説明

マイクロカプセルタイプの複合染料およびその化粧的使用

【課題】ケラチン物質をメークアップするため、広い経済地域に認められている顔料からて手に入る色範囲を広げ、かつ顔料の流れを制限する複合染料を提供する。
【解決手段】界面重縮合により得られた、架橋されたポリウレタン、ポリウレア及び/又はポリウレタン/ポリウレアタイプのポリマーマトリックス及び顔料からなるマイクロカプセルの形態にあることを特徴とする複合染料に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーマトリックスからなり、顔料を含んでいるマイクロカプセルの形の複合染料に関する。
【0002】
一般的に、化粧料組成物の目的は、場合によってケア効果と組み合わされていてもよい審美的効果を、該化粧料組成物が意図された施与の部位に与えることである。この審美的効果は、多くの場合、該化粧料組成物中に存在する着色物質により与えられる着色効果を特徴とする。
【0003】
着色効果を生み出すためにより特に意図されている組成物の例として、挙げられ得る例は、口紅、ファンデーション、アイシャドウ、メークアップルージュ、アイペンシル、及びマスカラを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
言うまでも無く、ケラチン物質をメークアップする及び/又はケアすることに意図されている化粧料組成物及び/又は皮膚科学組成物の製造に使用され得る着色物質は、無害性の観点から設置された基準を満たすべきである。すなわち、いくつかの国では、メークアップ目的のための使用が許可されている顔料を特に挙げているリストがある。
【0005】
これらのリストは、多くの点で制限的である。第一に、制限された数の顔料のみを許可することにより、幅広い範囲の色を手にいれることができない。第二に、これらのリストは関心のある国によって異なり、従って、少数の共通の顔料のみを有する。従って、ケラチン物質をメークアップするための広い経済的な領域に渡って使用され得る顔料の数は相対的に制限される。
【0006】
すなわち、所与の顔料、特に広い経済地域に認められている顔料から手に入る色範囲(colorimetric range)を広げる必要性がある。
【0007】
さらに、ある種の顔料は流れる傾向を有することが公知である。この流れは、例えば口唇に爪あと(特に口紅の場合)又は爪に爪あと(特にネイルマニキュアの場合)をもたらし得、すなわち得られるメークアップの質の低下により反映される。標準的な被覆技術(例えばシリコーン又はパーフルオロアルキルに基づく被覆)は、不幸なことに、観察される流れを制限することを可能にしない。
【0008】
すなわち、水の中での顔料の流れを制限する必要もある。
【0009】
本発明は、これらの2つの側面を解決することに特に向けられている。
【0010】
本発明者らは、驚いたことに、界面の重縮合−架橋により、顔料をカプセル化することにより、顔料が取り込まれている有機粉末であって、第一に、遊離の形態の同じ顔料と比較して新規である比色性へのアクセスを得ること、第二に、流れのいかなる問題をも克服すること、を可能にする有機粉末が得られることができることを発見した。
【0011】
マイクロカプセル技術は、植物保護産業又はノーカーボン紙産業においてしばしば使用される。
【0012】
すなわち、英国特許出願公開第1091141号は、界面重合により液体をカプセル化し、特にポリアミド、ポリエステル、ポリウレア、ポリカーボネート、又はポリアミド−ポリウレアタイプの架橋されたポリマーマトリックスから形成されるマイクロカプセルの形成をもたらす方法を開示する。
【0013】
米国特許第6753083号は、種々の物質、特に触媒を、界面重合により得られる、架橋された又は架橋されていないポリマーマトリックスの中にカプセル化するのに有用である組成物を記載する。
【0014】
最後に、米国特許第6890653号及び国際公開第03/101606号もまた、特に放出をコントロールする目的のために、ポリウレタン及び/又はポリウレアタイプのポリマーマトリックスから形成されたマイクロカプセル中に水溶性有機物質、例えば、フェロモンをカプセル化することを開示している。
【0015】
しかし、これらの文献のいずれも、特に化粧料の分野での顔料のカプセル化に、特に、単一の顔料から得られる色範囲を広げる目的のために、そのような技術を使用していない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
すなわち、本発明の第一の側面に従うと、本発明は、架橋されたポリウレタン、ポリウレア及び/又はポリウレタン/ポリウレアタイプの界面重縮合により得られるポリマーマトリックスと顔料とからなる、マイクロカプセルの形態にあることを特徴とする複合染料に関する。
【0017】
本発明の別の側面に従うと、本発明は、特にケラチン物質をメークアップする及び/又はケアするための化粧料及び/又は皮膚科学組成物であって、本発明に従う少なくとも1の複合染料を含むことを特徴とする組成物に関する。
【0018】
本発明のさらに別の側面に従うと、本発明は、ケラチン物質、特に体又は顔の皮膚、爪、毛髪、及び/又は睫を処置する化粧方法であって、上で定義された化粧料組成物の該物質への施与を含む方法に関する。
【0019】
さらに別の本発明の側面に従うと、本発明は、ケラチン物質をメークアップする及び/又はケアするための化粧料組成物の製造のために、本発明に従う少なくとも1の複合染料を使用する方法に関する。
【0020】
有利に、本発明に従う複合染料は、該染料が含む元の顔料の色とは異なる色、すなわちカプセル化されていない形の顔料の色をとは異なる色を有する。
【0021】
さらに、これらの複合染料は、粉末の形態なので、広い範囲の操作条件下ですべてのタイプの化粧料組成物において容易に使用され得る。本発明に従う複合染料は、その製造の間に高温における加熱工程を避け難い化粧料製品、例えば口紅、に特に配合され得る。すなわち、溶液中の顔料、又は揮発性溶媒又は製造工程の間に蒸発できる溶媒中、又は他の化合物と相溶性ではない溶媒中のの分散物とは有利に異なる。
【0022】
本発明者らは、界面の重縮合−架橋化による顔料のカプセル化は、該顔料の水中での流れを制限することを可能にすることをもまた発見した。
【0023】
本発明の文脈において、用語「ケラチン物質」は、皮膚、口唇、爪、毛髪、睫、及び眉毛を意味し、用語「ケラチン繊維」は、より特に毛髪、睫、及び眉毛を意味する。
【0024】
本発明に従う組成物は、生理学的に許容される媒体、特に化粧的に許容される媒体、すなわち特にケラチン物質、特にケラチン繊維例えば毛髪、睫、及び眉毛と融和性のある媒体を含む。
【0025】
本発明の文脈において、用語「化粧的に許容される」とは、その使用がケラチン物質及びケラチン繊維への施与と両立する化合物を意味する。
【0026】
本発明の目的のために、マイクロカプセルは、本明細書において「ポリマーマトリックス」とも呼ばれる支持物質からなる球形の粒子であって、それにより顔料が閉じ込められる。
【0027】
ポリマーマトリックス
本発明における使用に適するポリマーマトリックスは、ポリウレタン、ポリウレア及び/又はポリウレタン/ポリウレアタイプであり、架橋されている。
【0028】
本発明の好ましい実施態様に従うと、本発明に従うマイクロスフィアのポリマーマトリックスはポリウレタン/ポリウレアタイプである。
【0029】
ポリマーマトリックスは、少なくとも2つの化合物、すなわち一方が「イソシアネート」タイプであり、他方が「アルコール及び/又はアミン」タイプである、を反応させることにより得られ得る。これらの2つの化合物の少なくとも1つは、少なくとも3つの同じ又は異なる官能基を有し、該官能基は、第一のタイプの場合は、イソシアネート官能基から選択され、第二のタイプの場合は、ヒドロキシル及びアミン官能基から選択される。この化合物は、特に架橋機能を担保する。
【0030】
