マイクロ電源モジュール
【目的】電源ICとインダクタを接続する配線(ボンディングワイヤなど)で発生する漏れ磁束を低減できるマイクロ電源モジュ−ルを提供する。
【解決手段】インダクタ1と、インダクタ1上に固着した電源ICチップ5で構成されるマイクロ電源モジュール100において、磁性粒子を含む樹脂ケース8をこれらの上に被せることで、電源ICチップ5の出力端子であるSWout端子とインダクタのM端子を結ぶ配線(ボンディングワイヤ7と端子配線4)から樹脂ケース外に放射される漏れ磁束を低減することができる。
【解決手段】インダクタ1と、インダクタ1上に固着した電源ICチップ5で構成されるマイクロ電源モジュール100において、磁性粒子を含む樹脂ケース8をこれらの上に被せることで、電源ICチップ5の出力端子であるSWout端子とインダクタのM端子を結ぶ配線(ボンディングワイヤ7と端子配線4)から樹脂ケース外に放射される漏れ磁束を低減することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯機器およびパソコンなどのPOL(Point Of Load)電源として用いられるマイクロ電源モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の電子機器内のPCB(Printed Circuit Board:プリント基板)上には、各LSI(Large Scale Integrated Circuit)固有の電源電圧に対応するために複数の低電圧供給電源を設けることが必要であり、その低電圧供給電源はPCB上の占有スペースをできるだけ小さく構成できることが求められている。
このLSIに応じた低電圧供給電源はPOL電源として呼ばれており、従来はシリーズレギュレータなどの非スイッチング方式のドロッパタイプ(降圧型)電源が使用される事が多かった。
しかし、高効率でバッテリによる長時間駆動が強く求められていることから、スイッチング方式の電源が使用され、電源IC、インダクタおよびコンデンサという個別の部品をLSI付近に配置し、スイッチング電源回路が構成されていた。
しかし、最近のPCB上ではLSI1個でPOL電源が2個(2電源)、3個(3電源)と必要になることも多く、PCBスペースの制約が厳しく、かつPOL電源をLSI近傍に配置することも困難な状況になってきた。
また、機器の薄型指向から電子部品間や電子部品と機器内のケーブルが接近し、機器内での電磁干渉(EMI:Electro−Magnetic Interference)が起こり、機器の動作により発生した電磁干渉で機器自身が誤動作したり、機器と接続される周辺機器に悪影響を及ぼす状況になってきた。
【0003】
この電磁干渉を防止するために、特許文献1には、電磁波抑制シートをCPU(Central Processing Unit)などのLSI上部に貼って、クロック高周波ノイズを抑制する方策が開示されている。
また、特許文献2、3、4には、磁性粒子と樹脂からなる樹脂組成物で電磁波シールド成型品を形成する方策が開示されている。
また、特許文献5には、マイクロ電源の基本構造および磁気を帯びた微粒子(磁性粒子)を含んだ樹脂でインダクタを被覆することにより、磁束の外部への漏れを防止し、インダクタンス値を高めることが開示されている。
【特許文献1】特開2002−185183号公報
【特許文献2】特開2002−16167号公報
【特許文献3】特開2006−269892号公報
【特許文献4】特開2005−158906号公報
【特許文献5】特開2004−72815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各LSIに応じたPOL電源としては、制御IC、FET(スイッチング素子であるMOSFET)とインダクタLを一体化してモジュール構成にしたマイクロ電源モジュールが開発されている。このマイクロ電源モジュールはPCBにおける占有スペースを小さくすることができるため付加価値が高い。
また、要求基準が負荷となるLSIのアプリケーション(使用方法)に依存するS/N比に対してこのPOL電源が直接的に影響を与えることから、POL電源の出力ラインの低伝導ノイズ性能が求められ、さらに放射ノイズによる周辺機器やケーブルへの電磁干渉(漏れ磁束による誘導)が起こらないことが求められる。
図7は、PCB上に実装され、電源ICとインダクタが一体化したマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータを示し、同図(a)は回路図、同図(b)は構成図である。
図8は、PCB上に実装され、電源ICとインダクタが別部品で構成されたDC−DCコンバータを示し、同図(a)は回路図、同図(b)は構成図である。
図7および図8の図中の符号で、VOUTはインダクタ1、71の他方の端子でマイクロ電源モジュール300の出力端子、VINはマイクロ電源モジュールの入力端子、GNDはグランド端子、Cinは入力コンデンサ15、Coutは出力コンデンサ16、SWoutは電源IC(電源ICチップ5)の出力端子、1、71はインダクタ、2はフェライト基板、3、72はインダクタ端子、4は端子配線、5は電源ICチップ、6は電源ICチップの端子、11、12はFET(MOSFET)、13は制御回路、73は配線パターン、300はマイクロ電源モジュールである。
【0005】
図7および図8において、DC−DCコンバータは入力コンデンサ15、出力コンデンサ16、電源IC(電源ICチップ5)およびインダクタ1、71で構成される。また、電源ICチップ5には、スイッチ素子(FET11、12)とそれらのスイッチ素子を制御する制御回路13が形成されている。FETとはMOSFETのことである。
