説明

マイクロ流体システム、マイクロ流体チップおよび試料分析装置

【課題】本発明の目的は、簡易な構成により送液される試料の選択、および当該試料の送液を実施することができるマイクロ流体システム、マイクロ流体チップおよび試料分析装置を提供することにある。
【解決手段】本実施例のマイクロ流体システム3は、試料の操作が行われる流路を内部に有するマイクロ流体チップ1と、マイクロ流体チップ1に着脱可能に構成され、マイクロ流体チップ1の流路16内に負圧を発生させて試料を送液するポンプユニット2とを有する。マイクロ流体チップ1は、試料が供給される複数の試料収容部14と、使用された試料を収容する1つの廃液収容部15と、複数の試料収容部14と廃液収容部15とを繋ぐ流路16と、試料収容部14を選択的に開閉して、ポンプユニット2により送液される試料を選択する蓋部6とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば生体試料の反応を検出するために用いられるマイクロ流体システム、マイクロ流体チップおよび試料分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板等に微細流路が設けられたマイクロ流体チップを使用して、化学分析や化学合成、あるいはバイオ関連の分析を行う方法が注目されている。マイクロ流体チップは、マイクロTAS(Total Analytical System)や、Lab-on-a-chip等と呼ばれる、従来の装置に比較して試料の必要量が少ない、反応時間が短い、廃棄物が少ない等のメリットがある。このため、マイクロTASは、診断、環境および食品のオンサイト分析等、広い分野での利用が期待されている。
【0003】
マイクロ流体チップを用いた分析では、チップの微細流路内で試料溶液を混合して反応物質を反応させ、検出を行うため、当該微細流路に安定にかつ速度を制御して試料を送液する手段が必要であり、当該手段としてマイクロポンプやシリンジポンプなどが用いられている。
【0004】
特許文献1には、ポンプとマイクロチップの微細流路とをバルブを介して接続し、送液の停止と送液を行う方法等が開示されている。
【特許文献1】特開2005−227250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された方法では、マイクロチップ、バルブおよび送液ポンプが、キャピラリによって接続されている。これらの接続部は、シリコンチューブ等で接続する必要があるが、接続時に気泡が入ってしまい、試料溶液の流れが妨げられることがある。また、キャピラリの容積はデッドボリュームとなるので、反応時間に遅れが出るとともに、試料溶液の浪費が生じる。一方、キャピラリで接続すると装置全体が嵩高くなり、コンパクトな構成というマイクロ流体システムの利点が生かせないという問題もある。
また、チップ内の流路に種類の異なる試薬を順次送液するためのバルブや、多項目あるいは多検体を平行処理するためのポンプにも適切なものがなく、複雑な作業を強いられていた。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成により送液される試料の選択、および当該試料の送液を実施することができるマイクロ流体システムおよび試料分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明のマイクロ流体システムは、試料の操作が行われる流路を内部に有するマイクロ流体チップと、前記マイクロ流体チップに着脱可能に構成され、液滴を吐出することにより前記マイクロ流体チップの前記流路内に負圧を発生させて前記試料を送液するポンプユニットとを有し、前記マイクロ流体チップは、前記試料が供給される複数の試料収容部と、使用された前記試料を収容する1つの廃液収容部と、複数の前記試料収容部と前記廃液収容部とを繋ぐ前記流路と、前記試料収容部を選択的に開閉して、前記ポンプユニットにより送液される前記試料を選択する蓋部とを有する。
【0008】
上記の本発明では、ポンプユニットを動作させて液滴を吐出すると、廃液収容部、および廃液収容部に接続される流路が負圧となる。この結果、蓋部により覆われていない試料収容部中の試料は、流路を通って廃液収容部へと移動する。一方、蓋部により密閉されている試料収容部内の試料は流路へ移動しない。蓋部により、試料収容部内の液体を選択的に流路へ流すことができる。上記の試料とは、分析対象のみならず、分析に必要な他の洗浄液等を含む。流路の設計により、所望の操作が実現できる。操作とは、試料の混合、反応、分離、検出を含む物理的あるいは化学的操作と定義する。
本発明では、バルブを設けなくとも、蓋部の開閉により流路へ流す試料の選択が可能であることから、処理が簡便となる。
また、マイクロ流体チップとポンプユニットの間にキャピラリ等の部品を必要としないことから、気泡が入るという問題が生じにくくなる。また、別個の部品を設けないため、デッドボリュームが少なくなり、試料の量を少なくすることができる。
