説明

マイクロアレイハイブリダイゼーション装置

標的溶液の、より大きな度合いの内部混合を実現することによる、マイクロアレイハイブリダイゼーション反応の効率および一貫性を改善する新規なハイブリダイゼーション装置(11)。この装置は、溶液混合が、多数の超微粒気泡の生成によって実現される、ガスケットおよびカバーのタイプのチャンバ(25)を提供する。チャンバを画定する内壁(33)の1つまたは複数は、チャンバ内に延びかつ尖ったエッジ(43)で終わる気泡破砕要素(41)を含有する。これらは典型的な場合、長方形のチャンバの両側に位置付けられ、気泡の移動方向とは反対の方向を指し示す。これらが、より大きい気泡に干渉すると、その大きい気泡は超微粒気泡に破砕され、外部からの撹拌によってそれらが別々の全く異なる経路を移動し、それによって、基板に結合されたプローブ分子へ標的分子の均一な分布が得られるような、改善された溶液混合が提供される。ハイブリダイゼーション反応の感度および一貫性は、著しく増大する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的少ない量の標的溶液を使用して、マイクロアッセイのハイブリダイゼーションを効果的にかつ効率的に実施するための装置に関し、より詳細には、一般に、ガスケットタイプまたはガスケット付きのハイブリダイゼーションチャンバと呼ばれるタイプの改善された装置であって、マイクロアッセイを含むそのようなチャンバ内で、わずか50または数百マイクロリットルの標的溶液との完全な混合が実現されるよう設計された装置に関する。
【0002】
マイクロアレイのハイブリダイゼーションは、顕微鏡用スライド表面に結合させた「プローブ」分子を「標的」分子の溶液に曝すことによって、しばしば実施される。現在のところ、この一般的な方法によってマイクロアレイをハイブリダイズするための、主流となる4つの方法があり、これらはカバースリップ、ガスケット付きハイブリダイゼーションチャンバ、顕微鏡用スライドメイラー、および自動ハイブリダイゼーション機器と呼ばれている。どの方法を実施するかという選択は、プローブおよび/または標的の利用可能性、試薬およびハードウェアのコスト、性能要件、およびユーザの専門知識などの要因に、しばしば左右される。
【0003】
カバースリップ法は、スライド当たりの標的体積が数マイクロリットルに限定されているときに使用する。数滴の標的をスライド上に堆積し、薄いガラスまたはプラスチックのカバースリップを、標的の上部に配置する。カバースリップとスライドとの間の毛管作用によって、標的溶液の薄膜が捕えられる。
【0004】
中間の体積を取り扱うときは、Grace Biolabs、Schleider and Shuel、またはMWG−Biotechから市販されているものの1つなど、ガスケットタイプのハイブリダイゼーションチャンバをしばしば使用する。カバーおよびガスケットが設けられるが、このガスケットの厚さは、カバースリップ法の液体被膜よりも厚いものである。ガスケットは、通常、これが保持する接着剤によってスライドに取着される。標的溶液注入口と共に、または標的溶液注入口無しで形成された透明カバーを、ガスケットの上面に取着する。これらのハイブリダイゼーションチャンバは、通常、50μlから800μlの体積を収容するが、これに限定するものではない。これらのガスケットタイプチャンバでのハイブリダイゼーションは、標的溶液を撹拌しながら(動的に)または撹拌せずに(静的)、行うことができる。
【0005】
体積1ml以上のマイクロアレイのハイブリダイゼーションは、メイラー、染色ジャー、または同様の製品でしばしば行う。この方法では、両面でスライド全体を覆うのに十分な標的溶液が入っている容器内に、スライドを配置する。次いでこの容器を、ハイブリダイゼーション反応中に撹拌し、または静置することができる。
【0006】
自動ハイブリダイゼーション機は、様々な種々のデザイン、容量、および撹拌機構を有するが、これらは、どの機械においても、スライド温度、体積、撹拌、およびハイブリダイゼーションステップと洗浄ステップの順序が前もってプログラムされており、ユーザの最小限の介入しか必要としない点が、類似している。
【背景技術】
【0007】
マイクロアレイ技術は、ゲノミックスおよびプロテオミックスを含めた数多くの分野における研究の進展を促進させるため、現在使用されている有意なツールである。この技術は、生命科学の研究、医薬品およびバイオテクノロジーの研究開発、分子および臨床診断に、広範な用途がある。核酸(またはその他の生物学的部分)同士のハイブリダイゼーション反応は、マイクロアレイの適用分野に欠かせないものである。これらのin vitro反応は、通常、固体支持体に結合された生物学的プローブ(オリゴヌクレオチド、cDNA、RNA、PNA、ペプチド、タンパク質など)と、溶液中の遊離標的(オリゴヌクレオチド、cDNA、RNA、PNA、ペプチド、タンパク質など)との間で生ずることになる。プローブおよび標的は、それらの性質とは無関係に、互いに相補的であり特異的である。例えば、オリゴヌクレオチド1本鎖プローブの場合、その標的は、相補的な1本鎖配列である。タンパク質アレイの場合、標的をタンパク質にすることができ(抗原)、そのプローブは、標的特異的抗体にすることができる。核酸ベースのマイクロアレイは、単一塩基のミスマッチがハイブリダイゼーション効率を著しく低下させることになるような、相補配列における特異的な誤りを検出することも可能である。