両図のスイッチ出力(SWout:電源ICの出力)端子部分にはスイッチ素子(FET)のオン・オフによりスイッチング波形が現れ、スイッチ素子とインダクタを接続するボンディングワイヤ7、73や配線4から漏れ磁束が発生する。
すなわち、図7のマイクロ電源モジュール300では、電源ICチップ5(インダクタ1上部に配置)とインダクタ1はボンディングワイヤ7およびインダクタ1上に形成されインダクタ端子3と結線された端子配線4で接続される。この配線14(ボンディングワイヤ7と端子配線4を合わせた配線)により配線インダクタンス(Lw)が生じる。
図8では、電源ICチップ5とインダクタ71間を接続するPCB上の配線パターン73による配線で配線インダクタンス(Lw)が生じる。
これらの配線インダクタンス(Lw)は、インダクタ1、71が閉磁路構造であっても存在するため、これらの配線インダクタンス(Lw)により図7ではB部、図8ではD部が漏れ磁束の発生箇所となる。ここで、閉磁路構造とは磁束がフェライト基板2のような磁性基板内に閉じ込められる構造のことである。
【0006】
マイクロ電源モジュール300に用いられるインダクタ1はフェライト基板2にソレノイドコイルが形成された構造をしており、ソレノイドコイルで発生した磁束はフェライト基板2に閉じ込められるので閉磁路構造となる。
図9は、マイクロ電源モジュールにおいて、SWout端子近傍以外の部分に、測定プローブを接近させた場合(同図(a))とSWout端子近傍に測定プローブを接近させた場合(同図(b))での漏れ磁束で生ずる誘導電圧波形図である(両者の縦軸の目盛りは同じ。)。
図10は、電源ICとインダクタを個別に構成した電源モジュールにおいて、電源ICとインダクタ間の配線以外の部分に、測定プローブを接近させた場合(同図(a))と同配線に測定プローブを接近させた場合(同図(b))での漏れ磁束で生ずる誘導電圧波形図である(両者の縦軸の目盛りは同じ。)。図9および図10は実験による誘導電圧波形である。
図9、図10から、漏れ磁束による誘導電圧は配線インダクタンスに測定プローブを接近させると、マイクロ電源モジュール300および個別構成の電源モジュールの双方で大きくなることが分かる。このことから、漏れ磁束の発生はマイクロ電源モジュール300特有の問題ではないことが分かる。
【0007】
前記のことから、例えば、スイッチング方式の電源回路の場合には、漏れ磁束の影響が生じないように、漏れ磁束の影響の受けやすいICなどの電子部品やケーブルをマイクロ電源モジュールや個別構成の電源モジュールに接近させないなど電磁干渉への対策が必要であることがわかる。
このことはユーザの立場から見ると、使い勝手がよいとは言い難い。デバイス(マイクロ電源モジュールや個別構成の電源モジュール)を使いこなす難易度が高いことはユーザのセット機器開発の妨げになることから、使い勝手の良いデバイス開発・供給がデバイスメーカにとっても重要になってくる。
このような要求に対応するために、デバイスサイズ増大を招くことなく、コスト増加も最小限に抑えながら低漏れ磁束化を図る方法が求められる。
また、特許文献1に開示されている方策は、低漏れ磁束化に有効であるが、シートを新たに追加してアセンブリする必要があり、工数とコストの観点から問題がある。
また、特許文献2、3、4、5には、電源ICとインダクタを接続するボンディングワイヤに着目して、このボンディングワイヤから発生する漏れ磁束の存在を明らかにし、その対策を行うことについては何ら記載されていない。
【0008】
この発明の目的は、前記の課題を解決して、電源ICとインダクタを接続する配線(ボンディングワイヤなど)で発生する漏れ磁束を低減できるマイクロ電源モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、インダクタと、該インダクタ上に固着した電源ICと、該電源ICと前記インダクタを接続する配線とを有するマイクロ電源モジュールにおいて、少なくとも前記電源ICの出力端子と前記インダクタの端子を接続する配線(例えば、ボンディングワイヤなど)を磁気シールドする構成とする。
また、磁性粒子を含んだ樹脂で前記ボンディングワイヤを被覆して磁気シールドするとよい。
また、磁性粒子を含んだ樹脂ケースを前記電源ICと前記インダクタおよび前記配線に被せて磁気シールドするとよい。
また、一定電位(主としてグランド)に固定した導電体を前記電源ICと前記インダクタおよび前記配線に被せてシールドするとよい。
また、前記導電体が導電ケースであるとよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、電源ICとインダクタを接続する配線の表面を粒子状の磁性材料(磁性粒子)を含んだ樹脂で被覆することで、この配線で生じる漏れ磁束を低減することができる。
また、前記の配線の表面を絶縁しながら導電体で遮蔽することで、この配線で生じる漏れ磁束を低減することができる。
前記のように、漏れ磁束を低減することで、EMIの影響を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
発明の実施の形態を以下の実施例で説明する。従来と同一部位には同一の符号を付した。
【実施例1】
【0012】
図1は、この発明の第1実施例のマイクロ電源モジュールの構成図であり、同図(a)は要部平面図、同図(b)は同図(a)の矢印Aから見た要部側面図である。図2は、図1のマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータの回路図である。
