説明

ペプチド配列及びペプチド組成物

節足動物唾液タンパク質画分に由来する少なくとも1個のエピトープを認識可能な免疫系細胞を脊椎動物に産生させる、脊椎動物において免疫原性を有するポリペプチドを1個以上含むポリペプチド組成物であって、前記節足動物唾液タンパク質画分が、40kDa以下の分子量を有し、及び前記ポリペプチドが、配列番号1〜44のポリペプチド配列、及びこれらの部分配列であってアミノ酸残基を7個以上を有する部分配列のいずれか、並びに前記配列の1個以上に対して85%以上の相同性を有するポリペプチド配列であって、データベースの、GenBank、Protein Data Bank(PDB)、SwissProt、Protein Information Resource(PIR)、Protein Research Foundation(PRF)、又はこれらのCDS翻訳(CDS translations)の1つ以上に含まれるポリペプチド配列から独立に選択されるポリペプチド組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペプチド配列、前記ペプチド配列を含む組成物、特に節足動物媒介性疾病に対するワクチンであって前記配列及び前記組成物を含むワクチン、及び前記配列の使用に関する。本発明は、特に、マラリアの1種以上の系統を含む、任意の1種以上のカ媒介性疾病からの保護を与えるワクチンに関する。
【背景技術】
【0002】
疾病に対する防御は全ての動物の生存にとって重要であり、この目的のために用いられる防御機構が動物の免疫システムである。免疫システムの理解は、それゆえ、ヒトに及び同様に動物に対する新たなより洗練された治療の開発を理解するための鍵となる。
【0003】
免疫システムの作動機構は、長年に亘って研究されている。このシステムは、多数の細胞種及び様々な分子から構成され、これらはシステムを非常に複雑にしている。長年の研究にも拘わらず、免疫システム成分の全範囲及び成分間の相互作用は、不完全にしか理解されていない。
【0004】
何年も前には、ある特定の疾病から回復した人は、その疾病に対する将来のある種の防御を獲得しえるが、この人がまだ罹患していない疾病に対してはそのような防御は獲得し得ないと認識されていた。この免疫システムの基本的な様相は、当時は、ある種の病原体に一旦曝露されると免疫システムはその病原体に対するある種の「記憶」を獲得し、この「記憶」はその疾病に特異的であるというように理解されていた。
【0005】
次第に、病原体のより無害な変異体への曝露が、より有害な変異体に対する防御を誘発し得ることが知られるようになってきた(例えば、牛痘に対する曝露が天然痘に対する防御を誘発し、不活化炭そ菌への曝露が生菌の炭そ菌への防御を誘発するなど)。このようにして、疾病に対する予防接種の考えが生じてきた。
【0006】
現在、免疫システムは、先天性免疫及び適応免疫の少なくとも2つの区分を有することが知られている。先天性免疫システムは、病原体がシステムに侵入する前に、十分に機能しているが、適応免疫システムの機能は、病原体がシステムに侵入した後に開始される。適応免疫システムは、次に、その病原体に特異的な攻撃を開始する。先天性免疫システムは、例えば病原体などの異物を(名前が示すように)「食する」又は貪食するマクロファージなどの食細胞を含む多数の成分で構成されている。
【0007】
本発明は、排他的にではないが典型的には、適応免疫システムに関し、特に断りがなければ、本明細書中で使用される「免疫システム」という用語は適応免疫システムを指す。
【0008】
免疫システムがどのようにして機能するかについてより十分に理解するためには、免疫システムの個々の成分の役割を注意深く考慮しなければならない。適応免疫システムに関しては、病原体に対する免疫は、免疫システムの最も一般的な細胞種を構成するリンパ球の作用によって与えられることがよく知られている。リンパ球には、Bリンパ球とTリンパ球の2種がある。これらは、一般に、それぞれB細胞及びT細胞と言われる。
【0009】
B細胞は、形質細胞へと発達することができ、形質細胞は抗体を作る。抗体は、動物の免疫システムの非常に重要な成分である。抗体は、侵入病原体のある種の識別特性部位(病原体の抗原―ここで抗原とは免疫システムによって認識されるあらゆる外来物質と定義される)に対して反応して産生され、そして通常、その病原体に特異的である。しかし、もし2種の病原体が非常に類似しているか、少なくとも同一の抗原を含有する場合には、一方の病原体に対して産生された抗体は、上記に拘わらず、もう一方の病原体に対しても有効であり得る(抗体が「交差反応」し得る)。これは、なぜ牛痘の接種が天然痘に対する防御を与え得るのかの説明となる。抗体は、病原体全体ではなく、病原体の抗原分子の小部分しか「認識」しないことを理解することは重要である。これらの小部分は、エピトープと名付けられる。
【0010】
T細胞は抗体を有さず産生もしない。その代り、T細胞は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)(又はヒトの場合、ヒト白血球抗原(HLA))と複合化した外来抗原の断片(即ちエピトープ)を、TCR(T細胞受容体)として知られる分化した受容体を介して、認識する。T細胞は、制御的機能か又はエフェクター機能かを有し得る部分集合に分けることができる。エフェクター細胞は、外来物質の除去の「効果を果たす」のに関与する。例えば、細胞障害性Tリンパ球(CTL)は、腫瘍細胞などの他の好ましくない細胞種と同様に、感染された細胞も殺すことのできるエフェクター細胞である。他方で、制御T細胞は、エフェクターT細胞及びB細胞がより有効になるように手伝う役割を果たす。この機能のために、これらの制御T細胞はしばしば「ヘルパー」T細胞と呼ばれる。「サプレッサー」T細胞と呼ばれる、他の制御T細胞は、免疫応答を抑制すると考えられるが、これについては「ヘルパー」T細胞ほどよくは理解されていない。制御T細胞は、先天性免疫システムの成分とも相互作用し得、それらの活性を高める。
【0011】
正常健康個体では、免疫応答が惹起されるまで、免疫システムのリンパ球は、不活性な「休止」状態に維持される。免疫応答が必要となると、リンパ球は活性化され、増殖し、そして指定された機能を実行し始める。例えば、その表面にMHC分子と複合化した侵入病原体のエピトープを認識するTCRを有するあらゆる休止T細胞が活性化され、増殖し(これはクローン性増殖と呼ばれる)、そして結果として生じた子孫細胞が侵入生物と対抗するのに必要な所定のエフェクター機能を活発に実行し始める。
【0012】
免疫応答が終了すると(即ち、病原体及び/又は感染細胞が除去されると)、リンパ球は再度休止状態に戻る。この休止状態は、しかし、最初の不活性な休止状態と同等ではない。一度活性化されたが休止状態にあるリンパ球は、後の同じか又は密接に関連する病原体による感染に反応して、迅速に戦力として動員され、そして増殖するよう誘導され得る。
【0013】
一度活性化されたが休止状態にあるリンパ球が、侵入病原体との2度目の接触の後で、より迅速により強力な反応を示すこの能力は、免疫システムに効果的に「記憶」を提供している。この免疫システムの記憶の利用は、全ての長期免疫予防薬(例えばワクチンなど)の根拠となっており、依然として非常に長期の免疫治療薬の開発における目標ともなっている。
【0014】
細胞が、動物の複雑なシステム内でそれらの機能を実施するためには、細胞はそれらの表面に「受容体」を有する必要がある。これらの受容体は、活性化、増殖、及び他の細胞又は基質への付着などの様々な最も重要な過程を制御する特異的物質を「認識」可能である。例えば、免疫システムの場合では、T細胞及びB細胞上の受容体は、これらの細胞に抗原を認識させるばかりでなく、これらの細胞を相互作用させ、それゆえこれらの細胞の活動を調整する。このような受容体がなければ、細胞はコミュニケーションの最も重要な手段を欠き、多細胞生物の免疫システムにとって不可欠である協力した活動を効果的にすることができないであろう。
【0015】
環境中に存在する広範囲の病原体を特異的に認識し対処することを可能とするために、免疫システムはリンパ球上で機能する2種の高度に可変の抗原受容体を発達させた。即ち、B細胞の抗体及びT細胞のT細胞受容体若しくはTCRである。
【0016】
生体内には非常に多くの異なる可能な抗原受容体が存在し、免疫システムが多様な侵入病原体を認識するのを可能にしている。実際、1個体に約1012個の異なるB細胞及びT細胞受容体が存在する。個々のB細胞はそれぞれ1種の受容体のみ有しており、これで特定の病原体に対処するので、その病原体の抗原に「最も適合した」受容体を有するB細胞が選択されなければならない。この過程は、「クローン選択」と呼ばれる。理論上は、病原体の示す抗原/エピトープの数及びこれらの抗原/エピトープに対する様々な選択されたB細胞の特異性に依存して、単一クローンのみが反応するか(モノクローナル反応)、数種のクローンか反応するか(オリゴクローナル反応)、又は多数のクローンが反応し得る(ポリクローナル反応)。
【0017】
B細胞及びT細胞が認識できる抗原の種類には大きな違いがある。知られている限り、Bリンパ球の表面上の受容体(即ち抗体)のみが、ウイルス及び細菌上のタンパク質、又は体液中に溶解している外来分子などの抗原を直接認識可能である。B細胞が活性化され形質細胞に発達した場合、B細胞からの抗体は可溶型としても産生され得る。抗体は、イムノグロブリン(Igと略記する)とも呼ばれる。一方、T細胞受容体は、生体の細胞表面の、T細胞エピトープとしても知られる、短いペプチドのみを認識する。これらのT細胞エピトープは、自己(即ち自然発生の生体タンパク質)か又は非自己(即ち、生体に感染した外来生物に由来するタンパク質)のより大きなタンパク質の分解によって産生される。外来タンパク質に由来するペプチドのみ、即ち抗原のみが、通常は生体内の免疫応答を誘発できる。一旦産生されると、これらのエピトープは、特別な種類の分子であるMHC(主要組織適合遺伝子複合体)に結合し、そしてこの結果生じた複合体は次に、細胞表面に提示され、T細胞受容体と結合する。
【0018】
免疫応答が破壊的性質を有するため、この反応は外来病原体に対してのみ作用し、生体の自身の細胞又はタンパク質に対しては作用しないようにしなければならないことは、明確にすべき点である。このように、免疫システムは、「自己」及び「非自己」を区別する必要がある。自己に対して反応するリンパ球のクローンも産生されるが、自己に対するいかなる反応も引き起こす前に、これらのクローンは除去されるという説が提案されている。この過程は「クローン除去」と名付けられている。いずれの自己に反応するリンパ球も保持され得るが、「スイッチを切られた」状態でのみ保持されるという説も提案されている。この機構は、クローン・アネルギーと名付けられている。考えられる過程が何であれ、胸腺などのリンパ系組織に、非自己に対してのみ反応するTリンパ球のプールの中から自己に対して反応する個々のT細胞クローンを識別させる正確な基礎となる機構が何かについては依然として不明確なままである。
【0019】
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)が動物の免疫システムにおいて鍵となる役割を果たしていることが何年も前から知られてきた。MHC分子は、既に上で論じたように、T細胞が抗原を認識するのを可能にする。MHC分子には、クラスI、クラスII、及びクラスIIIの3つの一般的な型がある。クラスI及びクラスIIのMHC分子は細胞表面に存在する糖タンパク質であり、クラスIIIは通常可溶分子で細胞内部に存在する。MHC分子には、非常に多数の異なる型が存在する。例えば、ヒトでは(ヒトではMHCはヒト白血球抗原(HLA)と呼ばれる)MHC分子をコードする遺伝子の互いに異なる対立遺伝子が数百あり、ヒト個体群には多くの異なる型のHLAが存在することを意味している。異なる動物種のMHCは、マウスのMHCがH−2、ラットがRT1、そしてウサギがRLAというように、一般的に異なる規約に従い名付けられている。個体において異なるMHC分子をコードする異なる遺伝子領域は、通常個別に名付けられ、例えばヒトでは、HLA−A、HLA−Cなどである。
【0020】
免疫システムに抗原のエピトープを提示するのはMHC分子なので、MHC分子は重要な免疫システム分子である。例えば、T細胞が特定の病原体に反応するためには、病原体は、細胞表面でMHC分子に結合し得、そしてそれゆえMHC−ペプチド複合体に結合するT細胞と相互作用し得る少なくとも1つのエピトープ(タンパク質のペプチド部分など)を有する少なくとも1つの抗原(タンパク質など)を有さなくてはならない。このように、免疫応答は、MHCがエピトープに結合する能力に依存している。MHCが結合するエピトープがないか、MHC−ペプチド複合体に結合するT細胞がない場合、免疫応答は起こらない。
【0021】
「自己」タンパク質に関しては、しかし、数個のエピトープのうち1つがMHC分子に結合することができ、それゆえ潜在的に免疫応答を誘発し得る。これらの場合、自己に反応するリンパ球クローンが除去されるか又はそのリンパ球のスイッチが切られるように、特異的「信号」が発せられなければならない。
【0022】
脊椎動物免疫システムの仕組みの理論的理解が進展しているにも関わらず、多くの疾病に対するワクチンは依然として理解しにくい。ある種の病原体は急速に突然変異しやすい(例えばHIV及びインフルエンザ)ので、1系統に対するワクチン標的として有用であり得たエピトープが、突然変異が生じた後新系統で変化し、ワクチン標的として有用でなくなることがある。Plasmodium(マラリアの原因となる病原体)などの他の病原体も、広く研究されているが、病原体上の標的であって、ワクチン開発において有用であり得る標的が、同定困難であると判明しているか、単にin vivoにおいて有効なワクチンを送達しそこねている状態である。
【0023】
特に開発を進歩させる必要がある病原体には、節足動物によって媒介される、いわゆる「節足動物媒介疾病」を引き起こす病原体がある。このような疾病は、世界的に主要な死因となっており、このような疾病には、とりわけ、現代人類、特に世界のより貧乏な地域に住む人類の、最悪の致命的疾病であるマラリア及びデング熱が含まれる。節足動物媒介疾病の例としては、以下の表1に列挙されるものがあるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
【表1】

