説明

ベンダムスチンの経口製剤

本発明は、ベンダムスチンおよびその薬学的に許容される塩の経口製剤、その使用方法、ならびにそれらを含む治療方法を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンダムスチンの経口剤形、およびその薬学的に許容される塩を対象とする。
【背景技術】
【0002】
ベンダムスチン、4−{5−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−1−メチル−2−ベンゾイミダゾリル}酪酸:
【0003】
【化1】

【0004】
は、1963年にドイツ民主共和国(German Democratic Republic(GDR))で最初に合成され、GDRで1971年から1992年にかけてCytostasan(登録商標)という商品名で入手可能であった。たとえば、ベンダムスチン塩酸塩一水和物の合成について記載しているW.Ozegowski and D.Krebs,IMET 3393 γ−[1−methyl−5−bis−(β−chloroethyl)−aminobenzimidazolo−(2)]−butyryl chloride, a new cytostatic agent of the group of benzimidazole nitrogen mustards.Zbl.Pharm.110,(1971)Heft 10,1013−1019を参照されたい。ドイツ(Germany)ではそのとき以来、Ribomustin(登録商標)という商品名で市販されている。ベンダムスチンは、慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫および乳癌などの疾患の処置に治療上の有用性を持つことが明らかになっているアルキル化剤である。ベンダムスチンは米国では現在、TREANDA(登録商標)(Cephalon,Inc.,West Chester,PA)という商品名で入手可能である。TREANDA(登録商標)は、凍結乾燥粉末として25または100mgのベンダムスチン塩酸塩を含む単回用バイアルで供給される。凍結乾燥粉末は、注射前に再構成される。
【0005】
ベンダムスチンはその現在の注射用製剤が有効であることが明らかになってはいるものの、そうした注射用形態での化学療法治療を受けている患者の場合、注射用製剤よりも経口製剤を好むであろうことが知られている。一般に患者にとって経口製剤の方が、より簡便で侵襲性が低く、患者の服薬率および転帰の改善につながる。
【0006】
ベンダムスチンは、たとえば、水などの一定のヒドロキシル含有化合物、ならびにエチレングリコールおよびプロピレングリコールなどのアルキレングリコールによる求核攻撃を受けやすいことが当該技術分野において広く知られている。薬学的に許容される賦形剤の多くは、ヒドロキシルまたは他の求核基を含んでいる。
【0007】
こうした固有の化学的不安定性が、ベンダムスチンの経口製剤の進歩を妨げてきたと考えられる。実際、ベンダムスチンは商業用途に導入されてから40年以上になるが、発表された研究からはベンダムスチンが経口投与で効果を発揮することが確認されているにもかかわらず、注射用製剤としてしか供給されていない。R.Amlacher,et al.,Pharmazie,47(1992),378−381;J.Guettner,et al.,Arch.Geschwulstforsch.43/1(1974),S.;16−21;A.Haertl,et al.,Zbl.Pharm.110(1971)Heft 10,1057−1065;U.Horn,et al.,Arch.Toxicol.,Suppl.8,504−506(1985);R.Preiss,et al.,Pharmazie 40(1985),Heft 11,782−784;K.Wohlrabe,et al.,Zbl.Pharm.110(1971)Heft 10,1045−1047;R.Reszka and P.Scherrer,Offenlegunsschrift DE 103 06 724A1,Sept.18,2003。これらの参考文献によれば、ベンダムスチンは経口投与で効果を発揮し得ることが示唆される。しかしながら、各研究ではベンダムスチンは経口摂取の直前に水に溶解させたか、未希釈形態のカプセルで供給されたか、あるいはベシクルであるかのいずれかである。
【0008】
このため、安定なベンダムスチンの経口剤形が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ベンダムスチンまたはその薬学的に許容される塩と、たとえば、プロピレンカルボナート、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールなどの溶媒および共溶媒、たとえば、ポリソルベート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコールコポリマーおよびステアリン酸ポリエチレングリコール、ラウリン酸ポリエチレングリコールなどの界面活性剤および共界面活性剤、たとえば、カプリル酸グリセリル、カプレートおよびグリセリルモノラウレート、ポリエチレングリコールヒドロキシステアレート、トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートなどの中鎖モノグリセリド、ならびに、たとえば、トウモロコシ油などのトリグリセリドの群から選択される少なくとも1種の非水系の薬学的に許容される賦形剤と、を含む経口投与のための非水系医薬組成物を対象とする。