説明

ベーカリー用配合材

【課題】内相に呈味部分が点在し、且つ、その呈味部分の食感と、ベースとなるパンのクラムの食感との間に違和感がなく、呈味素材に由来する孔の形成がおこりにくいバラエティブレッドを得るための、ベーカリー用配合材を提供すること。
【解決手段】バタークリームと澱粉類の混合物を小片状としたベーカリー用配合材、該ベーカリー用配合材を用いて製造されたバラエティブレッド生地、該バラエティブレッド生地を焼成および/またはフライしたバラエティブレッド、バタークリームと澱粉類の混合物を小片状としたベーカリー用配合材をベースとなるパン類生地に分散させる工程、および/またはパン類生地に巻き込む工程を行うことを特徴とするバラエティブレッド生地の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーカリー用配合材に関し、詳しくは、内相に呈味部分が点在し、且つ、その呈味部分の食感と、ベースとなるパンのクラムの食感との間に違和感がなく、呈味素材に由来する孔の形成がおこりにくいバラエティブレッドを得るためのベーカリー用配合材に関する。
【背景技術】
【0002】
食パン、菓子パン、デニッシュ、ハードロールなどのパン類の内相に、呈味部分が点在するパン類はバラエティブレッドといわれ、その製造方法としては、焼成後にもそのままの形状で残るドライフルーツやチョコチップなどの呈味素材を、ベースとなるパン生地に混合する方法が一般に行なわれてきた。特に、チーズをはじめ、マヨネーズ(例えば特許文献1参照)、マーガリン(例えば特許文献2〜4参照)などの油脂を多く含有する食品素材を小片状としてパン生地に分散させ、焼成して得られるバラエティブレッドは、焼成時に食品素材中の油脂が一部または全部溶解してパンのクラムに染みこむことでその油脂に由来する呈味部分が点在する形態となるため、ベースとなるパン生地の油分含有量が少ない場合であっても油性感を認識しやすいバラエティブレッドとすることができることから、最近再び注目を集めるようになってきている。
【0003】
しかし、チーズを使用した場合、チーズは蛋白質含量が高いため、焼成時に逆に固化してしまい、その呈味部分の食感と、ベースとなるパンのクラムの食感との間に違和感が生じ、一体感に欠ける食感のバラエティブレッドになってしまう問題があった。また、マヨネーズを使用する方法では、固化に使用するゲル化剤によって、油脂の滲出が抑制されてしまい、油性感があまり感じられない問題があった。また、マーガリンを使用する場合は、完全に溶解してしまうため、その溶解したあとに大きな孔を生じてしまう問題があった。
【0004】
ところで、本発明者らは、内相に油脂の呈味部分が点在し、且つ、その油脂の呈味部分の食感と、ベースとなるパンのクラムの食感との間に違和感がなく、油脂に由来する孔の形成がおこりにくいバラエティブレッドを得るためのベーカリー用配合材として、油脂と澱粉類の混合物を小片状としたベーカリー用配合材を使用する方法について出願している(特願2008−092603)。
【0005】
しかし、該出願の実施例に開示している製造方法は、無水系の油脂組成物を用いる方法のみであり、このような無水系の油脂組成物と澱粉類の混合物からなるベーカリー用配合材は、澱粉類の含有量が多い場合、焼成時にその澱粉類の糊化がすすみにくく、そのため呈味部分が粉っぽい食感になりやすいという問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開2002−262760号公報
【特許文献2】特開平06−233649号公報
【特許文献3】特開平11−318318号公報
【特許文献4】特開平11−318319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、内相に油脂を含む呈味部分が点在し、且つ、その呈味部分の食感と、ベースとなるパンのクラムの食感との間に違和感がなく、油脂に由来する孔の形成がおこりにくいバラエティブレッドを得るための、ベーカリー用配合材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく種々検討した結果、バタークリームと澱粉類の混合物を小片状に成形し、これを使用することにより、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0009】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、バタークリームと澱粉類の混合物を小片状としたベーカリー用配合材を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、バタークリームと澱粉類の混合物を小片状としたベーカリー用配合材を用いて製造されたバラエティブレッド生地などのベーカリー生地を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、上記ベーカリー生地を焼成および/またはフライしたベーカリー食品を提供するものである。
