説明

ベルトブライドル装置のベルト不走行検出方法およびベルト不走行検出装置

【課題】多大の費用を要したりベルトブライドル装置の大型化を招いたりすることなくベルトブライドル装置のベルト不走行を確実に検出することのできるベルトブライドル装置のベルト不走行検出方法およびベルト不走行検出装置を提供する。
【解決手段】ベルトブライドル装置11を通過した金属帯1の表面を金属帯の全幅にわたって撮像する赤外線カメラ19と、赤外線カメラ19から出力された画像信号を処理して金属帯1の幅方向温度分布を取得する画像信号処理装置20と、画像信号処理装置20で得られた金属帯の幅方向温度分布を基準温度と比較する比較装置22と、比較装置22の比較結果を表示する表示装置23とを備えたベルト不走行検出装置18を用いて、ベルトブライドル装置11のベルト不走行を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼帯などの金属帯にバックテンションを付与する装置としてスリッターラインなどで用いられるベルトブライドル装置のベルト不走行を検出する方法とベルト不走行装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷延鋼帯などの金属帯を多条に切断処理するスリッターラインは、例えば図7に示すように、コイル状に巻かれた金属帯1を払い出す金属帯払出機2と、この金属帯払出機2から払い出された金属帯1を多条に切断するスリッター3とを備え、このスリッター3により多条に切断された金属帯1はルーパー4及びセパレータ5を経て金属帯巻取機6により巻き取られるようになっている。なお、図中符号7はスリッター3の入側に配置された入側シャー、8はセパレータ5の出側に配置された出側シャー、9は金属帯払出機2と入側シャー7との間に配置された一対のピンチロール、10は金属帯巻取機6と出側シャー8との間に配置されたデフレクターロールをそれぞれ示している。
【0003】
このようなスリッターラインでは、スリッター3で多条に切断された金属帯1を緩みなく巻き取るために、金属帯巻取機6の前段に配置されたブライドル装置で金属帯1にバックテンションを与えながら金属帯を巻き取っているが、金属帯1にバックテンションを付与する装置として、例えば特許文献1あるいは特許文献2に記載されたロールブライドル装置を用いると、金属帯とロールとの間でスリップが生じることがあり、金属帯に十分なバックテンションを付与できない場合がある。
【0004】
そこで、金属帯巻取機6の前段に配置されるブライドル装置として、図8〜図10に示すようなベルトブライドル装置11が考案されている(例えば、特許文献3参照)。このベルトブライドル装置11は、金属帯1の幅方向にほぼ一定間隔で且つ金属帯1の上面側と下面側に相対向して配置された多数本のエンドレスベルト12を備えている。これらのエンドレスベルト12は例えば摩擦係数の異なる複数の異種材を積層してなり、表面側の摩擦係数が裏面側の摩擦係数よりも大きくなっている。
【0005】
また、ベルトブライドル装置11はエンドレスベルト12を金属帯1の長手方向に走行可能に張架する前後一対のアイドルプーリ13,13をそれぞれ有する上下一対のベルト押圧体14,15と、ベルト押圧体14,15の少なくとも一方を所定方向に駆動してエンドレスベルト12を金属帯1の表面に押し付ける押圧体駆動機構16とを備えている。この押圧体駆動機構16は例えば上側のベルト押圧体14を上下方向に昇降駆動する押圧体駆動シリンダ17から構成され、押圧体駆動機構16によってエンドレスベルト12が金属帯1の表面に押し付けられると、金属帯1とエンドレスベルト12との間に摩擦力が発生し、この摩擦力によってエンドレスベルト12が金属帯1と同調して走行する。そして、エンドレスベルト12が金属帯1と同調して走行すると、エンドレスベルト12とベルト押圧体14,15との間に摩擦力が発生し、この摩擦力によって金属帯1にバックテンションが付与される。
【0006】
このようなベルトブライドル装置11では、金属帯1に十分なバックテンションを付与することができるが、何らかの原因でエンドレスベルト12の1本あるいは複数本が金属帯1と同調して走行しない場合があり、このようなエンドレスベルト12の不走行がベルトブライドル装置11に生じると金属帯1の表面に擦り疵が発生したり、エンドレスベルト12に付着した異物が金属帯1の表面に付着したりするなどの問題が発生する。
【0007】