図1において、インダクタ1上に電源ICチップ5を固着し、インダクタ端子3に接続する端子配線4と電源ICチップの端子6をボンディングワイヤ7で接続し、この電源ICチップ5とボンディングワイヤ7およびインダクタ1を覆うようにインダクタ1上に磁性粒子を含んだ樹脂ケース8を固着させる。
尚、図中の符号でMはインダクタ1の一方の端子でスイッチング波形を測定するためのテストピン、VOUTはインダクタ1の他方の端子でマイクロ電源モジュール100の出力端子、VINはマイクロ電源モジュールの入力端子、GNDは制御系グランド端子、PGNDは主電流が流れるパワーグランド端子、SWoutは電源IC(電源ICチップ5)の出力端子、PVDDは主電流が流れる高電圧端子、CEはON/OFF制御端子、VDDは制御系高電圧端子、COPは位相補償用コンデンサ接続端子、CRESは位相補償用コンデンサ接続端子、INは出力電圧帰還端子である。図1のPVDDとVDDが図2のVINに対応し、図1のPGNDとGNDが図2のGNDに対応する。
【0013】
この構成においては、樹脂ケース8が上方と横方向へ漏れる磁束を低減し、インダクタ1を構成するフェライト基板2が下方へ漏れる磁束を低減する働きをする。
樹脂ケース8はインダクタ1の上部にだけあればよく、インダクタ1以上の面積を必要としないので、デバイスサイズの増大を招くことがない。
しかし、樹脂ケース8は含まれた磁性粒子が漏れ磁束を低減する働きをしているが、漏れ磁束の一部が磁性粒子間の隙間から樹脂ケース8の外部へ逃げるため、板状のフェライト基板などで形成したケースに比べると漏れ磁束の低減率は小さくなる。
これが問題となる場合は、絶縁性の磁性材料であるフェライトでケースを作成して適用するとよい。
また、樹脂ケース8の代わりに磁性粒子を含んだ樹脂で表面を被覆しても同様の効果が得られる。
このマイクロ電源モジュール100は、磁性材料と樹脂を用いてパッケージングすることで磁気シールド効果を施している。この磁性材料は、インダクタ1の磁性材料として用いるようなバルク状のフェライトコアではなく、粒子状の磁性材料である磁性粒子である。この磁性粒子を樹脂と混ぜて組立工程で容易にアセンブリ(ポッティング、注型封止)できるようにし、これで表面を被覆して樹脂ケース8とする。
【0014】
この樹脂ケース8は高抵抗率であるため、電源ICチップ5やボンディングワイヤ7に触れても絶縁性を確保できる。
尚、漏れ磁束が最も発生する電源ICチップ5の出力端子であるSWout端子と接続するボンディングワイヤ7のみを磁性粒子を含んだ樹脂で被覆するだけでも大きな効果が得られる。この場合は磁性粒子を含んだ樹脂量が少なくて済むので低コスト化できる。
図2において、DC−DCコンバータはインダクタ1と電源IC(電源ICチップ5)と入力コンデンサ15と出力コンデンサ16で構成される。電源ICチップ5にはパワースイッチング素子であるNMOS11、12とそれを制御する制御回路13が形成されている。SWout端子とインダクタ1のM端子を接続する配線14の配線インダクタンスがLwであり、インダクタ1のインダクタンスがLである。配線14はSWout端子と接続するボンディングワイヤ7とM端子と接続する端子配線4で構成され、漏れ磁束が最も発生する箇所となる。この漏れ磁束は磁性粒子を含む樹脂ケース8によりケース外へ漏れる量が大幅に低減される。
【実施例2】
【0015】
図3は、この発明の第2実施例のマイクロ電源モジュールの構成図であり、同図(a)は後述の導電ケース22を透視した要部平面図、同図(b)は同図(a)の矢印Aから見た要部側面図、同図(c)はマイクロ電源モジュールの要部斜視図である。図4は、図3のマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータの回路図である。
図3のマイクロ電源モジュール200は、図1のマイクロ電源モジュール100の樹脂ケース8による磁気シールドの代わりに、導電ケース22を用いてこの導電ケースをグランド電位(または一定電位)としたグランド電位シールド(または一定電位シールド)することにより、低漏れ磁束化を図るものである。導電ケース22とインダクタ端子3が接触しないように導電ケース22の側壁底部には凹部23が形成されている。また、ボンディングワイヤ7と導電ケース22の底部22aが接触しないように絶縁膜24が被覆されている。
また、導電ケース22とフェライト基板21は、フェライト基板21の側面に形成したスリット25に導電ケースの凸部26がはめ込まれて固定する。このスリット25にはグランド電位につながるSGND端子が形成されているので、導電ケース22の電位はグランド電位に固定される。
【0016】
導電ケ−ス22を用いるとシールド効果としてはほぼ完全BOXに近くなることから、前述の磁性粒子を含んだ樹脂ケース8による磁気シ−ルドに比べて漏れ磁束の低減率は高い。ここで、完全BOXとは、底面はフェライト基板21、他の5面は金属ケース22の6面体BOXであり、シールド効果的に(ほぼ)完全閉鎖空間のことを意味する。
また、図示しないが、インダクタ1に形成した各端子3がSGND端子を除きフェライト基板21の側面や外周部に露出していないタイプのものもあり、この場合には導電ケース22の側壁底部の凹部23を形成する必要がなく、導電ケース22の側壁底部は全周に亘ってフェライト基板21と隙間なく密着するので一層完全BOX化されて、漏れ磁束の低減率はさらに高くなる。
この導電ケース22は、磁性粒子を含んだ樹脂ケース8と比べて磁束の外へ漏れが少ないので、漏れ磁束の低減効果は大きくなる。