【0008】
マイクロアレイのハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション標的溶液を外部から撹拌することなく、静的条件下で実施することができる。このような条件下、拡散は、対流に限定され、標的の力学的特性(サイズ、移動度、溶液温度)およびハイブリダイゼーション溶液の粘度の影響を受ける。一般に、静的条件下でのハイブリダイゼーション動態は遅く、得られるハイブリダイゼーションは、時間がかかり予測不可能である。この場合の拡散は、完全に信頼性あるプロセスではなく、アレイの感受性および特異性に低下が生ずる可能性がある。マイクロアレイハイブリダイゼーションプロセスにおける別の矛盾は、アレイの加熱および向きのばらつきによって生ずる可能性がある。
【0009】
カバースリップ法は、カバースリップによって生成される毛管作用がいかなる対流溶液運動も防ぐので、一般に、静的条件と共に常に使用される。この方法は、標的溶液の量が限られているときに好ましい。この方法では、数マイクロリットルの非常に高い濃度の標的溶液をマイクロアレイ上に配置し、この標的の上部に、ガラスまたはプラスチックのカバースリップを直接配置する。次いで標的溶液を、カバースリップとスライドとの間に毛管作用を介して薄層に広げる。カバースリップとスライドとの間に得られるような限られたスペースでは、流体が少しでもある場合にはその流体の動きを被膜層そのものに制限することが可能になる。さらに、標的溶液の蒸発が生じ、標的が乾燥しスライド上に沈殿することがわかっており、そのため走査上のアーチファクトと同様に別の矛盾も生ずる可能性がある。最も信頼性があり一貫しているマイクロアレイ測定では、環境条件および温度を、ハイブリダイゼーション中に非常に厳密に制御しなければならない。
【0010】
大きい標的体積が利用可能であるときは、メイラー、染色ジャー、または円錐形遠心管も使用して、ハイブリダイゼーションを実施することができる。これらの容器に入っている液体ボリュームの効率的な撹拌は、揺動、振盪などによって実現することができる。適正に行うと、マイクロアレイの端から端まで標的溶液が完全に移動し、スライドの表面全体にわたり均一なハイブリダイゼーションが行われる。メイラーでのハイブリダイゼーションは、適正に行った場合、通常は効率的でありかつ一貫しているが、この方法は、大量の(おそらくは高価な)標的溶液を消費する必要がある。
【0011】
カスケットベースのハイブリダイゼーションチャンバ実験は、典型的な場合、比較的少ない標的溶液体積(50〜800μl)を用いて実施される。このタイプのハイブリダイゼーションチャンバの1つの欠点は、スライドおよびハイブリダイゼーションチャンバの運動(回転、振盪など)を介した標的溶液の撹拌が、これらハイブリダイゼーションチャンバに固有の毛管作用の力を打ち消すのにしばしば不十分であることであり、したがって、マイクロアレイ全体を通してハイブリダイゼーションの一貫性が得られるような十分な混合は、しばしば実現されない。チャンバ内の撹拌を改善するための方法は、標的溶液への気泡の注入を利用する(例えば、特許文献1(2003年9月2日)参照)。次いで引き続き行われるハイブリダイゼーション中のスライドおよびチャンバの運動は、気泡の運動により溶液を移動させ、その結果、ハイブリダイゼーションチャンバ全体にわたってより良好な混合がなされる。そのような気泡のメカニズムは、内部混合を行うが、残念ながらそのような混合は、スライド表面の端から端まで非常にしばしば均一ではない。装置をシェーカ(ボルテクサ)に取着した場合、気泡はチャンバの一端で捕捉される可能性がある。揺動機または軌道回転機(スライドが風車のような動作で動く)に取着された装置は、均一性に関する問題に直面する可能性もある。揺動機では、気泡が、マイクロアレイを保持するスライドの表面を上下に移動するが、一般に1つの特定の経路を辿り、軌道回転機では、気泡が、ハイブリダイゼーションチャンバの内縁に沿って移動するが、この場合もやはり、1つの特定の経路をしばしば辿り、スライドの中央領域では効率的に溶液を混合しない。そのような問題を克服しようとする試みが、文献に記載されている(例えば、特許文献2、3、および4参照)。
【0012】
そのような反応において、ハイブリダイゼーション溶液を激しく撹拌する最後の方法は、自動ハイブリダイゼーションステーションの使用によるものである。商用とし提供されるもののデザイン、容量、撹拌機構は、様々である。しかしそのようなハイブリダイゼーションステーションは、典型的な場合に3万ドルから6万ドルかかり、これはしばしば法外なコストである。
