説明

マイクロ波装置およびマイクロ波装置の使用方法

【課題】 食品を簡易な作業手順で暖めることが可能なマイクロ波装置およびマイクロ波装置の使用方法を提供する。
【解決手段】 マイクロ波装置1は、本体11と、扉12と、コントロールパネル13と、記憶装置10と、データ・アクセス装置2と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にマイクロ波装置およびマイクロ波装置の使用方法に関し、さらに詳細には、マイクロ波装置に加熱条件を手入力することなしに、加熱される対象物に貼り付けられている符号化されたデータを読み取ることができるマイクロ波装置およびマイクロ波装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波装置によって読み込まれる符号化されたデータにしたがって、マイクロ波装置は自動的に要求された加熱作業を始め、実行することができる。
【0003】
マイクロ波装置(例えば、電子レンジ)は急速に食品を加熱することができるので、マイクロ波装置は我々の日常生活の必須の電気機器のうちの1台となっている。特にこのペースの速い近代社会では、人々は多くの場合、自分自身で料理するための時間を持っていない。このために、レストランの食事の代わりに、人々はコンビニエンスストアで、マイクロ波装置で調理可能な各種の加工食品を容易に見つけることができる。この種の加工食品の消費者は、コンビニエンスストアでマイクロ波装置を使用して食品を加熱することによって、容易に温かい食品を楽しむことができる。
【0004】
異なる種類の食品によって、加熱時間および加熱力の要求が異なるため、人々はそれぞれの経験にしたがって、それぞれの食品の加熱作業を行うためにマイクロ波装置に必要とされる加熱時間および加熱力を適切に設定する必要がある。
【0005】
加熱作業を行うためにマイクロ波装置に必要とされる加熱時間と加熱力を適切に設定しなければ、加熱された食品はたやすく加熱し過ぎたり、または加熱不足となり、食品の味を悪化させる。
【0006】
市販のマイクロ波装置、特に、コンビニエンスストアやスーパーマーケットに配置されているマイクロ波装置の全てを調査することによって、加熱条件は全て、入力装置を使用してマイクロ波装置に設定される。
【0007】
図5は従来のマイクロ波装置を示す斜視図である。
【0008】
図5に示すように、入力装置は、マイクロ波装置に加熱時間および加熱力を入力するためのいくつかの回転ノブか、またはいくつかのボタンとすることができる。
【0009】
利用者は常に、入力する推奨加熱条件を表している加工食品のラベルを見つけることができるが、さらにそれら加熱条件を手で入力し、そして手でスタートボタンを押さなければならず、非常に不便で面倒である。
【0010】
したがって、コンビニエンスストアの消費者がマイクロ波装置に容易に、そして速く加熱条件を入力できるように、類似した加熱条件を必要とする多くの商品が同じカテゴリーに分類されている。
【0011】
1つのホット・キーを押すこの種の入力メカニズムは、全ての加熱条件を入力する従来の方法の不都合を僅かに改良することができるが、まだそれぞれの包装に印刷されたカテゴリ・ラベルを見つけて、カテゴリーに対応するホット・キーを押すことを必要とする。そしてその後、利用者は加熱作業を始めるためにスタート・キーを押す必要がある。
【0012】
このような入力メカニズムは、加熱条件を探す必要が無く、またはキーを押す必要のない速い入力メカニズムを、まだ提供することができない。
【0013】
更に、マイクロ波装置の利用は、単にマイクロ波装置に配置されている入力装置の制御だけに依存している。しかし、このような機械的あるいは電気的な入力装置には常に寿命がある。基本的に、電気的入力装置のような入力装置の寿命は、入力装置が押され、または操作された回数として定義される。
【0014】
コンビニエンスストアのマイクロ波装置は、多くの場合、毎日の入力作業の数が非常に大きくなり、それによって、マイクロ波装置は容易に損害を受け、そして寿命が短くされやすい。
【0015】
したがって、加熱条件を機械的または電気的に入力する従来の入力メカニズムを改良することができるマイクロ波装置が要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、従来のマイクロ波装置に加熱条件を手で入力する煩わしさを減少させることが可能なマイクロ波装置を提供することを目的とする。
【0017】
本発明は、また、マイクロ波装置に物理的に接触することなしに自動的に、符号化された加熱条件を読み取ることができ、そして加熱作業を始めることができるマイクロ波装置を提供することを目的とする。
【0018】
本発明は、さらに、加熱される対象物の包装に貼り付けられている符号化された加熱条件を読み取り、そして符号化されたデータを、マイクロ波装置の加熱作業を制御することができる信号に変換することが可能なマイクロ波装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成する本発明に係るマイクロ波装置は、本体と、扉と、コントロールパネルと、記憶装置と、データ・アクセス装置と、を有している。
【発明の効果】
【0020】
加熱される食品の包装上に最適化された加熱条件を符号化して張り付けることによって、利用者は包装上の加熱条件を読み取るためにマイクロ波装置のデータ・アクセス装置を使用することができる。
【0021】
従って、食品をその最高品質に加熱することができる。
【0022】
本発明の好ましい実施形態において、データ・アクセス装置は、バーコードリーダとすることができる。
【0023】
