ボールスプライン
【課題】 スプラインのストロークを円滑にすることができるボールスプラインを提供する。
【解決手段】 保持器蓋32の内周部に、保持器本体31の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる切欠き35が形成されている。
【解決手段】 保持器蓋32の内周部に、保持器本体31の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる切欠き35が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボールスプラインに関する。
【背景技術】
【0002】
ボールスプラインはボールねじと組み合わされて、電動アクチュエータ用や緩衝器用としてよく使用されており、例えば、特許文献1には、スプライン軌道が設けられた軸と、ボールを介して軸に嵌め合わされたボールスプライン外筒とを備え、ボールスプライン外筒は、軸のスプライン軌道に対向させられることで主通路を構成するスプライン軌道が形成された略円筒状の外筒本体と、戻し通路が形成されておりかつ外筒本体の内周に嵌め合わされた略円筒状の保持器本体と、保持器本体に一端側から突き合わされた保持器蓋とを有しているボールスプラインが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平05−71445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ボールスプラインの機能確保のためには、潤滑が適正に行われることが必要であり、そのためには、適正量のグリースが塗布されていることが必要となる。
【0005】
上記従来のボールスプラインでは、保持器を外筒本体に組み込んだ後では、その径方向外方からのグリース塗布は困難であり、保持器の径方向内方からのグリース塗布となるが、グリース塗布後に、軸をボールスプライン外筒に挿入すると、グリースが軸の端面に大量に付着して、ボールスプライン外筒の外部に流出し、グリース封入効率が悪いものとなっている。軸のスプライン軌道にグリースを塗布することでも、グリースの封入は可能であるが、この場合でも、ボールスプライン外筒内に入るグリースはわずかであり、グリース封入効率を向上させるのは困難である。
【0006】
この発明の目的は、グリースを効率よく封入することができるボールスプラインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によるボールスプラインは、スプライン軌道が設けられた軸と、ボールを介して軸に嵌め合わされたボールスプライン外筒とを備え、ボールスプライン外筒は、軸のスプライン軌道に対向させられることで主通路を構成するスプライン軌道が形成された略円筒状の外筒本体と、戻し通路が形成されておりかつ外筒本体の内周に嵌め合わされた略円筒状の保持器本体と、保持器本体に一端側から突き合わされた保持器蓋とを有しているボールスプラインにおいて、保持器蓋の内周部に、保持器本体の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる切欠きが形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
保持器本体と保持器蓋とは、互いに突き合わされることで、保持器を構成し、外筒本体内に挿入される。外筒本体の内周面および保持器の外周面には、それぞれ大径部と小径部とがあり、これらが互いに嵌め合わされることで、外筒本体と保持器とが回り止めされ、保持器の両端に配された止め輪が外筒本体に嵌め入れられることで、保持器の外筒本体に対する軸方向移動が規制される。外筒本体に固定後の保持器は、外周面が外筒本体に覆われることになるので、径方向外方からのグリースの封入が困難となる。そこで、径方向内方からのグリースの供給となるが、従来のものでは、その後に、軸をボールスプライン外筒に挿入することで、グリースのほとんどがボールスプライン外筒の外部に流出し、ボールスプライン外筒内に封入できるグリースの量が十分なものとはならないという問題があった。この発明によるボールスプラインでは、保持器蓋の内周部に、保持器本体の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる切欠きが形成されているので、この切欠きからグリース供給用のチューブを差し込んで、外筒本体に保持器が固定されたボールスプライン外筒にグリースを封入することができる。このグリースの封入によると、外筒本体とボールとの間にグリースを供給することができるので、その後に、軸をボールスプライン外筒に挿入した場合でも、軸挿入によってボールスプライン外筒の外部に流出する量は少なく、ボールスプライン外筒内に十分な量のグリースが封入される。
【0009】
保持器本体および保持器蓋の突き合わせ面には、互いに係合する凹部と凸部とが形成されていることがある。また、保持器本体と保持器蓋とは、突き合わされた後に、溶着によって一体品とされることもある。溶着される場合には、一度組むと分解できず、グリースの封入がより困難となるので、本発明の構成がより一層有効なものとなる。
