説明

ポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機

【課題】 静かで、かつ、人体に対し安全な、ポータブル卓上生ゴミ処理機を提供することが可能にすることを目的にする。
【解決手段】 生ゴミを処理するための内鍋2と、前記内鍋2を着脱可能に収納する収納部を有する生ゴミ処理筐体3と、前記生ゴミ処理筐体3に開閉可能に取り付けられ、前記の生ゴミ処理筐体3の上部を覆い、かつ、前記内鍋2の投入口を閉塞する蓋4と、を有するポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機1であって、前記蓋4内に設けられた前記内鍋2内に連通する吸気通路と、前記蓋内に設けられた前記内鍋内に連通する排気通路と、前記吸気通路内に前記内鍋に対して送風する送風手段と、前記内鍋を加熱する加熱手段とを含むことを特徴とするポータブル卓上生ゴミ処理機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ゴミ乾燥処理機に関するものであって、騒音を生じず、かつ、人体に安全な生ゴミ乾燥処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭で使用される、従来の乾燥式の生ゴミ処理機は、一般的に、130〜150度の熱風を吹き付けることで生ゴミを加熱すると同時に、前記熱風を生ゴミ全体に拡散させるべく、攪拌破砕手段である複数の羽根が付いた軸を高回転させて攪拌するとともに、当該羽根が生ゴミを破砕して、生ゴミを粉末化するものであった。
【特許文献1】特開2002−044154号公報
【0003】
しかしながら、前述したように生ゴミを乾燥させて粉末化させる際に、攪拌破砕手段たる羽根付き軸の回転により生じる音が大きい。又、生ゴミ処理機を使用する時間帯は、一般的に、夕食後の夜であるため、生ゴミの処理に生じる音は、静かであることが望まれている。
【0004】
また、乾燥式生ゴミ処理機は、乾燥させる際に熱風を吹きつけるため、前述した粉末化された生ゴミが、排気口を通って室内に放出するおそれがあった。そのため、室内にいる人が吸い込むという危険が生じ、安全性に問題があった。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、生ゴミを処理するための内鍋と、前記内鍋を着脱可能に収納する収納部を有する生ゴミ処理筐体と、前記生ゴミ処理筐体に開閉可能に取り付けられ、前記の生ゴミ処理筐体の上部を覆い、かつ、前記内鍋の投入口を閉塞する蓋とを有するポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機であって、前記蓋内に設けられた前記内鍋内に連通する吸気通路と、前記外蓋内に設けられた前記内鍋内に連通する排気通路と、前記吸気通路内に前記内鍋に対して送風する送風手段と、前記内鍋を加熱する加熱手段とを含むことを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、攪拌破砕手段を不要となるため、高回転による騒音を防止することができ、かつ、生ゴミの粉末化による室内への放出を防止できる。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、前記内鍋が、内鍋の内周底面が突起部を有することを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記送風手段が、遠心ブローであることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、前記送風手段が、軸流ファンであることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、前記送風手段が、貫流ファンであることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、前記送風手段が、渦流ファンであることを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、前記蓋において、蓋の底面に、加熱補助装置を備えることを特徴とする。

【0013】
請求項8に係る発明は、前記排気通路内において、消臭装置を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9に係る発明は、前記加熱手段が、電熱ヒータであることを特徴とする。
【0015】
請求項10に係る発明は、前記加熱手段が、ガスによる加熱であることを特徴とする。
【0016】
請求項11に係る発明は、前記加熱手段が、ハロゲン加熱ヒータであることを特徴とする。
【0017】
請求項12に係る発明は、前記加熱手段が、電磁波加熱であることを特徴とする。
【0018】
請求項13に係る発明は、前記内鍋が、二重壁真空鍋であることを特徴とする。
【0019】
請求項14に係る発明は、前記蓋の底面に、軟質の高温耐熱パッキンが外周面に固着された内蓋を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
そして、本発明によれば、静かで、かつ、人体に対し安全なポータブル卓上生ゴミ処理機を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るポータブル卓上生ゴミ処理機全体の斜視図であり、図2は、本発明の実施形態に係るポータブル卓上生ゴミ処理機の断面図である。また、図3は、内鍋の一部断面斜視図である。
【0022】
本実施形態に係るポータブル卓上生ゴミ処理機1を、図1に示すが、図1(a)は蓋4が閉じている状態の斜視図であって、図1(b)は、蓋4の開いている状態の斜視図である。ポータブル卓上生ゴミ処理機1は、内鍋2と生ゴミ処理筐体3と蓋4とから構成される。また、生ゴミ処理筐体3は内鍋2を収納する一方で、蓋4は、生ゴミ処理筐体3に開閉可能に取り付けられ、前記生ゴミ処理筐体3と内鍋2との上部を覆う。開いている状態において、内鍋2に生ゴミ20が投入可能となる。
