説明

ポンプ

【課題】空気などのように粘性の低い流体を高圧力で送給する一方で、この送給手段をできるだけ小型化可能なダイアフラム型のポンプを提供する。
【解決手段】送給管と送出管とを接続して、送給管から送給された流体を送出管から送出するポンプにおいて、送給管及び送出管とそれぞれ一方向弁を介して連通して流体を一時的に貯留する貯留室を備えたハウジングと、貯留室に面して配置して進退駆動させることにより送給管から流体を貯留室に吸引した後に送出管に押出する振動板と、この振動板を進退駆動させる駆動部とを備え、振動板には外周縁に沿ってリング状のチューブを設け、このチューブを介して振動板をハウジングに装着し、チューブを弾性変形させることにより振動板を進退させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイアフラムポンプのダイアフラムの換わりに板状の振動板を進退駆動させて流体の送給を行うダイアフラム型のポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、流体物の送給の駆動源としてダイアフラムポンプがよく用いられている。このようなダイアフラムポンプでは、ダイアフラムポンプの外枠を構成するハウジングに流体を一時的に貯留する貯留室を設けるとともに、この貯留室に面してダイアフラムを設けており、さらに、一方向弁を介して貯留室と送給管及び送出管をそれぞれ接続している。
【0003】
そして、ダイアフラムが弾性変形して貯留室に対して後退状態となることにより、貯留室内の圧力を低下させて送給管から貯留室内に流体を吸引し、ダイアフラムが貯留室に対して進出状態となるように弾性変形することにより、ダイアフラムによって貯留室内の流体を送出管に吐出させており、この動作を繰り返すことにより流体を断続的に吐出可能としている。
【0004】
ダイアフラムを進退駆動させる駆動手段としては、ダイアフラムの中央部にクランク軸を接続して、このクランク軸を進退駆動させたり(例えば、特許文献1参照。)、あるいはダイアフラムの中央部に磁石を装着して、磁極を交互に切り替える電磁石で磁石をリニア駆動させたり(例えば、特許文献2参照。)することによって駆動させる駆動手段が知られている。
【0005】
このようなダイアフラム型のポンプでは、弾性体で構成したダイアフラムを弾性変形させることによりポンプとしての機能を果たすようにしているが、ダイアフラムには剛性が比較的高い材料が用いられる場合が多く、弾性変形させにくく、ダイアフラムを弾性変形させるために大きな駆動力を必要とすることとなっていた。
【0006】
そこで、昨今では、ダイアフラムの外周縁を固定したフレーム体に沿って、ダイアフラムにはリング状に変形抵抗を低減させた容変形領域を設け、ダイアフラムを弾性変形させやすくすることにより比較的小さい駆動力で駆動可能とすることが行われている。
【0007】
容変形領域では、ダイアフラムの肉厚を小さくすることにより変形抵抗を低減させたり、あるいは、ダイアフラムの断面形状を円弧形状とすることにより変形代を設けて変形抵抗を低減させたりすることが行われている。
【特許文献1】特開2004−257337号公報
【特許文献2】特開2004−060641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記したようにダイアフラムに容変形領域を設けダイアフラムを弾性変形させやすくした場合には、流体の吐出圧を高めるために貯留室内の流体の圧力を高くした際に、貯留室から流体を押し出すように貯留室側に進出していたダイアフラムの容変形領域に後退方向に向けて膨出する変形が生じるおそれがあった。
【0009】
このような逆方向の変形がダイアフラムに生じた場合には、流体の吐出量が低下することとなり、本来の性能が発揮できなくなるだけでなく、ダイアフラムが破損しやすくなるので、ダイアフラムに駆動方向とは逆方向への変形が生じない条件下でダイアフラムポンプを使用することとなり、高い吐出圧が得られにくいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明のポンプでは、送給管と送出管とを接続して、送給管から送給された流体を送出管から送出するポンプにおいて、送給管及び送出管とそれぞれ一方向弁を介して連通して流体を一時的に貯留する貯留室を備えたハウジングと、貯留室に面して配置して進退駆動させることにより送給管から流体を貯留室に吸引した後に送出管に押出する振動板と、この振動板を進退駆動させる駆動部とを備え、振動板には外周縁に沿ってリング状のチューブを設け、このチューブを介して振動板をハウジングに装着し、振動板を進退させることとした。
【0011】
さらに、本発明のポンプでは、以下の点にも特徴を有するものである。すなわち、
(1)チューブ内の圧力を貯留室内の流体の圧力と同じ、または貯留室内の流体の圧力よりも高くしていること。
(2)チューブには外周縁に沿って外側方に突出させたフランジを設けるとともに、ハウジングにはフランジと嵌合する嵌合溝を設けて、この嵌合溝とフランジとを嵌合させて振動板をハウジングに装着したこと。
(3)ハウジングには、内周面に沿って内側に向けて突出させたリング状の第1支持壁と第2支持壁と所定間隔を隔てて互いに平行に設け、この第1支持壁と第2支持壁との間にチューブを嵌め入れることにより振動板を前記ハウジングに装着したこと。
