説明

マイクロ波回路の性能を高めるための共鳴バイパス・コンデンサ

【課題】マイクロ波の動作周波数でインピーダンスが低くなるが、同じ周波数ではインピーダンスが同様であるコンデンサより小さなチップ面積を使うバイパス回路を提供する。
【解決手段】バイアス接続用のバイパス回路は、コイルと直列のコンデンサを備え、その直列結合がバイアス導体とアースの間に接続される。この直列結合により、動作周波数での反射減衰量が低くなる。他の周波数で損失を与えるために、バイパス回路内にデキューイング回路18を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波回路に関し、より詳細には、モノリシック・マイクロ波集積回路におけるバイアス接続用のバイパス回路に関する。
【背景技術】
【0002】
モノリシック・マイクロ波集積回路(MMIC)は、マイクロ波の周波数で動作する集積回路である。典型的には、特定の動作周波数を中心とする周波数帯で動作するように、MMICは設計される。MMICは、動作周波数またはその付近の信号用の入出力接続を有してもよく、それに加えて、MMICは、バイアス接続として知られている低周波または直流の接続を有してもよい。バイアス接続により、電力または制御信号をMMIC内の構成要素に供給してもよく、または、MMICからの低周波信号の出力を供給してもよい。例えば、MMIC増幅器は直流電力を必要とし、MMIC変調器は変調信号を必要とし、MMIC検出器は低周波の出力信号を生成してもよい。
【0003】
一般に、動作周波数またはその付近でのマイクロ波信号はバイアス接続を通してMMICの中またはMMICの外へ伝搬できないことが好ましい。そうでない場合は、マイクロ波信号が、バイアス接続を通してMMICの外へ伝搬し、MMICの外側の構成要素から反射し、再びバイアス接続を通してMMICの中へ戻るように伝搬するおそれがある。MMICの外側の回路機構とのそうした不要な干渉により、MMICの周波数応答にリップルまたは振動が生じるおそれがある。後でMMICに接続されるかも知れない外部の回路機構をMMICの設計者が制御するには限界があるため、MMICの動作をそうした外部の回路機構から可能な限りほとんど独立したものにすることが望ましい。MMIC増幅器では、効率が、バイアス接続を通したマイクロ波信号の伝達を防ぐさらなる理由となり得る。すなわち、バイアス接続におけるいかなる正味のマイクロ波の電力損失も、回路のマイクロ波の出力接続で利用可能にできない電力に対応する。
【0004】
バイアス導体上のある点でマイクロ波をアースに短絡することにより、マイクロ波がMMICの中または外へ伝搬するのを防ぐことができる。そうした短絡により、マイクロ波信号が反射される。例えば、バイアス導体とアースの間に十分大きなコンデンサを接続すれば、マイクロ波信号についてアースへの短絡をまねることになる。そのコンデンサが大き過ぎなければ、低周波での開放回路をまねることにもなり、バイアス信号をMMICの中または外へ自由に伝搬させることが可能になる。
【0005】
しかしながら、大きなコンデンサはMMIC内で大きな面積を占めることがある。MMICの設計では、多くの場合、集積回路または「チップ」の物理的な大きさが制約され、MMICの設計者は、回路が小さな面積内に設計されるように収めなければならない。マイクロ波の周波数でのコンデンサのインピーダンスは、その面積に逆比例する。結果として、チップ上で小さな面積を占めるコンデンサでは、マイクロ波の周波数でインピーダンスが十分低くならないおそれがある。
【0006】
バイパス回路では他の特徴も望まれることがある。適切に設計の注意事項を守らなければ、MMIC増幅器は動作周波数以外の周波数で振動するおそれがある。これは、マイクロ波の信号経路に損失を与えることにより、例えば、バイアス導体中に直列の抵抗器を設置することにより、防ぐことができる。しかしながら、そうした抵抗器により、動作周波数や直流を含むすべての周波数で損失が加わることになり、直流電源の電力と動作周波数でのマイクロ波の電力の両方が無駄になる。したがって、バイアス回路には、主に、普通ならMMIC増幅器が振動し得る周波数で損失が与えられることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、マイクロ波の動作周波数でインピーダンスが低くなるが、同じ周波数ではインピーダンスが同様であるコンデンサより小さなチップ面積を使うバイパス回路が必要である。さらに、動作周波数とは異なるマイクロ波の周波数で著しい損失を与えることが可能なバイパス回路が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態により、MMICまたは他のマイクロ波回路内でバイアス導体に接続されるバイパス回路が提供される。本発明の実施形態の一態様により、実質的に損失なしでバイアス電流がバイアス導体内を流れることができ、動作周波数において低い反射減衰量でマイクロ波信号を反射することができる。本発明の実施形態の別の態様により、MMIC増幅器の回路が振動するのを防ぐために、直流と動作周波数の間の周波数で損失が与えられる。