【0009】
好ましくは、前記蓋部は、複数の前記試料収容部を覆っており、かつ、1つの前記試料収容部に対応する開口部を備え、前記蓋部をスライドまたは回転させて、前記開口部を前記試料収容部に重ねることにより、前記試料収容部が選択的に開閉される。これにより、蓋部をスライドまたは回転させるという単純な操作で特定の試料を流路に流すことができる。
【0010】
あるいは、前記蓋部は、各試料収容部に対応して複数設けられている。これにより、各蓋部の開閉を制御することにより、特定の試料を流路に流すことができる。
【0011】
例えば、前記流路は、複数設けられており、各流路は、複数の前記試料収容部と1つの前記廃液収容部とを別々に繋いでいる。各流路の途中に、流路幅が他の部分よりも狭い絞り部がそれぞれ設けられている。この場合には、試料収容部に収容された各試料は、別々に化学的あるいは物理的操作が行われる。
【0012】
例えば、前記流路は、各試料収容部に一端が繋がれた複数の枝路と、複数の前記枝路の他端と、前記廃液収容部とを接続する1本の本路とを有する。前記本路の途中に、流路幅が他の部分よりも狭い絞り部が設けられている。この場合には、各試料収容部の試料は、本路で混合される。
【0013】
前記マイクロ流体チップは、光透過材料で形成されている。これにより、流路内で起こる反応を発光や蛍光などによって外部から容易に検出することができる。
【0014】
前記ポンプユニットは、前記廃液収容部に接続され、前記試料とは異なる液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部内の前記液体を吐出する液滴吐出ヘッドとを有する。このような構成により、液滴吐出ヘッドを動作させると、液体収容部が負圧となる。この結果、液体収容部に接続されるマイクロチップの内部が負圧になる。
【0015】
上記の目的を達成するため、本発明は、試料の操作が行われる流路を内部に有し、前記流路内に負圧を発生させて前記試料が送液されるマイクロ流体チップであって、前記試料が供給される複数の試料収容部と、使用された前記試料を収容する1つの廃液収容部と、複数の前記試料収容部と前記廃液収容部とを繋ぐ前記流路と、前記試料収容部を選択的に開閉して、送液される前記試料を選択する蓋部とを有する。
【0016】
上記の本発明のマイクロ流体チップでは、流路内が負圧となると、蓋部により覆われていない試料収容部中の試料は、流路を通って廃液収容部へと移動する。一方、蓋部により密閉されている試料収容部内の試料は流路へ移動しない。蓋部により、試料収容部内の液体を選択的に流路へ流すことができる。上記の試料とは、分析対象のみならず、分析に必要な他の洗浄液等を含む。流路の設計により、所望の操作が実現できる。操作とは、試料の混合、反応、分離、検出を含む物理的あるいは化学的操作と定義する。
【0017】
上記の目的を達成するため、本発明の試料分析装置は、試料の操作が行われる流路を内部に有するマイクロ流体チップと、前記マイクロ流体チップに着脱可能に構成され、前記マイクロ流体チップの前記流路内に負圧を発生させて前記試料を送液するポンプユニットとを有するマイクロ流体システムと、前記マイクロ流体チップの内部で生じた反応を検出する検出系とを有し、前記マイクロ流体チップは、前記試料が供給される複数の試料収容部と、使用された前記試料を収容する1つの廃液収容部と、複数の前記試料収容部と前記廃液収容部とを繋ぐ前記流路と、前記試料収容部を選択的に開閉して、前記ポンプユニットにより送液される前記試料を選択する蓋部とを有する。
【0018】
上記の本発明では、ポンプユニットを動作させて液滴を吐出すると、廃液収容部、および廃液収容部に接続される流路が負圧となる。この結果、蓋部により覆われていない試料収容部中の試料は、流路を通って廃液収容部へと移動する。一方、蓋部により密閉されている試料収容部内の試料は流路へ移動しない。蓋部により、試料収容部内の液体を選択的に流路へ流すことができる。上記の試料とは、分析対象のみならず、分析に必要な他の洗浄液等を含む。流路の設計により、所望の操作が実現できる。操作とは、試料の混合、反応、分離、検出を含む物理的あるいは化学的操作と定義する。試料の反応は、検出系により検出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0020】
本実施例のマイクロ流体システムは、マイクロ流体チップおよびポンプユニットにより構成される。図1(a)はマイクロ流体チップ1の断面図であり、図1(b)はポンプユニット2の断面図である。図2(a)および図2(b)は、マイクロ流体チップ1の上面図である。
【0021】
