザー名」、「診断データ」に係るデータを、データベース(B)として、例えば「症状名」、「献立1」、「献立2」、「献立3」、「献立4」、「献立5」・・・・に係るデータを、保持するようにしておく。
【0022】
上記のような医療情報データベース220においては、データベース(A)によって入院患者(ユーザー)毎の、症状を記憶し、さらにデータベース(B)で、症状に応じた献立の選択の可否を記憶するようにしている。
【0023】
本発明のベッドサイド情報制御システムでは、後述するように、ユーザーは「食事選択サービス」から食事を選択することができるようになっているが、このような医療情報データベース220を用いることにより、それぞれのユーザーに応じた献立情報を提供することができるようになっている。すなわち、「食事選択サービス」において、ユーザーの症状に対し不適切な献立は、予めユーザーに提示しないなどの配慮が行き届いた献立情報を提供することができるようになる。より具体的には、上記のような献立情報によれば、例えば、「食事選択サービス」で、糖尿病の人には甘い菓子類(ケーキなど)は表示されない、腎臓病の患者には塩分の多い加工食品(かまぼこ・ちくわなど)など)は表示されな
いなど、といった画面構成とすることができる。
【0024】
次に、図1及び図5を参照し、本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの1ユニット分の構成について詳しく説明する。
【0025】
ベッドサイド情報制御システム(1ユニット構成)100のメインシステムは周知のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置により構成することができ、例えばベッドサイド脇に設けられる床頭台50の中に収容することができる。システムにおいて、CPU101はバス102を通じてシステム内の各部と接続されている。このうち不揮発性記憶部103はこのベッドサイド情報制御システム(1ユニット構成)100の各部を制御するためのプログラムを格納したリード・オンリ・メモリやハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどである。また、RAM104はプログラムを実行するときに必要となる一時的なデータおよび画像等を含んだ通信データを一時的に格納するランダム・アクセス・メモリである。
【0026】
画像制御部105は接続されているディスプレイ106を制御するものである。また、画像入力インターフェイス部107はカメラ108によって撮像された画像データをCPU101が処理可能と形で取り込むものである。カメラ108で取り込まれた画像は、携帯電話300を介して送信することができるようになっている。また、カメラ108で取り込まれた画像は、インターネットによるテレビ電話における画像データとして、或いは、ナースコール時のナース側へ画像提供するためのデータとして、或いは、画像取り込み機能などのためのデータとして利用することが可能である。
【0027】
また、入院患者のベッドの下部には圧力などを検知する在床検出センサ110が設けられており、センサインターフェイス部109はこの在床検出センサ110による検出結果をCPU101が処理できるようにするものである。本実施形態に係るベッドサイド情報制御システムでは、このような在床検出センサ110の検出結果によって、ユーザーがベッド上に存在することを判定し、ユーザーがベッド上に存在するときにのみ、ディスプレイ106で表示を行うようにして、システムのセキュリティーレベルを向上させるようにしている。また、在床検出センサ110の検出結果や、後述する非接触式チップリーダーライター部117での読み取り状況の結果、或いはこれら両方の結果によって、ユーザーがベッド上に存在することが確認できたときに、照明部113を点灯するようにし、不要な電力消費などを抑えるようにしている。このように、本実施形態によれば、ユーザー不在時に消灯などを行うことができるので省エネルギー化を進めることが可能となる。
【0028】
なお、本実施形態においては、ユーザーの在・不在を在床検出センサ110の検出結果によって判定するようにしているが、このような検出を行うために、赤外センサを用いたり、カメラからの画像データを用いたりするようにしてもよい。
【0029】
テレビ受信回路部111は、テレビ放送の電波を受信し、これをディスプレイ106に表示可能な信号に変換するものである。
【0030】
電源制御部112は、CPU101からの指令に基づいて、接続されている照明部113のオンオフを制御するものである。CPU101は、在床検出センサ110からの検出信号によって、在床検出センサ110で圧力を検出したときにのみ、電源制御部112で照明部113をオンするように制御する。なお、このような電源制御部112でオンオフを制御する対象としては照明部113に限定されることなく、CD、ラジオなどのその他の電気応用製品であっても構わない。
【0031】
ナースコール端末115は、病院設備として一般的に使用されるものであり、このナー
スコール端末115とCPU101などとのインターフェイスとなるものが、ナースコール端末インターフェイス部114である。ナースコール端末115は、通信部122を介するによって、ナースセンターに設置される端末(不図示)などと通話などができるようになっている。
【0032】
携帯電話インターフェイス部116は、携帯電話300のコントローラー部302とCPU101との間のインターフェイスとして機能する。携帯電話300は、このような携帯電話インターフェイス部116に接続されることにより、CPU101によって携帯電話の通信部301がコントロールされるようになっている。すなわち、携帯電話インターフェイス部116によって、携帯電話300は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムから制御することができるようになる。
【0033】
また、非接触式チップリーダーライター部117はCPU101からの指令に基づいて、携帯電話300に内蔵されているストアードフェア型チップ303と無線通信を行い、ストアードフェア型チップ303にストアされている電子マネーを徴収することができるようになっている。このような非接触式チップリーダーライター部117によって、本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムでは、ユーザーに対する課金を決裁することができるようになっており、これにより課金に伴う煩わしさなどを解消することが可能となるのである。また、本発明に係るベッドサイド情報制御システムにおいては、予めユーザーが所有している携帯電話300に内蔵されているストアードフェア型チップ303を用いることで、ユーザー毎にID、パスワード等を割り振る必要がなく、システムの運用管理のためのスタッフが不要であり、システムの管理・運用上、経済的負担や人材的負担などが皆無となる。
【0034】
なお、本実施形態では、携帯電話300に内蔵されているストアードフェア型チップ303と無線通信を行う例で説明を行ったが、これによらず有線通信を用いるようにしてもよい。また、ユーザーに対する課金を行うために、ユーザーのクレジットカード、デビットカードを用いるようにしても良い。その場合には、非接触式チップリーダーライター部117に代えて、クレジットカードの磁気記憶部や、ICチップを読み取るリーダー部を設けるようにする。
【0035】
また、本発明のベッドサイド情報制御システムにおいて、ユーザーに対する課金のために、クレジットカード、デビットカードなどを用いるように構成する場合には、リモコン121の数字キー(不図示)などを用いることで、ユーザーに暗証番号を入力してもらうステップを設定するようにしておくことが好ましい。
【0036】
また、本実施形態においては、ユーザーのストアードフェア型チップ303に係る情報と、在床検出センサ110の検出情報の双方を利用することで、特別な操作なしに他の人の不正利用を防止することができる。
【0037】
