説明

ベニクスノキタケ抽出物化合物の腫瘍細胞生長抑制に対する応用

【課題】ベニクスノキタケ抽出物化合物の腫瘍細胞生長抑制に対する応用の提供。
【解決手段】本発明は一種の化合物の新用途に関わり、特に一種の4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methy-1,3- benzodioxole)の腫瘍細胞生長抑制における応用に係る。本発明中の4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールは乳癌、肝癌、前立腺癌腫瘍細胞の生長抑制に応用可能で、同時に乳癌、肝癌、前立腺癌腫瘍細胞の生長を抑制する医薬組成物中に応用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の化合物の応用に関する。特に一種のベニクスノキタケ(Antrodia camphorata)抽出物中から分離純化した化合物の腫瘍細胞生長抑制における用途に係る。
【背景技術】
【0002】
ベニクスノキタケ(Antrodia camphorata)は台湾では牛樟芝、樟芝、牛樟キノコ、紅樟、紅樟芝、樟菰、樟窟内菰等と呼称され、台湾固有の真菌である。ベニクスノキタケは台湾の海抜450〜2000mに生育する牛樟樹(Cinnamoum kanehirai Hay)の中空の腐敗心材内壁にのみ生長し、樹幹内面より子実体を生長させる。牛樟樹は現在主に桃園、南投等の山地に分布する。台湾でも極めて希少な保護樹でありながら、不法伐採の問題もあるため、牛樟樹中に寄生する野生ベニクスノキタケはさらに希少である。しかもその生長は非常に緩慢で、生長期は六月から十月の間に限られるため、非常に高価である。
【0003】
ベニクスノキタケの子実体は多年生、無柄で、木栓質(スベリン)から木質を呈し、板状、鐘状、馬蹄形、塔状等その外形は様々である。初期は扁平型を呈し木の表面に密着し、後にその前縁がやや捲曲し、板塊状(層紋板状)或いは鐘乳石状を呈する。ベニクスノキタケの頂部表面は褐色から黒褐色を呈し、不明瞭なしわを備え、光沢があり、辺縁は平らで緩やかである。その腹面は緋色或いは局部が黄色で、多くの細孔を備える。
【0004】
この他、ベニクスノキタケは強烈なサッサフラス香があり、乾燥後は退色し土黄白色となり、味は極めて苦く、民間療法では解毒、肝臓の保健薬、抗癌薬として用いられる。ベニクスノキタケは一般の生薬とされるキノコ類同様に、多糖体(polysaccharides,β-グルコースなど)、トリテルペノイド(triterpenoids)、スーパーオキサイドディスムターゼ(superoxide dismutase, SOD)、アデノシン(adenosine)、タンパク質(免疫グロブリンを含む)、ビタミン(ビタミンB、ナイアシン等)、微量元素(カルシウム、リン、ゲルマニウム等)、核酸、凝集素、アミノ酸、ステロール類、リグニン及び血圧安定物質(antodia acid等)等の既知の生理活性成分である多くの複雑な成分を備える。これら生理活性成分は抗腫瘍、免疫能力強化、抗過敏、血小板凝集抑制、抗ウィルス、抗細菌、抗高血圧、血糖値低下、コレステロール低下及び肝臓保護等の機能を備えると考えられている。
【0005】
ベニクスノキタケの多種の成分の内、トリテルペノイドに対する研究が最も進んでいる。トリテルペノイドは三十個の炭元素が六角形或いは五角形に結合した天然化合物の総称である。ベニクスノキタケが具える苦味は、主にトリテルペノイドが成分である。
1995年、Cherng氏等はベニクスノキタケ子実体の抽出物中に三種の新しいエルゴスタン(ergostane)を骨格とするトリテルペノイド:antcin A、antcin Bとantcin C(引用文献1)が含まれることを発見した。Chen氏等はエタノールにより樟芝子実体を抽出後、zhankuic acid A、zhankuic acid B 及びzhankuic acid C等三種のトリテルペノイドを発見した(引用文献2)。