最初の実施態様に従うと、ポリマーマトリックスは、例えば、ヒドロキシル及びアミン官能基から選択された少なくとも3つの同じ又は異なる官能基を含むアルコール及び/又はアミンタイプの化合物を、1つのみ又は好ましくは2つさえのイソシアネート官能基を含むイソシアネートタイプの化合物と反応させることにより得られ得る。
【0031】
別の実施態様の変形に従うと、ポリマーマトリックスは、トリイソシアネート又はポリイソシアネートを1つのみ、又は好ましくは2つさえの官能基を含むアルコール及び/又はアミンタイプの化合物と反応させることにより得られ得る。該官能基は適切であれば、同じであるか又は異なり、ヒドロキシル及びアミン官能基から選択される。
【0032】
水もまた化合物として作用し得、NCO基への付加及び引き続くCOの脱離によりアミノ基を生成する。次に、該アミノ基はインシチューでおそらくNCO基と反応する。
【0033】
イソシアネートタイプの化合物
本発明に従う複合染料を形成するために使用され得るイソシアネートタイプの化合物は、1つ以上の、好ましくは2つの、又は3つさえのイソシアネート官能基を含み得る。それらは、例えば脂肪族、環状脂肪族、芳香族脂肪族、芳香族、及び複素環式のジ又はポリイソシアネート、例えばW. SiefkenによりJustus Liebigs Annalen der Chemie,第562巻,75〜136ページに記載されているものであり得る。
【0034】
本発明の一つの実施態様に従うと、イソシアネートタイプの化合物は、ジイソシアネート、特にエチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロブタン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−及び1,4−ジイソシアネート、及びそれらの異性体の任意の混合物、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチルシクロヘキサン、2,4−及び2,6−ヘキサンヒドロトルエンジイソシアネート、及びそれらの異性体の任意の混合物、ヘキサヒドロ−1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、パーヒドロ−1,4´及び4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート及びそれらの異性体の任意の混合物、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4´−MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、m−及びp−イソシアナートフェニルスルホニルイソシアネート、リジンアルキルエステルジイソシアネート、ここでアルキルは、C〜C10のアルキルである、又は2−ブチル−2−エチルペンタメチレンジイソシアネート、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0035】
本発明の別の実施態様に従うと、イソシアネートタイプの化合物は、少なくとも3つのイソシアネート官能基を含み得、すなわち、架橋剤として作用し得る。それらは、特にトリイソシアネート、例えばトリフェニルメタン、4,4´4´´−トリイソシアネート、又は4−イソシアナートメチル−1,8−オクタンメチレンジイソシアネート、又はポリイソシアネート、特にポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、パークロロ化ポリイソシアネート、カルボジイミド基を含むポリイソシアネート、アロハネート基を含むポリイソシアネート、イソシアヌレート基を含むポリイソシアネート、アセチル化されたウレア基を含むポリイソシアネート、ビスウレア基を含むポリイソシアネート、テロメリゼーション反応により製造されたポリイソシアネート、エーテル基を含むポリイソシアネート、上記のイソシアネートとアセタールとの反応の生成物、ポリマー状の脂肪酸基を含むポリイソシアネート、及び上記のポリイソシアネートの任意の混合物から選択され得る。
【0036】
イソシアネートタイプの化合物として、上記イソシアネートの混合物、すなわち脂肪族イソシアネートの混合物、芳香族イソシアネートの混合物、脂肪族及び芳香族イソシアネートの混合物、特に場合によって変性されたジフェニルメタンジイソシアネートを含んでいてもよい混合物を使用することもまた可能である。
【0037】
特に挙げられ得るこれらの混合物の例は、4,4´−ジフェニルメタンと混合され、場合によって2,4−ジフェニルメタンイソシアネートと混合されていてもよいヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット、4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネートと混合され、場合によって2,4−ジフェニルメタンジイソシアネートと混合されていてもよい、三量化されたヘキサメチレンジイソシアネートを含む。
【0038】
イソシアネートタイプの化合物として、上記のジ−又はポリイソシアネート、又はそれらの混合物から、ウレタン、アロハネート、ウレア、ビスウレア、アミド、イソシアヌレート、カルボジイミド、ウレトンイミン、オキサジアジントリオン又はイミノオキサジアジンジオン構造を用いてそれらを結合することにより製造され得るオリゴ又はポリイソシアネートを使用することもまた可能である。
【0039】
ジ又はポリイソシアネート、例えばジフェニルメタンジイソシアネートモノマー及びジフェニルメタンジイソシアネートオリゴマー(MDIポリマーとして公知)の混合物、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI),2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4´−MDI),トリイソシアナートトルエン、イソホロンジイソシアネート(IPDI),2−ブチル−2−エチルペンタメチレンジイソシアネート、2−イソシアナートプロピルシクロヘキシルイソシアネート、3(4)−イソシアナートメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート、1,4−ジイソシアナート−4−メチルペンタン、2,4´−メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート及び4−メチルシクロヘキサン1,3−ジイソシアネート(H−TDI)もまた挙げられ得、それらはより特にイソシアネートタイプの化合物として使用され得る。
【0040】
すなわち、一つの好ましい実施態様に従うと、本発明に従う複合染料を形成するために使用され得るイソシアネートタイプの化合物は、ジ又はポリイソシアネート、特にジフェニルメタンジイソシアネートのモノマー、及びジフェニルメタンジイソシアネートオリゴマー(MDIポリマー)、トリレンジイソシアネート(TDI),及び特に2,4−トリレンジイソシアネート及び2,6−トリレンジイソシアネート、またそれらの混合物、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4´−MDI)又はイソホロンジイソシアネート(IPDI)から選択される。
【0041】
本発明を実行するために使用されるべきイソシアネートタイプの化合物の量は、界面重付加法において一般的に使用される範囲内で変動し、特にマイクロカプセル化の所望される度合いに特に依存する。
【0042】
アルコール及び/又はアミンタイプの化合物
本発明に従う複合染料を形成するために使用され得るアルコール及び/又はアミンタイプの化合物は、ヒドロキシル及びアミン官能基から選択された1以上の、特に2の、又は3さえの、同一又は異なる官能基を含み得る。
【0043】