【0010】
ボールは、軸に形成されたスプライン軌道とボールスプライン外筒に形成されたスプライン軌道との間(主通路)を転動し、保持器本体の戻し通路および保持器蓋の連通路を経て、再び主通路に戻される(循環する)。
【0011】
スプライン軌道は、時計方向の回転を受けるものと反時計方向の回転を受けるものとが対とされて、これが複数対(例えば3対)設けられる。軸の外周には、例えば、基準円筒面から突出するように(または基準面が突出面となるように)形成された複数(例えば3つ)のボール受け部が設けられ、このボール受け部の時計方向側および反時計方向側に、それぞれスプライン軌道が形成される。これに対応して、外筒本体の内周には、ボール受け部の時計方向側のスプライン軌道に時計方向側から対向するスプライン軌道と、ボール受け部の反時計方向側のスプライン軌道に反時計方向側から対向するスプライン軌道とがそれぞれ形成される。
【0012】
この発明によるボールスプラインにおいて、保持器本体の戻し通路の肩部外周面に、グリース溜まりとなる凹部が形成されていることが好ましい。戻し通路の肩部は、ボールを案内するために必要であるが、ボールがUターンする両端部を除いた直線部分は、両端部に比べて高さを必要としないので、この部分を削ることが可能であり、これにより、外筒本体内周面と保持器外周面との間にグリース溜まりとなる空間が形成される。このようにすると、従来の保持器で困難であったグリース溜まりを形成することができ、ボールスプラインのグリース封入効率をさらに向上させることができる。
【0013】
また、保持器本体の反突き合わせ側の端部内周および保持器蓋の反突き合わせ側の端部内周に、軸移動時に保持器端面に付着したグリースを径方向内方に移動しやすくする面取部が形成されていることが好ましい。ボールスプラインでは、軸の直線移動に伴って、ボールスプライン外筒内のグリースが軸とともに流出しやすいが、面取部を形成することで、軸に付着したグリースがこの面取部に案内される形で、ボールスプライン外筒内に流入しやすくなる。こうして、ボールスプラインの潤滑性をさらに向上させることができる。
【0014】
ボールスプラインは、好ましくは、ボールねじと組み合わされて、ボールねじ軌道および軸方向にのびるスプライン軌道が設けられたねじ軸と、ねじ軸のボールねじ軌道にボールを介してねじ合わされた回転自在のボールねじナットと、スプライン軌道にボールを介して嵌め合わされてねじ軸の軸方向直線運動を案内するボールスプライン外筒とからなるものとされる。
【0015】
このようなボールスプライン付きボールねじでは、ボールスプラインは、ボールスプライン外筒がキーなどの回り止め部によってハウジングに対して回り止めされ、ねじ軸の回転を防止して、ボールねじナットで発生するトルクの反力を受ける。
【0016】
ねじ軸、ボールねじナットおよびボールスプライン外筒本体は、例えば、S45C,S55Cなどの炭素鋼製あるいはSAE4150鋼製とされ、また、ボールは、例えば、軸受鋼(SUJ2)製とされる。
【0017】
この発明によるボールスプラインは、ボールねじと組み合わされて、アクチュエータ(モータによってボールねじナットが回転させられ、これにより、ねじ軸が直線移動する形態)として使用されることがあり、緩衝器(ねじ軸が外部からの力によって直線移動させられ、これにより、ボールねじナットが回転し、モータが発生する電磁力が減衰力となる形態)として使用されることがある。
【0018】
アクチュエータや緩衝器で使用される場合には、例えば、ボールスプライン付きボールねじと、ボールねじナットに一体化された中空軸と、軸受を介して中空軸を回転可能に支持するとともにボールスプライン外筒を支持するハウジングと、中空軸に固定されたモータロータおよびハウジング内径に固定されたモータステータからなるモータとを備えているものとされる。
【発明の効果】
【0019】
この発明のボールスプラインによると、保持器蓋の内周部に、保持器本体の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる切欠きが形成されているので、保持器をボールスプライン外筒に組み込んだ後でも、この切欠きからグリース供給用のチューブを差し込んで、外筒本体に保持器が固定されたボールスプライン外筒にグリースを封入することができ、グリース封入効率が向上し、また、グリース封入量が増加することで、寿命も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、この発明によるボールスプラインが使用されたボールねじ装置を示す縦断面図である。
【図2】図2は、この発明によるボールスプラインの横断面図である。
【図3】図3は、保持器蓋を示す斜視図である。
【図4】図4は、保持器本体と保持器蓋との突き合わせ部を示す斜視図である。
【図5】図5は、ボールを保持した保持器を示す斜視図である。
