説明

ベルト型濃縮機

【課題】濾液と洗浄排水とが混ざらないように分割して集水し、機外に排出することのできるベルト型濃縮機を提供すること
【解決手段】無端ベルト(53)により形成される内側領域において、汚泥供給シュート(44)の先端よりも始端側に、洗浄手段(7)及び洗浄排水受皿(74)を配置する構成とする。これにより、洗浄排水と濾液とが混ざらないように分割して集水し、機外に排出することが可能となる。そして、機外に排出される洗浄排水を再度濃縮処理することにより、回収効率を高めることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば下水処理の際に副生される汚泥を濃縮処理するためのベルト型濃縮機に係り、特に、洗浄排水と濾液とが混ざらないようにして分割して集水し、洗浄排水を再処理して汚泥固形分(SS)の回収効率を高めることのできるベルト型濃縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、下水を清澄な水にする処理の際に副生する汚泥を濃縮するための装置、より詳しくは汚泥固形分(SS)を含む汚泥スラリーから水分を分離するための装置の一つに、濾過材を兼用するベルトコンベアを備えたベルト型濃縮機がある。具体例としては、以下のように構成されたものが公知になっている(特許文献1)。
【0003】
図8に示すように、特許文献1に開示されているベルト型濃縮機1は、処理汚泥が投入される始端部、及び濃縮汚泥を排出する終端部にそれぞれ配置された2本のプーリに掛け渡された通水性の無端ベルト10と、前記始端部に処理汚泥を投入する投入シュート11と、重力の作用により無端ベルト10を通過して処理汚泥から分離される水分(濾液)を受けるための濾液受皿12とを備えた構成である。この構成において、始端部に投入された処理汚泥は、回動する無端ベルト10によって終端側に移送されながら、重力の作用により水分が分離されて濃縮することになる。
【0004】
前記ベルト型濃縮機1は、無端ベルト10の表面が目詰まりを起こして通水性が低下してしまうのを抑えるために、洗浄手段を備えている。この洗浄手段は、終端部から始端部に戻ってくる無端ベルト10の裏面に対して、前記濾液受皿12で受けた濾液を、排出口12aを介して洗浄水Aとして供給する第1の洗浄手段と、水などの洗浄水Bを洗浄ノズル13から噴射する第2の洗浄手段とを備えている。無端ベルト10を洗浄した後の洗浄排水A及びBは、集水ホッパ14により集水されて排水管14aから機外に排出される。
【0005】
また、他の用途に用いられるベルト型濃縮機として、特許文献2に開示された構成が知られている。図9に示すように、当該特許文献2に開示されているベルト型濃縮機2は、重力の作用により無端ベルト20を通過して処理汚泥から分離される水分(濾液)を受けるための濾液受皿21と、洗浄ノズル22から噴射された洗浄水を受けるための洗浄排水受皿23とを備えている。そして、これらの受皿21及び23で集水した濾液及び洗浄排水は、共通のポンプによって一部が洗浄水として再使用され、残りは機外に排出される構成である。
【0006】
【特許文献1】特開2003−236596号公報
【特許文献2】特開昭55−27047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のように洗浄手段を構成した場合、濾液を洗浄水Aとして活用した分においてトータルとしての洗浄水量を削減できるという利点がある。しかしながら、濾液と洗浄水として使用し、且つ、洗浄ノズル13から噴射された洗浄水と混合して機外に排出するということは、混合された洗浄排水に含まれる汚泥固形分(SS)をも機外に排出することになる。洗浄排水中には、微量(例えば5g/L)ではあるが汚泥固形分(SS)が含まれているので、そのまま排出すると、結果として汚泥固形分(SS)の回収率が低下してしまう。特許文献2の構成においても同様である。さらに特許文献2の場合には、残留汚泥を含む洗浄排水を洗浄水を使用しているので、洗浄ノズル22及び配管内の閉塞が発生する場合がある。
【0008】
上記のように汚泥固形分(SS)の回収効率に着目した場合、洗浄排水に含まれる汚泥固形分(SS)も回収して回収効率を高めることが望ましい。しかしながら、そのために別途の処理設備を設けるのは不経済である。そこで、洗浄排水を、ベルト型濃縮機の前段に設けられる汚泥貯留槽に返送し、再度濃縮処理するようにすることが考えられるが、洗浄排水を戻すことが、一連の濃縮処理工程に対して悪影響を及ぼす懸念がある。具体的には、汚泥貯留槽からベルト型濃縮機に供給する汚泥量の計画・管理が難しくなる、及び、ベルト型濃縮機で処理する汚泥の汚泥固形分(SS)濃度が変動してしまうという懸念である。
