説明

ポンプ

【課題】カムリングの公転に伴ってタペットが往復移動するポンプにおいて、摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性を向上させる。
【解決手段】カムリング摺動面181aとタペット摺動面202aとの間に、カムリング18とタペット202との相対移動方向Xに移動可能な板状のスライダ31〜33を介在させる。これによると、カムリング18とスライダ33間、隣接するスライダ間、タペット202とスライダ31間等、複数箇所で摺動可能であるため、すべり量が分散される。そして、すべり量が分散されることにより、各摺動部毎のすべり量が少なくなるとともに、各摺動部での摺動速度が低くなるため、摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カムリングの公転に伴ってタペットおよびプランジャを往復動させて流体を圧送するポンプに関するもので、特に、ディーゼル機関用の蓄圧式燃料噴射装置に用いられる燃料噴射ポンプに好適である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示された従来の燃料噴射ポンプは、カムリングがカム軸の周りを自転することなく公転し、タペットがカムリングと摺動しつつ往復移動し、さらにプランジャがタペットとともに往復移動して燃料を圧送するようになっている。より詳細には、タペットにタペットシューが圧入されており、カムリングとタペットシューとが摺動するようになっている。そして、カムリングが収容された室には燃料が導かれ、その燃料によりカムリングとタペットシューとの摺動部を潤滑するようになっている。
【0003】
また、他の従来の燃料噴射ポンプは、カムリングの表面に高硬度のコーティング層を形成して、タペットとカムリングの摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性を向上させている。
【特許文献1】特開2000−145572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、燃料噴射ポンプにおいては、噴射圧の高圧化によりタペットとカムリングの摺動部の面圧負荷が増大したり、ポンプ作動速度の高速化によりタペットとカムリングの摺動部の摺動速度が増大したり、さらには、粗悪燃料やバイオ燃料の使用により潤滑性能が低下するなど、使用環境は過酷になってきており、耐摩耗性や耐焼き付き性をさらに向上させることが要求されている。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、カムリングの公転に伴ってタペットが往復移動するポンプにおいて、摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、回転するカム軸(14)と、このカム軸(14)に対して偏心して配置されてカム軸(14)とともに一体に回転するカム(17)と、このカム(17)の外周側に配置され、カム軸(14)の周りを自転することなく公転するカムリング(18)と、このカムリング(18)の公転に伴って往復動するタペット(202)と、このタペット(202)とともに往復移動して流体を圧送するプランジャ(201)とを備えるポンプにおいて、カムリング(18)に形成された平坦なカムリング摺動面(181a)とタペット(202)に形成された平坦なタペット摺動面(202a)とが対向しており、カムリング摺動面(181a)とタペット摺動面(202a)との間に、カムリング(18)とタペット(202)との相対移動方向(X)に移動可能な板状のスライダ(31〜33)が介在されていることを特徴とする。
【0007】
これによると、カムリング(18)とスライダ(31〜33)間、タペット(202)とスライダ(31〜33)間等、複数箇所で摺動可能であるため、すべり量が分散される。そして、すべり量が分散されることにより、各摺動部毎のすべり量が少なくなるとともに、各摺動部での摺動速度が低くなるため、摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性を向上させることができる。
【0008】
また、複数の摺動部のうち摩擦係数が低い摺動部のすべり量が、摩擦係数が高い摺動部のすべり量よりも多くなるため、換言すると、摺動に適した摺動部のすべり量が多くなるとともに、摺動に適しない摺動部のすべり量が少なくなるため、摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性をさらに向上させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のポンプにおいて、スライダ(31〜33)は、複数枚であり、積層されていることを特徴とする。
【0010】
これによると、隣接するスライダ(31〜33)間でも摺動可能であるため、すべり量がさらに分散される。したがって、摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性をさらに向上させることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明のように、請求項1または2に記載のポンプにおいて、カムリング(18)は、スライダ(31〜33)が収容されるカムリング凹み部(181b)を備え、カムリング凹み部(181b)を囲む壁面のうち相対移動方向(X)に位置する相対移動方向壁面(181c)によって、カムリング凹み部(181b)内での相対移動方向(X)へのスライダ(31〜33)の移動範囲が規制される構成とすることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明のように、請求項1または2に記載のポンプにおいて、タペット(202)は、スライダ(31〜33)が収容されるタペット凹み部(202b)を備え、タペット凹み部(202b)を囲む壁面のうち相対移動方向(X)に位置する相対移動方向壁面(202c)によって、タペット凹み部(202b)内での相対移動方向(X)へのスライダ(31〜33)の移動範囲が規制される構成とすることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、請求項3または4に記載のポンプにおいて、相対移動方向壁面(181c、202c)に弾性体よりなる移動規制部材(40)が配置されていることを特徴とする。
