説明

ペプチド、ペプチド模倣物およびそれらの誘導体、それらの製造、ならびに治療および/または予防活性のある医薬組成物を調製するためのそれらの使用

以下の一般式Iのペプチド、ペプチド模倣物およびそれらの誘導体:H2N−GHRPX1X2X3−β−X4X5X6X7X8X9X10−X11(I)[式中、X1〜X10は、遺伝子的にコードされる20のアミノ酸の1つを表し、X8、X9およびX10は、個別にまたは一緒に、単化学結合を表してもよく、X11は、OR1(式中、R1は水素または(C1〜C10)アルキルである)、NR2R3(R2およびR3は同じかまたは異なり、水素、(C1〜C10)アルキル、または残基−W−PEG5−60K(式中、PEG残基は適切なスペーサーWを介してN原子と結合している)を表す)、または残基NH−Y−Z−PEG5−60K(式中、Yは、単化学結合またはS、C、KもしくはRの群からの遺伝子的にコードされるアミノ酸を表し、Zは、それを介してポリエチレングリコール(PEG)残基が結合できるスペーサーを表す)を表す]ならびにそれらの生理的に許容される塩(さらに、βは、ペプチド主鎖中にベンドまたはターンを誘導するさらなる特性を有する、遺伝子的にコードされるかもしくはされないアミノ酸、またはペプチド模倣要素を表す)。このようなアミノ酸は、限定されないが、L−プロリン、D−プロリン、L−ヒドロキシプロリン、D−ヒドロキシプロリン、L−(O−ベンジル)−ヒドロキシプロリン、D−(O−ベンジル)−ヒドロキシプロリン、L−(O−t−ブチル)−ヒドロキシプロリン、4−(O−2−ナフチル)−ヒドロキシプロリン、4−(O−2−ナフチル−メチル)−ヒドロキシプロリン、4−(O−フェニル)−ヒドロキシプロリン、4−(4−フェニル−ベンジル)−プロリン、cis−3−フェニル−プロリン、cis−4−フェニル−プロリン、trans−4−フェニル−プロリン、cis−5−フェニル−プロリン、trans−5−フェニル−プロリン、4−ベンジル−プロリン、4−ブロモベンジル−プロリン、4−シクロヘキシル−プロリン、4−フルオロ−プロリン、L−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸(L−Tic)、オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸(Oic)の全てのジアステレオマー、および1−アザ−ビシクロ[3,3,0]オクタン−2−カルボン酸の全てのジアステレオマーまたはペプチド模倣残基からなる群から選択される残基を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペプチド、ペプチド模倣物およびそれらの誘導体と、それらの製造と、治療および/または予防活性のある薬物の調製のためのそれらの使用と、そのような医薬品(pharmaceutical drug)に関する。
【背景技術】
【0002】
EP1586586は、抗炎症性効果を有するフィブリンの配列からのペプチドの使用について記載している。
【0003】
上記の効果は、フィブリンおよびその分解中に生じるフィブリンフラグメントが、そのBベータ鎖の新しいN末端を介して内皮細胞に、さらにはAアルファ鎖の配列を介して血流中の細胞に結合することにより、組織へのこれらの細胞の接着および遊出(transmigration)を導くことに基づき得る。内皮細胞へのフィブリンおよびフィブリンフラグメントの結合パートナーは、血管内皮(VE)カドヘリンタンパク質であり、これは、隣接する内皮細胞同士の接着結合においてのみ発現する。本発明によるペプチドは、この相互作用を遮断し、そのことにより、血液細胞の遊出を妨げる。しかし、血液中の白血球による感染に対する天然防御は、有害な影響を受けない。したがって、顆粒球、リンパ球および単球のような白血球の構成成分は、天然防御プロセスが維持されるように影響を受けないままである。
【0004】
フィブリノゲンは肝臓で生成され、この形態では生物活性がなく、血液中におよそ3g/lの濃度で通常は提供される。酵素前駆体であるプロトロンビンのタンパク質切断がトロンビンの形成をもたらし、これがフィブリノペプチドAおよびBをフィブリノゲンから切り離す。このようにして、フィブリノゲンは、その生物学的活性型に変換される。フィブリンおよびフィブリン切断生成物が生じる。
【0005】
トロンビンは、血液凝固が活性化されたときはいつでも、すなわち炎症、外傷もしくは変性のどれに由来しようと組織損傷に伴って形成される。トロンビンにより媒介されるフィブリンの形成は、基本的に、血管系に対して引き起こされたいずれの欠陥をも迅速に封鎖することを目的とする保護プロセスである。しかし、フィブリンの形成は、病原性プロセスでもある。心筋梗塞を誘発する原因としてのフィブリン血栓の出現は、ヒトの医学における最も顕著な問題の1つである。
【0006】
血流から組織への炎症性細胞の血管外遊出は、一方で、組織中の病原性微生物または腫瘍細胞に対する防御のための所望されるプロセスであるが、他方で、それ自体が、組織に対して行われた損傷を誘導するかもしくは延長するプロセスであるが、この血流から組織への炎症性細胞の血管外遊出中にフィブリンが演じる役割は、現在のところ全く、または十分な程度には調べられていない。フィブリンは、そのBベータの新しいN末端を介して、Bベータへの配列により内皮細胞に、そしてAアルファの配列により血流中の細胞に結合し、そのことにより組織への細胞の接着および遊出を導く。
【0007】
上記の機構により、本発明によるペプチドまたはタンパク質は、血流から血管壁の内皮細胞への細胞の接着、および/または血液から組織へのそれらのその後の遊出を妨げ得る。
【0008】
急性炎症性疾患に関連する主な異常の1つは、内皮バリア機能の喪失である。内皮の構造的および機能的な完全性は、バリア機能の維持に必要であり、これらのいずれかが損なわれると、溶質および過剰の血漿流体が単層を通って漏れ出し、組織浮腫と炎症性細胞の遊走をもたらす。多くの薬剤が、収縮または退縮のような内皮細胞形状変化を誘発して単層透過性を増加させて、細胞間隙の形成を導く(LumおよびMalik、Am.J.Physiol.267:L223〜L241(1994)。これらの薬剤は、例えば、トロンビン、ブラジキニンおよび血管内皮増殖因子(VEGF)を含む。
【0009】
血管壁の透過性亢進は、過剰の流体およびタンパク質が間質空間に漏れ出すことを許容する。この急性の炎症性事象は、組織虚血および急性臓器不全としばしば結びつく。活性化された内皮細胞(EC)の部位で形成されるトロンビンは、近接するEC間の大きい傍細胞性の穴の形成により、この微小血管バリア不全を開始する(Carbajalら、Am J Physiol Cell Physiol 279:C195〜C204、2000)。このプロセスは、Fアクチン依存性細胞骨格収縮張力の発生を開始するミオシン軽鎖リン酸化(MLCP)によるECの形状の変化を特徴とする(Garciaら、J Cell Physiol.1995;163:510〜522 LumおよびMalik、Am J Physiol Heart Circ Physiol.273(5):H2442〜H2451.(1997)。
【0010】
トロンビンにより誘導される内皮透過性亢進は、細胞間接着の変化によっても媒介され得る(Dejana J.Clin.Invest.98:1949〜1953(1996)。内皮細胞間接着は、接着接合を形成するCa依存性細胞間接着分子である血管内皮(VE)カドヘリン(カドヘリン5)の機能により主に決定される。カドヘリン5の機能は、a−カテニン(ビンクリンと相同)およびFアクチン細胞骨格と次に結合するアクセサリータンパク質であるb−カテニン、プラコグロビン(g−カテニン)およびp120との会合により、細胞質側から調節される。
【0011】
VEカドヘリンは、微小血管透過性と、血管新生に関連する形態学的および増殖性の事象とにおいて基本的な役割を演じる接着分子として明らかになった(Vincentら、Am J Physiol Cell Physiol、286(5):C987〜C997(2004)。その他のカドヘリンと同様に、VEカドヘリンは、カルシウム依存性の同種親和性接着を媒介し、細胞骨格のための細胞膜結合部位として機能する。しかし、VEカドヘリンは、血管内皮独自に重要なシグナル伝達経路および細胞系に組み込まれる。内皮細胞の生物学および生理学における最近の進歩により、接着分子のカドヘリンファミリーのメンバーのうちで独特であろうVEカドヘリンの特性が明らかになっている。これらの理由から、VEカドヘリンは、カドヘリンファミリーの原型であり、しかも機能および生理的関連性において独特でもあるカドヘリンの代表である。血管バリア機能、血管新生および心血管性生理学に対するVEカドヘリンの寄与について、いくつかの優れた概説が検討している。
【0012】
VEカドヘリンにより媒介される細胞間接着が、カドヘリンおよびカテニンを含む接合部タンパク質のリン酸化と脱リン酸化との間の動的平衡により制御されるとの証拠が、積み上げられている。b−カテニンのチロシンリン酸化の増加が、カドヘリンおよび細胞骨格からのカテニンの解離をもたらし、弱い接着接合(AJ)を導いた。同様に、VEカドヘリンおよびb−カテニンのチロシンリン酸化は緩いAJで生じ、かたく集密な単層において著しく低減された(Tinsleyら、J Biol Chem、274、24930〜24934(1999)。
【0013】
さらに、接着接合におけるVEカドヘリン単量体の正しいクラスタリングは、VEカドヘリンの正しいシグナル伝達活性にとって不可欠である。なぜなら、全長VEカドヘリン細胞質尾部を含むキメラ変異体(IL2−VE)を有する細胞は、ベータ−カテニンおよびp120に結合するその能力にもかかわらず、正しいシグナル伝達を引き起こすことができないからである(Lampugnaniら、Mol.Biol.of the Cell、13、1175〜1189(2002)。
【0014】