尚、図3(c)の斜視図では、左側が組立て前の図であり、右側は組立てた後の図である。また、フェライト基板21に形成される各端子の内SGND端子は図示されているが、それ以外の端子は省略されている。
図4において、図2との違うのは、樹脂ケース8が導電ケース22に代わり、この導電ケース22がグランド電位に固定されている点である。前記したように、導電ケース22がグランド電位シールドされるので漏れ磁束は大幅に低減される。
【0017】
つぎに、誘導電圧と結合係数の関係について説明する。
図5は、誘導電圧(vo)の結合係数(k)依存性の計算例を示す図である。計算は、DC−DCコンバータ内配線インダクタンス(Lw)と接近した誘導対象(電子部品やケーブル)を図6に示すようにトランスのT型等価回路(配線抵抗Rwと配線インダクタンスLw、結合係数k)として算出している。計算に用いたRwとLwは実際のボンディングワイヤの数値を用いて次式から求めている。また、Moは漏れ磁束による相互インダクタンス(=kLw)である。図6上段の左側のコイルはSWout端子とインダクタ間で接続される配線14(ボンディングワイヤ7およびM端子と接続する端子配線4)を表し、右側のコイルはこの配線と近接する電子部品やケーブルなどの配線(実験では測定プローブのリード線)を表している。
【0018】
【数1】
【0019】
図5から、非シールド状態では、誘導対象との距離が近いほど結合係数(k)が大きいため、誘導電圧(vo)が大きくなる。逆に、誘導対象との距離が遠いほど結合係数(k)が小さくなるので、誘導電圧(vo)は小さくなる。
図1や図3に示すような方法でシールドすると、図9(a)や図10(a)に示す測定プローブをSWout端子に近接させない場合と同程度に結合係数(k)を小さくできて誘導電圧(vo)を小さくできる。
本発明の説明は、POL電源として最も使用されている降圧型コンバータに関して行ったが、これは他のチョッパー型コンバータ(昇圧型、昇降圧型)にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第1実施例のマイクロ電源モジュールの構成図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)の矢印Aから見た要部側面図
【図2】図1のマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータの回路図
【図3】この発明の第2実施例のマイクロ電源モジュールの構成図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)の矢印Aから見た要部側面図、(c)はマイクロ電源モジュールの要部斜視図
【図4】図3のマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータの回路図
【図5】誘導電圧(vo)の結合係数(k)依存性の計算例を示す図
【図6】図5を計算したときのトランスをT型等価回路に変換した図
【図7】PCB上に実装され、電源ICとインダクタを一体化したマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータを示し、(a)は回路図、(b)は構成図
【図8】PCB上に実装され、電源ICとインダクタが別部品で構成されたDC−DCコンバータを示し、(a)は回路図、(b)は構成図
【図9】マイクロ電源モジュール300において、誘導電圧を実測した例であり、(a)はSWout端子近傍以外の部分に測定プローブを接近させた場合の誘導電圧波形図、(b)はSWout端子近傍に測定プローブを接近させた場合の誘導電圧波形図
【図10】個別部品の電源モジュールにおいて、誘導電圧を実測した例であり、(a)はSWout端子近傍以外の部分に測定プローブを接近させた場合の誘導電圧波形図、(b)はSWout端子近傍に測定プローブを接近させた場合の誘導電圧波形図
【符号の説明】
【0021】
1 インダクタ
2、21 フェライト基板
3 インダクタ端子
4 端子配線
5 電源ICチップ
6 電源ICチップ端子
7 ボンディングワイヤ
8 磁性粒子を含む樹脂ケース
11、12 FET
13 制御回路
14 配線
15 入力コンデンサ
16 出力コンデンサ
22 導電ケース
22a 底部
23 凹部
24 絶縁膜
25 スリット
26 凸部
100、200、300 マイクロ電源モジュール
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯機器およびパソコンなどのPOL(Point Of Load)電源として用いられるマイクロ電源モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の電子機器内のPCB(Printed Circuit Board:プリント基板)上には、各LSI(Large Scale Integrated Circuit)固有の電源電圧に対応するために複数の低電圧供給電源を設けることが必要であり、その低電圧供給電源はPCB上の占有スペースをできるだけ小さく構成できることが求められている。
このLSIに応じた低電圧供給電源はPOL電源として呼ばれており、従来はシリーズレギュレータなどの非スイッチング方式のドロッパタイプ(降圧型)電源が使用される事が多かった。
しかし、高効率でバッテリによる長時間駆動が強く求められていることから、スイッチング方式の電源が使用され、電源IC、インダクタおよびコンデンサという個別の部品をLSI付近に配置し、スイッチング電源回路が構成されていた。