(4)チューブには、内部に流体を注入して圧力を調整するための流体注入手段を設けたこと。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、送給管と送出管とを接続して、送給管から送給された流体を送出管から送出するポンプにおいて、送給管及び送出管とそれぞれ一方向弁を介して連通して流体を一時的に貯留する貯留室を備えたハウジングと、貯留室に面して配置して進退駆動させることにより送給管から流体を貯留室に吸引した後に送出管に押出する振動板と、この振動板を進退駆動させる駆動部とを備え、振動板には外周縁に沿ってリング状のチューブを設け、このチューブを介して振動板をハウジングに装着し、振動板を進退させることによって、振動板に進退駆動の駆動方向と逆方向の膨出変形が生じることを抑制でき、高吐出圧のポンプを提供することができる。しかも、チューブを介して振動板をハウジングに装着していることによって、進退駆動する振動板の移動量を大きくすることができ、大きな吐出量を得ることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のポンプにおいて、チューブ内の圧力を貯留室内の流体の圧力と同じ、または貯留室内の流体の圧力よりも高くしていることによって、貯留室内の流体の圧力によってチューブの弾性変形が阻害されることを防止でき、貯留室の気密状態を維持しながら振動板を安定的に進退駆動させることができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載のポンプにおいて、チューブには外周縁に沿って外側方に突出させたフランジを設けるとともに、ハウジングにはフランジと嵌合する嵌合溝を設けて、この嵌合溝とフランジとを嵌合させて振動板をハウジングに装着したことによって、振動板の進退動作にともなって振動板の両側面にそれぞれ生じた圧力の差によってチューブがハウジング内を滑り、振動板の位置ズレが生じることを防止できるとともに、振動板のハウジングへの装着作業を極めて容易に行うことができ、ポンプのメンテナンス性を向上させることができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載のポンプにおいて、ハウジングには、内周面に沿って内側に向けて突出させたリング状の第1支持壁と第2支持壁と所定間隔を隔てて互いに平行に設け、この第1支持壁と第2支持壁との間にチューブを嵌め入れることにより振動板を前記ハウジングに装着したことによって、振動板の進退動作にともなって振動板の両側面にそれぞれ生じた圧力の差によってチューブがハウジング内を滑り、振動板の位置ズレが生じることを防止できるとともに、振動板のハウジングへの装着作業を極めて容易に行うことができ、ポンプのメンテナンス性を向上させることができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、請求項2記載のポンプにおいて、チューブには、内部に流体を注入して圧力を調整するための流体注入手段を設けたことによって、チューブ内の圧力を容易に調整でき、振動板を安定的に進退駆動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のポンプは、空気などのように粘性が低い流体に所定の圧力を加えて送給するポンプであって、いわゆるダイアフラムポンプを高吐出圧化したポンプである。
【0018】
すなわち、本発明のポンプでは、一般のダイアフラムポンプと同様に、送給管及び送出管とそれぞれ一方向弁を介して連通して流体を一時的に貯留する貯留室を備えたハウジングと、貯留室に面して配置して進退駆動させることにより送給管から流体を貯留室に吸引した後に送出管に押出する振動体と、この振動体を進退駆動させる駆動部とを備えているものである。
【0019】
そして、一般のダイアフラムポンプでは振動体を薄膜状のダイアフラムで構成しているのに対し、本発明では剛性のより高い板体で構成して振動板としている。
【0020】
さらに、振動板には外周縁に沿ってリング状のチューブを設け、このチューブを介して振動板をハウジングに装着するとともに、チューブを弾性変形させながら振動板を進退させているものである。
【0021】
このように従来のダイアフラムに換えて外周縁にチューブを設けた振動板を用いることにより、貯留室内の圧力によって振動板が変形することを防止でき、高吐出圧のポンプを提供することができる。
【0022】
なお、貯留室内の圧力はチューブにも作用するが、チューブ内に充填されている流体の圧力によってチューブの一側面に作用した圧力が全体に分散されることにより、チューブの弾性変形を阻害されにくくすることができ、振動板を安定的に進退させることができる。
【0023】
特に、チューブは中空として、内部圧力を貯留室内の流体の圧力と同じ、または貯留室内の流体の圧力よりも高くしておくことにより、貯留室内の流体の圧力によってチューブの弾性変形が阻害されることを防止でき、振動板を安定的に進退駆動させることができる。なお、ここで、チューブの内部圧力が貯留室内の流体の圧力と同じとは、完全一致の場合のみに限定しているものではなく、ほぼ同じ圧力ということであって、多少の誤差を許容するものである。
【0024】
チューブは、その構成材料自体はゴムなどの高弾性の材料で形成することにより、従来のダイアフラムよりも耐久性を向上させることができ、ポンプの長寿命化を図ることができる。
【0025】