Rho GTPアーゼは、細胞のアクチン細胞骨格に対する重大な作用を有する小さいGTPアーゼのファミリーである。これらは、血管系の機能に関しては、細胞形状、細胞収縮、細胞運動性および細胞接着の調節に関与する。Rho GTPアーゼの最も著名な3つのファミリーメンバーは、RhoA、Racおよびcdc42である。RhoAの活性化は、細胞内でfアクチンストレス繊維の形成を誘導し、一方、Racおよびcdc42は、それぞれ膜のひだおよびマイクロスパイクを誘導することによりアクチン細胞骨格に影響する(Hall、Science、279:509〜514.1998)。Racおよびcdc42は、タンパク質PAKの活性化により、限定された範囲でMLCK活性に影響し得るが(GoeckelerらJ.Biol.Chem.、275、24、18366〜18374(2000)、RhoAは、MLCのリン酸化状態を安定化するその能力により、アクチン−ミオシン相互作用に対して顕著な刺激効果を有する(Katohら、Am.J.Physiol.Cell.Physiol.280、C1669〜C1679(2001)。このことは、Rhoキナーゼの活性化により生じ、これが次いで、リン酸化MLCを加水分解するホスファターゼPP1Mを阻害する。さらに、Rhoキナーゼは、コフィリンのアクチン切断作用を阻害し、よってfアクチン繊維を安定化する(Toshimaら、Mol.Biol.of the Cell.12、1131〜1145(2001)。さらに、Rhoキナーゼは、細胞膜においてタンパク質にアクチン細胞骨格をつなぎとめることに関与することもあり、よって、接合部タンパク質とアクチン細胞骨格との間の相互作用に対して潜在的に作用する可能性がある(Fukataら、Cell Biol 145:347〜361(1999)。
【0015】
トロンビンは、Gα12/13およびいわゆるグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)を介してRhoAを活性化できる(Seasholtzら;Mol:Pharmacol.55、949〜956(1999)。GEFは、RhoAと結合したGDPをGTPに交換し、そのことによりRhoAが活性になる。この活性化により、RhoAは膜に転位され、ここでこれはその親油性ゲラニル−ゲラニル−アンカーにより結合する。
【0016】
RhoAは、リゾホスファチジン酸、トロンビンおよびエンドセリンを含むいくつかの血管作動薬により活性化され得る。膜に結合したRhoAは、グアニン解離阻害因子(GDI)の作用により、またはGTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)の作用の後に膜から解離される。グアニン解離阻害因子(GDI)は、RhoAのカルボキシル末端に結合する調節タンパク質である。
【0017】
GDIは、GDPの解離を遅らせ、活性RhoAを細胞膜から引き離すことにより、RhoAの活性を阻害する。トロンビンは、ヒト内皮細胞においてRhoAを直接活性化し、細胞膜へのRhoAの転位を誘導する。同じ条件下で、関連するGTPアーゼであるRacは活性化されなかった。クロストリジウム・ボツリナムからのC3トランスフェラーゼによるRhoAの特異的阻害は、内皮MLCリン酸化および透過性のトロンビンにより誘導される増加を低減したが、透過性の一過的なヒスタミン依存性の増加には影響しなかった(van Nieuw AmerongenらCirc Res.1998;83:1115〜11231(1998)。RhoAの影響は、Rhoキナーゼにより媒介されるようである。なぜなら、特異的Rhoキナーゼ阻害剤Y27632は、トロンビンにより誘導される内皮透過性を同様に低減したからである。
【0018】
Rac1およびRhoAは、内皮バリア機能に対して拮抗効果を有する。急性低酸素症は、正常成体肺動脈内皮細胞(PAEC)においてRac1を阻害し、かつRhoAを活性化し、このことは、バリア機能の崩壊を導く(Wojciak−StothardおよびRidley、Vascul Pharmacol.、39:187〜99(2002)。慢性低酸素症により誘導される肺高血圧症の子豚からのPAECは、Rac1の持続的な低下とRhoA活性の増加という安定した異常表現型を有する。これらの活性は、内皮細胞骨格、接着接合および透過性における変化と関連する。Rac1の活性化およびRhoAの阻害は、異常な表現型および透過性を正常に戻した(Wojciak−Stothardら、Am.J.Physiol,Lung Cell Mol.Physiol.290、L1173〜L1182(2006)。
【0019】
Rac1を活性化し、RhoA活性を正常かつ安定な状態の内皮細胞で観察されるレベルにまで低減する物質は、よって、内皮透過性亢進を低減し、いくつかの疾患において有益な治療効果を有すると期待できる。好ましくは、この効果は、接着接合におけるVEカドヘリンのクラスタリングの安定化によりもたらされる。VEカドヘリンに結合するタンパク質の細胞内複合体の重要な構成成分は、srcチロシンキナーゼのメンバーであるキナーゼであるfynである。本発明の主題である化合物のVEカドヘリンへの結合は、VEカドヘリンからのfynの解離を引き起こし、これが次いでトロンビンにより誘導される活性RhoAの不活性化を導く。
【0020】
WO9216221は、例えばメトキシ−ポリエチレングリコール(PEG)のような長鎖ポリマーに共有結合するポリペプチドについて記載している。このようなポリマーへのポリペプチドの結合は、これらのポリペプチドの生物学的半減期の延長をしばしばもたらし、それらの腎排泄を遅らせる。これらの特性の概要は、Davisら、Polymeric Materials Pharmaceuticals for Biomedical Use、441〜451ページ(1980)に見出すことができる。PEG基の付加は、PEG化ペプチドの分子量に比例してこの効果を発揮する。なぜなら、分子のあるサイズまでは、糸球体ろ過率が分子量に逆比例するからである。
【0021】
WO2004/101600も、新しいポリ(エチレングリコール)修飾化合物およびそれらの使用について記載し、特に、エリスロポエチン受容体を活性化する修飾ペプチドを強調している。
【0022】
ペプチドおよびタンパク質のPEG残基の共有結合修飾についてのさらなる例は、インターロイキン(Knaufら、J.Biol Chem.1988、263、15064;Tsutumiら、J.Controlled Release 1995、33、447)、インターフェロン(Kitaら、Drug Delivery Res.1990、6 157)、カタラーゼ(Abuchowskiら、J.Biol.Chem.1997、252、3582)である。従来技術の概説は、Reddy、Ann.of Pharmacotherapy、2000、34、915で見出すことができる。
【0023】
延長された生物学的半減期は、ペプチドの種々の治療的な使用にとって有利である。特に、長期間にわたる活性薬剤の投与が適応となる慢性疾患の場合にはそうである。このような適用とともに、患者の服薬遵守を改善し得る。なぜなら、活性薬剤を1日1回投与することは、例えば、連続注入よりも容易に受け入れられるからである。共有結合修飾により分子質量を増加させることとは別に、ポリペプチドの持続性は、タンパク質分解酵素(例えばエキソ−またはエンドプロテアーゼもしくはペプチダーゼ)によるそれらの分解を妨げるような様式でそれらを修飾することにより延長され得る。
【0024】
非修飾ペプチドと比較して薬物動態的効果に対する著しい影響を妨げるように、各ペプチドの適切な修飾をカスタマイズすることが必要であることが、種々の例を用いて示されている。この関係において、以下を参照できる:カルシトニン(LeeらPharm.Res.1999、16、813)、成長ホルモン放出ホルモン(Espositoら、Advanced Drug Delivery Reviews、2003、55、1279)、グルカゴン様ペプチド1(Leeら、Bioconjugate Res.2005、16、377)および成長ホルモン受容体拮抗剤であるペグビソマント(Rossら、J.Clin.Endocrin.Metab.2001、86、1716)。CalicetiおよびVeronese(Adv.Drug Deliv.Rev.2003、55 1261)、ならびにHarrisおよびChess(Nature Rev.Drug Discovery 2003、2、214)による概説は、ペプチド−またはタンパク質−PEGコンジュゲートを設計する場合に、元来の物質の構造、ペプチドおよびポリマーの分子量、コンジュゲートさせるポリマー鎖の数、ならびにリンカー化学を、効果的なペプチド−PEGコンジュゲートが得られるように考慮する必要があることを論じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
驚くべきことに、Bベータ(15−42)フィブリンフラグメントの鎖に由来するペプチドおよびペプチド模倣物(これらにおいては、1つまたは複数のアミノ酸が除去され、その代わりにペプチド主鎖中のベンドもしくはターンを容易にするアミノ酸またはペプチド模倣要素を含む)、ならびにペプチド配列のC末端が修飾された誘導体も、強い抗炎症効果および内皮安定化効果を有することが、今回、見出された。同じことが、このようなターン誘導要素を含むBベータ(15−42)フィブリンフラグメントの基本配列に一般に由来するペプチド−PEGコンジュゲートおよびペプチド模倣物−PEGコンジュゲートについても、ペプチド、ペプチド模倣物およびそれらの誘導体(これらは修飾されており、それによってプロテアーゼまたはペプチダーゼによる分解が妨げられている)についても、当てはまる。
【課題を解決するための手段】
【0026】
よって、本発明は、Bベータ(15−42)−フィブリンフラグメントの鎖に由来し、配列の1つまたはいくつかのアミノ酸が、遺伝子的にコードされるかもしくは遺伝子的にコードされないアミノ酸またはペプチド模倣物(これらはペプチド主鎖中にベンドまたはターンを誘導する性質を有する)により置換された、修飾されたペプチドおよびペプチド模倣物に関する。
【0027】
本発明の化合物は、治療される温血動物のフィブリンの天然配列と比較して、アミノ酸の保存的置換を1つまたはいくつかの位置に有してもよい。保存的置換とは、それぞれのアミノ酸の側鎖が、類似の化学構造および極性を有する側鎖(遺伝子的にコードされるかもしくは遺伝子的にコードされないアミノ酸に由来する)で置き換えられること、と定義される。類似の側鎖を有するこの種のアミノ酸のファミリーは、当技術分野において知られている。これらは、例えば、塩基性側鎖(リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(グリシン、アスパラギン(aspartamic acid)、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。側鎖のこのような保存的置換は、好ましくは、非本質的(non−essential)の位置で行うこともできる。この関係において、配列中の本質的位置とは、関連するアミノ酸の側鎖がその生物学的効果にとって重要である位置である。
【0028】
本発明は、特に、以下の一般式I:
以下の一般式I:
