説明

ボールバルブ

【課題】ボールに対する回転トルクを低減する。
【解決手段】ボールバルブは流体が流出入する流路11、21が形成されたケーシング1と、各流路に個別に連通する複数の開口6、9が形成されたボール収容室5内に収容され内部には流路の切換えのための弁孔15が形成されたボール3と、その外周面に接触するようにして各開口6、9の開口縁部に組込まれ、各開口同士の間を非連通とするシートリング26とを備える。シートリング26、ボール3及びケーシング1の内壁面との間に形成された空間Sは、圧力導入路29を介して弁孔15と連通している。これにより、流体の流入側の圧力が圧力導入路29を介して空間S内へ導入されるため、ボール3を回転させるときにシートリング26との間に生じる摩擦力を低減させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボールバルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より知られるボールバルブには、バルブケーシングとボールとの間にシートリングと呼ばれる部材を介在させてシールする形式のものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1とは別に、シートリングを組み込んだボールバルブの従来技術として、図9に示すような構造も知られている。同図に示すボールバルブは流入口50と流出口51とが直交位置で開口するケーシング52を有している。ケーシング52内の中央部にはボール53を収容するための収容空間54が設けられている。一方、ケーシング52において流入口50と軸方向に関して反対側は挿入口55が開口し、ここからはシートリング56が挿入され、同シートリング56は収容空間54における流入口50側の開口縁に保持されている。挿入口55は他のシートリング56を介在しつつ蓋体57によって閉止されている。ボール53はこれらシートリング56によって取り囲まれた状態で摺接可能に保持されている。すなわち、ボール53はシートリング56に摺接しつつ回転することによって、ボール53内部に略直角をなして形成された弁孔58を流入口50及び流出口51にそれぞれ全開状態で連通する位置と全閉状態となる位置との間で変位し、これによって流出口51からの流体流量の調整を行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−55026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図9に示すボールバルブにおいては、蓋体57、ボール53及びシートリング56によって取り囲まれた空間59は流体の流路とは非連通で区画されている。したがって、流入口50側からケーシング52内に流体が流入した場合、流入側とこの空間59との間には大きな差圧が生じる。この状態で、ボール53を回転させようとした場合には、ボール53とシートリング56との間に大きな摩擦力が生じる。このため、ボール53を回転させるための必要トルクが大きくなり、大出力の駆動源が必要となってコスト高を招くおそれがあった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ボールを回転させるためのトルクを低減させることができるボールバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ボールの回転位置によって流体の流路を切換え可能なボールバルブであって、流体が流出入する流路が複数形成されたケーシングと、このケーシングの内部に設けられるとともに、前記各流路に個別に連通する複数の開口が形成されたボール収容室内に回転可能に収容され内部には流路の切換えのための弁孔が形成された前記ボールと、前記ボールの外周面に接触するようにして前記各開口の開口縁部に組込まれ、前記各開口同士の間を非連通とするシートリングとを備えてなり、前記シートリング、前記ボール及び前記ケーシングの内壁面との間に形成された空間は、前記流路のうち流体が流入するものと圧力導入路によって連通する構成となっているところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記圧力導入路は、一端が前記弁孔に連通し、他端が前記空間に連通するようにして前記ボールを貫通して形成されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、圧力導入路によって流入側の流体圧をシートリング、ボール及びケーシングの内壁面との間で構成される空間内に導入することができる。したがって、空間内部と流入側との圧力差が減じられ、ボールを回転させようとする場合に、ボールとシートリングとの間に生じる摩擦力を低減することができるため、ボールに付与する回転トルクを小さくすることができる。
