説明

ポリ乳酸系樹脂組成物からなるフィルム

【課題】耐熱性と耐衝撃性が良好なポリ乳酸系フィルムを提供する。
【解決手段】ポリ乳酸系樹脂(A)10質量%以上50質量%以下と、ポリスチレン系樹脂(B)30質量%以上と、エラストマー(C)5質量%以上28質量%以下とを含む樹脂組成物からなるフィルムであって、該エラストマー(C)がスチレン系エラストマー、もしくはエステル系エラストマーあるいはこれらの混合物であることを特徴とするフィルムを作成することで、該フィルムの流れ方向に対して同方向(MD)における耐折強度と、垂直方向(TD)における耐折強度の比(MD/TD)が0.8〜5であり、垂直方向(TD)における耐折強度が少なくとも700回以上であることを特徴とするフィルムを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性及び耐衝撃性の良好な、ポリ乳酸系樹脂組成物からなるフィルム、該フィルムからなる熱成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルムは、耐水性、強度、成形性、強度の点で優れており、電化製品の筐体、包装材や容器として実に様々な用途に使用されている。なかでも飲料、食品、薬品、電化品、雑貨等の包装用容器として、フィルム成形された後に、真空成形法や圧空成形法によるいわゆる熱成形体として広く使用されている。
【0003】
しかし、石油由来原料からなるフィルムは燃焼時の発熱量が多く、燃焼処理中に燃焼炉を傷める恐れがある。さらに、近年、京都議定書に基づく排出二酸化炭素の削減や循環型材料導入の機運が高まる中でこれら石油由来原料からなるフィルムを焼却することは、その課題に反するものである。これら問題への対応としては、これらプラスチック類の積極的な再利用いわゆるマテリアルリサイクルやモノマーに解重合して再使用するケミカルリサイクルなどが行われているが、前段階での製品設計や種類ごとの分別が必要であり、PETボトル以外で大きな進展が見られないのが今日の現状である。
【0004】
これに対し、今注目され開発が進められているのがポリ乳酸からなる各種プラスチック製品である。ポリ乳酸は、植物から得られるデンプンから発酵・合成される技術が確立しており、その炭素源は大気中の二酸化炭素である。したがって、これらポリ乳酸からなるプラスチック製品を燃焼しても、自然環境中に還元されるものであって、大気中の二酸化炭素の増減は実質ないとみなすことができる。さらに燃焼熱量はポリエチレンの半分以下であり、また生分解性プラスチックとして土中・水中で自然に加水分解が進行し、次いで微生物により無害な分解物となる。現在、ポリ乳酸を用いて成形物、具体的にはフィルム、シートやボトルなどの容器等を得る研究がなされている。
【0005】
ポリ乳酸の無延伸フィルムは、伸びが数%しかなく、脆い材料である。このため、無延伸フィルムは、熱成形体としては形状にもよるが、そのままでは耐衝撃性がなく実用性が低い。
下記特許文献1及び2には、ポリ乳酸フィルムを、一軸延伸若しくは二軸延伸することにより伸びを増大させ、この延伸したフィルムを、さらに熱処理することで熱収縮性を抑制した実用性の高いフィルムにすることが開示されている。
これらポリ乳酸系延伸フィルムは、従来から使用されているポリオレフィン類やポリスチレン系、アクリル系、芳香族ポリエステルに代わって使用することが期待されており、プラスチックフィルムの全使用量から比べればほんのわずかではあるが使用されつつある。
【0006】
上記二軸延伸した熱処理フィルムは、使用するポリ乳酸の結晶性によるところもあるが、結晶化しているので、ポリ乳酸のガラス転移点である60℃を越える温度域であっても収縮は比較的低い。
【0007】
これに対し、無延伸ポリ乳酸フィルムもしくは、これからなる熱成形体は通常、熱処理することなく使用される。熱処理のない熱成形体は、この熱成形体、あるいは被包装体を含んだ形で、例えば、夏場の冷房のない運輸機(トラックや船体)内で、熱変形が生じる恐れがある。
このため、下記特許文献3には、無延伸ポリ乳酸のフィルム成形後、あるいはフィルムを熱成形体にした後に熱処理することで結晶化を促進させて、耐熱性の高いものに仕上げることが開示されている。しかし、成形後、熱処理する工程を設けたとしても、成形サイクルが低下し、生産性は著しく低下したものとなる。
これらの問題点を解消するため、下記特許文献4及び5には、ポリ乳酸よりもガラス転移点の高いポリマーを混合することが開示されている。
【0008】
また、無延伸ポリ乳酸フィルムあるいはこれからなる熱成形体の欠点としては、上述したとおり耐衝撃性が劣るという点がある。
下記特許文献6には、生分解性を阻害しないことを考慮して、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステル(特にガラス転移点が0℃以下の脂肪族ポリエステル)を混合することが開示されている。
