説明

ポリエーテルシリル水性分散体

本発明は、重縮合触媒の存在下で、水の除去により縮合により架橋して、エラストマーになることができる水性分散体であって、連続した水性相中に分散されており、一分子当たり少なくとも1つのアルコキシシリル末端単位および1または2以上のケイ素原子にある少なくとも2つの−OR基を有する、場合により分枝鎖であるポリエーテル鎖を有する少なくとも1種のポリマーを含有する有機相を含み、該分散体が、分散体および重縮合触媒の形成に適した乳化剤をさらに含有する。本発明はまたシリル化ポリエーテル有機相およびシリコーンベースの有機相を含む混合分散体にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エラストマーへ架橋可能なアルコキシシリル単位を有する、シリル化ポリエーテルをベースとする組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルコキシシリル単位を有するシリル化ポリエーテルは、普通MSPまたはMSポリマーと呼ばれ、米国特許第3、971、751号明細書から公知であり、空気中の湿度の作用下および周囲温度で、縮合触媒の存在下、エラストマーへ架橋可能である。エラストマーは、シーリングの分野での使用に好適な接着力および弾力特性を有する。シリル化ポリエーテルをベースとする無水組成物は、周囲湿度に極度に敏感であり、該組成物の生成および貯蔵間になされるべき事前注意を必要とする。道具、表面等の清掃は有機溶媒の使用を必要とするため、該組成物は適用が難しい。これらの組成物の他の困難さの中には、アルコール、一般的にメタノールの放出がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、例えば建築構造、自動車産業および電気家庭用品産業における接続で特に使用されるマスチックおよびその同類のものの分野で、または弾性塗膜および絵の具の分野で、生成されるべき弾性および接着ポリマーを可能にしながら、上記で参照したシリル化ポリエーテルに基づく無水組成物の問題を解決することができる新規な組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
水に対する高い反応性にも関わらず、本発明の目的を充分に満足させるシリル化ポリエーテルをベースとする安定な水性分散体を得られることが、予想外にも証明された。特に、これらの分散体は、容易に実際に使用され、そして清掃を水で行うことができ、そして追加の利点として、これらの分散体は、その粘度を下げるために水で希釈可能である。
【0005】
したがって本発明の主題は、重縮合触媒の存在下で水の除去により縮合により架橋して、エラストマーになることができる水性分散体であって、連続した水性相中に分散されており、一分子当たり少なくとも1つのアルコキシシリル末端単位および1または2以上のケイ素原子(定義により、アルコキシシリル基のケイ素原子)にある少なくとも2つの−OR基を有する、場合により分枝鎖であるポリエーテル鎖を有する少なくとも1種のポリマーを含有する有機相を含み、該分散体が分散体および重縮合触媒を形成可能な乳化剤をさらに含有する。縮合触媒は、有機相中に存在でき、または製造の任意の時もしくは最後的な分散体が使用される場合に、触媒の無い分散体に追加可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
ポリマー好ましくは以下を含む:
1または2以上の(異なる)ケイ素原子にある少なくとも2つ、およびさらに好ましくは、少なくとも3つの−OR基、および/又は
少なくとも2つのアルコキシシリル末端単位であって、当然のことながら、該ポリマーが分枝鎖である場合、本来的にポリエーテルである分枝鎖は、アルコキシシリル末端単位を有していてもよい。
【0007】
ORでは、Rは、水素またはC〜C、より良くはC〜C、そしてさらに良くはメチルの、直鎖または分枝鎖のアルキル基を表すことができる。一般的に含まれるポリエーテルポリマーは、(Rが上記の様にアルキルである)−OR基のみまたは主に−OR基を有する。そして、有機相内でアルコキシ(−Oアルキル基)のある程度の加水分解をして、水酸(−OH)基を生成することができる。Rが水素である場合、そうした加水分解の結果、あるいは実際に、末端ケイ素原子に結合した−OH基を有するポリエーテルを直接関与させることが可能であった。
【0008】
アルコキシシリル単位は、定義によって、該−OR基を有し、特に次式(a)に相当することが出来る:
(R−O)(RSi−
ここで、nは1、2または3であり、mは0、1または2であるが、ただしn+m=3であり;好ましくは、nは2または3であり;同一または互いに異なるR基、並びにRと同一または互いに異なるRが、C〜C、よりよくはC〜C3、さらに全てがメチルを表すとよりよい、直鎖または分枝鎖のアルキル基から選択される。
【0009】
一般的に、有機相を形成することを目的で、該ポリエーテル鎖を構成する該単位が、次式のポリオキシアルキレン構造であるかまたはポリオキシアルキレン構造を含む:
−O−
