説明

ページング方法、ロケーション更新方法、およびデバイス

システムページング中のシグナリングオーバーヘッドを減らし、システムページングリソースを節約することができるページング方法。本発明は、基地局が、TA(追跡区域)IDを伝送するページングメッセージを受信すること、そのページングメッセージの中のTA IDが、基地局のTA IDである場合、基地局が、端末装置にページングし、そのページングメッセージの中のTA IDが、基地局によって管理される中継局のTA IDである場合、基地局が、端末装置にページングするよう中継局に命令することを含む。やはり開示されるのが、ロケーション更新によってもたらされるシグナリング負荷を減らすことができるロケーション更新方法である。この方法は、中継局が、中継局のTA IDを含むシステムメッセージを生成すること、中継局が、そのシステムメッセージをブロードキャストし、さらにロケーション更新要求を開始するよう、中継局によって管理されるセルに入る端末装置を促すことを含む。また、本発明は、基地局、中継局、通信システム、および移動管理エンティティも開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関し、詳細には、ページング方法、ロケーション更新方法、およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
2006年に、ITU-R(ITU-Radiocommunication Sector、ITU無線通信セクタ)は、IMTアドバンスト(International Mobile Telecommunications-Advanced、国際モバイル電気通信アドバンスト)技術としてB3G(Beyond 3G、ビヨンド3G)技術と公式に命名された。一態様において、IMTアドバンストは、システム容量に関して高い要件を有する。別の態様において、そのような巨大な容量をサポートすることができる高帯域幅スペクトルは、一般に、高周波数帯域においてだけ見出すことができる。そのような高周波数のパス損失および侵入損失は、比較的大きく、良好なカバレッジを実施するのが困難である。IMTアドバンストの容量要件を満たすのに、3GPP(3rd Generation Mobile Group、第3世代モバイルグループ)によって提案されるLTEアドバンストシステムは、中継技術を、システム容量およびシステムカバレッジを向上させるための候補技術の1つとする。
【0003】
従来のネットワークにおいて、eノードB(eNodeB、eNB)とユーザ機器(User Equipment、UE)の間の無線接続は、直接無線接続、すなわち、単一ホップネットワークである。しかし、この中継技術において、eノードBによってユーザ機器に送信される無線信号を転送することを担う1つまたは複数の中継局(Relay)がeノードBとユーザ機器の間に追加される。1つのeノードBは、複数のセルにサービスを提供することが可能であり、異なるセルが、いくつかの規則に従って異なるTA(Tracking Area、追跡区域)に分類される。ユーザ機器は、新たなTAに移動するたびに、ユーザ機器の最新のロケーションをネットワーク側に報告して、ネットワーク側に対してロケーション更新要求を開始する。MME(Mobility Management Entity、移動管理エンティティ)が、ユーザ機器によって報告されたロケーション情報に従って各ユーザ機器に関するTAリストを保持する。ネットワーク側がユーザ機器にページングを行うたびに、MMEが、そのユーザ機器の現在のTAリストに従って、それらのTAに関連するすべてのeノードBを探し出し、これらのeノードBにページングメッセージを送信する。
【0004】
一態様において、eノードBは、eノードBの中継局についてのTA情報を獲得せず、ページングされたユーザ機器が、eノードBのセルにキャンプオンしているのか、eノードBの中継局のセルにキャンプオンしているのかを獲得することができない。したがって、eノードBは、eノードBのセルにページングすることを開始する際、eノードBのすべての中継局にページングメッセージを送信して、中継局が、指定されたユーザ機器にページングすることを開始するようにする。
【0005】
したがって、本発明の実施中、本発明者は、従来技術が以下の問題を有することを見出す。
【0006】
指定されたユーザ機器にページングするのに、ページングは、eノードBのセル、およびeノードBのすべての中継局のセルにおいて実行される必要があり、このことは、システムページングのシグナルオーバーヘッドを増加させ、システムページングリソースを浪費する。eノードBに関して、中継局は、ユーザ機器から中継局に至る無線リンクと、中継局からeノードBに至る無線リンクの2つに中継局のページングリソースを割り当てる必要があるため、中継局は、eノードBと比較して不十分なリソースしか有さない。したがって、ページングリソースの浪費の問題は、より深刻になる。
【0007】
別の態様において、中継局が、eノードBの或るセルに初めて移動した際、eノードBは、そのセルが属する追跡区域内でシステムメッセージをブロードキャストする。中継局は、中継局のセルにキャンプオンするすべてのユーザ機器にシステムメッセージを転送する。これらのユーザ機器は、中継局の範囲内でeノードBのセルにロードされ、したがって、一般に、これらのユーザ機器は、eノードBの追跡区域に初めてアクセスする。したがって、現在のプロトコルによれば、中継局のすべてのユーザ機器がロケーション更新を受ける。
【0008】
したがって、本発明の実施中、本発明者は、従来技術が以下の問題をさらに有することを見出す。
【0009】
非常に多くのユーザ機器が1つの移動中継局の範囲内に存在することが可能であり、すべてのユーザ機器が、短い時間内に無線インタフェースに多大なシグナリング負荷をもたらして、ロケーション更新を同時に受ける必要があり、このため、通常の音声通信およびデータ通信に影響を与える。移動中継局は、高速で移動している可能性があり、したがって、短い時間内に別のeノードBのセルのカバレッジに入る可能性がある。しかし、非常に多くのユーザ機器がロケーション更新を同時に、繰り返し受け、その結果、重大なシグナリング負荷を生じさせる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の或る実施形態は、システムページングのシグナリングを減らし、システムページングリソースを節約するページング方法を提供し、この方法は、
eノードBによる、追跡区域IDを伝送するページングメッセージを受信すること、
eノードBによる、そのページングメッセージの中の追跡区域IDがeノードBの追跡区域IDである場合、ユーザ機器にページングすること、および
eノードBによる、そのページングメッセージの中の追跡区域IDがeノードBの中継局の追跡区域IDである場合、ユーザ機器にページングするよう中継局に命令することを含む。