2N−GHRPX123−β−X45678910−X11(I)
{式中、
1〜X10は、遺伝子的にコードされる(genetically coded)20のアミノ酸の1つを表し、X8、X9およびX10は、個別にまたは一緒に、単化学結合(single chemical bond)を表してもよく;
11は、OR1(式中、R1は水素または(C1〜C10)アルキルである)、NR23[R2およびR3は同じかまたは異なり、水素、(C1〜C10)アルキル、または残基 −W−PEG5-60K(式中、PEG残基は適切なスペーサーWを介してN原子と結合している)を表す]、または残基 NH−Y−Z−PEG5-60K(式中、Yは、単化学結合またはS、C、KもしくはRの群からの遺伝子的にコードされるアミノ酸を表し、Zは、それを介してポリエチレングリコール(PEG)残基が結合できるスペーサーを表す)を表す;
さらに、式中、
βは、ペプチド主鎖中にベンドまたはターンを誘導するというさらなる特性を有する、遺伝子的にコードされていてもされていなくてもよいアミノ酸、またはペプチド模倣要素を表す)
のペプチド、ペプチド模倣物およびそれらの誘導体に関する。
【0029】
このようなアミノ酸は、限定されないが、L−プロリン、D−プロリン、L−ヒドロキシプロリン、D−ヒドロキシプロリン、L−(O−ベンジル)−ヒドロキシプロリン、D−(O−ベンジル)−ヒドロキシプロリン、L−(O−tert−ブチル)−ヒドロキシプロリン、4−(O−2−ナフチル)−ヒドロキシプロリン、4−(O−2−ナフチル−メチル)−ヒドロキシプロリン、4−(O−フェニル)−ヒドロキシプロリン、4−(4−フェニル−ベンジル)−プロリン、cis−3−フェニル−プロリン、cis−4−フェニル−プロリン、trans−4−フェニル−プロリン、cis−5−フェニル−プロリン、trans−5−フェニル−プロリン、4−ベンジル−プロリン、4−ブロモベンジル−プロリン、4−シクロヘキシル−プロリン、4−フルオロ−プロリン、L−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸(L−Tic)、オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸(Oic)の全てのジアステレオマー、および1−アザ−ビシクロ[3.3.0]オクタン−2−カルボン酸の全てのジアステレオマーを含む。ターン誘導特性を有するさらなるアミノ酸は、当業者に知られており、それらを含む式Iの化合物も本発明の主題である。
【0030】
本発明に関するペプチド模倣要素は、ペプチド鎖の1つまたはいくつかのアミノ酸を置き換えることができ、ペプチド主鎖中にベンドまたはターンを誘導するというさらなる特性も有する残基である。いくつかのこのような残基は、例えば、特許出願WO2005/056577に記載されており、ここでは、これらはペプチド性HIV阻害剤の調製のために用いられた。
【0031】
本発明の目的のための有用な選択されるペプチド模倣要素は、限定されないが、以下のとおりである:
【0032】
【表1】






【0033】
本発明の好ましい対象は、
1、X4が、L、I、S、MまたはAを表し、
2が、EまたはDを表し、
3が、RまたはKを表し、
5、X6、X7が、A、G、SまたはLを表し、
8が、G、AもしくはLまたは単化学結合を表し、
9が、Y、F、Hまたは単化学結合を表し、
10が、R、Kまたは単化学結合を表し、
βおよびX11が、上記の意味を有する、
一般式Iの化合物およびそれらの生理的に許容される塩である。
【0034】
特に好ましい本発明の対象は、一般式IIの化合物:
2N−GHRPLDK−β−ISGGX8910−X11(II)
(式中、X8、X9、X10およびX11は、式Iについての上記の意味を有する)
およびそれらの生理的に許容される塩である。
【0035】
最も好ましい本発明の対象は、
11が、NR23(式中、R2およびR3は同じか異なり、水素または(C1〜C10)アルキルを表す)、または残基 C(NR23)−(S−スクシンイミド)−(PEG5-40K)(式中、スクシンイミド残基は、システイン残基の硫黄原子に、スクシンイミド環の炭素原子3を介して結合している)を表す、
一般式IIの化合物およびそれらの生理的に許容される塩である。
【0036】
上記の式IおよびIIにおいて、以下の文字は、タンパク質およびペプチドについての以下の一般的な注釈に従うアミノ酸残基を表す:フェニルアラニンはFであり、ロイシンはLであり、イソロイシンはIであり、メチオニンはMであり、バリンはVであり、セリンはSであり、プロリンはPであり、スレオニンはTであり、アラニンはAであり、チロシンはYであり、ヒスチジンはHであり、グルタミンはQであり、アスパラギンはNであり、リジンはKであり、アスパラギン酸はDであり、グルタミン酸はEであり、システインはCであり、トリプトファンはWであり、アルギニンはRであり、グリシンはGである。
【0037】
式Iの化合物中のアミノ酸残基は、それらのDまたはLの立体配置のいずれかで存在し得る。
【0038】
用語ペプチドとは、アミド結合により結合するこれらのアミノ酸のポリマーのことをいう。
【0039】
「生理的に許容される」とは、ヒトに対して用いたときにその付加が望ましくない影響を有さない酸または塩基を用いて塩が形成されることを意味する。その使用が、温血動物、特にヒトでの使用について米国薬局方またはいずれかのその他の一般的に認識される薬局方に収載されている酸または塩基との塩が好ましい。
【0040】
PEGは、5000〜60000ダルトンの分子量を有するポリエチレングリコール残基を表し、この分子量は、分子量分布の最大値であるので、混合物の個別の構成成分は、より高いかまたはより低い分子量を有し得る。
【0041】
本発明は、さらに、一般式(I)のペプチドおよびペプチド誘導体の製造方法であって、
(A)それぞれの配列のC末端の最初のアミノ酸を、適切な切断可能なスペーサーを介してポリマー樹脂と結合させ、官能基の適切な保護基を任意選択的に含んでいてもよいそれ以降のアミノ酸またはペプチド模倣要素を、当技術分野において知られる方法に従って段階的に結合させ、完成したペプチドを、当技術分野において知られる適切な方法に従ってポリマー樹脂から切り離し、存在する場合は保護基を適切な方法により切り離し、ペプチドまたはペプチド誘導体を適切な方法に従って精製する、または
(B)所望の分子量を有するPEG基を、適切なスペーサーを介してポリマー樹脂と結合させ、ペプチドのN末端の最初のアミノ酸を、適切な方法を用いて結合させ、残りのステップは(A)に記載のものと同様に行う、または
(C)ε−アミノ基に適切な保護基を含むリジン残基を、適切なスペーサーを介して適切な方法を用いて適切なポリマー樹脂と結合させ、ペプチド鎖を、(A)に記載されるようにして合成し、ポリマー樹脂から切断し精製した後、必要であれば、ε−アミノ基の保護基を適切な方法を用いて切り離し、所望の分子量を有するPEG基を、適切な活性化剤を用いてε−アミノ基と結合させ、任意選択的に残存している保護基を切り離し、最終生成物を適切な方法を用いて精製すること、または
(D)システイン残基を含むペプチドをPEG−マレイミドと反応させて、請求項3、4および5のいずれか一項に記載の式(II)の化合物を形成すること、
のいずれかを特徴とする方法に関する。
【0042】
(A)、(B)または(C)に従う適切な処理ステップおよび適切な試薬は、例えばWO2004/101600の文献に記載されている。
【0043】
それぞれの処理ステップの実施形態はそれ自体新しくなく、有機合成の分野の経験のある専門家にとって明確である。
【0044】
PEG残基をペプチド鎖に結合させる方法は、当業者に知られる。例えば、システイン(C)残基をPEG−マレイミドと反応させて、残基Zのためのスペーサーとしてのスクシンイミド残基を得ることができる。さらなる可能性は、任意選択的に活性化したC末端カルボキシ残基を、アミノアルキル置換PEG残基と反応させることである。さらなる可能性は、アルデヒド置換PEG残基をリジン残基のε−アミノ官能基と反応させることによるPEG残基の導入である。適切なスペーサーと反応性基とを有する活性化PEG試薬は、例えばNOF Corporation(Tokyo、Japan)から得ることができる。
【0045】
本発明による物質および医薬品の製造のための本発明による物質の使用は、白血球細胞の組織損傷効果に起因するかまたは血管を裏打ちする内皮細胞の層の完全性および完全な生理的完全性が損なわれる疾患の治療のための医薬品の製造のために、特に重要である。
【0046】
この群に属する疾患は自己免疫の関係のものであり、膠原病、リウマチ性疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患、乾癬および乾癬性関節リウマチ、ならびに後/感染随伴性(parainfectious)疾患とともに、移植片対宿主反応により引き起こされる疾患などが例示される。この医薬が、組織内への白血球細胞の遊走を遮断するので、治癒効果が生じる。よって、白血球細胞は血流中に残り、組織にとって有害な自己反応性の影響を引き起こすことができない。本発明の物質のこの効果は、ショック状態、特にグラム陽性またはグラム陰性の細菌病原体への感染およびウイルス感染により誘発される敗血性ショック、ならびに重度の外傷または細菌もしくはウイルス感染による重度の血液喪失により引き起こされる出血ショックの場合の治療にとってさらに重要である。
【0047】
本発明の物質は、「全身性炎症反応症候群(SIRS)」、「急性呼吸窮迫症候群(ARDS)」、「毛細管漏出症候群(CLS)」および臓器または多臓器不全の用語でそれぞれ表すことができる状態において一般的に用いてよい。
【0048】
臓器移植の拒絶反応の治療および/または予防のための医薬品は、治癒効果を伴う。なぜなら、この医薬品は、血流中からドナーの臓器中への白血球細胞の遊走を妨げ、したがってドナー臓器が例えば自己反応性リンパ球により損傷され得ない。
【0049】
動脈硬化の治療および/または予防のための医薬品は、治癒および/または予防効果を伴う。なぜなら、この医薬品は、組織の壁の中へのリンパ球および単球の遊走を遮断し、よって組織壁の細胞の活性化を遮断するからである。よって、動脈硬化の進行が最小限になるかまたは停止され、それに起因する動脈硬化プラークの進展が阻害され、それにより動脈硬化が抑制される。
【0050】
