説明

ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの成形方法、予備成形体及び成形品

【課題】本発明は、金型内のPTFEファインパウダー間に存在する空気を充分に除去して圧縮することにより、高密度で均一なPTFEファインパウダー予備成形体を製造することができる成形方法を提供する。
【解決手段】本発明は、PTFEファインパウダーを含む粉体を金型に充填する工程と、圧縮する工程とを有する成形方法であって、上記圧縮する工程は、上記粉体が充填された上記金型内を減圧して行うものであることを特徴とする成形方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリテトラフルオロエチレン[PTFE]ファインパウダーの成形方法には、圧縮成形法、ペースト押出成形法等がある。上記圧縮成形法では、PTFEファインパウダーを金型に均一に充填し、常温でプレスにはさんで100〜1000kg/cmで圧縮し、得られる予備成形体を焼成することで成形品が得られる。上記ペースト押出成形法では、図1に示すように、PTFEファインパウダーに適当な有機溶剤を加えて混合し、ペースト状にしたものを圧縮(予備成形)し、得られる予備成形体を押出・乾燥・焼成することで成形品が得られる。
【0003】
PTFEファインパウダーはPTFEモールディングパウダー等に比べて繊維化しやすいため、ファインパウダー間に存在する空気が抜けにくい。これは、ファインパウダーが金型内でパッキンの役割をして、空気の通過を妨げるためである。ファインパウダー間の空気が抜けきらない状態で圧縮すると、得られる予備成形体には、密度むらが生じる。
【0004】
図2は、上パンチ21と下パンチ24に挟まれたPTFEファインパウダー22を、下パンチ24を上昇させることにより圧縮(予備成形)する場合の模式図である。圧縮により生じる密度むらをできる限り低減するため、例えば、図3に示すように、上パンチ31に溝を設け、金型33との間に約1mm程度の隙間を設けた予備成形機により圧縮を行い、矢印32で表すような空気の流れをつくり、空気の抜けを促進する方法が知られている。
【0005】
しかし、ある程度圧縮が進むと、PTFEファインパウダーが押し固められ、一部繊維化するために、空気が通過しにくい状態となる。また、圧力上昇とともに、PTFEファインパウダーが上パンチ31に押し付けられ、パンチ31の溝に入りこんで繊維化してしまい、ついには閉塞して空気の抜けを阻害するため、空気の除去が不充分である。その結果、図2の右図に示すように、PTFEファインパウダー22の中心部26には、抜けきれなかった空気が多く残ってしまい低密度となる。一方、パンチ21周辺の部分27は、パンチ21の溝から空気が抜けたことにより高密度となる。従って、得られる予備成形体は、内部の密度が不均一となってしまう。
【0006】
このような密度むらは、焼成工程におけるクラックや変形の原因となる。また、密度が不均一な予備成形体をペースト押出成形すると、図6の(a)に示すように、予備成形体の高密度部分の押出しには高い押出圧力が必要となるため、多くのペースト材料が押し出されてその部分の線径が大きくなったり、予備成形体の端部が高密度であるため、ペースト押出成形の開始時に高い押出圧力が必要となり、ペースト押出成形機に高い能力が要求されたりする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記現状に鑑み、金型内のPTFEファインパウダー間に存在する空気を充分に除去して圧縮することにより、高密度で均一なPTFEファインパウダー予備成形体を製造することができる成形方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーを含む粉体を金型に充填する工程と、圧縮する工程とを有する成形方法であって、上記圧縮する工程は、上記粉体が充填された上記金型内を減圧して行うものであることを特徴とする成形方法である。
【0009】
本発明は、上記成形方法により製造される予備成形体である。
本発明は上記成形方法により製造される予備成形体を焼成して得られる成形品である。