【0012】
さらに本発明はバタークリームと澱粉類の混合物を小片状としたベーカリー用配合材をベースとなるパン生地に分散させる工程、および/またはパン生地に巻き込む工程を行うことを特徴とするバラエティブレッド生地の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明のベーカリー用配合材は、内相に油脂を含む呈味部分が点在し、且つ、その呈味部分の食感と、ベースとなるパンなどのベーカリー生地のクラムの食感との間に違和感がなく、油脂に由来する孔の形成がおこりにくいバラエティブレッドなどのベーカリー食品を得ることができる。
【0014】
また、本発明のバラエティブレッド生地の製造方法によれば、上記特徴を有するバラエティブレッドを得るためのバラエティブレッド生地を簡単に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明のバタークリームと澱粉類の混合物を小片状としたベーカリー用配合材について詳述する。
【0016】
バタークリームとは、油脂、水、呈味原料を必須成分として含有する、油中水型あるいは油中水中油型の乳化形態を持つクリームの総称であり、乳化油脂組成物である。
【0017】
その一般的な製造方法としては、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどの可塑性油脂組成物をクリーミングし、ここに糖液、卵類、乳や乳製品、塩、果汁などの風味成分を配合して混合する方法が挙げられる。
【0018】
上記バタークリームに使用する油脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油などの各種植物油脂、および、動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別およびエステル交換から選択される1つまたは2つ以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0019】
本発明において、上記バタークリームに含まれる油分の含有量は、下記の呈味原料やその他の原料に含有される油脂分も含め、好ましくは25〜85質量%、さらに好ましくは30〜60質量%、最も好ましくは35〜55質量%である。バタークリームに含まれる油分の含有量が25質量%より少ないと、澱粉類と均一に混合することができないおそれがある。また、バタークリームに含まれる油分の含有量が85質量%より多いと、得られるベーカリー食品において、クラムに孔が生じやすい。
【0020】
上記バタークリームに使用する水としては、天然水や水道水をはじめ、下記の呈味原料やその他の原料に含有される水をも含むものである。
【0021】
本発明において、上記バタークリームに含まれる水分の含有量は、下記の呈味原料やその他の原料に含有される水分も含め、10〜50質量%が好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。バタークリームに含まれる水分の含有量が10質量%より少ないと、得られるベーカリー食品の、ベーカリー用配合材由来の呈味部分が粉っぽい食感になりやすい。また、バタークリームに含まれる水分の含有量が50質量%より多いと、得られるベーカリー用配合材自体の食感がひきの出たものになりやすく、さらに得られるベーカリー食品においても、呈味部分の食感がひきの出たものになってしまう場合がある。
【0022】
上記バタークリームに使用する呈味原料としては、糖類、卵類、乳や乳製品、果実、果汁、ジャム、カカオおよびカカオ製品、ナッツペースト、香辛料、茶、酒類、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類、コーヒーおよびコーヒー製品などが挙げられる。
【0023】
上記糖類としては、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテームなどの糖を挙げることができる。これらの糖は、単独で用いることもでき、または、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0024】
本発明において、上記バタークリームに含まれる糖類の含有量は、固形分として10〜50質量%が好ましく、より好ましくは15〜35質量%である。バタークリームに含まれる糖分の含有量が10質量%より少ないと、呈味が不十分である場合がある。また、バタークリームに含まれる糖分の含有量が50質量%より多いと、得られるベーカリー生地のべたつきが激しく、成形が困難となる場合がある。
【0025】
