説明

ボンディングワイヤ

【課題】 樹脂基板側とのステッチ接合性が良好なボンディングワイヤ及びそのボンディングワイヤによって接合された半導体装置を提供する。
【解決手段】 ワイヤの長手方向に沿って断面円形のワイヤ表面に微細な筋状凹凸溝パターンが形成されているものであって、当該筋状の凹凸溝パターンは、オーバリティ(ワイヤの直径を複数回測定した値の中で、最長の直径と最短の直径との差を平均の直径で除したときの百分率の値)が0.1〜6%であり、かつ、BET法による比表面積が当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して3〜100%大きくなっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路に用いられるボンディングワイヤおよびこのワイヤがステッチ接合された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、多数の半導体素子を単独のチップに集積化した半導体集積回路が広く用いられている。半導体集積回路のうち、半導体集積回路チップ(半導体チップ)を樹脂により封止した樹脂モールド型パッケージのものにおいては、半導体チップに形成された端子であるボンディングパッドと、樹脂基板に形成された外部取り出し電極に接続する接続部(ステッチ)との間が、一般的には純度が99.99質量%以上の純金線で、場合によっては、Au、Ag、Pd、Pt、Cuなどの金属または合金からなるボンディングワイヤによって、接続された半導体装置が使用される。
【0003】
このボンディングワイヤの形状としては、様々なものが考えられている。例えば、ボンディングワイヤとモールド樹脂との密着性を向上させ、半導体装置の信頼性を向上させるため、ワイヤの軸に平行な突条から形成される断面が星型のボンディングワイヤが知られている(特許文献1参照)。また、「本発明はワイヤ自体の交流実効抵抗を小さくし、半導体装置のとくに電源やアース線での雑音を減少することができるボンディングワイヤ及び半導体装置を提供することを目的と」して、「表面を長さ方向に沿った凹凸面(1a)で構成することを特徴とするボンディングワイヤ」も知られている(特許文献1参照)。なお、凸条の個数は、特許文献1では8個、特許文献2では9個のものが例示(図示)されている。
【0004】
【特許文献1】特公平7−50720号公報
【特許文献2】特開平5−243310号公報
【0005】
しかしながら、上記のような凸条を形成しようとした場合には、最終仕上げをした断面円形のボンディングワイヤをさらに異形ロールなどを使ってワイヤ形状を変形しなければならない。そのため、工程数が増え製造コストが上昇する。しかも、ボンディングワイヤは、最終仕上げダイス挿通(伸線)後に続く調質熱処理によって伸びや応力などの機械的特性が調製されているのであるが、このように適正に調製されたボンディングワイヤの特性が、追加の異形工程によって損なわれてしまうという新たな課題が生じる。
【0006】
また、断面円形のボンディングワイヤを樹脂基板側にステッチ接合する場合は、超音波接合によって行われるが、樹脂基板はAuめっきまたはAgないしCuめっきされているのが一般的である。このめっきが無電解めっきの場合は、電解めっき表面と比較して表面が平滑なため、樹脂基板を加熱しておいてもステッチ接合が難しいという課題があった。特にファインピッチのボール・グリッド・アレイ(FBGA)パッケージの高密度実装では、無電解Auめっき上に低温でボンディングワイヤをステッチ接合する必要があるため、ステッチ接合がいっそう困難になるという課題があった。このようなステッチ接合が困難であるという課題は、凸条の個数が10個前後に増えたところで解決しなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題点に鑑み、本発明は、樹脂基板側とのステッチ接合性が良好なボンディングワイヤ及びそのボンディングワイヤによって接合された半導体装置を提供することを目的とする。特に本発明は、無電解金属めっきされた樹脂基板側とのステッチ接合性が良好なボンディングワイヤ及びそのボンディングワイヤによって接合された半導体装置を提供することを目的とする。また、本発明は、従来から知られている、高周波電流にとって交流実効抵抗の小さなボンディングワイヤ及びモールド樹脂の食いつきが強固なボンディングワイヤを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、半導体集積回路チップに形成されたボンディングパッドと外部取り出し電極に接続する接続部との間を接続するための本発明のボンディングワイヤは、ワイヤの長手方向に沿って断面円形のワイヤ表面に微細な筋状凹凸溝パターンが形成されているものであって、当該筋状の凹凸溝パターンは、オーバリティ(ワイヤの直径を複数回測定した値の中で、最長の直径と最短の直径との差を平均の直径で除したときの百分率の値)が0.1〜6%であり、かつ、BET法による比表面積が当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して3〜100%大きくなっていることを特徴とする。
【0009】