【0025】
以前は、節足動物媒介疾病のワクチンを提供する試みは、存在する病原体の系統を同定し、次にこの病原体に特異的なワクチンを製造することで行っていた。一般的に、前記ワクチンは、寄主のB細胞(抗体)反応(又は、時にT細胞反応)に基づいており、この抗体は、ワクチンが標的とする特異的病原体系統の表面抗原と反応する。概して、抗原を含む表面タンパク質は、疾病の病原体の系統ごとに変動し、異なる病原体では全く異なる。この結果、一般的に従来のワクチンは、(もしそれらが有効であったとしても)1種の特異的病原体からのみの保護及び1種の特異的病原体系統からのみの保護のいずれかしか与えず、他の系統からの保護及び突然変異によって生じる新系統からの保護は与えない。それゆえ、各々の疾病病原体からの保護、及びしばしば同一疾病の異なる病原体系統及び新病原体系統の少なくともいずれかからの保護のためには、別個のワクチンが必要になる。
【0026】
節足動物の唾液中及び節足動物の腸中に発現される抗原のいずれかによる免疫感作によって個体を感染から保護することができることが知られるようになってしばらく経つ。このことについて詳細に論じられた論文の要約を以下に示す。
【0027】
非特許文献1は、節足動物の唾液腺における既知の免疫調節因子について概説している。免疫調節因子は、節足動物による病原体の伝播を促進することができる。媒介動物の唾液は、止血の抑制、血管収縮の抑制、並びに炎症の発達の抑制及び免疫応答の発達の抑制などの能力を有する非常に多くの物質を含む。カにおいては、数種のT細胞抑制因子が存在する。節足動物の唾液が、前記節足動物が伝播する病原体による感染を促進するならば、前記感染を強化する唾液中の分子のワクチン接種を寄主にすることにより病原体の伝播を制御し、それによって前記唾液の促進効果を遮断し、従って病原体が寄主において感染を確立するのを防ぐことが可能になる。サシチョウバエ唾液における強力な血管拡張成分をコードするmaxadilan遺伝子或いはMAX遺伝子がクローン化され、この遺伝子のタンパク質生成物の活性が試験された。サシチョウバエMAXの効果は、食細胞に対する一次効果を通して現れ、これは下流のT細胞反応に対する免疫調節/免疫抑制効果をもたらす。マウスに対して、完全フロイントアジュバント中のMAXを注射すること、続けて不完全フロイントアジュバント中のMAXを注射すること、及び次に可溶性MAXで追加免疫し血液循環する抗MAX抗体の力価を1/10000〜1/20000の範囲とすることによって、MAXのワクチン接種を行った。そして前記ワクチン接種を施されたマウスを、感染から顕著に保護することに成功している。
【0028】
非特許文献2には、カによる血液摂取が昆虫唾液に対する寄主の免疫応答を誘導することが示されている。これらには、過敏症反応と抗カ抗体産生の両方が含まれる。これらの抗体反応を測定することは、媒介動物個体群をモニターするため及びこのような反応を治療介入戦略の有効性評価の過程において適用するために、疫学的な価値を有し得る。節足動物媒介体或いは外部寄生虫の摂食、発育、及び生存の少なくともいずれかを損傷させるワクチンを製造することは、野心的な考えだとしても、魅力的である。この第1の重要な目的は、外部寄生性節足動物それ自体の管理を行うことであり、第2の目的は、前記抗節足動物ワクチン接種を、前記節足動物種内で前記節足動物が寄生虫を伝播する際か、前記節足動物が脊椎動物寄主に寄生虫を伝播する際に寄生虫に損傷を与える方法として使用することである。
【0029】
非特許文献3によると、カの中腸は、Plasmodiumの生存と発育のためには最も厳しい環境の1つである。唾液腺へ向かう途中で中腸上皮を横切ろうと試みる際、運動性のあるオーキネートは、カ認識因子によって迅速に検知されそして標識され、中腸とそれをとり囲む体腔中の他の組織との両方から殺傷因子を集める様々な免疫反応によって破壊されるように、標的化される。これらの因子と寄生虫との間の正確な相互作用は、寄生虫侵入のタイミング及び経路と同様に、高度に種特異的及び系統特異的である。前記中腸は、消化酵素及び感染性因子から血体腔組織を隔離し、保護する物理的バリアとなっている。前記中腸は、単一層の極性のある上皮細胞からなり、上皮細胞のそれぞれの極は、分子の交換に関与する表面積を増加させるために適応し、異なる形態に変化している。上皮細胞の明瞭な微絨毛で覆われた頂端部側表面は、中腸内腔に露出しており、その1次的役割は消化酵素の分泌及び栄養物の吸収である。血液摂取によって引き起こされる構造上の変化として、中腸上皮によって分泌され、摂取された血液食によって重合させられる、厚い、非細胞質、キチン質の囲食膜マトリックス(PM)の形成がある。前記PMは、食塊を取り囲み、中腸上皮を貫通しようとする寄生虫及び細菌に対するバリアとなる。
【0030】
非特許文献4によると、カ中腸を標的とする抗体は、カワクチンの開発においても重要である。カによる摂食中の唾液の分泌は、寄主の血管の位置確定並びに寄主の止血反応及び免疫応答の操作を成功させるために、重要である。寄主の抗カ抗体による唾液抗原の認識を特徴づけるために免疫ブロット法が用いられている。摂食する際に、カは、可溶性及び細胞性の寄主の免疫因子を摂取し、それらは中腸中に活性化された状態で残る。唾液抗原と対照的に、カの体内部に存在する器官由来の抗原に対して、寄主が曝されることは通常なく、このことからこれらの「隠された」抗原をワクチンの標的として利用するという考えがもたらされる。隠された抗原の最良の供給源は中腸である。なぜならば、カの摂食の後その成分として免疫エフェクター分子及び免疫エフェクター細胞を保持している血液食を収容するためである。Ae.Aegyptiの中腸標本調製物及び全身標本調製物は、高力価の抗体をマウスに誘導し、その抗体を含有する血液を摂食したカの死亡率の上昇量は、カ中腸微絨毛に結合した抗体量と相関している。An.Gambiaeの中腸のcDNAライブラリーをマウスに注射することによって、マウス血中にIgG応答を誘導することができ、次に中腸タンパク質を追加免疫することによって、高力価の抗体を産生させることができた。これらのマウスから吸血したカの生存率及び蔵卵数を再現性よく減少させることができており、興味深いことにこの殺カ効果は、体液性応答よりも細胞性応答によってもたらされるようであった。しかし、これらの研究は、問題に直面している。それは、実験の中においてさえも、結果の変動が大きくなることがあり、効果の再現性を良好にすることが困難であることである。中腸タンパク質抽出物の複合混合物か中腸cDNAライブラリーの複合混合物を用いて免疫感作するということは、寄主を保護するワクチンの標的抗原は同定されていないことを意味している。
【0031】
しかし、このような知見にも拘わらず、この作用機構を利用した、節足動物媒介疾病に対する有効なワクチンは、依然として開発されていない。節足動物媒介病原体に対する既存のワクチンの更なる重要な問題点は、ワクチンがB細胞応答に基づくかT細胞応答に基づくかに関わりなく、これらのワクチンはそれぞれ、単一病原体からの保護のみ、或いは、せいぜい単一の既存病原体系統からの保護のみ与え、将来生じ得る系統、或いは、複数の病原体からの保護は与えないことである。マラリア及びデング熱などの大規模な致命的疾病を含む複数の節足動物媒介疾病からの保護を与えるワクチンの必要性は、差し迫っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0032】
【非特許文献1】R.G.Titusら,The immunomodulatory factors of arthropod saliva and the potential for these factors to serve as vaccine targets to prevent pathogen transmission.(節足動物唾液の免疫調節因子及びこれらの因子の病原体伝染阻止のためのワクチンの標的としての働き),Parasite Immunology,(2006),28巻,pp.131−141
【非特許文献2】G.A.T.Targett,Parasites,arthropod vectors,and immune responses.(寄生虫、節足動物媒介体、及び免疫反応),Parasite Immunology,(2006),28巻,pp.117−119.
【非特許文献3】M.M.A.Whittenら,Mosquito midguts and malaria: cell biology, compartmentalization and immunology.(カ中腸及びマラリア:細胞生物学、区画化、及び免疫学),Parasite Immunology,(2006),28巻,pp.121−130.
【非特許文献4】P.F.Billingsleyら,Immune interactions between mosquitoes and their hosts.(カ及びその寄主間の免疫相互作用),Parasite Immunology,(2006),28巻,pp.143−153.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
本発明者らは、現在、寄主に全ての節足動物媒介病原体からの保護を与えることのできる、節足動物唾液タンパク質中に存在する、特異的な、免疫原性を有するペプチド配列を同定し、同定した配列を用いて、これらの病原体が引き起こす疾病に対するワクチンを開発できるようにしている。したがって、本発明者らは、免疫応答、及び特に節足動物媒介疾病からの迅速な2次免疫応答を誘発する、ワクチンにおいて有用であるペプチドの開発に成功している。
【0034】
したがって、本発明の目的は、上述の既知従来技術に関係する問題点を解決することである。本発明の更なる目的は、脊椎動物において、複数の節足動物媒介疾病、即ち複数の病原体及び複数の病原体系統のいずれかによって引き起こされる疾病に対する免疫応答(例えば、T細胞応答及びB細胞応答の少なくともいずれかを含む細胞性応答)を誘発することができるポリペプチド組成物を提供することである。本発明の更なる目的は、本発明のポリペプチド組成物を用いた節足動物媒介疾病ワクチンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
したがって本発明は、節足動物唾液タンパク質画分に由来する少なくとも1個のエピトープを認識可能な免疫系細胞を脊椎動物に産生させる(又はそのような細胞の産生を促進する)、脊椎動物において免疫原性を有するポリペプチドを1個以上含むポリペプチド組成物であって、前記節足動物唾液タンパク質画分が、40kDa以下の分子量を有し、及び前記ポリペプチドが、以下の(a)〜(c)から独立に選択されるペプチド組成物を提供する;
(a)配列番号1〜44のポリペプチド配列、及びこれらの部分配列のいずれか、但し前記部分配列は7アミノ酸残基以上を有する:
配列番号1 HLTLFTVAVLLLAAAALLLLLPPAYSTTLTPP
配列番号2 PLSYCHLFLTHTLARALSFSRSDCL
配列番号3 KNVFFALLLVVLVCCLVSVQGNEI
配列番号4 KLLVLLICLFFYHTHCTTAYLWLAMGV
配列番号5 FLKGSFPRFQMCVMLIGFFSSAKCL
配列番号6 NDYQALLGLCCPWIDLAAADLPMRRHAKA
配列番号7 FYSVGKLVKVLLVMAVCCLLLCTAPTGADPL
配列番号8 MKFAFAFVLIALFAVFAVSQALPQPEQAAA
配列番号9 DGASAITKIVLELTPEQAAAV
配列番号10 TLFIFLVCCQIPLFGIMSSDSADPFYWIRVILA
配列番号11 GRVMCLLRLMSTLLVVLSIVGK
配列番号12 LYSGYRLLVLLVMTVCCLLLFIAPTGADPLPGQTQRTL
配列番号13 MYCVIKGKTGGYCNSEGLCTCRAEDLHFLLKPIINKD
配列番号14 NAEDPRTELIGCGSVLFHLAANRLSLQLEEFAVCKR
配列番号15 ALIGLLLCSVQSVTANDPVDALGACSGNLFGLLMTRL
配列番号16 SKLFVLAFLCLALVVVVQSAPQYARGDVPT
配列番号17 SMLVAFATLSVALVVVVAIPANFNYGGGGGYFINGTGQ
配列番号18 IYEKLPAYLSEVSARVNVLQVSLQHDLPNLQ
配列番号19 EMKLAKVALVTISLWFMAWTPYLVINFTGI
配列番号20 LLPAKVIPDKTAAYVAYGGQETLVEHVEVLV
配列番号21 FYTCFLGTSSLAGFKNAVDYDELLKAG
配列番号22 VLEVLGFVEDNGELVFQELLGVLKMVDPDGD
配列番号23 KLTPTVVVVLLCLTFVADALTIQELRAQIAQQRIQQRYGVTVATT
配列番号24 SLSDYGLIELKEHCLECCQKDTEADSKLKVYPAAVLEV
配列番号25 TYICFILHGVSEIIPQQQKKTMKFLLLVASVLCLVLI
配列番号26 RYFVVIALICPLIIVETLAV
配列番号27 LLLYLDAADLRRALHQYQLLAAQGDRHLPQQIVKFV
配列番号28 VLLTPALQAYIMDEHNLNRSNIALGRIRPYPSAVKMP
配列番号29 VLKGETHKALKLKDGGHYLVEFKSIYM
配列番号30 VLHSMLVNASLAEMVKESYQTHGADGRMVVRMLKFVRLLP
配列番号31 RVRALRALLETLLQHQGEQNNDVYLIRLAHET
配列番号32 ELQQALSSLNAGSGSCAEVFNAYLPVHNKYIGVSRKI
配列番号33 KFYRLISTLLVVVVIAPRHQCSPFFFQYNRPYL
配列番号34 NYVPDVSALEQDIIEVDPETKEMLKHLDFNNIVVQL
配列番号35 QYSMECLEAAEPKYLDGLKTLADETAQC
配列番号36 EYAQVTKMLGNGRLEAMCFDGVKRLCHIRGKL
配列番号37 KLFLTLLSTLSVAMVFALPAHHHSRG
配列番号38 ELEEARLVAEELEERQQELDYLKRYLVGRLQAV
配列番号39 SYFLTVCLLALVQSETVQD
配列番号40 AMTNANLVGLTISLAYAIFFLLYTPPTGRSS
配列番号41 SFAWLLYGIILRSNFLVVQNLMALALSAVQLSLFII
配列番号42 AFPFISGFLSCFMWLKYGVLTEESTLILVNFIGSAL
配列番号43 GLLCCCLAVLFFASPLTMLAHVIR
配列番号44 LLLAMVLLPLLLLESVVPYAAAEKVW
(b)節足動物唾液タンパク質の以下のアミノ酸残基によって定義される配列、及びこれらの部分配列のいずれか、但し前記部分配列は7アミノ酸残基以上を有する:





又は、
(c)、(a)及び(b)のいずれかの配列の1個以上に対して85%以上の相同性を有するポリペプチド配列であって、データベースの、GenBank、Protein Data Bank(PDB)、SwissProt、Protein Information Resource(PIR)、Protein Research Foundation(PRF)、或いはこれらのCDS翻訳(CDS translations)の1つ以上に含まれるポリペプチド配列。
【0036】
CDSは、「CoDing Sequence」の略であり、即ち予測されるタンパク質におけるアミノ酸配列に相当するヌクレオチド領域のことである。前記CDSは、開始コドン及び終止コドンを含むので、コード配列は、「ATG」で始まり、終止コドンで終わる。5′非翻訳領域、3′非翻訳領域、イントロン、及びフレームシフトによって発現されなくなる塩基のいずれかを含む発現されない配列は、CDSには含まれない。なお、CDSは、実際のmRNA配列には一致しない。したがって、CDSの翻訳物は、開始コドンと終止コドンとの間に存在する全てのコドンが翻訳された場合に生じるタンパク質となる。
【0037】
PDBは、Protein Data Bankを意味する。このデータベース(http://www.rcsb.org/pdb/home/home.do)は、生体高分子の3−D構造の研究を通して生体システムの機能の理論的理解を促進するという目的のために設立された非営利コンソーシアムResearch Collaboratory for Structural Bioinformatics (RCSB)によって維持管理されている。
【0038】
Protein Information Resource (PIR)(http://pir.georgetown.edu/)は、研究者がタンパク質配列情報を同定し、解釈する際の手助けとするための情報供給源として、1984年に、National Biomedical Research Foundation (NBRF)によって設立された統合された公開バイオインフォマティクスリソースである。(Wu CH,Yeh LS,Huang H,Arminski L,Castro−Alvear J,Chen Y,Hu Z,Kourtesis P,Ledley RS,Suzek BE,Garrett L,Vinayaka CR,Zhang J,Barker WC The Protein Information Resource. Nucleic Acids Res(2003) 31巻(1号)、pp.345−7.)
【0039】
PRFは、Protein Research Foundation (PRF)(http://www.prf.or.jp/en/index.shtml)によって維持管理されるオンラインデータベースである。このデータベースは、科学学術雑誌から収集したアミノ酸、ペプチド、及びタンパク質に関する情報、ペプチド配列データ及びタンパク質配列データに関する情報、並びにタンパク質の合成化合物及びその分子的様相に関係する情報を含む。
【0040】
GenBankは、全ての一般に利用可能なDNA配列の注釈付コレクションである、NIH genetic sequence database(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)である。2カ月毎に、新しく公開される。GenBankは、日本DNAデータバンク(DNA DataBank of Japan (DDBJ))、European Molecular Biology Laboratory(EMBL)、及びNational Center for Biotechnology Information内のGenBankから構成されるInternational Nucleotide Sequence Database Collaborationの一部である。
【0041】
Swissprot(UniProtKB/Swiss−Protとしても知られる)は、Swiss Institute of Bioinformatics(SIB)によって維持管理される、監修されたタンパク質配列データベース(http://expasy.org/sprot/)である。このデータベースは、高レベルの注釈(例えば、タンパク質の機能の記載、タンパク質のドメイン構造、タンパク質の翻訳後修飾、タンパク質の変異体など)を提供し、重複性を最小限に切り詰め、他のデータベースとの統合を高レベルで行うという目標を有している。
【0042】
これらのデータベースは、毎週乃至毎月更新されており、本配列は、この特許出願の出願時にデータベース中にあった配列をカバーする。データベース内で望ましい相同性を有する配列を見つける際には、一致の程度の基準に従った、任意の方法を使用することができる。このような方法としては、BLASTPプログラム(BLAST及びそれに由来するプログラム(例えばBLASTP)は、パブリック・ドメイン・ソフトウェアである)を使用することが好ましい。
【0043】
他の実施形態では、上述の(c)で言及した85%の相同性の代わりに(或いは、85%の相同性に加えて)、上述のデータベース内のポリペプチド配列であって、(a)及び(b)のいずれかにおける配列の一部と共通のアミノ酸を少なくとも85%を有し(アミノ酸の同一性、及び配列中における位置の両方の点で共通のアミノ酸)、8アミノ酸残基以上の長さを有する、好ましくは8アミノ酸残基の長さから(a)及び(b)のいずれかにおける配列の全長の3分の1の長さまでの長さを有するポリペプチド配列も包含する。換言すれば、(a)及び(b)のいずれかにおける配列であって30アミノ酸残基の長さを有する配列については、前記(a)及び(b)のいずれかにおける配列の任意の部分と85%以上のアミノ酸を共通とすれば、前記データベース中の配列であって、8アミノ酸残基以上の長さ、好ましくは8〜10アミノ酸残基の長さを有する配列がこのポリペプチド配列に包含されることになる。同様に、(a)及び(b)のいずれかにおける配列であって60アミノ酸残基の長さを有する配列については、前記(a)及び(b)のいずれかにおける配列の任意の部分と85%以上のアミノ酸を共通とすれば、前記データベース中の配列であって、8アミノ酸残基以上の長さ、好ましくは8〜20アミノ酸残基の長さを有する配列がこのポリペプチド配列に包含されることになる。アミノ酸の一致は、連続的である必要はない。例えば、(a)及び(b)のいずれかにおける20アミノ酸残基を有する配列の場合、相当するデータベースの配列が正しい位置で17アミノ酸残基以上をこの配列と共通とするならば、これらの位置が全て連続的でなくとも、このデータベースからの配列をこのポリペプチド配列に包含することができる。
【0044】
通常、本組成物中のポリペプチドは、完全な(complete)(最大限の(full)或いは全長の(entire))節足動物唾液タンパク質ではない。「完全な(complete)」(「最大限の(full)」或いは「全長の(entire)」)という語を使用することにより、本ペプチドは、任意の自然に分泌される節足動物唾液タンパク質に存在するアミノ酸残基の全部は、含有しないことを意味する。
【0045】
このように、本ポリペプチドは、上述の配列のいずれかの全体をなすもの(或いは少なくとも1個の、上述の配列のいずれかの7アミノ酸残基以上の部分を、なすもの)であってよい。本ポリペプチドは、脊椎動物において、免疫原性も有していなくてはならない。通常は、この免疫原性によって、前記ポリペプチドが、脊椎動物に、節足動物唾液タンパク質画分に由来する少なくとも1個のエピトープを認識することが可能な免疫系細胞を産生させるようにすることができる。かくして、ポリペプチドがT細胞応答及びB細胞応答のいずれかを誘発する場合、このポリペプチドは、脊椎動物において免疫原性を有することになる。前記ポリペプチドは、二者択一に、Tヘルパーリンパ球(Th)エピトープであっても、Bリンパ球エピトープであってもよい。
【0046】
ポリペプチドが免疫原性を有するか否かを決定する1つの方法が、以下の実験2に詳述される。しかし、本発明は、このような方法には限定されず、当業者は、望むならば、免疫原性を決定するための任意の既知の方法を選択することができる。
【0047】
ポリペプチド組成物中のポリペプチドが、配列番号1〜6、20、28、30〜32、及び35から独立に選択される配列、或いはこれらの配列の部分配列であって7アミノ酸残基以上を有する部分配列、或いはこれらの配列の1個と85%以上の相同性を有するポリペプチド配列であって、データベースのGenBank、Protein Data Bank(PDB)、SwissProt、Protein Information Resource(PIR)、Protein Research Foundation(PRF)、或いはこれらのCDS翻訳(CDS translations)の1つ以上に含まれるポリペプチド配列から独立に選択されるポリペプチドであることが特に好ましい。
【0048】
これらに限るわけではないが、通常は、本発明のポリペプチド組成物は、2種以上のポリペプチドを含み、2種〜10種のポリペプチドを含むことが好ましく、2種〜6種のポリペプチドを含むことがより好ましい。しかし、本組成物は、必要に応じて、単一種のポリペプチド及び更に非ポリペプチド成分を含んでいてもよい。
【0049】
一般に、本発明によるポリペプチド組成物中においては、前記節足動物唾液タンパク質画分は40kDa以下の分子量を有するか、30kDa以下の分子量を有し、20kDa以下の分子量を有するのが好ましい。前記画分は、また、20kDa〜40kDaの分子量を有していても、20kDa〜30kDaの分子量を有していても、10kDa〜20kDaの分子量を有していてもよい。
【0050】
本発明の別の実施形態においては、本発明のポリペプチド組成物は、配列番号131の配列のポリペプチドを含むか、7アミノ酸残基以上を有する、配列番号131の1種以上の部分配列のポリペプチドを含むか、これらの配列の1個に対して85%以上の相同性を有する配列のポリペプチドであって、データベースの、GenBank、Protein Data Bank(PDB)、SwissProt、Protein Information Resource(PIR)、Protein Research Foundation(PRF)、或いはこれらのCDS翻訳(CDS translations)の1つ以上に含まれるポリペプチド配列のポリペプチドを含む。
【0051】
配列番号131
FLKGSFPRFQMCVMLIGFFSSAKCLFYSVGKLVKVLLVMAVCCLLLCTAPTGADPLMKFAFAFVLIALFAVFAVSQALPQPEQAAAGRVMCLLRLMSTLLVVLSIVGKLYSGYRLLVLLVMTVCCLLLFIAPTGADPLPGQTQRTLALIGLLLCSVQSVTANDPVDALGACSGNLFGLLMTRLSKLFVLAFLCLALVVVVQSAPQYARGDVPTLLPAKVIPDKTAAYVAYGGQETLVEHVEVLVRYFVVIALICPLIIVETLAVVLLTPALQAYIMDEHNLNRSNIALGRIRPYPSAVKMPVLHSMLVNASLAEMVKESYQTHGADGRMVVRMLKFVRLLPRVRALRALLETLLQHQGEQNNDVYLIRLAHETELQQALSSLNAGSGSCAEVFNAYLPVHNKYIGVSRKIQYSMECLEAAEPKYLDGLKTLADETAQCSFAWLLYGIILRSNFLVVQNLMALALSAVQLSLFIIAFPFISGFLSCFMWLKYGVLTEESTLILVNFIGSAL
【0052】
本発明の別の実施形態においては、本発明のポリペプチド組成物は、配列番号1〜4、6、9、10、13、14、17〜19、21〜25、27、29、33、34、36〜40、43、及び44から選択される1種以上の配列、或いはこれらの配列の部分配列であって7アミノ酸残基以上を有する1種以上の部分配列、或いはこれらの配列の1個と85%以上の相同性を有するポリペプチド配列であって、データベースのGenBank、Protein Data Bank(PDB)、SwissProt、Protein Information Resource(PIR)、Protein Research Foundation(PRF)、或いはこれらのCDS翻訳(CDS translations)の1つ以上に含まれるポリペプチド配列のポリペプチドを含む。
【0053】
更なる実施形態においては、本発明のポリペプチド組成物は、配列番号132の配列のポリペプチドを含むか、7アミノ酸残基以上を有する配列番号132の1種以上の部分配列のポリペプチドを含むか、これらの配列の1個に対して85%以上の相同性を有するポリペプチド配列であって、データベースの、GenBank、Protein Data Bank(PDB)、SwissProt、Protein Information Resource(PIR)、Protein Research Foundation(PRF)、或いはこれらのCDS翻訳(CDS translations)の1つ以上に含まれるポリペプチド配列のポリペプチドを含む。
【0054】
配列番号132
HLTLFTVAVLLLAAAALLLLLPPAYSTTLTPPPLSYCHLFLTHTLARALSFSRSDCLKNVFFALLLVVLVCCLVSVQGNEIKLLVLLICLFFYHTHCTTAYLWLAMGVNDYQALLGLCCPWIDLAAADLPMRRHAKADGASAITKIVLELTPEQAAAVTLFIFLVCCQIPLFGIMSSDSADPFYWIRVILAMYCVIKGKTGGYCNSEGLCTCRAEDLHFLLKPIINKDNAEDPRTELIGCGSVLFHLAANRLSLQLEEFAVCKRSMLVAFATLSVALVVVVAIPANFNYGGGGGYFINGTGQIYEKLPAYLSEVSARVNVLQVSLQHDLPNLQEMKLAKVALVTISLWFMAWTPYLVINFTGIFYTCFLGTSSLAGFKNAVDYDELLKAGVLEVLGFVEDNGELVFQELLGVLKMVDPDGDKLTPTVVVVLLCLTFVADALTIQELRAQIAQQRIQQRYGVTVATTSLSDYGLIELKEHCLECCQKDTEADSKLKVYPAAVLEVTYICFILHGVSEIIPQQQKKTMKFLLLVASVLCLVLILLLYLDAADLRRALHQYQLLAAQGDRHLPQQIVKFVVLKGETHKALKLKDGGHYLVEFKSIYMKFYRLISTLLVVVVIAPRHQCSPFFFQYNRPYLNYVPDVSALEQDIIEVDPETKEMLKHLDFNNIVVQLEYAQVTKMLGNGRLEAMCFDGVKRLCHIRGKLKLFLTLLSTLSVAMVFALPAHHHSRGELEEARLVAEELEERQQELDYLKRYLVGRLQAVSYFLTVCLLALVQSETVQDAMTNANLVGLTISLAYAIFFLLYTPPTGRSSGLLCCCLAVLFFASPLTMLAHVIRLLLAMVLLPLLLLESVVPYAAAEKVW
【0055】
なお更なる実施形態においては、本発明のポリペプチド組成物は、配列番号133の配列のポリペプチドを含むか、7アミノ酸残基以上を有する配列番号133の1種以上の部分配列のポリペプチドを含むか、これらの配列の1個に対して85%以上の相同性を有するポリペプチド配列であって、データベースの、GenBank、Protein Data Bank(PDB)、SwissProt、Protein Information Resource(PIR)、Protein Research Foundation(PRF)、或いはこれらのCDS翻訳(CDS translations)の1つ以上に含まれるポリペプチド配列のポリペプチドを含む。
【0056】
配列番号133
HLTLFTVAVLLLAAAALLLLLPPAYSTTLTPPPLSYCHLFLTHTLARALSFSRSDCLKNVFFALLLVVLVCCLVSVQGNEIKLLVLLICLFFYHTHCTTAYLWLAMGVFLKGSFPRFQMCVMLIGFFSSAKCLNDYQALLGLCCPWIDLAAADLPMRRHAKA
【0057】
更になお更なる実施形態においては、本発明のポリペプチド組成物は、配列番号134の配列のポリペプチドを含むか、7アミノ酸残基以上を有する配列番号134の1種以上の部分配列のポリペプチドを含むか、これらの配列の1個に対して85%以上の相同性を有するポリペプチド配列であって、データベースの、GenBank、Protein Data Bank(PDB)、SwissProt、Protein Information Resource(PIR)、Protein Research Foundation(PRF)、又はこれらのCDS翻訳(CDS translations)の1つ以上に含まれるポリペプチド配列のポリペプチドを含む。
【0058】
配列番号134
LLPAKVIPDKTAAYVAYGGQETLVEHVEVLVVLLTPALQAYIMDEHNLNRSNIALGRIRPYPSAVKMPVLHSMLVNASLAEMVKESYQTHGADGRMVVRMLKFVRLLPRVRALRALLETLLQHQGEQNNDVYLIRLAHETELQQALSSLNAGSGSCAEVFNAYLPVHNKYIGVSRKIQYSMECLEAAEPKYLDGLKTLADETAQC
【0059】
重要なことは、本発明の全ての実施形態において、前記列挙された配列のポリペプチドを単独でも2種以上でも、任意の組み合わせで使用することができることである。配列番号1〜6の配列を有するポリペプチド及び配列番号20、28、30〜32、35の配列を有するポリペプチドの少なくともいずれかが特に好ましい。これらのいずれか1種以上が存在することが特に好ましく、配列番号1〜6の配列のポリペプチド全てか、配列番号20、28、30〜32、35の配列のポリペプチド全てか、或いはこれら配列番号のポリペプチド全部が存在することがなお特に好ましい。
【0060】
本発明者らは、上述の配列がエピトープ及び複数のエピトープのいずれかを含み、これらは、生物集団中の非常に多様な脊椎動物に、節足動物媒介疾病に対する保護を与えることができることを見出している。節足動物による刺咬によって、寄主体内には、節足動物の唾液成分に対する、Th2表現型(即ち、IFN−γ生成のダウンレギュレーション及びIL−4生成のアップレギュレーション)(Mbowら,1998)によって特徴づけられる免疫応答が誘導される。この免疫応答が、これらの唾液中の分子の多くによる抗止血効果と共になって、一般的な寄生虫の伝播を促進し且つ強化すること(Dhar and Kumar,2003)、そして特にリーシュマニア感染を進展させること(Kamhawiら,2000)が見出されている。対照的に、両方ともがTh1型サイトカインであるIFN−γ及びIL−12の生成の、感染部位(即ち、刺咬部位)での、増加によって特徴づけられる細胞性免疫応答の増加が、感染サシチョウバエの刺咬によるLeishmania major感染からの保護を誘導することが示されている(Kamhawiら,2000)。
【0061】
理論に拘束されることなく考えられることは、唾液タンパク質による免疫感作によって、Th1型応答が活性化され、これにより刺咬部位で免疫系の細胞(活性化細胞障害性T細胞(CTLs)及びTヘルパータイプ1細胞など)による唾液抗原の迅速な認識とIFN−γの産生がもたらされることである。このサイトカインは、(1)T細胞及びNK細胞の両方を刺激し、より大量のIFN−γを生成させ、(2)マクロファージの殺微生物活性を促進し、(3)B細胞によるイムノグロブリンのアイソタイプをIgG2aに変え、B細胞によるIgG2aの産生を増加させ、そして(4)細胞内の寄生虫を殺す免疫反応のカスケードを開始させる複数のサイトカインの組み合わせ(例えば、TNF−α、インターロイキン(IL)12、及びIL−18)を産生させる。この現象に関する参考文献を以下に示す。
【0062】