例えば経皮的冠動脈インターベンション、脳卒中、血管手術、心臓バイパス手術および臓器移植の後などの、手術または医薬的に行われた血液の再供給の後の再潅流性傷害の治療および/または予防のための医薬品は、治癒および/または予防効果を伴う。なぜなら、この医薬品は、血管壁の中へのリンパ球、好中球および単球の遊走を阻害するからである。再潅流傷害は、血液の再供給中の血管の細胞の酸素欠乏/アシドーシスにより引き起こされ、その活性化および/または損傷を導く。このことにより、リンパ球、好中球および単球は血管壁に接着し、その中に遊走する。血管壁へのリンパ球、好中球および単球の接着ならびに遊走を遮断することは、血管への永続的な損傷を引き起こすその後の炎症性反応を起こすことなく、低酸素症(hypoxy)/アシドーシスにより誘導される損傷を減少させる。本発明の化合物の内皮安定化効果は、さらに、浮腫の形成、およびそれぞれの血管を経て供給される臓器へのさらなる損傷も妨げる。
【0051】
代謝疾患の結果または加齢のプロセスとしての動脈硬化の治療および/または予防のための医薬品は、治癒および/または予防効果を伴う。なぜなら、この医薬品は、血管壁中へのリンパ球、好中球および単球の遊走を阻害し、よってそれに起因する動脈硬化プラークの悪化が阻害されるからである。
【0052】
本発明による医薬品は、別の薬物の輸送のために用いてもよい。本発明の薬物は、内皮細胞の表面分子に特異的に結合する。よって、そこに結合した薬物は、他の部位にて副作用を示すいずれの危険性もなく、高濃度で内皮細胞に送達され得る。本明細書中で挙げることができる例は、内皮細胞に特異的にもたらされて、血管新生抑制効果を有し得る細胞分裂を阻害する物質の使用である。これは、腫瘍患者において治癒効果を引き起こす。なぜなら、内皮細胞の増殖を妨げ、そのことにより新しい血管新生を妨げることにより腫瘍の成長が遮断されるからである。本発明の化合物は、それ自体で、血管新生抑制効果を生じることもできる。なぜなら、これらは、内皮安定化効果により、内皮細胞が増殖性の表現型に変化することを妨げ、よって、新しい毛細血管の形成を妨げるからである。よって、これら自身が、全ての種類の腫瘍疾患の治療、ならびに腫瘍転移の予防および/または治療に適する。
【0053】
式(I)の本発明の化合物は、医薬的なアジュバントおよび添加剤と一緒に、これもまた本発明の対象である医薬調製物に調剤してもよい。このような製剤を調製するために、ペプチドまたはペプチド誘導体の治療有効用量を、薬学的に許容される希釈剤、安定化剤、可溶化剤、乳化補助剤、アジュバントまたは担体と混合し、適切な治療形態にする。このような調製物は、例えば、異なるpHおよびイオン強度の種々の緩衝剤の希釈物(例えばTris−HCl、酢酸塩、リン酸塩)、界面活性剤および可溶化剤(例えばTween80、Polysorbat80)、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸)および充填剤(例えばラクトース、マンニトール)を含有する。これらの剤型は、活性薬剤のバイオアベイラビリティーおよび代謝挙動に影響し得る。
【0054】
本発明による医薬調製物は、経口、非経口(筋肉内、腹腔内、静脈内または皮下)、経皮的に、または適切な生体分解性ポリマー(例えばポリラクテートまたはポリグリコレート)の浸食性インプラント中で投与してよい。
【0055】
RhoA活性化およびその結果としての内皮細胞の細胞骨格構造における変化の防止に関する本発明による化合物の有効性は、例えば、下記のステップを含む方法により証明し得る:
a.培養内皮細胞のコンフルエント層を、少なくとも1つの試験化合物の存在下でトロンビンと接触させるステップと、
b.内皮細胞を溶解緩衝液で溶解するステップと、
c.RhoA活性を特異的アッセイ、好ましくはいわゆる「プルダウンアッセイ」(pull down assay)を用いて測定するステップ。
【0056】
in vivoでの有効性は、例えば、げっ歯類における急性肺炎モデルを用いて実証し得る。急性肺炎は、例えば、細菌リポ多糖(LPS)の気管内注入によりマウスに引き起こす。活性物質の効果は、肺洗浄中の動物に注入されたエバンスブルーの量を測定すること、または肺洗浄流体中の血管外遊出白血球数を測定することにより測定する。本発明の化合物は、0.001mg/kg体重〜500mg/kg体重の範囲の用量、好ましくは0.1mg/kg〜50mg/kgの範囲の用量にて効果を示す。
【0057】
生物学的効果をin vivoで確立するためのさらなる可能性は、溶血性ウイルスまたは細菌への感染による死亡率の低減または完全な抑制である。この目的のために、マウスに、例えば、感染後5〜20日以内の期間に動物の50%が死亡するデングウイルスの用量を感染させる。本発明の化合物は、この死亡率の低減を、0.001〜500mg/kg体重の範囲の用量、好ましくは0.1〜50mg/g体重の範囲の用量にてもたらす。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下の実施例は、本発明をこれらの実施例に限定することなく、本発明を例示するものである。
【0059】
本発明によるペプチドの全般的な調製および精製
上記ペプチド誘導体の調製および精製は、通常、文献(例えば、E.Atherton、R.C.Sheppardによる「solid phase peptide synthesis−A practical approach」、Oxford University press 1989)にも記載されている、市販のバッチペプチド合成機を用いる酸不安定性樹脂支持体上でのFMOC−方法(strategy)によって行う。官能性側鎖が酸感応性(acid−sensitive)保護基で保護されたN−アルファ−FMOC保護誘導体を、アミノ酸成分として用いる。そうでないと記載しない限り、精製は、水/アセトニトリル勾配と、イオン対試薬としての0.1%TFAとを用いるRPクロマトグラフィーにより行う。
【実施例1】
【0060】
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
0.24mmol/gの最初のアミノ酸としてのFMOC−Arg(Pbf)を有する100mgのTentagel(Rapp Polymere)を、市販のペプチド合成装置(PSMM(Shimadzu))に移し、ここでペプチド配列を、カルボジイミド/HOBt法に従って段階的に構築する。
【0061】
FMOC−アミノ酸誘導体を、5倍等モル過剰量のジ−イソプロピル−カルボジイミド(DIC)、ジ−イソプロピル−エチルアミン(DIPEA)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を加えることによりあらかじめ活性化し、これらを反応容器に移した後、樹脂支持体と30分間混合する。洗浄ステップは、900μlのDMFの5回の添加および1分間の十分な混合により行う。切断ステップは、3×900μlのDMF中の30%ピペリジンの添加および4分間の十分な混合により行う。
【0062】
個別の反応溶液および洗浄溶液の除去は、反応容器の底のフリット(frit)に溶液を通過させることにより行う。
【0063】
アミノ酸誘導体FMOC−Arg(Pbf)、FMOC−Asp、FMOC−Gly、FMOC−His(Trt)、FMOC−Ile、FMOC−Leu、FMOC−Lys(BOC)、FMOC−(1S,2R)−Achc、FMOC−Ser(tBu)およびFMOC−Tyr(tBu)(NeoMPS)を用いる。
【0064】
合成が完了すると、ペプチド樹脂を乾燥させる。その後、ペプチドアミドを、トリフルオロ酢酸/TIS/EDT/水(95:2:2:1容量)による室温で2時間の処理により切り出す。ろ過、溶液の濃縮および氷冷ジエチルエーテルの添加による沈殿により粗生成物(75mg)が固体として得られる。
【0065】
ペプチドを、12ml/minの流速にて40分間で5から60%の勾配のアセトニトリルを用いる0.1%TFA中のKromasil RP−18 250−20、10μmでのRP−HPLCと、215nmでのUV検出器による溶出液の評価とにより精製する。個別の画分の純度は、分析RP−HPLCおよび質量分析法により決定する。精製画分の組合せと凍結乾燥の後に、48mgの純粋生成物が得られる。Maldi−TOF、1638.7m/z(m.i.)。
【実施例2】
【0066】
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
この化合物の固相合成は、実施例1の記載に従って行った。このカップリングステップにおいて用いたアミノ酸およびペプチド模倣誘導体は、FMOC−Arg(Pbf)、FMOC−Asp、FMOC−Gly、FMOC−His(Trt)、FMOC−Ile、FMOC−Leu、FMOC−Lys(BOC)、FMOC−Acdn、FMOC−Ser(tBu)およびFMOC−Tyr(tBu)(NeoMPS)であった。
【0067】
合成が完了すると、ペプチド樹脂を乾燥させる。その後、ペプチドアミドを、トリフルオロ酢酸/TIS/EDT/水(95:2:2:1容量)による室温で2時間の処理により切り出す。ろ過、溶液の濃縮および氷冷ジエチルエーテルの添加による沈殿により粗生成物(75mg)が固体として得られる。
【0068】
ペプチドを、12ml/minの流速にて40分間で5から60%の勾配のアセトニトリルを用いる0.1%TFA中のKromasil RP−18 250−20、10μmでのRP−HPLCと、215nmでのUV検出器による溶出液の評価とにより精製する。個別の画分の純度は、分析RP−HPLCおよび質量分析法により決定する。精製画分の組合せと凍結乾燥の後に、48mgの純粋生成物が得られる。Maldi−TOF、1722.2m/z(m.i.)。
【実施例3】
【0069】
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(cis−4−Acha)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
この化合物の固相合成は、実施例1の記載に従って行った。このカップリングステップにおいて用いたアミノ酸およびペプチド模倣誘導体は、FMOC−Arg(Pbf)、FMOC−Asp、FMOC−Gly、FMOC−His(Trt)、FMOC−Ile、FMOC−Leu、FMOC−Lys(BOC)、FMOC−cis−4−Acha、FMOC−Ser(tBu)およびFMOC−Tyr(tBu)(NeoMPS)であった。
【0070】
合成が完了すると、ペプチド樹脂を乾燥させる。その後、ペプチドアミドを、トリフルオロ酢酸/TIS/EDT/水(95:2:2:1容量)による室温で2時間の処理により切り出す。ろ過、溶液の濃縮および氷冷ジエチルエーテルの添加による沈殿により粗生成物(75mg)が固体として得られる。
