説明

ポリヌクレオチド増幅反応およびマイクロ流体デバイスのための組成物、方法およびキット

消泡剤は、ポリヌクレオチド増幅反応の検出を改善し、およびマイクロ流体デバイスにおける液体の操作を改善する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2003年11月25日に出願された、米国特許出願第10/305,229号の優先権の恩恵を請求するものであり、この出願は全ての目的に関してその全体が参照として組入れられている。
【0002】
発明の背景
少量の液体の構成成分を検出することは、多くの理由で困難である。非常に小さい容積の検出に作用し得るひとつの要因は、気泡である。更に小さい領域、すなわちマイクロ流体デバイスにおける液体の操作は、気泡の発生につながり得る。本発明は、これらおよび他の問題に対処している。
【発明の開示】
【0003】
発明の簡単な概要
本出願は、ポリヌクレオチド増幅および/または検出において使用するための試薬配合物を提供する。一部の態様において、試薬は、ポリヌクレオチド増幅または検出のための少なくとも1種の試薬;および、消泡剤を含有する。
【0004】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素-含有消泡剤、有機スルホン酸、ポリエーテル、フルオロカーボン、有機リン酸、アセチレングリコール、ポリイソブチレン化合物、ポリ(アクリル酸アルキル)化合物、ポリアルケンポリアミン、ポリアルキレンイミン化合物およびそれらのブレンドからなる群より選択される。一部の態様において、試薬は、緩衝液;二糖または二糖誘導体;キャリヤ蛋白質;および、塩(例えば、MgCl2)を含有する増幅混合物である。
【0005】
一部の態様において、緩衝液は、HEPESである。
【0006】
一部の態様において、配合物は、水性混合物である。一部の態様において、配合物は、固形物である。
【0007】
一部の態様において、試薬は更に、DNAポリメラーゼおよびデオキシヌクレオチド三リン酸を含有する。一部の態様において、DNAポリメラーゼは、Taqポリメラーゼである。一部の態様において、試薬は更に、ポリヌクレオチド鋳型および少なくとも1種のポリヌクレオチドプライマーを含有する。一部の態様において、試薬は、プローブを含有する。一部の態様において、プローブは、蛍光標識により標識されている。
【0008】
一部の態様において、配合物は、水性混合物であり、消泡剤の有効成分は、混合物中0.00001g/ml〜0.0001g/mlの濃度である。
【0009】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素を含有する。一部の態様において、消泡剤は、シリコーンを含有する。一部の態様において、消泡剤は、オルガノシロキサンポリマーである。一部の態様において、消泡剤は、ジメチルポリシロキサンである。一部の態様において、消泡剤は、Antifoam SE-15である。一部の態様において、配合物は、水性混合物であり、SE-15の有効成分は、混合物中0.00001g/ml〜0.0001g/mlの濃度である。
【0010】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素を含まない。一部の態様において、消泡剤は、シリコーンを含まない。
【0011】
一部の態様において、試薬は、二本鎖DNAを検出する色素を含有する。
【0012】
本発明は更に、マイクロ流体デバイスも提供する。一部の態様において、マイクロ流体デバイスは、混合物を含み、ここでこの混合物は、ポリヌクレオチドの増幅または検出のための少なくとも1種の試薬;および、消泡剤を含有する。
【0013】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素-含有消泡剤、有機スルホン酸、ポリエーテル、フルオロカーボン、有機リン酸、アセチレングリコール、ポリイソブチレン化合物、ポリ(アクリル酸アルキル)化合物、ポリアルケンポリアミン、ポリアルキレンイミン化合物およびそれらのブレンドからなる群より選択される。一部の態様において、試薬は、緩衝液;二糖または二糖誘導体;キャリヤ蛋白質;デオキシヌクレオチド三リン酸、カチオン(例えば、Mg2+);ポリヌクレオチド鋳型;少なくとも1種のポリヌクレオチドプライマー;および、DNAポリメラーゼを含む。
【0014】
一部の態様において、緩衝液は、HEPESである。一部の態様において、DNAポリメラーゼは、Taqポリメラーゼである。
【0015】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素-ベースの消泡剤である。一部の態様において、消泡剤は、シリコーン-ベースの消泡剤である。一部の態様において、消泡剤は、オルガノシロキサンポリマーである。一部の態様において、消泡剤は、ジメチルポリシロキサンである。一部の態様において、消泡剤は、Antifoam SE-15である。
【0016】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素を含まない。一部の態様において、消泡剤は、シリコーンを含まない。
【0017】
一部の態様において、混合物は、プローブを含む。一部の態様において、プローブは、蛍光により標識されている。一部の態様において、混合物は、二本鎖DNAに結合する色素を含有する。一部の態様において、混合物中の消泡剤は、消泡剤の有効成分が、混合物中0.00001g/ml〜0.0001g/mlの濃度であるような量である。
【0018】
本発明は、増幅反応の産物を検出する方法も提供する。一部の態様において、この方法は、消泡剤を含有する混合物において増幅反応を行うこと;および、増幅反応の産物を検出することを含む。
【0019】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素-含有消泡剤、有機スルホン酸、ポリエーテル、フルオロカーボン、有機リン酸、アセチレングリコール、ポリイソブチレン化合物、ポリ(アクリル酸アルキル)化合物、ポリアルケンポリアミン、ポリアルキレンイミン化合物およびそれらのブレンドからなる群より選択される。
