説明

マイクロ処理装置

【課題】処理対象液の流れ方向に直交する方向の流れ成分を誘発して、電極間電圧を従来よりも低下させる。
【解決手段】処理対象液Maが流通する流路L2と、該流路L2内に露出し処理対象液Maに対して電界を作用させる陰極K及び陽極Pとからなるマイクロ処理装置において、作用部は、複数の溝7aあるいは/及び複数の突起からなる攪拌部7を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ化学プロセスは、ミクロンオーダーのプロセス器機(マイクロ処理装置)を同じくミクロンオーダーの流路(マイクロ流路)を介して接続することにより、小スペース内で化学プロセスを実現するものである。上記マイクロ処理装置の1つとして、化合物に電圧を印加することにより化合物を電気化学的に分解する電気分解と、同じく電圧を印加することにより物質を合成する電解合成とがある。
本明細書では、上記電気分解を行う装置及び上記電解合成を行う装置を総称してマイクロ処理装置という。
【0003】
例えば下記非特許文献1には、対向配置された陽極(電極)と陰極(電極)との間にメタノールとエタノールを溶媒とするトルエン溶液を流通させることによりベンゾイルアルデヒド(benzaldehyde)を合成するマイクロ処理装置が開示されている。このマイクロ処理装置は、バッチ式のマイクロ処理装置とは異なり、トルエン溶液を電極間に連続的に流通させることによりベンゾイルアルデヒドを連続的に合成する連続式のマイクロ処理装置である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】H. Wendt et al., “Anodic Synthesis of Benzaldehydes - II. Optimization of the Direct Anodic Oxidation of Toluenes in Methanol and Ethanol”, Electrochimica Acta, Vol. 37, No. 11, pp1959-1969, 1992.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、マイクロ処理装置は、上述したようにシステムの小型化が主な特徴点であり、よって上記連続式処理装置においても必然的に小型化が要求される。しかしながら、連続式のマイクロ処理装置において、装置の小型化に伴って陽極と陰極との距離(電極間距離)を小さくしていくと、処理対象液の流れが層流化されて、流れ場が処理対象液の流れ方向の速度成分によって占められる状態となる。このような流れ場では、処理対象液における溶質と溶媒との混合が起こり難くなり、結果として電極間電圧が上昇するという問題がある。マイクロ処理装置は、一般に装置の小型化だけではなく消費動力の省力化も追求するものなので、電極間電圧の上昇による消費電力の増加は解決しなければならない重要な技術課題である。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、以下の点を目的とするものである。
(1)処理対象液の流れ方向に直交する方向の流れ成分を誘発する。
(2)従来よりも電極間電圧を低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、処理対象液が流通する流路と、該流路内に露出し処理対象液に対して所定の作用を施す作用部とからなるマイクロ処理装置において、作用部は、複数の溝あるいは/及び複数の突起からなる攪拌部を備えている、という手段を採用する。
【0008】
第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、所定の加工が施された複数の機能層を積層して流路が形成されており、何れかの機能層に作用部が設けられる、という手段を採用する。
【0009】
第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、攪拌部は、延在方向が流路の延在方向に対して所定の角度で傾いた複数の溝からなる、という手段を採用する。
【0010】
第4の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの解決手段において、作用部は、流路内で対抗配置される陽極及び陰極であり、当該陽極及び陰極のいずれか一方あるいは両方に攪拌部が供えられる、という手段を採用する。
