説明

ベンゾモルホリン誘導体および使用方法

選択されたベンゾモルホリン化合物は、VEGF媒介疾患等の疾患の予防および処置に効果的である。本発明は、新規な化合物、その類似体、プロドラッグおよび薬学的に許容される塩、薬学的組成物、ならびに、癌等を含む疾患および他の病気または状態の予防および処置のための方法を包含する。主題の発明はまた、当該化合物を作製するための方法、および当該方法において有用な中間体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品に関し、具体的には、癌を治療するための化合物、組成物、使用および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質キナーゼは、広範な細胞過程の調節において中心的役割を果たすタンパク質の大規模なファミリーを表し、細胞機能に対する制御を維持する。当該キナーゼの部分的なリストには、ab1、Akt、bcr−ab1、Blk、Brk、Btk、c−kit、c−Met、c−src、c−fms、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、cRaf1、CSF1R、CSK、EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、Erk、Fak、fes、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR5、Fgr、flt−1、Fps、Frk、Fyn、Hck、IGF−1R、INS−R、Jak、KDR、Lck、Lyn、MEK、p38、PDGFR、PIK、PKC、PYK2、ros、tie、tie2、TRK、Yes、およびZap70が含まれる。当該キナーゼの阻害が重要な治療標的となっている。
【0003】
ある特定の疾患、例えば網膜症(糖尿病性網膜症を含む)等の眼球新血管形成、加齢性黄斑変性症、乾癬、血管芽細胞腫、血管腫、動脈硬化、リウマチ様もしくはリウマチ性炎症性疾患、特に関節炎(関節リウマチ)等の炎症性疾患、または慢性喘息等の他の慢性炎症性障害、動脈性もしくは移植後のアテローム性動脈硬化、子宮内膜症、ならびに腫瘍性疾患、例えばいわゆる充実性腫瘍および液性腫瘍(白血病等)は、脱調節された血管形成と関連していることが知られている。
【0004】
脈管系およびその構成要素の成長および分化を調節しているネットワークでは、胚発生および正常な成長両方の間に、ならびに数多くの病理学的異常および疾患において、「血管内皮成長因子」(VEGF、元々は「血管透過因子」、VPFと呼ばれていた)として知られる血管新生因子が、その細胞受容体とともに中心的な存在を成す(G. Breier et al., Trends in Cell Biology, 6:454−456(1996)を参照)。
【0005】
VEGFは、「血小板由来成長因子」(PDGF)と関連した二量体のジスルフィド連結46kDaの糖タンパク質であり、正常細胞株および腫瘍細胞株により生成され、内皮細胞特異的マイトジェンであり、in vivo試験系(例えばウサギ角膜)において血管形成活性を示し、内皮細胞および単球に対し走化性であり、内皮細胞において、毛細血管の形成中の細胞外基質のタンパク分解に関与するプラスミノーゲン活性化因子を誘発する。同程度の生物活性を示すVEGFの多くのイソ型が知られているが、それらを分泌する細胞の型およびそのヘパリン結合能において異なっている。さらに、「胎盤成長因子」(PlGF)およびVEGF−C等、VEGFファミリーの他のメンバーがある。
【0006】
VEGF受容体(VEGFR)は、膜透過性受容体チロシンキナーゼである。それらは、7つの免疫グロブリン様ドメインを有する細胞外ドメインおよび細胞内チロシンキナーゼドメインにより特徴付けられる。VEGFR−1(flt−1としても知られる。)、VEGFR−2(KDRとしても知られる。)、およびVEGFR−3等、VEGF受容体の様々な型が知られている。
【0007】
数多くのヒト腫瘍、特に神経膠腫および癌腫は、高レベルのVEGFおよびその受容体を発現する。これは、腫瘍細胞から放出されたVEGFが毛細血管の成長およびパラクリン的な腫瘍内皮の増殖を刺激し、改善された血液供給により腫瘍成長を加速するという仮説へとつながった。増加したVEGF発現は、神経膠腫に罹患した患者における脳浮腫の発生を説明し得る。in vivoにおける腫瘍血管形成因子としてのVEGFの役割の直接的証拠は、VEGF発現またはVEGF活性が阻害された研究により示されている。これは、抗VEGF抗体、情報伝達を阻害した優性阻害VEGFR−2変異、およびアンチセンスVEGF RNA技術により達成された。すべての手法は、腫瘍血管形成の阻害の結果、in vivoでの神経膠腫細胞株おおびその他の腫瘍細胞株の成長の低減をもたらした。
【0008】
血管形成は、約1〜2mmの直径より大きく成長する腫瘍の絶対的必須条件とみなされており、この限度までは、酸素および栄養は拡散により腫瘍細胞に供給され得る。したがって、その起源および原因にかかわらず、あらゆる腫瘍は、ある特定のサイズに達した後は、その成長を血管形成に依存する。
【0009】
次の3つの主要な機序が、腫瘍に対する血管形成阻害の活性において重要な役割を担っている:1)細胞死および増殖の間で達成される均衡により正味の腫瘍成長が見られなくなる、血管、特に毛細血管の無血管休止腫瘍への成長の阻害、2)腫瘍への、および腫瘍からの血流の欠如による、腫瘍細胞の移動の防止、ならびに3)内皮細胞増殖の阻害と、それを介した、通常は血管の内側を覆う内皮細胞による周囲組織へのパラクリン成長刺激作用の回避。R. Connell and J. Beebe, Exp. Opin. Ther. Patents, 11:77−114(2001)を参照されたい。
【0010】
VEGFは、血管透過性増大および浮腫の形成に寄与することが知られている唯一の血管形成成長因子であるという点で独特である。確かに、他の多くの成長因子の発現および投与と関連した血管透過性増大および浮腫は、VEGF産生により媒介されるようである。
【0011】
炎症性サイトカインは、VEGF産生を刺激する。低酸素症は、多数の組織におけるVEGFの著しい上方調節をもたらし、したがって、梗塞、閉塞、虚血、貧血または循環障害が関与する状況が、VEGF/VPF媒介応答を誘発する。血管透過性増大、関連浮腫、経内皮交換の改変、および高分子管外遊出は多くは漏出を伴い、過度の基質堆積、異常な間質増殖、線維症等をもたらし得る。したがって、VEGF媒介透過性増大は、これらの病因特性を有する障害に著しく寄与し得る。したがって、血管形成の調節因子が重要な治療標的となっている。
【0012】
既存の脈管構造から新たな血管を発生させる過程である血管形成、および小血管のより大きな導管血管への再形成である動脈形成は共に、成人組織における血管成長の生理学的に重要な側面である。これらの血管成長の過程は、組織修復、創傷治癒、組織虚血からの回復および月経周期等の有益な過程に必要である。また、それらは、新生物の成長、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、ある特定の形態の黄斑変性症、およびある特定の炎症性病変等の病態の発生に必要である。こうした背景における血管成長の阻害はまた、前臨床動物モデルにおいて有益な効果を示している。例えば、血管内皮成長因子またはその受容体を阻止することによる血管形成の阻害は、腫瘍成長および網膜症の阻害をもたらした。また、関節リウマチにおける病的パンヌス組織の発生は血管形成が関与し、血管形成の阻害により阻止され得る。
【0013】
血管成長を刺激する能力は、心筋梗塞、冠動脈疾患、末梢血管障害、および脳梗塞等の虚血誘発性病変の処置のための潜在的な実用性を有する。虚血組織における新たな血管の発生および/または小血管の拡大は、虚血組織の死滅を防止し組織修復を誘発する。ある特定の疾患、例えば網膜症(糖尿病性網膜症を含む)等の眼球新血管形成、加齢性黄斑変性症、乾癬、血管芽細胞腫、血管腫、動脈硬化、リウマチ様もしくはリウマチ性炎症性疾患、特に関節炎(関節リウマチ)等の炎症性疾患、または慢性喘息等の他の慢性炎症性障害、動脈性もしくは移植後のアテローム性動脈硬化、子宮内膜症、ならびに腫瘍性疾患、例えばいわゆる充実性腫瘍および液性腫瘍(白血病等)は、脱調節された血管形成と関連していることが知られている。
【0014】
WO05/070891号(参照によりその全内容が本明細書に組み入れられる。)は、以下の参照化合物1を含むVEGF阻害剤として有用なある特定のベンゾモルホリン誘導体を記載している。
【0015】
【化1】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第05/070891号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】G. Breier et al., Trends in Cell Biology, 6:454−456(1996)
【非特許文献2】R. Connell and J. Beebe, Exp. Opin. Ther. Patents, 11:77−114(2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明のベンゾモルホリン化合物は、従来技術における最も近い化合物、すなわち参照化合物1と比較して、予想外の利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(発明の記述)
癌および血管形成の処置に有用な化合物のクラスは、下記化合物A
【0020】
【化2】

その活性代謝産物、塩および溶媒和物により定義される。
【0021】
また、本発明は、薬学的に許容されるビヒクルまたは担体とともに上述の化合物を含有する薬学的組成物に関する。
【0022】
また、本発明は、上記化合物を
単独または別の治療薬剤と組み合わせて使用して、対象における癌を処置する方法に関する。
【0023】
また、本発明は、上記化合物を単独または別の治療薬剤と組み合わせて使用して、対象における血管形成を阻害する方法に関する。
【0024】
また、本発明は、上記化合物を単独または別の治療薬剤と組み合わせて使用して、対象における腫瘍を処置する方法に関する。
【0025】
また、本発明は、上記化合物を単独または別の治療薬剤と組み合わせて使用して、対象における腫瘍成長を阻害する方法に関する。
【0026】
また、本発明は、上記化合物を単独または別の治療薬剤と組み合わせて使用して、対象における腫瘍サイズを低下させる方法に関する。
【0027】
また、本発明は、上記化合物を単独または別の治療薬剤と組み合わせて使用して、対象における腫瘍の転移を阻害する方法に関する。
【0028】
また、本発明は、上記化合物を単独または別の治療薬剤と組み合わせて使用して、対象におけるVEGF媒介障害を処置する方法に関する。
【0029】
本発明は、さらに、化合物A、
その塩および溶媒和物を調製するための方法であって、下記式I
【0030】
【化3】

の化合物を、下記式II
【0031】
【化4】

(式中、Rは任意選択で置換されたアリールまたはヘテロアリールである。)の化合物と、
(1)極性溶媒、および
(2)塩基の存在下で接触させるステップを含む方法に関する。
【0032】
好適な極性溶媒は、エステル、例えば酢酸アルキル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等)、アミド(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等)、塩素化炭化水素(例えば塩素化ベンゼン、塩化メチレン、ジクロロエタン等)、エーテル(例えばメチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ピリジンおよびn−メチルモルホリン、またはこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。好ましい極性溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピルおよびN−メチルピロリジノン(「NMP」)を含む。
【0033】
好適な塩基は、金属水酸化物(例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等)、有機第3級アミン(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等)、金属アルコキシド(例えばカリウムもしくはナトリウムメトキシド、エトキシド、t−ブトキシド等)、金属炭酸塩(例えば炭酸ナトリウムもしくはカリウム等)、重炭酸塩(例えば重炭酸ナトリウムもしくはカリウム等)、リチウムアミド(例えばリチウムジイソプロピルアミド等)、リチウムアルキル(例えばブチルリチウム等)、ピリジンおよびN−メチルモルホリン、またはこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに制限されない。好ましい塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムを含む。
【0034】
本発明は、さらに、式IIの化合物が、
【0035】
【化5】

である方法に関する。
【0036】
本発明は、さらに、式IIの化合物が、
【0037】
【化6】

を、下記式III
【0038】
【化7】

の化合物と、
(1)極性溶媒、および
(2)塩基の存在下で接触させることにより調製される方法に関する。
【0039】
本発明は、さらに、式IIIの化合物が、
【0040】
【化8】

である方法に関する。
【0041】
本発明は、さらに、式Iの化合物が、式IV
【0042】
【化9】

の化合物を、式V
【0043】
【化10】

の化合物と、N−メチルピロリジノンおよびカリウムt−ブトキシドの存在下で接触させることにより調製される方法に関する。
【0044】
本発明は、さらに、式IVの化合物が、式VI
【0045】
【化11】

の化合物を、BH、MeOHおよびHClと接触させることにより調製される方法に関する。
【0046】
本発明は、さらに、式VIの化合物が、式VII
【0047】
【化12】

の化合物を、式VIII
【0048】
【化13】

の化合物と、炭酸カリウムおよびトルエンの存在下で接触させることにより調製される方法に関する。
【0049】
本発明は、さらに、上記方法のいずれかにより作製される化合物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
発明者らは、化合物Aおよびその塩が、従来技術において見られる構造的に最も近い化合物、すなわち参照化合物1と比較して、目覚しい予想外の利点を有することを発見した。具体的には、参照化合物1と比較して、本発明の化合物は、著しく改善されたin vivo特性を示す。
【0051】
化合物Aおよび参照化合物1はともに、以下の表1に示されるように、in vitro細胞系アッセイにおいてVEGF誘発増殖を強く阻害する(このアッセイはWO05/070891号に記載されている。)。
【0052】
【表1】

