説明

ポイント情報出力装置

【課題】ネットスーパーで行なわれるポイントサービスにおいて、ポイントの付与に関する客や店員の不安感を和らげることができるポイント情報出力装置を提供する。
【解決手段】伝票プリンタ5を備えたネットスーパー管理サーバ4は、インターネット7を介して顧客端末8とデータ通信を行い、顧客端末8から送信されたデータに基づいて商品の注文を受け付け、注文商品に関係するポイント数を算出し、算出したポイント数をコード化し、このコードをポイント数が含まれている旨の文言メッセージとともに伝票プリンタ5で発行する伝票に印字する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の購入に応じて付与するポイントに関する情報を出力するポイント情報出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットスーパーと称される販売方式が注目されている。この販売方式は、スーパーマーケット等の実存店舗で導入されている。この販売方式では、客は、実存店舗まで出掛けなくとも、実存店舗に出向いた来店客と同じ様に、各売り場で実際に陳列されている商品を購入することができる。
【0003】
ネットスーパーの客は、例えば自宅や外出先等において、パーソナルコンピュータや携帯電話機等の汎用データ通信処理端末を操作し、インターネット等のデータ通信ネットワークを介してネットスーパーのコンピュータにアクセスする。ネットスーパーのコンピュータは、汎用データ通信処理端末から受信した所定のデータに基づいて、ネットスーパーの客が購入を希望する商品の注文を受け付ける。
【0004】
ネットスーパーの客から注文を受けた商品は、実存店舗内の実際に商品が陳列されている各売場から、店員が取り集める。このように実存店舗内の各売場から店員が揃えたネットスーパーの商品は、ネットスーパーの客ごとに仕分けられ、当該客が指定した場所に配達担当者によって伝票と一緒に届けられ、その代金と引き換えで当該客に直接手渡される。
【0005】
このようなネットスーパーで販売される各商品の売上計上データ処理は、当該商品を提供した実存店舗内のPOS(Point Of Sales)システムで行う(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
ところで、ネットスーパーの客は、複数の異なったネットスーパーでの同一商品の価格を、ネットワークを介して容易に調べることができ、ネットスーパー間の価格比較を極めて手軽に行うことができる。それ故、競合店と同じ商品を販売することが多いネットスーパーは、安売り競争に巻き込まれてしまう虞がある。
【0007】
一方、実存店舗では、顧客を自店に囲い込む為に、各顧客の購入実績に応じた値割引や景品等の特典を与えるポイントサービスを導入している。このようなポイントサービスは、安売り競争に陥り易いネットスーパーでは、その価格維持においても有用である。すなわち、自店の価格が競合店のものよりも高くなっている商品の価格を競合店のものよりも安くする代わりに、価格を維持したままで競合店との価格差分をポイントとして付与し、安売り競争の回避を図ることができるからである。
【0008】
そこで、ネットスーパーにおいても、ポイントサービスを導入したいとの要望がある。しかしながら、ネットスーパーの商品売買取引の流れは、実存店舗のそれとは異なっており、実存店舗で導入されているポイントデータ処理システムを、そのままでは流用することはできない。
【0009】
一般に、実存店舗においては、店員が店頭でポイント会員客から代金を受領し、POS端末を操作すると、直ちにPOSシステムが、例えば当該代金とその時に設定されている付与率に基づいて、当該取引で生じたポイント数を算出し、新たなポイントとして当該ポイント会員客に付与する。そして、当該ポイント会員客に対し、当該取引の結果新たに付与されたポイント数(今回ポイント)と、このポイント数に当該取引以前に付与されているポイント数の合計値と加算した現在ポイント数とを、その場で当該ポイント会員客に提示する。
【0010】
これに対し、ネットスーパーで購入された商品をその届け先に配達した担当者は、商品の引渡しと同時に当該商品の代金をネットスーパーの客から受領しても、その場で直ちにポイントの算出/付与を行うことはできない。
【0011】
一般に、ネットスーパーで購入された商品に基づくポイントは、ネットスーパーの客から代金を受領した配達担当者が、実存店舗に戻り、代金と伝票とを実存店舗の店員に渡し、それらを受け取った店員が、当該伝票の記載内容をデータ入力すると、当該ネットスーパー客に対し付与される。
【0012】
すなわち、ネットスーパーにおいては、取引の結果新たに生じたポイントを客に対し実際に付与する際に、当該ポイントを付与される客と、当該客に対しポイントを付与する為に伝票の記載内容をデータ入力する店員とは、全く異なった場所におり、当該ポイントの付与に関し、その場でお互いに確認し合うことができない。それ故に、ネットスーパーの客は、ネットスーパーで購入した商品のポイントが実際に正しく付与されるのかと思い、ネットスーパーの伝票入力作業に従事する店員は、当該取引がポイントを付与すべき対象のものであるのかと、お互いに不安を感じてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような事情に基づいて為されたもので、その目的とするところは、ネットスーパーで行なわれるポイントサービスにおいて、ポイントの付与に関する客や店員の不安感を和らげることができるポイント情報出力装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様であるポイント情報出力装置は、データ通信ネットワークとデータの送受信を行うデータ通信手段と、このデータ通信手段で受信したデータに基づいて顧客から注文を受けた商品の配達伝票を印字発行する伝票発行手段と、前記データ通信手段で受信したデータに基づいて顧客から注文を受けた商品に関係するポイント数を算出するポイント算出手段と、このポイント算出手段で算出したポイント数をコード化するポイントコード化手段と、このポイントコード化手段でコード化したポイントコードを前記伝票発行手段で発行する配達伝票に印字するポイントコード印字手段と、このポイントコード印字手段によりポイントコードが印字される配達伝票に当該コードが前記ポイント数を含む旨の文言メッセージを印字するメッセージ印字手段とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