ところで、携帯電話インターフェイス部116と携帯電話300とを接続するコード、コネクタ及び非接触式チップリーダーライター部117は、図6に示すように床頭台50の収納部51内に外部から不可視的に収められている。このような収納部51内で、携帯電話300は前記コネクタにより携帯電話インターフェイス部116と接続された状態で、非接触式チップリーダーライター部117上に載置するようにしてセットする。このように本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムでは、携帯電話300は収納部51内に見えない状態で収められる。そして、システムのCPU101によって携帯電話300をコントロールし、システム側からの制御で携帯電話300による通話を行うようにしている。携帯電話300が前記コネクタにより携帯電話インターフェイス部116と接続された状態であるときには、システム側から携帯電話300に対して給電を行うよ
うにしている。
【0038】
図6に示す例では、収納部51内で、携帯電話300をコネクタにより携帯電話インターフェイス部116と接続した状態とし、非接触式チップリーダーライター部117上に載置することで、携帯電話300の通話を実現すると共に、携帯電話300内蔵のストアードフェア型チップ303から課金を行うようにしていた。一方、携帯電話は利用しないが、ストアードフェア型カードで課金を行いたい、というユーザーのニーズも存在する。このような場合は、図7に示すように、非接触式チップリーダーライター部117上に、ユーザーが所有するストアードフェア型カード350を載置することにより、ストアードフェア型カード350内蔵のチップ(不図示)に対して課金することができるようになっている。すなわち、非接触式チップリーダーライター部117はCPU101からの指令に基づいて、ストアードフェア型カード350内蔵のチップと無線通信を行い、ストアードフェア型カード350にストアされている電子マネーを徴収することができるようになっている。
【0039】
ヘッドセット119はユーザーが携帯電話使用時や、テレビ視聴時、ナースコール時に用いることが想定されるものであり、ヘッドフォン部とマイクロフォン部とから構成されている。このヘッドセット119は、無線通信でヘッドセットインターフェイス部118と通信可能とされる。なお、ヘッドセット119とヘッドセットインターフェイス部118との間を有線で通信させるように構成しても良い。
【0040】
リモコン121は、数字キー、十字キー、決定キー、キャンセルキーなどにより、これらのキーに対応するコマンドを入力することができる一般的なものを用いることが可能である。数字キーは、テレビ視聴時にはチャンネル選択などに利用することができ、携帯電話300利用時には電話番号の入力に利用することができる。また、十字キー、決定キー、キャンセルキーは、ディスプレイ106上に表示されるメニュー画面の選択時や、通話ボタン、発信・着信ボタンや切断ボタンの選択などに用いることができる。リモコン121は、赤外線通信によりリモコン受信部120と通信することで、CPU101などにコマンドを送信することが可能となる。
【0041】
通信部122は、ローカルエリアネットワーク10などで構成される病院内のイントラネットと接続するためのインターフェイスであり、この通信部122によってCPU101は外部機器と情報通信を行うことができるようになっている。
【0042】
次に、以上のように構成されるベッドサイド情報制御システムの処理・動作例について説明する。図8は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの処理フローを示す図である。図1において、ステップS100で、1ユニット単位でのベッドサイド情報制御システムが起動されて、処理が開始されると、続いてステップS101に進み、非接触式チップリーダーライター部117において、課金可能なストアードフェア型チップが検出されたか否かが判定される。
【0043】
ステップS101における判定の結果がYESであるときにはステップS102に進み、NOであるときにはステップS103に進む。ストアードフェア型チップに対する課金の可否を記憶するフラグを設けておき、ステップS103ではこのフラグに「課金不許可」を記憶させる。
【0044】
一方、ステップS101における判定がYESであるときに進むステップS102では、ユーザーは、所有するストアードフェア型チップに対して課金する意思があるか否かに係る確認が済んでいるかが判定される。
【0045】
ユーザーの意思確認を既に行っている場合には、ステップS102からステップS105に進み、ユーザーの意思確認を行っていない場合には、ステップS104に進み、課金意思確認処理サブルーチンを実行する。図9は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの課金意思確認処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図9において、ステップS200で、課金意思確認処理のサブルーチンが開始されると、次に、ステップS201に進み、課金を実行して良いか否かをユーザーに対して回答を促す質問画面をディスプレイ106に表示する。このようなユーザーに対する質問に対するユーザーの回答がステップS202で判定される。すなわち、ステップS202では、ユーザーが課金を許可したか否かが判定される。ステップS202における判定結果がYESであるときにはステップS203に進み、(フラグ)=「課金許可」とし、判定結果がNOであるときにはステップS204に進み、(フラグ)=「課金不許可」とする。ステップS205では、リターンしてメインルーチンの方に戻る。このように、本実施形態では、課金意思確認処理を実行し、ユーザーの意思を確認した上で、ユーザーに対する課金を決裁するようにしているので、システム運用上課金に伴う煩わしさなどを解消することが可能となる。
【0046】
メインルーチンのステップS105では、画面表示処理サブルーチンが実行される。図10は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの画面表示処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図10において、ステップS300で、画面表示処理サブルーチンが開始されると、続いてステップS301で(フラグ)=「課金許可」であるか否かが判定される。ステップS301における判定がYESであるときにはステップS302に進み、NOであるときにはステップS303に進む。
【0047】
ステップS302では、在床検出センサ110によってユーザーがベッド上に存在するか否かが判定される。ステップS302の判定結果がYESであるときにはステップS304に進み、NOであるときにはステップS305に進む。
【0048】
ステップS304では、ディスプレイ106に有料サービスも含めたサービスメニュー画面を表示する。ユーザーはこのサービスメニュー画面から自ら所望するサービスをリモコン121の操作により選択することができるようになっている。図11はこのようなサービスメニュー画面の一例である。この例では、有料サービスも含めたサービスメニュー画面であり、ユーザーは「携帯電話利用サービス」、「食事選択サービス」、「売店サービス」、「テレビ視聴サービス」、「インターネット接続サービス」、「院内情報提供サービス」などのサービスから所望するサービスを選択することができるようになっている。ステップS305では、ユーザーが在床していないこととなるのでディスプレイ106を非表示とする。
【0049】
図11に示すようなサービスメニュー画面を構成する上では、病院内イントラネット用サーバー200のカードチップIDデータベース210に記憶されているユーザー毎のIDに基づいて「決済手段有無」データが参照され、当該ユーザーに対して課金を行い得るかなどが考慮される。また、「食事選択サービス」の画面を構成する上では、医療情報データベース220に記憶されているユーザー毎の症状、症状に応じた献立データが参酌される。
【0050】
ステップS306では、ディスプレイ106に有料サービスを除いたサービスメニュー画面を表示する。図12はこのようなサービスメニュー画面の一例である。この例では、「売店サービス」、「インターネット接続サービス」などの有料サービスについてはユーザーが選択することができないようになっており、ユーザーは無料サービスである「携帯電話利用サービス」、「食事選択サービス」、「テレビ視聴サービス」、「院内情報提供サービス」などのサービスから所望するサービスを選択することができるようになってい
る。ステップS307では、ユーザーが在床していないこととなるのでディスプレイ106を非表示とする。ステップS308ではメインルーチンにリターンする。
【0051】