上記卵類としては、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などを用いることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
【0026】
上記の乳または乳製品としては、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、クリームチーズ、バター、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、ホイップクリーム、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料など、脱脂粉乳、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウム、ホエープロテインコンセートレート、トータルミルクプロテイン、乳清ミネラルなどが挙げられる。
【0027】
上記バタークリームでは、上記呈味原料に加え、一般的なバタークリームに使用することのできるその他の原料を使用することができる。その他の原料としては、乳化剤、安定剤、蛋白質、調味料、着香料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤などが挙げられる。
【0028】
これらその他の原料の配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、特に制限されず、通常の使用量の範囲で任意に使用することができる。
【0029】
次に、本発明のバタークリームの製造方法について以下に説明する。
【0030】
第1の方法としては、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどの可塑性油脂組成物に、糖液、卵類、乳や乳製品、果汁などの呈味原料を配合して混合する方法が挙げられる。ここで、水分は、可塑性油脂組成物、呈味原料の片方、または両方に含有させることができる。なお、可塑性油脂組成物はクリーミングしてから呈味原料を添加することが均質なバタークリームが得られることから好ましい。なお、可塑性油脂組成物と呈味原料を混合してからクリーミングしてもよい。
【0031】
上記第1の方法で得られるバタークリームの好ましい比重は0.5〜1.2、より好ましくは0.6〜1.0である。
【0032】
また、第2の方法としては、油脂と、水を乳化して油中水型または油中水中油型可塑性油脂組成物を製造する際に、水相または油相に呈味原料を添加する方法である。
【0033】
以下に、油中水型、油中水中油型の乳化形態ごとにさらに詳述する。
【0034】
先ず、油中水型の乳化形態の製造方法の一例を以下に説明する。
【0035】
水あるいは水を含有する呈味原料およびその他の成分を混合して水相を用意する。一方、油脂にその他の成分を添加し混合して、油相を用意する。
【0036】
次いで、該水相と該油相とを混合乳化して油中水型乳化物を得る。そして、該油中水型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
【0037】
次に、該油中水型乳化物を冷却し、可塑化して、油中水型の乳化形態のバタークリームを得る。冷却、可塑化する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクターなどのマーガリン製造機やプレート型熱交換機などが挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせなどが挙げられる。
【0038】
また、油中水型の乳化形態のバタークリームを製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気などを含気させても、させなくても構わないが、好ましくは得られるバタークリームの比重が好ましくは0.5〜0.9、より好ましくは0.6〜0.8、さらに好ましくは0.6〜0.7となるように含気させることが好ましい。
【0039】
このようにして得られる油中水型の乳化形態のバタークリームにおいて、油相と水相との割合は、質量比率で、好ましくは40〜90:10〜60、さらに好ましくは50〜85:15〜50、最も好ましくは65〜80:20〜35である。
【0040】
次に、油中水中油型の乳化形態の場合の製造方法の一例を以下に説明する。
【0041】
水、あるいは水を含有する呈味原料とその他の成分とを混合して水相を用意する。一方、油脂にその他の成分を添加し混合した油相1(内油相)、および油脂にその他の成分を添加し混合した油相2(外油相)を用意する。
【0042】
