説明

ホスフェート捕捉剤としてのアミン縮合重合体

重合体又はその生理的に許容し得る塩が開示される。本重合体は、重合された多官能性アミン単量体を含む。本アミン単量体は、少なくとも2つのアミン基、及び-CH2CH2-基を介して結合された少なくとも2つの非環式窒素原子を含み、ただし本アミン単量体は、エチレンジアミン又はジエチレントリアミンではないことを条件とする。開示した重合体は、このような治療を必要とする対象において陰イオンを結合するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2006年5月5日に出願された米国仮出願第60/797,966号の利益及び優先権を主張し、この全ての教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
高リン酸塩血症は、不適当な腎機能、副甲状腺機能低下症及び特定のその他の医学的状態と関連する疾患を頻繁に伴う。高リン酸塩血症は、典型的には約6mg/dL以上の血清ホスフェートレベルを有するとして定義される。本状態は、特に長期間にわたって存在する場合、カルシウム及びリン代謝の重篤な異常を引き起こして、関節、肺及び眼の異常な石灰化によって明らかとなり得る。
血清ホスフェートを減少させるための治療的努力には、透析、食餌ホスフェートの減少及び胃腸吸収を減少させるための不溶性リン酸結合剤の経口投与を含む。透析及び食餌ホスフェートの減少は、一般に、適切に高リン酸塩血症を逆転させることに成功しない。更に、これらの治療計画における難しさには、浸潤性の透析の性質及び後者の療法において食習慣を変更することが難しいことを含む。
【0003】
また、特定のリン酸結合剤の経口投与が示唆されてきた。リン酸結合剤には、カルシウム塩又はアルミニウム塩を含む。カルシウム塩は、腸管のホスフェートに結合して、吸収を妨げるために広く使用されてきた。摂取されたカルシウムは、ホスフェートと結合してCa3(PO4)2、CaHPO4又はCa(H2PO4)2などの不溶性リン酸カルシウム塩を形成する。炭酸カルシウム、酢酸塩(PhosLo(登録商標)酢酸カルシウム錠など)、クエン酸塩、アルギン酸塩及びケトン酸塩を含む種々のタイプのカルシウム塩が、ホスフェート結合のために利用されてきた。この種の治療は、摂取された高量のカルシウムの吸収により、一般に高カルシウム血症を生じる。高カルシウム血症は、心臓不整脈、腎不全、並びに皮膚及び臓器の石灰化などの多くの重大な副作用において示された。カルシウムに基づいたリン酸結合剤での療法の間には、血清カルシウムレベルの頻繁なモニタリングが必要であった。
また、Amphojel(登録商標)水酸化アルミニウムゲルなどのアルミニウムに基づいたリン酸結合剤は、高リン酸塩血症を治療するために使用されてきた。これらの化合物は、腸管ホスフェートと複合体を形成して高度に不溶性のリン酸アルミニウムを形成し;結合したホスフェートは、患者による吸収に利用できない。アルミニウムゲルの長期使用は、アルミニウムの蓄積を、並びにたいてい脳症、骨軟化症及び筋障害などの症候を伴うアルミニウム毒性を引き起こす。
【0004】
また、選択されたイオン交換樹脂が、ホスフェートを結合する際に使用するために示唆された。試験されたものには、XF 43311、XY 40013、XF 43254、XY 40011及びXY 40012などのクロライド形態のDowex(登録商標)陰イオン交換樹脂を含む。これらの樹脂は、高リン酸塩血症の治療に関していくつかの欠点を有し、該欠点には、不十分な結合効率、吸収されるホスフェートの有意な減少のために高投薬量を使用する必要があることを含む。
塩酸セベラマー(sevelamer hydrochloride)などの特定の陰イオン交換重合体(米国特許第5,667,775号にて開示されたとおり)は、上昇した血清ホスフェートレベルを低下させることができるホスフェート捕捉剤としての有効性が示されている。塩酸セベラマーは、そこからペンダント基を有する重合体を含み、該ペンダント基は、単一のアミノ基を有する。
同様の又はより好ましいホスフェート結合特性を有する新たな重合体を開発することが望まれるであろう。
【発明の開示】
【0005】
(発明の要旨)
陰イオン、典型的にはホスフェートに結合し、従ってこのような治療を必要とする対象から標的陰イオンを除去するために使用することができる新規の重合体が、本明細書に開示される。
本発明の一つの実施態様は、重合された多官能性アミン単量体を含む重合体又はその生理的に許容し得る塩(以下に「アミン単量体」)である。一つの実施態様において、アミン単量体は、少なくとも2つのアミン基、及び-CH2CH2-基を介して結合された少なくとも2つの非環式窒素原子を含み、ただしアミン単量体は、エチレンジアミン又はジエチレントリアミンではないことを条件とする。別の実施態様において、アミン単量体は、構造式(I)によって表される:
【化1】

(Cy)は、任意に置換されたC4-C10飽和又は不飽和の環状炭素であり;
zは、2、3又は4である。
【0006】
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。
それぞれのR1aは、独立してR1又は
【化2】

である。
「*」で示されたそれぞれの窒素原子は、任意にR1aで4級化されており;並びに、
それぞれのndは、独立して0又は整数2〜10であり、かつそれぞれのneは、整数2〜10である。
本発明の別の実施態様は、アミン含有反復単位(本明細書において「アミン反復単位」と称される)を含む重合体又はその生理的に許容し得る塩である。一つの実施態様において、アミン反復単位は、少なくとも2つのアミン基、及び-CH2CH2-基を介して結合された少なくとも2つの非環式窒素原子を含み、ただし反復単位は、-NHCH2CH2NH-、-NHCH2CH2NHCH2CH2NH-、-NHCH2CH2(N-)CH2CH2NH-又は-NHCH2CH2(N-)CH2CH2NH2ではないことを条件とする。
【0007】
別の実施態様において、アミン反復単位は、構造式(II)によって表される:
【化3】

重合体は、多官能性架橋基によって架橋される。
(Cy)は、任意に置換されたC4-C10飽和又は不飽和の環状炭素である。
zは、2、3又は4である。
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。
【0008】
Xによって表される基の2つ以上は、それぞれ前記重合体の別の原子に共有結合されており、かつ前記Xによって表される残りの基は、R1である。
「*」で示されたそれぞれの窒素原子は、任意にR1a又は
【化4】

で4級化されている。
それぞれのndは、独立して0又は整数2〜10であり、並びにそれぞれのneは、整数2〜10である。
【0009】
本発明の別の実施態様は、対象から標的陰イオンを除去するための方法である。本方法は、対象に本明細書に開示した重合体又はその生理的に許容し得る塩の有効量を投与することを含む。
本発明の別の実施態様は、医薬として許容し得る担体又は希釈剤;及び本明細書に開示した重合体又はその医薬として許容し得る塩を含む医薬組成物に向けられる。医薬組成物は、医学的療法のために使用される。
本発明の別の実施態様は、対象から標的陰イオンを除去するための医薬の製造のための、開示した重合体又はその生理的に許容し得る塩の使用である。
本発明の更に別の実施態様は、高リン酸塩血症に罹患している患者における血清ホスフェートを制御するための方法であって、患者に、本明細書に開示した重合体又はその生理的に許容し得る塩と医薬として許容し得る担体又は希釈剤とを含む医薬組成物を投与することを含む、前記方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(発明の詳細な記載)
本発明は、重合されたアミン単量体を含む重合体又はその生理的に許容し得る塩に向けられる。アミン単量体は、少なくとも2つのアミン基、及び-CH2CH2-基を介して結合された少なくとも2つの非環式窒素原子を含み、ただし、アミン単量体は、エチレンジアミン又はジエチレントリアミンではないことを条件とする。より具体的な実施態様において、アミン単量体は、少なくとも3つの窒素原子及びより典型的には少なくとも4つの窒素原子を含む。
具体的実施態様において、アミン単量体は、構造式(III)によって表される。
【化5】

構造式(III)の変数のための値及び好ましい値は、以下の6段落において定義してある。
【0011】
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。より好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
それぞれのR1aは、独立してR1又は
【化6】