【0071】
ペプチドを、12ml/minの流速にて40分間で5から60%の勾配のアセトニトリルを用いる0.1% TFA中のKromasil RP−18 250−20、10μmでのRP−HPLCと、215nmでのUV検出器による溶出液の評価とにより精製する。個別の画分の純度は、分析RP−HPLCおよび質量分析法により決定する。精製画分の組合せと凍結乾燥の後に、48mgの純粋生成物が得られる。Maldi−TOF、1652.3m/z(m.i.)。
【実施例4】
【0072】
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Haic−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
この化合物の固相合成は、実施例1の記載に従って行った。このカップリングステップにおいて用いたアミノ酸およびペプチド模倣誘導体は、FMOC−Arg(Pbf)、FMOC−Asp、FMOC−Gly、FMOC−His(Trt)、FMOC−Ile、FMOC−Leu、FMOC−Lys(BOC)、FMOC−Haic、FMOC−Ser(tBu)およびFMOC−Tyr(tBu)(NeoMPS)であった。
【0073】
合成が完了すると、ペプチド樹脂を乾燥させる。その後、ペプチドアミドを、トリフルオロ酢酸/TIS/EDT/水(95:2:2:1容量)による室温で2時間の処理により切り出す。ろ過、溶液の濃縮および氷冷ジエチルエーテルの添加による沈殿により粗生成物(75mg)が固体として得られる。
【0074】
ペプチドを、12ml/minの流速にて40分間で5から60%の勾配のアセトニトリルを用いる0.1%TFA中のKromasil RP−18 250−20、10μmでのRP−HPLCと、215nmでのUV検出器による溶出液の評価とにより精製する。個別の画分の純度は、分析RP−HPLCおよび質量分析法により決定する。精製画分の組合せと凍結乾燥の後に、48mgの純粋生成物が得られる。Maldi−TOF、1741.1m/z(m.i.)。
【0075】
以下のペプチドペプチド模倣物を、適切に保護されたビルディングブロック(building block)を用いて、上記の実施例1に記載した基本手順に従って調製した。
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Pro−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−D−Pro−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−ヒドロキシプロリン−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−D−ヒドロキシプロリン−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−ベンジル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−D−(O−ベンジル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−t−ブチル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−2−ナフチル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−2−ナフチル−メチル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−フェニル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−4−(4−フェニル−ベンジル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(シス−3−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(シス−4−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(トランス−4−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(シス−5−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(トランス−5−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−ベンジル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−(4−ブロモベンジル)−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−シクロヘキシル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−フルオロ−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−Tic−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(SSS)−Oic−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(SSS)1−アザ−ビシクロ[3.3.0]ビシクロオクタン−カルボキシル−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−シス−Acpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1R,2R)−Acpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2S)−Acpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acha)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acpo−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acbc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acpo−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−((1R,2S)−2−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−((1S,2R)−2−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−((1S,2S)−2−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acpec)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acprc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Aedfp−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Aic)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(2−Aic)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Ambc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Ampa−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Anc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Atpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(2−Atc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acbt−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acbo−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acmb)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(2−Acmb)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acmv−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acq−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Accb−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acpb−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−PBD−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Bppp−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Cptd−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Thc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Abhc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Accl−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−PLSP−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−BTD−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly
【実施例5】
【0076】
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