なお、チューブは、内圧によって大きく膨張しない方が望ましく、内圧によってチューブに大きな膨張が生じないようにチューブの肉厚寸法を選択することが望ましい。あるいは、チューブはゴムなどの弾性材料による単層構造とするだけでなく、異種の弾性材料や、チューブの膨張を抑制する布などの補強シートを積層させた積層構造としてもよく、さらには、チューブの表面には流体との反応を抑制するために所要のコーティングを施して保護膜を形成してもよい。
【0026】
さらに、チューブには外周縁に沿って外側方に突出させたフランジを設けるとともに、ハウジングにはフランジと嵌合する嵌合溝を設けて、この嵌合溝とフランジとを嵌合させて振動板をハウジングに装着することにより、チューブがハウジング内を滑ることによる振動板の位置ズレが生じることを防止できるとともに、振動板のハウジングへの装着作業を極めて容易に行うことができ、ポンプのメンテナンス性を向上させることができる。
【0027】
または、ハウジングには、内周面に沿って内側に向けて突出させたリング状の第1支持壁と第2支持壁と所定間隔を隔てて互いに平行に設け、この第1支持壁と第2支持壁との間にチューブを嵌め入れることにより振動板を前記ハウジングに装着したことによって、チューブがハウジング内を滑ることによる振動板の位置ズレが生じることを防止できるとともに、振動板のハウジングへの装着作業を極めて容易に行うことができ、ポンプのメンテナンス性を向上させることができる。
【0028】
以下において、図面に基づいて本発明の実施形態を詳説する。図1及び図2は、第1実施形態のポンプP1の縦断面模式図である。
【0029】
本実施形態のポンプP1は、貯留室11を備えたハウジング10と、貯留室11に面するようにハウジング10内に設けた振動板20と、この振動板20を進退駆動させる駆動部30とで構成している。
【0030】
ハウジング10は、本実施形態ではテフロン(登録商標)製であって、略矩形体状としたハウジング10に扁平球形状の空洞12を形成するとともに、この空洞12の一部を外部に連通させて振動板挿入口13を形成している。
【0031】
さらに、ハウジング10には、流体が送給される送給管41と連通した送給流路14と、流体が送出される送出管42と連通した送出流路15とを振動板挿入口13と対向させて設けており、送給流路14には所定方向に流体を送通させる送給側一方向弁16を中途部に配設して、送出流路15にも所定方向に流体を送通させる送出側一方向弁17を中途部に配設している。
【0032】
図1及び図2中、43は送給管をハウジング10に連結するための送給管連結ソケットであり、44は送出管をハウジング10に連結するための送出管連結ソケットである。
【0033】
振動板20は、ハウジング10の空洞12内に挿入可能とした板体であって、本実施形態ではテフロン(登録商標)製の板体で構成している。
【0034】
振動板20には、外周縁に沿ってリング状にチューブ21を装着している。チューブ21は、本実施形態ではゴム製の中空筒体で構成しており、内部に空気を注入して所定の空気圧状態としている。チューブ21内には、空気を注入する場合だけでなく、たとえば窒素ガスを注入してもよいし、所要の粘性を有する液体を注入してもよい。
【0035】
さらに、チューブ21には、外周縁に沿って外側方に突出させたフランジ22を設けている。このフランジ22は、振動板20をハウジング10に装着するために用いるものであって、ハウジング10の空洞12の内周面には、フランジ22を嵌合させる嵌合溝18を設けており、この嵌合溝18とフランジ22とを嵌合させて振動板20をハウジング10に装着している。
【0036】
このように振動板20をハウジング10に装着することによって、振動板20とハウジング10とで囲まれた貯留室11を構成でき、しかも、この貯留室11には送給流路14を介して送給管41を連通連結するとともに、送出流路15を介して送出管42を連通連結することができる。
【0037】
本実施形態では、振動板20には、中央部において連結ソケット23を介して進退ロッド31を装着している。
【0038】
この進退ロッド31には中途部に磁石M1を装着しており、この磁石M1の周囲に電磁石M2を配置して、この電磁石M2に図示しない交流電流源を接続して交流電流を通電することにより進退ロッド31を進退駆動させている。これが本実施形態における駆動部30である。
【0039】
この駆動部30によって振動板20を振動板挿入口13側に移動させることにより、貯留室11内の圧力が低下して、図1に示すように、送給流路14の送給側一方向弁16は開弁状態となるとともに、送出流路15の送出側一方向弁17は閉弁状態となって送給管41から貯留室11内に流体が吸引される。
【0040】
次いで、駆動部30によって振動板20を振動板挿入口13と反対側に移動させることにより、貯留室11内の圧力が上昇して、図2に示すように、送給流路14の送給側一方向弁16は閉弁状態となるとともに、送出流路15の送出側一方向弁17は開弁状態となって貯留室11内の流体を送出管42に吐出することができる。
【0041】
このように駆動部30によって振動板20を進退駆動させることにより、流体を吐出することができる。
【0042】
特に、本実施形態のポンプP1では、剛性を有する板体で振動板20を構成していることにより、振動板20自体が弾性変形することがなく、振動板20には進退駆動の駆動方向とは逆方向の膨出変形が生じることを抑制できるので、ポンプP1の吐出圧が小さくなることを抑制できる。
【0043】