中でも、オーバリティが0.4〜4%であること、あるいは、BET法による比表面積が当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して10〜30%大きくなっていること、が好ましい。
また、本発明の半導体装置は、半導体集積回路チップの外部取り出し電極と接続する接続部とボンディングワイヤとの間がステッチ接合によって接続されてなる半導体装置であって、前記ボンディングワイヤは、ワイヤの長手方向に沿って断面円形のワイヤ表面に微細な筋状凹凸溝パターンが形成されているものであって、当該筋状の凹凸溝パターンは、オーバリティが0.1〜6%であり、かつ、BET法による比表面積が当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して3〜100%大きくなっていることを特徴とする。中でも、オーバリティがワイヤ直径の0.4〜4%であること、あるいは、BET法による比表面積が当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して10〜30%大きくなっていること、が好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のボンディングワイヤは、無電解めっきされた導体回路へウェッジ接合する場合にもワイヤ表面の凹凸によるアンカー効果によって強固に接合することができる。
同様に、封止樹脂に対してもワイヤ表面の凹凸によるアンカー効果をもたらすので、封止樹脂との密着性が良好になる。
本発明のボンディングワイヤは、ワイヤ表面積が大幅に増加しているので、放熱面積が増え、大電流を流しても、その放熱効果により熱ストレスによる断線を防ぐことができる。
また、移動体通信分野における数ギガヘルツ帯の高周波信号による伝導では、導体の表面層に電流が集中し、導体内部が伝導に寄与しない表皮効果が現れるが、本発明のボンディングワイヤは、ワイヤ表面積が大幅に増加しているので、このような高周波信号による伝導にも効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、ボンディングワイヤの表面に、従来試みられてきたものよりも格段に微細な筋状凹凸溝パターンを形成させることを基本とする。
本発明でボンディングワイヤの表面に形成する当該筋状の凹凸溝パターンは、最終ダイスに所定の粒状の多結晶ダイヤモンドを通常のレーザ加工・焼結・エッチング・仕上げ研磨などによって達成される。焼結ダイヤモンドダイスは、多結晶ダイヤモンド粉末を混合、加圧、焼結して作製されるものであり、内部は多結晶構造をしたものである。このレーザ加工・焼結・エッチング・仕上げ研磨の方法および条件を適当に変えることによって、所望の先鋭パターンを有する焼結ダイヤモンドダイスが得られる。このダイヤモンドダイスを使って伸線加工をすると、ワイヤの長手方向に沿って断面円形のワイヤ表面に微細な筋状凹凸溝パターンを形成させることができる。
【0012】
この場合、半導体集積回路チップの外部取り出し電極と接続する接続部とボンディングワイヤとの間が、本発明で得られるボンディングワイヤを用いてステッチ接合によって接続されて本発明の半導体装置となるが、前記ボンディングワイヤの、当該筋状凹凸溝パターンは、オーバリティが0.1〜6%であり、かつ、BET法による比表面積が当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して3〜100%大きくなっていることを特徴とする。
本発明の半導体装置の実施態様としては、オーバリティが0.4〜4%であることが好ましい。
また、本発明の半導体装置の実施態様としては、BET法によるボンディングワイヤの比表面積が当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して10〜30%大きくなっていることが好ましい。
【0013】
本発明のボンディングワイヤは、断面円形のワイヤ表面に所定の微細な筋状凹凸溝パターンが形成されているので、樹脂基板上にボンディングワイヤがこの微細な筋状凹凸溝パターンに沿って超音波接合される。ボンディングワイヤ表面の筋状凹凸溝は、伸線加工に用いられる焼結ダイスに形成された多結晶ダイヤモンド粒子の表面性状によってコントロールできる。この伸線加工によって形成された筋条凹凸溝は新規の設備を必要とせず、化学エッチングや電解エッチングより生産性が良い。また、エッチング液が残留するという危険もない。
ボンディングワイヤは、融点以下で接合される固相接合であり、接合面の形状は重要な因子である。一般的に、無電解めっきは電解めっきと比較して基板表面が平坦である。このような平坦な無電解めっきされた樹脂基板を用いた場合、ワイヤ表面の凹凸溝が無電解めっきに食い込むアンカー効果を伴って、樹脂基板とのステッチ接合性を向上させることができる。
【0014】
本発明において、ボンディングワイヤの筋状凹凸溝パターンのオーバリティは0.1〜6%であることが必要であり、より好ましくは、0.4〜4%である。加えて、BET法による比表面積が、当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して0〜100%大きくなっていることが必要であり、好ましくは、10〜30%大きくなっていることである。これは、微細な溝によって上記のアンカー効果を持たせ、接合性を向上させるためである。