【0063】
上で論じられているように、Anopheles gambiaeにおける唾液タンパク質配列の解析を行った後に、本配列が同定されている。当業者には、本発明が、前記配列のポリペプチド及びそのエピトープのみならず、これらの配列のポリペプチドを含有する節足動物唾液タンパク質中のより大きな配列のポリペプチドにも、及びこれらの配列に対して相同性を有し、そのため免疫原性のある活性を有する配列のポリペプチドにも拡大適用できることが明らかである。それゆえ、コンセンサス配列に対していくらかの相同性を有する配列も、本発明の範囲に入る。このような相同性は、例えば、アミノ酸の8量体エピトープ、9量体エピトープ、10量体エピトープ、及び11量体エピトープのいずれかにおける、3アミノ酸残基までの置換を可能にしている(8量体エピトープの場合、相同性は62.5%である)。配列番号1〜44の配列のそれぞれの全長に相当する本発明の配列中において同定可能であるこのような置換は、10個以下であることが好ましい(30量体については、相同性は66.6%となる)。このような置換は、既知の置換スキームと一致した同類置換であることが好ましい。
【0064】
本発明は、以下の配列番号1〜44の配列、若しくは、それに続く節足動物唾液タンパク質のアミノ酸残基によって定義される配列の1種以上を含むか、又は、これらの配列の、7アミノ酸残基以上を有する1種以上の部分配列を含むか、又は、前記配列の1種と85%以上の相同性を有するポリペプチド配列であって、データベースのGenBank、Protein Data Bank(PDB)、SwissProt、Protein Information Resource(PIR)、Protein Research Foundation(PRF)、或いはこれらのCDS翻訳(CDS translations)の1つ以上に含まれるポリペプチド配列を含むポリペプチドも提供する。
配列番号1 HLTLFTVAVLLLAAAALLLLLPPAYSTTLTPP
配列番号2 PLSYCHLFLTHTLARALSFSRSDCL
配列番号3 KNVFFALLLVVLVCCLVSVQGNEI
配列番号4 KLLVLLICLFFYHTHCTTAYLWLAMGV
配列番号5 FLKGSFPRFQMCVMLIGFFSSAKCL
配列番号6 NDYQALLGLCCPWIDLAAADLPMRRHAKA
配列番号7 FYSVGKLVKVLLVMAVCCLLLCTAPTGADPL
配列番号8 MKFAFAFVLIALFAVFAVSQALPQPEQAAA
配列番号9 DGASAITKIVLELTPEQAAAV
配列番号10 TLFIFLVCCQIPLFGIMSSDSADPFYWIRVILA
配列番号11 GRVMCLLRLMSTLLVVLSIVGK
配列番号12 LYSGYRLLVLLVMTVCCLLLFIAPTGADPLPGQTQRTL
配列番号13 MYCVIKGKTGGYCNSEGLCTCRAEDLHFLLKPIINKD
配列番号14 NAEDPRTELIGCGSVLFHLAANRLSLQLEEFAVCKR
配列番号15 ALIGLLLCSVQSVTANDPVDALGACSGNLFGLLMTRL
配列番号16 SKLFVLAFLCLALVVVVQSAPQYARGDVPT
配列番号17 SMLVAFATLSVALVVVVAIPANFNYGGGGGYFINGTGQ
配列番号18 IYEKLPAYLSEVSARVNVLQVSLQHDLPNLQ
配列番号19 EMKLAKVALVTISLWFMAWTPYLVINFTGI
配列番号20 LLPAKVIPDKTAAYVAYGGQETLVEHVEVLV
配列番号21 FYTCFLGTSSLAGFKNAVDYDELLKAG
配列番号22 VLEVLGFVEDNGELVFQELLGVLKMVDPDGD
配列番号23 KLTPTVVVVLLCLTFVADALTIQELRAQIAQQRIQQRYGVTVATT
配列番号24 SLSDYGLIELKEHCLECCQKDTEADSKLKVYPAAVLEV
配列番号25 TYICFILHGVSEIIPQQQKKTMKFLLLVASVLCLVLI
配列番号26 RYFVVIALICPLIIVETLAV
配列番号27 LLLYLDAADLRRALHQYQLLAAQGDRHLPQQIVKFV
配列番号28 VLLTPALQAYIMDEHNLNRSNIALGRIRPYPSAVKMP
配列番号29 VLKGETHKALKLKDGGHYLVEFKSIYM
配列番号30 VLHSMLVNASLAEMVKESYQTHGADGRMVVRMLKFVRLLP
配列番号31 RVRALRALLETLLQHQGEQNNDVYLIRLAHET
配列番号32 ELQQALSSLNAGSGSCAEVFNAYLPVHNKYIGVSRKI
配列番号33 KFYRLISTLLVVVVIAPRHQCSPFFFQYNRPYL
配列番号34 NYVPDVSALEQDIIEVDPETKEMLKHLDFNNIVVQL
配列番号35 QYSMECLEAAEPKYLDGLKTLADETAQC
配列番号36 EYAQVTKMLGNGRLEAMCFDGVKRLCHIRGKL
配列番号37 KLFLTLLSTLSVAMVFALPAHHHSRG
配列番号38 ELEEARLVAEELEERQQELDYLKRYLVGRLQAV
配列番号39 SYFLTVCLLALVQSETVQD
配列番号40 AMTNANLVGLTISLAYAIFFLLYTPPTGRSS
配列番号41 SFAWLLYGIILRSNFLVVQNLMALALSAVQLSLFII
配列番号42 AFPFISGFLSCFMWLKYGVLTEESTLILVNFIGSAL
配列番号43 GLLCCCLAVLFFASPLTMLAHVIR
配列番号44 LLLAMVLLPLLLLESVVPYAAAEKVW
【0065】





【0066】
前記ポリペプチドは、完全な節足動物唾液タンパク質でないことが好ましい。
【0067】
本発明の中で適用されるアミノ酸配列のアミノ酸の番号付けは、よく知られた原理に従い定義される。このように、番号付けは、認識される翻訳開始コドン(ATG)を1番目のアミノ酸コドンとして始める。これは関心のあるタンパク質をコードするゲノムのセグメントのメチオニン(M)に対応する。言い換えれば、前記アミノ酸配列が公開されるデータベース(即ち、GenBank、SwissProtなど)によって使用され及び定義されるように、メチオニンを関心のあるタンパク質配列の第1番目のアミノ酸として、番号付けを始める。
【図面の簡単な説明】
【0068】
本発明を、そのほんの1例として以下の図面を参照して、詳細に説明する。
【図1】実施例に詳述されるプロトコールに従い作製された、Anopheles gambiaeの唾液腺サンプルの等電点電気泳動ゲル(IEFゲル;クーマシーブルー染色)像を示す。
【図2】図1のIEFゲルのSDS−PAGE(銀染色)を示す。四角内は、1つの標的タンパク質群(30kDa未満)の位置を示す。
【図3A】寄主へのワクチン接種の寄主吸血カの繁殖力に対する効果:吸血したカの割合(%)。
【図3B】寄主へのワクチン接種の寄主吸血カの繁殖力に対する効果:平均蔵卵数。
【図3C】寄主へのワクチン接種の寄主吸血カの繁殖力に対する効果:平均産卵数。
【図3D】寄主へのワクチン接種の寄主吸血カの繁殖力に対する効果:孵化率(%)。
【図3E】寄主へのワクチン接種の寄主吸血カの繁殖力に対する効果:平均幼虫数。
【図3F】寄主へのワクチン接種の寄主吸血カの繁殖力に対する効果:平均蛹数。
【図3G】寄主へのワクチン接種の寄主吸血カの繁殖力に対する効果:蛹化率(%)。
【図3H】寄主へのワクチン接種の寄主吸血カの繁殖力に対する効果:羽化率(%)。
【図3I】寄主へのワクチン接種の寄主吸血カの繁殖力に対する効果:平均成虫数。
【図4】免疫感作マウスを吸血した後のカの生存率(%)に関するデータ。
【図5】実験3において、in vitroで96時間の抗原刺激を与えた後のIFN−γ産生。
【図6】実験3に従い、与えた抗原に対する血清中の全Igの応答。
【図7】実験4に従い与えたAGSミックスに対する21日後の血清中の全Igの応答。
【図8】実験4においてAGSミックスで免疫感作したマウスグループが対照のNRPミックスで免疫感作したマウスグループよりも高い生存率を示すことを表わす生存曲線。
【図9】実施例に詳述されるプロトコールに従い生成された、Anopheles gambiaeの唾液腺の等電点電気泳動ゲル(IEFゲル;クーマシーブルー染色)像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
通常上述のポリペプチドは、1個以上の(2個以上が好ましい)エピトープを含む。これらのエピトープは、細胞障害性Tリンパ球(CTL)エピトープなどのT細胞エピトープであることが好ましいが、B細胞エピトープを含んでいてもよい。概して、前記ポリペプチドは、1つの節足動物唾液タンパク質に対する免疫原性を与え、複数のそのようなタンパク質に対する免疫原性を与えるのが好ましい。本発明の文脈において、節足動物唾液タンパク質に対する免疫原性を与えるポリペプチドとは、節足動物唾液タンパク質の一部であり、免疫系の応答を誘発するポリペプチドを意味する。あるポリペプチドがこのような免疫原性を有するかどうかを決定する1つの方法が、以下の実験2に詳述されている。しかし、本発明は、このような方法に限定されるものではなく、当業者は、免疫原性を決定するいかなる既知の方法も、必要に応じて、選択することができる。
【0070】
本発明では、前記ポリペプチド組成物は、上記したようなアミノ酸配列を1個以上含む。通常、前記ポリペプチドは、必要に応じて、2個、3個、4個、5個及びこれを超える数のいずれかのこのようなアミノ酸配列を含み得る。このようなエピトープが多ければ多いほど、本ポリペプチド組成物は、異なるHLA或いはMHCを有するヒト個体群内及び動物個体群内の少なくともいずれかでより大きな幅の防御を与える。このことが特に当てはまるのは、含有されるエピトープが、複数の異なる節足動物の唾液に由来するものであるか、異なる節足動物種の唾液タンパク質に共通するものかのいずれかであり、それゆえ複数の異なる節足動物によって媒介される疾病に対して保護を与えることができる場合である。通常、前記ポリペプチド組成物は、ポリペプチドを、10個以下含み、6個以下含むことが好ましく、そして通常2個〜10個含み、そして2個〜6個含むことがより好ましい。
【0071】
本発明によるポリペプチド組成物は、望まれるなら、エピトープでない1種以上の更なる配列を含んでいてもよい。通常は、前記更なる配列は、1種以上の節足動物唾液タンパク質に由来し、配列番号45〜85の配列から選択される配列であるか、これらの部分配列であることが好ましい。これらの配列は、上述の2個以上の配列(エピトープ)の間に位置しても、前記ポリペプチドの1端及び両端のいずれかに位置してもよい。ポリペプチドの全体が大きくなりすぎて、脊椎動物免疫系中に前記エピトープを与えるのが妨害されるようなことがない限り、このような更なる配列の存在は、ポリペプチドの機能に影響を与えない。
【0072】
上述のタンパク質に由来する前記更なる配列が以下の配列である(或いは以下の配列内にある)ものであることが最も好ましい。

配列番号45- >gi|18389913|gb|AAL68793.1|AF457563_1 hypothetical protein 16 [Anopheles gambiae]
MHLTLFTVAVLLLAAAALLLLLPPAYSTTLTPPAPPRLSHLGITIGRI