本発明の実施形態において、データ・アクセス波装置は、マイクロ波装置の本体の内部または外部に配置されることができる。
【0024】
利用者は、マイクロ波装置に設けられたボタンを手で押すことなく、データ・アクセス装置を介して加熱条件を入力することができる。
【0025】
データ・アクセス装置は更に伝送線を通って本体に接続することができ、それによって
、データ・アクセス装置はマイクロ波装置の本体から離れて配置されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明を添付の図面を参照するとともに、本発明の特徴および技術的な内容を以下に詳述する。ただし、添付の図面は例示および説明のためのみに用いられ、本発明を限定するものではない。
【0027】
図1は本発明の実施形態に係るマイクロ波装置を示す斜視図、図2は本発明の実施形態に係るマイクロ波装置を示す部分的な分解図である。
【0028】
図示のように、マイクロ波装置1は、本体11と、扉12と、コントロールパネル13と、を有している。
【0029】
本体11は中空室を有し、その中に加熱される対象物を配置することができる。加熱される対象物は、一般的に食品である。扉12およびコントロールパネル13は、本体11の正面の部分に配置されている。扉12は、利用者が本体11の中空室に、加熱される食品を配置するために設けられている。コントロールパネル13は、複数の入力ボタン14と、データ・アクセス装置2とを有している。入力ボタン14は、マイクロ波装置1の利用者がマイクロ波装置1に加熱条件を入力できるように設けられており、データ・アクセス装置2は、加熱される食品の包装に符号化されて印刷された加熱条件を読み込むために設けられている。
【0030】
コントロールパネル13は、手動記憶装置および読込記憶装置を有する記憶装置を有している。手動記憶装置は、コントロールパネル13の入力ボタン14からのデータ入力を記憶することができる。その一方で、読込記憶装置はデータ・アクセス装置2から読み込まれるデータおよびコントロールパネル13の入力ボタン14からのデータを記憶することができる。
【0031】
記憶装置を使用することによって、特定の種類の食品を適切に加熱するために、複数の加熱条件が記憶装置に設定されて記憶される。加熱条件はたいてい、特定の種類の食品の特定の加熱時間および加熱力のような、最適化された加熱条件である。したがって、データ・アクセス装置2が、加熱される食品の包装上に符号化されたデータを読み取るときに、記憶されている加熱条件が読み込まれ、そして、読み込まれた加熱条件、例えば加熱時間および加熱力に従って、食品が加熱される。
【0032】
データ・アクセス装置2は、主に、マイクロ波装置1に加熱条件を入力するために使用される。マイクロ波装置1上に設置されたデータ・アクセス装置2は、食品パッケージと非接触で、食品の符号化されたデータから容易に加熱条件を読み取ることができる。
【0033】
図1,2に示すように、データ・アクセス装置2は、本体11またはコントロールパネル13の内部に配置されており、加熱される食品に貼り付けられている符号化されたデータを読み取ることができる。
【0034】
図3には、本発明の他の実施形態に係るマイクロ波装置1が例示されている。図に示すように、データ・アクセス装置2は、マイクロ波装置1の本体11の外に設置されている。
【0035】
すなわち、この実施形態のデータ・アクセス装置2は、本体11の外面に配置されている。
【0036】
外に配置されたデータ・アクセス装置2は、更に、伝送線を介してマイクロ波装置1の本体11に接続されることができる。つまり、データ・アクセス装置2は、データ・アクセス装置2の適用できる空間範囲を延長するために、伝送線を使用することによってマイクロ波装置1から離れて配置されることが可能である。
【0037】
この設計は、直立させて保たなければならない対象物を加熱するために、特に有用である。
【0038】
特定の実施形態の1つとして、データ・アクセス装置2をバーコードリーダとし、加熱される食品の包装に印刷されている符号化されたデータはバーコードとすることができ、例えばUPCバーコード、EANバーコード、二次元バーコード等である。しかし、データ・アクセス装置2はバーコードリーダに限られず、そして、符号化されたデータはバーコードに限られない。
【0039】
符号化されたデータは、特定の食品を加熱するために、最適化された加熱条件を有している。言い換えれば、特定の種類の食品を加熱するのに適した加熱条件が、食品の包装上に貼り付けられる。
【0040】
符号化されたデータは、消費者によって容易に認識される包装上のどこかに印刷されることが好ましい。したがって、利用者は、加熱される食品の包装に貼り付けられている符号化されたデータを、容易にデータ・アクセス装置2までを持ってくることができる。
【0041】
次に、データ・アクセス装置2は符号化されたデータを読み取り、そして要求された加熱作業を実行するためにマイクロ波装置1を起動する。
【0042】
次に、マイクロ波装置1を使用するための方法を説明する。
【0043】
図4には、マイクロ波装置1を使用するための方法の工程系統図が例示されている。マイクロ波装置1を使用するための方法は、以下の工程を有している。
【0044】
まず始めに、マイクロ波装置1は、外部の電力源に接続される。記憶装置10は空であり、そして、データの入力を待っている。利用者は、手動記憶装置および読込記憶装置に、加熱条件のデフォルトの型を入力して設定するために、入力ボタン14またはデータ・アクセス装置2を使用することができる。
【0045】