100mgのTentagel−S−RAM(Rapp−Polymere)を0.24mmol/gの添加量で、市販のペプチド合成装置(PSMM(Shimadzu))に移し、ここでペプチド配列を、カルボジイミド/HOBt法に従って段階的に構築する。
【0077】
FMOC−アミノ酸誘導体を、5倍等モル過剰量のジ−イソプロピル−カルボジイミド(DIC)、ジ−イソプロピル−エチルアミン(DIPEA)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を加えることによりあらかじめ活性化し、これらを反応容器に移した後、樹脂支持体と30分間混合する。洗浄ステップは、900μlのDMFの5回の添加および1分間の十分な混合により行う。切断ステップは、3×900μlのDMF中の30%ピペリジンの添加および4分間の十分な混合により行う。
【0078】
個別の反応溶液および洗浄溶液の除去は、反応容器の底のフリットに溶液を通過させることにより行う。
【0079】
アミノ酸誘導体FMOC−Arg(Pbf)、FMOC−Asp、FMOC−Gly、FMOC−His(Trt)、FMOC−Ile、FMOC−Leu、FMOC−Lys(BOC)、FMOC−(1S,2R)−Achc、FMOC−Ser(tBu)およびFMOC−Tyr(tBu)(NeoMPS)を用いる。
【0080】
合成が完了すると、ペプチド樹脂を乾燥させる。その後、ペプチドアミドを、トリフルオロ酢酸/TIS/EDT/水(95:2:2:1容量)による室温で2時間の処理により切り出す。ろ過、溶液の濃縮および氷冷ジエチルエーテルの添加による沈殿により粗生成物(75mg)が固体として得られる。
【0081】
ペプチドを、12ml/minの流速にて40分間で5から60%の勾配のアセトニトリルを用いる0.1%TFA中のKromasil RP−18 250−20、10μmでのRP−HPLCと、215nmでのUV検出器による溶出液の評価とにより精製する。個別の画分の純度は、分析RP−HPLCおよび質量分析法により決定する。精製画分の組合せと凍結乾燥の後に、48mgの純粋生成物が得られる。質量分析による分子量:1637.6。
【実施例6】
【0082】
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
この化合物の固相合成は、実施例1の記載に従って行った。このカップリングステップにおいて用いたアミノ酸およびペプチド模倣誘導体は、FMOC−Arg(Pbf)、FMOC−Asp、FMOC−Gly、FMOC−His(Trt)、FMOC−Ile、FMOC−Leu、FMOC−Lys(BOC)、FMOC−Acdn、FMOC−Ser(tBu)およびFMOC−Tyr(tBu)(NeoMPS)であった。
【0083】
合成が完了すると、ペプチド樹脂を乾燥させる。ペプチドアミドを、その後、トリフルオロ酢酸/TIS/EDT/水(95:2:2:1容量)による室温で2時間の処理により切り出す。ろ過、溶液の濃縮および氷冷ジエチルエーテルの添加による沈殿により粗生成物(75mg)が固体として得られる。
【0084】
ペプチドを、12ml/minの流速にて40分間で5から60%の勾配のアセトニトリルを用いる0.1%TFA中のKromasil RP−18 250−20、10μmでのRP−HPLCと、215nmでのUV検出器による溶出液の評価とにより精製する。個別の画分の純度は、分析RP−HPLCおよび質量分析法により決定する。精製画分の組合せと凍結乾燥の後に、48mgの純粋生成物が得られる。Maldi−TOF、1721.4m/z(m.i.)。
【0085】
以下のペプチドペプチド模倣物を、適切に保護されたビルディングブロックを用いて上記の実施例1に記載した基本手順に従って調製した。
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Pro−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−D−Pro−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−ヒドロキシプロリン−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−D−ヒドロキシプロリン−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−ベンジル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−D−(O−ベンジル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−t−ブチル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−2−ナフチル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−2−ナフチル−メチル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−フェニル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−4−(4−フェニル−ベンジル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(シス−3−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(シス−4−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(トランス−4−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(シス−5−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(トランス−5−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−ベンジル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−(4−ブロモベンジル)−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−シクロヘキシル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−フルオロ−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−Tic−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(SSS)−Oic−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(SSS)1−アザ−ビシクロ[3.3.0]ビシクロオクタン−カルボキシル−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−シス−Acpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1R,2R)−Acpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2S)−Acpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acha)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acpo−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acbc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acpo−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−((1R,2S)−2−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−((1S,2R)−2−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−((1S,2S)−2−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acpec)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acprc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Aedfp−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Aic)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(2−Aic)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Ambc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Ampa−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Anc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Atpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(2−Atc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acbt−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acbo−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acmb)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(2−Acmb)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acmv−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acq−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Haic−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Accb−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acpb−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−PBD−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Bppp−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Cptd−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Thc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Abhc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Accl−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−PLSP−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−BTD−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−NH2