ここで、同じ鎖の中で同一または異なるR基が、C〜C、好ましくはCまたはCの、二価のアルキレン基である。そこで、ポリマーは、単一のまたは幾つかの単位を有するもの、例えばブロック共重合体およびランダム重合体であることができる。好ましい様式では、ポリアルキレン構造は、実質的にまたはもっぱらR=CまたはCタイプ、さらによくは、ポリオキシプロピレン(C)である。
【0010】
既に挙げたように、ポリエーテルは分枝鎖であることができ、つまり同じ一般的構造R−O−を有する1つまたは2つ以上のポリエーテル側鎖を有することができ、場合により式(a)のアルコキシシリル単位を末端に有することができる。
【0011】
ポリエーテル鎖の末端基がアルコキシシリルタイプで無い場合は、特に−CHOHタイプであることができる。
【0012】
−OH基の存在下で、その場反応加水分解から生じる、または元のポリエーテルによって与えられる、ポリエーテル鎖間で、ある程度の架橋が生成されることは排除できない。したがって、本発明に従う組成物は、ヒドロキシシリル単位を有するある比率のポリエーテル鎖およびSi−O−Si結合によって共に架橋した鎖をさらに有することができる。
【0013】
分散体は、これらのポリマーの1タイプ以上を含むことができる。
また、存在するポリマーは、500〜15、000、好ましくは3000〜12、000の間の分子量を有するという事実によって、さらに特徴付けられることができる。
【0014】
周囲温度(15〜25℃)で液体であるポリマーを使用することは、好ましい。とは言っても、ガラス転移点が周囲温度より少し高いポリマーを使用することができ、そして次にそれらを可塑剤と混合して液化することが望ましい。可塑剤としては、ポリエーテル(フタル酸エステル、アルキルベンゼン等)のための低揮発性溶媒を挙げることができる。
有機相は、架橋剤、特に架橋シランも含むことができる。特にそうした試薬は、ポリマーが分子当たり2つの−OR基しか有さない場合に、好ましくは存在する。それは次式のシランからなることができる。
(R″)SiX(4−u)
ここで、R″基は、同一または異なり、一価の有機基、特にメチルまたはビニルであり、uは1または0に等しく、同一または異なるXは、以下のものから選択される有機縮合可能および/又は加水分解可能基である:
−OH;
1〜10炭素原子を含有するアルコキシまたはアルケニルオキシ
6〜13炭素原子を含有するアリールオキシ;
1〜13炭素原子を含有するアシルオキシ基;
1〜8炭素原子を含有するセチモノキシ基;
1〜6炭素原子を含有するSi−N結合によってケイ素に結合したアミノまたはアミド官能基。
【0015】
そうしたシランは、米国特許第3294725号明細書;米国特許第4584341号明細書;米国特許第4618642号明細書;米国特許第4608412号明細書;米国特許第4525565号明細書;欧州特許第387157号明細書;欧州特許第340120号明細書;欧州特許第364375号明細書;仏国特許発明第1248826号明細書;仏国特許発明第1023477号明細書中に、特に記載される。
【0016】
例として、以下のアルコキシシランを挙げることができる:
Si(OC;CHSi(OCH;CHSi(OC;(CO)Si(OCH);
CH=CHSi(OCH;CH(CH=CH)Si(OCH;CH=CH(OC
CH=CHSi[ON=C(CH)C];CHSi[ON=C(CHCHSi[−C(CH)=CH
メチルトリ(N−メチルアセトアミドシラン);またはメチルトリス(シクロヘキシルアミノシラン)。
【0017】
これらのシランは、100部のポリエーテル当たり0〜10重量部程度、好ましくは0〜5重量部程度の量で用いることができる。
【0018】
重縮合触媒は、当業者に周知であり、そして鉛、亜鉛、ジルコニウム、チタン、鉄、バリウム、カルシウム、マンガン、バナジウム、ビスマス、アンチモン、アルミニウムおよび特にスズ、並びにそれらの混合物等の金属のカルボン酸、アルコキシド、キレートおよびハロゲン化物またはさらに窒素を含有する化合物またはアミンの塩を挙げることができる。
【0019】
さらに特に以下を挙げることができる:
スズジカルボン酸およびエチルポリシリケートの反応生成物(米国特許第3、862、919号明細書)
ジブチルスズジアセテートおよびアルキルシリケートまたはアルキルトリアルコキシシランの反応生成物(ベルギー国登録特許第842305号明細書)
スズビスキレート(欧州特許第147323号明細書;第235−049号明細書)。
ジ有機スズジカルボン酸(英国特許第1289900号明細書)。
【0020】
それらは、100部のポリマー当たり約3重量部までが可能であり、好ましくは0.05〜1重量部に近い量で用いることができる。
乳化前に触媒を有機相中で分散し、または次に分散体に、場合によっては触媒エマルジョンの形で加えることができる。
乳化剤は、公知の化合物である。それらは液体または固体であることができ、そして界面活性剤、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーおよびピッカーリングエマルジョンまたはその同類のものとして公知のエマルジョンを生成する固体粒子から選択可能できる。