である。好ましくは、それぞれのR1aは、R1である。
【0012】
R2は、R1a又は以下の構造式によって表される基である:
【化7】

より具体的な実施態様において、それぞれのR2は、R1aである。或いは、それぞれのR2は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲンで任意に置換されたアルキル基、若しくは-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシで任意に置換されたフェニル基である。
「*」で示されたそれぞれの窒素原子は、任意にR1aで4級化されている。
qは、0又は整数1〜10であり;r及びsは、0、1又は2であり、ただしr、s及びqの合計が1よりも大きいことを条件とする。
それぞれのnは、独立して、整数2〜10であり、ただし、少なくとも1つのnが2であることを条件とする。好ましくは、nは2である。
【0013】
より具体的な実施態様において、アミン単量体は、構造式(IV)-(VI)から選択される構造式によって表される:
【化8】

構造式(IV)-(VI)における変数は、構造式(III)において定義したとおりである。
【0014】
別の特定の実施態様において、アミン単量体は、構造式(VII)によって表される:
【化9】

構造式(VII)のための変数は、以下の5段落において定義してある。
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。より好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
【0015】
それぞれのR1aは、独立してR1又は
【化10】

である。好ましくは、それぞれのR1aは、R1である。
「*」で示されたそれぞれの窒素原子は、任意にR1aで4級化されている。
それぞれのrbは、0、1又は2である。
それぞれのnは、独立して整数2〜10であり、ただし少なくとも1つのnが2であることを条件とする。好ましくは、nは2である。
【0016】
より具体的な実施態様において、アミン単量体は、構造式(VIII)によって表される:
【化11】

構造式(VIII)の変数は、構造式(VII)に記述したとおりである。
別の具体的実施態様において、アミン単量体は、構造式(IX)によって表される:
【化12】

構造式(IX)の変数は、以下の5段落において定義してある。
【0017】
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。より好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
それぞれのR1aは、独立してR1又は
【化13】

である。好ましくは、それぞれのR1aは、R1である。
pは、1、2、3、又は4であり;それぞれのrbは、独立して0、1又は2であり、ただしpが1と同じである場合、rbは、1又は2であることを条件とする。
それぞれのmは、独立して0又は整数1〜10であり;並びに
それぞれのnは、独立して整数2〜10であり、ただし少なくとも1つのnは2であることを条件とする。好ましくは、nは2である。
【0018】
より具体的な実施態様において、アミン単量体は、構造式(X)によって表される:
【化14】

構造式(X)の変数は、構造式(IX)のために記述したとおりである。
別の具体的実施態様において、アミン単量体は、構造式(XI)によって表される:
【化15】

構造式(IX)の変数は、以下の6段落に記述してある。
【0019】
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。より好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
それぞれのR1aは、独立してR1又は
【化16】

である。
【0020】
それぞれのR3は、独立してH、
【化17】

、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。好ましくは、それぞれのR3は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
それぞれのtは、独立して0、1、2又は3である。
それぞれのnは、整数2〜10である。好ましくは、nは2である。
それぞれのncは、独立して、0又は整数1〜10である。
【0021】
より具体的な実施態様において、アミン単量体は、構造式(XII)によって表される:
【化18】

構造式(XII)の変数は、構造式(XI)について記述したとおりである。
適切なアミン単量体の具体例には、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N-boc-エチレンジアミン、トリス[(メチルアミノ)エチル]アミン及びN,N,N',N'-テトラキス(3-アミノプロピル)l,2-ジアミノエタンを含む。
【0022】
本発明の別の実施態様は、構造式(I)によって表される重合されたアミン単量体を含む重合体又はその生理的に許容し得る塩である:
【化19】

構造式(I)の変数のための値及び好ましい値は、以下の6段落に提供してある。
(Cy)は、C4-C10飽和又は不飽和の環状炭素である。好ましくは、(Cy)は、C1-C2アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン若しくはC1-C2アルコキシで任意に置換されたシクロヘキシル、又は-OH、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル若しくはハロアルコキシで任意に置換されたフェニルである。
zは、2、3又は4である。好ましくは、zは、3又は4である。
【0023】
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。より好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
それぞれのR1aは、独立してR1
【化20】

である。好ましくは、それぞれのR1aは、R1である。
【0024】
「*」で示された窒素原子は、任意にR1aで4級化されている。
それぞれのndは、0又は整数1〜10である。好ましくは、それぞれのndは、独立して整数1〜10である。それぞれのneは、整数2〜10である。
また、本発明は、アミン反復単位を含む重合体又はその生理的に許容し得る塩に向けられる。アミン反復単位は、少なくとも2つのアミン基、及び-CH2CH2-基を介して結合された少なくとも2つの非環式窒素原子を含み、ただし反復単位は、-NHCH2CH2NH-、-NHCH2CH2NHCH2CH2NH-、-NHCH2CH2(N-)CH2CH2NH-又は-NHCH2CH2(N-)CH2CH2NH2ではないことを条件とする。より具体的な実施態様において、反復単位は、少なくとも3つの窒素原子及びより典型的には少なくとも4つの窒素原子を含む。
【0025】
より具体的な実施態様において、アミン反復単位は、構造式(XIII)によって表される:
【化21】

構造式(XIII)の変数のための値及び好ましい値は、以下の6段落に提供してある。
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。より好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
Xによって表される基の2つ以上は、それぞれ重合体の別の原子に共有結合されており、かつXによって表される残りの基は、R1である。
【0026】
R2は、X又は以下の構造式によって表される:
【化22】

好ましくは、それぞれのR2は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。より好ましくは、それぞれのR2は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
「*」で示されたそれぞれの窒素原子は、任意にR1又は
【化23】

で4級化されている。
qは、0又は整数1〜10であり;r及びsは、0、1又は2であり、ただしr、s及びqの合計が1よりも大きいことを条件とする。
それぞれのnは、独立して、整数2〜10であり、ただし、少なくとも1つのnが2であることを条件とする。好ましくは、nは2である。
【0027】
より具体的な実施態様において、アミン反復単位は、構造式(XIV)-(XXVI)から選択される構造式によって表される:
【化24】

構造式(XIV)-(XVI)の変数のための値及び好ましい値は、構造式(XIIl)のために提供したとおりである。
別の具体的実施態様において、アミン反復単位は、構造式(XVII)によって表される:
【化25】

構造式(XVII)の変数のための値及び好ましい値は、以下の5段落に提供してある。
【0028】
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。より好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
Xによって表される基の2つ以上は、それぞれ重合体の別の原子に共有結合されており、かつXによって表される残りの基は、R1である。
それぞれのrbは、独立して0、1又は2である。
「*」で示されたそれぞれの窒素原子は、任意にR1又は
【化26】

で4級化されている。
それぞれのnは、独立して、整数2〜10であり、ただし、少なくとも1つのnが2であることを条件とする。好ましくは、nは2である。
【0029】
より具体的な実施態様において、アミン反復単位は、構造式(XVIII))によって表される:
【化27】

構造式XVIIIの変数のための値及び好ましい値は、構造式(XVII)のために提供したとおりである。
別の具体的実施態様において、アミン反復単位は、構造式(XIX)によって表される:
【化28】

構造式(XIX)の変数のための値及び好ましい値は、以下の5段落に提供してある。
【0030】
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。より好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
Xによって表される基の2つ以上は、それぞれ重合体の別の原子に共有結合されており、かつXによって表される残りの基は、R1である。
pは、0、1、2、3又は4であり;それぞれのrbは、独立して0、1又は2であり、ただし、pが1と同じである場合、rbは、1又は2であることを条件とする。
それぞれのmは、独立して0又は整数1〜10であり;並びに、
それぞれのnは、独立して整数2〜10であり、ただし少なくとも1つのnは、2であることを条件とする。好ましくは、nは2である。
【0031】
より具体的な実施態様において、アミン反復単位は、構造式(XX)によって表される:
【化29】

構造式(XX)の変数のための値及び好ましい値は、構造式(XIX)のために提供したとおりである。
別の具体的実施態様において、アミン反復単位は、構造式(XXI)によって表される:
【化30】

構造式(XXI)の変数のための値及び好ましい値は、以下の4段落に提供してある。
【0032】
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。より好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
Xによって表される基の2つ以上は、それぞれ重合体の別の原子に共有結合されており、かつXによって表される残りの基は、R1である。
それぞれのtは、独立して0、1、2又は3であり:並びに、
それぞれのncは、独立して、0又は整数1〜10である。
【0033】
より具体的な実施態様において、アミン反復単位は、構造式(XXII)によって表される:
【化31】