【0011】
第5の解決手段として、上記第4の解決手段において、陽極及び陰極を隔離する隔膜が設けられる、という手段を採用する。
【0012】
第6の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの解決手段において、作用部は、触媒担持部である、という手段を採用する。
【0013】
第7の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの解決手段において、作用部は、発光部である、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、攪拌部を備えるので、処理対象液の流れ方向に直交する方向の流れ成分を誘発することが可能であり、この結果として電極間電圧を従来よりも低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るマイクロ処理装置Aの全体構成を示す分解斜視図である。
【図2】上記図1における第1〜第5の機能層S1〜S5の積層状態におけるX−X線矢視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るマイクロ処理装置Aにおいて、攪拌部7の詳細構成及び変形例を示す拡大図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るマイクロ処理装置Aの性能を示す図であり、(a)は収率特性(実験結果)、(b)は電極間の電圧特性(実験結果)を示している。
【図5】本発明の変形例に係るマイクロ処理装置Bの構成例を示す正面図及びY−Y線矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るマイクロ処理装置Aは、第1〜第5の機能層S1〜S5を積層することによって構成されている。なお、図1では、第1〜第5の機能層S1〜S5に施された機械的加工の状態が分かりやすいように、積層前の展開した状態を示しているが、本マイクロ処理装置Aは、第1〜第5の機能層S1〜S5が図示する順序で互いに機密に接着されて一体化することによって、図2に示すような2つの流路L1,L2を内部に形成する。
【0017】
すなわち、第1の機能層S1は、一対の貫通穴1,2が形成された薄板である。貫通穴1,2は、所定の間隔で設けられた丸穴であり、一方の貫通穴1は第1流路L1における処理対象液の入口IN1(第1入口)に相当し、他方の貫通穴2は第1流路L1における処理対象液の出口OUT1(第1出口)に相当する。また、第1の機能層S1は、陰極K(電極)として機能するように導電性材料(例えば金属)から形成されている。上記貫通穴1,2の間隔は、例えば30mmである。
【0018】
第2の機能層S2は、上記貫通穴1,2の間隔に符合する長さ(例えば30mm)の長尺状貫通穴3が形成された薄板である。この第2の機能層S2は非導電性材料から形成されており、その厚さは例えば100μmである。また、上記長尺状貫通穴3の幅は例えば1mmである。第3の機能層S3は、上述した陰極Kを後述する陽極P(電極)とを電気化学的に隔離するための隔膜であり、より具体的には陽イオンのみを透過させる陽イオン透過膜である。
【0019】
ここで、図2から明らかなように、第1流路L1は、第1〜第3の機能層S1〜S3によって形成されている。すなわち、第1流路L1は、第2の機能層S2に形成された長尺状貫通穴3の周面と、当該長尺状貫通穴3の上側に位置する第1の機能層S1の下面と、長尺状貫通穴3の下側に位置する第3の機能層S3の上面とからなる3つの面によって囲まれ、かつ陰極Kが露出する領域として構成される。
【0020】
第1の機能層S1の一端に形成された貫通穴1は、このような第1流路L1に第1の処理対象液Haを流入させるためのものである。また、第1の機能層S1の他端に形成された貫通穴2は、第1流路L1を通過することにより第1の処理対象液Haに所定の処理が施された結果得られる第1の処理済液Hbを外部に排出するためのものである。
【0021】
第4の機能層S4は、上述した第2の機能層S2と形状的には全く同一の薄板であり、第2の機能層S2と同様に非導電性材料から形成されている。すなわち、第4の機能層S4は、厚さが例えば100μmであり、当該第4の機能層S4に形成された長尺状貫通穴4は、長さが例えば30mm、幅が例えば1mmである。
