ペン注射装置ニードル供給および収納装置
【課題】使用前および使用後の複数のペンニードルを収納する、ニードル供給および収納装置を提供する。
【解決手段】注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置が開示される。装置は、複数のペンニードルおよび複数のニードルカバーユニットを供給および収納するための供給端および収納端を有するケースであって、それぞれのペンニードルが患者端と、注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有するケースを含む。一のペンニードルのニードルを覆うニードルカバー部分が、他のペンニードルのハブを覆うハブカバー部分に接続される。使用前、ペンニードルのハブを覆うハブカバー部分が、ケースの供給端にて外部に露出され、使用後、ペンニードルがケースの収納端に収納される。
【解決手段】注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置が開示される。装置は、複数のペンニードルおよび複数のニードルカバーユニットを供給および収納するための供給端および収納端を有するケースであって、それぞれのペンニードルが患者端と、注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有するケースを含む。一のペンニードルのニードルを覆うニードルカバー部分が、他のペンニードルのハブを覆うハブカバー部分に接続される。使用前、ペンニードルのハブを覆うハブカバー部分が、ケースの供給端にて外部に露出され、使用後、ペンニードルがケースの収納端に収納される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年8月16日に出願された米国仮特許出願第61/344,538号および2010年8月16日に出願された米国仮特許出願第61/344,540号からの35USC§119(e)に基づく優先権を主張し、両出願の開示事項は全体が参照により本願に含まれる。
【0002】
本発明はペン注射装置用の複数のニードルに係り、特に、ペン注射装置用の複数のニードルを供給および収納するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
薬剤供給ペンが、正確に計量された量の薬剤の自己注射のために使用される。例えば、糖尿病患者によってインシュリンを自己注射するため、ペンが広く用いられる。典型的な薬剤供給ペンは、複数回の投与に十分な量の液状薬剤を収容するカートリッジを含む。ペン装置に取り付けられたペンニードルを使って、筋肉内組織層、皮下組織層、または皮内組織層などの組織領域に投与量が注射される。
【0004】
典型的なペン注射装置のアセンブリおよび作動は、共有譲渡された特許文献1に記載され、その全体は参照により本願に含まれる。
【0005】
図1および図2に示される例示的ペン注射器50のようなペン注射装置は、典型的に、投与ノブ/ボタン24、外側スリーブ13およびキャップ21を備える。投与ノブ/ボタン24は、注射されるべき薬剤の量をユーザーが設定することを可能にする。薬剤を注射するとき、外側スリーブ13はユーザーによって把持される。キャップ21は、シャツポケット、財布、または他の適当な場所にペン注射器50をしっかりと保持するため、ユーザーに利用される。
【0006】
図2は、図1に示された例示的薬物送出ペン50の分解図である。投与ノブ/ボタン24は、二つの目的を有し、注射されるべき薬剤の量を設定することと、投与量の薬剤を注射することとの両方のために使用される。投与量の薬剤の注射は、リードスクリュー7とストッパ15を介して薬剤カートリッジ12から行われる。薬剤カートリッジ12は下部ハウジング17を通じて薬送送出ペンに取り付けられる。薬剤カートリッジ12は、典型的に、一端が隔壁16でシールされ他端がストッパ15によってシールされるガラス管である。標準的な薬剤供給ペンにおいて、投与および送出機構は全て外側スリーブ13の中に見られる。これらの機構は、当業者に理解されているため、ここではより詳しく説明されない。
【0007】
ペンニードル10は、ハブ20、患者ニードル11および隔壁貫通ニードルカニューレ18を含む。患者ニードル11はその患者端から延び、隔壁貫通ニードルカニューレ18はその非患者側がハブ20の中に配置される。隔壁貫通ニードルカニューレ18は患者ニードル11と流体連通する。ハブ20は好ましくは下部ハウジング17にねじ止めされる。もっとも、薬剤カートリッジ12に直接取り付けるなどの他の取付手段が使用可能である。ハブ20の下部ハウジング17または薬剤カートリッジ12への取り付けにおいて、隔壁貫通カニューレ18は隔壁16を穿孔するが、隔壁16は薬剤カートリッジ12に対して移動しない。ストッパ15は、しかしながら、薬剤カートリッジ12の中で軸方向に移動し、その一方で液密シールを維持する。(リードスクリュー7の前進による)薬剤カートリッジ12内でのプランジャまたはストッパ15の遠位方向の移動は、ハブ20の患者ニードル11内に薬剤を押し込む。図示されたペンニードル10はペンニードルの一例である。
【0008】
ユーザー、またはペン注射器50を扱う者を保護するため、ハブ20に取り付けられた外側シールド29が、ハブ20をカバーする。外側シールド29も、ハブ20をペン注射器50にねじで脱着するためのハンドルまたはグリップとして用いられることができる。内側シールド28は、外側シールド29内で患者ニードル11をカバーする(覆う)。内側シールド28は、締まり嵌めまたはスナップ嵌合などのあらゆる適当な手段によって、患者ニードル11をカバーすべくハブ20に固定されることができる。外側シールド29と内側シールド28は使用前に取り外される。キャップ21は、外側スリーブ13にぴったりと嵌められ、ユーザーがペン注射装置50を安全に運ぶことを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,645,264号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ペンニードルは、通常、(外側シールド29のような)プラスチックカバーの内側に個々にパッケージされて販売される。これにおいて、ラベルがカバーの開口を覆い、無菌バリアを提供する。最近の市場調査は、使用後の使用済みペンニードルを収納するための何等かの手段を含む、多数ニードルパッケージ形態を消費者が好んでいることを示す。したがって、使用前および使用後の複数のペンニードルを収納する、ニードル供給および収納装置に対する要請が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
複数のペンニードルを収納するための装置を提供することが本発明の一態様である。特に、複数のペンニードルの使用前および使用後に、それらペンニードルを収納するための装置を提供することが本発明の一態様である。さらに、ペン注射装置と共に使用するペンニードルを供給するための装置を提供することが本発明の一態様である。
【0012】
本発明の上記および/または他の態様は、注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、複数のペンニードルおよび複数のニードルカバーユニットを供給および収納するための供給端および収納端を有するケースであり、それぞれのペンニードルが患者端と、注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有するケースを備える装置を提供することによって、達成される。一のペンニードルのニードルを覆うニードルカバー部分が、他のペンニードルのハブを覆うハブカバー部分に接続される。使用前、少なくとも、ペンニードルのハブを覆うハブカバー部分が、ケースの供給端にて外部に露出され、使用後、少なくとも、ペンニードルがケースの収納端に収納される。
【0013】
本発明の上記および/または他の態様は、注射装置用の複数のニードルカバーユニットおよび複数のペンニードルを供給および収納するための方法であって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有し、ペンニードルとニードルカバーユニットが、ケースの供給端において、ケースに対する第1の向きを有する方法を提供することによっても、達成される。方法は、ケースの供給端において、供給位置のペンニードルからニードルカバーユニットを取り外すステップと、ペンニードルのハブに注射装置を接続するステップと、ケースの収納端において、ニードルカバーユニットを、第1の向きと反対の第2の向きで挿入するステップと、ペンニードルをケースの収納端に第2の向きで挿入し、ペンニードルの患者端をニードルカバーユニットのニードルカバー部分で覆うステップと、を含む。
【0014】
本発明の上記および/または他の態様は、注射装置用の複数のニードルカバーユニットおよび複数のペンニードルを供給および収納するための方法であって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有する方法を提供することによっても、達成される。方法は、ケースの供給端において、供給位置のペンニードルから、ニードルカバーユニットのハブカバー部分を取り外すステップと、ペンニードルのハブに注射装置を接続するステップと、ペンニードルを取り外すステップであって、供給位置のペンニードルを取り外すことが、未使用のペンニードルおよびニードルカバーユニットをケースの供給端に向けて自動的に前進させるステップとを含む。
【0015】
本発明の上記および/または他の態様は、注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、複数のペンニードルおよび複数のニードルカバーユニットを供給および収納するための供給端および収納端を有するケースであり、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー端とハブを覆うためのハブカバー端とを有するケースを含む装置を提供することによっても、達成される。ペンニードルの注射装置への接続前に、ニードルカバーユニットがペンニードルのハブを覆い、ケースの収納端における収納中、ニードルカバーユニットがペンニードルの患者端を覆う。
【0016】
本発明の上記および/または他の態様は、注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、複数のペンニードルであって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有するペンニードルと、前記ペンニードルの患者端を覆うための複数のニードルカバーと、複数のハブカバーであって、それぞれのハブカバーが、ニードルカバーを受け入れるための第1端と、ハブを覆うための第2端とを有するハブカバーと、前記複数のペンニードルおよびニードルカバーを収納および供給するためのケースであって、供給端および収納端を有するケースと、を備える装置を提供することによっても、達成される。使用前、前記ハブカバーが供給位置において前記複数のペンニードルのうちの一つのハブを覆った状態で、ハブカバーが、前記ケースの供給端にて前記ケースの外部に露出される。露出されたハブカバーの取り外し後、前記供給位置のペンニードルを前記ケースから取り外すことが、残っているハブカバー、ペンニードルおよびニードルカバーを前記ケースの前記供給端に向けて自動的に移動させると共に、前記ケースの前記収納端において前記ケース内に、取り外されたペンニードルの挿入のためのスペースを作る。
【0017】
本発明の追加のおよび/または他の態様と利点は、以下の説明に部分的に記載され、部分的に、当該説明から明らかになり、また本発明の実施によって理解されるであろう。
【0018】
本発明の実施形態の上記および/または他の態様と利点は、添付図面と関連づけられた以下の詳細な説明から明らかになり、より容易に理解されるであろう。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、使用前および使用後の複数のペンニードルを収納する、ニードル供給および収納装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】典型的な薬剤供給ペンの斜視図である。
【図2】図1の典型的な薬剤供給ペンの分解図である。
【図3】本発明の実施形態に従うペンニードルとニードルカバーの斜視図である。
【図4】図3のペンニードルとニードルカバーの斜視図であり、ニードルカバーがペンニードルの患者端を覆うべく係合されている。
【図5】図3のペンニードルとニードルカバーの斜視図であり、ペンニードルの非患者端を覆う配置を示す。
【図6】図3のペンニードルとニードルカバーの斜視図であり、ニードルカバーがペンニードルの非患者端を覆うべく係合されている。
【図7】本発明の実施形態に従うケースの斜視図である。
【図8】図7のケースの供給端の斜視図である。
【図9】図7のケースの供給端端面図である。
【図10】図7のケースの前進部材の斜視図である。
【図11】図10の前進部材のプッシャーの斜視図である。
【図12】図10の前進部材のプッシャー頂部の底部の斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に従う、図7のケースと、図3の複数のペンニードルおよびニードルカバーとの透視図である。
【図14】図7のケースの作動を示す透視図である。
【図15】図7のケースの作動を示す透視図である。
【図16】図7のケースの作動を示す透視図である。
【図17】図7のケースの作動を示す透視図である。
【図18】本発明の他の実施形態に従うケースの斜視図である。
【図19】本発明の実施形態に従うペンニードルの斜視図である。
【図20】本発明の実施形態に従うニードルカバーの斜視図である。
【図21】図19のペンニードルと図20のニードルカバーの組み合わせの斜視図である。
【図22】本発明の実施形態に従うハブカバーの斜視図である。