それらは、例えばアルコールタイプの化合物、アミンタイプの化合物、アミノアルコールタイプの化合物から選択され得、単独で又は混合物として使用され得る。
【0044】
好ましくは200〜4000g/モルの範囲の分子量を有する。
【0045】
アルコールタイプの化合物
本発明に従う複合染料を形成するために使用され得るアルコールタイプの化合物は、1以上の、特に2の、又は3さえのヒドロキシル官能基を含み得る。
【0046】
より特に、これらの化合物はポリオールであり得る。
【0047】
本発明の目的のために、用語「ポリオール」は、その化学構造の中に、少なくとも2のヒドロキシル基、−OHを含む任意の有機分子を意味する。
【0048】
ポリオールは、例えば直鎖、分岐状、又は環状、飽和又は不飽和の、少なくとも2のヒドロキシル官能基を有する炭化水素をベースとする化合物であり得る。
【0049】
ポリオールは、特に炭素(炭化水素)をベースとする化合物であって、好ましくは2〜300の炭素原子を含み、少なくとも2、好ましくは2〜10のヒドロキシル基を有する化合物である。
【0050】
好ましくは、それは3〜32の炭素原子、特に4〜18の炭素原子、又は4〜12さえの炭素原子を含む炭素(炭化水素)をベースとする化合物である。
【0051】
特に、ポリオールは2〜18の炭素原子及び2〜6のヒドロキシル官能基を含む化合物であり得る。
【0052】
本発明の一つの実施態様に従うと、アルコールタイプの化合物はジオール、特にグリコール誘導体、例えばジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、ブチレングリコール、及びペンチレングリコール、又はブタンジオール、1,2−プロパンジオール、ペンタンジオール、そして特に1,5−ペンタンジオール、デカンジオール、及びドデカンジオール、又はそれらの混合物から選択され得る。
【0053】
本発明の別の実施態様に従うと、アルコールタイプの化合物は、少なくとも3つのヒドロキシル官能基を含み得、すなわち架橋剤として作用し得る。そうすると、該化合物は、特にトリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、1,2,3−トリヒドロキシヘキサン、エリスリトール、アラビトール、アドニトール、ドゥルシトール、及びソルビトール、グリセロールポリマー及びコポリマー、例えばヘキサグリセロール及びジグリセロール、グリセロール誘導体、例えばブチルジグリコール、ポリグリセリル−3ジイソステアレート及びヒマシ油、グリコール誘導体、例えばポリエチレングリコール及び特に4〜150のエチレングリコール単位を含むポリエチレングリコール(PEG),例えばPEG−400,PEG−600、PEG−800,及びPEG−1200、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール及びプロピレングリコールのコポリマー、又は糖、例えばグルコース、フルクトース、キシロース、トレハロース、スクロース、マルトース、及びラクトース、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0054】
好ましくは、架橋剤として有益なアルコールタイプの化合物は、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール及び糖から選択される。
【0055】
ポリオールは、150〜600の範囲の平均分子量を有するポリエーテルアルコール、例えばポリエチレングリコール300及びポリグリセロール500でもあり得る。
【0056】
上記のポリオールの任意の混合物を使用することもまた可能である。
【0057】
ポリオールは、エーテル化されていないポリオール及びエステル化されていないポリオールからもまた選択され得る。
【0058】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明に従う複合染料を形成するために使用され得るアルコールタイプの化合物は、ジオール、例えば、ジエチレングリコール、ポリオール、例えばポリエチレングリコール、特に4〜150のエチレングリコール単位を含むもの、又はポリエチレングリコール及びジエチレングリコールの混合物から選択される。
【0059】
アミンタイプの化合物
本発明に従う複合染料を形成するために使用され得るアミンタイプの化合物は、1以上の、特に2の、又は3さえのアミン官能基を含み得る。
【0060】
本発明の有利な実施態様に従うと、アミンタイプの化合物は、ジアミン、例えばジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、アミノ−3−アミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン、IPDA),4,4´−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン又はヒドラジン水和物から選択され得る。
【0061】
本発明の別の実施態様に従うと、アミンタイプの化合物は、少なくとも3つのアミン官能基を含み、すなわち架橋剤として作用し得る。そうすると、該化合物は特に、トリアミン、例えばグアニジン、ジエチレントリアミン、又は1,8−ジアミノ−4−アミノメチルオクタンから選択され得る。
【0062】
アミンタイプの化合物は、ケチミン、ケタジン、又は対応するアミン塩の形でもまた使用され得る。
【0063】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明に従う複合染料を形成するために使用され得るアミンタイプの化合物は、一級アミン及びNHRタイプの二級アミン、ここでRは1〜8の炭素原子を含むアルキル基を表す、から選択された少なくとも1のアミノ基を含む。
【0064】
アミンタイプの化合物は、好ましくはそのままの形で、又はその塩の形で水に可溶である。
【0065】
アミノアルコールタイプの化合物
本発明に従う複合染料を形成するために使用され得るアミノアルコールタイプの化合物は、アミン及びヒドロキシル官能基から選択された少なくとも2の異なる官能基を含み得る。
【0066】
本発明の一つの実施態様に従うと、アミノアルコールタイプの化合物は二官能性であり得、すなわちそれらは2つの官能基、すなわちアミン官能基及びヒドロキシル官能基を含み得る。
【0067】
本発明の別の実施態様に従うと、アミノタイプに化合物は、少なくとも3つの官能基を含み、すなわち架橋剤として使用し得る。それらは例えば単一のヒドロキシル(又はアミン)官能基及び少なくとも2のアミン(又はそれぞれヒドロキシル)官能基、又は2つのヒドロキシル(又はそれぞれアミン)官能基、及び少なくとも1のアミン(又はそれぞれヒドロキシル)官能基を含み得る。
【0068】
本発明において使用され得るアミノアルコールタイプの化合物として、特にエタノールアミン及びトリエタノールアミンが挙げられ得る。
【0069】
前に述べたように、本発明に従うマイクロカプセルのポリマーマトリックスは、第一の選択肢に従うと、少なくとも1のジイソシアネート、例えば上で記載されたもの、をヒドロキシル、及びアミン官能基から選択された少なくとも3つの同じ又は異なる官能基を有し、場合によって上で記載され少なくとも1のジオール及び/又は少なくとも1のジアミン、及び/又は少なくとも1の二官能性アミノアルコールの存在下で、架橋剤として作用し得るアルコール及び/又はアミンタイプの少なくとも1の化合物と反応させることによって得られ得る。
【0070】
一つの好ましい実施態様に従うと、イソシアネートタイプの化合物は、ジフェニルメタンジイソシアネートモノマー及びジフェニルメタンジイソシアネートオリゴマー(MDIポリマー)、トリレンジイソシアネート(TDI),及び特に2,4−トリレンジイソシアネート及び2,6−トリレンジイソシアネート、またそれらの混合物、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4´−MDI)、又はイソホロンジイソシアネート(IPDI)から選択されたジイソシアネートである。