【0010】
圧力導入路は、ケーシングの外部をバイパスするようにして形成することも可能であるが、部品点数の増加や構成の複雑化という問題を生じる。その点、請求項2の発明のように、圧力導入路がボールを貫通して形成するようにすれば、部品点数も少なく、構成も簡単で済む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1のボールバルブを示す正面図
【図2】同じく側面図
【図3】図1のX−X線断面図
【図4】図2のY−Y線断面図
【図5】図4に示す状態からボールが90°回転して流路が切換った状態を示す断面図
【図6】同じく図4に示す状態からボールが180°回転して流路がさらに切換わった状態を示す断面図
【図7】実施形態2のボールバルブを示す側面図
【図8】図7のZ−Z線断面図
【図9】従来のボールバルブを示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態1>
図1乃至図6は本発明の実施形態1に係るボールバルブを示している。なお、実施形態1に係るボールバルブはいわゆる四方弁であり、樹脂製のケーシング1にはA乃至Dの計4つのポートA〜Dが設けられている。ケーシング1にはモータ2(ステッピングモータ)が装着され、ケーシング1の内部に組み込まれたボール3の回転位置をこのモータ2が制御することによって、流路の切換えが行われるようになっている。
【0013】
ケーシング1は本体部4を有しており、本体部4は中空の略立方体形状をなしている。本体部4の中心部にはボール収容室5が形成され、その内部には流体の流路の切り換えを行うボール3が収容される。本体部4の4つの側面(図1における正面側、奥側及び左右両側面:以下の説明中、左右および上下等の方向に関する称呼は図1に示す方向を基準とする。)にはそれぞれ円形の開口(第1乃至第4開口6〜9)が形成されている。本体部4の正面に位置する第1開口6は流体の流入用開口であり、本体部4には同開口6を取り囲むようにして第1配管接続部10が設けられている。この第1配管接続部10は図1における紙面手前側へ向けて一体に突出し、内部には第1流路11が形成されている。第1配管接続部の先端開口によってポートAが構成される。
【0014】
本体部4において第1開口6の左側(図4では右側)に隣接した側面には第2開口7が、また右側(図4では左側)に隣接した面には第3開口8がそれぞれ配されている。本体部4において第1開口6とは軸方向に関して反対側に位置する側面には第4開口9が配されている。この第4開口9は第1乃至第3開口6,7,8より大きな孔径をもって形成されている。
【0015】
ボール収容室5の内部は第4開口9からの型抜きによって形成されている。図3に示すように、ボール収容室5の天井面および底面は共に水平方向の平坦面をなすようにして形成されている。第4開口9側からボール収容室5内を見たときに、ボール収容室5の天井面および底面は第4開口9の開口縁から共に内部へ突出する高さ位置に形成されている。また、詳しくは図示されないが、ボール収容室5における天井面および底面に連続する、第2開口7及び第3開口8周りの壁面は第1開口6と第4開口9の共通軸線を中心軸とする円弧面をなすようにして形成されている。
【0016】
本体部4の上面の中央部には円筒形状の支持筒12が上方に向けて突出し、モータ2の出力軸に接続された回転軸13をシール状態で貫通させている。支持筒12の軸線及び第1乃至第4開口6〜9のいずれの軸線もボール収容室5の中心点を通過するように設定されている。
【0017】
ボール収容室5内には第4開口9を通してボール3が遊挿され、ボール3はボール収容室5と同心で収容されている。ボール3はケーシング1と同材質(金属製でも可)にて形成され、上下面は平坦面に形成されてボール収容室5の底面及び天井面と適切なクリアランスをもって平行に対向している。ボール3の側面はボール収容室5内の側壁面(第2、第3開口7,8周りの側壁)の形状に適合した曲率をもった略球面状に形成されている。ボール3は、モータ2の回転軸13の先端と上面において接続されている。これによって、ボール3はモータ2の回転トルクを受けて回転軸13周りに正逆回転可能となっている。
