説明

マイクロRNA分子

【課題】発生コントロールにおける生理学的調節メカニズムに関連するマイクロRNA分子を提供する。
【解決手段】特定のヌクレオチド配列又はその前駆体、前記配列又は前駆体の補体、前記の配列に対して少なくとも80%のアイデンティティを有する、及び/又はストリンジェント条件下に、前記配列にハイブリダイズする、ヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子、及び前記核酸分子少なくとも1種及び場合により薬剤学的に認容性の賦形剤を含有する薬剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に発生コントロールにおける生理学的調節メカニズムと関連している新規の小さい発現(マイクロ)RNA分子に関する。
【背景技術】
【0002】
セノラブディティス エレガンス(Caenorhabditis elegans)中で、lin−4及びlet−7は、それぞれ(1、2)発生タイミングの鍵レギュレーターとして機能する(3−5)22−及び21−ヌクレオチドRNAをコードする。これらの短いRNAの外見は、発生の間に調節されるので、これらは"マイクロRNA(miRNA)"又は小さい一時的なRNA(stRNA)とも称される(6)。lin−4及びlet−21は、現在までに公知のmiRNAである。
【0003】
その中で21−〜23−ヌクレオチドRNAが遺伝子発現の転写後レギュレーターとして機能する動物及び植物中には、2つの独特な経路が存在する。小さい干渉性RNA(siRNA)は、RNA干渉(RNAi)での配列特異的mRNAデグラデーシヨンのメディエーターとして作用し(7−11)、他方、miRNAは、mRNA翻訳の介在配列特異的抑制により発生タイミングを調節する(3−5)。siRNA及びmiRNAは、Dicerにより二本鎖RNA(dsRNA)前駆体(12、13、29)、マルチドメインRNアーゼIIIプロテインから切出され、従って類似サイズのRNA種を産生する。しかしながら、siRNAは、二本鎖であると信じられており(8、11、12)、他方miRNAは一本鎖である(6)。
【0004】
ところで、多くのより短い、特に21−及び22−nt発現RNA(マイクロRNA(miRNA)と称される)が無脊椎動物及び脊椎動物中に存在し、これらの新規RNAのいくつかは、let−7RNA(6)に類似して、高度に保存されてもいることを説明する。このことは、小さいRNAにより介在される配列特異的転写後調節メカニズムが、以前に認識されたよりもより一般的であることを示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
(a)第1表、第2表、第3表又は第4表に示されているようなヌクレオチド配列、
(b)(a)の補体であるヌクレオチド配列、
(c)(a)又は(b)の配列に対して少なくとも80%、有利には少なくとも90%及びより有利には少なくとも99%のアイデンティティを有するヌクレオチド配列及び/又は
(d)ストリンジェント条件下に、(a)、(b)及び/又は(c)の配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列
を有する単離された核酸分子に関する。
【0006】
有利な1態様で本発明は、miRNA分子及びその類似体、miRNA前駆体分子及びmiRNA又はmiRNA前駆体をコードするDNA分子に関する。
【0007】
配列(a)又は(b)に対する配列(c)のアイデンティティは、少なくとも90%、より有利には少なくとも95%であるのが有利である。アイデンティティ(%)の測定は、次のように実施することができる:
I=n:L
[ここで、Iはアイデンティティ(%)であり、nは所定の配列と第1表、第2表、第3表又は第4表に示されているような比較配列との間の同じヌクレオチドの数であり、Lは比較配列の長さである]。第1、2、3及び4表に描かれているようなヌクレオチドA、C、G及びUは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド及び/又は他のヌクレオチド類似体、即ち合成の非天然由来のヌクレオチド類似体を意味することができる。更に、ヌクレオ塩基は、相補的核酸配列への類似H−結合を形成することのできる相応するヌクレオ塩基により置換されることができ、例えば、UはTで置換されていてよい。
【0008】
更に、本発明は、ストリンジェント条件下に、第1表、第2表、第3表又は第4表に示されているようなヌクレオチド配列、その相補的配列又は高度に同じ配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列を包含する。ストリンジェントなハイブリダイゼーシヨン条件は、1×SSC及び0.1%SDS中、45℃での、有利には48℃及び更に有利には50℃での1時間、特に0.2×SSC及び0.1%SDS中での1時間の洗浄からなる。
【0009】
本発明の単離された核酸分子は、有利に18〜100ヌクレオチド、より有利には18〜80ヌクレオチドの長さを有する。成熟miRNAは、通常19〜24ヌクレオチド、特に21、22又は23ヌクレオチドの長さを有することに注目すべきである。しかしながら、これらのmiRNAは、通常は50〜90ヌクレオチド、特に60〜80ヌクレオチドの長さを有する前駆体としても提供されうる。この前駆体は、>100ヌクレオチドの長さを有してよい一次転写産物のプロセッシングにより製造することができることに注目すべきである。
【0010】