実施形態の1つでは、本発明は、ベンダムスチンまたはその薬学的に許容される塩と、たとえば、プロピレンカルボナート、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールなどの溶媒および共溶媒、たとえば、ポリソルベート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコールコポリマーおよびステアリン酸ポリエチレングリコール、ラウリン酸ポリエチレングリコールなどの界面活性剤および共界面活性剤、たとえば、カプリル酸グリセリル、カプレートおよびグリセリルモノラウレート、ポリエチレングリコールヒドロキシステアレート、トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートなどの中鎖モノグリセリド、ならびに、たとえば、トウモロコシ油などのトリグリセリドの群から選択される少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤と、を含む経口投与のための非水系医薬組成物を対象とする。本発明の医薬組成物を含む剤形、およびその使用方法についても記載する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載するような、経口投与に好適なベンダムスチンの安定な非水系医薬組成物またはその薬学的に許容される塩が製造される。本発明の医薬組成物は、固溶体、固体懸濁物、固体分散体、液体分散液、懸濁液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ゲル、または溶液であってもよく、好ましくはその薬学的に許容される塩、たとえば、ベンダムスチン塩酸塩としてのベンダムスチンと、少なくとも1種の非水系の薬学的に許容される賦形剤とを含む。本発明の実施形態の1つでは、組成物は、少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0011】
本明細書で使用する場合、「非水系」とは、賦形剤が水を主成分として含まないことをいう。本発明の範囲内では、「主成分」は、全体の少なくとも20%(w/w)を構成する。通常、こうした非水系賦形剤は、水を約2%(w/w)未満含む。好ましくは、こうした非水系賦形剤は、水を約1%(w/w)未満含む。無水賦形剤、すなわち、水を含まない賦形剤も、本発明の範囲内である。
【0012】
本発明の賦形剤は化学的に安定であり、本明細書に記載の保存条件の1つまたは複数の下でベンダムスチンまたはその塩と反応しない。本発明に使用するのに好適な賦形剤は、米国食品医薬品局(U.S.Food and Drug Administration)により合格(Generally Regarded as Safe(GRAS))と認められているものを含む。
【0013】
本発明に使用するのに好ましい賦形剤には、たとえば、プロピレンカルボナート、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール(たとえば、PEG1000およびPEG1500、PEG1450、Dow)などの溶媒および共溶媒、界面活性剤および共界面活性剤、たとえば、中鎖モノグリセリド、たとえば、カプリル酸グリセリル(たとえば、CAPMUL MCM,Abitec)、グリセリルモノラウレート(たとえば、IMWITOR 312(登録商標),Sasol)、ポリエチレングリコールヒドロキシステアレート(たとえば、Solutol(登録商標)HS15,BASF)、ポリソルベート(たとえば、ポリソルベート80)、ポリエチレン−ポリプロピレングリコールコポリマー(たとえば、ポロキサマー188)、トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート(たとえば、Speziol(登録商標)TPGS)、トリグリセリド(たとえば、超精製(super refined)トウモロコシ油などのトウモロコシ油)、ならびにステアリン酸ポリエチレングリコール(たとえば、Myrj 52)、ラウリン酸ポリエチレングリコール、たとえば、ポリエチレングリコールモノラウレートとポリエチレングリコールジラウレートとの混合物(たとえばGelucire(登録商標)44/14,Gattefossee)などが含まれる。Raymond C.Rowe,et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,APhA Publications,5th Ed.(2005)を参照されたい。錠剤分解物質、希釈液、滑沢剤、流動促進剤、乳化可溶化剤、甘味剤、コーティング剤、抗菌性保存剤および同種のものも本発明の範囲内である。
【0014】