【図23】図19のペンニードルと図20のニードルカバーと図22のハブカバーと図19の他のペンニードルとの組み合わせの斜視図である。
【図24】図18の線24−24に沿った図18のケースの断面斜視図である。
【図25】本発明の実施形態に従うセパレータの斜視図である。
【図26】図18のケースから取り外された図22のハブカバーの部分斜視図である。
【図27】図18のケースとペン注射器の部分斜視図である。
【図28】図18のケース内における図19のペンニードルに接続された図27のペン注射器の部分斜視図である。
【図29】図18のケースの案内溝の部分平面図である。
【図30】図18のケースの案内溝の部分平面図である。
【図31】図18のケースの案内溝の部分平面図である。
【図32】図18の線24−24に沿った図18のケースの断面斜視図であり、ケースにペンニードルが配置されていない。
【図33】図27のペン注射器と図19のペンニードルと図20のニードルカバーと図22のハブカバーと図19の他のペンニードルと図18のケースとの斜視図である。
【図34】図18のケースの部分斜視図である。
【図35】図22のハブカバーから図19のペンニードルと図20のカバーを取り外したときの部分斜視図である。
【図36】図18のケースの収納端に図19のペンニードルを挿入したときの部分斜視図である。
【図37】図18のケースの収納端に図19のペンニードルを挿入したときの部分斜視図である。
【図38】図18のケースの収納端に図19のペンニードルを挿入したときの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態への参照が詳細になされ、その例が添付図面に描かれている。全体を通して同様の参照符号が同様の要素を表す。図面を参照することにより、説明される実施形態が本発明を例示するが、本発明を限定しない。当業者に理解されるように、上、下、底、頂などの用語は相対的なものであり、図の理解を助けるために用いられるが、限定的ではない。
【0022】
上記のように、ペンニードル10はハブ20と患者ニードル11とを含む。ハブ20の非患者端内に配置された隔壁貫通ニードルカニューレ18は患者ニードル11に流体連通し、ハブ20の非患者端の内側は、ペン注射器(例えばペン注射器50)との接続のためのネジまたは他の要素を含む。本発明のこれらまたは他の典型的実施形態において、カニューレの患者端および非患者端の両方の無菌が維持される限り、ペンニードルは、上記要素の一以上を省略できる。例えば、典型的なペンニードルは、ハブとカニューレアセンブリのみを有するよう設けられることができる。
【0023】
図3は、本発明の実施形態に従う、ペンニードル10と、ニードルカバーユニットまたはカバーとの斜視図である。以下に詳述されるように、カバー80は、他の機能に加え、図2の内側シールドと置き換わる。図3に示されるように、ニードル10は、その非患者端に配置されたハブ20を含む。突起68がハブ20の患者端から延び、患者ニードル11が突起68から延びる。ハブ20の非患者端内に配置された隔壁貫通ニードルカニューレ18(図5に最良に示される)は、患者ニードル11と流体連通する。
【0024】
図3に示されるように、カバー80は、ニードルカバー部分84とハブカバー部分88とを含む。本実施形態において、ニードルカバー部分84とハブカバー部分88とは連結される。なぜならこれらは単一構造として一体的に形成されるからである。ニードルカバー部分84の内側の形状(図5に最良に見られる)は、突起68の形状に対応し、カバー80とペンニードル10の接続を容易にする。より具体的には、図4に示されるように、ペンニードル10に対するカバー80の第1の向きにおいて、ニードルカバー部分84は、突起68の周りに嵌合し且つ突起68に接続し、患者ニードル11を覆う。突起68とニードルカバー部分84との接続は、例えば締まり嵌めおよび/またはスナップ嵌合であってもよい。
【0025】
突起68とニードルカバー部分84の接続に類似して、図5に示されるように、ハブカバー部分88の外側形状は、ハブ20の内側形状に対応し、カバー80とペンニードル10の接続を容易にする。より具体的には、図6に示されるように、ペンニードル10に対するカバー80の第2の向きにおいて、ハブカバー部分88は、ハブ20の非患者端の中に嵌合し且つ非患者端に接続し、ハブ20と隔壁貫通ニードルカニューレ18を覆う。ハブカバー部分88とハブ20との接続は、例えば締まり嵌めおよび/またはスナップ嵌合であってもよい。
【0026】
ペンニードルの非患者側のハブ20にしっかりと接続されたカバー80のハブカバー部分88によって、ペンニードル10の非患者端に無菌バリアが形成される。同様に、ペンニードル10の患者端のための無菌バリアは、ニードルカバー部分84であり、これは、患者ニードル11上の内側シールドとして機能し、ハブ20の突起68に嵌合する。ペンニードル10の両端の無菌バリアは、好ましくは蛇行通路を含む。
【0027】
蛇行通路閉止体は、空気で運ばれる微生物に対するバリアとして画成されることができ、回旋状経路を製品に作ることによって形成される(例えば迷路状通路またはネジ状閉止体)。蛇行通路は気密でなく、水密でもない。これは、微生物による進入に対するバリアを提供し、流体による進入に対するバリアを提供しない。ルイ・パスゥール(Louis Pasteur)は、1861年に、蛇行通路閉止体の原理を発見した。彼は、白鳥の形をした蛇行ネックを有する無菌ガラスフラスコが、開放端を有していても、無菌を維持すると結論づけた。
【0028】
微生物が液体から出るとき、それは独力で移動できず、コーナーを曲がることができない。むしろ、大部分の微生物は、空中に浮遊し、大抵は浮遊塵埃上にある。これら塵埃上の微生物は、質量と運動量を有し、重力によって沈降する。それらは静電荷をも有し、分子内力および静電力によって表面に引き付けられる。微粒子運動の他のメカニズムはブラウン運動である。この静的気流における微粒子のランダムな運動は、微生物を表面に衝突させる。
【0029】
蛇行通路または迷路状囲い物により、気圧変化が、空気を、囲まれた容積に対し出入りさせる。空気がコーナーの周辺を移動するとき、微生物は表面に衝突し、微生物を空気から「フィルタリング」させる。通常の環境の圧力変化によって生じる低い空気速度によって、バクテリアは、それが付着していた場所に留まる傾向がある。これら蛇行通路閉止システムの無菌バリアは、製品無菌を破るべく微生物が行わなければならないであろう繰り返しの方向転換によって生ずる。多くの蛇行通路製品における小さな空気容積は、大気と交換される空気容積を減らすことによっても、有用である。
【0030】
図7は、本発明の実施形態に従うニードル供給および収納ケース100の斜視図である。図7に示されるように、ケース100は、メインボディまたは管104と、供給端キャップ108と、収納端キャップ112と、前進部材またはクリッカ120とを含む。管104は、クリッカ120が移動するスロット(長穴)122と、複数のディテント(移動止め)124とを含む。複数のディテント124は、スロット122に沿った不連続のポイントにてクリッカ120のための停止位置を提供する。供給端キャップ108は、管104の供給端106に配置され、供給端106を選択的にカバーする。同様に、収納端キャップ112は、管104の収納端110に配置され、収納端110を選択的にカバーする。換言すれば、管104は2つの端を有する:使用されていないペンニードルが使用のためにアクセスされる供給端106と、ペンニードルが使用後に収納されるためのスペースを有する反対側の収納端110とである。各端は、ペンニードル10への不意のアクセスを避けるためのカバー108、112を有する。以下に詳述されるように、これらカバー108、112は、ペンニードル10にアクセスすべく部分的に取り外され、しかしながら依然管104に保持されることができるような方法で、管104に取り付けられる。
【0031】
図7に示されるように、端キャップ108、112のそれぞれは、少なくとも一つのキャップ脚部128を有し、キャップ脚部128の遠位端にはキャップ足部132が配設されている。これに対応して、管104の供給端および収納端のそれぞれは、少なくとも一つのキャップ保持構造134を含む。端キャップ108、112のキャップ部分は、それぞれのキャップ脚部128に、非制限的例としてのリビングヒンジ(living hinge)により、ヒンジ状に接続される。
【0032】
管104の端に端キャップ(108あるいは112)を固定するため、ユーザーは、キャップ保持構造134を通じて、キャップ足部132とキャップ脚部128をスライドさせる。ユーザーが供給端キャップ108および/または収納端キャップ112をそれぞれの端から外すとき、盛り上がったキャップ脚部132は、キャップ保持構造136と関連して、キャップ108および/または112を管104に接続された状態に保ち、その一方でそれぞれの端へのアクセスを提供する。また、一実施形態によれば、端キャップ108,112の各ベース部は、管104の端に対応した形状を有し、例えば締まり嵌めまたはスナップフィットを提供する。
【0033】
他の実施形態(図14〜16に最良に示される) によれば、供給端キャップ108と収納端キャップ112は管104にヒンジ状に接続される。リビングヒンジが、供給端キャップ108と収納端キャップ112を管104に接続するために使われることができる。
【0034】
図8はケース104の供給端106の斜視図であり、図9はケース104の供給端106端面図である。図8,9に示されるように、ケース104の供給端106は、複数の回転防止/保持構造140を含む。ケース104の供給端106において、回転防止/保持構造140は、ペンニードル10のハブ20と協働し、ペンニードル10が供給位置にあるときのペンニードル10の回転を防止する。例えば、ペンニードル10が供給位置にあり、回転防止/保持構造140がハブ20に係合しているとき、回転防止/保持構造140は、ペンニードル10が回転するのを防止し、ユーザーがハブ20にペン注射器50(または薬剤カートリッジ12)を接続するのを許容する。この接続は、ペン注射器50(または薬剤カートリッジ12)をハブ20の中にねじ込むことによってなされる。ペン注射器50への接続中にペンニードル10の回転を阻止する一方、接続後、回転防止/保持構造140とペンニードル10との嵌合は、ユーザーが管104から、組み合わされたペン注射器50およびペンニードル10を軸方向に引き抜くのを可能にする。
【0035】
図示しないが、回転防止/保持構造140は同様に、管104の収納端110に配置され、ペン注射器50とペンニードル10の間の取り外しを容易にし、また使用されたペンニードル10を管104の収納端110に収納するのを容易にする。例えば、より詳細に後述されるように、所定のペンニードル10のハブ20が回転防止/保持構造140を超えて管104の収納端110に挿入されると、構造140は、使用されたペンニードル10が管104の収納端110から容易に取り外されるのを防止するバリアとして作用する。
【0036】
図10から図12は、本発明の実施形態に従う前進部材またはクリッカ120を示す。図10に示されるように、クリッカ120はプッシャ144とプッシャ頂部148とを含む。概して、プッシャ144は管104の中に配置され、プッシャ頂部148は管104の外部に配置される。より詳細に後述されるように、ユーザーは、未使用のニードルを管104の供給端106に向けて移動するため、プッシャ頂部148を動かす。
【0037】
プッシャ144は、供給端146と収納端150を有する。図11も示すように、プッシャ144は、その頂部から延びる片持ちアーム152を含み、片持ちアーム152は、その遠位端に配置されたディテント係合部材156を含む。使用において、ディテント係合部材156は、ディテント124に個々に係合し、クリッカ120がスロット122に沿って動くときにクリッカ120のための積極的なストッパを提供する。さらに、プッシャ144は、プッシャ頂部148のプッシャ144との結合を容易にするための係合部分160を含む。これに対応して、図12に示されるように、プッシャ頂部148は、ガイド168から延びる係合突起164を含む。係合突起164は、係合部分160に係合し、プッシャ頂部148とプッシャ144とを結合する。さらに、ガイド168は、スロット122内に乗り入れ、クリッカ120を管104に沿って案内し、管104に対するプッシャ頂部148の回転を防止する。
【0038】
図13は、本発明の実施形態に従うケース100、複数のペンニードル10およびニードルカバー80の斜視図である。図14〜17は、ニードル供給および収納ケース100の作動を示す斜視図である。図7〜9において、管104、供給端キャップ108および収納端キャップ112は不透明であるとして示される。しかし図示目的のため、図13〜17においては、管104、供給端キャップ108および収納端キャップ112が半透明であるとして示される。当業者に理解されるように、管、供給端キャップおよび収納端キャップは、本発明の範囲から逸脱することなく、半透明、透明または不透明であることができる。
【0039】
図13に示されるように、供給位置において管104の供給端106に配置された第1のペンニードル10は、ハブ20に接続されペンニードル10の非患者端をカバーする第1のカバー80を有する。また、第1のペンニードル10の患者端は、第2のカバー80’のニードルカバー部分84’に接続する。同様に、第2のカバー80’も、ハブカバー部分88’を介して、第2のペンニードル10’に接続する。さらに、第3のカバー80”が、第2のペンニードル10’と第3ペンのペンニードル10”の両方に接続する。ニードルカバー80とペンニードル10は同様に、クリッカ120に隣接した最後のカバー80”’が単一のペンニードル10”’のみに接続するまで、接続される。換言すれば、一つのペンニードル10の患者端をカバーするカバー80は、次のペンニードル10の非患者端のハブ20の係合要素に嵌る。
【0040】