【0053】
以下の表2〜6は、(1)参照化合物(遊離塩基)1、(2)化合物A(遊離塩基)、および(3)化合物Aの塩酸塩に対する、血管形成のラット角膜in vivoモデルにおいて得られた結果を記載している。VEGF誘発ラット角膜血管形成アッセイは、以下の手順に従い行われた。
【0054】
生存時の特徴:体重約250グラムの雌CDラットをそれぞれ6つの処置群のうちの1つに無作為に割り当てた。手術日に、イソフルランを使用してラットを一時的に麻酔した。角膜の中線に沿って縦切開を行い、ポケットを形成して間質の結合組織層を分離した。ポケットの頂点から角膜輪部までの距離は約1.8mmであった。予め浸漬したナイロンフィルタディスクをポケットの頂点に挿入した(対照処置群の場合、ウシ血清アルブミンを含有する緩衝液中にディスクを浸漬し、残りの処置群の場合、ウシ血清アルブミンおよび血管形成を誘発するためのヒトVEGFを含有する緩衝液中にディスクを浸漬した)。次いで、異なる処置群に対し、ビヒクル(Ora Plus(商標)、市販のビヒクル)、またはビヒクル中に配合された指定量の試験化合物のいずれかを、毎日投与した。
【0055】
試験終了および分析: 7日後、ラットを安楽死させ、Nikon SV−3 Ophthalmic Slit Lampを使用して、移植された角膜を撮影した。Metamorph画像分析システム(Universal Imaging)を使用して、デジタル画像から数値データを生成した。各角膜画像上で、(1)角膜輪部からのディスク配置距離、(2)ディスク配置距離の中点での垂直線に交差する血管の数、および(3)閾値化および自動化ピクセル計数により決定される血管面積の、3つの評価項目を分析した。血管の数は血管面積とよく相関していたため、この評価項目(血管数)のみを表に示す。
【0056】
統計分析:一元配置ANOVAを使用したStatView統計プログラム、次にFisherの最小有意差検定により結果を分析した。データは平均±標準誤差として表され、またP<0.05を有意とみなした。
【0057】
AUCおよびED50値は、当技術分野において周知の方法を使用して計算した。
【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
表2および3を検討すると、以下の2つの主要な点が認識され得る。
(1)化合物A(遊離塩基)は、0.16mpk対>0.3mpkという参照化合物1(遊離塩基)よりも顕著に低いED50を有する。
(2)同じ用量では、化合物A(遊離塩基)は、試験用量にわたり、参照化合物1(遊離塩基)において観察されるものよりも一貫して高い曝露を有する。この観察は、表7に示されるように、参照化合物1と比較してラットにおける化合物Aの優れた薬物動態プロファイルと相関する。
【0064】
表4〜6は、HCl塩として投与された場合の、ラット角膜血管形成アッセイにおける化合物Aの薬理活性を示す。化合物Aの塩酸塩に対する実験番号2におけるED50でのAUCの値(表5に示される。)が、化合物Aの塩酸塩に対し行われた他の2つの実験および遊離塩基に対し行われた実験から得られたデータと明らかに一致していないことが分かる。この相違の理由は不明であるが、実験番号2において得られた薬物動態データ(表5)が化合物Aの特性を代表するものであるとは考えられない。
【0065】
化合物AのHCl塩に対し行った他の2つの試験(すなわち表4および6)、ならびに化合物Aの遊離塩基に対し行った試験(表3)におけるED50での平均AUCを比較すると、表6に報告されているHCl塩の実験番号3から得られた値に類似している(313ng*hr/ml対338ng*hr/ml)。結果として、ラット角膜血管形成モデルにおける化合物Aの効用を示すものとして、実験番号3からのデータ(ED50=0.14mg/kg、ED50でのAUC=338ng*hr/ml)を使用する。
【0066】
表7は、参照化合物1および化合物Aの薬物動態プロファイルに関する追加の情報を提供する。この表に含まれるデータは、当技術分野において周知の方法を使用して得た。
【0067】
【表7】

【0068】
以下の表8〜14は、化合物Aを使用した様々なin vivo異種移植片腫瘍モデルにおいて得られた結果を示す。使用された手順は、当技術分野では周知である。概説すると、対象となる腫瘍細胞株を培養液中で展開し、採取し、5〜8週齢の雌ヌードマウス(CD1 nu/nu、Charles River Labs)(n=10)に皮下注射する。続いて、腫瘍細胞チャレンジから10日目〜28日目までの任意の時点で化合物の強制経口投与を開始し、実験期間中1日1回継続する。腫瘍成長の進行を三次元カリパス測定により追跡し、時間の関数として記録する。最初の統計分析は反復測定分散分析(RMANOVA)により行い、次いで複数の比較のためにScheffe事後試験を行う。ビヒクル単体(Ora−Plus(商標))を対照として使用した。
【0069】
【表8】

【0070】
【表9】

【0071】
【表10】

【0072】
【表11】

【0073】
【表12】

【0074】
【表13】

【0075】
【表14】

【0076】
以下の表15は、化合物Aがin vivo骨転移モデルにおいて試験された際に得られた結果を示す。データの生成に使用された手順は以下の通りである。
【0077】
材料および方法
MDA−231 Luc細胞(1×10)を、4〜6週齢の雌の無胸腺ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley)の心臓の左心室に注射した。全身の生体発光により肯定的な心臓内注射を確認し、マウスを群に無作為に割り当てた(n=10)。それぞれの群について、次の4種類の処置のうちの1つにより、0日目から処置を開始した:ビヒクルとしてOra−Plus経口1日1回、組み換えOPG(OPG−Fc)3.0mg/kg皮下を週3回、化合物A 30mg/kg経口を1日2回、および化合物A経口を1日1回。In vivo生体発光は、週2回IVIS−200画像化システム(Xenogen Corp.)により行った。画像化の15分前に、マウスに150mg/kgのルシフェリンを腹腔内投与した。後肢の大腿/脛骨領域を含む対象領域に対して、Living Imageソフトウェア(Xenogen Corp.)により画像を収集および分析した。
【0078】
【表15】

【0079】
適応
本発明の化合物は、血管形成関連疾患の予防または処置に有用であるが、これらに制限されない。本発明の化合物は、VEGFR/KDR阻害活性等のキナーゼ阻害活性を有する。本発明の化合物は、治療において抗新生物薬として、またはVEGFの有害効果を最小限化するために有用である。
【0080】
本発明の化合物は、膀胱癌、乳癌、直腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(小細胞肺癌を含む)、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、頸癌、甲状腺癌、前立腺癌よび皮膚癌(扁平上皮癌を含む)等の癌腫;リンパ系の造血器腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫を含む);骨髄細胞系列の造血器腫瘍(急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病);間葉性起源の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫、ならびにその他の肉腫、例えば軟組織および骨を含む);中枢および末梢神経系の腫瘍(星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫を含む);ならびにその他の腫瘍(黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderoma pigmentosum)、角化棘細胞腫(keratoctanthoma)、甲状腺濾胞癌およびカポジ肉腫を含む)を含むがこれらに制限されない、癌および転移を含む新生物の処置に有用である。
【0081】
好ましくは、化合物は、肺癌、直腸癌および乳癌から選択される新生物の処置に有用である。
【0082】
化合物はまた、眼科的病状、例えば角膜移植拒絶反応、眼球新血管形成、損傷後または感染後の血管形成を含む網膜血管形成、糖尿病性網膜症、水晶体後線維増殖症および血管新生緑内障;網膜虚血;硝子体出血;胃潰瘍等の潰瘍性疾患;小児血管腫(infantile hemaginoma)を含む血管腫、鼻咽頭の血管線維腫および骨の虚血壊死等の悪性ではない病態;ならびに子宮内膜症等の女性生殖器系の障害の処置に有用である。化合物はまた、浮腫、および血管透過性増大の状態の処置に有用である。
【0083】
本発明の化合物は、増殖性疾患の治療に有用である。これらの化合物は、炎症性リウマチまたはリウマチ性疾患、特に運動器官における兆候、例えば各種炎症性リウマチ性疾患、特に関節リウマチ、若年性関節炎もしくは関節症性乾癬を含む慢性多発性関節炎;腫瘍随伴症候群もしくは腫瘍誘発炎症性疾患、混濁性浸出、膠原病、例えば全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、皮膚筋炎、全身性強皮症もしくは混合膠原病;感染後関節炎(身体の罹患部位において、もしくはその中に見ることができる生きた病原体がない場合)、血清反応陰性脊椎関節炎、例えば強直性脊椎炎(spondylitis ankylosans);脈管炎、サルコイドーシスもしくは関節;またはさらにこれらの任意の組み合わせの処置に使用することができる。炎症関連疾患の例は、滑膜性炎症、例えば、特定の形態の滑膜炎のいずれか、特に滑液嚢滑膜炎および化膿性滑膜炎の形態のものを含む滑膜炎(ただし結晶誘発性ではない)である。例えば、当該滑膜性炎症は、疾患、例えば関節炎、例えば骨関節炎、関節リウマチまたは変形性関節炎を引き起こし得るかまたはそれらと関連し得る。本発明は、さらに、腱画および腱鞘の領域における関節または運動器官の炎症、例えば炎症性疾患または状態の全身的処置に適用可能である。例えば、当該炎症は、疾患を引き起こし得るかまたは疾患と関連し得、あるいはさらに(本発明のより広範な意味において)、例えば腱付着部障害(insertion endopathy)、筋筋膜症候群および腱筋炎(tendomyosis)等の特定の状態において、外科的介入と関連し得る。本発明は、さらに、皮膚筋炎および筋炎を含む結合組織の炎症、例えば炎症性疾患または状態の処置に特に適用可能である。
【0084】
これらの化合物は、関節炎、アテローム性動脈硬化、乾癬、血管腫、心筋血管形成、冠動脈および脳側副路(coronary and cerebral collaterals)、虚血性四肢血管形成、創傷治癒、消化性潰瘍ヘリコバクター関連疾患、骨折、猫ひっかき病、ルベオーシス、血管新生緑内障、および糖尿病性網膜症または黄斑変性症と関連したもの等の網膜症等の疾患状態に対する活性薬剤として使用することができる。さらに、これらの化合物のいくつかは、充実性腫瘍、悪性腹水、造血器癌および過剰増殖性障害、例えば甲状腺過形成(特にグレーブス病)、ならびに嚢胞(例えば卵巣支質の血管過剰増生、多嚢胞性卵巣症候群の特徴(スタイン−レーベンタール症候群))に対する活性薬剤として使用することができるが、これは当該疾患が成長および/または転移のためには血管細胞の増殖を必要とするためである。
【0085】
さらに、これらの化合物のいくつかは、熱傷、慢性肺疾患、脳梗塞、ポリープ、過敏症、慢性およびアレルギー性炎症、卵巣過剰刺激症候群、脳腫瘍関連脳浮腫、高所外傷または低酸素症誘発性脳浮腫または肺浮腫、眼球および黄斑浮腫、腹水、ならびに、血管透過性増大、浸出、滲出、タンパク質管外遊出、または浮腫が疾患の兆候であるその他の疾患に対する活性薬剤として使用することができる。化合物はまた、タンパク質管外遊出がフィブリンおよび細胞外基質の沈着をもたらし、間質増殖(例えば線維症、肝硬変および手根管症候群等)を促進する疾患の処置に有用である。
【0086】
本発明の化合物はまた、細菌性、真菌性、モーレン潰瘍および潰瘍性大腸炎の処置にも有用である。
【0087】
また、本発明の化合物は、望ましくない血管形成、浮腫、または間質沈着が、外傷、放射線、脳梗塞、子宮内膜症、卵巣過剰刺激症候群、全身性ループス、サルコイドーシス、滑膜炎、クローン病、鎌状赤血球貧血、ライム病、類天疱瘡、パジェット病、過粘稠度症候群、オスラー−ウェーバー−ランデュ病、慢性炎症、慢性閉塞性肺疾患、喘息、および炎症性リウマチまたはリウマチ性疾患の後に、単純ヘルペス、帯状ヘルペス、AIDS、カポジ肉腫、原虫感染症およびトキソプラズマ症等のウイルス感染において生じる状態の処置にも有用である。化合物はまた、皮下脂肪の低減および肥満の治療にも有用である。
【0088】
また、本発明の化合物は、網膜症および黄斑変性に加え、眼球および黄斑浮腫、眼球血管新生疾患、強膜炎、放射状角膜切除術、ブドウ膜炎、硝子体炎、近視、視窩、慢性網膜剥離、レーザー後の合併症、緑内障、結膜炎、シュタルガルト病およびイールス病等の眼症状の処置にも有用である。
【0089】
また、本発明の化合物は、充実性腫瘍、肉腫(特にユーイング肉腫および骨肉種)、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、神経芽細胞腫、白血病およびリンパ腫を含む造血器悪性腫瘍、腫瘍誘発性胸水または心外膜液、ならびに悪性腹水等の癌関連の適用症にも有用である。
【0090】
本明細書において使用される場合、本発明の化合物は、その薬学的に許容される誘導体を含む。
【0091】
化合物、塩等に対し複数形が使用される場合、単数の化合物、塩等もまた意味するとみなされる。
【0092】
定義
「血管形成」は、組織内かん流(tissue perfasion)に有益となる、既存の血管床の任意の改変、または新たな脈管構造の形成として定義される。これは、既存の血管からの内皮細胞の発生による新たな血管の形成、または、サイズ、成熟度、方向または流動性を改変して組織の血液かん流を改善する既存の血管の再形成を含む。
【0093】
「癌」および「癌性」という用語は、本明細書において使用される場合、典型的には無秩序な細胞成長により特徴付けられる哺乳動物における生理学的状態を指すかまたは説明する。癌の例には、癌腫、リンパ腫、肉腫、芽細胞腫および白血病が含まれるが、これらに制限されない。当該癌のより具体的な例には、扁平上皮細胞癌、肺癌、膵臓癌、子宮頸癌、膀胱癌、肝臓癌、乳癌、結腸癌、および頭頸部癌が含まれる。「処置する」、「処置」、および「治療」という用語は、本明細書において使用される場合、治癒的療法、予防的治療、および防止的治療を指す。
【0094】
「哺乳動物」という用語は、本明細書において使用される場合、ヒト、ウシ、ウマ、イヌおよびネコを含む哺乳動物として分類される任意の哺乳動物を指す。本発明の好ましい実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0095】
「処置」(または「処置する」)という用語は、治癒的処置および予防的処置(障害の発病の全体的な予防、または個体における障害の臨床的に明らかとなる前の段階の開始の遅延のいずれか)を含む。
【0096】
「治療上効果的」という語句は、典型的に代替療法と関連する副作用を回避しながら、各薬剤のみの処置において障害の重症度および発生頻度の改善の目標を達成する各薬剤の量を特定するように意図される。例えば、効果的な新生物治療薬剤は患者の生存性を延長し、新生物と関連して急速に増殖する細胞成長を阻害し、または新生物の退行を達成する。
【0097】
「ハロゲン」(または「ハロ」)という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。
【0098】
「アリール」という用語は、単独または組み合わせとして、1個または2個の環を含有する炭素環式芳香族系を意味し、当該環は融合するように互いに結合していてもよい。「アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、インデニル、テトラヒドロナフチル、およびインダニル等の芳香族基を包含する。より好ましくは、アリールはフェニルである。前記「アリール」基は、低級アルキル、ヒドロキシル、ハロ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、低級アルキルアミノ等の1個以上の置換基を有してもよい。−O−CH−O−で置換されたフェニルは、アリールベンゾジオキソリル置換基を形成する。
【0099】
「ヘテロアリール」という用語は、O、NおよびSの群から選択される1個または複数のヘテロ原子を含有するアリール基系を指し、環窒素および硫黄原子(複数可)は、任意選択で酸化され、窒素原子(複数可)は、任意選択で4級化されている。例には、1〜4個の窒素原子を含有する不飽和5〜6員ヘテロ単環式基、例えばピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル[例えば4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリル];酸素原子を含有する不飽和5〜6員ヘテロ単環式基、例えばピラニル、2−フリル、3−フリル等;硫黄原子を含有する不飽和5〜6員ヘテロ単環式基、例えば2−チエニル、3−チエニル等;1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和5〜6員ヘテロ単環式基、例えばオキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル[例えば1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル];1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和5〜6員ヘテロ単環式基、例えばチアゾリル、チアジアゾリル[例えば1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル]が含まれる。前記「ヘテロアリール」基は、低級アルキル、ヒドロキシル、ハロ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、低級アルキルアミノ等の1個以上の置換基を有してもよい。
【0100】
「含む」という用語は、非制限的となるように意図され、示された構成要素を含むがその他の要素を除外しない。
【0101】
「活性代謝産物」という用語は、本明細書において使用される場合、以下の化合物のいずれかを指す。
【0102】
【化14】