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−NH2
【実施例7】
【0086】
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
最初のアミノ酸としてのFMOC−Cys(Trt)を有する樹脂支持体としてTentagel(Rapp Polymere)を用いて、単量体ペプチドを実施例1のとおり合成する。
FMOC−Arg(Pbf)、FMOC−Asp、FMOC−Gly、FMOC−His(Trt)、FMOC−Ile、FMOC−Leu、FMOC−Lys(BOC)、FMOC−(1S,2R)−Achc、FMOC−Ser(tBu)およびFMOC−Tyr(tBu)(NeoMPS)。
【0087】
ペプチドの切断および精製の後に、反応を、2〜8倍モル過剰量のマレインイミド−PEG20Kを用いて行う。回収の後に、精製をKromasil RP−18で行い、生成物を分析RP−HPLCおよびMALDI−MSにより同定する。
【実施例8】
【0088】
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
最初のアミノ酸としてFMOC−Cys(Trt)を有する樹脂支持体としてTentagel(Rapp Polymere)を用いて、単量体ペプチドを実施例1のとおり合成する。
FMOC−Arg(Pbf)、FMOC−Asp、FMOC−Gly、FMOC−His(Trt)、FMOC−Ile、FMOC−Leu、FMOC−Lys(BOC)、FMOC−Acdn、FMOC−Ser(tBu)およびFMOC−Tyr(tBu)(NeoMPS)。
【0089】
ペプチドの切断および精製の後に、2〜8倍モル過剰量のマレインイミド−PEG20Kを用いて、反応を行う。回収の後に、精製をKromasil RP−18で行い、生成物を分析RP−HPLCおよびMALDI−MSにより同定する。
【0090】
適切なビルディングブロック構成成分を用いて、以下のペプチドおよびペプチド模倣誘導体を調製した:
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Pro−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−D−Pro−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−ヒドロキシプロリン−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−D−ヒドロキシプロリン−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−ベンジル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−D−(O−ベンジル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−t−ブチル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−2−ナフチル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−2−ナフチル−メチル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(O−フェニル−ヒドロキシプロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−4−(4−フェニル−ベンジル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(シス−3−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(シス−4−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Argg-Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(トランス−4−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(シス−5−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(トランス−5−フェニル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−ベンジル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−(4−ブロモベンジル)−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−シクロヘキシル−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−(4−フルオロ−プロリン)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−L−Tic−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(SSS)−Oic−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(SSS)1−アザ−ビシクロ[3.3.0]ビシクロオクタン−カルボキシル−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−シス−Acpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1R,2R)−Acpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2S)−Acpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acha)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acpo−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acbc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acpo−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−((1R,2S)−2−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−((1S,2R)−2−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−((1S,2S)−2−Achc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acpec)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acprc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Aedfp−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Aic)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(2−Aic)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Ambc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Ampa−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Anc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Atpc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(2−Atc)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acbt−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acbo−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1−Acmb)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(2−Acmb)−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acmv−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acq−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Haic−