【0009】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、濾液と洗浄水とが混ざらないように分割して集水し、機外に排出することのできるベルト型濃縮機を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、濾液とは分割して機外に排出された洗浄排水を再処理するにあたり、一連の濃縮処理工程に対する影響が少ない適切な場所に戻し、高い回収効率を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のベルト型濃縮機は、汚泥を濃縮するためのベルト型濃縮機であって、 駆動回転軸及び補助回転軸に巻き掛けられ、その搬送面の始端側に供給された処理汚泥を終端側に移送しながら、当該処理汚泥に含まれる水分を濾液として裏面側に通過させることによって汚泥を濃縮する通水性の無端ベルトと、前記無端ベルトの搬送面に沿って下方側に傾斜し、その先端から前記搬送面に処理汚泥を供給する汚泥供給シュートと、前記無端ベルトにより形成される内側領域において、前記汚泥供給シュートの先端よりも始端側に配置され、終端側から始端側に戻ってくる無端ベルトに洗浄水を供給する洗浄手段と、前記汚泥供給シュートの先端よりも始端側に配置され、前記無端ベルトを洗浄した後の洗浄排水を受ける洗浄排水受皿と、当該洗浄排水受皿で集水した洗浄排水を排出する排出口とを含む洗浄水排出手段と、を備え、前記洗浄排水が、前記濾液と混ざらないように分割して集水し、機外に排出することを特徴とする。
【0012】
前記ベルト型濃縮機は、前記機外に排出される洗浄排水を、処理汚泥をベルト型濃縮機に移送するための汚泥供給ポンプの吐出側配管に戻して再処理させるための洗浄排水返送手段をさらに備えた構成とすることができる。また、前記機外に排出される洗浄排水を、処理汚泥をベルト型濃縮機に移送するための汚泥供給ポンプの吸入側配管に戻して再処理させるための洗浄排水返送手段をさらに備えた構成とすることもできる。さらにまた、前記機外に排出される洗浄排水を、処理汚泥をベルト型濃縮機に移送するための汚泥供給ポンプと前記汚泥供給シュートとの間に配置される凝集槽に戻して再処理させるための洗浄排水返送手段をさらに備えた構成とすることもできる。
【0013】
さらに、前記洗浄排水返送手段は、前記機外に排出される洗浄排水を貯留する洗浄排水貯留槽と、当該洗浄排水貯留槽内の洗浄排水を上記したいずれかの位置に返送するための洗浄排水返送ポンプと、当該洗浄排水返送ポンプにより返送される洗浄排水の流量を調節するための流量調節手段と、前記洗浄排水貯留層内に貯留されている洗浄排水の液量の下限値を検知するためのセンサーと、を備え、前記返送される洗浄排水の流量が、前記機外に排出される洗浄排水の流量よりも多く、且つ、一定となるように前記流量調節手段を調節すると共に、前記センサーが下限値を検知したときに前記洗浄排水返送ポンプを一旦停止させるようにすることもできる。
【0014】
さらに、前記汚泥供給シュートの先端には、当該汚泥供給シュートの先端から無端ベルトの表面に跨るように配置され、前記汚泥供給シュートの下方側に汚泥が廻り込まないようにするための可燒性を有する汚泥案内板を設けるようにすることもできる。なお、この場合、前述の「前記汚泥供給シュートの先端」とは、当該汚泥案内板の先端のことであると定義される。
【0015】
あるいは、前記洗浄排水返送手段は、前記機外に排出される洗浄排水を貯留する洗浄排水貯留槽と、当該洗浄排水貯留槽内の洗浄排水を上記したいずれかの位置に返送するための洗浄排水返送ポンプと、当該洗浄排水返送ポンプにより返送される洗浄排水の流量を調節するための流量調節手段と、前記洗浄排水貯留層内に貯留されている洗浄排水の液量を段階分けして検知するためのセンサーと、を備え、前記センサーが検知する液量の段階に応じて、前記流量調節手段により前記返送される洗浄排水の流量を調節するようにすることもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、無端ベルトにより形成される内側領域において、汚泥供給シュートの先端よりも始端側に洗浄手段を配置し、さらに、汚泥供給シュートの先端よりも始端側に洗浄排水受皿を配置して洗浄排水を集水・排出する構成としたことにより、洗浄排水と濾液とが混ざることがなく、両者を分割して機外に排出することが可能となる。
【0017】