かかる手段を講じたポイント情報出力装置によれば、個々の商取引において当該取引の結果付与されるポイントが存在していることを伝票上で容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るネットスーパーシステムの全体構成図。
【図2】同システムを構成するPOS端末の要部を示すブロック図。
【図3】同システムを構成するネットスーパー管理サーバの要部を示すブロック図。
【図4】ネットスーパー管理サーバのCPUが実行する主要な処理手順を示す流れ図。
【図5】ネットスーパー管理サーバのCPUが実行する配達伝票生成処理を示す流れ図。
【図6】本実施形態において生成される会員コードの一例を示す図。
【図7】本実施形態において生成されるポイントコードの一例を示す図。
【図8】本実施形態において生成される購入時コードの一例を示す図。
【図9】本実施形態において発行される配達伝票の一例を示す図。
【図10】POS端末のCPUが実行するコード読取処理の手順を示す流れ図。
【図11】POS端末のCPUが実行するネットスーパー売上処理の手順を示す流れ図。
【図12】POS端末のCPUが実行する締めキー処理の手順を示す流れ図。
【図13】POS端末のCPUが実行するネットスーパー締め処理の具体的手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を用いて、本発明に係るポイント情報出力装置の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも本発明を実施する一形態にしか過ぎず、本発明そのものというわけではない。
【0018】
先ず、この実施形態に係る小売事業者は、ポイントデータ管理機能を備えたPOSシステムが構築されている実存店舗を元々運営しており、ネットスーパーと称される販売方式を追加導入する為に、実存店舗内の既存POSシステムに対し、ネットスーパー用注文受付アプリケーションがインストールされたネットスーパー管理サーバ等のネットスーパー運営に必要となった各種装置を新たに追加接続することで、ネットスーパーシステムを構築したものとする。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るネットスーパーシステムの全体構成を概略的に示したシステム構成図である。同図に示したように、ネットスーパーシステム1は、ストアサーバ2と、POS端末3と、ネットスーパー管理サーバ4と、ネットスーパー管理サーバ4が受け付けた注文に関する伝票を印字発行する伝票プリンタ5とを備える。このようなネットスーパーシステム1において、ネットスーパー管理サーバ4と伝票プリンタ5とが、本発明に係わるポイント情報出力装置の一実施形態に相当する。
【0020】
ストアサーバ2、POS端末3、ネットスーパー管理サーバ4は、LAN(Local Area Network)6によって接続され、相互にデータ通信を行う。また、ネットスーパー管理サーバ4は、インターネット7に接続され、顧客が所有しているパーソナルコンピュータや携帯電話機等の顧客端末8と、インターネット7を介して各種データの送受信を行う。更に、ネットスーパー管理サーバ4には、伝票プリンタ5が接続されている。
【0021】
ストアサーバ2は、実売店舗の例えばバックヤード等に設置され、LAN6を介して、POS端末3やネットスーパー管理サーバ4に対し各種データを提供したり、POS端末3から各種データを収集したりする。それ故に、ストアサーバ2は、商品マスタファイル21、店舗売上ファイル22、会員マスタファイル23及び会員実績ファイル24を備え、これらのファイルに対するデータの読み出し、書き込みを管理する。
【0022】
商品マスタファイル21には、実存店舗で販売される各商品に関する情報が設定記憶されている。商品に関する情報は、商品識別コード、商品名、単価等である。
【0023】
商品識別コードは、同じ商品であるとして取り扱うことが適切であると判断された商品毎に、互いにユニークとなるように割り当てられている。日本国内で最も普及している商品識別コードは、13桁又は8桁の数字からなるJAN(Japan Article Number)コードである。JANコードは、バーコードシンボル化されて、日本国内で市販される多くの商品に印字又は貼付されており、各種商品の価格や名称をデータベースから取得する検索キーとして多用されている。
【0024】
店舗売上ファイル22には、各商品の売上げを集計する。各商品の売上げは、商品識別コード別の合計販売点数、合計売上金額等である。商品識別コード別の合計販売点数、合計売上金額の更新処理は、LAN6を介してPOS端末3から送られてきた各商品の販売データに基づいてストアサーバ2が行う。
【0025】
会員マスタファイル23には、各ポイント会員の属性情報(例えば氏名、性別、誕生部、住所、電話番号等)が会員番号毎に記憶されている。会員実績ファイル24には、各会員のポイント累計値等の実績情報を会員番号毎に記憶する。
【0026】
なお、この実施形態に係る実存店舗、ネットスーパーでは、実存店舗、ネットスーパーの区別なく、ポイントサービスの会に入会した各客に対し、夫々固有の会員番号を例えば磁気記録したポイントカードを発行している。なお、ポイントカードの表面には、会員番号が表記されている。また、各会員番号は、実存店舗、ネットスーパーの区別なく共通なものとし、何れのお買い上げで生じたポイント数も、その区別なく合算するものとする。そして、各会員の商品購入時に会員番号を確認すると、その代金に対して所定のポイント還元率を乗じてポイント数を算出し、新たなポイントとして付与するというポイントサービスを実施している。
【0027】
