説明

マイクロウェーブポップコーン組成物に使用するための低トランス脂肪酸組成物、方法、及び製品

電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品に使用するための好ましい油脂材料が提供される。油脂材料は、少なくとも90°F(32.2℃)及び145°F(62.8℃)以下のメトラー滴下点を有する。油脂材料は、記載したような油脂材料の少なくとも90重量%を含む第1の油脂成分を含む。典型的な組成物及びパッケージ装置が図示かつ説明されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、コナグラ・フーズ・インコーポレーテッド(Con Agra Foods Inc.)、米国ナショナル会社、米国以外のすべての国の名称の出願人、及びジョディー・シャンズ(Jody Shands)、ジェイミー・スロネカー・ハルガーソン(Jamie Sloneker Halgerson)、ツリッデゥA.ペッロソ(Turiddu A.Pelloso)、ティム・パヘク(Tim Puhek)及びランス・シルメラー(Lance Schilmoeller)、すべて米国市民、米国のみの名称の出願人の名前で、2005年6月28日にPCT国際特許出願として出願され、また2004年6月29日に出願された米国出願番号第60/583,762号及び2004年7月8日に出願された第60/586,329号に対する優先権を請求する。
【0002】
本発明の開示は、マイクロウェーブポップコーン製品に関する。特に、本開示は、マイクロ波ポップコーン組成物が電子レンジ処理可能なポップコーンの未爆裂粒と共に包装構造内に収容される消費者製品に関する。本開示は、好ましくは、トランス脂肪酸成分が比較的低い油脂成分の組成の提供に関する。
【背景技術】
【0003】
可撓性バッグ又は容器のようなマイクロウェーブポップコーン爆裂パッケージが一般的である。バッグの共通の特徴は、バッグが、その中のポップコーン装填物が電子レンジのマイクロ波エネルギに暴露されるときに形成される蒸気圧下で好都合に開放又は膨張する程度に十分に可撓性の紙材料から製造されることである。同様に、バッグの包装材料は、例えば連続的なバッグ組立工程中に、シートから折り曲げ構造に形成される程度に十分に可撓性である。この種類のポップコーンバッグは、例えば、米国特許第5,044,777号、第5,081,330号、第5,195,829号、第6,049,072号、及び第6,396,036号に記載されており、これらの5つの参考文献の各々は、参考として本出願に組み込まれている。
【0004】
容器の組成物は、典型的に、より剛性であり、板紙又は同様の材料から製造される。マイクロウェーブポップコーン容器は、例えば米国特許第5,008,024号、第5,097,107号、5,834,046号に記載されている。これらの3つのマイクロウェーブ容器特許の完全な開示は、参考として本出願に組み込まれている。
【0005】
多くのマイクロウェーブポップコーン製品は、包装内の未爆裂のポップコーン粒、油脂及び香料(例えば塩)の装填物を含む。保存又は出荷中に、特に環境が比較的高温になるならば、パッケージ内に貯蔵された材料のあるものが、パッケージ構造を通して望ましくないレベルで漏れるか又は浸出する可能性がある。このような漏れを阻止するために、典型的に90°F〜115°F(32℃〜46℃)以上の範囲内、例えば約104°F(40℃)の融点又は軟化温度(例えばメトラー滴点)を有する固体油脂製品が使用される。
【0006】
一般に、組成物中に比較的低レベルのトランス脂肪酸を含むか又はまったく含まないで製造された組成物を好む消費者の栄養上の動きがある。マイクロウェーブポップコーン組成物に関し、低トランス脂肪酸の油脂は典型的に比較的低い融点又は軟化点を有するので、上記のことは、いくつかの重要な問題をもたらした。実際に多くの、例えば非水素化の大豆油は、室温で液体である。このように、組成物は、保存、取扱い又は使用中にマイクロウェーブポップコーンパッケージからの望ましくないレベルの漏れ又は浸出を示す傾向を有していた。
【0007】
2002年11月18日に出願された米国特許出願第10/299,537号(2004年5月20日に2004/0096550A1として米国で公表されまた2004年6月3日にPCT WO2004/045308として出版され、3つの参照文献は参考として本出願に組み込まれている)では、この問題に取り組む方法は、マイクロウェーブポップコーンバッグの内部に配置された内部の袋の内部に貯蔵された液化形態の低トランス脂肪酸を使用することによって提供された。マイクロウェーブポップコーン組成物及び製品の改良及び代替方法が望ましい。
【0008】
発明の要旨
本発明の開示は、マイクロウェーブポップコーン組成物及び製品に関する。好ましい構成によれば、組成物内の油脂成分の利用に関する装置及び技術が開示される。
一例の包装製品が記載される。
【0009】
図面のあるものでは、いくつかの場合、相対的な構成要素の厚さは誇張して示されている場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
I.概要
本発明の開示によれば、電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品が提供される。一般に製品は、密閉したマイクロウェーブポップコーンパッケージ、例えば容器又はバッグを含む。パッケージ内に、未爆裂のポップコーン粒及びスラリが配置される。特に断らない限り、本明細書に使用するような「スラリ」という用語は、未爆裂のポップコーン粒自体は数に入れないで、包装内に含まれるすべての食物(食用)成分を表すと意図される。マイクロウェーブポップコーンスラリ内の典型的な成分は、油脂材料である。油脂材料は、一般に及び好ましくは、少なくとも90°F(32℃)、好ましくは145°F(62.8℃)以下の融点(メトラー滴下点)を有する。典型的に及び好ましくは、油脂材料のメトラー滴下点は、少なくとも95°F(35℃)、好ましくは140°F(60℃)以下である。通常、メトラー滴下点は、100°F〜135°F(37.8℃〜57.2℃)の範囲にあり、しばしば少なくとも110°F(43.3℃)である。本明細書に記載した原理に従って使用可能な現在の好ましい油脂材料は、110°F〜135°F(43.3℃〜57.2℃)のメトラー滴下点を有する。本明細書の説明によるいくつかの例は、130°F(54.4℃)以下のメトラー滴下点を有するであろう。
【0011】
スラリは、油脂材料に加えて様々な材料を含んでもよい。スラリは、例えば、塩、甘味料、様々な風味剤、酸化防止剤、レシチン及び/又は着色剤を含んでもよい。
【0012】
油脂材料は、上に示した全体的なメトラー滴下点を有する油脂成分の混合物を含んでもよい。油脂材料は、油脂材料の少なくとも32重量%、典型的に油脂材料の少なくとも80重量%、また通常油脂材料の少なくとも90重量%及びしばしば少なくとも95重量%(多くの組成物では少なくとも99重量%)を含む第1の油脂成分を含むことが好ましく、第1の油脂成分は、以下に特徴づけられるようなものであることが好ましい。好ましくは、この第1の油脂成分は、未爆裂のポップコーン粒の少なくとも3重量%、より好ましくは未爆裂のポップコーン粒の少なくとも8重量%、また典型的に及び好ましくは、未爆裂のポップコーン粒の少なくとも10重量%のレベルで、電子レンジ処理可能なポップコーンパッケージ内に存在する。典型的な用途は、未爆裂のポップコーン粒の20%〜70重量%に対応するレベルのスラリ内の第1の油脂成分の使用を含む。
【0013】
前の章で参照したような第1の油脂成分として、一般的な種類の3つの油脂成分が使用可能であるとされる。一般的な3つの種類は、(A)エステル交換油成分を含むある種類の油ブレンド、(B)典型的に分散剤を有する選択された物理的溶融ブレンドの油、(C)選択された物理的ヤシ油の溶融ブレンドである。
【0014】
一般に、3種類のブレンドにより、目的は、第1の油脂材料が、室温のような典型的な保管状態下で比較的流動可能又は注入可能な特性を有する相当量の油成分を含むという事実にもかかわらず、電子レンジ処理可能なポップコーンパッケージ内の問題のレベルの望ましくない流れ(浸出)又は電子レンジ処理可能なポップコーンパッケージからの望ましくないレベルの流れ(浸出)に対し比較的安定している第1の油脂材料を開発することである。言い換えると、低トランス油は、室温で典型的に液体であるが、低トランス油はある固体含有量を有することがある。油脂材料の液体油が、この特性から修正されない場合、液体油が、保管中にパッケージから浸出する傾向があり、望ましくない。
【0015】
この流れの問題に取り組む2つの一般的な方法が本明細書で開発される。「エステル交換ブレンド」として本明細書に参照した第1の方法では、油の特性は、化学的なエステル交換方法によって修正され、修正されたメトラー滴下点又はブレンド油の融点特性の獲得を可能にし、この結果、望ましくないレベルの浸出に対するより高い安定性を可能にする。
選択された物理的油ブレンド及び選択されたヤシ油ブレンドのカテゴリの下で本明細書に参照した第2の方法では、固相及び液相は、混合物が冷却されるときに、固相が、望ましくないレベルの浸出を阻止するために液体油の捕捉に役立つマトリックスを規定するように改質するような状態下で共に溶融ブレンドされる。
【0016】
A.エステル交換油成分を含むブレンド
第1の油脂成分がエステル交換油脂材料を含む場合、第1の油脂成分は、一般に、第1のステアリン成分と、50%以下の飽和脂肪含有量及び110°F(43.3℃)以下、典型的に100°F(37.8℃)以下のメトラー滴下点を有する油と、を含む混合物のエステル交換から生じる油脂である。典型的に、エステル交換から生じるこの油脂は、(a)少なくとも130°F(54.4℃)、典型的に170°F(76.7℃)以下、通常165°F(73.9℃)以下のメトラー滴下点を典型的に有する第1のステアリン成分、(b)40%以下の飽和脂肪含有量と100°F(37.8℃)以下のメトラー滴下点と有する油成分、の少なくとも5重量%及び50重量%以下を含む混合物のエステル交換の結果を含む。典型的に、エステル交換に使用される油は、35%以下の飽和脂肪含有量と、90°F(32℃)以下のメトラー滴下点とを有する。実際に、エステル交換に使用される油は、70°F(21℃)以下のメトラー滴下点を有する油であることが多い。
【0017】
典型的な用途では、エステル交換の結果を含む成分は、(a)第1のステアリン成分の少なくとも10重量%及び40重量%以下と、(b)規定されるような油成分と、を含むブレンドのエステル交換の結果を含む。典型的に、エステル交換を受けるブレンドは、15重量%〜30重量%のステアリンを含む。
【0018】
エステル交換の結果を含む成分では、好ましくは、第1のステアリン成分は、大豆ステアリン、綿実ステアリン、コーンステアリン、ヤシステアリン及びそれらの混合物から本質的に構成される群から選択される。典型的に、第1のステアリン成分は、コストの理由で大豆ステアリンを含む。
【0019】
エステル交換工程は、直接エステル交換であることができるが、これは必要でないか、あるいは好ましくもない。
【0020】
エステル交換油が形成される油成分は、(a)50%以下(典型的に40%以下、通常30%以下)の飽和脂肪含有量と、(b)110°F(43.3℃)以下、典型的に100°F(37.7℃)以下及び通常90°F(32℃)以下のメトラー滴下点と、を有する油であり、典型的に及び好ましくは、大豆油、キャノーラ油、ヒマワリ油、コーン油、菜種油、綿実油、中オレイン酸ヒマワリ油、紅花油と、識別された油の内の部分的に水素化された1つまたは複数の油、又は識別された油の1つ以上及び/又は識別された部分的に水素化された油の内の1つ以上の混合物と、から本質的に構成される群から選択される。好ましくは、使用される任意の部分的に水素化された油は、少なくとも90のヨウ素価を有する。最も好ましくは、エステル交換に使用するためのこの油成分は、まったく水素化されていないか、あるいは少なくとも110、典型的に120〜145の範囲内のヨウ素価を有する大豆油を含む。