【0011】
本発明の或る実施形態は、ロケーション更新中にもたらされるシグナリング負荷を低減するロケーション更新方法をさらに提供し、この方法は、
中継局による、中継局の追跡区域IDを含むシステムメッセージを生成すること、および
中継局による、システムメッセージをブロードキャストし、さらにロケーション更新要求を開始するよう中継局のセル内のユーザ機器をトリガすることを含む。
【0012】
本発明の或る実施形態は、システムページングのシグナリングオーバーヘッドを減らし、システムページングリソースを節約するページング方法をさらに提供し、この方法は、
移動管理エンティティによる、ユーザ機器がキャンプオンしている中継局の追跡区域IDを伝送する、ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージを受信すること、
移動管理エンティティによる、追跡区域IDに応じてユーザ機器の追跡区域リストを更新すること、および
移動管理エンティティによる、ユーザ機器の追跡区域リストを伝送するページングメッセージを発行することを含む。
【0013】
本発明の或る実施形態は、システムのシグナリングオーバーヘッドを減らし、システムページングリソースを節約するeノードBをさらに提供し、このeノードBは、
追跡区域IDを伝送するページングメッセージを受信するように構成された受信モジュールと、
そのページングメッセージの中の追跡区域IDがeノードBの追跡区域IDである場合、ユーザ機器にページングするように構成され、さらにそのページングメッセージの中の追跡区域IDがeノードBの中継局の追跡区域IDである場合、ユーザ機器にページングするよう中継局に命令するように構成されたページングモジュールとを含む。
【0014】
本発明の或る実施形態は、ロケーション更新中にもたらされるシグナリング負荷を低減する中継局をさらに提供し、この中継局は、
中継局の追跡区域IDを伝送するシステムメッセージを生成するように構成された生成モジュールと、
システムメッセージをブロードキャストするように構成され、さらにロケーション更新要求を開始するよう中継局のセル内のユーザ機器をトリガするように構成されたブロードキャストモジュールとを含む。
【0015】
本発明の実施形態は、ロケーション更新中にもたらされるシグナリング負荷を低減する通信システムをさらに提供し、この通信システムは、前述の中継局を含み、さらに
中継局によって報告される中継局のIDおよび追跡区域IDを受信するように構成されたeノードBと、
ロケーション更新要求メッセージを送信するように構成されたユーザ機器とをさらに含む。
【0016】
この中継局は、ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージをeノードBに転送し、その転送されたロケーション更新要求メッセージに中継局のIDを追加するようにさらに構成される。
【0017】
本発明の実施形態は、システムページングのシグナリングオーバーヘッドを減らし、システムページングリソースを節約する移動管理エンティティをさらに提供し、この移動管理エンティティは、
中継局の追跡区域IDを伝送するユーザ機器のロケーション更新要求メッセージを受信するように構成された受信モジュールと、
その追跡区域IDに応じてユーザ機器の追跡区域リストを更新するように構成された更新モジュールとを含む。
【0018】
本発明の実施形態において、eノードBは、追跡区域IDを伝送するページングメッセージを受信し、eノードBは、そのページングメッセージの中の追跡区域IDがeノードBの追跡区域IDである場合、ユーザ機器にページングし、さらにeノードBは、そのページングの中の追跡区域IDがeノードBの中継局の追跡区域IDである場合、ユーザ機器にページングするよう中継局に命令する。このようにして、eノードBは、ユーザ機器がeノードBのセルにキャンプオンしているか、またはeノードBの中継局のセル内にキャンプオンしているかを獲得し、さらにユーザ機器に対して指向性ページングを実行する。eノードBとeノードBの中継局の両方がユーザ機器にページングする従来技術の技術的ソリューションと比べて、本発明において開示される技術的ソリューションは、システムページングのシグナリングオーバーヘッドを減らし、システムページングリソースを節約する。
【0019】
本発明の実施形態において、中継局は、中継局の追跡区域IDを伝送するシステムメッセージを生成し、中継局は、そのシステムメッセージをブロードキャストし、さらにロケーション更新要求を開始するよう中継局のセルにアクセスしているユーザ機器をトリガする。ユーザ機器が、中継局のセルにアクセスする際に、中継局によってブロードキャストされたeノードBの追跡区域IDを受信する従来技術の技術的ソリューションとは異なり、本発明において開示される技術的ソリューションは、中継局の移動性による多数のUEの同時の、頻繁なロケーション更新中にもたらされるシグナリング負荷を効果的に低減することが可能である。
【0020】
本発明の実施形態において、移動管理エンティティによって受信されるユーザ機器のロケーション更新要求メッセージは、ユーザ機器がキャンプオンしている中継局の追跡区域IDを伝送し、このことは、後に送られるページングメッセージの中で中継局の追跡区域IDを伝送することを円滑にし、したがって、eノードBは、ユーザ機器が現在、中継局のセルにキャンプオンしていることを獲得し、ユーザ機器に対して指向性ページングを実行する。eノードBと中継局の両方がユーザ機器にページングする従来技術の技術的ソリューションと比べて、本発明において開示される技術的ソリューションは、システムページングのシグナリングオーバーヘッドを減らし、システムページングリソースを節約する。
【0021】
本出願の一部分を形成するが、本発明を限定するようには構築されていない本明細書で説明される添付の図面は、本発明のさらなる理解を容易にするのに使用される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の或る実施形態により関与するネットワークシナリオを示す概略図である。
【図2】本発明の或る実施形態によるページング方法を示す流れ図である。
【図3】本発明の或る実施形態によるロケーション更新方法を示す流れ図である。
【図4】本発明の或る実施形態によるページング方法の或る特定の実施形態を示す流れ図である。
【図5】本発明の或る実施形態によるページング方法の或る特定の実施形態を示す流れ図である。
【図6】本発明の或る実施形態によるページング方法の或る特定の実施形態を示す流れ図である。
【図7】本発明の或る実施形態によるeノードBを示す概略構造図である。
【図8】本発明の或る実施形態による中継局を示す概略構造図である。
【図9】本発明の或る実施形態による通信システムを示す概略構造図である。