なお、図12に示すサービスメニュー画面例では、「売店サービス」、「インターネット接続サービス」などのユーザーが選択することができないメニューアイコンについては通常表示より薄い表示となっているが、これらの選択不能アイコンについては、全く表示しないようにしてもよい。このように選択不能アイコンを全く表示しないようにすると、ユーザーが選択できないメニューがあることに不満を感じたり、故障と勘違いされるようなことがなくなり、不要な問合せが少なくなって管理面の負担も軽減される。
【0052】
本実施形態では、上記のように有料サービスも含めたサービスメニュー画面、有料サービスを除いたサービスメニュー画面のいずれにおいても、サービス利用可能なメニューが画面に表示されるので、ユーザーにとっては操作が簡便であるというメリットを享受することができる。
【0053】
なお、上記の「インターネット接続サービス」におけるインターネット接続形態は、病院内イントラネット用サーバー200を介する接続形態、携帯電話300を介する接続形態のいずれの接続形態も採用することができる。インターネット接続形態として、病院内イントラネット用サーバーを介する接続形態とした場合には、高速、安定な接続が可能となり、また、携帯電話を介する接続形態とした場合には、病院側の設備、費用負担がなく、病院側ネットワークへのセキュリティ上の問題もない、という特徴がそれぞれある。
【0054】
また、本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムでは、ステップS302乃至ステップS307のフローからも分かるように、在床検出センサ110などの在・不在検出手段によって、ディスプレイ106の表示を変更(表示又は非表示)するものであり、これによりユーザーの状況に応じたサービス提供を行うことが可能となる。
【0055】
メインルーチンのステップS106では、ディスプレイ106にサービスメニュー画面を表示しつつ、ユーザーによる選択待ちを行う。そして、ステップS107では、携帯電話300に着信があるか否かが判定される。判定結果がYESであるときにはステップS119に進み、NOであるときにはステップS108に進む。ステップS108では、ユニット単位システムの終了指示があったか否かがチェックされ、チェックの結果がYESであるとステップS121に進みシステムの処理を収容し、NOであるとステップS109に進む。
【0056】
ステップS109では、ディスプレイ106のサービスメニュー画面で表示されているメニューからユーザーによって選択がなされたか否かが判定される。この判定結果がYESであるときにはステップS110に進み、NOであるときにはステップS105に戻る。すなわち、携帯電話300の着信や、システム終了指示、ユーザーによるサービス選択がない限り、ステップS105→ステップS109の間をループすることとなる。
【0057】
ステップS110においては、ユーザーが携帯電話利用サービスを選択したか否かが判定される。このステップの判定結果がYESであるときにはステップS111に進み、NOであるときにはステップS113に進む。ステップS111では、ディスプレイ106に発信用の携帯電話利用サービス画面を表示して、携帯電話利用サービスを実行する。図13は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおいて携帯電話発信時のディスプレイ画面表示例を示す図である。図13に示すように、このサービスにおいては、ユーザーは「ヘッドセットを装着し、リモコンで電話番号を入力し、発信ボタンを選択して下さい。」、「登録されている通話先を選択する場合には、アドレス帳ボタンを選択して下さい。」のような指示メッセージに基づいて操作を行う。ここでユーザーは、番号
をリモコン121で入力するか、或いは、アドレス帳ボタンを選択する。ユーザーがアドレス帳ボタンを選択すると、携帯電話300に記憶されている電話番号(アドレス帳)をモニター画面に表示しそれらのリストから選択することができるようになっている。携帯電話300に記憶されているアドレス帳データは、携帯電話インターフェイス部116からシステム側に取り込まれる。番号を入力するか、アドレス帳から電話番号を選択し、通話ボタンを押すと、携帯電話300をエミュレートする本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムからヘッドセット119を介して通話が可能となる。ステップS112で通話が終了すると、再びステップS105に進む。
【0058】
ステップS113においては、ユーザーがインターネット接続サービスなどの有料サービスを選択したか否かが判定される。ステップS113の判定がYESであるときにはステップS114に進み、NOであるときにはステップS117に進む。
【0059】
ステップS114では、選択された有料サービスを実行し、ステップS115で、サービス終了か否かが判定され、サービス終了であると、ステップS116に進み、非接触式チップリーダーライター部117で所定の課金を実行し、再びステップS105に戻る。
【0060】
ステップS113の判定結果がNOである時に進むステップS117では、選択された無料サービスを実行し、ステップS118でサービス終了か否かが判定され、サービス終了であるとステップS105に進む。
【0061】
先のループ中のステップS107で携帯電話300に着信があり、ステップS119に進んだ場合には、ディスプレイ106に着信用の携帯電話利用サービス画面を表示して、携帯電話利用サービスを実行する。図14は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおいて携帯電話着信時のディスプレイ画面表示例を示す図である。図14に示すように、着信時においては、ユーザーは「着信しております。ヘッドセットを装着し、リモコンで着信ボタンを選択して下さい。」のような指示メッセージに基づいて操作を行い、携帯電話300をエミュレートする本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムからヘッドセット119を介して通話が可能となる。なお、着信相手先が携帯電話300のアドレス帳に記憶されているような場合には、携帯電話インターフェイス部116からシステム側に取り込み、図14に示すディスプレイ画面に着信相手先に係る情報を表示するようにしてもよい。ステップS120で通話が終了すると、再びステップS105に進む。
【0062】
以上、本発明のベッドサイド情報制御システムによれば、ユーザー毎にID、パスワード等を割り振る必要がなく、システムの運用管理のためのスタッフが不要であり、システムの管理・運用上、経済的負担や人材的負担などが皆無となる。
【0063】
また、本発明のベッドサイド情報制御システムによれば、携帯電話が目に触れない形で携帯電話による通話ができる環境を整えることが可能となる。
【0064】
なお、本発明のベッドサイド情報制御システムは、病院の入院施設のベッドサイドに設置されることを主に想定しているが、例えば数時間程度の外来診察時の待ち時間などに、患者に対して提供されるベッドやソファーなどの側に設置することもできる。
【符号の説明】
【0065】
1・・・ベッドサイド情報制御システム(全体構成)、10・・・ローカルエリアネットワーク、50・・・床頭台、51・・・収納部、100・・・ベッドサイド情報制御システム(1ユニット構成)、101・・・CPU、102・・・バス、103・・・不揮発性記憶部、104・・・RAM、105・・・画像制御部、106・・・ディスプレイ、
107・・・画像入力インターフェイス部、108・・・カメラ、109・・・センサインターフェイス部、110・・・在床検出センサ、111・・・テレビ受信回路部、112・・・電源制御部、113・・・照明部、114・・・ナースコール端末インターフェイス部、115・・・ナースコール端末、116・・・携帯電話インターフェイス部、117・・・非接触式チップリーダーライター部、118・・・ヘッドセットインターフェイス部、119・・・ヘッドセット、120・・・リモコン受信部、121・・・リモコン、122・・・通信部、200・・・病院内イントラネット用サーバー、210・・・カードチップIDデータベース、220・・・医療情報データベース、250・・・売店側受注端末、300・・・携帯電話、301・・・通信部、302・・・コントローラー部、303・・・ストアードフェア型チップ、350・・・ストアードフェア型カード