【0021】
スラリ内の油脂の第1の油脂成分は、エステル交換の結果の100%を含んでもよい。しかし、いくつかの場合には、第1の油脂成分は、(a)エステル交換の結果と、(b)第2のステアリン成分との混合物を含む。この種類の混合物又はブレンドが第1の油脂成分として使用される場合、好ましくは、混合物又はブレンドは、第2のステアリンの(重量で)少なくとも1%、典型的に少なくとも2%及び通常10%以下で製造される。典型的に、第2のステアリンの(重量で)5%以下が使用され、残りは、規定したように、エステル交換の結果を含む。第2のステアリンは、典型的に、少なくとも130°F(54.4℃)、典型的に170°F(76.7℃)以下のメトラー滴下点を有する。通常、メトラー滴下点は165°F(73.9℃)以下である。第2のステアリンは、典型的に、綿実ステアリン、大豆ステアリン、コーンステアリン、ヤシステアリン又はそれらの混合物から本質的に構成される群から選択される。通常、第2のステアリンは大豆ステアリンを含む。
【0022】
上に規定したような第1のステアリン及び上に規定したような第2のステアリンは、無関係に選択することができる。望むなら、両方について同一のステアリンを使用することができる。
【0023】
上に特徴づけたようなエステル交換ブレンドは、一般に、油脂材料が低トランスの1つまたは複数の油材料から開発される結果として、比較的低いトランス含有量を有するが、保管安定性及び熱特性に関しパッケージマイクロウェーブポップコーン製品に実質的に組み込みためにより容認可能である融点特性又はメトラー滴下点特性を示す油脂材料のマイクロウェーブポップコーンバッグ内に提供される。
【0024】
B.選択された物理的油ブレンド
第1の油脂材料が物理的油ブレンドである場合、第1の油脂材料は、典型的に、(a)50%以下(好ましくは44%以下、最も好ましくは38%以下)の全体的な飽和脂肪含有量と、(b)145°F(62.8℃)以下、より好ましくは140°F(60℃)以下、最も好ましくは135°F(57.2℃)以下の全体的なメトラー滴下点とを有する溶融ブレンドの結果である。
【0025】
本発明の開示による物理的油ブレンドは、典型的に、(a)液体油成分と、(b)固体脂肪成分との溶融ブレンドの結果を含む。
【0026】
典型的に、ブレンドのメトラー滴下点は、少なくとも100°F(37.8℃)、通常少なくとも110°F(43.3℃)、時に115°F(46.1℃)以上である。例えば、125°F〜135°F(51.7℃〜57.2℃)のメトラー滴下点は、コーン油(85重量%)と、大豆ステアリン(10重量%)と、モノグリセリド(5重量%)との溶融ブレンドによって次の教示内で獲得される。
【0027】
液体油成分は、例えば室温で一般に液体特性を示す成分であり、液体油成分は、室温(21.1℃について70°F)で注入可能である。この定義に合う油は、典型的に、次の基準、すなわち、(a)70°F(21.1℃)で30%以下の固体脂肪含有量(SFC)、及び(b)90°F(32℃)以下のメトラー滴下点の一方又は両方を有する。ヤシ油(ヤシ果実油)は必ずしもこれらの両方の基準に合わないが、このセクション内に識別される他の液体油は、両方の基準に合うであろう。液体油成分は、一般に、106°F(41.1℃)以下、典型的に(言及したように)90°F(32.2℃)以下のメトラー滴下点、しばしば室温(70°F又は21.1℃)以下のメトラー滴下点を有する。
【0028】
固体脂肪成分は、典型的に、室温で固体特性を示す材料である。固体脂肪成分は、典型的に、少なくとも130°F(54.4℃)、典型的に170°F(76.7℃)以下のメトラー滴下点を有する。通常、固体脂肪成分は、165°F(73.9℃)以下のメトラー滴下点を有する。
【0029】
2つの成分(液体油成分及び固体脂肪成分)が共に溶融ブレンドされると、冷却により、油脂材料又はブレンドが得られ、この場合、固体脂肪材料のマトリックスは、マイクロウェーブポップコーンパッケージからの望ましくない浸出レベルに対し液体材料を保持するのに役立つことが確認されている。
【0030】
液体油成分は、典型的に、大豆油、キャノーラ油、ヒマワリ油、コーン油、菜種油、綿実油と、紅花油と、識別された油の内の部分的に水素化された1つまたは複数の油、識別された油の1つ以上の混合物、識別された部分的に水素化された油の1つ以上の混合物、識別された油及び/又は識別された水素化された油の1つ以上の混合物、及び/又は最高49重量%のヤシ油(時にヤシ果実油と呼ばれる)を選択的に含む識別された油及び/又は水素化された油の1つ以上の混合物とから本質的に構成される群から選択される。この後者では、液体油成分は、最高49重量%のヤシ油を含有できることを意味するが、いくつかの場合には、液体油成分は、飽和脂肪レベルの最小化に関連する栄養上の理由でヤシ油を有しないことが好ましいであろう。
【0031】
好ましくは、油成分のために部分的に水素化された油が使用される場合、水素化された油は、少なくとも90のヨウ素価を有する。最も好ましくは、油成分は、まったく水素化されていなかった綿実及び/又はコーン油のような3%未満のリノレン酸を含有するか、あるいは少なくとも110、典型的に120〜145の範囲内のヨウ素価を有する油を含む。
【0032】
固体脂肪成分は、典型的に及び好ましくは、大豆ステアリン、綿実ステアリン、コーンステアリン、ヤシステアリン、水素化されたヤシステアリン、水素化されたヤシ果実油及びそれらの混合物から本質的に構成される群から選択される。通常、固体脂肪成分は大豆ステアリンである。
【0033】
多くの場合、溶融ブレンドは、(a)液体油成分の浸出又は流れの制御に関する補助を提供し、(b)生成製品の食感の改善に役立つ追加の食感補助剤をさらに含む。この点に関し補助剤として作用する材料は、典型的に、室温で固体であるが、溶融ブレンドできる材料である。好ましくは、この補助剤材料はトリグリセリド材料ではない。乳化剤としてしばしば市販されている食べられる材料は、乳化剤としてのそれらの材料の特性のために、それらの材料が(少なくとも溶融ブレンドのステップに関して)選択されないという事実にもかかわらず、使用可能である。存在する場合、この補助剤は、典型的に、組成物内にそれが存在しない場合に対し、食感の改良に有効な量を提供する程度に十分なレベルで存在する。使用時に、典型的に、この量は、溶融ブレンド内に、液体油成分、固体脂肪成分及び食感補助剤全体で、少なくとも0.5重量%のオーダにある。通常、この補助剤は、溶融ブレンドの合計重量(油、固体脂肪成分、及び食感の改良のための補助剤成分)は、7重量%以上存在しないであろう。典型的な量は、1重量%〜6重量%のオーダにあるであろう。
【0034】
食感補助剤は、使用時、典型的に及び好ましくは、モノグリセリド、ジグリセリド、モノ及びジグリセリドの混合物、脂肪酸のポリグリセリンエステル、部分的に水素化されたモノグリセリド、脂肪酸のプロピレングリコールエステル及びそれらの混合物から本質的に構成される群から選択される。しばしば、通常乳化剤として販売される完全に水素化された商業的に入手可能なモノグリセリドの混合物が使用される。
【0035】
この種類の混合物が、第1の油脂成分として、電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品に使用するために溶融ブレンドされるとき、好ましくは、当該混合物は、(重量で)少なくとも80%及び95%以下の液体油成分、(重量で)少なくとも5%及び15%以下の固体脂肪成分、及び存在するならば、0.5重量%〜7重量%の食感補助剤で製造される。
【0036】
本明細書で、上に、この油脂成分を溶融ブレンドから製造でき、この場合、使用した液体油成分が最高49重量%のヤシ油を含むことを示した。ヤシ油は、合計の飽和脂肪レベルの増加をもたらす。しかし、望むなら、ヤシ油は、前に示したように、組成物に収容することができる。
【0037】
C.選択されたヤシ油ブレンド
本セクションでは、包装されたマイクロウェーブポップコーン製品の浸出特性に関して十分な性能を提供できる選択されたヤシ油ブレンドについて説明する。これらの材料の飽和脂肪含有量は、典型的に、前のセクションで特徴づけられた選択された物理的油ブレンドよりも高い。
【0038】
第1の油脂成分がヤシ油ブレンドである場合、第1の油脂成分は、典型的に、(a)60%以下(好ましくは55%以下、最も好ましくは53%以下)の飽和脂肪含有量と、(b)少なくとも100°F(37.8℃)、典型的に少なくとも110°F(43.3℃)以下及び125°F(51.7℃)以下、通常120°F(48.9℃)以下、またしばしば118°F(47.8℃)以下のメトラー滴下点と、を有するヤシ油ブレンドである。
【0039】
ヤシ油ブレンドは、典型的に、(a)第1の液体ヤシ油成分(106°F(41.1℃)以下のメトラー滴下点)と、(b)少なくとも120°F(48.9℃)、典型的に少なくとも130°F(54.4℃)、通常145°F(62.8℃)以下のメトラー滴下点を有する第2の固体ヤシ油脂成分との溶融ブレンドである。第2の固体ヤシ油脂成分は、典型的に、ヤシステアリン、分別されたヤシステアリン、水素化されたヤシ油又はそれらの混合物から本質的に構成される群から選択される。第2の固体ヤシ油脂成分は、典型的に、ヤシステアリンである。
【0040】
第1の液体ヤシ油成分は、典型的に、ヤシ果実油(時に本明細書でヤシ油と呼ばれる)、ヤシオレイン及びそれらの混合物から本質的に構成される群から選択される。典型的に、第1の液体ヤシ油成分は、ヤシ果実油を含む。
【0041】
この種類の混合物又はブレンドが油脂成分として使用される場合、好ましくは、それは、第2の固体ヤシ油脂成分の(重量で)少なくとも10%及び60%以下、より好ましくは(重量で)少なくとも15%及び50%以下で製造され、残り(40重量%〜90重量%、典型的に50重量%〜85重量%)は、規定されるように、第1の液体ヤシ油成分を含む。第2の固体ヤシ油脂成分と第1の液体ヤシ油成分との典型的な好ましい溶融ブレンドにより、60%〜50%の飽和脂肪レベルで110F(43.3℃)〜120°F(48.9℃)のメトラー滴下点が得られるであろう。
【0042】
D.さらに典型的な油ブレンドについて
上述の3つの種類の油脂材料(又は混合物)のいずれが使用されるかに関係なく、油脂スラリの油脂材料は、第1の油脂成分の100%を含んでもよい。しかし、特にそうする必要性はない。示したように、(ある用途では)、油脂スラリの油脂材料が、規定されるような第1の油脂成分の少なくとも80重量%、より好ましくは、規定されるような第1の油脂成分の(重量で)少なくとも95%、最も好ましくは、規定されるような第1の油脂成分の少なくとも99%を含むことが有利である。
【0043】
いくつかの場合には、低トランス材料の形態のみならず、低い飽和脂肪含有量を有する材料の形態の第1の油脂成分を提供することが望ましいかもしれないことが指摘される。このことが意図される場合、材料は、典型的に、ヤシ油ブレンド又は液体ヤシ油を含むブレンドでなく、上に説明したエステル交換油ブレンド及び物理的油から選択されるであろう。
【0044】