【0009】
一実施形態では、バイパス回路はコイルと直列に接続されたコンデンサを備え、そのコイルはアースに接続され、コンデンサとコイルの結合の共振周波数がマイクロ波回路の動作周波数である。別の実施形態では、抵抗器、第2のコンデンサおよび第2のコイルを備える並列回路をさらに備え、第2のコンデンサと第2のコイルの結合の共振周波数が動作周波数以下である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態によるバイパス回路の概略図である。
【図2】バイパス回路の一実施形態の、周波数の関数としての、インピーダンスの実部のグラフである。
【図3A】本発明の一実施形態による図1の回路を実施するためにMMIC基板上に製作された構成要素の部分平面図である。
【図3B】図3Aの切断線3B−3Bに沿った拡大部分断面図である。
【図3C】図3Bの線2Cに沿った拡大断面図である。
【図4】図3Aの実施形態の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面に関して以下で述べる詳細な説明は、本発明により設けられたバイパス回路の現在の好ましい実施形態を説明することを意図しており、本発明を構成または利用することができる唯一の形態を表すことを意図するものではない。図示した実施形態に関して、本発明の特徴を説明する。しかしながら、同一または同等の機能および構造を、やはり本発明の精神および範囲内に包含されることを意図している別の実施形態によって実現できることが理解されよう。本明細書の他の箇所で示すように、同様の要素の番号は、同様の要素または特徴を指すことを意図している。
【0012】
本明細書では、簡単のため、「マイクロ波」という用語を、無線周波数およびミリメートル波の周波数を含むものと、すなわち、ほぼ1メガヘルツ(MHz)から1000ギガヘルツ(GHz)にわたる周波数の範囲を含むものとして用いる。
【0013】
図1を参照すると、図示した実施形態では、バイパス回路は2つの接続点、すなわち、外部の回路機構へ接続できるようにするボンド・パッドにバイパス回路を接続するためのボンド・パッド接続12と、バイパス回路をMMIC内の内部の回路機構に接続するための内部接続10とを提供している。
【0014】
バイパス回路は、共振バイパス・コンデンサ16とデキューイング(de−queueing)回路18をさらに備える。共振バイパス・コンデンサ16は、コンデンサC1とコイルL1の直列結合であり、アース接続14に接続されており、C1とL1の値は動作周波数で回路が共振するように選択される。
【0015】
共振周波数では、共振バイパス・コンデンサ16のインピーダンスは低い。f=(1/LC)1/2/(2π)で与えられる共振周波数fでは、キャパシタンスCの理想的なコンデンサとインダクタンスLの理想的なコイルの直列結合のインピーダンスは零である。同様に、現実のコイルと直列に接続された現実のコンデンサの共振インピーダンスは低いが、現実の構成要素がそれに対応する理想的な構成要素とは異なる限り、零とは異なる。一実施形態では、10GHzの動作周波数で、C1とL1についてそれぞれほぼ4ピコファラド(pF)と0.063ナノヘンリー(nH)の値を用いることによって、C1とL1により形成された共振バイパス・コンデンサ16のインピーダンスを低くすることができる。特に、インピーダンスは、コンデンサC1と同じ面積を占めるコンデンサとコイルL1のものより低くすることができる。
【0016】
図1の実施形態では、デキューイング回路18は、アース接続14に接続された、抵抗器R、コンデンサC2およびコイルL2の直列結合である。デキューイング回路18は、共振バイパス・コンデンサ16と並列に接続される。動作周波数では、共振バイパス・コンデンサ16のインピーダンスは低く、デキューイング回路18はほとんど効果がないが、他の周波数では、デキューイング回路18は周波数に依存するインピーダンスをもたらし、増幅器を含むMMIC内で振動を抑制するのに用いることができる。
【0017】
例示的な実施形態では、C2とL2の値を、それらの共振周波数が動作周波数より著しく低くなるように選択してもよい。この共振周波数では、コイルL2とコンデンサC2のインピーダンスは実質的に打ち消し合い、デキューイング回路18のインピーダンスとして抵抗器Rの抵抗が残る。
【0018】
