説明

ボトル洗浄装置

【課題】 ボトルに洗浄処理を施すための搬送路の占有スペースをコンパクト化でき、その搬送路の占有スペースを有効に活用でき、装置全体としての稼働効率、及び、監視員の作業効率の改善を図ることのできるボトル洗浄装置を提供すること。
【解決手段】 装着ポジションS1でボトルBが装着されたホルダ部材4は、平面視略ロ字形の周回搬送路3に沿って間欠的に移動され、装着ポジションS1から待機ポジションS2、3箇所の洗浄ポジションS3〜S5、第1排水ポジションS6、4箇所の濯ぎポジションS7〜S10、及び、第2排水ポジションS11を経て、脱着ポジションS12に到達し、そこでボトルBが脱着されてボトル搬出路22へ搬出される。一方、脱着ポジションS12でボトルBが脱着されたホルダ部材4は、脱着ポジションS12から1ポジション下流側にある装着ポジションS1へ転移されて、再び、空のボトルBがボトル装着装置30によって装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルを洗浄するボトル洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料水などの内容物を収容する略3ガロン前後の大容量ボトルは、その内容物の消費後に回収され洗浄されてから、内容物が再充填されることで、繰り返し利用されている。また、このような大容量ボトルを洗浄して内容物を充填するボトル洗浄装置については、例えば、下記特許文献1記載のボトル洗浄装置が提案されている。
【0003】
このボトル洗浄装置は、専用の搬送パレット上に空ボトルを上下反転させた倒立状態で載置し、その搬送パレットを搬送装置によって上流側の投入位置から下流側の反転位置(搬出位置)まで直線的に搬送する間に、予備洗浄、アルカリ洗浄及び仕上げ洗浄を行い、搬送パレットが反転位置に到達すると、空ボトルを搬送パレットから取り上げて反転し、空ボトルが撤去された搬送パレットをパレットリターンコンベアによって投入位置まで送り戻すように構成されている。
【特許文献1】特開2001−293444公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したボトル洗浄装置では、搬送装置が空ボトルを搬送ライン上流側から下流側まで直線的に搬送させて、その間に空ボトルに洗浄処理を施すものであるため、直線的な搬送ライン(搬送路)を確保するための細長い占有スペースが必要となってしまう。このような細長いスペースはボトル洗浄装置の前後にある工程装置との配置関係からも確保し辛いものであり、結局、ボトルの洗浄用の搬送ラインを確保するには、床面積に余裕のある大きな設置スペースが必要となってしまうという問題点があった。
【0005】
また、搬送装置の搬送ライン下流側に到達した搬送パレットを投入位置へただ送り戻すためだけにパレットリターンコンベアが特別に設けられているという点や、そのパレットリターンコンベアが搬送パレットを空のまま投入位置まで送り戻すためだけに機能しているという点で、ボトル洗浄装置全体としての稼働効率の更なる改善の余地も認められる。
【0006】
しかも、搬送装置の投入位置及び搬出位置が搬送ラインの上流側と下流側とで離れているので、例えば、搬送ライン上に監視員を配置する場合に、搬送ラインの上流及び下流にそれぞれ監視員を配置するか、或いは、投入位置から反転位置までの範囲を一人の監視員に対応させることとなるが、前者では人的コストがかかり、後者では一人の監視員の負担が大きくなってしまう。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ボトルに洗浄処理を施すための搬送路の占有スペースをコンパクト化でき、その搬送路の占有スペースを有効に活用でき、装置全体としての稼働効率、及び、監視員の作業効率の改善を図ることのできるボトル洗浄装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために請求項1記載のボトル洗浄装置は、口部を有しているボトルを洗浄するものであり、平面視略無端環状に設けられる周回搬送路と、その周回搬送路に沿って所定間隔おきに配置される複数の処理ポジションと、その複数の処理ポジションの配置間隔と略等しい間隔で前記周回搬送路に沿って複数設けられボトルをそれぞれ支保可能に形成されている複数のホルダ部材と、その複数のホルダ部材の全てを一斉に前記周回搬送路に沿って同一周回方向へ前記処理ポジションの配置間隔ずつ間欠移動させることによって、各ホルダ部材を、各ホルダ部材が位置している処理ポジションから次の処理ポジションへ転移させる搬送手段と、前記複数の処理ポジションの1つであって前記ホルダ部材にボトルを装着する装着ポジションと、前記複数の処理ポジションの1つであって前記装着ポジションよりも1ポジションだけ前記周回搬送路の搬送方向上流側にあって前記ホルダ部材からボトルを脱着する脱着ポジションと、その脱着ポジション及び装着ポジションを除いた前記複数の処理ポジションのうちの少なくとも1つにあたる洗浄ポジションに配設され前記ホルダ部材により支保されているボトルの口部内へ洗浄液を噴射する洗浄手段とを備えている。
【0009】
この請求項1記載のボトル洗浄装置によれば、複数のホルダ部材の全てが搬送手段によって周回搬送路に沿って同一周回方向に間欠的に1ポジションずつ一斉に移動されることで、その各ホルダ部材により支保されている空のボトルが、周回搬送路に沿って上流側の処理ポジションから下流側の処理ポジションへと1ポジションずつ一斉に転移させられる。この結果、各ホルダ部材に支保されているボトルは、各処理ポジションにおいて必要な処理が順番に施されることとなる。