【0013】
これらの問題は、2次元(2D)マイクロアレイに比べ、3次元(3D)マイクロアレイのハイブリダイゼーションにおいて、さらに厄介な感じがする。そのような3Dマイクロアレイでのプローブは、3次元ヒドロゲルポリマーの液滴(90〜98%溶媒)内に固定化し、これを順に固体支持体に取着する。典型的な場合、支持体は、化学的に機能するガラスの顕微鏡用スライドであるが、任意のその他のタイプの固体または半固体材料、例えばプラスチック、シリコン、膜、または金属でもよい。プローブ含有スポットの数は、1から10000までのどの範囲でもよい。次いでマイクロアレイを構成する複数のプローブスポットを、液体緩衝剤中に希釈した標的材料に曝して、ハイブリダイゼーションを検出する。ハイブリダイゼーション中、標的は、その相補的プローブに到達するように、各スポットまで、かつ各スポット内に拡散しなければならない。2Dアレイの場合でも、標的は、表面のプローブの部位に送達されなければならず、非結合標的は、全ての非相補的プローブから運び去る必要がある。したがって、標的溶液の適切な撹拌は、マイクロアレイハイブリダイゼーション反応の効率および一貫性に極めて重要である。ハイブリダイゼーションの温度、標的およびプローブの濃度、固定化したプローブへの、および固定化したプローブからの標的送達速度を含めた実験条件も、重要である。この最後の要素は、ハイブリダイゼーション反応中に標的溶液を混合する程度に、大きく影響される。十分混合した溶液は、一貫したハイブリダイゼーション結果をもたらすのに対し、不十分に混合された溶液は、再生不可能であると同時に、おそらくはアーチファクトが導入され易くなる。
【0014】
ハイブリダイゼーションが終了した後、マイクロアレイは通常、洗浄ステップにかけられ、次いで乾燥され、データ収集装置を使用して走査される。これらの装置は、一般に、共焦点レーザスキャナ、CCD(電荷結合素子)カメラシステム、または蛍光顕微鏡である。スキャナは単色光線を放出し、それによって、マイクロアレイに結合している蛍光体を励起する。次いで得られる発光をフィルタにかけ、光電子増倍管(PMT)で収集し、強度数値に変換する。信号強度が大きくなるほど、その特定のプローブ/標的系に関するハイブリダイゼーションの程度は大きくなる。しばしば、マイクロアレイの結果は、マイクロアレイ上の筋、斑点、または高バックグラウンドによって悪影響を受け、または台無しにもなる可能性がある。これらのアーチファクトは、典型的な場合、ハイブリダイゼーション前の不適切な遮断、ハイブリダイゼーション中の不適切な溶液混合、またはハイブリダイゼーション後の不適正な洗浄によって引き起こされる。
【0015】
【特許文献1】米国特許第6613529号明細書
【特許文献2】米国特許第6485918号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/192701号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/87292号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述の問題を未然に防ぐため、改善されたハイブリダイゼーション装置に関する調査を継続した。
【0017】
ハイブリダイゼーションチャンバ内で、少量の標的溶液の、十分なかつ一貫した混合を引き起こすための、新規な手法が開発されてきた。1個または数個の比較的大きい気泡を利用する、従来の気泡による方法とは異なって、この手法は、数多くのずっと小さい気泡を利用し、それによって、混合の程度、および全マイクロアレイ表面の端から端に至るハイブリダイゼーション反応の均一性を、大幅に増大させる。コストは、その他のガスケットベースのハイブリダイゼーションチャンバに等しく、ハイブリダイゼーションチャンバ内で使用される標的溶液の体積も、同様である。
【0018】
これらの改善された装置では、ハイブリダイゼーションチャンバの内部ボリュームに横方向に突き出した、または突出した歯状突起の形をとることができる、気泡破砕要素の使用によって、超微粒気泡を発生させる。装置を操作すると、大きな気泡がその経路内の気泡破砕要素にぶつかるときに、超微粒気泡へと破砕される。そのような超微粒気泡の生成の結果、装置の動きによって、気泡が辿るために可能なはるかに大きな数の経路が存在し、それが、マイクロアレイの表面の端から端までの、より良好な溶液混合に繋がる。複数の経路、すなわちこれらの超微粒気泡がこの経路に沿って移動するその複数の経路は、典型的な場合、50μlから800μlの体積の標的溶液が入っているチャンバ内での完全なハイブリダイゼーションに望ましい標的溶液の内部撹拌の量を、確実にすると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