【0021】
用いられる界面活性剤は、好ましくは非イオン性である。例として、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、スクロエーテル、スクロエステル、スクログリセリド、ソルビタンエステルなど、およびこれらの糖誘導体などのエトキシレート化化合物と同様に、アルコキシレート化脂肪酸、ポリアルコキシレート化アルキルフェノール、ポリアルコキシレート化またはポリグリセロール化脂肪アルコール、ポリアルコキシレート化脂肪アミド、アルコールおよびポリグリセロールαジオール、エチレンオキシド酸化プロピレンブロックポリマー等を挙げることができ;
【0022】
アニオン性界面活性剤は、アルカリ金属等のアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアリールエーテルスルホン酸、ジオクチルスルホコハク酸から選択することが可能である。
使用される界面活性剤または界面活性剤の混合物は、特に界面活性剤が非イオン性の場合、11〜15程度のHLBを有することができる。
【0023】
水/水+界面活性剤の重量比は、ポリマー相の粘度および界面活性剤(界面活性剤または混合物)の特性の関数である。この比は、例えば、20/100〜70/100程度、好ましくは25/100〜60/100程度である。
【0024】
分散体は、好ましくはフィラーを水相中に含んでもよい。これは補強フィラー、半補強フィラー、もしくは伸張フィラーまたは少なくとも2つのタイプの混合物からなることができる。補強フィラーの中で、第一にコロイドシリカおよび沈殿シリカ等の珪質フィラーを挙げることができる。半補強または増量フィラーの例は、天然増量炭酸カルシウム、半補強工業炭酸塩、珪藻土、粉末石英、水和アルミナ、水酸化マグネシウム、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化アルミニウム、バーミキュライト、酸化亜鉛、マイカ、タルク、酸化鉄、硫酸バリウム、または水酸化カルシウムである。これらのフィラーの粒子サイズは、一般的に0.001〜300μm程度である。
【0025】
好ましい態様では、補強フィラー、特にコロイドシリカ、および/又は半補強フィラー、特に炭酸塩ベースが存在する。
【0026】
工業炭酸塩は、半補強フィラーとして使用可能である。沈殿炭酸塩、例えば、沈殿炭酸カルシウムが挙げられる。これらの状態で、平均粒径が一般的に1μm未満、特に0.5μm以下である炭酸塩に接触できる。そしてこれらの沈殿炭酸塩は5m/g超の広いBET比表面積を有することができる。そうした炭酸塩は、好ましくは平均粒子径0.1μm以下、さらに好ましくは0.01〜0.1μmを有する、そして好ましくは10〜70m/g、好ましくは15〜30m/gのBET比表面積を有する。特に好ましい様式では、疎水性の媒体中に炭酸塩分散性を改善するために知られているように、本発明に従う炭酸塩は、例えばステアリン酸のようなカルボキシル脂肪酸と特に処理される。
【0027】
アモルファスシリカの種々のタイプ、すなわち沈殿シリカおよびコロイドシリカは、補強フィラーとして使用が可能である。種々のシリカの切片を使用することがもちろん可能である。これらのBET比表面積は、一般的に40m/g超、および好ましくは100〜300m/gである。
【0028】
例えば分子量5、000未満のアルカリ金属ポリアクリレート、または最終水性分散体の重量で10%までの量の無機リン酸として、フィラー用分散剤を提供することができる。
【0029】
分散体は、同時に以下を有する、好ましくはアミノ化されまたはアミノ化されていない有機珪質化合物、好ましくはアミノ化されまたはアミノ化されていないシランから選択された少なくとも1種の接着促進剤も含むことができる:
(1)該ケイ素原子に結合した1または2以上の加水分解可能基および
(2)アミノ化(またはジアミノ化)、(メタ)アクリレート、エポキシ、アルケニル(典型的には2〜6C)および/またはアルキル基(典型的には1〜8C)から選択される基を有する1または2以上の有機基。
例として、以下のシランの1つ、またはこれらの少なくとも2つの混合物を使用可能である:
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、
3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、
3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、
プロピルトリメトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、
プロピルトリエトキシシラン、
テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシラン、
テトライソプロポキシシラン、
もしくはそうした有機基を20%超の量含有するポリ有機シロキサンオリゴマー等の加水分解および縮合生成物。
【0030】
接着促進剤は、その溶解度パラメーターに従って、水性と有機相との間で分散されるであろう。