しかも、本実施形態のポンプP1では、振動板20ではなく、振動板20の外周縁に設けたチューブ21を弾性変形させて振動板20を進退させることによって、進退駆動する振動板20の移動量を大きくすることができ、大きな吐出量及び吐出圧力を得ることができる。具体的には、通常のダイアフラムポンプの数倍の吐出圧力とすることができる。
【0044】
本実施形態では、チューブ21は、内部の圧力を、貯留室11内の流体の圧力よりも高くしていることによって、チューブ21の外側面を貯留室11側に膨れ出させた形状に変形させることができ、貯留室11内の流体の圧力によって変形することを防止できるので、振動板20を安定的に進退駆動させることができる。なお、チューブ21の内部の圧力は、必ずしも貯留室11内の流体の圧力よりも高くなっている必要はなく、最低でも、貯留室11内の流体の圧力とほぼ同じ圧力となっていればよい。
【0045】
また、チューブ21の内部の圧力を調整することによって、チューブ21の断面形状の変形の程度を調整できるので、吐出量及び吐出圧力などのポンプ性能に合わせて調整可能とすることができる。
【0046】
このチューブ21には、上記したように、外周縁に沿って外側方に突出させたフランジ22を設けていることにより、このフランジ22をハウジング10に設けた嵌合溝18に嵌合させることにより、振動する振動板20に生じる圧力差によってチューブ21がハウジング10内を滑り、振動板20の位置ズレが生じることを防止できるとともに、振動板20をハウジング10に極めて容易に装着可能としている。
【0047】
上記した実施形態のポンプP1では、進退ロッド31の一端に振動板20を装着しているが、進退ロッド31の両端にそれぞれ振動板20を装着してもよい。
【0048】
以下において、図3及び図4に基づいて、第2実施形態のポンプP2を説明する。図3及び図4は、第2実施形態のポンプP2の縦断面模式図である。
【0049】
本実施形態のポンプP2は、第1ハウジング50と第2ハウジング60とを振動板70を挟んで螺合させることにより、第1ハウジング50と振動板70とで囲まれた第1貯留室51を形成するとともに、第2ハウジング60と振動板70とで囲まれた第2貯留室61を形成して、振動板70を挟んで第1貯留室51と第2貯留室61を設けている。
【0050】
本実施形態では、振動板70は後述するように磁石で構成し、第1ハウジング50及び第2ハウジング60には、振動板70の磁極と相互作用する第1電磁石52及び第2電磁石62をそれぞれ装着し、この第1電磁石52及び第2電磁石62にそれぞれ図示しない交流電流源を接続して交流電流を通電することにより変動する磁場を生成し、この変動する磁場と振動板70の磁石との相互作用によって振動板70を進退駆動させる駆動部80を構成している。
【0051】
第1ハウジング50は、本実施形態ではテフロン(登録商標)製であって、円柱状とした第1ハウジング50の上面には扁平半球形状とした第1凹部53を形成するとともに、第1ハウジング50の下面には第1電磁石52を装着するリング状とした第1装着溝54を形成している。
【0052】
さらに、第1ハウジング50の下面中央部分には、流体が送給される第1送給管91と第1貯留室51とを連通連結する第1送給流路55と、流体が送出される第1送出管92と第1貯留室51とを連通連結する第1送出流路56とを設けており、第1送給流路55には所定方向に流体を送通させる第1送給側一方向弁57を中途部に配設して、第1送出流路56にも所定方向に流体を送通させる第1送出側一方向弁58を中途部に配設している。
【0053】
しかも、第1ハウジング50の上面側の周面部分には、第2ハウジング60と螺合するための雄ネジ部59を形成している。
【0054】
第2ハウジング60もテフロン(登録商標)製であって、円柱状とした第2ハウジング60の上面には扁平半球形状とした第2凹部63を形成するとともに、第2ハウジング60の下面には第2電磁石62を装着するリング状とした第2装着溝64を形成している。
【0055】
さらに、第2ハウジング60の下面中央部分には、流体が送給される第2送給管93と第2貯留室61とを連通連結する第2送給流路65と、流体が送出される第2送出管94と第2貯留室61とを連通連結する第2送出流路66とを設けており、第2送給流路65には所定方向に流体を送通させる第2送給側一方向弁67を中途部に配設して、第2送出流路66にも所定方向に流体を送通させる第2送出側一方向弁68を中途部に配設している。
【0056】
しかも、第2ハウジング60の上面側の周面部分には、第1ハウジング50の雄ネジ部59と螺合するための雌ネジ部69を形成している。
【0057】
図3及び図4中、95は第1送給管91を第1ハウジング50に連結するための第1送給管連結ソケットであり、96は第1送出管92を第1ハウジング50に連結するための第1送出管連結ソケットである。また、97は第2送給管93を第2ハウジング60に連結するための第2送給管連結ソケットであり、98は第2送出管94を第2ハウジング60に連結するための第2送出管連結ソケットである。
【0058】
振動板70は、本実施形態では薄板状とした磁石を積層した積層板で構成している。薄板状の磁石を積層することで、脆性が高い磁石の保護を図っている。なお、磁石を保護するために、所要の磁石板をテフロン(登録商標)製のシートで被覆して振動板としてもよいし、テフロン(登録商標)製の板体で振動板を構成して、この振動板の所要の位置に磁石を埋設してもよい。
【0059】