【0071】
使用され得る架橋剤として作用する化合物の例は、上記のトリオール、ポリオール、トリアミン、及びポリアミンを含む。
【0072】
一つの好ましい実施態様に従うと、架橋剤として作用する化合物は、トリオール、例えばトリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、及びポリオール例えば糖、例えばグルコース、フルクトース、キシロース、トレハロース、スクロース、マルトース、及びラクトースから選択される。
【0073】
一つの好ましい実施態様に従うと、ジアミンは、一級アミン及びNHRタイプの二級アミン、ここでRは1〜8の炭素原子を含むアルキル基を表す、から選択された少なくとも1のアミノ基を含む。
【0074】
本発明に従うポリマーマトリックスは、少なくとも2の上記の化合物の界面重縮合により特に得られる。
【0075】
界面重縮合は、2つの非混和性の液体の界面において起きる重合反応であり、該2つの液体の少なくとも1つが適切な多官能性の化合物を含む。
【0076】
一つの好ましい実施態様に従うと、モノマー及び/又は化合物の少なくとも1つが、第一の相に可溶であり、モノマー及び/又は化合物の少なくとも1つが、第一の相と非相溶性である第二の相に可溶である。
【0077】
この反応が副生成物の除去なしに行われるとき、界面重合として公知である。
【0078】
この反応は、エマルジョン、特に2相、又は多相エマルジョンにおいて、非混和性の相の間の界面において特に行われ得る。
【0079】
本特許出願の文脈において、反応は、水中油型又は油中水型タイプのエマルジョンにおいて、又は水中油中水型、又は油中水中油型のマルチエマルジョンにおいて行われ得る。
【0080】
一つの好ましい実施態様に従うと、エマルジョンは水中油型である。
【0081】
上記のように、本発明における使用に適するポリマーマトリックスは架橋される。
【0082】
この架橋は、ポリマー鎖を、架橋剤として知られている3以上の官能基を有する化合物と反応させることにより得られる。その例は上に与えられている。
【0083】
ポリマーマトリックスの架橋に続いて、本発明に従ってカプセル化された顔料に誘起される効果、例えば色の修飾は不可逆である。
【0084】
ポリマーマトリックスの構造によって、2つのタイプのマイクロカプセルが区別される:
マトリックスタイプのマイクロカプセル(マイクロスフィアとしても公知である)。ポリマーマトリックスは連続するネットワークであり、該ネットワークの中にカプセル化されるべき顔料は分散されている。
リザーバータイプのマイクロカプセル。該カプセルにおいては、ポリマーマトリックスは、種々の厚さの固体のエンベロープである。該エンベロープは、「シェル」としてもまた公知であり、カプセル化されるべき顔料が閉じ込められるコアの境界線を定める。
【0085】
本発明の文脈において、リザーバータイプのマイクロカプセルは該顔料をそのシェル及び/又はコアの中に閉じ込めることができる。
【0086】
反応がエマルジョンにおいて行われるとき、もし反応の始めにおいて形成されたオリゴマーが分散された相に不溶であるならば、リザーバータイプのマイクロカプセルの形成が有利である。他方、もし該オリゴマーが分散された相に可溶であるならば、マトリックスタイプのマイクロカプセルの形成が次に有利である。
【0087】
重合が溶媒の不存在下で行われるとき、得られるマイクロカプセルはマトリックスタイプである。
【0088】
重合が溶媒の不存在下であるが、オイル、特に化粧料用オイル、該オイルは形成されたオリゴマーを溶媒和しない、の存在下で行われるとき、得られるマイクロカプセルはリザーバータイプである。
【0089】
本発明の一つの実施態様に従うと、マイクロカプセルはリザーバータイプである。
【0090】
別の実施態様に従うと、本発明に従う顔料は、リザーバータイプのマイクロカプセルのシェルの中に閉じ込められている。
【0091】
別の実施態様に従うと、本発明に従う顔料は、リザーバータイプのマイクロカプセルのコアの中に閉じ込められている。
【0092】
本発明に従う顔料は、リザーバータイプのマイクロカプセルのシェルの中及びコアの中の両方に閉じ込められ得る。
【0093】
本発明の別の実施態様に従うと、マイクロカプセルはマトリックスタイプである。
【0094】
本発明に従い、かつさらなる精度なしに、用語「マイクロカプセル」は、マトリックスタイプのマイクロカプセル及びリザーバータイプのマイクロカプセルの両方を含むことが意図される。
【0095】
本発明に従うマイクロカプセルは、500nm〜1200nm、特に500nm〜30μmのサイズを有する。
【0096】
マイクロカプセルのサイズは、例えば光学顕微鏡又は電子顕微鏡、又はレーザー粒度計により測定され得る。
【0097】
顔料
用語「顔料」は、化粧料に通常使用される液状の親水性及び脂溶性相に自然には不溶であるか、又は適切であれば、レーキの形で配合することにより不溶にされているところの、白色又は着色された固体の粒子を意味する。
【0098】
用語「顔料」は、例えば、25℃及び1気圧においてイソドデカン溶液の合計重量に対して10重量%の含有量でそこに存在するとき、イソドデカン溶液に不溶であるところの白色又は着色された固体粒子を意味し得る。
【0099】
用語「不溶」とは、本発明の目的のために、液相中に、特にイソドデカン溶液中に、懸濁された粒子が残っていること、又は30分間混合及び攪拌の後に混合物が透明ではないことを意味することが意図される。
【0100】
本発明の文脈において、顔料は少なくとも部分的に有機性であり得る。
【0101】
本発明の一つの実施態様に従うと、顔料は有機顔料である。
【0102】
本発明の別の実施態様に従うと、顔料は鉱物顔料である。
【0103】
本発明に従うマイクロカプセルは、ポリマーマトリックスの合計重量に対して80重量%以下の顔料を含む。特にポリマーマトリックスの重量に対して10〜80重量%、例えば15重量%〜75重量%、特に20重量%〜70重量%、又は25重量%〜65重量%、特に30重量%〜60重量%の顔料を含み得る。
【0104】
表現「ポリマーマトリックスの重量に対して」とは、対応する含有量が、顔料を考慮にいれることなく、ポリマーマトリックスの重量のみを指すということを意味すると意図される。
【0105】
言い換えると、対応する含有量は、ポリマーマトリックスの組成物に入っているモノマーの合計重量を指すことを意味する。
【0106】
言うまでもなく、カプセル化の程度は、色の所望される修飾に依存し、すなわち、得ることが所望されている効果に従ってかなり変化し得る。
【0107】
本発明において使用され得る顔料の例として、カーボンブラック、酸化チタン、酸化クロム、D&C又はFD&Cのタイプの顔料、及びそれらのレーキ、特にD&CブルーNo.4、D&CブラウンNo.1、FD&CグリーンNo.3、D&CグリーンNo.5、D&CグリーンNo.6、FD&CグリーンNo.8、D&CオレンジNo.4、D&CオレンジNo.5、D&CオレンジNo.10、D&CオレンジNo.11、FD&CレッドNo.4、D&CレッドNo.6、D&CレッドNo.7、D&CレッドNo.17、D&CレッドNo.21、D&CレッドNo.22、D&CレッドNo.27、D&CレッドNo.28、D&CレッドNo.30、D&CレッドNo.31、D&CレッドNo.33、D&CレッドNo.34、D&CレッドNo.36、FD&CレッドNo.40、FD&CレッドNo.40レーキ、D&CバイレットNo.2、Ext.D&CバイオレットNo.2、FD&CブルーNo.1、D&CイエローNo.6、D&CイエローNo.6、D&CイエローNo.7、Ext.D&CイエローNo.7、D&CイエローNo.8、D&CイエローNo.10、又はD&CイエローNo.11の名前で当業者に公知であるものが挙げられ得、該顔料が化粧料において通常使用される親水性相及び脂溶性相に自然には不溶でないとき、それは対応するレーキの形で使用されると理解されたい。
