説明

ポータブル検出システム及び方法

ポータブル検出ユニットと通信するリモートサーバ又はポータブル検出ユニットで使用するための保存情報を有する消耗品を経由して、アッセイ情報をポータブル検出ユニットに提供するための方法及び装置。グローバル・ポジショニング・システム(GPS)情報が、GPS受信機を有するポータブル検出ユニットに提供され、したがって、ポータブル検出ユニットは、それの現在位置を、高度を含めて決定することができる。決定された位置に基づいて、アッセイ及びパラメータ、例えばPCR溶融温度が選択され得る。ポータブル検出ユニットによって実行されるべき分析が、事前アッセイの結果に基づいて選択され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ポータブル検出システム(portable detection system)の分野に関する。より詳細には、本発明は、ポータブル検出装置(portable detection device)に通信能力を提供し、それによって、ポータブル検出装置がデータをサーバから受信し且つデータをサーバに送信することができ、且つポータブル検出装置がアッセイ分析計算(assay analysis computation)で使用されるべき位置及び高さを決定できるようにするための方法及びシステムに関する。データを送受信する能力は、例えば、どのようなタイプの分析が行われるべきかを、又はその分析を実行するために使用されるべきパラメータを決定するためにも使用され得る。その結果はサーバに送信され得る。
【0002】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2007年7月3日に出願された、Lewingtonらの米国仮特許出願第60/929,577号に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
テロリズムの脅威がますます顕著になり、ポータブル検出ユニットが今日の社会において非常に有用になってきている。より具体的には、バイオテロリズム及び生物戦争が、軍隊及び文民部隊並びに一般市民に身体的脅威と心理的脅威の両方を及ぼす。
【0004】
潜在的に危険な生物剤又は化学剤を識別するのに必要な困難さ及び時間は、生物戦争に関連する危険性及び恐怖を増幅させる。例えば、潜在的脅威としては、地下鉄の駅に放置された未知の液体や建物から発散する未知のガスが考えられる。潜在的脅威を評価するのに時間を要するために、最初の応答者は選択を委ねられる。人々は、旅行を続けることが許可され、生物剤をさらに蔓延させる危険を冒す可能性があり、あるいは、その地域が隔離されて、こぼれたコーヒー用クリームにすぎないかもしれないことに対する潜在的に大きい混乱及び出費を引き起こす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/929,577号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
生物剤をより迅速に識別し攻撃に対応するために、ポータブル検出ユニット、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ユニットを開発しようと努力がなされている。しかし、これらのポータブルユニットは、高度な訓練を受けた専門家しか使用できないことが多く、現場での使用を困難にする。したがって、あまり訓練を受けていない現場要員によって容易に且つ効果的に使用され得るポータブル検出ユニットに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、更新アッセイ情報をリモートサーバによってポータブル検出ユニットに提供するための方法及び装置に関する。リモートサーバは、ポータブル検出ユニットに系統識別アッセイ(strain differentiating assays)用の修正済みアニーリング温度も提供することができる。
【0008】
本発明の別の態様は、ポータブル検出ユニットで使用するための消耗品に関する。消耗品は、ポータブル検出ユニットに情報を提供することができるメモリユニットを備える。情報は、検出プロトコルが使用されるべきもの、例えばアッセイパラメータ又は検出パラメータを含むことができる。消耗品は、通信ユニット、例えばマイクロプロセッサを備えることもできる。この通信ユニットは、情報をメモリユニットからポータブル検出ユニット又はリモートサーバに送信したり、情報を例えばポータブル検出ユニット又はリモートサーバから受信したりすることができる。例えば、通信ユニットは、データをリモートサーバから受信し、次いでこのデータをポータブル検出ユニットに伝達することができる。
【0009】
消耗品には、ポータブル検出ユニットで使用するための識別装置、例えばバーコードで標識され得る。識別装置は、ポータブル検出ユニットに情報を提供することができる。例えば、識別装置は、アッセイ温度パラメータ、タイミング、及び検出パラメータを含む、使用されるアッセイパラメータを指定することができる。識別装置は、試薬又は試薬の量を簡単に識別することもでき、それによって、ポータブル検出ユニットは、適切な分析をしたり結果を適切に分析したりすることができる。識別装置は、メモリユニットの代わりに又はメモリユニットに加えて使用され得る。例えば、消耗品は、検出プロトコルのタイプと検出プロトコルパラメータが入っているメモリユニットとを識別するために、識別装置を含むことができる。リニアバーコード、マトリックスバーコード(別名2次元バーコードとして知られている)、及びスタックバーコードを含む任意のタイプのバーコードが使用され得る。識別装置は、アッセイ温度パラメータ、アッセイタイミングパラメータ、及びアッセイ検出パラメータを含むアッセイパラメータも含むことができる。
【0010】
本発明の別の態様は、消耗品上での反応に特有のサイクリングデータをリモートサーバによって保持すること、及びサイクリングデータをポータブル検出ユニットに送信することに関する。
【0011】
本発明の別の態様は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)情報をポータブル検出ユニットに提供し、したがって、ユニットは、それの現在の高度を決定するとともに、未知の物質の実行されているPCR手順の間に使用される溶融温度を、例えばPCR手順の変性段階中に沸騰しないように調節することができることに関する。アッセイパラメータ、例えば温度、タイミング、及び検出パラメータは、GPSによって決定される、ポータブル検出システムの地理的な位置に基づいて選択され得る。例えば、第1の組のアッセイパラメータを米国において使用することができ、第2の組のアッセイパラメータを欧州において使用することができる。様々な検出プロトコル又はパラメータを地理的領域によって異なる法律及び規則に基づいて選択することが望ましいかもしれない。
【0012】
本発明の一態様によれば、未知の試料を試験するためのシステムが提供され、このシステムは、未知の試料を複数のアッセイに対して試験するためのアッセイパラメータ情報が保存されているポータブル検出ユニットを含む。システムは、更新済みアッセイパラメータ情報をポータブル検出ユニットに提供するリモートサーバも含む。
【0013】
本発明の別の態様によれば、未知の試料を試験するためのシステムが提供され、このシステムは、消耗品上での反応に特有のサイクリングデータを保存するポータブル検出ユニットを含む。システムは、更新済みサイクリングデータをポータブル検出ユニットに提供するリモートサーバも含む。
【0014】