【図10】本発明の或る実施形態による移動管理エンティティを示す概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、技術的ソリューション、および利点をより明確にするのに、以下に、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。この場合、本発明の例示的な実施形態、および例示は、本発明を説明するために使用され、本発明の限定としては構築されていない。
【0024】
図1は、本発明の或る実施形態によるネットワークシナリオの概略図である。図1に示されるとおり、MMEは、ユーザ機器に対してページングを開始することを担うネットワーク上のネットワーク制御要素であり、MMEとeNBの間の既存のインタフェースは、S1-MMEである。LTE(Long Term Evolution、ロングタームエボリューション)ユーザ機器に関する後方互換性を満たすため、eノードBと元のLTEネットワークにおけるユーザ機器の間のインタフェース、すなわち、Uuが、中継局とユーザ機器の間のインタフェースとして再使用されることが可能である。中継局は、固定型であっても、移動型であってもよい。移動中継局は、列車やバスなどの交通車両内に設置されて、乗客に安定した、信頼性のある無線ネットワークを提供する。図1で、中継局_aおよび中継局_bは、2つの固定中継局であり、さらに中継局_cは、移動中継局である。eNBは、eノードBであり、前述の3つの中継局は、eNBを介してコアネットワークにアクセスする。
【0025】
図2に示されるとおり、本発明の或る実施形態によるページング方法のプロセスは、以下を含むことが可能である。
【0026】
ステップ201:eノードBが、追跡区域IDを伝送するページングメッセージを受信する。
【0027】
ステップ202a:そのページングメッセージの中の追跡区域IDがeノードBの追跡区域IDである場合、eノードBがユーザ機器にページングする。
【0028】
ステップ202b:そのページングメッセージの中の追跡区域IDがeノードBの中継局の追跡区域IDである場合、eノードBが、ユーザ機器にページングするよう中継局に命令する。
【0029】
図2に示されるプロセスから、eノードBは、ユーザ機器がユーザ機器がeノードBのセルにキャンプオンしているか、またはeノードBの中継局のセル内にキャンプオンしているかを獲得し、さらにユーザ機器に対して指向性ページングを実行することを見て取ることができる。eノードBと中継局の両方がユーザ機器にページングする従来技術の技術的ソリューションと比べて、本発明において開示される技術的ソリューションは、中継ネットワーク上のページングプロセスを明らかに最適化し、システムページングのシグナリングオーバーヘッドを減らし、さらにシステムページングリソースを節約する。
【0030】
ネットワーク側がユーザ機器にページングすると、MMLが、ユーザ機器の現在のTAリストに応じてTAに関連するすべてのeノードBを探し出し、これらのeノードBにページングメッセージを送信する。ユーザ機器のTAリストは、ユーザ機器によって報告されたロケーション情報に従ってMMEによって保持される。したがって、或る実施形態によれば、eノードBがページングメッセージを受信する前に、ページング方法は、以下をさらに含むことが可能である。すなわち、
【0031】
eノードBが、ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージを転送し、ユーザ機器がeノードBのセルにキャンプオンしている場合、そのロケーション更新要求メッセージの中の追跡区域IDは、eノードBの追跡区域IDであり、さらにユーザ機器が中継局のセルにキャンプオンしている場合、そのロケーション更新要求メッセージの中の追跡区域IDは、中継局の追跡区域IDである。
【0032】
eノードBが、ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージをMMEに転送した後、MMEが、そのロケーション更新要求メッセージの中で伝送される追跡区域IDに応じてユーザ機器の追跡区域リストを更新する。MMEが、ページングメッセージを配信する際、そのページングメッセージは、ユーザ機器のIDおよび追跡区域リストを伝送することが可能である。
【0033】
ユーザ機器が中継局のセルにキャンプオンしている場合、ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージは、中継局の追跡区域IDを伝送することが可能であることを前段で述べた。このロケーション更新要求メッセージは、ユーザ機器によって生成され、送信されて、さらに中継局およびeノードBによってMMEに転送される。したがって、中継局の追跡区域IDは、複数のモードでロケーション更新要求メッセージの中で伝送されることが可能である。例えば、中継局の追跡区域IDは、ユーザ機器によって中継局から獲得されて、ロケーション更新要求メッセージに追加される。別の例として、中継局の追跡区域IDは、中継局によってロケーション更新要求メッセージに追加される。さらに別の例として、中継局の追跡区域IDは、eノードBによって中継局から獲得されて、ロケーション更新要求メッセージに追加される。
【0034】
或る実施形態によれば、ユーザ機器が、中継局から追跡区域IDを獲得することは、ユーザ機器による、中継局のセルにアクセスした際に中継局によってブロードキャストされる中継局の追跡区域IDを受信することである可能性がある。従来技術において、ユーザ機器が中継局のセルにアクセスした際、中継局は、eノードBの追跡区域IDをブロードキャストすることを見て取ることができる。しかし、この実施形態によれば、中継局は、ユーザ機器が中継局のセルにアクセスした際、中継局の追跡区域IDをブロードキャストする。従来技術において、中継局の移動性により、中継局によってブロードキャストされるeノードBの追跡区域IDは、常に変わっており、ユーザ機器は、ロケーション更新要求を絶えず開始する。しかし、この実施形態によれば、中継局が移動しているものの、中継局によってブロードキャストされる中継局の追跡区域IDは、比較的変わらず、ユーザ機器によって開始されるロケーション更新要求の頻度が大幅に低下させられ、このことは、ロケーション更新中にもたらされるシグナリング負荷を効果的に低減する。
【0035】
図3に示されるとおり、本発明は、プロセスが以下を含むことが可能な、ロケーション更新方法をさらに提供することが可能である。
【0036】
ステップ301:中継局が、システムメッセージを生成し、このシステムメッセージは、中継局の追跡区域IDを含む。
【0037】
ステップ302:中継局が、システムメッセージをブロードキャストし、ロケーション更新要求を開始するよう中継局のセル内のユーザ機器をトリガする。
【0038】
従来技術と比較して、図3に示されるプロセスは、ユーザ機器が、中継局のセルにアクセスしている際、中継局によってブロードキャストされたeノードBの追跡区域IDを受信するプロセスとは異なる。図3に示されるプロセスを介して、中継局の移動性による多数のUEの同時のロケーション更新中にもたらされるシグナリング負荷を効果的に低減することが可能である。