ある特定の態様では、反応性部分のマイクロアレイを取着することができる表面を有する平らな基板と、前記マイクロアレイが内部に位置付けられているチャンバが生成されるよう、前記表面に並列に配置されている液体障壁手段と、前記チャンバを閉じる手段とを含み、したがって、その内部に含まれる気泡以外、前記チャンバを満たす液体標的溶液を失うことなく操作することができるマイクロアレイハイブリダイゼーション装置であって、前記障壁手段は、前記チャンバに隣接して内側に向いている面を有し、この面は、前記チャンバ内に横方向に延びる複数の気泡破砕要素で形成されており、したがって、前記チャンバ内の液体標的溶液が前記面に沿って前記チャンバの1つの境界から別の境界へと移動するように前記装置が動作するときに、前記チャンバ内の当初の気泡が複数の超微粒気泡に破裂するようになされており、次いで前記超微粒気泡の運動によって推進される、マイクロアレイ全体の端から端に至る前記チャンバ中の液体標的溶液の非常に効果的な分布が、確実に行われる。
【0020】
別の特定の態様では、プローブと標的溶液との間でハイブリダイゼーションを行う方法であって、この方法は、反応性プローブ部分のマイクロアレイが取着される表面を有する平らな基板を提供するステップと、前記マイクロアレイが内部に位置付けられているチャンバが生成されるよう、前記表面に周界液体障壁を並列に配置し、前記チャンバを閉じ、したがって、液体標的溶液を失うことなく前記基板を操作することができるようになされたステップと、前記チャンバに、標的溶液および気泡を充填するステップと、標的溶液が前記チャンバの1つの境界から別の境界へと移動するように前記基板を移動させるステップとを含み、この場合、少なくとも1つのそのような境界は、そのような移動の結果、前記チャンバ内の気泡が複数の超微粒気泡に破裂し、次いでその後に続くそのような超微粒気泡の運動によって推進される、マイクロアレイ全体の端から端に至る液体標的溶液の非常に効果的な分布が確実になるようになされている。
【0021】
さらに別の特定の態様では、表面にマイクロアレイを有する基板を備えたマイクロアレイハイブリダイゼーション装置を形成するためのカバーおよびガスケットのサブアセンブリであって、このサブアセンブリは、上面および下面を有する平らなカバーと、前記カバーの前記下面に添着された長方形の周界障壁と、前記マイクロアレイを取り囲むように、前記基板の表面に前記カバーを取着するための、前記周界障壁の下面にある感圧性接着剤と、前記接着剤を覆う剥離シートとを含み、前記障壁は、前記チャンバに隣接する内側に向いた面を有し、この面は、前記チャンバ内に横方向に延びる複数の気泡破砕要素で形成され、したがって、前記チャンバ内の液体標的溶液が前記面に沿って前記チャンバの1つの境界から別の境界へと移動するように前記装置が動作するときに、前記チャンバ内の当初の気泡が複数の超微粒気泡に破裂するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1から3には、本発明の様々な特徴を具体化したマイクロアレイハイブリダイゼーション装置11の例が、示されている。密閉したハイブリダイゼーションチャンバを生成するためにスライドガラス15などに結合される、カバーおよびガスケットのサブアセンブリ13の、構成要素が示されており、このサブアセンブリは、平らなカバー17と周辺ガスケット19とを含む。
【0023】
スライドガラス15は、その上にマイクロアレイを取着することができる平らな基板を提供する。基板15は、標準的な実験室用スライドガラスでよいが、生体サンプルを担持するのに適切と考えられる任意のその他の平らな表面提供物質を、使用してもよい。例えば、ガラスの代わりにポリマー材料で、あるいは、プローブ担持マイクロドットを付着させることができる任意のその他の適切な不浸透性材料で作製してもよい。標準的な実験室用スライド15の形は、寸法が1×3インチの長方形である。当然ながら、その他のサイズおよび/または形状を使用してもよいが、マイクロアッセイハイブリダイゼーションの反応には、規格に合ったものが望ましい。一般に、基板の厚さは、表面が不透過性である限り重要ではない。
【0024】
サブアセンブリのカバー17は、ハイブリダイゼーションチャンバ用の平らな上面を提供する液体不透過性材料の長方形シートでよく、その面には、周界または周辺ガスケット19が固着される。ガスケットは、カバーと同じ外部寸法を有することができ、したがって、その縁部は本質的に同一平面になる。カバー−ガスケットのサブアセンブリは、製造を経済的に行うために単一の部品にすることができるが、後で、接着剤、溶媒結合、ヒートシールなどの任意の適切な手段を用い、一緒に適切に接合される個別の部品として作製することが好ましい。例えば、カバー17とガスケット19との両方をポリマー材料で作製し、高強度接着剤によって適切に接合することができる。
【0025】