態様の好ましいモードの中で、アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ化シラン、およびデグサ(Degussa)社からヒドロシル(Hydrosyl:商標)HSの名称で販売されている水性シランが挙げられる。
【0031】
1または2以上の加水分解可能基、特にアルカリ基、典型的には1〜8Cを有する接着促進剤としてシリケートを使用することも可能である。プロピルシリケート、イソプロピルシリケートおよびエチルシリケートを挙げることができる。シリケートは、重縮合されていてもされていなくてもよい。
【0032】
縮合触媒ための接着促進剤としては、一方ではポリエーテルを含有する有機相の分散体を用いて、および他方では例えば分散または乳化の形での触媒および/又は促進剤の調製を伴う、2成分生成物の利用を検討することが可能であり、2つの部分を混合して、乾燥中にエラストマーを生成することが可能である。
【0033】
本発明に従う分散体は、縮合によって架橋し、重縮合触媒の存在下で水の除去によってエラストマーになることができ、そして少なくとも1つのアルコキシシリル末端単位およびケイ素原子にある少なくとも2つの−OR基を有する、場合により分枝鎖であるポリエーテル鎖を有する少なくとも1種のポリマーを含有する有機相、および場合によって重縮合触媒を、連続的な水相中に分散することによって得ることが可能であり、分散体が分散体の形成に好適な乳化剤をさらに含有するものとして定義可能である。アルコキシ−Oアルキル基の加水分解反応で水酸基、および場合によって鎖間グラフトにより、上記のように正確な組成が、時間と共に変化できることをすでに上記に記載した。従ってこのように得られた分散体は、種々の比率で−Oアルキルおよび/又は程度の差はあるが共に架橋される−OH基および場合によりポリエーテル鎖を含む。縮合触媒は、有機相中に存在可能であり、または製造の際いつでも、または最終の分散体が使用される場合に、触媒の無い分散体に加えられることができる。
【0034】
本発明の1つの特徴に従って、分散体は、OHへの−Oアルキル基の部分的なまたは全加水分解および除去、例えば、アルコール、例えば精製されたメタノールの全部または一部の液化の後に得られるもの等である。分散体は、少量のアルコール、例えばメタノールと共に得られ、そしてしたがって乾燥中にごく少量のアルコールを放出するであろう。
【0035】
有機相の"水中油"エマルジョンは、水+界面活性剤の混合物にこの相を導入することによって、または好ましくは有機相と界面活性剤との混合物に水を導入し、そして単一のまたは複数のスクリュー、プラネタリータービン混合機、静的混合機、パドル、プロペラ、アームほかと混合機と、押し出しタイプ混合機内で、10〜50℃程度の温度で混合することによって行われる。
【0036】
本発明に従う分散体の乾燥物は、全分散体の重量で40〜90%、好ましくは70〜87%存在可能である。塗膜用途では、乾燥物は有利なことに70〜80%である。マスチックまたはコールド接着タイプの用途では、乾燥物は、有利なことに80%超である。
【0037】
既に記載したように、ある程度の加水分解が起こることは可能であり、この加水分解により生成したアルコールの例えば液化による除去が続く。
【0038】
本発明に従う分散体は、特にシーリング材、絵の具などの形で建築構造、自動車産業および電気家庭用品産業で使用可能なエラストマーへ、水の除去によって架橋可能なシリコーンオイルをベースとする水性分散体中で通常使用されるタイプのシリコーン組成物を含有する第2の有機相をさらに含むことができる。本発明に従う錯体分散体は、ポリエーテルポリマーの第1の分散体と、シリコーン組成物の第2の分散体とを混合することで単に得られる。これは、2つの有機相の同時または一連の乳化からも得られる。したがって、本発明の範囲内で、例えば仏国特許発明第2697021号明細書および仏国特許発明第2780067号明細書に記載された、通常のシリコーン組成物またはシリコーン分散体を使用することが可能である。これらの組成物は反応性シリコーンオイル、つまり少なくとも2つの縮合可能な官能基を有するものを含み、例えば以下のものから選択される:
OH基(態様の好ましいモード);
アルコキシまたはアルケニルオキシ基を含有する1〜10炭素原子;
アリールオキシ基を含有する6〜13炭素原子;
アシルオキシ基を含有する1〜13炭素原子;
セチミノキシ基を含有する1〜8炭素原子;
1〜6炭素原子を含有するSi−N結合によってケイ素に結合したアミノまたはアミド官能基。
好ましくは、水酸化シリコーンオイルは塩基として選択される。そうしたオイルは、次式のα、ω−ヒドロキシル化ポリジオルガノシロキサン(POS)であることができる:
【0039】
【化1】

【0040】
同一または異なるR基は、それぞれが、飽和または不飽和、置換または非置換で、そして脂肪族、環式又は芳香族であるC〜C13の一価の炭化水素基を表す;
nは、25℃で500〜1、000、000mPa・sのPOS (A')動粘度を与えるのに充分な値を有する。
【0041】