【0039】
図3に示されるロケーション更新方法は、独立で使用されることも、図2に示されるページング方法と組合せで使用されることも可能である。ロケーション更新方法がページング方法と組合せで使用される場合、一態様では、中継ネットワーク上のページングプロセスが、最適化され、ページングネットワーク上のページングリソースの浪費が低減され、さらに別の態様では、追加された移動中継局によってもたらされるロケーション更新中に生じる重いシグナリング負荷の問題が防止される。
【0040】
eノードBが、ページングメッセージの中の追跡区域IDがeノードBの追跡区域IDであるか、またはeノードBの中継局の追跡区域IDであるかを決定することを容易にするのに、或る実施形態によれば、eノードBは、第1のマッピング関係を特定し、さらにその第1のマッピング関係に従って、ページングメッセージの中の追跡区域IDが、eノードBの追跡区域IDであるか、またはeノードBの中継局の追跡区域IDであるかを決定することが可能である。第1のマッピング関係は、eノードBの中継局と中継局の追跡区域の間のマッピング関係である。
【0041】
第1のマッピング関係は、簡便な決定のためにeノードBによって格納されることが可能であり、明確に、第1のマッピング関係は、別のデバイスによって格納されることも可能である。eノードBは、そのデバイスと通信して、決定機能を実施する。マッピング関係がeノードBによって格納される場合、eノードBは、中継局、および中継局の追跡区域についての関連する情報を獲得する必要がある。本発明の或る実施形態によれば、中継局がeノードBのセルに移動すると、中継局によって報告された中継局のID、および中継局の追跡区域IDを受信することが可能であり、その後、中継局の受信されたID、および中継局の追跡区域IDを第1のマッピング関係に記録する。
【0042】
第1のマッピング関係は、簡便なクエリのためにマッピングテーブルまたはマッピングデータベースの中に記録されることが可能である。
【0043】
以下に、或る例を用いて、前述の実施形態によるロケーション更新方法に関連するページング方法の特定の実施形態を説明する。図4は、この実施形態によるページング方法の流れ図である。この例において、中継局_cは、移動中継局であり、さらにUE_iが、移動中継局_cの下にある。UE_iに対するページングを完了するのに、プロセス全体は、以下を含む3つの段階に分けられることが可能である。
【0044】
段階1
【0045】
ステップ401:中継局_cが、eNBのセルに移動する。
【0046】
ステップ402:中継局_cが、eNBに制御_メッセージ_1を送信する。制御_メッセージ_1を使用して、中継局_cが、eNBに中継局のID、中継局_ID、および追跡区域ID、TA_cを報告する。
【0047】
ステップ403a〜b:eNBが、追跡区域と中継局の間のマッピングテーブルである、TA-中継局マッピングテーブルを格納する。このマッピングテーブルは、第1のマッピング関係を格納する。制御_メッセージ_1を受信した後、eNBはまず、このメッセージの中の情報に従ってTA-中継局マッピング関係を更新し、次に、S1-MMEインタフェースからMMEに制御メッセージ、例えば、ENB_構成_更新メッセージを送信する。このメッセージは、eNBのID、eNB_ID、および中継局_cの追跡区域ID、TA_cを含む。この制御メッセージを受信した後、MMEは、中継局_cがeNBのセルにキャンプオンしていることを獲得する。
【0048】
段階2
【0049】
ステップ404:或る特定のユーザ機器、UE_iが、中継局_cのセルにアクセスする。
【0050】
ステップ405:中継局_cが、システムメッセージを使用して、中継局_cのセル内で中継局_cのID、中継局_ID、および追跡区域ID、TA_cをブロードキャストする。
【0051】
ステップ406:中継局_cによってブロードキャストされたシステムメッセージを受信した後、UE_iは、中継局_cに制御メッセージ、追跡_区域_更新_要求(Tracking_Area_Update_Request)を送信して、ロケーション更新を開始する。追跡_区域_更新_要求メッセージは、既存の標準において定義される。これらの標準によれば、このメッセージは、ユーザ機器ID、UE_Id、および追跡区域ID、TA_cを含む。
【0052】
ステップ407:中継局_cは、このメッセージを受信した後、このメッセージを処理するのではなく、このメッセージをeNBに直接に転送する。
【0053】
ステップ408:中継局_cは、このメッセージを受信した後、このメッセージを処理するのではなく、このメッセージをMMEに直接に転送する。
【0054】
ステップ409:MMEは、各UEに関する追跡区域リストを保持する。UE_iによって送信された追跡_区域_更新_要求メッセージを受信した後、MMEは、追跡区域リスト、UE_i_の_TA_リストにTA_cを追加する。ネットワーク側から送信された追跡_区域_更新_要求メッセージに応答するすべての応答メッセージ、追跡_区域_応答は、図3では省略される。
【0055】
段階3
【0056】
ステップ410:MMEが、コアネットワークからUE_iのページングメッセージを受信する。
【0057】
ステップ411:MMEが、ページングメッセージをeNBに送信し、このページングメッセージは、UE_i IDであるUE_IDと、UE_iの追跡区域リストである、UE_i_のTA_リストとを含む。
【0058】
ステップ412:ページングメッセージを受信した後、eNBは、UE_i_のTA_リストの中でリストアップされる追跡区域IDに従って、TA-中継局マッピングテーブルにクエリを行う。
【0059】
ステップ413:UE_i_のTA_リストは、TA_cを含むだけであることが可能であり、eNBの追跡区域ID、およびeNBの中継局の追跡区域IDは含まない。したがって、eNBは、eNBのセル内のUE_iにページングする、またはUE_iにページングするようeNBの中継局をトリガするのではなく、中継局_cにこのページングメッセージを送信して、UE_iにページングするよう中継局cをトリガするだけであることが可能である。
【0060】
ステップ414:中継局_cが、UE_iにページングする。
【0061】
第1のマッピング関係は、eノードBの中継局と中継局の追跡区域の間のマッピング関係であることを前段で述べた。別の実施形態によれば、eノードBは、第2のマッピング関係を決定することも可能であり、さらに、第2のマッピング関係に従って、ページングメッセージの中の追跡区域IDが、eノードBの追跡区域IDであるか、またはeノードBの中継局の追跡区域IDであるかを決定することが可能である。第2のマッピング関係は、eノードBの中継局と、中継局の追跡区域と、中継局のセルにキャンプオンしているUEの間のマッピング関係である。