【0014】
これによると、相対移動方向壁面(181c、202c)とスライダ(31〜33)とが直接衝突することを回避して、相対移動方向壁面(181c)やスライダ(31〜33)の摩耗を抑制することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のポンプにおいて、カムリング(18)、タペット(202)、およびスライダ(31〜33)は金属よりなり、スライダ(31〜33)の表面には、母材の金属よりも高硬度のコーティング層が形成されていることを特徴とする。
【0016】
これによると、コーティング層によって摩擦係数を下げることができるため、摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性をさらに向上させることができる。
【0017】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るポンプの断面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
【0019】
本実施形態のポンプは、内燃機関(より詳細にはディーゼル機関)用の蓄圧式燃料噴射装置に用いられ、高圧燃料を蓄圧するコモンレールに燃料を加圧して供給するものである。
【0020】
図1および図2に示すように、ポンプのハウジングは、アルミニウム合金製のハウジング本体11と鉄系金属製の一対のシリンダヘッド12とからなる。ハウジング本体11内には、後述するフィードポンプから燃料が供給されるカム室13が形成されており、このカム室13の両端はシリンダヘッド12によって閉塞されている。また、カム室13は図示しない燃料タンクに接続されている。
【0021】
カム軸14は、鉄系金属製で、図示しないディーゼル機関に駆動されて回転する。カム軸14は、2つのブッシュ15を介してハウジング本体11に回転可能に支持されている。ブッシュ15は、円筒状であり、ハウジング本体11に圧入して固定されている。カム軸14とハウジング本体11との間はオイルシール16によりシールされている。カム軸14における軸方向中間部には、断面円形状のカム17がカム軸14に対して偏心して一体に形成されている。
【0022】
カム17の外周には、カム軸14の周りを公転するカムリング18が嵌合されている。このカムリング18は、カムリング本体181と、このカムリング本体181に一体化されたブッシュ182とからなる。より詳細には、カムリング本体181は、鉄系金属(例えば、クロム鋼)よりなり、外形が四角柱形状で、円形状の貫通穴が形成されている。また、ブッシュ182は、円筒状に形成され、カムリング本体181の貫通穴に圧入されており、カム17と摺動自在になっている。なお、カム17およびカムリング18は、カム室13に収容されている。
【0023】
カムリング18の両側には、カムリング18の公転に追従して往復移動する鉄系金属(例えば、合金工具鋼)製の圧送部材20が配置されている。この圧送部材20は、シリンダヘッド12内に往復移動自在に挿入された円柱状のプランジャ201と、カム室13に配置されてカムリング18と対向配置された鍔状のタペット202とを備えている。
【0024】
カムリング18とタペット202との間には、後述するスライダ31〜33が介在されている。また、圧送部材20は、カム室13に配置されたスプリング21によりカムリング18側に付勢されている。
【0025】
シリンダヘッド12内には、圧送部材20のプランジャ201の一端側(反タペット202側)に、フィードポンプ25から燃料が供給される燃料加圧室22が形成されている。また、シリンダヘッド12内には、フィードポンプ25から燃料加圧室22への燃料の流れのみを許容する入口側逆止弁23、および、燃料加圧室22からコモンレールへの燃料の流れのみを許容する出口側逆止弁24が設けられている。
【0026】
カム軸14の一端側には、インナギア式のフィードポンプ25が結合されている。このフィードポンプ25は、ポンプカバー26内に回転自在に収納されている。フィードポンプ25は、カム軸14に回転駆動されることにより、燃料タンクから吸入した燃料を加圧して吐出する。
【0027】
フィードポンプ25から吐出された燃料は、図示しない燃料通路および入口側逆止弁23を介して燃料加圧室22に供給されるようになっている。なお、その燃料通路の途中には、燃料加圧室22に供給される燃料量を内燃機関の運転状態に応じて調量する調量弁(図示せず)が設けられている。
【0028】
また、フィードポンプ25から吐出された燃料の一部をカム室13に供給するために、燃料噴射ポンプは以下の構成を備えている。まず、ポンプカバー26には、フィードポンプ25から吐出された燃料をカム軸14の一端側端面に導くための連通路26aが形成されている。カム軸14には、カム軸14の軸方向に延びる穴形状の軸方向潤滑油経路14aが形成されている。この軸方向潤滑油経路14aは、カム軸14の一端側端面に開口して、連通路26aに連通している。また、カム軸14には、カム軸14の径方向に延びて軸方向潤滑油経路14aとカム17の外周面とを連通させる穴形状の径方向潤滑油経路14bが形成されている。
