説明

ポリウレタン塗料組成物

【課題】 ポリウレタン系ソフトコートにおける塗膜硬度と塗膜の復元性を改善した塗料組成物を提供する。
【解決手段】 以下に示すポリエステルポリオール(a)を主成分とする主剤(A)及びアロファネート変性ポリイソシアネート(b)を主成分とする硬化剤(B)からなる二液硬化型ポリウレタン塗料組成物により解決する。ポリエステルポリオール(a): 多塩基酸成分が、非芳香族ポリカルボン酸/芳香族ポリカルボン酸=80/20〜40/60(モル比)。アロファネート変性ポリイソシアネート(b): 数平均分子量32〜400のモノオール(b1)と脂肪族ジイソシアネート(b2)から得られるアロファネート変性ポリイソシアネート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車外装板やプラスチック成形品表面の耐擦傷性改善のために有用なポリウレタン塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック素材は優れた加工性を有するため、種々の形状に成形し、プラスチック成形品として多くの産業分野で広く使用されている。しかしプラスチック素材は、ガラス、金属等に比べると一般に硬度が小さく、その表面に擦り傷がつき易い欠点があり、このため、プラスチック成形品表面には耐擦傷性に優れた塗膜を形成させることによって上記欠点の改善が図られている。
【0003】
従来、プラスチック成形品における上記欠点の改善方法としては、該プラスチック成形品表面に、架橋密度を高くすることによって表面硬度を大きくした塗膜を形成する方法(以下、ハードコート処理という)が一般に普及している。しかし、該ハードコート処理においては、架橋密度を高くするにしたがって塗膜硬度が大きくなり、耐擦傷性の改善効果が大となる利点があるが、その反面で塗膜が硬くかつ脆くなる傾向があるため、一度傷がつくとその部位から塗膜クラックが発生し、場合によってはそのクラックが成形体そのものにも及ぶという欠点がある。また、例えば、ハードコート処理したプラスチック成形品を自動車の外装部品として使用した場合、自動車走行中においては成形品表面に砂、小石等が衝突し、塗膜面に微細な打痕、凹みといった傷をつけることがあるが、このような凹み傷はハードコート塗膜で防止することは困難である。
【0004】
これに対し、ゴム弾性を有する塗膜は傷を復元させ得ることが知られており、このため、ゴム弾性を有する塗料(以下、ソフトコートという)を用いて、プラスチック成形品表面を耐擦傷性にしようとする試みが従来より行われている。しかし、ポリウレタン樹脂系ソフトコートは、塗膜の架橋密度が一般に低いため、耐汚染性、耐ブロッキング性に劣るという欠点があり、特にソフトコート処理した成形品をプラスチックフィルム等で包装した場合、該プラスチックフィルムの接触部分の跡が塗膜面に残る欠点がある。また、傷の復元性は経時的に低下する傾向があり、特に耐候性試験を経た後の傷の復元性が著しく低下するという欠点がある。
【0005】
このような問題を解決するため、特許文献1では、レベリング剤含有の特定ポリエステルポリオールを主剤に用い、3官能以上のヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアネート化合物を硬化剤としてなるポリウレタン樹脂塗料組成物が示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−258601号公報
【0007】
しかしながら、特許文献1に示された塗料の塗膜硬度はまだ不十分であり、より復元性を有しつつも高硬度な塗膜となる塗料が求められている。
【発明の開示】
【発明の効果】
【0008】
本発明のポリウレタン塗料組成物は、特定のポリオールと特定のポリイソシアネートを用いた二液硬化型塗料組成物であって、柔軟でかつ強靱性に優れた塗膜を形成することができ、このため、擦り傷を形成する塗膜表層部の微細な塗膜の破れに対して充分な抵抗性を示すと共に、塗膜表面の耐擦傷性、復元性に優れるという効果がある。また同時に、耐汚染性、耐ブロッキング性にも優れているので、自動車外装板や種々のプラスチック成形品の表面特性の改善に有用である。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来のポリウレタン系ソフトコートにおける塗膜硬度に劣るという欠点を改善すると同時に、塗膜の復元性を付与した塗料組成物の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明は、以下に示すポリエステルポリオール(a)を主成分とする主剤(A)及びアロファネート変性ポリイソシアネート(b)を主成分とする硬化剤(B)からなる二液硬化型ポリウレタン塗料組成物である。
ポリエステルポリオール(a):
多塩基酸成分が、芳香族多塩基酸/非芳香族多塩基酸=20/80〜60/40(モル比)である混合多塩基酸。
アロファネート変性ポリイソシアネート(b):