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Accb−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acpb−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−PBD−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Bppp−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Cptd−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Thc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Abhc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Accl−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−PLSP−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−BTD−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Cys−(S−スクシンイミド−PEG20K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG30K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−(1S,2R)Achc−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG40K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG30K)−アミド
Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Acdn−Ile−Ser−Gly−Gly−Gly−Tyr−Arg−Cys−(S−スクシンイミド−PEG40K)−アミド
【実施例9】
【0091】
化合物の生物学的効果は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)培養物中でのトロンビン誘導RhoA活性化モデルにおいて実証した。
【0092】
HUVECを、標準的条件下でコンフルエントに達するまで増殖させる。Rho活性の誘導の前に、HUVECを4時間、成長因子も血清補充物も含まないIMDM(Gibco)を用いることにより飢餓状態にした。飢餓期間の後に、飢餓培地に5U/mlのトロンビン(Calbiochem)または5Uのトロンビン プラス 50μg/mlの試験化合物を加えて1、5および10分間置く。Upstate社製のRhoアッセイ試薬を製造元の使用説明に従って用いて、活性RhoAを単離した。単離物を15%ポリアクリルアミドゲルで分離し、ニトロセルロースメンブレン(Bio−Rad)にブロットした。RhoAを、Upstate社製の抗Rho(−A、−B、−C)、クローン55(1:500)を用いることにより検出した。
【0093】
未刺激対照と比較した相対的RhoA刺激
対照ペプチド1分 1
対照ペプチド5分 1
対照ペプチド10分 1
トロンビン5分 5.6
トロンビン+化合物実施例1(10分) 1.5
トロンビン+化合物実施例2(10分) 1.3
トロンビン+化合物実施例3(10分) 1.0
トロンビン+化合物実施例4(10分) 1.3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式I:
2N−GHRPX123−β−X45678910−X11(I)
{式中、
1〜X10は、遺伝子的にコードされる(genetically coded)20のアミノ酸の1つを表し、X8、X9およびX10は、個別にまたは一緒に、単化学結合(single chemical bond)を表してもよく;
11は、OR1(式中、R1は水素または(C1〜C10)アルキルである)、NR23[R2およびR3は同じかまたは異なり、水素、(C1〜C10)アルキル、または残基 −W−PEG5-60K(式中、PEG残基は適切なスペーサーWを介してN原子と結合している)を表す]、または残基 NH−Y−Z−PEG5-60K(式中、Yは、単化学結合またはS、C、KもしくはRの群からの遺伝子的にコードされるアミノ酸を表し、Zは、それを介してポリエチレングリコール(PEG)残基が結合できるスペーサーを表す)を表す;
さらに、式中、
βは、ペプチド主鎖中にベンドまたはターンを誘導するというさらなる特性を有する、遺伝子的にコードされていてもされていなくてもよいアミノ酸、またはペプチド模倣要素(peptidomimetic element)を表し、前記アミノ酸は、限定されないが、L−プロリン、D−プロリン、L−ヒドロキシプロリン、D−ヒドロキシプロリン、L−(O−ベンジル)−ヒドロキシプロリン、D−(O−ベンジル)−ヒドロキシプロリン、L−(O−tert−ブチル)−ヒドロキシプロリン、4−(O−2−ナフチル)−ヒドロキシプロリン、4−(O−2−ナフチル−メチル)−ヒドロキシプロリン、4−(O−フェニル)−ヒドロキシプロリン、4−(4−フェニル−ベンジル)−プロリン、cis−3−フェニル−プロリン、cis−4−フェニル−プロリン、trans−4−フェニル−プロリン、cis−5−フェニル−プロリン、trans−5−フェニル−プロリン、4−ベンジル−プロリン、4−ブロモベンジル−プロリン、4−シクロヘキシル−プロリン、4−フルオロ−プロリン、L−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸(L−Tic)、オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸(Oic)の全てのジアステレオマー、および1−アザ−ビシクロ[3.3.0]オクタン−2−カルボン酸の全てのジアステレオマー、または
【表1】





の群から選択される残基を含む}
のペプチド、ペプチド模倣物(peptidomimetics)およびそれらの誘導体ならびにそれらの生理的に許容される塩。
【請求項2】
1、X4が、L、I、S、MまたはAを表し、
2が、EまたはDを表し、
3が、RまたはKを表し、
5、X6、X7が、A、G、SまたはLを表し、
8が、G、AもしくはLまたは単化学結合を表し、
9が、Y、F、Hまたは単化学結合を表し、
10が、R、Kまたは単化学結合を表し、
βおよびX11が、上記の意味を有する、
式Iのペプチド、ペプチド模倣物およびそれらの誘導体ならびにそれらの生理的に許容される塩。
【請求項3】
一般式II:
2N−GHRPLDK−β−ISGGX8910−X11(II)
(式中、X8、X9、X10およびX11は、式Iについての上記の意味を有する)
のペプチド、ペプチド模倣物およびそれらの誘導体ならびにそれらの生理的に許容される塩。
【請求項4】
一般式II:
2N−GHRPLDK−β−ISGGX8910−X11(II)
(式中
残基X19、X20およびX21のうち2つはそれぞれグリシン残基であり、残りの1つが残基C−(S−スクシンイミド)−(PEG5-40K)であり、前記スクシンイミド残基はシステイン残基の硫黄原子にC原子3を介して結合し;
17は、NR23を表し、R2およびR3は同じか異なり、水素または(C1〜C10)アルキルである)
のペプチド、ペプチド模倣物およびそれらの誘導体ならびにそれらの生理的に許容される塩。
【請求項5】
一般式II:
2N−GHRPLDK−β−ISGGX8910−X11(II)
[式中
11は、NR23(式中、R2およびR3は同じか異なり、水素または(C1〜C10)アルキルを表す);または
残基 C(NR23)−(S−スクシンイミド)−(PEG5-40K)(式中、スクシンイミド残基は、システイン残基の硫黄原子に、スクシンイミド環の炭素原子3を介して結合している)を表す]
のペプチド、ペプチド模倣物およびそれらの誘導体ならびにそれらの生理的に許容される塩。
【請求項6】
請求項1に記載の一般式Iのペプチドおよびペプチド誘導体の製造方法であって、下記のいずれかを特徴とする方法:
(E)それぞれの配列のC末端の最初のアミノ酸を、適切な切断可能なスペーサーを介してポリマー樹脂と結合させ、官能基の適切な保護基を任意選択的に含んでいてもよいそれ以降のアミノ酸またはペプチド模倣要素を、当技術分野において知られる方法に従って段階的に結合させ、完成したペプチドを、当技術分野において知られる適切な方法に従ってポリマー樹脂から切り離し、存在する場合は保護基を適切な方法により切り離し、ペプチドまたはペプチド誘導体を適切な方法に従って精製する、または
(F)所望の分子量を有するPEG基を、適切なスペーサーを介してポリマー樹脂と結合させ、ペプチドのN末端の最初のアミノ酸を、適切な方法を用いて結合させ、残りのステップは(A)に記載のものと同様に行う、または
(G)ε−アミノ基に適切な保護基を含むリジン残基を、適切なスペーサーを介して適切な方法を用いて適切なポリマー樹脂と結合させ、ペプチド鎖を、(A)に記載されるようにして合成し、ポリマー樹脂から切断し精製した後、必要であれば、ε−アミノ基の保護基を適切な方法を用いて切り離し、所望の分子量を有するPEG基を、適切な活性化剤を用いてε−アミノ基と結合させ、任意選択的に残存している保護基を切断し、最終生成物を適切な方法を用いて精製すること、または
(H)システイン残基を含むペプチドをPEG−マレイミドと反応させて、請求項3、4および5のいずれか一項に記載の式(II)の化合物を形成すること。
【請求項7】
一般式(I)の化合物を含有する医薬組成物。
【請求項8】
一般式(I)の化合物の医療的な使用。

【公表番号】特表2011−523634(P2011−523634A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508760(P2011−508760)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【国際出願番号】PCT/AT2009/000158
【国際公開番号】WO2009/137850
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(503213165)ファイブレックス メディカル リサーチ アンド デベロップメント ゲーエムベーハー (8)
【Fターム(参考)】