POS端末3は、実存店舗の各会計場所(レジ)に設置されており、ストアサーバ2とともにPOSシステムの役割を担っている。POS端末3は、図2に示したブロック図のように、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、時計部34、LANコントローラ35及びI/O機器コントローラ36を備えている。CPU31には、アドレスバスやデータバス等からなるバスライン37を介して、ROM32、RAM33、時計部34、LANコントローラ35及びI/O機器コントローラ36が接続されている。
【0028】
I/O機器コントローラ36は、キーボード301、オペレータ用ディスプレイ302、客用ディスプレイ303、レシートプリンタ304、カードリーダ305及びコードスキャナ306を制御する。キーボード301は、少なくとも締めキーK1を備えている。締めキーK1は、1商取引の締めを宣言する締め宣言手段として機能する。レシートプリンタ304は、商取引の明細が記録されたレシートを印字する。印字されたレシートは、図示しないレシート発行口から取引単位に発行される。カードリーダ305は、例えばポイントカードに磁気記録されている会員番号のデータ等を読み取る。コードスキャナ306は、例えば会員カードや各商品等のバーコードを光学的に読み取ることで、商品識別コード等の各種入力データを取り込む。
【0029】
ネットスーパー管理サーバ4は、インターネット等のデータ通信ネットワークを利用した商品販売方式の一態様であるネットスーパー販売方式を実現させるサーバ装置である。このサーバ装置は、WWW(World Wide Web)と呼ばれるドキュメントシステムによる情報送信機能を備え、ネットスーパー販売商品に関する情報をHTML(Hyper Text Markup Language)文書や画像等の形で蓄積し、これらの情報をWebブラウザ等のクライアントソフトウェアからの要求に応じて、インターネット6を通じて送信することで、ネットスーパーのWebサイトをインターネット6上に公開する。
【0030】
図3は、ネットスーパー管理サーバ4のブロック図である。図3に示したように、ネットスーパー管理サーバ4は、CPU41、ROM42、RAM43、HDD(Hard Disk Drive)44、時計部45、LANコントローラ46、WAN(Wide Area Network)コントローラ47及びプリンタコントローラ48を備えている。CPU41には、バスライン49を介して、ROM42、RAM43、HDD44、時計部45、LANコントローラ46、WANコントローラ47及びプリンタコントローラ48が接続されている。
【0031】
HDD44には、RAM43に必要な時に必要な部分が読み出され、CPU41によって実行されることで、ネットスーパー管理サーバ4をネットスーパーの受注システムとして動作させるための各種プログラム(例えば、Webサーバアプリケーション、データベースプログラム等)の他、後述する注文受付処理、伝票印字発行処理を実行するための制御プログラムが格納されている。
【0032】
LANコントローラ46は、LAN6とのデータ送受信を制御し、WANコントローラ47は、インターネット7とのデータ送受信を制御し、プリンタコントローラ48は、伝票プリンタ5とのデータ送受信を制御している。
【0033】
そして、ネットスーパー管理サーバ4は、LAN6を介して、ネットスーパーでの販売対象商品となった各商品の商品名や単価等の商品情報をストアサーバ2の商品マスタファイル21から取得する。次に、取得した商品情報に基づいてネットスーパー販売方式で販売される商品の情報(例えば、商品名、単価、ポイント還元率等)を掲載する“ネットスーパー”のWebサイト用ドキュメントシステムデータを作成し、HDD44に蓄積する。そして、データ通信手段であるWANコントローラ47を介し、HDD44のWebサイト用ドキュメントシステムデータから適宜必要なデータをインターネット6に送出し、Webサイト“ネットスーパー”をインターネット6上に公開する。
【0034】
また、ネットスーパー管理サーバ4は、Webサイト“ネットスーパー”にアクセスした顧客端末8から、“ネットスーパー”で販売する商品の購入注文を受けると、その代金やポイント値を算出し、注文受付け商品明細(商品情報及び数量等)ととも当該顧客端末8にインターネット6を介して送信し、相手からの注文確定通知を待つ。そして、インターネット6を介して顧客端末8から注文確定通知を受信すると、プリンタコントローラ48を介して伝票プリンタ5に当該注文内容が記録された配達伝票50を発行させる。
【0035】
ここで、ネットスーパー管理サーバ4のCPU41が、顧客端末8から商品の購入注文を受け付ける注文受付処理、伝票プリンタ5に当該注文内容を印字発行させる伝票印字発行処理について、図4及び図5の流れ図を用いて説明する。
【0036】
通常、CPU41は、インターネット7上に公開したWebサイト“ネットスーパー”に対し、顧客端末8からアクセスされるのを待機している(ST1)。顧客端末8からのWebサイト“ネットスーパー”に対するアクセスを検出すると(ST1のYES)、CPU41は、時計部45から現時点の日付と時刻とからなる現在日時データを取得し、RAM43の所定領域に記憶する(ST2)。同時に、インターネット7を介して当該顧客端末8に対し、ログイン画面を送信し、当該顧客端末8からの会員番号入力を求める(ST3)。そして、当該顧客端末8からインターネット7を介して会員番号が送信されるまで待機する(ST4)。
【0037】
顧客端末8から会員番号を受信すると(ST4のYES)、CPU41は、この会員番号に対応する会員情報を、LAN6を介して接続されているストアサーバ2の会員マスタファイル23から取得し、RAM43の所定領域に記憶する(ST5)。また、CPU41は、インターネット7を介して当該顧客端末8に対し、購入の対象となる商品を選択させる画面、購入商品の選択が終わった旨を通知する為の操作内容を含んだ注文受付画面を送信する(ST6)。そして、インターネット7を介して当該顧客端末8から購入の対象となる商品の選択情報、購入商品選択終了通知が送られてくるまで待機する(ST7)。
【0038】