【0009】
下記特許文献7〜9には、ポリ乳酸とゴム状弾性体いわゆるエラストマーとの混合、複合の例が開示されている。
【0010】
下記特許文献10には、ポリ乳酸よりもガラス転移点の高い石油由来樹脂ならびに相溶化剤としてエラストマーとの混合、複合の例が開示されている。
【0011】
【特許文献1】特開平6−256480号公報
【特許文献2】特開平7−207041号公報
【特許文献3】特開平9−12748号公報
【特許文献4】特開2005−60637号公報
【特許文献5】特開2005−264086号公報
【特許文献6】特開平9−272794号公報
【特許文献7】特開2005−187533号公報
【特許文献8】特開2005−226054号公報
【特許文献9】特開2005−264086号公報
【特許文献10】特開2005−248160号公報
【非特許文献1】「ポリマーアロイの開発と応用」(1997年初版発行、(株)シーエムシー出版発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、上記特許文献4又は5に開示されているようにガラス転移点が約90℃である耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)とポリ乳酸の混合物からなるフィルムを作製したところ、フィルムの縦方向(MD)には優れた物性を示すものの、横方向(TD)には脆いフィルムであることがわかった。
評価方法としては、フィルムの耐折強度をJIS P8115に基づいて測定するもので、これはフィルムを135°に折り曲げて、これを繰り返したときに何回目に破壊が生じるかを求めるものである。しかし、HIPS単独からなるフィルム、あるいはポリ乳酸単独からなるフィルムではMD、TDともそれぞれ30回以上の耐折強度をもつが、両者を混合したフィルムでは、MDには耐折強度が十分あるものの、TDには0〜1回しか耐えられないことがわかった。
これは、実用においてフィルムの横方向に少なからず外力が加わり、変形を生じたときには容易に破壊されることを表し、このフィルムから製造される熱成形体については、安心して使用できないことを現している。
また、上記特許文献4又は5で実施されている内容は、これら樹脂組成物の射出成形物での評価であり、必ずしも溶融押出したフィルムについての結果とは言い難いものである。
【0013】
上記のような、横方向における耐折強度の低下は、以下のような理由と考えられる。フィルムの成形は、押出機により溶融混練され、口金に導かれて、口金の間隙から平面状に引き取られて、口金の間隙よりも薄く引き取られながら冷却ドラムにて室温程度に冷却、固化される。このとき溶融樹脂は、粘性をもって流れ方向、すなわち縦方向に流動しているので、ポリマーのモルフォロジーは、この流れに沿って縦方向に配向しやすい。実際、得られたシートの透過電子顕微鏡による観察では、ポリスチレンの分散層とポリ乳酸の分散層が縦方向に並んでいることが観察されている(HIPSはブタジエンゴム成分を含んでおり、このポリスチレンのマトリックス中にゴム成分が分布していることも、あわせて観察できる)。この分散層の縦配向により、フィルムに応力が加わると、ポリスチレン分散層とポリ乳酸分散層との界面で亀裂が生じ、粘りなく容易に破壊されるものと推察される。
【0014】
特許文献6に開示されている発明は、生分解性に特にこだわらず、発生する二酸化炭素を全体として抑制すると考えるならば、植物由来の樹脂と石油由来樹脂との混合、複合による改質は、当然のように考えられる発想である。特に、脆さの欠点を補うため、もともと耐衝撃性の高い樹脂、とりわけ室温でゴム弾性を示す「エラストマー」との混合については、上記非特許文献1に例示されているように、日常的に行われている。
【0015】
特許文献7〜9に開示されている発明は、特に耐熱性の向上について改質するものでなく、実施についても比較的厚みをもった射出成形物を意識したものであり、押出しフィルムの改質に関するものではない。
【0016】
特許文献10に開示されている発明は、これら3種複合系についての耐衝撃性の向上については、十分にその効果を発現しているのか明確でない。また、本特許文献で示される耐熱性は、押出しフィルムの例ではなく、プレス成形したあとのプレス板の耐熱性である。実際、同様の実験を行い、得られたプレス板での熱成形(真空成形)を行ったが、成形体を得ることができなかった。
【0017】
そこで、本発明の目的は、ポリ乳酸系樹脂とポリスチレン系樹脂の欠点である耐熱性及び耐衝撃性を良好としたポリ乳酸系フィルムを得るとともに、該フィルムからなる熱成形体を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、下記(1)〜(7)の構成を採用するものである。