【0062】
明確に、第1のマッピング関係と同様に、第2のマッピング関係も、簡便な決定のためにeノードBによって格納されることが可能であり、明確に、第2のマッピング関係も、別のデバイスによって格納されることが可能である。eノードBは、そのデバイスと通信して、決定機能を実施する。マッピング関係がeノードBによって格納される場合、eノードBは、中継局、中継局の追跡区域、および中継局のセルにキャンプオンしているユーザ機器についての関連する情報を獲得する必要がある。本発明の或る実施形態によれば、中継局がeノードBのセルに移動すると、中継局によって報告された中継局のID、および中継局の追跡区域IDを受信することが可能であり、さらに、中継局の受信されたID、および中継局の追跡区域IDを第2のマッピング関係に記録する。
【0063】
また、第2のマッピング関係は、中継局のID、および中継局の追跡区域ID、ならびにロケーション更新要求メッセージの中のユーザ機器IDに従って、eノードBによって更新されることも可能である。実施の際、中継局のIDは、中継局によってロケーション更新要求メッセージに追加されることが可能である。
【0064】
明確に、第2のマッピング関係は、簡便なクエリのためにマッピングテーブルまたはマッピングデータベースの中に記録されることも可能である。
【0065】
以下に、或る例を用いて、前述の実施形態によるロケーション更新方法に関連するページング方法の実施形態を説明する。図5は、本実施形態によるページング方法の流れ図である。この実施形態において、中継局_aは、固定中継局であり、さらにUE_kが、移動中継局_aの下にある。UE_kに対するページングを完了するのに、プロセス全体はやはり、以下を含む異なる3つの段階に分けられることが可能である。以下に、図5に示される流れ図と、図4に示される流れ図の間の違いを主に説明する。
【0066】
段階1において、ステップ501および502で、中継局_aが、eNBに制御メッセージ、制御_メッセージ_1を自動的に送信し、この制御メッセージの定義および機能は、図4の制御_メッセージ_1の定義および機能と同一である。図4とは異なり、ステップ503aで、eNBは、追跡区域、ならびに追跡区域と、中継局と、ユーザ機器の間のTA-中継局-UEマッピングテーブルを内部に保持する。制御_メッセージ_1を受信した後、eNBは、中継局_aと別の追跡区域TA_aの間のマッピング関係をマッピングテーブルに追加する。この段階で、その後のメッセージ(ステップ503b)およびプロセスは、図4に示されるメッセージおよびプロセスと同一である。
【0067】
段階2において、ステップ504で、UE_kが、図4の場合と同様に、中継局_aのセルに移動する。ステップ505で、中継局_aが、中継局_aのセル内で中継局_aのIDおよび追跡区域IDをブロードキャストする。ステップ506で、中継局_aから、このブロードキャストされたメッセージを受信した後、UE_kは、制御メッセージ、追跡_区域_更新_要求を中継局_aに送信する。図4に示されるプロセスとは異なり、ステップ507で、中継局_aは、この制御メッセージを処理して、別の制御メッセージ、制御_メッセージ_2を生成する。追跡_区域_更新_要求と比べて、制御_メッセージ_2は、追加の1つのパラメータ、すなわち、中継局_aの中継局_IDを有する。ステップ508および509で、中継局_aが、制御_メッセージ_2を送信する。制御_メッセージ_2を受信した後、eNBは、制御_メッセージ_2の中に含められた情報に従ってTA-中継局-UEマッピングテーブルを更新し、さらにeNBは、UE_kが中継局_aのセルにキャンプオンしていることを獲得する。
【0068】
段階3において、図4に示されるプロセスと同様に、ステップ512で、ページングメッセージを受信した後、eNBは、TA-中継局-UEマッピングテーブルにクエリを行って、UE_kが中継局_aのセルにキャンプオンしていることを決定する。したがって、ステップ513で、eNBは、中継局_aにページングメッセージを直接に送信し、ステップ514が実行される。中継局_aが、中継局_aのセル内でUE_kにページングすることを開始する。
【0069】
或る実施形態によれば、中継局の再構築を低減するのに、ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージは、アクセスドメインメッセージであることが可能である。以下に、説明のために例を用いる。図5と比べて、図6に示されるページングプロセスは、段階2において図5のページングプロセスとは異なる。したがって、段階1および段階3は、図6において省略される。
【0070】
図6において、ステップ601で、UE_kが、中継局_aのセルに移動する。ステップ602で、UE_kが、中継局_aのシステムメッセージを受信する。しかし、ステップ603で、UE_kは、メッセージ、中継局_aに追跡_区域_更新_要求を送信するのではなく、新たに定義された制御メッセージ、制御_メッセージ_3を送信する。追跡_区域_更新_要求は、非アクセスドメインメッセージであり、したがって、図5で、中継局_aは、このメッセージを処理するのに大幅に再構築される必要がある。しかし、図6の制御_メッセージ_3は、アクセスドメインメッセージであり、中継局_aは、あまり再構築なしに、このメッセージを処理することが可能である。追跡_区域_更新_要求と同様に、制御_メッセージ_3は、UE_k IDと、追跡区域ID、TA_aとを含む。後続のステップ604〜606は、図5に示されるステップと同様である。
【0071】
本発明の実施形態は、マルチホップ中継ネットワークにさらに適用できることが可能であり、すなわち、図1の中継局には、別の中継局がさらにカスケード接続されることが可能である。この場合、技術的なキーポイントおよび保護ポイントはやはり、当てはまり、この説明におけるeノードBはやはり、中継局である。
【0072】
本発明のこれらの実施形態によるステップのすべて、または一部は、関係のあるハードウェアに命令するプログラムによって実施されることが可能であることを、当業者は理解することができる。それらのプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体の中に格納されることが可能である。それらのプログラムが実行されると、実施形態における方法のステップが実行される。この記憶媒体には、ROM(読取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、磁気ディスクもしくは光ディスクが含まれることが可能である。
【0073】
本発明の実施形態は、以下の実施形態において説明されるとおり、eノードB、中継局、および通信システムをさらに提供する。問題を解決する、これらのデバイスの原理は、ページング方法およびロケーション更新方法と同様である。したがって、これらのデバイスの実施形態に関して、それらの方法の実施形態を参照することができ、同様の内容を以下に再び説明することはしない。