次いで、上記水相と上記油相1とを混合し、乳化して水中油型乳化物を得る。次に、上記油相2中に、この水中油型乳化物を投入して、油中水中油型乳化物を得る。そして、該油中水中油型乳化物を殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
【0043】
次に、該油中水中油型乳化物を冷却し、可塑化して、油中水中油型の乳化形態のバタークリームを得る。冷却、可塑化する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクターなどのマーガリン製造機やプレート型熱交換機などが挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせなどが挙げられる。
【0044】
また、油中水中油型の乳化形態のバタークリームを製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気などを含気させても、させなくても構わないが、好ましくは得られるバタークリームの比重が0.5〜0.9、より好ましくは0.6〜0.8、最も好ましくは0.6〜0.7となるように含気させるのがよい。このようにして得られる油中水中油型の乳化形態のバタークリームにおいて、油相1(内油相)と水相と油相2(外油相)との割合は、質量比率で、好ましくは25〜55:25〜55:10〜30、さらに好ましくは30〜50:30〜50:10〜30、最も好ましくは35〜45:35〜45:15〜25である。
【0045】
なお、上記油中水中油型乳化の乳化形態には、O/O型の乳化形態を含むものである。このO/O型の乳化形態とは、油中水中油型の乳化形態の一種であり、外油相中に、1つの内油相をもった水中油型乳化物が多数存在する状態を指す。O/O型の乳化形態のバタークリームを製造する方法としては、例えば以下の4つの方法が挙げられる。
【0046】
上記油中水中油型の乳化形態のバタークリームの製造において、油相1(内油相)、水相および油相2(外油相)を乳化し、油中水中油型乳化物を製造したのち、冷却、可塑化、転相させる方法。
【0047】
水相と油相とを乳化して水中油型乳化物を得たのち、水中油型乳化物を冷却、可塑化、転相させる方法。
【0048】
水相と油相とを乳化して油中水型乳化物を得たのち、該油中水型乳化物を転相させて水中油型乳化物とし、さらに、該水中油型乳化物を冷却、可塑化、転相させる方法。
【0049】
水相と油相とを乳化して油中水型乳化物を得たのち、該油中水型乳化物を転相させて油中水中油型乳化物とし、さらに、該油中水中油型乳化物を冷却、可塑化、転相させる方法。
【0050】
上記O/O型の乳化形態のバタークリームを製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気などを含気させても、させなくても構わないが、好ましくは得られるバタークリームの比重が0.5〜0.9、より好ましくは0.6〜0.8、さらに好ましくは0.6〜0.7となるように含気させるのがよい。
【0051】
このようにして得られるO/O型の乳化形態のバタークリームにおいて、油相1(内油相)と水相と油相2(外油相)との割合は、質量比率で、好ましくは25〜55:25〜55:10〜30、さらに好ましくは30〜50:30〜50:10〜30、最も好ましくは35〜45:35〜45:15〜25である。
【0052】
次に、本発明で用いられる澱粉類について詳述する。
【0053】
本発明で用いる澱粉類としては、まず穀粉類、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類が挙げられる。また、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシューナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉 、米澱粉などの澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼなどの酵素で処理したものや、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理などの中から選ばれた1種または2種以上の処理を施した化工澱粉などが挙げられる。
【0054】
本発明では、上記の中でも、呈味部分の食感と、ベースとなるパンのクラムの食感との間に違和感がないバラエティブレッドが得られる点で穀粉類を使用することが好ましく、より好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上使用する。なお、小麦粉類を使用する場合、小麦粉類の中でも特に、バタークリームと澱粉類を混合する際のグルテン形成が少ないため、呈味部分の食感が優れる点で、薄力粉を使用することが好ましい。
【0055】