ニードル供給および収納ケース100の使用のため、ユーザーは、クリッカを管104の供給端106に向かって動かすことによって、ペンニードル10が供給位置にあることを確実にする。異なって言うと、クリッカ120が最後のカバー80”’に隣接し接触するため、クリッカ120を管104の供給端106に向かって前進させることは、プッシャ144の供給端146上の全てのニードル10とニードルカバー80を、管104の供給端106に向けて前進させる。使用中、ユーザーがクリッカ120を管104の供給端106に向かって前進させると、それぞれの連なったカバー80とペンニードル10が供給位置に到達する度に、ディテント係合部材156がディテント124に嵌る。
【0041】
その後、図14に示されるように、ユーザーは供給端キャップ108を開き、カバー80を取り外し、これによってペンニードル10の非患者端を露出させる。次に、図15に示されるように、ユーザーはペン注射器(例えば、50)をペンニードル10の非患者端に接続し、ペンニードル10を、カバー80’との接続および管104から取り外す。
【0042】
注射を行って供給端キャップ108を閉じた後、図16に示されるように、ユーザーは収納端キャップ112を開き、使用済みのペンニードル10を収納する。任意であるが、ユーザーは、ハブカバー部分88を管104の供給端106に向かわせて、カバー80を管104の収納端110に挿入することができる。一実施形態によれば、カバー80のハブカバー部分88は、プッシャ144の収納端150に接続可能である。次に、ユーザーは、ペンニードル10を、管104の収納端110に挿入し、カバー80のニードルカバー部分84を回転防止/保持構造140に係合させ、ペンニードル10からペン注射器をゆるめて外す。その後、図17に示されるように、ユーザーは収納端キャップ112を閉じる。
さらなる使用のため、クリッカ120が次のディテント位置に移動され、次の未使用ペンニードル(例えば10’)を供給位置に押す。一実施形態によれば、ユーザーは、係合されているアセンブリを管104の収納端110に挿入する前に、ニードルカバー部分84をペンニードル10に係合させ、ハブ20を回転防止/保持構造140に係合させる。
【0043】
追加のペンニードル10が用いられたとき、クリッカ120を管104の供給端106に向けて動かし、既に収納された使用済みペンニードル10をさらに管104内に押し込むことにより作られたスペースにおいて、それらは管104の収納端110に挿入されることができる。結局、移動する未使用のペンニードル10に加え、クリッカ120は、使用済みと未使用のペンニードル10の間のセパレータとして機能する。クリッカ120がディテント124へと前進されるとき、クリッカ120は、未使用のペンニードルがどのくらい管104内に残っているかについての視覚的インジケータとしても機能する。
【0044】
一実施形態によれば、例えば図13に示されるように、第1のカバー80の取り外し前、管104はその収納端110に、ニードルカバーおよび/またはペンニードルを受け入れるためのスペースを有する。他の実施形態によれば、最初に、管104の収納端110にそのようなスペースが無く、クリッカ120を管104の供給端106に向けて動かすことにより、使用済みニードルカバーおよび/またはペンニードルのための収納スペースが管104内に作られる。
【0045】
本発明の実施形態の1つの利点は、無菌バリアを提供するためにペンニードル10のハブ20にラベルが必要とされないということである。この機能は隣接カバー80によって提供される。言い換えれば、カバー80は、一のペンニードル10の患者ニードル11に対する無菌バリアを提供すると共に、隣接ペンニードル10のハブ20に対する無菌バリアを提供する。なぜなら、カバー80は、一のペンニードル10の患者端に接続されると共に、隣接ペンニードル10のハブ20に接続されるからである。
図18は、本発明の他の実施形態に従うケース200の斜視図である。ケース200は、ペンニードルを供給するための供給端206と使用済みペンニードルを収納するための収納端210とを有する。図18に示されるように、ハブカバー204が、ケース200の供給端206に配置される。 さらに、より詳細に後述されるように、ケース200の収納端210に向かって、セパレータ208は、ケース200内に残っているペンニードルの数を示す。
【0046】
図19は本発明の実施形態に従うペンニードル210の斜視図である。図19に示されるように、ペンニードル210はハブ212を含み、ハブ212は、これから半径方向に延びる複数のボス216を有する。さらに、突起220は、ハブ212の患者端から軸方向に延び、患者ニードル224は突起220から軸方向に延びる。上記ペンニードル10と同様、隔壁貫通ニードルカニューレ228(図21に最良に示される)が、ハブ212内で軸方向に延び、ハブ212の非患者端上で延びる。ニードルカニューレ228は患者ニードル224と流体連通する。
【0047】
図20は、本発明の実施形態に従うニードルカバー232の斜視図である。図21に示されるように、ニードルカバー232は、ペンニードル210の突起220に選択的に係合し、患者ニードル224を保護すると共にそれのための無菌バリアを提供する。
【0048】
図22はハブカバー204の斜視図である。図22に示されるように、ハブカバー204は、ニードルカバー受容部236とハブカバー部分240とを含む。ハブカバー部分240は挿入部244を含む。後に詳述されるように、ニードルカバー受容部236はニードルカバー232を選択的に受け入れる。加えて、ハブ212の非患者端は、隔壁貫通ニードルカニューレ228を保護すると共にそれのための無菌バリアを提供すべく、ハブカバー部分240の挿入部244を受け入れる。
【0049】
一実施形態によれば、ニードルカバー232と突起220の間の境界およびハブカバー204とハブ212の非患者端との間の境界は、成形嵌合(form-fit)または締まり嵌め蛇行通路であり、これによってそれぞれの無菌バリアを提供する。
【0050】
図23は、ペンニードル210、ニードルカバー232、ハブカバー204および他のペンニードル210の組み合わせの斜視図である。ニードルカバー232とハブカバー204は、まとまって、ニードルカバー部分とハブカバー部分とを有するニードルカバーユニットまたはカバーを形成する。図23に示されるように、上方のペンニードル210はニードルカバー232に係合する。次いで、ハブカバー204のニードルカバー受容部236は、ニードルカバー232を受け入れ、ニードルカバー232とハブカバー204を結合する。さらに、下方のペンニードル210のハブ212の非患者端は、ハブカバー204のハブカバー部分240の挿入部244を受け入れる。このようにして、複数のペンニードル210、ニードルカバー232およびハブカバー204が、無菌態様で互いに接続されることができる。
【0051】
一実施形態によれば、図24に示されるように、複数のペンニードル210、ニードルカバー232およびハブカバー204が、上記の無菌態様で接続され、ケース200内に収納される。図24は、図18の線24−24に沿ったケース200の断面斜視図である。かかる形態において、ケース200が未使用のペンニードル210で一杯であるとき、セパレータ208がケース200の収納端210に向かって配置される。
【0052】
図25はセパレータ208の斜視図である。図25に示されるように、セパレータ208は、ニードルカバー受容部248とインジケータ部(表示部)252とを含む。インジケータ部252は複数の片持ち脚部256を含み、各脚部256は、その自由端に配置されたマーカーまたはインジケータ260を有する。後に詳述されるように、インジケータ260は、ケース200内に残っている未使用ペンニードル210の数を表示する。
【0053】
ケース200を使用するため、図26に示されるように、ユーザーは最初に、供給位置においてケース200の供給端206に配置されたペンニードル210から、ハブカバー204を取り外す。次に、図27と図28に示されるように、ユーザーはペン注射器(例えばペン注射器50)を、供給位置にあるペンニードル210に接続する。
【0054】
図28は、供給位置にあるペンニードル210に接続されたペン注射器50の部分斜視図である。説明目的のため、図28と図32において、ケース200は半透明であるとして示される。当業者が認識するように、ケース200は、本発明の範囲から逸脱することなく、半透明、透明または不透明であることができる。図28に示されるように、ケース200の内側面は、これに凹設された案内溝264を有する。案内溝264は、ケース200内でのハブ212のボス216の移動を案内し、それ故ケース200内でのペンニードル210の移動を案内する。当業者に理解されるように、各ボス216は、本発明の範囲から逸脱することなく、ケース200内で対応する案内溝264を有してもよい。それにもかかわらず、明確性と簡潔性のため、図28〜31は、単一の案内溝264を有する実施形態を示す。
図29〜31は、案内溝264の部分平面図であり、供給動作中のボス216の移動を示す。図28,29は、案内溝264の第1の軸方向部分268の頂部の供給位置におけるペンニードル210のボス216を示す。ボス216と、第1の軸方向部分268の頂部との間の摩擦が、図28,29に示される位置にボス216を維持し、一方ユーザーは、ハブ212の非患者端の中にペン注射器50をねじ込む。ペン注射器50とペンニードル210がしっかりと接続されると、しかしながら、ペン注射器50の追加の時計回りの回転(ケース200の頂部に対して)が、ケース200に対してハブ212を周方向に回転させる。図29,30に示されるように、この周方向のハブの回転は、ボス216を案内溝264の横方向部分272において周方向にスライドさせ、第1の軸方向部分268の頂部から、第2の軸方向部分276の底部へとスライドさせる。この位置から、ユーザーは、図31に示されるように、ケース200に対して軸方向にペン注射器50を引くことによって、ペンニードル210をケース200から取り外すことができる。
【0055】
教示目的のため、図32はケース200の実施形態を示し、これにおいて第2の案内溝264は第1の案内溝264の反対側に配置されている。図32は、図18の線24−24に沿ったケース200の断面斜視図である。図32に示されるように、第1の軸方向部分268は、横方向部分272から、実質的にケース200の残りの長さに亘って下方に延びる。
【0056】
ペンニードル210、ニードルカバー232およびハブカバー204が摩擦によって接続されるので、頂部のペンニードル210のケース200からの軸方向の取り外しは、自動的に、残りのハブカバー204、ペンニードル210およびニードルカバー232を、ケース200の供給端206に向けて軸方向に移動させる。この軸方向の移動は、案内溝264に配置されたそれぞれのボス216によって案内され、図33に示されるように、次のペンニードル210のボス216が、第1の軸方向部分268の頂部における供給位置に移動するまで、継続する。さらに、最後のペンニードル210のニードルカバー232が摩擦によってセパレータ208に接続されるので、軸方向の移動はセパレータ208も移動させる。
【0057】
その他、図34に示されるように、セパレータ208のインジケータ260は、ケース200の側部における穴またはディテント280を通じて延び、ケース200内に残っているペンニードルの数を示す。ケース200の供給端206に向かうセパレータ208の軸方向移動の間、インジケータ260の斜面(図25に最良に示される)は、ディテント280のエッジに押圧され、片持ち脚部256を反らせまたは弾性的に変形させ、インジケータ260をケース200内で引き摺らせる。(例えば図33に示されるように)次のペンニードル210のボス216が第1の軸方向部分268の頂部における供給位置に移動したとき、インジケータ260は、次のディテント280に整列し、片持ち脚部256の蓄積エネルギーのためそれを通って延びる。
【0058】
図示された実施形態において、最初に、ケース200内に収納された5つの未使用ペンニードル210がある。図34に示されるように、第1のペンニードル210がケース200から取り外された後、セパレータ208は、インジケータ260が数「4」に対応したディテントを通じて延びる位置に軸方向に移動し、これによって4つの未使用ペンニードルがケース200内に残存していることを示す。さらに、より詳細に後述されるように、インジケータ260が次のディテント280を通じて延びる位置にセパレータ208が軸方向に移動したとき、セパレータ208と、使用済みペンニードル210の収納のためのケース200の収納端210との間に、スペースが作られる。
【0059】
次のペンニードル210のボス216が、第1の軸方向部分268の頂部の供給位置に移動した後、図35に示されるように、ユーザーは、取り外されたペンニードル210のニードルカバー232と、ケース200の頂部に配置されたハブカバー204との間の摩擦抵抗に打ち勝つ。その後、ペン注射器50に接続されたペンニードル210を使用するため、ユーザーは、ニードルカバー232を突起220から取り外す。ペンニードル210をケース200から取り外している最中のハブカバー204、ペンニードル210、ニードルカバー232およびセパレータ208の上記の軸方向移動を確実にするため、各部品間の公差の階層において、ニードルカバー232と突起220の間の摩擦が最も大きい。ニードルカバー232が省略された他の実施形態では、各部品間の公差の階層において、突起220と次のハブカバー204との間の摩擦が最も大きい。
【0060】
図36,37に示されるように、ペンニードル210が使用されると、ユーザーは使用済みペンニードル210を、セパレータ208の軸方向移動によって作られたスペースにおいて、ケース200の収納端210に挿入する。また、使用済みペンニードル210のケース200内での向きが、未使用ペンニードル210のケース200内での向きと反対であることに留意すべきである。一実施形態によれば、図37に描かれている拡大斜視図に示されるように、ケース200の収納端210は、複数の挿入案内溝288を含む。挿入案内溝288は、使用済みペンニードル210のボス216の挿入を容易にし、使用済みペンニードル210の周方向の向きを確実にするよう、角度づけられている。例えば、挿入案内溝288は、傾斜状の漏斗であり、これにより使用済みペンニードル210の挿入中、使用済みペンニードル210を、ケース200の収納端210の中へと自己整列させる。
