説明

ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたレジストパターン形成方法

【課題】 高感度、高解像性であり、倒れマージン、PEBマージンに優れる化学増幅型のポジ型レジスト組成物及びそれを用いたレジストパターン形成方法の提供。
【解決手段】(A)酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分、および(B)放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分を含有するポジ型レジスト組成物であって、
前記(A)成分が、酸解離性溶解抑制基を含むコア部と、該コア部に結合したアーム部を有するスターポリマーであることを特徴とするポジ型レジスト組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたレジストパターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。微細化の手法としては一般に露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在ではKrFエキシマレーザー(248nm)が量産の中心となり、さらにArFエキシマレーザー(193nm)が量産で導入され始めている。
【0003】
KrFエキシマレ−ザやArFエキシマレーザ等の光源用のレジストには、微細な寸法のパターンを再現可能な高解像性と、このような短波長の光源に対する感度の高さが求められている。このような条件を満たすレジストの1つとして、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤(以下、PAGという)を含有する化学増幅型ポジ型レジスト組成物が知られている。
化学増幅型ポジ型レジストの反応機構は、露光すると、レジスト中に配合されたPAGが酸を発生し、その酸によりベース樹脂の溶解性が変化するというものである。例えば、化学増幅型ポジ型レジストのベース樹脂に対し、酸により脱離する溶解抑制基を導入しておくことにより、露光部のみ溶解抑制基が脱離し、現像液への溶解性が大きく増大する。一般的には、露光後に加熱処理(ポストエクスポージャーベーク(post exposure baking)、以下、PEBと略記する)を行うことにより、該溶解抑制基の脱離やレジスト内の酸の拡散が促進され、従来の非化学増幅型レジストと比較して非常に高い感度を出すことができる。
【0004】
そして、今日、半導体素子製造において必要とされるデザインルールはいっそう狭まり、レジスト材料には、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を用いて、130nm以下のレジストパターンを形成できる解像性が求められている。この微細化に対応するため、ArFエキシマレーザーを用いた、微細なレジストパターンを形成できるレジスト材料の開発が精力的に進められている。
これまで、化学増幅型レジストのベース樹脂成分としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレンやその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護したもの(以下、ヒドロキシスチレン系樹脂ということがある)が用いられきた。
しかしながら、ヒドロキシスチレン系樹脂のようなベンゼン環を有する樹脂は、193nm付近における透明性が不十分である。そのため、該樹脂をベース樹脂成分とする化学増幅型レジストは、解像性が低いなどの欠点がある。
【0005】
これに対し、ベンゼン環を有さず、193nm付近における透明性に優れ、かつ耐ドライエッチング性に優れるレジスト材料として、エステル部にアダマンタン骨格のような多環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(例えば、特許文献1〜8参照をベース樹脂に用いるレジスト組成物が提案されている。
【0006】
しかし、このような化学増幅型のホトレジスト組成物の基材樹脂成分であるポリマーは複数種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーをラジカル重合によって得ている。しかしながら、ラジカル重合で得られるポリマーの分子量分布は1.5を超えており、分子量制御ができない、また収率が低いという問題がある。
【0007】
他方、特開2003−84436号公報(特許文献9)には、分子量分布が1.5のポリマーを用いたレジストが提案されている。
【特許文献1】特許第2881969号公報
【特許文献2】特開平5−346668号公報
【特許文献3】特開平7−234511号公報
【特許文献4】特開平9−73173号公報
【特許文献5】特開平9−90637号公報
【特許文献6】特開平10−161313号公報
【特許文献7】特開平10−319595号公報
【特許文献8】特開平11−12326号公報
【特許文献9】特開2003−84436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献9に記載の技術であっても近年要求される微細パターンの倒れマージン、PEBマージンは十分ではない。
なお、倒れマージンとは、一定ピッチ(レジストパターンサイズとスペースサイズの合計)において、微細なレジストパターンを解像したときのレジストパターンの倒れにくさである。PEBマージンとは、レジストパターンを形成する際にPEB時の温度変化に依存しないで目的とするレジストパターンサイズを安定して形成できる特性である。
又、スループットの向上等の点から、レジスト組成物においては、高感度であることも求められている。
【0009】
そして、従来のレジスト組成物では、これらの問題の解決が不十分であり、その改善が望まれている。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、高感度、高解像性であり、倒れマージン、PEBマージンに優れる化学増幅型のポジ型レジスト組成物及びそれを用いたレジストパターン形成方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
第1の発明の態様(第1の態様)は(A)酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分、および(B)放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分を含有するポジ型レジスト組成物であって、
前記(A)成分が、酸解離性溶解抑制基を含むコア部と、該コア部に結合したアーム部を有するスターポリマーであることを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
また、第2の発明の態様(第2の態様)は、前記第1の態様のポジ型レジスト組成物を支持体上に塗布し、プレべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法である。
【0012】
なお、本明細書において、「(α−低級アルキル)アクリル酸エステル」とは、メタクリル酸エステル等のα−低級アルキルアクリル酸エステルと、アクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。ここで、「α−低級アルキルアクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステルのα炭素原子に結合した水素原子が低級アルキル基で置換されたものを意味する。
また、「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位を意味する。
また、「(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、(α−低級アルキル)アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
なお、本特許請求の範囲及び明細書において、「(α−低級アルキル)アクリル酸」、「(α−低級アルキル)アクリル酸エステル」において、「低級アルキル基」は、特にことわりがない限り、好ましくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐状アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、工業的にはメチル基が好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のポジ型レジスト組成物及びそれを用いたレジストパターン形成方法により、高感度、高解像性であり、倒れマージン、PEBマージンに優れるレジストパターンが形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】
[ポジ型レジスト組成物]
本発明のポジ型レジスト組成物は、(A)酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分、および(B)放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分を含有するポジ型レジスト組成物において、前記第1の態様の様に、ある特定の(A)成分を用いるものである。
【0016】
ここで、上記(A)成分は、酸解離性溶解抑制基を有し、(B)成分から発生した酸の作用により該酸解離性溶解抑制基蛾解離して、アルカリ可溶性が増大する樹脂成分である。
さらに詳しくは、露光により(B)成分から発生した酸が(A)成分に作用すると、(A)成分中の酸解離性溶解抑制基が解離し、これによってポジ型レジスト全体がアルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。そのため、レジストパターンの形成においてマスクパターンを介してポジ型レジストの露光を行うと、又は露光に加えてPEBを行うと、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりポジ型のレジストパターンが形成できる。
【0017】
(A)成分
(A)成分は、酸解離性溶解抑制基を含むコア部と、該コア部に結合したアーム部を有するスターポリマーである。
【0018】
なお、本発明の樹脂成分とは具体的な樹脂の構造は異なるものが記載されているが、広義のスターポリマーはL. Kilian, et. al., J. Polymer Science, Part A, 2003, 3083.において公知である。スターポリマーは、コア部と、これに結合するアーム部とからなる。
すなわち、第1の態様において、スターポリマーは、コア部と、ここから放射状にのびる複数のアーム部(ポリマー鎖)とを有するものである。
本発明において、コア部はポリマーであってもポリマーでなくてもよいが、ポリマーであることが好ましい。
ここで、「ポリマー」とは、好ましくは前記一般式(1)で表される構成単位(c2)を誘導するモノマーにおけるエチレン性二重結合の一つ以上が開裂して、ポリマーを形成しているものである。
【0019】
本形態においては、このようなスターポリマーを用いることにより、特に倒れマージン、PEBマージンが優れた効果を有する。
【0020】
そして、前記(A)成分としては、下記一般式(1)で表される酸解離性溶解抑制基を含むポリ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(c2)を有するポリマーをコア部とし、該コア部に酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を含むアーム部が結合したスターポリマーがより好ましい。すなわち、コア部を構成するポリマーはその構成単位のひとつとして構成単位(c2)を有する。あるいは、構成単位(c2)からなるコア部であってもよい。好ましくは構成単位(c2)からなるコア部である。
【0021】
ここで、モノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルの、「モノ」とは、(α−低級アルキル)アクリル酸エステル残基をひとつ有することを意味する。
ポリ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルの、「ポリ」とは、前記一般式(1)から明らかな様に、(α−低級アルキル)アクリル酸エステル残基をふたつ以上有することを意味する。
そして、(A)成分においては、モノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位、ポリ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のいずれもが、エチレン性二重結合の開裂によって、隣接する他の構成単位と結合して重合体を構成している。
【0022】
【化1】