しかし、最近のPCB上ではLSI1個でPOL電源が2個(2電源)、3個(3電源)と必要になることも多く、PCBスペースの制約が厳しく、かつPOL電源をLSI近傍に配置することも困難な状況になってきた。
また、機器の薄型指向から電子部品間や電子部品と機器内のケーブルが接近し、機器内での電磁干渉(EMI:Electro−Magnetic Interference)が起こり、機器の動作により発生した電磁干渉で機器自身が誤動作したり、機器と接続される周辺機器に悪影響を及ぼす状況になってきた。
【0003】
この電磁干渉を防止するために、特許文献1には、電磁波抑制シートをCPU(Central Processing Unit)などのLSI上部に貼って、クロック高周波ノイズを抑制する方策が開示されている。
また、特許文献2、3、4には、磁性粒子と樹脂からなる樹脂組成物で電磁波シールド成型品を形成する方策が開示されている。
また、特許文献5には、マイクロ電源の基本構造および磁気を帯びた微粒子(磁性粒子)を含んだ樹脂でインダクタを被覆することにより、磁束の外部への漏れを防止し、インダクタンス値を高めることが開示されている。
【特許文献1】特開2002−185183号公報
【特許文献2】特開2002−16167号公報
【特許文献3】特開2006−269892号公報
【特許文献4】特開2005−158906号公報
【特許文献5】特開2004−72815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各LSIに応じたPOL電源としては、制御IC、FET(スイッチング素子であるMOSFET)とインダクタLを一体化してモジュール構成にしたマイクロ電源モジュールが開発されている。このマイクロ電源モジュールはPCBにおける占有スペースを小さくすることができるため付加価値が高い。
また、要求基準が負荷となるLSIのアプリケーション(使用方法)に依存するS/N比に対してこのPOL電源が直接的に影響を与えることから、POL電源の出力ラインの低伝導ノイズ性能が求められ、さらに放射ノイズによる周辺機器やケーブルへの電磁干渉(漏れ磁束による誘導)が起こらないことが求められる。
図7は、PCB上に実装され、電源ICとインダクタが一体化したマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータを示し、同図(a)は回路図、同図(b)は構成図である。
図8は、PCB上に実装され、電源ICとインダクタが別部品で構成されたDC−DCコンバータを示し、同図(a)は回路図、同図(b)は構成図である。
図7および図8の図中の符号で、VOUTはインダクタ1、71の他方の端子でマイクロ電源モジュール300の出力端子、VINはマイクロ電源モジュールの入力端子、GNDはグランド端子、Cinは入力コンデンサ15、Coutは出力コンデンサ16、SWoutは電源IC(電源ICチップ5)の出力端子、1、71はインダクタ、2はフェライト基板、3、72はインダクタ端子、4は端子配線、5は電源ICチップ、6は電源ICチップの端子、11、12はFET(MOSFET)、13は制御回路、73は配線パターン、300はマイクロ電源モジュールである。
【0005】
図7および図8において、DC−DCコンバータは入力コンデンサ15、出力コンデンサ16、電源IC(電源ICチップ5)およびインダクタ1、71で構成される。また、電源ICチップ5には、スイッチ素子(FET11、12)とそれらのスイッチ素子を制御する制御回路13が形成されている。FETとはMOSFETのことである。
両図のスイッチ出力(SWout:電源ICの出力)端子部分にはスイッチ素子(FET)のオン・オフによりスイッチング波形が現れ、スイッチ素子とインダクタを接続するボンディングワイヤ7、73や配線4から漏れ磁束が発生する。
すなわち、図7のマイクロ電源モジュール300では、電源ICチップ5(インダクタ1上部に配置)とインダクタ1はボンディングワイヤ7およびインダクタ1上に形成されインダクタ端子3と結線された端子配線4で接続される。この配線14(ボンディングワイヤ7と端子配線4を合わせた配線)により配線インダクタンス(Lw)が生じる。
図8では、電源ICチップ5とインダクタ71間を接続するPCB上の配線パターン73による配線で配線インダクタンス(Lw)が生じる。
これらの配線インダクタンス(Lw)は、インダクタ1、71が閉磁路構造であっても存在するため、これらの配線インダクタンス(Lw)により図7ではB部、図8ではD部が漏れ磁束の発生箇所となる。ここで、閉磁路構造とは磁束がフェライト基板2のような磁性基板内に閉じ込められる構造のことである。
【0006】
マイクロ電源モジュール300に用いられるインダクタ1はフェライト基板2にソレノイドコイルが形成された構造をしており、ソレノイドコイルで発生した磁束はフェライト基板2に閉じ込められるので閉磁路構造となる。
図9は、マイクロ電源モジュールにおいて、SWout端子近傍以外の部分に、測定プローブを接近させた場合(同図(a))とSWout端子近傍に測定プローブを接近させた場合(同図(b))での漏れ磁束で生ずる誘導電圧波形図である(両者の縦軸の目盛りは同じ。)。
図10は、電源ICとインダクタを個別に構成した電源モジュールにおいて、電源ICとインダクタ間の配線以外の部分に、測定プローブを接近させた場合(同図(a))と同配線に測定プローブを接近させた場合(同図(b))での漏れ磁束で生ずる誘導電圧波形図である(両者の縦軸の目盛りは同じ。)。図9および図10は実験による誘導電圧波形である。