振動板70には、外周縁に沿ってリング状にチューブ71を装着している。本実施形態では、チューブ71は、リング状としたスペーサ71aと、内側縁を振動板70の第1貯留室51側の外周縁に接合するとともに外側縁をスペーサ71aに接合した第1リング状シート71bと、内側縁を振動板70の第2貯留室61側の外周縁に接合するとともに外側縁をスペーサ71aに接合した第2リング状シート71cとで構成している。
【0060】
特に、第1リング状シート71bは、テフロン(登録商標)製の薄膜状のシートで、しかも、第1貯留室51側に向けて膨出させた膨出形状としている。また、第2リング状シート71cも、テフロン(登録商標)製の薄膜状のシートで、しかも、第2貯留室61側に向けて膨出させた膨出形状としている。
【0061】
このように、第1リング状シート71bと第2リング状シート71cを膨出形状としたシートで構成してチューブ71を形成することにより、後述する振動板70の進退駆動においてチューブ71の弾性変形が阻害されることを防止できるので、振動板70を安定的に進退駆動させることができる。
【0062】
チューブ71の内部は、単に空気を注入しておくだけでなく、第1貯留室51及び第2貯留室61における流体の圧力と同等以上の圧力とした加圧状態としておくことにより、チューブ71の弾性変形をより安定的に行わせることができる。
【0063】
特に、チューブ71の内部は単に空気を注入するだけでなく、窒素ガスを注入してもよいし、所要の粘性を有する液体を注入してもよい。
【0064】
第1リング状シート71b及び第2リング状シート71cは、それぞれ外周縁をリング状のスペーサ71aに接合していることによって、このスペーサ71aによってチューブ71の外周縁に沿って外側方に突出させたフランジ72を形成している。
【0065】
このフランジ72は、振動板70を第1ハウジング50と第2ハウジング60とで固定装着するために用いるものであり、第1ハウジング50には、第1貯留室51の端縁に沿って第1嵌合溝用凹部76を設けるとともに、第2ハウジング60には、第2貯留室61の端縁に沿って第2嵌合溝用凹部77を設けて、第1ハウジング50と第2ハウジング60とを螺合した際に第1嵌合溝用凹部76と第2嵌合溝用凹部77とで嵌合溝を形成し、この嵌合溝内にフランジ72を収容している。
【0066】
特に、本実施形態では、スペーサ71aはゴム製として、第1ハウジング50と第2ハウジング60との気密性をたかめるためのパッキンとしても用いており、第1貯留室51及び第2貯留室61の気密性を高めることができる。
【0067】
このように構成したポンプP2において、駆動部80では、第1ハウジング50に装着した第1電磁石52と、第2ハウジング60に装着した第2電磁石62とを交流電流源によって連動させて変動する磁場を生成し、この変動する磁場と振動板70の磁石との相互作用によって振動板70を進退駆動させている。
【0068】
そして、図3に示すように、振動板70を第2ハウジング60側に移動させることにより、第1貯留室51内の圧力を低下させて第1送給流路55の第1送給側一方向弁57は開弁状態とするとともに、第1送出流路56の第1送出側一方向弁58を閉弁状態として第1送給管91から第1貯留室51内に流体を吸引している。
【0069】
さらに、同時に、第2貯留室61内の圧力を上昇させて、第2送給流路65の第2送給側一方向弁67は閉弁状態とするとともに、第2送出流路66の第2送出側一方向弁68は開弁状態として第2貯留室61内の流体を第2送出管94に吐出している。
【0070】
次いで、振動板70を第1ハウジング50側に移動させることにより、第1貯留室51内の圧力を上昇させて第1送給流路55の第1送給側一方向弁57は閉弁状態とするとともに、第1送出流路56の第1送出側一方向弁58を開弁状態として第1貯留室51内の流体を第1送出管92に吐出している。
【0071】
さらに、同時に、第2貯留室61内の圧力を低下させて、第2送給流路65の第2送給側一方向弁67は開弁状態とするとともに、第2送出流路66の第2送出側一方向弁68は閉弁状態として第2送給管93から第2貯留室61内に流体を吸引している。
【0072】
このように駆動部80によって振動板70を進退駆動させることにより、流体を吐出することができる。特に本実施形態のポンプP2では、第1貯留室51と第2貯留室61とから交互に流体を吐出することができ、第1貯留室51と第2貯留室61に同一の流体を送給するようにしていた場合には、吐出間隔を半減させることができるので吐出された流体に脈動が生じることを抑制できる。
【0073】
また、第1貯留室51と第2貯留室61は、振動板70を挟んで並設していることによって、ポンプP2の小型化を図ることができる。
【0074】
振動板70の外周縁に形成するチューブ71は、上記したスペーサ71aと、第1リング状シート71bと、第2リング状シート71cとで構成したものに限定するものではなく、第1貯留室51内の流体の圧力、及び第2貯留室61内の流体の圧力に抗することができればどのように構成してもよく、たとえば図5(a)に示すように、リング状に形成したチューブからなるリング状チューブ71-1で構成してもよいし、図5(b)に示すように、断面が円形となるリング71-2で構成してもよい。特に、リング71-2は、シリコーンゴムなどの弾性材で形成することが望ましい。
【0075】