【0010】
ここで、周回搬送路を間欠移動する複数のホルダ部材のうち1つに着目するならば、そのホルダ部材が処理ポジションの1つである装着ポジションに位置させられると、その装着ポジションでは、そのホルダ部材に対する空のボトルの装着が行われる。それから、このホルダ部材は、ボトルを支保したままそれよりも搬送方向下流側にある処理ポジションへ順次転移され、所定の洗浄ポジションに到達すると、そのホルダ部材により支保されているボトルの口部内へ洗浄手段により浄液が噴射され、そのボトル内部が洗浄される。
【0011】
ホルダ部材が装着ポジションから洗浄ポジションを通過して脱着ポジションに到達すると、そのホルダ部材は全ての処理ポジションを転移して周回搬送路を一周回したこととなる。そして、脱着ポジションに到達したホルダ部材からはボトルが脱着されて、そのホルダ部材は、脱着ポジションより1ポジションだけ搬送方向下流側にある装着ポジションへ転移されて、次の空のボトルが装着ポジションで装着されて、再び、上記した一連の動作が繰り返される。
【0012】
請求項2記載のボトル洗浄装置は、請求項1記載のボトル洗浄装置において、前記搬送手段は、前記周回搬送路に沿って周設されると共に前記複数のホルダ部材が前記処理ポジションの配置間隔と略等しい間隔で取着されている搬送チェーンと、その搬送チェーンに内接し且つ歯合されて回転可能に軸支されるスプロケットと、そのスプロケットに回転力を付与し、前記周回搬送路に沿って前記搬送チェーンを前記処理ポジションの配置間隔ずつ間欠移送する間欠移送手段とを備えている。
【0013】
この請求項2記載のボトル洗浄装置によれば、請求項1記載のボトル洗浄装置と同様に作用する上、間欠移送手段によってスプロケットが回転されると、搬送チェーンが処理ポジションの配置間隔に相当する長さ分だけ、周回搬送路に沿って移送させられてホルダ部材が間欠移動させられる。
【0014】
請求項3記載のボトル洗浄装置は、請求項2記載のボトル洗浄装置において、前記搬送手段は、前記搬送チェーンの外周側に、その搬送チェーンに対して間隔を隔てて、前記周回搬送路に沿って周設されるガイドレールを備えており、前記複数のホルダ部材は、そのガイドレールに係合された状態で前記周回搬送路に沿って周回移動可能に形成されており、更に、そのガイドレール及び前記搬送チェーン間に架設されて略水平姿勢で保持されている。
【0015】
この請求項3記載のボトル洗浄装置によれば、請求項2記載のボトル洗浄装置と同様に作用する上、ホルダ部材は、搬送チェーンとガイドレールとの間に架設された状態で保持されて、周回搬送路に沿って搬送移動されるので、ホルダ部材自体及びボトルの重みにより搬送チェーンに加わる抵抗や負荷をガイドレールに分担させることができる。
【0016】
このため、搬送チェーンに対する無駄な抵抗負荷が作用して搬送チェーンのリンク部間が伸びたりすることが抑制され、そのような伸びなどに起因する搬送チェーンの移送ピッチのズレや弛みも抑制される。その結果、ホルダ部材の処理ポジションに対する位置ズレも抑制され、更に、洗浄手段からの洗浄液がボトル口部へ的確に噴射されなくなる不具合も抑制される。
【0017】
しかも、ホルダ部材はガイドレールに係合された状態で周回搬送路を移動させられるので、搬送チェーンの搬送に伴ってホルダ部材に加わる不要な振動によるホルダ部材のガタつきを抑制でき、ホルダ部材により支保されているボトルの転倒なども抑制されるのである。
【0018】
請求項4記載のボトル洗浄装置は、請求項3記載のボトル洗浄装置において、前記ホルダ部材は、そのホルダ部材に回転可能に軸支されて前記ガイドレールを挟持する一組のガイドローラを備えており、この一組のガイドローラを介して前記ガイドレールに対して移動可能に係合されている。
【0019】
この請求項4記載のボトル洗浄装置によれば、請求項3記載のボトル洗浄装置と同様に作用する上、ホルダ部材は、ガイドレールを挟持する一組のガイドローラによって係合され、その一組のガイドローラがガイドレールに接触して転動するように回転することでガイドレールに沿って案内される。このように、ホルダ部材は自らが回転する一組のガイドローラを介してガイドレールに係合されるので、このような係合による負荷抵抗が搬送チェーンに及ぶことを抑制して、ホルダ部材をガイドレールに沿わせて円滑に移動させることができる。
【0020】
請求項5記載のボトル洗浄装置は、請求項1から4のいずれかに記載のボトル洗浄装置において、前記周回搬送路に並設され、前記脱着ポジションで前記ホルダ部材から脱着されたボトルを次工程へ搬出するボトル搬出路と、そのボトル搬出路に並設されそのボトル搬出路によるボトルの搬出方向とは逆方向へボトルを搬送して前記装着ポジションへボトルを搬入するボトル搬入路とを備えている。
【0021】
この請求項5記載のボトル洗浄装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載のボトル洗浄装置において、脱着ポジションでホルダ部材から脱着されたホルダ部材は、ボトル搬出路を通じて次工程へ搬出される一方で、空のボトルはボトル搬入路を通じて装着ポジションへ搬入される。
【0022】
ここで、周回搬送路へとボトルを供給するボトル搬入路は、周回搬送路からボトルを次工程へ送り出すボトル搬出路に対して搬送方向は逆向きであるものの並設されている。この結果、ボトル洗浄装置におけるボトルの搬入口及び搬出口が一箇所にまとめられるので、装置全体がコンパクト化や、監視員の監視負担の軽減に資するのである。
【発明の効果】
【0023】