多くの場合、油脂材料は、ある形態で、すなわち、上記のように、有効量の酸化防止剤を含むマイクロウェーブポップコーン包装を含めるためのスラリ内に製造されるときに又はブレンドされるときに提供されるであろう。典型的な酸化防止剤は、例えば、200ppmで使用可能なTBHQ(tert−ブチルヒドロキシキノン)であろう。TBHQは、アメロール、ファーミングデール(Amerol,Farmingdale)、ニューヨーク11735からのtenox20で利用可能である。様々な代わりの酸化防止剤(例えば混合トコフェロール)が可能である。
【0045】
II 油脂組成物の好ましい特性
A. 栄養上の特性
1.低トランス脂肪酸含有量
上のセクションIで特徴づけられた原理を使用して、電子レンジ処理可能なポップコーン組成物のスラリ内の油脂成分の選択に関し、得られるマイクロウェーブポップコーン工程で、好ましい栄養上の特性を提供することができる。例えば、マイクロウェーブポップコーンスラリ全体は、典型的に、少なくとも10重量%の油脂材料、実際に好ましくは30重量%〜70重量%の油脂材料を含有するとしても、合計のトランス脂肪酸の存在が油脂成分の5重量%以下であるように、当該スラリを提供することができる。この定義に合う好ましい油脂成分は、少なくとも約32グラム(マイクロウェーブポップコーン製品の1パッケージ当たり)のオーダで、またパッケージ内の少なくとも60グラムの未爆裂のポップコーン粒で使用するときでも、1分量当たり0.5グラム未満のポップコーン分量当たりあるレベルのトランス脂肪酸を可能にする量で使用することができる。
【0046】
2.飽和脂肪含有量
a.低い飽和脂肪含有量
同様に、ある好ましい組成物は、低い合計飽和脂肪含有量を可能にする。上に特徴づけた原理は、組成物がステアリン/完全に水素化された油を含んでも、GLC分析によって評価した場合のポップコーン組成物内の合計油脂重量に基づき、40%以下、好ましくは35%以下の合計飽和脂肪含有量を提供するために使用することができる。このように、いくつかの構成では、合計食品組成物に基づく14%以下、好ましくは12%以下の飽和脂肪含有量、及び5g/分量以下、好ましくは4g/分量以下の飽和脂肪含有量を達成することができる。これは、エステル交換ブレンド又は上述の物理的油ブレンドの一方又は両方から第1の油脂成分を選択することによって行われる。物理的油ブレンドの1つが使用される場合、存在するならば、最小レベルを越えるヤシ油を含む物理的油を回避することが好ましいであろう。
【0047】
b.他の飽和脂肪含有量
選択されたヤシ油ブレンドが使用される場合、飽和脂肪含有量は典型的に高くなる。ヤシ油ブレンドでは、上に特徴づけた原理は、GLC分析によって評価した場合のポップコーン組成物内の合計油脂重量に基づき、60%以下、好ましくは55%以下の合計飽和脂肪含有量を提供するために使用することができる。ヤシ油ブレンドでは、合計食品組成物に基づく19%以下、好ましくは17%以下の飽和脂肪含有量、及び7g/分量以下、典型的に6g/分量以下の飽和脂肪含有量を達成することができる。
【0048】
B.他の特性
1.食感
本明細書に特徴づけた最も望ましい組成物は、使用中の容認可能な食感を可能にする。食感は、典型的に、(a)融点範囲、及び(b)最高の融点又は軟化点のような要因に関係する問題である。
【0049】
本明細書に特徴づけた好ましい組成物は、典型的な消費大衆のために、容認可能かつ望ましい食感特性を有するように調合することができる。この理由は、同時に、容認可能な低いレベルのマウスコートを付与しつつ、110°F〜145°F(43.3℃〜62.8℃)、典型的に115°F〜135°F(46.1℃〜57.2℃)の範囲内のメトラー滴下点(融点)を有するように第1の油脂成分を製造できるからである。
【0050】
食感は、食物品目を消費する間に口で感知されるような食物の歯ごたえを指す。食感は、消費者による受け入れを決定する際の重要な特性である。食感は、パリパリ感、硬度、ざらざら感及びマウスコートのような多くの特性を含むことができる。マウスコートは、口の表面(特に口蓋及び舌)に残された残留食物を指す。マウスコートの形態には、知覚される残留物量(すなわち厚い層、薄い層)、残留物の歯ごたえ(すなわちすべり感、蝋のような感じ、ねばり)、残留物の持続時間(急速な消滅、残留感)が含まれる。マイクロウェーブポップコーンの消費は、大部分マイクロウェーブポップコーンのスラリ成分によることが多いマウスコートを残すことがある。油は、スラリの主要な成分であることが多く、したがって、食感に影響を与えることがある。例えば、乳化剤を含有する純粋な液体油又は油系は、すべり感のある食感を残すことが多い。体温を越える融点を有する油は、蝋のような食感を残すことが多い。蝋のような食感は、マイクロウェーブポップコーンの望ましくない特性であると考えられる。
【0051】
2.望ましい浸出特性
本明細書に特徴づけた原理の利点は、典型的な保管温度で、ポップコーン包装を通した望ましくないレベルの浸出を呈することが液体油よりも少ない形態で、マイクロウェーブポップコーンバッグ内のスラリを製造できることである。
【0052】
好ましい組成物は、様々な従来技術のポップコーンバッグ、例えば、過フッ化炭化水素処理された紙を使用するポップコーンバッグに使用することができる。使用可能な構造の例は、参考として本出願に組み込まれている米国特許第5,044,777号、第5,081,330号、第6,049,072号、第5,195,829、及び第6,396,036に記載されている。組成物はまた、参考として本出願に組み込まれている米国特許第5,008,024号、第5,097,107号及び第5,834,046号に記載されているような容器製品に組み込むことができる。一例が、本開示の図6に関連した提供される。図6に、容器製品500が、配置されたマイクロウェーブポップコーン組成物501と共に示されている。容器は、特許全体が本出願に参考として組み込まれている米国特許5,834,046に一般に、特に図3に記載されている。
【0053】
図6を参照すると、容器500は、剛性の側壁502、基部503及びカバー504を有する。ポップコーン装入物501は、袋507に配置される。使用時、袋が開き、またポップコーンが膨張して、蒸気が解放されるときに、カバー504が膨らむ。装置500は、爆裂を促進するためのマイクロ相互作用構造510を含む。
【0054】
上に特徴づけた従来技術の包装に加えて、新しく開発された包装に組成物を使用することができる。例は、2004年2月13日に出願された米国仮出願第60/544,873号、2004年7月15日に出願された米国仮出願第60/588,713号、2005年1月26日に出願された米国仮出願第60/647,637号、2005年2月11日に出願されたPCT US第05/04249号、及び2005年3月11日に出願されたPCT US第05/08257号として出願された、2004年5月25日に出願された米国仮出願60/574,703に記載されている組成物を含み、これらの6つの参考文献は、参考として本出願に組み込まれている。
【0055】
いくつかの例の包装装置の可能性が以下に特徴づけられている。
【0056】
III 追加の考慮
A.エステル交換する油の調製
上に、第1の油脂成分が非水素化油及びステアリン成分の混合物のエステル交換の結果であることができることを示した。エステル交換用の様々な技術、化学技術及び酵素技術の両方が公知であり、適用できる。本明細書に特徴づけた好ましい組成物では、化学的又は酵素によるエステル交換が使用されるかどうかに関して優先性はない。
【0057】
エステル交換は、トリグリセリドの間のアシル基の交換を含む反応である。反応は、脂肪酸とトリアシルグリセロールとの間のアシル基の交換(分解)、アルコールとトリアシルグリセロールとの間の交換(加アルコール分解)、及びエステル交換、エステル置換、適切なエステル生成、再配列、又はエステル交換反応と称されるエステルと他のエステルとの交換を含むことができる。エステル交換プロセス中に、脂肪酸は、トリアシルグリセロール分子内(分子内)及び異なる分子間(分子間)の両方で再配列される。反応は、特定の脂肪酸でなく、脂質の官能特性を修正するために実行される。脂肪酸群の特性でなく、脂肪酸群の位置のみが変更される。不飽和レベルは同一のままであり、水素添加に生じるようなシス−トランス異性化はない。エステル交換は、脂質の物理的溶融特性及び結晶化特性を変更するために使用される。得られる最終的な特性は、開始材料の組成物に左右される。この組成物は、液体油及び固体脂肪のような異なる融点を有する脂質のブレンドを変更するためにしばしば利用される。
【0058】
エステル交換は、化学触媒又は酵素による触媒を使用して実行することができる。ナトリウムメトキシドのようなアルカリ性の触媒が、化学的なエステル交換のために一般に好ましい。リパーゼは、酵素によるエステル交換用の触媒として使用される。リパーゼの特異性は変化する。リパーゼは、基質、脂肪酸、位置エステル、及び立体特異的なエステル(例えば、ランダム及びsn−1,3specific)に従って特異であることがある。大部分のリパーゼは、トリグリセリドの1と3−位置で優先的に加水分解するが、あるリパーゼは、3つのすべての位置で反応することができる。このプロセスの工業用用途の一例は、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(Archer Daniels Midland)(ADM)、ディケイター、ILによって供給される油のNovaLipid(TM)ラインの提供に使用されており、このラインでは、Lipozyme TL IM(Novozyme A/M Bagsvaerd、デンマーク)と命名されたThermoces languinosusからの固定化された1,3−特異的リパーゼが、触媒として使用される(コーワン(Cowan)、DアンドTLフサム(Husum):酵素によるエステル交換、プロセスの利点及び製品の利点(Process advantage and product benefits)、Inform、2004年3月、15(3)巻、ページ150−151)を参照)。
【0059】
典型的に、本明細書に記載したパラメータと一致するエステル交換油は、ADMのような食物油供給者に注文することによって獲得することができる。
【0060】
B.選択された物理的油ブレンドの調製
第1の油脂成分が上述のような物理的油ブレンドである場合、第1の油脂成分は、典型的に、完全に融けた成分、すなわち、以前に規定したような液体油成分、固体脂肪成分、及び存在するならば乳化剤を物理的に混合することによって製造される。
【0061】
C.選択されたヤシ油ブレンドの調製
第1の油脂成分がヤシ油ブレンドである場合、第1の油脂成分は、典型的に、乳化剤なしに、完全に融けた全体的な又は分別されたヤシ油を共に混合することによって調製される。この場合、「ヤシ果実油」という用語は、ヤシ果実から誘導される全体的な又は非分別油を指す。分別は、融点に基づき油を分離する物理的プロセスである。より低い融点の分別は一般にオレイン分別と称され、他方、より高い融点の分別は一般にステアリン分別と称される。オレイン分別は、ステアリン分別よりも低い飽和脂肪含有量を有する。
【0062】
D.材料及び配合物の例
1.第1の油脂成分がエステル交換ブレンドである場合の条件の例
スラリは、120°F(48.9℃)の最小温度に保持された完全に融けた油を使用することによって調製される。油(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドによって供給)は、96%のエステル交換油と4%の大豆ステアリンとの物理的ブレンドからなる。エステル交換油は、80%の大豆油と20%の大豆ステアリンとを酵素によりエステル交換することによって製造される。エステル交換プロセスに使用される酵素は、1,3立体特異的リパーゼである。塩、甘味料及び/又は他の風味剤、及び/又は色素が、スラリを作るために等しく分布されるまで油に加えられかつ混合される。ポップコーンは、電子レンジ処理可能なバッグ内に分配され、次に、スラリが分配される。(獲得時、酸化防止剤が油内にあってもよいか、あるいはスラリ形成中に加えることができる)。