【0108】
特に挙げられ得るレーキの例は、バリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウム、又はジケトピロロピロールに基づくレーキを含む。
【0109】
本発明において使用され得る顔料のさらなる例として、特に、鉱物顔料、場合によって表面処理されている及び/又は被覆されていてもよい、及び特に二酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄(黒、黄色、又は赤)又は酸化クロム、マンガン紫、群青色、クロム水和物、第二鉄青、又は金属粉末、例えばアルミニウム粉末、銅粉末、金粉末及び銀粉末が挙げられ得る。
【0110】
光学効果を有する顔料、例えば天然又は合成の、有機又は鉱物の基材、例えばガラス、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、セラミック若しくはアルミナを含む粒子が挙げられ得る。該基材は場合によって金属物質、例えばアルミニウム、金、銀、プラチナ、銅又はブロンズ、又は金属酸化物、例えば二酸化チタン、酸化鉄、又は酸化クロムで被覆されていてもよい。
【0111】
それらは真珠層であってもよい。
【0112】
用語「真珠層」は、特にある種の軟体動物によりその殻の中で生産され、又は合成される遊色効果がある粒子を意味すると理解されるべきである。
【0113】
真珠層顔料は、チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、特に第二鉄青又は酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、上記のタイプの有機顔料で被覆されたチタンマイカ、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠層顔料から選択され得る。干渉顔料、特に液晶又は多層顔料もまた使用され得る。
【0114】
それらは、例えばセリサイト/褐色酸化鉄/二酸化チタン/シリカタイプである構造を有する顔料でもまたあり得る。
【0115】
それらは、例えば、酸化鉄を含むシリカのマイクロスフィアタイプのものであり得る構造を有する顔料をもまた含み得る。
【0116】
本発明における使用に最も特に適する顔料及びレーキの例として、特に、D&CレッドNo.7、酸化チタン、酸化クロム、上述のD&C及びFD&Cタイプの顔料のレーキ、及び特にD&CレッドNo.22レーキ、イエローNo.6レーキ、及びFD&CブルーNo.1レーキが挙げられ得る。
【0117】
他の非着色物質
本発明に従う複合染料は、少なくとも1の非着色物質であって化粧用オイル及びワックス、特に鉱物、動物、植物、又は合成のオイル及びワックス、化粧的に活性な剤、例えばビタミン、UV−スクリーン剤、香料、及び保湿剤から選択され得るものをもまた、追加的に含み得る。
【0118】
追加的な非着色物質は、このマイクロカプセルがリザーバータイプのものであるとき、顔料の位置と関係なくマイクロカプセルのシェルの中に、又はコアの中に閉じ込められ得る。
【0119】
追加の非着色物質は、ポリマーマトリックスの重量に対して、0.001重量%〜60重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0120】
特に、追加の化粧料オイルは、ポリマーマトリックスの合計重量に対して、10重量%〜60重量%の含有量で存在し得る。
【0121】
追加の化粧的に活性な剤は、ポリマーマトリックスの合計重量に対して、0.001重量%〜10重量%の含有量で存在し得る。
【0122】
マイクロカプセルのサイズは、最小量の疎水性オイル、好ましくは炭化水素をベースとするオイルであって、例えばイソドデカン、又はパールリーム、及び/又は脂肪酸エステル、特に安息香酸の脂肪アルキルエステルを、ポリマーマトリックスの合計重量に対して5重量%〜20重量%の範囲の量で添加することによって有利にコントロールされ得る。
【0123】
本発明に従う複合染料は、界面重縮合、より特に以下の製造方法により得られ得る。
【0124】
この方法は0℃〜100℃の範囲の温度において行われえる。水性相及び有機相の乳化は、例えばUltra−Turrax(商標)タイプのホモジェナイザー又はソニケーター(超音波プローブ)を2℃〜40℃の温度、好ましくは約15℃において使用して攪拌することにより得られる。
【0125】
乳化後、水溶性のコモノマーが水性相に導入され、重合を開始させるために、反応媒体の温度が60℃〜100℃の温度、好ましくは約65℃に上げられる。
【0126】
本発明に従って、重合は、触媒、例えば2−エチルヘキサン酸スズの存在下又は不存在下で行われえる。
【0127】
重合の終わりに、粉末が遠心分離により(30分間4000rpm)、又は濾過、又は場合により凍結乾燥により回収され得る。次にこのようにして得られた粉末は、水及びエタノールで洗浄されて、それから空気乾燥される。
【0128】
水性相は一般的に水からなるが、水溶性の有機溶媒を含む水性溶液であってもよい。
【0129】
水性相は、安定化剤、コロイド、例えばポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルピロリドン(PVP)、及びイオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム(SDS),又はノニオン性界面活性剤、例えばプルロニック範囲のポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドーポリエチレンオキサイドブロックコポリマーをもまた含み得る。
【0130】
それは水溶性モノマーをもまた含み得る。
【0131】
有機相は疎水性モノマー(イソシアネートタイプの化合物)及び顔料を含む。
【0132】
イソシアネートモノマーのための溶媒、例えばトルエン、キシレン、又は揮発性オイル(イソドデカン)又は非揮発性鉱物オイル(パールリーム、安息香酸アルキルエステル)又は植物、動物、又はシリコーンオイル(ジメチルシロキサン、又はフェニルシリコーン)又はワックス、又はこれらのオイル及びワックスの混合物を含み得る。有機相は顔料を分散させるための剤(ゾルスパース(商標))をもまた含み得る。
【0133】
本発明に従う複合染料は、特に化粧料及び/又は皮膚科学組成物を着色するため、及び/又は不透明化するために化粧料及び皮膚科学において使用され得る。
【0134】
すなわち、本発明の側面の一つに従うと、本発明は特にケラチン物質をメイクアップする及び/又はケアするための化粧料組成物及び/又は皮膚科学組成物であって、本発明に従う少なくとも1の複合染料を含むことを特徴とする組成物に関する。
【0135】
本発明に従う組成物は、その合計重量に対して、0.01重量%〜50重量%、特に0.1重量%〜20重量%、特に0.5重量%〜15重量%の上で定義された化粧料染料を含み得る。
【0136】
本発明に従う化粧料組成物又は皮膚科学組成物は、上記複合染料以外に、生理学的に許容される媒体、特に化粧料的又は皮膚科学的に許容される媒体、すなわちケラチン物質、例えば顔又は体の皮膚、口唇、毛髪、睫、眉毛、及び爪と融和性のある媒体を含み得る。
【0137】
本発明に従う組成物は、意図された用途に応じて、このタイプの組成物に一般的にである成分を含み得る。
【0138】