【図6】図6は、組立て後のボールスプラインの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図1の上下をいうものとする。また、時計方向および反時計方向は、図2についていうものとする。
【0022】
図1は、この発明によるボールスプラインを使用したモータ付きボールねじ装置を示している。
【0023】
モータ付きボールねじ装置(1)は、ボールねじ軌道(2a)および上下方向にのびるスプライン軌道(2b)が設けられた上下にのびる鋼製ねじ軸(2)と、ねじ軸(2)のボールねじ軌道(2a)にボールを介してねじ合わされた回転自在の鋼製ボールねじナット(3)と、ねじ軸(2)の下端部側においてスプライン軌道(2b)にボールを介して嵌め合わされてねじ軸(2)の上下方向(軸方向)直線運動を案内するボールスプライン外筒(4)と、ボールねじナット(3)に一体化されて上方にのびる中空軸(5)と、軸受(7)を介して中空軸(5)を回転可能に支持するとともにボールスプライン外筒(4)を支持するハウジング(6)と、中空軸(5)に固定された円筒状のモータロータ(9)およびハウジング(6)内径に固定された円筒状のモータステータ(10)からなるモータ(8)とを備えている。
【0024】
モータ(8)は、永久磁石型三相同期モータとされており、モータロータ(9)が永久磁石とされて、モータステータ(10)にU相、V相およびW相の三相のコイル(10a)が巻かれている。
【0025】
ねじ軸(2)と中空軸(5)とは、同心状に配置されており、ボールねじ装置(1)は、ボールねじナット(3)、中空軸(5)およびモータロータ(9)を回転させて、ねじ軸(2)を直線移動させる形態で使用される。
【0026】
中空軸(5)は、ねじ軸(2)を案内する小径部(11)と、内周面がボールねじナット(3)の外周面に固定されかつ外周面に軸受(7)を保持する大径部(12)とからなる。
【0027】
ボールスプライン外筒(4)は、ねじ軸(2)の回転を防止してその上下移動を案内するために、回り止め部(例えばキー)(13)によってハウジング(6)に対して回り止めされる。
【0028】
ボールスプライン外筒(4)は、図2に示すように、略円筒状の金属製外筒本体(17)と、外筒本体(17)の内周に固定された略円筒状の保持器(18)とを備えている。ボールスプライン外筒(4)は、ねじ軸(2)の外周に径方向に若干の隙間を空けて嵌められている。
【0029】
保持器(18)は、合成樹脂製で、大小2つに分割されており、大きい方の保持器本体(31)および小さい方の保持器蓋(32)からなる。両者は、互いに突き合わされて、図6に示すように、その両端面に配置された1対の止め輪(33)によって外筒本体(17)に支持されている。
【0030】
ねじ軸(2)の外周には、基準円筒面から突出するように形成された3つのボール受け部(15)が周方向に等間隔で設けられており、このボール受け部(15)の時計方向側肩部および反時計方向側肩部に、それぞれスプライン軌道(2b)(2c)が形成されている。これに対応して、外筒本体(17)の内周には、ボール受け部(15)の時計方向側のスプライン軌道(2b)に時計方向側から対向するスプライン軌道(4a)と、ボール受け部(15)の反時計方向側のスプライン軌道(2c)に反時計方向側から対向するスプライン軌道(4b)とがそれぞれ形成されている。こうして、ねじ軸(2)が時計方向に回転しようとしたときにそのトルクを負荷するスプライン軌道(2b)(4a)と、ねじ軸(2)が反時計方向に回転しようとしたときにそのトルクを負荷するスプライン軌道(2c)(4b)とが対とされて、これが3対設けられている。
【0031】
外筒本体(17)のスプライン軌道(4a)(4b)に対応する保持器(18)の部分に、両スプライン軌道(2b)(2c)(4a)(4b)との間を転動するボール(16)を保持するポケット(19)が形成されている。ポケット(19)を介して対向する両スプライン軌道(2b)(2c)(4a)(4b)の間の空間が、ボール(16)が転動する主通路(20)となっている。
【0032】
保持器(18)には、主通路(20)の左右両端部と連通する戻し通路(21)が外筒本体(17)との間に形成されている。各戻し通路(21)は、対となっている主通路(20)を周方向の両側から挟むように設けられている。保持器蓋(32)には、保持器本体(31)の戻し通路(21)と主通路(20)とを連通する円弧状の連通路(34)が形成されており、保持器蓋(32)に形成された連通路(34)以外の戻し通路(21)部分が保持器本体(31)に形成されている。
【0033】
ボール(16)は、主通路(20)および戻し通路(21)内に配設され、主通路(20)を転動するボール(16)がねじ軸(2)とボールスプライン外筒(4)の相対直線運動を案内するようになっている。
【0034】
この発明によるボールスプラインでは、以下のような構成によって潤滑性の向上が図られている。
【0035】