【0063】
2.第1の油脂成分が、選択された物理的油ブレンドの1つである場合の条件の例
スラリは、完全に融けた油ブレンドを使用することによって調製される。スラリの一例は、コーン油、綿実油又はそれらの混合物から選択された82〜88重量%の油、7〜13重量%の大豆ステアリン、及び2〜7重量%のモノグリセリドを含むであろう。塩、甘味料及び/又は他の風味剤、及び/又は色素、及び/又は酸化防止剤がスラリを作るために等しく分布されるまで油に加えられかつ混合される。ポップコーンは、電子レンジ処理可能なバッグ内に分配され、次に、スラリが分配される。(代わりに、酸化防止剤は、油供給者によって供給されるような油内にあってもよい)。
【0064】
3.第1の油脂成分が、記載した選択されたヤシ油ブレンドの1つである場合の条件の例
スラリは、完全に融けた油ブレンドを使用することによって調製される。スラリの例は、75〜85重量%のヤシ油及び15〜25重量%のヤシステアリンを含むであろう。塩、甘味料及び/又は他の風味剤、及び/又は色素及び/又は抗酸化剤が、スラリを作るために等しく分布されるまで油に加えられかつ混合される。ポップコーンは、電子レンジ処理可能なバッグ内に分配され、次に、スラリが分配される。
【0065】
4.調合の例
調合の例a:バター風味のポップコーン
【表1】

調合の例2:軽いバター風味のポップコーン
【表2】

【0066】
IV マイクロウェーブポップコーンの(可撓性)パッケージ
バッグを使用するマイクロウェーブポップコーンの装置は、一般に、パッケージに動作可能に配置されたマイクロ波相互作用性シート又はサセプタを有するつぶれたパッケージを含み、また電子レンジ処理可能なポップコーン装入物は、マイクロ波相互作用構造に対しカバー関係又は熱伝導性関係で配置される。多くの従来のバッグ装置では、包装は、一般に、保管中及び使用前に3つ折り構造に折り曲げられる。3つ折りは、典型的に、湿気障壁の上包みに配置され、内容物に対する保管寿命を強化する。
【0067】
マイクロウェーブポップコーン装入物は、一般に、少なくとも100°F(37.8℃)、通常少なくとも110°F(43.3℃)また典型的に145°F(62.8℃)以下、通常135°F(57.2℃)以下のメトラー滴下点を典型的に有する少なくとも50グラムの未爆裂のポップコーン粒及び少なくとも20グラムの油脂を含む。しばしば、ポップコーン装入物は、少なくとも60グラムの未爆裂のポップコーン粒を含有する少なくとも25グラム(ノンライトオイル製品)の油脂、油脂は、記載したようなメトラー滴下点に関する融点を有する。
【0068】
次の表に、異なったサイズのバッグについていくつかの例が示されている。%は、バッグ内のすべての食べられる成分について表される。バッグの3つのサイズは、「小」、「大」及び「std」又は標準と規定される(すなわち、中サイズ)。各々のサイズについて、重量で典型的な最小量の油脂(本発明の開示による)及びコーンの存在が設けられ、同様に、食べられる成分の重量%で典型的な最小レベルの油脂(本発明の開示による)が設けられる。また、各々のサイズについて、典型的な量のコーン及び油脂(本発明の開示による)が規定される。「標準(std)」について、典型的なライトオイルレベルが同様に設けられる。油脂は、典型的に、上述のような100重量%の第1の油脂成分であろう。しかし、再び、説明したように、いくつかの変化が可能である。
【表3】

【0069】
上の引例に記載したあるパッケージ装置は、一般に、折り曲げ紙構造を含み、この構造では、側面ガセットが2つの対向する面パネルに取り付けられる(あるいはそれらと一体である)対向側縁部において、ひだ又は折り目が紙に沿って使用される。1つの対の対向する縁部折り目は、一般に、バッグの1つのチューブの第1の面パネルの対向側に配置され、第2の対の対向する縁部折り目は、対向側の第2のチューブの第2の面パネルの対向側に配置される。ポップコーン装入物のバッグ内への初期装入中に、ポップコーン装入物は、一般に、ひだ状又は折り目状の側縁の間のパネルの部分に対して、2つのチューブの一方に配置される。
【0070】
折り目において紙にひだを付けることにより、ひだの縁部に沿って、時に紙の完全性の微小破壊がもたらされる。ポップコーン装入物とひだ状の位置との直接接触が可能になると、複数の問題が生じることがある。第1に、製造、出荷、保管及び取扱い中に(マイクロウェーブポップコーン装入物の含有量に応じて)、ひだ状の縁部の位置の紙材料を通した望ましくないレベルの油脂材料の漏れ又は浸出(特に液体油により)が生じることがある。第二に、マイクロ波による爆裂中に、望ましくないレベルの油脂の漏れ又は浸出が、再び特に液体油により、この同一のひだ状の位置に沿って生じることがある。本明細書に特徴づけた改良された高度に精製された紙でさえも、このようなひだ形成は、ある不都合をもたらすことが予想できる。
【0071】
マイクロウェーブポップコーン包装では、マイクロウェーブポップコーン構造の選択されたひだ又は折り目に隣接する漏れ又は浸出には、望むなら、従来の装置よりも良く対処することができる。いくつかの装置では、包装内に特定のシールパターン又は装置を設けることによって対処することができる。いくつかの場合には、パッケージの内部の選択された領域に材料を適用して、油と紙の内側層との間に表面張力を付与することによって、対処することができる。この後者について、シール用に使用されるのと同一の種類の材料(接着剤)を使用することができる。いくつかの装置では、両方の技術を使用することができる。
【0072】
いくつかの有利な装置が、例えば、2005年2月11日に出願されたPCT出願US05/04249に記載されており、その開示は参考として本出願に完全に組み込まれている。以下に簡単に説明するバッグ装置は、当該PCT出願に記載されている。
【0073】
B.図1〜図5の装置
図1の参照番号1は、本発明の開示による電子レンジ処理可能なポップコーンパッケージを示している。図1には、ポップコーンパッケージ1は、保管用の従来の「3つ折り」構造2に示されている。図1には、3つ折り2は、保存用上包み3内にシールされる。使用可能な保存用上包み3は、90〜140ゲージの二軸配向のポリプロピレンを含むが、他の材料を使用することができる。上包み3は、使用するためにポップコーン包装1が保管から取り除かれるとき、上包み3は処分される。
【0074】
図1には、保管時に直立できるように、パッケージ1が縁部で直立しているのが示されているが、他の方法が可能である。
【0075】
なお図1を参照すると、パッケージ1は2つの対向側5、6を有し、以下に詳細に記述するように、各側面5、6は、2つの側面ガセットの外側縁を備え、外側縁に沿ってひだが配置される。
【0076】
図示したように、図1に示した装置は「3つ折り」である。本発明は、折り曲げられた又は3つ折りとして折り曲げられるように意図された装置に関連して説明かつ図示される。しかし、本発明の開示による技術は、すなわち、装置が保管用の「3つ折り」として折り曲げられない場合にも、他の折り曲げられた装置に利用できることが明らかであろう。
【0077】
図2には、内部に収容されるポップコーン装入物を爆裂するために電子レンジに配置されるときと同様に向けられているが、膨張前の広げられた構造で、パッケージ1の平面図が概略的に示されている。図2には、線11と12は、装置の中央領域13を画定しかつ図1の3つ折りを作るための折り目を形成する折り線を示している。中央領域13では、未爆裂のポップコーン装入物は、一般に、また上の図2に示されるように向けられるとき、マイクロ波相互作用性構造が好ましくは配置されるバッグ1の部分に対し配置される。この場合、この関連で、「マイクロ波相互作用性」という用語は、エネルギを吸収して、電子レンジ内のマイクロ波エネルギに暴露されたときに高温になる材料を指すことが意図される。
【0078】
爆裂動作中に、ポップコーン粒の内部の水分は、マイクロ波エネルギを吸収して、バッグ1の爆裂及び膨張のための十分な蒸気及び熱を発生する。さらに、マイクロ波相互作用性材料は、マイクロ波エネルギを吸収して、ポップコーン装入物に熱を散逸させる。好ましい構成では、マイクロ波相互作用材料は、少なくとも中央領域13(内部に)を占有し、またポップコーンパッケージ1の領域の部分との熱伝導性接触は、ポップコーンパッケージ1の内部の他の任意の部分よりも大きい。すなわち、マイクロ波相互作用性材料の大部分(面積又は重量で)は、バッグ内部の領域と熱伝導性接触して配置され、この領域で、マイクロ波相互作用性材料は、包装1が材料使用のために電子レンジに配置されるとき、爆裂装入物によって覆われる。このことは、マイクロ波相互作用性材料の好ましくかつ効率的な利用なもたらし、またポップコーン爆裂プロセスに関連する保温特性のため好ましい。この技術はまた、組み込まれた参考文献のあるものの装置のような従来の装置にも使用される。
【0079】
次に、図4、一般に図2の線4−4に沿った断面図を参照する。図4の再点検から、ポップコーンパッケージが、一般に、第1及び第2の対向する内側方向の側面ガセット22と23によって接合された第1及び第2の対向する面パネル20と21を画定する構成を備えることが理解されるであろう。この関連の「内側方向」によって、図4の断面では、ガセット22、23が互いを指すか又は互いに向かって延びることが意味される。
【0080】
ガセット22と23は、一般に、ポップコーンパッケージ1を第1と第2の拡張可能な管28と29に分離する。ポップコーン装入物30は、管の一方、この場合管29内に実質的に配置され、実質的に維持される。他方の管28は、爆裂の前に一般につぶされている。実際に、好ましい装置では、管28は、爆裂動作前に一時的ヒートシールによってシールされる。
【0081】
なお図4を参照すると、側面ガセット22は、一般に、外側方向の縁部ひだ又は折り目33と34、隣接面パネル21である折り目34及び隣接面パネル20である折り目33と、内側方向の中央折り目35とを備える。同様に、ガセット23は、外側方向の縁部ひだ又は折り目38と39と、内側方向の中央折り目40と、隣接面パネル21である折り目39及び隣接面パネル20である折り目38とを備える。図4に示した装置用の構造1は、2層シートの材料から折り曲げられ、パネル20はその中に中央長手シーム42を含む。折り目33、34、35、38、39と40のような折り目は、例えば、米国特許第5,044,777号、第5,195、829号、及び第5,650,084号に示されているような可撓性のマイクロウェーブパッケージについて公知である。
【0082】
ポップコーン装入物30の下に、装置又はパッケージ1は、マイクロ波相互作用性構造又はサセプタ45を含む。マイクロ波相互作用性構造又はサセプタ45は、従来設計のものでよい。図4に示したようなある装置では、サセプタ45は、可撓性構造1が折り曲げられる層又はプライ46、47の間に配置される。典型的なマイクロ波相互作用性構造は、可撓性の金属化ポリエステルシートを備える。シート46、47の間に配置されたサセプタ45についても、装置1は2層として参照される。図示した装置では、サセプタ45は、層46、47の間の領域の部分を占めるに過ぎない。
【0083】
なお図4を参照すると、領域21aに、パネル21の内面が示されている。領域21aは、未爆裂のポップコーン装入物の保持面を画定する。この理由は、一般に、未爆裂のポップコーン装入物30が表面21aと接触して配置され、また爆裂のためにパッケージ1が電子レンジに配置されるとき、表面21aに一般に着座するからである。図4を参照すると、ガセット23は、面パネル21に隣接しかつそれと一体化したパネルセクション49を含み、ガセット22は、面パネル21に隣接しかつそれと一体化したパネルセクション48を含む。