このことを、オーバリティと比表面積との組み合わせによる筋状凹凸溝パターンの変化を模式的に示す図1によって説明する。
イ・ニのようにオーバリティが0.1%の下限値以下の場合、凹凸溝パターンが小さすぎるためにアンカー効果が向上しない。ハ・ヘのようにオーバリティーが6%の上限値を超えると、樹脂でモールドする際にワイヤ流れが生じやすくなってしまう。ロのように比表面積が3%以下の場合、凹凸溝パターンが大きくかつ少ないためにアンカー効果が向上しない。ト・チ・リのように比表面積が100%以上の場合、溝の形状が複雑なため生産性が悪い。
【0015】
本発明のボンディングワイヤにおける上記の必要な、ないし好ましい範囲は、そのまま本発明の半導体装置における必要な、ないし好ましい範囲となる。
【0016】
本発明の筋状の筋状凹凸溝のパターンは、いわゆるダイス上がりのこすれ傷として、従来マイナス評価されていた表面性状がワイヤ全面に現されるようにしたものである。このような表面性状をワイヤ全面に意図的に形成し、実質的にもアンカー効果を伴う必要がある。このため、本発明における筋状の筋状凹凸溝のパターンは、BET法による比表面積が3〜100%大きくなっていることが必要である。
【0017】
ここで、各種の製法により得られたボンディングワイヤの表面状態を表す写真を図2、図3に示す。
ワイヤ1は、常法に従って製造されたボンディングワイヤ、ワイヤ2は、本発明に従って製造された、筋状の凹凸溝パターンが施されたボンディングワイヤである。
図2に見るように、1と2との差異は判り難いが、図3の2に見るように、本発明によるワイヤは、無数の凹凸が線材の軸方向に平行に延びている特徴を有することが判る。なお、図2における断面上に見られる平行状の線は、ワイヤ切断の際に形成されたものであり、図3の1は、格別のプロファイルを示さず、ほぼ平滑な表面を示すものであるので、図示省略した。
【0018】
ワイヤ1のオーバリティは0.87%、ワイヤ2のオーバリティは0.97%である。また、ワイヤ3およびワイヤ4は、最終のダイヤモンドダイスを特殊形状に加工して作製されたものである。ワイヤ3のオーバリティは4.24%、ワイヤ4のオーバリティは10.29%である。
ワイヤ2の表面溝パターンは微細なために、ワイヤの断面図からは明確には確認することはできないが、図3に示すようにレーザ顕微鏡の表面観察により両ワイヤ間で明確な違いが確認できる。
他方、ワイヤ3およびワイヤ4のように、オーバリティが4%を超えると、凹凸溝パターンが大きすぎるために、アンカー効果が向上しない。さらに、ワイヤ4においては、ボンディングワイヤを接合後に樹脂モールドすると、ワイヤが流れやすくなる。
【0019】
本発明のボンディングワイヤおよび半導体装置は、特許文献1、2などで知られている公知のものが発揮する作用を、一層効果的に発揮する。
すなわち、ボンディングワイヤの表面積が増加することにより、単位長さあたりの表面抵抗が下がり、高周波電流にとって交流実効抵抗の小さなワイヤが実現でき、半導体チップの電極と接続端子とを接続することにより、特に電源やアース線での雑音を減少することができる。
さらに、別の効果として、凹凸があるボンディングワイヤは、断面円形のワイヤ外周面に凹凸があるため、ボンディングワイヤとモールド樹脂との接触面積が広くなって接合面での食いつきが良くなり、腐食や特性劣化などの問題も解消することが知られている。
本発明のボンディングワイヤは、所定の微細な筋状凹凸溝パターンが機械的に形成されているので、その隙間にモールド樹脂が充填固化されて接合面での食いつきは強固なものとなる。
【実施例】
【0020】
以下、実施例および比較例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
Ca20質量ppmを含有させた純度99.99質量%以上の高純度金材料を溶解鋳造後に伸線加工し、最終仕上げのダイヤモンドダイスに凹凸のある焼結ダイスを用いて直径28μmまで伸線し、伸び率が4%になるように熱処理を行い、上記のオーバリティ0.97を有するボンディング用のワイヤを得た。このボンディング用のワイヤから1.00gの重量となるようにBET法に用いるワイヤ試料をとった。これをワイヤ2とする。
他方、最終仕上げのダイヤモンドダイスに直径28μmの凹凸のない焼結ダイスを用いた以外は同様にしてワイヤ1を得た。このワイヤ2とワイヤ1を真空加熱した後、日本ベル社製の自動比表面積/細孔分布測定装置(型式BELSORP)を用いて、ワイヤ1およびワイヤ2の比表面積を求めたところ、表1の結果を得た。なお、「理論値」とは、完全な丸線であると仮定したときの比表面積の値である。
【0021】
【表1】

【0022】
ダイヤモンドダイスに直径28μmの凹凸のある焼結ダイスを用いて筋条の溝を形成した本発明のワイヤ2の比表面積向上率は130%である。一方、従来のワイヤ1の比表面積向上率は117%である。したがって、ワイヤ2ハワイや1と比較して13%比表面積が増加していることがわかる。
次に、ワイヤ2の溝の形状を求めた。まず、レーザ回折を利用した線径測定器によってワイヤ2の外径を測定した。このような線径測定器としては、株式会社キーエンス製のデジタル寸法測定器(LS-7000)や東京光電子工業株式会社製のレーザマイクロゲージD5やCERSA社製のLDSN-200等を利用できる。レーザ顕微鏡(オリンパス光学工業株式会社の型式[OLSI100])による写真を図4に示す。
【0023】