【0103】
本発明はまた、前述されたものを含む、急性または慢性の血管形成媒介疾患の状態の治療のための薬物の製造における、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を含む。本発明の化合物は、抗癌薬の製造において有用である。
【0104】
本発明は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、アジュバントまたは希釈剤とともに本発明の化合物の治療上効果的な量を含む、薬学的組成物を含む。
【0105】
本発明はまた、血管形成関連障害を有する、または罹患しやすい患者における当該障害を処置する方法を含み、方法は、本発明の化合物の治療上効果的な量で患者を処置するステップを含む。
【0106】
組み合わせ
本発明の化合物は、唯一の活性医薬品として投与することができるが、それはまた、1種以上の本発明の化合物または他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。組み合わせとして投与される場合、治療薬剤は、同時に、もしくは異なる時点で順次投与される別個の組成物として製剤化することができ、または、治療薬剤は、単一の組成物として与えることができる。
【0107】
「同時療法」(または「併用療法」)という語句は、本発明の化合物およびその他の医薬品の使用の定義において、混合薬の有益な効果を提供する投薬計画における各薬剤の順次的な投与を包含するよう意図され、また、固定比率のこれらの活性薬剤を有する単一のカプセル、または各薬剤の複数の別個のカプセル等としての、実質的に同時であるこれらの薬剤の同時投与を包含するように意図される。
【0108】
具体的には、本発明の化合物の投与は、例えば放射線治療または細胞増殖抑制剤もしくは細胞毒性剤等の、新生物の予防または処置における当業者に知られた追加の治療と併用されてもよい。
【0109】
固定用量として製剤化された場合、当該複合製品は、許容される用量範囲内で本発明の化合物を使用する。本発明の化合物はまた、複合製剤が不適切である場合、既知の抗癌薬または細胞毒性薬とともに順次的に投与することができる。本発明は投与の順番において制限されず、本発明の化合物は、既知の抗癌剤または細胞毒性薬の投与前、投与と同時、または投与後のいずれかに投与することができる。
【0110】
現在、原発腫瘍の標準的処置は、外科的切除に続く放射線またはIV投与化学療法からなる。典型的な化学療法の投薬計画は、DNAアルキル化剤、DNA挿入剤、CDK阻害剤、または微小管毒からなる。使用される化学療法の用量は、最大耐量のすぐ下であり、したがって用量規定毒性は、典型的には吐き気、嘔吐、下痢、脱毛、好中球減少等を含む。
【0111】
商業的使用、臨床的評価および臨床前開発において利用可能な抗新生物薬剤は数多くあり、これは複合薬化学療法による新生物の処置のために選択される。当該抗新生物薬剤は、いくつかの主要な区分、すなわち、抗生物質型薬剤、アルキル化薬剤、代謝拮抗薬剤、ホルモン剤、免疫薬、インターフェロン型薬剤および種々雑多な薬剤の区分に分類される。
【0112】
本発明の化合物と組み合わせて使用することができる抗新生物薬剤の第1のファミリーは、代謝拮抗型/チミジル酸合成酵素阻害抗新生物薬剤からなる。好適な代謝拮抗抗新生物薬剤は、5−FU−フィブリノゲン、アカンチ葉酸(acanthifolic acid)、アミノチアジアゾール、ブレキナルナトリウム(brequinar sodium)、カルモフール、Ciba−Geigy CGP−30694、シクロペンチルシトシン、シタラビンホスフェートステアレート、シタラビン複合体、Lilly DATHF、Merrel Dow DDFC、デザグアニン、ジデオキシシチジン、ジデオキシグアノシン、ジドックス(didox)、吉富DMDC、ドキシフルリジン、Wellcome EHNA、Merck & Co. EX−015、ファザラビン、フロクスウリジン、フルダラビンホスフェート、5−フルオロウラシル、N−(2’−フラニジル)−5−フルオロウラシル、第一製薬FO−152、イソプロピルピロリジン、Lilly LY−188011、Lilly LY−264618、メトベンザプリム(methobenzaprim)、メトトレキセート、Wellcome MZPES、ノルスペルミジン、NCI NSC−127716、NCI NSC−264880、NCI NSC−39661、NCI NSC−612567、Warner−Lambert PALA、ペントスタチン、ピリトレキシム、プリカマイシン、旭化学PL−AC、武田TAC−788、チオグアニン、チアゾフリン、Erbamont TIF、トリメトレキセート、チロシンキナーゼ阻害剤、大鵬UFTおよびウリシチン(uricytin)からなる群から選択され得るが、これらに制限されない。
【0113】
本発明の化合物と組み合わせて使用することができる抗新生物薬剤の第2のファミリーは、アルキル化型抗新生物薬剤からなる。好適なアルキル化型抗新生物薬剤は、塩野義254−S、アルド−ホスファミド類似体、アルトレタミン、アナキシロン、Boehringer Mannheim BBR−2207、ベストラブシル、ブドチタン、湧永CA−102、カルボプラチン、カルムスチン、Chinoin−139、Chinoin−153、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、American Cyanamid CL−286558、Sanofi CY−233、シプラテート(cyplatate)、Degussa D−19−384、住友DACHP(Myr)2、ジフェニルスピロムスチン、二白金細胞増殖抑制剤、Erbaジスタマイシン誘導体、中外DWA−2114R、ITI E09、エルムスチン、Erbamont FCE−24517、リン酸エストラムスチンナトリウム、フォテムスチン、Unimed G−6−M、Chinoin GYKI−17230、ヘプスル−ファム(hepsul−fam)、イホスファミド、イプロプラチン、ロムスチン、マホスファミド、ミトラクトール、日本化薬NK−121、NCI NSC−264395、NCI NSC−342215、オキサリプラチン、Upjohn PCNU、プレドニムスチン、Proter PTT−119、ラニムスチン、セムスチン、SmithKline SK&F−101772、ヤクルト本社SN−22、スピロムスチン(spiromus−tine)、田辺製薬TA−077、タウロムスチン、テモゾロミド、テロキシロン、テトラプラチンおよびトリメラモール(trimelaモル)からなる群から選択され得るが、これらに制限されない。
【0114】
本発明の化合物と組み合わせて使用することができる抗新生物薬剤の第3のファミリーは、抗生物質型抗新生物薬剤からなる。好適な抗生物質型抗新生物薬剤は、大鵬4181−A、アクラルビシン、アクチノマイシンD、アクチノプラノン(actinoplanone)、Erbamont ADR−456、アエロプリシニン(aeroplysinin)誘導体、味の素AN−201−II、味の素AN−3、日本曹達アニソマイシン、アントラサイクリン、アジノマイシン−A(azino−mycin−A)、ビスカベリン(bisucaberin)、Bristol−Myers BL−6859、Bristol−Myers BMY−25067、Bristol−Myers BMY−25551、Bristol−Myers BMY−26605、Bristol−Myers BMY−27557、Bristol−Myers BMY−28438、硫酸ブレオマイシン、ブリオスタチン−1、大鵬C−1027、カリケマイシン(calichemycin)、クロモキシマイシン(chromoximycin)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、協和発酵DC−102、協和発酵DC−79、協和発酵DC−88A、協和発酵DC89−A1、協和発酵DC92−B、ジトリサルビシンB(ditrisarubicin B)、塩野義DOB−41、ドキソルビシン、ドキソルビシン−フィブリノゲン、エルサミシン−A(elsamicin−A)、エピルビシン、エルブスタチン、エソルビシン、エスペラマイシン−A1、エスペラマイシン−Alb、Erbamont FCE−21954、藤沢FK−973、ホストリエシン、藤沢FR−900482、グリドバクチン、グレガチン−A、グリンカマイシン(grincamycin)、ハービマイシン、イダルビシン、イルジン、カズサマイシン、ケサリホージン(kesarirhodins)、協和発酵KM−5539、キリンビールKRN−8602、協和発酵KT−5432、協和発酵KT−5594、協和発酵KT−6149、American Cyanamid LL−D49194、明治製菓ME 2303、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、SmithKline M−TAG、ネオネクチン、日本化薬NK−313、日本化薬NKT−01、SRI International NSC−357704、オキサリシン、オキサウノマイシン、ペプロマイシン、ピラチン、ピラルビシン、ポロスラマイシン(porothramycin)、ピリンダマイシンA、Tobishi RA−I、ラパマイシン、リゾキシン、ロドルビシン、シバノマイシン(sibanomicin)、シウェンマイシン、住友SM−5887、雪印SN−706、雪印SN−07、ソランギシン−A(sorangicin−A)、スパルソマイシン、エスエス製薬SS−21020、エスエス製薬SS−7313B、エスエス製薬SS−9816B、ステフィマイシンB、大鵬4181−2、タリソマイシン、武田TAN−868A、テルペンテシン、ソラジン、トリクロザリンA(tricrozarin A)、Upjohn U−73975、協和発酵UCN−10028A、藤沢WF−3405、吉富Y−25024およびゾルビシンからなる群から選択され得るが、これらに制限されない。
【0115】
本発明の化合物と組み合わせて使用することができる抗新生物薬剤の第4のファミリーは、チューブリン相互作用薬剤、トポイソメラーゼII阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤およびホルモン剤を含む抗新生物薬剤の種々雑多なファミリーからなり、a−カロテン、a−ジフルオロメチル−アルギニン、アシトレチン、Biotec AD−5、杏林AHC−52、アルストニン、アモナフィド、アンフェチニル、アムサクリン、アンジオスタット(Angiostat)、アンキノマイシン、アンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンA2、アンチネオプラストンA3、アンチネオプラストンA5、アンチネオプラストンAS2−1、Henkel APD、アフィジコリングリシネート(aphidicolin glycinate)、アスパラギナーゼ、Avarol、バッカリン、バトラシリン、ベンフルロン、ベンゾトリプト、Ipsen−Beaufour BIM−23015、ビサントレン、Bristol−Myers BMY−40481、Vestarボロン−10、ブロモホスファミド、Wellcome BW−502、Wellcome BW−773、カラセミド、カルメチゾール塩酸塩、味の素CDAF、クロルスルファキノキサロン、Chemes CHX−2053、Chemex CHX−100、Warner−Lambert CI−921、Warner−Lambert CI−937、Warner−Lambert CI−941、Warner−Lambert CI−958、クランフェナー(clanfenur)、クラビリデノン、ICN化合物1259、ICN化合物4711、Contracan、ヤクルト本社CPT−11、クリスナトール、キュラダーム(curaderm)、サイトカラシンB、シタラビン、シトシチン、Merz D−609、DABISマレエート、ダカルバジン、ダテリプチニウム(datelliptinium)、ジデムニン−B、ジヘマトポルフィリンエーテル、ジヒドロレンペロン、ジナリン、ジスタマイシン、東洋ファルマーDM−341、東洋ファルマーDM−75、第一製薬DN−9693、ドセタキセルエリプラビン、酢酸エリプチニウム、ツムラEPMTC、エポチロン、エルゴタミン、エトポシド、エトレチナート、フェンレチニド、藤沢FR−57704、硝酸ガリウム、ゲンクアダフニン(genkwadaphnin)、中外GLA−43、Glaxo GR−63178、グリホランNMF−5N、ヘキサデシルホスホコリン、Green Cross HO−221、ホモハリングトニン、ヒドロキシウレア、BTG ICRF−187、イルモホシン、イソグルタミン、イソトレチノイン、大塚JI−36、Ramot K−477、大塚K−76COONa、呉羽化学K−AM、MECT Corp KI−8110、American Cyanamid L−623、ロイコレグリン(leukoregulin)、イオニダミン(lonidamine)、Lundbeck LU−23−112、Lilly LY−186641、NCI (US) MAP、マリシン(marycin)、Merrel Dow MDL−27048、Medco MEDR−340、メルバロン(merbarone)、メロシアニン(merocyanlne)誘導体、メチルアニリノアクリジン、Molecular Genetics MGI−136、ミナクチビン(minactivin)、ミトナフィド、ミトキドン、モピダモール、モトレチニド、全薬工業MST−16、N−(レチノイル)アミノ酸、日清製粉N−021、N−アシル化デヒドロアラニン、ナファザトロム、大正NCU−190、ノコダゾール誘導体、Normosang、NCI NSC−145813、NCI NSC−361456、NCI NSC−604782、NCI NSC−95580、オクトレオチド(ocreotide)、小野ONO−112、オキザノシン(oquizanocine)、Akzo Org−10172、パクリタキセル、パンクラチスタチン、パゼリプチン、Warner−Lambert PD−111707、Warner−Lambert PD−115934、Warner−Lambert PD−131141、Pierre Fabre PE−1001、ICRTペプチドD、ピロキサントロン、ポリヘマトポルフィリン、ポリプレイン酸、Efamolポルフィリン、プロビマン、プロカルバジン、プログルミド、Invitronプロテアーゼ ネクシンI、Tobishi RA−700、ラゾキサン、サッポロビールRBS、レストリクチン−P、レテリプチン、レチノイン酸、Rhone−Poulenc RP−49532、Rhone−Poulenc RP−56976、SmithKline SK&F−104864、住友SM−108、Kuraray SMANCS、SeaPharm SP−10094、スパトール、スピロシクロプロパン誘導体、スピロゲルマニウム、Unimed、エスエス製薬SS−554、ストリポルジノン(strypoldinone)、Stypoldione、サントリーSUN 0237、サントリーSUN 2071、スーパーオキシドジスムターゼ、富山T−506、富山T−680、タキソール、帝人TEI−0303、テニポシド、サリブラスチン、Eastman Kodak TJB−29、トコトリエノール、トポテカン、Topostin、帝人TT−82、協和発酵UCN−01、協和発酵UCN−1028、ウクライン、Eastman Kodak USB−006、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビネストラミド(vinestramide)、ビノレルビン、ビントリプトール、ビンゾリジン、ウィタノリドおよび山之内YM−534からなる群から選択されるが、これらに制限されない。
【0116】
代替として、本発明の化合物はまた、エースマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、ANCER、アンセスチム、ARGLABIN、三酸化ヒ素、BAM002(Novelos)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロクスウリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリクス、クラドリビン、クロトリマゾール、シタラビン、オクホスファート、DA3030(Dong−A)、ダクリズマブ、デニロイキンジフチトクス、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジラゼプ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HITジクロフェナク、インターフェロンアルファ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エミテフル、エピルビシン、エポエチンベータ、リン酸エトポシド、エキセメスタン、エクシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、リン酸フルダラビン、ホルメスタン、フォテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツズマブゾガマイシン、ギメラシル/オテラシル/テガフールの組み合わせ、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児アルファフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン、(イミキモド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ、天然型、インターフェロンアルファ−2、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−N1、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンアルファ、天然型、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ−1a、インターフェロンベータ−1b、インターフェロンガンマ、天然型インターフェロンガンマ−1a、インターフェロンガンマ−1b、インターロイキン−1ベータ、イオベングアン(iobenguane)、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC9018(ヤクルト)、レフルノミド、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レトロゾール、白血球アルファインターフェロン、リュープロレリン、レバミゾール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラルソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスチム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規赤血球生成促進タンパク質、NSC631570オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペガスパルガーゼ、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペントサンポリ硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ピシバニール、ピラルビシン、ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンアルファ−2a、ポルフィマーナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリカーゼ、レニウムRe186エチドロネート、RIIレチナミド、リツキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、ストロンチウム−89クロリド、スラミン、タソネルミン、タザロテン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、サリドマイド、サイマルファシン、サイロトロピンアルファ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ−ヨウ素131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキサート、トリプトレリン、腫瘍壊死因子アルファ、天然型、ウベニメクス、膀胱癌ワクチン、丸山ワクチン、黒色腫溶解物ワクチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、VIRULIZIN、ジノスタチンスチマラマーまたはゾレドロン酸;アバレリックス;AE941(Aeterna)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl−2(Genta)、APC8015(Dendreon)、セツキシマブ、デシタビン、デキサミノグルテチミド、ジアジクオン、EL532(Elan)、EM800(Endorecherche)、エニルウラシル、エタニダゾール、フェンレチニド、フィルグラスチムSD01(Amgen)、フルベストラント、ガロシタビン、ガストリン17イムノゲン、HLA−B7遺伝子療法(Vical)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、イブリツモマブチウキセタン、イロマスタット、IM862(Cytran)、インターロイキン−2、イプロキシフェン、LDI200(Milkhaus)、レリジスチム、リンツズマブ、CA125 MAb(Biomira)、癌MAb(日本薬品開発)、HER−2およびFc MAb(Medarex)、イディオタイプ105AD7 MAb(CRC Technology)、イディオタイプCEA MAb(Trilex)、LYM−1−ヨウ素131 MAb(Techniclone)、多形上皮性ムチン−イットリウム90 MAb(Antisoma)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィンガドリニウム、MX6(Galderma)、ネララビン、ノラトレキセド、P30タンパク質、ペグビソマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL0903(Shire)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルホス酸、SRL172(SR Pharma)、SU5416(SUGEN)、TA077(田辺)、テトラチオモリブデート、タリブラスチン、トロンボポエチン、エチルエチオプルプリンスズ、チラパザミン、癌ワクチン(Biomira)、黒色腫ワクチン(New York University)、黒色腫ワクチン(Sloan Kettering Institute)、黒色腫腫瘍崩壊産物ワクチン(New York Medical College)、ウイルス黒色腫細胞溶解物ワクチン(Royal Newcastle Hospital)、またはバルスポダール等の、他の抗新生物薬剤との同時療法において使用され得る。
【0117】
代替として、本発明の化合物はまた、以下を含むVEGFR阻害薬との同時療法においても使用することができる。
N−(4−クロロフェニル)−4−(4−ピリジニルメチル)−1−フタラジンアミン、
4−[4−[[[[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]カルボニル]アミノ]フェノキシ]−N−メチル−2−ピリジンカルボキサミド、
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−5−[(5−フルオロ−1,2−ジヒドロ−2−オキソ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド、
3−[(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)メトキシ]−5−[[[[4−(1−ピロリジニル)ブチル]アミノ]カルボニル]アミノ]−4−イソチアゾールカルボキサミド、
N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メトキシ]−4−キナゾリンアミン、
3−[5,6,7,13−テトラヒドロ−9−[(1−メチルエトキシ)メチル]−5−オキソ−12H−インデノ[2,1−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−12−イル]プロピルエステルN,N−ジメチル−グリシン、
N−[5−[[[5−(1,1−ジメチルエチル)−2−オキサゾリル]メチル]チオ]−2−チアゾリル]−4−ピペリジンカルボキサミド、
N−[3−クロロ−4−[(3−フルオロフェニル)メトキシ]フェニル]−6−[5−[[[2−(メチルスルホニル)エチル]アミノ]メチル]−2−フラニル]−4−キナゾリンアミン
4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−フェニル]ベンズアミド