【0020】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素-ベースの消泡剤である。一部の態様において、消泡剤は、オルガノシロキサンポリマーである。一部の態様において、消泡剤は、ジメチルポリシロキサンである。一部の態様において、消泡剤は、Antifoam SE-15である。
【0021】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素を含有しない。
【0022】
一部の態様において、混合物は更に、HEPESを含む。
【0023】
一部の態様において、増幅産物は、蛍光標識されたプローブにより検出される。一部の態様において、混合物は、マイクロ流体デバイス内にある。一部の態様において、混合物中の消泡剤は、消泡剤の有効成分が、混合物中0.00001g/ml〜0.0001g/mlの濃度であるような量である。
【0024】
本発明は、マイクロ流体デバイスにおける光学検出を改善する方法も提供する。一部の態様において、この方法は、マイクロ流体デバイス中に消泡剤を含有する混合物を提供すること;および、混合物の構成成分を検出することを含む。
【0025】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素-含有消泡剤、有機スルホン酸、ポリエーテル、フルオロカーボン、有機リン酸、アセチレングリコール、ポリイソブチレン化合物、ポリ(アクリル酸アルキル)化合物、ポリアルケンポリアミン、ポリアルキレンイミン化合物およびそれらのブレンドからなる群より選択される。
【0026】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素-ベースの消泡剤である。一部の態様において、消泡剤は、シリコーン-ベースの消泡剤である。一部の態様において、消泡剤は、オルガノシロキサンポリマーである。一部の態様において、消泡剤は、ジメチルポリシロキサンである。一部の態様において、消泡剤は、Antifoam SE-15である。
【0027】
一部の態様において、消泡剤は、ケイ素を含有しない。一部の態様において、消泡剤は、シリコーンを含有しない。
【0028】
一部の態様において、混合物中の消泡剤は、消泡剤の有効成分が、混合物中0.00001g/ml〜0.0001g/mlの濃度であるような量である。
【0029】
定義
本明細書において使用される「消泡剤」は、混合物中の気泡または泡を減少または除去する。消泡剤は、液体表面に存在する安定化された泡および気泡を破壊するか、泡の形成を防止もしくは抑制するか、または気泡の合体を激化しおよび液体からの泡放出を促進する物質を意味する。消泡剤の有効成分は、疎水性化学物質であることが多く、その結果泡制御物質は、水に不溶性であることが多い。泡制御物質は、疎水性の細かい液滴として水中に存在し、気/液界面、すなわち気泡表面に、吸着または凝集する。消泡剤の有効成分は、発泡する媒体のものよりも低い表面張力を有することができ、ならびに気泡フィルムに侵入しおよびそれらを超えて広がる強力な傾向を有し、気泡の破壊を引き起こす。消泡剤は、界面活性剤分子の吸着層を無秩序とし、気泡を不安定にすることができる。あるいは消泡剤は、発泡する媒体のものよりも低い表面張力を有することができる。その結果、消泡剤は、気泡フィルムに侵入しおよびそれらを超えて広がり、気泡の破壊を引き起こす。場合によっては、消泡剤は、発泡する液体中で他の界面活性剤のように気泡表面に吸着する。この気泡が発泡する液体の表面に到達した後、気泡フィルムは薄くなり、破壊され始める。別の場合において、消泡剤は、液体中の気泡表面に吸着する。この場合、消泡剤は、捕獲された小さい気泡の合体を促進し、より大きく成長させる。より大きい気泡は、より迅速に液体表面に上昇し、破壊される。
【0030】
消泡剤は通常、当該技術分野において「脱泡剤」または「泡制御物質」として説明される。溶液の発泡に関する多くの標準試験が、米国材料試験協会(ASTM)により説明されており、例えば、注入試験(D1173-53)、振盪試験(D3601-88)および配合試験(D3519-88)を含む。これらの試験を用い、消泡剤の有効性を決定することができる。一部の態様において、特定濃度において、本発明の消泡剤は、典型的には、前述のASTM試験により試験されるように、 溶液中の泡の量を、少なくとも10%、および場合によっては少なくとも25%、50%、75%、90%、95%または99%減少するであろう。消泡剤の有効成分の濃度は、混合物1mLにつき有効成分0.00001〜0.0001gであることが多い。当業者は、消泡剤の最適濃度は、使用される消泡剤、温度、混合物などに応じて変動することを認めるであろう。一部の態様において、有効成分の濃度は、例えば、約0.00002g/ml、0.00003g/ml、0.00004g/ml、0.00005g/ml、0.00006g/ml、0.00007g/ml、0.00008g/ml、または0.00009g/mlである。
【0031】
「増幅反応」は、鋳型核酸配列の増加したコピーを生じる、酵素反応を含む、いずれかの化学反応を意味する。増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびリガーゼ連鎖反応(LCR)(米国特許第4,683,195号および第4,683,202号;PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications (Innis et al., eds, 1990)参照)、鎖置換増幅(SDA)(Walker, et al. Nucleic Acids Res.、20(7):1691-6(1992);Walker PCR Methods Appl、3(1):1-6(1993))、転写-媒介型増幅(Phyffer, et al., J. Clin. Microbiol.、34:834-841(1996);Vuorinen, et al., J. Clin. Microbiol., 33:1856-1859(1995))、核酸配列-ベースの増幅(NASBA)(Compton, Nature, 350(6313):91-2(1991))、ローリングサークル増幅(RCA)(Lisby, Mol. Biotechnol., 12(1):75-99(1999));Hatch et al., Genet. Anal., 15(2):35-40(1999))および、分枝DNAシグナル増幅(bDNA)(例えば、Iqbal et al., Mol. Cell Probes, 13(4):315-320(1999)参照)を含む。