また本発明によれば、機外に排出される洗浄排水を再処理することによって汚泥固形分(SS)の回収効率を高めることができ、このとき、洗浄排水を汚泥貯留槽に戻すのではなく、ベルト型濃縮機に処理汚泥を移送するための汚泥供給ポンプの吸入側配管又は吐出配管或いは凝集槽に戻すようにしたことによって、一連の濃縮処理工程に対する影響を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係るベルト型濃縮機の好適な実施形態を説明する前に、下水処理の全体の流れについて、図1を参照しながら簡単に説明しておく。下水処理工程は、大別すると水処理工程及び汚泥処理工程に分けることができる。まず水処理工程とは、最初沈殿池3、エアレーションタンク31及び最終沈殿池32等の設備を用いて流入下水を清澄な水にする工程である。まず、下水を最初沈殿池3に流入して上澄液と初沈汚泥に固液分離して、上澄液はエアレーションタンク31に移送し、初沈汚泥は汚泥処理する。エアレーションタンク31に供給された最初沈殿池の上澄液は、エアレーションタンク31内で活性汚泥により生物処理される。そして活性汚泥の一部を最終沈殿池32に供給して上澄液と沈殿汚泥に固液分離して、上澄液は消毒した後放流し、沈殿汚泥は一部をエアレーションタンク31に返送するが、残りは余剰汚泥として汚泥処理する。
【0019】
また、汚泥処理工程とは、前述の水処理工程において副産物として発生する汚泥を処理する工程であり、濃縮工程、消化工程及び脱水工程等によって構成されている。初沈汚泥及び余剰汚泥は、脱水(消化)効率を高める目的で濃縮する。このときの濃縮方法には、初沈汚泥と余剰汚泥を混合して濃縮する混合濃縮と両者を別々に濃縮する分離濃縮がある。混合濃縮の場合、初沈汚泥及び余剰汚泥を共に汚泥貯留槽33に貯留し、ベルト型濃縮機34などの濃縮機で機械濃縮する。他方、分離濃縮の場合には、初沈汚泥は重力濃縮槽35で重力濃縮し、余剰汚泥は汚泥貯留槽33に貯留してからベルト型濃縮機34などの濃縮機で機械濃縮するのが一般的である。また、重力濃縮槽35及びベルト型濃縮機34からそれぞれ排出される濃縮汚泥は、濃縮汚泥貯留槽36に貯留した後、脱水機37で脱水するか、あるいは消化した後に脱水機37で脱水するのが一般的である。
【0020】
前述のように、濃縮工程で処理される汚泥は水処理から引抜いて汚泥貯留槽33に移送し、そこからベルト型濃縮機34に供給される。ベルト型濃縮機34への汚泥供給量は、水処理から引抜く一日の汚泥量を、ベルト型濃縮機34の一日の運転時間で除した値に基づいて決定される。例えば、一日の汚泥引抜量480m、濃縮機運転時間が24時間であれば時間当たり汚泥供給量は20m/hrとなり、一日の汚泥引抜量600m、濃縮機運転時間が24時間であれば時間当たりの汚泥供給量は25m/hrとなる。こうして1日毎に処理計画がたてられるため、当該システムは、処理量を柔軟に変更するのが難しいという短所がある。
【0021】
このような下水処理システムにおいて汚泥を機械濃縮するための、本発明の好ましい第1の実施形態に従うベルト型濃縮機の構成、及び、洗浄排水の再処理フローについて、図2を参照しながら説明する。
【0022】
図2に示すように、本実施形態によるベルト型濃縮機4は、外装体をなすケーシング41を有し、このケーシング41の内部には汚泥を移送しながら濃縮するためのベルトコンベア5が設けられている。また、ケーシング41の始端側には、汚泥貯留槽33に接続された汚泥供給ポンプ33aによって送られてくる処理汚泥に凝集剤を添加するための凝集装置42、凝集剤が添加された処理汚泥を一時的に滞留させるための凝集槽43、及び凝集槽43からオーバーフローする処理汚泥をベルトコンベア5に供給するための汚泥供給シュート44が設けられている。凝集装置42としては、例えば混合弁やラインミキサーなどの一般的な液混合手段を用いることができる。一方、ケーシング41の終端側底部には、ベルトコンベア5で濃縮された汚泥を排出する濃縮汚泥排出口45が形成されている。
【0023】
ベルトコンベア5は、その終端側(汚泥排出側)及び始端側(汚泥供給側)にそれぞれ配置された、水平軸廻りに回動可能な駆動回転軸51及び補助回転軸52と、これら2本の回転軸に巻き掛けられた無端ベルト53と、駆動回転軸51を通じて無端ベルト53を回動させるための駆動機構5Aとで構成されている。そして、駆動機構5Aにより駆動回転軸51が回動し、無端ベルト53の上部側表面(つまり搬送面)が始端側から終端側に向かって走行するように構成されている。
【0024】
前記無端ベルト53は、汚泥は通過させないが、汚泥に含まれる水分は重力の作用によって裏面側に通過させる程度の通水性を有する材質で形成されており、これにより一種の重力濾過材として機能する。一例を挙げると、無端ベルト53は、メッシュ状の樹脂シートで形成することができる。樹脂シートの材質には、例えばポリエステルを選択することができる。このように無端ベルト53に通水性を設けたことにより、処理汚泥を終端側に向かって移送しつつ、水分を分離して濃縮された汚泥にすることが可能となる。
【0025】