シリコーン有機相は、通常の添加物および、第一に、ポリエーテル相にために上記に記載されたものから選択される重縮合触媒を含むことができる。好ましくは同一の触媒からなる。含まれる量も同じ程度であろう。
【0042】
乳化剤に関して、これもポリエーテル相に与えられた定義に対応するであろうし、そして好ましくは同じであろう。含まれる量も同じ桁数であろう。
【0043】
フィラーも与えることが出来る。好ましくは、シリコーン相は、補強、半補強または増量フィラーまたは少なくとも2つのタイプの混合物を含む。これらのフィラーは、ポリエーテル相のための上記のものから一般的に選択される。コロイドシリカおよび炭酸塩をベースとするものが通常は好ましい。含まれる量も同じ程度であろう。
【0044】
シリコーン相は以下を含むことができる:
架橋剤および/又は
ポリマー分散体用で上記に記載されたような架橋シラン
水酸化またはアルコキシレート化シリコーン樹脂、
例として300〜10、000mPa・s程度の粘度を有するポリジメチルシロキサンオイル、ジオクチルフタル酸エステル、ジアルキルベンゼンなど、場合により水性エマルジョン中で100重量部のオイル(A')に対して0〜70重量部の量で、有機相ための可塑剤;および/又は
最終の水性分散体の10重量%まで可能な量で、例として分子量5000未満のアルカリ金属ポリアクリレート、無機リン酸など水相用フィラーの分散剤。
【0045】
シリコーン相が分散体中に存在する場合、有効であり続ける上記のような乾燥物の値は、ポリエーテル相およびシリコーン相の乾燥物の全量である。
一般的に、分散体中のポリエーテル相に対するシリコーン相の比は、0.1〜10、好ましくは0.5〜5にある。
【0046】
現在の用途では、オイルの粘度は、1982年5月のAFNORNFT76102基準によって与えられる詳細に従って、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計を用いて25℃で測定されたニュートン動粘度である。
BET比表面積は、1987年11月のAfnor NFT45007基準に対応する、"ジャーナルオブアメリカンケミカルソサイエティー:The Journal of American Chemical Society、vol80、309ページ(1938)"に記載されたBrunauer、EmmetおよびTellerの方法に従って決定される。
【0047】
本発明はまた、重縮合触媒の存在下で、本発明に従う分散体を、水の除去による縮合によって架橋することで得られるエラストマーに関する。
【0048】
本発明の主題はまた、別々に同一パッケージで、一方が、触媒を有さない本発明に従う水性分散体、およびもう一方が本発明の縮合触媒の調合物、例えばエマルジョンの形で、これらの2つの部分を使用前に混合する目的で含むキットである。
【0049】
本発明は、非限定の例と受け止められる態様によって、より詳細に説明されるであろう。
【実施例】
【0050】
マスチックの調製は、2つのステップを含む:最終の生成物(例2、3および4)の処方に従う水(例1)中でのポリエーテルオイルまたはMSPオイルの乳化。
【0051】
例1:濃縮エマルジョン(水中MSP)の調製、乳化ステップ
掻き落しブレードの付いた装置およびバタフライ型(ここでは、ユーロメランジ(Euromelange)バッチ混合機)の中心攪拌機中で、乳化を行った。以下のものを10リットルのジャケット付き容器に搭載した:
MSPオイルS303H(商標):(Kaneka):3000g
MSPポリマーオイルは、次の一般的な平均式の、そのシリル化末端にポリプロポキシ鎖、メトキシ官能基を有するオイルである。:
【0052】
【化2】

【0053】
ローディアケミエ(Rhodia Chimie)社のロダスリ(Rhodasuri:商標)ROX界面活性剤(平均8CHCHO単位を有し、水中85%活性材料を伴うエトキシレート化イソトリデシルアルコール):450g
脱塩水:525g
攪拌を行った:−60回転/分の掻き落し機で
−400回転/分の中心バタフライで
【0054】
混合物を、操作の間中ジャケット中の水の循環によって、40℃を超えないように冷却した。約2分後、水中濃縮オイルエマルジョンを位相反転によって得た。混合物はゲル様の外観を呈し、そして注ぐことができるためのしきい値がある。生成物は、原料オイルのようには、もはや流動しない。位相反転が実際起こったことを検証するために、混合物の少量サンプルを取り、そして後者を少量の脱塩水に置いた。水中で生成物の溶出が観察され、そして、したがって乳化が継続した(水中油エマルジョンが得られた)。
【0055】
3000gのMSPオイルの補充を、次にゆっくりと(攪拌しながら5分以内に)注いだ。この追加の後で、さらに5分間(まだ60回転/分での掻き落し、および400回転/分でのバタフライで)攪拌を行った。エマルジョンの粒子径を、そこでコルター(Coulter)粒子径分析器、LS130によって測定し、そして0.4μmの平均粒子径を測定した。生成物の安定性に害となるであろう水分の損失を防ぐために、濃縮エマルジョンを10リットル密閉容器中に包装した。得られたエマルジョンの乾燥抽出物は、91%であった。