数平均分子量32〜400のモノオール(b1)と脂肪族ジイソシアネート(b2)から得られるアロファネート変性ポリイソシアネート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、ポリエステルポリオール(a)を主成分とする主剤(A)及びアロファネート変性ポリイソシアネート(b)を主成分とする硬化剤(B)からなる二液硬化型ポリウレタン塗料組成物である。
【0012】
本発明に用いられる主剤(A)は、ポリエステルポリオール(a)を主成分として、通常多価アルコールと多塩基酸(又はその無水物)とを重縮合(エステル反応)することで得られるものである。
【0013】
多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族系多塩基酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等の脂環族系多塩基酸、ハイミック酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、乳酸、ドデセニルコハク酸等の脂肪族多塩基酸等が挙げられる。なお本発明において、非芳香族多塩基酸とは脂環族多塩基酸及び脂肪族多塩基酸の総称である。また、脂環族多塩基酸及び脂肪族多塩基酸には、それぞれ飽和及び不飽和のものも含む。
【0014】
本発明においては、多塩基酸の構成が、芳香族多塩基酸/非芳香族多塩基酸=20/80〜60/40(モル比)であることが肝要である。非脂肪族多塩基酸が少なすぎる場合は、塗膜の柔軟性が損なわれやすい。一方、非芳香族多塩基酸が多すぎる場合は、塗膜の耐久性が損なわれやすい。
【0015】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジメチロールヘプタン、水添ビスフェノールA、ヒドロキシアルキル化ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ジメチルヒダントイン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。また上記多価アルコールの2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0016】
本発明では必要に応じて、前記多価アルコールを開始剤として、ε−カプロラクトンやγ−バレロラクトン等の環状エステルを開環付加させたラクトン系ポリエステルポリオールを用いることができる。
【0017】
本発明に用いられるポリエステルポリオール(a)の数平均分子量は500〜1,000が好ましい。また、平均官能基数は、2〜5が好ましい。数平均分子量が小さすぎる場合や平均官能基数が大きすぎる場合は、塗膜の柔軟性が損なわれやすい。また、数平均分子量が大きすぎる場合や平均官能基数が小さすぎる場合は、塗膜強度が不十分となりやすい。
【0018】
本発明に用いられる硬化剤(B)は、アロファネート変性ポリイソシアネート(b)を主成分とするものであって、数平均分子量32〜400のモノオール(b1)と脂肪族ジイソシアネート(b2)から得られるものである。
【0019】
数平均分子量32〜400のモノオール(b1)としては、メタノール、エタノール、プロパノール(各種異性体を含む)、ブタノール(各種異性体を含む)、ペンタノール(各種異性体を含む)、ヘキサノール(各種異性体を含む)、ヘプタノール(各種異性体を含む)、オクタノール(各種異性体を含む)、ノナノール(各種異性体を含む)、デカノール(各種異性体を含む)、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール(テトラデカノール)、ペンタデカノール、セチルアルコール(ヘキサデカノール)、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール(オクタデカノール)、ノナデカノール、オレイルアルコール等の脂肪族モノオール類、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等の脂環族モノオール類、ベンジルアルコール等の芳香脂肪族モノオール類、α−オキシプロピオン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸、ε−オキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、ヒドロキシ酢酸、α−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、リシノエライジン酸、リシノステアロール酸、サリチル酸、マンデル酸等のオキシカルボン酸と前述のモノオールから得られるエステル基含有モノオール類等が挙げられる。
【0020】
更に、前記モノオール類を開始剤として、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加させた水酸基含有エーテル類、前記モノオール類を開始剤として、ε−カプロラクトンやγ−バレロラクトン等の環状エステルを開環付加させた水酸基含有エステル類を挙げることができる。
【0021】