以下に本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン[PTFE]ファインパウダーを含む粉体を金型に充填する工程と、圧縮する工程とを有する成形方法であって、上記圧縮する工程は、上記粉体が充填された上記金型内を減圧して行うものであることを特徴とする成形方法である。本発明は、PTFEファインパウダーを含む粉体を減圧して圧縮するものであるので、上記粉体間に存在する空気を充分に除去することができ、高密度で均一なPTFEファインパウダーの予備成形体を製造することができる。
【0011】
更に、本発明の成形方法は、ペースト押出成形においても使用することができ、特に、同時に複数本の予備成形体をシリンダへ入れて押し出す場合、減圧により予備成形体間の継ぎ目部分を安定化することができるので、押出圧力ぶれや、線径ぶれ等を小さく抑えることも可能である。また、本発明の成形方法は、上記粉体を一度圧縮した上に更に粉体を充填し、これを繰り返すいわゆるつぎ足し成形により成形する場合にも、継ぎ目のクラックを防止できる点で有効である。
【0012】
上記PTFEファインパウダーを含む粉体は、PTFEファインパウダーのみであってもよいし、公知の充填剤等が添加されたフィラー入りファインパウダーであってもよい。また、粉末状でなくてもよく、押出助剤を吸収してペースト状になったものでもよい。
【0013】
上記PTFEファインパウダーは、乳化重合によって製造されるディスパージョンから凝析・造粒された粉末であり、重合により生成した1次粒子が凝集して2次粒子となったものである。上記フィラー入りファインパウダーは、上記ディスパージョンに充填剤等を混合し、樹脂と充填剤等とを同時に水から凝析分離して製造することができる。
【0014】
上記PTFEファインパウダーを含む粉体は、通常、真比重が約2.3であり、かさ比重が0.4〜0.55である。
【0015】
上記PTFEファインパウダーは、通常、平均粒子径が300〜600μmであり、上記平均粒子径の好ましい下限は350μmであり、好ましい上限は550μmである。本明細書において、上記平均粒子径は、固形分濃度0.22質量%に調整したPTFE水性分散体の液の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均粒子径との検量線をもとにして、上記透過率から決定する値である。
【0016】
上記PTFEファインパウダーを含む粉体としては、本発明の成形方法により得られる予備成形体をそのまま焼成する場合には(圧縮成形)、PTFEファインパウダーのみからなるものが好ましく、上記予備成形体をペースト押出成形用の成形用材料とする場合には、ペースト押出助剤を含むものが好ましい。上記押出助剤としては、炭化水素系有機溶剤が好ましい。本発明の成形方法では、減圧にすることでPTFEファインパウダーに混合した押出助剤が若干蒸発するので、その蒸発を見越してあらかじめ助剤量を加量しておくことが好ましい。
【0017】
上記PTFEは、テトラフルオロエチレン[TFE]単独重合体であってもよいし、上述の変性ポリテトラフルオロエチレン[変性PTFE]であってもよいが、TFE単独重合体であることが好ましい。上記変性PTFEとは、TFEと微量単量体とを重合して得られる非溶融加工性のフルオロポリマーを意味する。上記変性PTFEは、上記微量単量体単位を0.01〜1質量%含有するものであることが好ましい。
【0018】
本発明の成形方法においては、まず、上記PTFEファインパウダーを含む粉体を金型に充填する工程を有する。上記金型としては、所望の形状もしくはそれに近い形状を有し、成形の圧力に耐えるものであれば特に制限されず、シリンダと呼ばれる円筒状のものであってもよく、ラム押出成形機のシリンダやペースト押出成形機の押出シリンダであってもよい。
【0019】
上記PTFEファインパウダーを含む粉体を金型に充填したら、ラム、ピストン、プランジャ、プレス、パンチ等を金型に取り付け、粉体を圧縮する工程を行う。上記圧縮は、公知の方法により行うことができるが、粉体間の空気を除くようになるべく徐々に圧力を負荷することが好ましい。負荷する圧力(成形圧力)は、形状や寸法等により異なるが、通常20〜350kg/cm、フィラー入りPTFEファインパウダーを含む粉体であれば100〜1000kg/cmが適当で、その圧力で数秒〜数10分保持することが好ましい。
【0020】