本発明のボトル洗浄装置によれば、複数のボトルを洗浄処理するための複数の処理ポジションは、平面視無端環状の周回搬送路に沿って設けられており、各処理ポジションで処理されるボトルは、その周回搬送路に沿ってホルダ部材により順次各処理ポジションを通過するように構成されている。このため、空のボトルを洗浄処理するための工程ラインを直線的にレイアウトする必要がなく、床面積に制約のある狭小スペースでも無理なく設置することができるという効果がある。
【0024】
また、ボトルを支保して全ての処理ポジションを通過して洗浄処理を終えたホルダ部材は、脱着ポジションで洗浄済のボトルが脱着された後、1ポジション間欠移動されて転移されるだけで、ボトルの装着ポジションに復帰させられるので、ボトルが支保されていない状態のホルダ部材を無駄に空走させることもなく、装置全体としての稼働効率を高めることができるという効果がある。しかも、脱着ポジションから装着ポジションへ戻すために搬送手段とは別の機構や手段を併設する必要もなく、装置全体の稼働効率を更に向上できるという効果もある。
【0025】
更に、ボトルがホルダ部材に装着される装着ポジションは、ボトルがホルダ部材から脱着される脱着ポジションと隣り合うので、装着ポジション及び脱着ポジションを同時に一人の監視員でも無理なく監視できる。よって、監視員を動員する場合において、その監視員に関する人的コストや労力負担が軽減され、監視員の作業効率を改善することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例であるボトル洗浄装置1の装置本体2の内部構造を示す平面図である。このボトル洗浄装置1は、内容量が略1ガロンから略5ガロン程度の大容量ボトル(以下単に「ボトル」という。)の内部及び外部を洗浄し、更に、そのボトルの内部に飲料水を充填装置(図示せず)により充填する装置であって、1時間当たり略200本から略300本程度を処理するのに適したものである。なお、本実施例で用いる「ガロン」とは、米国液量ガロン(1ガロン≒3.785リットル)をいう。
【0027】
ここで、図8を参照して、本実施例の説明で用いるボトルBについて説明する。図8はボトルBの断面図である。図8に示すように、ボトルBは、その頸部b2の頂部端面に口部b3が開口されている容器体であって、内容量が略3ガロン前後に相当するものである。また、このボトルBは、比較的重量のある樽状のものであり、ボトル保持孔5内に係入される頸部b2の長さも充分に長く、上下反転されてボトル保持孔5に嵌入されている状態でホルダ部材4からボトルBの重心位置までの距離が短く、ホルダ部材4による支保のみでも上下反転した倒立姿勢を安定的に維持できるものである。
【0028】
さらに具体的に説明すると、ボトルBは、頸部(b2)外径が胴部(b1)の外径の略15%〜略25%、頸部(b2)長さが胴部(b1)長さの略25%〜略35%、頸部(b2)長さが頸部b2の付け根から胴部b1の重心位置までの距離の略50%〜略60%、ボトルBの肩部b4の傾斜角度が略水平線に対して略0°〜略30°、及び、重量が略0.5kg〜略1.5kgであって、ポリカーボネートなどの耐衝撃性のある合成樹脂材料で形成されている。
【0029】
図1に示すように、ボトル洗浄装置1は、平面視略横長の長方形状の内部空間を囲繞するように形成される装置本体2を備えており、その装置本体2の内部に周回搬送路3が設けられている。周回搬送路3は、洗浄処理を施すために複数のボトルBを上下反転(倒立)させたまま同時一斉に搬送して周回移動させる搬送用の経路であって、平面視略ロ字形の無端環状の閉経路に形成され、且つ、後述する搬送チェーン7及びガイドレール8の間に設けられている。
【0030】
この周回搬送路3には、その周回搬送路3に沿って合計12箇所の処理ポジションS1〜S12が略等間隔おきに配置されており(図2参照)、これらの処理ポジションS1〜S12は、周回搬送路3に沿って上下反転姿勢のまま搬送されるボトルBに対して、洗浄、排水、濯ぎおよび排水などの一連の処理を順番に施すために周回搬送路3上に予め配置されている処理位置(ポジション)である。
【0031】
また、処理ポジションS1〜S12には洗浄対象物たるボトルBを支保するためのホルダ部材4が1個ずつ配置されており、周回搬送路3全体では合計12個のホルダ部材4が処理ポジションS1〜S12の配置間隔(以下「処理ポジション間隔」という。)Lと略等しい間隔で周回搬送路3に沿って設けられている。また、これらの各ホルダ部材4は、その中央部にボトルBの頸部b2を嵌入可能な内径を有するボトル保持孔5が設けられており、平面視略O字形に形成されている。
【0032】
図2を参照して、合計12箇所ある処理ポジションS1〜S12の機能について説明する。図2は、ボトル洗浄装置1の平面的な模式図である。図2に示すように、ボトル洗浄装置1の装置本体2内には、上記した周回搬送路3(図中1点鎖線)が形成されており、この周回搬送路3に沿って略等間隔で合計12箇所の処理ポジションS1〜S12が設けられている。
【0033】
12箇所の処理ポジションS1〜S12の具体的な名称は、周回搬送路3の周回搬送方向(図1及び図2の時計回り方向)へ順番に、装着ポジションS1、待機ポジションS2、3箇所の洗浄ポジションS3〜S5、第1排水ポジションS6、4箇所の濯ぎポジションS7〜S10、第2排水ポジションS11、及び、脱着ポジションS12である。装着ポジションS1は、ボトル装着装置30によってボトルBをホルダ部材4に装着するためのポジションであり、後述するボトル搬入路24の搬送方向下流端部の延長線上であって、周回搬送路3の第1コーナー部(原動スプロケット9の配設コーナー部)に配置されている。
【0034】