まず、図3に示すように、保持器蓋(32)の内周部に、保持器本体(31)の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる複数の切欠き(35)が形成されている。各切欠き(35)は、保持器蓋(32)の連通路(34)にそれぞれ通じるように設けられており、これにより、図4に示すように、保持器本体(31)の突き合わせ面に突き合わされた際に、保持器(18)の主通路(20)と戻し通路(21)との間にある空間に臨まされるグリース封入孔を形成している。
【0036】
したがって、この切欠き(グリース封入孔)(35)からグリース供給用のチューブを差し込んで、外筒本体(17)に保持器(18)が固定されたボールスプライン外筒(4)にグリースを封入することができる。このグリースの封入によると、外筒本体(17)とボール(16)との間にグリースを供給することができるので、その後に、ねじ軸(2)をボールスプライン外筒(4)に挿入した場合でも、ねじ軸(2)の挿入によってグリースがボールスプライン外筒(4)の外部に流出する量は少なく、ボールスプライン外筒(4)内に十分な量のグリースが封入される。
【0037】
さらに、図2、図4および図5に示すように、保持器本体(31)の戻し通路の肩部外周面に、グリース溜まりとなる凹部(36)が形成されている。この凹部(36)には、保持器(18)を外筒本体(17)に挿入する前に、グリースを封入しておくことができ、ボールスプラインのグリース封入効率をさらに向上させることができる。ここで、戻し通路(21)の肩部(21a)は、ボール(16)を案内するために必要であるが、ボール(16)がUターンする両端部を除いた直線部分は、両端部に比べて高さを必要としないので、この部分を削ることが可能であり、凹部(36)をここに形成することにより、外筒本体(17)内周面と保持器(18)外周面との間にグリース溜まりとなる空間が得られる。
【0038】
さらにまた、図6に示すように、保持器本体(31)の反突き合わせ側の端部内周および保持器蓋(32)の反突き合わせ側の端部内周には、ねじ軸(2)移動時に保持器(18)端面に付着したグリースを径方向内方に移動しやすくする面取部(37)がそれぞれ形成されている。面取部(37)は、端面から軸方向内方に行くにしたがって径が小さくなるテーパ状に形成されている。
【0039】
保持器蓋(32)の切欠き(35)および保持器本体(31)の凹部(36)によってグリースの初期封入量が確保されるが、ボールスプラインでは、ねじ軸(2)の直線移動に伴って、ボールスプライン外筒(4)内のグリースがねじ軸(2)とともに流出しやすいという問題がある。この面取部(37)によると、ねじ軸(2)に付着したグリースがこれに案内される形で、ボールスプライン外筒(4)内に流入しやすくなる。これにより、ボールスプラインの潤滑性をさらに向上させることができる。
【0040】
上記のモータ付きボールねじ装置(1)は、例えば、自動車の電磁緩衝器用として使用するのに適している。電磁緩衝器は、タイヤから伝わる外力によってねじ軸(2)が軸方向に直線移動し、これに伴って、ボールねじナット(3)および中空軸(5)が回転し、この回転運動をモータ(8)に取り込んで、モータ(8)で発生する電磁力を減衰力として利用するようになっている。
【0041】
このモータ付きボールねじ装置(1)は、電磁緩衝器用に限られるものではなく、電動アクチュエータとして使用することもできる。この場合、モータ(8)の回転駆動力をボールねじナット(3)を介してねじ軸(2)の軸方向推力に変換し、推力の軸方向反力を軸受(7)で支持してねじ軸(2)を直線運動させ、ねじ軸(2)に作用する軸方向荷重をボールねじナット(3)で負荷するとともに、トルクをボールスプライン外筒(4)で支持した形態での使用となる。
【符号の説明】
【0042】
(2) ねじ軸(軸)
(2b)(2c) スプライン軌道
(4) ボールスプライン外筒
(16) ボール
(17) 外筒本体
(18) 保持器
(23) 主通路
(24) 戻し通路
(25) 連通路
(31) 保持器本体
(32) 保持器蓋
(35) 切欠き
(36) 凹部
(37) 面取部
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボールスプラインに関する。
【背景技術】
【0002】
ボールスプラインはボールねじと組み合わされて、電動アクチュエータ用や緩衝器用としてよく使用されており、例えば、特許文献1には、スプライン軌道が設けられた軸と、ボールを介して軸に嵌め合わされたボールスプライン外筒とを備え、ボールスプライン外筒は、軸のスプライン軌道に対向させられることで主通路を構成するスプライン軌道が形成された略円筒状の外筒本体と、戻し通路が形成されておりかつ外筒本体の内周に嵌め合わされた略円筒状の保持器本体と、保持器本体に一端側から突き合わされた保持器蓋とを有しているボールスプラインが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平05−71445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ボールスプラインの機能確保のためには、潤滑が適正に行われることが必要であり、そのためには、適正量のグリースが塗布されていることが必要となる。