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院の入院施設のベッドサイドに設置され、ユーザー(入院患者)に種々のサービスを提供するベッドサイド情報制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院の入院施設のベッドサイドにおけるテレビ視聴環境、インターネット利用環境を病院側が提供する方式としては、ユーザー(入院患者)毎にID、パスワードを割り振り、ユーザーが割り振られたID、パスワードをベッドサイドに設置されたシステムに入力し、ユーザーはこれにより認証を受けて、テレビやインターネットを利用する方式が知られている。また、このような方式に関連し、ユーザーに割り振ったIDを元に、テレビ視聴やインターネット利用に対する課金などを行う仕組みなどが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2006−20877号公報)には、病院内のベッドの近くに置かれるベッドサイド端末装置であって、病院内の医療情報を提供する医療情報システムへの接続と、外部のネットワークへの接続と、テレビの映像信号の供給の何れかを切り換える切替装置を有し、前記切替装置は、病院内の医療情報システムに対するアクセス許可が得られた場合には、前記ベッドサイド端末装置を前記医療情報システムにのみ接続し、外部のネットワークとの接続の許可が得られた場合には、前記ベッドサイド端末装置を外部のネットワークにのみ接続し、前記切替装置がテレビの映像信号を前記ベッドサイド端末装置に出力している場合には所定時間単位または日単位で課金を行い、前記切替装置がインターネットに前記ベッドサイド端末装置を接続している場合には所定時間単位または日単位で課金を行う課金手段を有するベッドサイド端末装置が開示されている。
【特許文献1】特開2006−20877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のベッドサイド情報システムでは、ユーザー毎にID、パスワード等を割り振って管理・運用を行うために、システムの管理・運用を行うためだけのスタッフが必要となったり、或いはシステムとは関係のない病院スタッフにシステム管理の作業負担を要求する必要性が生じたりすることとなり、システムを管理・運用する上で、経済的にも人材的にも負担が大きい、という問題があった。
【0005】
ところで、入院施設では、マナーなどの問題から、入院患者及びその関係者に対して一切の携帯電話の使用を禁止する病院などがある。このような携帯電話の院内での使用禁止については、マナー問題に加えて、医療機器への影響を懸念する入院患者もいるためであることも一因である。このような携帯電話使用禁止の入院施設では、目に触れるところに携帯電話が存在すること自体が問題となることもあるが、実際には携帯電話の使用が禁じられると困る者も存在するわけであり、入院施設内では携帯電話が目に触れない形で携帯電話による通話ができる環境が整えば理想である。しかしながら、従来このような環境を整えることが不可能であり、入院施設における問題のひとつなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、病院関連施設を利用するユーザーによって用いられるベッドサイド情報制御システムであって、ユーザーが所有すると共に、当該ユーザーの決済を電子的に可能とする電子決済手段を読み取るリーダー手段と、前記リーダー手段で読み取った前記電子決済手段のIDを、ユーザー毎のIDとして記憶する記憶手段と、前記記憶手段の記憶内容に応じて、ユーザーに提供す
るサービスメニュー画面をユーザー毎に変更する表示手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のベッドサイド情報制御システムにおいて、ユーザーの在不在を検出する検出手段を有し、前記表示手段は、前記検出手段の検出結果に応じて、表示を変更することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のベッドサイド情報制御システムにおいて、前記リーダー手段を外部からは不可視的に収納する収納部と、前記収納部内に収納されたリーダー手段が読み取る電子決済手段によって、決済を行って良いかをユーザーに確認する確認手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載のベッドサイド情報制御システムにおいて、前記電子決済手段が携帯電話に内蔵されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明は、請求項3に記載のベッドサイド情報制御システムにおいて、
前記電子決済手段がカードに内蔵されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のベッドサイド情報制御システムによれば、ユーザー毎にID、パスワード等を割り振る必要がなく、システムの運用管理のためのスタッフが不要であり、システムの管理・運用上、経済的負担や人材的負担などが皆無となる。
【0012】
また、本発明のベッドサイド情報制御システムによれば、携帯電話が目に触れない形で携帯電話による通話ができる環境を整えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システム(1ユニット分)のブロック構成の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムのネットワーク環境の概略を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおけるカードチップIDデータベースのデータ構造概略を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおける医療情報データベースのデータ構造概略を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システム(1ユニット分)の物理的構成の概要を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの収納部内の様子を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの収納部内の様子を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの処理フローを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの課金意思確認処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの画面表示処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムのディスプレイ画面表示例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムのディスプレイ画面表示例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおいて携帯電話発信時のディスプレイ画面表示例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおいて携帯電話着信時のディスプレイ画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システム(1ユニット分)のブロック構成の概略を示す図であり、図2は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムのネットワーク環境の概略を説明する図であり、図5は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システム(1ユニット分)の物理的構成の概要を示す図であり、図6は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの収納部内の様子を示す図である。図1乃至図6において、1はベッドサイド情報制御システム(全体構成)、10はローカルエリアネットワーク、50は床頭台、51は収納部、100はベッドサイド情報制御システム(1ユニット構成)、101はCPU、102はバス、103は不揮発性記憶部、104はRAM、105は画像制御部、106はディスプレイ、107は画像入力インターフェイス部、108はカメラ、109はセンサインターフェイス部、110は在床検出センサ、111はテレビ受信回路部、112は電源制御部、113は照明部、114はナースコール端末インターフェイス部、115はナースコール端末、116は携帯電話インターフェイス部、117は非接触式チップリーダーライター部、118はヘッドセットインターフェイス部、119はヘッドセット、120はリモコン受信部、121はリモコン、122は通信部、200は病院内イントラネット用サーバー、