【0022】
第5の機能層S5は、所定間隔で離間する一対の貫通穴5,6(丸穴)が、また当該貫通穴5,6の間に攪拌部7が形成された薄板である。一方の貫通穴5は第2流路L2における処理対象液の入口IN2(第2入口)に相当し、他方の貫通穴6は第2流路L2における処理対象液の出口OUT2(第2出口)に相当する。貫通穴5,6の間隔は、上述した第1の機能層S1の貫通穴1,2と同様に例えば30mmである。このような第5の機能層S5は、陽極P(電極)として機能するように導電性材料(例えば金属)から形成されている。
【0023】
図2から明らかなように、第2流路L2は、第3〜第5の機能層S3〜S5によって形成されている。すなわち、第2流路L2は、第4の機能層S4に形成された長尺状貫通穴4の周面と、当該長尺状貫通穴4の上側に位置する第3の機能層S3の下面と、長尺状貫通穴4の下側に位置する第5の機能層S5の上面とからなる3つの面によって囲まれ、かつ陽極Pが露出する領域として構成される。このような第2流路L2は、第1流路L1と全く同一形状を有し、かつ、第3の機能層S3(陽イオン透過膜)を挟んで第1流路L1と正対する位置関係にある。
【0024】
第5の機能層S5の一端に形成された貫通穴5は、このような第2流路L2に第2の処理対象液Maを流入させるためのものである。また、第5の機能層S5の他端に形成された貫通穴6は、第2流路L2を通過することにより上記第2の処理対象液Maに所定の処理が施された結果得られる第2の処理済液Mbを外部に排出するためのものである。
【0025】
攪拌部7は、本マイクロ処理装置Aにおける最も特徴的な構成要素であり、第2流路L2内を貫通穴5(入口IN2)から貫通穴6(出口OUT2)の方向(図2における左から右方向)に流れる処理対象液に対して陽極Pと陰極Kとの対向方向(図2における上下方向)の流れを誘発するためのものである。
【0026】
この攪拌部7は、図3(a)の拡大図に示すように、所定間隔で形成された複数の長尺溝7aからなる。各長尺溝7aは、所定長さ及び所定深さを有する長尺状の窪みであり、貫通穴5,6の中心同士を結ぶ軸線(一点鎖線で示す。)に対して所定角度θだけ傾斜した方向を延在方向とする。なお、貫通穴5,6の中心同士を結ぶ軸線は、第2流路L2の延在方向と同一なので、各長尺溝7aの延在方向は、第2流路L2の延在方向に対して角度θだけ傾斜している。本実施形態では、角度θ=45°である。
【0027】
図3(b)〜図3(d)は、このような攪拌部7の変形例を示している。第1の変形例に係る攪拌部7Aは、上記各長尺溝7aとは異なる角度θの複数の長尺溝7bからなるものである。各長尺溝7bの角度θは、例えば−45°である。第2の変形例に係る攪拌部7Bは、上記各長尺溝7aに代えて、複数の長尺突起7cからなるものである。各長尺突起7cは、上述した各長尺溝7aと形状は同一であるが、窪みではなく突出部として設けられたものである。第3の変形例に係る攪拌部7Cは、上記長尺溝7aと長尺突起7cとを複合したものである。すなわち、この攪拌部7Cは、長尺溝7aと長尺突起7cとを交互に配列させて形成されている。
【0028】
ここで、陰極K(電極)として機能する第1の機能層S1及び陽極P(電極)として機能する第5の機能層S5は、対として処理対象液に電界を作用させる作用部である。すなわち、本マイクロ処理装置Aは、陰極Kと陽極Pとからなる作用部によって第1、第2の処理対象液Ha,Maに電界を作用させることにより電解合成を行うものである。
【0029】
次に、このように構成された本マイクロ処理装置Aの作用効果について、図4及び表1をも参照して詳しく説明する。
【0030】
本実施形態における第1の処理対象液Haは、溶媒としてのメタノール(MeOH)に電解液としてのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF)を溶解させたものである。また、第2の処理対象液Maは、溶媒としてのメタノール(MeOH)に電解液としてのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF)、また媒質としての4-メトキシトルエン(MeOC)を溶解させたものである。なお、第1の処理対象液Haは、専ら電解液として機能するものであり、本マイクロ処理装置Aが目的とする生産物の生成には直接関与しない。