さらに、本発明の別の態様によれば、未知の試料を試験するためのポータブル検出ユニットが提供される。このユニットは、未知の試料を複数のアッセイに対して試験するためのアッセイパラメータ情報が保存されているメモリを含み、アッセイパラメータ情報は、複数のアッセイのそれぞれのための最低溶融温度を含む。ユニットは、ポータブル検出ユニットの海面に対する現在の高度を決定するように構成された決定ユニットも含むことができる。ユニットは、複数のアッセイのための溶融温度をポータブル検出ユニットの現在の高度に基づいて再計算するように構成された融解温度再計算ユニットをさらに含むことができる。
【0015】
前述の概要及び以下の詳細な説明は、どちらも例示的且つ説明的なものにすぎず、特許請求されている本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0016】
本明細書に組み込まれ且つ本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明のいくつかの実施形態を例示しており、説明とともに本発明の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態による、ポータブル検出ユニットのアッセイパラメータ情報を更新するためのシステムを示す図である。
【図2】本発明の別の実施形態による、ポータブル検出ユニットのアッセイパラメータ情報を更新するためのシステムを示す図である。
【図3】本発明の少なくとも第1の実施形態によるポータブル検出ユニットを示す図である。
【図4】本発明の別の実施形態による、正確な溶融温度をポータブル検出ユニットの現在の高度に基づいて決定するためのシステムを示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態のうちのいずれかに利用され得る消耗品の入ったキャニスタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、実施例が添付図面に例示されている本発明の実施形態について詳細に説明する。同じ部品又は類似部品を参照するために図面を通じて同じ参照符号を使用するよう努めている。
【0019】
特に明示されていない限り、「及び(and)」は「又は(or)」を意味することができ、「又は」は「及び」を意味することができる。例えば、ある特徴がA、B又はCを有すると記述されている場合、その特徴は、A、B及びC、あるいはAとBとCの任意の組合せを有することができる。同様に、ある特徴がA、B及びCを有すると記述されている場合、その特徴は、A、B又はCのうちの1つ又は2つだけを有することができる。
【0020】
特に明示されていない限り、「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、「1つ又はそれ以上の(one or more than one)」を意味することができる。例えば、ある装置が1つの特徴Xを有すると記述されている場合、その装置は、1つ又はそれ以上の特徴Xを有することができる。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態による、リモートサーバ110と通信するポータブル検出ユニット100を示す。任意のポータブル検出ユニットが使用され得る。いくつかの実施形態では、ポータブル検出ユニットは、PCR分析を実行するように設計され得る。ポータブル検出は、他のタイプの分析、例えばイオン移動度分光分析(IMS)、質量分析、又は親和性ベースの分析を実行するようにも設計され得る。親和性ベースの分析の例には、タンパク質親和性分析、例えば抗体結合の分析又はタンパク質配列の使用が含まれる。ポータブル検出ユニットは、1つ又はそれ以上のタイプの分析を行う。例えば、ポータブル検出装置は、検体をサイズに基づいて評価し、続いて、検体のタイプ及びサイズに応じて他のタイプの分析、例えばPCR、質量分析、又は親和性ベースの分析に基づいて評価することができる。一実施形態では、ポータブル検出ユニットは、最初に検体のサイズを、例えば、質量分析、続いて検体が限界基準を満たす場合にPCRを使用することによって決定する。
【0022】
いくつかの実施形態では、ポータブル検出ユニット100は、Bioseeq(商標)ユニット(Smiths Detection Inc.)、例えばBioseeq Plus(商標)ユニットに相当することができる。あるいは、ポータブル検出ユニット100は、改良型Bioseeq(商標)ユニットに相当することもでき、改良点については以下で詳細に説明する。改良型Bioseeq(商標)ユニット又はBioseeq Plus(商標)ユニットにおいて、ユーザ(又は操作者)は、試料を分析するために複雑な機能を実行する必要はなく、むしろ、ユーザは、未知の試料を収集し、特定の1つ又は複数のアッセイ(例えば、Bioseeq2ではメモリチップがアッセイの詳細を含むことができる)を選択してポータブル検出ユニット100によって実行され、次いで、ポータブル検出ユニット100のディスプレイ上に与えられるそれらのアッセイの結果を待つだけでよい。
【0023】
ポータブルユニットは、複数の同時アッセイに対応することができる。同時アッセイの数は、用途及び特定の装置に依存する。例えば、Bioseeq Plus(商標)ユニットは、最大6つの独立した同時アッセイに対応しており、温度安定性のためのサーモサイクラヒータ(thermocycler heater)と、ユーザが情報を入力するためのキーボードと、再充電され得る内蔵電池とを含む。Bioseeq Plus(商標)ユニットで使用することができるアッセイとしては、例えば、a)炭疽、b)ツラレミア、3)疫病、4)オルソポックス、5)リシン、及び6)訓練消耗品がある。他のアッセイは、所望の用途に応じて使用され得る。アッセイプロトコルは、Bioseeq Plus(商標)ユニットのメモリ内に保存される。この場合も、Bioseeq(商標)ユニットがポータブル検出ユニットとして使用され得るが、他のタイプのポータブル検出装置も使用され得る。
【0024】
Bioseeq(商標)ユニットはポータブル検出ユニットとして使用され得るが、任意のポータブル検出ユニットが使用され得る。ポータブル検出ユニットは、PCR分析を実行するように設計され得る。ポータブル検出は、他のタイプの分析を実行するようにも設計され得る。いくつかの実施形態では、ポータブル検出ユニットは、1つ又はそれ以上のタイプの分析を実行する。例えば、ポータブル検出装置は、検体をサイズに基づいて評価し、続いて、検体のタイプ及びサイズに応じてPCRか質量分析のどちらか又は親和性ベースの分析に基づいて評価することができる。
【0025】
第1の実施形態では、ポータブル検出ユニット100とリモートサーバ110との間の通信は、無線通信リンクを経由して行われ、無線通信リンクは、インターネット120を介してリモートサーバ110へのリンクを提供することができ、あるいはリンクは、リモートサーバ110への直接的なリンクを提供することができる。ポータブル検出ユニット100とリモートサーバ110は、衛星あるいは1つ又はそれ以上の中継装置、例えばワークステーションを介して通信することができる。中継装置は、ポータブル検出ユニット100とリモートサーバ110の両方のサイトから遠く離れたサイトにセットアップされ得る。例えば、ポータブル検出ユニット100は、潜在的バイオテロリスト攻撃のサイトで使用され、汚染の可能性のある地域の外側にあるコマンドサイトに位置するワークステーションと例えば無線通信リンクによって通信することができる。これらのワークステーションは、その場合、ポータブル検出ユニット100に又はポータブル検出ユニット100から情報を送信するために、リモートサーバ110と通信することができる。
【0026】