210はカードチップIDデータベース、220は医療情報データベース、250は売店側受注端末、300は携帯電話、301は通信部、302はコントローラー部、303はストアードフェア型チップ、350はストアードフェア型カードをそれぞれ示している。
【0015】
本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムは、通常、複数の入院患者(ユーザー)を収容することが可能な病院(病院関連施設、医療福祉施設なども含む)などで用いられることを想定しており、それぞれの入院患者(ユーザー)のベッドサイドに設置された当該システムを用いることによって、ユーザーがインターネットにアクセスすることを可能としたり、病院内の情報を得ることを可能としたりするものである。それぞれのユーザーが利用する1ユニット分のシステム図が図1に示すものであり、その物理的な構成が図5にしめすものである。このような1ユニット分のシステムはそれぞれ図2に示すような病院内のローカルエリアネットワーク10に通信可能に接続されており、同じくローカルエリアネットワーク10に通信可能に接続されている病院内イントラネット用サーバー200から病院外のインターネットなどの通信回線に接続されるようになっている。また、ローカルエリアネットワーク10には、病院内の売店などに設置された売店側受注端末250とも接続されており、ユーザーは本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムから、この売店側受注端末250に対して、商品の発注などができるようになっている。そして、本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおいては、このような商品の発注に対する決裁も、携帯電話に内蔵されるストアードフェア型チップや、或いは、ストアードフェア型チップ内蔵のカードによって行うことを想定している。なお、このようなストアードフェア型チップは、ユーザーの決済を電子的に可能とする電子決済手段として広く普及している一般的なものを用いることができる。ただ、本発明のベッドサイド情報制御システムで用い得る電子決済手段は、このような携帯電話に内蔵されるストアードフェア型チップに限定されるものではない。すなわち、本発明のベッドサイド情報制御システムでは、カードに内蔵されているストアードフェア型チップ、或いは、クレジットカード、デビットカードなどといった、より広範な電子決済手段を用いるこ
とが可能である。
【0016】
ここで、病院内イントラネット用サーバー200についてより詳しく説明する。本実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおける病院内イントラネット用サーバー200には、少なくとも、カードチップIDデータベース210及び医療情報データベース220のデータベースを有している。
【0017】
カードチップIDデータベース210は、ユーザー毎のストアードフェア型チップのIDを記憶するものであり、例えばそのデータ構造は図3に示すようなものを用いることができる。図3は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおけるカードチップIDデータベース210のデータ構造概略を説明する図である。図3に示すように、カードチップIDデータベース210は、例えば「ユニットNo.」、「ユーザー名」、「決済手段有無」、「決済用チップID」に係るデータを保持するようにしておく。
【0018】
上記のような構造を持つカードチップIDデータベース210においては、入院患者(ユーザー)がどのNo.のユニットを利用するかに応じて、「ユニットNo.」、「ユーザー名」のデータを構築することができる。さらに、ユーザーがユニットにストアードフェア型チップをセットした場合には「決済手段有無」のデータを「有」とし、さらに当該ストアードフェア型チップのID自体をユーザーのIDとして用いるようにする。
【0019】
ストアードフェア型チップには、予め、唯一無二のIDが記憶されており、課金処理のためにこのID情報が利用されるようになっているが、本システムでは、このようなストアードフェア型チップに予めふられているIDを、そのままユーザーのIDとして利用する。
【0020】
このように、本発明のベッドサイド情報制御システムでは、ストアードフェア型チップのIDをそのままシステムが利用するので、従来のようにユーザー毎にID、パスワード等を割り振る必要がなくなる。
【0021】
医療情報データベース220は、少なくともユーザー(患者)毎の症状データ、及び、症状に応じた食事管理データを記憶するものであり、例えばそのデータ構造は図4に示すようなものを用いることができる。図4は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおける医療情報データベース220のデータ構造概略を説明する図である。図4に示すように、医療情報データベース220は、データベース(A)として、例えば「ユーザー名」、「診断データ」に係るデータを、データベース(B)として、例えば「症状名」、「献立1」、「献立2」、「献立3」、「献立4」、「献立5」・・・・に係るデータを、保持するようにしておく。
【0022】
上記のような医療情報データベース220においては、データベース(A)によって入院患者(ユーザー)毎の、症状を記憶し、さらにデータベース(B)で、症状に応じた献立の選択の可否を記憶するようにしている。
【0023】
本発明のベッドサイド情報制御システムでは、後述するように、ユーザーは「食事選択サービス」から食事を選択することができるようになっているが、このような医療情報データベース220を用いることにより、それぞれのユーザーに応じた献立情報を提供することができるようになっている。すなわち、「食事選択サービス」において、ユーザーの症状に対し不適切な献立は、予めユーザーに提示しないなどの配慮が行き届いた献立情報を提供することができるようになる。より具体的には、上記のような献立情報によれば、例えば、「食事選択サービス」で、糖尿病の人には甘い菓子類(ケーキなど)は表示されない、腎臓病の患者には塩分の多い加工食品(かまぼこ・ちくわなど)など)は表示されな
いなど、といった画面構成とすることができる。
【0024】
次に、図1及び図5を参照し、本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの1ユニット分の構成について詳しく説明する。
【0025】
ベッドサイド情報制御システム(1ユニット構成)100のメインシステムは周知のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置により構成することができ、例えばベッドサイド脇に設けられる床頭台50の中に収容することができる。システムにおいて、CPU101はバス102を通じてシステム内の各部と接続されている。このうち不揮発性記憶部103はこのベッドサイド情報制御システム(1ユニット構成)100の各部を制御するためのプログラムを格納したリード・オンリ・メモリやハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどである。また、RAM104はプログラムを実行するときに必要となる一時的なデータおよび画像等を含んだ通信データを一時的に格納するランダム・アクセス・メモリである。
【0026】
画像制御部105は接続されているディスプレイ106を制御するものである。また、画像入力インターフェイス部107はカメラ108によって撮像された画像データをCPU101が処理可能と形で取り込むものである。カメラ108で取り込まれた画像は、携帯電話300を介して送信することができるようになっている。また、カメラ108で取り込まれた画像は、インターネットによるテレビ電話における画像データとして、或いは、ナースコール時のナース側へ画像提供するためのデータとして、或いは、画像取り込み機能などのためのデータとして利用することが可能である。
【0027】