この他、Chiang氏等は1995年、子実体抽出物中より別の三種のセスキテルペンラクトン(sesquiterpene lactone)と二種のビスフェノール類派生物である新しいトリテルペノイドを発見した。これがすなわち、antrocin, 4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methy-1,3- benzodioxole)と2,2',5,5'-テラメトキシ-3,4,3',4'-ビ-メチルレネジオキシ-6,6'-ジメチルビフィニール(2,2',5,5'-teramethoxy-3,4,3',4'-bi- methylenedioxy-6,6'- dimethylbiphenyl)(引用文献3)である。
1996年になって、Cherng氏等は同様の分析方法により再度四種の新しいトリテルペノイド:antcin E、antcin F、methyl antcinate G、methyl antcinate H(引用文献4)を発見した。
またYang氏等は二種のエルゴスタンを骨格とする新化合物zhankuic acid D、zhankuic acid Eと三種のラノスタン(lanostane)を骨格とする新化合物:15 α -アセチル-デハイドロサルファレニック酸(15 α -acetyl-dehydrosulphurenic acid)、デハイドロエブリコイック酸(dehydroeburicoic acid)とデハイドラサルファレニック酸(dehydrasulphurenic acid)(引用文献5)を発見した。
【0006】
[引用文献1] Cherng, I. H., and Chiang, H. C. 1995. Three new triterpenoids from Antrodia cinnamomea. J. Nat. Prod. 58:365-371
[引用文献2] Chen, C. H., and Yang, S. W. 1995. New steroid acids from Antrodia cinnamomea, −a fungus parasitic on Cinnamomum micranthum. J. Nat. Prod. 58:1655-1661
[引用文献3] Chiang, H. C., Wu, D. P., Cherng, I. W., and Ueng, C. H. 1995. A sesquiterpene lactone, phenyl and biphenyl compounds from Antrodia cinnamomea. Phytochemistry. 39:613-616
[引用文献4] Cherng, I. H., Wu, D. P., and Chiang, H. C. 1996. Triteroenoids from Antrodia cinnamomea. Phytochemistry. 41:263-267
[引用文献5] Yang, S. W., Shen, Y. C., and Chen, C. H. 1996. Steroids and triterpenoids of Antrodia cinnamomea−a fungus parasitic on Cinnamomum micranthum. Phytochemistry. 41:1389-1392
【0007】
現在では様々な実験により、ベニクスノキタケ抽出物が癌抑制効果を備えることが知られているが(引用文献2)、どの種の有効成分が腫瘍細胞抑制効果を達成可能であるかの研究は、現在もなお試験段階にあり、具体的な有効成分は未だ発表されていない。
よって該抽出物をさらに純化分析し、その真の癌抑制有効成分を探し出すことは、癌の治療に対して大いなる益がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は主にベニクスノキタケ抽出物中のどの成分が癌抑制効果を備えるかを明確にするため、本発明はベニクスノキタケ抽出物中から以下の化学構造式1を備える化合物を分離純化する。
その中で、R1、R2、R3、R4はメトキシ(OCH3)、メトキシ(OCH3)、メチル(CH3)、水素(H)の内の一つである。
【0009】
【化1】