なお、本発明において、穀粉類を使用する場合は、乾熱処理されているものであることが好ましい。これは、乾熱処理することにより、穀粉類に含まれる蛋白質を失活させること、および、澱粉類に含まれる水分を減少させることができ、結果として、呈味部分の食感と、ベースとなるパンのクラムの食感との間に違和感がないバラエティブレッドが得られるためである。乾熱処理方法については特に限定されないが、好ましくは100〜250℃で5分間〜10時間程度行なえばよい。
【0056】
次に、本発明のベーカリー用配合材について詳述する。
本発明のベーカリー配合材は、上記バタークリームと澱粉類を混合した混合物を小片状としたものである。
【0057】
上記混合物における上記バタークリームと上記澱粉類との配合比は、特に限定されないが、澱粉類1質量部に対し、好ましくはバタークリーム0.3〜5質量部、より好ましくは0.5質量部〜1.5質量部である。
【0058】
なお、上記混合物における好ましい油分含有量は10〜60質量%、より好ましくは15〜50質量%である。10質量%より少ないと、混合物が均一にまとまらず、そぼろ状になってしまうおそれがある。また、ベースとなるベーカリー生地に本発明のベーカリー配合材を混合する際に崩れやすく、簡単に練りこまれて均一化されてしまうおそれがある。さらにはベースとなるベーカリー生地と呈味部分の食感が一致しない場合もある。60質量%より多いと、ベーカリー食品のクラムに孔が生じやすく、また、ベーカリー生地に混合する際にペースト状になって、簡単に練りこまれて均一化されてしまうおそれがある。
【0059】
また、上記混合物における好ましい水分含有量は5〜40質量%、より好ましくは8〜30質量%である。40質量%より多いと、ベーカリー食品のクラムに孔が生じやすく、さらには、ベーカリー生地に混合する際にペースト状になって、簡単に練りこまれて均一化されてしまうおそれがある。
【0060】
また、上記混合物における好ましい糖分含有量は5〜40質量%、より好ましくは5〜30質量%である。40質量%より多いと、得られるベーカリー生地のべたつきが激しく、成形が困難となる場合があり、また、5質量%より少ないと、呈味が不十分となるおそれがある。
【0061】
なお、上記バタークリームと澱粉類の混合方法としては特に限定されず、バタークリームと澱粉類をミキサーなどにより混合する方法を挙げることができる。なお、澱粉類1質量部に対するバタークリームの配合比が少ない場合は、バタークリームの比重が0.3〜0.8のものを使用することで均質な混合物が得られやすいことから好ましい。
【0062】
そして、前述の方法で得られたバタークリームと澱粉類の混合物は、小片状に成形する。小片状に成形することにより、バラエティブレッド製造時に直ちに生地製造することが可能となる。なお、この際に、バタークリームと澱粉類の混合物を、いったん冷凍してから小片状に成形してもよい。
【0063】
上記小片状とは、立方体状、直方体状、角柱状、円柱状、半円柱状、球状、薄片状、そぼろ状、塊状などの形状で、その大きさが、立方体状または直方体状のものは一辺の長さが2mm以上30mm以下程度、角柱状のものは断面となる多角形の一辺が2mm以上30mm以下で長さが2mm以上100mm以下程度、円柱状または半円柱状のものは直径が2mm以上30mm以下で長さが2mm以上100mm以下程度、球状のものは直径が2mm以上30mm以下程度、薄片状のものは厚さが0.5mm以上5mm以下程度、そぼろ状や塊状の場合はその平均粒径が2mm以上30mm程度のものである。該範囲外であると、ベースとなるパン生地への分散性が悪化するおそれがある。
【0064】
小片状に成形する方法としては、特に限定されるものではないが、バタークリームと澱粉類の混合物を、小片状の型に流しこみ冷却固化させる方法や、いったん冷却した混合物を、包丁や自動ラインで小片状にカットする方法や、小穴をあけた口金を通す押し出し成形で吐出させた後にカットして小片状とする方法などが挙げられる。
【0065】
本発明のベーカリー生地は、前述の方法で得られた、小片状のバタークリームと澱粉類の混合物をベーカリー用配合材として使用したものである。
ベーカリー用配合材とは、澱粉類やバタークリームをはじめ、通常のベーカリー素材が完全に均一に混合して使用するのに対し、ベーカリー食品で視認できる状態とするために使用するベーカリー素材のことである。
【0066】
すなわち、ベーカリー生地に使用する際には完全に均一になるまで練込使用するのではなく、その存在を視認できる程度に残すことを必要とする。
【0067】
本発明のベーカリー生地は、上記本発明のベーカリー用配合材を、ベースとなるベーカリー生地100質量部に対して、好ましくは5〜80質量部、さらに好ましくは10〜50質量部、最も好ましくは20〜30質量部含有するものである。
【0068】