【0018】
ボール3の内部には流路の切換えを行うための弁孔15が形成されている。弁孔15はボール3の側面において回転軸13に関して相互に直交する二か所に開口し、両開口から径方向に沿った二方向から穿孔され、両穿孔路がボール3の中心点を含む位置で交叉するように形成されている。
【0019】
本体部4の第2開口7は左側蓋体16によって閉止されている。この左側蓋体16の内部にはボール収容室5へ通じる第2流路17が形成されている。左側蓋体16は平板方形状の取付板16Aを有し、その四隅部において本体部4の第2開口7の開口縁部へねじ止めされている。取付板16Aの外面側には第2配管接続部16Bが一体に突設されている。この第2配管接続部16Bは取付板16Aから外方へ水平に突出した後、ほぼ直角にかつ紙面奥方へ向けて屈曲して延出している。なお、第2流路17の先端開口はポートBを構成している。
【0020】
第3開口8は右側蓋体18によって閉止されており、この右側蓋体18は基本的構造は左側蓋体16と同じであり、配管接続部(第3配管接続部18B)の延出方向のみ異なる。第2配管接続部16Bの延出方向は図1における紙面奥方であったのに対し、第3配管接続部の延出方向は下方である。右側蓋体18の内部に形成された第3流路19の先端開口はポートCを構成している。
【0021】
第4開口9は奥側蓋体20によって閉止されており、奥側蓋体20の内部にはボール収容室5へ通じる第4流路21が形成されている。奥側蓋体20も平板方形状の取付板20Aを有し、その四隅部において本体部4の第4開口9の開口縁部へねじ止めされている。取付板20Aには第4配管接続部20Bが第4開口9の軸線方向に沿って一体に突出形成されている。第4流路21の先端開口はポートDを構成している。
【0022】
次に、ボール3周りにおける各流路11,17,19,21間をシールするための構造について説明する。図4に示すように、第1開口6の開口縁部周りは一段高くなって段差状に外側筒部22が形成されている。外側筒部22の内側において第1開口6の開口縁周りには、内側筒部23が、ボール収容室5へ向けて同軸でかつ環状に突出形成されている。但し、内側筒部23の先端位置は外側筒部22よりもボール収容室5から後退するように形成されている。
【0023】
内側筒部23と外側筒部22との間にはリング溝24が凹み形成され、ここには内側Oリング25が密着状態で嵌め入れられている。外側筒部22の内側にはシートリング26が嵌め入れられ、内側Oリング25と同軸でかつ厚み方向に密着して重ねられている。シートリング26は外側筒部22の内側に嵌め入れられた状態では外側筒部22からボール収容室5側へ部分的に突出できる厚み寸法をもって形成されている。
【0024】
シートリング26は樹脂製(例えばフッ素樹脂製)であり、その内周縁部はボール3の外周面形状に適合した面取り28が全周に亘って施されていて、ボール3の側面に対しリング状にかつ面当たり状態で密着できるようにしてある。
【0025】
図4に示すように、左側蓋体16及び右側蓋体18における取付板16A,18Aの内面側には共に外側筒部16C,18Cが突出形成されている。この外側筒部16C,18Cは第2流路17あるいは第3流路19とそれぞれ同軸で、つまりは第2、第3開口7,8とそれぞれ同軸をなして形成されている。その付け根部における外周側には全周に亘って大径部16D,18Dが張出し形成されている。そして、外側筒部16C,18Cの外周面には大径部16D,18Dに当接するようにして外側Oリング27が嵌め付けられている。左側蓋体16及び右側蓋体18が本体部4に取り付けられると、外側Oリング27によって本体部4と外側筒部16C,18Cとの間のシールがとられるようになっている。
【0026】
左側蓋体16及び右側蓋体18における各外側筒部16C,18Cの内部には、内側筒部16E,18Eが同心で形成されている。内側筒部16E,18Eは外側筒部16C,18Cよりも低く形成され、つまり内側筒部16E,18Eの先端は外側筒部16C,18Cの先端よりも奥方へ引っ込んで位置している。外側筒部16C,18Cの内周面と内側筒部16E,18Eの外周面との間には内側Oリング25が密着状態で嵌め入れられている。また、外側筒部16C,18C内にはシートリング26が密着状態で嵌め入れられ、内側Oリング25と同軸で厚み方向に密着して重ねられている。このときには、シートリング26は外側筒部16C,18Cから一部が突出するようにしてある。