【0061】
さらに、図36〜38に示されるように、ケース200の収納端210は、複数の片持ち保持ユニットまたはつめ292をも含む。ユーザーがさらに使用済みペンニードル210を挿入するとき(図37と図38の間に示された動作)、ボス216は、つめ292のそれぞれの傾斜面296に係合し、つめ292の片持ち端部を、ケース200の外表面に対し半径方向に押し広げる(曲げるあるいは弾性的に変形させる)。傾斜面296はその内側部にフックを有し、ユーザーが使用済みペンニードル210をさらに挿入し、ボス216が傾斜面296上でフックを通過したとき、つめ292はその初期位置に戻る。この動作によって、フックは、ケース200の収納端210に向かうボスの軸方向端部に係合し、これにより、使用済みペンニードル210がケース200の収納端210から軸方向に外れるのを防止する。
【0062】
さらに、回転防止要素が、ケース200の両端に配設される。ケース200の供給端206において、案内溝264は、ペンニードル210の回転を防止し、ペン注射器50のペンニードル210への取り付けを可能とする。さらに、ケース200の収納端において、挿入案内溝288とつめ292は、使用済みペンニードル210の回転を防止し、ペン注射器50の使用済みペンニードル210からの取り外しを可能とする。ペン注射器50を使用済みペンニードル210から緩めた(螺合解除した)後、ユーザーは、ペン注射器50を、ケース200の収納端210から軸方向に引き抜く。
【0063】
簡潔のため図示しないが、ケース100と同様、ケース200は、その供給端および収納端をカバーするための端キャップを有してもよい。
【0064】
糖尿病患者のような患者が、ペン注射器(例えばペン注射器50)を使い、持ち運ぶことに慣れているので、本発明の実施形態の他の利点は、熟知した形態要因で未使用ペンニードルを供給し、使用済みペンニードルを収納するためのコンパクトで便利な装置を提供することにある。
【0065】
ペンニードル収納アセンブリに手動ロックが設けられることができ、これによりユーザーが、収納アセンブリを手動でロックし、それを安全に廃棄することを可能にする。
好ましくは、このようなロックは、最後のペンニードルが使われた後にのみ機能的になる。
【0066】
本発明の他の例示的実施形態において、最後に使用されたペンニードルのみが常にアクセス可能であり、これにより、緊急の場合に利用可能なペンニードルを提供する。このような実施形態において、他の使用済みペンニードルは、ケースの収納端の中にロックされ、もはやアクセスできない。
【0067】
本発明の少数の実施形態しか示されず、説明されなかったが、本発明は、説明された実施形態に限定されない。その代わりに、本発明の原理および思想から外れることなく、上記実施形態に変更がなされ得ることが当業者に認識されるであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲とその均等物によって画定される。
【符号の説明】
【0068】
10 ペンニードル
11 患者ニードル
20 ハブ
50 ペン注射器
80 カバー
84 ニードルカバー部分
88 ハブカバー部分
100 ケース
106 供給端
110 収納端
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年8月16日に出願された米国仮特許出願第61/344,538号および2010年8月16日に出願された米国仮特許出願第61/344,540号からの35USC§119(e)に基づく優先権を主張し、両出願の開示事項は全体が参照により本願に含まれる。
【0002】
本発明はペン注射装置用の複数のニードルに係り、特に、ペン注射装置用の複数のニードルを供給および収納するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
薬剤供給ペンが、正確に計量された量の薬剤の自己注射のために使用される。例えば、糖尿病患者によってインシュリンを自己注射するため、ペンが広く用いられる。典型的な薬剤供給ペンは、複数回の投与に十分な量の液状薬剤を収容するカートリッジを含む。ペン装置に取り付けられたペンニードルを使って、筋肉内組織層、皮下組織層、または皮内組織層などの組織領域に投与量が注射される。
【0004】
典型的なペン注射装置のアセンブリおよび作動は、共有譲渡された特許文献1に記載され、その全体は参照により本願に含まれる。
【0005】
図1および図2に示される例示的ペン注射器50のようなペン注射装置は、典型的に、投与ノブ/ボタン24、外側スリーブ13およびキャップ21を備える。投与ノブ/ボタン24は、注射されるべき薬剤の量をユーザーが設定することを可能にする。薬剤を注射するとき、外側スリーブ13はユーザーによって把持される。キャップ21は、シャツポケット、財布、または他の適当な場所にペン注射器50をしっかりと保持するため、ユーザーに利用される。
【0006】
図2は、図1に示された例示的薬物送出ペン50の分解図である。投与ノブ/ボタン24は、二つの目的を有し、注射されるべき薬剤の量を設定することと、投与量の薬剤を注射することとの両方のために使用される。投与量の薬剤の注射は、リードスクリュー7とストッパ15を介して薬剤カートリッジ12から行われる。薬剤カートリッジ12は下部ハウジング17を通じて薬送送出ペンに取り付けられる。薬剤カートリッジ12は、典型的に、一端が隔壁16でシールされ他端がストッパ15によってシールされるガラス管である。標準的な薬剤供給ペンにおいて、投与および送出機構は全て外側スリーブ13の中に見られる。これらの機構は、当業者に理解されているため、ここではより詳しく説明されない。
【0007】
ペンニードル10は、ハブ20、患者ニードル11および隔壁貫通ニードルカニューレ18を含む。患者ニードル11はその患者端から延び、隔壁貫通ニードルカニューレ18はその非患者側がハブ20の中に配置される。隔壁貫通ニードルカニューレ18は患者ニードル11と流体連通する。ハブ20は好ましくは下部ハウジング17にねじ止めされる。もっとも、薬剤カートリッジ12に直接取り付けるなどの他の取付手段が使用可能である。ハブ20の下部ハウジング17または薬剤カートリッジ12への取り付けにおいて、隔壁貫通カニューレ18は隔壁16を穿孔するが、隔壁16は薬剤カートリッジ12に対して移動しない。ストッパ15は、しかしながら、薬剤カートリッジ12の中で軸方向に移動し、その一方で液密シールを維持する。(リードスクリュー7の前進による)薬剤カートリッジ12内でのプランジャまたはストッパ15の遠位方向の移動は、ハブ20の患者ニードル11内に薬剤を押し込む。図示されたペンニードル10はペンニードルの一例である。
【0008】
ユーザー、またはペン注射器50を扱う者を保護するため、ハブ20に取り付けられた外側シールド29が、ハブ20をカバーする。外側シールド29も、ハブ20をペン注射器50にねじで脱着するためのハンドルまたはグリップとして用いられることができる。内側シールド28は、外側シールド29内で患者ニードル11をカバーする(覆う)。内側シールド28は、締まり嵌めまたはスナップ嵌合などのあらゆる適当な手段によって、患者ニードル11をカバーすべくハブ20に固定されることができる。外側シールド29と内側シールド28は使用前に取り外される。キャップ21は、外側スリーブ13にぴったりと嵌められ、ユーザーがペン注射装置50を安全に運ぶことを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,645,264号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ペンニードルは、通常、(外側シールド29のような)プラスチックカバーの内側に個々にパッケージされて販売される。これにおいて、ラベルがカバーの開口を覆い、無菌バリアを提供する。最近の市場調査は、使用後の使用済みペンニードルを収納するための何等かの手段を含む、多数ニードルパッケージ形態を消費者が好んでいることを示す。したがって、使用前および使用後の複数のペンニードルを収納する、ニードル供給および収納装置に対する要請が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
複数のペンニードルを収納するための装置を提供することが本発明の一態様である。特に、複数のペンニードルの使用前および使用後に、それらペンニードルを収納するための装置を提供することが本発明の一態様である。さらに、ペン注射装置と共に使用するペンニードルを供給するための装置を提供することが本発明の一態様である。
【0012】
本発明の上記および/または他の態様は、注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、複数のペンニードルおよび複数のニードルカバーユニットを供給および収納するための供給端および収納端を有するケースであり、それぞれのペンニードルが患者端と、注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有するケースを備える装置を提供することによって、達成される。一のペンニードルのニードルを覆うニードルカバー部分が、他のペンニードルのハブを覆うハブカバー部分に接続される。使用前、少なくとも、ペンニードルのハブを覆うハブカバー部分が、ケースの供給端にて外部に露出され、使用後、少なくとも、ペンニードルがケースの収納端に収納される。
【0013】
本発明の上記および/または他の態様は、注射装置用の複数のニードルカバーユニットおよび複数のペンニードルを供給および収納するための方法であって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有し、ペンニードルとニードルカバーユニットが、ケースの供給端において、ケースに対する第1の向きを有する方法を提供することによっても、達成される。方法は、ケースの供給端において、供給位置のペンニードルからニードルカバーユニットを取り外すステップと、ペンニードルのハブに注射装置を接続するステップと、ケースの収納端において、ニードルカバーユニットを、第1の向きと反対の第2の向きで挿入するステップと、ペンニードルをケースの収納端に第2の向きで挿入し、ペンニードルの患者端をニードルカバーユニットのニードルカバー部分で覆うステップと、を含む。
【0014】
本発明の上記および/または他の態様は、注射装置用の複数のニードルカバーユニットおよび複数のペンニードルを供給および収納するための方法であって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有する方法を提供することによっても、達成される。方法は、ケースの供給端において、供給位置のペンニードルから、ニードルカバーユニットのハブカバー部分を取り外すステップと、ペンニードルのハブに注射装置を接続するステップと、ペンニードルを取り外すステップであって、供給位置のペンニードルを取り外すことが、未使用のペンニードルおよびニードルカバーユニットをケースの供給端に向けて自動的に前進させるステップとを含む。
【0015】
本発明の上記および/または他の態様は、注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、複数のペンニードルおよび複数のニードルカバーユニットを供給および収納するための供給端および収納端を有するケースであり、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー端とハブを覆うためのハブカバー端とを有するケースを含む装置を提供することによっても、達成される。ペンニードルの注射装置への接続前に、ニードルカバーユニットがペンニードルのハブを覆い、ケースの収納端における収納中、ニードルカバーユニットがペンニードルの患者端を覆う。
【0016】
本発明の上記および/または他の態様は、注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、複数のペンニードルであって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有するペンニードルと、前記ペンニードルの患者端を覆うための複数のニードルカバーと、複数のハブカバーであって、それぞれのハブカバーが、ニードルカバーを受け入れるための第1端と、ハブを覆うための第2端とを有するハブカバーと、前記複数のペンニードルおよびニードルカバーを収納および供給するためのケースであって、供給端および収納端を有するケースと、を備える装置を提供することによっても、達成される。使用前、前記ハブカバーが供給位置において前記複数のペンニードルのうちの一つのハブを覆った状態で、ハブカバーが、前記ケースの供給端にて前記ケースの外部に露出される。露出されたハブカバーの取り外し後、前記供給位置のペンニードルを前記ケースから取り外すことが、残っているハブカバー、ペンニードルおよびニードルカバーを前記ケースの前記供給端に向けて自動的に移動させると共に、前記ケースの前記収納端において前記ケース内に、取り外されたペンニードルの挿入のためのスペースを作る。
【0017】
本発明の追加のおよび/または他の態様と利点は、以下の説明に部分的に記載され、部分的に、当該説明から明らかになり、また本発明の実施によって理解されるであろう。
【0018】
本発明の実施形態の上記および/または他の態様と利点は、添付図面と関連づけられた以下の詳細な説明から明らかになり、より容易に理解されるであろう。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、使用前および使用後の複数のペンニードルを収納する、ニードル供給および収納装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】典型的な薬剤供給ペンの斜視図である。