【0084】
次に、図3を参照する。図3には、図1による装置の折り曲げることができるバッグブランク、パネル又はシート60の平面図が示されている。図3に示した特徴の多くは、一般に、米国特許第5,195,829号、第5,044,777号、及び第5,650,084号に図示しかつ説明されている特徴と同様である。以下に詳細に説明するように、バッグ構造1の望ましい特徴を提供するために、様々なシーラント装置が利用される。所望のように、これらの様々な組み合わせならびに変形を実施することができる。図示したシーラント領域は、使用可能な装置の例を提供するように意図される。
【0085】
図3の次の説明から明白であるように、望ましい装置を提供するために、代わりに又は選択的に使用できる様々なシーラント領域が示されている。これは、以下のさらなる説明から理解される。
【0086】
図3の図面は、時にシート60の「裏側」、すなわち、図1の組み立てられたバッグ構造1の内面を形成するシート60の側面65と称されるものである。図3に見ることができる側面の対向側面は、時に「前面」と称され、バッグ構造1の外面を形成する。当然、左右対称の装置も可能である。
【0087】
なお図3を参照すると、線分62は領域63を画定し、この領域内で、好ましい実施形態のために、マイクロ波相互作用性材料及び図4の構造45のようなマイクロ波相互作用性材料の大部分が関連付けられる。マイクロ波相互作用性構造、例えば図4の相互作用性構造45は、装置の内側又は外側に、又は層46、47の間に配置してもよい。一般に、好ましい実施形態では、マイクロ波相互作用性構造45は、ブランク60の層46、47の間に配置される。
【0088】
なお図3を参照すると、再び、観測される表面65は、パッケージ1が折り曲げられたとき、構造1の内面を形成する表面である。次に、図4のポップコーン装入物30が、最終的に中央領域63の上方に配置される。
【0089】
なお図3を参照すると、線66は、一般に、図4の折り目34が形成される箇所を示し、線67は、一般に、図4の折り目39が形成される箇所を示す。折り目又はひだ34、39は、一方の面21に隣接する対向する側面ガセット22、23の一般に外側方向の折り目又はひだである。使用中のポップコーン装入物を配置するための表面21aは、折り目34、39の間に延びる。線68は折り目35(図4)と一致し、線69は折り目40(図4)と一致し、線70は折り目33(図4)と一致し、また線71は折り目38(図4)と一致する。このように、折り線68と66の間の領域75は、一般に、図4のガセットパネルセクション49を画定し、折り線67と69の間の領域77は、一般に、図4のガセットパネルセクション48を画定する。
【0090】
一般に、図1の3つ折りは、装置1が、線66、67、68、69、70、71に対し垂直に適切に離間して折り曲げられるように、装置1全体を折り曲げることによって最終的に形成される。この後者の折り曲げは、一般に、図2のバッグ構造がさもなければ組み立てられた後であることが理解されるであろう。
【0091】
図3を参照すると、側面65からパネル60の対向側に配置された縁部84aに沿ったシーラント領域84は、折り曲げ中に(典型的に熱と圧力の適用により)、縁部85aに沿って領域85に係合して、図4の長手方向シーム又はシール42を形成するために使用される。同様に、折り曲げ中に、側面65の縁部89aに沿った領域89の様々な部分は、互いに整列して、図2の端部シール90の様々な部分を形成し(典型的に熱と圧力の適用により)、また図3の側面65の縁部92aに沿った領域92の様々な部分は、互いに整列して、典型的に熱と圧力の適用により、図2の端部シール93を形成することが明らかであろう。一般に、領域92は、完成したバッグの頂縁93を形成し、それを通して、爆裂後に爆裂したポップコーンが取り除かれる。図3のパネル60の対向側のシーラント領域95と96は、折り線68の周りの折り曲げが行われるときに互いに整列し、また熱と圧力が適用されて、折り曲げ後に、図2の端部90に沿った好ましい構造のパネル60の固定に役立つ。これは、図1aの米国特許第5,195,829号の装置で行われたことと同様である。同様に、図3のパネル60の下側のシーラント領域98と99は、パネルが折り線69の周りに折り曲げられるときに互いに整列されて、熱と圧力が適用されるときに図2の端部90に対し安全な端部及び好ましい端部構造も提供する。
【0092】
次に、シーラント領域103、104、105、106、107、108、109と110に注目する。同様の領域が米国特許第5,195,829号に示されている。折り曲げ中、領域103〜110の部分は互いに整列して、互いに接着されたパネルの選択された部分を保持し(典型的に圧力及び熱の適用後)、拡張中の好ましい構造を提供する。特に、折り曲げ中及び圧力と熱の適用後に、領域103は領域104に係合し、領域105は領域106に係合し、領域108は領域107に係合し、また領域110は領域109に係合する。領域105と106の間、同様に領域108と107の間の係合は、つぶれた折り目又は3つ折り2にポップコーン装入物が配置されない領域(図1)において、パネル48と49の選択された部分を図4のパネル21に対し保持する傾向がある。領域104に対し折り曲げられかつシールされたシーラント領域103、及び領域109に対し折り曲げられた領域110は、つぶれた3つ折りの図4のパネル20に対するパネル115と116のシール保持に役立つ。これにより、図4のポップコーン装入物30が所望の場合に装置に保持されることが確実にされる。これの利点は、一部、米国特許第5,195,829号に記載されている。
【0093】
なお図3を参照すると、領域103a、104a、105a、106a、107a、108a、109a、110aは、重なり合うシールに対するV字形又はへの字形を形成するために、それぞれ、領域103、104、105、106、107、108、109、110への任意の延長部を示している。これらは、米国特許第5,195,829号に示したようなポップコーン包装に使用でき、使用されてきた。しかし、望むなら、任意の部分103a〜110aを有利に回避することができる。この一部の理由は、必ずしも完全なへの字形を使用することなく、得られる望ましいシールを折り曲げられた装置に生成するために適切な角度で、延長部103〜110が突出するからである。
【0094】
米国特許第5,195,829号のバッグでは、領域92に隣接するへの字領域も有利に使用されたことが指摘される。図3によって反映された特定の装置では、これらは示されなかった。好ましい装置でこのような領域が使用されないことが予想される。しかし、このような領域を任意に使用できるであろうことが指摘される。
【0095】
次に、シーラント領域129、130、133と134に注意を向ける。図示した好ましい実施形態では、シーラント領域は、パネル115と116が図4のパネル20に対しシールされることを保証するために使用され、この結果、ポップコーン装入物30は、管29(図4)に実質的に保持され、また加熱中に望むまで管28内に膨張又は拡散しない。特に、領域129と130は、装置が折り線70を中心に折り曲げられる(熱と圧力の適用により)ときに互いに係合するように配向され、また領域123と134は、装置が折り線71を中心に折り曲げられるときに(熱と圧力の適用により)互いに係合するように配向される。
【0096】
領域129、130、133、134に関連する種類のシールが以前の構造に使用された。例えば、米国特許第5,044,777号参照。
【0097】
一般に、シールは、折り曲げ後に、シーラントが配置される領域に熱と圧力を適用することから得られる。説明した様々なシールのために、シーラントが両方の隣接する紙表面に配置されることが指摘される。これは便利である。しかし、シーラントが片側にのみ配置され、また2つの側面が適切な熱と圧力の追加と共に折り曲げられる場合、シールを形成することができる。
【0098】
説明したシーラント領域は、熱と圧力を適用してシールを形成するように構成されることが指摘される。代わりの種類のシール、例えば、コールドシールを本発明の開示による装置に実装することできるであろう。
【0099】
図3のパッケージ装置60の表面65のシーラント領域の残りの説明では、貯蔵、取扱い又は使用中のポップコーン装入物内の油脂の浸出及び流れ特性の好ましい管理及び制御について、選択が行われる。次のように、シーラント領域が2つの方法の一方に使用されることが指摘される。第1に、油脂の位置を管理するために、パッケージの部分から油脂の位置を断熱することによって、シーラント領域を実際に使用して、断熱シールを形成することができる。第2に、シーラントを紙表面に適用することにより、紙表面の表面張力の特性、したがって、油脂材料との紙表面との相互作用が変更される。一般に、使用するシーラントの特性は、油脂材料を未処理の位置にある程度収容するために作用する。このように、シーラント領域は、油脂材料が溶けるときにその流れを阻止することが望ましい好ましい位置の紙に適用することができる。これらの特性の両方について、同様に特性を実施するための選択として以下に説明する。
【0100】
例えば、爆裂の前に、図3の折り線66、67、すなわち図4の折り目34、39におけるひだとの望ましくないレベルの直接接触からポップコーン装入物を分離維持することに役立つシール装置を設けることができる。この技術は、本出願に参考として組み込まれている2004年2月13日に出願された米国仮出願第60/544,873号に記載されている。
【0101】
折り線66に関し、シーラント領域150、151に注意を向け、折り線67に関し、シーラント領域153、154に注意を向ける。図示した任意の装置について、領域150、151が互いに一体であり、折り線60で出会うこと、同様に領域153、154が互いに一体であり、折り線67で出会うことが指摘されるが、これは必要でない。言い換えると、領域150、151は、それらを通して折り線60を有する単一領域の一部であり、好ましくは、領域153,154は、それらを通して折り線67を有する単一領域の一部である。)
【0102】
折り線66の周りの折り目が作られるとき、シーラント領域151は、シーラント領域150に重なり合い、図4のガセット折り目断熱シール155は、適切な熱と圧力の提供によって得られる。同様に、折り線67の周りの折り曲げが行われると、領域154は、領域153に重なり合い、図4のガセット折り目断熱シール156は、適切な熱と圧力が適用されると再シールする。
【0103】
ポップコーン装入物が領域63に配置されると、ポップコーン装入物、及びその中の油脂のような成分は、シール155、156の存在のため、ひだ又は折り目66、67(すなわち、図4のひだ34、39)への流れが阻止されるであろう。シール155、156は、典型的に、マイクロウェーブポップコーンの爆裂中に蒸気と熱に暴露されると、解放するように構成されるであろう。
【0104】
ここで、シール155、156の種類のシールは、関連の(典型的に隣接する)ひだ又は折り目に関して、本明細書で時に「断熱シール」と称される。この理由は、これらのシールが、ポップコーン装入物の中からの材料の流れに対し、パッケージ1の保管中にひだ又は折り目を断熱して、関連のひだ又は折り目との接触を方向付けるからである。このように、シール155は、ひだ又は折り目34(図4)を形成するための線66に沿った折り目又はひだに対する断熱シーラント領域であり、領域156は、折り線又はひだ線67、すなわち、折り目又はひだ39(図4)に対する断熱シーラント領域である。
【0105】