配列番号46 - >gi|18389909|gb|AAL68791.1|AF457561_1 hypothetical protein 14 [Anopheles gambiae]
MPLSYCHLFLTHTLARALSFSRSDCLKFSEKRLLFSGSKTFPTTLL

配列番号47- >gi|18389907|gb|AAL68790.1|AF457560_1 hypothetical protein 13 [Anopheles gambiae]
MKNVFFALLLVVLVCCLVSVQGNEIIQNVVKRSIPLRQLILQHNALDDSNSDSGSQ

配列番号48- >gi|18389903|gb|AAL68788.1|AF457558_1 hypothetical protein 11 [Anopheles gambiae]
MCIFFQAGIKLLVLLICLFFYHTHCTTAYLWLAMGVEAKSIKARGTAHSKSRTSTN

配列番号49- >gi|62546227|gb|AAX86005.1| hyp3.5 precursor [Anopheles gambiae]
MFLKGSFPRFQMCVMLIGFFSSAKCLMCFADWEGMLLMTMEVFDFQLIVFTPVLKRS

配列番号50- >gi|18389899|gb|AAL68786.1|AF457556_1 salivary gland 7-like protein [Anopheles gambiae]
MAGESQKNARSKQNDYQALLGLCCPWIDLAAADLPMRRHAKAREAINFLLQAHEAGPNEEPSLPA

配列番号51- >gi|18389911|gb|AAL68792.1|AF457562_1 hypothetical protein 15 [Anopheles gambiae]
MKFYSVGKLVKVLLVMAVCCLLLCTAPTGADPLPGRDRNTIANKSKDKKASAPKHSLGTGARMALTGGGVLGGVLTNM

配列番号52- >gi|62546225|gb|AAX86004.1| hyp6.3 precursor [Anopheles gambiae]
MKFAFAFVLIALFAVFAVSQALPQPEQAAASSNDGASAITKIVLELTPEQAAAVQKMGGRGFWPIMMKSVKKIMAIGCDLIDC

配列番号53- >gi|17026153|emb|CAD12038.1| Sec61 protein [Anopheles gambiae]
MGIKFLEIIKPFCGILPEIAKPERKIQFREKVLWTAITLFIFLVCCQIPLFGIMSSDSADPFYWIRVILASNRGTLM

配列番号54- >gi|62546223|gb|AAX86003.1| hyp6.2 precursor [Anopheles gambiae]
MGRVMCLLRLMSTLLVVLSIVGKKTNAAPQVTEAPGNVGSTYSPMADIGRLATGATKLFGQFWNTGTRFGTELSRRTFDFLRVKK

配列番号55- >gi|18389915|gb|AAL68794.1|AF457564_1 hypothetical protein 17 [Anopheles gambiae]
MAGDIQLFSTRETTMKLYSGYRLLVLLVMTVCCLLLFIAPTGADPLPGQTQRTLGYRGNDKRATPPMHSLGSGARMAMTGGGILGGIFSAL

配列番号56- >gi|87080391|gb|ABD18596.1| defensin [Anopheles gambiae]
MDQCSVPRLCIIIMKSFIAAAVIALICAIAVSGTTVTLQSTCKLFTADVVSSITCKMYCVIKGKTGGYCNSEGLCTCRAEDLHFLLKPIINKD

配列番号57- >gi|18389901|gb|AAL68787.1|AF457557_1 hypothetical protein 10 [Anopheles gambiae]
MRFLSVLTVGLLVWVGVFATVNAEDPRTELIGCGSVLFHLAANRLSLQLEEFAVCKRSNPGYDCSDSIHRAISDLQQGLFDLNHCTKDIR

配列番号58- >gi|18389905|gb|AAL68789.1|AF457559_1 hypothetical protein 12 [Anopheles gambiae]
MRFCCVALIGLLLCSVQSVTANDPVDALGACSGNLFGLLMTRLQQMVEDFTACRQEATANDPQHDRSDSIQRAKVDLQQQLVNYSYCTKNIQ

配列番号59- >gi|4127344|emb|CAA76832.1| cE5 protein [Anopheles gambiae]
MASKLFVLAFLCLALVVVVQSAPQYARGDVPTYDEEDFDEESLKPHSSSPSDDGEEEFDPSLLEEHADAPTARDPGRNPEFLRNSNTDEQASAPAASSSDS

配列番号60- >gi|4210617|emb|CAA10259.1| SG2 protein [Anopheles gambiae]
MKSMLVAFATLSVALVVVVAIPANFNYGGGGGYFINGTGQSFNFSGESNGTSIPGLPDFGSFLPNLGNLTQQFGGSSGAFPQFSIPSWTNFTDAFTSILPFFGNGQGGGFPFFG

配列番号61- >gi|4127309|emb|CAA76820.1| hypothetical protein [Anopheles gambiae]
MTPLIATLAACALTLSIVHSRGLPESSDKLEACGQHYGXLLKASTTWNEKECNGSTKLAACVVSEHEQAYRELKQRCQEAHDERTAKVNAIYEKLPAYLSEVSARVNVLQVSLQHDLPNLQE

配列番号62- >gi|4375824|emb|CAA76825.1| opsin [Anopheles gambiae]
PDVAEPLVHHHLRHLRVLAAAADHHLLVHLHPEGCVRSREEHARAGQEGNVASLRTQEAQNTSTEMKLAKVALVTISLWFMAWTPYLVINFTGIFKAAPISPLATIRGSLFAKANAVYNPIVYG

配列番号63- >gi|62546233|gb|AAX86008.1| unknown [Anopheles gambiae]
MATTWIPTSVHGPYPPHMVPGGVDSDGAQIFVGRAHHAGDLLPAKVIPDKTAAYVAYGGQETLVEHVEVLVHKQLIWDTASAGQVPLGAVVGGHTSDGEILYVGRAYHEGSQTIGKVQCSHNCIYIPYGGAEVSVPTYEVLCER

配列番号64- >gi|3378531|emb|CAA03872.1| D7r2 protein [Anopheles gambiae]
MFKKLLLSVGLVWCLISLGQARKESTVEECEKNIGDSLKDRVCELRQYTPVSSDDMDKHMQCVLEVVGFVDGNGEVKESVLLELLQRVDSGVNHAANMKKCVTEASTSGSDKKANTFYTCFLGTSSLAGFKNAVDYDELLKAGKMQTSDP

配列番号65- >gi|3378529|emb|CAA03871.1| D7r3 protein [Anopheles gambiae]
MFGKLLPCAILLWCLFSLGQARQEETVEECERNIPASLKERVCELRQYTPVQGKDMDSHMQCVLEVLGFVEDNGELVFQELLGVLKMVDPDGDHAGSMKKCNGEAEKVDTSSKANTFYTCFLGTSSAQAFKYAVDYVXAXRAGKLDMGTTFNAGQV

配列番号66- >gi|18389893|gb|AAL68783.1|AF457553_1 mucin-like protein [Anopheles gambiae]
AGGFSLFEALKQTTTRGEMFRRKLTPTVVVVLLCLTFVADALTIQELRAQIAQQRIQQRYGVTVATTSAATTTAATTSAATTSEATTTAAASTTQASDSDNTTTTAEATTTTEAQTTSSSDNSTTTEAAATTTAASETTADSSSTGTTSVEAGLRAQYRDQVRQQAIERALARAAAFG

配列番号67- >gi|18389881|gb|AAL68777.1|AF457547_1 selenoprotein [Anopheles gambiae]
MRLFAITCLLFSIVTVIGAEFSAEDCRELGLIKSQLFCSACSSLSDYGLIELKEHCLECCQKDTEADSKLKVYPAAVLEVCTCKFGAYPQIQAFIKSDRPAKFPNLTIKYVRGLDPIVKLMDEQGTVKETLSINKWNTDTVQEFFETRLAKVEDDDYIKTNRV

配列番号68- >gi|18389879|gb|AAL68776.1|AF457546_1 30 kDa protein [Anopheles gambiae]
MAGAITYICFILHGVSEIIPQQQKKTMKFLLLVASVLCLVLIVSARPADDTSDQESSTELSDDAGAEEGAEDAGSDAEADAGAADGEEGATDTESGAEGDDSEMDSAMKEGEEGAGSDDAVSGADDETEESKDDAEEDSEEGGEEGGDSASGGEGGEKESPRNTYRQVHKLLKKIMKVDTKD

配列番号69- >gi|18378603|gb|AAL68639.1|AF458073_1 D7-related 5 protein [Anopheles gambiae]
MEWRYFVVIALICPLIIVETLAVSDCVRHVSESARNTVCDVRQYRVTKGVEADRYVQCFMTALGFADESGSIQRSNVLTALDAVETHDGVYTDAVDVCLSKAKKLPGTERSGYFFSCMLRTESALNFRDAVELQELRVASKWPEGERFDRSKVQQMMRELNSQLRC

配列番号70- >gi|18389897|gb|AAL68785.1|AF457555_1 salivary gland 1-like 4 protein [Anopheles gambiae]
GREAIETMRTEQRNHRQQLLLLYLDAADLRRALHQYQLLAAQGDRHLPQQIVKFVYAAPRHENRRLENLLDLVRQLPARQDQRTLYQLLQPEIMKRPAQNQSTLAMLTALEMGQVVEGNGELKKQQDAMYQLVLKRWMFLCLAGQYREIVQFATKHPRLFE

配列番号71- >gi|18389883|gb|AAL68778.1|AF457548_1 antigen 5-related 1 protein [Anopheles gambiae]
MAIWIVCATLLLAVLSVVSVGGQYCSSDLCPRGGPHVGCNPPSSSGGPTCQGKQKARKVLLTPALQAYIMDEHNLNRSNIALGRIRPYPSAVKMPTLTWDPELASLADANARSCNYGHDRCRATKKFPYAGQNIAITQFFGYRFTEKDLIHKFVSSWWSEYLDARPEHVRKYPSSYSG

配列番号72- >gi|83016748|dbj|BAE53441.1| DsRed [synthetic construct]
MKLASSENVITEFMRFKVRMEGTVNGHEFEIEGEGEGRPYEGHNTVKLKVTKGGPLPFAWDILSPQFQYGSKVYVKHPADIPDYKKLSFPEGFKWERVMNFEDGGVATVTQDSSLQDGCFIYKVKFIGVNFPSDGPVMQKKTMGWEASTERLYPRDGVLKGETHKALKLKDGGHYLVEFKSIYMAKKPVQLPGYYYVDAKLDITSHNEDYTIVEQYERTEGRHHLFLRSRAPPPPPLT

配列番号73- >gi|18389895|gb|AAL68784.1|AF457554_1 salivary gland 1-like 3 protein [Anopheles gambiae]
MAGQRHLIEQAWQYGAQLQHELMLTSMESDRVQRALVLHSMLVNASLAEMVKESYQTHGADGRMVVRMLKFVRLLPGADERVAVYKQLAELLKSNGQDGRFPAVIFSTDVRQLEDRYKPDHAQYEGKVVERWLAELQAGTFHEVVEFARDYPEYFARVEEPLYETLKQQWSAEGLDRMVSFPNALPVGVQRVRALRALLETLLQHQGEQNNDVYLIRLAHETGRVEATVGQADAAVRQALDDVKKLFEQFKYQRGFPDYEALYKLFKGL

配列番号74- >gi|18389891|gb|AAL68782.1|AF457552_1 D7 protein long form [Anopheles gambiae]
MIVPRVLLFILLELFVQATQAFKALDPEEAWYVYERCHEDHLPSGPNRETYLKTWKFWKLEPNDAVTHCYVKCTLAGLQMYDEKTNTFKPETVPVQHEAYKSFTEVESSKVNELQQALSSLNAGSGSCAEVFNAYLPVHNKYIGVSRKIYHGTVDSVAKIYEAKPEIKKQEESFFAYCAKKALGANGKEGYKKIRDYELADSAEFRNAMDCVFRGFRYMDDSGLKVDEVVRDFNLINKSDLEPEVRSVLASCTGTHAYDYYSCLLNSSVKEDFRNAFYFHELRSANYGYLAMGKVYEGPEKVKEELKKLNY

配列番号75- >emb|CAC35527.1| gSG9 protein [Anopheles gambiae]
MCKFYRLISTLLVVVVIAPRHQCSPFFFQYNRPYLSQPSSQLASTAANVVQRSNVTVALGNRINTDTALDDYGTRV

配列番号76- >sp|Q9U9L1|RS17_ANOGA 40S ribosomal protein S17
MGRVRTKTIKKASKVIIEKYYTRLTMDFDTNKRIVEEVAIIPTKPLRNKIAGFVTHLMKRLRHSQVRGISIKLQEEERERRDNYVPDVSALEQDIIEVDPETKEMLKHLDFNNIVVQLTNPTAPGYSNRRN

配列番号77- >emb|CAC35523.1| gSG7 protein [Anopheles gambiae]
MHAKPAFVLIALGVICLLQTTPTSASTNHVQQLMKVFRSMTQNFDYTKKPSYLQRAKYGVQNQLRNPLVQKAGNLPKSAKLSDGCLKQMVARVTDLEASFYASFSYNCHDHDQYSMECLEAAEPKYLDGLKTLADETAQCMRDQQ

配列番号78- >gb|AAD47075.1|AF164151_1 translation initiation factor 4C (1A) [Anopheles gambiae]
MPKNKGKGGKNRRRGKNENESEKRELIFKEDEQEYAQVTKMLGNGRLEAMCFDGVKRLCHIRGKLRKKVWINQGDIILIGLRDYQDSKADVILKYTPDEARNLKTYGEFPESVRINETVTFVENDMDDDIEFGDDYSSSEEGDAIDAI

配列番号79- >emb|CAC35519.1| gSG2-like protein [Anopheles gambiae]
MKLFLTLLSTLSVAMVFALPAHHHSRGGDGSSANSTGNSDNNSAGVPDFGFNSQSNVPGFGNGQQPGQQQQGQQGQGFPFFGQGQSGFPSFGNRLQPFFGQNQQGQDGDAQQGRGVPFFGQGGGQGGIPSFGSGQQNGGVPFLGNGQGQSGFPSFGNGQQGGNFPFFG

配列番号80- >emb|CAC35451.1| hypothetical protein [Anopheles gambiae]
MKLYAFALVLCVGLAVGAEVDSVPEVPSDLQQQLDELQLADKPEAPVDDAEQPLPPNGDELPEDAPEPVPEDGSPDEEHLEEEQEEEAEADEEEADESESEESEESDELEEARLVAEELEERQQELDYLKRYLVGRLQAVAILDRRVRPAVIRRPWIRRPWIRRPG

配列番号81> emb|CAC35524.1| D7r4 protein [Anopheles gambiae]
MIRQVIISYFLTVCLLALVQSETVQDCENKLPPSLKSRLCEIRRYEIIEGPEMDKHIHCVMRALDFVYEDGRGDYHKLYDPLNIIELDKRHDVNLEKCIGECVQVPTSERAHVFYKCLLKSTTGRTFKKVFDLMELKKAGKVPQHQRYTAEFVQIMKDYDKALNC

配列番号82- >ref|XP_001230998.1| ENSANGP00000014906 [Anopheles gambiae str. PEST]
MEAISEALQPYKEQVGMAAGILTVGQMFSGCFVCNDIRKKGTTDGFSAMPFVGGCGLTVLFLQHGMLMNDSAMTNANLVGLTISLAYAIFFLLYTPPTGRSSYWRQVGGTALFTITLLGYVKVENPSVVEDRFGMIITVLMLALIGQPLFGLPDIIRRKSTEGLPFAMILSGTIVGLSWLLYGVILNNVFVVCQNLAAVTLSGIQLALFAIYPSKAAPPSKKRE

配列番号83- >ref|XP_316361.2| ENSANGP00000012984 [Anopheles gambiae str. PEST]
MESIAVALQPYKDTVGLTAAIVTVVQFFSGVLALNAIRRQGNTRGFSALPFLGGTVFCLLNIQFGQMLRDDGMIRVNFIGLALNLLYVCGFYLYTEGPAKTAVWGQIGLAGALTAGVLSYVQYEDPQLVEFRFGLILTGLLWTLVGMPLLGLGDILKKKSTEGLPFPIIFLGAVVSFAWLLYGIILRSNFLVVQNLMALALSAVQLSLFIIFPSGAAKPPPTPAKKRN

配列番号84- >ref|XP_314140.3| ENSANGP00000015780 [Anopheles gambiae str. PEST]
MDGIMSKGSLASLATVATVLQFLTGTVICNRYIRKKSTGDTSAFPFISGFLSCFMWLKYGVLTEESTLILVNFIGSALFFSYTVVFFIFCVNKREVIRQMMVISCIILSATLYTLFETDDEKSIRVIGLLCCCLAVLFFASPLTMLAHVIRTQNTDSLPFPIIMASFFVCLLWTAYGVLIGDRFIQIPNLLGGILAGIQLTLYVIYPKKKASFSGGPRYSPLVSENPIL