本発明で好ましいモノオール(b1)は、炭素数10以下の分岐を有する脂肪族モノオールが好ましく、イソプロパノールが特に好ましい。これは、直鎖状のアルキル基よりアルキル分岐を有するアルキル基のほうが、アロファネート基を物理的に遮蔽するために適した分子形状であり、得られるポリイソシアネートの粘度低下に効果的に寄与するためと考えられる。また、炭素数が多すぎると、隣接するアルキル基同士が絡まりやすくなり、粘度低下の効率が低下すると考えられる。
【0022】
脂肪族ジイソシアネート(b2)としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略称する)、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
【0023】
このアロファネート変性ポリイソシアネート(b)の製造方法は、次の通りである。モノオール(b1)に対して、過剰量の脂肪族ジイソシアネート(b2)を、イソシアネート基/水酸基=10/1〜40/1(モル比)で仕込み、ウレタン化反応を行う。次いでカルボン酸の金属塩等のアロファネート化触媒を仕込み、アロファネート化反応を行う。その後リン酸等の反応停止剤を仕込み、アロファネート化反応を停止させ、薄膜蒸留等で未反応の脂肪族ジイソシアネート(b2)を除去して、目的のアロファネート変性ポリイソシアネート(b)が得られる。
【0024】
なお、好ましいアロファネート化触媒は、ジルコニウムのカルボン酸塩、スズ(二価)のカルボン酸塩である。これら以外のアロファネート化触媒では、イソシアヌレート化反応等の副反応の程度が大きく、目的のアロファネート変性ポリイソシアネート含有量が低いものになる。
【0025】
本発明では、貯蔵安定性向上や主剤との配合工程の作業性等を考慮して、アロファネート変性ポリイソシアネート(b)の製造後に有機溶剤で希釈しておくこともできる。この有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以後、PMACと略称する)等のセロソルブ系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のイソシアネート基に不活性なものであれば特に制限はない。
【0026】
このようして得られたアロファネート変性ポリイソシアネート(b)のイソシアネート含量は、固形分=100%換算で、10〜20質量%が好ましく、12〜18質量%が特に好ましい。また、25℃の粘度(固形分=100%)は10,000mPa・s以下が好ましく、100〜8,000mPa・sが特に好ましい。イソシアネート含量が低すぎる場合や粘度が高すぎる場合は、主剤との混合作業や塗装作業が困難になる。イソシアネート含量が高すぎる場合や粘度が低すぎる場合は、塗装時に液だれが起こりやすい。
【0027】
本発明の二液硬化型ポリウレタン塗料組成物において、主剤(A)と硬化剤(B)の配合比は、活性水素基/イソシアネート基=2/8〜8/2(モル比)が好ましく、特に好ましくは3/7〜7/3である。配合比がこの範囲外の場合は、塗膜の架橋密度が不十分になり、必要な物性が得られにくくなる。
【0028】
本発明の二液硬化型ポリウレタン塗料組成物は、必要に応じて顔料や染料、固形分や粘度調整のための有機溶剤、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、フィラー、滑剤、帯電防止剤、可塑剤等の添加剤を配合してもよい。配合後、刷毛、スプレー等を用いて塗布される。
【実施例】
【0029】
次に、本発明の実施例及び比較例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。特に断りのない限り、実施例中の「%」はそれぞれ「質量%」を意味する。
【0030】
〔アロファネート変性ポリイソシアネートの合成〕
合成例1
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネートを975g、2−プロパノールを25g、2−エチルヘキサン酸ジルコニウムのミネラルスピリット溶液(ジルコニウム含有量:20%)を0.5g仕込み、110℃で2時間反応を行った。次いで、リン酸を0.1g仕込み50℃で1時間停止反応を行った。停止反応後の反応生成物のイソシアネート含量は42.1%であった。この反応生成物を130℃×0.04kPaにて薄膜蒸留を行い、アロファネート変性ポリイソシアネートイソシアネートNCO−1を得た。NCO−1のイソシアネート含量は21.1%、25℃の粘度は120mPa・s、色数は20APHA、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量は0.1%であった。また、NCO−1をFT−IR及び13C−NMRにて分析したところ、ウレタン基は確認されず、アロファネート基の存在が確認された。また、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基は痕跡程度であった。
【0031】
合成例2