【0005】
上記従来のボールスプラインでは、保持器を外筒本体に組み込んだ後では、その径方向外方からのグリース塗布は困難であり、保持器の径方向内方からのグリース塗布となるが、グリース塗布後に、軸をボールスプライン外筒に挿入すると、グリースが軸の端面に大量に付着して、ボールスプライン外筒の外部に流出し、グリース封入効率が悪いものとなっている。軸のスプライン軌道にグリースを塗布することでも、グリースの封入は可能であるが、この場合でも、ボールスプライン外筒内に入るグリースはわずかであり、グリース封入効率を向上させるのは困難である。
【0006】
この発明の目的は、グリースを効率よく封入することができるボールスプラインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によるボールスプラインは、スプライン軌道が設けられた軸と、ボールを介して軸に嵌め合わされたボールスプライン外筒とを備え、ボールスプライン外筒は、軸のスプライン軌道に対向させられることで主通路を構成するスプライン軌道が形成された略円筒状の外筒本体と、戻し通路が形成されておりかつ外筒本体の内周に嵌め合わされた略円筒状の保持器本体と、保持器本体に一端側から突き合わされた保持器蓋とを有しているボールスプラインにおいて、保持器蓋の内周部に、保持器本体の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる切欠きが形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
保持器本体と保持器蓋とは、互いに突き合わされることで、保持器を構成し、外筒本体内に挿入される。外筒本体の内周面および保持器の外周面には、それぞれ大径部と小径部とがあり、これらが互いに嵌め合わされることで、外筒本体と保持器とが回り止めされ、保持器の両端に配された止め輪が外筒本体に嵌め入れられることで、保持器の外筒本体に対する軸方向移動が規制される。外筒本体に固定後の保持器は、外周面が外筒本体に覆われることになるので、径方向外方からのグリースの封入が困難となる。そこで、径方向内方からのグリースの供給となるが、従来のものでは、その後に、軸をボールスプライン外筒に挿入することで、グリースのほとんどがボールスプライン外筒の外部に流出し、ボールスプライン外筒内に封入できるグリースの量が十分なものとはならないという問題があった。この発明によるボールスプラインでは、保持器蓋の内周部に、保持器本体の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる切欠きが形成されているので、この切欠きからグリース供給用のチューブを差し込んで、外筒本体に保持器が固定されたボールスプライン外筒にグリースを封入することができる。このグリースの封入によると、外筒本体とボールとの間にグリースを供給することができるので、その後に、軸をボールスプライン外筒に挿入した場合でも、軸挿入によってボールスプライン外筒の外部に流出する量は少なく、ボールスプライン外筒内に十分な量のグリースが封入される。
【0009】
保持器本体および保持器蓋の突き合わせ面には、互いに係合する凹部と凸部とが形成されていることがある。また、保持器本体と保持器蓋とは、突き合わされた後に、溶着によって一体品とされることもある。溶着される場合には、一度組むと分解できず、グリースの封入がより困難となるので、本発明の構成がより一層有効なものとなる。
【0010】
ボールは、軸に形成されたスプライン軌道とボールスプライン外筒に形成されたスプライン軌道との間(主通路)を転動し、保持器本体の戻し通路および保持器蓋の連通路を経て、再び主通路に戻される(循環する)。
【0011】
スプライン軌道は、時計方向の回転を受けるものと反時計方向の回転を受けるものとが対とされて、これが複数対(例えば3対)設けられる。軸の外周には、例えば、基準円筒面から突出するように(または基準面が突出面となるように)形成された複数(例えば3つ)のボール受け部が設けられ、このボール受け部の時計方向側および反時計方向側に、それぞれスプライン軌道が形成される。これに対応して、外筒本体の内周には、ボール受け部の時計方向側のスプライン軌道に時計方向側から対向するスプライン軌道と、ボール受け部の反時計方向側のスプライン軌道に反時計方向側から対向するスプライン軌道とがそれぞれ形成される。
【0012】
この発明によるボールスプラインにおいて、保持器本体の戻し通路の肩部外周面に、グリース溜まりとなる凹部が形成されていることが好ましい。戻し通路の肩部は、ボールを案内するために必要であるが、ボールがUターンする両端部を除いた直線部分は、両端部に比べて高さを必要としないので、この部分を削ることが可能であり、これにより、外筒本体内周面と保持器外周面との間にグリース溜まりとなる空間が形成される。このようにすると、従来の保持器で困難であったグリース溜まりを形成することができ、ボールスプラインのグリース封入効率をさらに向上させることができる。
【0013】