配列番号85- >emb|CAC35522.1| gSG6 protein [Anopheles gambiae]
MAIRVELLLAMVLLPLLLLESVVPYAAAEKVWVDRDKVYCGHLDCTRVATFKGERFCTLCDTRHFCECKETREPLPYMYACPGTEPCQSSDRLGSCSKSMHDVLCDRIDQAFLEQ
【0073】
配列番号1〜44のペプチド及び上述の配列番号131〜134内のペプチドなどの、本発明のペプチドを、ワクチンへと加工し易くするために、これらのペプチドの1端及び両端に1種以上の更なるアミノ酸を含ませることが好ましい。通常、これらの更なるアミノ酸は、上述の配列番号45〜85のより大きなタンパク質(これらのより大きなタンパク質は、配列番号1〜44の配列を含む)中に示されるように、配列番号1〜44の各末端に隣接している。各末端の更なるアミノ酸の数は、1個〜5個であり、1個〜3個であることがより好ましく、各末端に2個であることが最も好ましい。これらのケースそれぞれでは、配列番号1〜44の配列のポリペプチドの末端の更なるアミノ酸が残基2個未満である場合は、この更なるアミノ酸としては、その末端では残るアミノ酸の全部を含む。配列番号1〜44に対応する、この型の配列としては、以下の配列が特に好ましい。
【0074】
配列番号86 MHLTLFTVAVLLLAAAALLLLLPPAYSTTLTPPAP
配列番号87 MPLSYCHLFLTHTLARALSFSRSDCLKF
配列番号88 MKNVFFALLLVVLVCCLVSVQGNEIIQ
配列番号89 GIKLLVLLICLFFYHTHCTTAYLWLAMGVEA
配列番号90 MFLKGSFPRFQMCVMLIGFFSSAKCLMC
配列番号91 KQNDYQALLGLCCPWIDLAAADLPMRRHAKARE
配列番号92 MKFYSVGKLVKVLLVMAVCCLLLCTAPTGADPLPG
配列番号93 MKFAFAFVLIALFAVFAVSQALPQPEQAAASS
配列番号94 SNDGASAITKIVLELTPEQAAAVQK
配列番号95 AITLFIFLVCCQIPLFGIMSSDSADPFYWIRVILASN
配列番号96 MGRVMCLLRLMSTLLVVLSIVGKKT
配列番号97 MKLYSGYRLLVLLVMTVCCLLLFIAPTGADPLPGQTQRTLGY
配列番号98 CKMYCVIKGKTGGYCNSEGLCTCRAEDLHFLLKPIINKD
配列番号99 TVNAEDPRTELIGCGSVLFHLAANRLSLQLEEFAVCKRSN
配列番号100 CVALIGLLLCSVQSVTANDPVDALGACSGNLFGLLMTRLQQ
配列番号101 MASKLFVLAFLCLALVVVVQSAPQYARGDVPTYD
配列番号102 MKSMLVAFATLSVALVVVVAIPANFNYGGGGGYFINGTGQSF
配列番号103 NAIYEKLPAYLSEVSARVNVLQVSLQHDLPNLQE
配列番号104 STEMKLAKVALVTISLWFMAWTPYLVINFTGIFK
配列番号105 GDLLPAKVIPDKTAAYVAYGGQETLVEHVEVLVHK
配列番号106 NTFYTCFLGTSSLAGFKNAVDYDELLKAGKM
配列番号107 QCVLEVLGFVEDNGELVFQELLGVLKMVDPDGDHA
配列番号108 RRKLTPTVVVVLLCLTFVADALTIQELRAQIAQQRIQQRYGVTVATTSA
配列番号109 CSSLSDYGLIELKEHCLECCQKDTEADSKLKVYPAAVLEVCT
配列番号110 AITYICFILHGVSEIIPQQQKKTMKFLLLVASVLCLVLIVS
配列番号111 EWRYFVVIALICPLIIVETLAVSD
配列番号112 QLLLLYLDAADLRRALHQYQLLAAQGDRHLPQQIVKFVYA
配列番号113 RKVLLTPALQAYIMDEHNLNRSNIALGRIRPYPSAVKMPTL
配列番号114 DGVLKGETHKALKLKDGGHYLVEFKSIYMAK
配列番号115 ALVLHSMLVNASLAEMVKESYQTHGADGRMVVRMLKFVRLLPGA
配列番号116 VQRVRALRALLETLLQHQGEQNNDVYLIRLAHETGR
配列番号117 VNELQQALSSLNAGSGSCAEVFNAYLPVHNKYIGVSRKIYH
配列番号118 MCKFYRLISTLLVVVVIAPRHQCSPFFFQYNRPYLSQ
配列番号119 RDNYVPDVSALEQDIIEVDPETKEMLKHLDFNNIVVQLTN
配列番号120 HDQYSMECLEAAEPKYLDGLKTLADETAQCMR
配列番号121 EQEYAQVTKMLGNGRLEAMCFDGVKRLCHIRGKLRK
配列番号122 MKLFLTLLSTLSVAMVFALPAHHHSRGGD
配列番号123 SDELEEARLVAEELEERQQELDYLKRYLVGRLQAVAI
配列番号124 IISYFLTVCLLALVQSETVQDCE
配列番号125 DSAMTNANLVGLTISLAYAIFFLLYTPPTGRSSYW
配列番号126 VVSFAWLLYGIILRSNFLVVQNLMALALSAVQLSLFIIFP
配列番号127 TSAFPFISGFLSCFMWLKYGVLTEESTLILVNFIGSALFF
配列番号128 VIGLLCCCLAVLFFASPLTMLAHVIRTQ
配列番号129 VELLLAMVLLPLLLLESVVPYAAAEKVWVD
【0075】
このようなペプチドとしては、以下のペプチドを含むのが特に好ましい。





【0076】
本発明の他の実施形態においては、本発明の目的は、上述のポリペプチドと相同性を有するポリペプチド、特に配列番号1〜134のいずれかの配列と相同性を有するペプチドを含む組成物を提供することである。これらの配列において上述の相同性は、60%、75%、80%、85%、90%、95%、及び実質的に100%のいずれかであることが好ましい。
【0077】
本発明の文脈において言及される、第1のポリペプチド配列の第2のポリペプチド配列に対する相同性(%)とは、前記第1の配列に対して位置及び同一性の両方の点で一致する前記第2の配列中のアミノ酸残基の数を前記第2のポリペプチド中のアミノ酸残基の総数で除した値に100をかけた値と定義される(第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとは同数のアミノ酸残基を有していなくてはならない)。本発明においては、ポリペプチドの前記定義された配列に対する相同性は、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、及び100%(或いは実質的に100%)のいずれかであることが好ましい。
【0078】
本発明においては、前記節足動物媒介疾病は、特に限定されず、前記ポリペプチドは、任意の既知の節足動物媒介疾病に対して免疫原性を有していてもよいし、任意の既知の節足動物媒介疾病に由来してもよいし、そのいずれであってもよい。本発明の対象とする、疾病、病原体、及び媒介体の例を、上の表1に詳述する。しかし、関連性する疾病は、Plasmodiumの系統のいずれかによって引き起こされるマラリア(任意のマラリア系統を含む)であることが好ましい。
【0079】
上述の配列番号1〜134のいずれかに対して相同性を有する個々の配列は、以下のURLアドレス、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query/static/help/helpdoc.html#Proteinでオンラインでアクセスできる、公開NCBIタンパク質データベースで見つけることのできる、既知の節足動物タンパク質の中の適切な位置に存在する配列であることが好ましい。通常、前記リストは、|version number(gi number)|database identification(例えば、GenBankはgb)|NCBI accession number|optional further information(例えば、そのタンパク質アミノ酸配列が由来するヌクレオチド配列のaccession number)の形式で記載されている。このタンパク質データベースの配列は、GeneBank、EMBL及びDDBJにあるDNAヌクレオチド配列からの翻訳コード領域に由来するアミノ酸配列データ、並びにProtein Information Resource (PIR)、SWISS−PROT、Protein Research Foundation(PRF)及びProtein Data Bank (PDB)に提示されたタンパク質アミノ酸配列(アミノ酸構造が解明されたものからのアミノ酸配列)を含む。
【0080】
上述の配列内のエピトープは、7アミノ酸残基以上有するならば、特に限定されない。前記エピトープが、特に脊椎動物種における、例えばヒトにおける、CTLエピトープ、Tヘルパー細胞エピトープ、及びB細胞エピトープなどの、より小型の免疫原性エピトープに適した長さを少なくとも有することが好ましい。通常は、前記エピトープは、8個、9個、10個、及び11個のいずれかの数のアミノ酸残基を有し、必要に応じてこれらを超える数のアミノ酸残基を有してもよい。
【0081】
通常は、それらを超える数のアミノ酸を有し得るが、前記ポリペプチドは、100個以下のアミノ酸を有し、7個〜100個のアミノ酸を有することが好ましく、8個〜75個のアミノ酸を有することがより好ましい。前記ポリペプチドのサイズは、有用なエピトープが、免疫系において寄主に対する保護効果のないエピトープとの競合で傷つくほど大きくなってはならず(この理由で、全タンパク質は含まれない)、また非常に狭い範囲の保護しか与えないほど小さくなってもならない。より好ましい範囲は、15アミノ酸残基〜75アミノ酸残基、20アミノ酸残基〜55アミノ酸残基、及び23アミノ酸残基〜50アミノ酸残基である。前記ポリペプチドが上述の配列から選択される配列からなる(或いは、から実質的になる)のが特に好ましい。
【0082】
上述のポリペプチドに加えて、本発明は、多分枝ポリペプチドとして、又はコンカテマー化配列として、2個以上の本発明のポリペプチドを含む多エピトープ免疫原性ポリペプチドも提供する。これらの多エピトープポリペプチドのサイズは限定されず、例えば1,400アミノ酸残基まで、900アミノ酸残基まで、及び550アミノ酸残基までを含んでいてもよい。このように、多エピトープポリペプチドは、上で概説したようなポリペプチドを含むのみでなく、それぞれ本発明のポリペプチドからなるユニットを2個以上含むこれらのより大きなポリペプチドもまた含む。このように、本発明によるアミノ酸7量体ユニットの繰り返しを100個有するポリペプチドが本発明に包含され、同様に例えば、1つのアミノ酸8量体エピトープの繰り返しユニットを52個と第2のアミノ酸10量体エピトープの繰り返しユニットを23個有するポリペプチドなども含まれる。このタイプのポリペプチドは、1個又は2個のエピトープのみを含む同様の長さのポリペプチドに付随する競合問題の影響を受けない。疑義が生じないように述べると、前記多エピトープポリペプチドは、同一のエピトープの複数のコピー、又は複数の異なるエピトープの単一コピー、又は2個以上のエピトープの複数のコピーを含み得る。多エピトープポリペプチドを構成する配列が、配列番号1〜44中に上述した配列(そして特に配列番号1〜6、7、8、11、12、15、16、20、26、28、30〜32、35、41、及び42の配列)、或いは配列番号86〜134の配列の2種以上の配列であることが特に好ましい。
【0083】
上述したように、本発明はまた、1種以上の、好ましくは2種以上の異なる、上で定義したポリペプチドを含むポリペプチド組成物を提供する。このように、前記ポリペプチド組成物は、同一配列中、同一混合物中及び同一処方物中のいずれかにおいて任意の数の本発明のポリペプチドを共に含み得る。複数のポリペプチドが共に存在することによって、それぞれのポリペプチドがそれ自身の免疫応答を誘発し、前記組成物の保護効果の範囲を広げることができるので、前記組成物は有用となる。前記組成物が、配列番号1〜44の配列(及び特に配列番号1〜6、7、8、11、12、15、16、20、26、28、30〜32、35、41、及び42の配列)の2種以上の配列(或いは、全ての配列)を含む組成物、及び配列番号86〜134内のエピトープを2種以上含む組成物の少なくともいずれかであることが特に好ましい。前記組成物においては、各配列及び各エピトープの少なくともいずれかを、別個のペプチドとして存在させてもよく、又は数個のコンカテマー化エピトープ及び数個のコンカテマー化配列の少なくともいずれかとしてそれらを含む多数のより大きなペプチドとして(例えば、3種の配列を1つのより大きなペプチド中にコンカテマー化し、別の4種の配列を別のより大きなペプチド中にコンカテマー化する)存在させてもよい。
【0084】
本発明はまた、上で規定したポリペプチド及び担体を含む、ポリペプチド構築物を提供する。前記構築物は、上で規定された1個以上のエピトープ及びポリペプチドの少なくともいずれかと担体とを組み合わせることによって形成され得る。前記担体は、アジュバント及び賦形剤などの分子であってよい。この文脈の中で、「組み合わせる」とは、共に混合する、又は共に結合させる(例えば共有結合で)ことを意味する。
【0085】
本発明は更に、医薬における使用のために、上で規定されたポリペプチドを提供する。本発明はまた、上で定義されたポリペプチド並びに1種以上の適切な賦形剤及びアジュバントの少なくともいずれか、或いは、上で定義されたポリペプチド構築物並びに任意に1種以上の適切な賦形剤及びアジュバントの少なくともいずれか(前記構築物の担体部分がそれ自体賦形剤或いはアジュバントの場合、更なる賦形剤或いはアジュバントは必要ない)を含む、節足動物媒介疾病に対抗する薬剤或いはワクチン組成物を提供する。前記賦形剤或いはアジュバントとしては特に制限はなく、薬剤及びワクチンにおいて使用される任意の賦形剤或いはアジュバントを使用してもよい。前記薬剤又はワクチン組成物は、本発明に適切に適合させた任意の既知の方法、例えば本発明のポリペプチドを適切な賦形剤と混合する方法などによって生成することができる。
【0086】
上で定義されたポリペプチドを生成する方法もまた本発明によって提供される。前記方法としては特に制限はなく、通常、2個以上のエピトープを連結しポリペプチドを形成する工程を含む。前記ポリペプチドは、しかしながら、直接化学合成(例えば、完全なポリペプチドが形成されるまで、一度にアミノ酸を1個ずつ結合する方法)、或いは、遺伝子組み換え手法によって合成することができる。このような一般的方法は、当業者にはよく知られており、必要に応じて本発明に適合させることができる。幾つかの例では、本発明のポリペプチドは、ポリペプチドの合成に役立てるために、1端又は両端に追加のアミノ酸配列を含んでもよい。これらの追加のアミノ酸配列の長さは、1〜5アミノ酸残基であるのが好ましい。通常は、2アミノ酸残基が包含される。このような配列の例としては、上述の配列番号86〜129の配列が挙げられる。
【0087】
本発明はなおさらに、節足動物媒介疾病の治療又は予防において有効である、薬剤又はワクチンの製造における、上で定義したポリペプチド又は組成物の使用を提供する。本発明はまた、上で定義したポリペプチド、組成物、薬剤、或いはワクチンの脊椎動物への投与を含む、節足動物媒介疾病を治療又は予防する方法を提供する。投与方法は特に限定されず、皮下投与、筋内投与、静脈内投与、皮内投与、或いは鼻腔内投与を含むことができ、或いは、経口投与(例えば、錠剤又は液体調製物の形態などで)を、或いは、必要に応じて、坐薬の形態での投与を含むことができる。このような投与調製物の剤型は特に限定されず、当業者に明白である適切な変更をした既知の剤型を使用してもよい。用量は特に限定されず、投与する個体の体サイズ、体重及び種によって、個体当り1pg〜100gの範囲のポリペプチド量であってもよく、1ng〜100gの範囲のポリペプチド量であることが好ましい。
【0088】
脊椎動物の免疫システムは同様の様式で機能するので、本発明はあらゆる脊椎動物に適用することができる。通常、本発明の文脈において言及される脊椎動物は、哺乳類、鳥類、爬虫類及び魚類のいずれかである。前記脊椎動物が、ヒト、家畜(domestic animal)(イヌ及びネコのいずれかなど)、産業動物(farm animal)(ブタ及びウマのいずれかなど)、ウシ亜科動物(bovine animal)(牛(cattle)など)、又は、家禽(家畜鳥(domestic bird)、産業動物鳥(farm bird)、猟鳥(game bird))であることが特に好ましい。前記脊椎動物が鳥類である場合、これが、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、及びガチョウのいずれかであることが好ましい。
【0089】
本発明の特定のT細胞エピトープと関係し得るヒトMHC(HLA)としては、例えば、以下のものが挙げられる:
HLA-A
A*010101, A*010102, A*010103, A*0102, A*0103, A*0104N, A*0106, A*0107, A*0108, A*0109, A*0110, A*02010101, A*02010102L, A*020102, A*020103, A*020104, A*020105, A*020106, A*020107, A*020108, A*020109, A*020110, A*020111, A*0202, A*020301, A*020302, A*0204, A*0205, A*020601, A*020602, A*020603, A*0207, A*0208, A*0209, A*0210, A*0211, A*0212, A*0213, A*0214, A*0215N, A*0216, A*021701, A*021702, A*0218, A*0219, A*022001, A*022002, A*0221, A*0222, A*0224, A*0225, A*0226, A*0227, A*0228, A*0229, A*0230, A*0231, A*0232N, A*0233, A*0234, A*023501, A*023502, A*0236, A*0237, A*0238, A*0239, A*0240, A*0241, A*0242, A*0243N, A*0244, A*0245, A*0246, A*0247, A*0248, A*0249, A*0250, A*0251, A*0252, A*0253N, A*0254, A*0255, A*0256, A*0257, A*0258, A*0259, A*0260, A*0261, A*0262, A*0263, A*0264, A*0265, A*0266, A*0267, A*0268, A*0269, A*0270, A*0271, A*0272, A*0273, A*03010101, A*03010102N, A*03010103, A*030102, A*030103, A*0302, A*0303N, A*0304, A*0305, A*0306, A*0307, A*0308, A*0309, A*0310, A*0311N, A*0312, A*0313, A*0314, A*110101, A*110102, A*1102, A*1103, A*1104, A*1105, A*1106, A*1107, A*1108, A*1109, A*1110, A*1111, A*1112, A*1113, A*1114, A*1115, A*1116, A*1117, A*1118, A*1119, A*2301, A*2302, A*2303, A*2304, A*2305, A*2306, A*2307N, A*2308N, A*2309, A*2310, A*2311N, A*2312, A*24020101, A*24020102L, A*240202, A*240203, A*240204, A*240205, A*240206, A*240301, A*240302, A*2404, A*2405, A*2406, A*2407, A*2408, A*2409N, A*2410, A*2411N, A*2413, A*2414, A*2415, A*2417, A*2418, A*2419, A*2420, A*2421, A*2422, A*2423, A*2424, A*2425, A*2426, A*2427, A*2428, A*2429, A*2430, A*2431, A*2432, A*2433, A*2434, A*2435, A*2436N, A*2437, A*2438, A*2439, A*2440N, A*2441, A*2442, A*2443, A*2444, A*2445N, A*2446, A*250101, A*250102, A*2502, A*2503, A*2504, A*2601, A*2602, A*2603, A*2604, A*2605, A*2606, A*260701, A*260702, A*2608, A*2609, A*2610, A*2611N, A*2612, A*2613, A*2614, A*2615, A*2616, A*2617, A*2618, A*2619, A*2620, A*2621, A*2622, A*2623, A*29010101, A*29010102N, A*290201, A*290202, A*290203, A*2903, A*2904, A*2905, A*2906, A*2907, A*2908N, A*2909, A*2910, A*2911, A*300101, A*300102, A*300201, A*300202, A*3003, A*3004, A*3006, A*3007, A*3008, A*3009, A*3010, A*3011, A*3012, A*310102, A*3102, A*3103, A*3104, A*3105, A*3106, A*3107, A*3108, A*3109, A*3110, A*3201, A*3202, A*3203, A*3204, A*3205, A*3206, A*3207, A*3208, A*3301, A*330301, A*330302, A*3304, A*3305, A*3306, A*3307, A*3401, A*3402, A*3403, A*3404, A*3405, A*3406, A*3601, A*3602, A*3603, A*3604, A*4301, A*6601, A*6602, A*6603, A*6604, A*680101, A*680102, A*680103, A*6802, A*680301, A*680302, A*6804, A*6805, A*6806, A*6807, A*6808, A*6809, A*6810, A*6811N, A*6812, A*6813, A*6814, A*6815, A*6816, A*6817, A*6818N, A*6819, A*6820, A*6821, A*6822, A*6823, A*6824, A*6825, A*6826, A*6827, A*6901, A*7401, A*7402, A*7403, A*7404, A*7405, A*7406, A*7407, A*7408, A*7409, A*7410, A*8001.