デキューイング回路18の共振周波数と共振バイパス・コンデンサ16の共振周波数の間の周波数区間では、共振バイパス・コンデンサ16は主に容量性のインピーダンスをもち、デキューイング回路18は抵抗性および誘導性のインピーダンスをもつことになる。ある中間の周波数では、一方は容量性で他方が誘導性および抵抗性であるこれらの2つのインピーダンスにより、比較的高いインピーダンスをもつ並列共振回路が形成される。この共振モードと、コンデンサC2およびコイルL2を伴う直列の共振により、デキューイング回路18とバイパス回路のインピーダンスが周波数の関数として急速に変化し、かつ動作周波数および直流では損失が低くなる一方、中間周波数では損失を大きくすることが可能になる。この実施形態のデキューイング回路18は、直流では損失を導入せずに直列のコンデンサC2のため開放回路の働きをする。デキューイング回路18は、動作周波数でアースにほとんど短絡する共振バイパス・コンデンサ16と並列に接続されているため、動作周波数でも損失を導入しない。抵抗器R、コンデンサC2およびコイルL2についての構成要素の値の選択は、以下でより詳細に記載する反復同調プロセスを用いて実行することができる。
【0019】
バイパス回路の一実施形態でのインピーダンスの実部の例示的なグラフを示す図2を参照すると、インピーダンスの実部は、10GHzの動作周波数で低くなり、より低い周波数では大幅に高くすることができる。
【0020】
図1に図示した実施形態のデキューイング回路18は、直列の抵抗器−コイル−コンデンサ(RLC)結合からなるが、本発明はこの実施形態に限定されない。「デキューイング回路」の用語は、本明細書で用いるときは、バイアス接続とアースの間に接続された、直流でインピーダンスが高くなる構成要素の任意の結合を意味する。デキューイング回路は、例えば、第1の結合と並列に接続された別のRLC結合を含んでもよく、または、図1の実施形態で示した回路要素に加えて、またはその代わりに、開放伝送線のスタブなどの他の回路要素を備えてもよい。このように、バイアス回路のアースに対するインピーダンスは、十分なMMICのチップ面積を利用して必要な構成要素を形成できるならば、いかなる広範な周波数の関数にも調整することができる。
【0021】
図3および図4を参照すると、例示的な実施形態では、実質的に矩形の金属−絶縁体−金属のコンデンサ、すなわちMIMキャパシタとして、コンデンサC1およびC2をMMIC上に製作することができる。図3Cを参照すると、第1の金属層22をMMIC基板20上に堆積させてMIMキャパシタ32の底板26を形成し、次いで、窒化ケイ素(SiN)などの誘電性の材料を第1の金属層22の最上面に堆積させて、窒化物層24として知られているものを形成し、最後に、1つまたは複数の別の金属層を窒化物層24の上に堆積させてMIMキャパシタ32の天板28を形成することにより、MIMキャパシタ32を形成することができる。窒化物層24は、単位面積当たりのキャパシタンスを増加させるために、薄く、例えば0.2ミクロンの厚さにすることが好ましいが、MIMキャパシタ32がさらされるであろう最高の電圧にも確実に耐える十分な厚さである。MIMキャパシタ32の底板26を形成する第1の金属層22は、厚さ0.77ミクロンとすることができる。窒化物層24と底板26は、図3A、図3Bおよび図4では薄すぎてはっきりと識別できないが、図3Cの拡大断面図では認識できる。
【0022】
図3Bを参照すると、天板28は、2つの金属堆積ステップで、2ミクロンの金属を最初に堆積させ、その後に別の4ミクロンの金属を堆積させた、6ミクロンの全体の厚さを有してもよい。導体がバイアス電流を伝える必要性により、所要の厚さの金属が要求される。本実施形態では、例えば、バイアス電流経路はコンデンサC1の天板28を横断し、したがって、天板28はある最小限の厚さが必要になる。
【0023】
図3Aおよび図3Bを参照すると、基板20を貫くアース・バイア40を用いて、MIMキャパシタ32の底板26への接続を形成することができる。アース・バイア40は、最初にウェット・エッチング・プロセスを用いて基板20を貫く先細のホールを形成し、次いで基板20の裏側全体を裏側金属層46(厚さを6ミクロンとすることができる)でめっきすることにより形成することができる。裏側金属層46は裏側アース面44を形成し、アース・バイア40の斜めの壁48も覆い、裏側アース面44からアース・バイア40の上面までの導電経路を形成する。そして、アース・バイア40の上に、またはその隣に形成されたMIMキャパシタ32の底板26は、アース・バイア40の上端と接触する結果、接地することができる。
【0024】