【0023】
(式中、Rは低級アルキル基または水素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立して低級アルキル基であり、nは1〜5の整数であり、Aは2〜6価の有機基である。)
【0024】
また、前記(A)成分が、構成単位(c2)を有するポリマーをコア部とし、当該コア部に、好ましくはラクトン環を有するモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(b2)を含むアーム部が結合したスターポリマーがより好ましい。
なお、構成単位(a2)と、構成単位(b2)を両方有するときは、同一のアーム部に含まれていてもよいし、異なるアーム部にそれぞれ含まれていてもよい。好ましくは、構成単位(a2)と、構成単位(b2)を共に含むランダムポリマーが複数のアーム部として、コア部に結合したものがよい。そのような中でも構成単位(a2)単位が末端となるアームポリマーが好ましい。特に、コントラストの向上やディフェクトを低減できるので、好ましい。
【0025】
また、(A)成分は、下記3つの構成単位を含むと、高解像性で、ディフェクトの低減、塗布性向上の点からさらに好ましい。
(a2):酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位。これは、上述の様にアーム部のポリマーに含まれていることが好ましい。
(b2):ラクトン環を有するモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位。これは、上述の様にアーム部のポリマーに含まれていることが好ましい。
(c2):前記一般式(1)で表されるポリ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位。これは、上述の様にコア部を構成するポリマーに含まれていると好ましい。
【0026】
以下、順次上記各構成単位について、説明する。
構成単位(a2)
構成単位(a2)は、酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であり、アーム部のポリマーを構成すると好ましい。
酸解離性溶解抑制基は、例えば従来公知のものを利用することができ、特に限定されるものではない。
構成単位(a2)としては、例えば単環又は多環式基含有酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位、鎖状酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のいずれでもよい。
一般的には(α−低級アルキル)アクリル酸の側鎖のカルボキシル基と、鎖状又は環状の第3級アルキルエステルを形成するものが広く知られており、鎖状、単環または多環の脂環式炭化水素基、特に好ましくは多環の脂環式炭化水素基を含むものが好ましい。該炭化水素基は飽和であることが好ましい。
【0027】
前記単環の脂環式炭化水素基としては、シクロアルカン等から1個の水素原子を除いた基等を例示できる。具体的には、シクロヘキサン、シクロペンタン等から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
前記多環の脂環式炭化水素基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等から1個の水素原子を除いた基等を例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上好ましい。
【0028】
そして、本発明においては、構成単位(a2)が、異種の2種以上の単位を有することが好ましい。これらを同時に含んでいると、分散度1.5以下に制御することが容易となり、また、特に後述するスターポリマー合成の上でいっそう好ましいからである。
本発明においては、この様に構成単位(a2)に含まれる少なくとも2種の構造の異なる構成単位を、それぞれ構成単位(a2−1)、構成単位(a2−2)とする。
本発明においては、構成単位(a2−1)が単環又は多環式基含有酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であり、他方、構成単位(a2−2)が、鎖状酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であることが好ましい。
【0029】
構成単位(a2)を誘導する酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステル(モノマー)としては、例えば次のものが上げることができる。
すなわち、例えば構成単位(a2−2)を誘導するモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステル(モノマー)としては、tert-ブチル(メタ)アクリレート、tert-アミル(メタ)アクリレート、tert-ブチルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、tert-アミルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、tert-ブチルオキシカルボニルエチル(メタ)アクリレート、tert-アミルオキシカルボニルエチル(メタ)アクリレートなどのような鎖状酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルが挙げられる。これらの中ではtert-ブチル(メタα−低級アルキル)アクリレートが特に好ましい。
【0030】
また、構成単位(a2−1)を誘導するモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステル(モノマー)としては、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル(メタ)アクリレートや次の[化2]、[化3]及び[化4]などのような単環又は多環式基含有酸解離性溶解抑制基を含む(α−低級アルキル)アクリル酸エステル(モノマー)が挙げられる。
【0031】
【化2】

【0032】
【化3】

【0033】
【化4】

【0034】
これらの(a2−1)の中では、次の(I)、(II)及び(III)で表される単位が好ましい。
【0035】
【化5】

(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基であり、Rは低級アルキル基である)
【0036】
【化6】