待機ポジションS2は、装着ポジションS1よりも1ポジションだけ周回搬送方向下流側に配置されており、装着ポジションS1でホルダ部材4に装着されたボトルBを口部b3を下向きにしたまま放置して、ボトルBの内部に残存する飲料水をボトルBの口部b3から滴下させたり、装着後しばらく放置してホルダ部材4上でボトルBの安定化させるためのポジションである。
【0035】
洗浄ポジションS3〜S5は、待機ポジションS2から周回搬送方向下流側に1〜3ポジションずれて連続配置されている3箇所のポジションであって、なかでも最下流側にある第3番目の洗浄ポジションS5は周回搬送路3の第2コーナー部に配置されている。これらの3箇所の洗浄ポジションS3〜S5にはいずれにもボトルB内部を洗浄するための噴射ノズル(図4に示す噴射ノズル18参照。以下同じ。)、及び、ボトルB外部を洗浄するための噴射ノズル(図示せず。以下同じ)の双方が配設されており、いずれの洗浄ポジションS3〜S5でも、噴射ノズルから噴射される洗剤入りの洗浄水によってボトルBの内部(内面)及び外部(外面)の双方が洗浄される。なお、洗浄水は本発明で用いる洗浄液の一種である。なお、図2では噴射ノズルの図示を省略している。
【0036】
第1排水ポジションS6は、最下流側にある第3番目の洗浄ポジションS5よりも1ポジションだけ周回搬送方向下流側に配置されており、洗浄ポジションS5でボトルBの内部に噴射されて残留している使用済洗浄水をボトルBの口部b3から外部へと自由落下により排水するためにボトルBを放置するポジションである。この第1排水ポジションS6でボトルBの内部から使用済洗浄水を排水させておくことで、ボトルB内に残留した使用済洗浄水が次の濯ぎポジションS7でボトルBから流下して、濯ぎポジションS7の噴射ノズルへ混入することが防止される。
【0037】
濯ぎポジションS7〜S10は、第1排水ポジションS6から周回搬送方向下流側に1〜4ポジションずれて連続配置されている4箇所のポジションであって、なかでも最上流側にある第1番目の濯ぎポジションS7は周回搬送路3の第3コーナー部に配置されている。この第1番目の濯ぎポジションS7にはボトルBの内部を濯ぐための噴射ノズルが配設されており、その噴射ノズルから濯ぎ水がボトルBの口部b3内へ噴射されることでボトルBの内部が濯ぎ洗いされる。なお、濯ぎ水は、本発明で用いる洗浄液の一種であり、具体的には通常の水道水を使用したものである(以下同じ。)。
【0038】
第2番目の濯ぎポジションS8には、ボトルBの内部を濯ぐための噴射ノズル、及び、ボトルBの外部を濯ぐための噴射ノズルがそれぞれ配設されており、この第2番目の濯ぎポジションS8では、各噴射ノズルから濯ぎ水が同時に噴射されることでボトルBの内部及び外部が同時に濯ぎ洗いされる。また、第3番目の濯ぎポジションS9には、ボトルB外部を濯ぐための噴射ノズルが配設されており、その噴射ノズルから濯ぎ水がボトルBの外部へ噴射されることでボトルBの外部が濯ぎ洗いされる。
【0039】
そして、最下流側にある第4番目の濯ぎポジションS10にはボトルBの内部を濯ぐための噴射ノズル、及び、ボトルBの外部を濯ぐための噴射ノズルがそれぞれ配設されており、ボトルBの外部に濯ぎ水が噴射されることでボトルBの外部が濯ぎ洗いされると同時に、ボトルBの口部b3内へ製品用の飲料水がファイナルリンス水として噴射されることでボトルBの内部がファイナルリンス水により濯ぎ洗いされる。なお、ファイナルリンス水は本発明で用いる洗浄液の一種である。
【0040】
第2排水ポジションS11は、第4番目の濯ぎポジションS10よりも1ポジションだけ周回搬送方向下流側にあたる周回搬送路3の第4コーナー部に配置されており、第4番目の濯ぎポジションS10でボトルBの内部に噴射されて残留している使用済ファイナルリンス水をボトルBの口部b3から外部へと自由落下により排水するためにボトルBを放置するポジションである。
【0041】
脱着ポジションS12は、第2排水ポジションS11よりも1ポジションだけ周回搬送方向下流側で、且つ、装着ポジションS1よりも1ポジションだけ周回搬送方向上流側に配置されており、ホルダ部材4からボトルBを脱着するためのポジションである。また、この脱着ポジションS12でボトルBが脱着されたホルダ部材4は、再び、装着ポジションS1へ転移されて、新たなボトルBが装着される。
【0042】
また、上記した複数の処理ポジションS1〜S12に位置している複数のホルダ部材4は、搬送機構装置6の搬送チェーン7にブラケット16を介して取着されている。搬送機構装置6は、主に、搬送チェーン7と、ガイドレール8と、スプロケット9〜12と、間欠移送モータ13(図3参照)とを備えている。搬送機構装置6は、全てのホルダ部材4を処理ポジション間隔Lに略等しい移送ピッチPずつ一斉に周回搬送路3の周回方向へ間欠移動させることによって、各ホルダ部材4を、各ホルダ部材4が現在位置しているポジションから次のポジションへ次々と転移させるものである。
【0043】
搬送チェーン7は、周回搬送路3に沿って平面視略ロ字形に周設されており、この搬送チェーン7の外周側には、搬送チェーン7から所定間隔を隔ててガイドレール8が平面視略ロ字形となるように周設されている。そして、このガイドレール8及び搬送チェーン7の間には、上記した複数のホルダ部材4が周回搬送路3に沿って移動可能に配設されている。
【0044】
搬送チェーン7の内周部には、その各コーナー部に1個ずつ合計4個のスプロケット9〜12が配設されており、これらの4個のスプロケット9〜12はいずれも搬送チェーン7に内接した状態で歯合されている。これら4個のスプロケット9〜12のうちの1個は搬送チェーン7を間欠移送するための駆動力を伝達するための原動スプロケット9であり、残る3個は搬送チェーン7を周回搬送路3に沿って案内するための従動スプロケット10〜12である。