図3を参照すると、使用する場合、好ましくは領域150、151、153と154は連続的であり、すなわち、折り目66、67に沿った延長部の領域にギャップはないことが指摘される。シーラント領域及び得られるシール155、156(図4)のこの連続的な性質は、折り目66、69に生じた望ましくない浸出又は漏れの阻止に役立つであろう。断熱領域が連続的でないとしても、いくつかの有益な結果が得られるであろうことが指摘される。
【0106】
使用時、領域150、151と153、154の好ましい全長は、端部190、193(図2)の間のパッケージの全長(又は折り目66、69の長さ)の好ましくは少なくとも20%(通常少なくとも25%及び典型的に少なくとも30%)である。より好ましくは、各々は、図2のパッケージ1又は図3の折り目66、69の長さの少なくとも45%であり、最も好ましくはまた典型的に、パッケージの延長部の長手方向の領域150、151、153、154の長さは、端部90、93の間のパッケージ1又は折り目66、69(図3)の全長の50%〜60%である。代替例が可能であるが、これらは好ましいシールであろう。図3では、図2の端部90、93を形成するブランク60の部分は、それぞれ縁部92aと89aである。
【0107】
使用時、最も好ましくは、シール155、156は、3つ折りの折り目(図2のそれぞれ対応する折り目11、12)の間に連続的に延びるように少なくとも配置かつ構成される。
【0108】
最も好ましくは、使用時、図3の領域150、151、153、154は、図2の折り曲げられたパッケージ1の端部90、93に対応する、パッケージブランク60の関連縁部92a、89aから離間した縁部で終端する。好ましくは、間隔は、縁部89aから少なくとも70mm(例えば約80〜95mm)であり、また縁部92aから少なくとも70mmである。間隔は、各々の縁部89a、92aから必ずしも同一でない。実際に、図示した実施形態では、間隔は同一でない。
【0109】
例えば、米国仮出願第60/544,873号に記載された横断シールと同様の位置160、161の間の横断シールを使用することもできることが指摘される。
【0110】
いくつかの装置では、領域150、151と153、154によって提供される連続的なシールを使用しないことが望ましいかもしれない。いくつかの用途では、実施されるような線66、67に沿って折り曲げるとき、領域163、164と、165、166と、167、168と、169、170とによって形成されたシールを簡単に設けることが望ましいかもしれない。具体的に、領域163、164は線66上の接着剤の円形点として示され、領域165、166は、線66上の接着剤の円形領域を形成するが、非円形の形状を使用することができる。線66に沿って折り曲げが行われる場合、これらの領域は、これらの位置において、図4の得られるガセット折り目34に隣接するシールされた接着剤の点を形成する。このことは、連続的なシールを使用することなく、油脂材料の保持に役立つことができる。
【0111】
任意の領域153、154が使用されない場合、同様の効果が、折り線67に沿って、領域167、168と169、170から形成されたシールを通して達成される。再び、円形又は非円形の形状を使用することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、中央領域177には接着剤がないままにして、175、176で示した領域内の領域63の上に接着剤を付与することが望ましいかもしれない。一般に、油脂は、シーラント領域の上に流れず、また特に紙表面が過フッ化炭化水素処理されない場合、油脂は未処理紙表面に流れる。このように、シーラント領域175、176は、領域177に配置された油脂材料の保持に役立つことができる。同様に、このために、領域181のシーラント処理を使用することができる。すなわち、シーラント処理は実際にシールを形成せず、むしろ、領域177からの油脂材料の望ましくない流れを阻止するための表面処理を含むであろう。上記の特徴は任意であり、関係する材料に応じて異なる効果のために使用することができる。
【0113】
層間の接着剤に関し、いくつかの場合には、連続的な接着剤をある位置に、また不連続な接着剤を他の位置に付与することが望ましい。図3には、打刻印パターンを有する200に示した領域は、部分的に、層46、47のために使用される紙の性質に応じて、連続的な被覆を有するための好ましい位置を示している。この理由は、ある有益な耐油脂効果を提供するように選択することができるからである。点を打っていない領域201では、例えば、その各々が参考として本出願に組み込まれている第5,753,895号、第5,928,554号及び第6,396,036号に記載されているような不連続な接着剤被覆を使用できることが予想される。
【0114】
図4を参照すると、使用する場合、好ましくはシール155、156の幅は、少なくとも0.25cm、典型的にまた好ましくは、少なくとも0.5cm、典型的に約0.8〜1.4cmである。この関連で、「幅」は、縁部155a、156aそれぞれから内側方向、すなわち、互いに向かう延長部の距離である。シール155、156は、当然、一定幅である必要はないが、シールはこのように示される。
【0115】
次に、図5を参照する。図5は、ある寸法の文字表示を除いて、図3と同様の図面である。本明細書に示した寸法は、例えば、次の通りである。(A)21インチ(53.3cm)、(B)3.4375インチ(8.7cm)、(C)2.0625インチ(5.2cm)、(D)2.0625インチ(5.2cm)、(E)5.8750インチ(14.9cm)、(F)2.0625インチ(5.2のcm)、(G)2.0625インチ(5.2cm)、(H)3.4375インチ(8.7cm)、(I)1インチ(2.5cm)、(J)2.9375インチ(7.5cm)、(K)0.2000インチ(0.5cm)、(L)1.1562インチ(2.9cm)、(M)0.8579インチ(2.2cm)、(N)0.1875インチ(0.5cm)、(O)10.0000インチ(25.4cm)、(P)5.6250インチ(14.3cm)、(Q)0.5インチ(1.3cm)、(R)0.5インチ(1.3cm)、(S)2.5625インチ(6.5cm)、(T)5.8750インチ(14.9cm)、(U)11.6250インチ(29.5cm)、(V)4.0000インチ(10.2cm)、(W)4.0000インチ(10.2cm)、(X)3.6250インチ(9.2cm)、(Y)0.5インチ(1.3cm)、(Z)0.5インチ(1.3cm)、(AA)0.750インチ(1.9cm)の直径、(BB)6.5インチ(16.5cm)、(CC)1.6875インチ(4.3cm)、(DD)5.8125インチ(14.8cm)、(EE)0.1250インチ(0.3cm)、(FF)1インチ(2.5cm)、(GG)0.250インチ(0.6cm)、(HH)3.6250インチ(9.2cm)、(II)0.1250インチ(0.3cm)、(JJ)0.250インチ(0.6cm)、(KK)37°、(LL)0.6250インチ(1.6cm)、(MM)0.2188インチ(0.6cm)、(NN)0.06250インチ(0.2cm)、(OO)1インチ(2.5cm)、(PP)5.1875インチ(13.2cm)。スケールを前定として、他の寸法を決定することができる。
【0116】
過フッ化炭化水素処理された又は非過フッ化炭化水素処理された紙は、パッケージの層のために使用することができる。次のセクションに特徴づけられるような非過フッ化炭化水素処理された紙が使用される場合、使用可能な材料の例は次の接着剤である。第1に、表面の接着剤のために、H.B.フラー社(H.B. Fuller Company)、セントポール、ミネソタから入手可能な表面65に適用される接着剤、PWF3007を使用することができる。層間の領域201と200の接着剤のため、積層用接着剤として、同様にH.B.フラー(H.B. Fuller)から入手可能な製品PWF8540を使用することができる。PWF3007はポリビニルアセテートである。PWF8540は、エチレンビニルアセテートポリビニルアルコール(EVA−PVOH)接着剤であり、耐油脂性を改善することができる。過フッ化炭化水素処理紙が使用される場合、望むなら、共に表面接着剤として及び積層用接着剤として使用できるであろう。
【0117】
図3に示したパッケージに関係するパッケージの使用可能な装置及び変形は、(a)2004年2月13日に出願された米国仮出願第60/544,873号、(b)2004年7月15日に出願された米国仮出願第60/588,713号、(c)2005年1月26日に出願された米国仮出願第60/647,637号、(d)2005年2月11日に出願されたPCT US第05/04249号、及び(e)2005年3月11日に出願されたPCT US第05/08257号として出願された、2004年5月25日に出願された米国仮出願60/574,703に記載され、これらの6つの参考文献は、参考として本出願に組み込まれている。
【0118】
C.図7と図8の装置
図7の参照番号600は、本発明の開示による電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品を形成するために使用可能な代わりのパッケージブランクの側面601を示している。図7のパッケージブランクは、2005年2月11日に出願されたPCT05/04249に詳細に記載されている。パッケージブランク600は、サセプタ645を受容するための領域663を有し、領域663は、境界662と、折り線766の周りの領域750、751及び折り線767の周りの領域753、754とによって画定される。
【0119】
さらに、ブランク600は、側縁89aに対し平行に延びる最内縁610a、611a、612a、613a、614a、615a、616aと617aをそれぞれ有する斜めのシーラント領域610、611、612、613、614、615、616と617を含む。図3のブランク60の同様の領域と同様に、領域610〜617は異なる寸法を有する。
【0120】
図1のパッケージ1を形成するために、ブランク600を次のように使用することができる。ガセット折り目は、1つの側面の折り目766、768と770と、対向側の折り目767、769と771とによって形成される。パッケージシームは、領域784、785、788と789によって形成される。タックシールは、側面601から対向側の領域795、796、798、799によって形成されるであろう。タックシールはまた、領域729、730と733、734によって形成されるであろう。側面601のこれらの後者のタックシールは、ガセットを閉鎖維持するであろう。オイル移動をガセット折り目内に閉じ込めるための中央領域763用の閉じ込めシールは、領域751、750によってまた領域753、754によって形成される。3つ折りへの折り曲げ全体は、線780、781に沿っているであろう。
【0121】
次に、一例の寸法を示す文字を有するバッグブランク600を示している図8を参照する。文字は、次のように一例の寸法を示している。
A=19.125インチ(48.6cm)、B=3.1875インチ(8.1cm)、C=1.7188インチ(4.4cm)、D=1.7188インチ(4.4cm)、E=5.8750インチ(14.9cm)、E1=2.9375インチ(7.46cm)、F=0.5インチ(1.27cm)、K=5.3750インチ(13.65cm)、L=0.5インチ(1.27cm)、M=2.5625インチ(6.51cm)、O=4.5313インチ(11.5cm)、P=6.5インチ(16.5cm)、Q=1.8438インチ(4.68cm)、R=0.2インチ(0.51cm)、S=1.1562インチ(2.94cm)、T=0.1875インチ(0.48cm)、U=11.6250インチ(29.5cm)、V=4インチ(10.2cm)、W=3.625インチ(9.21cm)、Z=5.8125インチ(14.8cm)、BB=0.125インチ(0.32cm)、CC=0.250インチ(0.64cm)、DD=2.9375インチ(7.46cm)、EE=0.6250インチ(1.59cm)、FF=0.2188インチ(0.56cm)、GG=0.0625インチ(0.159cm)、HH=37°、KK=0.75インチ(19.05mm)の直径、III=0.25インチ(6.35mm)。