すなわち、本発明に従う組成物は、水又は水と親水性有機溶媒、例えばアルコール、特に直鎖又は分岐状の2〜5の炭素原子を含む低級モノアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、又はn−プロパノール、及び/又はポリオール、例えばグリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール、及びポリエチレングリコール;及び/又は親水性のCエーテル、及びC〜Cのアルデヒド;及び/又は短鎖のエステル(全部で3〜8の炭素原子を含む)、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、又は酢酸イソペンチルとの混合物を含み得る。
【0139】
本発明に従う組成物は、それ自身がオイル及び/又は溶媒(好ましくは脂溶性)を含み得る液状脂肪相、ワックス、ガム、及び/又はペースト状脂肪物質(植物、動物、鉱物、又はシリコーンをベースとしていてさえもよい合成起源のもの)、及びそれらの混合物を有利に含み得る。
【0140】
本発明に従う組成物中に存在し得るワックスとして挙げられ得る例は、単独又は混合物として、炭化水素をベースとするワックス、例えば蜜蝋、カルナウバ蝋、キャンデリラ蝋、オウリキュリー蝋、木蝋、コルクファイバー蝋、又はサトウキビ蝋、パラフィンワックス、リグナイト蝋、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン蝋、モンタン蝋、オゾケライト;ポリエチレンワックス;フィッシャー−トロプシュ合成により得られたワックス、水添オイル、25℃において固体であるところの脂肪族エステル及びグリセリドを含む。シリコーンワックス、例えばアルキル又はアルコキシポリメチルシロキサン及び/又はポリメチルシロキサンエステルを使用することもまた可能である。
【0141】
本発明に従う組成物は、鉱物、動物、植物、又は合成起源の、揮発性又は非揮発性の炭素をベースとするオイル、炭化水素をベースとするオイル、フルオロ及び/又はシリコーンオイルをもまた単独で又は混合物として含み得る。ただしそれらが均一でかつ安定な混合物を形成し、意図された使用と両立する限りにおいてである。
【0142】
本発明に従う組成物中に存在し得るオイルとして、炭化水素をベースとするオイル例えば液状パラフィン又は液状石油ゼリー;ペルヒドロスクワレン;アララ油:スイートアーモンド油、ビューティリーフオイル、パーム油、ひまし油、アボガド油、ホホバ油、オリーブ油、又は、穀物胚芽油;ラノリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、又はステアリン酸のエステル;アルコール例えばオレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、イソステアリルアルコール又はオクチルドデカノールが単独で又は混合物として特に挙げられ得る。シリコーンオイル、例えば場合によってフェニル化されていてもよいポリジメチルシロキサン、例えばフェニルトリメチコーンもまた挙げられ得る。
【0143】
本発明に従う組成物は、揮発性オイル、例えばシクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シクロヘキサジメチルシロキサン、メチルヘキシルジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン又はイソパラフィンをもまた含み得る。
【0144】
好ましくは、本発明に従う組成物は、揮発性イソパラフィン、例えばイソドデカン、炭素をベースとする非揮発性のオイル、例えばパールリーム、又はアルキル安息香酸エステル、ポリジメチルシロキサン、揮発性シリコーン及びフェニルシリコーンオイルから選択された少なくとも1のオイルを含む。
【0145】
本発明に従う組成物は、水溶性染料、脂溶性染料、及び粉末染料、例えば当業者に周知である顔料、真珠層、及びフレークから選択された少なくとも1の追加の染料をもまた含み得る。
【0146】
これらの追加の染料は、組成物の合計重量に対して0.01重量%〜50重量%、好ましくは0.02重量%〜25重量%の範囲の含有量で組成物中に存在し得る。
【0147】
用語「追加の顔料」とは、任意の形態の白色又は着色された、鉱物又は有機の粒子であって、生理学的な媒体中に不溶であって、組成物を着色することを意図されている粒子を意味すると理解されるべきである。追加の顔料として使用され得る鉱物質の顔料として、特に二酸化チタン、場合によって表面処理されていてもよい、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、及び酸化亜鉛、酸化鉄(黒、黄色、又は赤)又は酸化クロム、マンガン紫、群青、クロム水和物、第二鉄青、及び金属粉末、例えばアルミニウム粉末又は銅粉末が挙げられ得る。
【0148】
追加の顔料として使用され得る有機の顔料として、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、コチニールカーマイン、又はバリウム、ストロンチウム、カルシウム、又はアルミニウムに基づくレーキが特に挙げられ得る。
【0149】
真珠層顔料は、白色真珠層顔料、例えばチタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、着色された真珠層顔料、例えば酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、特に第二鉄青又は酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、上記のタイプの有機顔料で被覆されたチタンマイカ、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠層顔料から選択され得る。
【0150】
特に挙げられ得る水溶性染料は、ポンソーの二ナトリウム塩、アリザリングリーンの二ナトリウム塩、アマランスの三ナトリウム塩、タートラジンの二ナトリウム塩、ローダミンのモノナトリウム塩、フクシンの二ナトリウム塩、キサントフィル及びメチレンブルーを含む。
【0151】
本発明に従う組成物は、組成物の合計重量に対して0.01〜50重量%、好ましくは0.02〜30重量%の範囲の含有量で1以上のフィラーをもまた含み得る。
【0152】
用語「フィラー」は、組成物が製造されるところの温度に関わらず組成物の媒体に不溶である、無色又は白色の、鉱物又は合成の、任意の形の粒子を意味すると理解されるべきである。これらのフィラーは、特に、組成物のレオロジー又はテクスチャーを改質するために機能する。フィラーは、鉱物又は有機質であり得、結晶学的な形態(例えばラメラ、立方晶系、六方晶系、斜方晶系等)に関わらず、板状、球状又は長方形の任意の形態であり得る。
【0153】
特に挙げられ得るフィラーの例は、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリアミド(ナイロン(登録商標))粉末(アトケム社製オルガゾル(商標))、ポリ−β−アラニン粉末、及びポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー(テフロン(登録商標))の粉末、ラウロイルリジンの粉末、澱粉、窒化ホウ素、中空のポリマーマイクロスフィア、例えばポリビニリデンクロライド/アクリロニトリルのもの、例えばExpancel(商標)(ノーベルインダストリー)、アクリル酸ポリマーの粉末(ダウコーニング製ポリトラップ(商標))、及びシリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば東芝製トスパール(商標))、エラストマー状ポリオルガノシロキサン粒子、沈殿された炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び重炭酸マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、中空シリカマイクロスフィア(Maprecos製のシリカビーズ(商標))、ガラス又はセラミックのマイクロカプセル、8〜22、好ましくは12〜18の炭素原子を含む有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、又はステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、又はミリスチン酸マグネシウムを含む。