本発明の成形方法は、上記粉体が充填された金型内を減圧して粉体を圧縮することを特徴とする。上記減圧は、粉体間の空気を除くことができれば圧縮が終了するまでのいずれの段階で行ってもよく、例えば、圧縮のために粉体に圧力を負荷する前に減圧を開始しても良いし、圧力の負荷後に減圧を開始しても良いが、減圧を円滑に進めるために、圧縮により上記粉体が変形する前に減圧を開始していることが好ましい。上記減圧は、空気の除去が充分なものとなる点で、金型内を一定の圧力(気圧)まで減圧した後、圧縮することがより好ましく、圧縮中も一定の圧力(気圧)を保持して圧縮することが更に好ましい。
【0021】
本明細書において、上記減圧によって達成される金型内の圧力(気圧)は、上記圧縮を通常の方法により行う場合の圧力よりも低圧となるように行えば本発明の効果を達成することができるので、大気圧以上の圧力であってもよいが、充分に高密度で均一な予備成形体が製造できる点で、大気圧以下(負圧)となるように減圧することが好ましい。上記圧力(気圧)は、400mmHg以下であることが好ましい。本明細書において、金型内の圧力(気圧)は、真空ポンプと上パンチ間をつないでいるチューブに接続した真空度計により測定できる。
【0022】
上記減圧は、ポンプ、ブロア又はファンにより金型内の空気を排出して行うものであることが好ましく、なかでも、排気効率の点で真空ポンプであることがより好ましい。
【0023】
上記ポンプ、ブロア又はファンにより金型内の空気を排出する方法としては、ラム、ピストン、プランジャ、プレス、パンチ等に開口部を設け、開口部とポンプ等とを配管により接続する方法が挙げられる。上記開口部は、1箇所であっても、2箇所以上あってもよく、上パンチ、下パンチ、ラム側パンチ、ラムと反対側パンチ等、いずれにあってもよい。また、予備成形体の対称性を向上させるため、例えば、パンチの中心に対して複数の開口部を対称的に配置することも好ましい。
【0024】
上記開口部は、上記粉体を吸い込まないように粉体と開口部間に距離をとるように設けてもよく、開口部にフィルタ等を装着してもよい。上記フィルタとしては、PE不織布等が挙げられる。
【0025】
上記ポンプ、ブロア又はファンにより金型内の空気を排出して行う方法の一例を図4に示す。図4の構成を説明すると、上パンチ43に開口部を設けており、開口部と真空ポンプ41とがチューブ42により接続されている。また、上パンチ43と粉体45との間には、開口部から粉体45を吸い込まないようにフィルタ44が設置されている。図5は、図4の上パンチ43の周辺構造を示している。図5に示すように、開口部53にはねじ山が設けられており、ねじ山付パイプ52を介してチューブ51と接続されている。
【0026】
本発明の成形方法によれば、圧縮する工程を経て得られる予備成形体の内部の密度を均一にすることができ、予備成形体の各部位間の比重差を0.02以内とすることができる。本明細書において、上記比重差は、予備成形体を3等分にして各部位について測定して得られる比重を比較することにより得られる値である。上記比重は、通常、1.5〜2.1である。
【0027】
本発明の成形方法により製造される予備成形体も本発明の一つである。本明細書において上記予備成形体とは、本発明の成形方法により製造されるものであって、融点以上に加熱された履歴のないものであり、焼成やペースト押出成形に供されることにより成形品となるものである。
【0028】
本発明の予備成形体は、圧縮成形用の成形用材料として好適である。本発明の予備成形体を焼成すると、密度が均一でボイドが低減された成形品を得ることができる。
【0029】
本発明の予備成形体は、ペースト押出成形用の成形用材料として好適である。本発明の成形方法により製造される予備成形体をペースト押出成形に供すると、図6の(b)に示すように、押出初期に必要となる押出圧力の一次的な上昇が小さく、線形の変動幅が小さく、押出終了前の圧力上昇も小さくすることができることから、押出成形の安定化に有効である。また、押出初期の圧力上昇が小さいため、押出能力の小さい押出機の使用も可能となる。
【0030】
本発明の成形方法により製造される予備成形体を焼成した成形品も本発明の一つである。本発明の成形品は、本発明の予備成形体を焼成して得られるものであるので、密度が均一でボイドが少ないものである。
【0031】
上記焼成時の焼成温度としては、上記PTFEファインパウダーの融点以上であることが好ましく、360〜410℃であることがより好ましく、370〜390℃であることが更に好ましい。
【0032】
本発明の成形品は、電線、チューブ等として特に好適である。
【発明の効果】
【0033】
本発明の成形方法は、上述の構成よりなるので、PTFEファインパウダー間に存在する空気を充分に除去することができ、高密度で均一な予備成形体を製造することができる。