このような問題を解決する方法としては、(1)ベルトブライドル装置のエンドレスベルトが金属帯と同調して走行しているかを監視員が目視にて確認してエンドレスベルトの不走行を検出する方法、(2)エンドレスベルトの表面に低反射率のマークを付しておき、このマークを反射式光電センサにより検出することでベルトブライドル装置のベルト不走行を検出する方法、(3)各エンドレスベルトの走行速度をレーザー速度計により測定してベルトブライドル装置のベルト不走行を検出する方法などが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭61−81351号公報
【特許文献2】特公平01−23207号公報
【特許文献3】特開2004−34077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記(1)の方法では、エンドレスベルトの1本あるいは複数本が金属帯と同調して走行していないことを見逃してしまう場合があり、特に、下側のエンドレスベルトは金属帯の影になっているため、上側に比べ見逃しやすい。このため、ベルトブライドル装置のベルト不走行を確実に検出することができないという問題がある。
上記(2)の方法では、ベルトブライドル装置に多数の光電センサを組み込む必要があるため、光電センサの組み込みなどに多大の費用を要する。また、低反射率のマークを光電センサで検出するためには、エンドレスベルトの表面から比較的近い位置に光電センサを設ける必要があり、エンドレスベルトの交換作業時には光電センサを退避させたり、あるいは取り外したりことが要求されるという問題もある。
【0010】
上記(3)の方法では、レーザー速度計をエンドレスベルトの幅方向に移動させる走査機構をベルトブライドル装置に組み込む必要があるため、ベルトブライドル装置が大型化するという問題がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、多大の費用を要したりベルトブライドル装置の大型化を招いたりすることなくベルトブライドル装置のベルト不走行を確実に検出することのできるベルトブライドル装置のベルト不走行検出方法およびベルト不走行検出装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、金属帯巻取機により巻き取られる金属帯の幅方向にほぼ一定間隔で且つ前記金属帯の上面側と下面側に相対向して配置された多数本のエンドレスベルトと、該エンドレスベルトを前記金属帯の長手方向に走行可能に張架する一対のアイドルプーリをそれぞれ有する上下一対のベルト押圧体と、該ベルト押圧体の少なくとも一方を所定方向に駆動して前記エンドレスベルトを前記金属帯の表面に押し付ける押圧体駆動機構とを備えたベルトブライドル装置のベルト不走行を検出する方法であって、前記ベルトブライドル装置を通過した金属帯の表面を赤外線カメラにより前記金属帯の全幅にわたって撮像する工程と、前記赤外線カメラから出力された画像信号を画像信号処理装置により処理して前記金属帯の幅方向温度分布を取得する工程と、前記画像信号処理装置で得られた前記金属帯の幅方向温度分布を比較装置により基準温度と比較する工程と、前記比較装置の比較結果を表示装置に表示する工程とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、金属帯巻取機により巻き取られる金属帯の幅方向にほぼ一定間隔で且つ前記金属帯の上面側と下面側に相対向して配置された多数本のエンドレスベルトと、該エンドレスベルトを前記金属帯の長手方向に走行可能に張架する一対のアイドルプーリをそれぞれ有する上下一対のベルト押圧体と、該ベルト押圧体の少なくとも一方を所定方向に駆動して前記エンドレスベルトを前記金属帯の表面に押し付ける押圧体駆動機構とを備えたベルトブライドル装置のベルト不走行を検出する装置であって、前記ベルトブライドル装置を通過した金属帯の表面を当該金属帯の全幅にわたって撮像する赤外線カメラと、該赤外線カメラから出力された画像信号を処理して前記金属帯の幅方向温度分布を取得する画像信号処理装置と、該画像信号処理装置で得られた前記金属帯の幅方向温度分布を基準温度と比較する比較装置と、該比較装置の比較結果を表示する表示装置とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2に記載のベルト不走行検出装置において、前記画像信号処理装置で得られた金属帯の幅方向温度分布を前記金属帯の長手方向に平均化して前記比較装置に供給する平均化装置をさらに備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載のベルト不走行検出装置において、前記金属帯の幅方向温度分布のうち前記基準温度を超える幅方向温度分布と前記基準温度を超えない幅方向温度分布とを色別表示するように前記表示装置が構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び2の発明によれば、表示装置に表示された比較装置の比較結果を視るだけでベルトブライドル装置のエンドレスベルトが金属帯と同調して走行しているか否かを把握することができ、従って、ベルトブライドル装置のベルト不走行を確実に検出することができる。