【0010】
化学構造式1の化合物の分子式はC10O4H12(式(1))で、淡黄色か粒状である。分子量は196で、以下の化学構造式2、3、4、5、6、7の化合物を示す。
【0011】
化学構造式2は4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole、式(2))である。
【化2】

【0012】
化学構造式3は4,6-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,6-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole、式(3))である。
【化3】

【0013】
化学構造式4は4,6-ジメトキシ-7-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,6-dimethoxy-7-methyl-1,3- benzodioxole、式(4))である。
【化4】

【0014】
化学構造式5は4,5-ジメトキシ-6-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,5-dimethoxy-6-methyl-1,3- benzodioxole、式(5))である。
【化5】

【0015】
化学構造式6は4,5-ジメトキシ-7-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,5-dimethoxy-7-methyl-1,3- benzodioxole、式(6))である。
【化6】

【0016】
化学構造式7は5,6-ジメトキシ-4-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(5,6-dimethoxy-4-methyl-1,3- benzodioxole、式(7))である。
【化7】

【0017】
前記化合物により、本発明はそれを腫瘍細胞の生長抑制に応用し、さらに癌を治療する医薬組成分中に応用し、癌の治療効果を増強する。本発明化合物が応用可能な範囲は乳癌腫瘍細胞、肝癌腫瘍細胞、前立腺癌腫瘍細胞を含み、これら細胞の迅速な生長を抑制し、これにより腫瘍の増殖を抑制し、腫瘍の悪化を抑えることができる。内、適した化合物は式(2)の4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)である。
【0018】
また、本発明の応用により、式(1)の化合物を乳癌、肝癌、前立腺癌等癌を治療する医薬組成物の成分中に利用することができる。
本発明中の主要細胞の生長を抑制する式(1)の化合物はベニクスノキタケ水抽出物或いは有機溶剤抽出物より分離純化し、有機溶剤はアルコール類(メタノール、エタノール或いはプロパノール等)、エステル類(アセチジン等)、アルケン類(ヘキサン等)或いはハロセン(クロロメタン、エチルクロライド等)を含むが、これらに限定しない。内、アルコール類が最適で、エタノールがより最適である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
請求項1の発明は、一種の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用、以下の化学構造式8を含み、その中で、R1、R2、R3、R4はメトキシ(OCH3)、メトキシ(OCH3)、メチル(CH3)、水素(H)の内の一つであることを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
【化8】

【0020】
請求項2の発明は、請求項1記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケから分離することを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項3の発明は、請求項2記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの水抽出物中から分離することを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項4の発明は、請求項2記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの有機溶剤抽出物中から分離することを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項5の発明は、請求項4記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記有機溶剤はエステル類、アルコール類、アルケン類或いはハロセンにより組成するグループから選択することを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項6の発明は、請求項5記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記アルコール類はエタノールであることを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項7の発明は、請求項1記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物は4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)であることを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項8の発明は、請求項1或いは7記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記乳癌腫瘍細胞はMCF-7或いはMDA-MB-231細胞系であることを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
【0021】
請求項9の発明は、一種の化合物を肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用、以下の化学構造式9を含み、その中で、R1、R2、R3、R4はメトキシ(OCH3)、メトキシ(OCH3)、メチル(CH3)、水素(H)の内の一つであることを特徴とする化合物を肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
【化9】

【0022】
請求項10の発明は、請求項9記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケから分離することを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項11の発明は、請求項10記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの水抽出物中から分離することを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項12の発明は、請求項10記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの有機溶剤抽出物中から分離することを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項13の発明は、請求項12記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記有機溶剤はエステル類、アルコール類、アルケン類或いはハロセンにより組成するグループから選択することを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項14の発明は、請求項13記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記アルコール類はエタノールであることを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項15の発明は、請求項9記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物は4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)であることを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項16の発明は、請求項9或いは15記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記肝癌腫瘍細胞はHep 3B或いはHep G2細胞系であることを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
【0023】
請求項17の発明は、一種の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用、以下の化学構造式10を含み、その中で、R1、R2、R3、R4はメトキシ(OCH3)、メトキシ(OCH3)、メチル(CH3)、水素(H)の内の一つであることを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
【化10】