図1〜4に示すように、本発明の実施形態に係るマイクロ波装置1は、手動記憶装置に保存された10組の加熱条件と、読込記憶装置に保存された50組の加熱条件を有している。
【0046】
上述した加熱条件の組の数は、例示のためにのみ示されたものであり、このように限定するものではない。また、利用者は記憶装置を解除して、保存された加熱条件を変更するために入力ボタン14を使用することができる。保存された加熱条件は、このように修正され、または置き換えられることができる。
【0047】
上述した設定および記憶工程が完了した後に、マイクロ波装置1は使用準備ができる。
【0048】
利用者がマイクロ波装置1を使用する対象物を加熱したい場合、利用者は、ただ対象物の包装に貼り付けられた符号化されたデータを位置させるだけである。符号化されたデータをデータ・アクセス装置2へ持ってくることにより、マイクロ波装置1は符号化されたデータを読み取ることができ、そしてそのデータを予め記憶装置に保存されている加熱条
件、例えば加熱時間および加熱力へ変換することができる。次に、利用者はマイクロ波装置1の扉12を開き、マイクロ波装置1の中空室の中へ加熱される対象物を置き、そして扉12を閉じることができる。
【0049】
その後、マイクロ波装置1は符号化されたデータから読み込まれた加熱条件にしたがって加熱作業を開始する。
【0050】
本発明は、当業界の通常の知識を有する者により他の多くの変更や改良が可能であり、また本発明は、添付の特許請求の範囲により解釈されるべきである。
【0051】
したがって、このような本発明の基本的な技術的思想を逸脱しない特許請求の範囲の範囲内で、本発明は種々改変することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態に係るマイクロ波装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るマイクロ波装置を示す部分的な分解図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るマイクロ波装置を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るマイクロ波装置の使用方法を示す工程系統図である。
【図5】従来のマイクロ波装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 マイクロ波装置、
2 データ・アクセス装置、
10 記憶装置、
11 本体、
12 扉、
13 コントロールパネル、
14 入力ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱される対象物を配置するための中空室を有する本体と、
前記対象物を前記本体の中空室に出し入れするために、前記本体に設けられた扉と、
前記本体に設けられており、記憶装置および前記記憶装置に電気的に接続される入力装置を有するコントロールパネルと、
前記コントロールパネルの記憶装置に電気的に接続されるデータ・アクセス装置と、を有するマイクロ波装置。
【請求項2】
前記データ・アクセス装置は、バーコードリーダを有する請求項1に記載のマイクロ波装置。
【請求項3】
前記データ・アクセス装置は、前記コントロールパネルと近接して前記本体に配置されている請求項1に記載のマイクロ波装置。
【請求項4】
前記データ・アクセス装置は、前記本体の外に配置されている請求項1に記載のマイクロ波装置。
【請求項5】
前記データ・アクセス装置は、伝送線を介して前記本体に接続されている請求項1に記載のマイクロ波装置。
【請求項6】
前記記憶装置は、手動記憶装置および読込記憶装置を有し、
前記手動記憶装置は入力装置によって設定される複数の加熱条件を記憶し、
読込記憶装置はデータ・アクセス装置によって読み込まれた複数の加熱条件を記憶する請求項1に記載のマイクロ波装置。
【請求項7】
前記加熱条件は、加熱時間および加熱力を含む請求項6に記載のマイクロ波装置。
【請求項8】
前記コントロールパネルの入力装置は、複数の入力ボタンを有する請求項1に記載のマイクロ波装置。
【請求項9】
前記扉および前記コントロールパネルは、前記本体の正面の部分に配置されている請求項1に記載のマイクロ波装置。
【請求項10】
(a)符号化されたデータが貼り付けられた加熱される対象物を、データ・アクセス装置へ近接させる工程と、
(b)加熱される対象物上の符号化されたデータを読み取る工程と、
(c)符号化されたデータを加熱条件へ変換する工程と、
(d)マイクロ波装置の中空室の中に、加熱される対象物を位置させる工程と、
(e)前記加熱条件にしたがって加熱される対象物を加熱する工程と、を有するマイクロ波装置の使用方法。
【請求項11】
前記(a)工程の前に、記憶装置に複数のデフォルト加熱条件を設定する工程を有する請求項10に記載のマイクロ波装置の使用方法。
【請求項12】
前記(d)工程は、
(d1)前記マイクロ波装置の扉を開く工程と、
(d2)前記マイクロ波装置の中に対象物を位置させる工程と、
(d3)前記マイクロ波装置の前記扉を閉じる工程と、を有する請求項10に記載のマイクロ波装置の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−71255(P2006−71255A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258981(P2004−258981)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(501350534)聲寶股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】