(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立して低級アルキル基である)
【0037】
【化7】

(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基であり、Rは第3級アルキル基である)
【0038】
式中、Rにおいて、低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐状アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基が好ましい。
【0039】
前記Rとしては、炭素数1〜5の低級の直鎖又は分岐状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。その中でも、メチル基、エチル基であることが工業的に入手が容易であることから好ましい。
【0040】
前記R及びRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1〜5の直鎖または分岐の低級アルキル基であると好ましい。中でも、R、Rが共にメチル基である場合が工業的に好ましく、具体的には、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位を挙げることができる。
【0041】
前記Rは、tert−ブチル基やtert−アミル基のような第3級アルキル基であり、tert−ブチル基である場合が工業的に好ましい。
また、基−COORは、式中に示したテトラシクロドデカニル基の3または4の位置に結合していてよいが、結合位置は特定できない。また、(α−低級アルキル)アクリレート構成単位のカルボキシル基残基も同様に式中に示した8または9の位置に結合していてよいが、結合位置は特定できない。
【0042】
構成単位(a2)は、(A)成分の全構成単位の合計に対して、20〜70モル%、好ましくは30〜60モル%であることが望ましい。下限値以上とすることによって良好な微細パターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
【0043】
また、構成単位(a2−1)の好ましい単位としては、上記一般式(I)で表される単位であり、構成単位(a2−2)の好ましい単位は脂肪族第三級アルキル(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
【0044】
また、前記一般式(II)で表される構成単位を用いると、特に窒素含有層を有する基板用として好適である。
窒素含有層を有する基板を使用すると、窒素含有層と接触したレジストパターンにおいて、特に裾引き現象が生じやすく、これにより解像性等のリソグラフィ特性が劣化しやすい。しかしながら、前記一般式(II)で表される構成単位を用いることにより、本発明の効果(感度、解像性、倒れマージン、PEBマージンの向上)を向上させつつ、裾引き現象等の窒素含有層を用いた基板特有の現象を低減できるからである。
窒素含有層とは、通常、使用目的に応じて基板の上に絶縁層、金属層等として設けられるものであって、窒素を含むものである。絶縁層としては、窒化ケイ素(SiN)、四窒化三ケイ素(Si)、酸窒化ケイ素(SiON)等が挙げられる。金属層としては窒化チタン(TiN)等が挙げられる。
窒素含有層は、例えばシリコン基板等の基板の上に蒸着等によって形成されたものである。
この様な窒素含有層を有する基板は例えば「含窒素基板」等と呼ばれている。
【0045】
また、前記一般式(II)で表される構成単位を用いると、LWRの低減効果が良好である。特に窒素含有層を有する基板上でパターンを形成しても、LWRの低減効果が良好である。
「LWR」とは、ラインパターンの線幅が不均一になるラインワイズラフネス(Line Width Roughness)のことである。
【0046】
そして、この際の前記(A)成分の前記構成単位(a2)における前記構成単位(a2−1)と前記構成単位(a2−2)の割合は、前者が50〜99.9モル%、好ましくは70〜90モル%、後者が0.1〜50モル%、好ましくは10〜30モル%であると、倒れマージン、PEBマージンが向上するため好ましい。また、スターポリマーのレジスト溶媒に対する溶解性が向上するため、好ましい。
【0047】
構成単位(b2)
構成単位(b2)は、ラクトン環を有するモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であり、アーム部のポリマーを構成することが好ましい。構成単位(b2)としては、(α−低級アルキル)アクリル酸エステルのエステル側鎖部にラクトン環からなる単環式基またはラクトン環を有する多環の脂環式基が結合した構成単位が挙げられる。
なお、このときラクトン環とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環を示し、これをひとつの目の環として数える。したがって、ここではラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
そして、構成単位(b2)としては、具体的には例えば、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた単環式基や、ラクトン環含有ポリシクロアルカンから水素原子を1つを除いた多環式基等が挙げられる。
このような構成単位(b2)を誘導するモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステル(モノマー)としては、次の[化8]、[化9]、[化10]及び[化11]などで表されるものなどが挙げられる。
【0048】
【化8】

【0049】
【化9】

【0050】
【化10】

【0051】
【化11】

【0052】
これらの中でも、例えば以下の構造式(IV)又は(V)で表される構成単位が好ましい。
【0053】
【化12】

(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基、好ましくはメチル基である。)
【0054】
【化13】

(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基、好ましくはメチル基である。)
【0055】
構成単位(b2)は、(A)成分の全構成単位の合計に対して、20〜60モル%、好ましくは20〜50モル%含まれていると好ましい。下限値以上とすることにより微細なパターンのパターン倒れ等のリソグラフィ特性の向上が得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
【0056】
構成単位(c2)
構成単位(c2)は、下記一般式(1)で表されるポリ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であり、コア部のポリマーを構成することが好ましい。R11、R12が結合する炭素原子が第三級アルキル基となるため、酸解離性基として作用する。
【0057】
【化14】

(式中、Rは低級アルキル基または水素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立して低級アルキル基であり、nは1〜5の整数であり、Aは2〜6価の有機基である。)
【0058】
Rは、水素原子または低級アルキル基を表す。R11及びR12は、それぞれ独立に、低級アルキル基である。Aは2〜6価の有機基を表す。
すなわち、Aが2価である場合は、nが1であり、Aには、2つの(α−低級アルキル)アクリレート残基が結合している構造をとる。Aが3価である場合は、nは2であり、Aには3つの(α−低級アルキル)アクリルレート残基が結合している構造をとる。この様にAの価数が大きくなる程、Aに結合する基の数が多くなり、より密な放射状の構造をとる。
【0059】
R、R11、R12において、それぞれ低級アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などの低級アルキル基が挙げられ、好ましいものとしては、メチル基である。
【0060】
また、Aにおいて、前記有機基としては、アルキレン基、アリーレン基などの飽和又は不飽和の芳香族又は脂肪族炭化水素基(これらはエーテル基、ポリエーテル基、エステル基のような、酸素原子を含んでもよい)、窒素などの異原子を有してもよい飽和又は不飽和の芳香族又は脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
具体的には、例えば下記式に示す構造を例示することができる。
尚、(A)成分が、2以上の式(1)で表される部分構造を有する場合、これらは相互に同一であっても、また、相異なっていてもよい。
【0061】
【化15】

【0062】
【化16】

【0063】
【化17】

【0064】
Aにおいて、これらの有機基の中では、炭素数2〜5のアルキレン基、フェニレン基、炭素数3〜6のポリエーテル基が好ましい。
【0065】
構成単位(c2)を誘導する化合物(モノマー)としては、Aが2価又は3価のものが好ましく、特に、以下に示す化合物を好ましいものとして具体的に例示することができる。
【0066】
【化18】