ここで、上記ベースとなるベーカリー生地としては、通常のベーカリー生地を問題なく使用することができ、例えば、パン生地、パイ生地、イーストドーナツ生地、ケーキドーナツ生地、ケーキ生地、蒸ケーキ生地などが挙げられるが、中でも特に、パン生地を用いることが好ましい。すなわち、本発明のベーカリー生地はバラエティブレッド生地であることが好ましい。
【0069】
該ベースとなるパン生地としては、食パン、菓子パン、パイ、デニッシュ、クロワッサン、フランスパン、セミハードロール、ワッフル、スコーンなどの製造に用いられる生地として従来から使用されているものを用いることができるが、本発明では、その呈味部分の食感と、ベースとなるパンのクラムの食感との間に違和感のないバラエティブレッドが得られる点で、ベースとなるパン生地に使用する澱粉類100質量部に対して油脂配合量が好ましくは5〜30質量部、より好ましくは9〜20質量部であるパン生地を用いるのがよい。
【0070】
次に、本発明のベーカリー生地の好ましい製造方法について述べる。
本発明の製造方法では、ベースとなるベーカリー生地に対し、本発明のベーカリー配合材を上記添加量となるように添加し、適度に分散させることによって得られるものであるが、ベースとなるベーカリー生地に、完全に均一になるまで練込使用するのではなく、その存在を視認できる程度に残すことを必要とする。
以下、バラエティブレッド生地を例に挙げて述べる。
本発明のバラエティブレッド生地の製造方法は、上記本発明のベーカリー用配合材を、ベースとなるパン生地に分散させる工程、および/または、ベースとなるパン生地に巻き込む工程を含むものである。
【0071】
上記本発明のベーカリー用配合材をベースとなるパン生地に分散させる工程は、例えば、ベースとなるパン生地製造のミキシング途中で本発明のベーカリー用配合材を添加し、軽く混合することにより行なうことができる。
【0072】
また、本発明のベーカリー用配合材を上記ベースとなるパン生地に巻き込む工程は、例えば、ベースとなるパン生地を成形するときに、本発明のベーカリー用配合材をベースとなるパン生地上に散布し、これを巻き込むことにより行なうことができる。
【0073】
なお、上記製造方法で用いる本発明のベーカリー用配合材は、1種でもよいが、2種以上を同時に、または、別々に添加してもよい。その具体的な方法としては、本発明のベーカリー用配合材を分散させたバラエティブレッド生地を成形するときに本発明のベーカリー用配合材を巻き込む方法や、ベースとなるパン生地を成形するときに、2種の本発明のベーカリー用配合材をベースとなるパン生地上に数条の帯状に散布し、これを巻き込む方法などが挙げられる。
【0074】
次に、本発明のベーカリー食品について述べる。
本発明のベーカリー食品は、上記本発明のベーカリー生地を加熱処理することにより得ることができる。該加熱処理としては焼成、フライ、蒸すなどが挙げられ、その温度条件についてはベースとなるベーカリー生地の一般的な加熱条件とほぼ同様の条件で行なうことができる。
以下、バラエティブレッドを例に挙げて述べる。
本発明のバラエティブレッドは、上記のバラエティブレッド生地を使用したものであり、その具体的な製法としては、上記のバラエティブレッド生地を通常のバラエティブレッド生地と同様に、必要に応じ、丸めたり、延展したり、さらに打抜くなどの成形、型入れ、ホイロなどを行なった後、焼成、フライ、蒸すなどの加熱工程に供することにより、得ることができる。
【0075】
また、本発明のバラエティブレッド生地は、ホイロをとらずに冷凍または冷蔵しても良いし、ホイロをとった後に冷凍または冷蔵しても良い。ホイロをとらずに冷凍または冷蔵したものも、ホイロをとった後に冷凍または冷蔵したものも、常法に従い、焼成してバラエティブレッドとすることができる。
【0076】
また、本発明のバラエティブレッド生地を焼成などの加熱工程に供して得られたバラエティブレッドは、冷凍保存することが可能であり、冷凍保存した該バラエティブレッドは、電子レンジで解凍調理することが可能である。
【実施例】
【0077】
<バタークリームAの製造>
パーム硬化油180kgおよび大豆白絞油126.4kgからなる油相1と、水158.03kg、液糖(固形分75質量%)341.57kg、香料3.5kg、コーヒー粉末10kgおよび脱脂濃縮乳30kgからなる水相とを、45〜55℃で乳化し、水中油型乳化物を得た。さらに、パーム硬化油90kg、大豆白絞油60.3kgおよび色素0.2kgからなる油相2を上記水中油型乳化物に加え、油中水中油型乳化物を得た。この油中水中油型乳化物をコンビネーターで急冷可塑化し、転相させ、さらに、窒素をインラインミキサーで導入し、比重0.65、内油相:水相:外油相の質量比率は25:55:20、油分含有量が46質量%、水分含有量が26質量%、糖分含有量が25質量%の、O/O型のバタークリームAを製造した。
<バタークリームBの製造>
窒素を導入しない以外は上記バタークリームAの配合・製法と同様にして、比重0.95のO/O型のバタークリームBを製造した。