図9、図10から、漏れ磁束による誘導電圧は配線インダクタンスに測定プローブを接近させると、マイクロ電源モジュール300および個別構成の電源モジュールの双方で大きくなることが分かる。このことから、漏れ磁束の発生はマイクロ電源モジュール300特有の問題ではないことが分かる。
【0007】
前記のことから、例えば、スイッチング方式の電源回路の場合には、漏れ磁束の影響が生じないように、漏れ磁束の影響の受けやすいICなどの電子部品やケーブルをマイクロ電源モジュールや個別構成の電源モジュールに接近させないなど電磁干渉への対策が必要であることがわかる。
このことはユーザの立場から見ると、使い勝手がよいとは言い難い。デバイス(マイクロ電源モジュールや個別構成の電源モジュール)を使いこなす難易度が高いことはユーザのセット機器開発の妨げになることから、使い勝手の良いデバイス開発・供給がデバイスメーカにとっても重要になってくる。
このような要求に対応するために、デバイスサイズ増大を招くことなく、コスト増加も最小限に抑えながら低漏れ磁束化を図る方法が求められる。
また、特許文献1に開示されている方策は、低漏れ磁束化に有効であるが、シートを新たに追加してアセンブリする必要があり、工数とコストの観点から問題がある。
また、特許文献2、3、4、5には、電源ICとインダクタを接続するボンディングワイヤに着目して、このボンディングワイヤから発生する漏れ磁束の存在を明らかにし、その対策を行うことについては何ら記載されていない。
【0008】
この発明の目的は、前記の課題を解決して、電源ICとインダクタを接続する配線(ボンディングワイヤなど)で発生する漏れ磁束を低減できるマイクロ電源モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、インダクタと、該インダクタ上に固着した電源ICと、該電源ICと前記インダクタを接続する配線とを有するマイクロ電源モジュールにおいて、少なくとも前記電源ICの出力端子と前記インダクタの端子を接続する配線(例えば、ボンディングワイヤなど)を磁気シールドする構成とする。
また、磁性粒子を含んだ樹脂で前記ボンディングワイヤを被覆して磁気シールドするとよい。
また、磁性粒子を含んだ樹脂ケースを前記電源ICと前記インダクタおよび前記配線に被せて磁気シールドするとよい。
また、一定電位(主としてグランド)に固定した導電体を前記電源ICと前記インダクタおよび前記配線に被せてシールドするとよい。
また、前記導電体が導電ケースであるとよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、電源ICとインダクタを接続する配線の表面を粒子状の磁性材料(磁性粒子)を含んだ樹脂で被覆することで、この配線で生じる漏れ磁束を低減することができる。
また、前記の配線の表面を絶縁しながら導電体で遮蔽することで、この配線で生じる漏れ磁束を低減することができる。
前記のように、漏れ磁束を低減することで、EMIの影響を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
発明の実施の形態を以下の実施例で説明する。従来と同一部位には同一の符号を付した。
【実施例1】
【0012】
図1は、この発明の第1実施例のマイクロ電源モジュールの構成図であり、同図(a)は要部平面図、同図(b)は同図(a)の矢印Aから見た要部側面図である。図2は、図1のマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータの回路図である。
図1において、インダクタ1上に電源ICチップ5を固着し、インダクタ端子3に接続する端子配線4と電源ICチップの端子6をボンディングワイヤ7で接続し、この電源ICチップ5とボンディングワイヤ7およびインダクタ1を覆うようにインダクタ1上に磁性粒子を含んだ樹脂ケース8を固着させる。
尚、図中の符号でMはインダクタ1の一方の端子でスイッチング波形を測定するためのテストピン、VOUTはインダクタ1の他方の端子でマイクロ電源モジュール100の出力端子、VINはマイクロ電源モジュールの入力端子、GNDは制御系グランド端子、PGNDは主電流が流れるパワーグランド端子、SWoutは電源IC(電源ICチップ5)の出力端子、PVDDは主電流が流れる高電圧端子、CEはON/OFF制御端子、VDDは制御系高電圧端子、COPは位相補償用コンデンサ接続端子、CRESは位相補償用コンデンサ接続端子、INは出力電圧帰還端子である。図1のPVDDとVDDが図2のVINに対応し、図1のPGNDとGNDが図2のGNDに対応する。
【0013】
この構成においては、樹脂ケース8が上方と横方向へ漏れる磁束を低減し、インダクタ1を構成するフェライト基板2が下方へ漏れる磁束を低減する働きをする。
樹脂ケース8はインダクタ1の上部にだけあればよく、インダクタ1以上の面積を必要としないので、デバイスサイズの増大を招くことがない。
しかし、樹脂ケース8は含まれた磁性粒子が漏れ磁束を低減する働きをしているが、漏れ磁束の一部が磁性粒子間の隙間から樹脂ケース8の外部へ逃げるため、板状のフェライト基板などで形成したケースに比べると漏れ磁束の低減率は小さくなる。
これが問題となる場合は、絶縁性の磁性材料であるフェライトでケースを作成して適用するとよい。
また、樹脂ケース8の代わりに磁性粒子を含んだ樹脂で表面を被覆しても同様の効果が得られる。
このマイクロ電源モジュール100は、磁性材料と樹脂を用いてパッケージングすることで磁気シールド効果を施している。この磁性材料は、インダクタ1の磁性材料として用いるようなバルク状のフェライトコアではなく、粒子状の磁性材料である磁性粒子である。この磁性粒子を樹脂と混ぜて組立工程で容易にアセンブリ(ポッティング、注型封止)できるようにし、これで表面を被覆して樹脂ケース8とする。