【0045】
図3は、装着ポジションS1周辺の縦断面図である。図3に示すように、原動スプロケット9はその中心部に原動軸14の上端部が軸通されている。この原動軸14は、原動スプロケット9から鉛直下方へ延出されており、装置本体2に配設される間欠移送モータ13の減速機の出力軸と一体的に連結されている。また、間欠移送モータ13は、周回搬送路3よりも下方に位置する装置本体2の架台上に搭載されており、その上部がモータカバー15によって覆われている。
【0046】
間欠移送モータ13は、原動スプロケット9に回転力(回動力)を与えて、搬送チェーン7を移送ピッチPずつ間欠移送する、減速機付き電動モータである。具体的に、間欠移送モータ13は、原動スプロケット9を介して搬送チェーン7を一定の移送ピッチPだけ移送する動作状態と、略15秒間の停止状態とを、順番に繰り返すように駆動されるものである。そして、この間欠移送モータ13の略15秒間の停止状態の間に、各処理ポジションS1〜S12では、ボトルBに対する必要な処理が施されるのである。
【0047】
図4は、図1のIV−IV線における縦断面図である。図4に示すように、ホルダ部材4は、その形状が略中空筒状に形成されており、その中央部にボトル保持孔5が鉛直方向に貫通形成されている。このホルダ部材4は、上下反転されて口部b3が下向きとなったボトルBの頸部b2をボトル保持孔5内に嵌入させた状態でボトルBを支保するものであり、ボトル保持孔5の上端側周縁部によってボトルBの肩部b4を下方から支保するように形成されている。
【0048】
また、ホルダ部材4の一方の側部にはブラケット16が取着されている。ブラケット16は、ホルダ部材4を搬送チェーン7に取着するための器具であって、このブラケット16を介してホルダ部材4が搬送チェーン7における上側のリンクプレートに固定的に取着されている。一方、ホルダ部材4のもう一方の側部には一組のガイドローラ17が取着されている。この一組のガイドローラ17はいずれも円柱状に形成されており、略水平な軸中心回りで回転可能にホルダ部材4に軸支されている。
【0049】
更に、ホルダ部材4は、上記したブラケット16及び一組のガイドローラ17を介してガイドレール8及び搬送チェーン7間に架設された状態で略水平姿勢で保持されており、そのホルダ部材4のボトル保持孔5の鉛直下方には、ホルダ部材4の下端面から僅かに離れて噴射ノズル18が配設されている。この噴射ノズル18は、上記した第2番目の濯ぎポジションS8に配設されるものであり、その上端面に液体を鉛直上方へ向けて噴射するノズル孔18aが設けられている。
【0050】
この濯ぎ用の噴射ノズル18によれば、その噴射ノズル18へ供給される濯ぎ水がノズル孔18aからボトル保持孔5内に嵌入されているボトルBの口部b3内へ向けて鉛直上方に噴射されることで、その濯ぎ水によってボトルBの内部が濯がれる。なお、図4では、第2番目の濯ぎポジションS8に配設される噴射ノズル18のみを図示しているが、ボトルBの内部を洗浄するために洗浄ポジションS3〜S5や他の濯ぎポジションS7,S9,S10にも、図示は省略するが、濯ぎポジションS8に配設されているものと構造的に同一形態の噴射ノズル18が配設されている。また、本実施例では、ボトルBの外部を洗浄する噴射ノズルの図示を省略している。
【0051】
また、ホルダ部材4が取着されている搬送チェーン7の内周には上記した従動スプロケット10の歯部が歯合されており、この従動スプロケット10の中心部には回転軸19の上端部が軸通されている。従動スプロケット10の回転軸19は、その下端部が軸受20によって回転可能に軸支されており、この軸受20は装置本体2に固定されている。なお、図4に示した従動スプロケット10は、合計3個ある従動スプロケット10〜12のうちの1個を図示したものであるが、残る2個の従動スプロケット11,12についても同様に回転軸19が軸受20を介して回転可能に軸支されている。
【0052】
更に、図3及び図4に示すように搬送チェーン7の下方には、その搬送チェーン7を支持するチェーンフレーム21が配設されており、このチェーンフレーム21の上部には、係合ブロック22が固定されている。また、この係合ブロック22の上面には搬送チェーン7のローラ及び下側のリンクプレートが摺動可能に係合される無蓋有底の係合凹部23が凹設されている。このチェーンフレーム21及び係合ブロック23は、図1に示した周回搬送路3の各コーナー部を除く各ストレートライン部に沿って配設されており、搬送チェーン7を周回搬送路3に沿って移送させるための規制体として機能するものである。
【0053】
図5は、図4の矢印A方向からホルダ部材4を矢視した矢視図である。図5に示すように、1つのホルダ部材4に取着されるガイドローラ17は合計3個で一組となっており、そのうち2個が上側に、残る1個が下側に、それぞれ回転可能に軸着されている。これら一組のガイドローラ17,17,17は、ガイドレール8を上下から挟持することでガイドレール8に係合されており、これら一組のガイドローラ17がガイドレール8に当接されながら転動することでホルダ部材4がガイドレール8に沿って案内移動される。つまり、複数のホルダ部材4は、一組のガイドローラ17,17,17を介してガイドレール8に係合されたままの状態で、周回搬送路3に沿って周回移動されるのである。
【0054】