【図2】図1の典型的な薬剤供給ペンの分解図である。
【図3】本発明の実施形態に従うペンニードルとニードルカバーの斜視図である。
【図4】図3のペンニードルとニードルカバーの斜視図であり、ニードルカバーがペンニードルの患者端を覆うべく係合されている。
【図5】図3のペンニードルとニードルカバーの斜視図であり、ペンニードルの非患者端を覆う配置を示す。
【図6】図3のペンニードルとニードルカバーの斜視図であり、ニードルカバーがペンニードルの非患者端を覆うべく係合されている。
【図7】本発明の実施形態に従うケースの斜視図である。
【図8】図7のケースの供給端の斜視図である。
【図9】図7のケースの供給端端面図である。
【図10】図7のケースの前進部材の斜視図である。
【図11】図10の前進部材のプッシャーの斜視図である。
【図12】図10の前進部材のプッシャー頂部の底部の斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に従う、図7のケースと、図3の複数のペンニードルおよびニードルカバーとの透視図である。
【図14】図7のケースの作動を示す透視図である。
【図15】図7のケースの作動を示す透視図である。
【図16】図7のケースの作動を示す透視図である。
【図17】図7のケースの作動を示す透視図である。
【図18】本発明の他の実施形態に従うケースの斜視図である。
【図19】本発明の実施形態に従うペンニードルの斜視図である。
【図20】本発明の実施形態に従うニードルカバーの斜視図である。
【図21】図19のペンニードルと図20のニードルカバーの組み合わせの斜視図である。
【図22】本発明の実施形態に従うハブカバーの斜視図である。
【図23】図19のペンニードルと図20のニードルカバーと図22のハブカバーと図19の他のペンニードルとの組み合わせの斜視図である。
【図24】図18の線24−24に沿った図18のケースの断面斜視図である。
【図25】本発明の実施形態に従うセパレータの斜視図である。
【図26】図18のケースから取り外された図22のハブカバーの部分斜視図である。
【図27】図18のケースとペン注射器の部分斜視図である。
【図28】図18のケース内における図19のペンニードルに接続された図27のペン注射器の部分斜視図である。
【図29】図18のケースの案内溝の部分平面図である。
【図30】図18のケースの案内溝の部分平面図である。
【図31】図18のケースの案内溝の部分平面図である。
【図32】図18の線24−24に沿った図18のケースの断面斜視図であり、ケースにペンニードルが配置されていない。
【図33】図27のペン注射器と図19のペンニードルと図20のニードルカバーと図22のハブカバーと図19の他のペンニードルと図18のケースとの斜視図である。
【図34】図18のケースの部分斜視図である。
【図35】図22のハブカバーから図19のペンニードルと図20のカバーを取り外したときの部分斜視図である。
【図36】図18のケースの収納端に図19のペンニードルを挿入したときの部分斜視図である。
【図37】図18のケースの収納端に図19のペンニードルを挿入したときの部分斜視図である。
【図38】図18のケースの収納端に図19のペンニードルを挿入したときの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態への参照が詳細になされ、その例が添付図面に描かれている。全体を通して同様の参照符号が同様の要素を表す。図面を参照することにより、説明される実施形態が本発明を例示するが、本発明を限定しない。当業者に理解されるように、上、下、底、頂などの用語は相対的なものであり、図の理解を助けるために用いられるが、限定的ではない。
【0022】
上記のように、ペンニードル10はハブ20と患者ニードル11とを含む。ハブ20の非患者端内に配置された隔壁貫通ニードルカニューレ18は患者ニードル11に流体連通し、ハブ20の非患者端の内側は、ペン注射器(例えばペン注射器50)との接続のためのネジまたは他の要素を含む。本発明のこれらまたは他の典型的実施形態において、カニューレの患者端および非患者端の両方の無菌が維持される限り、ペンニードルは、上記要素の一以上を省略できる。例えば、典型的なペンニードルは、ハブとカニューレアセンブリのみを有するよう設けられることができる。
【0023】
図3は、本発明の実施形態に従う、ペンニードル10と、ニードルカバーユニットまたはカバーとの斜視図である。以下に詳述されるように、カバー80は、他の機能に加え、図2の内側シールドと置き換わる。図3に示されるように、ニードル10は、その非患者端に配置されたハブ20を含む。突起68がハブ20の患者端から延び、患者ニードル11が突起68から延びる。ハブ20の非患者端内に配置された隔壁貫通ニードルカニューレ18(図5に最良に示される)は、患者ニードル11と流体連通する。
【0024】
図3に示されるように、カバー80は、ニードルカバー部分84とハブカバー部分88とを含む。本実施形態において、ニードルカバー部分84とハブカバー部分88とは連結される。なぜならこれらは単一構造として一体的に形成されるからである。ニードルカバー部分84の内側の形状(図5に最良に見られる)は、突起68の形状に対応し、カバー80とペンニードル10の接続を容易にする。より具体的には、図4に示されるように、ペンニードル10に対するカバー80の第1の向きにおいて、ニードルカバー部分84は、突起68の周りに嵌合し且つ突起68に接続し、患者ニードル11を覆う。突起68とニードルカバー部分84との接続は、例えば締まり嵌めおよび/またはスナップ嵌合であってもよい。
【0025】
突起68とニードルカバー部分84の接続に類似して、図5に示されるように、ハブカバー部分88の外側形状は、ハブ20の内側形状に対応し、カバー80とペンニードル10の接続を容易にする。より具体的には、図6に示されるように、ペンニードル10に対するカバー80の第2の向きにおいて、ハブカバー部分88は、ハブ20の非患者端の中に嵌合し且つ非患者端に接続し、ハブ20と隔壁貫通ニードルカニューレ18を覆う。ハブカバー部分88とハブ20との接続は、例えば締まり嵌めおよび/またはスナップ嵌合であってもよい。
【0026】
ペンニードルの非患者側のハブ20にしっかりと接続されたカバー80のハブカバー部分88によって、ペンニードル10の非患者端に無菌バリアが形成される。同様に、ペンニードル10の患者端のための無菌バリアは、ニードルカバー部分84であり、これは、患者ニードル11上の内側シールドとして機能し、ハブ20の突起68に嵌合する。ペンニードル10の両端の無菌バリアは、好ましくは蛇行通路を含む。
【0027】
蛇行通路閉止体は、空気で運ばれる微生物に対するバリアとして画成されることができ、回旋状経路を製品に作ることによって形成される(例えば迷路状通路またはネジ状閉止体)。蛇行通路は気密でなく、水密でもない。これは、微生物による進入に対するバリアを提供し、流体による進入に対するバリアを提供しない。ルイ・パスゥール(Louis Pasteur)は、1861年に、蛇行通路閉止体の原理を発見した。彼は、白鳥の形をした蛇行ネックを有する無菌ガラスフラスコが、開放端を有していても、無菌を維持すると結論づけた。
【0028】
微生物が液体から出るとき、それは独力で移動できず、コーナーを曲がることができない。むしろ、大部分の微生物は、空中に浮遊し、大抵は浮遊塵埃上にある。これら塵埃上の微生物は、質量と運動量を有し、重力によって沈降する。それらは静電荷をも有し、分子内力および静電力によって表面に引き付けられる。微粒子運動の他のメカニズムはブラウン運動である。この静的気流における微粒子のランダムな運動は、微生物を表面に衝突させる。
【0029】
蛇行通路または迷路状囲い物により、気圧変化が、空気を、囲まれた容積に対し出入りさせる。空気がコーナーの周辺を移動するとき、微生物は表面に衝突し、微生物を空気から「フィルタリング」させる。通常の環境の圧力変化によって生じる低い空気速度によって、バクテリアは、それが付着していた場所に留まる傾向がある。これら蛇行通路閉止システムの無菌バリアは、製品無菌を破るべく微生物が行わなければならないであろう繰り返しの方向転換によって生ずる。多くの蛇行通路製品における小さな空気容積は、大気と交換される空気容積を減らすことによっても、有用である。
【0030】
図7は、本発明の実施形態に従うニードル供給および収納ケース100の斜視図である。図7に示されるように、ケース100は、メインボディまたは管104と、供給端キャップ108と、収納端キャップ112と、前進部材またはクリッカ120とを含む。管104は、クリッカ120が移動するスロット(長穴)122と、複数のディテント(移動止め)124とを含む。複数のディテント124は、スロット122に沿った不連続のポイントにてクリッカ120のための停止位置を提供する。供給端キャップ108は、管104の供給端106に配置され、供給端106を選択的にカバーする。同様に、収納端キャップ112は、管104の収納端110に配置され、収納端110を選択的にカバーする。換言すれば、管104は2つの端を有する:使用されていないペンニードルが使用のためにアクセスされる供給端106と、ペンニードルが使用後に収納されるためのスペースを有する反対側の収納端110とである。各端は、ペンニードル10への不意のアクセスを避けるためのカバー108、112を有する。以下に詳述されるように、これらカバー108、112は、ペンニードル10にアクセスすべく部分的に取り外され、しかしながら依然管104に保持されることができるような方法で、管104に取り付けられる。
【0031】
図7に示されるように、端キャップ108、112のそれぞれは、少なくとも一つのキャップ脚部128を有し、キャップ脚部128の遠位端にはキャップ足部132が配設されている。これに対応して、管104の供給端および収納端のそれぞれは、少なくとも一つのキャップ保持構造134を含む。端キャップ108、112のキャップ部分は、それぞれのキャップ脚部128に、非制限的例としてのリビングヒンジ(living hinge)により、ヒンジ状に接続される。
【0032】
管104の端に端キャップ(108あるいは112)を固定するため、ユーザーは、キャップ保持構造134を通じて、キャップ足部132とキャップ脚部128をスライドさせる。ユーザーが供給端キャップ108および/または収納端キャップ112をそれぞれの端から外すとき、盛り上がったキャップ脚部132は、キャップ保持構造136と関連して、キャップ108および/または112を管104に接続された状態に保ち、その一方でそれぞれの端へのアクセスを提供する。また、一実施形態によれば、端キャップ108,112の各ベース部は、管104の端に対応した形状を有し、例えば締まり嵌めまたはスナップフィットを提供する。
【0033】
他の実施形態(図14〜16に最良に示される) によれば、供給端キャップ108と収納端キャップ112は管104にヒンジ状に接続される。リビングヒンジが、供給端キャップ108と収納端キャップ112を管104に接続するために使われることができる。
【0034】
図8はケース104の供給端106の斜視図であり、図9はケース104の供給端106端面図である。図8,9に示されるように、ケース104の供給端106は、複数の回転防止/保持構造140を含む。ケース104の供給端106において、回転防止/保持構造140は、ペンニードル10のハブ20と協働し、ペンニードル10が供給位置にあるときのペンニードル10の回転を防止する。例えば、ペンニードル10が供給位置にあり、回転防止/保持構造140がハブ20に係合しているとき、回転防止/保持構造140は、ペンニードル10が回転するのを防止し、ユーザーがハブ20にペン注射器50(または薬剤カートリッジ12)を接続するのを許容する。この接続は、ペン注射器50(または薬剤カートリッジ12)をハブ20の中にねじ込むことによってなされる。ペン注射器50への接続中にペンニードル10の回転を阻止する一方、接続後、回転防止/保持構造140とペンニードル10との嵌合は、ユーザーが管104から、組み合わされたペン注射器50およびペンニードル10を軸方向に引き抜くのを可能にする。
【0035】
図示しないが、回転防止/保持構造140は同様に、管104の収納端110に配置され、ペン注射器50とペンニードル10の間の取り外しを容易にし、また使用されたペンニードル10を管104の収納端110に収納するのを容易にする。例えば、より詳細に後述されるように、所定のペンニードル10のハブ20が回転防止/保持構造140を超えて管104の収納端110に挿入されると、構造140は、使用されたペンニードル10が管104の収納端110から容易に取り外されるのを防止するバリアとして作用する。
【0036】
図10から図12は、本発明の実施形態に従う前進部材またはクリッカ120を示す。図10に示されるように、クリッカ120はプッシャ144とプッシャ頂部148とを含む。概して、プッシャ144は管104の中に配置され、プッシャ頂部148は管104の外部に配置される。より詳細に後述されるように、ユーザーは、未使用のニードルを管104の供給端106に向けて移動するため、プッシャ頂部148を動かす。
【0037】
プッシャ144は、供給端146と収納端150を有する。図11も示すように、プッシャ144は、その頂部から延びる片持ちアーム152を含み、片持ちアーム152は、その遠位端に配置されたディテント係合部材156を含む。使用において、ディテント係合部材156は、ディテント124に個々に係合し、クリッカ120がスロット122に沿って動くときにクリッカ120のための積極的なストッパを提供する。さらに、プッシャ144は、プッシャ頂部148のプッシャ144との結合を容易にするための係合部分160を含む。これに対応して、図12に示されるように、プッシャ頂部148は、ガイド168から延びる係合突起164を含む。係合突起164は、係合部分160に係合し、プッシャ頂部148とプッシャ144とを結合する。さらに、ガイド168は、スロット122内に乗り入れ、クリッカ120を管104に沿って案内し、管104に対するプッシャ頂部148の回転を防止する。