ポータブル検出ユニット100によって受信された情報は、試料を分析するために使用される情報とすることができる。例えば、リモートサーバ110は、実行するアッセイのタイプを指定することができる。いくつかの実施形態では、リモートサーバ110は、ポータブル検出ユニット110と通信して、ポータブル検出ユニット100に特定のPCRアッセイ、例えば炭疽菌用のアッセイを実行するよう指示することができる。いくつかの実施形態では、ポータブル検出ユニット100は、アッセイの結果をポータブル検出ユニット110に伝達することができる。この情報に基づいて、リモートサーバ110は、追加のアッセイを実行するか又は以前のアッセイを何らかの方法で修正するための指示を送信することができる。例えば、最初のアッセイの結果が陰性である場合、追加のアッセイが実行されることになる。このように、リモートサーバ110は、試料を識別するのに必要なアッセイを実行したり、試料が特定の薬剤を含有するものを除外したりするために、指示を送ることができる。
【0027】
リモートサーバ110は、アッセイがポータブル検出ユニット100によって実行され得る条件を指定することもできる。条件としては、例えば、試薬のタイプ及び量、実行されるべき反応、各ステップのタイミング、維持されるべき温度、検出パラメータなどとすることができる。いくつかの実施形態では、アッセイはPCRアッセイであり、リモートサーバ110は、ポータブル検出ユニット100に、使用する試薬、サイクル数、各サイクルの時間、各サイクルの間の温度、温度プロファイル、検出温度、あるいは検出励起及び発光波長を提供する。
【0028】
ポータブル検出ユニット100に情報を提供することにより、ポータブル検出ユニット100は、ごく限られた訓練を受けた人員によって操作され得る。一実施形態では、ポータブル検出ユニット100は、Bioseeq Plus(商標)ユニットである。リモートサーバ110は、実行するアッセイとそのアッセイを実行するために使用されるべき条件とを指定するために、Bioseeq Plus(商標)ユニットに情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、試験されるべき試料以外をBioseeq(商標)に入力する必要はない。
【0029】
第1の実施形態では、アッセイパラメータが、リモートサーバ110(ポータブル検出ユニット100に対して遠隔設置されている)から無線通信リンクを介してポータブル検出ユニット100に提供され、したがって、ポータブル検出ユニット100のユーザは、ポータブル検出ユニット100によって気体、液体及び/又は固体を分析するために、ポータブル検出ユニット100にダウンロードされた最新情報を有する。図1には示されていないが、アッセイパラメータを保存し且つポータブル検出ユニット100による分析のために収集されている未知の試料に対してPCRステップを実行するためのプログラムコードを保存するためのメモリが、ポータブル検出ユニット100内に設けられる。
【0030】
リモートサーバ110には、中心施設、例えば医学研究施設へのリンク、好ましくは安全なリンクが(例えば暗号化アルゴリズム及び復号アルゴリズムを用いて)設けられ、したがって、更新済みアッセイ情報が医学研究施設からリモートサーバ110に定期的に提供され、その情報はポータブル検出ユニット100に必要なときにダウンロードされ得る。リモートサーバ110は、定期的に、例えば1時間に1回、1日に1回、又は1週間に1回、情報を受信することができる。リモートサーバ110は、情報をオンデマンドで、例えばポータブル検出ユニットが作動したという情報をリモートサーバが受信したとき、又はポータブル検出ユニットがアッセイを実行しようとしているときに受信することもできる。
【0031】
第1の実施形態では、ユーザが自分のポータブル検出ユニット100のスイッチを入れたときに、ポータブル検出ユニット100は「覚醒(awake)」信号を出力し、この信号は、局所的通信システム(例えばセルラーシステム、衛星システム又はWI−FIシステム)によって受信される無線周波数(RF)信号とすることができる。リモートサーバ110は、この覚醒を、覚醒信号が局所的通信システムから無線で且つ/又はインターネットを介してリモートサーバ110に提供されることによって通知される。次いで、リモートサーバ110は、それの最新アッセイ情報を、ポータブル検出ユニット100が最後に覚醒させられたときに、ポータブル検出ユニット100に以前に送信されたアッセイ情報と照合し、アッセイ情報の更新が、リモートサーバ110からポータブル検出ユニット100に必要に応じて自動的に提供される。別法として、更新済みアッセイ情報は、収集された試料に対するアッセイの実行を開始するために、消耗品(例えば消耗品の入ったキャニスタ)がポータブル検出ユニット100の特定のベイの中に置かれたときだけポータブル検出ユニット100に提供される。
【0032】
例として、ポータブル検出ユニット100が病院で患者のインフルエンザウイルスをチェックするために使用されていると仮定する。最新の脅威ウイルスを検出するためのパラメータの入ったインフルエンザ識別アッセイが、リモートサーバ110に保存され、次いで、1つ又は複数の系統識別アッセイを実行するための正確なアニーリング温度とともに、ポータブル検出ユニット100にダウンロードされることになる。更新済み情報がポータブル検出ユニット100にダウンロードされた後、ユーザが死に至る可能正のある新しいインフルエンザウイルスの患者を検査し始めることができることをユーザに通知するために、(例えば、ポータブル検出ユニット100のディスプレイ上のメッセージによって且つ/又はビープ音によって、あるいはその両方によって)通知が行われる。ポータブル検出ユニット100に保存されたアッセイパラメータのこうした更新は、ポータブル検出ユニット100の備蓄消耗品の化学的性質を変化させずに実行される。備蓄消耗品は、様々なアッセイを実行するポータブル検出ユニット100によって使用されるための、(例えばキャニスタ内に)貯蔵された試薬に対応する(例えば、消耗品Aは、アッセイを実行して収集済み試料が炭疽菌であるかどうかを決定するために試薬として使用され、消耗品Bは、アッセイを実行して収集済み試料が疫病であるかどうかを決定するために使用される)。
【0033】
1つの可能な実施態様では、ポータブル検出ユニット100はトレイ上に収納され、トレイ上には、特定のアッセイを実行するための消耗品の入った複数(例えば3つ又はそれ以上)のキャニスタが収納される。特定の消耗品を必要とする特定のアッセイを実行するためには、特定の消耗品のためのキャニスタは、特定のアッセイの実施を開始するために、トレイの特定のベイに載せられる。特定の消耗品の入ったキャニスタが空である場合(例えばポータブル検出ユニット100のディスプレイ上のメッセージによって示される)、ユーザは、その特定の消耗品を試薬として必要とする特定のアッセイを実行できるようにするために、空のキャニスタをベイから取り出し、同じ消耗品の入った新しいキャニスタを挿入しなければならない。
【0034】
第2の実施形態では、消耗品には、ポータブル検出ユニット100に供給されるべき情報が入っている。この情報は、メモリユニット、識別装置、又は他の適切な情報記憶ツールを使用して消耗品上に保存され得る。識別装置は、例えばバーコード又はRF IDとすることができる。その情報は、以下でさらに詳細に説明するように、ポータブル検出ユニット100又はリモートサーバ110に伝達され得るか、あるいは、ポータブル検出ユニット100又はリモートサーバ110から受信され、メモリに保存され得る。
【0035】
消耗品は、アッセイを実行するのに必要な様々な試薬、又は検体を検出するために使用されるプローブを含むことができる。例えば、消耗品は、PCRアッセイを実行するために使用される試薬、プライマ及びプローブの入っているPCR消耗品とすることができる。消耗品は、特定タイプのアッセイに対して特有のものとすることができる。例えば、消耗品は、特定の生物剤、例えば炭疽、疫病、口蹄疫、鳥インフルエンザ、豚コレラ、バレット食道、MRSA、HIV、HCV、HPV、又はツラレミアを検出するために、アッセイで使用するためのPCR消耗品とすることができる。メモリユニットが使用される場合、メモリは、消耗品に任意の形で(例えば、消耗品が設けられるキャニスタの外面上に)取り付けられ得る。例えば、メモリは、例えば接着剤を使用して消耗品内に埋め込まれ得るか又は消耗品に取り付けられ得る。メモリユニットは、電子チップの形で設けられ得る。同様に、識別装置、例えばバーコードが消耗品上のどこにも置くことができる。唯一の制限は、識別装置がポータブル検出ユニットによって読み取ることができなければならないことである。