【0154】
本発明に従う組成物は、化粧料において一般的に使用される成分、例えばビタミン、増粘剤、ゲル化剤、微量元素、柔軟剤、封鎖剤、香料、酸性化剤または塩基化剤、保存剤、サンスクリーン、界面活性剤、抗酸化剤、抜け毛防止剤、抗フケ剤、噴射剤、セラミド、化粧的に活性な剤、保湿剤、ビタミン、必須脂肪酸、ポリマー、安定化剤、及びコロイド、又はそれらの混合物をもまた含み得る。
【0155】
言うまでもなく、当業者は、本発明の組成物の有利な性質が、考慮されている添加により実質的に不利益に影響されないように、これ又はこれらの任意的な追加の化合物及び/又はその量を選択するように気をつける。
【0156】
本発明に従う組成物は、懸濁物、分散物、溶液、特に有機溶液、ゲル、エマルジョン、特に水中油型(O/W)又は油中水型(W/O)、又はマルチエマルジョン(W/O/W又はポリオール/O/W又はO/W/O)、クリームの形、ペースト、ムース、ベシクルの分散物、イオン性又はノニオン性の脂質のもの、2相又はマルチ層のローション、スプレー、粉末又はペースト、特にソフトペーストの形態であり得る。
【0157】
組成物は無水であり得、例えば無水のペーストであり得る。
【0158】
本発明の目的のために、用語「無水の」は、5重量%未満、特に3重量%未満の水を含む組成物、又は水を含まない組成物さえを意味する。
【0159】
当業者は、その一般的な知識に基づいて、第一に使用される成分の性質を、特に支持物中におけるそれらの溶解度を、第二に、組成物の意図された用途を考慮に入れて適切な剤型(galenical form)、またそれを製造する方法を選択し得る。
【0160】
本発明に従う組成物は、メイクアップ組成物、特に顔色調節製品、例えばファンデーション、メイクアップルージュ又はアイシャドウ;口唇製品例えば口紅、又は口唇ケア製品;コンシーラー製品、頬紅、マスカラ、アイライナー、眉毛メークアップ性品、口唇又はアイペンシル;爪製品、例えば爪のマニキュア又は爪ケア製品;ボディメイクアップ製品又は毛髪メイクアップ製品(ヘアマスカラ又はヘアラッカー)であり得る。
【0161】
本発明に従う組成物は、顔の皮膚、首、手又は体を保護する、又はケアするための組成物、特に抗しわ剤又は皮膚を輝いているように見せる抗疲労組成物、保湿又はトリートメントする組成物;抗太陽又は人工日焼け組成物であり得る。
【0162】
本発明に従う組成物は、毛髪製品、特にヘアスタイルのケア、衛生、又は保持又は毛髪を形付けるための製品でもまたあり得る。毛髪組成物は好ましくはシャンプー、ジェル、毛髪固定ローション、ブロー乾燥ローション、又は固定化及びスタイリング組成物例えばラッカー又はスプレーである。ローションは、蒸気化された形又はムースの形での該組成物の施与を許すように、種々の形態、特に噴霧器又はポンプ容器ボトル、又はエアゾール容器中でコンディションされ得る。
【0163】
本発明に従う組成物は毛髪の着色組成物でもまたあり得る。
【0164】
有利に、本発明に従う組成物はメイクアップ組成物、特に爪又は口唇のための組成物であり得る。特にそれらは爪のマニュキア又は口紅を構成し得る。
【0165】
本発明の課題は、ケラチン物質、特に顔又はからだの皮膚、爪、毛髪、及び/又は睫を処置する化粧方法であって、上で定義された化粧料組成物の該物質への施与を含む方法でもある。
【0166】
下に示される実施例及び図は、発明の分野の非制限的な例として示される。
【0167】
図1:種々の顔料含有量における、カプセル化されていないDCレッド7及び本発明に従ってカプセル化されたDCレッド7の色の相違
【0168】
実施例1:
ポリマーマトリックスの重量に対して57.5重量%のD&CレッドNo.7を含むマイクロカプセルの合成
20gのカプセル化されるべきD&CレッドNo.7(LCW)が分散されている24gの4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(すなわちMDI)、及び45gのイソドデカンからなる有機相、及び8gのエチレングリコール、2.8gのトリメチロールプロパン、及び1.7gのドデシル硫酸ナトリウム(すなわちSDS)が溶解されている800gの水からなる連続水性相を含む水中油型エマルジョンが製造される。
【0169】
98%加水分解されたPVAポリビニルアルコールタイプの保護コロイド(MW=13000〜23000)が所望される粒子サイズに従って水性相に対して5重量%の割合まで添加され得る。
【0170】
乳化は、Ultra−Turrax(商標)ブレンダー(6000rpm〜27000rpm)又はソニケーター(10〜90%の振幅)を使用して高剪断において行われる。
【0171】
重合は、2−エチルヘキサン酸スズ(触媒)の存在下又は不存在下で63℃において4時間、その後15時間室温において行われる。
【0172】
反応の終わりに、粉末が濾過又は遠心分離により回収される。
【0173】
実施例2:ポリマーマトリックスの重量に対して1重量%のD&CレッドNo.7を含むマイクロカプセルの合成
0.18gのD&CレッドNo.7及び2.8gのイソドデカンが分散されている12gの4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートからなる有機相、及び5%の98%鹸化PVA(分子量=13000〜23000)及び0.84gのプルロニックF68(商標)が溶解されている400gの水からなる連続水性相を含む水中油型エマルジョンが製造される。Ultra−Turraxブレンダー(13500rpm)で40分間乳化した後、4gのジエチレングリコール及び1.38gのトリメチロールプロパンが導入される。
【0174】
重合は63℃において4時間行われ、その後室温において15時間行われる。
【0175】
反応の終わりに、粉末が遠心分離により回収される(30分間4000rpm)。
【0176】
得られたマイクロカプセルは走査電子顕微鏡による観察によりリザーバータイプであるとみなされる。
【0177】
実施例3:ポリマーマトリックスの重量に対して3重量%のD&CレッドNo.7を含むマイクロカプセルの合成
合成のプロトコルは、(0.18gの代わりに)0.52gのD&CレッドNo.7を使用して、実施例2に記載されたものと同じである。
【0178】
実施例4:ポリマーマトリックスの重量に対して7重量%のD&CレッドNo.7を含むマイクロカプセルの合成
合成のプロトコルは、(0.18gの代わりに)1.22gのD&CレッドNo.7を使用して、実施例2に記載されたものと同じである。
【0179】
実施例5:ポリマーマトリックスの重量に対して57重量%のD&CレッドNo.7を含むマイクロカプセルの合成
20gのD&CレッドNo.7及び245.4gのパールリーム(商標)が分散されている24gの4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートからなる有機相、及び5%の98%鹸化PVA(Mw=13000〜23000)が溶解されている800gの水からなる連続水性相を含む水中油型エマルジョンが製造される。Ultra−Turraxブレンダー(13500rpm)を使用して40分間乳化した後、8gのエチレングリコール、及び2.76gのトリメチロールプロパンが導入される。
【0180】
重合は63℃において4時間行われ、その後室温において15時間行われる。
【0181】
反応の終わりに、粉末が遠心分離により回収される(30分間4000rpm)。
【0182】
得られたマイクロカプセルは走査電子顕微鏡による観察によりリザーバータイプであるとみなされる。
【0183】
実施例6:ポリマーマトリックスの重量に対して30重量%のイエローNo.6アルミニウムレーキを含むマイクロカプセルの合成