構造式(XXII)の変数のための値及び好ましい値は、構造式(XXI)のために提供したとおりである。
本発明の別の実施態様において、本発明の重合体は、構造式(II)によって表されるアミン反復単位を含む:
【化32】

構造式(II)によって表される重合された単量体のための値及び好ましい値は、以下の6段落に提供してある。
【0034】
(Cy)は、C4-C10飽和又は不飽和の環状炭素である。好ましくは、(Cy)は、C1-C2アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン又はC1-C2アルコキシで任意に置換されたシクロヘキシル、又は-OH、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル若しくはハロアルコキシで任意に置換されたフェニルである。
zは、2、3又は4である。好ましくは、zは、3又は4である。
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成する。
好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基である。より好ましくは、それぞれのR1は、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、該フェニル基及びピリジル基は、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている。
【0035】
Xによって表される基の2つ以上は、それぞれ重合体の別の原子に共有結合されており、かつXによって表される残りの基は、R1である。
「*」で示された窒素原子は、任意にR1a
【化33】

で4級化されている。
それぞれのndは、独立して0又は整数1〜10である。好ましくは、それぞれのndは、独立して整数1〜10である。それぞれのneは、独立して整数2〜10である。
【0036】
「多官能性アミン単量体」は、2つ以上のアミン基を含み、かつ単独で、又はその他の化合物と、重合体内に反復単位として組み込まれるように反応することができる化合物である。「重合された多官能性アミン単量体」は、単独で、又はその他の化合物と、重合体内に反復単位として組み込まれてしまうように反応した多官能性アミン単量体である。本明細書において「重合された多官能性アミン単量体」をいうときに、重合された多官能性アミン単量体は、単一の「重合」反応、一連の反応を経た個々の単量体の段階的付加、単量体のブロックの段階的付加、又は前述の任意の組み合わせを含むが、限定されない任意の適切な方法によって重合体に組み込まれることが理解されるはずである。上記の如く、「多官能性アミン単量体」及び「アミン単量体」という用語は、本明細書において同義的に使用される。
「反復単位」という用語は、重合体において複数回繰り返す又は現れる重合体の基を意味する。「アミン反復単位」は、1つ以上のアミン基、好ましくは二個以上のアミン基を含む反復単位である。
【0037】
開示した重合体には、重合された単量体の1つのタイプ(又は反復単位の1つのタイプ)を超えて含まないホモポリマーを含む。或いは、開示した重合体には、重合された単量体の2つの異なるタイプ(又は反復単位の2つの異なるタイプ)を含む共重合体を含む。重合された単量体の一方又は両方は、重合されたアミン単量体である(又は反復単位の一方又は両方が、アミン反復単位である)。好ましくは、重合されたアミン単量体の両方(又はアミン反復単位の両方)が、本明細書に記述されている。更に別の代わりに、開示された重合体は、重合された単量体の3つ以上の異なるタイプ(又は反復単位の3つ以上の異なるタイプ)を含む。
開示した重合体は、典型的には多官能性架橋基で架橋される。「多官能性架橋基」という用語は、重合体内の2つ以上の反復単位又は重合された単量体を結合する基を意味する。開示した重合体における多官能性架橋基は、典型的には重合されたアミン単量体又はアミン反復単位内の窒素原子に共有結合される。一つの選択肢において、開示した重合体は、架橋基の1つのタイプのみを含む。或いは、開示した重合体は、2つ以上の異なる架橋基を含む。
【0038】
開示された重合体における、重合されたアミン単量体の重合された架橋剤に対する比は、典型的には約1:1〜約1:6である。例えば、比は、約1:1〜約1:2、約1:1〜約1:3、約1:1〜約1:4、約1:1〜約1:5、約1:2〜約1:3、約1:2〜約1:4、約1:2〜約1:5、約1:2〜約1:6、約1:3〜約1:4、約1:3〜約1:5、約1:3〜約1:6、約1:4〜約1:5、約1:4〜約1:6又は約1:5〜約1:6であることができる。
開示した重合体における多官能性架橋基は、典型的には、反応して、窒素原子と共有結合を形成することができる2つ以上の求電子性基を含む多官能性架橋剤から形成される。適切な求電子性基の例には、ハライド、エポキシド、アクリラート、アリールスルホナート及びアルキルスルホナートを含む。本明細書に開示したアミン単量体と多官能性架橋剤の反応により、開示した重合体を形成することができる。そのアミン単量体との反応後に残っている多官能性架橋剤の部分は、架橋基を形成し、また「架橋剤の残基」とも呼ばれる。例えば-(CH2)6-は、架橋剤1,6-ジブロモヘキサンから形成される架橋基であり、また1,6-ジブロモヘキサンの残基である。
適切なタイプの架橋剤の例には、ジハロアルカン、ハロアルキルオキシラン、アルキルオキシランスルホナート、ジ(ハロアルキル)アミン、トリ(ハロアルキル)アミン、ジエポキシド、トリエポキシド、テトラエポキシド、ビス(ハロメチル)ベンゼン、トリ(ハロメチル)ベンゼン)及びテトラ(ハロメチル)ベンゼンを含む。
【0039】
架橋剤の具体例には、以下を含む:エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン(ヨードメチル)オキシラン、グリシジルトシラート、グリシジル3-ニトロベンゼンスルホナート、4-トシルオキシ-1,2-エポキシブタン、ブロモ-1,2-エポキシブタン、1,2-ジブロモエタン、1-ブロモ-2-クロロエタン、1,3-ジブロモプロパン、ビス(2-クロロエチル)アミン、トリス(2-クロロエチル)アミン及びビス(2-クロロエチル)メチルアミン、1,3-ブタジエンジエポキシド、1,5-ヘキサジエンジエポキシド、ジグリシジルエーテル、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,2,9,10-ジエポキシデカン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、1,3-ジグリシジルグリセリルエーテル、N,N-ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ビス(グリシジルオキシ)ベンゼン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、l,3-ビス-(2,3-エポキシプロピルオキシ)-2-(2,3-ジヒドロキシプロピルオキシ)プロパン、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、2,2'-ビス(グリシジルオキシ)ジフェニルメタン、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1.4-ビス(2',3'-エポキシプロピル)パーフルオロ-n-ブタン、2,6-ジ(オキシラン-2-イルメチル)-l .2.3.5.6,7-ヘキサヒドロピロロ[3,4-f]イソインドール-1,3,5,7-テトラオン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチル5-ヒドロキシ-6,8-ジ(オキシラン-2-イルメチル)-4-オキソ-4h-クロメン-2-カルボキシラート、ビス[4-(2,3-エポキシ-プロピルチオ)フェニル]-スルフィド、1,3-ビス(3-グリジドキシプロピル)テトラテトラメチルジオキサン、9,9-ビス[4-(グリシジルオキシ)フェニル]フルオレン、トリエポキシイソシアヌラート、グリセロールトリグリシジルエーテル、N,N-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、イソシアヌル酸(S,S,S)-トリグリシジルエステルイソシアヌル酸(R,R,R)-トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌラート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシラートトリグリシジルエーテル、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテル、3,7,14-トリス[[3-(エポキシプロポキシ)プロピル]ジメチルシリルオキシ]-1,3,5,7,9,11,14-ヘプタシクロペンチルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、4,4-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)、ビス(ハロメチル)ベンゼン、ビス(ハロメチル)ビフェニル及びビス(ハロメチル)ナフタレン。
【0040】
開示した重合体には、エピクロロヒドリン、1,2-ジブロモエタン、1-ブロモ-2-クロロエタン、1,3-ジブロモプロパン、塩酸ビス(2-クロロエチル)アミン、塩酸メクロレタミン又は塩酸トリス(2-クロレチル)アミンで架橋された、重合されたトリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N-boc-エチレンジアミン、トリス[(メチルアミノ)エチル]アミン及びN,N,N',N'-テトラキス(3-アミノプロピル)1,2-ジアミノエタンを含むものを含む。
開示した重合体において、重合されたアミン単量体(又はアミン反復単位)から重合体の残りへの結合の平均数は、典型的には2.05を超え、より一般には約2〜約6の範囲である。例えば、約2〜約2.5、約2.05〜約3、2.05〜約4、約2.05〜約5、約2.5〜約3、約2.5〜約4、約2.5〜約5、約2.5〜約6、約3〜約4、約3〜約5、約3〜約6、約4〜約5、約4〜約6、約5〜約6の範囲であることができる。重合体内の別の原子に対して共有結合する構造式(XIII)-(XXII)におけるそれぞれの「X」基は、「結合」である。重合体における結合の平均数は、重合されたアミン単量体(又は反復単位)の総数あたりの結合の総数である。「結合」は、典型的には、重合されたアミン単量体(又はアミン反復単位)から架橋基に対する。例えば、「X」基が重合体の別の原子に結合するときは、結合は、典型的には架橋基に対する。
【0041】
開示した重合体の分子量は、重合体が胃腸管によって容易に吸収されないほど分子量が十分に大きいことを条件として、重要であるとは考えられない。典型的には、分子量は、少なくとも1000である。例えば、分子量は、約1000〜約5,000,000、約1000〜約3,000,000、約1000〜約2,000,000又は約1000〜約1,000,000であることができる。しかし、架橋重合体は、一般に分子量によって特徴づけられることはない。
開示した重合体の生理的に許容し得る塩も、本発明の範囲内に包含される。「生理的に許容し得る」は、薬学的使用のために適していることを意味する。任意の開示したホスフェート結合重合体に関して使用される「塩」という用語は、重合体の塩形態へのプロトン化いう。例えば、開示した重合体内の窒素を有する官能基のいくつか又は全部は、プロトン化して、負に荷電した対イオンと結合した正に荷電した窒素原子を生じるであろう。一つの実施態様において、開示した重合体のアミン基の約50%未満、例えば20%未満又は10%未満などの30%未満がプロトン化される。別の実施態様において、アミンの35%〜45%(例えば、およそ40%)がプロトン化される。
【0042】
開示した重合体の「生理的に許容し得る塩」は、無機酸及び有機酸を含む生理的に許容し得る酸から調製される。負に荷電した対イオンは、有機イオン、無機イオン又はこれらの組み合わせであることができる。本発明の実施態様で使用するために適した無機イオンは、ハロゲン化物(特に、塩化物)、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、重硫酸塩、水酸化物、硝酸塩、過硫酸塩及び亜硫酸塩を含む。適切な有機イオンには、アセテート、アスコルバート、ベンゾアート、シトラート、クエン酸ニ水素、クエン酸水素、オキサラート、スクシナート、タートラート、タウロコラート、グリココラート及びコラートを含む。プロトン化された重合体には、任意に二種類以上の異なる負に荷電した対イオンを含むことができる。
本明細書に使用される「任意に4級化された」という用語は、示されたアミン基が、示された第4級基に任意に結合して、対応する正に荷電したアンモニウム基を生じるであろうことを示す。アンモニウム基は、上記の通り、生理的に許容し得る対イオンと結合する。適切な対イオンは、生理的に許容し得る塩に関して上に提供したとおりである。
【0043】
「非環式窒素原子」は、ヘテロアリール基又は複素環基の環原子でない窒素原子である。
「アミン又はアミン基」という用語には、一級、二級及び三級アミン、並びに第四級アミン(アンモニウム基)を含む。
本明細書に使用される「アルキル基又はアルキル」は、飽和直鎖又は分枝又は環状の炭化水素である。環状炭化水素は、本明細書において、「脂環式基」とも称される。典型的には直鎖又は分枝基は、1〜10炭素又はより典型的には、1〜5炭素を有する。環状アルキル基は、典型的には3〜8環炭素原子を有する。アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソ-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル,その他を含むが、限定されない。アルキル基は、それぞれの位置について、独立して選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0044】
「アリール基」は、「アリール」、「アリール環」、「芳香族基」及び「芳香環」という用語と同義的に使用してもよい。アリール基には、典型的に6〜14環炭素原子(例えば、フェニル、ナフチル及びアントラシル基)をもつ、炭素環式芳香族基を含む。また、アリール基には、典型的には窒素、酸素及び硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5〜14環原子を有するヘテロアリール基を含む。ヘテロアリール基は、炭素環式芳香環又はヘテロアリール環が1つ以上のその他のヘテロアリール環に融合された単環式又は融合された多環芳香族環系であることができる。ヘテロアリール基の例には、フラニル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、チアゾリル、トリアゾニル、テトラゾリル、チエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル又はベンズイソキサゾリルを含む。好ましくは、アリール基は、フェニル基である。
【0045】
「複素環基」は、3〜12環原子を有する非芳香族一環又は二環基である。環原子のうちの1、2又は3つは、酸素、窒素又は硫黄から選択されるヘテロ原子である。そのうちの1つ又は2つが酸素、窒素又は硫黄である3〜8環原子をもつ単環の環が、より一般に使用される。例には、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、チアゾリジニル及びオキサゾリニジルを含む。
「環状炭素」は、環原子が全て炭素である環である。