【0024】
請求項18の発明は、請求項17記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケから分離することを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項19の発明は、請求項18記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの水抽出物中から分離することを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項20の発明は、請求項18記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの有機溶剤抽出物中から分離することを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項21の発明は、請求項20記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記有機溶剤はエステル類、アルコール類、アルケン類或いはハロセンにより組成するグループから選択することを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項22の発明は、請求項21記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記アルコール類はエタノールであることを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項23の発明は、請求項17記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物は4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)であることを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
請求項24の発明は、請求項17或いは23記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記前立腺癌腫瘍細胞はLNCaP或いはDU145細胞系であることを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に利用する化合物の腫瘍細胞生長抑制としている。
【0025】
請求項25の発明は、一種の化合物の医薬組成物を腫瘍細胞生長抑制に対する応用、以下の化学構造式11を含み、その中で、R1、R2、R3、R4はメトキシ(OCH3)、メトキシ(OCH3)、メチル(CH3)、水素(H)の内の一つで、腫瘍細胞は乳癌、肝癌、或いは前立腺癌の腫瘍細胞であることを特徴とする化合物の医薬組成物を腫瘍細胞生長抑制に対する応用としている。
【化11】

【発明の効果】
【0026】
本発明の4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールは乳癌、肝癌、前立腺癌腫瘍細胞の生長抑制に応用可能で、同時に乳癌、肝癌、前立腺癌腫瘍細胞の生長を抑制する医薬組成物中に応用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
先ず、ベニクスノキタケ(Antrodia camphorata)菌糸体、子実体或いは二者の混合物を取り、公知の抽出方式を利用し、水或いは有機溶剤により抽出し、ベニクスノキタケ水抽出物或いは有機溶剤抽出物を取得する。内、有機溶剤はアルコール類(メタノール、エタノール或いはプロパノール等)、エステル類(アセチジン等)、アルケン類(ヘキサン等)或いはハロセン(クロロメタン、エチルクロライド等)を含むが、これらに限定しない。内、アルコール類が最適で、エタノールがより最適である。
【0028】
抽出後のベニクスノキタケ水抽出物或いは有機溶剤抽出物は、さらに高速液体クロマトグラフィー(High performance liquid chromatography、HPLC)により分離純化し、各一分液(fraction)に対して癌抑制効果テストを行う。最後に、癌抑制効果を備える分液に対して成分分析を行い、癌抑制効果を生じる可能性のある成分に対してさらにそれぞれ異なる癌腫瘍細胞の抑制効果テストを行う。こうして最終的に、本発明中の式(1)の化合物は異なる癌腫瘍細胞生長を抑制する効果を備えることが発見された。
【0029】
本発明の説明の便のために、以下に式(2)の4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)化合物について説明する。4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)化合物が腫瘍細胞に対して生じる抑制効果について、本発明中ではMTT分析法により、米国国家癌研究所(National Cancer Institute, NCI)抗腫瘍薬物検査方式に基づき、乳癌、肝癌と前立腺癌を含む腫瘍細胞に対して細胞生存率のテストを行う。該テストにより、4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)は乳癌腫瘍細胞(MCF-7とMDA-MB-231を含む)、肝癌腫瘍細胞(Hep 3BとHep G2を含む)と前立腺癌腫瘍細胞(LNCaPとDU-145を含む)に対して、すべてその生存率を低下させ、同時に成長半抑制率に必要な濃度(すなわち、IC50値)を低下させることが実証された。そのため、4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)は乳癌、肝癌、前立腺癌を含む腫瘍細胞の生長抑制上に応用することができる。
【0030】
〔実施例1〕 体外抗乳癌腫瘍細胞の活性テスト
本実施例では米国国家癌研究所(National Cancer Institute, NCI)抗腫瘍薬物検査方式により、先ず4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)化合物を、MCF-7とMDA-MB-231ヒト腫瘍細胞培養液中に加え、腫瘍細胞生存性テストを行う。細胞生存性のテストは公知のMTT分析法により分析可能で、MCF-7とMDA-MB-231は共にヒトの乳癌腫瘍細胞系である。
MTT分析法は細胞増殖(cell proliferation)、生存率(percent of viable cells)及び細胞毒性(cytotoxicity)の分析にしばしば用いられる分析方法である。内、MTT(3-[4,5- dimethylthiazol-2-yl]2,5-diphenyltetrazolium bromide)は黄色染色剤で、活細胞に吸收され、粒腺体中のコハク酸塩テトラゾリウム還元酵素(succinate tetrazolium reductase)により還原され不溶水性となり、しかも青紫色のformazanを呈する。よってformazan形成の有無により、細胞の生存率を判断及び計算することができる。
【0031】
先ず、ヒト乳癌細胞MCF-7とMDA-MB-231をそれぞれウシ胎児血清を含む培養液中において24時間培養する。増殖後の細胞をPBSにより一度洗浄し、2倍のトリプシン酵素-EDTAにより細胞を処理し、続いて1,200 rpmで5分間遠心分離を行い、細胞を沈殿させ上澄み液を廃棄する。この後、10 mlの新培養液を加え、軽く揺すり、細胞を再び浮き上がらせ、さらに細胞を96孔マイクロプレート内に分けて入れる。テスト時には、それぞれ各一孔内に30、10、3、1、0.3、0.1、0.03 μg/mlのベニクスノキタケエタノール抽出物(対照組)及び4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(試験組)を加え、37℃、5% CO2 で48時間培養する。その後、光を避けた環境下で、各一孔内に2.5 mg/mlのMTTを加え、4時間の反応後さらに各一孔内に100 μlのlysis bufferを加え、反応を終了させる。最後に酵素免疫分析器により、570 nm 吸光波長においてその吸光値を測定し、細胞の生存率を計算し、その生長半抑制率の必要な濃度(すなわちIC50値)を推算する。体外乳癌腫瘍細胞生存率に対するテスト結果は表1に示す。
表1から分かるように、4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールの作用により、MCF-7ヒト乳癌腫瘍細胞のIC50値は1.721 μg/mlとなり、MDA-MB-231ヒト乳癌腫瘍細胞のIC50値は0.992 μg/mlとなる。これに対して、ベニクスノキタケ抽出混合物において測定されたIC50値は非常に低い。よってベニクスノキタケ抽出物中の4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールは確実に乳癌腫瘍細胞生長の抑制に利用可能であることが実証された。
【0032】
【表1】