【0014】
この樹脂ケース8は高抵抗率であるため、電源ICチップ5やボンディングワイヤ7に触れても絶縁性を確保できる。
尚、漏れ磁束が最も発生する電源ICチップ5の出力端子であるSWout端子と接続するボンディングワイヤ7のみを磁性粒子を含んだ樹脂で被覆するだけでも大きな効果が得られる。この場合は磁性粒子を含んだ樹脂量が少なくて済むので低コスト化できる。
図2において、DC−DCコンバータはインダクタ1と電源IC(電源ICチップ5)と入力コンデンサ15と出力コンデンサ16で構成される。電源ICチップ5にはパワースイッチング素子であるNMOS11、12とそれを制御する制御回路13が形成されている。SWout端子とインダクタ1のM端子を接続する配線14の配線インダクタンスがLwであり、インダクタ1のインダクタンスがLである。配線14はSWout端子と接続するボンディングワイヤ7とM端子と接続する端子配線4で構成され、漏れ磁束が最も発生する箇所となる。この漏れ磁束は磁性粒子を含む樹脂ケース8によりケース外へ漏れる量が大幅に低減される。
【実施例2】
【0015】
図3は、この発明の第2実施例のマイクロ電源モジュールの構成図であり、同図(a)は後述の導電ケース22を透視した要部平面図、同図(b)は同図(a)の矢印Aから見た要部側面図、同図(c)はマイクロ電源モジュールの要部斜視図である。図4は、図3のマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータの回路図である。
図3のマイクロ電源モジュール200は、図1のマイクロ電源モジュール100の樹脂ケース8による磁気シールドの代わりに、導電ケース22を用いてこの導電ケースをグランド電位(または一定電位)としたグランド電位シールド(または一定電位シールド)することにより、低漏れ磁束化を図るものである。導電ケース22とインダクタ端子3が接触しないように導電ケース22の側壁底部には凹部23が形成されている。また、ボンディングワイヤ7と導電ケース22の底部22aが接触しないように絶縁膜24が被覆されている。
また、導電ケース22とフェライト基板21は、フェライト基板21の側面に形成したスリット25に導電ケースの凸部26がはめ込まれて固定する。このスリット25にはグランド電位につながるSGND端子が形成されているので、導電ケース22の電位はグランド電位に固定される。
【0016】
導電ケ−ス22を用いるとシールド効果としてはほぼ完全BOXに近くなることから、前述の磁性粒子を含んだ樹脂ケース8による磁気シ−ルドに比べて漏れ磁束の低減率は高い。ここで、完全BOXとは、底面はフェライト基板21、他の5面は金属ケース22の6面体BOXであり、シールド効果的に(ほぼ)完全閉鎖空間のことを意味する。
また、図示しないが、インダクタ1に形成した各端子3がSGND端子を除きフェライト基板21の側面や外周部に露出していないタイプのものもあり、この場合には導電ケース22の側壁底部の凹部23を形成する必要がなく、導電ケース22の側壁底部は全周に亘ってフェライト基板21と隙間なく密着するので一層完全BOX化されて、漏れ磁束の低減率はさらに高くなる。
この導電ケース22は、磁性粒子を含んだ樹脂ケース8と比べて磁束の外へ漏れが少ないので、漏れ磁束の低減効果は大きくなる。
尚、図3(c)の斜視図では、左側が組立て前の図であり、右側は組立てた後の図である。また、フェライト基板21に形成される各端子の内SGND端子は図示されているが、それ以外の端子は省略されている。
図4において、図2との違うのは、樹脂ケース8が導電ケース22に代わり、この導電ケース22がグランド電位に固定されている点である。前記したように、導電ケース22がグランド電位シールドされるので漏れ磁束は大幅に低減される。
【0017】
つぎに、誘導電圧と結合係数の関係について説明する。
図5は、誘導電圧(vo)の結合係数(k)依存性の計算例を示す図である。計算は、DC−DCコンバータ内配線インダクタンス(Lw)と接近した誘導対象(電子部品やケーブル)を図6に示すようにトランスのT型等価回路(配線抵抗Rwと配線インダクタンスLw、結合係数k)として算出している。計算に用いたRwとLwは実際のボンディングワイヤの数値を用いて次式から求めている。また、Moは漏れ磁束による相互インダクタンス(=kLw)である。図6上段の左側のコイルはSWout端子とインダクタ間で接続される配線14(ボンディングワイヤ7およびM端子と接続する端子配線4)を表し、右側のコイルはこの配線と近接する電子部品やケーブルなどの配線(実験では測定プローブのリード線)を表している。
【0018】
【数1】
【0019】
図5から、非シールド状態では、誘導対象との距離が近いほど結合係数(k)が大きいため、誘導電圧(vo)が大きくなる。逆に、誘導対象との距離が遠いほど結合係数(k)が小さくなるので、誘導電圧(vo)は小さくなる。
図1や図3に示すような方法でシールドすると、図9(a)や図10(a)に示す測定プローブをSWout端子に近接させない場合と同程度に結合係数(k)を小さくできて誘導電圧(vo)を小さくできる。
本発明の説明は、POL電源として最も使用されている降圧型コンバータに関して行ったが、これは他のチョッパー型コンバータ(昇圧型、昇降圧型)にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第1実施例のマイクロ電源モジュールの構成図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)の矢印Aから見た要部側面図