図6は、ボトル洗浄装置1の周回搬送路3に併設されるボトル搬入路24及びボトル搬出路25の平面図である。図6に示すように、ボトル洗浄装置1の装置本体2に設けられる周回搬送路3には、ボトル搬入路24及びボトル搬出路25が併設されている。ボトル搬入路24は、ボトルBを周回搬送路3上の装着ポジションS1へ向けて順次搬入するローラコンベアで構成されており、このローラコンベアは、複数のローラ上に載置されるボトルBを、その複数のローラが転動することで搬送するコンベア装置である。
【0055】
ボトル搬出路25は、周回搬送路3の短辺部分(図1及び図6の右側)にその短辺部分と同一方向(図1及び図2の上下方向)に延設されており、脱着ポジションS12に隣接するように周回搬送路3に並設されている。このボトル搬出路25は、周回搬送路3の脱着ポジションS12でホルダ部材4から脱着されたボトルBを、次工程へ向けて順次搬出するローラコンベアで構成されており、ボトル搬入路24による搬送方向とは逆方向へボトルBを搬出するものである。なお、ボトル搬出路25は、ボトル搬入路24と同種のローラコンベアで構成されている。
【0056】
また、ボトル搬出路25は、ボトル搬入路24に対して略平行に並設されており、この結果、ボトル洗浄装置1ではボトルBの搬入口及び搬出口が一箇所にまとめられている。更に、ボトル洗浄装置1には、ボトル搬入路24の搬送方向下流端部にあるボトルBを装着ポジションS1に位置しているホルダ部材4に装着させるボトル装着装置30と、脱着ポジションS12に位置しているホルダ部材4からボトルBを脱着させてボトル搬出路25上に送るボトル脱着装置50とが配設されている。
【0057】
ボトル脱着装置50は、周回搬送路3の内周部に配設されるエアシリンダ51によって、脱着ポジションS12に到達したホルダ部材4をボトル搬出路25へ向けて傾倒させて、上下反転姿勢にあるボトルBを斜倒させて、そのボトルBをボトル搬出路25上へ落下させることで、ボトルBの頸部b2をホルダ部材4のボトル保持孔5内から抜脱させて、そのボトルBをボトル搬出路25上で口部b3が上向きとなる姿勢に起立させる装置である。
【0058】
一方、ボトル装着装置30は、装着ポジションS1に位置しているホルダ部材4にボトルBを装着するための装置である。このボトル装着装置30は、ボトル搬入路24の搬送方向下流側に配設されており、ボトルBを上下180°反転させて、そのボトルBの口部b3を下向きにしてボトルBの頸部b2をホルダ部材4のボトル保持孔5内へ嵌入させた状態で、そのホルダ部材4にボトルBを載置させる装置である。
【0059】
このボトル装着装置30は、主として、ボトル搬入路24上にあるボトルBの胴部b1をクランプして上下180°反転させる反転クランプ装置31と、その反転クランプ装置31により反転されたボトルBの頸部b2をクランプして装着ポジションS1まで移動させて、その装着ポジションS1に位置しているホルダ部材4の上方でクランプを解除してボトルBを落下させて、ボトルBの頸部b2を保持孔へ嵌入させる移送クランプ装置32とを備えている。
【0060】
反転クランプ装置31は、支持フレーム33と、一対の胴部クランプ34,35と、クランプ用エアシリンダ36と、クランプアーム37と、反転モータ38とを備えている。支持フレーム33は、ボトル搬入路24に対して鉛直方向に立設されており、この支持フレーム33の上部には、一対の胴部クランプ34,35、クランプ用エアシリンダ36、クランプアーム37及び反転モータ38が配設されている。一対の胴部クランプ34,35は、ボトル搬入路24の横断方向(図6左右方向)両側にそれぞれ1個ずつ配設されており、そのうち一方の胴部クランプ34にはクランプ用エアシリンダ36が連結されている。
【0061】
クランプ用エアシリンダ36は、一方の胴部クランプ34を他方の胴部クランプ35に対する接近方向へ押動して、ボトル搬入路24上にあるボトルBの胴部b1を左右両側から挟持する動力装置であり、一対の胴部クランプ34,35と共にクランプアーム37に固定されている。クランプアーム37は、一対の胴部クランプ34,35の支持体であって、ボトル搬入路24の横断方向一端側(図6右側)から他端側(図6左側)へ延設されている。このため、ボトル搬入路24の下流端部に到達したボトルBはクランプアーム37によって一旦堰き止められる。
【0062】
反転モータ38は、支持フレーム33の上部に固定されている電動モータであり、その回転軸38aがボトル搬入路24の横断方向へ向けられている。この反転モータ38の回転軸38aにはクランプアーム37が連結されており、このクランプアーム37が反転モータ38の回転軸38a回りで略180°回動されることで、一対の胴部クランプ34,35により挟持されているボトルBが上下反転される。
【0063】
移送クランプ装置32は、一対の頸部クランプ39,40と、一対のクランプアーム41,42と、クランプ用モータ43と、支持フレーム44と、移送用エアシリンダ45(図7参照)とを備えている。この移送クランプ装置32における一対の頸部クランプ39,40は、ボトル搬入路24の横断方向両側に1個ずつ別々に配設されており、その互いの対向面にボトルBの頸部b2に外形に適合した凹部が形成されている。一対のクランプアーム41,42は、その先端部に頸部クランプ39,40が1個ずつ別々に取着されており、その基端部がクランプ用モータ43の可動部にそれぞれ取着されている。
【0064】
クランプ用モータ43は、内蔵される電動モータの回動力を用いて、一対のクランプアーム41,42の双方をボトル搬入路24の横断方向と同方向に移動させることで、一対のクランプアーム41,42間の間隔を拡縮させる動力装置である。このクランプ用モータ43によれば、各クランプアーム41,42を相互に接近方向へ移動させて両者間の間隔を縮小することで一対の頸部クランプ39,40によりボトルBの頸部b2がクランプされ、各クランプアーム41,42を相互に離反方向へ移動させて両者間の間隔を拡大することで一対の頸部クランプ39,40によるクランプが解除される。