任意に置換されたアルキル、複素環式又はアリール基は、重合体のホスフェート結合能力に有意に悪影響を与えない1つ以上の置換基を有していてもよい。適切な置換基には、アミノ、アルキルアミノ,ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ又はハロアルキルを含む。好ましい置換基には、C1-C3アルキル基、C1-C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、ハロ、C1-C3アルコキシ、又はC1-C3ハロアルコキシを含む。
【0046】
開示した重合体は、このような治療を必要とする対象から標的陰イオンを除去するために使用することができる。「標的陰イオン」は、対象において高いレベルにて存在し、かつ病的状態若しくは疾患を生じさせ、又は寄与する陰イオンである。標的陰イオンの例には、ホスフェート、胆汁酸、オキサラート及び脂肪酸を含む。
開示した重合体は、一般に高ホスフェートレベルである対象を治療するために使用される。高ホスフェートレベルである対象には、高リン酸塩血症、末期腎疾患、慢性腎疾患、甲状腺機能亢進症、リン酸塩による過剰投薬、末端肥大症、カルシトリオールの腎合成の抑制、腎不全、低カルシウム血症、低カルシウム血症によるテタニー、軟部組織における異所性石灰化、並びに横紋筋融解症及び悪性腫瘍の治療の間に生じる急性組織破壊であるものを含む。
【0047】
本明細書に使用される「対象」は、哺乳類、好ましくはヒトであるが、またコンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ、その他)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、その他)又は実験動物(例えば。ラット、マウス、モルモット、その他)などの獣医学的治療を必要とする動物であることができる。
また、開示した重合体は、上昇したホスフェートレベルを有する対象における血清ホスフェートを制御するために使用される。
本明細書に使用される「血清ホスフェートを制御すること」とは、正常又は正常近くのレベルに向けて、例えば健康者の正常レベルの10%以内にあるレベルに向けて、ホスフェートの血清レベルを変化させることを意味する。
本明細書に使用される「患者」は、対象、典型的にはヒト対象である。
【0048】
開示した重合体の「有効量」は、標的陰イオンの血清レベルを減少させる量である。或いは、開示した重合体の「有効量」は、関連疾患と関連した症候の予防又は減少を生じる量などの、治療される特定の状態に対して治療的及び/又は予防的効果を達成するために十分な量である。個体に投与される開示した重合体の正確な量は、疾患のタイプ及び重症度に、並びに一般的な健康、年齢、性、体重及び薬物に対する寛容性などの個体の特徴に依存するであろう。当業者であれば、これら及びその他の因子に応じて、適切な投薬量を決定することができるであろう。本発明範囲の重合体の典型的な投薬量は、約5ミリグラム/日〜約10グラム/日、好ましくは約50ミリグラム/日〜約9グラム/日、より好ましくは約1グラム/日〜約8グラム/日、更により好ましくは約2グラム〜約7グラム、最も好ましくは約4グラム/日〜約6グラム/日にわたる。これらの投薬量は、数回/日(例えば、2、3、4又は5回/日)又は1回/日投与することができる。開示した重合体は、例えば好ましくは食事の前か後に、1日あたり少なくとも4回、食事の前か後に、1日あたり少なくとも3回、食事の前か後に、1日あたり少なくとも2回、食事の前か後に、1日あたり少なくとも1回投与することができる。一つの具体例において、約0.8〜7.2g(例えば、1日あたり2〜3回のために用量あたり2.4g若しくは3.2g、又は1日あたり2〜3回のために用量あたり4.0若しくは4.8g、又は1日あたり1回のために用量あたり7.2若しくは8.0若しくは8.8若しくは9.6g)の開示した重合体が投与される。
【0049】
典型的には、開示した重合体は、食事の前か後に、又は食事と共に投与することができる。本明細書に使用される、食事の「前」か「後」にとは、典型的にはそれぞれ食事を始める又は済ます2時間以内、好ましくは1時間以内で、より好ましくは30分以内又は最も好ましくは10分以内である。
開示した重合体は、任意の適切な経路によって投与することができるが、典型的には例えばカプセル、懸濁液又は錠剤で経口投与される。
本発明の更に他の実施態様は、開示した重合体又は重合体の医薬として許容し得る塩の少なくとも1つと医薬として許容し得る担体の希釈剤とを含む医薬組成物に向けられる。開示した重合体は、処方する前に凍結乾燥しても、又は真空若しくはオーブン下で乾燥してもよい。任意に、その他のホスフェート結合剤を含む、1つ以上のその他の治療成分が、このような医薬組成物に含まれる。重合体は、本明細書における本発明の実施態様によって記述された任意の重合体であってもよい。
希釈剤の担体は、製剤のその他の成分と適合性であり、かつそのレシピエントに有害でないという意味において「許容し得る」。製剤は、単位剤形形態で都合よく存在することができ、当業者に公知の任意の適切な方法によって調製することができる。本方法は、典型的には、薬剤を、1つ以上の付属成分を構成する担体又は希釈剤と結合させる工程を含む。一般に、製剤は、一様かつ均質に、開示した重合体を担体と結合させ、次いで必要に応じて、該生成物をその単位投薬量に分けることによって調製される。
【0050】
当業者であれば、本発明の方法に従って対象に投与される本発明の組成物の種々の成分の量が上記の要因に依存するであろうことに気づいているであろう。このような量は、特定の期間にわたって対象に投与させるための投薬量に相当してもよい(例えば、単一用量を含む1つ以上の錠剤、又は単一用量を含むサッシェ、スラリー、食物製剤、懸濁液若しくはシロップ)。
本発明の組成物は、錠剤、サッシェ、スラリー、食物製剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハ、チューインガム又はロゼンジとして製剤することができる。シロップ製剤は、香味料又は着色剤と共に、一般に、たとえばエタノール、グリセリン又は水などの液体担体中の開示した重合体又は塩の懸濁液又は溶液からなるであろう。組成物が錠剤の形態である場合、調製される固体製剤のためにルーチン的に使用される1つ以上の薬学的担体を使用することができる。このような担体の例には、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、ラクトース及びスクロースが含まれる。組成物がカプセルの形態である場合、例えば硬カプセルシェル中の上述した担体を使用する、ルーチンのカプセル化の使用が一般に適切である。組成物が軟ゼラチンシェルカプセルの形態である場合、分散剤又は懸濁液を調製するためのルーチン的に使用される薬学的担体、たとえば水性ゴム、セルロース、ケイ酸又は油を考慮に入れることができ、ソフトゼラチンカプセルシェルに組み込まれる。
【0051】
上の記述は、本発明の実施態様に相当する医薬組成物の経口投与の経路に向けられているが、当業者には、従来法で使用され、かつ開示した重合体に関して不活性である任意の投与様式、媒体又は担体を、組成物を調製及び投与するために利用してもよいことが理解される。例示的なこのような方法、媒体及び担体は、例えばレミントンの医薬品科学、第18版(1990)に記述されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
開示した重合体は、単独で、又はその他の薬学的に活性な薬剤、例えばホスフェート若しくはその他の標的陰イオンに結合するその他の薬剤、リン酸輸送を阻害する薬剤、アルカリホスファターゼ阻害剤、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤及び胆汁酸捕捉剤と組み合わせて、投与又は処方することができる。
【0052】
ホスフェートに結合し、かつ開示した重合体と組み合わせて都合よく使用することができる薬剤は、医薬として許容し得るマグネシウム化合物であり(例えば、US60/734,593を参照されたい。その完全な教示は、参照により本明細書に組み込まれる)、これは、マグネシウムカチオンを含む化合物といわれ、投与される投薬量にて容認できない副作用を生じさせない。医薬として許容し得るマグネシウム化合物は、水溶性又は水不溶性であることができる。好ましい医薬として許容し得るマグネシウム化合物は、高いマグネシウムの重量百分率を有し、及び/又は高密度を有する。これらのマグネシウム化合物により、1日用量体積を最小化することができる。本発明のために適したマグネシウム化合物の例には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム(例えば、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム及びヨウ化マグネシウム)、マグネシウムアルコキシド(例えば、マグネシウムエトキシド及びマグネシウムイソプロポキシド)、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウムや、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸及びスチレンスルホン酸などの有機酸のマグネシウム塩,並びにこれらの組み合わせを含む。任意のこれらのマグネシウム化合物をいうときは、これらの混合物、多形及び溶媒和物が包含されることを理解すべきである。
【0053】
その他のリン酸結合剤には、酢酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物、クエン酸塩、アルギン酸塩及びケト酸などの医薬として許容し得るランタン、カルシウム、アルミニウム、鉄及び亜鉛の塩を含む(例えば、US60/640,643を参照されたい。この完全な教示は、参照により本明細書に組み込まれる)。炭酸カルシウム、酢酸カルシウム(PhosLo(登録商標)酢酸カルシウム錠剤)、クエン酸カルシウム、アルギン酸カルシウム及びケト酸カルシウムを含むカルシウム塩は、ホスフェート結合のために利用されてきた。摂取されたカルシウムは、ホスフェートと結合して、Ca3(PO4)2、CaHPO4又はCa(H2PO4)2などの不溶性リン酸カルシウム塩を形成する。また、Amphojel(登録商標)水酸化アルミニウムゲルなどのアルミニウムに基づいたリン酸結合剤は、高リン酸塩血症を治療するために使用されてきた。これらの化合物は、腸管ホスフェートと複合体を形成して、高度に不溶性のリン酸アルミニウムを形成し;結合したホスフェートは、患者による吸収のために利用できない。より最近では、ランタニド塩が使用されてきた。最も一般に使用されるランタニド塩である炭酸ランタン(Fosrenol(登録商標))は、炭酸カルシウムと同様に挙動する。本発明の開示した重合体と共に使用してもよいその他の組成物は、その他のタイプのホスフェート結合重合体(例えば、米国特許第5,667,775号(これは、本明細書によりその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような塩酸セベラマー)を含む。
【0054】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤(例えば、スタチン)には、以下を含む:ロバスタチン(メビノリン)(例えば、アルトコール(Altocor)(登録商標)及びメバコール(Mevacor)(登録商標))及び関連化合物;プラバスタチン(例えば、プラバコール(登録商標)、セレクチン(Selektine)(登録商標)及びリポスタット(Lipostat)(登録商標))及び関連化合物;シンバスタチン(例えば、ゾコール(Zocor)(登録商標))及び関連化合物を含む。本発明に使用することができるその他のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤は、フルバスタチンを含む(例えば、レスコール(Lescol)(登録商標);セリバスタチン(例えば、ベイコール(Baycol)(登録商標)及びリポベイ(Lipobay)(登録商標));アトルバスタチン(例えば、ザラトール(Zarator)(登録商標)及びリピロール(Lipilor)(登録商標)):ピタバスタチン;ロスバスタチン(ビサスタチン)(例えば、クレストール(Crestor)(登録商標));メバロノラクトン及びその誘導体のキノリン類似体(米国特許第5,753,675号を参照されたい);メバロノラクトン誘導体のピラゾール類似体(米国特許第4,613,610号を参照されたい);メバロノラクトン誘導体のインデン類似体(WO86/03488を参照されたい);6-[2-(置換-ピロール-1-イル)-アルキル)ピラン-2-オン及びその誘導体(米国特許第4,647,576号を参照されたい):メバロノラクトンのイミダゾール類似体(WO86/07054を参照されたい):3-ヒドロキシ-4(ジヒドロキソオキソホスソリオ)ブタン酸誘導体(フランス特許第5,596,393号を参照されたい):メバロノラクトンのナフチル類似体(米国特許第4,686,237号を参照されたい):オクタヒドロナフタレン(米国特許第4,499,289号を参照されたい):並びにキノリン及びピリジン誘導体(米国特許第5,506,219号及び5,691,322号を参照されたい)。アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン(シンバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチン及びピタバスタチンなどのスタチンが好ましい。
【0055】
コレステロール吸収阻害剤の例は、エゼチミベである。
リン酸輸送阻害剤の例は、同時係属中の米国特許出願第2004/0019113号及び第2004/0019020号並びにWO2004/085448において見いだされ、これらのそれぞれの完全な教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
アルカリホスファターゼ阻害剤の例には、オルトホスフェート、アルセナート、L-フェニルアラニン、L-ホモアルギニン、テトラミゾール、レバミゾール、L-p-ブロモテトラミゾール、5,6-ジヒドロ-6-(2-ナフチル)イミダゾ-[2,1-b]チアゾール(ナフチル)及びその誘導体を含む。好ましい阻害剤には、レバミゾール、ブロモテトラミゾール並びに5,6-ジヒドロ-6-(2-ナフチル)イミダゾ-[2,1-b]チアゾール及びその誘導体を含むが、限定されない。
胆汁酸捕捉剤の例には、コレセベラム、コレスチラミン及びコレスチポールを含む。
本発明は、いかなる形であれ限定することが意図されていない以下の例によって記述してある。
【実施例】
【0056】
(例証)
実施例1. トリス(2-アミノエチル)アミン/エピクロロヒドリン(1:1)縮合重合体の合成
トリス(2-アミノエチル)アミン(22.42mL)のメタノール(35mL)溶液に、窒素下でエピクロロヒドリン(11.73mL)を添加した。エピクロロヒドリンの添加により、反応は74℃まで発熱した。発熱が鎮静した後、溶液を加熱して24時間還流した(75℃の温度設定)。この期間中に、反応は、溶液からブロックゲルに変化した。室温に冷却後、ブロックゲルをジャガイモマッシャで小さな小片に分けて、メタノール(500ml)に懸濁させた。少なくとも30分間撹拌した後、懸濁液を濾過した。重合体をメタノールで2回以上同じように洗浄した。次いで、重合体を脱イオン水(500ml)に懸濁して、少なくとも30分間撹拌して、濾過した。重合体を脱イオン水(500ml)に再び懸濁して、少なくとも30分間撹拌した。懸濁液のpHを濃塩酸の添加により7に調整した。懸濁液を濾過して、重合体を60℃にて強制空気オーブン中で乾燥させた。乾燥重合体(ゴムのような固体)を脱イオン水(3L)に懸濁して、1時間撹拌した。懸濁液のpHを濃HClの添加により1に調整した。懸濁液を濾過し、湿った重合体(431.65g)を60℃にて強制空気オーブン中で乾燥させ、17.25gの固体を与え、これをコーヒー粉砕機中で粉末まで挽いた。
【0057】
重合体1〜26は、表1に収載されたとおりの反応物及び反応条件を使用して、実施例1と同様に調製した。
【表1】