【0056】
例la:濃縮エマルジョン(水中にシリコーン)の調製、乳化ステップ
乳化が掻き落しブレードの付いた装置およびバタフライ型(ここでは、ユーロメランジ(Euromelange)バッチ混合機)の中心攪拌機中で行われた。以下のものを、10リットルのジャケット付き容器に搭載した:
約135、000mPa・sの粘度を有する、ω−水酸化ポリジメチルシロキサンオイル:2000g
界面活性剤(例1と同一):142g
脱塩水:66g。
攪拌を行った:60回転/分の掻き落し機で
400回転/分の中心バタフライで
【0057】
混合物を、操作の間中ジャケット中の水の循環によって、40℃を超えないように冷却した。約2分後、水中濃縮オイルエマルジョンを位相反転によって得た。混合物はゲル様外の観を呈し、そして注ぐことができるためのしきい値がある。生成物は、原料オイルのようには、もはや流動しない。位相反転が実際起こったことを検証するために、混合物の少量サンプルを取り、そして後者を少量の脱塩水に置いた。水中で生成物の溶出が観察され、そして、したがって乳化が継続した(水中油エマルジョンが得られた)。生成物の最終の乾燥抽出物は96%で、そして平均粒径0.4μmであった。
【0058】
例2:エマルジョン中にMSPマスチックの処方
操作の間中、非常にゆっくりと攪拌しながら、以下の式の成分を連続的に2リットル混合機に加えた。使用した混合機はモルテニ(Molteni)社のラボマックス(Lab Max:商標)であり、器具の回転速度は、20回転/分であり、そしてかきとり機が動いていた。操作の間中、冷水をジャケットを通して循環した。
【0059】
【表1】

【0060】
混合物が完全に均質になるまで、ゆっくりと攪拌を続けた。吸蔵された空気および揮発物が除去されるまで50mbarの真空下で、約20分間脱気を行った。生成物を次に310mlポリエチレンカートリッジに包装した。水存在下のメトキシの加水分解および使用された液化状態を考慮するとメタノールおよびメトキシ基の残留量は、出発MSPにおけるより少なかった。
【0061】
例3:エマルジョン中にハイブリッドMSP/シリコーンマスチックの処方
手順は例2におけるのと同一であった。
操作の間中非常にゆっくりと攪拌しながら、以下の式の成分を連続的に2リットル混合機に加えた。使用した混合機はモルテニ社のラボマックス(商標)であり、器具の回転速度は、20回転/分であり、そしてかき取り機が動いていた。操作の間中、冷水をジャケットを通して循環した。
【0062】
【表2】

【0063】
*樹脂の記載:MeSiO3/2単位(約68%モル)、MeSiO(約21%)、およびMeSiOi/2(約10%)、Mn=1680g/モル、R/Si比=1.4でできており、0.5(重量)%のOHおよび約1000mPa・sの粘度を有するシリコーン樹脂からなる。
【0064】
混合物が完全に均質になるまで、ゆっくりと攪拌を続けた。吸蔵された空気および揮発物が除去されるまで50mbarの真空下で、約20分間、脱気を行った。生成物を次に310mlポリエチレンカートリッジに包装した。
【0065】
例4:エマルジョンローダリス(Rhodalis:商標)4000またはレヴェトシル(Revetosil:商標)P40中のシリコーンマスチックへのMSPエマルジョンの追加
ローダリス(商標)4000(商用名称レヴェトシル(商標)4000)は、塗膜用途に使用される液体処方であり、その主成分は、シリコーンエマルジョンである。この生成物とMSPエマルジョン(例1)とを連携させることで、最終の材料の特性が改質された。
MSPエマルジョンは、ゆっくりと攪拌(20回転/分)しながら、ローダリス(商標)4000に直接加えることができた。
50gの例1のMSPエマルジョンを100gのローダリス(商標)4000に加えた。
【0066】
例5:結果
これらは以下のようであった:
DCH81−2:エマルジョン(例2)中MSPマスチック
DCH81−4:エマルジョン(例3)中ハイブリッドMSP/シリコーンマスチック
DCH81−5:エマルジョン中少しだけ補強したMSPマスチック(例2)。
【0067】
定性的接着テスト
定性的接着テストを行うために、生成物の剥離物をあらかじめ清浄にした基材上に堆積させた。7日(23℃および50%RH=残留湿度で)の架橋時間の後で、基材/マスチック界面で剥離し始めた後で、手で剥離を行った。結果は、生成物剥離の破壊のタイプの関数として表された:
【0068】
AR、 接着破壊がある場合(剥離物が基材から離れている)
AR+、 破壊物は接着する傾向があるが、剥離物が離れるためには力を必要とする
AR++、破壊物は接着する傾向があるが、剥離物が離れるためには大きな力を必要とする
CR、凝集タイプの破壊がある場合(剥離物は非常に大きい力を掛けると、部分的にさえ基材から離れることなく、破壊する)。この場合では、基材への接着が最適である。
【0069】
【表3】

【0070】
DE=乾燥抽出物
続いてショアA硬度