顧客端末8からインターネット7を介して購入の対象となる商品の選択情報とともに商品選択終了通知が送信されたことを検出すると(ST7のYES)、CPU41は、購入対象とされた商品の商品情報をRAM43の所定領域に記憶する(ST8)。そして、この商品情報に含まれる単価に基づき、当該取引における代金を算出してRAM43の所定領域に記憶する。また、この代金と所定のポイント還元率とから今回取引によるポイント数を算出して同様にRAM43の所定領域に記憶する(ST9:ポイント算出手段)。
【0039】
次いで、CPU41は、購入対象とされた商品の一覧と、ステップST9の処理でRAM43の所定領域に記憶した代金及びポイント値とを含む注文確認画面を、インターネット7を介して当該顧客端末8に対し送信する(ST10)。そして、当該顧客端末8からインターネット7を介して注文確定通知が送られてくるまで待機する(ST11)。ここで、顧客端末8から注文確定通知ではなく、例えば注文取消通知が送られてくると(ST11のNO)、CPU41は、ステップST2,ST5,ST8,ST9の各処理でRAM43の所定領域に記憶したデータを全て破棄して、今回の注文処理を終了し、再び顧客端末8からのアクセスを待つ。
【0040】
顧客端末8から注文確定通知が送られてくると(ST11のYES)、CPU41は、購入対象とされた商品の配達に係る配達送伝票の印字データを生成する(ST12)。以下、図5を参照して、配達伝票の印字データ生成処理手順を説明する。
【0041】
先ず、CPU41は、ステップST4の処理で受け付けた会員番号を表すコード(以下、「会員コード」という)を生成する(ST21)。図6は、会員コードの一例を示した図である。本実施の形態においては、会員コードは、code128式バーコードのコード体系に準拠し、20桁のcode128式バーコードシンボルで表記される。具体的には、第1桁目から第13桁目までの13桁の第1コード領域C11と、第14桁目のフラグ情報(F)と、第15桁目から第19桁目までの5桁の第2コード領域C12と、第20桁目のチェックデジット(C/D)とから構成されている。そして、第1コード領域C11と第2コード領域C12の計18桁のコード領域を用いて、顧客の会員番号が表される。フラグ情報(F)は、このバーコードが会員コードであることを示す特有の値である。本実施形態では“5”とする。なお、第1コード領域C11と第2コード領域C12とをそれぞれ構成する桁数は、図6に示す割合に限定されるものではない。
【0042】
次に、CPU41は、ステップST9の処理で算出したポイント数を表すコード(以下、「ポイントコード」という)を生成する(ST22:ポイントコード化手段)。図7は、ポイントコードの一例を示した図である。本実施の形態においては、ポイントコードは、会員コードと同様にcode128式バーコードのコード体系に準拠し、20桁のcode128式バーコードシンボルで表記される。具体的には、第1桁目から第13桁目までの13桁の第1コード領域C21と、第14桁目のフラグ情報Fと、第15桁目から第19桁目までの5桁の第2コード領域C22と、第20桁目のチェックデジット(C/D)とから構成されている。ここで、第1コード領域C21は固定部分となっており、第2コード領域C22を用いてポイント数が表される。フラグ情報(F)は、このバーコードがポイントコードであることを示す特有の値である。本実施形態では“6”とする。なお、第1コード領域C21と第2コード領域C22とをそれぞれ構成する桁数は、図7に示す割合に限定されるものではない。
【0043】
次いで、CPU41は、ステップST8の処理で購入対象とされた各商品について、それぞれその商品の購入時点での商品単価を表す単価コードを生成する(ST23)。そして商品毎に、その商品に付されている商品識別コードと単価コードとを組み合わせたコード(以下、購入時コードという)を生成する(ST24)。
【0044】
購入時コードの一例を図7に示す。本実施の形態においては、購入時コードも、前述した会員コード及びポイントコードと同様に、code128式バーコードのコード体系に準拠し、20桁のcode128式バーコードシンボルで表記される。具体的には、第1桁目から第13桁目までの13桁の第1コード領域C31を用いて商品コード(国コード、メーカーコード、商品アイテムコード)を表し、第15桁目から第19桁目までの5桁の第2コード領域C32を用いて単価コードを表す。第14桁目のフラグ情報(F)は、このバーコードが購入時コードであることを示す特有の値として、本実施形態では“4”とする。
【0045】
ステップST21、ST22、ST23及びST24の各処理により、会員コード、ポイントコード及び購入対象商品別の購入時コードをそれぞれ生成したならば、CPU41は、配達伝票の印字データを生成する(ST25)。具体的には、所定の配達伝票フォーマットに、会員コード、ポイントコード及び購入対象商品別の購入時コードを配置する。なお、この配達伝票フォーマットにおいては、ポイントコードは、「このコードにはポイントが含まれています」という平文のメッセージと並ぶ位置に配置される。また、ステップST2の処理で取得した日付、ステップST4の処理で取得した会員情報、ステップST7の処理で受け付けた購入対象商品毎の商品情報等も配置する。
【0046】
ここで、図4に示した処理の説明に戻る。CPU41は、ステップST12の配達伝票生成処理が終了すると、生成された印字データをプリンタコントローラ48に出力する(ST13)。プリンタコントローラ48は、印字データに基づいて、伝票プリンタ5を駆動させて、配達伝票50を印字発行させる。また、CPU41は、配達伝票50に係るデータをHDD44の所定領域に保存する(ST14)。以上で、今回の顧客端末8からのアクセスに対するネットスーパー管理サーバ4の処理を終了する。
【0047】
伝票発行手段であってポイントコード印字手段、メッセージ印字手段でもある伝票プリンタ5が印字発行した配達伝票50の一例を図9に示す。ここで、領域A0は、注文日と伝票番号とが印字される領域である。領域A01には、ステップST2の処理で取得した日付が注文日として印字される。また、領域A02には、伝票番号が印字される。伝票番号は、ネットスーパー管理サーバ4が例えばステップST2の処理で取得した日付YYYYMMDDに、上述した印字データ生成処理が実行する毎に「1」ずつカウントアップして発番する5桁の連続番号NNNNNを付加した13桁の数字列YYYYMMDDNNNNNである。