また、保持器本体の反突き合わせ側の端部内周および保持器蓋の反突き合わせ側の端部内周に、軸移動時に保持器端面に付着したグリースを径方向内方に移動しやすくする面取部が形成されていることが好ましい。ボールスプラインでは、軸の直線移動に伴って、ボールスプライン外筒内のグリースが軸とともに流出しやすいが、面取部を形成することで、軸に付着したグリースがこの面取部に案内される形で、ボールスプライン外筒内に流入しやすくなる。こうして、ボールスプラインの潤滑性をさらに向上させることができる。
【0014】
ボールスプラインは、好ましくは、ボールねじと組み合わされて、ボールねじ軌道および軸方向にのびるスプライン軌道が設けられたねじ軸と、ねじ軸のボールねじ軌道にボールを介してねじ合わされた回転自在のボールねじナットと、スプライン軌道にボールを介して嵌め合わされてねじ軸の軸方向直線運動を案内するボールスプライン外筒とからなるものとされる。
【0015】
このようなボールスプライン付きボールねじでは、ボールスプラインは、ボールスプライン外筒がキーなどの回り止め部によってハウジングに対して回り止めされ、ねじ軸の回転を防止して、ボールねじナットで発生するトルクの反力を受ける。
【0016】
ねじ軸、ボールねじナットおよびボールスプライン外筒本体は、例えば、S45C,S55Cなどの炭素鋼製あるいはSAE4150鋼製とされ、また、ボールは、例えば、軸受鋼(SUJ2)製とされる。
【0017】
この発明によるボールスプラインは、ボールねじと組み合わされて、アクチュエータ(モータによってボールねじナットが回転させられ、これにより、ねじ軸が直線移動する形態)として使用されることがあり、緩衝器(ねじ軸が外部からの力によって直線移動させられ、これにより、ボールねじナットが回転し、モータが発生する電磁力が減衰力となる形態)として使用されることがある。
【0018】
アクチュエータや緩衝器で使用される場合には、例えば、ボールスプライン付きボールねじと、ボールねじナットに一体化された中空軸と、軸受を介して中空軸を回転可能に支持するとともにボールスプライン外筒を支持するハウジングと、中空軸に固定されたモータロータおよびハウジング内径に固定されたモータステータからなるモータとを備えているものとされる。
【発明の効果】
【0019】
この発明のボールスプラインによると、保持器蓋の内周部に、保持器本体の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる切欠きが形成されているので、保持器をボールスプライン外筒に組み込んだ後でも、この切欠きからグリース供給用のチューブを差し込んで、外筒本体に保持器が固定されたボールスプライン外筒にグリースを封入することができ、グリース封入効率が向上し、また、グリース封入量が増加することで、寿命も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、この発明によるボールスプラインが使用されたボールねじ装置を示す縦断面図である。
【図2】図2は、この発明によるボールスプラインの横断面図である。
【図3】図3は、保持器蓋を示す斜視図である。
【図4】図4は、保持器本体と保持器蓋との突き合わせ部を示す斜視図である。
【図5】図5は、ボールを保持した保持器を示す斜視図である。
【図6】図6は、組立て後のボールスプラインの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図1の上下をいうものとする。また、時計方向および反時計方向は、図2についていうものとする。
【0022】
図1は、この発明によるボールスプラインを使用したモータ付きボールねじ装置を示している。
【0023】
モータ付きボールねじ装置(1)は、ボールねじ軌道(2a)および上下方向にのびるスプライン軌道(2b)が設けられた上下にのびる鋼製ねじ軸(2)と、ねじ軸(2)のボールねじ軌道(2a)にボールを介してねじ合わされた回転自在の鋼製ボールねじナット(3)と、ねじ軸(2)の下端部側においてスプライン軌道(2b)にボールを介して嵌め合わされてねじ軸(2)の上下方向(軸方向)直線運動を案内するボールスプライン外筒(4)と、ボールねじナット(3)に一体化されて上方にのびる中空軸(5)と、軸受(7)を介して中空軸(5)を回転可能に支持するとともにボールスプライン外筒(4)を支持するハウジング(6)と、中空軸(5)に固定された円筒状のモータロータ(9)およびハウジング(6)内径に固定された円筒状のモータステータ(10)からなるモータ(8)とを備えている。
【0024】
モータ(8)は、永久磁石型三相同期モータとされており、モータロータ(9)が永久磁石とされて、モータステータ(10)にU相、V相およびW相の三相のコイル(10a)が巻かれている。
【0025】
ねじ軸(2)と中空軸(5)とは、同心状に配置されており、ボールねじ装置(1)は、ボールねじナット(3)、中空軸(5)およびモータロータ(9)を回転させて、ねじ軸(2)を直線移動させる形態で使用される。
【0026】