無端ベルト53の始端側上方位置には、当該無端ベルト53の長手方向に沿って延びると共に、当該無端ベルト53の表面に向かって下方側に傾斜する樋状の汚泥供給シュート44が設けられている。凝集槽43からオーバーフローする処理汚泥は、当該汚泥供給シュート44を滑り落ちて無端ベルトに供給されることになる。
【0026】
ここで、図2では作図の便宜上省略しているが、図3に示すように、無端ベルト53における搬送面の両側には、汚泥が落下するのを防止するための落下防止壁54が設けられている。この落下防止壁54は、その一端側が汚泥供給シュート44の端部に接近するように配置されている。当該落下防止壁54は、ケーシング41の側壁に固定用部材(不図示)によって固定されている。固定用部材との接合は、例えばボルトなどで行う。さらに、無端ベルト53の搬送面は、長手方向に間隔をおいて設けられた複数の支持部材55によって裏面側から支持されている。
【0027】
さらに、汚泥供給シュート44の先端には、当該汚泥供給シュート44の先端から無端ベルト53の表面に跨って配置することによって段差をなくし、且つ、汚泥が汚泥供給シュート44の下方側に廻り込むのを防止するための可燒性を有する汚泥案内板56が設けられている。当該汚泥案内板56は、例えばゴムシートなどを採用することができる。このように汚泥案内板56を設けたことにより、回動するベルト表面に対して汚泥を滑らかに供給することが可能となる。さらにゴムシートなどの可燒性シートを選択すれば、無端ベルト53の表面を傷つけることが少ない。加えて、例えば汚泥供給量を多くしても、図3(b)に模式的に示すように、汚泥供給シュート44の下方側に汚泥が回り込んで、後述する洗浄排水受皿74に落下することを防止できるという利点がある。
【0028】
さらに、汚泥供給シュート44の裏面側には、当該供給シュート44と落下防止壁54との隙間から汚泥が流出した場合に、この流出した汚泥が下方側に落下するのを防止するための汚泥受板57が設けられている。当該汚泥受板57は、汚泥供給シュート44の側面から、ケーシング41の側面に跨るように配置されており、例えばゴムシートなどの可燒性シートを採用することができる。このように汚泥受板57を設けることにより、当該供給シュート44と落下防止壁55との隙間から汚泥が流出したとしても、後述する洗浄排水受皿74に落下することを防止できるという利点がある。
【0029】
また、無端ベルト53の終端側表面及び側面には、濃縮汚泥の排出を妨げることによって濃縮効率を向上させるためのランプ(傾斜板)58A、残留汚泥をベルト表面から掻き取るためのクレーパ58Bがそれぞれ設けられている。また、無端ベルト53の搬送面側には、その走行方向に沿って配列されるプロー機構59が設けられている。各プロー機構59は、無端ベルト53の幅方向に並べられる複数のプロー(鋤)を備えており、このプローがベルト表面の汚泥層を鋤くことによって、ベルトの濾過効率を高めている。プローは、例えば水平断面が略三角形状をなしている(図3参照)。
【0030】
無端ベルト53で囲まれる内側領域には、その長手方向に沿って延びる濾液受皿6が設けられている。濾液受皿6は、その中央部に向かうにつれて下方側に傾斜した構成であり、さらに中央部には排液口61が形成されている。排液口61は、ケーシング41の底部中央に形成されている濾液排出口62と配管を介して接続されており、さらに、濾液排出口62は配管を介して濾液貯留槽63と接続されている。これにより、無端ベルト53を通過して落下する濾液を集水し、機外に排出することが可能になっている。
【0031】
続いて、無端ベルト53の洗浄手段について説明する。当該洗浄手段は、例えば洗浄ノズル7で構成されており、前記無端ベルト53により形成される内側領域において、前記汚泥供給シュート44の先端よりも始端側に位置するように配置され、終端側から始端側に戻ってくる無端ベルト53に対して、裏面側から洗浄水を常時噴射する。洗浄ノズル7は、例えばベルト幅方向に延びる円筒形配管の表面に、複数の洗浄水噴射孔を穿設して形成することができる。さらに洗浄ノズル7は、配管を介して洗浄水供給源71と接続されており、その途中に設けられたバルブなどの流量調節手段72によって流量を調節可能なようにすることができる。
【0032】
そしてケーシング41の底部表面には、当該ケーシング41の底部領域を幅手方向に仕切る縦の仕切り壁73が、前記汚泥供給シュート44の先端と前記洗浄ノズル7との間に位置するように設けられている。これにより、ケーシング41の始端側底部は、洗浄排水を集水するための洗浄排水受皿74を形成している。洗浄排水受皿74の底部には、洗浄排水排出口75が形成されており、さらに、洗浄排水排出口75は配管を介して洗浄排水貯留槽76と接続されている。これにより、無端ベルト53に付着した残存汚泥を洗い落とした洗浄排水を集水し、機外に排出することが可能になっている。
【0033】