また、入院患者のベッドの下部には圧力などを検知する在床検出センサ110が設けられており、センサインターフェイス部109はこの在床検出センサ110による検出結果をCPU101が処理できるようにするものである。本実施形態に係るベッドサイド情報制御システムでは、このような在床検出センサ110の検出結果によって、ユーザーがベッド上に存在することを判定し、ユーザーがベッド上に存在するときにのみ、ディスプレイ106で表示を行うようにして、システムのセキュリティーレベルを向上させるようにしている。また、在床検出センサ110の検出結果や、後述する非接触式チップリーダーライター部117での読み取り状況の結果、或いはこれら両方の結果によって、ユーザーがベッド上に存在することが確認できたときに、照明部113を点灯するようにし、不要な電力消費などを抑えるようにしている。このように、本実施形態によれば、ユーザー不在時に消灯などを行うことができるので省エネルギー化を進めることが可能となる。
【0028】
なお、本実施形態においては、ユーザーの在・不在を在床検出センサ110の検出結果によって判定するようにしているが、このような検出を行うために、赤外センサを用いたり、カメラからの画像データを用いたりするようにしてもよい。
【0029】
テレビ受信回路部111は、テレビ放送の電波を受信し、これをディスプレイ106に表示可能な信号に変換するものである。
【0030】
電源制御部112は、CPU101からの指令に基づいて、接続されている照明部113のオンオフを制御するものである。CPU101は、在床検出センサ110からの検出信号によって、在床検出センサ110で圧力を検出したときにのみ、電源制御部112で照明部113をオンするように制御する。なお、このような電源制御部112でオンオフを制御する対象としては照明部113に限定されることなく、CD、ラジオなどのその他の電気応用製品であっても構わない。
【0031】
ナースコール端末115は、病院設備として一般的に使用されるものであり、このナー
スコール端末115とCPU101などとのインターフェイスとなるものが、ナースコール端末インターフェイス部114である。ナースコール端末115は、通信部122を介するによって、ナースセンターに設置される端末(不図示)などと通話などができるようになっている。
【0032】
携帯電話インターフェイス部116は、携帯電話300のコントローラー部302とCPU101との間のインターフェイスとして機能する。携帯電話300は、このような携帯電話インターフェイス部116に接続されることにより、CPU101によって携帯電話の通信部301がコントロールされるようになっている。すなわち、携帯電話インターフェイス部116によって、携帯電話300は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムから制御することができるようになる。
【0033】
また、非接触式チップリーダーライター部117はCPU101からの指令に基づいて、携帯電話300に内蔵されているストアードフェア型チップ303と無線通信を行い、ストアードフェア型チップ303にストアされている電子マネーを徴収することができるようになっている。このような非接触式チップリーダーライター部117によって、本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムでは、ユーザーに対する課金を決裁することができるようになっており、これにより課金に伴う煩わしさなどを解消することが可能となるのである。また、本発明に係るベッドサイド情報制御システムにおいては、予めユーザーが所有している携帯電話300に内蔵されているストアードフェア型チップ303を用いることで、ユーザー毎にID、パスワード等を割り振る必要がなく、システムの運用管理のためのスタッフが不要であり、システムの管理・運用上、経済的負担や人材的負担などが皆無となる。
【0034】
なお、本実施形態では、携帯電話300に内蔵されているストアードフェア型チップ303と無線通信を行う例で説明を行ったが、これによらず有線通信を用いるようにしてもよい。また、ユーザーに対する課金を行うために、ユーザーのクレジットカード、デビットカードを用いるようにしても良い。その場合には、非接触式チップリーダーライター部117に代えて、クレジットカードの磁気記憶部や、ICチップを読み取るリーダー部を設けるようにする。
【0035】
また、本発明のベッドサイド情報制御システムにおいて、ユーザーに対する課金のために、クレジットカード、デビットカードなどを用いるように構成する場合には、リモコン121の数字キー(不図示)などを用いることで、ユーザーに暗証番号を入力してもらうステップを設定するようにしておくことが好ましい。
【0036】
また、本実施形態においては、ユーザーのストアードフェア型チップ303に係る情報と、在床検出センサ110の検出情報の双方を利用することで、特別な操作なしに他の人の不正利用を防止することができる。
【0037】
ところで、携帯電話インターフェイス部116と携帯電話300とを接続するコード、コネクタ及び非接触式チップリーダーライター部117は、図6に示すように床頭台50の収納部51内に外部から不可視的に収められている。このような収納部51内で、携帯電話300は前記コネクタにより携帯電話インターフェイス部116と接続された状態で、非接触式チップリーダーライター部117上に載置するようにしてセットする。このように本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムでは、携帯電話300は収納部51内に見えない状態で収められる。そして、システムのCPU101によって携帯電話300をコントロールし、システム側からの制御で携帯電話300による通話を行うようにしている。携帯電話300が前記コネクタにより携帯電話インターフェイス部116と接続された状態であるときには、システム側から携帯電話300に対して給電を行うよ
うにしている。
【0038】
図6に示す例では、収納部51内で、携帯電話300をコネクタにより携帯電話インターフェイス部116と接続した状態とし、非接触式チップリーダーライター部117上に載置することで、携帯電話300の通話を実現すると共に、携帯電話300内蔵のストアードフェア型チップ303から課金を行うようにしていた。一方、携帯電話は利用しないが、ストアードフェア型カードで課金を行いたい、というユーザーのニーズも存在する。このような場合は、図7に示すように、非接触式チップリーダーライター部117上に、ユーザーが所有するストアードフェア型カード350を載置することにより、ストアードフェア型カード350内蔵のチップ(不図示)に対して課金することができるようになっている。すなわち、非接触式チップリーダーライター部117はCPU101からの指令に基づいて、ストアードフェア型カード350内蔵のチップと無線通信を行い、ストアードフェア型カード350にストアされている電子マネーを徴収することができるようになっている。
【0039】
ヘッドセット119はユーザーが携帯電話使用時や、テレビ視聴時、ナースコール時に用いることが想定されるものであり、ヘッドフォン部とマイクロフォン部とから構成されている。このヘッドセット119は、無線通信でヘッドセットインターフェイス部118と通信可能とされる。なお、ヘッドセット119とヘッドセットインターフェイス部118との間を有線で通信させるように構成しても良い。
【0040】
リモコン121は、数字キー、十字キー、決定キー、キャンセルキーなどにより、これらのキーに対応するコマンドを入力することができる一般的なものを用いることが可能である。数字キーは、テレビ視聴時にはチャンネル選択などに利用することができ、携帯電話300利用時には電話番号の入力に利用することができる。また、十字キー、決定キー、キャンセルキーは、ディスプレイ106上に表示されるメニュー画面の選択時や、通話ボタン、発信・着信ボタンや切断ボタンの選択などに用いることができる。リモコン121は、赤外線通信によりリモコン受信部120と通信することで、CPU101などにコマンドを送信することが可能となる。
【0041】
通信部122は、ローカルエリアネットワーク10などで構成される病院内のイントラネットと接続するためのインターフェイスであり、この通信部122によってCPU101は外部機器と情報通信を行うことができるようになっている。
【0042】