【0027】
図4に示すように、奥側蓋体20における取付板20Aの内面側には第4流路21と同軸で外側筒体20Gが突出し、その付け根部の外周部には大径台部20Hが形成されている。外側筒体20Gの外周面には大経台部20Hに密着した状態で外側Oリング27が嵌め付けられている。取付板20Aの内面側で外側筒体20Gの内側には、左側蓋体16及び右側蓋体18と同様、外側筒部20Cが同軸で突出形成され、その内側には同様に内側筒部20Eが形成されている。内側Oリング25やシートリング26に関連する構成についても、左側蓋体16及び右側蓋体18と同様であり、共通した構成については図面中に共通の符号を付すことで説明は省略する。
【0028】
なお、いずれのシートリング26も内側筒部23,16E,18E,20Eの内径よりも小さい内周径に形成され、これら内側筒部23,16E,18E,20Eから内周側に張り出した部分に流体圧が作用するようになっている。
【0029】
上記のように、ボール3の側面には90度間隔でシートリング26が配されることで、各ポートA〜Dに通じる第1乃至第4の各流路11,17,19,21間はそれぞれシール状態で仕切られる。そして、ボール3周りに4つのシートリング26が密着して配されることにより、ケーシング1の内部にはボール3、各シートリング26及び本体部4の内壁とによって空間Sが保有される。図3及び図4に示すように、これら空間Sは、ボール収容室5の各開口6〜9周りでシートリング26の外周側およびボール収容室5における底面及び天井面とボール3の上下両面との間においてそれぞれ配される。これら空間Sは第1乃至第4のいずれの流路11,17,19,21に対してもシール状態で仕切られた関係にあるが、空間S同士は全て連通し合った関係となっている。
【0030】
図3に示すように、前記したボール3には第1流路11を通して流入した流体の圧力を上記空間へ導入するための圧力導入路29が設けられている。この圧力導入路29の一端はボール3の下面において回転軸13の軸線から偏心した位置に開口している。そして、ここからボール3の回転軸13と平行に穿孔されて弁孔15内部へと連通するように貫通している。
【0031】
次に、上記のように構成された実施形態1の作用効果を具体的に説明する。まず、ボールの回転による流路の切換え動作について説明すると、本実施形態においては、ボール3は図4に示す位置が初期位置(モータ2の回転軸13の動作開始位置)として設定されている。流路の選択は、初期位置、および初期位置から図示反時計周りに90°回転した位置(図5に示す位置)、さらには初期位置から図示時計周りに180°回転した位置(図6に示す位置)においてなされる。各回転位置で選択される流路は、次のようである。
【0032】
ボール3が初期位置にあるときには弁孔15は第1流路11と第2流路17にそれぞれ同軸で連通するようになっている。また、図5に示すように、ボール3が初期位置から反時計周りに90°回転した位置にあるときには、弁孔15は第2流路17と第4流路21とにそれぞれ同軸で連通し、図6に示すように、180°回転した位置にあるときには、弁孔15は第3流路19と第4流路21とにそれぞれ同軸で連通するようになっている。
【0033】
さて、本実施形態に係るボールバルブが、例えば給湯システム中に組み込まれるとして、当該給湯機をある日、最初に稼働させる場合を想定する。そのような場合、空間Sはほぼ大気圧となっていると考えられる。そして、ボール3が図4に示す初期位置にあるときに、ポートAからケーシング1内へ流体(水あるいは湯)が流入すると、流体は第1流路11、第1開口6を経て弁孔15内に進入する。弁孔15を通過した流体は、第2開口7を経て第2流路17を通ってポートBから流出する。
【0034】
一方、弁孔15内に流入した流体は圧力導入路29を通って空間S内に流入するため、空間S内の圧力は大気圧から第1流路11内の圧力とほぼ同圧にまで高められ、これによって差圧が解消される。しかし、仮に、圧力導入路29が設けられず、空間Sと第1流路11との間で高い圧力差が保たれたままである場合には、ボール3は第1流路11側の圧力を受けて第4開口9側へ微小変位し当該側にあるシートリング27へ押し付け力を作用させる。また、第1開口6周りに設けられたシートリング27の内周部は、前記したように、内側筒部16Eから一部食み出して第1流路11内の流体圧を受けるため、第1開口6周りに設けられたシートリング26がボール3の外周面に押し付け力を作用させる。このことによって、図4に示す状態から流路の切換えを行うべく、モータ2を駆動させる際に、各シートリング26とボール3との間の摩擦力が大きいことから、モータ2への負荷が大きくならざるを得ない。