洗浄排水貯留槽76には、洗浄排水を再処理(濃縮処理)するために、洗浄排水を所定の位置に返送するための洗浄排水返送ポンプ77が接続されている。洗浄排水返送ポンプ77の吐出配管は、汚泥供給ポンプ33aの吐出配管と接続されている。このとき、洗浄排水返送ポンプ77の吐出圧が、汚泥供給ポンプ33aの吐出圧よりも小さい場合、汚泥が洗浄排水貯留槽76に向かって流入するのを防止する手段が必要である。この例では、洗浄排水返送ポンプ76に、モーノポンプのような定量ポンプを選定し、これにより汚泥供給ポンプ33aの吐出圧に対して背圧にして逆流を防止している。定量ポンプを選択しない場合、例えば配管の途中に背圧バルブを設けるようにして逆流を防止するようにしてもよい。
【0034】
洗浄排水返送ポンプ77は、例えば定量ポンプを選定した場合には、そのストローク長及び速度を変えることによって、流量調節が可能である。また、定量ポンプ以外を選定した場合であっても、例えば流量調節バルブを配管の途中に設けたり、インバータ機能を備えた駆動モータを設けることによって流量調節が可能である。すなわち、本例のベルト型濃縮機4は、洗浄排水の流量を調節するための流量調節手段を備えた構成とする。
【0035】
また、洗浄排水貯留槽76は、槽内に貯留されている洗浄排水の液量を検知するためのセンサー78を備えている。センサー78の例としては、互いに長さの異なる複数の電極を用いて液レベルを検知する電極式の液面検知器、槽底部に設置した圧力計を用いた液量検知器、フロート式の液面検知器などを使用することが可能である。
【0036】
ここで、洗浄排水返送ポンプ77に定量ポンプを選定し、センサー78に電極式の液面検知器を選定した場合の、洗浄排水返送量を制御する具体的な手法について、図4を参照しながら説明する。まず、洗浄排水返送ポンプ77の流量を一定で安定供給する手法について説明すると、例えば洗浄ノズル7から2m/hrで洗浄水を噴射した場合、平均2m/hr同流量で洗浄排水が排出されるので、ここでは2.2m/hrで返送するように洗浄排水返送ポンプ77の流量を設定する。すなわち、機外に排出される流量よりも大きい流量で返送するように設定する。この場合、洗浄排水貯留槽76の液レベルが下がってくるので、液レベルが下限値(L)になったら洗浄排水返送ポンプ77を停止し、そして液レベルが第1上限値(H1)まで上がったら再び洗浄排水供給ポンプ77を起動するように制御する。万が一、洗浄排水の量が多くなって洗浄排水貯留槽76の液レベルが上昇したら、バイパス配管79を経由して濾液貯留槽63または濾液を移送するための配管中にオーバーフローさせるようにする。この場合、バイパス配管79に電磁弁79aを取り付け、第1上限値(H1)で洗浄排水返送ポンプ77を起動し、第2上限値(H2)で電磁弁79aを開くように制御してもよい。
【0037】
続いての手法は、洗浄排水返送ポンプ77の流量を変化させることによって、洗浄排水貯留槽76内の液レベルを一定に制御する手法である。この場合も、洗浄排水が平均2m/hrで排出されるとすると、液レベルが中間値(M)と第1上限値(H1)の間にあるときには、2.2m/hrで返送するように設定する。そして、液レベルが第1上限値(H1)に達した場合、返送する流量を自動で2.4m/hrに上げる。さらに液レベルが上昇し、第2上限値(H2)になった場合、返送する流量を2.6m/hrに上げる。反対に、液レベルが下がって中間値(M)に達した場合、返送する流量を自動で1.8m/hrに下げ、液レベルが更に低下して下限値(L)になったら、返送する流量を自動で1.5m/hrに下げるように制御する。
【0038】
(作用)
以上の説明からも分かるように、本実施形態に従うベルト型濃縮機4は、始端側から終端側に向かって、洗浄ノズル7、濾液受皿6の端部、仕切り壁73、汚泥供給シュート44の先端が順に位置する構成である。続いて、このような構成のベルト型濃縮機4で汚泥を濃縮する作用、及び、濾液と洗浄排水を分割して機外に排出する作用について説明する。まず、汚泥供給ポンプ33aにより汚泥貯留槽33から例えば20m/Hrの流量で送られてくる処理汚泥は、まず凝集装置42に供給され、ここで凝集剤例えば高分子凝集剤が予め決められた所定の割合例えば固体質量換算で0.3〜0.4kg/kgとなるように添加され、これにより汚泥中の汚泥固形分(SS)が凝集してフロック状となる。
【0039】
凝集剤が添加された処理汚泥は次いで凝集槽43に供給され、ここで一時的に滞留してから汚泥供給シュート44を滑り落ちて無端ベルト53に供給される。無端ベルト53に供給された処理汚泥は、走行する搬送面により終端側に向かって移送されながら水分が重力濾過され、ランプ58Aで濃縮効率が高められて終端から落下し、さらにベルト表面の残留汚泥がクレーパ58Bで掻き取られ、濃縮汚泥排出口45を介して機外に排出される。その後、濃縮汚泥は、濃縮汚泥貯留槽36に貯留された後、脱水機37に供給されて脱水処理されることになる。