(1)ポリ乳酸系樹脂(A)10質量%以上50質量%以下と、ポリスチレン系樹脂(B)30質量%以上と、エラストマー(C)5質量%以上28質量%以下とを少なくとも含む樹脂組成物からなるフィルムであって、該エラストマー(C)がスチレン系エラストマー、もしくはエステル系エラストマーあるいはこれらの混合物であることを特徴とするフィルム。
(2)ポリ乳酸系樹脂(A)と、ポリスチレン系樹脂(B)と、エラストマー(C)とを少なくとも含む樹脂組成物からなるフィルムであって、該フィルムの流れ方向に対して同方向(MD)における耐折強度と、垂直方向(TD)における耐折強度の比(MD/TD)が0.8〜5であり、垂直方向(TD)における耐折強度が少なくとも700回以上であることを特徴とするフィルム。
(3)前記エラストマー(C)が、スチレン系エラストマー、もしくはエステル系エラストマーあるいはこれらの混合物であることを特徴とする(2)に記載のフィルム。
(4)前記スチレン系エラストマーが、スチレン系ブロックと共役ジエン系ブロックからなる共重合体であることを特徴とする(1)又は(3)に記載のフィルム。
(5)前記樹脂組成物は、さらに導電剤(D)を含むことを特徴とする請求項(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルム。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルムからなる熱成形用フィルム。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルムを用いて成形された熱成形体。
【0019】
なお、フィルムとは通常、狭義では100μm未満のものを称し、100μm以上のものをシートと称すことがある。しかしながら、実際のところ明確に定義されているものではなく、本発明では、これらを全てフィルムと称す。
【発明の効果】
【0020】
本発明のフィルムは、フィルムの流れ方向に対して同方向(MD)における耐折強度と、垂直方向(TD)における耐折強度の比(MD/TD)が0.8〜5であり、垂直方向(TD)における耐折強度が少なくとも700回以上であり、耐熱性及び耐衝撃性が良好なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明は、ポリ乳酸系樹脂(A)と、ポリスチレン系樹脂(B)と、エラストマー(C)とを少なくとも含む樹脂組成物から形成することができる。
【0022】
(ポリ乳酸系樹脂(A))
ポリ乳酸系樹脂(A)は、乳酸を主成分とするモノマーを縮重合してなる重合体である。上記乳酸には、2種類の光学異性体のL−乳酸およびD−乳酸があり、これら2種の構造単位の割合で結晶性が異なる。例えば、L−乳酸とD−乳酸の割合がおおよそ90:10〜10:90のランダム共重合体では結晶性が無く、ガラス転移点60℃付近で軟化する透明完全非晶性ポリマーとなる。一方、L−乳酸とD−乳酸の割合がおおよそ100:0〜90:10、又は10:90〜0:100のランダム共重合体は、結晶性を有する。その結晶化度は、上記のL−乳酸とD−乳酸の割合によって定まるが、この共重合体のガラス転移点は、上記と同様に60℃程度のポリマーである。このポリマーは、溶融押出した後、ただちに急冷することで透明性の優れた非晶性の材料になり、ゆっくり冷却することにより、結晶性の材料となる。例えば、L−乳酸のみ、また、D−乳酸のみからなる単独重合体は、180℃以上の融点を有する半結晶性ポリマーである。
【0023】
上記の特徴を有するポリ乳酸系樹脂(A)ではあるが、熱成形性を保持するには、フィルム中のポリ乳酸系樹脂の結晶化度が高すぎないことが重要である。また、フィルム製膜過程で、結晶化が進行するようであれば、生産ロットごとに結晶化度が異なり、得られたフィルムの熱成形性はまちまちなものとなり、安定した熱成形品を得ることができない。以上の点から、本用途ではポリ乳酸系樹脂のL−乳酸とD−乳酸の割合がおおよそ90:10〜10:90のランダム共重合体を使用することが好ましい。
【0024】
本発明にかかるポリ乳酸系重合体は、少量の共重合成分としてヒドロキシカルボン酸単位を含んでもよく、また少量の鎖延長剤残基を含んでもよい。
重合法としては、縮重合法、開環重合法等公知の方法を採用することができる。例えば、縮重合法では、L−乳酸又はD−乳酸あるいはこれらの混合物を直接脱水縮重合して、任意の組成を持ったポリ乳酸を得ることができる。
【0025】
また、開環重合法(ラクチド法)では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調節剤等を用いながら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸を得ることができる。
【0026】
ポリ乳酸系樹脂(A)に共重合される上記ヒドロキシカルボン酸単位としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
【0027】