マイクロ流体チップとは、試料の操作が内部で行われるものである。操作には、試料の混合、反応、分離、検出等の物理的操作あるいは化学的操作が含まれる。本実施例のマイクロ流体チップ1は、3つの試料収容部14と、1つの廃液収容部15と、試料収容部14と廃液収容部15とを繋ぐ流路16とを有する。流路16の一端は試料収容部14に連通し、流路16の他端は廃液収容部15に連通している。なお、試料収容部14の数に限定はなく、2つ以上あればよい。
【0022】
例えば、図2(a)に示すように、3つの試料収容部14−1,14−2,14−3が一列に並んでいる。実施例1では、試料収容部14と同数の流路16が設けられており、各流路16−1,16−2,16−3は、試料収容部14−1,14−2,14−3と1つの廃液収容部15とを別々に繋いでいる。試料収容部14−1,14−2,14−3および流路16−1,16−2,16−3を区別する必要のない場合には、単に試料収容部14および流路16として説明する。
【0023】
各流路16の途中には、流路幅が他の部分よりも狭い絞り部17が設けられている。すなわち、本例では、1つのマイクロ流体チップ1に3つの絞り部17が設けられている。マイクロ流体チップ1には、貫通孔19が設けられており、廃液収容部15と貫通孔19とが流路18により接続されている。
【0024】
上記のマイクロ流体チップ1は、例えば加工した3枚の基板11,12,13を接着することにより形成される。基板11,12,13は、光透過性のプラスチックあるいはガラスにより構成されていることが好ましい。光透過材料により構成されていることにより、流路16内での発光等の反応を検出しやすくなる。基板材料としてガラスを用いる場合には、エッチングあるいはサンドブラスト法により基板を加工する。基板材料としてプラスチックを用いる場合には、射出成形により基板を加工する。基板11,12,13の接着方法は基板の材料に応じて選択すればよく、ガラス基板の場合には熱接着法を用いればよい。
【0025】
基板12側には絞り部17以外の流路16となる領域に溝が形成されており、基板13側には絞り部17の領域に溝が形成されている。基板13側の溝は、基板12側の溝よりも浅く形成されている。これにより、基板11,12を接着すると、流路16よりも幅の狭い絞り部17が形成される。
【0026】
マイクロ流体チップ1には、試料収容部14を選択的に開閉する蓋部6が設けられている。本実施例では、全ての試料収容部14を覆う一つの蓋部6が配置されており、蓋部6には、1つの試料収容部14に対応する開口部6aが設けられている。この開口部6aと重なった部位の試料収容部14は大気圧に開放され、その他の試料収容部14は密閉される。図2(a)では、真中の試料収容部14−2に開口部6aが重なっており、図2(b)では、一番上の試料収容部14−1に開口部6aが重なっている様子を示している。
【0027】
マイクロ流体チップ1には、蓋部6をスライドさせるためのレール部10が設けられている。レール部10は、試料収容部14の配列に沿って設けられている。蓋部6には、レール部10に嵌る溝が設けられている。蓋部6で覆われた部位における試料収容部14を密閉するため、試料収容部14の周囲にはシール材7が設けられている。例えば、各試料収容部14の周囲にそれぞれシール材7が設けられている。上記構成により、蓋部6をスライドさせることにより、試料収容部14の選択的な密閉が容易になる。
【0028】
ポンプユニット2は、マイクロ流体チップ1に着脱可能に構成されており、マイクロ流体チップ1の内部を吸引して試料を送液する役割を果たす。このため、ポンプユニット2は、液体収容部23を有するリザーバプレート20と、リザーバプレート20にゴムパッキン等の接続部25を介して接続された液滴吐出ヘッド24とを有する。液滴吐出ヘッド24は、リザーバプレート20に着脱可能に構成されている。
【0029】
リザーバプレート20には、マイクロ流体チップ1のサイズに対応した溝状の設置部26が設けられている。設置部26と液体収容部23は、貫通孔27により接続されている。貫通孔27は、マイクロ流体チップ1の貫通孔19に対応する位置に設けられている。貫通孔27の周囲には、例えばOリングからなるシール材28が設けられている。液体収容部23には流路29が連通しており、流路29と、液滴吐出ヘッド24の流路24bとが接続される。
【0030】
リザーバプレート20は、例えば加工した2枚の基板21,22を接着することにより形成される。基板21,22は、例えば、光透過性のプラスチックあるいはガラスにより構成されている。基板材料としてガラスを用いる場合には、エッチングあるいはサンドブラスト法を用いて基板を加工する。基板材料としてプラスチックを用いる場合には、射出成形により基板を加工する。基板21,22の接着方法は基板の材料に応じて選択すればよく、ガラス基板の場合には熱接着法を用いればよい。
【0031】
液滴吐出ヘッド24は、例えば静電駆動式あるいは圧電駆動式の液滴吐出ヘッドである。図示はしないが、静電駆動式の場合には、液滴吐出ヘッド24は、流路24bに接する振動板と、2つの電極を備える。2つの電極間に電圧を印加すると、振動板が変位して流路24b内の液体が加圧されて、液滴がノズル24aから吐出される。