【0058】
実施例2. 尿ホスフェートレベルを減少させることに関するアミン縮合重合体の効果
ハウス雄スプラーグドーリー(SD)ラットを実験のために使用した。ラットは、ワイヤー底ケージに単独で置いて、Purina 5002食餌を摂食させ、試験使用の少なくとも5日前順応させた。
ベースラインリン排出を確立するために、ラットを代謝ケージに48時間置いた。これらの尿を収集して、そのリン含量を日立アナライザーで解析してmg/日におけるリン排出を決定した。域外の値をもつ全てのラットも除外し;及び残りのラットを群に分けた。
Purina 5002を標準的な食餌として使用した。試験される重合体を、0.5重量%の終濃度を生じるようにPurina 5002と混ぜ合わせた。0.5重量%のセルロースを負の対照として使用した。それぞれのラットに対して、20Ogの食餌を調製した。
それぞれのラットの重量を量り、標準的な食餌に置いた。4日後に、標準的な食餌を治療食餌(又は対照群に対しては、対照食餌)と置き換えた。5及び6日目に、尿試料を24時間(+/-30分)にてラットから収集して解析した。試験ラットの体重を再び量り、全ての体重減少又は増加を算出した。全ての残りの食物の重量を量って、1日あたりに消費された食物の量を算出した。ベースライン及びセルロースの負の対照に関連するリン排出の変化を、Excelプログラムを使用して算出した。試験ラットから得られる尿ホスフェートの量の比較の概要を表2に示してある。
【0059】
【表2】