【0122】
これらの寸法は、上記の図3と図4について記載したよりも僅かに小さな外周を有するパッケージブランク用であることが指摘される。当然、図7のブランクについて同様の特徴を図4の例について上述したサイズに実施できるであろう。
【0123】
D.積層パターン
図9と図10を参照すると、ブランク600の層間を適用するための積層パターンの例が示されている。積層用接着剤は、通常、一方の層に適用され、その後に2つの層が共に接合される。
【0124】
図9には、ロールストック材料1000が示されており、ロールストック1000は、図7のブランク600と同様の2つのパッケージブランクを提供する程度に十分に広い。
【0125】
シーラント領域1063、1063’、1084、1084’、1085、1085’は、連続的な接着剤の領域である。すなわち、一般に、連続的かつ隣接した接着剤層がある。シーラント領域1186、1186’は、パターン化した非連続的な接着剤を有する領域である。領域1186、1186’に有用な非連続的であるが、なお隣接したパターンが、図10に示されている。
【0126】
様々な寸法、すなわち、(MM)38.25インチ(97.15cm)、(A)19.125インチ(48.58cm)、(F)1.0インチ(2.54cm)、(2F)2.0インチ(5.08cm)、(NN)5.56インチ(14.13cm)、(OO)6インチ(15.24cm)、(Nl)0.0625インチ(1.59mm)、(N2)0.43インチ(10.9mm)が図9と図10に示されている。図9のロールストックから得られるバッグブランクは、ブランク600と同様の外形寸法を有するが、異なる寸法を有するロールストックは、例えば図3と図4のパッケージブランクを調製するために、同一の原理を用いて作ることできるであろう。
【0127】
図9と図10のロールストックは、参考として本出願に組み込まれている2005年2月11日に出願されたPCT出願米国第05/04249号に詳細に記載されている。
【0128】
V 非過フッ化炭化水素処理された紙の使用
上述のように、いくつかの場合には、非過フッ化炭化水素処理された紙を内層又は外層に使用することができる。
【0129】
A.過フッ化炭化水素処理された紙の問題
今日まで、当該の問題に関する特定の政府規制はなかったが、マイクロウェーブポップコーン包装に使用するために、過フッ化炭化水素処理された紙材料が望ましくないかもしれないとのある認識がある。この問題は、一般に、パッケージ調製及び/又はポップコーン包装施設の作業場所環境に関係する。しかし、マイクロウェーブポップコーン爆裂動作中に、あり得る過フッ化炭化水素の放出に関係する少なくともある懸念がある。
【0130】
一般に、紙の層の少なくとも1つにおける過フッ化炭化水素処理は、マイクロウェーブポップコーン製品の保管、輸送及び取扱い中に、望ましい油脂保持特性の獲得に関し非常に重要であると考えられている。実際に、多くの商業用紙のマイクロウェーブポップコーン製品は、当該製品内に収容された未爆裂のポップコーン装入物内に収容された油脂に関し、浸出特性の望ましい低減を達成するために、過フッ化炭化水素処理された紙を利用する。
【0131】
この場合、マイクロウェーブポップコーン製品の好ましい材料及び構造が報告されており、これによって、過フッ化炭化水素処理された紙を使用することなく、収容された油脂の浸出特性に関して、当該製品内の様々なマイクロウェーブポップコーン装入物の望ましい動作レベルが可能になる。
【0132】
非過フッ化炭化水素処理された紙の使用に関する本明細書に開示した情報は、同様に、(a)2004年3月12日に出願された米国仮出願第60/552,560号、及び(b)2004年5月25日に出願された米国仮出願第60/574,703号に記載されており、これらの2つの参考文献は、参考として本出願に組み込まれている。
【0133】
B.多層マイクロウェーブポップコーン包装の調製に使用するための好ましい非過フッ化炭化水素処理された材料、すなわち高度に精製された紙
一般に、原繊維の適切な選択により、ならびに紙を製造する工程で原繊維を高度に精製することにより、油脂の汚れに対する抵抗性及び紙の耐油脂特性を有する生成紙を提供する繊維自体が得られる。この油脂抵抗性又は耐油脂性は、シートの高度に精製された繊維の密な充填の結果であり、シート内へのまたそれを通した油脂の移動を物理的に防止する。高度に精製された繊維はまた、表面の大量の水を吸収する。これにより、水の層が発生され、親水性の特性を紙表面に提供し、繊維、したがって紙を本質的に撥油性にする。
【0134】
さらに、高度に精製された繊維は、より可撓性である。これは、マイクロウェーブポップコーン包装に重要であることがあるが、この理由は、ひだ形成及び折り形成中に生じるこのような包装の微小破壊が、油漏れの発生を促進するからである。より可撓性の繊維では、折り形成又はひだ形成工程中の望ましくない破損の可能性がより小さい。
【0135】
耐油脂性及び高度に精製された紙を可能にするために、膜形成装置が典型的に紙シートの表面に適用される。このような膜形成装置の例は、EVA(エチレンビニルアセテート)及びPVOH(ポリビニルアルコール)のコポリマ又はアクリル樹脂である。一例は、ジョンソン(Johnson)ポリマF41である。
【0136】
マイクロウェーブポップコーン包装に使用するための非過フッ化炭化水素(非FCT)処理された高度に精製された好ましい耐油脂性の紙の一般的な特性について、以下に説明する。これらの一般的な特性に適合するいくつかの商業的に入手可能な種類の紙は、ラインランダーペーパ社(Rhinelander Paper Company, Inc.)、ラインランダー、ウィスコンシン、54501から入手可能である。ラインランダー(Rhinelander)は、ウォーソー・モシネー(Wausau−Mosinee)の会社である。これらの製品は、製品コード番号238−9577及び製品コード238−9696で示された製品である。次のことから明らかなように、製品番号238−9577は、マイクロウェーブポップコーンバッグの内部シートとしての使用に特によく構成され、製品番号238−9696は、マイクロウェーブポップコーンバッグ構造の内層として特に有用である。ウォーソー(Wausau)238−9696は、典型的にそのより高い不透明性又はより高い白さのため好ましい。(ウォーソー(Wausau)238−9646は外側シートにも使用可能である。238−9646は、より高い基本重量を除いて238−9696と同様である)。
【0137】
時にHRと略される本明細書に使用されるような「高度に精製」という用語は、製紙産業からその通常の定義を得ているものと意味され、一般に、紙の耐油性及び耐油脂性は、容易に水和されるパルプを極めて低い濾水度に典型的に精製することによって有孔度を低減することにより、獲得され、最小空間又は低減された空間を有する閉鎖したシートが得られる。歴史的に、このレベルの精製を達成するためにバリービータが使用されてきた。現在の製紙工場は、これを達成するために一般に精製装置を使用する。
【0138】
一般に、内側シートのために利用される可撓性の紙材料、すなわち、バッグ構造の内面を画定するシートは、300,000以下、好ましくは600,000以下、最も好ましくは950,000以下の有孔度(ガーレー秒)を有することが好ましい。ウォーソー(Wausau)等級238−9577は、非過フッ化炭化水素処理された材料として、この条件に適合するが、ウォーソー(Wausau)等級238−9696は適合しない。(より高いガーレー秒値は、一般により低い有孔度であることが指摘される)。したがって、「以下」という記述はより高い数を指す。代わりに、上記の定義は、「少なくとも300,000、より好ましくは少なくとも600,000、最も好ましくは950,000」のガーレー秒の有孔度値であることができたであろう。
【0139】
一般に、外側層、すなわち、可撓性のマイクロウェーブポップコーンバッグの外面を形成する層では、高度に精製(HR)された紙材料は、30,000以下、好ましくは35,000以下、典型的にまた最も好ましくは40,000以下の有孔度(ガーレー秒)を有することが好ましい。ウォーソー(Wausau)等級238−9696及びウォーソー(Wausau)等級238−9577の両方は、この特性に適合する。(同様に、ウォーソー(Wausau)等級238−9696、25#(25Ib(11.34kg))の紙が、このために使用可能である)。
【0140】
好ましくは各々の紙(層)のために、20〜30ポンド(9.072〜13.608kg)/リームの基本重量を有する材料が使用される。より好ましくは、基本重量は25ポンド(11.34kg)/リーム以下である。典型的に、各々のシートは、1.75〜2.0ミル(0.044455〜0.0508mm)、典型的に1.9ミル(0.04826mm)以下、例えば1.8〜1.9ミル(0.04572〜0.04826mm)の厚さ(カリパス)を有する。
【0141】
1.さらに、マイクロウェーブ包装用の好ましい外層材料について
次の表(表1)には、好ましいマイクロウェーブポップコーン包装の外層として使用可能な2つの材料の特性の比較が示されている。「X」で示した材料は、少なくとも次の商業製品、すなわち、Act II Butter (2003年)、Orville Reddenbacher Movie Theater Butter(2003年)、Act II Extreme Butter(2003年)の外層のために商業的に使用される材料である。これらの製品は、コナグラフーズ社(ConAgra Foods,Inc.)、本発明の譲受人によって製造かつ販売された。
【0142】
比較は、非過フッ化炭化水素処理された高度に精製された紙、上に言及したウォーソー(Wausau)等級238−9696との比較である。表1に、厚さ寸法は、ミル(1インチの1000分の1)(0.0254mm)である。
【表4】

【0143】
2.さらに、マイクロウェーブ包装の内層として使用するための好ましい材料について
次の表2には、過フッ化炭化水素処理された紙及び非過フッ化炭化水素処理された紙について、比較が示され、その各々は、好ましいマイクロウェーブポップコーン包装に使用するために容認可能である。「Y」で示した紙は、少なくとも上述のコナグラの商業製品のマイクロウェーブポップコーン包装の内層として商業的に使用される過フッ化炭化水素処理された紙である。ウォーソー(Wausau)等級238−9577で示された製品は、高度に精製された非過フッ化炭化水素処理された紙である。
【表5】

【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の開示の油脂成分を含む包装装置の斜視図であり、図1のパッケージは保存用上包みに含まれる。
【図2】図1のパッケージの平面図であり、電子レンジ内で保存用上包みから取り除かれ、かつマイクロウェーブポップコーンを爆裂するために広げられて示されている。
【図3】図2の配置を形成するために使用可能な包装ブランクの平面図である。
【図4】図2の線4−4に沿った断面図である。
【図5】図3と同様の図面であるが、本文に確認される寸法を示した記号を有する図面である。
【図6】本発明の開示による油脂成分を含む容器の断面図である。