【0048】
領域A1は、配達先となる顧客の会員情報が印字される領域である。ステップST5の処理で取得した会員情報のうち、領域A11に顧客の氏名が、領域A12に顧客の電話番号が、領域A13に配達先となる顧客の住所が印字されている。
【0049】
領域A2は、顧客の会員番号と、今回の注文で付与されるポイント数とに関する情報が印字される領域である。そのうち、領域A21には会員番号とポイント数とが平文で印字されており、領域A22には会員番号及びポイント数の各コード、すなわちステップST23、ST24で生成された会員コードとポイントコードとが印字されている。また、会員コードとポイントコードとが印字されている領域A22の直ぐ下の領域A23には、「このコードにはポイントが含まれています」というメッセージが平文で印字されている。
【0050】
領域A3には、配達時に必要な配達情報が印字される。配達情報として、配達日を指定する情報、配達時間を指定する情報、決済方法を指定する情報が、領域A31〜A33のそれぞれに印字されている。これらの配達情報は、商品注文時に顧客端末8から送信されたものである。領域A34には、購入対象となった商品の総額が領収金額として印字されている。また、領域A35は配達担当者のサインや捺印用に設けられた空欄領域であり、領域A36は顧客の受領サイン又は捺印用に設けられた空欄領域である。
【0051】
領域A4には、当該取引で購入対象となった各商品の商品名や購入時の単価、数量、小計、合計金額等の明細が印字される。そのうち、領域A41には、購入対象とされた各商品の購入時コードが商品毎に印字されている。
【0052】
配達伝票50に印字される会員コード、ポイントコード及び購入時コードは、いずれもそのコード体系を20桁とするcode128式バーコードである。そして、その第14桁目のフラグ情報Fの値の違いによって、POS端末3等のコンピュータ機器がコードの種類を識別できる。
【0053】
伝票プリンタ5から発行された配達伝票50は、店舗内で品揃えされた購入対象の各商品とともに配達担当者へと引き渡され、配達担当者によって商品のお届け先である例えば顧客宅に商品と共に持参される。商品のお届け先では、配達担当者は、お届け商品と配達伝票50とを顧客に手渡しし、配達伝票50の内容とお届け商品との正誤等を当該顧客自身に確認していただく。
【0054】
届けられた商品に誤り等がないことを顧客が確認すると、配達担当者は、当該商品の代金を顧客から受領し、合わせて当該顧客に対し配達伝票50の領域A36の空欄へのサイン又は捺印をお願いする。すると、顧客の視野内には、サイン又は捺印を行おうとしている配達伝票50の領域A36の上段にある領域A23に印字されている「このバーコードにはポイントが含まれています」という平文のメッセージが自然に無理なく入る。したがって、このメッセージを目にした顧客は、当該取引で新たに付与されるポイントが存在していることが容易に判る。
【0055】
領域A36に顧客のサイン又は捺印が為された配達伝票は、配達担当者によって店舗まで持ち帰られ、代金とともに店員に引き渡される。そして、POS端末3からのデータ入力に供される。
【0056】
ところで、本実施の形態においては、POS端末3が行う売上処理には、実存店舗での商品販売取引の売上処理いわゆる店舗販売売上処理と、ネットスーパー販売方式によるネットワーク注文販売取引の売上処理いわゆるネットスーパー売上処理とがある。
【0057】
店舗販売売上処理は、店舗にて客が購入する商品に付された商品識別コード(JANコード)を、コードスキャナ306で読み取り、その商品の販売データを購入時点の単価を基に売上処理するものである。ネットスーパー売上処理は、ネットスーパー販売方式による注文内容に従い発行された配達伝票50に記録されたコードを、コードスキャナ306で読み取り、ネットスーパー管理サーバ4で注文を受け付けた商品の販売データを注文確定時の単価に基づいて売上処理するものである。
【0058】
以下、図10〜図13の流れ図を参照して、POS端末3で実行される売上処理について説明する。これらの処理は、例えばROM32に記憶された制御プログラムによって実現される。
【0059】
図10の流れ図は、コードスキャナ306でコードが読み取られたときに、CPU31が実行する処理の手順を示す。この処理手順は、例えばROM32に記憶された制御プログラムによって実現される。
【0060】
コードが読み取られると、CPU31は、先ず、登録中フラグRFが“1”にセットされているか否かを判断する(ST31)。登録中フラグRFはRAM33に記憶されており、アイドル状態では“0”にリセットされている。
【0061】
登録中フラグRFが“1”にセットされていない場合、CPU31は、取引バッファをクリアする(ST32)。またCPU31は、登録中フラグRFを“1”にセットする(ST33)。取引バッファは、RAM33に形成されている。
【0062】
次に、CPU31は、読み取られたコードが、当該コードの桁数が20桁で、その14桁目にフラグ情報Fとして所定値“4”,“5”または“6”を持つコード、すなわち配達伝票50に印字されたcode128式バーコードのコードであるか否かを判断する(ST34)。
【0063】
コードスキャナ306によって読み取られたコードが配達伝票50に印字されたものであった場合(ST34のYES)、CPU31は、RAM33に記憶されているネットスーパーフラグNSFを“1”にセットする(ST35)。ちなみに、ネットスーパーフラグNSFは、アイドル状態では“0”にリセットされている。そして、ネットスーパーフラグNSFを“1”にセットした後、CPU31は、ステップST36のネットスーパー売上処理を実行する。なお、ネットスーパー売上処理については、後述する。
【0064】