また、必要に応じ、少量共重合成分として、テレフタル酸のような非脂肪族カルボン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオールや、乳酸及び/又は乳酸以外のヒドロキシカルボン酸を用いてもよい。
【0028】
本発明のポリ乳酸系樹脂(A)の重量平均分子量の好ましい範囲としては6万〜70万であり、より好ましくは8万〜40万、特に好ましくは10万〜30万である。分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現されず、大きすぎると溶融粘度が高すぎて成形加工性に劣るため、好ましくない。
【0029】
ポリ乳酸系樹脂(A)の代表的なものとしては、三井化学社製「レイシア」シリーズ、Nature Works社製「Nature Works」シリーズなどが挙げられる。
【0030】
(ポリスチレン系樹脂(B))
本発明のポリスチレン系樹脂(B)としては、種々のポリスチレン、あるいは、混合物を用いることができるが、その中でも特に、スチレン系重合体中に共役ジエン系炭化水素重合体粒子又はアクリルゴム粒子が分散された耐衝撃性ポリスチレンを用いることが好ましい。耐衝撃性ポリスチレン(以下、「HIPS」という)は、スチレン系重合体中に共役ジエン系炭化水素重合体粒子又はアクリルゴム粒子が分散したものであり、スチレン系重合体のもろさをゴム成分で改善したものである。スチレン系重合体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の単独重合体、及び、これらの成分からなる共重合体、さらにスチレン系炭化水素以外の共重合可能なモノマーを含む共重合体等が挙げられ、これらの混合物であってもよい。かかる共重合可能なモノマーとしては、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、クロロエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0031】
また、共役ジエン系炭化水素重合体粒子は、常温でゴム弾性を示すものであればよく、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等の単独重合体、それらの共重合体、共役ジエン系炭化水素以外の共重合可能なモノマー、例えばスチレンモノマーを含む共重合体等があり、熱可塑性エラストマーでもよい。HIPSの重合形態としては、ラジカル重合、アニオン重合等、通常の重合形態によればよい。
HIPSの代表的なものとしては、PSジャパン社製HIPSシリーズ、住友化学社製「スミブライトDJ」シリーズ等が挙げられる。
【0032】
(エラストマー(C))
本発明のエラストマー(C)としては、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマーなどを用いることができ、1種または2種以上の混合物を用いることができる。中でも、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマーあるいはこれらの混合物が好ましい。
【0033】
(スチレン系エラストマー)
スチレン系エラストマーとしては、スチレン成分とエラストマー成分からなり、スチレン成分を10質量%以上50質量%以下、好ましくは15質量%以上30質量%以下の割合で含有する樹脂を用いることができる。エラストマー成分としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン系炭化水素が挙げられ、より具体的にはスチレンとブタジエンとの共重合体(SBS)エラストマー、スチレンとイソプレンとの共重合体(SIS)エラストマー等が挙げられる。
スチレン系エラストマーの具体例としては例えばクラレ社製「ハイブラー」シリーズ等が挙げられる。
【0034】
また、前記スチレン系エラストマーとしては、SBSエラストマーやSISエラストマーに水素を添加した樹脂(SEBS、SEPS)を用いることもできる。水素を添加したエラストマーの具体例としては、例えば旭化成ケミカルズ社製「タフテックH」シリーズ等が挙げられる。
【0035】
スチレン系エラストマーとしては、エラストマー成分が多く含まれる変性スチレン系エラストマーを用いることもでき、中でもSEBS及びSEPSの変性体がより好ましく用いられる。具体的には、無水マレイン酸変性SEBS、無水マレイン酸変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPSなどが挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
変性スチレン系エラストマーの具体例としては、水添スチレン系熱可塑性エラストマーに反応性の高い官能基で変性したポリマーである旭化成ケミカルズ社製「タフテックM1943」やJSR社製「ダイナロン8630P」やエポキシ化熱可塑性エラストマーであるダイセル化学社製「エポフレンド」シリーズ等が挙げられる。