また、エンドレスベルトの不走行を検出するために、ベルトブライドル装置に多数の光電センサを組み込んだり、あるいはレーザー速度計をエンドレスベルトの幅方向に移動させる走査機構をベルトブライドル装置に組み込んだりする必要もないので、多大の費用を要したりベルトブライドル装置の大型化を招いたりすることなくベルトブライドル装置のベルト不走行を確実に検出することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、周辺設備の温度による影響を大きく受けることなく金属帯の幅方向温度分布を基準温度と比較することができ、従って、ベルトブライドル装置のベルト不走行を正確に検出することができる。
請求項4の発明によれば、表示装置に表示された比較装置の比較結果を視るだけでベルトブライドル装置のベルト不走行を一目で認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るベルト不走行検出装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るベルト不走行検出装置に用いられる赤外線カメラの撮像視野を示す図である。
【図3】図1に示す基準温度設定器の構成を説明するための図である。
【図4】図1に示すベルト不走行検出装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示すベルト不走行検出装置の画像信号処理装置で得られる金属帯幅方向温度分布の一例を示す図である。
【図6】図1に示すベルト不走行検出装置の表示装置に表示される比較装置の比較結果の一例を示す図である。
【図7】金属帯を多条に切断処理するスリッターラインを示す図である。
【図8】ベルトブライドル装置の側面図である。
【図9】図8のA−A断面を示す図である。
【図10】ベルトブライドル装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図6を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るベルト不走行検出装置の概略構成を示す図、図2は本発明の一実施形態に係るベルト不走行検出装置に用いられる赤外線カメラの撮像視野を示す図、図3は図1に示す基準温度設定器の構成を説明するための図である。図1において符号18は本発明の一実施形態に係るベルト不走行検出装置を示し、このベルト不走行検出装置18は赤外線カメラ19、画像信号処理装置20、平均化装置21、比較装置22及び表示装置23を備えている。
【0018】
赤外線カメラ19はベルトブライドル装置11を通過した金属帯1の表面(この場合は上面)を撮像するものであり、この赤外線カメラ19はベルトブライドル装置11の出側、好ましくはベルトブライドル装置11の出側直近に配置されている。また、赤外線カメラ19は図2に示すような撮像視野191を有し、金属帯1の全幅にわたって金属帯1の表面を撮像可能となっている。
【0019】
画像信号処理装置20は赤外線カメラ19から出力された画像信号を処理して金属帯1の幅方向温度分布を取得するものであり、この画像信号処理装置20で得られた金属帯1の幅方向温度分布は平均化装置21に供給されている。
平均化装置21は画像信号処理装置20で得られた金属帯1の幅方向温度分布を赤外線カメラ19の撮像視野内で金属帯1の長手方向に平均化するものであり、この平均化装置21で平均化された金属帯1の幅方向温度分布は比較装置22に供給されている。
【0020】
比較装置22は平均化装置21で平均化された金属帯1の幅方向温度分布を基準温度と比較するものであり、この比較装置22には、基準温度設定器24で設定された基準温度が供給されている。
表示装置23は比較装置22の比較結果をカラー表示するものであり、この表示装置23は例えば金属帯1の幅方向温度分布のうち基準温度を超える幅方向温度分布と基準温度と超えない幅方向温度分布とを色別表示するように構成されている。
【0021】
基準温度設定器24は金属帯1の幅方向温度分布と比較される基準温度を設定するものであり、この基準温度設定器24は、例えば図3に示すような温度分布統計グラフを金属帯の最小板幅に対応するデータを用いて作成し、作成した温度分布統計グラフの中で最もデータ数の多い温度を金属帯の温度として設定し、それよりも所定の温度だけ高い温度を基準温度として設定するように構成されている。