【0067】
構成単位(c2)は、(A)成分の全構成単位の合計に対して、1〜30モル%、好ましくは5〜20モル%含まれていると好ましい。下限値以上とすることにより微細なパターンのパターン倒れ、PEBマージン等のリソグラフィ特性の向上が得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
【0068】
その他の構成単位について
(A)成分は、前記構成単位(a2)、(b2)及び(c2)以外の構成単位を含んでいてもよいが、好適にはこれらの構成単位の合計が全構成単位中70モル%以上、好ましくは80モル%以上、最も好ましくは100モル%である。
【0069】
構成単位(a2)、(b2)及び(c2)以外の他の構成単位(d2)としては、次のような(メタ)アクリル酸エステルから誘導される単位が挙げられる。
すなわち、構成単位(d2)を誘導するモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルアクリレート、5−エトキシペンチルアクリレート、1−メトキシエチルアクリレート、1−エトキシエチルアクリレート、1−メトキシプロピルアクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルアクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、4−メトキシブチルメタクリレート、5−メトキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルメタクリレート、1−メトキシエチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、1−メトキシプロピルメタクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルメタクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、
【0070】
クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸アミル、クロトン酸シクロヘキシル、クロトン酸エチルヘキシル、クロトン酸オクチル、クロトン酸−t−オクチル、クロルエチルクロトネート、2−エトキシエチルクロトネート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルクロトネート、5−エトキシペンチルクロトネート、1−メトキシエチルクロトネート、1−エトキシエチルクロトネート、1−メトキシプロピルクロトネート、1−メチル−1−メトキシエチルクロトネート、1−(イソプロポキシ)エチルクロトネート、ベンジルクロトネート、メトキシベンジルクロトネート、フルフリルクロトネート、テトラヒドロフルフリルクロトネート等のクロトン酸エステル類、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジアミル、イタコン酸ジシクロヘキシル、イタコン酸ビス(エチルヘキシル)、イタコン酸ジオクチル、イタコン酸−ジ−t−オクチル、ビス(クロルエチル)イタコネート、ビス(2−エトキシエチル)イタコネート、ビス(2,2−ジメチル−3−エトキシプロピル)イタコネート、ビス(5−エトキシペンチル)イタコネート、ビス(1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−エトキシエチル)イタコネート、ビス(1−メトキシプロピル)イタコネート、ビス(1−メチル−1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−(イソプロポキシ)エチル)イタコネート、ジベンジルイタコネート、ビス(メトキシベンジル)イタコネート、ジフルフリルイタコネート、ジテトラヒドロフルフリルイタコネート等のイタコン酸エステル類等を挙げることができる。
【0071】
(A)成分の好ましい態様としては、構成単位(c2)からポリマーを合成し、これをコア部として、該コア部に、構成単位(a2)と、必要に応じて用いられる構成単位(b2)又は(d2)から選択される少なくとも一つの単位を有するポリマーをアーム部として、コア部に結合させたスターポリマーである。前述したようにアーム部のポリマーは、構成単位(a2)、(b2)又は(d2)が、異なるアーム部や同一のアーム部にそれぞれ含まれていてもよい。好ましくは、各構成単位を含むランダムポリマーが複数のアーム部として、コア部に結合したものがよい。そのような中でも構成単位(a2)単位が末端となるアームポリマーが好ましい。特に、コントラストの向上やディフェクトを低減できるので、好ましい。
【0072】
本発明に係るスターポリマーの複数のアーム部を構成する全構成単位中、各繰り返し単位の比率は、反応に用いる単量体の比率で任意に選択することができ、例えば、構成単位(b2)の含有量は、アーム部全繰り返し単位中20〜60モル%であり、好ましくは20〜50モル%、更に好ましくは40〜50モル%であり、構成単位(a2)の含有量は、アーム部全繰り返し単位中、通常20〜70モル%であり、好ましくは30〜60モル%、更に好ましくは30〜65モル%である。
構成単位(c2)の含有量は、通常全単量体繰り返し単位中1〜30モル%、好ましくは5〜20モル%である。
【0073】
(A)成分であるスターポリマーの質量平均分子量Mwは、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレン標準で、10,000〜50,000、より好ましくは15,000〜40,000、更に好ましくは20,000〜38,000である。分散度、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、1.01〜3.00の範囲が好ましく、1.01〜2.00、さらには1.01〜1.50の範囲が好ましい。
アーム部の数平均分子量Mnは、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレン標準で、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは1,500〜500,000、更に好ましくは2,000〜200,000、特に好ましくは2,500〜100,000の範囲であり、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、1.01〜3.00の範囲が好ましく、1.01〜2.00、さらには1.01〜1.50の範囲が好ましい。
【0074】
本発明に用いるスターポリマーの製造方法としては、リビングアニオン重合法が好ましく、具体的には、
(1)アニオン重合開始剤の存在下、構成単位(a2)、及び構成単位(b2)に相当する(α−低級アルキル)アクリレート等をアニオン重合してアームポリマーを合成し、次に、構成単位(c2)を含むポリアクリレートを反応させる方法、
(2)アニオン重合開始剤の存在下、構成単位(c2)を含むポリアクリレートを反応させて、多官能性コア部を形成した後、構成単位(a2)及び構成単位(b2)に相当する(α−低級アルキル)アクリレート等をアニオン重合させる方法、
(3)アニオン重合開始剤の存在下、構成単位(a2)、及び構成単位(b2)に相当する(α−低級アルキル)アクリレート等をアニオン重合しアームポリマーを合成し、次に、多官能性カップリング剤を反応させ、さらに、構成単位(c2)を誘導するモノマーを含むアニオン重合可能なモノマーを反応させる方法等を例示することができる。
上記(1)、(3)の方法が、反応の制御が容易であり、構造を制御したスターポリマーを製造する上で好ましい。
【0075】
上記アニオン重合法に用いられるアニオン重合開始剤としては、アルカリ金属又は有機アルカリ金属を例示することができ、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等を例示することができ、有機アルカリ金属としては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等を例示することができ、具体的には、エチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、α-メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1-ジフェニルヘキシルリチウム、1,1-ジフェニル-3-メチルペンチルリチウム等を挙げることができる。