【0036】
(エステル系エラストマー)
エステル系エラストマーとしては、ハードセグメントとして高融点・高結晶性の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして非晶性ポリエステルや非晶性ポリエーテルのブロック共重合体が挙げられる。この具体例としては、三菱化学社製プリマロイA1800、A1900シリーズ等が挙げられる。
【0037】
(スチレン系エラストマーとエステル系エラストマーの混合物)
本発明のエラストマーとしては、上記スチレン系エラストマーと上記エステル系エラストマーを混合したものも含まれ、特許3381488号や特許3702704号に開示されている樹脂組成物にあたる。
この具体例としては、三菱化学社製プリマロイA1600、A1700シリーズ等が挙げられる。
【0038】
(導電剤(D))
本発明では、上記樹脂組成物に、さらに導電剤(D)を含ませることができる。
本発明の導電剤(D)としては、例えば、導電性カーボン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ノンジウムを用いることができる。これらは単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、成形性や成形後の抵抗率等の点から、導電性カーボンが好ましい。上記導電性カーボンとしては、例えば、ケッチェンブラックEC、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等をあげることができる。これらの中でも、少量の添加量で高い導電性が得られる点で、ケッチェンブラックECを用いることがより好ましい。ケッチェンブラックECを使用した場合、添加量が少量で済むため、フィルムの機械的性質の低下が少なくなる。
【0039】
上記導電剤(D)の平均粒子径は、0.001μm以上10μm以下であることが好ましく、0.005μm以上5μm以下であることがより好ましい。0.001μm未満では、樹脂中での分散性が悪く、10μmを超えると、得られるフィルムの機械物性、特に、耐折強度が低下する場合がある。
【0040】
導電剤(D)は、上記粒子タイプのもの以外に、ポリエーテルエステルアミド重合体、及び/又はポリオレフィンのブロックとポリオキシエチレン鎖を有するポリマーのブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合およびイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーを主成分とした、いわゆる永久帯電防止性ポリマーを含むことができる。
具体例としては、三洋化成工業社製の重合体である商品名「ペレスタット」等を挙げることができる。
【0041】
(配合)
ポリ乳酸系樹脂(A)の割合は、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、15質量%以上45質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがさらに好ましい。ポリ乳酸系樹脂(A)の割合が10質量%以上であれば、シートの剛性を十分に満たし、シートの物性の異方性が小さくなるので、熱成形性を十分に満たすことができる。また、50質量%以下であれば、熱成形性が低下することなく、また熱成形後の耐熱性や機械強度を十分に満たすことが可能である。
【0042】
ポリスチレン系樹脂(B)の割合は、ポリ乳酸系樹脂(A)とエラストマー(C)の含まれる割合から決定されるものであるが、ポリスチレン系樹脂(B)の比較的高い耐熱性を効果的に引き出すため、すなわち、熱成形したあとの耐熱性を得るためには、エラストマー存在下で30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上含まれていることが重要である。
【0043】
エラストマー(C)の割合は、5質量%以上28質量%以下であることが好ましく、さらに10質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。エラストマー(C)の割合が5質量%以上であれば、機械物性、特に、耐折強度を十分に満たすことができ、28質量%以下であれば、シートの剛性、ならびに熱成形性を十分に満たすことが可能である。
【0044】
導電剤(D)は、25質量%を越えない範囲であることが好ましく、得られたフィルムは、導電性フィルムあるいはこれより熱成形して得られた導電性成形体として用いることができる。
【0045】
本発明で用いられる樹脂には、諸物性を調整する目的で、熱安定剤、光安定剤、光吸収剤、滑剤、可塑剤、無機充填材、着色剤、顔料等の添加剤を混合することもできる。