本発明の予備成形体は、密度が均一でボイドが少ないので、例えば、電線被覆成形に用いた場合に極めて線形安定性に優れるものである。
本発明の成形品は、密度が均一でボイドが少ないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0035】
実施例1
PTFEファインパウダーを含む粉体の調製
PTFEファインパウダー(商品名、F−208、ダイキン工業(株)製)2,000gに対して380gのIsoparGを混合して、12時間熟成後、8メッシュのSUS製ふるいをとおして、PTFEファインパウダーを含む粉体とした。
【0036】
充填工程
図4に示すように、直径49mmのシリンダ46を有する予備成形機に、あらかじめナイロン6樹脂製の下パンチ47を設置した。
調製した粉体を、下パンチ47から粉体上面までの距離が約2,350mmとなるように充填し、下パンチ47から上パンチ43までの距離が2,400mmとなるように、すなわち上パンチ43と粉体とが約50mm離れるように、厚み30mm、直径48.5mmのナイロン6樹脂製の上パンチ43を入れて、シリンダ46と固定した。
図5に図4における上パンチ43の周辺構造を示す。図5に示すように、上パンチ55には、マンドレル54を貫通させるために中心に16.2mmの穴を設け、該中心から12mmのところにPT1/8のねじ山を有する開口部53を設けた。
下パンチ47は、シリンダ内を減圧してもラム48から離れないように、ラム48に固定した。また、上パンチ43も、減圧しても下がらないようにシリンダ46に固定した。
【0037】
圧縮工程
図5に示すように、開口部53へPT1/8のねじ山をもつパイプ52を取り付けて、開口部と真空ポンプとをチューブ51で接続した。真空ポンプを作動させて、シリンダ内を0.05MPaまで減圧したところで、ラムを100mm/minの速度で上昇させ、5MPaの成形圧力を粉体に負荷して予備成形した。ラム速度が0.5mm/min以下まで下がってから真空ポンプを止めて、更に20分間5MPaの成形圧力で粉体を圧縮した。20分後に成形圧力を下げて、直径49mm、長さ600mmの円筒状の予備成形体を取り出し、中心部分と両端部分の密度を測定した。下パンチから30mmまでの部分のサンプルの比重は1.75、中心部から切り出した長さ30mmのサンプルの比重は1.74、上パンチから30mmの部分のサンプルの比重は1.74であった。
【0038】
電線被覆押出成形
同様の方法で作った予備成形体を、直径50mmのシリンダをもつ電線ペースト成形機に入れて、電線被覆押出成形を行った。上記電線ペースト成形機の金型の直径を1.921mmとし、直径0.511mmの銀メッキつき銅線を芯線として用い、ラム速度19mm/min、芯線速度10m/min、乾燥炉160〜250℃、焼成炉360〜410℃に設定した。
得られた電線の焼成後の線径を測定したところ、押出開始直後の線径最大値と、安定部の線径の比率が100:91であった。また、線径安定後から押し出し終了後までの線径最大値と線径最小値の差が、0.05mmであった。
【0039】
実施例2
PTFEファインパウダーを含む粉体の調製
実施例1と同じ方法により粉体を調製した。
【0040】
充填工程
中心部に16.5mmの穴を開けた直径48.5mmの実験用ろ紙を、上パンチと粉体との間に挟めるように入れた他は、実施例1と同様にして、粉体を充填した。
また、実施例1とは異なり、下パンチをラムに固定せず、減圧するとラムから離れられる構造とし、上パンチもシリンダ上面に固定せず、減圧すると下がることができる構造とした。
【0041】
圧縮工程
実施例1と同様に開口部と真空ポンプとをチューブで接続した。真空ポンプを作動させて、シリンダ内を0.05MPaまで減圧したところで、真空ポンプを止めて、ラムを100mm/minの速度で上昇させて5MPaの成形圧力を粉体に負荷して予備成形した。ラム速度が0.5mm/min以下まで下がってから、更に20分間5MPaの成形圧力で粉体を圧縮した。20分後に成形圧力を下げて、予備成形体を取り出し、中心部分と両端部分の密度を測定した。下パンチから30mmまでの部分のサンプルの比重は1.75、中心部から切り出した長さ30mmのサンプルのサンプルの比重は1.74、上パンチから30mmの部分のサンプルの比重は1.74であった。
【0042】
電線被覆押出成形