例えばカバーは、サブアセンブリがスライドガラスまたはその他の基板にいったん接合したら、形成されたチャンバに注入されたハイブリダイゼーション標的水溶液を引き付けないように、ポリカーボネート、またはポリプロピレン、またはポリエチレン、または好ましくは疎水性である何らかのその他のポリマー材料のシートから、単に切断することができる。カバーは透明でよく、いくつかの用途では、光学的に透明であることが好ましい。しかし、その他の用途では、例えば感光性の場合には、カバーを、好ましくは不透明にすることができる。
【0026】
ガスケット19は、適切なシート材料から単にダイカットすることができ、または射出成型によって大量に成型することができる。また、ポリマー材料から作製してもよく、ハイブリダイゼーションインキュベーション反応を行うことができる液密タイプのチャンバが提供されるように、その材料が液体不透過性である限り、カバーと同じポリマーまたは適合性あるポリマーから形成することもできる。また、疎水性材料で形成することも好ましい。例えばガスケット19は、カバー17の下面に容易に重ね合わせることができるよう、またはその他の方法でカバー17の下面に固着することができるよう、一方の面に高強度感圧性接着剤を有する独立気泡ポリマーフォーム材料から、ダイカットすることができる。
【0027】
サブアセンブリは、好ましくは引き続き、マイクロアレイを担持する平らな基板に接着接合するように、かつそのような接合を容易にするように設計され、ガスケット19の下面には、感圧性接着剤の層が設けられ、剥離層21によって覆われることが好ましい。剥離層21は、ガスケット19の接着面を覆うだけのものでよく、またはその形状を長方形にすることができ、本質的にはカバーと同じ寸法にすることができ、したがってチャンバの全面が密封され、確実に清浄にする。前者の配置構成では、ガスケット19をストック材料からダイカットすると同時にダイカットすることができる。カバー17は、剛性でよく、または柔軟性を有することができ、ガスケット19の材料も同様の特徴を有するものでよい。ほとんどのハイブリダイゼーションの後、マイクロアレイを洗浄し次いで処理または分析を行うことができるようにガスケット付きカバーを除去することが望ましくなるので、カバー17は、その基板からの剥離が容易になるように柔軟性を持つことが好ましい。
【0028】
操作中、マイクロアレイ23をいったんスライドガラス15の上面に付着した後は、ハイブリダイゼーションインキュベーション装置の生成のためにサブアセンブリ13を取着する用意ができる。したがって剥離層21を、接着剤を持つガスケット19の下面から単に慎重に剥離し、ガスケット付きカバーは、図2の示す装置が生成されるよう一般に3つの縁部と面とを位置合わせすることによって、スライドに慎重に接合し、これにより、スライドガラスの上面16、カバー17の下面、およびガスケット19の壁の内面で範囲が画定された反応チャンバ25が形成され、このときガスケットは、対向する平らな基板16とカバー17とを密封する。次いでマイクロアレイ23が位置付けられている液密チャンバ25に、液体標的溶液を充填する。
【0029】
ガスケット19についてより厳密に試験すると、このガスケット19は、サブアセンブリ13をスライドガラス19に重ね合わせた後に長方形の反応チャンバを形成する2つの平行な長い壁面31、およびこれらに対して直角な2つの短い壁面33の形をした周辺障壁として、働くことがわかる。カバー17は、好ましくはチャンバの両端付近に位置付けられた1対のアパーチャまたは開口35を含み、それによって、一方のアパーチャ35を通してチャンバに充填すること、および対向する端部のもう一方のアパーチャ35を通して空気を逃がすことが容易になる。カバー17は、インキュベーション期間が終了した後に、スライドからこのカバー17を剥がすのを容易にするタブ39を担持することが好ましい。タブは、ガスケット19越しに延びる1つの縁部の延長部として、またはカバーの縁部の残りから外向きに延びるダイカットされた突起として、カバー17に一体化した部品にすることができるが、図2に示すようにカバーの下面に添着し、マイクロアレイが位置付けられていないスライドガラスの端部に沿って延びることが好ましい。これは、剛性または柔軟性を持つ材料で作製し、接着剤、熱または溶媒結合などによってしっかりと取着することができる。カバー17およびタブ39は、インキュベーションの後の剥離が容易になるように、共に柔軟性があることが好ましい。この装置は、気泡が残るように、ハイブリダイゼーション標的溶液をチャンバに不完全に充填することによって使用されるよう設計され、その目的は、ハイブリダイゼーション反応を起こしながら、装置の動作中に混合を促進させることである。充填がいったん終了したら、単にアパーチャの全面に適合し、いかなる漏れも防止する、栓または接着封止材37を付着させることによって、任意の適切な手法でアパーチャ35を閉じる。
【0030】