【0074】
本発明の或る実施形態は、図7に構造が示されるeノードBを提供する。このeノードBは、
追跡区域IDを伝送するページングメッセージを受信するように構成された受信モジュール701と
ページングメッセージの中の追跡区域IDがeノードBのIDである場合、ユーザ機器にページングするように構成され、さらにページングメッセージの中の追跡区域IDがeノードBの中継局のIDである場合、ユーザ機器にページングするよう中継局に命令するように構成されたページングモジュール702とを含むことが可能である。
【0075】
或る実施形態によれば、図7に示されるeノードBは、
ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージを転送するように構成された転送モジュール703をさらに含むことが可能であり、ロケーション更新要求メッセージの中の追跡区域IDは、ユーザ機器がeノードBのセルにキャンプオンしている際のeノードBの追跡区域IDであり、さらにロケーション更新要求メッセージの中の追跡区域IDは、ユーザ機器が中継局のセルにキャンプオンしている際の中継局の追跡区域IDである。
【0076】
或る実施形態によれば、図7に示されるeノードBは、
eノードBの中継局と、中継局の追跡区域の間のマッピング関係である第1のマッピング関係、またはeノードBの中継局と、中継局の追跡区域と、中継局のセルにキャンプオンしているユーザ機器の間のマッピング関係である第2のマッピング関係を決定するように構成された第1の決定モジュール704と、
第1のマッピング関係または第2のマッピング関係に従って、ページングメッセージの中の追跡区域IDが、eノードBの追跡区域IDであるか、またはeノードBの中継局の追跡区域IDであるかを決定するように構成された第2の決定モジュール705とをさらに含むことが可能である。
【0077】
或る実施形態によれば、受信モジュール701は、中継局がeノードBのセルに移動した後、中継局によって報告された中継局のID、および中継局の追跡区域IDを受信するようにさらに構成される。図7に示されるeノードBは、中継局の受信されたID、および中継局の追跡区域IDを第1のマッピング関係または第2のマッピング関係の中に記録するように構成された記録モジュール706をさらに含むことが可能である。
【0078】
或る実施形態によれば、図7に示されるeノードBは、
中継局のID、および中継局の追跡区域ID、ならびにロケーション更新要求メッセージの中のユーザ機器IDに従って、第2のマッピング関係を更新するように構成された更新モジュール707をさらに含むことが可能であり、中継局のIDは、中継局によってロケーション更新要求メッセージに追加される。
【0079】
或る実施形態によれば、第1の決定モジュール704は、マッピングテーブルまたはマッピングデータベースにクエリを行うことによって、第1のマッピング関係または第2のマッピング関係を決定するようにさらに構成される。
【0080】
本発明の実施形態は、図8に構造が示される中継局をさらに提供する。中継局は、
中継局の追跡区域IDを伝送するシステムメッセージを生成するように構成された生成モジュール801と、
そのシステムメッセージをブロードキャストして、ロケーション更新要求を開始するよう中継局のセル内のユーザ機器をトリガするように構成されたブロードキャストモジュール802とを含むことが可能である。
【0081】
或る実施形態によれば、図8に示される中継局は、
中継局がeノードBのセルに移動すると、中継局によって報告された中継局のID、および中継局の追跡区域IDをeノードBに報告するように構成された報告モジュール803をさらに含むことが可能である。
【0082】
或る実施形態によれば、図8に示される中継局は、
ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージをeノードBに転送するように構成された転送モジュール804と、
転送モジュールによって転送されたロケーション更新要求メッセージに中継局のIDを追加するように構成された追加モジュール805とをさらに含むことが可能である。
【0083】
図9に示されるとおり、本発明の或る実施形態は、図8に示される中継局901を含む通信システムをさらに提供する。通信システムは、
中継局によって報告された中継局のID、および中継局の追跡区域IDを受信するように構成されたeノードB902をさらに含む。
【0084】
中継局901は、ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージをeノードBに転送し、さらにその転送されたロケーション更新要求メッセージに中継局のIDを追加するように構成される。
【0085】
図10に示されるとおり、本発明の或る実施形態によれば、移動管理エンティティが、
ユーザ機器の、ユーザ機器がキャンプオンしている中継局の追跡区域IDを伝送するロケーション更新要求メッセージを受信するように構成された受信モジュール1001と、
その追跡区域IDに従ってユーザ機器の追跡区域リストを更新するように構成された更新モジュール1002とを含むことが可能である。
【0086】
本発明のこれらの実施形態において、eノードBは、ページングメッセージを受信し、ページングメッセージは、追跡区域IDを伝送し、eノードBは、そのページングメッセージの中の追跡区域IDが、eノードBの追跡区域IDである場合、ユーザ機器にページングし、さらにeノードBは、ユーザ機器にページングするよう中継局に命令する。その結果、eノードBは、ユーザ機器が、eノードBのセルにキャンプオンしているか、またはeノードBの中継局のセル内にあるかを獲得し、次に、指向性ページングを実行する。eノードBと、eノードBの中継局の両方がユーザ機器にページングする従来技術の技術的ソリューションと比べて、本発明において開示される技術的ソリューションは、システムページングのシグナリングオーバーヘッドを減らし、システムページングリソースを節約する。
【0087】
本発明のこれらの実施形態において、中継局は、システムメッセージを生成し、このシステムメッセージは、中継局の追跡区域を伝送し、中継局は、このシステムメッセージをブロードキャストして、ロケーション更新要求を開始するように中継局のセルにアクセスしているユーザ機器をトリガする。ユーザ機器が、中継局のセルにアクセスする際、中継局によってブロードキャストされるeノードBの追跡区域IDを受信する技術的ソリューションとは異なり、本発明において開示される技術的ソリューションは、中継局の移動性による多数のUEの同時のロケーション更新によってもたらされるシグナリング負荷を効果的に低減することが可能である。
【0088】