【図7】図1と図2に示したようなバッグを折り曲げることができる可撓性材料の交互のシートの平面図であり、図7の配置は、接着剤が好ましくは構造内に配置される場所を示すためのマークを含む。
【図8】図7と同様の図面であるが、本文に確認される一例の寸法を示した文字を有する図面である。
【図9】二層バッグを提供するために、可撓性材料の2つのシートの間に使用される一例の接着剤パターンの平面図である。
【図10】図9の接着剤パターンの大きな平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品であって、
(a)密閉したマイクロウェーブポップコーンパッケージと、
(b)前記パッケージ内に配置された未爆裂のポップコーン粒と、
(c)前記パッケージ内に配置された油脂スラリとを含み、
該油脂スラリが少なくとも100°F(37.8℃)のメトラー滴下点を有する油脂材料を含み、該油脂材料が、次のブレンド及びそれらの混合物、すなわち、
(i)
(A)第1のステアリン成分のエステル交換を受ける前記混合物の5〜50重量%と、
(B)50%以下の飽和脂肪含有量及び100°F(37.8℃)以下のメトラー滴下点を有する油成分のエステル交換を受ける前記混合物の50〜95重量%と、
のエステル交換ブレンドと、
(ii)
(A)90°F(32℃)以下のメトラー滴下点及び70°F(21℃)で30%以下の固体脂肪成分の内の少なくとも1つを有する液体油成分であって、もしあれば49重量%以下のヤシ油を含む前記液体油成分の少なくとも80重量%と、
(B)少なくとも130°F(54.4℃)以下のメトラー滴下点を有する固体脂肪成分の少なくとも5重量%と、
の溶融ブレンドを含む物理的油ブレンドと、
(iii)
(A)60%以下の飽和脂肪含有量及び125°F(51.7℃)以下のメトラー滴下点を有し、
(B)
(1)106°F(41.1℃)以下のメトラー滴下点を有する液体ヤシ油成分の40〜90重量%と、
(2)少なくとも120°F(48.9℃)のメトラー滴下点を有する固体ヤシ脂肪成分の10〜60重量%との混合物から形成されたヤシ油ブレンドと、
から選択された油脂ブレンドの少なくとも90%を含む第1の油脂成分を含み、
(d)前記第1の油脂成分が、(i)前記油脂材料の少なくとも32重量%及び(ii)前記未爆裂のポップコーン粒の少なくとも3重量%のレベルで、前記電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品に存在する前記電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項2】
(a)前記第1の油脂成分が、前記油脂材料の少なくとも80重量%を含み、前記未爆裂のポップコーン粒の少なくとも8重量%のレベルで存在する、
請求項1に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項3】
(a)前記第1の油脂成分が、前記油脂材料の少なくとも99重量%を含み、前記未爆裂のポップコーン粒の少なくとも10重量%のレベルで存在する、
請求項2に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項4】
(a)前記第1の油脂材料が、110°F〜135°F(43.3℃〜57.2℃)の範囲内のメトラー滴下点を有する、
請求項3に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項5】
(a)前記第1の油脂成分が、請求項1(c)(i)に記載のエステル交換ブレンドの少なくとも90重量%を含む、
請求項4に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項6】
(a)前記エステル交換ブレンドが、
(i)少なくとも130°F(54.4℃)及び170°F(76.7℃)以下のメトラー滴下点を有する前記第1のステアリン成分の10〜40重量%、及び
(ii)大豆油、キャノーラ油、ヒマワリ油、コーン油、菜種油、綿実油、中オレイン酸ヒマワリ油、紅花油、少なくとも90のヨウ素価を有する前記識別された油の内の部分的に水素化された1つまたは複数の油と、それらの混合物とから本質的に構成される群から選択された油成分の60〜90重量%のエステル交換ブレンドである、
請求項5に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項7】
(a)前記第1の油脂成分が、
(i)前記第1のステアリン成分の15〜30重量%と、
(ii)前記油成分の70〜85重量%とからなるエステル交換ブレンドの少なくとも95重量%を含む、
請求項6に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項8】
(a)前記第1の油脂成分が、
(i)前記エステル交換ブレンドと、
(ii)少なくとも130°F(54.4℃)及び170°F(76.7℃)以下のメトラー滴下点を有する第2のステアリン成分の少なくとも1重量%と、を含むブレンドを含む、
請求項7に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項9】
(a)前記第1及び第2のステアリン成分の各々が、綿実ステアリンと、大豆ステアリンと、それらの混合物と、から本質的に構成される群から無関係に選択される、
請求項7に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項10】
(a)前記第1のステアリン成分が大豆ステアリンを含み、
(b)前記エステル交換ブレンドに使用される前記油成分が、大豆油を含み、
(c)前記第1の油脂成分が、
(i)前記油脂スラリ内のすべての油脂の少なくとも99重量%と、
(ii)前記未爆裂のポップコーン粒の10〜60重量%と、
(iii)
(A)大豆ステアリンの少なくとも2重量%と、
(B)エステル交換ブレンドの少なくとも95重量%との、ブレンドとを含む、
請求項7に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項11】
(a)前記第1の油脂成分が、少なくとも115°F(46.1℃)のメトラー滴下点と、50%以下の飽和脂肪含有量とを有する1(c)(ii)に記載のエステル交換ブレンドの少なくとも90重量%を含む、
請求項4に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項12】
(a)前記物理的油ブレンドが、大豆油、キャノーラ油、ヒマワリ油、コーン油、菜種油、綿実油、紅花油、少なくとも90のヨウ素価を有する前記識別された油の内の部分的に水素化された1つまたは複数の油、液体油成分の49重量%以下のレベルのヤシ油、それらの混合物と、から本質的に構成される群から選択された前記液体油成分を含むブレンドである、
請求項11に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項13】
(a)前記物理的油ブレンドが、少なくとも130°F(54.4℃)及び170°F(76.7℃)以下のメトラー滴下点を有する固体脂肪成分を含むブレンドである、
請求項12に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項14】
(a)前記物理的油ブレンドが、大豆ステアリン、綿実ステアリン、コーンステアリン、ヤシステアリン、水素化されたヤシステアリン、水素化されたヤシ果実油及びそれらの混合物から本質的に構成される群から選択された固体脂肪成分を含むブレンドである、
請求項12に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項15】
(a)前記物理的油ブレンドが、モノグリセリド、ジグリセリド、モノ及びジグリセリドの混合物、脂肪酸のポリグリセリンエステル、部分的に水素化されたモノグリセリド、完全に水素化されたモノグリセリド、脂肪酸のプロピレングリコールエステル及びそれらの混合物から本質的に構成される群から選択された乳化剤の少なくとも0.5重量%を含む、
請求項12に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項16】
(a)前記液体油成分が、70°F(21℃)以下のメトラー滴下点と、70°F(21℃)で30%以下の固体脂肪含有量と有する、
請求項11に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項17】
(a)前記第1の油脂成分が、
(i)コーン油、綿実油及びそれらの混合物から選択された液体油成分の82〜88重量%と、
(ii)7〜13重量%の大豆ステアリンと、
(iii)2〜7重量%のモノグリセリド材料と、
の溶融ブレンドの少なくとも90重量%を含む、
請求項11に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項18】
(a)前記第1の油脂成分が、1(c)(ii)に記載のヤシ油の少なくとも90重量%を含む、
請求項4に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項19】
(a)前記ヤシ油ブレンドが、
(i)ヤシ果実油、ヤシオレイン又はそれらの混合物から本質的に構成される群から選択された第1の液体ヤシ成分の40〜90重量%と、
(ii)ヤシステアリン、分留されたヤシステアリン、水素化されたヤシ油及びそれらの混合物から本質的に構成される群から選択された固体ヤシ油脂成分の10〜60重量%と、
のブレンドである、
請求項18に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項20】
前記ブレンドが、
(a)75〜80重量%のヤシ果実油と、
(b)15〜25重量%のヤシステアリンと、を含む、
請求項19に記載の電子レンジ処理可能なポップコーン製品のパッケージ。
【請求項21】
(a)前記密閉したマイクロウェーブポップコーンバッグが、第1及び第2の面パネルの間の内側方向の対向する第1及び第2のガセット折り目を有する前記第1及び第2の面パネルを有する可撓性バッグを備え、
(i)前記可撓性バッグが、前記第1の面パネルの部分として前記可撓性バッグに配置されたマイクロ波相互作用性サセプタを含む、
請求項1に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーン製品。
【請求項22】
(a)前記第1の面パネルの内側表面部分と、内側方向に向けられた前記第1のガセット折り目の隣接するガセットパネル部材との間のシールを含む第1のガセット折り目シール装置と、
(b)前記第1の面パネルの内側表面部分と、内側方向に向けられた前記第2のガセット折り目の隣接するガセットパネル部材との間のシールを含む第2のガセット折り目シール装置と、を含む、
請求項21に記載の電子レンジ処理可能な包装されたポップコーンのバッグ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2008−504818(P2008−504818A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519422(P2007−519422)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/023233
【国際公開番号】WO2006/004906
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(505183174)コンアグラ フーズ,インコーポレイティド (5)
【Fターム(参考)】