図3A〜図3Cおよび図4で説明した例示的な実施形態に示した構造は、MIMキャパシタと導電性のバイアを形成することが可能な工程があるいかなるMMICの製造工場でも製作することができる。そうした製造工場では、製造の信頼性を保証するために、ある設計ルールに従って設計が製作される必要があり得る。そうしたプロセスでは、例えば、シリコンや、窒化ガリウム、シリコン・ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、窒化ガリウムなどの、MMIC製造に適したいかなる半導体材料を用いることもできる。上述の実施形態では、誘電体層は窒化ケイ素でできているが、他の実施形態では、いかなる他の適当な誘電体でできたものでもよい。
【0025】
図3Cを参照すると、MIMキャパシタ32では、窒化物層24は底板26に対して差し込まれていてもよく、すなわち、誘電体層の面積は底板26の面積よりいくらか小さくてもよい。この場合、底板26に対して短絡することを避けるために、天板28は窒化物層24より面積がいくらか小さくなければならない。図3Bを参照すると、エア・ブリッジ34を用いて、底板26に短絡することなくMIMキャパシタ32の天板28への接続を形成してもよい。一実施形態では、次のようにエア・ブリッジ34を形成することができる。天板28を形成するのに用いられる2つの金属堆積ステップのうちの最初に形成される2ミクロンの金属層は、窒化物層24の上に堆積させてもよい。次いで、この2ミクロンの金属層のすぐ隣にフォトレジストの細片を堆積させてもよく、次いで、2ミクロンの金属層とフォトレジストの細片を覆って4ミクロンの金属層を堆積させてもよい。最後に、一時的なフォトレジストの細片を、4ミクロンの金属層の下から溶かすことによって取り除くことができる。その結果、図3Bに断面で示したように、天板28と隣接する導体との間に導電性のエア・ブリッジ34ができる。製造工場の設計ルールにより、多数のより細いエア・ブリッジ区画36から広幅のエア・ブリッジ34を形成することが要求されることもある。
【0026】
図3A〜図3Cを参照すると、MIMキャパシタ32の底板26が接地されると、これを実現するために用いられるアース・バイア40は、慣例上、コンデンサの中心近くに設置される。これにより、コンデンサの底板26からアースへの短絡経路が与えられる。図3Aは、コンデンサC2のほぼ中心下に位置するそうしたアース・バイア40を示す。例示的な実施形態では、コンデンサC1用のアース・バイア40が中心に置かれている場合より底板26からアースへ流れる電流の経路が長くなるように、コンデンサC1の中心からある程度の距離のところにコンデンサC1用のアース・バイア40を設置することにより、インダクタンスL1を形成してもよい。この片寄りの効果は、コンデンサC1の底板26が直接アースにではなく接地された伝送線スタブに接続されるということである。この接地されたスタブは、動作周波数でアースへの誘導性の分路として作用することができる。コンデンサC1の底板26からアース・バイア40への導電経路の長さと幅の両方は、コイルL1のインダクタンスに影響を及ぼす。一実施形態では、コンデンサC1の底板26はアース・バイア40の上に一定の幅で延び、コンデンサC1の中心とそのアース・バイア40の間との片寄りは、実質的に100ミクロンである。
【0027】
図4を参照すると、製造工場の設計ルールにより、窒化物層24とコンデンサC1の天板28は、これらの層とアース・バイア40の上端の間に最小限の隙間ができるように、矩形のカットアウト42をもつことが要求されることもある。一実施形態では、コンデンサC1の天板28は、外側の寸法が210ミクロン×72ミクロンであり、より長い寸法のコンデンサC1と平行な、長さが36ミクロンで幅が30ミクロンの矩形のカットアウト42を有してもよい。
【0028】
コイルL2も、マイクロストリップの伝送線の部分として形成することができる。そして、コイルL2のインダクタンスは、この伝送線の長さと幅により決定され、一実施形態では、それらはそれぞれ575ミクロンおよび5ミクロンとすることができる。抵抗器Rは、7.5オームの薄膜抵抗器として製作することができる。
【0029】
バイパス回路内での構成要素の場所と寸法に対する調整は、内部接続10で周波数の関数として所望のインピーダンスを与えるように、同調プロセスを用いて行うことができる。これらの調整は、カリフォルニア州サンタクララのアジレント・テクノロジーにより販売されているAgilent Advanced Design Systemなどの電磁場シミュレーション・ソフトウェアを用いて行うことができる。そうしたソフトウェアを用いて、設計者は、内部接続10からの反射の振幅と位相を周波数の関数として、例えばプロットすることができ、それから、条件にかなった特徴が得られるまで回路内の構成要素に繰り返し調整を加えることができる。このプロセスの間に、設計者は、動作周波数での低い反射減衰量と、直流でのアースに対する高いインピーダンスと、他の周波数での高い反射減衰量とを実現するように努めることができる。また、設計者は、反射波の位相を周波数の関数として調整するように努めることができる。本発明を採用するシステム設計が、ある周波数の組について性能がよくなるように調整されており、他の周波数の組でもそのシステムを用いることが望まれるときは、新たな周波数について同調プロセスを繰り返す必要があるだろう。