【0036】
メモリは、任意の形のメモリ、例えばランダム・アクセス・メモリ、フラッシュメモリ、又は情報を保存するのに適した他のメモリとすることができる。メモリは、1つ又はそれ以上の構成要素、例えばマイクロプロセッサと通信することができる。例えば、メモリは、メモリに保存されたデータをポータブル検出ユニット100又はリモートサーバ110に伝達するためのマイクロプロセッサ及び装置を含む電子チップの一部とすることができる。いくつかの実施形態では、メモリは、無線周波数識別(RF ID)チップの形で設けられる。参照しやすいように、「メモリ」及び「チップ」という用語は区別なく用いられる。
【0037】
メモリは、消耗品のタイプを識別するために情報を含むことができる。例えば、メモリは、消耗品を、特定の生物剤、例えば疫病、炭疽、天然痘、インフルエンザ、又はツラレミアを識別するために使用されるべき消耗品と識別することができる。メモリはまた、消耗品を、例えば消耗品内に含まれる試薬及びプローブのタイプによって全体的に識別することもできる。この情報に基づいて、ポータブル検出ユニット100のユーザは、特定の検出パラメータを選択することができる。例えば、消耗品は、それ自体をポータブル検出ユニット100に対する疫病検出用のPCR消耗品と識別することができ、ユーザはその場合、特定のパラメータ、例えばサイクル数を選択することができる。
【0038】
メモリはまた、アッセイを実行するために使用される情報を含むこともできる。この情報は、実行されるべきアッセイのタイプ、アッセイパラメータ、及び検出パラメータを含むことができる。例えば、メモリは、反応ステップ、使用されるべき試薬の量及びタイプ、並びに反応条件、例えば時間や温度を指定することができる。したがって、メモリは、アッセイを実行し試料を検出するために、ポータブル検出ユニット100に必要な情報のすべてを提供することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、メモリによって提供されたパラメータを変更するという選択肢を有することができる。これにより、洗練されたユーザは、設定を最適化すること、メモリによって不正確に提供されている設定を修正すること、又はメインテナンスを実行することができる。
【0039】
情報は、バーコードを用いて消耗品上に保存することもできる。バーコードは、上述のように、メモリと同一タイプの情報を保存するために使用され得る。いくつかの実施形態では、バーコードとメモリの両方が使用され得る。例えば、バーコードは消耗品のタイプ及び量を識別することができ、メモリは試験パラメータを含むことができる。バーコードはまた、メモリ上の情報の少なくとも一部を裏付けるために使用することもできる。
【0040】
いくつかの実施形態では、消耗品はPCR消耗品であり、メモリ又は識別装置に含まれる情報は、PCRアッセイを実行するためにポータブル検出ユニット100に必要な情報を含む。メモリは、例えば使用する試薬、サーマルサイクル数、各サイクルの時間、各サイクルの間の温度、温度プロファイル、検出温度、あるいは検出励起及び発光波長を指定することができる。いくつかの実施形態では、PRC消耗品に関する情報は、ユーザが情報を全く提供する必要がないように、アッセイを実行するためにポータブル検出ユニット100に必要な情報のすべてを提供する。他の実施形態では、情報は必要なパラメータの一部だけを提供し、ユーザはポータブル検出ユニットに追加のパラメータを提供する。他の実施形態では、すべての情報又は補足的情報が、ポータブル検出装置とリモートサーバとの通信によって提供される。
【0041】
消耗品は、メモリ又は識別装置を使用して、アッセイを実行するのに必要な情報のすべて又は実質的にすべてをポータブル検出ユニット100に提供することができるので、消耗品により、ポータブル検出ユニットは、ごく限られた訓練を受けた人員によって操作することができる。例えば、ポータブル検出ユニット100は、正式な科学的訓練を受けていない兵士又は救急医療人員によって操作され得る。誤りも最小限に抑えられる。これは、パラメータが、パラメータを不正確に入力し得るユーザではなく消耗品によって提供されるからである。
【0042】
いくつかの実施形態では、メモリを有する消耗品は、第1の実施形態に関連して上述したように、リモートサーバ110からの情報を送受信することができるが、それによって、ポータブル検出ユニット100がこの情報転送に関与することはない。それらの実施形態では、消耗品が、特定のアッセイをポータブル検出ユニット100で実行するために利用されるべきときにだけ、リモートサーバ110によって消耗品に提供された情報は、消耗品のメモリからポータブル検出ユニット100に(消耗品の通信ユニットによって)転送される。したがって、リモートサーバ110は、メモリによって提供された情報を受信するか、又は消耗品のメモリに保存されるべき情報を提供することができる。例えば、アッセイパラメータが消耗品の製造後に最適化される場合、無線通信リンクが、消耗品のメモリに保存されたパラメータを最適化パラメータに適合するように変更するために使用され得る。消耗品のメモリはまた、消耗品のタイプを決定するために読み取られ得る。そのような読み取りは、RF ID通信プロトコルを用いて実行され得る。これは、例えば倉庫内に保管された消耗品の一覧表を作成するのに有用となり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、ポータブル検出ユニット100は、消耗品の識別装置に関する情報を読み取ってその情報をリモートサーバ110に転送することができる。次いで、リモートサーバ110は、ポータブル検出ユニット100によって実行されるべき試験又は試験パラメータのタイプを指定することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、消耗品とリモートサーバ110の両方が、情報をポータブル検出ユニット100に提供する。例えば、消耗品のメモリ又は識別装置は、消耗品及び含まれている試薬のタイプを提供することができ、リモートサーバ110は、アッセイ及び検出パラメータを提供することができる。別の実施例として、消耗品のメモリ又は識別装置は、アッセイを実施するのに必要な情報をすべてポータブル検出ユニットに提供することができ、リモートサーバ110は、情報が最新情報であることを確認したり、必要なら情報を更新したりすることができる。
【0045】
メモリ若しくは識別装置を有する消耗品及びポータブル検出ユニット100は自動的に通信するように設計することができ、あるいは、ユーザは情報の交換を開始することができる。例えば、消耗品がポータブル検出ユニット100に搭載された後、ポータブル検出ユニット100は、消耗品から情報を自動的に読み取ることができる。ポータブル検出ユニットはまた、ユーザが消耗品に保存された情報を使用したいのかそれとも他の情報を入力したいのかをユーザに尋ねることもできる。
【0046】