<バタークリームCの製造>
無塩バター500gを比重0.3までクリーミングし、ここに、液糖(固形分75質量%)490g、コーヒー粉末10gを添加し、軽く混合し、比重0.65、油分含有量が40質量%、水分含有量が22質量%、糖分含有量が37質量%のバタークリームCを得た。
【0078】
〔実施例1〕
上記バタークリームA333gと薄力粉667gをたて型ミキサーで混合し、澱粉類1質量部に対し、バタークリームを0.5質量部含有する混合物を得た。この混合物を0℃に3日間保管したのち、カッターを使用して、1辺10mmの立方体の形状の小片状に成形し、本発明のベーカリー用配合材Aを得た。なお、油分含有量は15質量%、水分含有量は9質量%、糖分含有量は8質量%であった。
【0079】
〔実施例2〕
上記バタークリームA500gと薄力粉500gをたて型ミキサーで混合し、澱粉類1質量部に対し、バタークリームを1質量部含有する混合物を得た。この混合物を0℃に3日間保管したのち、カッターを使用して、1辺10mmの立方体の形状の小片状に成形し、本発明のベーカリー用配合材Bを得た。なお、油分含有量は23質量%、水分含有量は13質量%、糖分含有量は13質量%であった。
【0080】
〔実施例3〕
上記バタークリームA667gと薄力粉333gを卓上ミキサーで混合し、澱粉類1質量部に対し、バタークリームを3質量部含有する混合物を得た。この混合物を0℃に3日間保管したのち、カッターを使用して、1辺10mmの立方体の形状の小片状に成形し、本発明のベーカリー用配合材Cを得た。なお、油分含有量は31質量%、水分含有量は17質量%、糖分含有量は16質量%であった。
【0081】
〔実施例4〕
上記バタークリームAに代えて上記バタークリームBを使用した以外は実施例2と同様にして、本発明のベーカリー用配合材Dを得た。なお、油分含有量は23質量%、水分含有量は13質量%、糖分含有量は13質量%であった。
【0082】
〔実施例5〕
上記バタークリームAに代えて上記バタークリームCを使用した以外は実施例2と同様にして、本発明のベーカリー用配合材Eを得た。なお、油分含有量は20質量%、水分含有量は11質量%、糖分含有量は19質量%であった。
【0083】
〔比較例1〕
無塩バター500gを比重0.5までクリーミングしたのち、薄力粉1000g、コーヒー粉末5gを添加し、さらに液糖(固形分75質量%)495gを添加、混合した。この混合物を0℃に3日間保管したのち、カッターを使用して、1辺10mmの立方体の形状の小片状に成形し、比較例のベーカリー用配合材Fを得た。なお、油分含有量は20質量%、水分含有量は11質量%、糖分含有量は19質量%であった。
【0084】
〔比較例2〕
無塩バター500gに薄力粉1000g、コーヒー粉末5g、および、液糖(固形分75質量%)495gを添加、混合した。この混合物を0℃に3日間保管したのち、カッターを使用して、1辺10mmの立方体の形状の小片状に成形し、比較例のベーカリー用配合材Gを得た。なお、油分含有量は20質量%、水分含有量は11質量%、糖分含有量は19質量%であった。
【0085】
〔比較例3〕
無塩バター500gに砂糖(固形分100質量%)495g及びコーヒー粉末5gを添加し、たて型ミキサーで比重0.6までクリーミングした。ここに薄力粉1000gを添加、混合した。この混合物を0℃に3日間保管したのち、カッターを使用して、1辺10mmの立方体の形状の小片状に成形し、比較例のベーカリー用配合材Hを得た。なお、油分含有量は20質量%、水分含有量は5質量%、糖分含有量は25質量%であった。
【0086】
〔比較例4〕
薄力粉1000g、に液糖(固形分75質量%)495g及びコーヒー粉末5gを添加、混合した。この混合物を0℃に3日間保管したのち、カッターを使用して、1辺10mmの立方体の形状の小片状に成形し、比較例のベーカリー用配合材Iを得た。なお、油分含有量は0質量%、水分含有量は8質量%、糖分含有量は25質量%であった。
【0087】
〔比較例5〕
無塩バター500gに液糖(固形分75質量%)495g及びコーヒー粉末5gを添加、混合後、比重0.5までクリーミングした。このクリーミングした混合物を0℃に3日間保管したのち、カッターを使用して、1辺10mmの立方体の形状の小片状に成形し、比較例のベーカリー用配合材Jを得た。なお、油分含有量は40質量%、水分含有量は21質量%、糖分含有量は38質量%であった。
【0088】
〔比較例6〕
上記バタークリームCを、0℃に3日間保管したのち、カッターを使用して、1辺10mmの立方体の形状の小片状に成形し、比較例のベーカリー用配合材Kを得た。なお、油分含有量が40質量%、水分含有量が22質量%、糖分含有量が40質量%であった。
<バラエティブレッドの製造>
〔実施例1〜5、および、比較例1〜6〕