前に述べたように、反応チャンバ内の大きな気泡の運動は、混合をいくらか促進させるが真に効果的とは考えられず、ガスケットまたは周辺障壁19は、より短い1対の壁面33の表面から反応チャンバ25内に延びる複数の気泡破砕要素41と共に構成される。これらの気泡破砕要素41は、疎水性であることが好ましく、尖ったエッジ43を先端に有する三角形の指片として形成され、この要素41は、水溶液中の気泡に接触すると、その気泡をより小さい体積の2つの個別の気泡に分割する。その結果、標的溶液を充填した装置の連続操作を、例えば数時間にわたって継続するにつれ、当初の気泡およびその後にできる気泡は、何度も繰り返し分割され、水溶液中に多数の超微粒気泡を生成し、これらの超微粒気泡は、装置を以下に述べるように操作したときに端部から端部まで移動するように、反応チャンバの内部の幅の端から端まで本質的に均一に広がる。
【0031】
尖ったエッジ43は、スライドガラス15とカバー17の、2つの対向する平らな面の間に延び、そこに本質的に垂直に並べられる。ポケット領域45は、気泡破砕要素41の間に位置付けられ、これらは超微粒気泡の形成に順応し、かつそのような形成を促進させる。充填された装置をどのように回転させるかに応じて、気泡がより短い壁面33に接近したときにその気泡がチャンバ内を上昇する一般的な方向を気泡破砕要素41が指し示すように、その気泡破砕要素41を構成し、またその狙い定めることが望ましいと考えられる。壁面33に対して本質的に垂直な方向で、気泡がその壁面33に接近するような操作である場合、気泡破砕要素41は、内壁面から直接外に向けることができる。図示される配置構成では、破砕要素は隣接する壁面に対して約45℃の角度を向いており、またはその角度に位置合わせされており、より長い壁面31のより低い内壁面を指し示しており、それに対して装置をスライドガラス自体の平面内で回転させたときに気泡が上昇することができ、そのような配置構成が好ましいと考えられる。気泡破砕要素41が、気泡の上昇流を指し示すような向きでは、気泡が尖ったエッジ43に接触したときに分割するという、より大きな傾向がある。
【0032】
図4には、例えば6〜18時間に及ぶ可能性のあるインキュベーション中に、標的溶液を充填した装置を連続的に回転させまたは操作するのに使用することができる、1つのタイプの装置例が示されている。そこに示されているのは、ほぼ水平な軸53に支持されている支持ホイール51であり、かつこのホイール51は、所望の速度で、好ましくは約2〜20rpmの間、例えば約8rpmの速度で軸およびホイールの回転を引き起こす、電気モータを含んだ支持ベース55によって駆動されるものである。ホイールの片面または両面は、標的溶液を充填したハイブリダイゼーション装置11を複数含んだカートリッジ59を受容するよう設計された複数の支持体57を含み、したがって、多数の試験サンプルのインキュベーションを一度に行うのを容易にする。当然ながら、同じホイール表面のその他の支持体は、望む場合には、カートリッジ59内に支持されない個々の装置を受容するよう構成することができる。配置構成は、装置11がその平面内でゆっくり回転し、したがって気泡が、一般にチャンバの高いほうにある1つの長い壁面31に沿って、上昇する傾向を持つものであることが好ましい。
【0033】
本発明について、本発明を実施するのに現在のところ知られている最良の形態を構成する、ある特定の好ましい実施形態に関して述べてきたが、添付される特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に明らかな様々な修正および変更を加えることができることを、理解すべきである。本発明の特定の特徴を、以下の特許請求の範囲で明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の、様々な特徴を有するマイクロアレイハイブリダイゼーション装置を構成するよう設計された、カバーおよびガスケットのサブアセンブリと組み合わせたスライドガラスを示す、分解斜視図である。
【図2】図1の構成要素から組み立てられたマイクロアレイハイブリダイゼーション装置を示す、サイズを拡大した側面図である。
【図3】図1に示すガスケットの断面の、拡大部分平面図である。
【図4】ハイブリダイゼーションインキュベーション中の、請求項2に記載の充填された装置を操作するための装置の、概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応性部分のマイクロアレイを取着することができる表面を有する平らな基板と、
前記マイクロアレイが内部に位置付けられているチャンバが生成されるよう、前記表面に並列に配置されている液体障壁手段と、
前記チャンバを閉じるカバーとを含み、したがって、内部に含まれる気泡以外、前記チャンバを満たす液体標的溶液を失うことなく操作することができるマイクロアレイハイブリダイゼーション装置であって、