【0065】
図7は、図6のVI−VI線における縦断面図である。図7に示すように、支持フレーム44は、クランプ用モータ43を支持すると共に移送用エアシリンダ45に連結させる支持体であって、移送用エアシリンダ45の本体から空気圧により出没される可動ロッド45aの先端部に固定されている。移送用エアシリンダ45は、一対の頸部クランプ39,40により頸部b2がクランプされているボトルBを、ボトル搬入路24の下流端部から装着ポジションS1へ向けて移送するための動力装置である。
【0066】
この移送用エアシリンダ45によって、ボトルBの頸部b2が、装着ポジションS1に位置しているホルダ部材4のボトル保持孔5の直上位置まで移送されると、クランプ用モータ43により一対の頸部クランプ39,40によるクランプが解除される。すると、ボトルBが落下させられて、ボトルBの頸部b2が装着ポジションS1にあるホルダ部材4のボトル保持孔5内へ嵌入される。
【0067】
次に、上記のように構成されたボトル洗浄装置1を用いたボトルBの洗浄方法について説明する。まず、装置本体2内では、間欠移送モータ13が略15秒間隔おきに間欠的に一定角度ずつ回転駆動されており、これを受けて、原動スプロケット9が原動軸14を中心に間欠的に一定角度ずつ回転され、その回転により搬送チェーン7が、図1の時計回り方向へ間欠的に処理ポジション間隔Lに相当する長さ分ずつ、周回搬送路3に沿って移送される。
【0068】
すると、搬送チェーン7に取着されている合計12個のホルダ部材4は、一斉に周回搬送路3に沿って図1の時計回り方向へ、その周回搬送方向上流側の処理ポジションから1ポジション下流側にある処理ポジションへ転移される。そして、この間欠的な搬送チェーン7の移送が12回繰り返されると、全てのホルダ部材4が周回搬送路3を一周回して、もとあった処理ポジションに戻される。この結果、全てのホルダ部材4によって支保されている複数(合計12本)のボトルBは、上下反転された姿勢のままで周回搬送路3を一周回させられるのである。
【0069】
複数のホルダ部材4が上記した間欠的転移を繰り返す中で、ボトル搬入路24によって空のボトルBが装置本体2へ向かって搬入される。ボトルBがボトル搬入路24の搬送方向下流端部に到達すると、そのボトルBは、反転クランプ装置31のクランプアーム37により堰き止められ、その反転クランプ装置31によって上下略180°反転される。この反転後、ボトルBの頸部b2が移送クランプ装置32の頸部クランプ39,40によりクランプされて、それから反転クランプ装置31によるボトルBの胴部b1のクランプ状態が解除される。
【0070】
その後、上下反転状態にあるボトルBは、移送クランプ装置32によりクランプされたまま、移送用エアシリンダ45によって装着ポジションS1に位置されているホルダ部材4の上方位置まで移送され、そこで、移送クランプ装置32によるクランプ状態が解除されると、ボトルBが落下されて、ボトルBの頸部b2が装着ポジションS1にあるホルダ部材4のボトル保持孔5内へ嵌入され、ボトルBが口部b3を下方に向けた状態でホルダ部材4によって支保される。
【0071】
このボトルBが装着ポジションS1で装着されたホルダ部材4は、上記した搬送チェーン7の間欠的な周回移送によって、装着ポジションS1から待機ポジションS2へ転移されて略15秒間放置された後、第1番目の洗浄ポジションS3へ転移されて、3箇所の洗浄ポジションS3〜S5を通過するまでの間にボトルBの内部及び外部について合計略45秒間の洗浄が施される。その後、ホルダ部材4はボトルBを支保したまま、第1排水ポジションS6に転移され、そこで、使用済洗浄水を内部から自由落下により排水させるために略15秒間だけ放置される。
【0072】
この第1排水ポジションS6での放置後、ボトルBを支保するホルダ部材4は、1ポジション下流側へ転移されて、第1番目の濯ぎポジションS7へ転移され、合計4箇所の濯ぎポジションS7〜S10を通過するまでの間に、ボトルBの内部について濯ぎ水による略30秒間の濯ぎ洗い、濯ぎ水の略15秒間の自由落下による排水、及び、略15秒間のファイナルリンス処理が施されると共に、ボトルBの外部について略15秒間の放置、及び、濯ぎ水による略45秒間の濯ぎ処理が施される。
【0073】
これらの4箇所の濯ぎポジションS7〜S10を通過すると、ボトルBを支保したホルダ部材4は、第2排水ポジションS11へ転移されて、そこで、略15秒間放置されて、ボトルBの口部b3からファイナイルリンス水が自由落下により排水される。この後、ホルダ部材4が更に1ポジション下流側へ転移されて脱着ポジションS12に到達すると、そのホルダ部材4が脱着ポジションS12で停止する略15秒の間に、ボトル脱着装置50のエアシリンダ51によって、ホルダ部材4がボトル搬出路25へ向けて傾倒され、上下反転姿勢にあるボトルBが斜倒される。
【0074】
すると、ホルダ部材4に支保されていたボトルBは、ボトル搬出路25上へ向けて落下され、その落下に伴ってボトルBの頸部b2がホルダ部材4のボトル保持孔5内から抜脱されると、ボトルBがホルダ部材4から脱着されてボトル搬出路25上で口部b3が上向きとなるように起立させられる。このように口部b3を上向きにして起立したボトルBは、ボトル搬出路25によって搬送されて、次工程へ搬出される。
【0075】