N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシ]−4−キナゾリンアミン
N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン
N−(3−((((2R)−1−メチル−2−ピロリジニル)メチル)オキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−((3−(1,3−オキサゾール−5−イル)フェニル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
2−(((4−フルオロフェニル)メチル)アミノ)−N−(3−((((2R)−1−メチル−2−ピロリジニル)メチル)オキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−[3−(アゼチジン−3−イルメトキシ)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−2−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ニコチンアミド.
6−フルオロ−N−(4−(1−メチルエチル)フェニル)−2−((4−ピリジニルメチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
2−((4−ピリジニルメチル)アミノ)−N−(3−(((2S)−2−ピロリジニルメチル)オキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(3−(1,1−ジメチルエチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−2−((4−ピリジニルメチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−6−イル)−2−((4−ピリジニルメチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(3−((((2S)−1−メチル−2−ピロリジニル)メチル)オキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−((4−ピリジニルメチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
2−((4−ピリジニルメチル)アミノ)−N−(3−((2−(1−ピロリジニル)エチル)オキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル)−2−((4−ピリジニルメチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(4−(ペンタフルオロエチル)−3−(((2S)−2−ピロリジニルメチル)オキシ)フェニル)−2−((4−ピリジニルメチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(3−((3−アゼチジニルメチル)オキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−((4−ピリジニルメチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(3−(4−ピペリジニルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−((2−(3−ピリジニル)エチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(4,4−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−2−(1H−インダゾール−6−イルアミノ)−ニコチンアミド、
2−(1H−インダゾール−6−イルアミノ)−N−[3−(1−メチルピロリジン−2−イルメトキシ)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−ニコチンアミド、
N−[1−(2−ジメチルアミノ−アセチル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル]−2−(1H−インダゾール−6−イルアミノ)−ニコチンアミド、
2−(1H−インダゾール−6−イルアミノ)−N−[3−(ピロリジン−2−イルメトキシ)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−ニコチンアミド、
N−(1−アセチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル)−2−(1H−インダゾール−6−イルアミノ)−ニコチンアミド、
N−(4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−2−(1H−インダゾール−6−イルアミノ)−ニコチンアミド、
N−[4−(tert−ブチル)−3−(3−ピペリジルプロピル)フェニル][2−(1H−インダゾール−6−イルアミノ)(3−ピリジル)]カルボキサミド、
N−[5−(tert−ブチル)イソオキサゾール−3−イル][2−(1H−インダゾール−6−イルアミノ)(3−ピリジル)]カルボキサミド、および
N−[4−(tert−ブチル)フェニル][2−(1H−インダゾール−6−イルアミノ)(3−ピリジル)]カルボキサミド。
【0118】
以下の特許および特許出願に記載のその他の化合物も併用療法において使用することができる:US6,258,812、US2003/0105091、WO01/37820、US6,235,764、WO01/32651、US6,630,500、US6,515,004、US6,713,485、US5,521,184、US5,770,599、US5,747,498、WO02/68406、WO02/66470、WO02/55501、WO04/05279、WO04/07481、WO04/07458、WO04/09784、WO02/59110、WO99/45009、WO00/59509、WO99/61422、US5,990,141、WO00/12089およびWO00/02871。
【0119】
いくつかの実施形態において、組み合わせは、少なくとも1種の抗血管形成薬剤と組み合わせた本発明の組成物を含む。薬剤は、in vitroで合成的に調製された化学組成物、抗体、抗原結合領域、放射性各種、およびこれらの組み合わせおよび複合体を含むが、これらに制限されない。薬剤は、作動薬、拮抗薬、アロステリック調節因子、トキシンであってもよく、またはより一般的には、その標的を阻害または刺激するように作用し、それにより細胞死を促進または細胞成長を停止させることができる。
【0120】
例示的な抗腫瘍薬剤は、乳癌または他の形態の癌を処置するために使用することができるHERCEPTIN(商標)(トラスツズマブ)、ならびに、非ホジキンリンパ腫および他の形態の癌を処置するために使用することができるRITUXAN(商標)(リツキシマブ)、ZEVALIN(商標)(イブリツモマブチウキセタン)、およびLYMPHOCIDE(商標)(エプラツズマブ)、慢性骨髄性白血病および消化管間質腫瘍を処置するために使用することができるGLEEVAC(商標)、ならびに非ホジキンリンパ腫の処置に使用することができるBEXXAR(商標)(ヨウ素131トシツモマブ)を含む。
【0121】
例示的な抗血管形成薬剤は、KDR(キナーゼドメイン受容体)阻害薬剤(例えば、キナーゼドメイン受容体に特異的に結合する抗体および抗原結合領域)、抗VEGF薬剤(例えば、VEGF、または可溶性VEGF受容体もしくはそのリガンド結合領域に特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、例えばAVASTIN(商標)またはVEGF−TRAP(商標)、および抗VEGF受容体薬剤(例えば、VEGF受容体に特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、EGFR阻害薬剤(例えば、EGFRに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、例えばERBITUX(商標)(IMC−C225)およびVECTIBIX(商標)(パニツムマブ)IRESSA(商標)(ゲフィチニブ)、TARCEVA(商標)(エルロチニブ)、抗Ang1および抗Ang2薬剤(例えば、Ang1およびAng2またはそれらの受容体に特異的に結合する抗体または抗原結合領域、例えばTie2/Tek)、ならびに抗Tie2キナーゼ阻害薬剤を含む。また、本発明の薬学的組成物は、肝細胞成長因子(HGF、散乱因子とも呼ばれる。)等の成長因子に特異的に結合しその活性を阻害する1つ以上の薬剤(例えば、抗体、抗原結合領域、または可溶性受容体)、およびその受容体「c−Met」に特異的に結合する抗体または抗原結合領域、さらにc−Metキナーゼ活性の小分子阻害剤も含み得る。
【0122】
他の抗血管形成薬剤は、Campath、IL−8、B−FGF、Tek拮抗薬(Cerettiら、米国公開第2003/0162712号;米国特許第6,413,932号)、抗TWEAK薬剤(例えば、特異的に結合する抗体もしくは抗原結合領域、または可溶性TWEAK受容体拮抗薬;Wiley、米国特許第6,727,225号を参照)、インテグリンのそのリガンドへの結合に拮抗するADAMディスインテグリン(distintegrin)ドメイン(Fanslowら、米国公開2002/0042368)、特異的に結合する抗eph受容体および/または抗エフリン抗体また抗原結合領域(米国特許第5,981,245号;第5,728,813号;第5,969,110号;第6,596,852号;第6,232,447号;第6,057,124号およびそれらの特許ファミリーメンバー)、ならびに抗−PDGF−BB拮抗薬(例えば、特異的に結合する抗体または抗原結合領域)およびPDGF−BBリガンドに特異的に結合する抗体または抗原結合領域、ならびにPDGFRキナーゼ阻害薬剤(例えば、PDGFRキナーゼに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)を含む。
【0123】
さらなる抗血管形成/抗腫瘍薬剤は、SD−7784(Pfizer、USA);シレンギチド(Merck KGaA、Germany、EPO770622);ペガプタニブ八ナトリウム、(Gilead Sciences、USA);Alphastatin、(BioActa、UK);M−PGA、(Celgene、USA、US5712291);イロマスタット、(Arriva、USA、US5892112);エマキサニブ、(Pfizer、USA、US5792783);バタラニブ、(Novartis、Switzerland);2−メトキシエストラジオール、(EntreMed、USA);TLC ELL−12、(Elan、Ireland);酢酸アネコルタブ、(Alcon、USA);アルファ−D148 Mab、(Amgen、USA);CEP−7055,(Cephalon、USA);抗Vn Mab、(Crucell、Netherlands) DAC:抗血管形成剤、(ConjuChem、Canada);Angiocidin、(InKine Pharmaceutical、USA);KM−2550、(協和発酵、日本);SU−0879、(Pfizer、USA);CGP−79787、(Novartis、Switzerland、EP970070);ARGENTテクノロジー、(Ariad、USA);YIGSR−Stealth、(Johnson&Johnson、USA);フィブリノゲン−Eフラグメント、(BioActa、UK);血管形成阻害剤、(Trigen、UK);TBC−1635、(Encysive Pharmaceuticals、USA);SC−236、(Pfizer、USA);ABT−567、(Abbott、USA);Metastatin、(EntreMed、USA);血管形成阻害剤、(Tripep、Sweden);マスピン、(そーせい、日本);2−メトキシエストラジオール、(Oncology Sciences Corporation、USA);ER−68203−00、(IVAX、USA);Benefin、(Lane Labs、USA);Tz−93、(ツムラ、日本);TAN−1120、(武田、日本);FR−111142、(藤沢、日本、JP02233610);血小板因子4、(RepliGen、USA、EP407122);血管内皮成長因子拮抗薬、(Borean、Denmark);癌治療、(University of South Carolina、USA);ベバシズマブ(pINN)、(Genentech、USA);血管形成阻害剤、(SUGEN、USA);XL784、(Exelixis、USA);XL647、(Exelixis、USA);MAb、α5β3インテグリン、第2世代、(Applied Molecular Evolution、USA and MedImmune、USA);遺伝子治療、網膜症、(Oxford BioMedica、UK);塩酸エンザスタウリン(USAN)、(Lilly、USA);CEP7055、(Cephalon、USAおよびSanofi−Synthelabo、France);BC1、(Genoa Institute of Cancer Research、Italy);血管形成阻害剤、(Alchemia、Australia);VEGF拮抗薬、(Regeneron、USA);rBPI21およびBPI起源抗血管形成剤、(XOMA、USA);PI88、(Progen、Australia);シレンジタイド(pINN)、(Merck KGaA、German;Munich Technical University、Germany、Scripps Clinic and Research Foundation、USA);セツキシマブ(INN)、(Aventis、France);AVE8062、(味の素、日本);AS1404、(Cancer Research Laboratory、New Zealand);SG292、(Telios、USA);Endostatin、(Boston Childrens Hospital、USA);ATN161、(Attenuon、USA);ANGIOSTATIN、(Boston Childrens Hospital、USA);2−メトキシエストラジオール、(Boston Childrens Hospital、USA);ZD6474、(AstraZeneca、UK);ZD6126、(Angiogene Pharmaceuticals、UK);PPI2458、(Praecis、USA);AZD9935、(AstraZeneca、UK);AZD2171、(AstraZeneca、UK);バタラニブ(pINN)、(Novartis、SwitzerlandおよびSchering AG、Germany);組織因子経路阻害剤、(EntreMed、USA);ペガプタニブ(Pinn)、(Gilead Sciences、USA);キサントリゾール、(Yonsei University、South Korea);ワクチン、遺伝子系、VEGF−2、(Scripps Clinic and Research Foundation、USA);SPV5.2、(Supratek、Canada);SDX103、(University of California at San Diego、USA);PX478、(ProlX、USA);METASTATIN、(EntreMed、USA);トロポニンI、(Harvard University、USA);SU6668、(SUGEN、USA);OXI4503、(OXiGENE、USA);o−グアニジン、(Dimensional Pharmaceuticals、USA);モツポラミンC、(British Columbia University、Canada);CDP791、(Celltech Group、UK);アチプリモド(pINN)、(GlaxoSmithKline、UK);E 7820、(エーザイ、日本);CYC381、(Harvard University、USA);AE941、(Aeterna、Canada);ワクチン、血管形成、(EntreMed、USA);ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子阻害剤、(Dendreon、USA);オグルファニド(pINN)、(Melmotte、USA);HIF−1α阻害剤、(Xenova、UK);CEP5214、(Cephalon、USA);BAYRES2622、(Bayer、Germany);Angiocidin、(InKine、USA);A6、(Angstrom、USA);KR31372、(Korea Research Institute of Chemical Technology、South Korea);GW2286、(GlaxoSmithKline、UK);EHT0101、(ExonHit、France);CP868596、(Pfizer、USA);CP564959、(OSI、USA);CP547632、(Pfizer、USA);786034、(GlaxoSmithKline、UK);KRN633、(キリンビール、日本);薬物送達システム、眼球内、2−メトキシエストラジオール、(EntreMed、USA);アンジネックス、(Maastricht University、Netherlands、and Minnesota University、USA);ABT 510、(Abbott、USA);AAL993、(Novartis、Switzerland);VEGI、(ProteomTech、USA);腫瘍壊死因子アルファ阻害剤、(National Institute on Aging、USA);SU11248、(Pfizer、USA and SUGEN USA);ABT518、(Abbott、USA);YH16、(Yantai Rongchang、China);S−3APG、(Boston Childrens Hospital、USAおよびEntreMed、USA);MAb、KDR、(ImClone Systems、USA);MAb、α5β1、(Protein Design、USA);KDRキナーゼ阻害剤、(Celltech Group、UKおよびJohnson&Johnson、USA);GFB116、(South Florida University、USAおよびYale University、USA);CS706、(三共、日本);コンブレタスタチンA4プロドラッグ、(Arizona State University、USA);コンドロイチナーゼAC、(IBEX、Canada);BAYRES2690、(Bayer、Germany);AGM1470、(Harvard University、USA、武田、日本およびTAP、USA);AG13925、(Agouron、USA);Tetrathiomolybdate、(University of Michigan、USA);GCS100、(Wayne State University、USA)CV247、(Ivy Medical、UK);CKD732、(Chong Kun Dang、South Korea);MAb、血管内皮成長因子、(Xenova、UK);イルソグラジン(INN)、(日本新薬、日本);RG 13577、(Aventis、France);WX360、(Wilex、Germany);スクアラミン(pINN)、(Genaera、USA);RPI4610、(Sirna、USA);癌治療、(Marinova、Australia);ヘパラナーゼ阻害剤、(InSight、Israel);KL3106、(Kolon、South Korea);Honokiol、(Emory University、USA);ZK CDK、(Schering AG、Germany);ZK Angio、(Schering AG、Germany);ZK229561、(Novartis、SwitzerlandおよびSchering AG、Germany);XMP300、(XOMA、USA);VGA1102、(大正、日本);VEGF受容体調節因子、(Pharmacopeia、USA);VE−カドヘリン−2拮抗薬、(ImClone Systems、USA);Vasostatin、(National Institutes of Health、USA);ワクチン、Flk−1、(ImClone Systems、USA);TZ93、(ツムラ、日本);TumStatin、(Beth Israel Hospital、USA); 切断された可溶性FLT1(血管内皮成長因子受容体1)、(Merck&Co、USA);Tie−2リガンド、(Regeneron、USA);ならびに、トロンボスポンジン1阻害剤、(Allegheny Health、Education and Research Foundation、USA)を含む。
【0124】
代替として、本発明の化合物はまた、VEGF拮抗薬、p38阻害剤を含むその他のキナーゼ阻害剤、KDR阻害剤、EGF阻害剤(例えばパニツムマブ)、CDK阻害剤、TNF阻害剤、メタロマトリックスプロテアーゼ阻害剤(MMP)、セレコキシブを含むCOX−2阻害剤、NSAID’s、ab阻害剤、ホスファチジルイノシトール(phosphatidylinitisol)3−キナーゼ阻害剤、AKT/PCK 阻害剤、プロテアソーム阻害剤(例えばVelcade(商標))、Trail受容体作動薬(例えばAMG 655)、Trail(例えばAMG951)、XIAP阻害剤、BCI2阻害剤、Auroraキナーゼ阻害剤、Rafキナーゼ阻害剤、ユビキチンリガーゼ阻害剤、HGF阻害剤(例えばAMG102)、およびc−Met阻害剤(例えばWO06/116713および米国逐次番号11/879,034に記載の化合物等)の、他の抗新生物薬剤との同時療法において使用され得る。
【0125】
また、それらの薬学的に許容される塩および溶媒和も本発明の化合物のファミリーに含まれる。「薬学的に許容される塩」という用語は、アルカリ金属塩を形成するために、および遊離酸または遊離塩基の付加塩を形成するために一般に使用される塩を包含する。薬学的に許容される限り、塩の性質は重大ではない。本発明の化合物の好適な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。当該無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸およびリン酸である。適切な有機酸は、有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、ヘテロ環式、カルボン酸およびスルホン酸のクラスから選択することができ、その例は、ギ酸、酢酸、アジピン酸、酪酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、ジグルコン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ドデシルスルホン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ニコチン酸、2−ナフタレンスルホン酸、シュウ酸、パルモ(palmoic)酸、ペクチン酸、過硫酸、2−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、プロピオン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、メシル酸、ウンデカン酸、ステアリン酸、アルゲン(algenic)酸、b−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸である。本発明の化合物の好適な薬学的に許容される塩基付加塩は、金属塩、例えばアルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から作製される塩、または、1級、2級および3級アミン、環式アミンを含む置換アミン、例えばカフェイン、アルギニン、ジエチルアミン、N−エチルピペリジン、ヒスチジン(aistidine)、グルカミン、イソプロピルアミン、リシン、モルホリン、N−エチルモルホリン、ピペラジン、ピペリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン等を含む有機塩基から作製される塩を含む。これらの塩のすべては、従来の手段を用いて、例えば適切な酸または塩基を本発明の化合物と反応させることにより、本発明の対応する化合物から調製することができる。同じ分子内に塩基性基および酸性基が存在する場合、本発明の化合物はまた分子内塩を形成し得る。
【0126】
一般的合成手順
本発明の化合物は、以下の手順に従い合成することができる。
【0127】
本明細書全体を通して、以下の略称が使用される。
BH − ボラン
EtOAc − 酢酸エチル
HCl − 塩酸
KOt−Bu − カリウムブトキシド
MeOH、CHOH − メタノール
NMP − N−メチルピロリジノンまたは(1−メチル−2−ピロリジノン)
CO − 炭酸カリウム
Tol − トルエン
【実施例1】
【0128】
【化15】