【0022】
このようなベルト不走行検出装置18を用いてベルトブライドル装置11のベルト不走行を検出する場合は、まず、図4に示すステップS1で金属帯1の表面を赤外線カメラ19により金属帯1の全幅にわたって撮像する。次に、赤外線カメラ19から出力された画像信号を画像信号処理装置20で処理し、金属帯1の幅方向温度分布を次のステップS2で取得する。なお、赤外線カメラ19の出力信号から金属帯1の幅方向温度分布を取得する方法としては、例えば赤外線カメラ19の出力信号から金属帯1の赤外線強度を金属帯1の全幅にわたって測定し、その測定値を温度に換算する方法などを用いることができる。
【0023】
ステップS2で金属帯1の幅方向温度分布を取得したならば、次のステップS3で金属帯1の幅方向温度分布を平均化装置21に供給し、金属帯1の幅方向温度分布を金属帯1の長手方向に平均化する。そして、次のステップS4で金属帯1の幅方向温度分布を比較装置22に供給し、基準温度設定器24で設定された基準温度と比較する。
ここで、多数本のエンドレスベルト12のうち1本または複数本のエンドレスベルト12が金属帯1と同調して走行していない場合は、走行していないエンドレスベルト12と金属帯1との間に摩擦熱が発生し、この摩擦熱によって金属帯1の幅方向温度分布が例えば図5に示すような幅方向温度分布となる。
【0024】
ステップS4で金属帯1の幅方向温度分布を基準温度と比較したならば、比較装置22の比較結果を次のステップS5で表示装置23に表示する。ここで、金属帯1の幅方向温度分布が図5に示すような幅方向温度分布である場合は、図6に示すように、金属帯1の幅方向温度分布231のうち基準温度を超えている温度分布(図中斜線で示す部分)と基準温度を超えていない温度分布が表示装置23の表示画面に色別表示される。また、表示装置23の表示画面には、赤外線カメラ19で撮像された金属帯表面の熱画像232が基準温度と共にリアルタイム表示される。
【0025】
従って、上述したベルト不走行検出装置18では、表示装置23に表示された比較装置22の比較結果を視るだけでベルトブライドル装置11のエンドレスベルト12が金属帯1と同調して走行しているか否かを把握することができ、前述した先行技術のように、ベルトブライドル装置11のベルト不走行を見逃してしまうことがないので、ベルトブライドル装置11のベルト不走行を確実に検出することができる。
【0026】
さらに、エンドレスベルト12の不走行を検出するために、ベルトブライドル装置11に多数の光電センサを組み込んだり、あるいはレーザー速度計をエンドレスベルトの幅方向に移動させる走査機構をベルトブライドル装置に組み込んだりする必要もないので、多大の費用を要したりベルトブライドル装置の大型化を招いたりすることなくベルトブライドル装置11のベルト不走行を確実に検出することができる。
【0027】
また、上述したベルト不走行検出装置18では、画像信号処理装置20で得られた金属帯1の幅方向温度分布を金属帯1の長手方向に平均化して比較装置22に供給する平均化装置21を備えたことで、周辺設備の温度による影響を大きく受けることなく金属帯1の幅方向温度分布を基準温度と比較することができ、従って、ベルトブライドル装置11のベルト不走行を正確に検出することができる。
【0028】
また、上述したベルト不走行検出装置18では、比較装置22の比較結果を表示する表示装置23が金属帯1の幅方向温度分布のうち基準温度を超える幅方向温度分布と基準温度と超えない幅方向温度分布とを色別表示するように構成されているため、表示装置23に表示された比較装置22の比較結果を視るだけでベルトブライドル装置11のベルト不走行を一目で認識することができる。
【0029】
上述した本発明の一実施形態では、ベルトブライドル装置11を通過した金属帯1の上面を赤外線カメラ19により撮像してベルトブライドル装置のベルト不走行を検出する装置に本発明を適用した場合を例示したが、これに限られるものではなく、例えばベルトブライドル装置11を通過した金属帯1の下面を赤外線カメラ19により撮像してベルトブライドル装置11のベルト不走行を検出する装置についても本発明を適用することができる。
【0030】
赤外線カメラ19の撮像は金属帯1の片面のみでよい。通常、金属帯1の板厚は0.3〜0.8mmと薄いため、発生した摩擦熱は瞬時に厚さ方向に伝わり、厚さ方向の温度は同一温度になるため、赤外線カメラ19が金属帯1の片面側のみを観察した場合でも、上側のエンドレスベルトのみならず、下側のエンドレスベルトの不走行をも検出することができるからである。