【0032】
上記のマイクロ流体チップ1は、ポンプユニット2の設置部26に取り付けられる。これにより、マイクロ流体チップ1の貫通孔19と、ポンプユニット2の貫通孔27がシール材28を介して接続される。
【0033】
(マイクロ流体システム)
図3は、マイクロ流体チップ1とポンプユニット2により構成されるマイクロ流体システム3の概略断面図である。図3では、開口部6aと重なった状態の試料収容部14を図解している。このため、図3に示す試料収容部14は大気圧に開放されている。
【0034】
マイクロ流体チップ1の試料収容部14には試料4が導入される。なお、試料4以外にも、分析に必要な種々の液体が供給されてもよい。ポンプユニット2の液体収容部23には、試料4とは別の液体5が導入される。液体5は、例えば水である。液体収容部23から液滴吐出ヘッド24のノズル24aにかけて液体5が充填されて使用される。廃液収容部15、流路18および貫通孔19内には、液体は存在せず、気体が存在する。
【0035】
上記した状態において、液滴吐出ヘッド24を動作させと、液滴は水平方向に吐出される。ポンプユニット2の液体収容部23の液体5が排出されると、流路16から液体収容部23に至る経路が負圧になる。このとき、大気圧に開放された状態にある試料収容部14に収容された液体4は、図3(b)に示すように、流路16、絞り部17を通り、廃液収容部15内へ移動する。一方、蓋部6により密閉された状態にある試料収容部14の液体4は、廃液収容部15へ向けて移動しない。
【0036】
このように液滴吐出ヘッド24を動作させた状態においては、開口部6aが重なった部位における試料収容部14の液体4のみが、流路16内を移動する。例えば、図2(a)に示す場合には、試料収容部14−2内の液体4のみが流路16−2を通って廃液収容部15へ流れる。また、図2(b)に示す場合には、試料収容部14−1内の液体のみが流路16−1を通って廃液収容部15へ流れる。
【0037】
本例では、流路16に絞り部17を設けて、絞り部17の直前で目的とする反応および当該反応の検出を行う。このため、本例のマイクロ流体システム3は、3つの試料の分析を行うことができる。
【0038】
(試料分析装置)
図4は、マイクロ流体チップ1を用いて試料の分析を行う試料分析装置100の概略構成図である。図4では、開口部6aと重なった状態の試料収容部14を図解している。このため、図4に示す試料収容部14は大気圧に開放されている。
【0039】
試料分析装置100は、マイクロ流体システム3と、マイクロ流体システム3の流路内で生じた反応を検出する検出系とを備える。流路内の反応が蛍光色素により検出される場合には、検出系は、例えば、励起光を出射する光源101と、光源101から出射された励起光をマイクロ流体システム3へ向けて反射させるミラー102と、蛍光を検出するCCDカメラ等からなる撮像部103とを有する。また、試料分析装置100は、後述するように、マイクロ流体システム3に液体を供給する液体供給手段と、液滴吐出ヘッド24のノズル24aから気体または液体を吸引する吸引手段を備える。
【0040】
光源101から出射された励起光は、ミラー102により反射されて、絞り部17の直前の流路16に照射される。絞り部17直前の流路16内に蛍光物質が存在する場合、励起光を受けて蛍光物質から蛍光が発せられ、この蛍光が撮像部103により検出される。
【0041】
(試料分析方法)
次に、上記の試料分析装置100による試料分析方法の一例について、図5を参照して説明する。本例では、液体供給手段としてシリンジポンプ104を用い、吸引手段として吸引キャップ105およびチューブポンプ106を用いる例について説明する。
【0042】
まず、図5(a)に示すように、シリンジポンプ104によりポンプユニット2の液体収容部23に液体5として純水を供給する。
【0043】
次に、図5(b)に示すように、液滴吐出ヘッド24のノズル24aに吸引キャップ105を密着させて、チューブポンプ106を動作させる。これにより、液体収容部23内の液体5は流路29および流路24b内を移動する。液体5がノズル24a先端に到達したら、吸引を終了する。吸引終了後、ノズル24aから吸引キャップ105をわずかに離間させる。
【0044】
次に、マイクロ流体チップ1をポンプユニット2に固定して、マイクロ流体システム3を形成する。続いて、試料収容部14に、標的物質に対する抗体が表面に固定化されたビーズを含む懸濁液をピペットで供給する。3つの試料収容部14に同じ懸濁液を供給しても、異なる懸濁液を供給してもよい。この状態で、液滴吐出ヘッド24を動作させると、開口部6aと重なった試料収容部14では、液体は絞り部17を通過して廃液収容部15へ移動するが、ビーズは絞り部17を通過できず、絞り部17の直前の流路16中に停留する。蓋部6をスライドさせることにより、上記の全ての試料収容部14に供給された懸濁液中のビーズを、各流路16の絞り部17に停留させる。