読み取られたコードが配達伝票50に印字されたコードでなかった場合(ST34のNO)、CPU31は、ステップST38〜ST41の店舗販売売上処理を実行する。すなわち、読み取られたコードが13桁からなるJANコード等の商品識別コードであるとき、CPU31は、その商品識別コードに対応する商品名や単価等の商品情報を、ストアサーバ2の商品マスタファイル21から取得する(ST38)。そして、取得した商品情報中の単価に販売点数を乗算して販売金額を算出する(ST39)。なお、販売点数は、コードが読み取られる直前に、キーボード301の置数キーにより乗数が入力されていた場合にはその乗数であり、乗数が入力されていない場合には“1”である。
【0065】
しかる後、CPU31は、商品識別コードに対応付けて、商品名、単価、販売点数、販売金額を取引バッファに格納する(ST40)。また、商品名及び販売金額をオペレータ用ディスプレイ302及び客用ディスプレイ303に表示させ(ST41)、読み取った商品識別コードに基づく一連の処理を終了する。
【0066】
一方、コードが読み取られた時点で登録中フラグRFが既に“1”にセットされていた場合には(ST31のYES)、CPU31は、ネットスーパーフラグNSFをチェックする。ここで、ネットスーパーフラグNSFが“1”にセットされていると(ST37のTES)、ネットスーパー売上処理を実行し(ST36)、“0”にリセットされていると(ST37のNO)、店舗販売売上処理を実行する(ST38〜ST41)。
【0067】
図11は、ネットスーパー売上処理の具体的な処理手順を示す流れ図である。ステップST36でネットスーパー売上処理に入ると、CPU31は、読み取られたコードの14桁目であるフラグ情報Fの値をチェックする。
【0068】
ここで、フラグ情報Fの値が“5”であると(ST51の“4”)、配達伝票50から読み取られたコードは会員コードであるので、CPU31は、その会員コードから会員番号を取得する(ST52)。そして、この会員番号を会員情報記憶部としての取引バッファに格納し(ST53)、読み取った会員コードに基づく一連の処理を終了する。
【0069】
フラグ情報Fが“6”であると(ST51の“6”)、配達伝票50から読み取られたコードはポイントコードであるので、CPU31は、そのポイントコードからポイント数を取得する(ST54)。そして、このポイント数を会員情報記憶部としての取引バッファに格納し(ST55)、読み取ったポイントコードに基づく一連の処理を終了する。
【0070】
フラグ情報Fが“4”であると(ST51の“4”)、配達伝票50から読み取られたコードは購入時コードであるので、CPU31は、その購入時コードから商品識別コードと単価データとを取得する(ST56)。次いで、CPU31は、その商品識別コードに対応する商品情報を、ストアサーバ2の商品マスタファイル11から取得する(ST57)。そして、購入時コードから取得した単価に基づいて当該商品の販売金額を算出する(ST58)。
【0071】
しかる後、CPU31は、商品識別コードに対応付けて、商品名、単価、販売点数、販売金額を取引バッファに格納する(ST59)。また、商品名及び販売金額をオペレータ用ディスプレイ302及び客用ディスプレイ303に表示させ(ST60)、読み取った購入時コードに基づく一連の処理を終了する。
【0072】
このように、登録中フラグRFが“0”にリセットされているアイドル状態で、商品に付された商品コードがコードスキャナ306によって読み取られると、POS端末3のCPU31は、登録中フラグRFを“1”にセットして、店舗販売売上処理を実行する。そして以後、登録中フラグRFが“0”にリセットされるまで、商品コードがコードスキャナ306によって読み取られる毎に店舗販売売上処理を繰返し実行する。
【0073】
一方、同じくアイドル状態で、配達伝票50に印字された会員コード、ポイントコード、購入時コードのなかのいずれかのコードがコードスキャナ306によって読み取られると、POS端末3のCPU31は、登録中フラグRFとネットスーパーフラグNSFとをいずれも“1”にセットして、ネットスーパー売上処理を実行する。そして以後、登録中フラグRFが“0”にリセットされるまで、配達伝票50のコードがコードスキャナ306によって読み取られる毎にネットスーパー売上処理を繰返し実行する。
【0074】
そこで、POS端末3を操作する店員いわゆるキャッシャは、実在店舗での商品販売取引の際には、顧客が購入する商品に付された商品コードを1品ずつコードスキャナ206で読取操作する。そして、全ての購入商品の読取操作が終了すると、締めキーK1を入力して、1商取引の締めを宣言する。
【0075】
一方、ネットスーパー販売方式による商品販売取引の際には、配達伝票50に印字されている会員コード、ポイントコード及び購入対象商品毎の購入時コードをコードスキャナ206で読取操作する。そして、全てのコードの読取操作が終了すると、締めキーK1を入力して、1商取引の締めを宣言する。
【0076】
図12は、締めキーK1が入力されたときのCPU31の処理手順を示す流れ図である。この処理手順は、例えばROM32に記憶された制御プログラムによって実現される。
【0077】
締めキーK1が入力されたことを検知すると、CPU31は、先ず、登録中フラグRFをチェックする(ST71)。ここで、登録中フラグRFが“0”にリセットされている場合には(ST71のNO)、売上処理が実行されていないアイドル状態において締めキーK1が操作された誤操作なので、エラーとする。
【0078】
登録中フラグRFが“1”にセットされていた場合(ST71のYES)、CPU31は、ネットスーパーフラグNSFをチェックする(ST72:取引判定手段)。ここで、ネットスーパーフラグNSFが“0”にリセットされている場合には(ST72のNO)、ステップST73〜ST82に示す実在店舗での商品販売取引の登録締め処理を実行する。これに対し、ネットスーパーフラグNSFが“1”にセットされている場合には(ST72のYES)、ステップST83として図13に具体的に示すネットスーパー締め処理を実行する。
【0079】