【0030】
本明細書ではMMICバイパス回路の限られた実施形態を詳細に記載し図示してきたが、多くの修正や変形は当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明の原理により構成されたバイパス回路は本明細書で詳細に記載した以外のものを採用してもよいことが理解されよう。また、本発明は添付の請求項により定められる。
【符号の説明】
【0031】
10 内部接続
12 ボンド・パッド接続
14 アース接続
16 共振バイパス・コンデンサ
18 デキューイング回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作周波数で実質的に零の、アースに対するインピーダンスをバイアス接続にて与えるための、マイクロ波回路におけるバイパス回路であって、
アースに接続されたコイルと直列に接続されたコンデンサを備え、
前記コイルと前記コンデンサの結合が前記動作周波数で共振するバイパス回路。
【請求項2】
予め定められた長さと幅の、アースへの導電経路を与えることにより、前記コイルが形成される、請求項1に記載のバイパス回路。
【請求項3】
前記コンデンサが、モノリシック・マイクロ波集積回路(MMIC)プロセスにて製作された金属−絶縁体−金属(MIM)キャパシタである、請求項1に記載のバイパス回路。
【請求項4】
前記MIMキャパシタへの接続がエア・ブリッジを用いて作られる、請求項3に記載のバイパス回路。
【請求項5】
動作周波数で実質的に零の、アースに対するインピーダンスをバイアス接続にて与えるための、マイクロ波回路におけるバイパス回路であって、
第1のコンデンサと、
第1のコイルとを備え、
前記コイルが前記コンデンサとアースの間に接続され、
前記コンデンサが前記バイアス接続と前記コイルとデキューイング回路の間に接続される、バイパス回路。
【請求項6】
前記デキューイング回路が、
抵抗器と、
第2のコンデンサと、
第2のコイルとを備え、
前記抵抗器、前記第2のコンデンサおよび前記第2のコイルが前記バイアス接続とアースの間に直列に接続される、請求項5に記載のバイパス回路。
【請求項7】
前記第2のコンデンサと前記第2のコイルの結合が前記動作周波数より低い周波数で共振する、請求項6に記載のバイパス回路。
【請求項8】
予め定められた長さと幅の、アースへの導電経路を与えることにより、前記第1のコイルが形成される、請求項5に記載のバイパス回路。
【請求項9】
前記第1および第2のコンデンサが、モノリシック・マイクロ波集積回路(MMIC)プロセスにて製作された金属−絶縁体−金属(MIM)キャパシタである、請求項6に記載のバイパス回路。
【請求項10】
予め定められた長さと幅の導電経路として前記第2のコイルが形成される、請求項6に記載のバイパス回路。
【請求項11】
モノリシック・マイクロ波集積回路(MMIC)上のバイアス接続にてバイパス回路を形成する方法であって、
前記バイアス接続に接続された第1のコンデンサを設けるステップと、
前記第1のコンデンサとアースの間に接続された第1のコイルを設けるステップと、
前記バイアス接続とアースの間に接続されたデキューイング回路を設けるステップと
を含む方法。
【請求項12】
デキューイング回路を設ける前記ステップが、
前記バイアス接続に接続された抵抗器を設けるステップと、
前記抵抗器に接続された第2のコイルを設けるステップと、
前記第2のコイルとアースの間に接続された第2のコンデンサを設けるステップと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バイアス接続に接続された前記第1のコンデンサを設ける前記ステップが、
前記MMICの基板上に第1の金属層を形成するステップと、
前記第1の金属層の上に誘電体層を形成するステップと、
前記誘電体の上に第2の金属層を形成するステップと、
前記バイアス接続と前記第2の金属層の間にエア・ブリッジを形成するステップと
を含む、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−27036(P2013−27036A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−113760(P2012−113760)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)
【Fターム(参考)】