【0032】
本明細書において使用される「マイクロ流体デバイス(microfluidic device)」は、1個または複数個の流路、チャンバー、または例えば深さ、幅、長さ、直径などの少なくとも1種の内部断面寸法が1500μm未満、場合によっては約1000μm、もしくは約500μm未満、典型的には約0.1μm〜約500μmを有する導管を備える装置を意味する。
【0033】
語句「核酸」または「ポリヌクレオチド」は、一本鎖または二本鎖のいずれかの形のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよびそれらのポリマーを意味する。この用語は、合成、天然、もしくは非天然であることができ、参照核酸と同様の結合特性を有し、および参照ヌクレオチドと同様の様式で代謝されるような、公知のヌクレオチドアナログまたは修飾された骨格残基もしくは連結を含む核酸を包含している。このようなアナログの例は、ホスホロチオエート、ホスホロアミダイト、メチルホスホネート、キラル-メチルホスホネート、2-O-メチルリボヌクレオチド、ペプチド-核酸(PNA)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0034】
「プローブ」は、関心のあるポリヌクレオチド配列へハイブリダイズすることが可能でありおよび選択されたポリヌクレオチド配列を検出することができるポリヌクレオチド配列を意味する。例えば「プローブ」は、蛍光試薬または放射性試薬に連結され、これによりこれらの試薬の検出が可能であるようなポリヌクレオチドを含む。プローブの例は、蛍光標識されたプローブ、例えばTaqmanプローブおよび分子ビーコンを含む。
【0035】
本明細書において使用される「反応混合物」または「増幅反応混合物」は、いずれか他の構成成分の添加を伴わずにポリヌクレオチド鋳型の増幅を支援することができる混合物、または鋳型の増幅に必要な構成成分のサブセットの混合物のいずれかを意味する。例えば、DNAポリメラーゼなどの一部の構成成分は、反応混合物中に含まれなくともよく、従ってこの混合物は、使用前に酵素が分解するような条件下で貯蔵することができる。同様に、例えば配列-特異性プローブ、プライマー、鋳型および/またはヌクレオチドは、増幅が生じるまで、反応混合物中に含まれても、含まれなくともよい。
【0036】
本明細書において使用される「増幅試薬」または「ポリヌクレオチド増幅のための試薬」は、増幅反応において核酸を増幅するために使用する試薬を意味する。この試薬は、必ずしもではないが、増幅反応に必要な構成成分を全て含有することができる。増幅反応の構成成分の例は以下を含むが、これらに限定されるものではない:鋳型、プライマーまたはデオキシヌクレオチド三リン酸を含む核酸、DNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)、緩衝液(例えば、Tris、HEPESなど)、マグネシウムおよび/もしくはカリウム-ベースの塩などの塩、二糖または二糖誘導体、キャリヤ蛋白質、洗浄剤、DMSO、または他の類似物質。
【0037】
「検出試薬」は、検出されるべき構成成分、または混合物中の構成成分の検出を補助するプローブまたはインターカレート剤(例えば、臭化エチジウムもしくはSYBR Green)のような構成成分を含有する試薬を意味する。例えば、検出されるべき構成成分は、ポリヌクレオチド、蛋白質または炭水化物であることができる。検出は、例えば光電子倍増管、または蛍光、放射線もしくは他の標識物を検出するための他の装置の使用などの光学的検出によることができる。
【0038】
「サーモサイクル増幅反応」は、熱安定性の酵素の助けを借り、鋳型核酸配列のコピーを合成または連結するようなプライマーオリゴヌクレオチドを使用することによる、核酸断片の増幅を意味する。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびリガーゼ連鎖反応(LCR)などのサーモサイクル反応が良く知られている。
【0039】
「標的」または「標的核酸」は、増幅反応において増幅されることが求められる、一本鎖または二本鎖のポリヌクレオチド配列を意味する。
【0040】
「鋳型」は、プライマーハイブリダイゼーション部位の側方に位置した、増幅されるポリヌクレオチドを含む、二本鎖または一本鎖ポリヌクレオチド配列を意味する。
【0041】
発明の詳細な説明
I.緒言
本発明は、初めて消泡剤を増幅反応において使用し、例えば、混合、移動、チューブを通る運動、分配などを含む機械的攪拌時に生じる発泡を減少することにより、増幅産物の検出を改善することができることを明らかにする。気泡は、例えば、試薬の脱気のためにまたは液体-プラスチック界面の反応により、試薬のサーマルサイクル時にも形成されることがある。泡および気泡の形成は、試薬の検出またはひとつの位置から別の位置への移動により、ブロックまたは妨害することができ、これは増幅反応結果の不正確さを生じる。反応混合物中の消泡剤の存在は、これらの作用を防止または低下し、これにより混合物の含有物の測定の正確さを増大する。消泡剤は、小さい容積の使用においておよび増幅産物の検出において、特に役立つ。
【0042】
II.消泡剤
消泡剤は、水性混合物中の泡もしくは気泡の発生を防止するか、またはその破壊を加速する物質を意味する。多数の消泡剤が、当業者に公知であり、多くの様々な化学構造を含むことができる。多くの異なる消泡剤が、例えばOwens、「Defoamers」、ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY (Kirk-Othmer, eds., 1993)、pp928-945;Hofer et al.、ULLMANN'S ENCYCLOPEDIA OF INDUSTRIAL CHEMISTRY (Elvers et al., eds. , 1988)、Vol. A11, 5th Ed, pp.465-490;および、Owen、ENCYCLOPEDIA OF POLYMER SCIENCE AND ENGINEERING、Vol.2,2nd. ed.(Kroschwitz, ed., 1987)、pp59-72において説明されている。