次に、以上のように構成されるベッドサイド情報制御システムの処理・動作例について説明する。図8は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの処理フローを示す図である。図1において、ステップS100で、1ユニット単位でのベッドサイド情報制御システムが起動されて、処理が開始されると、続いてステップS101に進み、非接触式チップリーダーライター部117において、課金可能なストアードフェア型チップが検出されたか否かが判定される。
【0043】
ステップS101における判定の結果がYESであるときにはステップS102に進み、NOであるときにはステップS103に進む。ストアードフェア型チップに対する課金の可否を記憶するフラグを設けておき、ステップS103ではこのフラグに「課金不許可」を記憶させる。
【0044】
一方、ステップS101における判定がYESであるときに進むステップS102では、ユーザーは、所有するストアードフェア型チップに対して課金する意思があるか否かに係る確認が済んでいるかが判定される。
【0045】
ユーザーの意思確認を既に行っている場合には、ステップS102からステップS105に進み、ユーザーの意思確認を行っていない場合には、ステップS104に進み、課金意思確認処理サブルーチンを実行する。図9は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの課金意思確認処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図9において、ステップS200で、課金意思確認処理のサブルーチンが開始されると、次に、ステップS201に進み、課金を実行して良いか否かをユーザーに対して回答を促す質問画面をディスプレイ106に表示する。このようなユーザーに対する質問に対するユーザーの回答がステップS202で判定される。すなわち、ステップS202では、ユーザーが課金を許可したか否かが判定される。ステップS202における判定結果がYESであるときにはステップS203に進み、(フラグ)=「課金許可」とし、判定結果がNOであるときにはステップS204に進み、(フラグ)=「課金不許可」とする。ステップS205では、リターンしてメインルーチンの方に戻る。このように、本実施形態では、課金意思確認処理を実行し、ユーザーの意思を確認した上で、ユーザーに対する課金を決裁するようにしているので、システム運用上課金に伴う煩わしさなどを解消することが可能となる。
【0046】
メインルーチンのステップS105では、画面表示処理サブルーチンが実行される。図10は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムの画面表示処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図10において、ステップS300で、画面表示処理サブルーチンが開始されると、続いてステップS301で(フラグ)=「課金許可」であるか否かが判定される。ステップS301における判定がYESであるときにはステップS302に進み、NOであるときにはステップS303に進む。
【0047】
ステップS302では、在床検出センサ110によってユーザーがベッド上に存在するか否かが判定される。ステップS302の判定結果がYESであるときにはステップS304に進み、NOであるときにはステップS305に進む。
【0048】
ステップS304では、ディスプレイ106に有料サービスも含めたサービスメニュー画面を表示する。ユーザーはこのサービスメニュー画面から自ら所望するサービスをリモコン121の操作により選択することができるようになっている。図11はこのようなサービスメニュー画面の一例である。この例では、有料サービスも含めたサービスメニュー画面であり、ユーザーは「携帯電話利用サービス」、「食事選択サービス」、「売店サービス」、「テレビ視聴サービス」、「インターネット接続サービス」、「院内情報提供サービス」などのサービスから所望するサービスを選択することができるようになっている。ステップS305では、ユーザーが在床していないこととなるのでディスプレイ106を非表示とする。
【0049】
図11に示すようなサービスメニュー画面を構成する上では、病院内イントラネット用サーバー200のカードチップIDデータベース210に記憶されているユーザー毎のIDに基づいて「決済手段有無」データが参照され、当該ユーザーに対して課金を行い得るかなどが考慮される。また、「食事選択サービス」の画面を構成する上では、医療情報データベース220に記憶されているユーザー毎の症状、症状に応じた献立データが参酌される。
【0050】
ステップS306では、ディスプレイ106に有料サービスを除いたサービスメニュー画面を表示する。図12はこのようなサービスメニュー画面の一例である。この例では、「売店サービス」、「インターネット接続サービス」などの有料サービスについてはユーザーが選択することができないようになっており、ユーザーは無料サービスである「携帯電話利用サービス」、「食事選択サービス」、「テレビ視聴サービス」、「院内情報提供サービス」などのサービスから所望するサービスを選択することができるようになってい
る。ステップS307では、ユーザーが在床していないこととなるのでディスプレイ106を非表示とする。ステップS308ではメインルーチンにリターンする。
【0051】
なお、図12に示すサービスメニュー画面例では、「売店サービス」、「インターネット接続サービス」などのユーザーが選択することができないメニューアイコンについては通常表示より薄い表示となっているが、これらの選択不能アイコンについては、全く表示しないようにしてもよい。このように選択不能アイコンを全く表示しないようにすると、ユーザーが選択できないメニューがあることに不満を感じたり、故障と勘違いされるようなことがなくなり、不要な問合せが少なくなって管理面の負担も軽減される。
【0052】
本実施形態では、上記のように有料サービスも含めたサービスメニュー画面、有料サービスを除いたサービスメニュー画面のいずれにおいても、サービス利用可能なメニューが画面に表示されるので、ユーザーにとっては操作が簡便であるというメリットを享受することができる。
【0053】
なお、上記の「インターネット接続サービス」におけるインターネット接続形態は、病院内イントラネット用サーバー200を介する接続形態、携帯電話300を介する接続形態のいずれの接続形態も採用することができる。インターネット接続形態として、病院内イントラネット用サーバーを介する接続形態とした場合には、高速、安定な接続が可能となり、また、携帯電話を介する接続形態とした場合には、病院側の設備、費用負担がなく、病院側ネットワークへのセキュリティ上の問題もない、という特徴がそれぞれある。
【0054】
また、本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムでは、ステップS302乃至ステップS307のフローからも分かるように、在床検出センサ110などの在・不在検出手段によって、ディスプレイ106の表示を変更(表示又は非表示)するものであり、これによりユーザーの状況に応じたサービス提供を行うことが可能となる。
【0055】
メインルーチンのステップS106では、ディスプレイ106にサービスメニュー画面を表示しつつ、ユーザーによる選択待ちを行う。そして、ステップS107では、携帯電話300に着信があるか否かが判定される。判定結果がYESであるときにはステップS119に進み、NOであるときにはステップS108に進む。ステップS108では、ユニット単位システムの終了指示があったか否かがチェックされ、チェックの結果がYESであるとステップS121に進みシステムの処理を収容し、NOであるとステップS109に進む。
【0056】
ステップS109では、ディスプレイ106のサービスメニュー画面で表示されているメニューからユーザーによって選択がなされたか否かが判定される。この判定結果がYESであるときにはステップS110に進み、NOであるときにはステップS105に戻る。すなわち、携帯電話300の着信や、システム終了指示、ユーザーによるサービス選択がない限り、ステップS105→ステップS109の間をループすることとなる。
【0057】