[実施例2]
日本エレクトロプレーティングエンジニア−ズ(株)社製の無電解Auめっき液(レクトロレス FX−5)を用い、FR−4グレードのプリント配線基板、FR−4基板(190mm長さ×50mm幅×0.15mm厚さ)に0.1μmの無電解Auめっきをした。このFR−4基板を125℃に加熱した状態で、実施例1のボンディングワイヤ1とボンディングワイヤ2を、Kulicke & Soffa 社(米国)製の型式8028 PPSの超音波ボンダーを用いてボンディングを行った。ステッチ接合条件は超音波グランド電流150mA、荷重約662N(67.5gf)および接合時間10ミリ秒で、20本を超音波接合した。
【0024】
この接合強度をDAGE社(英国)製の万能型ボンドテスター型式 BT4000 を用いて測定したところ、平均の接合強度は、ボンディングワイヤ1が3.0g・Nであるのに対し、ボンディングワイヤ2は3.8g・Nであり、25%以上向上していた。この評価は、ワイヤと基板の接合強度を測定しており、筋状の凹凸溝を形成した本発明のワイヤ接合強度が向上していた。よって、本発明のワイヤはアンカー効果によりステッチ接合性が向上したと考える。
以上詳述したように、本発明のボンディングワイヤにより無電解めっきされた樹脂基板のようなステッチ接合性の悪い対象物に対して強固な接合を得ることができ、信頼性の高い半導体装置を得ることができた。
【0025】
また、本発明のボンディングワイヤによれば、表面積は、これまでのワイヤよりもはるかに多くなっているので、理論的にボンディングワイヤの抵抗値(交流実効抵抗)を小さくすることができるはずであり、本発明の半導体装置は、半導体チップの電極と接続端子とを接続することにより、ボールボンドとステッチ接合の接合個所以外は、この抵抗値(交流実効抵抗)の小さなボンディングワイヤで接続されているので、とくに電源やアース線での雑音を減少することが期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明のボンディングワイヤによれば、無電解めっきされた導体回路へウェッジ接合する場合にも、封止樹脂に対しても、アンカー効果をもたらし、接合強度が向上し、また、放熱面積が増え、大電流を流しても、その放熱効果により熱ストレスによる断線を防ぐことができるものであって、ボンディングワイヤを扱う産業において、貢献するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】オーバリティと比表面積との組み合わせによる筋状凹凸溝パターンの変化を模式的に示す図である。
【図2】各種の製法により得られたボンディングワイヤの断面形状を表すSEM写真であり、1(左上)は常法によるワイヤ、2(左下)は本発明のワイヤ、3、4は、断面形状を特定した従来技術によるワイヤの代表例である。
【図3】図1の各試料の断面と線材表面とを斜めに見たSEM写真である。
【図4】本発明の実施例1のボンディングワイヤ2と丸線のボンディングワイヤ1のレーザ顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路チップに形成されたボンディングパッドと、外部取り出し電極に接続する接続部との間を接続するためのボンディングワイヤでワイヤの長手方向に沿って断面円形のワイヤ表面に微細な筋状凹凸溝パターンが形成されているものであって、当該筋状の凹凸溝パターンは、ワイヤのオーバリティがワイヤ直径の0.1〜6%となるように形成されており、かつ、BET法による比表面積が当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して3〜100%大きくなっていることを特徴とするボンディングワイヤ。
【請求項2】
オーバリティが0.4〜4%である請求項1に記載のボンディングワイヤ。
【請求項3】
BET法による比表面積が当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して10〜30%大きくなっている請求項1に記載のボンディングワイヤ。
【請求項4】
半導体集積回路チップの外部取り出し電極と接続する接続部とボンディングワイヤとの間がステッチ接合によって接続されてなる半導体装置であって、前記ボンディングワイヤは、ワイヤの長手方向に沿って断面円形のワイヤ表面に微細な筋状凹凸溝パターンが形成されているものであって、当該筋状の凹凸溝パターンは、ワイヤのオーバリティがワイヤ直径の0.1〜6%となるように形成されており、かつ、BET法による比表面積が当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して3〜100%大きくなっていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
オーバリティがワイヤ直径の0.4〜4%である請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
BET法による比表面積が当該筋状凹凸溝パターンの形成されていないものに対して10〜30%大きくなっている請求項4に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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