合成例1と同様な反応装置にに、ヘキサメチレンジイソシアネートを975g、1,2−プロパンジオールを25gを、90℃で2時間反応を行った。反応生成物のイソシアネート含量は46.0%であった。この反応生成物を130℃×0.04kPaにて薄膜蒸留を行い、ウレタン変性ポリイソシアネートイソシアネートNCO−2を得た。NCO−2のイソシアネート含量は20.4%、25℃の粘度は1,120mPa・s、色数は20APHA、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量は0.1%であった。また、NCO−1をFT−IR及び13C−NMRにて分析したところ、ウレタン基が確認され、アロファネート基の存在はほとんど確認されなかった。また、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基は痕跡程度であった。
【0032】
〔ポリエステルポリオールの合成〕
合成例3
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:2Lの反応器に、1,3−ブタンジオールを210g、トリメチロールプロパンを388g、無水フタル酸を204g、アジピン酸を322g仕込み、内温を180℃にてエステル化反応を行った。縮合水の留出速度が低下したところで、テトラブチルチタネートを0.01g仕込み、内温を200℃、内圧を0.5kPaまで漸次変化させて、ポリエステルポリオールPES−1を得た。PES−1の酸価は1.5mgKOH/g、水酸基価は290mgKOH/g、平均官能基数は3.8であった。また、これらの値から算出される数平均分子量は、730となった。
【0033】
合成例4〜6
表1に示す原料を用いて、合成例3と同様な手順でポリエステルポリオールPES−2〜43を得た。結果を1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
表1において
1,3−BD:1,3−ブタンジオール
TMP :トリメチロールプロパン
PA :無水フタル酸
AA :アジピン酸
OA :オレイン酸
TBT :テトラブチルチタネート
【0036】
〔塗料評価〕
実施例1〜2、比較例1〜3
主剤用ポリエステルポリオール、硬化剤用ポリイソシアネート、希釈用溶剤を配合してクリヤー塗料を調製し、0.5mm厚の処理軟鋼板にウエット状態で100μmでアプリケーターを用いて塗布し、20℃×65%RH×7日間の条件で乾燥・硬化させた。その後、各塗膜評価試験を行った。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】

【0038】
塗料配合
主剤/硬化剤配合比:水酸基/イソシアネート基=1/1(モル比)
希釈剤 :D/Dソルベント
配合塗料固形分 :50%
【0039】
塗膜評価
(1)復元性:
塗膜に爪で傷つけ、傷跡の復元の程度を目視にて評価した。
○:1時間以内に復元し、傷跡が確認できない。
×:1時間以内では、復元せず傷跡が確認できる。
(2)鉛筆硬度:
JIS K5400に基づき、塗膜硬度を手かき法にて評価した。
(3)密着性:
JIS K5400に基づき、碁盤目テープ法に準じて評価した。
○:被膜残存率が80%以上
△:被膜残存率が50%以上80%未満
×:被膜残存率が50%未満
(4)耐屈曲性:
JIS K5400に基づき、直径2mm心棒の屈曲試験器を用いて耐屈曲性を目視により評価した。
塗膜に割れ、はがれが無い : ○
塗膜に割れ、はがれがある : ×
(5)エリクセン値:
JIS K5400に基づき評価した。
(6)耐衝撃性:
JIS K5400に基づき、デュポン衝撃法により評価した。
重り:底の直径1/2インチ、質量500gを使用
【0040】
表2から、本発明のポリウレタン塗料組成物からなる塗膜は復元性を有し、また諸物性に優れたものであった。一方、比較例の塗料からなる塗膜は復元性がなく、また塗膜の硬度が低いものや硬すぎて追従性に欠けるものであった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下に示すポリエステルポリオール(a)を主成分とする主剤(A)及びアロファネート変性ポリイソシアネート(b)を主成分とする硬化剤(B)からなる二液硬化型ポリウレタン塗料組成物。
ポリエステルポリオール(a):
多塩基酸成分が、芳香族多塩基酸/非芳香族多塩基酸=20/80〜60/40(モル比)である混合多塩基酸。
アロファネート変性ポリイソシアネート(b):
数平均分子量32〜400のモノオール(b1)と脂肪族ジイソシアネート(b2)から得られるアロファネート変性ポリイソシアネート。


【公開番号】特開2006−328252(P2006−328252A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−155087(P2005−155087)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【出願人】(000230135)日本ポリウレタン工業株式会社 (222)
【Fターム(参考)】