【0035】
しかし、本実施形態によれば、第1流路11内の圧力、つまり弁孔15内の圧力を圧力導入路29を介して空間S内に導入することで、空間Sと第1流路11内の差圧が解消されているため、流体の流入圧と空間Sとの圧力バランスによってボール3は第4流路21側へ変位することもなく、当該側のシートリング26への押し付け力も解消される。また、第1開口6周りの空間Sと第1流路11内の圧力バランスによって、当該側にあるシートリング26がボール3を押す力も緩和される。かくして、ボール3と各シートリング26との間の摩擦力は確実に低減されるため、モータ2への負荷を低減させることができる。したがって、モータ2はトルクの小さなものを使用することができるため、モータ2の小型化によってボールバルブ全体を小型化することに寄与する。
【0036】
また、実施形態1では圧力導入路29をボール3に形成したため、圧力導入路29を構成するための専用部材を要しないことから、構成の簡素化を図ることができる、と言う効果も得られる。
【0037】
<実施形態2>
図7及び図8は本発明の実施形態2を示している。実施形態1では本発明を四方弁に適用した場合を示したが、実施形態2では本発明を三方弁に適用したものを示している。
【0038】
実施形態2のボールバルブは実施形態1のポートC、つまり第3流路19に相当する部位を持たないものである。つまり、ボール収容室5は第3開口8を有しているが、第3開口8は第3配管接続部を有さない蓋部材30によって封止されている。そして、蓋部材30の取付板30Aには他の蓋体16,20と同様、内外に配されたOリング31,32とシートリング33とが備えられている。
【0039】
他の構成は実施形態1と同様であり、もって実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。なお、共通する構成については図面中に同一符号を付して説明は省略する。
【0040】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、空間Sと流体の流入側とを弁孔15に形成された圧力導入路29によって連通させたが、ケーシング1の外部にバイパス管を配してこれによって両間を連通させるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、ボールバルブを給湯システムに適用した場合について示したが、適用対象は決して限定されるべきものではなく、例えば油圧回路への適用も可能である。
【符号の説明】
【0041】
1…ケーシング
3…ボール
5…ボール収容室
6〜9…第1乃至第4開口
11,17,19,21…第1乃至第4流路
15…弁孔
26,33…シートリング
S…空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールの回転位置によって流体の流路を切換え可能なボールバルブであって、
流体が流出入する流路が複数形成されたケーシングと、
このケーシングの内部に設けられるとともに、前記各流路に個別に連通する複数の開口が形成されたボール収容室内に回転可能に収容され内部には流路の切換えのための弁孔が形成された前記ボールと、
前記ボールの外周面に接触するようにして前記各開口の開口縁部に組込まれ、前記各開口同士の間を非連通とするシートリングとを備えてなり、
前記シートリング、前記ボール及び前記ケーシングの内壁面との間に形成された空間は、前記流路のうち流体が流入するものと圧力導入路によって連通する構成となっていることを特徴とするボールバルブ。
【請求項2】
前記圧力導入路は、一端が前記弁孔に連通し、他端が前記空間に連通するようにして前記ボールを貫通して形成されていることを特徴とする請求項1記載のボールバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−44354(P2013−44354A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180869(P2011−180869)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000108557)タイム技研株式会社 (15)
【Fターム(参考)】