また、フィルムの滑り性の向上や柔軟性を付与する目的で、ポリ乳酸との共重合成分として挙げた脂肪族ポリエステルもしくは脂肪族・芳香族ポリエステルの単独重合体を混合しても構わない。これらの重合体の重量平均分子量はおおよそ2万〜30万程度である。
【0046】
(製造方法)
本発明のフィルムの製造方法としては、特に制限されないが、通常用いられる溶融押出法を用いることが好ましい。かかる装置としては、単軸押出機、同方向二軸押出機あるいは異方向二軸押出機等が選択されるが、数種の樹脂を均一に混合、分散させるには同方向二軸押出機を使用するのが望ましい。同方向二軸押出機の使用で、合わせて押出しながら脱水・脱揮装置を備えた、いわゆるベント押出があるとより好ましい。これは、使用するポリ乳酸樹脂が、水分存在下で加水分解を起こし、分子量低下によりフィルム物性が低下する恐れがあるためである。
【0047】
また、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリスチレン系樹脂(B)、エラストマー(C)、導電剤(D)、及びその他添加剤を混合する方法としては、あらかじめ全て、もしくは一部の原料を混練してペレット化したもの、あるいは、全ての原料をドライブレンドして押出機に投入してもよい。この時、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリスチレン系樹脂(B)、エラストマー(C)、導電剤(D)、及びその他添加剤の配合比率によって樹脂の粘度が変化するため、混練条件は適宜調整する必要があるが、通常は樹脂温度として、180℃以上、250℃以下でシートの作製を行うことが好ましい。使用する口金としてはTダイ、Iダイ、丸ダイを使用し、これら押出したフラット状物又は円筒状物として引き取り、冷却キャストロールや水、圧空等により冷却し固化させる。
【0048】
(積層構成)
本発明は、フィルムを積層構成にしてもよい。その積層構成としては、主成分としてポリスチレン系樹脂(B)の割合が50質量%を超える層(第1層)と、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリスチレン系樹脂(B)およびエラストマー(C)が適度な割合で配合された層(第2層)の2層構成で、フィルム全体として請求項の範囲内でもつ積層フィルムとしてもよい。また、耐熱性の点で第1層を最外層にもつ第1層/第2層/第1層の3層構成にすることも可能であり、また、第1層/第2層/第1層/第2層/第1層の5層構成、及び第1層/第2層/第1層/第2層/・・・/第1層の多層構成でもよい。また、フィルムのカールを考慮しつつ第1層/第2層の2層構成、あるいは第1層/第2層/第1層/第2層の4層構成さらには第1層/第2層/・・・/第2層の多層構成でもよい。これらの最終の多層フィルムの最外層を構成する第1層の厚みは、1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上である。
また、耐衝撃性の点からのみでは、上記構成でも構わないし、さらに第1層と第2層の構成の順番を上記の逆にしたものでも構わない。
【0049】
さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で第1層/第2層間の各層の間に厚みが10μm以下、好ましくは5μm以下の接着剤層、接着用樹脂層、リサイクル樹脂層あるいは第1層と第2層の中間的な層を積層してもよい。
【0050】
積層する方法としては、通常に用いられる方法を採用することができる。例えば、複数の押出機からフィードブロック式あるいはマルチマニホールド式にひとつの口金に連結するいわゆる共押出をする方法、巻き出した混合フィルムの表面上に別種のフィルムをロールやプレス板を用いて加熱圧着する方法がある。
【0051】
フィルムの厚みは、特に制限するものではないが、10μm以上800μm以下、好ましくは15μm以上500μm以下、より好ましくは20μm以上400μm以下である。
【0052】
本発明のフィルムは、特に前処理をしなくてもラミネート、コーティング等は行えるが、必要であれば表面処理を行ってもよい。表面処理としては、物理的な粗面(凹凸)化処理、あるいは酸化処理等がある。粗面化処理の例としては、サンドブラスト処理、ヘアーライン加工処理がある。酸化処理の例としては、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線処理、クロム酸処理、火炎処理等が挙げられる。その他、有機溶剤処理がある。ポリ乳酸系重合体の結晶化度による耐溶剤性の差異を利用して、良溶媒・貧溶媒を調整して、本発明のフィルム表面を侵食して粗面化する方法もある。良溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、THF、MEK、DMF等があげられ、貧溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサン等がある。