【0043】
消泡剤組成物は、単独の構成成分、または単純な混合により一緒にすることができる複数の構成成分を含むことができる。しかし一部の消泡剤構成成分は、水に不溶性であり、従って一部の消泡剤組成物は、最終の消泡剤組成物を生成するために混合が必要であることがある。
【0044】
消泡剤は、有効成分に加え、例えばキャリヤ油、両親媒性物質およびカップリング剤もしくは安定化剤も含有することができる。例えば、Hofer et al.、ULLMANN'S ENCYCLOPEDIA OF INDUSTRIAL CHEMISTRY (Elvers et al., eds., 1988) Vol. A11, 5th Ed, pp.465-490を参照のこと。
【0045】
A.ケイ素-ベースの消泡剤
多くのケイ素-含有消泡剤が説明されている。一部の態様において、ケイ素-ベースの消泡剤は、シリコーンを含有する。例えば、オルガノシロキサンは、ケイ素-ベースの消泡剤の周知のクラスである。オルガノシロキサンは、例えば純粋なシリコーン油(例えばジメチルポリシロキサン)に加え、ジメチルポリシロキサンを含む、ポリシロキサン/ポリオキシアルキレンブロックコポリマーを含む。これらのポリマーは、細かく分割された固形物を含み、これは通常更に脱泡作用を促進する。このような細かく分割された固形物の例は、高度に分散され、任意に疎水性である、熱分解または沈殿により得られたシリカ、酸化マグネシウムもしくは酸化アルミニウム、更にはステアリン酸マグネシウムを含む。
【0046】
一部の態様において、消泡剤は、Antifoam SE-15、Antifoam A、Antifoam B、Antifoam C、Antifoam SO-25、Antifoam SE-35およびAntifoam 289から選択され、各々SIGMAから入手できる。SE-15は、活性シリコーンポリマーおよび非-イオン性乳化剤の10%エマルションである。
【0047】
シリコーン-ベースの消泡剤の他の例は、例えばRosenの米国特許第4,076,648号に説明されており、これは乳化されないジオルガノポリシロキサン消泡剤中に均等に分散された親油性非イオン性表面活性剤から本質的になる自己-分散可能性の消泡剤組成物を開示している。この組合せは、乳化の必要のない水中の分散性を促進すると言われている。Kulkarniらの米国特許第4,395,352号は、ジメチルポリシロキサン油の粘度を25℃で5,000〜30,000cSの範囲に制限することにより、先に引用されたRosenにより開示された組成物を改善する。このような制限は、高濃度のイオン性界面活性剤を含むものおよび非常に粘性であるもののような、脱泡が困難な水性システムの効率の改善を生じることが示されている。
【0048】
Keilの米国特許第3,784,479号は、ポリオキシプロピレンポリマー、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンコポリマーまたはシロキサン-グリコールコポリマーから選択された基油、液体ジメチルポリシロキサンおよびシリカ充填剤を含有する泡制御物質、ならびにシロキサン樹脂およびポリオキシアルキレンポリマーのコポリマーからなる分散剤から本質的になる、泡制御組成物を開示している。
【0049】
関連した特許である米国特許第3,984,347号において、Keilは、ポリオキシプロピレンポリマー、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンコポリマーまたはシロキサン-グリコールコポリマーから選択された基油、液体ジメチルポリシロキサンおよびシリカ充填剤を含む泡制御物質、ならびにシロキサンコポリマー分散剤から本質的になる、泡制御組成物を開示している。
【0050】
Johnらは、1987年4月8日に公開された欧州特許出願第217,501号において、高発泡性洗浄剤組成物中で改善された性能を提供する、(A)25℃での粘度が少なくとも7x10-3 m2/sであり、かつならびに一価および四価のシロキシ単位を含みならびに1分子あたりに少なくとも1個のシラノール基を有する、トリオルガノシロキサン-末端がブロックされたポリジオルガノシロキサン、少なくとも1個の末端シラノール基を有するポリジオルガノシロキサンおよびオルガノシロキサン樹脂の混合および加熱により得られた、液体シロキサン、ならびに(B)その表面が疎水性に作成された細かく分割された充填剤を含有する、泡制御組成物を開示している。Johnらは更に、泡制御組成物およびこの泡制御組成物を含有する洗浄剤組成物を製造する方法を開示している。
【0051】
本発明において有用である別のシリコーン-ベースの消泡剤は、例えば、米国特許第5,968,872号および第6,221,922号、ならびに欧州特許出願第EP 0046342号および第0791384号に開示されている。米国特許第5,767,053号に開示されたもののような粒子を含有する消泡剤も、本発明に従い使用することができる。
【0052】
本明細書に説明された消泡剤の濃度は、使用される物質に応じて変動するであろう。消泡剤中の有効成分の濃度は、大きく変動することができる。例えば場合によっては、混合物中の有効成分の濃度は、0.000001g/ml〜0.1g/mlを、時には0.00001g/ml〜0.0001g/mlであろう。Antifoam SE-15のようなシリコーン-ベースの消泡剤を含む増幅反応において、消泡剤有効成分の濃度は、例えば0.00001g/ml〜0.0001g/mlであることができる。好ましい濃度は、0.00006g/ml(0.00006mg/μl、0.06μg/μl、または60ng/μlと等しい)質量/容量である。例えば一部の態様において、消泡剤調製物は、この混合物100mlにつき0.006gで調製される。一部の態様において、混合物は、増幅のために容量25、50または100μlのアリコートとされる。
【0053】
シリコーン-ベースの消泡剤は、水性混合物中の消泡剤の凝集を防ぐために、乳化している配合物中に、例えば非-イオン性乳化剤と共に、提供することができる。従って、一部の態様において、シリコーン-ベースの消泡剤は、増幅反応物または検出混合物中にエマルションを形成する。