本明細書で使用する場合、当該技術分野において「PEG」とも呼ばれる「ポリエチレングリコール」は、一般式H(OCHCHOHのポリマーをいい、式中、nは少なくとも4の整数である。本発明の範囲内のポリエチレングリコールは、分子量が少なくとも200g/molのものを含む。好ましくは、本発明の範囲内で使用されるポリエチレングリコールは、分子量が約400g/mol〜約8000g/molである。好ましい実施形態では、ポリエチレングリコールは分子量が少なくとも約1000g/molである。他の実施形態では、ポリエチレングリコールは分子量が少なくとも約1500g/molである。
【0015】
選択された賦形剤が、1つまたは複数の求核基、たとえば、ヒドロキシルを含むある種の実施形態では、求核剤を含む賦形剤は分子量が少なくとも200g/molであることが好ましい。どのような特定の理論にも拘泥するわけではないが、より大きいサイズの方が、賦形剤によるベンダムスチンの求核攻撃を阻止すると考えられる。さらに、選択された賦形剤が、1つまたは複数の求核基、たとえば、ヒドロキシルを含む場合、求核剤を含む賦形剤は、組成物の40%(w/w)未満を構成することが好ましい。好ましくは、求核剤を含む賦形剤は、組成物の20%(w/w)以下を構成する。
【0016】
本発明の医薬組成物のもう1つの利点は、本発明の医薬組成物が非常に望ましい保存安定性プロファイルを示すことである。保存条件は様々であってもよく、温度の変化はたとえば、約5℃〜約40℃、および、相対湿度(RH:relative humidity)の変化は、たとえば約10%RH〜約75%RHを含み得る。本出願においては、5℃かつ周囲RHを「冷蔵条件」といい、25℃かつ60%RHを「室温条件」といい、40℃かつ75%RHを「加速条件」という。保存条件はさらに、保存時間の変化も含み得る。たとえば、本発明の医薬組成物は、約1週間、約1カ月間、約2カ月間、約3カ月間、約6カ月間、約1年間またはそれ以上保存することができる。特許請求されている組成物の解析については、当該技術分野において任意の公知の手法、たとえば、HPLC、GCおよび同種のものを用いて行うことができる。
【0017】
好ましくは、本発明の医薬組成物は、冷蔵条件下で組成物を6カ月間保存した後、分解不純物を約10%w/w未満、一層好ましくは約7%w/w未満含む。好ましくは、本発明の医薬組成物は、冷蔵条件下で組成物を6カ月間保存した後、分解不純物を約5%w/w未満、一層好ましくは約3%w/w未満含む。好ましくは、本発明の医薬組成物は、冷蔵条件下で組成物を6カ月間保存した後、分解不純物を約2%w/w未満、一層好ましくは約1%w/w未満含む。
【0018】
好ましくは、本発明の医薬組成物は、室温条件下で組成物を6カ月間保存した後、分解不純物を約10%w/w未満、一層好ましくは約7%w/w未満含む。好ましくは、本発明の医薬組成物は、室温条件下で組成物を6カ月間保存した後、分解不純物を約5%w/w未満、一層好ましくは約3%w/w未満含む。好ましくは、本発明の医薬組成物は、室温条件下で組成物を6カ月間保存した後、分解不純物を約2%w/w未満、一層好ましくは約1%w/w未満含む。
【0019】
好ましくは、本発明の医薬組成物は、加速条件下で組成物を3カ月間保存した後、分解不純物の約10%w/w未満、一層好ましくは約7%w/w未満含む。好ましくは、本発明の医薬組成物は、加速条件下で組成物を3カ月間保存した後、分解不純物を約5%w/w未満、一層好ましくは約3%w/w未満含む。好ましくは、本発明の医薬組成物は、加速条件下で組成物を3カ月間保存した後、分解不純物を約2%w/w未満、一層好ましくは約1%w/w未満含む。好ましくは、本発明の医薬組成物は、加速条件下で組成物を6カ月間保存した後、分解不純物を約10%w/w未満、一層好ましくは約7%w/w未満含む。
【0020】
本発明の範囲内で使用される各賦形剤の量は、選択される個々の賦形剤によって異なる。好ましくは、本発明の医薬組成物は、少なくとも1種の、別の実施形態では、2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤を含む。こうした2種の賦形剤の場合、各賦形剤の比率は約1:1〜約1:4である。約3:7の比率も好ましい場合がある。
【0021】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」とは、親化合物が、その酸性塩または塩基性塩を製造することにより修飾されている、開示された化合物の誘導体をいう。薬学的に許容される塩の例として、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩、および同種のものがあるが、これに限定されるものではない。したがって、「酸付加塩」という用語は、酸の付加により製造された、親化合物に対応する塩の誘導体をいう。薬学的に許容される塩として、たとえば、無機酸または有機酸から形成される、親化合物の通常の塩または第四級アンモニウム塩が挙げられる。たとえば、そうした通常の塩として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸および同種のものなどの無機酸から誘導されたもの、ならびに酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸および同種のものなどの有機酸から製造された塩があるが、これに限定されるものではない。本発明のある種の酸性または塩基性化合物は、両性イオンとして存在してもよい。遊離酸、遊離塩基および両性イオンなど本化合物の形態はすべて、本発明の範囲内であることを意図している。