【0040】
また、無端ベルト53で重力濾過によって分離された濾液は、下方側に落下して濾液受皿6に集水され、濾液排出口62を介して機外に排出される。機外に排出された濾液は、濾液貯留槽63に貯留され、例えば洗浄水として用いる場合には、洗浄ノズル7に送られることになる。
【0041】
さらにまた、洗浄ノズル7からは、無端ベルトの裏面側に向けて、例えば2m/Hrの流量で洗浄水が常時噴射されており、これにより表面に残存する汚泥を洗い落とす。残存汚泥を含む洗浄排水は、洗浄排水受皿74にて集水され、洗浄排水排出口75を介して機外に排出される。機外に排出された洗浄排水は、洗浄排水貯留槽76に貯留され、例えば上記した流量制御を行いながら汚泥供給ポンプ33aの吐出配管に供給され、そしてベルト型濃縮機4に再度供給されて濃縮処理されることとなる。
【0042】
上述のベルト型濃縮機4によれば、無端ベルト53により形成される内側領域において、汚泥供給シュート44の先端よりも始端側に洗浄ノズル7を配置し、さらに、汚泥供給シュート44の先端よりも始端側に洗浄排水受皿74を形成して洗浄排水を集水・排出する構成としたことにより、無端ベルト53から落下する濾液が混入することが防止される。このため、洗浄排水と濾液とを分割して集水することができ、両者を別々に機外に排出することが可能となる。すなわち、汚泥固形分(SS)を含む洗浄排水を、汚泥固形分(SS)を含まない濾液とは分割して集水・排出するということは、再処理する洗浄排水の量を最小限に止めるということである。これにより、洗浄排水を戻すようにしても、ベルト型濃縮機の負荷の増加を最小限に抑えることが可能になるという点で、本発明は極めて有効である。
【0043】
さらに、上述の実施形態によれば、洗浄排水を再処理する構成としたことにより、汚泥固形分(SS)の回収効率を高めることが可能になる。すなわち、洗浄排水量は、濾液量に比べて圧倒的に少ないが、汚泥固形分(SS)の濃度が5g/Lと高いため、従来の手法では95%以上の回収率を得ることができないか、できたとして安定して95%以上の回収率を維持することは難しい。これに対し本実施形態のベルト型濃縮機4は、後述する実施例を見れば明らかなように、洗浄排水を再処理することによって、濃縮汚泥濃度4%以上、且つ、95%以上の回収率を得ることができ、しかもその回収率を安定して維持することができる。
【0044】
加えて、本実施形態のベルト型濃縮機4は、汚泥供給ポンプ33aの吐出配管に洗浄排水を戻す構成としたことにより、一連の濃縮処理工程に対する影響を少なくして再処理することが可能となる。すなわち、洗浄排水を例えば汚泥貯留槽33に返送するようにすると、洗浄排水発生量も考慮してベルト型濃縮機4への時間当たりの汚泥供給量を決定する必要があり、1日毎に行われる処理計画が極めて複雑になってしまう。さらに、洗浄排水返送ポンプ77が一定の流量で常時稼動しているとは限らないので、処理計画の量と、実際に処理する量にずれが生じる場合がある。このような状況を回避するため、本実施形態では、汚泥貯留槽33には戻さず、汚泥供給ポンプ33aの吐出配管に洗浄排水を戻す構成を採用している。
【0045】
さらに、本実施形態によれば、返送する洗浄排水の流量を、ベルト型濃縮機4から排出される流量よりも多くなるように設定し、且つ、洗浄排水貯留槽76の液レベルを制御する構成としたことにより、ベルト型濃縮機から排出される洗浄排水量はばらついた場合にも、洗浄排水の返送流量が変動するのを緩和し、安定して洗浄排水を返送して再処理することができる。
【0046】
さらに、本実施形態によれば、汚泥案内板56,汚泥受板57を設けた構成とすることによって、より確実に洗浄排水の量を最小限に止めることが可能となる。これにより、洗浄排水を戻すようにしても、より確実にベルト型濃縮機の負荷の増加を最小限に抑えることが可能になる。
【0047】
さらに、本実施形態によれば、洗浄手段をベルトコンベア5の始端側に配置したことにより、より確実に洗浄排水を集水することが可能となる。すなわち、例えば図9に示す従来の構成のように、洗浄手段をベルトコンベア5の終端側に配置した場合、回動するベルトに表面張力で洗浄排水が付着した状態で洗浄排水受皿74を形成する仕切り壁73を超えてから落下してしまうことがある。これに対し、本実施形態のように始端側に洗浄手段を設けるようにすると、補助回転軸を介して上面(搬送面)に反転する際に、表面張力で付着した洗浄排水の落下が促進され、しかもその下方側に位置する洗浄排水受皿74で集水することができる。
【0048】
続いて、本発明の第2及び第3の実施形態について、図5を参照しながら説明する。これら実施形態は、洗浄排水を戻す位置が異なることを除いて、第1の実施形態と同じ構成を採用する。よって、同一構成については、同じ符号を付すことによって詳しい説明を省略する。