【0031】
また、上述した本発明の一実施形態では、比較装置22の比較結果を表示する表示装置23として、比較装置22の比較結果をカラー表示するものを例示したが、これに限られるものでない。たとえば、比較装置22の比較結果を白黒表示する表示装置を用いてもよい。
また、上述した本発明の一実施形態では、金属帯1の幅方向温度分布と比較される基準温度を設定する基準温度設定器24を備えたものを例示したが、基準温度設定器24を必ずしも備えている必要はなく、基準温度を予め設定しておいてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1…金属帯
2…金属帯払出機
3…スリッター
4…ルーパー
5…セパレータ
6…金属帯巻取機
7…入側シャー
8…出側シャー
9…ピンチロール
10…デフレクターロール
11…ベルトブライドル装置
12…エンドレスベルト
13…アイドルプーリ
14,15…ベルト押圧体
16…押圧体駆動機構
17…押圧体駆動シリンダ
18…ベルト不走行検出装置
19…赤外線カメラ
191…赤外線カメラの撮像視野
20…画像信号処理装置
21…平均化装置
22…比較装置
23…表示装置
231…表示装置に表示される金属帯の幅方向分布
232…表示装置に表示される金属帯表面の熱画像
24…基準温度設定器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属帯巻取機により巻き取られる金属帯の幅方向にほぼ一定間隔で且つ前記金属帯の上面側と下面側に相対向して配置された多数本のエンドレスベルトと、該エンドレスベルトを前記金属帯の長手方向に走行可能に張架する一対のアイドルプーリをそれぞれ有する上下一対のベルト押圧体と、該ベルト押圧体の少なくとも一方を所定方向に駆動して前記エンドレスベルトを前記金属帯の表面に押し付ける押圧体駆動機構とを備えたベルトブライドル装置のベルト不走行を検出する方法であって、
前記ベルトブライドル装置を通過した金属帯の表面を赤外線カメラにより前記金属帯の全幅にわたって撮像する工程と、前記赤外線カメラから出力された画像信号を画像信号処理装置により処理して前記金属帯の幅方向温度分布を取得する工程と、前記画像信号処理装置で得られた前記金属帯の幅方向温度分布を比較装置により基準温度と比較する工程と、前記比較装置の比較結果を表示装置に表示する工程とを有することを特徴とするベルトブライドル装置のベルト不走行検出方法。
【請求項2】
金属帯巻取機により巻き取られる金属帯の幅方向にほぼ一定間隔で且つ前記金属帯の上面側と下面側に相対向して配置された多数本のエンドレスベルトと、該エンドレスベルトを前記金属帯の長手方向に走行可能に張架する一対のアイドルプーリをそれぞれ有する上下一対のベルト押圧体と、該ベルト押圧体の少なくとも一方を所定方向に駆動して前記エンドレスベルトを前記金属帯の表面に押し付ける押圧体駆動機構とを備えたベルトブライドル装置のベルト不走行を検出する装置であって、
前記ベルトブライドル装置を通過した金属帯の表面を当該金属帯の全幅にわたって撮像する赤外線カメラと、該赤外線カメラから出力された画像信号を処理して前記金属帯の幅方向温度分布を取得する画像信号処理装置と、該画像信号処理装置で得られた前記金属帯の幅方向温度分布を基準温度と比較する比較装置と、該比較装置の比較結果を表示する表示装置とを備えたことを特徴とするベルト不走行検出装置。
【請求項3】
前記画像信号処理装置で得られた金属帯の幅方向温度分布を前記金属帯の長手方向に平均化して前記比較装置に供給する平均化装置をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のベルト不走行検出装置。
【請求項4】
前記金属帯の幅方向温度分布のうち前記基準温度を超える幅方向温度分布と前記基準温度を超えない幅方向温度分布とを色別表示するように前記表示装置が構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のベルト不走行検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−246140(P2012−246140A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122013(P2011−122013)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000200345)JFE電制株式会社 (13)
【出願人】(593210123)JFE電磁鋼板株式会社 (1)
【Fターム(参考)】