【0022】
いくつかの実施形態では、Remington's Pharmaceutical Sciences,17th edition,ed.Alfonoso R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,PA(1985)などに記載されているような薬学的に許容される(acceptable pharmaceutical)手順に従い本医薬組成物を製造し得る。
【0023】
本発明の剤形は、経口投与されることを意図している。このため、本発明の剤形は、当該技術分野において公知の固体キャリアをさらに含んでもよい。使用できる固体キャリアとして、着香剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、流動促進剤、圧縮補助剤(compression aid)、バインダーもしくは錠剤崩壊剤またはカプセル化材料(encapsulating material)としても働き得る1種または複数種の物質を挙げることができる。散剤の場合、キャリアは、微粉化された活性成分、すなわちベンダムスチンまたはその薬学的に許容される塩と混合されている微粉化された固体である。錠剤の場合、活性成分は、好適な外観(proportions)に必要な圧縮特性を持ち、かつ所望の形状およびサイズに圧縮されるキャリアと混合される。散剤および錠剤は、好ましくは活性成分を99%まで含む。好適な固体キャリアとして、たとえば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリジン、低融点ワックスおよびイオン交換樹脂が挙げられる。
【0024】
好適な薬剤剤形として、錠剤、たとえば速放性、放出制御および徐放性の錠剤、ピル、カプセル、軟質ゲル、サッシェ、顆粒、散剤、チューインガム、懸濁液、エマルジョンおよび溶液があるが、これに限定されるものではない。各種の錠剤およびカプセルはどれも特に好ましい。本発明の医薬組成物および剤形は、適切な場合には必要に応じて、希釈液、結合剤、分散剤、表面活性剤、滑沢剤(lubricating agent)、コーティング材料、着香剤、着色剤、放出制御製剤、甘味料または他の任意の薬学的に許容される添加剤、たとえば、ゼラチン、デンプングリコール酸ナトリウム、ラクトース、デンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、ポビドン、水素添加油もしくは不飽和油、ポリグリコール、シロップまたは他の水溶液を含んでもよい。製剤が錠剤またはカプセルおよび同種のものである場合、製剤は、1回量を予め測定したものであっても、あるいは適切な1回量を取り出すことができる複数用量容器に入れてあってもよい。
【0025】
溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップおよびエリキシル剤を製造する際は、液体キャリアを使用してもよい。本発明の活性成分、すなわちベンダムスチンまたはその薬学的に許容される塩は、有機溶媒または薬学的に許容される油または油脂など薬学的に許容される液体キャリアに溶解または懸濁することができる。液体キャリアは、可溶化剤、乳化剤、緩衝液、防腐剤、甘味料、着香剤、懸濁化剤、粘度付与剤、着色薬、粘度調節剤、安定剤または浸透圧調節剤など他の好適な医薬品添加物を含んでもよい。経口投与のための液体キャリアの好適な例として、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコール、たとえばグリコールを含む)およびその誘導体、油(たとえば分留ヤシ油およびラッカセイ油)、ならびに接触期間が短い場合、水(特に上記のような添加剤、たとえばセルロース誘導体を含むもの、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液)が挙げられる。
【0026】
好ましくは、本医薬組成物は、たとえば錠剤、カプセル、散剤、溶液、懸濁液、エマルジョンまたは顆粒として1つの単位剤形である。こうした形態の場合、組成物は、適切な量の活性成分を含む1回量に細分され、単位剤形は、包装された組成物、たとえば包装された散剤、バイアル、アンプルおよび同種のものであってもよい。単位剤形は、たとえば、1つのカプセルまたは錠剤自体であってもよいし、あるいはそうした任意の組成物の適切な数の包装形態であってもよい。
【0027】
以下の例は、説明を目的として提供するものであり、いかなる形においても本発明を限定することを意図するものではない。当業者であれば、重要でない様々なパラメーターを変更または修正しても、本質的に同一の結果が得られることを容易に認識するであろう。
【実施例】
【0028】
材料
実施例に使用した材料は、表1に記載した入手先から購入した。ベンダムスチンHCl(BM1)は、公知の方法に従い製造した。
【0029】
【表1】