本発明によるページング方法とロケーション更新方法は、組み合わされた仕方で使用されることが可能であり、このことは、一態様では、中継局の移動性による多数のUEの同時のロケーション更新によってもたらされるシグナリング負荷を効果的に低減し、さらに別の態様では、ロケーション更新の際にもたらされるシグナリング負荷と、システムページングの際にもたらされるシグナリング負荷の間の望ましいバランスを実現するように中継ネットワーク上のページングリソースの浪費を低減する。
【0089】
本発明のこれらの実施形態において、移動管理エンティティは、ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージを受信し、このロケーション更新要求メッセージは、ユーザ機器がキャンプオンしている中継局の追跡区域IDを伝送する。このことは、その後に発行されるページングメッセージの中で中継局の追跡区域IDを伝送することを円滑にして、eノードBが、ユーザ機器が中継局のセルにキャンプオンしていることを獲得し、次に、指向性ページングを実行するようにする。eノードBと中継局の両方がユーザ機器にページングする従来技術の技術的ソリューションと比べて、本発明において開示される技術的ソリューションは、システムページングのシグナリングオーバーヘッドを減らし、システムページングリソースを節約する。
【0090】
前述の特定の実施形態により、本発明の目的、技術的ソリューション、および有益な効果が、詳細にさらに説明される。前述の実施形態は、単に例示的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲の限定としては構築されていないことを理解されたい。本発明の原理を逸脱することなく行われるいずれの変形および均等の置換も、本発明の保護範囲に入るべきものとする。
【符号の説明】
【0091】
701 受信モジュール
702 ページングモジュール
703 転送モジュール
704 第1の決定モジュール
705 第2の決定モジュール
706 記録モジュール
707 更新モジュール
801 生成モジュール
802 ブロードキャストモジュール
803 報告モジュール
804 追加モジュール
805 転送モジュール
901 中継局
902 eノードB
1001 受信モジュール
1002 更新モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
eノードBによる、追跡区域IDを伝送するページングメッセージを受信するステップと、
前記eノードBによる、前記ページングメッセージの中の前記追跡区域IDが前記eノードBの前記追跡区域IDである場合、ユーザ機器にページングするステップと、
前記eノードBによる、前記ページングメッセージの中の前記追跡区域IDが前記eノードBの中継局の前記追跡区域IDである場合、前記ユーザ機器にページングするよう前記中継局に命令するステップとを備えるページング方法。
【請求項2】
前記eノードBがページングメッセージを受信する前に、
前記eノードBによる、前記ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージを転送するステップをさらに備え、前記ユーザ機器が前記eノードBのセルにキャンプオンしている場合、前記ロケーション更新要求メッセージの中の前記追跡区域IDは、前記eノードBの前記追跡区域IDであり、さらに前記ユーザ機器が前記中継局のセルにキャンプオンしている場合、前記ロケーション更新要求メッセージの中の前記追跡区域IDは、前記中継局の前記追跡区域IDである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロケーション更新要求メッセージは、アクセスドメインメッセージを備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ機器が前記中継局の前記セルにキャンプオンしている場合、前記中継局の前記追跡区域IDは、前記ユーザ機器によって前記中継局から獲得されて、前記ロケーション更新要求メッセージに追加され、または前記中継局によって前記ロケーション更新要求メッセージに追加され、または前記eノードBによって前記中継局から獲得されて、前記ロケーション更新要求メッセージに追加される請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ機器によって前記中継局の前記追跡区域IDが前記中継局から獲得されるステップは、前記ユーザ機器による、前記中継局の前記セルにアクセスした際に前記中継局によってブロードキャストされる前記中継局の前記追跡区域IDを受信するステップを備える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記eノードBによる、前記eノードBの前記中継局と前記中継局の前記追跡区域の間のマッピング関係である第1のマッピング関係、または前記eノードBの前記中継局と、前記中継局の前記追跡区域と、前記中継局のセルにキャンプオンしているユーザ機器の間のマッピング関係である第2のマッピング関係を決定するステップと、
前記eノードBによる、前記第1のマッピング関係または前記第2のマッピング関係に従って、前記ページングメッセージの中の前記追跡区域IDが、前記eノードBの前記追跡区域IDであるか、または前記eノードBの前記中継局の前記追跡区域IDであるかを決定するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ機器の前記ロケーション更新要求メッセージを転送する前に、
前記eノードBによる、前記eノードBの前記中継局が前記eノードBの前記セルに移動した後、前記中継局によって報告された前記中継局のID、および前記中継局の前記追跡区域IDを受信するステップと、
前記eノードBによる、前記中継局の前記受信されたID、および前記中継局の前記追跡区域IDを前記第1のマッピング関係または前記第2のマッピング関係の中に記録するステップとをさらに備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ機器の前記ロケーション更新要求メッセージを転送する前に、前記eノードBによる、前記中継局の前記ID、および前記中継局の前記追跡区域IDに従って前記第2のマッピング関係およびユーザ機器IDを更新するステップをさらに備え、前記中継局の前記IDは、前記中継局によって前記ロケーション更新要求メッセージに追加される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記eノードBが、前記第1のマッピング関係または前記第2のマッピング関係を決定するステップは、前記eノードBによる、マッピングテーブルまたはマッピングデータベースにクエリを行うことによって、前記第1のマッピング関係または前記第2のマッピング関係を決定するステップを備える請求項6に記載の方法。
【請求項10】