一実施形態では、消耗品はキャニスタの形をとり、メモリはキャニスタに取り付けられたチップの一部である。ポータブル検出ユニット100が、キャニスタがベイ内に設けられたときにキャニスタ上のチップの存在を検出したとき、且つ、ポータブル検出ユニット100がそれによって、特定のアッセイがその消耗品を使用して実行されるべきであると決定したときに、更新済みアッセイ・パラメータ・データが、ユーザからの入力が要求されることなく、リモートサーバ110からポータブル検出ユニット100に提供される。したがって、ユーザがしなければならないすべてのことは、試料を収集し、消耗品をポータブル検出ユニット100のベイ内に置き、ポータブル検出ユニット100がベイ内の消耗品上のチップを自動的に検出できるようにし、次いでその消耗品と最新のアッセイパラメータ情報とを使用してアッセイを自動的に実行できるようにすることである。自動更新が完了し、それによってそのような表示が可聴表示又は/及び可視表示によって行われ得ると、ユーザは、ポータブル検出ユニット100上で適切な選択をすること(例えば、「リシン検査実施」ボタンを予約したり、「疫病検査実施」ボタンを予約したり、タッチ画面ディスプレイ上で適切な選択を行ったりすること)により、特定のアッセイの実施を開始するだけでよい。別の可能な実施態様では、アッセイの結果、アッセイが実行された日時、アッセイが実行された場所、及びアッセイを実施するために提供されたユーザ入力日付(例えばログ番号)が、チップに保存される。
【0047】
第1の実施形態の1つの可能な実施態様では、消耗チップはRF IDチップであり、それにより、ポータブル検出ユニット100のトレイ内の特定のベイでの消耗チップの存在が検出され、情報(例えばRF IDチップのメモリに保存されたコンピュータソフトウェア)がチップから得られ、ポータブル検出ユニット100は、チップから得られた情報を用いて特定のアッセイを実行する。そのような情報は、例えば、サイクル時間、サイクル温度、温度プロファイル、サイクル数、検出温度、検出励起パラメータ、及び発光波長を含むことができる。この場合も、特定のアッセイを実施する実際のステップは、これらのステップが周知であるので、以下で詳細には説明しない。
【0048】
本発明の第3の実施形態では、リモートサーバ110は、消耗品上での反応に特有のデータを保持する。ポータブル検出ユニット100が特定のアッセイを実行すべきときに、更新済みデータが、リモートサーバ110によってポータブル検出ユニット100に提供される。更新済みデータはまた、リモートサーバ110から直接的に又はポータブル検出ユニット100を介して消耗品のメモリにも提供され得る。そのように、製品の更新は、ポータブル検出ユニット100のユーザには見ることができない。さらに、新しい反応の最適化があれば、(例えば研究病院で働く科学者によって)識別され、リモートサーバ110に直接提供されることがあり、それにより、次いで、その情報は、必要に応じてポータブル検出ユニット100又は消耗品のメモリにダウンロードされる。これらのダウンロードは、ポータブル検出ユニット100の製造データ、アッセイ及び消耗品の識別情報、あるいは消耗品の製造年月日に基づいて行われ得る。例として、リモートサーバ110に特定のPCR手順用の更新済みデータが提供されたときに(例えば、サイクル2の間に使用されるアニーリング温度は、最適化試験を特定のPCR手順のための研究所で実行する科学者によって決定されたとおり、93℃から95℃に変化し、それによって、更新済み情報が、研究所とリモートサーバ110の間の専用通信リンクを介してリモートサーバ110に提供され)、その情報は、無線通信リンクを介してポータブル検出ユニット100に提供される。したがって、チップ(例えばRF IDチップ)が設けられているキャニスタ内に収容された特定の消耗品を使用することによって、被試験試料に対して実行される今後のすべてのPCR手順は、更新済みサイクリングデータを利用する。
【0049】
図2は、最新データを保存するメモリ125を有するリモートサーバ110を示しており、最新データは、ポータブル検出ユニット100のスイッチが(前述のようにポータブル検出ユニット100によって出力された「覚醒(awake)」信号によって)入れられたとき、あるいはそのデータがメモリ125において更新されているときに、ポータブル検出ユニット110に提供される。そのように、ポータブル検出ユニット110のスイッチが入れられた後で、そのデータがリモートサーバ110のメモリ125において更新されているとき、その事象は、更新済みデータのリモートサーバ110からポータブル検出ユニット100へのダウンロードを自動的に引き起こす(ポータブル検出ユニット100は、そのスイッチが入れられたときに、更新済みサイクリングデータを受信し保存する)。別法として、データは、特定のアッセイを実施するために使用されるべき特定の消耗品の入ったキャニスタがポータブル検出ユニット100のベイの中に置かれたときに、ポータブル検出ユニット100に提供されるだけであり、次いでキャニスタの外面上のチップが検出され、それによってポータブル検出ユニット100にリモートサーバ110からの更新済みサイクリングデータを要求する信号を送出させる。ベイ内のキャニスタの検出は、トレイの近傍に設けられた低出力のアンテナによって行われ得る。例えば、低出力アンテナは、ベイから1インチのところに位置することができ、それによって、低出力アンテナは、ベイ内のキャニスタ上に設けられたRF IDチップからの信号だけを検出し、トレイ上のアンテナからさらに離れて設けられた他の未使用のキャニスタ上に設けられたRF IDチップからの信号は検出しない。次いで、リモートサーバ110は、無線信号によって最新のサイクリングデータをポータブル検出ユニット100に送信し、次いで、ポータブル検出ユニット100は、消耗品を使用してアッセイを実行する際にその最新データを使用する。
【0050】
図3は、3つの貯蔵ベイ310と1つの使用ベイ305とを有するポータブル検出ユニット100を示す。貯蔵ベイ310の数は、ポータブル検出ユニット100によって異なるタイプのアッセイを実施するために必要とされる異なる消耗品の数(したがって異なるキャニスタの数)に基づいているが、図3には便宜上、3つの貯蔵ベイ310だけが示されている。しかし、ポータブル検出ユニット100は、任意の数の貯蔵ベイ310を有することができる。例えば、ポータブル検出ユニットは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上の貯蔵ベイ310を有することができる。特定のアッセイが特定の消耗品を使用して実行される場合、特定の消耗品の入ったキャニスタは、貯蔵ベイ310のうちの1つから使用ベイ305へ移される。RFアンテナ315が、使用ベイ305内に設けられたキャニスタの外面上に設けられたRF IDチップを検出することができ、チップ内に保存されたアッセイ情報はその場合、例えばポータブル検出ユニット100のサーモサイクラユニット320に提供される。先に説明したように、ポータブル検出ユニット100が特定の消耗品を使用して特定のアッセイを実施する前に、ポータブル検出ユニット100は、リモートサーバ110に通知することができ、リモートサーバ110はその場合、更新済みアッセイパラメータ(及び/又はサイクリングデータ)情報をポータブル検出ユニット100に提供する。そのダウンロードが完了すると、ポータブル検出ユニット100は、更新済み情報を用いて収集済み試料に対する特定のアッセイを実施する。
【0051】
本発明の第4の実施形態について、図4を参照しながら以下で説明する。第4の実施形態では、ポータブル検出ユニット400がグローバル・ポジショニング・システム(GPS)受信機を含み、したがって、ポータブル検出ユニット400の現在の位置が決定され得る。ユニットの位置をGPSデータに基づいて決定する方法は、当分野で周知であり、本明細書では簡略にするために論じない(例えば、少なくとも3つの異なるGPS衛星からのGPSデータを用いることにより、地球の表面上の任意の場所で正確な位置座標を得ることができる)。第4の実施形態では、GPSデータは、ポータブル検出ユニット400又は消耗品のメモリに保存されたアッセイパラメータを修正及び/又は制御するために、ポータブル検出ユニット400によって利用される。