【0023】
内鍋2は、図3(a)に一般的な形状である内鍋2の斜視図を示したが、これに限るものではなく、図3(b)及び図3(c)に図示する内鍋2a、2bのように内側の底部の表面に突起部21が形成されてもよい。当該形状によれば、内鍋2と生ゴミ20との接する表面積が拡大し、生ゴミ20に伝わる熱が多くなり、投入される生ゴミ20の加熱時間短縮が図れることが出来る。また、内鍋2を生ゴミ処理筐体3から取り出し易いように、内鍋2の投入口外周面を突起させ、取手部分22を設けても良い。
また、内鍋2の表面に、乾燥した生ゴミ20が付着しないように、フッ素加工等の耐熱付着防止加工されていることが望ましい。また、内鍋2は、内壁と外壁からなり、前記内壁と外壁の間が真空に形成された、二重壁真空鍋いてもよい。また、内鍋2の材質は、本発明においては、特に限定されないが、後述する加熱手段6が、電磁波による場合には、鉄やステンレスであることが必要である。
【0024】
生ゴミ処理筐体3は、内鍋2を収納する内鍋加熱壁5が設けられている。また、内鍋加熱壁5の外周底面側には、内鍋2を加熱するための加熱手段6が配置されて、また、加熱手段6により生じた熱が、前記生ゴミ処理筐体3本体に伝導しないように、内鍋加熱壁5と加熱手段6の外周面を断熱材層7にて隔離する。また、加熱手段6及び送風手段9を制御するための電気回路制御基板8を設ける。生ゴミ処理筐体3は、材質を問わないが、持ち運びが容易な様に軽量な材質であることが望ましい。
【0025】
蓋4は、前記生ゴミ処理筐体3に開閉可能に接続され、生ゴミ処理筐体3に収納する内鍋2の投入口を閉塞する。
また、蓋4には、吸気通路41と排気通路42とが設けられ、前記吸気通路41内には送風手段9が配置されている。また、本実施形態においては、蓋4の内蓋10を備える。前記内蓋10は、前記吸気通路41から、供給される空気が内鍋2へ、及び、前記内鍋2から排気される蒸気等が、前記排気通路42を通過できるように、内鍋10は孔部11a、11bが形成される。
【0026】
内鍋加熱壁5は、外周底面に位置する加熱手段6から生じる熱を内鍋2に伝導するために、熱伝導率が高い材質であることが望ましい。
【0027】
加熱手段6は、内鍋2を加熱できれば、特に限定されるものでなく、電気ヒータ、ガスによる加熱、ハロゲンヒータ、電磁波が挙げられる。但し、加熱手段6が電磁波である場合には、前記内鍋2の材質が、電気抵抗が高い鉄やステンレスであることが必要である。
また、加熱手段6は、内鍋2内に投入された生ゴミ20を100度程度まで加熱できるものであればよい。本発明における生ゴミ20を乾燥させるための必要な温度は、初期稼動時において、内鍋2に投入された生ゴミ20が100度であることが必要である。また、投入された生ゴミ20の重量によって変化するものの、数分後に内鍋2内の生ゴミ20を60度前後で数時間加熱し、乾燥させる。
【0028】
断熱材層7は、ガラス繊維やセラミック繊維が挙げられるが、本発明では特に限定されない。
【0029】
電気回路制御基板8には、図示しないが、生ゴミ処理筐体3に固定されているマイクロコンピュータがあり、加熱手段6および送風手段9の動作を制御する。
ここで、内鍋2に投入された生ゴミ20の温度を検知するために、図示しないが、温度センサが、内蓋10に、若しくは、内鍋2の外周底面に設けられ、マイクロコンピュータと電気的接続をする。また、図示しないが内鍋2の外周底面には、内鍋2内に投入された生ゴミ20の重量を量るための重量センサが配置され、マイクロコンピュータと電気的接続をする。そして、重量センサが量った生ゴミ20の重量に従って加熱時間は変化するが、温度センサが生ゴミ20の温度を検知し、検知された温度及び重量に対して、生ゴミ20が乾燥するように電気回路制御基板8が加熱手段6の加熱度と加熱時間を制御する。
【0030】
送風手段9は、蓋4の吸気通路41内に配置するが、当該送風手段41は、モータ(図示しない)と連結するファン44から構成され、モータがファンを回転させることによって、内鍋2内に送風する。
【0031】
内蓋10は、蓋4が閉まっている場合、内鍋2内の熱が逃げないように、内鍋2の上部端面と係合するよう段差を形成、または、内蓋10の外周面に、Oリング等の高温耐熱パッキンが備えてもよい。衛生的観点から、内蓋4を洗浄可能とすべく、内蓋10は、蓋4と着脱可能に取り付けられることが望ましい。また、内鍋2内が熱せられているため、内蓋10についても、熱塑性変形しないよう金属を材料とすることが望ましい。内蓋10には、吸気通路41と排気通路42とが、内鍋2と連通する必要性から、パンチングマシーン等により孔部11aと11bを形成する必要がある。また、内蓋10には、補助加熱装置46も設置する。
【0032】
吸気通路41は、蓋4内に設けられた空間であって蓋4の上側表面から、下側に向かって、孔が形成されればよい。図2に示す本実施形態においては、蓋4内部が空間となっており、その空間に仕切り板43を設けることにより、前記空間を二分し、一方が吸気通路41、他方が排気通路42となっている。
【0033】
ファン44は、数枚の羽根と、モータと連結し、前記数枚の羽根を支持する軸とからなる。また、ファンは、遠心ブロー、軸流ファン、貫流ファン、渦流ファン等、限定されない。
【0034】
消臭装置45は、生ゴミ20を加熱することにより生じる臭気を抑制するためのものである。従って、前記消臭装置45は、排気通路42内に配置される必要がある。また、消臭装置45としては、ハニカム状の白金触媒を含む高温触媒装置や、活性炭類装置、銅イオン含浸消臭剤、銀イオンハニカムコア、オゾン発生装置、二酸化チタン消臭装置、活性炭素繊維不織布、植物抽出エキス塗布材及び植物抽出エキスの散布装置などが挙げられる。
【0035】
加熱補助装置46は、内蓋10の内鍋2側に対抗する面に着脱可能に設置される。また、加熱補助装置46は、例えば、遠赤外線ヒータや、電熱シーズヒータ、ハロゲン電熱球等が挙げられるが、内鍋2に投入された生ゴミ20を上側から加熱することが目的であるため、特に限定はされない。
【0036】
生ゴミ20は、特に限定されない。