【0045】
図6(a)は、絞り部17の拡大断面図であり、図6(b)は絞り部17にビーズが堰き止められた様子を示す図である。
【0046】
抗体を固定化したビーズは、公知の方法に従って調製することができ、流路16の流路径を100μm、絞り部17の流路幅を20μm程度とした場合には、直径40μm程度のビーズを用いればよい。
【0047】
液滴吐出ヘッド24の動作中において、液滴吐出ヘッド24から吐出された液滴は、吸引キャップ105に吸収される。例えば、吸引キャップ105内にスポンジが備えられており、液滴吐出ヘッド24から吐出された液滴はスポンジに吸収される。これにより、外部へ液滴が漏出することが防止される。また、定期的にチューブポンプ106を動作させることによって吸引キャップ105のスポンジに吸収された液体は、図示しない廃液タンクに収容される。
【0048】
次に、蓋部6を動作させて、1つの試料収容部14のみ大気圧に開放し、他の試料収容部14は密閉しておく。例えば、試料収容部14−1のみを大気圧に開放する。そして、試料収容部14−1に、標的物質を含む可能性のある液状の試料を供給する。そして、液滴吐出ヘッド24を動作させると、当該試料は、試料収容部14−1から流路16−1へ移動し、試料中に標的物質が存在すれば、当該標的物質がビーズ表面の抗体に結合する。
【0049】
次に、試料収容部14−1に洗浄液を供給し、液滴吐出ヘッド24を動作させて流路16−1内に洗浄液を導入する。これにより、非特異的に吸着した物質を洗い流し、抗体に対して特異的に吸着した標的物質のみをビーズ表面に捕捉しておくことが可能となる。
【0050】
次に、標的物質に親和性を有する二次抗体に蛍光物質を付して、これを溶解した液体を試料収容部14−1に供給する。そして、液滴吐出ヘッド24を動作させると、ビーズ表面の抗体に捕捉された標的物質に二次抗体が結合する。必要に応じて、再度洗浄液を試料収容部14−1内に供給して、液滴吐出ヘッド24を動作させて、非特異的な吸着物を除去するとよい。
【0051】
同様にして、蓋部6をスライドさせて、例えば試料収容部14−2に開口部6aを重ねる。そして、液滴吐出ヘッド24を駆動させた状態で、試料収容部14−2に、試料、洗浄液、蛍光標識された抗体を含む液を順に供給する。さらに、同様の操作を試料収容部14−3に対しても行う。
【0052】
次に、開口部6aをテープで塞いだ後、ポンプユニット2からマイクロ流体チップ1を取り外し、マイクロ流体チップ1の絞り部17付近の蛍光強度を測定する。測定後のマイクロ流体チップ1は、外部に試料が漏れることなく廃棄される。
【0053】
あるいは、マイクロ流体チップ1をポンプユニット2に取り付けた状態で、マイクロ流体チップ1の絞り部17付近の蛍光強度を測定してもよい。この場合には、測定後、開口部6aをテープで塞いだ後に、ポンプユニット2からマイクロ流体チップ1が取り外されて、廃棄される。
【0054】
なお、ビーズを含む懸濁液、試料、洗浄液、蛍光標識された二次抗体を含む液の供給手順に特に限定はない。例えば、1つの試料収容部14を用いて全ての分析手順を経た後に、他の試料収容部14を用いてもよい。
【0055】
上記の本実施例のマイクロ流体システム3によれば、マイクロ流体チップ1と、ポンプユニット2との間に別個の部品を必要としないことから、気泡が入るという問題が生じにくくなる。また、デッドボリュームが少なくなることから、試料の量を少なくすることができる。また、マイクロ流体システム3の構造の簡素化および小型化を図ることができる。
【0056】
また、マイクロ流体チップ1は、ポンプユニット2から着脱可能に構成されていることから、マイクロ流体チップの使い捨てが可能となる。この結果、コンタミネーションの影響を受けやすい低濃度の生体試料の分析等にも好適に用いることができる。
【0057】
さらに、試料収容部14内の試料はポンプユニット2へ流入しないことから、ポンプユニット2の汚染を防止でき、ポンプユニット2を繰り返し使用することができる。ポンプユニット2内に液体として純水のみを使用することにより、吐出液体が変わらないため、安定したポンプ動作を実現することができる。
【0058】
さらに、本実施例のマイクロ流体システム3では、1つのマイクロ流体チップ1および1つのポンプユニット2を用いて、3つの試料を分析することができる。
【0059】
上記のマイクロ流体システム3を用いた試料分析装置によれば、少ない量であっても試料を分析することができる。
【実施例2】
【0060】
図7(a)および(b)は、実施例2のマイクロ流体システム3におけるマイクロ流体チップ1の上面図である。なお、実施例1と同様の構成要素には、同一の符号を付してあり、その説明は省略する。
【0061】