【0076】
上記(1)又は(3)の方法におけるアームポリマーを合成する重合反応としては、モノマー(混合)溶液中にアニオン重合開始剤を滴下する方法や、アニオン重合開始剤を含む溶液にモノマー(混合)液を滴下する方法のいずれの方法でも行うことができるが、分子量及び分子量分布を制御することができることから、アニオン重合開始剤を含む溶液にモノマー(混合)液を滴下する方法が好ましい。このアームポリマーの合成反応は、通常、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中において、−100〜50℃、好ましくは−100〜40℃の範囲の温度下で行われる。
【0077】
上記アームポリマーの合成反応に用いられる有機溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類の他、アニソール、ヘキサメチルホスホルアミド等のアニオン重合において通常使用される有機溶媒を挙げることができ、これらは一種単独溶媒又は二種以上の混合溶媒として使用することができる。これらのうち、極性及び溶解性の観点から、テトラヒドロフランとトルエン、テトラヒドロフランとヘキサン、テトラヒドロフランとメチルシクロヘキサンの混合溶媒を好ましく例示することができる。
【0078】
アームポリマーの重合形態としては、各成分がコポリマー鎖全体に統計的に分布しているランダム共重合体、部分ブロック共重合体、完全ブロック共重合体を挙げることができ、これらは、用いるアクリレート類の添加方法を選択することによりそれぞれ合成することができる。
【0079】
このようにして得られたアームポリマーを分岐ポリマー鎖としてスターポリマーを生成せしめる反応は、アームポリマー合成反応終了後、反応液中ヘさらに前述のポリアクリレートを添加することにより行うことができる。この反応は通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、有機溶媒中において−100℃〜50℃、好ましくは−70℃〜40℃の温度で重合反応を行うことにより構造が制御され、且つ分子量分布の狭い重合体を得ることができる。また、かかるスターポリマーの生成反応は、アームポリマーを形成させるのに用いた溶媒中で連続して行うこともできる他、溶媒を添加して組成を変更して、又は溶媒を別の溶媒に置換して行うこともできる。かかる溶媒としては、アームポリマーの合成反応に用いられる溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
【0080】
本発明のスターポリマーの製造方法において、ポリアクリレート(P)と、アニオン重合開始剤を重合開始剤とするアニオン重合法により構成単位(a2)、及び構成単位(b2)に相当する(α−低級アルキル)アクリレート等重合させたポリマー鎖の活性末端(D)のモル比[(P)/(D)]を0.1〜10とするのが好ましい。アームポリマー鎖とポリアクリレートとの反応は、活性末端を有するアームポリマー鎖にポリアクリレートを添加する方法、ポリアクリレートに活性末端を有するアームポリマー鎖を添加する方法のいずれの方法も採用することができる。
【0081】
スターポリマーのアーム数は、ポリアクリレートの添加量と反応温度、反応時間により決定されるが、通常はリビングポリマー末端とポリアクリレート等のビニル基との反応性差や立体障害等の影響を受けてアーム数の異なる複数の星型ブロックコポリマーが同時に生成する。
また、生成するスターポリマーの質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.00〜1.50の範囲にあることが好ましく、数平均分子量は、2,500〜100,000であるのが好ましい。
【0082】
予め調整されたアームポリマー鎖とポリアクリレート等を反応させることにより形成される活性末端を有する中心核(多官能性コア)に対して、アニオン重合可能なモノマーを反応させ新たなアームポリマー鎖を形成させる(3)の方法では、異なる種類のアームポリマー鎖有するスターポリマーを製造することができる。中心核に存在する活性末端に対して、直接重合可能なモノマーを反応させることもできるが、ジフェニルエチレン、スチルベン等の化合物を反応させた後、また、塩化リチウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の鉱酸塩を添加した後、モノマーを反応させた方が、アクリル酸誘導体のように反応性の高いモノマーを反応させる場合、ゆっくりと重合反応を進行させることができ、生成するスターポリマーの全体の構造を制御する上で有利となる場合がある。また、上記反応は、活性末端を有する中心核を形成させるのに用いた溶媒中で連続して行うこともできる他、溶媒を添加して組成を変更して、又は溶媒を別の溶媒に置換して行うこともできる。かかる溶媒としては、アームポリマーの合成に用いた溶媒と同様の溶媒を例示することができる。また、上記(3)の方法における中心核に存在する活性末端に対して新たに導入されたアームポリマー鎖、又は上記(2)の方法におけるアームポリマー鎖として、2種のモノマーを混合して反応させることにより、ランダム共重合したポリマー鎖とすることも、また、2種のモノマーを順次添加することでブロックポリマー鎖とすることも可能である。また、反応終了後、二酸化炭素、エポキシ等を添加することにより、末端に官能基を導入することも可能である。
【0083】
(B)放射線の照射(露光)により酸を発生する化合物
本発明において、(B)成分は、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知のいわゆる酸発生剤から特に限定せずに用いることができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類、ジアゾメタンニトロベンジルスルホネート類などのジアゾメタン系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
【0084】
オニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロンメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。
【0085】
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。これらの中で、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリルが好ましい。
【0086】
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、以下に示す構造をもつ1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(化合物A、分解点135℃)、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン(化合物B、分解点147℃)、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(化合物C、融点132℃、分解点145℃)、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(化合物D、分解点147℃)、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン(化合物E、分解点149℃)、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(化合物F、分解点153℃)、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(化合物G、融点109℃、分解点122℃)、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(化合物H、分解点116℃)などを挙げることができる。
【0087】
【化19】