図5(a)中、70-1は振動板、72-1はリング状チューブ71-1の外周縁に沿って外側方に突出させたフランジである。さらに、リング状チューブ71-1には、内周縁に沿って振動板70-1の外側縁を嵌合させる嵌合溝74-1を設けている。図5(b)中、70-2は振動板、72-2はリング状チューブ71-1の外周縁に沿って外側方に突出させたフランジである。このリング71-2にも、内周縁に沿って振動板70-2の外側縁を嵌合させる嵌合溝74-2を設けている。
【0076】
さらに、他の実施形態として、図5(c)に示すように、リング状に形成したチューブからなるリング状チューブ71-3の内側には振動板支持膜75-3を設け、この振動板支持膜75-3の両面に、第1振動板70-3a及び第2振動板70-3bをそれぞれ貼着してもよい。
【0077】
このように、振動板支持膜75-3に第1振動板70-3a及び第2振動板70-3bをそれぞれ貼着することにより、リング状チューブ71-3と第1振動板70-3a、及びリング状チューブ71-3と第2振動板70-3bを強固に貼着することができる。図5(c)中、72-3はリング状チューブ71-3の外周縁に沿って外側方に突出させたフランジである。
【0078】
あるいは、他の実施形態として、図5(d)に示すように、リング状チューブ71-4にはフランジを設けず、フランジ無しのチューブとしてもよい。図5(d)中、70-4は振動板であって、リング状チューブ71-4には内周縁に沿って振動板70-4の外側縁を嵌合させる嵌合溝74-4を設けている。
【0079】
このようにフランジ無しのチューブとする場合には、このチューブを介して振動板をハウジングに装着した際に、チューブがハウジングに対して滑って振動板の位置ズレが生じることを防止するための滑止め手段を設けている。
【0080】
以下において、図6及び図7を用いて、フランジ無しのチューブを用いた場合のポンプP3の実施形態について説明する。なお、この実施形態のポンプP3は、前述した図1及び図2で示した第1実施形態のポンプP1の変容例であって、同一構成部分には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0081】
本実施形態のポンプP3も、貯留室11を備えたハウジング10と、貯留室11に面するようにハウジング10内に設けた振動板20と、この振動板20を進退駆動させる駆動部30とで構成している。
【0082】
テフロン(登録商標)製の略矩形体状のハウジング10には、扁平球形状の空洞12を形成するとともに、この空洞12の一部を外部に連通させて振動板挿入口13を形成している。
【0083】
特に、本実施形態では、振動板20が装着されるハウジング10の装着部に、ハウジング10の内周面に沿って内側に向けて突出させたリング状の第1支持壁101と第2支持壁102と所定間隔を隔てて互いに平行に設けている。この第1支持壁101と第2支持壁102が滑止め手段である。
【0084】
第1支持壁101及び第2支持壁102は、それぞれ同様に凸状に湾曲した同じ高さの山形形状としており、第1支持壁101と第2支持壁102との間には、凹状に湾曲した谷形状の支持用凹部103を設けている。
【0085】
また、本実施形態では、ハウジング10には、流体が送出される送出管42と連通した送出流路15を振動板挿入口13に対向させて設けており、送出流路15には所定方向に流体を送通させる送出側一方向弁17を中途部に配設している。
【0086】
テフロン(登録商標)製の板体で構成した振動板20には、外周縁に沿ってリング状にチューブ21'を装着している。チューブ21'は、本実施形態ではゴム製の中空筒体で構成しており、内部に空気を注入して所定の空気圧状態としている。
【0087】
本実施形態では、チューブ21'にはフランジが設けられておらず、ハウジング10に設けた支持用凹部103部分にチューブ21'を弾性変形させて嵌め入れることにより、チューブ21'に支持用凹部103に沿って突出状とした突出部を形成して、この突出部によって前述したフランジと同様にチューブ21'をハウジング10に安定的に装着可能として、振動板20のハウジング10への装着を可能としている。
【0088】
このように振動板20をハウジング10に装着することによって、振動板20とハウジング10とで囲まれた貯留室11を構成でき、しかも、この貯留室11には送出流路15を介して送出管42を連通連結することができる。
【0089】
さらに、本実施形態では、振動板20の一部に貫通孔104を形成し、この貫通孔104の貯留室11側に一方向弁105を装着して、貫通孔104から貯留室11に流体を送給するようにしている。
【0090】
したがって、本実施形態のポンプP3では、駆動部30によって進退ロッド31を進退駆動させることにより振動板20を進退駆動させて、貫通孔104から貯留室11に流体を送給して、貯留室11に送給された流体を送出管42から吐出させることができる。
【0091】
このように、チューブ21'にはフランジを設けずに、ハウジング10に設けた第1支持壁101と第2支持壁102とからなる滑止め手段にチューブ21'を嵌め入れるによってチューブ21'にフランジ形状を擬似的に形成でき、ハウジング10に対してチューブ21'が滑ることを防止できるとともに、チューブ21'を介した振動板20のハウジング10への装着作業を極めて容易に行うことができ、ポンプP3のメンテナンス性を向上させることができる。
【0092】