【0029】
図3は図2のB部を拡大して示す図、図4は図3において圧送部材20を取り除いた状態のC矢視図である。
【0030】
図3、図4に示すように、カムリング18は、公転に伴って圧送部材20に対して矢印X方向に相対移動する。この相対移動方向Xは、圧送部材20の軸線(すなわち、圧送部材20の往復移動方向)およびカム軸14の軸線に対して垂直な方向である。
【0031】
カムリング本体181に形成された平坦なカムリング摺動面181aとタペット202に形成された平坦なタペット摺動面202aとが対向しており、カムリング本体181には、カムリング摺動面181aを底部とする直方体形状のカムリング凹み部181bが形成され、このカムリング凹み部181bに3つのスライダ31〜33が収容されている。
【0032】
スライダ31〜33は、鉄系金属(例えば、合金工具鋼)よりなる直方体の薄板であり、タペット摺動面202aとカムリング摺動面181aとの間に積層され、カムリング本体181とタペット202により挟持されている。なお、タペット摺動面202aと接するスライダ31を第1スライダ、カムリング摺動面181aと接するスライダ33を第3スライダ、第1スライダ31と第3スライダ33との間のスライダ32を第2スライダとする。
【0033】
第1〜第3スライダ31〜33は、それぞれが独立して、カムリング凹み部181b内で相対移動方向Xに移動可能になっている。そして、カムリング凹み部181bを囲む壁面のうち相対移動方向Xに位置する相対移動方向壁面181cによって、カムリング凹み部181b内での相対移動方向Xへの第1〜第3スライダ31〜33の移動範囲が規制されるようになっている。第1〜第3スライダ31〜33の相対移動方向Xの長さLsは、タペット202の外径Dtよりも大きく設定されている。
【0034】
相対移動方向壁面181cと第1〜第3スライダ31〜33との間には、弾性体(例えばゴム)よりなる移動規制部材40が配置されている。より詳細には、移動規制部材40は、相対移動方向壁面181cに接着等にて固定されている。
【0035】
次に、ポンプの作動について説明する。カム軸14がディーゼル機関に駆動されて回転すると、カム軸14の回転動作によってフィードポンプ25が駆動され、フィードポンプ25は燃料タンクから燃料を吸入し加圧して吐出する。
【0036】
また、カム軸14の回転に伴いカム17が回転し、カム17の回転に伴いカムリング18が自転することなく公転し、カムリング18の公転に伴い圧送部材20が往復移動する。
【0037】
カムリング18の公転に伴い上死点にある圧送部材20が下死点に向けて移動すると、フィードポンプ25から吐出された燃料が入口側逆止弁23を介して燃料加圧室22に流入する。
【0038】
下死点に達した圧送部材20が再び上死点に向けて移動すると、入口側逆止弁23が閉じ、燃料加圧室22の燃料圧力が上昇する。燃料加圧室22の燃料圧力が上昇すると、出口側逆止弁24が開弁して、高圧の燃料がコモンレールに供給される。
【0039】
一方、フィードポンプ25から吐出された燃料の一部は、連通路26aによりカム軸14の一端側端面に導かれ、軸方向潤滑油経路14aおよび径方向潤滑油経路14bを介してカム17とカムリング18のブッシュ182間に導かれ、さらに、カム17とブッシュ182間を通ってカム室13に流入する。これにより、カム17とブッシュ182の摺動部が潤滑されるとともに、タペット202と第1〜第3スライダ31〜33とカムリング本体181間の摺動部が潤滑される。
【0040】
ポンプの作動時には、タペット202と第1スライダ31との間、第1スライダ31と第2スライダ32との間、第2スライダ32と第3スライダ33との間、第3スライダ33とカムリング本体181との間で、摺動して相対移動することができる。このように、4箇所の摺動部で摺動可能であるため、すべり量(相対移動量)が分散される。そして、すべり量が分散されることにより、各摺動部毎のすべり量が少なくなるとともに、各摺動部での摺動速度が低くなるため、摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性を向上させることができる。
【0041】
また、4箇所の摺動部のうち摩擦係数が低い摺動部のすべり量が、摩擦係数が高い摺動部のすべり量よりも多くなる。したがって、例えば油膜切れにより摩擦係数が高くなっている摺動部のすべり量が少なくなるため、摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性をさらに向上させることができる。
【0042】
さらに、移動規制部材40により、相対移動方向壁面181cと第1〜第3スライダ31〜33との直接衝突が回避されるため、相対移動方向壁面181cや第1〜第3スライダ31〜33の摩耗を抑制することができる。
【0043】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図5は本発明の第2実施形態に係るポンプの要部を示す図である。本実施形態は、スライダ31〜33をタペット202内に収容している。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
図5に示すように、タペット202には、タペット摺動面202aを底部とする直方体形状のタペット凹み部202bが形成され、このタペット凹み部202bに第1〜第3スライダ31〜33が収容されている。
【0045】
第1〜第3スライダ31〜33は、それぞれが独立して、タペット凹み部202b内で相対移動方向Xに移動可能になっている。そして、タペット凹み部202bを囲む壁面のうち相対移動方向Xに位置する相対移動方向壁面202cによって、タペット凹み部202b内での相対移動方向Xへの第1〜第3スライダ31〜33の移動範囲が規制されるようになっている。