ショアA硬度を、ズウィック(Zwick:商標)デュロメーターによって測定した。それは、23℃および50%相対湿度で架橋した2mm厚の3つのフィルムの束への較正された点の貫通量で特徴づけられる。フィルムのショアA硬度(SAH)は、架橋度を特徴付ける:
【0071】
【表4】

【0072】
エマルジョン中マスチックの機械的特性
機械的特性を、2mm厚のフィルムを7日間乾燥させて得られたエラストマーから穴あけポンチで切断したH2試料で、インストロン(Instron:商標)動力計によって測定した。100%伸長での係数を、破壊強度と同様に記録した。
【0073】
【表5】

【0074】
以下のことが見出された:
これらのエマルジョンは水で希釈することができ、そして水を付けた道具で清掃することが可能である;
MSPポリマーエマルジョンは、従来の無水MSPマスチックよりもより少ないメタノールを放出するという意味では非常に低い毒性リスクを有する;
エマルジョン中ハイブリッドシリコーン/MSP組成物は、2つのポリマーが、不相溶(非混和)であり、そしてMSPエマルジョンが水性シリコーンマスチックの究極特性の改善(伸長および破壊強度)を可能にするという事実にもかかわらず、乾燥後に肉眼的で見て均質である最終のエラストマーとなる。
【0075】
当然のことながら請求項によって規定される本発明は、上記記載に示した特別な態様によって限定されないが、本発明の範囲または範囲の外側にない変化を包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重縮合触媒の存在下で、水の除去により縮合により架橋して、エラストマーになることができる水性分散体であって、連続水性相中に分散されており、一分子当たり少なくとも1つのアルコキシシリル末端単位、および1または2以上のケイ素原子にある少なくとも2つの−OR基を有する、場合により分枝鎖であるポリエーテル鎖を有する少なくとも1種のポリマーを含有する有機相を含み、該分散体が、分散体の形成に好適な乳化剤および重縮合触媒も含有する。
【請求項2】
該ポリマーが、1または2以上のケイ素原子にある少なくとも2つまたは少なくとも3つの−OR基、および/又は少なくとも2つのアルコキシシリル末端単位を有する請求項1に記載の分散体。
【請求項3】
該ポリマーが、次式(a)に相当する少なくとも1つのまたは少なくとも2つのアルコキシシリル末端単位を有する請求項1に記載の分散体:
(R−O)(RSi−
上式中、nは1、2または3であり、mは0、1または2であるが、ただしn+m=3であり;同一または互いに異なるR基、並びにC〜Cの直鎖または分枝鎖のアルキル基から選択されるRと同一または互いに異なるR
【請求項4】
該nが、2または3である請求項3に記載の分散体。
【請求項5】
該ポリエーテル鎖を構成する該単位が、次式のポリオキシアルキレン構造であるかまたはポリオキシアルキレン構造
−R−O−
(上式中、同一または異なるR基は、C〜Cの二価のアルキレン基である)
を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項6】
該R基が、CまたはCの二価のアルキレン基である請求項5に記載の分散体。
【請求項7】
該ポリエーテルが、次式(a):
(R−O)(RSi−
(上式中、nは1、2または3であり、mは0、1または2であるが、ただしn+m=3であり;同一または互いに異なるR基、並びに、C〜Cの直鎖または分枝鎖のアルキル基から選択されるRと同一または互いに異なるR
に相当するアルコキシシリル単位を末端に有する、同一の一般的構造−R−O−を有する1または2以上のポリエーテル側鎖を有する、請求項5または6のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項8】
該有機相中に重縮合触媒を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項9】
該水相が、フィラーを含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項10】
炭酸塩をベースとするコロイドシリカまたは半補強フィラーを含有する請求項9に記載の分散体。
【請求項11】
接着促進剤を含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項12】
同時に以下:
(1)ケイ素原子に結合した1または2以上の加水分解可能基および
(2)アミノ化(またはジアミノ化)された、(メタ)アクリレート、エポキシ、アルケニルおよび/又はアルキル基から選択される、基を有する1または2以上の有機基
を有する、アミノ化されまたはアミノ化されていない有機珪質化合物を接着促進剤として含む請求項11に記載の分散体。
【請求項13】
該有機珪質化合物が、シランである請求項12に記載の分散体。
【請求項14】
該シランが以下のものである請求項13に記載の分散体:
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、
3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、