前記障壁手段は、前記チャンバに隣接して内側に向いている面を有し、前記面は、前記チャンバ内に横方向に延びる複数の気泡破砕要素で形成されており、したがって、前記チャンバ内の液体標的溶液が前記面に沿って前記チャンバの1つの境界から別の境界へと移動するように前記装置が動作するときに、前記チャンバ内の当初の気泡が複数の超微粒気泡に破裂するようになされており、次いで前記超微粒気泡の運動によって推進される、マイクロアレイ全体の端から端に至る前記チャンバ内の前記液体標的溶液の非常に効果的な分布が、確実に行われることを特徴とするマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項2】
前記カバーは平らであり、前記障壁手段によって前記表面から均一に間隔を空けて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項3】
前記障壁手段は、前記チャンバの略長方形の周界を形成し、前記障壁手段の4つの壁面の1つまたは複数は、前記マイクロアレイが取着される前記表面に実質的に垂直に並べられた尖ったエッジを含み、前記エッジは、ポケットによって間隔を空けて配置され、前記気泡破砕要素として機能することを特徴とする請求項2に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項4】
前記気泡破砕要素は、前記長方形周界障壁の2つの対向する境界壁に沿って配置され、境界壁から前記チャンバ内に突出しかつその先端に前記尖ったエッジを有する複数の略三角形指片によって形成され、前記ポケットは前記気泡破砕要素の間に位置付けられていることを特徴とする請求項3に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項5】
前記長方形周界は、2つのより長い壁と、2つのより短い壁とを含み、前記気泡破砕要素は、前記2つのより短い壁の一部として形成されていることを特徴とする請求項3に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項6】
前記2つのより短い壁にある前記三角形指片は、ハイブリダイゼーション中に前記装置が動作しているときに、前記チャンバ内の前記標的溶液中の気泡がそれぞれの壁に垂直に接近するようになる方向に、突出するように並べられていることを特徴とする請求項5に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項7】
前記カバーは、実質的に剛性の透明な材料で作製されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項8】
前記障壁手段は、前記カバーを、前記表面から約0.2および約2mmの間隔を空けて配置するような高さを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項9】
前記気泡破砕要素は、疎水性材料で形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項10】
前記カバーは、不透明な疎水性材料で作製され、マイクロアレイが配置されている前記チャンバ内に前記液体標的溶液を供給することができる少なくとも1つの充填口を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項11】
上面を有する平らな基板と、
前記上面に取着される、反応性部分のマイクロアレイと、
前記マイクロアレイが内部に位置付けられているチャンバが生成されるよう、前記面に並列に配置されている液体周界障壁と、
前記チャンバを閉じるよう、前記障壁に並列に配置されたカバーとを含み、したがって、内部に含まれる気泡以外、前記チャンバを満たす液体標的溶液を失うことなく操作することができるマイクロアレイハイブリダイゼーション装置であって、
前記周界障壁は、前記チャンバに隣接して内側に向いている壁面を有し、前記壁面は、前記チャンバ内に横方向に延びる複数の気泡破砕要素で形成されており、したがって、前記マイクロアレイが位置付けられる前記面に沿って前記液体標的溶液が移動するように前記装置が動作するときに、前記チャンバ内の当初の気泡が複数の超微粒気泡に破裂するようになされており、前記超微粒気泡の運動によって推進される、マイクロアレイ全体の端から端に至る前記チャンバ内の液体標的溶液の非常に効果的な分布が、確実に行われることを特徴とするマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項12】
前記カバーは平らであり、実質的に剛性の透明な材料で作製され、前記周界障壁によって前記面から約0.2mmおよび約2mmに均一に間隔を空けて設けられていることを特徴とする請求項11に記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項13】