さらなる変容例として、図8に示すように、ハウジング10には第1支持壁101及び第2支持壁102を設けずに、凹状に湾曲した谷形状の支持用凹部103'のみを設けて滑止め手段とし、この支持用凹部103'にチューブ21'を弾性変形させて嵌め入れることにより、チューブ21'に支持用凹部103に沿って突出状とした突出部を形成して、この突出部によってハウジング10に対してチューブ21'が滑ることを防止するとともに、振動板20のハウジング10への装着を可能とすることもできる。
【0093】
あるいは、ハウジングとチューブの相互の材質の摩擦係数が大きくなる組合わせを選択した場合には、図9に示すように、ハウジング10には第1支持壁101、第2支持壁102、支持用凹部103,103'を設けずに、チューブ21'の配置部分に円弧形状の凹状湾曲面106を形成し、フランジが設けられていないチューブ21'を弾性変形させて凹状湾曲面106部分に嵌め入れることにより、チューブ21'を介して振動板20のハウジング10への装着を可能とすることもできる。
【0094】
この場合には、弾性変形していない状態のチューブ21'の曲率半径が、凹状湾曲面106の曲率半径の2分の1以上の大きさとなっていることが望ましい。
【0095】
前述した実施形態では、振動板を取り囲むチューブには、あらかじめ所定の圧力で空気などの流体を封入したチューブや、あるいは中空部を有さない弾性体で構成したチューブなどとしているが、流体を封入したチューブとした場合、図10に示すように、チューブ120には管状とした空気圧入管130を流体注入手段として装着して、この空気圧入管130を介してチューブ120内に空気などの流体を圧入することによりチューブ120内の圧力を調整して、チューブ120の弾性係数を調整することができる。なお、以下においては、チューブ120に空気を圧入する場合について説明するが、チューブ120に圧入する流体は空気に限定するものではなく、適宜の流体であればよく、たとえば粘性の高い液体を圧入してもよい。
【0096】
チューブ120には、空気圧入管130が挿入される筒状の挿入部121を設けており、この挿入部121に空気圧入管130の挿入筒部131を挿入することにより空気圧入管130をチューブ120に装着している。
【0097】
空気圧入管130が装着されたチューブ120は、ハウジング110に設けた空気圧入管挿入孔111から空気圧入管130を外方に向けて突出させてハウジング110に装着している。
【0098】
特に、空気圧入管130には、外周面にフランジ132を設け、ハウジング110の空気圧入管挿入孔111に空気圧入管130を挿入した際にフランジ132をハウジング110に係合させて、ハウジング110から空気圧入管130の突出筒部133を突出させた状態とするとともに、突出筒部133に固定用ナット140を螺着して、空気圧入管130をハウジング110に固定装着している。図示していないが、空気圧入管130の突出筒部133の外周面には、固定用ナット140と螺合する雄ネジを形成している。
【0099】
空気圧入管130の挿入筒部131における筒状周面の少なくとも1カ所には通気孔134を穿設しており、空気圧入管130に圧入した空気を、この通気孔134からチューブ120内に導入している。
【0100】
通気孔134は、空気圧入管130に空気が圧入されていない状態ではチューブ120の挿入部121によって閉塞されて、チューブ120内の空気が漏出することを防止している。
【0101】
ハウジング110には、空気圧入管130の通気孔134と対応する位置にスリット112を設けて、このスリット112部分においてチューブ120の挿入部121が弾性変形しやすいようにしている。
【0102】
すなわち、空気圧入管130に空気を圧入した際には、圧入の圧力によってスリット112部分の挿入部121を弾性変形させてチューブ120の挿入部121と空気圧入管130との間に隙間を生じさせ、この隙間を介してチューブ120内部と通気孔134とを連通状態として、チューブ120内に空気を導入している。なお、空気圧入管130の挿入筒部131側の端部は閉塞して、通気孔134のみで通気可能としている。
【0103】
本実施形態のチューブ120には、板状の振動板150の端縁部分と嵌合する凹状の嵌合溝122を設けており、この嵌合溝122に振動板150の端縁部分を嵌合させている。嵌合溝122は、断面形状が凹状となるようにあらかじめ加工しており、嵌合溝122に振動板150を嵌合させて、チューブ120内に空気を圧入することによって、膨脹したチューブ120による締め付け力を嵌合溝122に嵌合させた振動板150に作用させて、より強固な連結状態としている。
【0104】
このように、振動板150はチューブ120と着脱自在とした場合には、チューブ120が劣化した際にチューブ120のみを交換することによって振動板150を再利用することができ、管理コストの低減を図ることができる。
【0105】
他の実施形態として、前述した空気圧入管130を用いるのではなく、図11に示すように、チューブ120'に設けた嵌合溝122'を深い溝状とし、この嵌合溝122'の所定位置に通気孔123'を設けるととともに、嵌合溝122'に嵌合させた振動板150'の端縁部分に、振動板150'を貫通させて設けた導気路151'の一方の開口である送気孔152'を設けるとともに、導気路151'の他方の開口である吸気孔153'を嵌合溝122'内とならない位置に設けてもよい。通気孔123'は、嵌合溝122'の底部に設けるのが望ましい。
【0106】
