説明

ポリエステル樹脂組成物及びガラスマット

【解決手段】芳香織酸、不飽和脂肪酸の少なくとも一種と必要に応じて脂肪族酸、脂環族酸の少なくとも一種を成分とするポリエステル樹脂粉末に微細酸化珪素、ポバ−ル、デンプン、片栗粉、餅粉の少なくとも一種を混合した組成物及びそれを使用したマット。
【効果】ガラス繊維の交点に効率的に付着する結合剤組成物及びそれを使用したマット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラス繊維チョプドストランドマット等のガラス繊維製マットなど、ガラス繊維不織布の製造に利用されるポリエステル樹脂組成物及びこれを用いたガラス繊維製マットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来ガラス繊維製マットの結合剤で固体粉末の商品として、ビスフェノールAにエチレンオキサイドを付加したものにフマール酸を反応させた化合物、イソフタール酸とフマール酸とグリコールを反応させたエステル等があった。しかし固体粉末は親水度が高く、100g/m2、200g/m2のガラスマットの生産には固体粉末が流れ落ち、無駄が多く、又そうでないものは固体粉末の軟化点が低く貯蔵中に塊状となってブロッキング現象を起こしたりしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上述のガラス繊維チョプドストランドマット等のガラス繊維製不織布の製造に使用できる結合剤である。ガラス繊維製マット等を製造する場合にガラス繊維の交点に効率的に付着するガラス繊維結合剤組成物及びこれを用いて形成されたガラス繊維製マットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記目的を達成するため鋭意検討した結果、芳香族酸(テレフタル酸、イソフタール酸、オルソフタル酸など)不飽和脂肪族酸(マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸など)の少なくとも一種必要に応じて脂肪酸、脂環族酸の少なくとも一種及びポリオ−ル(ネオペンチルグリコ−ル、エチレングリコ−ル)などを主成分とする樹脂である。
ポリエステル樹脂粉末に粒径20nm以下の微細酸化珪素、ポバ−ル、デンプン、片栗粉餅粉の少なくとも一種、を1%以下存在させた組成物及びこの組成物を用いて製造したマットである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の組成物はガラス繊維の交点に効率的に付着する。得られたマットは良好な接着状態である。又本組成物は貯蔵中に塊状になるブロッキング現象を起こさなく、ガラス繊維に散布したとき、ガラス繊維層を抜けて下に落ちる量が少ない。また本発明品は従来からあるパウダ−接着剤に比べ軟化点が低いため接着時の加熱温度を低くすることができ、エネルギ−の節約ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は上記の成分を有するポリエステルテル樹脂である。これら樹脂は100〜300μ粒径に粉砕する。樹脂の軟化点は50〜70度である。
この粉砕した樹脂に20μ以下の微細酸化珪素、ポバ−ル、デンプン、片栗粉、餅粉の少なくとも一種を1%以下混合し均一に分散させて得られる。なおかたくり粉、餅粉もデンプンの一種であるこの組成物をガラス繊維上に散布し加熱して接着させる。
【実施例】
【0007】
イソフタール酸、フマール酸、マレイン酸、ネオペンチルグリコールで合成したポリエスに微細酸化珪素、かたくり粉を添加して親水性、ブロッキング防止性などをテストした 結果は表1に示す。
【0008】
【表1】

【0009】
得られた組成物(No1〜No3)及び市販品をガラス繊維上に散布し、150℃〜170℃で加熱、加圧しマットを作成した。得られた結果は表2に示す。
【0010】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族酸、不飽和脂肪族酸の少なくとも一種必要に応じて、脂肪族酸、脂環族酸の少なくとも一種、及びポリオ−ルの少なくとも一種を主成分とするポリエステル樹脂粉末に粒径20nμ以下の微細酸化珪素、ポバ−ル、デンプン、片栗粉、餅粉の少なくとも一種を1%以下存在させた組成物。
【請求項2】
請求項1の組成物をガラス繊維に散布し加熱接着させたガラスマット。

【公開番号】特開2009−13209(P2009−13209A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173653(P2007−173653)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(000102924)エヌビイエル株式会社 (22)
【Fターム(参考)】