【0033】
〔実施例2〕 体外乳癌腫瘍細胞補助治療に対する活性テスト
本テストは同様に米国国家癌研究所的体外検査方式に基づき行う。先ず、ヒト乳癌細胞MCF-7とMDA-MB-231を取り、それぞれウシ胎児血清を含む培養液中において24時間培養した後、増殖後の細胞をPBSにより一度洗浄し、2倍のトリプシン酵素-EDTAにより細胞を処理し、続いて1,200 rpmで5分間遠心分離を行い、細胞を沈殿させ上澄み液を廃棄する。この後、10 mlの新培養液を加え、軽く揺すり、細胞を再び浮き上がらせる。テスト前に、先に0.0017 μg/mlのタキソール(Taxol)を加え細胞を72時間処理し、さらに細胞を96孔マイクロプレート内に分けて入れる。この後、それぞれ各孔内に0 μg/ml (対照組)と30、10、3、1、0.3、0.1、0.03 μg/mlの4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(試験組)を加え、37℃、5% CO2 で48時間培養する。その後、光を避けた環境下で、各一孔内に2.5 mg/mlのMTTを加え、4時間の反応後、各一孔内に100 μlのlysis bufferを加え反応を終了させる。最後に酵素免疫分析器により、570 nm 吸光波長においてその吸光値を測定し、細胞の生存率を計算し、その生長半抑制に必要な濃度(すなわちIC50値)を推算する。体外乳癌腫瘍細胞に対するタキソール補助治療後の抑制のテスト結果は表2に示す。
表2から分かるように、タキソールとの協同作用を通して、4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールによりMCF-7ヒト乳癌腫瘍細胞のIC50値は0.009 μg/mlに低下し、MDA-MB-231ヒト乳癌腫瘍細胞のIC50値は約0.0009 μg/ml低下した。よってベニクスノキタケ抽出物中の4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールは確実に乳癌腫瘍細胞生長の抑制に利用可能であることが実証された。しかもタキソールとの協同作用において、さらに優れた抑制効果があることが実証された。
【0034】
【表2】