この場合、チューブ120'内を所定の圧力とするには、ハウジング110'と振動板150'及びチューブ120'で形成した貯留室であって、導気路151'の吸気孔153'が面した貯留室内にチューブ120'内に充填する空気などの流体を送給して所定の圧力まで加圧する。
【0107】
貯留室内の加圧にともなって、導気路151'には流体が導入されて、この導気路151'によって送気孔152'から嵌合溝122'内に流体が導入され、この流体の圧力によって嵌合溝122'内を弾性変形させて通気孔123'と連通させ、通気孔123'を介してチューブ120'内に流体を導入させて所定の圧力としている。この場合、当然ながら、チューブ120'内は貯留室内の圧力と同等の圧力とすることができる。
【0108】
このようなチューブ120'及び振動板150'を備えたポンプでは、定期的に所定の流体で貯留室を満たすとともに加圧することにより、チューブ120'内に流体を補充して圧力低下が生じることを防止できる。
【0109】
なお、チューブ120'内の圧力は、ポンプとして使用している際の貯留室内の圧力よりも大きくしておくことにより、貯留室内の気体または液体がチューブ120'内に流入することを防止できる。
【0110】
嵌合溝122'は、振動板150'との間に隙間が生じないように密に接せさせておくことが望ましく、特に、チューブ120'内を高圧力とすることによって、嵌合溝122'による振動板150'の締め付け力を大きくして、密に接する状態とすることができる。
【0111】
図11中、113'はチューブ120'の固定用にハウジング110'の内周面に内側に向けて突出させた支持壁である。
【0112】
チューブ120'内に充填する流体は、空気などのような圧縮性の大きい流体よりは、液体などのような圧縮性の小さい流体の方が望ましく、吐出圧の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】第1実施形態のポンプの縦断面模式図である。
【図2】第1実施形態のポンプの縦断面模式図である。
【図3】第2実施形態のポンプの縦断面模式図である。
【図4】第2実施形態のポンプの縦断面模式図である。
【図5】他の実施形態のチューブの説明図である。
【図6】第1実施形態のポンプの変容例の縦断面模式図である。
【図7】第1実施形態のポンプの変容例の縦断面模式図である。
【図8】第1実施形態のポンプの変容例の縦断面模式図である。
【図9】第1実施形態のポンプの変容例の縦断面模式図である。
【図10】第1実施形態のポンプの変容例の部分拡大縦断面模式図である。
【図11】第1実施形態のポンプの変容例の部分拡大縦断面模式図である。
【符号の説明】
【0114】
P1 ポンプ
M1 磁石
M2 電磁石
10 ハウジング
11 貯留室
12 空洞
13 振動板挿入口
14 送給流路
15 送出流路
16 送給側一方向弁
17 送出側一方向弁
18 嵌合溝
20 振動板
21 チューブ
22 フランジ
23 連結ソケット
30 駆動部
31 進退ロッド
41 送給管
42 送出管
43 送給管連結ソケット
44 送出管連結ソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送給管と送出管とを接続して、前記送給管から送給された流体を前記送出管から送出するポンプにおいて、
前記送給管及び前記送出管とそれぞれ一方向弁を介して連通して前記流体を一時的に貯留する貯留室を備えたハウジングと、
前記貯留室に面して配置して進退駆動させることにより前記送給管から前記流体を前記貯留室に吸引した後に前記送出管に押出する振動板と、
この振動板を進退駆動させる駆動部と
を備え、
前記振動板には外周縁に沿ってリング状のチューブを設け、このチューブを介して前記振動板を前記ハウジングに装着し、前記振動板を進退させていることを特徴とするポンプ。
【請求項2】
前記チューブ内の圧力は、前記貯留室内の前記流体の圧力と同じ、または前記貯留室内の前記流体の圧力よりも高くしていることを特徴とする請求項1記載のポンプ。
【請求項3】
前記チューブには外周縁に沿って外側方に突出させたフランジを設けるとともに、前記ハウジングには前記フランジと嵌合する嵌合溝を設け、この嵌合溝と前記フランジとを嵌合させて前記振動板を前記ハウジングに装着したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記ハウジングには、内周面に沿って内側に向けて突出させたリング状の第1支持壁と第2支持壁と所定間隔を隔てて互いに平行に設け、この第1支持壁と第2支持壁との間に前記チューブを嵌め入れることにより前記振動板を前記ハウジングに装着したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポンプ。
【請求項5】
前記チューブには、内部に流体を注入して圧力を調整するための流体注入手段を設けたことを特徴とする請求項2記載のポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−120496(P2007−120496A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263590(P2006−263590)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(504147243)国立大学法人 岡山大学 (444)
【出願人】(591060980)岡山県 (96)
【Fターム(参考)】