【0031】
このような第1の処理対象液Ha及び第2の処理対象液Maのうち、第1の処理対象液Haは、第3の機能層S3(陽イオン透過膜)を介して隣り合うと共に陰極K及び陽極Pによって所定の直流電界が作用している第1流路L1及び第2流路L2のうち、第1流路L1に第1入口IN1を介して流入する。一方、第2の処理対象液Maは、同じく第3の機能層S3(陽イオン透過膜)を介して隣り合うと共に陰極K及び陽極Pによって所定の直流電界が作用している第1流路L1及び第2流路L2のうち、第2流路L2に第2入口IN2を介して流入する。
【0032】
そして、上記第1流路L1及び第2流路L2のうち、4-メトキシトルエン(MeOC)を含む第2の処理対象液Maが流通する第2流路L2では、化学式(1)に示す反応が発生する。
【0033】
【数1】

【0034】
すなわち、直流電界の作用によって4-メトキシトルエン(MeOC)がメタノール(MeOH)と反応してp-アニスアルデヒドジメチルアセタール(Me)と水素イオン(H)とが生成される。そして、一方の生成物であるp-アニスアルデヒドジメチルアセタール(Me)は、本マイクロ処理装置Aの生産物であり、第2出口OUT2を介して第2の処理済液Mbの成分として外部に排出される。また、他方の生成物である水素イオン(H)は、陽イオンであり、第3の機能層S3(陽イオン透過膜)を透過して第1流路L1に移動し、さらに陰極Kから電子を受け取って水素ガス(H)となり、第1出口OUT1を介して第1の処理済液Hbの成分として外部に排出される。
【0035】
上記第2流路L2における反応では、p-アニスアルデヒドジメチルアセタール(Me)の収率を向上させる上で、溶質の溶媒に対する良好な分散状態、つまり4-メトキシトルエン(MeOC)のメタノール(MeOH)に対する攪拌状態が重要である。また、本マイクロ処理装置Aの省電力化を図る上で、陰極Kと陽極Pとの間の電圧差、つまり電極間電圧Eを低下させることが必要である。そして、電極間電圧Eを低下させるためには、第2流路L2において、陰極Kと陽極Pとの対向方向(図2における上下方向)におけるイオンの移動性を向上させて陰極Kと陽極Pとの間の電気抵抗を低減する必要がある。
【0036】
本マイクロ処理装置Aにおける攪拌部7は、以下の実験結果が示すように反応電圧Eを低下させることに優位な効果を奏するものである。すなわち、陰極Kと陽極Pとの間に流れる電流と第2の処理済液Mbの流速とを表1に示すように複数設定した場合に、p-アニスアルデヒドジメチルアセタール(Me)の収率は図4(a)のグラフに示すように、また電極間電圧E(電圧)は図4(b)のグラフに示す値になった。この表1における電流と流速との関係は、通電量(電気量)が上記化学式(1)の反応において化学的に当量となるような関係として設定したものである。
【0037】
【表1】

【0038】
なお、この図4では、本マイクロ処理装置A(つまり第2流路L2に攪拌部7を設けた場合)を「ミキサパターン」として示している。また、図4では、「ミキサパターン」に対する比較例として、攪拌部7を設けない場合(パターンなし)及び流路方向に平行な複数の溝を設けた場合(直線溝パターン)を示している。
【0039】
図4(a)から分かるように、「ミキサパターン」と「直線溝パターン」は、電流(流速)が大きくなると「パターンなし」に比較して収率が向上する。これに対して、図4(b)から分かるように、「ミキサパターン」は、電圧が「直線溝パターン」及び「パターンなし」よりも低下している。このような図4に示す実験結果から、本マイクロ処理装置Aにおける攪拌部7が「直線溝パターン」及び「パターンなし」との比較において電圧低下に優位な効果を奏するものであることが確認された。
【0040】
すなわち、本マイクロ処理装置Aによれば、第2の処理対象液Maの流れ方向に直交する方向、つまり陰極Kと陽極Pとの対向方向の流れ成分を誘発することが可能であり、この結果として電極間電圧Eを従来よりも低下させることができる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、陰極Kと陽極Pとからなる一対の電極を作用部をするマイクロ処理装置Aについて説明したが、作用部は一対の電極に限定されない。一対の電極以外の作用部として、例えば処理対象液に対して触媒作用を施すような触媒担持部や各種波長の光を照射する発光部等が考えられる。