【0038】
図13は、本発明の実施形態に従うケース100、複数のペンニードル10およびニードルカバー80の斜視図である。図14〜17は、ニードル供給および収納ケース100の作動を示す斜視図である。図7〜9において、管104、供給端キャップ108および収納端キャップ112は不透明であるとして示される。しかし図示目的のため、図13〜17においては、管104、供給端キャップ108および収納端キャップ112が半透明であるとして示される。当業者に理解されるように、管、供給端キャップおよび収納端キャップは、本発明の範囲から逸脱することなく、半透明、透明または不透明であることができる。
【0039】
図13に示されるように、供給位置において管104の供給端106に配置された第1のペンニードル10は、ハブ20に接続されペンニードル10の非患者端をカバーする第1のカバー80を有する。また、第1のペンニードル10の患者端は、第2のカバー80’のニードルカバー部分84’に接続する。同様に、第2のカバー80’も、ハブカバー部分88’を介して、第2のペンニードル10’に接続する。さらに、第3のカバー80”が、第2のペンニードル10’と第3ペンのペンニードル10”の両方に接続する。ニードルカバー80とペンニードル10は同様に、クリッカ120に隣接した最後のカバー80”’が単一のペンニードル10”’のみに接続するまで、接続される。換言すれば、一つのペンニードル10の患者端をカバーするカバー80は、次のペンニードル10の非患者端のハブ20の係合要素に嵌る。
【0040】
ニードル供給および収納ケース100の使用のため、ユーザーは、クリッカを管104の供給端106に向かって動かすことによって、ペンニードル10が供給位置にあることを確実にする。異なって言うと、クリッカ120が最後のカバー80”’に隣接し接触するため、クリッカ120を管104の供給端106に向かって前進させることは、プッシャ144の供給端146上の全てのニードル10とニードルカバー80を、管104の供給端106に向けて前進させる。使用中、ユーザーがクリッカ120を管104の供給端106に向かって前進させると、それぞれの連なったカバー80とペンニードル10が供給位置に到達する度に、ディテント係合部材156がディテント124に嵌る。
【0041】
その後、図14に示されるように、ユーザーは供給端キャップ108を開き、カバー80を取り外し、これによってペンニードル10の非患者端を露出させる。次に、図15に示されるように、ユーザーはペン注射器(例えば、50)をペンニードル10の非患者端に接続し、ペンニードル10を、カバー80’との接続および管104から取り外す。
【0042】
注射を行って供給端キャップ108を閉じた後、図16に示されるように、ユーザーは収納端キャップ112を開き、使用済みのペンニードル10を収納する。任意であるが、ユーザーは、ハブカバー部分88を管104の供給端106に向かわせて、カバー80を管104の収納端110に挿入することができる。一実施形態によれば、カバー80のハブカバー部分88は、プッシャ144の収納端150に接続可能である。次に、ユーザーは、ペンニードル10を、管104の収納端110に挿入し、カバー80のニードルカバー部分84を回転防止/保持構造140に係合させ、ペンニードル10からペン注射器をゆるめて外す。その後、図17に示されるように、ユーザーは収納端キャップ112を閉じる。
さらなる使用のため、クリッカ120が次のディテント位置に移動され、次の未使用ペンニードル(例えば10’)を供給位置に押す。一実施形態によれば、ユーザーは、係合されているアセンブリを管104の収納端110に挿入する前に、ニードルカバー部分84をペンニードル10に係合させ、ハブ20を回転防止/保持構造140に係合させる。
【0043】
追加のペンニードル10が用いられたとき、クリッカ120を管104の供給端106に向けて動かし、既に収納された使用済みペンニードル10をさらに管104内に押し込むことにより作られたスペースにおいて、それらは管104の収納端110に挿入されることができる。結局、移動する未使用のペンニードル10に加え、クリッカ120は、使用済みと未使用のペンニードル10の間のセパレータとして機能する。クリッカ120がディテント124へと前進されるとき、クリッカ120は、未使用のペンニードルがどのくらい管104内に残っているかについての視覚的インジケータとしても機能する。
【0044】
一実施形態によれば、例えば図13に示されるように、第1のカバー80の取り外し前、管104はその収納端110に、ニードルカバーおよび/またはペンニードルを受け入れるためのスペースを有する。他の実施形態によれば、最初に、管104の収納端110にそのようなスペースが無く、クリッカ120を管104の供給端106に向けて動かすことにより、使用済みニードルカバーおよび/またはペンニードルのための収納スペースが管104内に作られる。
【0045】
本発明の実施形態の1つの利点は、無菌バリアを提供するためにペンニードル10のハブ20にラベルが必要とされないということである。この機能は隣接カバー80によって提供される。言い換えれば、カバー80は、一のペンニードル10の患者ニードル11に対する無菌バリアを提供すると共に、隣接ペンニードル10のハブ20に対する無菌バリアを提供する。なぜなら、カバー80は、一のペンニードル10の患者端に接続されると共に、隣接ペンニードル10のハブ20に接続されるからである。
図18は、本発明の他の実施形態に従うケース200の斜視図である。ケース200は、ペンニードルを供給するための供給端206と使用済みペンニードルを収納するための収納端210とを有する。図18に示されるように、ハブカバー204が、ケース200の供給端206に配置される。 さらに、より詳細に後述されるように、ケース200の収納端210に向かって、セパレータ208は、ケース200内に残っているペンニードルの数を示す。
【0046】
図19は本発明の実施形態に従うペンニードル210の斜視図である。図19に示されるように、ペンニードル210はハブ212を含み、ハブ212は、これから半径方向に延びる複数のボス216を有する。さらに、突起220は、ハブ212の患者端から軸方向に延び、患者ニードル224は突起220から軸方向に延びる。上記ペンニードル10と同様、隔壁貫通ニードルカニューレ228(図21に最良に示される)が、ハブ212内で軸方向に延び、ハブ212の非患者端上で延びる。ニードルカニューレ228は患者ニードル224と流体連通する。
【0047】
図20は、本発明の実施形態に従うニードルカバー232の斜視図である。図21に示されるように、ニードルカバー232は、ペンニードル210の突起220に選択的に係合し、患者ニードル224を保護すると共にそれのための無菌バリアを提供する。
【0048】
図22はハブカバー204の斜視図である。図22に示されるように、ハブカバー204は、ニードルカバー受容部236とハブカバー部分240とを含む。ハブカバー部分240は挿入部244を含む。後に詳述されるように、ニードルカバー受容部236はニードルカバー232を選択的に受け入れる。加えて、ハブ212の非患者端は、隔壁貫通ニードルカニューレ228を保護すると共にそれのための無菌バリアを提供すべく、ハブカバー部分240の挿入部244を受け入れる。
【0049】
一実施形態によれば、ニードルカバー232と突起220の間の境界およびハブカバー204とハブ212の非患者端との間の境界は、成形嵌合(form-fit)または締まり嵌め蛇行通路であり、これによってそれぞれの無菌バリアを提供する。
【0050】
図23は、ペンニードル210、ニードルカバー232、ハブカバー204および他のペンニードル210の組み合わせの斜視図である。ニードルカバー232とハブカバー204は、まとまって、ニードルカバー部分とハブカバー部分とを有するニードルカバーユニットまたはカバーを形成する。図23に示されるように、上方のペンニードル210はニードルカバー232に係合する。次いで、ハブカバー204のニードルカバー受容部236は、ニードルカバー232を受け入れ、ニードルカバー232とハブカバー204を結合する。さらに、下方のペンニードル210のハブ212の非患者端は、ハブカバー204のハブカバー部分240の挿入部244を受け入れる。このようにして、複数のペンニードル210、ニードルカバー232およびハブカバー204が、無菌態様で互いに接続されることができる。
【0051】
一実施形態によれば、図24に示されるように、複数のペンニードル210、ニードルカバー232およびハブカバー204が、上記の無菌態様で接続され、ケース200内に収納される。図24は、図18の線24−24に沿ったケース200の断面斜視図である。かかる形態において、ケース200が未使用のペンニードル210で一杯であるとき、セパレータ208がケース200の収納端210に向かって配置される。
【0052】
図25はセパレータ208の斜視図である。図25に示されるように、セパレータ208は、ニードルカバー受容部248とインジケータ部(表示部)252とを含む。インジケータ部252は複数の片持ち脚部256を含み、各脚部256は、その自由端に配置されたマーカーまたはインジケータ260を有する。後に詳述されるように、インジケータ260は、ケース200内に残っている未使用ペンニードル210の数を表示する。
【0053】
ケース200を使用するため、図26に示されるように、ユーザーは最初に、供給位置においてケース200の供給端206に配置されたペンニードル210から、ハブカバー204を取り外す。次に、図27と図28に示されるように、ユーザーはペン注射器(例えばペン注射器50)を、供給位置にあるペンニードル210に接続する。
【0054】
図28は、供給位置にあるペンニードル210に接続されたペン注射器50の部分斜視図である。説明目的のため、図28と図32において、ケース200は半透明であるとして示される。当業者が認識するように、ケース200は、本発明の範囲から逸脱することなく、半透明、透明または不透明であることができる。図28に示されるように、ケース200の内側面は、これに凹設された案内溝264を有する。案内溝264は、ケース200内でのハブ212のボス216の移動を案内し、それ故ケース200内でのペンニードル210の移動を案内する。当業者に理解されるように、各ボス216は、本発明の範囲から逸脱することなく、ケース200内で対応する案内溝264を有してもよい。それにもかかわらず、明確性と簡潔性のため、図28〜31は、単一の案内溝264を有する実施形態を示す。
図29〜31は、案内溝264の部分平面図であり、供給動作中のボス216の移動を示す。図28,29は、案内溝264の第1の軸方向部分268の頂部の供給位置におけるペンニードル210のボス216を示す。ボス216と、第1の軸方向部分268の頂部との間の摩擦が、図28,29に示される位置にボス216を維持し、一方ユーザーは、ハブ212の非患者端の中にペン注射器50をねじ込む。ペン注射器50とペンニードル210がしっかりと接続されると、しかしながら、ペン注射器50の追加の時計回りの回転(ケース200の頂部に対して)が、ケース200に対してハブ212を周方向に回転させる。図29,30に示されるように、この周方向のハブの回転は、ボス216を案内溝264の横方向部分272において周方向にスライドさせ、第1の軸方向部分268の頂部から、第2の軸方向部分276の底部へとスライドさせる。この位置から、ユーザーは、図31に示されるように、ケース200に対して軸方向にペン注射器50を引くことによって、ペンニードル210をケース200から取り外すことができる。
【0055】
教示目的のため、図32はケース200の実施形態を示し、これにおいて第2の案内溝264は第1の案内溝264の反対側に配置されている。図32は、図18の線24−24に沿ったケース200の断面斜視図である。図32に示されるように、第1の軸方向部分268は、横方向部分272から、実質的にケース200の残りの長さに亘って下方に延びる。
【0056】
ペンニードル210、ニードルカバー232およびハブカバー204が摩擦によって接続されるので、頂部のペンニードル210のケース200からの軸方向の取り外しは、自動的に、残りのハブカバー204、ペンニードル210およびニードルカバー232を、ケース200の供給端206に向けて軸方向に移動させる。この軸方向の移動は、案内溝264に配置されたそれぞれのボス216によって案内され、図33に示されるように、次のペンニードル210のボス216が、第1の軸方向部分268の頂部における供給位置に移動するまで、継続する。さらに、最後のペンニードル210のニードルカバー232が摩擦によってセパレータ208に接続されるので、軸方向の移動はセパレータ208も移動させる。
【0057】
その他、図34に示されるように、セパレータ208のインジケータ260は、ケース200の側部における穴またはディテント280を通じて延び、ケース200内に残っているペンニードルの数を示す。ケース200の供給端206に向かうセパレータ208の軸方向移動の間、インジケータ260の斜面(図25に最良に示される)は、ディテント280のエッジに押圧され、片持ち脚部256を反らせまたは弾性的に変形させ、インジケータ260をケース200内で引き摺らせる。(例えば図33に示されるように)次のペンニードル210のボス216が第1の軸方向部分268の頂部における供給位置に移動したとき、インジケータ260は、次のディテント280に整列し、片持ち脚部256の蓄積エネルギーのためそれを通って延びる。
【0058】