【図2】図1のマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータの回路図
【図3】この発明の第2実施例のマイクロ電源モジュールの構成図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)の矢印Aから見た要部側面図、(c)はマイクロ電源モジュールの要部斜視図
【図4】図3のマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータの回路図
【図5】誘導電圧(vo)の結合係数(k)依存性の計算例を示す図
【図6】図5を計算したときのトランスをT型等価回路に変換した図
【図7】PCB上に実装され、電源ICとインダクタを一体化したマイクロ電源モジュールを用いたDC−DCコンバータを示し、(a)は回路図、(b)は構成図
【図8】PCB上に実装され、電源ICとインダクタが別部品で構成されたDC−DCコンバータを示し、(a)は回路図、(b)は構成図
【図9】マイクロ電源モジュール300において、誘導電圧を実測した例であり、(a)はSWout端子近傍以外の部分に測定プローブを接近させた場合の誘導電圧波形図、(b)はSWout端子近傍に測定プローブを接近させた場合の誘導電圧波形図
【図10】個別部品の電源モジュールにおいて、誘導電圧を実測した例であり、(a)はSWout端子近傍以外の部分に測定プローブを接近させた場合の誘導電圧波形図、(b)はSWout端子近傍に測定プローブを接近させた場合の誘導電圧波形図
【符号の説明】
【0021】
1 インダクタ
2、21 フェライト基板
3 インダクタ端子
4 端子配線
5 電源ICチップ
6 電源ICチップ端子
7 ボンディングワイヤ
8 磁性粒子を含む樹脂ケース
11、12 FET
13 制御回路
14 配線
15 入力コンデンサ
16 出力コンデンサ
22 導電ケース
22a 底部
23 凹部
24 絶縁膜
25 スリット
26 凸部
100、200、300 マイクロ電源モジュール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インダクタと、該インダクタ上に固着した電源ICと、該電源ICと前記インダクタを接続する配線とを有するマイクロ電源モジュールにおいて、少なくとも前記電源ICの出力端子と前記インダクタの端子を接続する配線を磁気シールドすることを特徴とするマイクロ電源モジュール。
【請求項2】
前記配線がボンディングワイヤであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項3】
磁性粒子を含んだ樹脂で前記ボンディングワイヤを被覆して磁気シールドすることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項4】
磁性粒子を含んだ樹脂ケースを前記電源ICと前記インダクタおよび前記配線に被せてシールドすることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項5】
一定電位に固定した導電体を前記電源ICと前記インダクタおよび前記配線に被せてシールドすることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項6】
前記導電体が導電ケースであることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項1】
インダクタと、該インダクタ上に固着した電源ICと、該電源ICと前記インダクタを接続する配線とを有するマイクロ電源モジュールにおいて、少なくとも前記電源ICの出力端子と前記インダクタの端子を接続する配線を磁気シールドすることを特徴とするマイクロ電源モジュール。
【請求項2】
前記配線がボンディングワイヤであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項3】
磁性粒子を含んだ樹脂で前記ボンディングワイヤを被覆して磁気シールドすることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項4】
磁性粒子を含んだ樹脂ケースを前記電源ICと前記インダクタおよび前記配線に被せてシールドすることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項5】
一定電位に固定した導電体を前記電源ICと前記インダクタおよび前記配線に被せてシールドすることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ電源モジュール。
【請求項6】
前記導電体が導電ケースであることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ電源モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−176877(P2009−176877A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12698(P2008−12698)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】
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