【0052】
より詳細には、例として、非常に高い溶融温度(例えば95℃)がポータブル検出ユニット400によって実行されるPCR手順中に使用されるにしても、アッセイのための最低溶融温度が消耗品に符号化されることになる。この符号化は、消耗品の入ったキャニスタ上に設けられたチップ(例えばRF IDチップ)によって行うことができ、あるいはキャニスタの外面上の設けられたバーコード又は他のタイプの永久的若しくは半永久的しるしによって行うこともでき、それによって、ポータブル検出ユニット400によるバーコードの走査が、ポータブル検出ユニット400によって読み取られ且つ保存され、その結果、適切なPCR手順が、1つ又はそれ以上のアッセイを実行するのに十分な収集試料を得るために実行され得る。
【0053】
より詳細には、PCR手順は、3つのステップ、すなわち変性段階、アニーリング段階、及び拡張段階を含む。変性段階は、収集済み試料のDNA断片が高温に加熱され、それによってDNAの2重鎖を1本鎖に減少させ、これらの1本鎖がプライマにアクセスできるようになる段階である。アニーリング段階は、反応混合物が冷却される段階であり、プライマがDNAテンプレート鎖内の相補領域をアニールし、プライマと相補配列の間に2重鎖が再び形成される。拡張段階は、DNAポリメラーゼが相補鎖を合成し、それによって酵素が逆鎖配列(opposing strand sequence)を読み取り、ヌクレオチドをそれらが対になり得る順に加えることによってプライマを拡張する段階である。この3ステップPCRプロセスは何度も繰り返され、それによって、温度のサイクリングがコピーの複写(copying of copies)などを引き起こして、特定配列のコピーの数の指数関数的増加(すなわち被試験試料の量の増大)につながる。多量の配列が得られると、ポータブル検出ユニット300は、十分な量の試料の分析を実行して、その試料が脅威を与えるか否かを決定することができる。
【0054】
ポータブル検出ユニット400に提供されたGPSデータに基づいて、ポータブル検出ユニット400は、それの現在の高度を容易に決定し、それによって溶融温度を修正して沸騰を回避することができる。第4の1つの可能な実施態様では、ポータブル検出ユニット400は、特定のGPS位置(度、分及び秒での緯度及び経度)に基づいて高度データを保存する内部メモリ(例えばリード・オンリ・メモリすなわちROM)を有しており、あるいは、リモートサーバ(図示せず、ただし図1及び2参照)が、ポータブル検出ユニット400からリモートサーバに無線で伝達されているGPSデータに基づいて、ポータブル検出ユニット400に正確な高度情報を提供することができる。例えば、ポータブル検出ユニット400が10,000フィートの高度にある場合、液体を沸騰させる温度は、それが海面位にあるはずの場合よりも低くなるが、高度に基づく正確な沸騰温度は、当分野で公知であり、本明細書では簡略にするために論じない。正確な沸騰温度を温度に基づいて計算するためのコンピュータ・プログラム・コードが、ポータブル検出ユニット400の融解温度計算ユニット420に保存される(図4参照)。
【0055】
図4を参照すると、ポータブル検出ユニット400は、GPS衛星からGPS情報を受信してその情報が高度決定ユニット440に提供されるGPS受信機430を備える。高度決定ユニット440は、ポータブル検出ユニット400の海面に対する現在の高度を決定する。現在の高度はアッセイ分析器410に提供され、アッセイ分析器410は、その情報を特定のアッセイに関する情報とともに融解温度計算ユニッ420に送信し、その結果、アッセイのための現在の高度に基づく修正済み融解温度が決定され得る。融解温度計算ユニット420によってアッセイ分析器410に提供された修正済み融解温度に基づいて、アッセイ分析器は、適切なアッセイを実行することができる(より詳細には、アッセイ分析器は、試料のDNA断片を十分に高いが沸騰させるほど高くはない温度で加熱することによって、PCR手順の適切な変性段階を実行することができる)。
【0056】
高度と沸騰温度を関連付ける周知の計算に基づいて、溶融温度は、ポータブル検出ユニット400によって、それの現在の高度(例えば山上又は水中での使用)に関係なく容易に決定され得る。最低溶融温度がポータブル検出ユニット400のGPS決定位置での水の計算済み沸点を上回ると決定された場合、ポータブル検出ユニット400は、ディスプレイ上に警告メッセージを発し(警報でもよい)、ポータブル検出ユニット400でアッセイを実施するのを防止する。そうでない場合は、ポータブル検出ユニット400でアッセイを実施することが可能となり、PCR手順の変性段階の加熱温度は、必要なら沸騰するのを回避するために低下する。したがって、第3の実施形態は、従来のポータブル検出ユニットに現在利用できない付加された安全機能を提供する。
【0057】
GPS情報、例えば幾何学的位置もまた、自動的に又はユーザの指示で、アッセイパラメータ、例えば温度、タイミング、及び検出プロトコルについて決定するために使用され得る。例えば、第1の組のアッセイパラメータを第1の国において使用することができ、第2の組のアッセイパラメータを別の国において使用することができる。異なる検出プロトコル又はパラメータを地理的領域によって異なる法律及び規則に基づいて選択することが望ましいかもしれない。例として、アッセイプロトコルAは、規定された地理的領域内にあるときに使用され得るが、アッセイプロトコルBは、他のすべての領域内で使用され得る。地理的領域に基づいてアッセイの方法及びパラメータを選択することが様々な理由で有用となり得る。例えば、異なる方法又はパラメータが、異なる地理的領域における法律及び規則に従うよう求められる場合がある。地理的領域に基づいて異なる試験方法及びパラメータを選択することもまた、特定の管轄区内だけに存在する知的財産権を侵害しないようにするのに有用となり得る。別の例として、試験方法及びパラメータが、異なる領域内での異なる検体の流行に基づいて調整され得る。ポータブル検出ユニット400は、GPSによって提供されたデータに基づいて試験プロトコル又はパラメータを選択するように構成され得る。別の方法では、GPSデータは、試験プロトコル又はパラメータをポータブル検出ユニット100に順に提供するリモートサーバに送信され得る。別の実施形態では、試験方法又はパラメータは、GPSデータと上述したように消耗品によってメモリ又はバーコードの形で提供された情報との両方に基づいて選択される。
【0058】
いくつかの実施形態では、消耗品によって提供された情報は、試験方法、例えば核酸同定法、タンパク質同定法、又はそれらの組合せを選択するために使用され得る。核酸同定法としては、例えば、PCR、すなわちLinear After the Exponential PCR(LATE−PCR)、及び逆転写PCR(RT−PCR)がある。タンパク質同定法としては、例えば、親和結合ベースの方法、例えば抗体−抗原アッセイがある。
【0059】
第5の実施形態では、ポータブル検出ユニットは、第1のアッセイの結果に基づいて1つ又はそれ以上のアッセイを実行する。検出ユニットは、リモートサーバと直接的に又は通信を介して、第1のアッセイの結果を評価し、第2のアッセイを実行するか否かを決定し、第2のアッセイが実行される場合にはどのタイプのアッセイが実行されるのかを決定することができる。例えば、ポータブル検出ユニットは、多数のターゲットをふるいにかける抗体アッセイを実行することができ、どの1つのターゲットが検出されるかどうかに応じて、後続のアッセイ、例えばPCRが実行される。別のアッセイがその後の結果に応じて決定される可能性もある。別の実施例として、ポータブル検出ユニットは、試料中の検体のサイズ又は量を決定することができる。検体のサイズ、量又はタイプに基づいて、後続の試験が実行され得る。パラメータもまた、先の試験の結果に基づいて選択され得る。例えば、結論の出ないアッセイの後、パラメータは最終的な結果を得るために調整され得る。