【0030】
賦形剤の混合物を使用した場合、賦形剤は、ベンダムスチン塩酸塩に加える前に前混合した。他に記載がない限り、組成物はすべて重量パーセントである。
【0031】
分析方法
実施例1のHPLC法
サンプルについて、総流量1.0mL/分、30℃に設定したZorbax Bonus−RP Column(150×4.6mm、5μm充填剤)に2μLの被検材料を注入して解析した。カラムには254nmに設定したVWD検出器を採用した。移動相は、第1の移動相Aが0.1%TFA水溶液(v/v)、第2の移動相Bがアセトニトリル中の0.1%TFA(v/v)とし、表2に示すグラジエントに従い2相のグラジエントで流した。
【0032】
【表2】

【0033】
実施例2のHPLC法
サンプルについて、総流量1.5mL/分、30℃に設定したZorbax Bonus−RP Column(150×4.6mm、3.5μm充填剤)に5μLの被検材料を注入して解析した。カラムには254nmに設定したVWD検出器を採用した。移動相は、第1の移動相Aが0.1%TFA水溶液(v/v)、第2の移動相Bがアセトニトリル中の0.1%TFA(v/v)とし、表2Aに示すグラジエントに従い2相のグラジエントで流した。
【0034】
【表2A】

【実施例1】
【0035】
2種および3種の賦形剤を用いたベンダムスチンHClの安定性試験のための製剤の製造
賦形剤配合物を製造し(%w/w、賦形剤の組み合わせおよび比率に関する表3Aを参照)、ベンダムスチンHCl(50mg/mL)を加えた。この固体を60℃に加熱し、2時間撹拌し、次いで室温まで冷却し、一晩放置した。次いで固体サンプルを溶融し、ポジティブディスプレイスメント方式(positive displacement)のマイクロピペットを用いて各バイアルから300μLを清浄なバイアルにピペッティングした。液体製剤を室温で3時間混合し、固体と同じ要領でサンプル採取した。各バイアルを40℃/75%RH、30℃/65%RH、25℃/60%RHおよび5℃で安定性試験に供した。メタノールで25倍希釈してサンプルを製造し、実施例1に関し上述したHPLC法に従い解析した。結果を表3A〜表3Eに報告する。
【0036】
本明細書で使用する場合、「ベンダムスチンの純度(%)」とは、サンプル医薬組成物のベンダムスチンに対応するピークの曲線下面積で、非ベンダムスチンのピークを除いたものをいう。BM1はベンダムスチンHClである。表3Aは、所定の各組成物の初期の純度を示す。
【0037】
【表3A】

【0038】
【表3B】

【0039】
【表3C】

【0040】
【表3D】

【0041】
【表3E】

【実施例2】
【0042】
1種の賦形剤を用いたベンダムスチンHClの安定性試験のための製剤の製造
250mgのベンダムスチン塩酸塩をガラスバイアルに秤量し、5gの溶融した賦形剤を加えた。これを70℃で3時間撹拌し、次いで室温まで冷却し、一晩放置した。次いで固体サンプルを溶融し、ポジティブディスプレイスメント方式(positive displacement)のマイクロピペットを用いて各バイアルから350μLを清浄なバイアルにピペッティングした。液体製剤を室温で3時間混合し、固体と同じ要領でサンプル採取した。各バイアルを40℃/75%RH、30℃/65%RHおよび25℃/60%RHで安定性試験に供した。メタノールで25倍希釈してサンプルを製造し、実施例2に関し上述したHPLC法に従い解析した。安定性の結果を表4A、表4Bおよび表4Cに示す。
【0043】
【表4A】