【0046】
相対移動方向壁面202cと第1〜第3スライダ31〜33との間には、弾性体(例えばゴム)よりなる移動規制部材40が配置されている。より詳細には、移動規制部材40は、相対移動方向壁面202cに接着等にて固定されている。
【0047】
ポンプの作動時には、第1実施形態と同様に、タペット202と第1スライダ31との間、第1スライダ31と第2スライダ32との間、第2スライダ32と第3スライダ33との間、第3スライダ33とカムリング本体181との間で、摺動して相対移動することができる。したがって、第1実施形態と同様に、摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性を向上させることができる。
【0048】
また、移動規制部材40により、相対移動方向壁面202cと第1〜第3スライダ31〜33との直接衝突が回避されるため、相対移動方向壁面202cや第1〜第3スライダ31〜33の摩耗を抑制することができる。
【0049】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、複数個のスライダ31〜33を用いたが、スライダは1つでもよい。
【0050】
また、移動規制部材40は、相対移動方向壁面182c、202cや第1〜第3スライダ31〜33の摩耗を抑制することができるものであれば、弾性体以外の材質にしてもよい。また、移動規制部材40は、廃止してもよい。
【0051】
また、カムリング本体181、圧送部材20、および第1〜第3スライダ31〜33を、鉄系金属製とし、第1〜第3スライダ31〜33の表面に、母材の金属よりも高硬度のコーティング層を形成してもよい。これによると、コーティング層によって摩擦係数を下げることができるため、摺動部の耐摩耗性や耐焼き付き性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施形態に係るポンプの断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図2のB部を拡大して示す図である。
【図4】図3において圧送部材20を取り除いた状態のC矢視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るポンプの要部を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
14 カム軸
17 カム
18 カムリング
31 スライダ
32 スライダ
33 スライダ
181a カムリング摺動面
201 プランジャ
202 タペット
202a タペット摺動面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するカム軸(14)と、このカム軸(14)に対して偏心して配置されて前記カム軸(14)とともに一体に回転するカム(17)と、このカム(17)の外周側に配置され、前記カム軸(14)の周りを自転することなく公転するカムリング(18)と、このカムリング(18)の公転に伴って往復動するタペット(202)と、このタペット(202)とともに往復移動して流体を圧送するプランジャ(201)とを備えるポンプにおいて、
前記カムリング(18)に形成された平坦なカムリング摺動面(181a)と前記タペット(202)に形成された平坦なタペット摺動面(202a)とが対向しており、
前記カムリング摺動面(181a)と前記タペット摺動面(202a)との間に、前記カムリング(18)と前記タペット(202)との相対移動方向(X)に移動可能な板状のスライダ(31〜33)が介在されていることを特徴とするポンプ。
【請求項2】
前記スライダ(31〜33)は、複数枚であり、積層されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記カムリング(18)は、前記スライダ(31〜33)が収容されるカムリング凹み部(181b)を備え、
前記カムリング凹み部(181b)を囲む壁面のうち前記相対移動方向(X)に位置する相対移動方向壁面(181c)によって、前記カムリング凹み部(181b)内での前記相対移動方向(X)への前記スライダ(31〜33)の移動範囲が規制される構成であることを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記タペット(202)は、前記スライダ(31〜33)が収容されるタペット凹み部(202b)を備え、
前記タペット凹み部(202b)を囲む壁面のうち前記相対移動方向(X)に位置する相対移動方向壁面(202c)によって、前記タペット凹み部(202b)内での前記相対移動方向(X)への前記スライダ(31〜33)の移動範囲が規制される構成であることを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ。
【請求項5】
前記相対移動方向壁面(181c、202c)に弾性体よりなる移動規制部材(40)が配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載のポンプ。
【請求項6】
前記カムリング(18)、前記タペット(202)、および前記スライダ(31〜33)は金属よりなり、
前記スライダ(31〜33)の表面には、母材の金属よりも高硬度のコーティング層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−150302(P2009−150302A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328921(P2007−328921)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】