前記周界障壁は、略長方形チャンバを形成し、その4つの壁面の1つまたは複数は、前記マイクロアレイが位置付けられる前記面に実質的に垂直に並べられた尖ったエッジを有する突起を含み、前記突起は、ポケットによって間隔を空けて配置され、前記気泡破砕要素として機能することを特徴とする請求項11または12のいずれかに記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項14】
前記カバーは、前記チャンバに前記液体標的溶液を供給することができる少なくとも1つの充填口を含み、前記マイクロアレイは、前記上面に取着されてそこから少なくとも約20μm上向きに延びる複数の3Dスポットを含み、前記3Dスポットは前記反応性部分を担持することを特徴とする請求項11または12のいずれかに記載のマイクロアレイハイブリダイゼーション装置。
【請求項15】
基板を備え、その表面にマイクロアレイを有するマイクロアレイハイブリダイゼーション装置を形成するための、カバーおよびガスケットのサブアセンブリであって、
上面および下面を有する平らなカバーと、
前記カバーの前記下面に添着された長方形の周界障壁と、
前記マイクロアレイを取り囲むように、前記基板の表面に前記カバーを取着するための、前記周界障壁の下面にある感圧接着剤と、
前記接着剤を覆う剥離シートと
を含み、
前記障壁は、前記チャンバに隣接する内側に向いた面を有し、前記面は、前記チャンバ内に横方向に延びる複数の気泡破砕要素で形成され、したがって、前記チャンバ内の液体標的溶液が前記面に沿って前記チャンバの1つの境界から別の境界へと移動するように前記装置が動作するときに、前記チャンバ内の当初の気泡が複数の超微粒気泡に破裂するようになされていることを特徴とするサブアセンブリ。
【請求項16】
除去タブは、前記平らなカバーの前記上面に添着され、前記基板からの除去を容易にすることを特徴とする請求項15に記載のサブアセンブリ。
【請求項17】
前記カバーおよび前記タブは、柔軟な材料で作製されることを特徴とする請求項16に記載のサブアセンブリ。
【請求項18】
プローブと標的溶液との間でハイブリダイゼーションを行う方法であって、
反応性プローブ部分のマイクロアレイが取着される表面を有する平らな基板を提供するステップと、
前記マイクロアレイが内部に位置付けられているチャンバが生成されるよう、前記表面に周界液体障壁を並列に配置し、前記チャンバを閉じ、したがって、液体標的溶液を失うことなく前記基板を操作することができるようになされたステップと、
前記チャンバに、標的溶液および気泡を充填するステップと、
前記標的溶液が前記チャンバの1つの境界から別の境界へと移動するように前記基板を移動させるステップとを含み、少なくとも1つのそのような境界は、そのような移動の結果、前記チャンバ内の前記気泡が複数の超微粒気泡に破裂し、次いでその後に続くそのような超微粒気泡の運動によって推進される、マイクロアレイ全体の端から端に至る前記液体標的溶液の非常に効果的な分布が確実に行われるようになされていることを特徴とする方法。
【請求項19】
前記チャンバは、平らなカバーと、前記カバーを前記面から均一に間隔を空けて配置する、付随する周界ガスケットとによって形成され、かつ閉じられることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ガスケットは、2つの対向するより短い壁面を有する前記チャンバの略長方形周界を形成し、前記超微粒気泡は、通常運動中に前記壁面のそれぞれに気泡が接近する方向で、前記2つの対向するより短い壁面から前記チャンバ内に突出する尖ったエッジ状の突起によって生成されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記標的溶液は、後に密封される前記カバーの少なくとも1つの充填口を通して導入されることを特徴とする請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記基板は、実質的に水平な軸を中心に回転することによって移動し、前記チャンバは、前記より短い壁面が、前記回転軸から半径方向に延びる線にほぼ垂直になるように並べられることを特徴とする請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−515627(P2007−515627A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541216(P2006−541216)
【出願日】平成16年11月3日(2004.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/036475
【国際公開番号】WO2005/053827
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(501418993)バイオセプト インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】