【0044】
【表4B】

【0045】
【表4C】

【0046】
このため、本発明の第1の態様では、経口投与のための非水系医薬組成物であって:
ベンダムスチンまたはその薬学的に許容される塩、ならびに
溶媒および共溶媒、界面活性剤および共界面活性剤、中鎖モノグリセリドならびにトリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種の非水系の薬学的に許容される賦形剤
を含む、非水系医薬組成物が提供される。
【0047】
本発明の第2の態様は、経口投与のための非水系医薬組成物であって、
ベンダムスチンまたはその薬学的に許容される塩、ならびに
溶媒および共溶媒、界面活性剤および共界面活性剤、中鎖モノグリセリドならびにトリグリセリドからなる群から選択される少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤
を含む、非水系医薬組成物を提供する。
【0048】
本発明の第3の態様は、第1の態様の非水系医薬組成物であって、少なくとも1種の非水系の薬学的に許容される賦形剤がプロピレンカルボナート、プロピレングリコール、カプリル酸グリセリル、ポリソルベート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール、トウモロコシ油、グリセリルモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールヒドロキシルステアレート、トリグリセリド、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールトコフェロールおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される、非水系医薬組成物を提供する。
【0049】
第4の態様は、第2の態様の非水系医薬組成物であって、少なくとも1種の非水系の薬学的に許容される賦形剤がプロピレンカルボナート、プロピレングリコール、カプリル酸グリセリル、ポリソルベート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール、トウモロコシ油、グリセリルモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールヒドロキシルステアレート、トリグリセリド、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールトコフェロールおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される、非水系医薬組成物を提供する。
【0050】
第5の態様は、経口投与のための非水系医薬組成物であって、
ベンダムスチンまたはその薬学的に許容される塩、ならびに
ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール、トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウレートとポリエチレングリコールジラウレートとの混合物、ラウリン酸グリセリルおよびヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール混合物からなる群から選択される少なくとも1種の非水系の薬学的に許容される賦形剤
を含む、非水系医薬組成物を提供する。
【0051】
第6の態様は、第5の態様に記載の経口投与のための非水系医薬組成物であって、
ベンダムスチンまたはその薬学的に許容される塩、ならびに
Myrj 52、ポロキサマー188、Speziol TPGS、PEG 1450、Gelucire 44/14、Imwitor 312およびSolutol HS15からなる群から選択される少なくとも1種の非水系の薬学的に許容される賦形剤
を含む、非水系医薬組成物を提供する。
【0052】
第7の態様は、第2または第4の態様の非水系医薬組成物であって、医薬組成物が固溶体、固体懸濁物、固体分散体、液体分散液、懸濁液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ゲルまたは溶液である、非水系医薬組成物を提供する。
【0053】
第8の態様は、第1または第3の態様の非水系医薬組成物であって、医薬組成物が固溶体、固体懸濁物、固体分散体、液体分散液、懸濁液、ゲルまたは溶液である、非水系医薬組成物を提供する。
【0054】
第9の態様は、第4の態様の非水系医薬組成物であって、少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤がグリセリルモノラウレートおよびポリエチレン−ポリプロピレングリコールである、非水系医薬組成物を提供する。
【0055】
第10の態様は、第9の態様の非水系医薬組成物であって、グリセリルモノラウレートとポリエチレン−ポリプロピレングリコールとの比率が約1:1である、非水系医薬組成物を提供する。
【0056】
第11の態様は、第9の態様の非水系医薬組成物であって、グリセリルモノラウレートがIMWITOR 312である、非水系医薬組成物を提供する。
【0057】
第12の態様は、第9の態様の非水系医薬組成物であって、ポリエチレン−ポリプロピレングリコールがポロキサマー188である、非水系医薬組成物を提供する。
【0058】
第13の態様は、第4の態様の非水系医薬組成物であって、少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤がカプリル酸グリセリルおよびポリエチレン−ポリプロピレングリコールである、非水系医薬組成物を提供する。
【0059】
第14の態様は、第13の態様の非水系医薬組成物であって、カプリル酸グリセリルとポリエチレン−ポリプロピレングリコールとの比率が約2:1である、非水系医薬組成物を提供する。
【0060】
第15の態様は、第13の態様の非水系医薬組成物であって、カプリル酸グリセリルがCAPMUL MCMである、非水系医薬組成物を提供する。
【0061】
第16の態様は、第13の態様の非水系医薬組成物であって、ポリエチレン−ポリプロピレングリコールがポロキサマー188である、非水系医薬組成物を提供する。
【0062】
第17の態様は、第4の態様の非水系医薬組成物であって、少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤がポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールモノステアレートである、非水系医薬組成物を提供する。
【0063】
第18の態様は、第17の態様の非水系医薬組成物であって、ポリエチレングリコールは分子量が少なくとも約1000g/molである、非水系医薬組成物を提供する。
【0064】
第19の態様は、第17または第18の態様の非水系医薬組成物であって、ポリエチレングリコールとポリエチレングリコールモノステアレートとの比率が約1:1である、非水系医薬組成物を提供する。
【0065】