HLA-B
B*070201, B*070202, B*070203, B*070204, B*0703, B*0704, B*0705, B*0706, B*0707, B*0708, B*0709, B*0710, B*0711, B*0712, B*0713, B*0714, B*0715, B*0716, B*0717, B*0718, B*0719, B*0720, B*0721, B*0722, B*0723, B*0724, B*0725, B*0726, B*0727, B*0728, B*0729, B*0730, B*0731, B*0732, B*0733, B*0734, B*0735, B*0736, B*0737, B*0738, B*0801, B*0802, B*0803, B*0804, B*0805, B*0806, B*0807, B*0808N, B*0809, B*0810, B*0811, B*0812, B*0813, B*0814, B*0815, B*0816, B*0817, B*0818, B*0819N, B*0820, B*0821, B*0822, B*1301, B*1302, B*1303, B*1304, B*1306, B*1307N, B*1308, B*1309, B*1310, B*1311, B*1312, B*1313, B*1401, B*1402, B*1403, B*1404, B*1405, B*140601, B*140602, B*15010101, B*15010102N, B*150102, B*150103, B*150104, B*150105, B*1502, B*1503, B*1504, B*1505, B*1506, B*1507, B*1508, B*1509, B*1510, B*151101, B*151102, B*1512, B*1513, B*1514, B*1515, B*1516, B*15170101, B*15170102, B*1518, B*1519, B*1520, B*1521, B*1523, B*1524, B*1525, B*1526N, B*1527, B*1528, B*1529, B*1530, B*1531, B*1532, B*1533, B*1534, B*1535, B*1536, B*1537, B*1538, B*1539, B*1540, B*1542, B*1543, B*1544, B*1545, B*1546, B*1547, B*1548, B*1549, B*1550, B*1551, B*1552, B*1553, B*1554, B*1555, B*1556, B*1557, B*1558, B*1560, B*1561, B*1562, B*1563, B*1564, B*1565, B*1566, B*1567, B*1568, B*1569, B*1570, B*1571, B*1572, B*1573, B*1574, B*1575, B*1576, B*1577, B*1578, B*1579N, B*1580, B*1581, B*1582, B*1583, B*1584, B*1585, B*1586, B*1587, B*1588, B*1589, B*1590, B*1591, B*1592, B*1593, B*1594N, B*180101, B*180102, B*1802, B*1803, B*1804, B*1805, B*1806, B*1807, B*1808, B*1809, B*1810, B*1811, B*1812, B*1813, B*1814, B*1815, B*1817N, B*1818, B*1819, B*1820, B*2701, B*2702, B*2703, B*2704, B*270502, B*270503, B*270504, B*270505, B*270506, B*270507, B*2706, B*2707, B*2708, B*2709, B*2710, B*2711, B*2712, B*2713, B*2714, B*2715, B*2716, B*2717, B*2718, B*2719, B*2720, B*2721, B*2723, B*2724, B*2725, B*2726, B*350101, B*350102, B*3502, B*3503, B*3504, B*3505, B*3506, B*3507, B*3508, B*350901, B*350902, B*3510, B*3511, B*3512, B*3513, B*351401, B*351402, B*3515, B*3516, B*3517, B*3518, B*3519, B*3520, B*3521, B*3522, B*3523, B*3524, B*3525, B*3526, B*3527, B*3528, B*3529, B*3530, B*3531, B*3532, B*3533, B*3534, B*3535, B*3536, B*3537, B*3538, B*3539, B*3540N, B*3541, B*3542, B*3543, B*3544, B*3545, B*3546, B*3547, B*3548, B*3549, B*3550, B*3551, B*3552, B*3553N, B*3701, B*3702, B*3703N, B*3704, B*3705, B*3706, B*3707, B*3801, B*380201, B*380202, B*3803, B*3804, B*3805, B*3806, B*3807, B*3808, B*3809, B*3810, B*390101, B*390103, B*390104, B*390201, B*390202, B*3903, B*3904, B*3905, B*390601, B*390602, B*3907, B*3908, B*3909, B*3910, B*3911, B*3912, B*3913, B*3914, B*3915, B*3916, B*3917, B*3918, B*3919, B*3920, B*3922, B*3923, B*3924, B*3925N, B*3926, B*3927, B*3928, B*3929, B*3930, B*3931, B*3932, B*400101, B*400102, B*400103, B*400104, B*400105, B*400201, B*400202, B*4003, B*4004, B*4005, B*40060101, B*40060102, B*4007, B*4008, B*4009, B*4010, B*4011, B*4012, B*4013, B*401401, B*401402, B*401403, B*4015, B*4016, B*4018, B*4019, B*4020, B*4021, B*4022N, B*4023, B*4024, B*4025, B*4026, B*4027, B*4028, B*4029, B*4030, B*4031, B*4032, B*4033, B*4034, B*4035, B*4036, B*4037, B*4038, B*4039, B*4040, B*4042, B*4043, B*4044, B*4045, B*4046, B*4047, B*4048, B*4049, B*4050, B*4051, B*4052, B*4053, B*4054, B*4055, B*4056, B*4057, B*4101, B*4102, B*4103, B*4104, B*4105, B*4106, B*4201, B*4202, B*4204, B*420501, B*420502, B*4206, B*44020101, B*44020102S, B*440202, B*440203, B*440301, B*440302, B*4404, B*4405, B*4406, B*4407, B*4408, B*4409, B*4410, B*4411, B*4412, B*4413, B*4414, B*4415, B*4416, B*4417, B*4418, B*4419N, B*4420, B*4421, B*4422, B*4423N, B*4424, B*4425, B*4426, B*4427, B*4428, B*4429, B*4430, B*4431, B*4432, B*4433, B*4434, B*4435, B*4436, B*4437, B*4438, B*4439, B*4440, B*4501, B*4502, B*4503, B*4504, B*4505, B*4506, B*4507, B*4601, B*4602, B*4603, B*4604, B*47010101, B*47010102, B*4702, B*4703, B*4704, B*4705, B*4801, B*4802, B*4803, B*4804, B*4805, B*4806, B*4807, B*4808, B*4809, B*4810, B*4901, B*4902, B*4903, B*5001, B*5002, B*5004, B*510101, B*510102, B*510103, B*510104, B*510105, B*510201, B*510202, B*5103, B*5104, B*5105, B*5106, B*5107, B*5108, B*5109, B*5110, B*5111N, B*5112, B*511301, B*511302, B*5114, B*5115, B*5116, B*5117, B*5118, B*5119, B*5120, B*5121, B*5122, B*5123, B*5124, B*5126, B*5127N, B*5128, B*5129, B*5130, B*5131, B*5132, B*5133, B*5134, B*5135, B*5136, B*520101, B*520102, B*520103, B*520104, B*5202, B*5203, B*5204, B*5205, B*5206, B*530101, B*530102, B*5302, B*5303, B*5304, B*5305, B*5306, B*5307, B*5308, B*5309, B*5401, B*5402, B*5501, B*5502, B*5503, B*5504, B*5505, B*5507, B*5508, B*5509, B*5510, B*5511, B*5512, B*5513, B*5514, B*5515, B*5516, B*5601, B*5602, B*5603, B*5604, B*560501, B*560502, B*5606, B*5607, B*5608, B*5609, B*5610, B*5611, B*5612, B*5613, B*5614, B*570101, B*570102, B*5702, B*570301, B*570302, B*5704, B*5705, B*5706, B*5707, B*5708, B*5709, B*5801, B*5802, B*5804, B*5805, B*5806, B*5807, B*5808, B*5809, B*5810N, B*5901, B*670101, B*670102, B*6702, B*7301, B*7801, B*780201, B*780202, B*7803, B*7804, B*7805, B*8101, B*8102, B*8201, B*8202, B*8301.

HLA-C
Cw*010201, Cw*010202, Cw*0103, Cw*0104, Cw*0105, Cw*0106, Cw*0107, Cw*0108, Cw*0109, Cw*0110, Cw*020201, Cw*020202, Cw*020203, Cw*020204, Cw*020205, Cw*0203, Cw*0204, Cw*0205, Cw*0206, Cw*0207, Cw*0208, Cw*0209, Cw*030201, Cw*030202, Cw*030301, Cw*030302, Cw*030303, Cw*030304, Cw*030401, Cw*030402, Cw*030403, Cw*0305, Cw*0306, Cw*0307, Cw*0308, Cw*0309, Cw*0310, Cw*0311, Cw*0312, Cw*0313, Cw*0314, Cw*0315, Cw*0316, Cw*0317, Cw*0318, Cw*04010101, Cw*04010102, Cw*040102, Cw*0403, Cw*040401, Cw*040402, Cw*0405, Cw*0406, Cw*0407, Cw*0408, Cw*0409N, Cw*0410, Cw*0411, Cw*0412, Cw*0413, Cw*0414, Cw*0415, Cw*050101, Cw*050102, Cw*0502, Cw*0503, Cw*0504, Cw*0505, Cw*0506, Cw*0507N, Cw*0508, Cw*0509, Cw*0510, Cw*0602, Cw*0603, Cw*0604, Cw*0605, Cw*0606, Cw*0607, Cw*0608, Cw*0609, Cw*0610, Cw*0611, Cw*070101, Cw*070102, Cw*070103, Cw*07020101, Cw*07020102, Cw*07020103, Cw*0703, Cw*070401, Cw*070402, Cw*0705, Cw*0706, Cw*0707, Cw*0708, Cw*0709, Cw*0710, Cw*0711, Cw*0712, Cw*0713, Cw*0714, Cw*0715, Cw*0716, Cw*0717, Cw*0718, Cw*0719, Cw*0720, Cw*0721, Cw*0722, Cw*0723, Cw*0724, Cw*0725, Cw*0726, Cw*0727, Cw*0728, Cw*0729, Cw*080101, Cw*080102, Cw*0802, Cw*0803, Cw*0804, Cw*0805, Cw*0806, Cw*0807, Cw*0808, Cw*0809, Cw*0810, Cw*0811, Cw*0812, Cw*120201, Cw*120202, Cw*120203, Cw*120301, Cw*120302, Cw*120303, Cw*120401, Cw*120402, Cw*1205, Cw*1206, Cw*1207, Cw*1208, Cw*1209, Cw*1210, Cw*1211, Cw*1212, Cw*1213, Cw*1214, Cw*1215, Cw*140201, Cw*140202, Cw*140203, Cw*1403, Cw*1404, Cw*1405, Cw*150201, Cw*150202, Cw*1503, Cw*1504, Cw*150501, Cw*150502, Cw*150503, Cw*150504, Cw*1506, Cw*1507, Cw*1508, Cw*1509, Cw*1510, Cw*1511, Cw*1512, Cw*1601, Cw*1602, Cw*160401, Cw*1606, Cw*1701, Cw*1702, Cw*1703, Cw*1801, Cw*1802.

HLA-E
E*0101, E*010301, E*010302, E*010303, E*0104.

HLA-F
F*010101, F*010102.

HLA-G
G*010101, G*010102, G*010103, G*010104, G*010105, G*010106, G*010107, G*010108, G*0102, G*0103, G*010401, G*010402, G*010403, G*0105N, G*0106.

HLA-DRA
DRA*0101, DRA*010201, DRA*010202.

HLA-DRB1
DRB1*010101, DRB1*010102, DRB1*010103, DRB1*010201, DRB1*010202, DRB1*010203, DRB1*010204, DRB1*0103, DRB1*0104, DRB1*0105, DRB1*0106, DRB1*0107, DRB1*0108, DRB1*0109, DRB1*0110, DRB1*0111, DRB1*030101, DRB1*030102, DRB1*030201, DRB1*030202, DRB1*0303, DRB1*0304, DRB1*030501, DRB1*030502, DRB1*0306, DRB1*0307, DRB1*0308, DRB1*0309, DRB1*0310, DRB1*0311, DRB1*0312, DRB1*0313, DRB1*0314, DRB1*0315, DRB1*0316, DRB1*0317, DRB1*0318, DRB1*0319, DRB1*0320, DRB1*0321, DRB1*0322, DRB1*0323, DRB1*0324, DRB1*0325, DRB1*0326, DRB1*0327, DRB1*0328, DRB1*040101, DRB1*040102, DRB1*0402, DRB1*040301, DRB1*040302, DRB1*0404, DRB1*040501, DRB1*040502, DRB1*040503, DRB1*040504, DRB1*0406, DRB1*040701, DRB1*040702, DRB1*040703, DRB1*0408, DRB1*0409, DRB1*0410, DRB1*0411, DRB1*0412, DRB1*0413, DRB1*0414, DRB1*0415, DRB1*0416, DRB1*0417, DRB1*0418, DRB1*0419, DRB1*0420, DRB1*0421, DRB1*0422, DRB1*0423, DRB1*0424, DRB1*0425, DRB1*0426, DRB1*0427, DRB1*0428, DRB1*0429, DRB1*0430, DRB1*0431, DRB1*0432, DRB1*0433, DRB1*0434, DRB1*0435, DRB1*0436, DRB1*0437, DRB1*0438, DRB1*0439, DRB1*0440, DRB1*0441, DRB1*0442, DRB1*0443, DRB1*0444, DRB1*0445, DRB1*0446, DRB1*0447, DRB1*0448, DRB1*0449, DRB1*0450, DRB1*070101, DRB1*070102, DRB1*0703, DRB1*0704, DRB1*0705, DRB1*0706, DRB1*0707, DRB1*0708, DRB1*080101, DRB1*080102, DRB1*080201, DRB1*080202, DRB1*080203, DRB1*080302, DRB1*080401, DRB1*080402, DRB1*080403, DRB1*080404, DRB1*0805, DRB1*0806, DRB1*0807, DRB1*0808, DRB1*0809, DRB1*0810, DRB1*0811, DRB1*0812, DRB1*0813, DRB1*0814, DRB1*0815, DRB1*0816, DRB1*0817, DRB1*0818, DRB1*0819, DRB1*0820, DRB1*0821, DRB1*0822, DRB1*0823, DRB1*0824, DRB1*0825, DRB1*0826, DRB1*0827, DRB1*0828, DRB1*0829, DRB1*090102, DRB1*090103, DRB1*0902, DRB1*0903, DRB1*100101, DRB1*100102, DRB1*110101, DRB1*110102, DRB1*110103, DRB1*110104, DRB1*110105, DRB1*1102, DRB1*1103, DRB1*110401, DRB1*110402, DRB1*1105, DRB1*110601, DRB1*110602, DRB1*1107, DRB1*110801, DRB1*110802, DRB1*1109, DRB1*1110, DRB1*1111, DRB1*111201, DRB1*111202, DRB1*1113, DRB1*1114, DRB1*1115, DRB1*1116, DRB1*1117, DRB1*1118, DRB1*1119, DRB1*1120, DRB1*1121, DRB1*1122, DRB1*1123, DRB1*1124, DRB1*1125, DRB1*1126, DRB1*112701, DRB1*112702, DRB1*1128, DRB1*1129, DRB1*1130, DRB1*1131, DRB1*1132, DRB1*1133, DRB1*1134, DRB1*1135, DRB1*1136, DRB1*1137, DRB1*1138, DRB1*1139, DRB1*1140, DRB1*1141, DRB1*1142, DRB1*1143, DRB1*1144, DRB1*1145, DRB1*1146, DRB1*1147, DRB1*1148, DRB1*1149, DRB1*1150, DRB1*1151, DRB1*1152, DRB1*1153, DRB1*1154, DRB1*120101, DRB1*120102, DRB1*120201, DRB1*120202, DRB1*120302, DRB1*1204, DRB1*1205, DRB1*1206, DRB1*1207, DRB1*1208, DRB1*1209, DRB1*1210, DRB1*130101, DRB1*130102, DRB1*130103, DRB1*130201, DRB1*130202, DRB1*130301, DRB1*130302, DRB1*1304, DRB1*1305, DRB1*1306, DRB1*130701, DRB1*130702, DRB1*1308, DRB1*1309, DRB1*1310, DRB1*1311, DRB1*1312, DRB1*1313, DRB1*131401, DRB1*131402, DRB1*1315, DRB1*1316, DRB1*1317, DRB1*1318, DRB1*1319, DRB1*1320, DRB1*1321, DRB1*1322, DRB1*1323, DRB1*1324, DRB1*1325, DRB1*1326, DRB1*1327, DRB1*1328, DRB1*1329, DRB1*1330, DRB1*1331, DRB1*1332, DRB1*1333, DRB1*1334, DRB1*1335, DRB1*1336, DRB1*1337, DRB1*1338, DRB1*1339, DRB1*1340, DRB1*1341, DRB1*1342, DRB1*1343, DRB1*1344, DRB1*1345, DRB1*1346, DRB1*1347, DRB1*1348, DRB1*1349, DRB1*1350, DRB1*1351, DRB1*1352, DRB1*1353, DRB1*1354, DRB1*1355, DRB1*1356, DRB1*1357, DRB1*1358, DRB1*1359, DRB1*1360, DRB1*1361, DRB1*1362, DRB1*1363, DRB1*1364, DRB1*1365, DRB1*140101, DRB1*140102, DRB1*1402, DRB1*140301, DRB1*140302, DRB1*1404, DRB1*140501, DRB1*140502, DRB1*1406, DRB1*140701, DRB1*140702, DRB1*1408, DRB1*1409, DRB1*1410, DRB1*1411, DRB1*1412, DRB1*1413, DRB1*1414, DRB1*1415, DRB1*1416, DRB1*1417, DRB1*1418, DRB1*1419, DRB1*1420, DRB1*1421, DRB1*1422, DRB1*1423, DRB1*1424, DRB1*1425, DRB1*1426, DRB1*1427, DRB1*1428, DRB1*1429, DRB1*1430, DRB1*1431, DRB1*1432, DRB1*1433, DRB1*1434, DRB1*1435, DRB1*1436, DRB1*1437, DRB1*1438, DRB1*1439, DRB1*1440, DRB1*1441, DRB1*1442, DRB1*1443, DRB1*1444, DRB1*1445, DRB1*1446, DRB1*1447, DRB1*1448, DRB1*150101, DRB1*150102, DRB1*150103, DRB1*150104, DRB1*150105, DRB1*150201, DRB1*150202, DRB1*150203, DRB1*1503, DRB1*1504, DRB1*1505, DRB1*1506, DRB1*1507, DRB1*1508, DRB1*1509, DRB1*1510, DRB1*1511, DRB1*1512, DRB1*1513, DRB1*1514, DRB1*1515, DRB1*1516, DRB1*160101, DRB1*160102, DRB1*160201, DRB1*160202, DRB1*1603, DRB1*1604, DRB1*160501, DRB1*160502, DRB1*1607, DRB1*1608.

HLA-DRB2-9
DRB2*0101, DRB3*010101, DRB3*01010201, DRB3*01010202, DRB3*010103, DRB3*010104, DRB3*0102, DRB3*0103, DRB3*0104, DRB3*0105, DRB3*0106, DRB3*0107, DRB3*0108, DRB3*0109, DRB3*0110, DRB3*0111, DRB3*0201, DRB3*020201, DRB3*020202, DRB3*020203, DRB3*020204, DRB3*0203, DRB3*0204, DRB3*0205, DRB3*0206, DRB3*0207, DRB3*0208, DRB3*0209, DRB3*0210, DRB3*0211, DRB3*0212, DRB3*0213, DRB3*0214, DRB3*0215, DRB3*0216, DRB3*0217, DRB3*0218, DRB3*0219, DRB3*030101, DRB3*030102, DRB3*0302, DRB3*0303, DRB4*01010101, DRB4*0102, DRB4*01030101, DRB4*01030102N, DRB4*010302, DRB4*010303, DRB4*010304, DRB4*0104, DRB4*0105, DRB4*0106, DRB4*0107, DRB4*0201N, DRB4*0301N, DRB5*010101, DRB5*010102, DRB5*0102, DRB5*0103, DRB5*0104, DRB5*0105, DRB5*0106, DRB5*0107, DRB5*0108N, DRB5*0109, DRB5*0110N, DRB5*0111, DRB5*0112, DRB5*0113, DRB5*0202, DRB5*0203, DRB5*0204, DRB5*0205, DRB6*0101, DRB6*0201, DRB6*0202, DRB7*010101, DRB7*010102, DRB8*0101, DRB9*0101.