3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、
プロピルトリメトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、
プロピルトリエトキシシラン、
テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシラン、
テトライソプロポキシシラン、
もしくは加水分解および縮合生成物、またはそれらの混合物。
【請求項15】
架橋シランを含有する請求項1〜14のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項16】
該架橋シランが次式に相当する請求項15に記載の分散体:
(R″)SiX(4−u)
上式中、R″基は、同一または異なり、一価の有機基、特にメチルまたはビニルであり、uは1または0に等しく、同一または異なるXは、以下のものから選択される有機縮合可能および/又は加水分解可能基である:
OH;
1〜10炭素原子を含有するアルコキシまたはアルケニルオキシ
6〜13炭素原子を含有するアリールオキシ;
1〜13炭素原子を含有するアシルオキシ基;
1〜8炭素原子を含有するセチモノキシ基;
1〜6炭素原子を含有するSi−N結合によってケイ素に結合したアミノまたはアミド官能基。
【請求項17】
該架橋シランとして以下を含有する、請求項16に記載の分散体:
Si(OC;CHSi(OCH;CHSi(OC;(CO)Si(OCH);
CH=CHSi(OCH;CH(CH=CH)Si(OCH;CH=CH(OC
CH=CHSi[ON=C(CH)C];CHSi[ON=C(CHCHSi[−C(CH)=CH
メチルトリ(N−メチルアセトアミドシラン);またはメチルトリス(シクロヘキシルアミノシラン)。
【請求項18】
シリコーンオイルを含有する第2の分散された有機相をさらに有する請求項1〜17のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項19】
該第2の有機相が、重縮合による架橋タイプである請求項18に記載の分散体。
【請求項20】
この第2の分散された有機相が、少なくとも2つの縮合可能な官能基を有する反応性シリコーンオイルを含む請求項18または19のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項21】
該縮合可能な官能基が以下のものから選択される請求項20に記載の分散体:
OH基;
1〜10炭素原子を含有するアルコキシまたはアルケニルオキシ基;
6〜13炭素原子を含有するアリールオキシ基;
1〜13炭素原子を含有するアシルオキシ基;
1〜8炭素原子を含有するセチミノキシ基;
1〜6炭素原子を含有するSi−N結合によってケイ素に結合したアミノまたはアミド官能基。
【請求項22】
該第2の有機相が、次式のα、ω−ヒドロキシル化ポリジオルガノシロキサン(POS)を含む請求項20に記載の分散体:
【化1】

同一または異なるR基は、それぞれが、飽和または不飽和、置換または非置換で、そして脂肪族、環式又は芳香族であるC〜C13の一価の炭化水素基を表す;
nは、POS (A')に、25℃で、500〜1、000、000mPa・sの動粘度を与えるのに充分な値を有する。
【請求項23】
該第2の有機相が、重縮合触媒、フィラー、架橋剤、架橋シラン、水酸化もしくはアルコキシレート化シリコーン樹脂、可塑剤、フィラーを分散させるための試薬、またはこれらの添加物の少なくとも2つの混合物を含む、請求項18〜22のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項24】
該分散体中のポリエーテル相に対するシリコーン相の比が、0.1〜10である請求項18〜24のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項25】
該比が、0.5〜5である請求項25に記載の分散体。
【請求項26】
重縮合触媒の存在下、および水の除去により架橋で得ることができ、請求項1〜25のいずれか一項に記載の分散体であるエラストマー。
【請求項27】
一方が、重縮合触媒を有さない請求項1〜25のいずれか一項に記載の水性分散体を、およびもう一方が、重縮合触媒の調合物を、同一パッケージで別々に含むキット。

【公表番号】特表2008−525561(P2008−525561A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547580(P2007−547580)
【出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【国際出願番号】PCT/FR2005/003269
【国際公開番号】WO2006/070132
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(507208484)ブルースター シリコンズ フランス ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ (3)
【Fターム(参考)】