中継局による、前記中継局の追跡区域IDを伝送するシステムメッセージを生成するステップと、
前記中継局による、前記システムメッセージをブロードキャストして、ロケーション更新要求を開始するよう前記中継局のセル内のユーザ機器をトリガするステップとを備えるロケーション更新方法。
【請求項11】
前記中継局が前記システムメッセージを生成する前に、前記中継局による、前記中継局が前記eノードBのセルに移動した後、前記中継局の前記ID、および前記中継局の前記追跡区域IDをeノードBに報告するステップをさらに備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記中継局が前記システムメッセージをブロードキャストした後、
前記中継局による、前記ユーザ機器の前記ロケーション更新要求メッセージをeノードBに転送するステップと、
前記中継局による、前記中継局の前記IDを前記転送されるロケーション更新要求メッセージに追加するステップとをさらに備える請求項10に記載の方法。
【請求項13】
移動管理エンティティによる、ユーザ機器の、前記ユーザ機器がキャンプオンしている中継局の追跡区域IDを伝送するロケーション更新要求メッセージを受信するステップと、
前記移動管理エンティティによる、前記追跡区域IDに従って前記ユーザ機器の追跡区域リストを更新するステップと、
前記移動管理エンティティによる、前記ユーザ機器の前記追跡区域リストを伝送するページングメッセージを発行するステップとを備えるページング方法。
【請求項14】
追跡区域IDを伝送するページングメッセージを受信するように構成された受信モジュールと、
前記ページングメッセージの中の前記追跡区域IDがeノードBの前記追跡区域IDである場合、ユーザ機器にページングするように構成され、さらに前記ページングメッセージの中の前記追跡区域IDがeノードBの前記中継局の前記追跡区域IDである場合、前記ユーザ機器にページングするよう中継局に命令するように構成されたページングモジュールとを備えるeノードB。
【請求項15】
前記ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージを転送するように構成された転送モジュールをさらに備えるeノードBであって、
前記ロケーション更新要求メッセージの中の前記追跡区域IDは、前記ユーザ機器が前記eノードBのセルにキャンプオンしている際の前記eノードBの前記追跡区域IDであり、さらに前記ロケーション更新要求メッセージの中の前記追跡区域IDは、前記ユーザ機器が前記中継局のセルにキャンプオンしている際の前記中継局の前記追跡区域IDである請求項14に記載のeノードB。
【請求項16】
前記eノードBの前記中継局と、前記中継局の前記追跡区域の間のマッピング関係である第1のマッピング関係、または前記eノードBの前記中継局と、前記中継局の前記追跡区域と、前記中継局のセルにキャンプオンしているユーザ機器の間のマッピング関係である第2のマッピング関係を決定するように構成された第1の決定モジュールと、
前記第1のマッピング関係または前記第2のマッピング関係に従って、前記ページングメッセージの中の前記追跡区域IDが、前記eノードBの前記追跡区域IDであるか、または前記eノードBの前記中継局の前記追跡区域IDであるかを決定するように構成された第2の決定モジュールとをさらに備える請求項14に記載のeノードB。
【請求項17】
前記受信モジュールは、前記中継局が前記eノードBのセルに移動した後、前記中継局によって報告された前記中継局の前記ID、および前記中継局の前記追跡区域IDを受信するようにさらに構成されたeノードBであって、
前記中継局の前記受信されたID、および前記中継局の前記追跡区域IDを前記第1のマッピング関係または前記第2のマッピング関係の中に記録するように構成された記録モジュールをさらに備える請求項16に記載のeノードB。
【請求項18】
ロケーション更新要求メッセージの中の前記中継局の前記ID、および前記中継局の前記追跡区域ID、ならびにユーザ機器IDに従って、前記第2のマッピング関係を更新するように構成された更新モジュールをさらに備えるeノードBであって、
前記中継局の前記IDは、前記中継局によって前記ロケーション更新要求メッセージに追加される請求項17に記載のeノードB。
【請求項19】
前記第1の決定モジュールは、マッピングテーブルまたはマッピングデータベースにクエリを行うことによって、前記第1のマッピング関係または前記第2のマッピング関係を決定するようにさらに構成される請求項16に記載のeノードB。
【請求項20】
中継局の追跡区域IDを伝送するシステムメッセージを生成するように構成された生成モジュールと、
前記システムメッセージをブロードキャストするように構成され、さらにロケーション更新要求を開始するよう中継局のセル内のユーザ機器をトリガするように構成されたブロードキャストモジュールとを備える中継局。
【請求項21】
中継局がeノードBのセルに移動した後、中継局の前記ID、および中継局の前記追跡区域IDを前記eノードBに報告するように構成された報告モジュールをさらに備える請求項20に記載の中継局。
【請求項22】
前記ユーザ機器の前記ロケーション更新要求メッセージをeノードBに転送するように構成された転送モジュールと、
前記転送モジュールによって転送された前記ロケーション更新要求メッセージに中継局の前記IDを追加するように構成された追加モジュールとをさらに備える請求項20に記載の中継局。
【請求項23】
前記中継局によって報告された前記中継局の前記ID、および前記中継局の前記追跡区域IDを受信するように構成されたeノードBをさらに備える請求項20に記載の中継局を備える通信システムであって、
前記中継局は、ユーザ機器のロケーション更新要求メッセージを前記eノードBに転送し、さらに前記転送されたロケーション更新要求メッセージに前記中継局の前記IDを追加するように構成される通信システム。
【請求項24】
前記ユーザ機器がキャンプオンしている中継局の追跡区域IDを伝送するユーザ機器のロケーション更新要求メッセージを受信するように構成された受信モジュールと、
前記追跡区域IDに応じて前記ユーザ機器の追跡区域リストを更新するように構成された更新モジュールとを備える移動管理エンティティ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−525737(P2012−525737A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507571(P2012−507571)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【国際出願番号】PCT/CN2009/071541
【国際公開番号】WO2010/124458
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)
【Fターム(参考)】