【0054】
B.非-ケイ素-ベースの消泡剤
非-ケイ素消泡剤は、ケイ素を含まない消泡剤であることができる。代表例は、例えば、有機スルホン酸、ポリエーテル、有機リン酸、アセチレングリコール、ポリイソブチレン化合物、ポリ(アクリル酸アルキル)化合物、ポリアルケンポリアミン、およびポリアルキレンイミン化合物などのような炭化水素を含む。他の消泡剤は、フルオロカーボンを含む。有機スルホン酸、炭素粉末、植物油、動物性油、ポリイソブチレン化合物およびそれらのブレンドが、米国特許第5,169,560号;第5,296,132号;第5,389,299号;および、第5,472,637号において開示されている。他の代表的非-ケイ素含有消泡剤は、例えば、Hofer et al.、ULLMANN'S ENCYCLOPEDIA OF INDUSTRIAL CHEMISTRY (Elvers et al., eds., 1988) Vol.A11, 5th Ed, pp.465-490;および、Owen、ENCYCLOPEDIA OF POLYMER SCIENCE AND ENGINEERING、Vol.2,2nd. ed. (Kroschwitz, ed., 1987), pp59-72に説明されている。これらの化合物は、例として提示されており、本発明において使用することができる非-シリコーン脱泡化合物を制限するものとしては構築されていない。
【0055】
III.増幅反応
A.一般的情報
本発明は、増幅反応およびマイクロ流体デバイスにおいて使用するための様々な組成物および反応混合物を提供する。一般に、本発明は、本明細書において例証されるもののような消泡剤を含有する増幅混合物を提供する。しかし当業者は、反応混合物およびそれらの構成成分は、液体または固形のいずれかの形であることができることを認めるであろう。例えば、凍結乾燥された混合物は、使用前に貯蔵されることが多く、およびキットに組込むことらできる。例えば米国特許第5,834,254号;第5,876,992号;および、第6,153,412号を参照のこと。場合によっては、固形混合物が、ビーズまたは「球体」に組込まれ得る。例えば米国特許第5,593,824号を参照のこと。
【0056】
反応混合物は、増幅反応を完了するために必要である全ての構成成分を有することができるが、必ずしもではない。例えば一部の状況においては、増幅反応に必要な構成成分全てではないが、一部の混合物を貯蔵することが都合がよい。場合によっては、核酸以外の全ての構成成分が、混合物中に存在する。一部の態様において、室温でまたは凍結乾燥された混合物中で安定している構成成分のみが、混合物中に含まれる。
【0057】
従って一部の局面において、増幅混合物は、緩衝液、二糖または二糖誘導体、キャリヤ蛋白質、マグネシウム、および消泡剤を含有する。一部の局面において、反応混合物は、TaqポリメラーゼのようなDNAポリメラーゼおよび/またはデオキシヌクレオチド三リン酸(例えば、dATP、dCTP、dTTP、dGTP)も含有する。一部の態様において、本発明の反応混合物は、鋳型ポリヌクレオチド、プライマーまたはプローブを欠いているであろう。
【0058】
一部の局面において、反応混合物は、マイクロ流体デバイス内に含まれている。例えば消泡剤の存在のために、この装置内の構成成分の光学的検出は大きく改善される。この改善は、気泡がその中の液体の非常に小さい容積を破壊することができるような、マイクロ流体デバイスにおいて特に有用である。この消泡剤は、光学的検出を妨害し得る泡を防止する。増幅反応混合物を利用するマイクロ流体デバイスの例は、例えば、SmartCycler(商標)、GeneXpert(商標)およびI-CORE(商標)装置(Cepheid, Sunnyvale, CA)を含む。しかし本発明の混合物の利点は、増幅反応における使用であるかどうかにかかわらず、全てのマイクロ流体デバイスに及ぶ。例えば、このような装置中の少量の液体の移動は、混合物中の気泡の存在により阻害され得る。本発明の混合物はこの問題点に対処している。
【0059】
反応混合物を使用するRNAまたはDNA鋳型の増幅は周知である(米国特許第4,683,195号および第4,683,202号;PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications (Innis et al.,eds, 1990)参照)。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびリガーゼ連鎖反応(LCR)のような方法を用い、例えば、mRNA、cDNA、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーなどから直接、更には、生物、環境試料、またはいずれか他の核酸給源から、標的DNA配列の核酸配列を増幅することができる。この反応は、望ましい温度でのインキュベーション時間を容易にするために、サーマルサイクラー中で実行されることが好ましい。
【0060】
PCR反応条件の例は典型的には、2または3工程のいずれかのサイクルを含む。2工程サイクルは、変性工程、それに続くハイブリダイゼーション/伸長工程を有する。3工程サイクルは、変性工程、それに続くハイブリダイゼーション工程、それに続く個別の伸長工程を含む。
【0061】
等温増幅反応も公知であり、これは本発明の方法に従い使用することができる。等温増幅反応の例は、鎖置換増幅(SDA)(Walker, et al. Nucleic Acids Res. 20(7):1691-6(1992);Walker PCR Methods Appl, 3(1):1-6(1993))、転写媒介型増幅(Phyffer, et al., J. Clin. Microbiol., 34:834-841(1996);Vuorinen, et al., J. Clin. Microbiol., 33:1856-1859(1995))、核酸配列-ベースの増幅(NASBA)(Compton, Nature, 350(6313):91-2(1991))、ローリングサークル増幅(RCA)(Lisby, Mol. Biotechnol., 12(1):75-99(1999));Hatch et al., Genet. Anal., 15(2):35-40(1999))、および分枝DNAシグナル増幅(bDNA)(例えば、Iqbal et al., Mol. Cell Probes, 13(4):315-320(1999)参照)を含む。当業者に公知の他の増幅方法は、CPR(サイクリングプローブ反応)、SSR(自続式(Self-Sustained)配列複製)、SDA(鎖置換増幅)、QBR(Q-βレプリカーゼ)、Re-AMP(formerly RAMP)、RCR(修復連鎖反応)、TAS(転写ベースの増幅システム)、およびHCSを含む。