中空軸(5)は、ねじ軸(2)を案内する小径部(11)と、内周面がボールねじナット(3)の外周面に固定されかつ外周面に軸受(7)を保持する大径部(12)とからなる。
【0027】
ボールスプライン外筒(4)は、ねじ軸(2)の回転を防止してその上下移動を案内するために、回り止め部(例えばキー)(13)によってハウジング(6)に対して回り止めされる。
【0028】
ボールスプライン外筒(4)は、図2に示すように、略円筒状の金属製外筒本体(17)と、外筒本体(17)の内周に固定された略円筒状の保持器(18)とを備えている。ボールスプライン外筒(4)は、ねじ軸(2)の外周に径方向に若干の隙間を空けて嵌められている。
【0029】
保持器(18)は、合成樹脂製で、大小2つに分割されており、大きい方の保持器本体(31)および小さい方の保持器蓋(32)からなる。両者は、互いに突き合わされて、図6に示すように、その両端面に配置された1対の止め輪(33)によって外筒本体(17)に支持されている。
【0030】
ねじ軸(2)の外周には、基準円筒面から突出するように形成された3つのボール受け部(15)が周方向に等間隔で設けられており、このボール受け部(15)の時計方向側肩部および反時計方向側肩部に、それぞれスプライン軌道(2b)(2c)が形成されている。これに対応して、外筒本体(17)の内周には、ボール受け部(15)の時計方向側のスプライン軌道(2b)に時計方向側から対向するスプライン軌道(4a)と、ボール受け部(15)の反時計方向側のスプライン軌道(2c)に反時計方向側から対向するスプライン軌道(4b)とがそれぞれ形成されている。こうして、ねじ軸(2)が時計方向に回転しようとしたときにそのトルクを負荷するスプライン軌道(2b)(4a)と、ねじ軸(2)が反時計方向に回転しようとしたときにそのトルクを負荷するスプライン軌道(2c)(4b)とが対とされて、これが3対設けられている。
【0031】
外筒本体(17)のスプライン軌道(4a)(4b)に対応する保持器(18)の部分に、両スプライン軌道(2b)(2c)(4a)(4b)との間を転動するボール(16)を保持するポケット(19)が形成されている。ポケット(19)を介して対向する両スプライン軌道(2b)(2c)(4a)(4b)の間の空間が、ボール(16)が転動する主通路(20)となっている。
【0032】
保持器(18)には、主通路(20)の左右両端部と連通する戻し通路(21)が外筒本体(17)との間に形成されている。各戻し通路(21)は、対となっている主通路(20)を周方向の両側から挟むように設けられている。保持器蓋(32)には、保持器本体(31)の戻し通路(21)と主通路(20)とを連通する円弧状の連通路(34)が形成されており、保持器蓋(32)に形成された連通路(34)以外の戻し通路(21)部分が保持器本体(31)に形成されている。
【0033】
ボール(16)は、主通路(20)および戻し通路(21)内に配設され、主通路(20)を転動するボール(16)がねじ軸(2)とボールスプライン外筒(4)の相対直線運動を案内するようになっている。
【0034】
この発明によるボールスプラインでは、以下のような構成によって潤滑性の向上が図られている。
【0035】
まず、図3に示すように、保持器蓋(32)の内周部に、保持器本体(31)の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる複数の切欠き(35)が形成されている。各切欠き(35)は、保持器蓋(32)の連通路(34)にそれぞれ通じるように設けられており、これにより、図4に示すように、保持器本体(31)の突き合わせ面に突き合わされた際に、保持器(18)の主通路(20)と戻し通路(21)との間にある空間に臨まされるグリース封入孔を形成している。
【0036】
したがって、この切欠き(グリース封入孔)(35)からグリース供給用のチューブを差し込んで、外筒本体(17)に保持器(18)が固定されたボールスプライン外筒(4)にグリースを封入することができる。このグリースの封入によると、外筒本体(17)とボール(16)との間にグリースを供給することができるので、その後に、ねじ軸(2)をボールスプライン外筒(4)に挿入した場合でも、ねじ軸(2)の挿入によってグリースがボールスプライン外筒(4)の外部に流出する量は少なく、ボールスプライン外筒(4)内に十分な量のグリースが封入される。
【0037】
さらに、図2、図4および図5に示すように、保持器本体(31)の戻し通路の肩部外周面に、グリース溜まりとなる凹部(36)が形成されている。この凹部(36)には、保持器(18)を外筒本体(17)に挿入する前に、グリースを封入しておくことができ、ボールスプラインのグリース封入効率をさらに向上させることができる。ここで、戻し通路(21)の肩部(21a)は、ボール(16)を案内するために必要であるが、ボール(16)がUターンする両端部を除いた直線部分は、両端部に比べて高さを必要としないので、この部分を削ることが可能であり、凹部(36)をここに形成することにより、外筒本体(17)内周面と保持器(18)外周面との間にグリース溜まりとなる空間が得られる。