本発明は、特にその好ましい実施態様に関して示し、かつ記述したが、当業者には、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲内において、種々の形態及び詳細の変更をその中で行ってもよいことが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合された多官能性アミン単量体を含み、前記アミン単量体が、少なくとも2つのアミン基、及び-CH2CH2-基を介して結合された少なくとも2つの非環式窒素原子を含む、重合体又は生理的に許容し得るこれらの塩:ただし、前記アミン単量体は、エチレンジアミン又はジエチレントリアミンではないことを条件とする。
【請求項2】
前記アミン単量体が少なくとも3つの窒素原子を含む、請求項1記載の重合体。
【請求項3】
前記アミン単量体が以下の構造式によって表され:
【化1】

式中:
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成し;
それぞれのR1aは、独立してR1又は
【化2】

であり;
R2は、R1a、又は以下の構造式によって表される基であり:
【化3】

「*」で示されたそれぞれの窒素原子は、任意にR1aで4級化されており;qは、0又は整数1〜10であり;r及びsは、0、1又は2であり、ただしr、s及びqの合計が1よりも大きいことを条件とし;並びに、
それぞれのnは、独立して、整数2〜10であり、ただし、少なくとも1つのnが2であることを条件とする、請求項1記載の重合体。
【請求項4】
前記アミン単量体が、以下の構造式によって表される、請求項3記載の重合体:
【化4】


【請求項5】
前記アミン単量体が、以下の構造式によって表される、請求項3記載の重合体:
【化5】


【請求項6】
前記アミン単量体が、以下の構造式によって表される、請求項5記載の重合体:
【化6】


【請求項7】
前記アミン単量体が、以下の構造式によって表され:
【化7】

式中、R1は、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成し;
それぞれのR1aは、独立してR1又は
【化8】

であり、
「*」で示されたそれぞれの窒素原子は、任意にR1aで4級化されており;
それぞれのrbは、独立して0、1又は2であり;並びに、
それぞれのnは、独立して、整数2〜10であり、ただし少なくとも1つのnが2であることを条件とする、請求項1記載の重合体。
【請求項8】
前記アミン単量体が、以下の構造式によって表される、請求項7記載の重合体:
【化9】


【請求項9】
前記アミン単量体が、以下の構造式によって表され:
【化10】

式中、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成し;
それぞれのR1aは、独立してR1又は
【化11】

であり;
pは、1、2、3、又は4であり;それぞれのrbは、独立して0、1又は2であり、ただしpが1と同じである場合、rbは、1又は2であることを条件とし;
それぞれのmは、独立して0又は整数1〜10であり;並びに、
それぞれのnは、独立して整数2〜10であり、ただし少なくとも1つのnは、2であることを条件とする、請求項1記載の重合体。
【請求項10】
前記アミン単量体が、以下の構造式によって表される、請求項9記載の重合体:
【化12】


【請求項11】
前記アミン単量体が、以下の構造式によって表され:
【化13】

式中、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成し;
それぞれのR1aは、独立してR1又は
【化14】

であり;
それぞれのR3は、独立してH、
【化15】

、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であり;
それぞれのtは、独立して0、1、2又は3であり;及び
それぞれのncは、独立して0又は整数1〜10であり、
それぞれのnは、整数2〜10である、請求項1記載の重合体。
【請求項12】
前記アミン単量体が、以下の構造式によって表される、請求項11記載の重合体:
【化16】


【請求項13】
アミン反復単位を含み、前記反復単位が少なくとも2つのアミン基、及び-CH2CH2-基を介して結合された少なくとも2つの非環式窒素原子を含む、重合体又は生理的に許容し得るこれらの塩:ただし、前記反復単位は、-NHCH2CH2NH-、-NHCH2CH2NHCH2CH2NH-、-NHCH2CH2(N-)CH2CH2NH-又は-NHCH2CH2(N-)CH2CH2NH2ではないことを条件とする。
【請求項14】
前記アミン反復単位が以下の構造式によって表され:
【化17】

式中、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成し;
Xによって表される基の2つ以上は、それぞれ前記重合体の別の原子に共有結合されており、かつ前記Xによって表される残りの基は、R1であり;
R2は、X、又は以下の構造式によって表され:
【化18】