以下の配合および製法により、まず、ベースとなるパン生地としてセミハードロール生地を製造し、該セミハードロール生地と上記実施例1〜5および比較例1〜6で得られたベーカリー用配合材A〜Kを使用してバラエティブレッド生地を製造し、さらに該バラエティブレッド生地を用いてバラエティブレッドを得た。
【0089】
(配合および製法)
強力粉70質量部、生イースト2質量部、イーストフード0.1質量部および水40質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で2分間、中速で2分間混合し、中種生地を得た。捏ね上げ温度は24℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85%の恒温室で、4時間中種醗酵を行なった。終点温度は29℃であった。この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、さらに、強力粉20質量部、薄力粉10質量部、食塩1.8質量部、上白糖3質量部および水22質量部を添加し、低速で3分間、中速で3分間ミキシングした。ここで、練込バタークリーム(マーガリン)10質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分間、中速で2分間、高速で1分間ミキシングを行ない、セミハードロール生地を得た。
【0090】
次いで、得られたセミハードロール生地に、上記ベーカリー用配合材25質量部を添加し、さらに低速で1分間混合し、本発明のバラエティブレッド生地を得た。
ここで、フロアタイムを30分間とった後、70gに分割・丸目を行ない、次いでベンチタイムを20分間とった後、モルダーを使用し、セミハード型成形した。33℃、相対湿度70%で50分間ホイロをとった後、クープを入れ、210℃に設定した固定窯に入れ、蒸気を入れ、15分間焼成して、本発明のバラエティブレッドを得た。
<バラエティブレッドの評価基準1 生地への分散性>
低速で1分間混合後のベーカリー用配合材の崩壊度を目視により観察した。
◎:極めて良好であった
○:良好であった。
△:混合時に崩壊してしまった
×:混合時に崩壊し、練りこまれてしまった。
<バラエティブレッドの評価基準2 孔の形成状況>
得られたバラエティブレッドを、厚さ15mmにスライスし、孔の発生状況を観察した。
○:呈味部分に孔の形成がほとんど見られなかった
△:呈味部分のところどころに孔の形成がみられた。
×:呈味部分に大きな孔の形成が多く見られた。
<バラエティブレッドの評価基準3 食感>
得られたバラエティブレッドを、袋に詰めて25℃で3日間静置した後、厚さ15mmにスライスし、試食した。
◎:ベースとなるパンのクラムの食感との間にほとんど違和感がない。
〇:ベースとなるパンのクラムの食感との間にあまり違和感がない
△:呈味部分と、ベースとなるパンのクラムの食感との間に違和感がある。
×:呈味部分が脂っこく、ベースとなるパンのクラムの食感との間に著しい違和感がある。
××:呈味部分が粉っぽく、ベースとなるパンのクラムの食感との間に著しい違和感がある。
【0091】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バタークリームと澱粉類の混合物を小片状としたベーカリー用配合材。
【請求項2】
上記澱粉類が穀粉類であることを特徴とする請求項1記載のベーカリー用配合材。
【請求項3】
上記穀粉類が乾熱処理されているものであることを特徴とする請求項2記載のベーカリー用配合材。
【請求項4】
油分含有量が10〜60質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベーカリー用配合材。
【請求項5】
水分含有量が5〜40質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のベーカリー用配合材。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のベーカリー用配合材を用いて製造されたベーカリー生地。
【請求項7】
バラエティブレッド生地であることを特徴とする請求項6記載のベーカリー生地。
【請求項8】
請求項6または7記載のベーカリー生地を加熱処理したベーカリー食品。
【請求項9】
バタークリームと澱粉類の混合物を小片状としたベーカリー用配合材をベースとなるパン生地に分散させる工程、および/またはパン生地に巻き込む工程を行うことを特徴とするバラエティブレッド生地の製造方法。

【公開番号】特開2010−68743(P2010−68743A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238774(P2008−238774)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】