【0088】
(B)成分としては、1種の酸発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。下限値以上とすることによりパターン形成が十分に行われ、上限値以下とすることにより均一な溶液が得られ、良好な保存安定性が得られる。
【0089】
(D)含窒素有機化合物
本発明のポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、アミン、特に第2級低級脂肪族アミンや第3級低級脂肪族アミンが好ましい。
ここで、低級脂肪族アミンとは炭素数5以下のアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言い、この第2級や第3級アミンの例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられるが、特にトリエタノールアミンのような第3級アルカノールアミンが好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
【0090】
(E)成分
また、前記(D)成分との配合による感度劣化を防ぎ、またレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(E)(以下、(E)成分という)を含有させることができる。なお、(D)成分と(E)成分は併用することもできるし、いずれか1種を用いることもできる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
【0091】
有機溶剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤に溶解させて製造することができる。
有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、またはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましいが、その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜8:2、より好ましくは2:8〜5:5の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比が好ましくは9:1〜5:5、より好ましくは8:2〜6:4であると好ましい。
また、有機溶剤として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
有機溶剤の使用量は特に限定しないが、基板等の支持体に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内とされる。
【0092】
その他の任意成分
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
【0093】
[レジストパターン形成方法]
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような支持体上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベークを40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光(放射線を照射)した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、支持体(基板)とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
【0094】
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたものなどを例示することができる。
基板としては、例えばシリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウムなどの金属製の基板や、ガラス基板などが挙げられる。
配線パターンの材料としては、例えば銅、ハンダ、クロム、アルミニウム、ニッケル、金などが使用可能である。
【0095】
露光(放射線の照射)に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。特に、本発明にかかるレジスト組成物は、ArFエキシマレーザーに対して有効である。
【0096】
すなわち、本発明のポジ型レジスト組成物及びレジストパターン形成方法は、半導体素子、液晶表示素子などの電子素子の製造用に適している。そして、特に200nm以下の波長、中でもArFエキシマレーザーを用いるプロセス用として好適である。本発明においては、好ましくはアニオン重合法により得られる分子量分布が狭い樹脂、即ちスターポリマーを用いる。
【0097】
本発明においては、高感度、高解像性であり、倒れマージン、PEBマージンに優れるレジストパターンが形成できる。
また、他の効果として、ディフェクト、特にブリッジモードのディフェクトの少ないレジストパターンが形成できる。
また、構成単位(c2)がコア部を構成することにより、密な凝集したスターポリマー共重合体が得られ、これによりレジスト溶剤に対する溶解性が高まり、低粘度となりレジスト塗布性にも優れる。また、該コア部が酸解離性であることから、露光部と未露光部のコントラストが向上する。
また、本組成物におけるポリマーは、分子量分布が狭く、高収率で得られることから、安価なレジスト組成物が提供可能である。
また、該ポリマーにおいて、各モノマー単位の配置を制御可能であり、レジスト特性の向上が達成できる。
【実施例】
【0098】
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は、実施例に限定されるものではない。
【0099】
(合成例1)
窒素雰囲気下において、塩化リチウム13ミリモルを含むテトラヒドロフラン(THF)331gを−40℃に保持し、撹拌下、sec−ブチルリチウム(SBL)26ミリモルを加えて、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート(2MAdMA)97ミリモルと(±)−オクタヒドロ−3−オキソ−4,7−メタノイソベンゾフラン−5−イルメタクリレートとその位置異性体である(±)−オクタヒドロ−1−オキソ−4,7−メタノイソベンゾフラン−5−イルメタクリレートの混合物(TLMA)78ミリモルとtert−ブチルメタクリレート(tBMA)19ミリモルを含むTHF(テトラヒドロフラン)溶液88gを滴下し、30分反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、ガスクロマトグラフィー(以下GCと略す。)にて、単量体が完全に消費したことを確認した。
【0100】
次に、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール ジメタクリレート(MDMA)22ミリモルを含むTHF溶液12gを滴下し、更に30分反応を継続して、反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにてMDMA単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むTHF溶液により反応を停止させた。反応停止液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られたポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状スターポリマーを得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、スターポリマー部分でMw=29400、Mw/Mn=1.23、面積=67%、アームポリマー部分でMw=4800、Mw/Mn=1.19、面積=33%であり、13C−NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:TLMA:tBMA:MDMA=46:31:11:12(モル比)であった。
【0101】
(合成例2)
窒素雰囲気下において、塩化リチウム15ミリモルを含むTHF233gを−40℃に保持し、撹拌下、SBL31ミリモルを加えて、2MAdMA88ミリモルとメタクリル酸−5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル(NLMA)88ミリモルとtBMA19ミリモルを含むTHF溶液171gを滴下し、30分反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにて単量体が完全に消費したことを確認した。
【0102】
次に、MDMA22ミリモルを含むTHF溶液12gを滴下し、更に30分反応を継続して、反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにてMDMA単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むTHF溶液により反応を停止させた。反応停止液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られたポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状スターポリマーを得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、スターポリマー部分でMw=32700、Mw/Mn=1.23、面積=52%、アームポリマー部分でMw=5400、Mw/Mn=1.20、面積=48%であり、13C−NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:NLMA:tBMA:MDMA=43:37:9:11(モル比)であった。このポリマーをスターポリマー1という
【0103】
(合成例3)
窒素雰囲気下において、塩化リチウム7ミリモルを含むTHF341gを−40℃に保持し、撹拌下、SBL14ミリモルを加えて、2MAdMA22ミリモルを含むTHF溶液10gを滴下し30分反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにて2MAdMA単量体が完全に消費したことを確認した。次に2MAdMA66ミリモルとTLMA88ミリモルとtBMA19ミリモルを含むTHF溶液78gを滴下し、30分反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにて単量体が完全に消費したことを確認した。
【0104】
次に、MDMA 22ミリモルを含むTHF溶液12gを滴下し、更に30分反応を継続して、反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにてMDMA単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むTHF溶液により反応を停止させた。反応停止液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られたポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して最外殻に2MAdMAユニットを配置した白色粉末状スターポリマーを得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、スターポリマー部分でMw=21400、Mw/Mn=1.23、面積=62%、アームポリマー部分でMw=3800、Mw/Mn=1.13、面積=38%であり、13C−NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:TLMA:tBMA:MDMA=43:37:10:11(モル比)であった。このポリマーをスターポリマー2という
【0105】
(合成例4)
窒素雰囲気下において、塩化リチウム5ミリモルを含むTHF343gを−40℃に保持し、撹拌下、SBL11ミリモルを加えて、2MAdMA22ミリモルを含むTHF溶液10gを滴下し30分反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにて2MAdMA単量体が完全に消費したことを確認した。次に2MAdMA79ミリモルとTLMA74ミリモルとtBMA19ミリモルを含むTHF溶液78gを滴下し、30分反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにて単量体が完全に消費したことを確認した。
【0106】
次に、MDMA 22ミリモルを含むTHF溶液12gを滴下し、更に30分反応を継続して、反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにてMDMA単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むTHF溶液により反応を停止させた。反応停止液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られたポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して最外殻に2MAdMAユニットを配置した白色粉末状スターポリマーを得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、スターポリマー部分でMw=25400、Mw/Mn=1.23、面積=62%、アームポリマー部分でMw=4400、Mw/Mn=1.15、面積=38%であり、13C−NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:TLMA:tBMA:MDMA=48:32:10:11(モル比)であった。
【0107】
(合成例5)
窒素雰囲気下において、塩化リチウム7ミリモルを含むTHF256gを−40℃に保持し、撹拌下、SBL14ミリモルを加えて、2MAdMA22ミリモルを含むTHF溶液10gを滴下し30分反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにて2MAdMA単量体が完全に消費したことを確認した。次に2MAdMA66ミリモルとNLMA88ミリモルとtBMA19ミリモルを含むTHF溶液151gを滴下し、30分反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにて単量体が完全に消費したことを確認した。
【0108】
次に、MDMA 22ミリモルを含むTHF溶液12gを滴下し、更に30分反応を継続して、反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにてMDMA単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むTHF溶液により反応を停止させた。反応停止液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られたポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して最外殻に2MAdMAユニットを配置した白色粉末状スターポリマーを得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、Mw=29900、Mw/Mn=1.26であり、13C−NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:NLMA:tBMA:MDMA=40:42:8:10(モル比)であった。
【0109】
(合成例6)
窒素雰囲気下において、塩化リチウム7ミリモルを含むTHF315gを−40℃に保持し、撹拌下、SBL14ミリモルを加えて、1−エチル−1−シクロヘキシルメタクリレート(ECHMA)22ミリモルを含むTHF溶液9gを滴下し30分反応を継続した。反応系から反応液を少量取り出し、GCにてECHMA単量体が完全に消費したことを確認した。次にECHMA66ミリモルとTLMA88ミリモルとtBMA19ミリモルを含むTHF72gを滴下し、30分反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにて単量体が完全に消費したことを確認した。
【0110】
次に、MDMA22ミリモルを含むTHF溶液12gを滴下し、更に30分反応を継続して、反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにてMDMA単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むTHF溶液により反応を停止させた。反応停止液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られたポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して最外殻にECHMAユニットを配置した白色粉末状スターポリマーを得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、スターポリマー部分でMw=24100、Mw/Mn=1.22、面積=64%、アーム部分でMw=3600、Mw/Mn=1.19、面積=36%であり、13C‐NMR測定からこのポリマー組成比は、ECHMA:TLMA:tBMA:MDMA=42:37:10:11(モル比)であった。このポリマーをスターポリマー3という。
【0111】
(実施例1)
下記組成からなるポジ型レジスト組成物を製造した。
上記合成例3で得たスターポリマー2である(A)成分:[化20]で表される構成単位(p:q:r:s=43モル%:37モル%:11モル%:10モル%)からなる共重合体であって、r単位をコア部とし、p、q、及びs単位をアーム部とするスターポリマーであり、またp単位がアーム部の末端にある。
100質量部
(B)成分:トリ(tert−ブチルフェニル)スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート (A)成分100質量部に対して0.8質量部;及び
ジフェニルモノメチルフェニル)スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート (A)成分100質量部に対して2.0質量部
(D)成分:トリエタノールアミン (A)成分100質量部に対して0.25質量部
有機溶剤:PGMEA/EL(質量比6/4) 混合溶媒1200質量部
【0112】
【化20】