実施例2では、各試料収容部14−1,14−2,14−3に繋がれた複数の流路16−1,16−2,16−3が、廃液収容部15の手前で合流しており、合流した1本の流路16−4が廃液収容部15に繋がっている。合流後の流路16−4内に、絞り部17が設けられている。分岐した3本の流路16−1,16−2,16−3は、本発明の岐路の一例である。また、3本の流路16−1,16−2,16−3に繋がる1本の流路16−4は、本発明の本路の一例である。
【0062】
実施例2では、1つのマイクロ流体チップ1は、1つの絞り部17を備える。このため、1つのマイクロ流体チップ1により複数の試料を分析することはできないが、蓋部6をスライドさせることにより、絞り部17に流す溶液の選択が可能となる。例えば、図7(a)に示す状態では、試料収容部14−2に収容された液体のみが流路16−4へ流れ、図7(b)に示す状態では、試料収容部14−1に収容された液体のみが流路16−4へ流れる。
【0063】
次に、上記のマイクロ流体システム3を用いた試料分析方法の一例について説明する。
【0064】
まず、図5(a)に示すように、シリンジポンプ104によりポンプユニット2の液体収容部23に液体5として純水を供給する。
【0065】
次に、図5(b)に示すように、液滴吐出ヘッド24のノズル24aに吸引キャップ105を密着させて、チューブポンプ106を動作させる。これにより、液体収容部23内の液体5は流路29および流路24b内を移動する。液体5がノズル24a先端に到達したら、吸引を終了する。吸引終了後、ノズル24aから吸引キャップ105をわずかに離間させる。
【0066】
次に、マイクロ流体チップ1をポンプユニット2に固定して、マイクロ流体システム3を形成する。続いて、いずれかの試料収容部14に、標的物質に対する抗体が表面に固定化されたビーズを含む懸濁液をピペットで供給する。そして、液滴吐出ヘッド24を動作させると、液体は絞り部17を通過して廃液収容部15へ移動するが、ビーズは絞り部17を通過できず、絞り部17の直前の流路16−4中に停留する。
【0067】
液滴吐出ヘッド24の動作中において、液滴吐出ヘッド24から吐出された液滴は、吸引キャップ105に吸収される。例えば、吸引キャップ105内にスポンジが備えられており、液滴吐出ヘッド24から吐出された液滴はスポンジに吸収される。これにより、外部へ液滴が漏出することが防止される。また、定期的にチューブポンプ106を動作させることによって吸引キャップ105のスポンジに吸収された液体は、図示しない廃液タンクに収容される。
【0068】
次に、液滴吐出ヘッド24の動作を停止した後、各試料収容部14に、分析に必要な試料を含む液体をピペットで供給する。例えば、試料収容部14−1に洗浄液を供給し、試料収容部14−2に標的物質を含む可能性のある試料を供給し、試料収容部14−3に蛍光標識した抗体を含む液体を供給する。
【0069】
次に、蓋部6をスライドさせて、開口部6aを試料収容部14−1に合わせて、液滴吐出ヘッド24を再び動作させる。これにより、試料収容部14−1中の試料は、流路16−1を通って流路16−4へ移動し、試料中に標的物質が存在すれば、当該標的物質がビーズ表面の抗体に結合する。
【0070】
次に、液滴吐出ヘッド24を動作させたまま、蓋部6をスライドさせて、開口部6aを試料収容部14−2に合わせる。この結果、試料収容部14−2中の洗浄液は、流路16−2を通って流路16−4へ移動する。これにより、非特異的に吸着した物質を洗い流し、抗体に対して特異的に吸着した標的物質のみをビーズ表面に捕捉しておくことが可能となる。
【0071】
次に、液滴吐出ヘッド24を動作させたまま、蓋部6をスライドさせて、開口部6aを試料収容部14−3に合わせる。この結果、試料収容部14−3中の蛍光標識された二次抗体を含む液体が、流路16−3を通って流路16−4へ流れるため、ビーズ表面の抗体に捕捉された標的物質に二次抗体が結合する。必要に応じて、再度、蓋部6をスライドさせて、開口部6aを試料収容部14−2に合わせて、洗浄液を流路16−4に供給する。
【0072】
次に、開口部6aをテープで塞いだ後、ポンプユニット2からマイクロ流体チップ1を取り外し、マイクロ流体チップ1の絞り部17付近の蛍光強度を測定する。測定後のマイクロ流体チップ1は、外部に試料が漏れることなく廃棄される。
【0073】
あるいは、マイクロ流体チップ1をポンプユニット2に取り付けた状態で、マイクロ流体チップ1の絞り部17付近の蛍光強度を測定してもよい。この場合には、測定後、開口部6aをテープで塞いだ後に、ポンプユニット2からマイクロ流体チップ1が取り外されて、廃棄される。
【0074】
上記の本実施例のマイクロ流体システム3によれば、マイクロ流体チップ1と、ポンプユニット2との間に別個の部品を必要としないことから、気泡が入るという問題が生じにくくなる。また、デッドボリュームが少なくなることから、試料の量を少なくすることができる。また、マイクロ流体システム3の構造の簡素化および小型化を図ることができる。