HLA-DQA1
DQA1*010101, DQA1*010102, DQA1*010201, DQA1*010202, DQA1*0103, DQA1*010401, DQA1*010402, DQA1*0105, DQA1*0106, DQA1*0107, DQA1*0201, DQA1*030101, DQA1*0302, DQA1*0303, DQA1*040101, DQA1*040102, DQA1*0402, DQA1*0403N, DQA1*0404, DQA1*050101, DQA1*050102, DQA1*0502, DQA1*0503, DQA1*0504, DQA1*0505, DQA1*060101, DQA1*060102, DQA1*0602.

HLA-DQB1
DQB1*020101, DQB1*020102, DQB1*0202, DQB1*0203, DQB1*030101, DQB1*030102, DQB1*030201, DQB1*030202, DQB1*030302, DQB1*030303, DQB1*0304, DQB1*030501, DQB1*030502, DQB1*030503, DQB1*0306, DQB1*0307, DQB1*0308, DQB1*0309, DQB1*0310, DQB1*0311, DQB1*0312, DQB1*0313, DQB1*0401, DQB1*0402, DQB1*050101, DQB1*050102, DQB1*050201, DQB1*050202, DQB1*050301, DQB1*050302, DQB1*0504, DQB1*060101, DQB1*060102, DQB1*060103, DQB1*0602, DQB1*0603, DQB1*060401, DQB1*060402, DQB1*060501, DQB1*060502, DQB1*0606, DQB1*0607, DQB1*0608, DQB1*0609, DQB1*0610, DQB1*061101, DQB1*061102, DQB1*0612, DQB1*0613, DQB1*0614, DQB1*0615, DQB1*0616, DQB1*0617, DQB1*0618, DQB1*0619, DQB1*0620, DQB1*0621, DQB1*0622, DQB1*0623.

HLA-DPA1
DPA1*010301, DPA1*010302, DPA1*010303, DPA1*0104, DPA1*0105, DPA1*0106, DPA1*0107, DPA1*0108, DPA1*020101, DPA1*020102, DPA1*020103, DPA1*020104, DPA1*020105, DPA1*020106, DPA1*020201, DPA1*020202, DPA1*020203, DPA1*0203, DPA1*0301, DPA1*0302, DPA1*0303, DPA1*0401.

HLA-DPB1
DPB1*010101, DPB1*010102, DPB1*010103, DPB1*0102, DPB1*020102, DPB1*020103, DPB1*020104, DPB1*020105, DPB1*020106, DPB1*0202, DPB1*0203, DPB1*030101, DPB1*030102, DPB1*0302, DPB1*040101, DPB1*040102, DPB1*0402, DPB1*0501, DPB1*0601, DPB1*0801, DPB1*0901, DPB1*1001, DPB1*110101, DPB1*110102, DPB1*1301, DPB1*1401, DPB1*1501, DPB1*1601, DPB1*1701, DPB1*1801, DPB1*1901, DPB1*200101, DPB1*200102, DPB1*2101, DPB1*2201, DPB1*2301, DPB1*2401, DPB1*2501, DPB1*260101, DPB1*260102, DPB1*2701, DPB1*2801, DPB1*2901, DPB1*3001, DPB1*3101, DPB1*3201, DPB1*3301, DPB1*3401, DPB1*3501, DPB1*3601, DPB1*3701, DPB1*3801, DPB1*3901, DPB1*4001, DPB1*4101, DPB1*4401, DPB1*4501, DPB1*4601, DPB1*4701, DPB1*4801, DPB1*4901, DPB1*5001, DPB1*5101, DPB1*5201, DPB1*5301, DPB1*5401, DPB1*5501, DPB1*5601, DPB1*5701, DPB1*5801, DPB1*5901, DPB1*6001, DPB1*6101N, DPB1*6201, DPB1*6301, DPB1*6401N, DPB1*6501, DPB1*6601, DPB1*6701, DPB1*6801, DPB1*6901, DPB1*7001, DPB1*7101, DPB1*7201, DPB1*7301, DPB1*7401, DPB1*7501, DPB1*7601, DPB1*7701, DPB1*7801, DPB1*7901, DPB1*8001, DPB1*8101, DPB1*8201, DPB1*8301, DPB1*8401, DPB1*8501, DPB1*8601, DPB1*8701, DPB1*8801, DPB1*8901, DPB1*9001, DPB1*9101, DPB1*9201, DPB1*9301, DPB1*9401, DPB1*9501, DPB1*9601, DPB1*9701, DPB1*9801, DPB1*9901.

HLA-DMA
DMA*0101, DMA*0102, DMA*0103, DMA*0104.

HLA-DMB
DMB*0101, DMB*0102, DMB*0103, DMB*0104, DMB*0105, DMB*0106.

HLA-DOA
DOA*010101, DOA*01010201, DOA*01010202, DOA*01010203, DOA*010103, DOA*01010401, DOA*01010402, DOA*010105.

HLA-DOB
DOB*01010101, DOB*01010102, DOB*010102, DOB*010201, DOB*010202, DOB*0103, DOB*01040101, DOB*01040102.

MHC Class I
H-2Db, H-2Dd, H-2Dk, H-2Dq, H-2Kb, H-2Kd, H-2Kk, H-2Ld, H-2M3, H-2Ad, H-2Ag7, H-2Ak, H2-Ab, H-2Ed, H-2Ek, H-2Bxk, H-2F, H-2I, H-2P, H-2R, H-2S, H-2Sxd, H-2T4, H-2U.

MHC Class II
I-Ab, I-Ad, I-Ag7, I-Ak, I-Ap, I-Aq, I-Ar, I-As, I-Au, I-Av, I-Ea, I-Eb, I-Ed, I-Ek, I-Es, I-Eu, H-2Q, H-2Qa-2, H-2Qa-2a, Qa-1a, Qa-1b.

【0090】
本発明は、このようなMHC分子及びHLA分子に限定されず、必要ならば、ペプチドなどの物質がその分子に対して反応性を有することを単に立証することによって、新規に発見できるこれらのMHC分子及びHLA分子と類似の他の分子にも適用することができる。これは、当技術分野で標準である既知の技術を用いて容易に達成することができる。以下のHLA対立遺伝子を本発明において使用することが特に好ましい。



【0091】
以下の本発明による対立遺伝子が最も好ましい:

HLA-A*0201, HLA-A*0206, HLA-A*0301, HLA-A*1101, HLA-A*2402, HLA-A*3401, HLA-B*0702, HLA-B*0801, HLA-B*1301, HLA-B*27, HLA-B*4002, HLA-B*5101, HLA-Cw*03, HLA-cW*07

HLA-DRB1*0301, HLA-DRB1*0401, HLA-DRB1*0701, HLA-DRB1*1501, HLA-DRB1*1104, HLA-DRB1*1101, HLA-DRB4*0101

HLA-DQA1*01, HLA-DQA1*02, HLA-DQA1*05

HLA-DQB1*03, HLA-DQB1*04, HLA-DQB1*05, HLA-DQB1*06

HLA-DPA1*01, HLA-DPA1*02

HLA-DPB1*02, HLA-DPB1*04

【実施例】
【0092】
次の具体的実施形態に言及しつつ、本発明を説明するが、これはほんの1例に過ぎない。
【0093】
(節足動物唾液タンパク質画分の調製)
本発明の特定の配列の効果を見い出すために、これらの配列の免疫原性を、さまざまな節足動物唾液タンパク質画分に対して、試験することができる。特定の唾液タンパク質画分中の少なくとも1種のエピトープを認識する免疫系細胞を、脊椎動物に産生させるこれらの配列は、本発明のワクチンにおいて有用である。
【0094】
前記唾液タンパク質画分は、当業者によく知られた、標準的実験技術を使用して容易に単離することができる。本発明者らは、重要なのは、タンパク質画分のタンパク質の分子量範囲であることを見出したので、任意の節足動物唾液タンパク質の画分を使用することができる。特に有用なのは、分子量40kDa以下のタンパク質画分、分子量30kDa以下のタンパク質画分であり、分子量20kDa〜40kDaのタンパク質画分が好ましく、分子量20kDa以下のタンパク質画分がより好ましい。
【0095】
以下のプロトコールは、試験において、候補配列との比較に用いることのできるタンパク質画分を例示するために提供される。ここでは、カ、Anopheles gambiaeから採取した唾液を使用しているが、任意の節足動物唾液も使用できる。
【0096】
Anopheles gambiaeの唾液腺対(SGP)を、コロニー中のメスカを切開して採取した。15個のSGPを20μLのPBS中に入れ、0.25%の2−β−MEを含有する5μLの5×SDS−PAGEサンプル緩衝液を添加することで溶解した。ボルテックスしそして5分間煮沸した後、前記タンパク質混合物を、Novex4%〜20%勾配トリス−グリシンゲル(Invitrogen)上に添加した。次いで、前記ゲルを銀染色し、撮像した(図9参照)。
【0097】
破線矢印は、免疫感作及び研究のために使用できるSGP画分の選択のための分離点の位置(即ち、<20kDa、20kDa〜40kDa、40kDa〜80kDa、及び>80kDa)を示す。実線矢印は、<30kDa及び>30kDaのSGP画分の選択のための分離点の位置を示す。
【0098】
(カ唾液由来の候補タンパク質サンプルの同定)
上で概説した例示的プロトコールと類似のアプローチをとり、研究のために数種の唾液タンパク質サンプルを調製した。
唾液腺(SG)を、Anopheles gambiaeメスカから切開して採取し、使用までPBS中に−70°Cで保存した。
【0099】
ゲル分析のために、SGを、凍結融解NOVEX(登録商標)IEFサンプル緩衝液pH3−10(Invitrogen)の添加により溶解し、その結果生じた試料をNOVEX(登録商標)IEFゲル(Invitrogen)で分析した。前記ゲルを、次に12%TCAで固定し、水中で3回洗浄し、そしてクーマシーブルーで染色した。この結果生じたゲルを図1に示す。
【0100】
染色し、脱染色した後、IEFゲルを、20%エタノール中で10分間インキュベートし、そしてSGタンパク質のレーンを含むゲルの細長い切れを切り出した。このゲルの細長い切れを、20%エタノールを含む2×SDS−PAGEサンプル緩衝液中で5分間平衡化し、SDS−PAGEサンプル緩衝液中で2回リンスし、Novex(登録商標)4−20%トリス−グリシンゲル(Invitrogen)の単一化ウェルに添加した。この結果生じたゲルを図2に示す。
【0101】
最後に、分離されたSGタンパク質を含むゲルを、製造元の使用説明書に従い、Proteosilver染色キット(Sigma)を使用して染色した。
【0102】
前記ゲルから、4グループのタンパク質(化合物1、2、3、及び4と名付けられた)を分析のために同定した。
化合物1 唾液腺タンパク質画分 <20kDa
化合物2 唾液腺タンパク質画分 20kDa<X<40kDa
化合物3 唾液腺タンパク質画分 40kDa<X<80kDa
化合物4 唾液腺タンパク質画分 >80kDa
【0103】
(実験1)
目的:
(A)感染を受けたカ(即ち、Plasmodium yoelii nigeriensisによる感染を受けたAnopheles gambiae)の刺咬による攻撃から動物を保護する効力を、候補化合物が有することの立証。
(B)候補化合物により誘導される抗カ応答の、異種のカ種(Anopheles gambiae及びAnopheles stephensi)における交差反応性レベルの評価。
(C)免疫感作マウス及び感染マウスを吸血した後の、カ(Anopheles gambiae及びAnopheles stephensi)のPlasmodium yoelii nigeriensisによる感染を防止する効力を、候補化合物が有することの立証。
【0104】
候補化合物
選択される前記候補化合物は、上で同定されたものである:
化合物1 唾液腺タンパク質画分 <20kDa
化合物2 唾液腺タンパク質画分 20kDa<X<40kDa
化合物3 唾液腺タンパク質画分 40kDa<X<80kDa
化合物4 唾液腺タンパク質画分 >80kDa
【0105】
(供試動物の系統及び数)
マウスは、CD1マウスを使用した。各グループに9頭の(9)マウスを準備する、陰性対照グループであるグループ1、及び試験グループであるグループ2〜5の5種の実験グループ(1、2、3、4、及び5)を作製した。
【0106】
(実験プロトコール)
1日目:グループ2、3、4、及び5の4グループのそれぞれ9頭のCD1マウス(N=4×9=36)に対し、候補ワクチン化合物を1用量ずつ皮下に投与し(グループ2に対して化合物1、グループ3に対して化合物2、というように)、免疫感作した。
14日目:全てのマウスに対して、同一の用量の候補ワクチン化合物の追加免疫を実施した(グループ2に対して化合物1、グループ3に対して化合物2、というように)。
21日目:全てのマウスから、試験採血した。サンプルは、回収まで、凍結保存した(−20℃)。各グループを更に、A群(マウス5頭)とB群(マウス4頭)のサブグループに分けた。
グループ1A〜マウス5頭 グループ1B〜マウス4頭
グループ2A〜マウス5頭 グループ2B〜マウス4頭
グループ3A〜マウス5頭 グループ3B〜マウス4頭
グループ4A〜マウス5頭 グループ4B〜マウス4頭
グループ5A〜マウス5頭 グループ5B〜マウス4頭
【0107】
(サブグループA)
28日目:サブグループAの全てのマウスの腹部領域を、5頭〜9頭の感染を受けたカ(即ち、Plasmodium yoelii nigeriensisによる感染を受けたAnopheles gambiae)に刺咬攻撃させた。全てのマウスを、寄生虫血症が最初に立証されるまでか、感染を受けたカに攻撃させた後最高6週間の間、飼育した。全てのマウスは、放血によって死亡させられ、そしてその血清サンプルは、回収まで凍結保存した(−20℃)。
【0108】
(サブグループB)
28日目:サブグループBの全てのマウスの腹部領域を、以下の数の生きのよい(非感染)カに吸血させた。
Anopheles gambiae:5頭〜10頭、及び
Anopheles stephensi:5頭〜10頭
【0109】
これらの全てのカに対して以下の調査を実施した:
1.8日間の生存率
2.産卵数
3.蔵卵数
4.産卵から得られた成虫(F1)数
【0110】
32日目:サブグループBの全てのマウスに、Plasmodium yoelii nigeriensisを、寄生生物の直接的IV接種により、感染させた。
【0111】
32日目:サブグループBの全ての(又は少なくとも75%の)マウスにおいて、進行性のマラリア感染が同定されるやいなや、全ての感染マウスの腹部領域に、非感染Anopheles gambiae及び非感染Anopheles stephensiの両方を多数(マウス当たり>10)吸血させた。
【0112】
これらの全てのカに対して以下の項目について調べた:
1.8日間の生存率
2.必要とされるインキュベーション期間(17日)生存したカのうち、唾液腺中にマラリア寄生虫が認められたカの数
3.産卵数
4.蔵卵数
5.産卵から得られた成虫(F1)数
【0113】
カに吸血させた後、全てのマウスは、放血により死亡させられ、その血清サンプルを回収まで凍結保存(−20℃)した。
【0114】
この実験の最後まで残っていたあらゆる量の試験化合物は、回収まで凍結保存した(−20℃)。
【0115】
(結果)
図3A〜3I及び図4に、本実験の結果をグラフで表示した。最初の図のセット(図3X)は、グループ1〜5のそれぞれに対する、ワクチンのカの繁殖力への効果についてのデータを示し、それぞれ以下の繁殖力特性を示す。
3A:吸血したカの割合(%) 3B:平均蔵卵数
3C:平均産卵数 3D:孵化率(%)
3E:平均幼虫数 3F:平均蛹数
3G:蛹化率(%) 3H:羽化率(%)
3I:平均成虫数
【0116】
これらグラフA〜Iのそれぞれを裏付ける数値データを、それぞれ以下の表2に記す(列Aが図3Aに対応するというように)。
【0117】
【表2】

【0118】
以下の表3A〜3Iに詳述されるデータは、上記のデータを、Mann−Whiteneyのノンパラメトリック統計解析を用いて処理した結果、得られたp値を示したものである。
【0119】
【表3A】

【0120】
【表3B】

【0121】
【表3C】

【0122】
【表3D】

【0123】
【表3E】

【0124】
【表3F】

【0125】
【表3G】

【0126】
【表3H】

【0127】
【表3I】

【0128】
図4は、5グループのそれぞれのカの8日間の生存率(%)である。0日目での各グループのカの数を以下に示す。
グループ1(対照) 100
グループ2 89
グループ3 100
グループ4 99
グループ5 98
【0129】
図4のグラフに関するデータを、以下の表4に詳述する。
【0130】
【表4】

【0131】
以下の表5−1〜5−8に詳述するデータは、上記データのMann−Whirtenyノンパラメトリック法による統計解析で得られたP値を示す。
【0132】
【表5−1】