【0035】
〔実施例3〕 体外抗肝癌腫瘍細胞の活性テスト
本テストもまた米国国家癌研究所抗腫瘍薬物検査方式に基づき行う。4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール化合物をHep 3BとHep G2ヒト肝癌腫瘍細胞培養液中に加え培養を行い、これにより腫瘍細胞生存性のテストを行う。
先ず、ヒト肝癌細胞Hep 3BとHep G2をそれぞれウシ胎児血清を含む培養液中において24時間培養する。増殖後の細胞をPBSにより一度洗浄し、2倍のトリプシン酵素-EDTAにより細胞を処理し、続いて1,200 rpmで5分間遠心分離を行い、細胞を沈殿させ上澄み液を廃棄する。この後、10 mlの新培養液を加え、軽く揺すり、細胞を再び浮き上がらせ、さらに細胞を96孔マイクロプレート内に分けて入れる。テスト時、それぞれ各一孔内に30、10、3、1、0.3、0.1、0.03 μg/mlのベニクスノキタケエタノール抽出物(対照組)及び30、10、3、1、0.3、0.1、0.03 μg/mlの4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(試験組)を加え、37℃、5% CO2 で48時間培養する。その後、光を避けた環境下で、各一孔内に2.5 mg/mlのMTTを加え、4時間の反応後さらに各一孔内に100 μlのlysis bufferを加え、反応を終了させる。最後に酵素免疫分析器により、570 nm 吸光波長においてその吸光値を測定し、細胞の生存率を計算し、そのIC50値を推算する。体外肝癌腫瘍細胞抑制に対するテスト結果は表3に示す。
表3から分かるように、4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールの作用により、Hep 3Bヒト肝癌腫瘍細胞のIC50値は0.016 μg/mlに低下し、Hep G2ヒト肝癌腫瘍細胞のIC50値は2.462 μg/mlに低下した。これに対して、ベニクスノキタケ抽出混合物において測定されたIC50値は非常に低い。よってベニクスノキタケ抽出物中の4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールは確実に肝癌腫瘍細胞生長の抑制に利用可能であることが実証された。
【0036】
【表3】

【0037】
〔実施例4〕 体外肝癌腫瘍細胞補助治療に対する活性テスト
本テストは同様に米国国家癌研究所的体外検査方式に基づきテストを行う。先ず、ヒト肝癌細胞Hep 3BとHep G2を取り、それぞれウシ胎児血清を含む培養液中において24時間培養後、増殖後の細胞をPBSにより一度洗浄し、2倍のトリプシン酵素-EDTAにより細胞を処理し、続いて1,200 rpmで5分間遠心分離を行い、細胞を沈殿させ上澄み液を廃棄する。この後、10 mlの新培養液を加え、軽く揺すり、細胞を再び浮き上がらせる。テスト前、先にHep 3B細胞株試験において0.0043 μg/ml のLovastatinを加え、Hep G2細胞株試験において0.0017 μg/mlのタキソール(Taxol)を加え、細胞を72時間処理し、さらに細胞を96孔マイクロプレート内に分けて入れる。その後、それぞれ各孔内に0 μg/ml (対照組)と30、10、3、1、0.3、0.1、0.03 μg/mlの4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(試験組)を加え、37℃、5% CO2で48時間培養する。その後、光を避けた環境下で、各一孔内に2.5 mg/mlのMTTを加え、4時間の反応後各一孔内に100 μlのlysis bufferを加え反応を終了させる。最後に酵素免疫分析器により、570 nm 吸光波長においてその吸光値を測定し、細胞の生存率を計算し、そのIC50値を推算する。体外肝癌腫瘍細胞のタキソール補助治療経過後の抑制に対するテスト結果は表4に示す。
表4から分かるように、Lovastatin及びタキソールとの協同作用を通して、4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールによりHep 3Bヒト肝癌腫瘍細胞のIC50値は0.0007 μg/mlに低下し、Hep G2ヒト肝癌腫瘍細胞のIC50値は約0.0129 μg/mlに低下した。よってベニクスノキタケ抽出物中の4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールは確実に肝癌腫瘍細胞生長の抑制に利用可能であることが実証された。しかもタキソールとの協同作用において、さらに優れた抑制効果があることが実証された。
【0038】
【表4】