【0060】
第2の試験を実行するかどうか又はどの第2の試験を実行するかについての決定は、ポータブル検出ユニットによって行われ得る。この決定は、例えばユニット内にあるソフトウェアに基づいてポータブル検出ユニットによって行われ得る。ポータブル検出ユニットは、上述のように、第1の試験からのデータを単独で又はGPSデータと組み合わせてリモートサーバに転送することもでき、リモートサーバは、もしあればどの試験が次に実行されるべきかを指定することができる。このように、もしあればどの後続の分析を実行するかを決定するのがリモートサーバである。ポータブル検出ユニットは、もしあればどの後続の分析を実行するかを決定するために、消耗品上に保存された情報に関連して第1の試験の結果を使用することもできる。例えば、後続の分析は、(a)失敗した第1の分析に基づいて、(b)ある組の規定済み検体を検出するための消耗品を使用して、選択され得る。後続の分析は、第2の組の規定済み検体を検出するための消耗品を使用して行われ得る。
【0061】
第4の実施形態については、主としてそれがPCR分析に関連するものとして説明してきたが、第4の実施形態は任意のアッセイで使用され得る。例えば、第4の実施形態は、質量分析、IMS、又は結合親和性ベースの技法、例えば抗体結合で使用され得る。高度の差は、高度に依存する任意のパラメータ、例えば大気圧あるいは融点及び沸点に頼る試験に影響を及ぼし得る。さらに、異なる地理的領域には、上述のように、高度に完全に依存するという理由で、異なる方法又はパラメータが必要となり得る。
【0062】
図5は、本発明の第1から第5の実施形態による、外面上にチップ510が設けられているキャニスタ500を示す。別の可能な実施態様では、2つのチップがキャニスタ500上の反対位置に設けられており、したがって、アンテナ315(図3参照)は、ポータブル検出ユニットの使用トレイ305内のキャニスタ500の配置に関係なく、RF IDチップを検出することができる。チップ510は、好ましくは、キャニスタ500の外面に、例えばそれを適所にねじ込むこと、それを適所に溶接すること、又はそれを適所に接着することによって、固定して取り付けられる。
【0063】
上述の実施形態は、説明するために本明細書に記載されている。しかし、この説明は、本発明の範囲に対する限定と見なされるべきでない。様々な修正形態、適応形態、及び代替形態が、特許請求されている本発明の概念から逸脱することなく、当業者には想到し得る。例えば、試料調製パラメータ、並びにPCRパラメータが、リモートサーバからポータブル検出ユニットに提供され得る。例えば、消耗品が、試料を特定のバッファ内で5分間培養し、次いでいくつかの操作を実行し、次いでその試料をさらに5分間培養することができる。それに基づいて、リモートセンサは、ポータブル検出ユニットによって実行されるべきアッセイを進めるための最適パラメータを提供する。また、第3の実施形態に関しては、温度センサを用いて、より低い使用温度を占めるように消耗品の培養時間を調整することが可能である(培養時間が使用温度に関係する場合)。さらに、サイクリングパラメータを変化させることが、アッセイを実施するために使用されるべき分析パラメータに影響を及ぼす可能性があり、またその逆の場合も同様であり、それによって、適切なサイクリングパラメータ及び分析パラメータが、結果的にリモートセンサからポータブル検出ユニットに提供される。本発明の精神及び範囲は、下記の特許請求の範囲によって示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
未知の試料を試験するためのシステムであって、
前記未知の試料を複数のアッセイに対して試験するためのアッセイパラメータ情報が保存されているポータブル検出ユニットと、
更新済みアッセイパラメータ情報を前記ポータブル検出ユニットに提供するリモートサーバと
を備えるシステム。
【請求項2】
前記ポータブル検出ユニットが、
前記リモートサーバと無線通信するための無線送受信機
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ポータブル検出ユニットが、
前記ポータブル検出ユニットのスイッチが入ると前記リモートサーバに通知する手段
をさらに備え、
前記リモートサーバが、
保存されている現在のアッセイパラメータ情報が前記ポータブル検出ユニットに保存された前記アッセイパラメータ情報と異なるかどうかを決定し、異なる場合に前記現在のアッセイパラメータ情報を前記ポータブル検出ユニットに出力するための手段
を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
未知の試料を試験するためのシステムであって、
消耗品上での反応に特有のデータが保存されているポータブル検出ユニットと、
更新済みデータを前記ポータブル検出ユニットに提供するリモートサーバと
を備えるシステム。
【請求項5】
前記ポータブル検出ユニットが、
前記リモートサーバと無線通信するための無線送受信機
を備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポータブル検出ユニットが、
前記ポータブル検出ユニットのスイッチが入れられるたびに、前記リモートサーバに通知するための手段
をさらに備え、
前記リモートサーバが、
保存されている現在のデータが前記ポータブル検出ユニットに保存されたサイクリングデータと異なるかどうかを決定し、異なる場合に前記現在のサイクリングデータを前記ポータブル検出ユニットに出力するための手段
を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
未知の試料を試験するためのポータブル検出ユニットであって、
前記未知の試料を複数のアッセイに対して試験するための、前記複数のアッセイのそれぞれのための最低溶融温度を含むアッセイパラメータ情報が保存されているメモリと、
前記ポータブル検出ユニットの海面に対する現在の高度を決定するように構成された高度決定ユニットと、
前記複数のアッセイのための溶融温度を前記ポータブル検出ユニットの前記現在の高度に基づいて再計算するように構成された融解温度再計算ユニットと
備えるポータブル検出ユニット。
【請求項8】
前記再計算された溶融温度が特定のアッセイのための前記最低溶融温度より高いと決定されたときに、ポータブル検出ユニットを使用して前記特定のアッセイを実施するのを防止するように構成された防止ユニット
をさらに備える、請求項7に記載のポータブル検出ユニット。
【請求項9】
所定の基準に基づいて、前記ポータブル検出ユニットを使用して特定のアッセイを実施するのを防止するように構成された防止ユニット
をさらに備える、請求項7に記載のポータブル検出ユニット。
【請求項10】
防止ユニットが、ユーザに前記特定のアッセイを実施するのを防止することを知らせるために、可聴警告又はテキスト警告の少なくとも一方を前記ポータブル検出ユニットのディスプレイ上に出力する、請求項8に記載のポータブル検出ユニット。
【請求項11】
未知の試料を試験する方法であって、
前記未知の試料を複数のアッセイに対して試験するためのアッセイパラメータ情報をポータブル検出ユニットに保存する工程と、
更新済みアッセイパラメータ情報をリモートサーバによって前記ポータブル検出ユニットに提供する工程と
を含む方法。
【請求項12】
前記提供するステップが、
前記更新アッセイパラメータ情報を前記リモートサーバから前記ポータブル検出ユニットに無線で伝達する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ポータブル検出ユニットによって、前記ポータブル検出ユニットのスイッチが入れられたかどうかを前記リモートサーバに通知する工程と、