7−((6,7−ビス(メチルオキシ)−4−キノリニル)オキシ)−N−(5−メチル−3−イソオキサゾリル)−2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−4−カルボキサミド
【0129】
標題の化合物を以下に説明するように合成した。
【0130】
【化16】

【0131】
7−ヒドロキシ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン(2)
CO(250g、1.8モル、4等量)を、3L丸底フラスコ内で水(1100mL)に溶解し、3回真空脱気し、次いで0〜5°℃に冷却した。4−アミノレゾルシノールHCl(73g、0.45モル、1等量)を強い窒素パージ下に添加し、青色溶液を再び3回脱気した。クロロアセチルクロリド(45mL、64g、0.57モル、1.25等量)をトルエン(225mL)に溶解し、温度を5℃未満に維持しながら1時間かけて添加した。氷浴を取り外し、混合物(懸濁した結晶性生成物の二相性)を一晩撹拌した。次いで中間体2を濾過により単離し、水洗(550mL)および乾燥後に53g(71%)を得た。
【0132】
3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−オール塩酸塩(3)
2L丸底フラスコに、7−ヒドロキシ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン(2)(30.5g、185mモル)および無水THF(90mL)をN下で投入した。懸濁液を5°℃に冷却し、ボラン−THF錯体(THF中1M、480ml、480mモル、2.6当量)を、生成したHを除去するためにN気流下で40分かけて添加した。添加が完了したら(T=15°℃)、無色となった溶液を氷浴から取り出し、周囲温度まで温めた。一晩撹拌後、一定量をMeOHで反応停止してHPLCで分析した。
【0133】
気流下でMeOH(80mL)を徐々に(1時間)添加することで、溶液を反応停止した。次いで混合物を周囲温度で6時間撹拌し、ボレート錯体を生成物とトリメチルボランに完全に分解させた。
得られた溶液をロータリーエバポレーションにより濃縮し、メタノールで洗浄し、淡黄色の残留物をMeOH(80mL)に溶解した。次いで溶液をN下で氷浴中で冷却し、HCl溶液(EtO中1M、200mL、200mモル、1.08等量)を10分かけて添加すると、明るい青色の溶液中に懸濁した白色結晶固体として生成物を得た。MTBE(120mL)を30分かけて添加し、混合物を周囲温度で一晩熟成させた。淡青色の固体を濾過し、ほぼ白色となるまでMTBE/MeOH(4:1、100mL)で洗浄し、次いで真空下で一晩乾燥させると、32.7gの(95%)3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−オール塩酸塩(3)を得た。
【0134】
7−(6,7−ジメトキシキノリン−4−イルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン (5)
1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、無水物99.5%(12.6L)を、周囲温度で100L反応器内に投入し、続いて3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−オール塩酸塩(3)(1.5779Kg、8.41モル、1.5当量)および4−クロロ−6,7−ジメトキシキノリン(4)(1.2539Kg、5.61モル、1.0当量)を投入した。NMPの1.6L分を使用して反応器の壁を濯いだ。反応器の中身を10℃に冷却した。反応器に対し、一連の3回の真空パージを行った。カリウムtert−ブトキシド、94.0%以上(1.9235Kg、17モル、3.0当量)の投入量を3つに分けて反応器内に供給した。
【0135】
最後にNMPの1.7Lを濯ぎ用に添加した。反応器を真空/Nサイクルでさらに3回パージした。反応器の中身を100℃に加熱し、続いて118rpmの撹拌速度で18時間保持した。18時間後4−クロロ−6,7−ジメトキシキノリンが220nmで0.5%未満の面積となった時を完了とした。反応器の中身を25℃に冷却し、反応混合物に5.0gのGMPペナルチメート(penultimate)を播種し、次いで精製水9.3Lを10分間かけて添加した。内部温度は30℃上昇した。混合物を周囲温度に冷却し、精製水の残りの22.5Lを徐々に投入した。反応器の中身を199rpmの撹拌速度で25℃で1時間保持した。次いで濃いオフホワイトのスラリーを反応器から遠心分離機を通して容器に移した。濾過後、生成物の損失を最小限とするために、湿潤したケーキに再び濾液を循環させた。さらに、NMP:水洗浄(2:1比、10.5Lの水:5.25LのNMP)を1回、および15.8Lの水洗浄を1回行った。濾過および水/NMPによる濯ぎのための遠心分離機での回転速度は230rpmであった。水洗浄では444rpmに上げ、512rpmで2時間脱水した。
【0136】
(5)の再結晶化
100L反応器に14.7Lの精製水を投入し、20℃に設定した。遠心分離機から湿潤したケーキを反応器内に移し、続いて1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、無水物、99.5%(7.35L)を投入した。反応器の中身を135rpmで17時間かけて撹拌した。次いで濃いオフホワイトのスラリーを反応器から遠心分離機を通して容器に移した。濾過後、生成物の損失を最小限とするために、湿潤したケーキに再び濾液を循環させた。反応器を濯ぎ、湿潤したケーキを45Lの精製水で数回に分けて洗浄した。遠心分離機での回転速度は、濾過に230rpm、再循環に340rpm、最初の15Lの水洗に418rpm、ならびに残りの水洗および脱水に513rpmであった。窒素下で17時間、遠心分離機内で生成物の回転を維持した。続いて、バッチを高いN流量で7日間、真空オーブン内で35℃で乾燥させた。この過程により、7−(6,7−ジメトキシキノリン−4−イルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン1.4008Kg(73%)を得た。(5)
【0137】
フェニル5−メチルイソオキサゾール−3−イルカルバメート(7)
精製水、USP(9.5L)を、100L反応器内に20℃で投入し、続いて炭酸カリウム(粉末325メッシュ、98+%、3.3183Kg、24モル、2.5当量)、3−アミノ−5−メチルイソオキサゾール(942g、9.6モル、1.0当量)、および酢酸エチル(28.25L、30倍体積)を投入した。追加の水250mLを使用して、反応器の壁を濯いだ。反応器の中身を5℃に冷却し、2回の真空パージを行った。内部温度を30℃以下に維持しながら、クロロギ酸フェニル、99%(2.974Kg、19モル、2.0当量)を徐々に投入した。添加の最後に、反応器温度を20℃、撹拌速度を148rpmに設定した。反応器の中身を90分間20℃に保持すると、中間層に固体(生成物)を含む三相混合物を得た。固体を溶解させてよりサンプリングに適した二相混合物を得るために、反応器温度を35℃に上げた。3−アミノ−5−メチルイソオキサゾールが220nmで0.5%未満の面積となった時を完了とした。撹拌を停止し、35℃で層分離させた。水層を排出し、10%の炭酸ナトリウム溶液(4.15L)を投入して、35℃で撹拌を再開した。30分後、撹拌を停止した。層分離させ、水相を排出した。35℃で有機相をさらに2回精製水で洗浄した(それぞれ6.5L)。最後の分離の後、有機層を85℃のジャケット温度での蒸留に設定した。蒸留は、やや真空下(12psi)で行い、全体で18LのEtOAcを回収した。
【0138】
反応器の中身を1.6℃/分の傾斜で0℃に冷却し、0℃で2時間保持した。次いで濃い白色懸濁液を反応器からAuroraフィルタを通して容器に移した。濾過後、湿潤したケーキに再び濾液を循環させ、冷EtOAc洗浄(2.0L)を1回行った。生成物を窒素下で3時間フィルタ上に保持してから、真空オーブンに移した。材料を強い窒素パージで35℃で2日間乾燥させると、100%分析的に純粋な生成物1.5450Kgを得た(74.3%収率)。後に、99.8%分析的に純粋なカルバメートの96.23g(4.6%)の物理的損失が、反応器内に観察された。MLにおける損失は、375.8g(18%)、洗浄における損失は78.7g(3.8%)であった。
【0139】
標題化合物
100Lの容器に、NMP(無水、1900mL)、(5)(1378g、4.07モル、100モル%)および酢酸エチル(12.5L)を投入した。容器を窒素でパージし、撹拌を276rpmに設定し、次いで懸濁液を60℃°に加熱した。固体が溶解し、溶液を5ミクロンのインラインフィルタ(ポリプロピレン)を通して別個の100L容器に入れた。最初の容器内で調製した57°℃のNMP(185mL)およびEtOAc(1200mL)の混合物でフィルタを濯いだ。
【0140】
最初の容器に、NMP(1100mL)、(7)(1345g、6.16モル、151モル%)およびEtOAc(7100L)を投入した。混合物を上述のように60℃°に加熱して溶解させ、同じフィルタを通して第2の容器に入れた。NMP(185mL)およびEtOAc(1200mL)からなる60°℃の洗浄液をフィルタに通した。
【0141】
第2の容器に、カリウムt−ブトキシド(1.1g)を投入し、容器を真空パージし、反応物を65°℃に加熱した。30分以内に、反応物中に結晶が形成した。3時間の熟成後、反応物を分析し、0.8LCAPペナルチメート(penultimate)が残留して完了しているとみなされた。
【0142】
混合物を25℃に冷却し、一晩熟成させた。固体生成物を濾過によりAuroraフィルタ(5ミクロンポリプロピレンフィルタクロス)内に回収し、容器内に残されたいかなる残留生成物も液体の再循環により回収した。生成物をEtOAc(4×2700mL)で洗浄し、次いでAuroraを通した窒素パージにより3日間乾燥させた。
【0143】
薄茶色の固体として、全体で1.7146Kg(92%)の標題化合物を単離した。H NMR(400 MHz、DMSO−d)d ppm 10.16(s,1H)、8.49(d,J=5.31Hz,1H)、7.70(d,J=8.84Hz,1H)、7.48(s,1H)、7.39(s,1H)、6.81〜6.83(m,1H)、6.76〜6.80(m,1H)、6.55(d,J=5.18Hz,1H)、6.51〜6.53(m,1H)、4.27〜4.31(m,2H)、3.94(s,3H)、3.93(s,3H)、3.88〜3.91(m,2H)、2.37(s,3H)。HRMS(M+H)計算値:463.1612実測値:463.1634。
【実施例2】
【0144】
化合物A遊離塩基は、少なくとも3種の無水結晶形態およびメタノール溶媒和物として存在することが知られている。4つすべての形態は、独特の粉末X線回折(XRPD)パターンを有し、その主要なピークを以下に示す。
【0145】
【表16】