【0039】
〔実施例5〕 体外抗前立腺癌腫瘍細胞の活性テスト
本テストもまた米国国家癌研究所抗腫瘍薬物検査方式に基づき行う。4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール化合物をLNCaPとDU-145ヒト前立腺癌腫瘍細胞培養液中に加え培養を行う。これにより腫瘍細胞生存性のテストを行う。
先ず、ヒト前立腺癌細胞LNCaPとDU-145をそれぞれウシ胎児血清を含む培養液中において24時間培養する。増殖後の細胞をPBSにより一度洗浄し、2倍のトリプシン酵素-EDTAにより細胞を処理し、続いて1,200 rpmで5分間遠心分離を行い、細胞を沈殿させ上澄み液を廃棄する。この後、10 mlの新培養液を加え、軽く揺すり、細胞を再び浮き上がらせ、さらに細胞を96孔マイクロプレート内に分けて入れる。テスト時、それぞれ各一孔内に30、10、3、1、0.3 μg/mlのベニクスノキタケエタノール抽出物(対照組)及び30、10、3、1、0.3 μg/mlの(試験組)を加え、37℃、5% CO2 で48時間培養する。その後、光を避けた環境下で、各一孔内に2.5 mg/mlのMTTを加え、4時間の反応後さらに各一孔内に100 μlのlysis bufferを加え、反応を終了させる。最後に酵素免疫分析器により、570 nm 吸光波長においてその吸光値を測定し、細胞の生存率を計算し、そのIC50値を推算する。体外前立腺癌腫瘍細胞抑制に対するテスト結果は表5に示す。
表5から分かるように、4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールの作用により、LNCaPヒト前立腺癌腫瘍細胞のIC50値は4.46 μg/mlに低下し、DU-145ヒト前立腺癌腫瘍細胞のIC50値は2.21 μg/mlに低下した。これに対して、ベニクスノキタケ抽出混合物において測定されたIC50値は非常に低い。よってベニクスノキタケ抽出物中の4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールは確実に前立腺癌腫瘍細胞生長の抑制に利用可能であることが実証された。
【0040】
【表5】

【0041】
〔実施例6〕 体外前立腺癌腫瘍細胞補助治療に対する活性テスト
本テストは同様に米国国家癌研究所的体外検査方式に基づきテストを行う。先ず、ヒト前立腺癌細胞LNCaPとDU-145を取り、それぞれウシ胎児血清を含む培養液中において24時間培養後、増殖後の細胞をPBSにより一度洗浄し、2倍のトリプシン酵素-EDTAにより細胞を処理し、続いて1,200 rpmで5分間遠心分離を行い、細胞を沈殿させ上澄み液を廃棄する。この後、10 mlの新培養液を加え、軽く揺すり、細胞を再び浮き上がらせる。テスト前、先にLNCaP細胞株試験において0.0017 μg/mlのタキソールを加え、DU-145胞株試験において0.0043 μg/mlのタキソールを加え、それぞれ細胞を72時間処理し、さらに細胞を96孔マイクロプレート内に分けて入れる。その後、それぞれ各孔内に0 μg/ml (対照組)と30、10、3、1、0.3、0.1、0.03 μg/mlの4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(試験組)を加え、37℃、5% CO2 で48時間培養する。その後、光を避けた環境下で、各一孔内に2.5 mg/mlのMTTを加え、4時間の反応後各一孔内に100 μlのlysis bufferを加え反応を終了させる。最後に酵素免疫分析器により、570 nm 吸光波長においてその吸光値を測定し、細胞の生存率を計算し、そのIC50値を推算する。体外前立腺癌腫瘍細胞のタキソール補助治療経過後抑制に対するテスト結果は表6に示す。
表6から分かるように、タキソールとの協同作用を通して、4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールによりLNCaPヒト前立腺癌腫瘍細胞のIC50値は1.16 μg/mlに低下し、DU-145ヒト前立腺癌腫瘍細胞のIC50値もまた約0.71μg/mlに低下した。これに対して、ベニクスノキタケ抽出混合物において測定されたIC50値は非常に低い。よってベニクスノキタケ抽出物中の4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソールは確実に前立腺癌腫瘍細胞生長の抑制に利用可能であることが実証された。しかもタキソールとの協同作用において、さらに優れた抑制効果があることが実証された。
【0042】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用、以下の化学構造式1を含み、その中で、R1、R2、R3、R4はメトキシ(OCH3)、メトキシ(OCH3)、メチル(CH3)、水素(H)の内の一つであることを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【化1】