【0133】
【表5−2】

【0134】
【表5−3】

【0135】
【表5−4】

【0136】
【表5−5】

【0137】
【表5−6】

【0138】
【表5−7】

【0139】
【表5−8】

【0140】
(実験2:ポリペプチド抗原での免疫感作によるサイトカイン生成の誘導)
(ペプチド及び組み換えタンパク質)
実験2では、実験1から最も有効な画分を更に調査し、ワクチンに使用することのできるポリペプチドを同定した。本発明のペプチドとしての有用性を、以下のプロトコールを用いて決定した。
【0141】
(免疫感作)
調査対象の全てのポリペプチド(抗原調製物)は、Fmoc化学合成法により合成した。
【0142】
6週令から10週令のC57BL/6マウスに皮下的に、マウス当たり200μlの用量の抗原調製物を、免疫感作した。試験グループにおける各抗原調製物の用量は、製造元の使用説明書に従いアジュバント(Sigma)中に調製したペプチドの等モル混合物(各ペプチドを10nmolずつ含む)を含み、対照グループにおける各抗原調製物の用量は、製造元の使用説明書に従いIFA(Sigma)中に調製した、等価な薬量の無関係なポリペプチドを含んだ(NRP調製物)。
【0143】
免疫感作後15日目に、全てのマウスに対し、最初の免疫感作に用いたのと同一の用量及び感作経路で、追加免疫感作を施した。
【0144】
最後に20日目に全てのマウスを死亡させ、その脾臓及び血清を採取した。
【0145】
(サイトカインのELISA)
同一の実験グループに属するマウスの脾臓をプールし、セルストレーナー(Cell strainer)に穏やかに押し付けて通し、赤血球を赤血球溶血緩衝液(9部の0.16M NHClと1部の0.17M Tris、pH7.2)による処理によって取り除いた。それぞれの実験グループからの脾細胞懸濁液を、0.02mMのβ−メルカプトエタノール(Sigma)、50IU/50mg/mlのペニシリン/ストレプトマイシン(Sigma)、及び10%FCS(Sigma)を補充したIMDM培地(Invitrogen)であって、それぞれの調査対象のポリペプチド抗原(2μM)を含むIMDM培地を入れた96ウェルプレートに、4連で、4×10細胞/ウェルの密度で、注入した。37℃において3日間インキュベートした後、上清を集め、上清中のIFN−γ及びIL−4を製造元のプロトコール(Pharmingen)に従いサンドイッチサイトカインELISAで分析した。アッセイの検出下限値は、IL−4が9.77pg/mlで、IFN−γが39.06pg/mlであった。
【0146】
(IgG2a特異的ELISA)
マイクロタイターELISA96ウェルプレート(Becton−Dickinson)を、各試験ポリペプチドの2μLのPBS溶液を使用して、各試験ポリペプチドで被覆した。一晩4℃でインキュベートした後、これらのプレートをPBST(0.05%のTween20を含むPBS)で2回洗浄し、ウェルをPBST中に1%の濃度で溶解したBSA Fraction Vでブロックした。1時間インキュベートした後、プレートをPBSTで3回洗浄し、ある希釈範囲でPBSTに溶解した試験血清及び対照血清をウェルに添加した。2時間インキュベートした後、プレートをPBSTで6回洗浄し、全てのウェルに1次抗マウスIg2a血清を添加した。1時間のインキュベーションの後、プレートをPBSTで6回洗浄し、全てのウェルに抗1次抗マウスIg2a血清を添加した。1時間のインキュベーションの後、プレートをPBSTで7回洗浄し、全てのウェルにTMB基質を添加した。20分〜30分のインキュベーションの後、反応をHClで終了させ、450nmの吸光度を測定した。
【0147】
(統計解析)
試験グループと対照グループの間での異なる抗原に対するIFN−γ応答の差が統計的に有意であることを、サンプルをノンパラメトリック法のMann−Whitney法によって解析することで立証した。応答の差は、P値が0.05未満である場合に統計的に有意な差であるとした。
【0148】
(実験3:種々のポリペプチドに対する免疫応答の評価)
以下のポリペプチドについて調査した:配列番号20、28、30、31、32、及び35のポリペプチド。これらのペプチドを共に混合し、試験する候補ワクチン(AGSペプチドミックスと呼ぶ)を製造した。
【0149】
これらのペプチドのワクチン接種により誘導された免疫応答の種類及びレベルを、以下に示すプロトコールに従い評価した。
1日目:2グループのCD1マウス(1グループにつき4頭)のそれぞれのグループに対して、以下の用量の候補ワクチン製造物を皮下投与し、免疫感作した。
無関係なペプチド(NRP)のミックス(無関係なペプチドをそれぞれ10nmolずつ含む)+ISA−51
AGSペプチドミックス(ペプチドをそれぞれ10nmolずつ含む)+ISA−51
15日目:同一の用量の候補ワクチン製造品で、全てのマウスを追加免疫した。
21日目:全てのマウスに最期の放血をさせ、個体毎に脾臓を採取し、脾臓が以下の調製品/試薬に対してIFN−γの反応をするかどうかを試験した。
個々のAGSペプチド(それぞれ2μM)
AGSミックス(それぞれのペプチドを0.5μL及び2μLのいずれかの濃度で含む)
ConA(7.5μg/ml)
ブランク
21日より後:全ての血清の、AGSペプチドに対する応答を試験した。
【0150】
(結果)
前記抗原を用い、in vitroで、96時間刺激した後のIFN−γ生成を図5にグラフで示す。
【0151】
配列番号28、30、及び35のポリペプチド並びにAGSミックス調製物に対するIFN−γ応答において、統計的に有意な差が認められた(p<0.05)。
【0152】
配列番号20、31、及び32は、AGSミックスで免疫感作したマウスにおいて高い応答を誘導したが、これらは、NRPミックスで免疫感作したマウスの脾細胞も、非特異的な様式で刺激していたようである。
【0153】
前記抗原に対する血清中の全Ig応答を図6にグラフで示した。配列番号20及び配列番号30に対する全Ig応答において、統計的に有意な差が認められた(p<0.05)。
【0154】
(実験4:AGSペプチドミックスによる免疫感作後の攻撃試験)
AGSミックス調製物の免疫感作が天然のマラリアの感染に対して保護を与える能力を試験するために、CD1マウスを、以下のプロトコールにしたがって免疫感作し、攻撃させた。
0日目:全てのマウスから試験採血した。サンプルを、更なる分析のために保持した。
1日目:2グループのCD1マウス(1グループにつき8頭)のそれぞれのグループに対して、以下の用量の候補ワクチン製造物を皮下投与し、免疫感作した。
無関係なペプチド(NRP)のミックス(無関係なペプチドをそれぞれ10nmolずつ含む)+ISA−51
AGSペプチドミックス(ペプチドをそれぞれ10nmolずつ含む)+ISA−51
7日目:全てのマウスから試験採血した。サンプルを、更なる分析のために保持した。
14日目:同一の用量の候補ワクチン製造物でマウスを追加免疫した。
21日目:全てのマウスから試験採血した。サンプルを、更なる分析のために保持した。
28日目:8頭の感染カ(即ち、Plasmodium yoelli nigeriensisを感染させたAnopheles gambiae)に、その腹部を、刺咬させることにより、全てのマウスを攻撃させた。全てのマウスを、寄生虫血症が最初に立証されるまでか、感染を受けたカに攻撃させた後最高6週間の間、飼育した。
70日目(最高):全てのマウスから、最期の放血を行った。
【0155】
(結果)
21日目での、AGSミックスの免疫感作に対する血清中の全Ig応答を図7にグラフで示した。
【0156】
AGSミックスによって免疫感作されたグループの中の1頭のマウスは、同一のグループの残るマウスよりも有意に低い全Ig応答を示した(この1頭のマウスの全Ig応答は、AGSミックスによって免疫感作されたマウスグループの平均全Ig応答の50%未満であった)。
【0157】
攻撃させる日に、感染を受けたカの不足により、NRPミックスにより免疫感作させたマウスグループにおいて1頭のマウス、AGSミックスにより免疫感作させたグループにおいて2頭のマウスを、感染カに攻撃させることができなかった。
【0158】
攻撃を受けさせたマウスのうち、AGSミックスで免疫感作させていたグループの中のマウスの方が、対照のNRPミックスで免疫感作させていたグループの中のマウスよりも、生存率が高くなっているのが示されている(図8を参照のこと)。前記AGSミックスで免疫感作させていたグループ中の、死亡している1頭は、AGS調製物に対して強い抗体応答を示すことのできなかった個体であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
節足動物唾液タンパク質画分に由来する少なくとも1個のエピトープを認識可能な免疫系細胞を脊椎動物に産生させる、脊椎動物において免疫原性を有するポリペプチドを1個以上含むポリペプチド組成物であって、
前記節足動物唾液タンパク質画分が、40kDa以下の分子量を有し、及び
前記ポリペプチドが、以下の(a)〜(c)から独立に選択されることを特徴とするペプチド組成物。
(a)配列番号1〜44のポリペプチド配列、及びこれらの部分配列のいずれか、但し前記部分配列は7アミノ酸残基以上を有する:
配列番号1 HLTLFTVAVLLLAAAALLLLLPPAYSTTLTPP
配列番号2 PLSYCHLFLTHTLARALSFSRSDCL
配列番号3 KNVFFALLLVVLVCCLVSVQGNEI
配列番号4 KLLVLLICLFFYHTHCTTAYLWLAMGV
配列番号5 FLKGSFPRFQMCVMLIGFFSSAKCL
配列番号6 NDYQALLGLCCPWIDLAAADLPMRRHAKA
配列番号7 FYSVGKLVKVLLVMAVCCLLLCTAPTGADPL
配列番号8 MKFAFAFVLIALFAVFAVSQALPQPEQAAA
配列番号9 DGASAITKIVLELTPEQAAAV
配列番号10 TLFIFLVCCQIPLFGIMSSDSADPFYWIRVILA
配列番号11 GRVMCLLRLMSTLLVVLSIVGK
配列番号12 LYSGYRLLVLLVMTVCCLLLFIAPTGADPLPGQTQRTL
配列番号13 MYCVIKGKTGGYCNSEGLCTCRAEDLHFLLKPIINKD
配列番号14 NAEDPRTELIGCGSVLFHLAANRLSLQLEEFAVCKR
配列番号15 ALIGLLLCSVQSVTANDPVDALGACSGNLFGLLMTRL
配列番号16 SKLFVLAFLCLALVVVVQSAPQYARGDVPT
配列番号17 SMLVAFATLSVALVVVVAIPANFNYGGGGGYFINGTGQ
配列番号18 IYEKLPAYLSEVSARVNVLQVSLQHDLPNLQ
配列番号19 EMKLAKVALVTISLWFMAWTPYLVINFTGI
配列番号20 LLPAKVIPDKTAAYVAYGGQETLVEHVEVLV
配列番号21 FYTCFLGTSSLAGFKNAVDYDELLKAG
配列番号22 VLEVLGFVEDNGELVFQELLGVLKMVDPDGD
配列番号23 KLTPTVVVVLLCLTFVADALTIQELRAQIAQQRIQQRYGVTVATT
配列番号24 SLSDYGLIELKEHCLECCQKDTEADSKLKVYPAAVLEV
配列番号25 TYICFILHGVSEIIPQQQKKTMKFLLLVASVLCLVLI
配列番号26 RYFVVIALICPLIIVETLAV
配列番号27 LLLYLDAADLRRALHQYQLLAAQGDRHLPQQIVKFV
配列番号28 VLLTPALQAYIMDEHNLNRSNIALGRIRPYPSAVKMP
配列番号29 VLKGETHKALKLKDGGHYLVEFKSIYM
配列番号30 VLHSMLVNASLAEMVKESYQTHGADGRMVVRMLKFVRLLP
配列番号31 RVRALRALLETLLQHQGEQNNDVYLIRLAHET
配列番号32 ELQQALSSLNAGSGSCAEVFNAYLPVHNKYIGVSRKI
配列番号33 KFYRLISTLLVVVVIAPRHQCSPFFFQYNRPYL
配列番号34 NYVPDVSALEQDIIEVDPETKEMLKHLDFNNIVVQL
配列番号35 QYSMECLEAAEPKYLDGLKTLADETAQC
配列番号36 EYAQVTKMLGNGRLEAMCFDGVKRLCHIRGKL
配列番号37 KLFLTLLSTLSVAMVFALPAHHHSRG
配列番号38 ELEEARLVAEELEERQQELDYLKRYLVGRLQAV
配列番号39 SYFLTVCLLALVQSETVQD
配列番号40 AMTNANLVGLTISLAYAIFFLLYTPPTGRSS
配列番号41 SFAWLLYGIILRSNFLVVQNLMALALSAVQLSLFII
配列番号42 AFPFISGFLSCFMWLKYGVLTEESTLILVNFIGSAL
配列番号43 GLLCCCLAVLFFASPLTMLAHVIR
配列番号44 LLLAMVLLPLLLLESVVPYAAAEKVW
(b)節足動物唾液タンパク質の以下のアミノ酸残基によって定義される配列、及びこれらの部分配列のいずれか、但し前記部分配列は7アミノ酸残基以上を有する:





(c)、(a)及び(b)のいずれかの配列の1個以上に対して85%以上の相同性を有するポリペプチド配列であって、データベースの、GenBank、Protein Data Bank(PDB)、SwissProt、Protein Information Resource(PIR)、Protein Research Foundation(PRF)、又はこれらのCDS翻訳(CDS translations)の1つ以上に含まれるポリペプチド配列
【請求項2】
ポリペプチドが、配列番号1〜6、20、28、30〜32、及び35の配列、又はこれらの配列の部分配列であって7アミノ酸残基以上を有する部分配列、又はこれらの配列の1個と85%以上の相同性を有するポリペプチド配列であって、データベースのGenBank、Protein Data Bank(PDB)、SwissProt、Protein Information Resource(PIR)、Protein Research Foundation(PRF)、若しくはこれらのCDS翻訳(CDS translations)の1つ以上に含まれるポリペプチド配列から独立に選択される、請求項1に記載のポリペプチド組成物。
【請求項3】
ポリペプチド組成物が、2個以上のポリペプチド、好ましくは2個〜12個のポリペプチド、又はより好ましくは2個〜6個のポリペプチドからなる、請求項1から2のいずれかに記載のポリペプチド組成物。
【請求項4】
節足動物唾液タンパク質画分が20kDa〜40kDaの分子量、及び20kDa以下の分子量のいずれかを有する、請求項1から3のいずれかに記載のポリペプチド組成物。
【請求項5】
1個以上のポリペプチドが細胞障害性Tリンパ球(CTL)エピトープであるか、1個以上のポリペプチドがTヘルパーリンパ球(Th)エピトープであるか、1個以上のポリペプチドがBリンパ球エピトープであるかの少なくともいずれかである、請求項1から4のいずれかに記載のポリペプチド組成物。
【請求項6】
2個、3個、4個、5個、及び6個以上のエピトープを含む、請求項1から5のいずれかに記載のポリペプチド組成物。
【請求項7】
複数個の節足動物唾液タンパク質に対して免疫原性を有する、請求項1から6のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項8】
節足動物唾液タンパク質画分が、任意のカ種、好ましくは、Anopheles gambiae由来の、カ唾液タンパク質画分である、請求項1から7のいずれかに記載のポリペプチド組成物。
【請求項9】
節足動物唾液タンパク質に由来する配列を更に1個以上含む、請求項1から8のいずれかに記載のポリペプチド組成物。
【請求項10】
部分配列が8個、9個、10個、及び11個以上のアミノ酸残基を含む、請求項1から9のいずれかに記載のポリペプチド組成物。
【請求項11】
各ポリペプチドが、100個以下のアミノ酸残基、好ましくは15個〜75個のアミノ酸残基、より好ましくは17個〜55個のアミノ酸残基を含む、請求項1から10のいずれかに記載のポリペプチド組成物。
【請求項12】
配列番号1から44の配列からの配列を有する1個以上のポリペプチドから実質的になる、請求項1から11のいずれかに記載のポリペプチド組成物。
【請求項13】
配列番号1〜6の配列を有するポリペプチドが全て含まれるか、配列番号20、28、30〜32、及び35の配列を有するポリペプチドが全て含まれるかの少なくともいずれかである、請求項1から12のいずれかに記載のポリペプチド組成物。
【請求項14】
医薬における使用のための、請求項1から13のいずれかにおいて定義されるポリペプチド組成物。
【請求項15】
獣医学的使用のための、請求項1から14のいずれかにおいて定義されるポリぺプチド組成物。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかにおいて定義される1個以上のポリペプチドと、請求項1から15のいずれかにおいて定義される1個以上の更なるポリペプチドとを、及び/又は、担体、賦形剤、アジュバント、緩衝液、及び安定剤のいずれかなどの1個以上の更なる成分のいずれかとを、混合する工程及び併用する工程のいずれかの工程を含むことを特徴とする、請求項1から15のいずれかにおいて定義されるポリペプチド組成物を製造する方法。
【請求項17】
請求項1から15のいずれかにおいて定義されるポリペプチド組成物及び担体を含むことを特徴とするポリペプチド構築物。
【請求項18】
請求項1から15のいずれかにおいて定義されるポリペプチド組成物と担体とを結合させる工程、組合わせる工程及び混合する工程のいずれかの工程とを含む、請求項17において定義されるポリペプチド構築物を製造する方法。
【請求項19】
担体がアジュバント及び賦形剤の少なくともいずれかかを含む、請求項17及び18のいずれかに記載のポリペプチド構築物或いは方法。
【請求項20】
請求項1から15のいずれかにおいて定義されるポリペプチド組成物中の1個以上のポリペプチドのコード配列を含む1個以上の核酸を含むことを特徴とする核酸構築物。
【請求項21】
DNA構築物及びRNA構築物のいずれかである、請求項20に記載の核酸構築物。
【請求項22】
プラスミド及び組換え体ウイルスのいずれかを含む、請求項20から21のいずれかに記載の核酸構築物。
【請求項23】
請求項1から15、17、及び19から22のいずれかにおいて定義されるポリペプチド組成物、ポリペプチド構築物、及び核酸構築物のいずれかと、任意に適切な賦形剤及びアジュバントの少なくともいずれかとを含むことを特徴とする、節足動物媒介性疾病に対する薬剤組成物或いはワクチン組成物。
【請求項24】
請求項1から15、17、及び19から22のいずれかにおいて定義されるポリペプチド組成物、ポリペプチド構築物、及び核酸構築物の少なくともいずれかと、適切な賦形剤及びアジュバントの少なくともいずれかとを結合させる工程、組合わせる工程及び混合する工程のいずれかの工程を含むことを特徴とする、請求項23において定義される薬剤組成物或いはワクチン組成物を製造する方法。
【請求項25】
節足動物媒介性疾病の治療及び予防のいずれかにおいて有効であることを特徴とする、請求項1から15、17、及び19から23のいずれかにおいて定義されるポリペプチド組成物、ポリペプチド構築物、核酸構築物、及び薬剤組成物或いはワクチン組成物のいずれかの、薬剤及びワクチンのいずれかの製造における使用。
【請求項26】
請求項から15、17、及び19から23のいずれかにおいて定義されるポリペプチド組成物、ポリペプチド構築物、核酸構築物、及び薬剤組成物或いはワクチン組成物のいずれかを脊椎動物に投与する工程を含むことを特徴とする、節足動物媒介性疾病を治療し或いは予防する方法。
【請求項27】
脊椎動物が、哺乳類、鳥類、爬虫類、及び魚類、好ましくはヒト、家畜若しくは産業動物のいずれか、ウシ亜科動物、及び家禽のいずれかから選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
節足動物が食血性節足動物である、請求項1から27のいずれかに記載の、ポリペプチド組成物、ポリペプチド構築物、核酸構築物、方法、薬剤、ワクチン、又は使用。
【請求項29】
食血性節足動物が、カ、マダニ、サシチョウバエ、ダニ、及びノミから選択される、請求項28に記載のポリペプチド組成物、ポリペプチド構築物、核酸構築物、方法、薬剤、ワクチン、又は使用。
【請求項30】
節足動物媒介性疾病が、マラリア、フィラリア症、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、オンコセルカ症、デング熱、ライム病、野兎病、回帰熱、発疹チフス、ペスト、黄熱病、リフトバレー出血熱、及び、セントルイス脳炎、西ナイル熱、頭部ウマ脳炎、ラクロス脳炎、及び東部ウマ脳炎などの脳炎から選択される疾病である、請求項23から29のいずれかに記載の薬剤、ワクチン組成物、方法、又は使用。
【請求項31】
節足動物が、Anopheles sp.、Aedes sp.、Culex sp.、Mansonia sp.、Chrysops sp.、Simulium sp.、Triatoma sp.、Rhodnius sp.、Panstrongylus sp.、Glossina sp.、Tabanus sp.、Phlebotomus sp.、Lutzomyia sp.、Pediculus sp、Ornithodoros sp.、Ixodes sp.、Pediculus sp.、Pulex sp.、Hemagogous spegazzani.、Ochlerotatus sp.、及びCoquillettidia sp.から選択される、請求項1から30のいずれかに記載のポリペプチド組成物、ポリペプチド構築物、核酸構築物、方法、薬剤、ワクチン、又は使用。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−539127(P2010−539127A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524469(P2010−524469)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/EP2008/061824
【国際公開番号】WO2009/034041
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(508240111)ペプトセル リミテッド (6)
【Fターム(参考)】