はじめに、実在店舗での商品販売取引の登録締め処理について説明する。登録中フラグRFがセットされ、ネットスーパーフラグNSFがリセットされている状態で、締めキーK1が入力されると、CPU31は、取引バッファに格納されている商品識別コード,商品名,単価,販売点数,販売金額等の商品販売データを基に、売上登録処理を実行する(ST73)。この売上登録処理により、商取引の合計金額が算出される。また、この商取引で売上げられた各商品の商品識別コード,売上点数及び売上金額と、上記合計金額とを含む売上登録データが生成される。
【0080】
次に、CPU31は、取引バッファに会員番号が格納されているか否かを判断する(ST74)。実在店舗での商品販売取引の際には、締めキーK1によって締めが宣言される前に、カードリーダ305によってポイントカードのデータが読み取られると、そのカードデータに含まれる会員番号が取引バッファに格納される。
【0081】
会員番号が格納されていない場合(ST74のNO)、CPU31は、ポイントカードの読み忘れを警告するメッセージをオペレータ用ディスプレイ302に表示させる(ST75)。そして、カードリーダ305でポイントカードのデータが読み取られるのを待機する(ST76)。ここで、ポイントカードのデータが読み取られることなく、例えばキーボード301の取消キーが入力されたならば(ST76のNO)、ポイントカード会員以外の顧客の商取引なので、CPU31は、ST73の処理で生成した売上登録データをストアサーバ2に送信する(ST77)。
【0082】
これに対し、カードリーダ305でポイントカードのデータが読み取られた場合(ST76のYES)、あるいは取引バッファに会員番号が格納されている場合には(ST74のYES)、ポイントカード会員である顧客の商取引なので、CPU31は、ST73の処理で算出した合計金額と所定のポイント還元率とからポイント数を算出する(ST78)。そして、ステップST73の処理で生成した売上登録データとともに、カードリーダ305で読み取ったポイントカードのデータから取得した会員番号または取引バッファに記憶された会員番号と、ステップST78の処理で算出したポイント数とを、ストアサーバ2に送信する(ST79)。
【0083】
ステップST77またはステップST79の送信処理を終了すると、CPU31は、レシートプリンタ304を動作させて取引レシートを印字発行させる(ST80)。しかる後、CPU31は、取引バッファをクリアし(ST81)、今回の締めキー処理を終わらせ、POS端末3はアイドル状態に戻る。
【0084】
図13は、前記ネットスーパー締め処理の具体的手順を示す流れ図である。登録中フラグRF、ネットスーパーフラグNSFが共にセットされている状態で、締めキーK1が入力されると、CPU31は、ネットスーパー締め処理を開始する。
【0085】
先ず、取引バッファに会員番号が格納されているか否かを判断する(ST91)。会員番号が格納されていない場合(ST91のNO)、配達伝票50に印字されている会員コードの読み忘れを警告するメッセージをオペレータ用ディスプレイ302に表示させる(ST92)。そして、コードスキャナ306で会員コードが読み取られるのを待機する(ST93)。
【0086】
コードスキャナ306でコードが読み取られると(ST93のYES)、CPU31は、そのコードの14桁目の値が、会員コードを示すフラグ情報Fの値“5”であるか否かを判断する(ST94)。14桁目の値が“5”でないと(ST94のNO)、読み取られたコードは会員コードではないので、CPU31は、再度、会員コードが読み取られるのを待機する(ST93)。
【0087】
14桁目の値が“5”であると(ST94のYES)、読み取られたコードは会員コードである。この場合、CPU31は、その会員コードから会員番号を取得する(ST95)。そして、この会員番号を取引バッファに格納する(ST96)。
【0088】
ステップST96の処理にて会員番号が取引バッファに格納されるか、既に取引バッファに会員番号が格納されていた場合(ST91のYES)、CPU31は、取引バッファにポイント数が格納されているか否かを判断する(ST97)。
【0089】
ポイント数が格納されていない場合(ST97のNO)、配達伝票50に印字されているポイントコードの読み忘れを警告するメッセージをオペレータ用ディスプレイ302に表示させる(ST98)。そして、コードスキャナ306でポイントコードが読み取られるのを待機する(ST99)。
【0090】
コードスキャナ306でコードが読み取られると(ST99のYES)、CPU31は、そのコードの14桁目の値が、ポイントコードを示すフラグ情報Fの値“6”であるか否かを判断する(ST100)。14桁目の値が“6”でないと(ST100のNO)、読み取られたコードはポイントコードではないので、CPU31は、再度、ポイントコードが読み取られるのを待機する(ST99)。
【0091】
14桁目の値が“6”であると(ST100のYES)、読み取られたコードはポイントコードであるので、CPU31は、そのポイントコードからポイント数を取得する(ST101)。そして、このポイント数を取引バッファに格納する(ST102)。
【0092】
ステップST102の処理にてポイント数が取引バッファに格納されるか、既に取引バッファにポイント数が格納されていた場合(ST97のYES)、CPU31は、取引バッファに格納されている商品識別コード、商品名、単価、販売点数、販売金額等の商品販売データを基に、売上登録処理を実行する(ST103)。この売上登録処理により、商取引の合計金額が算出される。また、この商取引で売上げられた各商品の商品識別コード、売上点数及び売上金額と、上記合計金額とを含む売上登録データが生成される。
【0093】
次いで、CPU31は、ステップST103の処理で生成した売上登録データとともに、取引バッファに記憶された会員番号とポイント数とを、ストアサーバ2に送信する(ST104)。しかる後、CPU31は、取引バッファをクリアし(ST105)、登録中フラグRFとネットスーパーフラグNSFとをともに“0”にリセットし、今回の締めキー処理を終わらせ、POS端末3はアイドル状態に戻る。
【0094】
POS端末3から送信される売上登録データ、会員番号及びポイント数を受信したストアサーバ2は、その受信データに基づいて店舗売上ファイル22及び会員実績ファイル24のデータを更新する。
【0095】