【0049】
まず、図5(a)に示すように、第2の実施形態では、洗浄排水返送ポンプ77の吐出配管を、汚泥供給ポンプ33aの吸入配管に接続した構成である。また、図5(b)に示すように、第3の実施形態では、洗浄排水返送ポンプ77の吐出配管を、凝集槽43に接続した構成である。これらの位置に洗浄排水を返送するようにした場合であっても、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。但し、凝集槽43に返送する場合、凝集槽43のレベル上昇現象が起こるので、その分の容量を確保しておく必要がある。
【実施例】
【0050】
続いて、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
【0051】
(試験例1)
図2に示す構成のベルト型濃縮機4を用いて汚泥を処理した例を実施例1とする。また、同様の構成であるが、洗浄排水を戻さないで、従来のように濾液と混合して排出した例を比較例1とする。実施例1及び比較例1の詳しい設定条件、及び、汚泥固形分(SS)の回収効率の算出結果を図6に示す。図6を見れば明らかなように、実施例1の回収率が96.0%であるのに対し、比較例1の回収率は92.3%になっている。すなわち、本発明のベルト型濃縮機によれば、汚泥固形分(SS)の回収効率を高めることができることが確認された。さらに、洗浄排水が増えることで薬注率が少し高くなる可能性はあるものの、ベルト型濃縮機の一般的な薬注率の目標値である0.4%以下は達成できることが確認された。
【0052】
(試験例2)
汚泥供給量及び洗浄排水量が異なることを除いて実施例1と同じ処理を行った例を実施例2,3とする。また、比較として、洗浄排水を汚泥貯留槽33に戻した例を比較例2,3とする。実施例2,3及び比較例2,3の詳しい設定条件、及び、汚泥固形分(SS)の回収効率の算出結果を図7に示す。なお、図7における「汚泥供給量」とは汚泥貯留槽33から引き抜いた汚泥量を示し、「実質処理量」とは汚泥貯留槽33から引き抜いた汚泥量から洗浄排水量を差し引いた値を示している。つまり、汚泥貯留槽33に戻さない実施例2,3は「汚泥供給量」と「実質処理量」の値は同じであり、汚泥貯留槽33に戻す比較例2,3は洗浄排水量を差し引いた分だけ「実質処理量」の値が小さい。
【0053】
図7を見れば明らかなように、汚泥供給量20m/hr時についてみると、洗浄排水を返送する場合、実質処理量18m/hr、薬注率0.16%で濃縮汚泥濃度4.03%、SS回収率96.3%となり、洗浄排水を汚泥供給ポンプ33aのデリバリー部へ供給する場合、実質処理量20m/hr、薬注率0.17%で濃縮汚泥濃度4.42%、SS回収率96.2%となっている。また、汚泥供給量30m/hr時についてみると、洗浄排水を汚泥貯留槽33へ返送する場合、実質処理量28m/hr、薬注率0.21%で濃縮汚泥濃度6.02%、SS回収率98.1%となり、洗浄排水を汚泥供給ポンプ33aのデリバリー部へ供給する場合、実質処理量30m/hr、薬注率0.22%で濃縮汚泥濃度5.43%、SS回収率98.3%となっている。
【0054】
以上の結果から分かるように、洗浄排水を汚泥供給ポンプ33aのデリバリー部へ供給する実施例2,3は、洗浄排水を汚泥貯留槽33へ返送する比較例2,3に比べ同等もしくはそれ以上の処理性能を得ることができることが確認された。しかも、比較例2,3の場合、詳しくは既述したように、洗浄排水を戻すことによって一連の濃縮処理工程に悪影響を及ぼすという欠点がある。また、本試験例2においては、実施例2,3と、比較例2,3とでは実質処理量に差を設けているが、汚泥貯留槽33からの引く抜き量を変えて実質処理量を同じにした場合には、薬注率が実施例2,3よりも高くなってしまう推測される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明のベルト型濃縮機が適用される下水処理システムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に従うベルト型濃縮機の構成を示す図である。
【図3】上記ベルト型濃縮機の詳細を示す図である。
【図4】上記ベルト型濃縮機に備けられる洗浄排水貯留層の液レベルを制御する手法を説明するための図である。
【図5】他の実施形態に従うベルト型濃縮機の構成を示す図である。
【図6】本発明の効果を確認するために行った試験の結果を示す特性図である。
【図7】本発明の効果を確認するために行った試験の結果を示す特性図である。
【図8】従来のベルト型濃縮機を示す図である。
【図9】従来における他のベルト型濃縮機を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