【0146】
10℃/分での加熱により、約150℃の温度で無水形態Iは無水形態IIに転換され、240℃近傍で形態IIは分解する。形態IIIは235℃近傍で分解する。メタノール溶媒和物は135℃近傍でメタノールを解放し、無水形態IIに転換される。
【0147】
また、化合物Aは、メタンスルホン酸、リン酸、硫酸および塩酸と結晶塩を形成することが示されている。メシル酸塩は、独特の粉末X線回折パターンを有する少なくとも2つの結晶形態で存在することが知られており、そのうち主要なピークを以下に示す。
【0148】
【表17】

【0149】
形態Iのメシル酸塩は、遊離塩基をEtOHに懸濁させ、若干モル過剰のメタンスルホン酸を添加し、加熱して溶解させ、徐々に室温まで冷却することにより形成した。次いで得られた固体を濾過により単離した。形態IIのメシル酸塩は、遊離塩基をイソプロピルアルコール(IPA)に懸濁させ、若干モル過剰のメタンスルホン酸を添加し、加熱して溶解させ、徐々に室温まで冷却することにより形成した。次いで得られた固体を濾過により単離した。
【0150】
塩酸塩は、化合物Aの遊離塩基のエタノール中溶液を調製し、撹拌および任意選択で加熱しながら塩酸を若干モル過剰で添加することにより形成する。加熱および冷却の適用ありおよびなしの両方において、自発的な塩の形成が生じた。塩酸塩は、単結晶X線分析により確認されている少なくとも1種の無水形態、および少なくとも1種の水和形態で存在することが知られている。塩酸塩の無水形態は結晶性であり、10℃/分の速度で加熱すると230℃近傍で分解する。化合物A塩酸塩の水和形態は、無水塩酸塩材料を水または塩酸の希釈水溶液に懸濁させることにより得られた。水和材料は結晶性であり、90%相対湿度および25℃で4モル当量までの水を自由に吸収することができ、10℃/分の速度で加熱すると、150℃により完全に脱水され、170℃近傍で分解するようである。化合物A塩酸塩の無水形態および水和形態の両方が独特の粉末X線回折パターンを有し、その主要なピークを以下に示す。
【0151】
【表18】