【0037】
本実施形態に係るポータブル卓上生ゴミ処理機1は、蓋4が開閉可能に取り付けられているため、生ゴミ20を投入する場合にのみ、蓋4を開ける。生ゴミ20の投入後は、重量センサが生ゴミ20の重さを量り、その重量にしたがって、内鍋2内の生ゴミ20を加熱する。ここで、電気回路制御基板8は、加熱された生ゴミ20の温度が100度になるように、加熱手段6を制御する。温度センサによって生ゴミ20が100度であることが検知されたら、今度は、電気回路制御基板8は、内鍋2内の生ゴミ20が60度になるように、電気回路制御基板8が加熱手段6を制御する。また、生ゴミ20から排出した蒸気を排除すべく、電気回路制御基板8が送風手段9を駆動させる。駆動する送風手段9は吸気通路41を通じて外気を内鍋2内に送り込む。生ゴミ20から生じた蒸気は、押し出されるように排気通路42を通過し、ポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機1の外に排出される。その際、蒸気に含ませる臭気は、消臭装置45によって除去される。生ゴミ20を60度にて数時間加熱し続けると、内鍋2内の生ゴミ20は乾燥する。
【0038】
当該構成によれば、攪拌破砕翼を用いなくとも、生ゴミ20を乾燥することができ、静かである。また、生ゴミ20を攪拌破砕翼により、細かく破砕しないため、粉末化された生ゴミ20が外気として放出され、吸い込むといった問題も生じない。
以上、ポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機の実施形態について説明したが、本発明は本実施形態に限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施形態に係るポータブル卓上生ゴミ処理機の斜視図である。
【図2】実施形態に係るポータブル卓上生ゴミ処理機の断面図である。
【図3】内鍋の斜視図ある。
【符号の説明】
【0040】
1 ポータブル卓上生ゴミ処理機
2 内鍋
2a 内鍋
2b 内鍋
3 生ゴミ処理筐体
4 蓋
5 内鍋加熱壁
6 加熱手段
7 断熱材
8 電気回路制御基板
9 送風手段
10 内蓋
11a 孔部
11b 孔部
20 生ゴミ
21 突起部
22 取手部分
41 吸気通路
42 排気通路
43 仕切り板
44 ファン
45 消臭装置
46 加熱補助装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ゴミを処理するための内鍋と、前記内鍋を着脱可能に収納する収納部を有する生ゴミ処理筐体と、前記生ゴミ処理筐体に開閉可能に取り付けられ、前記の生ゴミ処理筐体の上部を覆い、かつ、前記内鍋の投入口を閉塞する蓋とを有するポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機であって、前記蓋内に設けられた前記内鍋内に連通する吸気通路と、前記外蓋内に設けられた前記内鍋内に連通する排気通路と、前記吸気通路内に前記内鍋に対して送風する送風手段と、前記内鍋を加熱する加熱手段とを含むことを特徴とするポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項2】
前記内鍋が、内鍋の内周底面が突起部を有することを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項3】
前記送風手段が、遠心ブローであることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ処理機
【請求項4】
前記送風手段が、軸流ファンであることであることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項5】
前記送風手段が、貫流ファンであることであることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項6】
前記送風手段が、渦流ファンであることであることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項7】
前記蓋において、蓋の底面に、加熱補助装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項8】
前記排気通路内において、消臭装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項9】
前記加熱手段が、電熱ヒータであることであることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項10】
前記加熱手段が、ガスによる加熱であることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項11】
前記加熱手段が、ハロゲン加熱ヒータであることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項12】
前記加熱手段が、電磁波加熱であることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項13】
前記内鍋が、二重壁真空鍋であることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機
【請求項14】
前記蓋の底面に、軟質の高温耐熱パッキンが外周面に固着された内蓋を備えることを特徴とする請求項1に記載のポータブル卓上生ゴミ乾燥処理機

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−178855(P2008−178855A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−100919(P2007−100919)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(591220148)伸洋産業株式会社 (69)
【Fターム(参考)】