【0062】
B.増幅反応構成成分
本発明の混合物は、下記の増幅反応混合物構成成分のいずれかまたは全てを含むことができる。当業者は、多くの増幅試薬が当該技術分野において説明されることを認めるであろう。下記リストは包括的なものではない。
【0063】
オリゴヌクレオチドプライマー
本発明において使用されるオリゴヌクレオチドに加え、増幅産物を検出するためにデザインされたオリゴヌクレオチドは、化学的に合成することができる。これらのオリゴヌクレオチドは、放射性同位元素、化学発光部分、または蛍光部分により標識することができる。このような標識は、本発明の方法および組成物を使用する増幅産物の特徴決定および検出に有用である。
【0064】
プライマー構成成分は、PCR反応混合液中に、例えば0.1〜1.0μMの濃度で存在してもよい。プライマー長は、例えば8〜100ヌクレオチド長であり、および好ましくは50〜60%のGおよびC組成を有する。プライマーの選択において、プライマーの3'末端に正確に合致する塩基を有することが好ましいが、この必要要件は、5'末端では余り重要でなく減少される。一部の態様において、本発明のプライマーは全て、ほぼ同じ融解温度を有する。
【0065】
緩衝液
使用することができる緩衝液の例は、例えば、HEPES、ホウ酸、リン酸、炭酸、バルビタール、Trisなどをベースにした緩衝液を含む。Roseらの米国特許第5,508,178号を参照のこと。この反応のpHは、約4.5〜約9.5の範囲で維持されなければならない。米国特許第5,508,178号参照。増幅反応において使用される標準の緩衝液は、10〜50mMのTrisベースで、pHがほぼ8.3〜8.8である緩衝液である。Innisらの前掲の論文を参照のこと。
【0066】
当業者は、緩衝条件は、全ての関心のある反応の機能が可能であるようにデザインされなければならないことを認めるであろう。従って緩衝条件は、増幅反応に加え、プローブからのシグナル作成に関連したいずれかの酵素反応を支援するようにデザインすることができる。具体的な反応緩衝液は、個別にまたは一緒の両方で反応を試験することにより、様々な反応を支援するその能力について試験することができる。
【0067】
塩濃度
反応混合液中に存在する塩濃度は、プライマーの標的核酸にアニーリングする能力に影響することができる。Innisらの論文参照。典型的には塩化カリウムは、プライマーアニーリングを促進するために、反応混合液に濃度約50mMまたはそれよりも多くまで添加される。塩化ナトリウムも、プライマーアニーリングを促進するために添加することができる。Innisらの論文を参照のこと。
【0068】
マグネシウムイオン濃度
反応液中のマグネシウムイオン濃度は、望ましい配列を増幅するために重要である。Innisらの論文を参照のこと。プライマーアニーリング、標準の変性、増幅特異性、プライマー-二量体形成、および酵素活性は全て、マグネシウム濃度により影響を受けるパラメータの例である。Innisらの論文を参照のこと。増幅反応は、dNTPの濃度を超える、例えば約0.5〜2.5mMのマグネシウム濃度を含むことができる。反応液中のマグネシウムキレート剤の存在は、最適なマグネシウム濃度に影響を及ぼすことができる。一連の増幅反応は、最適マグネシウム濃度を決定するために、ある範囲のマグネシウム濃度について実行することができる。最適マグネシウム濃度は、他のパラメーターの中でもとりわけ、使用される標的核酸およびプライマーの性質に応じて変動することができる。マグネシウムイオンの一般的給源は、MgCl2である。
【0069】
二糖または二糖誘導体
本発明において有用な二糖の例は、トレハロース、ショ糖などを含むが、これらに限定されるものではない。本発明において有用な二糖誘導体の例は、マルチトール、マンニトール、分枝したショ糖ポリマー、例えばFICOLL(商標)、ソルビトールなど、例えば二糖アルコールを含む。
【0070】
本発明において有用な糖ポリマーの例は、デキストランである。
【0071】
キャリヤ蛋白質
本発明において有用なキャリヤ蛋白質は、アルブミン(例えば、ウシ血清アルブミン)およびゼラチンを含むが、これらに限定されるものではない。
【0072】
デオキシヌクレオチド三リン酸濃度
デオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)が、反応液中最終濃度約20μM〜約300μMとなるように添加される。4種のdNTP(G、A、C、T)は各々、一般に等しい濃度で存在する。Innisらの論文を参照のこと。
【0073】
核酸ポリメラーゼ
本発明の方法および組成物を用い機能する様々なDNA依存型ポリメラーゼが、市販されている。例えば、Taq DNAポリメラーゼを使用し、標的DNA配列が増幅される。PCRアッセイは、酵素の構成成分として、サーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)から精製された未変性の酵素および/またはその酵素の遺伝的に操作された形であることができる、Taq DNAポリメラーゼを適宜含有する熱安定性DNAポリメラーゼの給源を用い行うことができる。他の市販のポリメラーゼ酵素は、例えばPromegaまたはPharmaciaから市販されているTaqポリメラーゼがある。本発明において使用することができる熱安定性DNAポリメラーゼのその他の例は、例えばサーマス(Thermus)種およびパイロコッカス(Pyrococcus)種から得られたDNAポリメラーゼを含む。このポリメラーゼの濃度範囲は、1〜5単位/反応混合液の範囲である。この反応混合液は典型的には、20および100μlである。
【0074】