【0152】
アセトン:水(1:1)、テトラヒドロフラン(THF)、THF:水(9:1)、メチルエチルケトン(MEK)、イソプロピルアセテート(IPAc)、トルエン、エタノール、エタノール:水(9:1)、イソプロピルアルコール(IPA)、IPA:水(9:1)およびアセトニトリルのうちの1つ以上のハイスループットスクリーニングにより、見掛けのリン酸塩材料を生成した。まず、1)遊離塩基を結晶化ソースプレートに添加し、2)若干モル過剰の酸を添加し、3)結晶化溶媒を最終濃度約16mg/mLまで添加し、4)55℃に1時間撹拌しながら加熱することにより、試料を調製した。次いで試料を濾過し、蒸発、冷却またはn−ブチルエーテルによる貧溶媒添加による結晶化のために分割した。結晶化プレートを遠心分離し、上澄みを吸引して、任意の得られた固体の顕微鏡およびXRPD分析を行えるようにした。ソースプレートに残留したいかなる固体もまた、顕微鏡およびXRPDにより分析した。リン酸による実験の結果、2種の可能な結晶塩が得られた。
【0153】
上述のハイスループットスクリーニングにより、見掛けの硫酸塩材料を生成した。硫酸による実験の結果、2種の可能な結晶塩が得られた。
【0154】
上述のハイスループットスクリーニングにより、見掛けの塩酸塩材料を生成した。塩酸によるハイスループット実験の結果、2種の可能な結晶塩が得られた。
【0155】
上述のハイスループットスクリーニングにより、見掛けのメタンスルホン酸塩材料を生成した。メタンスルホン酸によるハイスループット実験の結果、3種の可能な結晶塩が得られた。
【0156】
当然ながら、塩は、上述の溶媒とは異なる有機溶媒を使用して生成することができることが理解される。有機および無機酸からの対イオン、好ましくはpKa<5であるものによる化合物Aの他の酸付加塩が可能であると考えられる。また、遊離塩基のさらなる物理的形態および様々な塩が存在し得ることも理解される。
【実施例3】
【0157】
In Vitro代謝産物プロファイリング
[14C]−化合物A(10mM、0.5mCi)、1mg/mLの肝ミクロソーム(ヒト、マウス、ラット、サル、ウサギ、イヌ)、MgCl(3mM)、およびリン酸カリウム緩衝液(100mM)を含む温置混合物を調製した。NADPH(1mM)を添加することにより反応を開始させ、37℃に維持された振盪水浴中で1時間温置を行った。1倍体積量のACN:MeOH 1:1混合物を添加することにより反応を停止し、ボルテックス混合し、16000×gで遠心分離した。ラジオマチック(radiomatic)(b−ram, IN/US systems、FL)検出器およびLTQイオントラップ質量分析計(ThermoFisher、San Jose、CA)と連動した逆相HPLC(Agilent 1100、Agilent systems、DE)により、上澄みを分析した。HPLC分離は、40℃に維持されたフェニル−ヘキシルルナ(150×4.6mm、5mm、Phenomenex Inc)カラムで、1mL/分で行った。以下の勾配条件で、HO中10mMギ酸アンモニウム(溶媒A)およびMeOH中0.1%ギ酸(溶媒B)からなる2成分移動相を使用した:0〜2分、95%A;2〜10分、95〜75%A;10〜40分、75〜60%A;40〜60分、60〜55%A;60〜77分、55〜25%A;77〜78分、25〜5%A;78〜83分、5%A;83〜84分、5〜95%A;84〜90分、95%A。カラム後のフローを、80%がラジオマチック検出器へ、残りの20%がMSへ導入されるように分割した。ラジオ検出の前に、ラジオマチック検出器へのフローを3倍体積の液体シンチラント(UltimaFlow、PerkinElmer)と混合した。
【0158】
化合物Aの実質的な代謝回転がすべての種で観察された。下記表16に特定される以下の化合物は、すべての種において形成された有意な代謝産物であった。これらの同じ代謝産物は、NADPHで強化された組み換えヒトシトクロムP450 3A4アイソフォームによる化合物Aの温置後にも形成された。
【0159】
【表19】


【0160】
代謝産物の化学構造の特定は、合成標準物質との比較により行った。当技術分野において知られた手順を使用して、化合物A N酸化物の標準物質を合成した。残りの代謝産物は、以下のように合成した。
【0161】
【化17】

7−(7−(ベンジルオキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン
DMF(10.0mL)中で、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−オール塩酸塩(0.626g、3.34mモル)、炭酸セシウム(4.35g、13.3mモル)、および7−(ベンジルオキシ)−4−クロロ−6−メトキシキノリン(1.000g、3.34mモル)を80℃で撹拌した。17時間後、追加の3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−オール塩酸塩(0.626g、3.34mモル)を添加し、混合物を80℃で20時間撹拌した。追加の3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−オール塩酸塩(0.6259g、3.336mモル)および炭酸セシウム(4.35g、13.3mモル)を添加し、混合物を80℃で3日間撹拌した。反応混合物を、ジクロロメタンと水との間で分割した。水相を分離してジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して濃縮すると、橙褐色の油を得た。この材料をカラムクロマトグラフィー(RediSep 120gカラム、0〜5%メタノール−ジクロロメタンによる勾配溶離)で2回精製すると、橙色の油を得た。メタノールとすり混ぜ、得られた懸濁液をろ過すると、7−(7−(ベンジルオキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(0.560g、40.5%収率)を褐色の固体として得た。MS(MH)415.1;C2522の計算値414。
【0162】
【化18】

4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−6−メトキシキノリン−7−オール
活性炭上10重量%パラジウム(0.050g、0.47mモル)を、7−(7−(ベンジルオキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(0.250g、0.60mモル)のエタノール(10.0mL)中溶液に添加した。系内を排気して水素(g)で3回パージし、次いでH(g)雰囲気下で20時間撹拌した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過して濃縮すると、4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−6−メトキシキノリン−7−オール(0.200g、102%収率)を黄緑色の固体として得た。MS(MH)325.0;C1816の計算値324。
【0163】
【化19】

7−(7−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサジン−4−カルボキサミド
25mL丸底フラスコに、4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−6−メトキシキノリン−7−オール(0.124g、0.38mモル)、4−ニトロフェニル5−メチルイソオキサゾール−3−イルカルバメート(0.11g、0.40mモル)、およびTHF(5.0mL)を投入した。トリエチルアミン(0.160mL、1.1mモル)を添加し、系をアルゴンでパージし、管を封止した。混合物を50℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で精製(RediSep 40gカラム、100%酢酸エチルで10分間、次いで5%メタノール/ジクロロメタンで20分間)すると、7−(7−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサジン−4−カルボキシア
【0164】
【化20】

7−(6−(ベンジルオキシ)−7−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン
DMF(10.0mL)中で、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−オール塩酸塩(0.626g、3.34mモル)、炭酸セシウム(4.35g、13.3mモル)、および6−(ベンジルオキシ)−4−クロロ−7−メトキシキノリン(1.00g、3.34mモル)を80℃で18時間撹拌した。追加の3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−オール塩酸塩(0.626g、3.34mモル)および炭酸セシウム(4.35g、13.3mモル)を添加し、混合物を80℃で3日間撹拌した。反応混合物を、ジクロロメタンと水との間で分割した。水相を分離してジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して濃縮すると、橙褐色の油を得た。この材料をカラムクロマトグラフィー(RediSep 80gカラム、0〜5%メタノール−ジクロロメタンによる勾配溶離)で2回精製すると、橙色の油を得た。メタノールとすり混ぜ、得られた懸濁液をろ過すると、7−(6−(ベンジルオキシ)−7−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(1.156g、83.6%収率)を橙色のガラスとして得た。MS(MH)415.1;C2522の計算値414。
【0165】
【化21】

4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−7−メトキシキノリン−6−オール
活性炭上10重量%パラジウム(0.100g、0.940mモル)を、7−(6−(ベンジルオキシ)−7−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(1.156g、2.79mモル)のエタノール(20.0mL)中溶液に添加した。系内を排気して水素(g)で3回パージし、次いでH(g)雰囲気下で18時間撹拌した。追加の活性炭上10重量%パラジウム(0.100g、0.940mモル)を反応混合物に添加した。系内を排気して水素(g)で3回パージし、次いでH(g)雰囲気下で20時間撹拌した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過して濃縮すると、橙褐色の固体を得た。この材料をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で精製(RediSep 40gカラム、0〜100%(90:10:1、ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム)−ジクロロメタンでの勾配溶離)すると、4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−7−メトキシキノリン−6−オール(0.733g、81.0%収率)を黄色の固体として得た。MS(MH)325.0;C1816の計算値324。
【0166】
【化22】

7−(6−ヒドロキシ−7−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサジン−4−カルボキサミド
再封止可能な管に、4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−7−メトキシキノリン−6−オール(0.200g、0.617mモル)、4−ニトロフェニル5−メチルイソオキサゾール−3−イルカルバメート(0.243g、0.925mモル)、およびTHF(5.0mL)を投入した。トリエチルアミン(0.258mL、1.85mモル)を添加し、系をアルゴンでパージし、管を封止した。混合物を50℃で15時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルと水との間で分割した。水相を分離して酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機相を水および塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して濃縮すると、黄橙色の油を得た。この材料をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で精製(RediSep 40gカラム、5%メタノール−ジクロロメタンによる溶離)すると、黄色の油を得た。この材料をジクロロメタンとすり混ぜて濾過すると、7−(6−ヒドロキシ−7−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサジン−4−カルボキサミド(0.104g、38%収率)をオフホワイトの固体として得た。
【0167】
【化23】

エチルクロロオキシイミドアセテート(15g、0.1モル)のCHCl中溶液を、CHCl200mL中のプロパルギルアルコール(29mL、0.5モル)およびEtN(14mL、0.1mモル)に、4時間かけて滴下により添加する。滴下が完了したら、反応混合物を濃縮してEtOとすり混ぜる。固体を濾過して有機物を再び濃縮する。残りの油をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理(EtOAc/Hex:20/80)すると、5−(ヒドロキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレートを油として得る。残りのプロパルギルアルコールを、共沸によりn−ヘプタンから除去する。
【0168】
5−(ヒドロキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(4.0g、23mモル)およびTBSCL(3.7g、25mモル)のDMF中溶液に、EtN(3.4mL、24mモル)を20分かけて滴下により添加する。反応物を30分間撹拌し、その後EtOAc(300mL)で希釈し、1M HCl(3×100mL)、5%CuSO(2×50mL)で洗浄し、真空下で濃縮すると、エチル−5−({[tert−ブチル(ジメチルシリル)]オキシ}メチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレートを油状物質として得る。
【0169】
エタノール(30mL)中エチル−5−({[tert−ブチル(ジメチルシリル)]オキシ}メチル)イソオキサゾール−3−カルボキシレート(1.68g、5.9mモル)およびヒドラジン水和物(44g、8.8mモル)を60℃に4時間加熱する。混合物を室温まで冷却し、溶媒を真空下で除去すると、5−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)イソオキサゾール−3−カルボヒドラジドを橙色の結晶として得る。
【0170】
濃HCl(40mL)中の5−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)イソオキサゾール−3−カルボヒドラジド(1.32g、4.9mモル)の混合物を0℃に冷却し、続いて温度を5℃に維持しながらNaNO水溶液(0.42g、6.1mL)を滴下により添加する。1時間後、混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出する。有機物を乾燥(MgSO)させて真空下で濃縮すると、アジド(5−(ヒドロキシメチル)イソオキサゾール−3−イル)メタノン(4)を褐色の結晶として得る。
【0171】
【化24】

アジド(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)イソオキサゾール−3−イル)メタノン(5)。
【0172】
0℃のアジド(5−(ヒドロキシメチル)イソオキサゾール−3−イル)メタノン(4)(100mg、0.60mモル)およびtert−ブチルジメチルシリルクロリド(99mg、0.65mモル)のCHCl(3mL)中溶液に、イミダゾール(49mg、0.71mモル)を添加した。4時間後、混合物を室温まで温め、さらに14時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、短いシリカゲルプラグを通して濾過した。プラグを冷CHClで濯ぎ、濾液を真空下で濃縮すると、粗アジド(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)イソオキサゾール−3−イル)メタノン(150mg、89%収率)を白色の固体として得、さらなる精製なしにその後の処理に進めた。MH+=283.1。
【0173】
【化25】

N−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)イソオキサゾール−3−イル)−7−(6,7−ジメトキシキノリン−4−イルオキシ)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサジン−4−カルボキシアミド(7)。
【0174】
再封止可能な管に、アジド(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)イソオキサゾール−3−イル)メタノン(5)(50mg、0.18mモル)、7−(6,7−ジメトキシキノリン−4−イルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(6)(20mg、0.059mモル)およびTHF(1mL)を添加した。管を封止して80℃に4時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、50〜100%ヘキサン:EtOAcを使用して残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、N−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)イソオキサゾール−3−イル)−7−(6,7−ジメトキシキノリン−4−イルオキシ)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサジン−4−カルボキシアミド(27mg、75%収率)を白色の固体として得た。MH+=593.2。
【0175】
【化26】