【0075】
また、マイクロ流体チップ1は、ポンプユニット2から着脱可能に構成されていることから、マイクロ流体チップの使い捨てが可能となる。この結果、コンタミネーションの影響を受けやすい低濃度の生体試料の分析等にも好適に用いることができる。
【0076】
さらに、試料収容部14内の試料はポンプユニット2へ流入しないことから、ポンプユニット2の汚染を防止でき、ポンプユニット2を繰り返し使用することができる。ポンプユニット2内に液体として純水のみを使用することにより、吐出液体が変わらないため、安定したポンプ動作を実現することができる。
【0077】
上記のマイクロ流体システム3によれば、蓋部6で選択的に特定の試料収容部14を大気圧に開放することにより、切り替えバルブ等を用いることなく、所望の液体を流路16−4に流すことができる。切り替えバルブを使用しないため、操作が簡単となり、デッドボリュームをさらに小さくすることができる。
【実施例3】
【0078】
図8は、実施例3のマイクロ流体システム3におけるマイクロ流体チップ1の上面図である。なお、実施例1、2と同様の構成要素には、同一の符号を付してあり、その説明は省略する。図8では、実施例2の流路を示しているが、実施例1に示した流路を採用してもよい。
【0079】
実施例3では、蓋部6は、試料収容部14−1,14−2,14−3毎に配置されている。各蓋部6は、試料収容部14を選択的に開閉する。例えば、蓋部6の下部には、図中試料収容部14の配列方向に対して直交する方向(図中、左右方向)にレールが配置されている。これにより、蓋部6を左右にスライドさせることにより、試料収容部14の開閉動作がなされる。ただし、スライド以外の開閉動作を採用してもよい。
【0080】
上記したマイクロ流体システム3によれば、実施例1と同様の効果を奏することができる。
【実施例4】
【0081】
図9は、実施例4のマイクロ流体チップ1を説明するための図であり、(a)はその上面図、(b)は断面図である。なお、実施例1〜3と同様の構成要素には、同一の符号を付してあり、その説明は省略する。
【0082】
図9(a)に示すように、実施例4では、蓋部6は円盤状の部材により構成されており、1つの試料収容部14に対応する開口部6aを備える。図9(b)に示すように、蓋部6の中心には回転軸8が設けられており、回転軸8を中心として蓋部6は回転可能に構成されている。蓋部6で覆われた部位における試料収容部14を密閉するため、試料収容部14の周囲にそれぞれシール材7が設けられている。
【0083】
図9(a)に示すように、試料収容部14は、蓋部6の内側において蓋部6の円周に沿って配置されている。本例では、5つの試料収容部14が配置されている例を示すが、その数に限定はない。各試料収容部14に連通する流路(枝路)16aが、試料収容部14と同数だけ設けられている。流路16aは、廃液収容部15の手前で合流しており、合流した1本の流路(本路)16bが廃液収容部15に繋がっている。合流後の流路16b内に、絞り部17が設けられている。ただし、流路16の構成については、実施例1と同様に、各試料収容部14と廃液収容部15とを別々に連通する構成であってもよい。
【0084】
実施例4では、蓋部6を回転させることにより、試料収容部14の開閉動作が可能となる。実施例1のように1つの蓋部6をスライドさせる場合には、試料収容部14の数だけスライド幅が大きくなり、マイクロ流体チップ1の周囲に蓋部6を移動させるためのスペースが必要となる。これに対して、蓋部6を回転させる場合には、マイクロ流体チップ1の周囲に蓋部6の移動のためのスペースを設ける必要がないという利点がある。
【0085】
本発明は、上記の実施形態の説明に限定されない。例えば、実施例1〜4で例示した流路に限定されず、所望の化学操作を実現するために、種々の流路構成を採用することができる。また、上記の試料分析方法では、抗体を固定化したビーズを用いたが、本発明に係るマイクロ流体システムによれば、抗原抗体反応に限られず、標的物質に親和性を有する物質を用いて、核酸同士のハイブリダイゼーション、酵素基質反応、各種レセプターとリガンドの反応等、種々の反応を検出することが可能である。また、検出も蛍光に限らず、各種の反応による変色・発光反応等を検出してもよい。検出する反応に応じて、本発明に係る試料分析装置の検出系も適宜変更することが可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施例1のマイクロ流体チップおよびポンプユニットの断面図である。
【図2】実施例1のマイクロ流体チップの上面図である。
【図3】実施例1のマイクロ流体システムの概略断面図である。
【図4】試料分析装置の概略断面図である。
【図5】分析手順を説明するための図である。