【0042】
図5は、上記触媒作用や光照射を処理対象液に施す作用部を備えるマイクロ処理装置Bの構成例を示している。この図に示すように、マイクロ処理装置Bは、3枚の機能層Sa〜Scを積層して構成されており、入口IN、流路L、出口OUT、3枚の機能層Sa〜Scによって内部に形成された空間が流路L、攪拌部7及び作用部R(触媒担持部あるいは発光部)を備えている。流路Lは、3枚の機能層Sa〜Scによって形成される内部空間である。3枚の機能層Sa〜Scのうち、表層である機能層Sa,Scは、流路Lを通過する処理対象液に対して作用部R(触媒担持部あるいは発光部)である。入口INから流路L内に流入した処理対象液は、流路Lを通過する際に作用部Rによって触媒処理あるいは光照射され、出口OUTから処理済液として外部に排出される。
【0043】
上記機能層Sa,Scにおいて流路Lの一面を形成する部位には、マイクロ処理装置Aと同様な攪拌部7がそれぞれ設けられている。すなわち、このマイクロ処理装置Bでは、図5(b)に示すように、流路Lの2面(上面と下面)とに、互いに対向するように攪拌部7がそれぞれ設けられている。このような対向状態の攪拌部7によって流路Lを通過する処理対象液は、上下方向の攪拌が促進されて効果的に触媒処理することが可能であり、あるいはより広い範囲に亘って効果的に光を照射することができる。
【0044】
(2)上記実施形態及び変形例では図3に示した長尺溝7a,7bあるいは長尺突起7cからなる攪拌部7,7A〜7Cを採用したが、本発明はこれに限定されない。処理対象液に対して作用部の対向方向の流れ成分を誘発できる形状であれば、如何なる形状でも良い。
【符号の説明】
【0045】
A…マイクロ処理装置、S1…第1の機能層(作用部)、S2…第2の機能層、S3…第3の機能層、S4…第4の機能層、S5…第5の機能層(作用部)、L1…第1流路、L2…第2流路、IN1…第1入口、OUT1…第1出口、IN2…第2入口、OUT2…第2出口、1…貫通穴、2…貫通穴、3…長尺状貫通穴、4…長尺状貫通穴、5…貫通穴、6…貫通穴、7,7A〜7C…攪拌部、7a,7b…長尺溝、7c…長尺突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象液が流通する流路と、該流路内に露出し処理対象液に対して所定の作用を施す作用部とからなるマイクロ処理装置において、
作用部は、複数の溝あるいは/及び複数の突起からなる攪拌部を備えていることを特徴とするマイクロ処理装置。
【請求項2】
所定の加工が施された複数の機能層を積層して流路が形成されており、何れかの機能層に作用部が設けられることを特徴とする請求項1記載のマイクロ処理装置。
【請求項3】
攪拌部は、延在方向が流路の延在方向に対して所定の角度で傾いた複数の溝からなることを特徴とする請求項1または2記載のマイクロ処理装置。
【請求項4】
作用部は、流路内で対抗配置される陽極及び陰極であり、当該陽極及び陰極のいずれか一方あるいは両方に攪拌部が供えられることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のマイクロ処理装置。
【請求項5】
陽極及び陰極を隔離する隔膜が設けられることを特徴とする請求項4記載のマイクロ処理装置。
【請求項6】
作用部は、触媒担持部であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のマイクロ処理装置。
【請求項7】
作用部は、発光部であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のマイクロ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−5369(P2011−5369A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149099(P2009−149099)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構「革新的マイクロ反応場利用部材技術開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】