【0053】
本発明のフィルムは、印刷されて飲料、食品、薬品、電化品、雑貨等の袋やケース等の包装材、またカード等の被記録材、販促・広告・ディスプレー用フィルムとして好適に使用されるものである。
また、特に、導電剤(D)を含むフィルムは、各種電子部品や、とりわけ光学用シートや液晶モジュール類の保護フィルムとして使用できる。
【0054】
上記の得られたフィルムは、熱成形用フィルムとして用いることができ、真空成形、圧空成形、プレス成形、プラグアシスト成形、CD成形などの熱成形法により、各種の成形体とすることができる。熱成形体は、各種の容器に用いられ、電子部品の搬送用のトレーやキャリアテープに有用である。
【実施例】
【0055】
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。まず、下記に、実施例及び比較例における物性測定方法を示す。
【0056】
(1)引張破断強度、引張破断伸度
JIS K7127に基づいて引張試験を行い、破断時の強度と伸びを測定した。試験サンプルには2号試験片を用い、引張速度100mm/minで5回測定し、その平均値を求めた。
【0057】
(2)引張弾性率
フィルムの長手方向(MD)に沿って長さ400mm程度、幅5mmの試験片を、ノッチや傷がつかないよう注意して鋭利な刃物で切り出した。この試験片を、インテスコ社製万能材料試験機MODEL205のつかみ具に距離300mmでチャックし、引張速度5mm/minにて試験片を引張り、JIS K7113の引張弾性率の項による方法で求めた。試験雰囲気温度は23℃である。
【0058】
(3)耐折強度
ASTM D2176に基づき、長さ120mm、幅15mm、厚さ0.3mmの試験片を作製し、東洋精機製作所製MIT耐折疲労試験機を用いてMD、TD両方向についてMIT耐折強度の測定を行った。この時、折り曲げ角度135度、折り曲げ速度175cpm、測定荷重9.8Nにて試験を行った。
【0059】
(4)熱成形性
幅210mmにスリットし、内径76mm、外径96mmの巻芯に巻きつけた長さが10m以上あるフィルムを圧空成形機FBP200U(シーケーディー株式会社製)で、流れ方向4個×幅方向10個の面つけの金型を使用し、間欠送り式での圧空成形を行った。本装置は、上下の加熱板(テフロン加工され、フィルムと粘着しないようにしている)で挟みこみながらシートを加熱、次に温度25℃に設定した金型を押し当て、圧空ブロー・真空吸引にて成形品を得た。加熱板の設定温度は、上下とも115〜130℃の範囲で調整し、ブローエアー圧力は0.4MPa、プラグアシストは使用せず、シートの送り速度は50m/minの条件にて実施した。金型どおりに成形できたものを○、できないものを×と表記した。(※テフロンは登録商標です。)
【0060】
(5)成形品の耐熱性
上記(4)にて得た成形品をポリ乳酸のガラス転移温度よりもやや高めである65℃に設定した熱風オーブン中に約30分間放置し、成形した部分の変形がほとんど認められないものを○、変形が著しく認められるものを×と表記した。
【0061】
(6)フィルムの表面抵抗率
JIS K7194に基づき、表面抵抗測定器ロレスターHP(三菱化学(株)製、型式:MCP−T410)を用いてフィルムのキャスト側およびその反対面の測定を、実施例中のカーボンブラック配合フィルムのみ実施した。
【0062】
(7)総合評価
上記(1)〜(5)の評価結果より、総合的に良好なものを○、良くないものを×と表記した。
【0063】
次に、本発明の実施例及び比較例に用いた各原料を以下に示す。
(ポリ乳酸系樹脂(A))
A−1:NatureWorks社製NatureWorks 4060D
(D乳酸の割合:11.5質量%)
A−2:NatureWorks社製NatureWorks 4042D
(D乳酸の割合:4.3質量%)
(ポリスチレン系樹脂(B))
B−1:PSジャパン社製475D(HIPS)
(エラストマー(C))
C−1:クラレ社製ハイブラー5125(SIS)
C−2:クラレ社製ハイブラー7125(SIS)
C−3:三菱化学社製プリマロイA1700N(ポリブチレンテレフタレート・ポリテトラメチレングリコールエーテル・スチレン共重合体)
C−4:旭化成ケミカルズ社製タフテックH1041(SEBS)
C−5:三井デュポンポリケミカル社製エバフレックスEV45LX(エチレン−酢酸ビニル共重合体)
C−6:日本油脂社製モディパーA4200((メタ)アクリル−エチレングリコールメタクリレートグラフト共重合体)
C−7:住友化学社製ボンドファーストBF−7M(エチレン−アクリル酸メチル−グリシジルジメタクリエート共重合体)
(導電剤(D))
D−1:インターナショナル社製ケッチェンブラックEC
【0064】
(実施例1)