【0038】
さらにまた、図6に示すように、保持器本体(31)の反突き合わせ側の端部内周および保持器蓋(32)の反突き合わせ側の端部内周には、ねじ軸(2)移動時に保持器(18)端面に付着したグリースを径方向内方に移動しやすくする面取部(37)がそれぞれ形成されている。面取部(37)は、端面から軸方向内方に行くにしたがって径が小さくなるテーパ状に形成されている。
【0039】
保持器蓋(32)の切欠き(35)および保持器本体(31)の凹部(36)によってグリースの初期封入量が確保されるが、ボールスプラインでは、ねじ軸(2)の直線移動に伴って、ボールスプライン外筒(4)内のグリースがねじ軸(2)とともに流出しやすいという問題がある。この面取部(37)によると、ねじ軸(2)に付着したグリースがこれに案内される形で、ボールスプライン外筒(4)内に流入しやすくなる。これにより、ボールスプラインの潤滑性をさらに向上させることができる。
【0040】
上記のモータ付きボールねじ装置(1)は、例えば、自動車の電磁緩衝器用として使用するのに適している。電磁緩衝器は、タイヤから伝わる外力によってねじ軸(2)が軸方向に直線移動し、これに伴って、ボールねじナット(3)および中空軸(5)が回転し、この回転運動をモータ(8)に取り込んで、モータ(8)で発生する電磁力を減衰力として利用するようになっている。
【0041】
このモータ付きボールねじ装置(1)は、電磁緩衝器用に限られるものではなく、電動アクチュエータとして使用することもできる。この場合、モータ(8)の回転駆動力をボールねじナット(3)を介してねじ軸(2)の軸方向推力に変換し、推力の軸方向反力を軸受(7)で支持してねじ軸(2)を直線運動させ、ねじ軸(2)に作用する軸方向荷重をボールねじナット(3)で負荷するとともに、トルクをボールスプライン外筒(4)で支持した形態での使用となる。
【符号の説明】
【0042】
(2) ねじ軸(軸)
(2b)(2c) スプライン軌道
(4) ボールスプライン外筒
(16) ボール
(17) 外筒本体
(18) 保持器
(23) 主通路
(24) 戻し通路
(25) 連通路
(31) 保持器本体
(32) 保持器蓋
(35) 切欠き
(36) 凹部
(37) 面取部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプライン軌道が設けられた軸と、ボールを介して軸に嵌め合わされたボールスプライン外筒とを備え、ボールスプライン外筒は、軸のスプライン軌道に対向させられることで主通路を構成するスプライン軌道が形成された略円筒状の外筒本体と、戻し通路が形成されておりかつ外筒本体の内周に嵌め合わされた略円筒状の保持器本体と、保持器本体に一端側から突き合わされた環状の保持器蓋とを有しているボールスプラインにおいて、
保持器蓋の内周部に、保持器本体の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる切欠きが形成されていることを特徴とするボールスプライン。
【請求項2】
保持器本体の戻し通路の肩部外周面に、グリース溜まりとなる凹部が形成されていることを特徴とする請求項1のボールスプライン。
【請求項3】
保持器本体の反突き合わせ側の端部内周および保持器蓋の反突き合わせ側の端部内周に、軸移動時に該端面に付着したグリースを径方向内方に移動しやすくする面取部が形成されていることを特徴とする請求項1または2のボールスプライン。
【請求項1】
スプライン軌道が設けられた軸と、ボールを介して軸に嵌め合わされたボールスプライン外筒とを備え、ボールスプライン外筒は、軸のスプライン軌道に対向させられることで主通路を構成するスプライン軌道が形成された略円筒状の外筒本体と、戻し通路が形成されておりかつ外筒本体の内周に嵌め合わされた略円筒状の保持器本体と、保持器本体に一端側から突き合わされた環状の保持器蓋とを有しているボールスプラインにおいて、
保持器蓋の内周部に、保持器本体の突き合わせ面に突き合わされることでグリース封入用孔となる切欠きが形成されていることを特徴とするボールスプライン。
【請求項2】
保持器本体の戻し通路の肩部外周面に、グリース溜まりとなる凹部が形成されていることを特徴とする請求項1のボールスプライン。
【請求項3】
保持器本体の反突き合わせ側の端部内周および保持器蓋の反突き合わせ側の端部内周に、軸移動時に該端面に付着したグリースを径方向内方に移動しやすくする面取部が形成されていることを特徴とする請求項1または2のボールスプライン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2011−122652(P2011−122652A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280405(P2009−280405)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】
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