前記リモートサーバによって、保存されている現在のアッセイパラメータ情報が前記ポータブル検出ユニットに保存された前記アッセイパラメータ情報と異なるかどうかを決定し、異なる場合に前記現在のアッセイパラメータ情報を前記ポータブル検出ユニットに出力する工程と
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
未知の試料を試験する方法であって、
ポータブル検出ユニットに、消耗品上での反応に特有のサイクリングデータを保存する工程と、
リモートサーバによって、更新済みサイクリングデータを前記ポータブル検出ユニットに提供する工程と
を含む方法。
【請求項15】
前記提供するステップが、
前記更新アッセイパラメータ情報を前記リモートサーバから前記ポータブル検出ユニットに無線で伝達する工程
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ポータブル検出ユニットが、
前記ポータブル検出ユニットによって、前記ポータブル検出ユニットのスイッチが入れられたかどうかを前記リモートサーバに通知する工程と、
前記リモートサーバによって、保存されている現在のサイクリングデータが前記ポータブル検出ユニットに保存された前記サイクリングデータと異なるかどうかを決定し、異なる場合に前記現在のサイクリングデータを前記ポータブル検出ユニットに出力する工程と
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
未知の試料をポータブル検出ユニットによって試験する方法であって、
メモリに、前記未知の試料を複数のアッセイに対して試験するための、前記複数のアッセイのそれぞれのための最低溶融温度を含むアッセイパラメータ情報を保存する工程と、
前記ポータブル検出ユニットの海面に対する現在の高度を決定する工程と、
前記決定するステップによって決定された前記ポータブル検出ユニットの前記現在の高度に基づいて、前記複数のアッセイのための前記溶融温度を再計算する工程と
を含む方法。
【請求項18】
前記再計算された溶融温度が特定のアッセイのための前記最低溶融温度より高いと決定されたときに、前記ポータブル検出ユニットを使用して前記特定のアッセイを実施するのを防止する工程をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
防止ステップが、可聴警報又はテキスト警告の少なくとも一方を前記ポータブル検出ユニットのディスプレイ上に出力して、ユーザに前記特定のアッセイを実施するのを防止することを知らせる工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
メモリ又はバーコードを備えるポータブル検出ユニットで使用するための消耗品であって、前記メモリ又は前記バーコードがアッセイを実行するための情報を含む、消耗品。
【請求項21】
前記消耗品が、PCR消耗品である、請求項20に記載の消耗品。
【請求項22】
アッセイを実行するための前記情報が、前記アッセイを実行するために前記ポータブル検出ユニットによって必要とされる前記情報のすべてを含む、請求項20に記載の消耗品。
【請求項23】
前記メモリが、RF IDチップである、請求項20に記載の消耗品。
【請求項24】
前記メモリが、使用する試薬と、サイクル数、各サイクルの時間、各サイクルの間の温度、温度プロファイル、検出温度、並びに検出励起及び発光波長を識別する、請求項21に記載の消耗品。
【請求項25】
情報をリモートサーバから受信するように構成された通信ユニットと、
前記情報を前記通信ユニットによって前記メモリに転送するように構成された転送ユニットと
をさらに備える、請求項20に記載の消耗品。
【請求項26】
前記消耗品が、メモリとバーコードの両方を備える、請求項20に記載の消耗品。
【請求項27】
未知の試料を試験するためのシステムであって、
未知の試料を少なくとも1つのアッセイを用いて試験するためのポータブル検出ユニットと、
前記アッセイを実行するための情報を有する消耗品と
を備え、
前記ポータブル検出ユニットが、前記消耗品上に保存された前記情報を読み取ることができる、システム。
【請求項28】
前記情報が、メモリ又はバーコードを使用して前記消耗品上に保存される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記ポータブル検出ユニットが、少なくとも2つのアッセイを実行することができる、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記アッセイのうちの1つが、PCRである、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
未知の試料を試験するためのシステムであって、
試料を試験するための少なくとも2つのアッセイを実行することができるポータブル検出ユニットであって、前記少なくとも2つのアッセイが同じアッセイタイプ又は異なるアッセイタイプのものとすることができる、ポータブル検出ユニットと、
前記検出ユニットを制御するソフトウェア又はファームウェアと
を備えるシステム。
【請求項32】
前記アッセイが、PCRを含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記アッセイが、結合親和性ベースのアッセイを含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記結合親和性ベースのアッセイが、抗体結合アッセイである、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記アッセイが第1のアッセイ及び第2のアッセイを含み、前記第1のアッセイが結合親和性ベースのアッセイを含み、前記第2のアッセイがPCRアッセイを含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
前記アッセイが、同一タイプのものである、請求項31に記載のシステム。
【請求項37】
前記ソフトウェア又はファームウェアが、前記ポータブル検出ユニット上に存在する、請求項31に記載のシステム。
【請求項38】
前記ソフトウェア又はファームウェアが、前記ポータブル検出ユニットと通信するリモートサーバ上に存在する、請求項31に記載のシステム。
【請求項39】
前記ファームウェア又はソフトウェアが、アッセイパラメータを含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項40】
第1のアッセイからの結果が、第2のアッセイのアッセイタイプを決定するために使用され、前記第2のアッセイタイプが、前記ファームウェア又はソフトウェアによって決定される、請求項31に記載のシステム。
【請求項41】
第1のアッセイからの結果が、第2のアッセイのアッセイパラメータを決定するために使用され、前記第2のアッセイパラメータが、前記ファームウェア又はソフトウェアによって決定される、請求項31に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2010−534059(P2010−534059A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515254(P2010−515254)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/069022
【国際公開番号】WO2009/006523
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(506197945)スミスズ ディテクション インコーポレイティド (6)
【出願人】(507235789)スミスズ ディテクション−ワトフォード リミテッド (25)
【Fターム(参考)】