第20の態様は、第17の態様の非水系医薬組成物であって、ポリエチレングリコールモノステアレートがMYRJ 52である、非水系医薬組成物を提供する。
【0066】
第21の態様は、第4の態様の非水系医薬組成物であって、少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤がグリセリルモノラウレートおよびポリソルベートである、非水系医薬組成物を提供する。
【0067】
第22の態様は、第21の態様の非水系医薬組成物であって、グリセリルモノラウレートとポリソルベートとの比率が約4:1である、非水系医薬組成物を提供する。
【0068】
第23の態様は、第21または第22の態様の非水系医薬組成物であって、ポリソルベートがポリソルベート80である、非水系医薬組成物を提供する。
【0069】
第24の態様は、第21の態様の非水系医薬組成物であって、グリセリルモノラウレートがIMWITOR 312である、非水系医薬組成物を提供する。
【0070】
第25の態様は、第4の態様の非水系医薬組成物であって、少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤がプロピレングリコールおよびポリエチレン−ポリプロピレングリコールである、非水系医薬組成物を提供する。
【0071】
第26の態様は、第25の態様の非水系医薬組成物であって、プロピレングリコールとポリエチレン−ポリプロピレングリコールとの比率(ration)が約1:4である、非水系医薬組成物を提供する。
【0072】
第27の態様は、第25または第26の態様の非水系医薬組成物であって、ポリエチレン−ポリプロピレングリコールがポロキサマー188である、非水系医薬組成物を提供する。
【0073】
28の態様は、第26の態様の非水系医薬組成物であって、少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤がポリエチレングリコールおよびポリエチレン−ポリプロピレングリコールである、非水系医薬組成物を提供する。
【0074】
第29の態様は、第28の態様の非水系医薬組成物であって、ポリエチレングリコールは分子量が少なくとも約1500g/molである、非水系医薬組成物を提供する。
【0075】
第30の態様は、第28または第29の態様の非水系医薬組成物であって、ポリエチレングリコールとポリエチレン−ポリプロピレングリコールとの比率が約7:3である非水系医薬組成物を提供する。
【0076】
第31の態様は、第28の態様の非水系医薬組成物であって、ポリエチレン−ポリプロピレングリコールがポロキサマー188である、非水系医薬組成物を提供する。
【0077】
第32の態様は、第4の態様の非水系医薬組成物であって、薬学的に許容される賦形剤はそれぞれ分子量が少なくとも200g/molである、非水系医薬組成物を提供する。
【0078】
第33の態様は、慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫または乳癌の治療を必要としている患者においてそれらを治療する方法であって、先行する態様のいずれか一つに記載の、薬学的有効量の医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法を提供する。
【0079】
第34の態様は、慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫または乳癌を治療する薬物を製造するための、第1〜第32の態様のいずれか一つの非水系医薬組成物の使用を提供する。
【0080】
第35の態様は、非ホジキンリンパ腫が低悪性度のB細胞非ホジキンリンパ腫である第34の態様の使用を提供する。
【0081】
第36の態様は、第1〜第32の態様のいずれか一つの非水系医薬組成物を含む非水系経口剤形を提供する。
【0082】
第37の態様は、第35の態様の非水系経口剤形であって、剤形がカプセル、軟質ゲル、速放性錠剤、放出制御錠剤、徐放性錠剤またはサッシェである、非水系経口剤形を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口投与のための非水系医薬組成物であって、
ベンダムスチンまたはその薬学的に許容される塩、ならびに
溶媒および共溶媒、界面活性剤および共界面活性剤、中鎖モノグリセリドならびにトリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種の非水系の薬学的に許容される賦形剤
を含む、非水系医薬組成物。
【請求項2】
経口投与のための非水系医薬組成物であって、
ベンダムスチンまたはその薬学的に許容される塩、ならびに
溶媒および共溶媒、界面活性剤および共界面活性剤、中鎖モノグリセリドならびにトリグリセリドからなる群から選択される少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤
を含む、非水系医薬組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種の非水系の薬学的に許容される賦形剤はプロピレンカルボナート、プロピレングリコール、カプリル酸グリセリル、ポリソルベート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール、トウモロコシ油、グリセリルモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールヒドロキシルステアレート、トリグリセリド、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールトコフェロールおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される、請求項1に記載の非水系医薬組成物。
【請求項4】
前記少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤はプロピレンカルボナート、プロピレングリコール、カプリル酸グリセリル、ポリソルベート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール、トウモロコシ油、グリセリルモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールヒドロキシルステアレート、トリグリセリド、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールトコフェロールおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される、請求項2に記載の非水系医薬組成物。
【請求項5】
経口投与のための非水系医薬組成物であって、
ベンダムスチンまたはその薬学的に許容される塩、ならびに
ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール、トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウレートとポリエチレングリコールジラウレートとの混合物、ラウリン酸グリセリルおよびヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール混合物からなる群から選択される少なくとも1種の非水系の薬学的に許容される賦形剤を含む、非水系医薬組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種の非水系の薬学的に許容される賦形剤はMYRJ 52、ポロキサマー188、SPEZIOL TPGS、PEG 1450、GELUCIRE 44/14、IMWITOR 312およびSOLUTOL HS15からなる群から選択される、請求項5に記載の非水系医薬組成物。
【請求項7】
前記医薬組成物は固溶体、固体懸濁物、固体分散体、液体分散液、懸濁液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ゲルまたは溶液である、請求項2または4に記載の非水系医薬組成物。
【請求項8】
前記医薬組成物は固溶体、固体懸濁物、固体分散体、液体分散液、懸濁液、ゲルまたは溶液である、請求項1または3に記載の非水系医薬組成物。
【請求項9】
前記少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤はグリセリルモノラウレートおよびポリエチレン−ポリプロピレングリコールである、請求項4に記載の非水系医薬組成物。
【請求項10】
グリセリルモノラウレートとポリエチレン−ポリプロピレングリコールとの比率は約1:1である、請求項9に記載の非水系医薬組成物。
【請求項11】
前記グリセリルモノラウレートはIMWITOR 312である、請求項9に記載の非水系医薬組成物。
【請求項12】
前記ポリエチレン−ポリプロピレングリコールはポロキサマー188である、請求項9に記載の非水系医薬組成物。
【請求項13】
前記少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤はカプリル酸グリセリルおよびポリエチレン−ポリプロピレングリコールである、請求項4に記載の非水系医薬組成物。
【請求項14】
カプリル酸グリセリルとポリエチレン−ポリプロピレングリコールとの比率は約2:1である、請求項13に記載の非水系医薬組成物。
【請求項15】
前記カプリル酸グリセリルはCAPMUL MCMである、請求項13に記載の非水系医薬組成物。
【請求項16】
前記ポリエチレン−ポリプロピレングリコールはポロキサマー188である、請求項13に記載の非水系医薬組成物。
【請求項17】
前記少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤はポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールモノステアレートである、請求項4に記載の非水系医薬組成物。
【請求項18】
前記ポリエチレングリコールは分子量が少なくとも約1000g/molである、請求項17に記載の非水系医薬組成物。
【請求項19】
前記ポリエチレングリコールと前記ポリエチレングリコールモノステアレートとの比率は約1:1である、請求項17または請求項18に記載の非水系医薬組成物。
【請求項20】
前記ポリエチレングリコールモノステアレートはMYRJ 52である、請求項17に記載の非水系医薬組成物。
【請求項21】
前記少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤はグリセリルモノラウレートおよびポリソルベートである、請求項4に記載の非水系医薬組成物。
【請求項22】
グリセリルモノラウレートとポリソルベートとの比率は約4:1である、請求項21に記載の非水系医薬組成物。
【請求項23】
前記ポリソルベートはポリソルベート80である、請求項21または請求項22に記載の非水系医薬組成物。
【請求項24】
前記グリセリルモノラウレートはIMWITOR 312である、請求項21に記載の非水系医薬組成物。
【請求項25】
前記少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤はプロピレングリコールおよびポリエチレン−ポリプロピレングリコールである、請求項4に記載の非水系医薬組成物。
【請求項26】
プロピレングリコールと前記ポリエチレン−ポリプロピレングリコールとの比率(ration)は約1:4である、請求項25に記載の非水系医薬組成物。
【請求項27】
前記ポリエチレン−ポリプロピレングリコールはポロキサマー188である、請求項25または26に記載の非水系医薬組成物。
【請求項28】
前記少なくとも2種の非水系の薬学的に許容される賦形剤はポリエチレングリコールおよびポリエチレン−ポリプロピレングリコールである、請求項26に記載の非水系医薬組成物。
【請求項29】
前記ポリエチレングリコールは分子量が少なくとも約1500g/molである、請求項28に記載の非水系医薬組成物。
【請求項30】
ポリエチレングリコールとポリエチレン−ポリプロピレングリコールとの比率は約7:3である、請求項28または請求項29に記載の非水系医薬組成物。
【請求項31】
前記ポリエチレン−ポリプロピレングリコールはポロキサマー188である、請求項28に記載の非水系医薬組成物。
【請求項32】
前記薬学的に許容される賦形剤はそれぞれ分子量が少なくとも200g/molである、請求項4に記載の非水系医薬組成物。
【請求項33】
慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫または乳癌の治療を必要としている患者においてそれらを治療する方法であって、請求項1〜32のいずれか一項に記載の薬学的有効量の医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項34】
慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫または乳癌を治療する薬物を製造するための、請求項1〜32のいずれか一項に記載の非水系医薬組成物の使用。
【請求項35】
前記非ホジキンリンパ腫は低悪性度のB細胞非ホジキンリンパ腫である、請求項34に記載の使用
【請求項36】
請求項1から32のいずれか一項に記載の非水系医薬組成物を含む、非水系経口剤形。
【請求項37】
前記剤形はカプセル、軟質ゲル、速放性錠剤、放出制御錠剤、徐放性錠剤またはサッシェである、請求項36に記載の非水系経口剤形。

【公表番号】特表2012−525387(P2012−525387A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508503(P2012−508503)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/029578
【国際公開番号】WO2010/126676
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(509021085)セファロン、インク. (24)
【Fターム(参考)】