一方、ボトルBが脱着されたホルダ部材4は、脱着ポジションS12に位置する間に、ボトル脱着装置50のエアシリンダ51によって略水平姿勢に戻される。この後、ホルダ部材4は、脱着ポジションS12から更に1ポジション下流側にある装着ポジションS1へ転移され、再び、空のボトルBがボトル装着装置30によって装着されて、その後は上記した一連の間欠動作を繰り返すこととなる。
【0076】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、ボトルサイズ、ホルダ部材の個数、各処理ポジションでの停止時間、周回搬送路3の平面形態、又は、各処理ポジションの処理内容などについて適宜改良変形しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施例であるボトル洗浄装置の装置本体の内部構造を示す平面図である。
【図2】ボトル洗浄装置の平面的な模式図である。
【図3】装着ポジション周辺の縦断面図である。
【図4】図1のIV−IV線における縦断面図である。
【図5】図4の矢印A方向からホルダ部材を矢視した矢視図である。
【図6】ボトル洗浄装置の周回搬送路に併設されるボトル搬入路及びボトル搬出路の平面図である。
【図7】図6のVI−VI線における縦断面図である。
【図8】ボトルの断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1 ボトル洗浄装置
3 周回搬送路
4 ホルダ部材
7 搬送チェーン(搬送チェーン、搬送手段の一部)
8 ガイドレール(ガイドレール、搬送手段の一部)
9 原動スプロケット(スプロケット、搬送手段の一部)
13 間欠移送モータ(間欠移送手段、搬送手段の一部)
17 ガイドローラ
18 噴射ノズル(洗浄手段)
24 ボトル搬入路
25 ボトル搬出路
B ボトル
b3 口部
S1〜S12 処理ポジション
S1 装着ポジション(装着ポジション、処理ポジションの一部)
S12 脱着ポジション(脱着ポジション、処理ポジションの一部)
S3〜S5 洗浄ポジション(洗浄ポジションの一部、処理ポジションの一部)
S7〜S10 濯ぎポジション(洗浄ポジションの一部、処理ポジションの一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部を有しているボトルを洗浄するボトル洗浄装置において、
平面視略無端環状に設けられる周回搬送路と、
その周回搬送路に沿って所定間隔おきに配置される複数の処理ポジションと、
その複数の処理ポジションの配置間隔と略等しい間隔で前記周回搬送路に沿って複数設けられボトルをそれぞれ支保可能に形成されている複数のホルダ部材と、
その複数のホルダ部材の全てを一斉に前記周回搬送路に沿って同一周回方向へ前記処理ポジションの配置間隔ずつ間欠移動させることによって、各ホルダ部材を、各ホルダ部材が位置している処理ポジションから次の処理ポジションへ転移させる搬送手段と、
前記複数の処理ポジションの1つであって前記ホルダ部材にボトルを装着する装着ポジションと、
前記複数の処理ポジションの1つであって前記装着ポジションよりも1ポジションだけ前記周回搬送路の搬送方向上流側にあって前記ホルダ部材からボトルを脱着する脱着ポジションと、
その脱着ポジション及び装着ポジションを除いた前記複数の処理ポジションのうちの少なくとも1つにあたる洗浄ポジションに配設され前記ホルダ部材により支保されているボトルの口部内へ洗浄液を噴射する洗浄手段とを備えていることを特徴とするボトル洗浄装置。
【請求項2】
前記搬送手段は、前記周回搬送路に沿って周設されると共に前記複数のホルダ部材が前記処理ポジションの配置間隔と略等しい間隔で取着されている搬送チェーンと、
その搬送チェーンに内接し且つ歯合されて回転可能に軸支されるスプロケットと、
そのスプロケットに回転力を付与し、前記周回搬送路に沿って前記搬送チェーンを前記処理ポジションの配置間隔ずつ間欠移送する間欠移送手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載のボトル洗浄装置。
【請求項3】
前記搬送手段は、前記搬送チェーンの外周側に、その搬送チェーンに対して間隔を隔てて、前記周回搬送路に沿って周設されるガイドレールを備えており、
前記複数のホルダ部材は、そのガイドレールに係合された状態で前記周回搬送路に沿って周回移動可能に形成されており、更に、そのガイドレール及び前記搬送チェーン間に架設されて略水平姿勢で保持されていることを特徴とする請求項2記載のボトル洗浄装置。
【請求項4】
前記ホルダ部材は、そのホルダ部材に回転可能に軸支されて前記ガイドレールを挟持する一組のガイドローラを備えており、この一組のガイドローラを介して前記ガイドレールに対して移動可能に係合されていることを特徴とする請求項3記載のボトル洗浄装置。
【請求項5】
前記周回搬送路に並設され、前記脱着ポジションで前記ホルダ部材から脱着されたボトルを次工程へ搬出するボトル搬出路と、
そのボトル搬出路に並設されそのボトル搬出路によるボトルの搬出方向とは逆方向へボトルを搬送して前記装着ポジションへボトルを搬入するボトル搬入路とを備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のボトル洗浄充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−152270(P2007−152270A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353157(P2005−353157)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(505447696)日本ピュアウォーター株式会社 (9)
【Fターム(参考)】