図示された実施形態において、最初に、ケース200内に収納された5つの未使用ペンニードル210がある。図34に示されるように、第1のペンニードル210がケース200から取り外された後、セパレータ208は、インジケータ260が数「4」に対応したディテントを通じて延びる位置に軸方向に移動し、これによって4つの未使用ペンニードルがケース200内に残存していることを示す。さらに、より詳細に後述されるように、インジケータ260が次のディテント280を通じて延びる位置にセパレータ208が軸方向に移動したとき、セパレータ208と、使用済みペンニードル210の収納のためのケース200の収納端210との間に、スペースが作られる。
【0059】
次のペンニードル210のボス216が、第1の軸方向部分268の頂部の供給位置に移動した後、図35に示されるように、ユーザーは、取り外されたペンニードル210のニードルカバー232と、ケース200の頂部に配置されたハブカバー204との間の摩擦抵抗に打ち勝つ。その後、ペン注射器50に接続されたペンニードル210を使用するため、ユーザーは、ニードルカバー232を突起220から取り外す。ペンニードル210をケース200から取り外している最中のハブカバー204、ペンニードル210、ニードルカバー232およびセパレータ208の上記の軸方向移動を確実にするため、各部品間の公差の階層において、ニードルカバー232と突起220の間の摩擦が最も大きい。ニードルカバー232が省略された他の実施形態では、各部品間の公差の階層において、突起220と次のハブカバー204との間の摩擦が最も大きい。
【0060】
図36,37に示されるように、ペンニードル210が使用されると、ユーザーは使用済みペンニードル210を、セパレータ208の軸方向移動によって作られたスペースにおいて、ケース200の収納端210に挿入する。また、使用済みペンニードル210のケース200内での向きが、未使用ペンニードル210のケース200内での向きと反対であることに留意すべきである。一実施形態によれば、図37に描かれている拡大斜視図に示されるように、ケース200の収納端210は、複数の挿入案内溝288を含む。挿入案内溝288は、使用済みペンニードル210のボス216の挿入を容易にし、使用済みペンニードル210の周方向の向きを確実にするよう、角度づけられている。例えば、挿入案内溝288は、傾斜状の漏斗であり、これにより使用済みペンニードル210の挿入中、使用済みペンニードル210を、ケース200の収納端210の中へと自己整列させる。
【0061】
さらに、図36〜38に示されるように、ケース200の収納端210は、複数の片持ち保持ユニットまたはつめ292をも含む。ユーザーがさらに使用済みペンニードル210を挿入するとき(図37と図38の間に示された動作)、ボス216は、つめ292のそれぞれの傾斜面296に係合し、つめ292の片持ち端部を、ケース200の外表面に対し半径方向に押し広げる(曲げるあるいは弾性的に変形させる)。傾斜面296はその内側部にフックを有し、ユーザーが使用済みペンニードル210をさらに挿入し、ボス216が傾斜面296上でフックを通過したとき、つめ292はその初期位置に戻る。この動作によって、フックは、ケース200の収納端210に向かうボスの軸方向端部に係合し、これにより、使用済みペンニードル210がケース200の収納端210から軸方向に外れるのを防止する。
【0062】
さらに、回転防止要素が、ケース200の両端に配設される。ケース200の供給端206において、案内溝264は、ペンニードル210の回転を防止し、ペン注射器50のペンニードル210への取り付けを可能とする。さらに、ケース200の収納端において、挿入案内溝288とつめ292は、使用済みペンニードル210の回転を防止し、ペン注射器50の使用済みペンニードル210からの取り外しを可能とする。ペン注射器50を使用済みペンニードル210から緩めた(螺合解除した)後、ユーザーは、ペン注射器50を、ケース200の収納端210から軸方向に引き抜く。
【0063】
簡潔のため図示しないが、ケース100と同様、ケース200は、その供給端および収納端をカバーするための端キャップを有してもよい。
【0064】
糖尿病患者のような患者が、ペン注射器(例えばペン注射器50)を使い、持ち運ぶことに慣れているので、本発明の実施形態の他の利点は、熟知した形態要因で未使用ペンニードルを供給し、使用済みペンニードルを収納するためのコンパクトで便利な装置を提供することにある。
【0065】
ペンニードル収納アセンブリに手動ロックが設けられることができ、これによりユーザーが、収納アセンブリを手動でロックし、それを安全に廃棄することを可能にする。
好ましくは、このようなロックは、最後のペンニードルが使われた後にのみ機能的になる。
【0066】
本発明の他の例示的実施形態において、最後に使用されたペンニードルのみが常にアクセス可能であり、これにより、緊急の場合に利用可能なペンニードルを提供する。このような実施形態において、他の使用済みペンニードルは、ケースの収納端の中にロックされ、もはやアクセスできない。
【0067】
本発明の少数の実施形態しか示されず、説明されなかったが、本発明は、説明された実施形態に限定されない。その代わりに、本発明の原理および思想から外れることなく、上記実施形態に変更がなされ得ることが当業者に認識されるであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲とその均等物によって画定される。
【符号の説明】
【0068】
10 ペンニードル
11 患者ニードル
20 ハブ
50 ペン注射器
80 カバー
84 ニードルカバー部分
88 ハブカバー部分
100 ケース
106 供給端
110 収納端
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、
複数のペンニードルおよび複数のニードルカバーユニットを供給および収納するための供給端および収納端を有するケースであって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有するケースを備え、
一のペンニードルのニードルを覆うニードルカバー部分が、他のペンニードルのハブを覆うハブカバー部分に接続され、
使用前、ペンニードルのハブを覆うニードルカバーユニットのハブカバー部分が、前記ケースの供給端にて外部に露出され、使用後、ペンニードルが前記ケースの収納端に収納される装置。
【請求項2】
前記ニードルカバーユニットの前記ハブカバー部分が、前記ニードルハブの内側に係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ケース内に移動可能に配置され、使用済みペンニードルと未使用ペンニードルとを仕切ると共に、未使用ペンニードルの残数の視覚的インジケータを提供するセパレータをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記セパレータが前進部材を含み、該前進部材は、前記ケースの外側に配置され、未使用ペンニードルを前記ケースの前記供給端に向けて前進させる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記前進部材が前記ケースの軌道内を移動し、前記軌道は、前記セパレータを所定距離だけ選択的に移動させるための複数のディテントを有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ニードルカバーユニットの前記ニードルカバー部分が前記ペンニードルの前記患者端を覆った状態で、前記ニードルカバーユニットも前記ケースの前記収納端に収納され、前記ニードルカバーユニットが前記セパレータに選択的に接続可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記ニードルカバーユニットの前記ニードルカバー部分が前記ペンニードルの前記患者端を覆った状態で、前記ニードルカバーユニットも前記ケースの前記収納端に収納される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
未使用のニードルカバーユニットとペンニードルとが前記ケースに対する第1の向きで収納され、使用済みのニードルカバーユニットとペンニードルとが前記第1の向きと反対の第2の向きで収納される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ケースが、前記供給端と前記収納端とを選択的に閉止する複数の端キャップを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ケースが、前記供給端と前記収納端とに、前記注射装置を前記ペンニードルに対し接続および接続解除するための回転防止/保持構造を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記回転防止/保持構造が、前記ケースと軸方向に整列し半径方向内側に突出する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ニードルカバーカバー部分と、前記ニードルカバーユニットの前記ハブカバー部分とが、互いに分離可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
供給位置において前記ペンニードルの前記ハブを覆っている前記ニードルカバーユニットの露出されたハブカバー部分を取り外した後、前記供給位置における前記ペンニードルの前記ケースからの取り外しが、残っている未使用のハブカバー部分、ペンニードルおよびニードルカバー部分を前記ケースの前記供給端に向けて自動的に移動させる、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ケース内に移動可能に配置され、使用済みペンニードルと未使用ペンニードルとを仕切ると共に、未使用ペンニードルの残数の視覚的インジケータを提供するセパレータをさらに備え、
残っているハブカバー部分、ペンニードルおよびニードルカバー部分の前記供給端に向かう自動的な移動が、取り外されたペンニードルに以前隣接していたペンニードルを前記供給位置に向けて移動させ、前記セパレータを前記供給端に向けて移動させ、前記収納端において前記ケース内に、取り外されたペンニードルの挿入のためのスペースを作る、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記セパレータが、最後の未使用ペンニードルのニードルカバーユニットのニードルカバー部分をしっかりと受け入れる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ケースが、その内側に案内溝を備え、前記ハブが、その外側に、前記案内溝内でスライド可能に移動するボスを備える、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記案内溝が、第1の軸方向部分と、前記供給端に配置された第2の軸方向部分と、前記第1および第2の軸方向部分を接続する横方向部分とを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ケースが、前記供給端に、前記注射装置を前記ペンニードルに接続するための回転防止/保持構造を備え、
前記供給端における前記回転防止/保持構造が前記案内溝を備える、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
一のペンニードルの前記ハブカバー部分が、他のペンニードルの前記ニードルカバーユニットの前記ニードルカバー部分をしっかりと受け入れる、請求項12に記載の装置。
【請求項20】
前記ケースが、前記収納端に、前記注射装置を前記ペンニードルから接続解除するための回転防止/保持構造を備え、
前記ハブがその外側にボスを備え、
前記収納端における前記回転防止/保持構造が、前記収納端に配置され前記ボスを案内し前記ペンニードルの回転を防止する挿入案内溝と、前記ペンニードルを前記収納端に保持する片持ち保持ユニットとを備える、請求項13に記載の装置。
【請求項21】
前記片持ち保持ユニットが傾斜面を備え、該傾斜面は、前記ペンニードルの前記収納端への挿入中に前記ボスが通過するとき、前記ボスによって変位され、
前記片持ち保持ユニットがフックをさらに備え、該フックは、前記ペンニードルの前記収納端への挿入中に前記ボスが前記フックを通過した後、前記ペンニードルを保持する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
注射装置用の複数のニードルカバーユニットおよび複数のペンニードルを供給および収納するための方法であって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有し、ペンニードルとニードルカバーユニットが、ケースの供給端において、ケースに対する第1の向きを有する方法であり、
ケースの供給端において、供給位置のペンニードルからニードルカバーユニットを取り外すステップと、
前記ペンニードルの前記ハブに前記注射装置を接続するステップと、
前記ケースの収納端において、前記ニードルカバーユニットを、前記第1の向きと反対の第2の向きで挿入するステップと、
前記ペンニードルを前記ケースの前記収納端に前記第2の向きで挿入し、前記ペンニードルの前記患者端を前記ニードルカバーユニットの前記ニードルカバー部分で覆うステップと、
を備える方法。
【請求項23】
注射装置用の複数のニードルカバーユニットおよび複数のペンニードルを供給および収納するための方法であって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有する方法であり、
ケースの供給端において、供給位置のペンニードルから、ニードルカバーユニットのハブカバー部分を取り外すステップと、
前記ペンニードルの前記ハブに前記注射装置を接続するステップと、
前記ペンニードルを取り外すステップであって、前記供給位置の前記ペンニードルを取り外すことが、未使用のペンニードルおよびニードルカバーユニットを前記ケースの供給端に向けて自動的に前進させるステップと、