予備成形体を用いて実施例1と同様に電線被覆成形を行い、焼成後の線径を測定したところ、押出開始直後の線径最大値と、安定部の線径の比率が100:90であった。また、線径安定後から押し出し終了後までの線径最大値と線径最小値の差が、0.05mmであった。
【0043】
比較例1
開口部をもたない上パンチを使い、また、真空ポンプ、パイプ、チューブを使わないこと以外は実施例1と同様に予備成形、電線成形を行った。途中、予備成形体を取り出し、中心部分と両端部分の密度を測定したところ、下パンチから30mmまでの部分の比重は1.75、中心部から切り出した長さ30mmのサンプルの比重は1.63、上パンチから30mmの部分の比重は1.73であった。押出開始直後の線径最大値と、安定部の線径の比率が100:75であった。また、線径安定後、押し出し終了後までの線径最大値と線径最小値の差が、0.1mmであった。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の成形方法は、PTFEファインパウダーを圧縮して成形する場合に好適に用いることができる。本発明の予備成形体は、圧縮成形及びペースト押出成形用の成形用材料として特に好適である。本発明の成形品は、電線、チューブ等として特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】PTFEファインパウダーのペースト押出成形方法の工程を説明する概略図である。
【図2】従来の成形方法を説明する模式図である。
【図3】図2における上パンチ21の周辺構造を示す模式図である。
【図4】本発明の成形方法を説明する模式図である。
【図5】本発明の成形方法において使用される上パンチの一例を示す図であり、(a)は上パンチの断面図、(b)は(a)のA−B線における平面図である。
【図6】予備成形体を電線被覆成形した場合の押出時間と線径との関係を示したグラフであり、(a)は従来の予備成形体の線径変化、(b)は本発明の予備成形体の線径変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0046】
11 配合
12 混合
13 予備成形
14 押出
15 乾燥
16 焼成
21 上パンチ
22 PTFEファインパウダーを含む粉体
23 金型
24 下パンチ
25 ラム
26 残留空気を多く含む部分(低密度)
27 残留空気が少ない部分(高密度)
31 上パンチ
32 空気の流れを示す矢印
33 金型
34 PTFEファインパウダーを含む粉体
41 真空ポンプ
42 チューブ
43 上パンチ
44 フィルター
45 PTFEファインパウダーを含む粉体
46 金型
47 下パンチ
48 ラム
49 密度が均一な圧縮後のPTFEファインパウダーを含む粉体
51 真空ポンプへ接続されるチューブ
52 ねじ山付パイプ
53 開口部
54 マンドレル
55 上パンチ
56 金型
61 従来の予備成形体の模式図
62 予備成形体の高密度部分
63 予備成形体の低密度部分
64 本発明による密度が均一な予備成形体の模式図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーを含む粉体を金型に充填する工程と、圧縮する工程とを有する成形方法であって、
前記圧縮する工程は、前記粉体が充填された前記金型内を減圧して行うものである
ことを特徴とする成形方法。
【請求項2】
減圧は、ポンプ、ブロア又はファンにより金型内の空気を排出して行うものである
請求項1記載の成形方法。
【請求項3】
ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーを含む粉体は、ペースト押出助剤を含むものである
請求項1又は2記載の成形方法。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載の成形方法により製造される予備成形体。
【請求項5】
請求項1、2又は3記載の成形方法により製造される予備成形体を焼成して得られる成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−260191(P2008−260191A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104003(P2007−104003)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】