ポリ乳酸系樹脂(A)としてA−1、ポリスチレン系樹脂(B)としてB−1、及び、エラストマー(C)としてC−1を質量比25/65/10の割合で混合し、L/D=38、φ25mm同方向二軸押出機((株)テクノベル製)に供給し、約210℃の樹脂温度になるよう溶融混練してストランド状に吐出した後、水冷し、ペレタイザーでペレット状に粉砕し、原料ペレットを得た。
【0065】
上記のペレットをL/D=26、φ40mmの単軸押出機(モダンマシナリー(株)製に供給し、リップ幅400mm、ギャップ0.7mmのTダイから樹脂温度が210℃に設定して押し出し、温度60℃に設定したキャストロールにて約300μm(厚みの厚薄300±20μm)のフィルムを得た。このとき(内側が冷水循環している)シリコーンゴムロールをキャストロール面とは反対面に接触させてフィルムの引き取りを安定させた。得られたフィルムについて、引張破断強度、引張破断伸度、引張弾性率、熱成形性および得られた熱成形品の耐熱性の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0066】
(実施例2〜7、比較例1〜11)
実施例2〜7、および比較例1〜11については、表1及び2に示す樹脂を使用し、実施例1と同様にしてフィルムを得た。なお、フィルムを得るときのキャスト温度は、フィルムに厚みむら等が起らないよう、60〜90℃の温度範囲で適宜設定した。なお、比較例1及び2については、単一原料のみの使用であるので、一旦溶融混練することなく、フィルムを得た。得られたフィルムについて、引張破断強度、引張破断伸度、引張弾性率、熱成形性および得られた熱成形品の耐熱性の測定を行った。その結果を表1及び2に示す。
【0067】
(実施例7)
ポリ乳酸系樹脂(A)としてA−1、ポリスチレン系樹脂(B)としてB−1、及び、エラストマー(C)としてC−1を、さらに導電剤としてD−1を質量比25/60/10/5の割合で混合し、L/D=38、φ25mm同方向二軸押出機に供給し、約215℃の樹脂温度になるよう溶融混練してストランド状に吐出した後、水冷し、ペレタイザーでペレット状に粉砕し、原料ペレットを得た。
【0068】
後は、実施例1と同様にし、キャスト温度70℃にてフィルムを得た。本フィルムの評価結果を表1に示す。また、フィルムの表面抵抗をJIS K7194の方法で測定した結果、キャスト側の表面抵抗が8.5×10Ω、キャスト面とは反対側の表面抵抗は9.2×10Ωであり、良好な導電性を示す結果であった。これは、電子部品の搬送用のトレーやキャリアテープに有用であることを示すものである。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
(結果)
実施例1〜7のフィルムは、耐折強度は実用上問題なく、また、これから成形した熱成形品の耐熱性も実用上問題なかった。これに対し、比較例1〜7,9及び11のフィルムは、耐折強度、特にTD方向の耐折強度がなく、比較例8,10のフィルムは、耐折強度は比較的良好であるが、耐熱性がなく熱成形品を作成することができず、実用できるものではなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ乳酸系樹脂(A)10質量%以上50質量%以下と、ポリスチレン系樹脂(B)30質量%以上と、エラストマー(C)5質量%以上28質量%以下とを少なくとも含む樹脂組成物からなるフィルムであって、該エラストマー(C)が、スチレン系エラストマー、もしくはエステル系エラストマーあるいはこれらの混合物であることを特徴とするフィルム。
【請求項2】
ポリ乳酸系樹脂(A)と、ポリスチレン系樹脂(B)と、エラストマー(C)とを少なくとも含む樹脂組成物からなるフィルムであって、該フィルムの流れ方向に対して同方向(MD)における耐折強度と、垂直方向(TD)における耐折強度の比(MD/TD)が0.8〜5であり、垂直方向(TD)における耐折強度が少なくとも700回以上であることを特徴とするフィルム。
【請求項3】
前記エラストマー(C)が、スチレン系エラストマー、もしくはエステル系エラストマーあるいはこれらの混合物であることを特徴とする請求項2に記載のフィルム。
【請求項4】
前記スチレン系エラストマーが、スチレン系ブロックと共役ジエン系ブロックからなる共重合体であることを特徴とする請求項1又は3に記載のフィルム。
【請求項5】
前記樹脂組成物は、さらに導電剤(D)を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムからなる熱成形用フィルム。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムを用いて成形された熱成形体。

【公開番号】特開2009−96949(P2009−96949A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272229(P2007−272229)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】