33 汚泥貯留槽
33a 汚泥供給ポンプ
4 ベルト型濃縮機
42 凝集装置
43 凝集槽
44 汚泥供給シュート
53 無端ベルト
6 濾液受皿
62 濾液排出口
7 洗浄ノズル
74 洗浄排水受皿
75 洗浄排水排出口
76 洗浄排水貯留槽
77 洗浄排水返送ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥を濃縮するためのベルト型濃縮機であって、
駆動回転軸及び補助回転軸に巻き掛けられ、その搬送面の始端側に供給された処理汚泥を終端側に移送しながら、当該処理汚泥に含まれる水分を濾液として裏面側に通過させることによって汚泥を濃縮する通水性の無端ベルトと、
前記無端ベルトの搬送面に沿って下方側に傾斜し、その先端から前記搬送面に処理汚泥を供給する汚泥供給シュートと、
前記無端ベルトにより形成される内側領域において、前記汚泥供給シュートの先端よりも始端側に配置され、終端側から始端側に戻ってくる無端ベルトに洗浄水を供給する洗浄手段と、
前記汚泥供給シュートの先端よりも始端側に配置され、前記無端ベルトを洗浄した後の洗浄排水を受ける洗浄排水受皿と、当該洗浄排水受皿で集水した洗浄排水を排出する排出口とを含む洗浄水排出手段と、を備え、
前記洗浄排水が、前記濾液と混ざらないように分割して集水し、機外に排出することを特徴とするベルト型濃縮機。
【請求項2】
前記機外に排出される洗浄排水を、処理汚泥をベルト型濃縮機に移送するための汚泥供給ポンプの吐出側配管に戻して再処理させるための洗浄排水返送手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のベルト型濃縮機。
【請求項3】
前記機外に排出される洗浄排水を、処理汚泥をベルト型濃縮機に移送するための汚泥供給ポンプの吸入側配管に戻して再処理させるための洗浄排水返送手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のベルト型濃縮機。
【請求項4】
前記機外に排出される洗浄排水を、処理汚泥をベルト型濃縮機に移送するための汚泥供給ポンプと前記汚泥供給シュートとの間に配置される凝集槽に戻して再処理させるための洗浄排水返送手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のベルト型濃縮機。
【請求項5】
前記汚泥供給シュートの先端には、当該汚泥供給シュートの先端から無端ベルトの表面に跨るように配置され、前記汚泥供給シュートの下方側に汚泥が廻り込まないようにするための可燒性を有する汚泥案内板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のベルト型濃縮機。
【請求項6】
前記洗浄排水返送手段は、前記機外に排出される洗浄排水を貯留する洗浄排水貯留槽と、当該洗浄排水貯留槽内の洗浄排水を前記請求項2ないし4のいずれかに記載された位置に返送するための洗浄排水返送ポンプと、当該洗浄排水返送ポンプにより返送される洗浄排水の流量を調節するための流量調節手段と、前記洗浄排水貯留層内に貯留されている洗浄排水の液量の下限値を検知するためのセンサーと、を備え、前記返送される洗浄排水の流量が、前記機外に排出される洗浄排水の流量よりも多く、且つ、一定となるように前記流量調節手段を調節すると共に、前記センサーが下限値を検知したときに前記洗浄排水返送ポンプを一旦停止させることを特徴とするベルト型濃縮機。
【請求項7】
前記洗浄排水返送手段は、前記機外に排出される洗浄排水を貯留する洗浄排水貯留槽と、当該洗浄排水貯留槽内の洗浄排水を前記請求項2ないし4のいずれかに記載された位置に返送するための洗浄排水返送ポンプと、当該洗浄排水返送ポンプにより返送される洗浄排水の流量を調節するための流量調節手段と、前記洗浄排水貯留層内に貯留されている洗浄排水の液量を段階分けして検知するためのセンサーと、を備え、前記センサーが検知する液量の段階に応じて、前記流量調節手段により前記返送される洗浄排水の流量を調節することを特徴とするベルト型濃縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−73670(P2008−73670A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−259386(P2006−259386)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(591162022)巴工業株式会社 (32)
【出願人】(306006454)アシュブルック・シモン−ハートリー・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】