を備える方法。
【請求項24】
前記供給位置のペンニードルを取り外すことが、セパレータをも前記供給端に向けて自動的に前進させ、前記セパレータが、前記ケースの内側容積を分割すると共に未使用ペンニードルの残数を表示する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ペンニードルを前記ケースの収納端に、前記第1の向きとは反対の第2の向きで挿入するステップをさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、
複数のペンニードルおよび複数のニードルカバーユニットを供給および収納するための供給端および収納端を有するケースであって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー端とハブを覆うためのハブカバー端とを有するケースを備え、
前記ペンニードルの前記注射装置への接続前に、ニードルカバーユニットがペンニードルのハブを覆い、前記ケースの前記収納端における収納中、前記ニードルカバーユニットが前記ペンニードルの前記患者端を覆う装置。
【請求項27】
注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、
複数のペンニードルであって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有するペンニードルと、
前記ペンニードルの患者端を覆うための複数のニードルカバーと、
複数のハブカバーであって、それぞれのハブカバーが、ニードルカバーを受け入れるための第1端と、ハブを覆うための第2端とを有するハブカバーと、
前記複数のペンニードルおよびニードルカバーを収納および供給するためのケースであって、供給端および収納端を有するケースと、
を備え、
使用前、前記ハブカバーが供給位置において前記複数のペンニードルのうちの一つのハブを覆った状態で、ハブカバーが、前記ケースの供給端にて前記ケースの外部に露出され、露出されたハブカバーの取り外し後、前記供給位置のペンニードルを前記ケースから取り外すことが、残っているハブカバー、ペンニードルおよびニードルカバーを前記ケースの前記供給端に向けて自動的に移動させると共に、前記ケースの前記収納端において前記ケース内に、取り外されたペンニードルの挿入のためのスペースを作る装置。
【請求項1】
注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、
複数のペンニードルおよび複数のニードルカバーユニットを供給および収納するための供給端および収納端を有するケースであって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有するケースを備え、
一のペンニードルのニードルを覆うニードルカバー部分が、他のペンニードルのハブを覆うハブカバー部分に接続され、
使用前、ペンニードルのハブを覆うニードルカバーユニットのハブカバー部分が、前記ケースの供給端にて外部に露出され、使用後、ペンニードルが前記ケースの収納端に収納される装置。
【請求項2】
前記ニードルカバーユニットの前記ハブカバー部分が、前記ニードルハブの内側に係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ケース内に移動可能に配置され、使用済みペンニードルと未使用ペンニードルとを仕切ると共に、未使用ペンニードルの残数の視覚的インジケータを提供するセパレータをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記セパレータが前進部材を含み、該前進部材は、前記ケースの外側に配置され、未使用ペンニードルを前記ケースの前記供給端に向けて前進させる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記前進部材が前記ケースの軌道内を移動し、前記軌道は、前記セパレータを所定距離だけ選択的に移動させるための複数のディテントを有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ニードルカバーユニットの前記ニードルカバー部分が前記ペンニードルの前記患者端を覆った状態で、前記ニードルカバーユニットも前記ケースの前記収納端に収納され、前記ニードルカバーユニットが前記セパレータに選択的に接続可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記ニードルカバーユニットの前記ニードルカバー部分が前記ペンニードルの前記患者端を覆った状態で、前記ニードルカバーユニットも前記ケースの前記収納端に収納される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
未使用のニードルカバーユニットとペンニードルとが前記ケースに対する第1の向きで収納され、使用済みのニードルカバーユニットとペンニードルとが前記第1の向きと反対の第2の向きで収納される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ケースが、前記供給端と前記収納端とを選択的に閉止する複数の端キャップを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ケースが、前記供給端と前記収納端とに、前記注射装置を前記ペンニードルに対し接続および接続解除するための回転防止/保持構造を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記回転防止/保持構造が、前記ケースと軸方向に整列し半径方向内側に突出する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ニードルカバーカバー部分と、前記ニードルカバーユニットの前記ハブカバー部分とが、互いに分離可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
供給位置において前記ペンニードルの前記ハブを覆っている前記ニードルカバーユニットの露出されたハブカバー部分を取り外した後、前記供給位置における前記ペンニードルの前記ケースからの取り外しが、残っている未使用のハブカバー部分、ペンニードルおよびニードルカバー部分を前記ケースの前記供給端に向けて自動的に移動させる、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ケース内に移動可能に配置され、使用済みペンニードルと未使用ペンニードルとを仕切ると共に、未使用ペンニードルの残数の視覚的インジケータを提供するセパレータをさらに備え、
残っているハブカバー部分、ペンニードルおよびニードルカバー部分の前記供給端に向かう自動的な移動が、取り外されたペンニードルに以前隣接していたペンニードルを前記供給位置に向けて移動させ、前記セパレータを前記供給端に向けて移動させ、前記収納端において前記ケース内に、取り外されたペンニードルの挿入のためのスペースを作る、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記セパレータが、最後の未使用ペンニードルのニードルカバーユニットのニードルカバー部分をしっかりと受け入れる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ケースが、その内側に案内溝を備え、前記ハブが、その外側に、前記案内溝内でスライド可能に移動するボスを備える、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記案内溝が、第1の軸方向部分と、前記供給端に配置された第2の軸方向部分と、前記第1および第2の軸方向部分を接続する横方向部分とを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ケースが、前記供給端に、前記注射装置を前記ペンニードルに接続するための回転防止/保持構造を備え、
前記供給端における前記回転防止/保持構造が前記案内溝を備える、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
一のペンニードルの前記ハブカバー部分が、他のペンニードルの前記ニードルカバーユニットの前記ニードルカバー部分をしっかりと受け入れる、請求項12に記載の装置。
【請求項20】
前記ケースが、前記収納端に、前記注射装置を前記ペンニードルから接続解除するための回転防止/保持構造を備え、
前記ハブがその外側にボスを備え、
前記収納端における前記回転防止/保持構造が、前記収納端に配置され前記ボスを案内し前記ペンニードルの回転を防止する挿入案内溝と、前記ペンニードルを前記収納端に保持する片持ち保持ユニットとを備える、請求項13に記載の装置。
【請求項21】
前記片持ち保持ユニットが傾斜面を備え、該傾斜面は、前記ペンニードルの前記収納端への挿入中に前記ボスが通過するとき、前記ボスによって変位され、
前記片持ち保持ユニットがフックをさらに備え、該フックは、前記ペンニードルの前記収納端への挿入中に前記ボスが前記フックを通過した後、前記ペンニードルを保持する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
注射装置用の複数のニードルカバーユニットおよび複数のペンニードルを供給および収納するための方法であって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有し、ペンニードルとニードルカバーユニットが、ケースの供給端において、ケースに対する第1の向きを有する方法であり、
ケースの供給端において、供給位置のペンニードルからニードルカバーユニットを取り外すステップと、
前記ペンニードルの前記ハブに前記注射装置を接続するステップと、
前記ケースの収納端において、前記ニードルカバーユニットを、前記第1の向きと反対の第2の向きで挿入するステップと、
前記ペンニードルを前記ケースの前記収納端に前記第2の向きで挿入し、前記ペンニードルの前記患者端を前記ニードルカバーユニットの前記ニードルカバー部分で覆うステップと、
を備える方法。
【請求項23】
注射装置用の複数のニードルカバーユニットおよび複数のペンニードルを供給および収納するための方法であって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー部分とハブを覆うためのハブカバー部分とを有する方法であり、
ケースの供給端において、供給位置のペンニードルから、ニードルカバーユニットのハブカバー部分を取り外すステップと、
前記ペンニードルの前記ハブに前記注射装置を接続するステップと、
前記ペンニードルを取り外すステップであって、前記供給位置の前記ペンニードルを取り外すことが、未使用のペンニードルおよびニードルカバーユニットを前記ケースの供給端に向けて自動的に前進させるステップと、
を備える方法。
【請求項24】
前記供給位置のペンニードルを取り外すことが、セパレータをも前記供給端に向けて自動的に前進させ、前記セパレータが、前記ケースの内側容積を分割すると共に未使用ペンニードルの残数を表示する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ペンニードルを前記ケースの収納端に、前記第1の向きとは反対の第2の向きで挿入するステップをさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、
複数のペンニードルおよび複数のニードルカバーユニットを供給および収納するための供給端および収納端を有するケースであって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有し、それぞれのニードルカバーユニットが、患者端を覆うためのニードルカバー端とハブを覆うためのハブカバー端とを有するケースを備え、
前記ペンニードルの前記注射装置への接続前に、ニードルカバーユニットがペンニードルのハブを覆い、前記ケースの前記収納端における収納中、前記ニードルカバーユニットが前記ペンニードルの前記患者端を覆う装置。
【請求項27】
注射装置用の複数のペンニードルを収納および供給するための装置であって、
複数のペンニードルであって、それぞれのペンニードルが患者端と、前記注射装置に接続するためのハブとを有するペンニードルと、
前記ペンニードルの患者端を覆うための複数のニードルカバーと、
複数のハブカバーであって、それぞれのハブカバーが、ニードルカバーを受け入れるための第1端と、ハブを覆うための第2端とを有するハブカバーと、
前記複数のペンニードルおよびニードルカバーを収納および供給するためのケースであって、供給端および収納端を有するケースと、
を備え、
使用前、前記ハブカバーが供給位置において前記複数のペンニードルのうちの一つのハブを覆った状態で、ハブカバーが、前記ケースの供給端にて前記ケースの外部に露出され、露出されたハブカバーの取り外し後、前記供給位置のペンニードルを前記ケースから取り外すことが、残っているハブカバー、ペンニードルおよびニードルカバーを前記ケースの前記供給端に向けて自動的に移動させると共に、前記ケースの前記収納端において前記ケース内に、取り外されたペンニードルの挿入のためのスペースを作る装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2012−40389(P2012−40389A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−177934(P2011−177934)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177934(P2011−177934)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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