合成プロトコルは、実施例2に記載されたものと同じであり、(0.18gのD&CレッドNo.7の代わりに)7.87gのイエローNo.6アルミニウムレーキ(サンケミカル)及び2.4gの安息香酸アルキルエステルを使用し、MDI/安息香酸アルキルエステル質量比=5を達成する。
【0184】
得られたマイクロカプセルは、走査電子顕微鏡による観察によりリザーバータイプであるとみなされる。
【0185】
実施例7:ポリマーマトリックスの重量に対して30重量%のイエローNo.6アルミニウムレーキを含むマイクロカプセルの合成
合成プロトコルは、実施例2に記載されたものと同じであり、(0.18gのD&CレッドNo.7の代わりに)7.87gのイエローNo.6アルミニウムレーキ(サンケミカル)及び12gの安息香酸アルキルエステルを使用する(MDI/ 安息香酸アルキルエステル質量比=1を達成する)。
【0186】
得られたマイクロカプセルは、走査電子顕微鏡による観察によりリザーバータイプであるとみなされる。
【0187】
実施例8:カプセル化された顔料の重量含有量に応じた顔料の色の修飾
下の表1に示された種々の重量含有量の顔料を使用して行われた、ポリウレタン/ポリウレアタイプのポリマーマトリックス中の顔料D&CレッドNo.7のカプセル化は、最初の顔料の色とは異なり、カプセル化された顔料の含有量に従って変化する色の入手をもたらす。
【0188】
色の測定は、h×l×w=0.3×2.5×2.2の寸法を有し、ガラススライドで覆われた窪みの中で100バールにおいて圧縮された1.25gの粉末上で行われる。
【0189】
色のデータは、ミノルタ分光比色計(D65/10°小さなアパーチャー正反射除去)での反射において得られる。
【0190】
下の表1は、ポリウレタン/ポリウレアタイプのマイクロカプセルにおけるカプセル化の程度に従うD&CレッドNo.7の色座標(colorimetric coordinate)を示す。
【0191】
【表1】

【0192】
図1は得られた値のグラフである。
【0193】
結果は、本発明に従うカプセル化は、元の顔料、すなわちそのカプセル化されていない形の顔料に比べて色の範囲をかなり広げることを可能にすることを示す。
【0194】
実施例9:純粋なD&CレッドNo.7及び5%カプセル化されたD&CレッドNo.7の流れの比較
(本発明に従って)カプセル化された形D&CレッドNo.7又はカプセル化されていない形のD&CレッドNo.7(対照)が、1%のポリソルベート(1686M)を含む水に入れられ、次に溶液が3000rpmで30分間遠心分離される。
【0195】
次に流れた物質の吸収値が535nmの値における光学密度を測定することにより各溶液(対照及び本発明)のそれぞれについて測定される。必要であれば、流れた物質は0〜1の吸収値が得られるまで希釈される。
【0196】
流れは光学密度の値に対応する。
【0197】
下の表2は得られた値を示す。
【0198】
【表2】

【0199】
カプセル化はかなり流れを低下させることがわかる。
【0200】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0201】
【図1】顔料の種々の含有量における、カプセル化されていないDCレッド7及び本発明に従ってカプセル化されたDCレッド7の色の相違

【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面重縮合により得られた、架橋されたポリウレタン、ポリウレア及び/又はポリウレタン/ポリウレアタイプのポリマーマトリックス及び顔料からなるマイクロカプセルの形態にあり、前記マイクロカプセルがポリマーマトリックスの重量に対して10重量%〜80重量%の顔料を含むことを特徴とする複合染料。
【請求項2】
顔料が有機顔料であることを特徴とする、請求項1に記載の複合染料。
【請求項3】
マイクロカプセルがリザーバータイプであることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか1項に記載の複合染料。
【請求項4】
マイクロカプセルがマトリックスタイプであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合染料。
【請求項5】
前記マイクロカプセルのポリマーマトリックスがポリウレタン/ポリウレアタイプであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合染料。
【請求項6】
ポリマーマトリックスが、少なくとも2つの化合物、すなわち一方がイソシアネートタイプであり他方がアルコール及び/又はアミンタイプである化合物を反応させることにより得られたものであり、これら2つの化合物の少なくとも1つは、少なくとも3つの同じか又は異なる官能基を有し、該官能基は、第一のタイプについてはイソシアネート官能基から、そして第二のタイプについてはヒドロキシル官能基及びアミン官能基から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合染料。
【請求項7】
イソシアネートタイプの化合物が、ジフェニルメタンジイソシアネートモノマー及びジフェニルメタンジイソシアネートオリゴマー(MDIポリマー)の混合物、トリレンジイソシアネート(TDI)、及びそれらの混合物、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4´−MDI)又はイソホロンジイソシアネート(IPDI)から選択されるところの、請求項6に記載の複合染料。
【請求項8】
アルコールタイプの化合物が、ジオール、トリオール、ポリオール、又はポリエチレングリコールとジエチレングリコールの混合物から選択されるところの、請求項6又は7のいずれか1項に記載の複合染料。
【請求項9】
アミノアルコールタイプの化合物がエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選択されるところの、請求項6〜8のいずれか1項に記載の複合染料。
【請求項10】
顔料が、酸化チタン、酸化クロム、D&CレッドNo.7、D&CレッドNo.22レーキ、イエローNo.6、及びFD&CブルーNo.1レーキから選択されるところの、請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合染料。
【請求項11】
界面重縮合により得られた、架橋されたポリウレタン、ポリウレア及び/又はポリウレタン/ポリウレアタイプのポリマーマトリックス及び顔料からなるマイクロカプセルの形態の少なくとも1の複合染料を含むことを特徴とする、ケラチン物質をメイクアップする及び/又はケアするための化粧料組成物及び/又は皮膚科学組成物。
【請求項12】
前記複合染料が請求項1〜10に記載されたとおりであるところの、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
毛髪染料組成物であることを特徴とする、請求項11〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
メイクアップ組成物であることを特徴とする、請求項11〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
請求項11〜14のいずれか1項に記載の化粧料組成物をケラチン物質へ施与することを含む、ケラチン物質を処置する化粧的方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−254744(P2007−254744A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−76284(P2007−76284)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】