【図6】マイクロ流体チップの絞り部の拡大断面図である。
【図7】実施例2のマイクロ流体チップの上面図である。
【図8】実施例3のマイクロ流体チップの上面図である。
【図9】実施例4のマイクロ流体チップの上面図および断面図である。
【符号の説明】
【0087】
1…マイクロ流体チップ、2…ポンプユニット、3…マイクロ流体システム、4…液体、5…液体、6…蓋部、6a…開口部、7…シール材、8…回転軸、10…レール部、11,12,13…基板、14,14−1,14−2,14−3…試料収容部、15…廃液収容部、16,16−1,16−2,16−3,16−4,16a,16b…流路、17…絞り部、18…流路、19…貫通孔、20…リザーバプレート、21,22…基板、23…液体収容部、24…液滴吐出ヘッド、24a…ノズル、24b…流路、25…接続部、26…設置部、27…貫通孔、28…シール材、29…流路、100…試料分析装置、101…光源、102…ミラー、103…撮像部、104…シリンジポンプ、105…吸引キャップ、106…チューブポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の操作が行われる流路を内部に有するマイクロ流体チップと、
前記マイクロ流体チップに着脱可能に構成され、液滴を吐出することにより前記マイクロ流体チップの前記流路内に負圧を発生させて前記試料を送液するポンプユニットとを有し、
前記マイクロ流体チップは、
前記試料が供給される複数の試料収容部と、
使用された前記試料を収容する1つの廃液収容部と、
複数の前記試料収容部と前記廃液収容部とを繋ぐ前記流路と、
前記試料収容部を選択的に開閉して、前記ポンプユニットにより送液される前記試料を選択する蓋部と
を有するマイクロ流体システム。
【請求項2】
前記蓋部は、複数の前記試料収容部を覆っており、かつ、1つの前記試料収容部に対応する開口部を備え、
前記蓋部をスライドまたは回転させて、前記開口部を前記試料収容部に重ねることにより、前記試料収容部が選択的に開閉される
請求項1記載のマイクロ流体システム。
【請求項3】
前記蓋部は、各試料収容部に対応して複数設けられている
請求項1記載のマイクロ流体システム。
【請求項4】
前記流路は、複数設けられており、各流路は、複数の前記試料収容部と1つの前記廃液収容部とを別々に繋いでいる
請求項1記載のマイクロ流体システム。
【請求項5】
各流路の途中に、流路幅が他の部分よりも狭い絞り部がそれぞれ設けられている
請求項4記載のマイクロ流体システム。
【請求項6】
前記流路は、
各試料収容部に一端が繋がれた複数の枝路と、
複数の前記枝路の他端と、前記廃液収容部とを接続する1本の本路と
を有する請求項1記載のマイクロ流体システム。
【請求項7】
前記本路の途中に、流路幅が他の部分よりも狭い絞り部が設けられている
請求項6記載のマイクロ流体システム。
【請求項8】
前記マイクロ流体チップは、光透過材料で形成されている
請求項1記載のマイクロ流体システム。
【請求項9】
前記ポンプユニットは、
前記廃液収容部に接続され、前記試料とは異なる液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部内の前記液体を吐出する液滴吐出ヘッドと
を有する請求項1記載のマイクロ流体システム。
【請求項10】
試料の操作が行われる流路を内部に有し、液滴を吐出することにより前記流路内に負圧を発生させて前記試料が送液されるマイクロ流体チップであって、
前記試料が供給される複数の試料収容部と、
使用された前記試料を収容する1つの廃液収容部と、
複数の前記試料収容部と前記廃液収容部とを繋ぐ前記流路と、
前記試料収容部を選択的に開閉して、送液される前記試料を選択する蓋部と
を有するマイクロ流体チップ。
【請求項11】
試料の操作が行われる流路を内部に有するマイクロ流体チップと、前記マイクロ流体チップに着脱可能に構成され、液滴を吐出することにより前記マイクロ流体チップの前記流路内に負圧を発生させて前記試料を送液するポンプユニットとを有するマイクロ流体システムと、
前記マイクロ流体チップの内部で生じた反応を検出する検出系と
を有し、
前記マイクロ流体チップは、
前記試料が供給される複数の試料収容部と、
使用された前記試料を収容する1つの廃液収容部と、
複数の前記試料収容部と前記廃液収容部とを繋ぐ前記流路と、
前記試料収容部を選択的に開閉して、前記ポンプユニットにより送液される前記試料を選択する蓋部と
を有する試料分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−298496(P2007−298496A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335547(P2006−335547)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】