【請求項2】
請求項1記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケから分離することを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項3】
請求項2記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの水抽出物中から分離することを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項4】
請求項2記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの有機溶剤抽出物中から分離することを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項5】
請求項4記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記有機溶剤はエステル類、アルコール類、アルケン類或いはハロセンにより組成するグループから選択することを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項6】
請求項5記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記アルコール類はエタノールであることを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項7】
請求項1記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物は4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)であることを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項8】
請求項1或いは7記載の化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記乳癌腫瘍細胞はMCF-7或いはMDA-MB-231細胞系であることを特徴とする化合物を乳癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項9】
一種の化合物を肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用、以下の化学構造式2を含み、その中で、R1、R2、R3、R4はメトキシ(OCH3)、メトキシ(OCH3)、メチル(CH3)、水素(H)の内の一つであることを特徴とする化合物を肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【化2】

【請求項10】
請求項9記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケから分離することを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項11】
請求項10記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの水抽出物中から分離することを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項12】
請求項10記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの有機溶剤抽出物中から分離することを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項13】
請求項12記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記有機溶剤はエステル類、アルコール類、アルケン類或いはハロセンにより組成するグループから選択することを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項14】
請求項13記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記アルコール類はエタノールであることを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項15】
請求項9記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物は4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)であることを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項16】
請求項9或いは15記載の肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記肝癌腫瘍細胞はHep 3B或いはHep G2細胞系であることを特徴とする肝癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項17】
一種の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用、以下の化学構造式3を含み、その中で、R1、R2、R3、R4はメトキシ(OCH3)、メトキシ(OCH3)、メチル(CH3)、水素(H)の内の一つであることを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【化3】

【請求項18】
請求項17記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケから分離することを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項19】
請求項18記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの水抽出物中から分離することを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項20】
請求項18記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物はベニクスノキタケの有機溶剤抽出物中から分離することを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項21】
請求項20記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記有機溶剤はエステル類、アルコール類、アルケン類或いはハロセンにより組成するグループから選択することを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項22】
請求項21記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記アルコール類はエタノールであることを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項23】
請求項17記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記化合物は4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methyl-1,3- benzodioxole)であることを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【請求項24】
請求項17或いは23記載の化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に対する応用において、前記前立腺癌腫瘍細胞はLNCaP或いはDU145細胞系であることを特徴とする化合物を前立腺癌腫瘍細胞生長抑制に利用する化合物の腫瘍細胞生長抑制。
【請求項25】
一種の化合物の医薬組成物を腫瘍細胞生長抑制に対する応用、以下の化学構造式4を含み、その中で、R1、R2、R3、R4はメトキシ(OCH3)、メトキシ(OCH3)、メチル(CH3)、水素(H)の内の一つで、腫瘍細胞は乳癌、肝癌、或いは前立腺癌の腫瘍細胞であることを特徴とする化合物の医薬組成物を腫瘍細胞生長抑制に対する応用。
【化4】


【公開番号】特開2008−115159(P2008−115159A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127689(P2007−127689)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(505364913)國鼎生物科技股▲ふん▼有限公司 (10)
【Fターム(参考)】