【0113】
(実施例2)
下記組成からなるポジ型レジスト組成物を製造した。
実施例1において、(A)成分のみ次のように変更した。上記合成例2で得たスターポリマー1である(A)成分:[化21]で表される構成単位(p:q:r:s=43モル%:37モル%:11モル%:9モル%)からなる共重合体であって、r単位をコア部とし、p、q、及びs単位をアーム部とするスターポリマーであり、またp単位はアーム部の末端にはない。
100質量部
【0114】
【化21】

【0115】
(実施例3)
下記組成からなるポジ型レジスト組成物を製造した。
すなわち、実施例1において、(A)成分のみ次のように変更した。上記合成例6で得たスターポリマー3である(A)成分:[化22]で表される構成単位(p:q:r:s=42モル%:37モル%:11モル%:10モル%)からなる共重合体であって、r単位をコア部とし、p、q、及びs単位をアーム部とするスターポリマーであり、またp単位がアーム部の末端にある。
100質量部
【0116】
【化22】

【0117】
(比較例1)
(A)成分を下記樹脂成分に変更した以外は実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を製造した。
樹脂成分
[化23]で表される構成単位からなる従来のラジカル重合で得られた共重合体(質量平均分子量10000)
p:q:r=40モル%:40モル%:20モル%
【0118】
【化23】

【0119】
(試験方法)
(1) リソグラフィー条件
(感度、限界解像性、塗布性)
有機系反射防止膜組成物「ARC−29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。
そして、ポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いて反射防止膜上に塗布し、ホットプレート上で120℃、90秒間プレベーク(PAB)し、乾燥することにより、膜厚250nmのレジスト層を形成した。
ついで、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(バイナリー)を介して選択的に照射した。
そして、120℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で30秒間パドル現像し、その後30秒間水洗して乾燥してレジストパターンを形成した。但し、比較例1においては、PABとPEBをそれぞれ130℃、90秒に変えた。
【0120】
その結果、実施例1では、限界解像性120nmのラインアンドスペースが得られ、その際の感度は25mJ/cm2、レジスト塗布性は良好であった。
実施例2では、限界解像性120nmのラインアンドスペースが得られ、その際の感度は31mJ/cm2、レジスト塗布性は良好であった。
実施例3では、限界解像性120nmのラインアンドスペースが得られ、その際の感度は21mJ/cm2、レジスト塗布性は良好であった。
比較例1では、限界解像性120nmのラインアンドスペースが得られ、その際の感度は27mJ/cm2、レジスト塗布性は良好であった。
【0121】
(2)倒れマージン
上記(1)のリソグラフィー条件にて、得られたレジストパターンについて、倒れマージンとして、ピッチ(レジストパターンサイズ120nmとスペースパターンサイズ120nmの合計)240nmにおいて、露光量を増大させ、微細なレジストパターンが得られる限界のレジストパターンサイズサイズを求めた。
その結果、実施例1では64nm、実施例2では、60nm、実施例3では、70nm、比較例1では72nmであった。
【0122】
(3)(PEBマージン)
上記(1)のリソグラフィー条件にて、得られたレジストパターンについて、PEBマージンとして、PEB温度を115℃、120℃及び125℃と変え、各温度で形成されるレジストパターンサイズで求め、単位温度当りのレジストパターンサイズの変化量を求めた。
その結果、実施例1では2.8nm/℃、実施例2では、2.4nm/℃、実施例3では、2.6nm/、比較例1では7.4nm/℃であった。
(4)(ディフェクト)
上記(1)のリソグラフィー条件にて、得られたレジストパターンについて、ディフェクトを、KLAテンコール社製の表面欠陥観察装置 KLA2351(製品名)を用いて測定し、ウェーハ内の欠陥数を評価した。
その結果、実施例1では20個/8インチウエーハ、実施例2では、22個/8インチウエーハ、実施例3では、25個/8インチウエーハ、比較例1では227個/8インチウエーハであった。
【0123】
実施例1〜3の結果より、本発明は、高感度、高解像性であり、倒れマージン、PEBマージンに優れるレジストパターンが形成できている。また、ディフェクトの少ないレジストパターンが形成でき、レジスト塗布性に優れることが確認できた。
【0124】
(合成例7)
以下の様にして、下記化学式で示すスターポリマー4を合成した。
窒素雰囲気下において、塩化リチウム7ミリモルを含むTHF315gを−40℃に保持し、撹拌下、SBL15ミリモルを加えて、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン(IAMA)32ミリモルを含むTHF溶液9gを滴下し30分反応を継続した。反応系から反応液を少量取り出し、GCにてIAMA単量体が完全に消費したことを確認した。次にIAMA53ミリモルとTLMA85ミリモルとtBMA19ミリモルを含むTHF74gを滴下し、30分反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにて単量体が完全に消費したことを確認した。
次に、MDMA24ミリモルを含むTHF溶液13gを滴下し、更に30分反応を継続して、反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにてMDMA単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むTHF溶液により反応を停止させた。反応停止液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られたポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して最外殻にIAMAユニットを配置した白色粉末状スターポリマーを得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、スターポリマー部分でMw=30000、Mw/Mn=1.27、面積=52%、アーム部分でMw=3400、Mw/Mn=1.21、面積=48%であり、13C―NMR測定からこのポリマー組成比は、IAMA:TLMA:tBMA:MDMA=40:40:9:11(モル比)であった。
【0125】
(実施例4)
(A)成分を下記成分に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物を製造した。
上記合成例7で得たスターポリマー4である(A)成分:[化24]で表される構成単位(b:c:d:e=40:40:9:11(モル%))からなる共重合体であって、d単位をコア部とし、b、c、及びe単位をアーム部とするスターポリマーであり、またb単位がアーム部の末端にある。 100質量部
【0126】
【化24】