一部の態様において、「ホットスタート」ポリメラーゼを使用し、最初の反応温度の上昇による、ミスプライミング事象の伸長を避けることができる。ホットスタートは、多重PCRの状況において特に有用である。ホットスタートポリメラーゼは、例えば、熱活性化工程(典型的には95℃で約10〜15分間)において必要である、熱に不安定な付加物を有することができるか、または活性化を防ぐためにポリメラーゼに会合した抗体を有することができる。
【0075】
その他の物質
望ましい結果を実現するために、時には種々のその他の物質が反応液に添加される。例えばDMSOをこの反応液に添加することができるが、これはTaq DNAポリメラーゼの活性を阻害することが報告されている。しかしながら、同じ反応液中の複数の標的配列の増幅のためには、DMSOが推奨される。Innisらの論文を参照のこと。非-イオン性洗浄剤(例えば、Tween-20)も、増幅反応液に添加することができる。Innisらの論文を参照のこと。加えて、メチルイソチアゾリンをこの反応混合液に添加することができる。
【0076】
IV.キット
本発明は、本発明の増幅方法を実行するためのキットも提供する。例えば、本発明は、一部または全ての本発明の反応混合物構成成分のアリコートがその中に入った1個または複数個の反応容器を備えるキットを提供する。アリコートは、液体または乾燥した形であることができる。反応容器は、試料プロセシングカートリッジ、または同じ容器中での試料の夾雑、プロセシングおよび/もしくは増幅が可能であるような、他の容器も含む。このようなキットは、標準のまたは携帯型の増幅装置で、増幅産物を容易に検出することができるようにする。これらのキットは、標的試料の増幅または増幅の制御のためにキットを使用する際の書面による使用説明書も備える。
【0077】
キットは、例えばポリヌクレオチドの増幅または検出のための試薬および消泡剤を備えている。このキットは、 発蛍光団を含む1種または複数種のプローブ(例えば、Taqman(商標)または分子ビーコンプローブ)を備えることができ、任意に消光剤を備えることができる。加えて、このキットは、ヌクレオチド(A、C、G、T)およびDNAポリメラーゼを備える。
【0078】
一部の態様において、キットは、マイクロ流体デバイスを備えている。例えば、Belgrader, P., et al., Biosensors and Bioelectronics, 14:849-852(2000);Belgrade, P., et al., Science, 284:449-450(1999);および、Northrup, M. A., et al., PCR PROTOCOLS中の「A New Generation of PCR Instruments and Nucleic Acid Concentration Systems」(Sninsky, J. J.et al(eds.))、Academic, San Diego, Chapter 8 (1998))に説明されたような、試料の迅速増幅に有用な試料プロセシングカートリッジなどの容器が本発明のキットに含まれる。
【0079】
前述の発明は、理解を明確にするために例証および実施例により一部詳細に説明されているが、本発明の内容を鑑み、添付された「特許請求の範囲」の精神または範囲から逸脱しない限りは、ある種の変更および修飾を行うことができることは当業者には容易に明らかであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリヌクレオチドの増幅または検出のための少なくとも1種の試薬;および、消泡剤を含有する、試薬配合物。
【請求項2】
消泡剤が、以下からなる群より選択される、請求項1記載の配合物:
ケイ素-含有消泡剤、有機スルホン酸、ポリエーテル、フルオロカーボン、有機リン酸、アセチレングリコール、ポリイソブチレン化合物、ポリ(アクリル酸アルキル)化合物、ポリアルケンポリアミン、ポリアルキレンイミン化合物およびそれらのブレンド。
【請求項3】
試薬が以下を含有する、増幅混合物である、請求項1記載の配合物:
緩衝液;
二糖または二糖誘導体;
キャリヤ蛋白質;および
塩。
【請求項4】
緩衝液がHEPESである、請求項3記載の配合物。
【請求項5】
配合物が、水性混合物である、請求項1記載の配合物。
【請求項6】
配合物が、固形物である、請求項1記載の配合物。
【請求項7】
試薬がDNAポリメラーゼおよびデオキシヌクレオチド三リン酸を更に含有する、請求項3記載の配合物。
【請求項8】
DNAポリメラーゼが、Taqポリメラーゼである、請求項7記載の配合物。
【請求項9】
試薬がポリヌクレオチド鋳型および少なくとも1種のポリヌクレオチドプライマーを更に含有する、請求項7記載の配合物。
【請求項10】
試薬が、プローブを含有する、請求項1記載の配合物。
【請求項11】
プローブが、蛍光標識で標識されている、請求項17記載の配合物。
【請求項12】
配合物が、水性混合物であり、および消泡剤の有効成分が、混合物中0.00001g/ml〜0.0001g/mlの濃度である、請求項1記載の配合物。
【請求項13】
消泡剤が、ケイ素を含有する、請求項1記載の配合物。
【請求項14】
消泡剤が、シリコーンを含有する、請求項13記載の配合物。
【請求項15】
消泡剤が、オルガノシロキサンポリマーである、請求項1記載の配合物。
【請求項16】
消泡剤が、ジメチルポリシロキサンである、請求項1記載の配合物。
【請求項17】
消泡剤が、Antifoam SE-15である、請求項1記載の配合物。
【請求項18】
配合物が、水性混合物であり、およびSE-15の有効成分が、混合物中0.00001〜0.0001g/mlの濃度である、請求項17記載の配合物。
【請求項19】
消泡剤が、ケイ素を含有しない、請求項1記載の配合物。
【請求項20】
試薬が、二本鎖DNAを検出する色素を含有する、請求項1記載の配合物。
【請求項21】
配合物が、ビーズの形状である、請求項1記載の配合物。
【請求項22】
以下を含有する混合物を含むマイクロ流体デバイス:
ポリヌクレオチドの増幅または検出のための少なくとも1種の試薬;および
消泡剤。
【請求項23】
消泡剤が、以下からなる群より選択される、請求項22記載のマイクロ流体デバイス:
ケイ素-含有消泡剤、有機スルホン酸、ポリエーテル、フルオロカーボン、有機リン酸、アセチレングリコール、ポリイソブチレン化合物、ポリ(アクリル酸アルキル)化合物、ポリアルケンポリアミン、ポリアルキレンイミン化合物およびそれらのブレンド。
【請求項24】
試薬が以下を含む、請求項22記載のマイクロ流体デバイス:
緩衝液;二糖または二糖誘導体;キャリヤ蛋白質;デオキシヌクレオチド三リン酸;カチオン;ポリヌクレオチド鋳型;少なくとも1種のポリヌクレオチドプライマー;および、DNAポリメラーゼ。
【請求項25】
緩衝液が、HEPESである、請求項24記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項26】
DNAポリメラーゼが、Taqポリメラーゼである、請求項24記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項27】
消泡剤が、ケイ素-ベースの消泡剤である、請求項22記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項28】
消泡剤が、シリコーン-ベースの消泡剤である、請求項22記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項29】
消泡剤が、オルガノシロキサンポリマーである、請求項22記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項30】
消泡剤が、ジメチルポリシロキサンである、請求項22記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項31】
消泡剤が、Antifoam SE-15である、請求項22記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項32】
消泡剤が、ケイ素を含有しない、請求項22記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項33】
混合物が、プローブを含有する、請求項32記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項34】
プローブが、蛍光標識されている、請求項33記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項35】
混合物が、二本鎖DNAに結合する色素を含有する、請求項32記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項36】
混合物中の消泡剤が、消泡剤の有効成分が、混合物中0.00001g/ml〜0.0001g/mlの濃度であるような量である、請求項22記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項37】
以下を含む、増幅反応の産物を検出する方法:
消泡剤を含有する混合物において増幅反応を行う段階;および
増幅反応の産物を検出する段階。
【請求項38】
消泡剤が、以下からなる群より選択される、請求項37記載の方法:
ケイ素-含有消泡剤、有機スルホン酸、ポリエーテル、フルオロカーボン、有機リン酸、アセチレングリコール、ポリイソブチレン化合物、ポリ(アクリル酸アルキル)化合物、ポリアルケンポリアミン、ポリアルキレンイミン化合物およびそれらのブレンド。
【請求項39】
消泡剤が、ケイ素-ベースの消泡剤である、請求項37記載の方法。
【請求項40】
消泡剤が、シリコーン-ベースの消泡剤である、請求項37記載の方法。
【請求項41】
消泡剤が、オルガノシロキサンポリマーである、請求項37記載の方法。
【請求項42】
消泡剤が、ジメチルポリシロキサンである、請求項37記載の方法。
【請求項43】
消泡剤が、Antifoam SE-15である、請求項37記載の方法。
【請求項44】
消泡剤が、ケイ素を含有しない、請求項37記載の方法。
【請求項45】
混合物は更に、HEPESを含有する、請求項37記載の方法。
【請求項46】
増幅産物が、蛍光標識されたプローブにより検出される、請求項37記載の方法。
【請求項47】
混合物が、マイクロ流体デバイス内にある、請求項37記載の方法。
【請求項48】
混合物中の消泡剤が、消泡剤の有効成分が、混合物中0.00001g/ml〜0.0001g/mlの濃度であるような量である、請求項37記載の方法。
【請求項49】
以下を含む、マイクロ流体デバイスの光学検出を改善する方法:
マイクロ流体デバイス中に消泡剤を含有する混合物を提供する段階;および
混合物の構成成分を検出する段階。
【請求項50】
消泡剤が、以下からなる群より選択される、請求項49記載の方法:
ケイ素-含有消泡剤、有機スルホン酸、ポリエーテル、フルオロカーボン、有機リン酸、アセチレングリコール、ポリイソブチレン化合物、ポリ(アクリル酸アルキル)化合物、ポリアルケンポリアミン、ポリアルキレンイミン化合物およびそれらのブレンド。
【請求項51】
消泡剤が、ケイ素-ベースの消泡剤である、請求項49記載の方法。
【請求項52】
消泡剤が、シリコーン-ベースの消泡剤である、請求項49記載の方法。
【請求項53】
消泡剤が、オルガノシロキサンポリマーである、請求項49記載の方法。
【請求項54】
消泡剤が、ジメチルポリシロキサンである、請求項49記載の方法。
【請求項55】
消泡剤が、Antifoam SE-15である、請求項49記載の方法。
【請求項56】
消泡剤が、ケイ素を含有しない、請求項49記載の方法。
【請求項57】
混合物中の消泡剤が、消泡剤の有効成分が、混合物中0.00001g/ml〜0.0001g/mlの濃度であるような量である、請求項49記載の方法。

【公表番号】特表2006−507002(P2006−507002A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555623(P2004−555623)
【出願日】平成15年11月20日(2003.11.20)
【国際出願番号】PCT/US2003/037436
【国際公開番号】WO2004/048931
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(500027334)
【Fターム(参考)】