ステップS110においては、ユーザーが携帯電話利用サービスを選択したか否かが判定される。このステップの判定結果がYESであるときにはステップS111に進み、NOであるときにはステップS113に進む。ステップS111では、ディスプレイ106に発信用の携帯電話利用サービス画面を表示して、携帯電話利用サービスを実行する。図13は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおいて携帯電話発信時のディスプレイ画面表示例を示す図である。図13に示すように、このサービスにおいては、ユーザーは「ヘッドセットを装着し、リモコンで電話番号を入力し、発信ボタンを選択して下さい。」、「登録されている通話先を選択する場合には、アドレス帳ボタンを選択して下さい。」のような指示メッセージに基づいて操作を行う。ここでユーザーは、番号
をリモコン121で入力するか、或いは、アドレス帳ボタンを選択する。ユーザーがアドレス帳ボタンを選択すると、携帯電話300に記憶されている電話番号(アドレス帳)をモニター画面に表示しそれらのリストから選択することができるようになっている。携帯電話300に記憶されているアドレス帳データは、携帯電話インターフェイス部116からシステム側に取り込まれる。番号を入力するか、アドレス帳から電話番号を選択し、通話ボタンを押すと、携帯電話300をエミュレートする本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムからヘッドセット119を介して通話が可能となる。ステップS112で通話が終了すると、再びステップS105に進む。
【0058】
ステップS113においては、ユーザーがインターネット接続サービスなどの有料サービスを選択したか否かが判定される。ステップS113の判定がYESであるときにはステップS114に進み、NOであるときにはステップS117に進む。
【0059】
ステップS114では、選択された有料サービスを実行し、ステップS115で、サービス終了か否かが判定され、サービス終了であると、ステップS116に進み、非接触式チップリーダーライター部117で所定の課金を実行し、再びステップS105に戻る。
【0060】
ステップS113の判定結果がNOである時に進むステップS117では、選択された無料サービスを実行し、ステップS118でサービス終了か否かが判定され、サービス終了であるとステップS105に進む。
【0061】
先のループ中のステップS107で携帯電話300に着信があり、ステップS119に進んだ場合には、ディスプレイ106に着信用の携帯電話利用サービス画面を表示して、携帯電話利用サービスを実行する。図14は本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムにおいて携帯電話着信時のディスプレイ画面表示例を示す図である。図14に示すように、着信時においては、ユーザーは「着信しております。ヘッドセットを装着し、リモコンで着信ボタンを選択して下さい。」のような指示メッセージに基づいて操作を行い、携帯電話300をエミュレートする本発明の実施形態に係るベッドサイド情報制御システムからヘッドセット119を介して通話が可能となる。なお、着信相手先が携帯電話300のアドレス帳に記憶されているような場合には、携帯電話インターフェイス部116からシステム側に取り込み、図14に示すディスプレイ画面に着信相手先に係る情報を表示するようにしてもよい。ステップS120で通話が終了すると、再びステップS105に進む。
【0062】
以上、本発明のベッドサイド情報制御システムによれば、ユーザー毎にID、パスワード等を割り振る必要がなく、システムの運用管理のためのスタッフが不要であり、システムの管理・運用上、経済的負担や人材的負担などが皆無となる。
【0063】
また、本発明のベッドサイド情報制御システムによれば、携帯電話が目に触れない形で携帯電話による通話ができる環境を整えることが可能となる。
【0064】
なお、本発明のベッドサイド情報制御システムは、病院の入院施設のベッドサイドに設置されることを主に想定しているが、例えば数時間程度の外来診察時の待ち時間などに、患者に対して提供されるベッドやソファーなどの側に設置することもできる。
【符号の説明】
【0065】
1・・・ベッドサイド情報制御システム(全体構成)、10・・・ローカルエリアネットワーク、50・・・床頭台、51・・・収納部、100・・・ベッドサイド情報制御システム(1ユニット構成)、101・・・CPU、102・・・バス、103・・・不揮発性記憶部、104・・・RAM、105・・・画像制御部、106・・・ディスプレイ、
107・・・画像入力インターフェイス部、108・・・カメラ、109・・・センサインターフェイス部、110・・・在床検出センサ、111・・・テレビ受信回路部、112・・・電源制御部、113・・・照明部、114・・・ナースコール端末インターフェイス部、115・・・ナースコール端末、116・・・携帯電話インターフェイス部、117・・・非接触式チップリーダーライター部、118・・・ヘッドセットインターフェイス部、119・・・ヘッドセット、120・・・リモコン受信部、121・・・リモコン、122・・・通信部、200・・・病院内イントラネット用サーバー、210・・・カードチップIDデータベース、220・・・医療情報データベース、250・・・売店側受注端末、300・・・携帯電話、301・・・通信部、302・・・コントローラー部、303・・・ストアードフェア型チップ、350・・・ストアードフェア型カード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院関連施設を利用するユーザーによって用いられるベッドサイド情報制御システムであって、
ユーザーが所有すると共に、当該ユーザーの決済を電子的に可能とする電子決済手段を読み取るリーダー手段と、
前記リーダー手段で読み取った前記電子決済手段のIDを、ユーザー毎のIDとして記憶する記憶手段と、
前記記憶手段の記憶内容に応じて、ユーザーに提供するサービスメニュー画面をユーザー毎に変更する表示手段と、を有することを特徴とするベッドサイド情報制御システム。
【請求項2】
ユーザーの在不在を検出する検出手段を有し、
前記表示手段は、前記検出手段の検出結果に応じて、表示を変更することを特徴とする請求項1に記載のベッドサイド情報制御システム。
【請求項3】
前記リーダー手段を外部からは不可視的に収納する収納部と、
前記収納部内に収納されたリーダー手段が読み取る電子決済手段によって、決済を行って良いかをユーザーに確認する確認手段と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベッドサイド情報制御システム。
【請求項4】
前記電子決済手段が携帯電話に内蔵されることを特徴とする請求項3に記載のベッドサイド情報制御システム。
【請求項5】
前記電子決済手段がカードに内蔵されることを特徴とする請求項3に記載のベッドサイド情報制御システム。
【請求項1】
病院関連施設を利用するユーザーによって用いられるベッドサイド情報制御システムであって、
ユーザーが所有すると共に、当該ユーザーの決済を電子的に可能とする電子決済手段を読み取るリーダー手段と、
前記リーダー手段で読み取った前記電子決済手段のIDを、ユーザー毎のIDとして記憶する記憶手段と、
前記記憶手段の記憶内容に応じて、ユーザーに提供するサービスメニュー画面をユーザー毎に変更する表示手段と、を有することを特徴とするベッドサイド情報制御システム。
【請求項2】
ユーザーの在不在を検出する検出手段を有し、
前記表示手段は、前記検出手段の検出結果に応じて、表示を変更することを特徴とする請求項1に記載のベッドサイド情報制御システム。
【請求項3】
前記リーダー手段を外部からは不可視的に収納する収納部と、
前記収納部内に収納されたリーダー手段が読み取る電子決済手段によって、決済を行って良いかをユーザーに確認する確認手段と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベッドサイド情報制御システム。
【請求項4】
前記電子決済手段が携帯電話に内蔵されることを特徴とする請求項3に記載のベッドサイド情報制御システム。
【請求項5】
前記電子決済手段がカードに内蔵されることを特徴とする請求項3に記載のベッドサイド情報制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−87802(P2011−87802A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−244452(P2009−244452)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]