7−(6,7−ジメトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−(5−(ヒドロキシメチル)イソオキサゾール−3−イル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサジン−4−カルボキシアミドヒドロクロリド(8)。
【0176】
N−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)イソオキサゾール−3−イル)−7−(6,7−ジメトキシキノリン−4−イルオキシ)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサジン−4−カルボキシアミド(7)(50mg、0.084mモル)に、室温でEtOH中の2N HCl(5mL)を添加した。15分後、固体が溶解し、溶液を室温でさらに2時間撹拌すると、この時点で白色の沈殿物が形成された。混合物を0℃に冷却し、濾過し、単離された固体を冷EtOHで洗浄した。固体を真空下で乾燥させると、7−(6,7−ジメトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−(5−(ヒドロキシメチル)イソオキサゾール−3−イル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサジン−4−カルボキシアミドヒドロクロリド(33mg、83%収率)を得た。MH+=479.2。
【0177】
製剤
また、1種以上の非毒性の薬学的に許容される担体および/または希釈剤および/またはアジュバント(本明細書において集合的に「担体」材料と称される。)、および望まれる場合はその他の活性成分と併せて本発明の活性化合物を含む薬学的組成物のクラスも、本発明に包含される。本発明の活性化合物は、任意の好適な経路で、好ましくは当該経路に適合した薬学的組成物の形態で、また意図される処置に効果的な用量で投与され得る。本発明の化合物および組成物は、例えば、経口、経粘膜、局所的、経直腸、経肺、例えば吸入スプレーにより、または、経脈管、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、胸骨内および注入技術を含む非経口で、従来の薬学的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する用量単位製剤として投与され得る。
【0178】
本発明の薬学的活性化合物は、ヒトおよびその他の哺乳動物を含む患者に投与するための薬剤を生成するために、従来の製薬方法に従って処理することができる。
【0179】
経口投与の場合、薬学的組成物は、例えば、錠剤、カプセル、懸濁液または液体の形態となり得る。薬学的組成物は、好ましくは、特定の量の活性成分を含有する用量単位の形態で調製される。当該用量単位の例は、タブレットまたはカプセルである。例えば、これらは約50マイクログラムから2000mg、好ましくは約1mgから500mgの量の活性成分を含有し得る。ヒトまたはその他の哺乳動物に対する好適な1日用量は、患者の状態およびその他の因子に依存して広く変動し得るが、この場合でも日常的な方法を使用して決定することができる。
【0180】
投与される化合物の量、ならびに本発明の化合物および/または組成物で疾患の状態を処置するための投薬計画は、患者の年齢、体重、性別および病状、疾患の種類、疾患の重症度、投与の経路および頻度、ならびに使用する特定の化合物を含む、様々な因子に依存する。したがって、投薬計画は広く変動し得るが、標準的方法を使用して日常的に決定され得る。体重1kgあたり約0.001〜500mg/kg、好ましくは約0.01〜約50mg/kgの間、より好ましくは約0.001〜約30mg/kgの1日用量が適切となり得る。1日用量は、1日1回から4回の投薬で投与され得る。
【0181】
治療目的において、本発明の活性化合物は、通常、指定された投与経路に適切な1種以上のアジュバントと組み合わされる。経口投与の場合、化合物は、乳糖、蔗糖、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/またはポリビニルアルコールと混合され、次いで便利な投与のために錠剤化またはカプセル化され得る。当該カプセルまたは錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中の活性化合物の分散液として提供され得るような、制御放出製剤を含有し得る。
【0182】
乾癬およびその他の皮膚状態の場合、本発明の局所用調合薬を患部に1日2回から4回塗布するのが好ましくなり得る。
【0183】
局所投与に好適な製剤は、皮膚の浸透に好適な液体または半液体調合薬(例えば塗布薬、ローション、軟膏、クリームまたはペースト)および目、耳または鼻への投与に好適な滴下剤を含む。本発明の化合物の活性成分の好適な局所用量は、0.1mgから150mgの1日に1回から4回、好ましくは1回または2回の投与である。局所的投与の場合、活性成分は、製剤の0.001重量%から10重量%、例えば1重量%から2重量%となり得るが、10重量%まで高くてもよく、ただし好ましくは製剤の5重量%以下、より好ましくは0.1%から1%である。
【0184】
軟膏として製剤化される場合、活性成分は、パラフィン系または水混和性の軟膏基剤とともに使用することができる。代替として、活性成分は、水中油型クリーム基剤とともにクリームとして製剤化され得る。望まれる場合には、クリーム基剤の水相は、例えば少なくとも30重量%の多価アルコール、例えばプロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコールおよびその混合物を含むことができる。局所用製剤は、望ましくは、皮膚またはその他の患部への活性成分の吸収または浸透を向上させる化合物を含むことができる。当該皮膚浸透向上剤の例には、DMSOおよび関連した類似体が含まれる。
【0185】
また、本発明の化合物は、経皮的デバイスにより投与することができる。好ましくは、経皮投与は、リザーバ型および多孔質膜型または固体マトリックス型の種類のいずれかのパッチを使用して達成され得る。いずれにしても、活性薬剤はリザーバまたはマイクロカプセルから膜を通して受容者の皮膚または粘膜に接触した活性薬剤透過性接着剤に連続的に送達される。活性薬剤が皮膚を通して吸収される場合、活性薬剤の制御された所定のフローが受容者に投与される。マイクロカプセルの場合、カプセル化剤もまた膜として機能し得る。
【0186】
本発明のエマルジョンの油相は、既知の手法で既知の成分から構成され得る。相は乳化剤を含み得るだけであるが、少なくとも1種の乳化剤と脂肪もしくは油、または脂肪と油の両方との混合物を含み得る。好ましくは、親水性乳化剤が、安定剤として作用する親油性乳化剤とともに含まれる。また、油と脂肪の両方を含むことが好ましい。ともに、安定剤(複数を含む)を含むまたは含まない乳化剤(複数を含む)はいわゆる乳化ワックスを構成し、ワックスならびに油および脂肪はいわゆる乳化軟膏基剤を構成し、これがクリーム製剤の油性分散層を形成する。本発明の製剤における使用に好適な乳化剤およびエマルジョン安定剤は、Tween60、Span80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、グリセリルモノステアレート、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリルジステアレート単独もしくはワックスとの併用、または当技術分野において周知の他の材料を含む。
【0187】
薬学的エマルジョン製剤に使用されるほとんどの適切な油に対する活性化合物の溶解度は非常に低いため、製剤に好適な油または脂肪の選択は、所望の外見的特性の達成に基づく。したがって、クリームは、好ましくはベタつかず、非染色性で水洗い可能な、チューブまたは他の容器からの漏れを避けるために好適な稠度を有する生成物であるべきである。直鎖または分岐鎖の一塩基または二塩基アルキルエステル、例えばジ−イソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ココナツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシルまたは分岐鎖エステルのブレンドを使用することができる。これらは、必要とされる特性に依存して、単独で、または組み合わせて使用することができる。代替として、白色軟質パラフィンおよび/もしくは液体パラフィンまたはその他の鉱物油等の高融点脂質を使用することができる。
【0188】
目への局所投与に好適な製剤はまた、活性成分が好適な担体、特に活性成分用の水性溶媒中に溶解または懸濁した点眼薬を含む。活性成分は、好ましくは0.5〜20重量%、有利には0.5〜10重量%、特に約1.5重量%の濃度で当該製剤中に存在する。
【0189】
非経口投与用の製剤は、水性または非水性等張性滅菌注射液または懸濁液の形態であり得る。これらの溶液および懸濁液は、経口投与用製剤における使用に関して前述した担体もしくは希釈剤の1種もしくは複数種を使用して、またはその他の好適な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤を使用して、滅菌粉末または顆粒から調製することができる。化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、コーン油、綿実油、落花生油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、トラガカントガム、および/または各種緩衝液中に溶解され得る。その他のアジュバントおよび投与形態は、製薬分野において十分に広く知られている。活性成分はまた、生理食塩水、デキストロースもしくは水を含む好適な担体とともに、またはシクロデキストリン(すなわちCaptisol)、共溶媒可溶化(すなわちプロピレングリコール)もしくはミセル可溶化(すなわちTween 80)とともに、組成物として注射により投与され得る。
【0190】
滅菌注射用調合薬は、例えば1,3−ブタンジオール中溶液等の、非毒性の非経口用として許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液であってもよい。使用可能な許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液および等張食塩水がある。さらに、溶媒または懸濁化媒体として、従来から滅菌不揮発性油が使用される。この目的のために、合成モノ−またはジ−グリセリドを含む任意の低刺激性の不揮発性油を使用することができる。また、オレイン酸等の脂肪酸が、注射製剤の調製に使用される。
【0191】
経肺投与の場合、薬学的組成物は、エアロゾルの形態または乾燥粉末エアロゾルを含む吸入器により投与することができる。
【0192】
薬物の直腸投与用の座剤は、薬物を、例えばココアバターおよびポリエチレングリコール等の、通常の温度では固体であるが、直腸内温度では液体であり、従って直腸内で融解して薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。
【0193】
薬学的組成物は、滅菌等の従来の製薬工程に供することができ、および/または従来のアジュバント、例えば保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤等を含有し得る。錠剤および丸薬は、さらに腸溶コーティングを施すことができる。当該組成物もまた、アジュバント、例えば湿潤剤、甘味剤、香味剤および芳香剤を含み得る。
【0194】
上記は、単に本発明の例示であり、開示した化合物に本発明を制限することを意図しない。当業者には明らかな変形および変更は、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲および性質に含まれることが意図される。
【0195】
上記説明から、当業者は本発明の本質的な特徴を容易に確定することができ、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本発明を様々な使用および条件に適合させるために、本発明の様々な変更および修正を行うことができる。
【0196】
本発明の化合物が本発明に従い投与される場合、許容されない毒性学的効果は予期されない。
【0197】
引用されたすべての参考文献、特許、特許出願および公開は、参照することにより、その全体が本明細書に記載されるかのように本明細書に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化合物A
【化1】

、その活性代謝産物、塩および溶媒和物から選択される化合物。
【請求項2】
化合物が、化合物Aの塩酸塩である、請求項1の化合物。
【請求項3】
化合物が、
【化2】

その塩または溶媒和物から選択される、化合物Aの活性代謝産物である、請求項1の化合物。
【請求項4】
薬学的に許容されるビヒクルアジュバントまたは希釈剤とともに請求項1の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項5】
患者における腫瘍を処置する方法であって、当該処置を必要とする患者に、請求項1の化合物の有効量を投与するステップを含む方法。
【請求項6】
血管形成が阻害される、請求項5の方法。
【請求項7】
腫瘍成長が阻害される、請求項5の方法。
【請求項8】
腫瘍サイズが低下される、請求項5の方法。
【請求項9】
転移が阻害される、請求項5の方法。
【請求項10】
請求項1の化合物が、少なくとも1種の追加の治療薬剤と組み合わせて投与される、請求項5の方法。
【請求項11】
化合物A
【化3】

、その塩および溶媒和を調製するための方法であって、下記式I
【化4】

の化合物を、下記式II
【化5】

(式中、Rは任意選択で置換されたアリールまたはヘテロアリールである。)の化合物と、
(1)極性溶媒、および
(2)塩基
の存在下で接触させるステップを含む方法。
【請求項12】
極性溶媒が、酢酸エチルを含む、請求項11の方法。
【請求項13】
極性溶媒が、酢酸エチルおよび20体積%までのN−メチルピロリジノンの混合物である、請求項12の方法。
【請求項14】
塩基が、カリウムt−ブトキシドである、請求項11の方法。
【請求項15】
塩基が、カリウムt−ブトキシドである、請求項12の方法。
【請求項16】
式IIの化合物が、
【化6】

である、請求項11の方法。
【請求項17】
式IIの化合物が、
【化7】

を、下記式III
【化8】

の化合物と、
(1)極性溶媒、および
(2)塩基
の存在下で接触させることにより調製される、請求項16の方法。
【請求項18】
式IIIの前記化合物が、
【化9】

である、請求項17の方法。
【請求項19】
極性溶媒が、酢酸エチルである、請求項17の方法。
【請求項20】
塩基が、炭酸カリウムである、請求項17の方法。
【請求項21】
塩基が、炭酸カリウムである、請求項19の方法。
【請求項22】
式Iの化合物が、式IV
【化10】

の化合物を、式V
【化11】

の化合物と、N−メチルピロリジノンおよびカリウムt−ブトキシドの存在下で接触させることにより調製される、請求項11の方法。
【請求項23】
式IVの化合物が、式VI
【化12】

の化合物を、BH、MeOHおよびHClと接触させることにより調製される、請求項22の方法。
【請求項24】
式VIの化合物が、式VII
【化13】

の化合物を、式VIII
【化14】

の化合物と、炭酸カリウムおよびトルエンの存在下で接触させることにより調製される、請求項23の方法。
【請求項25】
請求項11の方法により作製される化合物。

【公表番号】特表2011−502147(P2011−502147A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532037(P2010−532037)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/012224
【国際公開番号】WO2009/058267
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(500049716)アムジエン・インコーポレーテツド (242)
【Fターム(参考)】