このように、本実施形態のPOS端末3は、ネットスーパー販売方式による商品販売取引の際に、キャッシャが配達伝票50の会員コードを読み取ることなく締めキーK1を入力して商取引の締めを宣言しても、会員コードの読み忘れ警告が発せられて、売上登録処理が実行されない。キャッシャが配達伝票50の会員コードを読み取ると、売上登録処理が実行されて、その会員コードから得られる会員番号とともに売上登録データがストアサーバ2に送信される。したがって、ストアサーバ2において、ネットスーパー販売方式を利用した客の取引実績データを確実に収集し、会員実績ファイル24に保存することができる。
【0096】
また、本実施形態のPOS端末3は、ネットスーパー販売方式による商品販売取引の際に、キャッシャが配達伝票50のポイントコードを読み取ることなく締めキーK1を入力して商取引の締めを宣言しても、ポイントコードの読み忘れ警告が発せられて、売上登録処理が実行されない。キャッシャが配達伝票50のポイントコードを読み取ると、売上登録処理が実行されて、会員番号とともにポイントデータがストアサーバ2に送信される。したがって、ストアサーバ2において、ネットスーパー販売方式を利用した客のポイントデータを確実に収集し、会員実績ファイル24にて顧客別に累積することができる。
【0097】
また、本実施形態の配達伝票50には、会員コードとポイントコードとが印字されている領域A22の直ぐ下の領域A23に「このコードにはポイントが含まれています」というメッセージが平文で印字されている。したがって、ネットスーパーの取引で販売した商品の売上登録処理作業に従事する店員は、当該伝票に係わる取引がポイントの付与対象となっていることが直ぐに判り、ポイントコードの読み取り忘れを警戒することができる。更に、ネットスーパー販売方式を利用した客のポイント処理に慣れていない店員であっても、配達伝票50の「このコードにはポイントが含まれています」というメッセージが平文で印字されている領域A23の直上の領域A22に印字されているコードを読み取ることで、ネットスーパー販売方式を利用した客のポイント処理が適切に行われることが判り、ストレスが低減される。
【0098】
また、本実施形態のPOS端末3は、実存店舗での商品販売取引の際に、ポイントカードのデータが読み取られることなく締めキーK1が入力されて商取引の締めが宣言されると、ポイントカードの読み忘れ警告が発せられる。したがって、ポイントカード会員である顧客が実存店舗での商品販売取引の際にポイントカードを提示し忘れても、決済の前に店員が顧客に確認できるので、顧客満足度を高め得る。
【0099】
なお、この発明は、今まで述べてきた実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、前記実施形態では、配達伝票50を印字発行する伝票プリンタ5は、ネットスーパー管理サーバ4に接続されているものとして説明したが、これに限らず、例えばストアサーバ2に接続されているものであってもよい。
【0100】
また、前記実施形態では、ネットスーパー管理サーバ4を実存店舗内に設けるものとして説明したが、このようなネットスーパー管理サーバ4の代わりに、ASP(Application Service Provider)事業者のサーバにインストールされているネットスーパー用注文受付アプリケーションの機能を、インターネット等のネットワークを通じてレンタルしてもよい。
【0101】
また、前記実施形態では、配達伝票に印字される伝票コードを含むコードをcode128式バーコードとしたが、これに限らず、他の形態のバーコードとしてもよい。あるいはQRコード(登録商標)等の二次元データコードであってもよい。
【0102】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 ネットスーパーシステム
2 ストアサーバ
3 POS端末
4 ネットスーパー管理サーバ
5 伝票プリンタ
6 LAN
7 インターネット
8 顧客端末
21 商品マスタファイル
22 店舗売上ファイル
23 会員マスタファイル
24 会員実績ファイル
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 時計部
35 LANコントローラ
36 I/O機器コントローラ
37 バスライン
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 HDD
46 LANコントローラ
47 WANコントローラ
48 プリンタコントローラ
50 配達伝票
301 キーボード
302 オペレータ用ディスプレイ
303 客用ディスプレイ
304 レシートプリンタ
305 カードリーダ
306 コードスキャナ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開2009−294759公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信ネットワークとデータの送受信を行うデータ通信手段と、
このデータ通信手段で受信したデータに基づいて顧客から注文を受けた商品の配達伝票を印字発行する伝票発行手段と、
前記データ通信手段で受信したデータに基づいて顧客から注文を受けた商品に関係するポイント数を算出するポイント算出手段と、
このポイント算出手段で算出したポイント数をコード化するポイントコード化手段と、
このポイントコード化手段でコード化したポイントコードを前記伝票発行手段で発行する配達伝票に印字するポイントコード印字手段と、
このポイントコード印字手段によりポイントコードが印字される配達伝票に当該コードが前記ポイント数を含む旨の文言メッセージを印字するメッセージ印字手段と、
を備えたことを特徴とするポイント情報出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−203904(P2011−203904A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69300(P2010−69300)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】