「*」で示されたそれぞれの窒素原子は、任意にR1又は
【化19】

で4級化されており;
qは、0又は整数1〜10であり;r及びsは、0、1又は2であり、ただしr、s及びqの合計が1よりも大きいことを条件とし;並びに、
それぞれのnは、独立して整数2〜10であり、ただし、少なくとも1つのnが2であることを条件とする、請求項13記載の重合体。
【請求項15】
前記アミン反復単位が以下の構造式によって表される、請求項14記載の重合体:
【化20】


【請求項16】
前記アミン反復単位が以下の構造式によって表される、請求項14記載の重合体:
【化21】


【請求項17】
前記アミン反復単位が以下の構造式によって表される、請求項16記載の重合体:
【化22】


【請求項18】
前記アミン反復単位が以下の構造式によって表され:
【化23】

式中、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成し;
Xによって表される基の2つ以上は、それぞれ前記重合体の別の原子に共有結合されており、かつ前記Xによって表される残りの基は、R1であり;
それぞれのrbは、独立して0、1又は2であり;並びに、
「*」で示されたそれぞれの窒素原子は、任意にR1又は
【化24】

で4級化されており;
それぞれのnは、独立して、整数2〜10であり、ただし、少なくとも1つのnが2であることを条件とする、請求項13記載の重合体。
【請求項19】
前記アミン反復単位が以下の構造式によって表される、請求項18記載の重合体:
【化25】


【請求項20】
前記アミン反復単位が以下の構造式によって表され:
【化26】

式中、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成し;
Xによって表される基の2つ以上は、それぞれ前記重合体の別の原子に共有結合されており、かつ前記Xによって表される残りの基は、R1であり;
pは、1、2、3、又は4であり;それぞれのrbは、独立して0、1又は2であり、ただしpが1と同じである場合、rbは、1又は2であることを条件とし;
それぞれのmは、独立して0又は整数1〜10であり;並びに、
それぞれのnは、独立して整数2〜10であり、ただし少なくとも1つのnは、2であることを条件とする、請求項13記載の重合体。
【請求項21】
前記アミン反復単位が以下の構造式によって表され:
【化27】

式中、それぞれのnbは、独立して、整数2〜10である、請求項20記載の重合体。
【請求項22】
前記アミン反復単位が以下の構造式によって表され:
【化28】

式中、それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成し;
Xによって表される基の2つ以上は、それぞれ前記重合体の別の原子に共有結合されており、かつ前記Xによって表される残りの基は、R1であり;
それぞれのtは、独立して0、1、2又は3であり;並びに、
それぞれのncは、独立して0又は整数1〜10である、請求項13記載の重合体。
【請求項23】
前記アミン反復単位が以下の構造式によって表される、請求項22記載の重合体:
【化29】


【請求項24】
前記アミン単量体が、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N-boc-エチレンジアミン、トリス[(メチルアミノ)エチル]アミン及びN,N,N',N'-テトラキス(3-アミノプロピル)1,2-ジアミノエタンからなる群から選択され;かつ前記アミン反復単位が、重合したトリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N-boc-エチレンジアミン、トリス[(メチルアミノ)エチル]アミン及びN,N,N',N'-テトラキス(3-アミノプロピル)1.2-ジアミノエタンからなる群から選択される、請求項1又は13記載の重合体。
【請求項25】
前記重合体が、第1及び第2のアミン単量体を含み、前記第1のアミン単量体が前記第2のアミン単量体とは異なる;又は前記重合体が、第1及び第2のアミン反復単位を含み、前記第1のアミン反復単位が前記第2のアミン反復単位とは異なる、請求項1又は13記載の重合体。
【請求項26】
前記重合体が多官能性架橋基によって架橋されている、請求項1又は13記載の重合体。
【請求項27】
前記多官能性架橋基が、2つ以上の求電子性基を含む多官能性架橋剤の残基である、請求項26記載の重合体。
【請求項28】
前記求電子性基が、ハライド、エポキシド、アクリラート、アリールスルホナート及びアルキルスルホナートからなる群から選択される、請求項27記載の重合体。
【請求項29】
前記多官能性架橋基が、ジハロアルカン、ハロアルキルオキシラン、アルキルオキシランスルホナート、ジ(ハロアルキル)アミン、トリ(ハロアルキル)アミン、ジエポキシド、トリエポキシド、テトラエポキシド、ビス(ハロメチル)ベンゼン、トリ(ハロメチル)ベンゼン)及びテトラ(ハロメチル)ベンゼンからなる群から選択される多官能性架橋剤の残基である、請求項26記載の重合体。
【請求項30】
前記多官能性架橋剤剤が、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、(ヨードメチル)オキシラン、グリシジルトシラート、グリシジル3-ニトロベンゼンスルホナート、4-トシルオキシ-1,2-エポキシブタン、ブロモ-1,2-エポキシブタン、1,2-ジブロモエタン、1-ブロモ-2-クロロエタン、1,3-ジブロモプロパン、ビス(2-クロロエチル)アミン、トリス(2-クロロエチル)アミン、及びビス(2-クロロエチル)メチルアミン、1,3-ブタジエンジエポキシド、1,5-ヘキサジエンジエポキシド、ジグリシジルエーテル、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,2,9,10-ジエポキシデカン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、1,3-ジグリシジルグリセリルエーテル、N,N-ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ビス(グリシジルオキシ)ベンゼン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,3-ビス-(2,3-エポキシプロピルオキシ)-2-(2,3-ジヒドロキシプロピルオキシ)プロパン、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、2,2'-ビス(グリシジルオキシ)ジフェニルメタン、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4-ビス(2'3'-エポキシプロピル)パーフルオロ-n-ブタン、2,6-ジ(オキシラン-2-イルメチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロピロロ[3,4-f]イソインドール-1,3,5,7-テトラオン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチル5-ヒドロキシ-6,8-ジ(オキシラン-2-イルメチル)-4-オキソ-4h-クロメン-2-カルボキシラート、ビス[4-(2,3-エポキシ-プロピルチオ)フェニル]-スルフィド、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピルテトラメチルジシロキサン、9,9-ビス[4-(グリシジルオキシ)フェニル]フルオレン、トリエポキシイソシアヌラート、グリセロールトリグリシジルエーテル、N,N-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、イソシアヌル酸(S,S,S)-トリグリシジルエステル、イソシアヌル酸(R,R,R)-トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌラート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシラートトリグリシジルエーテル、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテル、3,7,14-トリス[[3-(エポキシプロポキシ)プロピル]ジメチルシリルオキシ]-1,3,5,7,9,11,14-ヘプタシクロペンチルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、4,4'-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)、ビス(ハロメチル)ベンゼン、ビス(ハロメチル)ビフェニル及びビス(ハロメチル)ナフタレンからなる群から選択される、請求項29記載の重合体。
【請求項31】
前記アミン単量体が、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N-boc-エチレンジアミン、トリス[(メチルアミノ)エチル]アミン及びN,N,N',N'-テトラキス(3-アミノプロピル)1,2-ジアミノエタンからなる群から選択され、かつ前記架橋剤が、エピクロロヒドリン、1,2-ジブロモエタン、1-ブロモ-2-クロロエタン、1,3-ジブロモプロパン、塩酸ビス(2-クロロエチル)アミン、塩酸メクロレタミン及び塩酸トリス(2-クロレチル)アミンからなる群から選択され;かつ前記アミン反復単位が、重合されたトリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンミン、N-boc-エチレンジアミン、トリス[(メチルアミノ)エチル]アミン及びN,N,N',N'-テトラキス(3-アミノプロピル)1,2-ジアミノエタンからなる群から選択され、かつ前記架橋剤がエピクロロヒドリン、1,2-ジブロモエタン、1-ブロモ-2-クロロエタン、1,3-ジブロモプロパン、塩酸ビス(2-クロロエチル)アミン、塩酸メクロレタミン及び塩酸トリス(2-クロレチル)アミンからなる群から選択される、請求項27記載の重合体。
【請求項32】
それぞれのR1が独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン若しくはフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、前記フェニル基及びピリジル基が、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている、請求項3〜12又は14〜23のいずれか1項記載の重合体。
【請求項33】
それぞれのR3が独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン又はフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、前記フェニル基及びピリジル基が、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている、請求項11記載の重合体。
【請求項34】
それぞれのnが2と同じである、請求項3〜12又は14〜23のいずれか1項記載の重合体。
【請求項35】
請求項1〜33のいずれか1項記載の重合体又はその生理的に許容し得る塩と医薬として許容し得る担体又は希釈剤とを含む医薬組成物。
【請求項36】
請求項34の重合体又はその生理的に許容し得る塩と医薬として許容し得る担体又は希釈剤とを含む医薬組成物。
【請求項37】
前記アミン単量体又は前記アミン反復単位から前記重合体の残りへの結合の平均数が、約2.05〜約6の範囲である、請求項1又は13記載の重合体。
【請求項38】
前記アミン単量体又は前記アミン反復単位から前記重合体の残りへの結合の平均数が、約2.2〜約4.5の範囲である、請求項37記載の重合体。
【請求項39】
対象から1つ以上の標的陰イオンを除去するための方法であって、前記対象に対して請求項1若しくは請求項13の重合体又はその生理的に許容し得る塩の有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項40】
前記標的陰イオンがホスフェートである、請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記対象が、高リン酸塩血症、末期腎疾患、慢性腎疾患、甲状腺機能亢進症、リン酸塩による過剰投薬、末端肥大症、カルシトリオールの腎合成の抑制、腎不全、低カルシウム血症、低カルシウム血症によるテタニー、軟部組織における異所性石灰化、並びに横紋筋融解症及び悪性腫瘍の治療の間に生じる急性組織破壊からなる群から選択される少なくとも1つの疾患又は状態で苦しめられている、請求項39記載の方法。
【請求項42】
前記対象が高リン酸塩血症を有する、請求項40記載の方法。
【請求項43】
前記対象がヒトである、請求項39記載の方法。
【請求項44】
前記重合体が、リン酸結合剤、胆汁酸捕捉剤、β-ヒドロキシ-β-メチルグルタリル補酵素Aレダクターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、リン酸輸送阻害剤、又はアルカリホスファターゼ阻害剤と共に同時投与される、請求項39記載の方法。
【請求項45】
以下の構造式によって表される重合された多官能性アミン単量体を含む重合体又はその生理的に許容し得る塩:
【化30】