【0127】
(比較例2)
(A)成分を下記樹脂成分に変更した以外は実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を製造した。
樹脂成分
[化25]で表される構成単位からなる従来のラジカル重合で得られた共重合体(質量平均分子量10000、分散度1.9)、f:g:h=40モル%:40モル%:20モル%
【0128】
【化25】

【0129】
実施例4,比較例2のポジ型レジスト組成物について、以下の様にして評価した。
【0130】
(2−1)リソグラフィー条件
(感度、限界解像性)
ポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いて8インチのSiON基板上に塗布し、ホットプレート上で115℃、90秒間プレベーク(PAB)し、乾燥することにより、膜厚250nmのレジスト層を形成した。
ついで、ArF露光装置NSR−S−306(ニコン社製;NA(開口数)=0.78,2/3輪帯)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーンマスク)を介して選択的に照射した。
そして、105℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で30秒間パドル現像し、その後30秒間水洗して乾燥してレジストパターンを形成した。
【0131】
そして、このとき、100nmのライン&スペースパターンを忠実に再現できる露光量を感度(mJ/cm)として測定した。
また、この感度を用いて、パターンサイズを小さくしていったときの限界のパターンサイズを、限界解像性とした。
結果を表1に示した。
【0132】

(2−2)PEBマージン
上記(2−1)のリソグラフィー条件にて、得られたレジストパターンについて、PEBマージンとして、PEB温度を115℃、120℃及び125℃と変え、各温度で形成されるレジストパターンサイズで求め、単位温度当りのレジストパターンサイズの変化量を求めた。
結果を表1に示した。
【0133】
(2−3)倒れマージン
上記(2−1)のリソグラフィー条件にて、得られたレジストパターンについて、倒れマージンとして、ピッチ(レジストパターンサイズ100nmとスペースパターンサイズ100nmの合計)200nmにおいて、露光量を増大させ、微細なレジストパターンが得られる限界のレジストパターンサイズサイズを求めた。
結果を表1に示した。
【0134】
(2−4)LWR
上記(2−1)で形成した100nmのライン&スペースパターンのライン幅を、側長SEM(日立製作所社製、商品名:S−9220)により、ライン方向に5箇所測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を、LWRを示す尺度として算出した。この3sの値が小さいほど線幅のラフネスが小さく、より均一幅のレジストパターンが得られたことを意味する。
結果を表1に示した。
【0135】
【表1】

【0136】
表1に示した結果より、本発明に係る実施例4においては、SiON基板上においても感度、解像性が良好であり、倒れマージン,PEBマージン、LWRにも優れていた。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分、および(B)放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分を含有するポジ型レジスト組成物であって、
前記(A)成分が、酸解離性溶解抑制基を含むコア部と、該コア部に結合したアーム部を有するスターポリマーであることを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【請求項2】
前記(A)成分が、下記一般式(1)で表される酸解離性溶解抑制基を含むポリ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(c2)を有するポリマーをコア部とし、該コア部に、酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有するアーム部が結合したスターポリマーである請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
【化1】

(式中、Rは低級アルキル基または水素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立して低級アルキル基であり、nは1〜5の整数であり、Aは2〜6価の有機基である。)
【請求項3】
前記(A)成分が、前記コア部に、ラクトン環を有するモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(b2)を有するアーム部が結合したスターポリマーである請求項2記載のポジ型レジスト組成物。
【請求項4】
前記(A)成分における構成単位(a2)が、異種の2つの構成単位(a2−1)と構成単位(a2−2)を有することを特徴とする請求項2または3に記載のポジ型レジスト組成物。
【請求項5】
前記構成単位(a2−1)が単環又は多環式基含有酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位である請求項4に記載のポジ型レジスト組成物。
【請求項6】
前記構成単位(a2−1)が下記一般式(II)で表される構成単位を含む請求項5に記載のポジ型レジスト組成物。
【化2】

(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立して低級アルキル基である)
【請求項7】
前記構成単位(a2−2)が鎖状酸解離性溶解抑制基を含むモノ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位である請求項4〜6のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
【請求項8】
前記(A)成分は、前記構成単位(a2)20〜70モル%、前記構成単位(b2)20〜60モル%、及び前記構成単位(c2)1〜30モル%を含んでいることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【請求項9】
前記構成単位(a2)は、前記構成単位(a2−1)50〜99.9モル%、前記構成単位(a2−2)0.1〜50モル%を含んでいることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか記載のポジ型レジスト組成物。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物を支持体上に塗布し、プレべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。


【公開番号】特開2006−18230(P2006−18230A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−133206(P2005−133206)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000220239)東京応化工業株式会社 (1,407)
【Fターム(参考)】