(Cy)は、任意に置換されたC4-C10飽和又は不飽和の環状炭素であり;
zは、2、3又は4であり;
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成し;
それぞれのR1aは、独立してR1、又は
【化31】

であり;
「*」で示された前記窒素原子は、任意にR1aで4級化されており;並びに、
それぞれのndは、0又は整数2〜10であり、かつそれぞれのneは、独立して整数2〜10である。
【請求項46】
以下の構造式によって表される重合されたアミン反復単位を含む重合体又はその生理的に許容し得る塩:
【化32】

式中、前記重合体は、多官能性架橋基で架橋されており;
(Cy)は、C4-C10飽和又は不飽和の環状炭素であり;
zは、2、3又は4であり;
それぞれのR1は、独立して、H、又は任意に置換されたアルキル基若しくは任意に置換されたアリール基であるか、又は隣接する炭素若しくは窒素原子及びこれらの介在原子に結合したR1と共に任意に置換された脂環式基、芳香族基又は複素環基を形成し;
Xによって表される基の2つ以上は、それぞれ前記重合体の別の原子に共有結合されており、かつ前記Xによって表される残りの基は、R1であり;
「*」で示された前記窒素原子は、任意にR1a
【化33】

で4級化されており;並びに、
それぞれのndは、独立して0又は整数2〜10であり、かつneは、独立して整数2〜10である。
【請求項47】
(Cy)がシクロヘキシル又はフェニルである、請求項45記載の重合体。
【請求項48】
それぞれのR1が、独立して、H、又は-OH、アルコキシ、ハロゲン若しくはフェニル若しくはピリジル基で任意に置換されたアルキル基であり、前記フェニル基及びピリジル基が、-OH、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル又はハロアルコキシで任意に置換されている、請求項45記載の重合体。
【請求項49】
それぞれのnが2と同じである、請求項45〜48のいずれか1項記載の重合体。
【請求項50】
前記重合体は、架橋基で架橋されている、請求項44又は45記載の重合体。
【請求項51】
前記アミン反復単位が、重合された1,3,5-トリス(アミノメチル)シクロヘキサン及び1,2,4,5-テトラキス(アミノメチル)ベンゼンからなる群から選択され、かつ前記架橋剤が、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、(ヨードメチル)オキシラン、グリシジルトシラート、グリシジル3-ニトロベンゼンスルホナート、4-トシルオキシ-1,2-エポキシブタン、ブロモ-1,2-エポキシブタン、1,2-ジブロモエタン、1-ブロモ-2-クロロエタン、1,3-ジブロモプロパン,ビス(2-クロロエチル)アミン,トリス(2-クロロエチル)アミン,及びビス(2-クロロエチル)メチルアミン、1,3-ブタジエンジエポキシド、1,5-ヘキサジエンジエポキシド、ジグリシジルエーテル、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,2,9,10-ジエポキシデカン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、1,3-ジグリシジルグリセリルエーテル、N,N-ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ビス(グリシジルオキシ)ベンゼン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,3-ビス-(2,3-エポキシプロピルオキシ)-2-(2,3-ジヒドロキシプロピルオキシ)プロパン、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、2,2'-ビス(グリシジルオキシ)ジフェニルメタン、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4-ビス(2',3'-エポキシプロピル)パーフルオロ-n-ブタン、2,6-ジ(オキシラン-2-イルメチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロピロロ[3,4-f]イソインドール-1,3,5,7-テトラオン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチル5-ヒドロキシ-6,8-ジ(オキシラン-2-イルメチル)-4-オキソ-4h-クロメン-2-カルボキシラート、ビス[4-(2,3-エポキシ-プロピルチオ)フェニル]-スルフィド、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピルテトラメチルジシロキサン、9,9-ビス[4-(グリシジルオキシ)フェニル]フルオレン、トリエポキシイソシアヌラート、グリセロールトリグリシジルエーテル、N,N-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、イソシアヌル酸(S,S,S)-トリグリシジルエステル、イソシアヌル酸(R,R,R)-トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌラート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシラートトリグリシジルエーテル、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテル、3,7,14-トリス[[3-(エポキシプロポキシ)プロピル]ジメチルシリルオキシ]-1,3,5,7,9,11,14-ヘプタシクロペンチルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、4,4'-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)からなる群から選択される、請求項49記載の重合体。
【請求項52】
請求項45〜51のいずれか1項記載の重合体又はその生理的に許容し得る塩と医薬として許容し得る担体又は希釈剤とを含む医薬組成物。
【請求項53】
対象から1つ以上の標的陰イオンを除去するための方法であって、前記対象に請求項45若しくは46記載の重合体又はその生理的に許容し得る塩の有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項54】
前記標的陰イオンがホスフェートである、請求項53記載の方法。
【請求項55】
前記対象が、高リン酸塩血症、末期腎疾患、慢性腎疾患、甲状腺機能亢進症、リン酸塩による過剰投薬、末端肥大症、カルシトリオールの腎合成の抑制、腎不全、低カルシウム血症、低カルシウム血症によるテタニー、軟部組織における異所性石灰化、並びに横紋筋融解症及び悪性腫瘍の治療の間に生じる急性組織破壊からなる群から選択される少なくとも1つの疾患又は状態で苦しめられている、請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記対象が高リン酸塩血症を有する、請求項54記載の方法。
【請求項57】
前記対象がヒトである、請求項53記載の方法。
【請求項58】
前記重合体が、リン酸結合剤、胆汁酸捕捉剤、β-ヒドロキシ-β-メチルグルタリル補酵素Aレダクターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、リン酸輸送阻害剤、又はアルカリホスファターゼ阻害剤と共に同時投与される、請求項53記載の方法。
【請求項59】
高リン酸塩血症に罹患している患者において血清ホスフェートを制御するための方法であって、前記患者に請求項1〜34、46及び47のいずれか1項記載の重合体又はその生理的に許容し得る塩と医薬として許容し得る担体又は希釈剤とを含む医薬組成物を投与することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2009−536246(P2009−536246A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509690(P2009−509690)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/010650
【国際公開番号】WO2007/130463
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(508328501)ゲンズイメ コーポレーション (9)
【Fターム(参考)】