これらの核酸分子は、一本鎖又は二本鎖の形で存在することができる。このmiRNA自体は、通常一本鎖分子であるが、mi−前駆体は、通常は、二本鎖部分、例えばステム−及びループ−構造を形成することのできる、少なくとも部分的に自己相補的な分子である。DNA分子は、miRNA及びmiRNA前駆体分子をコードする。核酸は、RNA、DNA又は核酸類似分子、例えば糖−、骨格−修飾リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドから選択することができる。しかしながら、他の核酸類似体、例えばペプチド核酸(PNA)又はロックド核酸(LNA)も好適であることに注目すべきである。
【0011】
本発明の1態様において、核酸分子は、少なくとも1個の修飾ヌクレオチド類似体を含有するRNA−またはDNA分子であり、即ち天然由来のリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドが非天然由来のヌクレオチドで置換されている。この修飾ヌクレオチド類似体は、例えば、核酸分子の5’−末端及び/又は3’−末端に局在することができる。
【0012】
有利なヌクレオチド類似体は、糖−又は骨格−修飾リボヌクレオチドから選択される。しかしながら、ヌクレオ塩基修飾リボヌクレオチド、即ち天然由来のヌクレオ塩基の代わりに非天然由来のヌクレオ塩基を含有するリボヌクレオチド、例えば5−位で修飾されたウリジン又はシチジン、例えば5−(2−アミノ)プロピルウリジン、5−ブロモウリジン;8−位で修飾されたアデノシン及びグアノシン、例えば8−ブロモ−グアノシン;デアザヌクレオチド、例えば7−デアザアデノシン;O−及びN−アルキル化ヌクレオチド、例えばN6−メチルアデノシンが好適であることに注目すべきである。好ましい糖−修飾リボヌクレオチド中で、2’−OH−基は、H、OR、R、ハロ、SH、SR、NH2、NHR、NR2又はCNから選択された基で置換されており、ここで、Rは C1〜C6−アルキル、アルケニル又はアルキニルであり、ハロはF、Cl、Br又はIである。好ましい骨格−修飾リボヌクレオチド中では、隣接リボヌクレオチドに連結しているホスホエステル基が、例えばホスホチオエート基の修飾基で置換されている。前記の修飾は組み合わさすことができることに注目すべきである。
【0013】
本発明の核酸分子は、化学的合成法で又は組み換え法で、例えば合成DNA−テンプレートから又は組み換え生物から単離されたDNA−プラスミドからの酵素的転写によって得ることができる。転写のためには、典型的なファージRNA−ポリメラーゼ、例えばT7、T3又はSP6 RNA−ポリメラーゼが使用される。
【0014】
本発明は、発現コントロール配列にオペラティブに連結された組み換え核酸を有する組み換え発現ベクターにも関し、ここで、発現、即ち転写及び場合による更なるプロセッシングは、結果として前記のようなmiRNA−分子又はmiRNA前駆体分子を生じる。このベクターは、有利にはDNA−ベクター、例えばウイルスベクター又はプラスミド、特に真核細胞、より特別には哺乳動物細胞中の核酸発現のために好適な発現ベクターである。前記のベクター中に含有される組み換え核酸は、miRNA−分子それ自体の転写をする配列、その前駆体又は一次転写産物であってよく、これらは、更にプロセッシングされてmiRNA−分子を生じることができる。
【0015】
更に、本発明は、特許請求の範囲に記載の核酸分子の診断的又は治療的適用に関する。例えば、miRNAは、特定の細胞タイプ又は組織タイプ又はmiRNA−関連病原性疾病(これはmiRNA−分子又はmiRNA−分子パターンのデイファレンシャル発現によりキャラクテライズされる)を特定しかつ分類するために、生物学的試料中、例えば組織部分中で検出することができる。更に、細胞の発生段階は、一時的に発現されるmiRNA−分子を測定することにより分類することができる。
【0016】
更に、特許請求されている核酸分子は治療的適用のために好適である。例えば、この核酸分子は、発生プロセス及び発生機能障害、例えば癌に結びついている疾病のモジュレーター又はターゲットとして使用することができる。例えば、miR−15及びmiR−16は、おそらく腫瘍−サプレッサーとして機能し、従って、これらRNA又はその類似体又は前駆体の腫瘍細胞への発現又は放出は、特に白血病、例えばB−細胞慢性リンパ球性白血病(B−CLL)に対して治療効果を提供することができる。更に、miR−10は、Hox遺伝子、特にHox3及びHox4(又はショウジョウバエ中のScr及びDft)の翻訳の可能なレギュレーターである。
【0017】
一般に、特許請求の範囲に記載の核酸分子は、記載の核酸に対して少なくとも部分的に相補的である遺伝子の発現のモジュレーターとして使用することができる。更に、miRNA分子は治療的スクリーニング法のターゲットとして作用することができ、例えば、miRNA分子の抑制又は活性化は、細胞分化プロセス、例えばアポトーシスを変調することができる。
【0018】
更に、現存するmiRNA分子は、そのターゲット−特異性を変調するために、配列−修飾miRNA分子、例えば癌遺伝子、多剤耐性遺伝子又は他の治療ターゲット遺伝子の製造のための出発物質として使用することができる。新規に設計されたmiRNA分子は、有利に、例えば第1、2、3及び4表に記載のような出発miRNAに対して少なくとも80%のアイデンティティを有する。更に、miRNA分子は、それらが対称的にプロセッシングされ、かつ再び治療に関連したターゲットに向けられている二本鎖siRNAとして発生されるように修飾することができる。
【0019】
更に、miRNA分子は、組織再プログラミング法のために使用することができ、例えば、分化されたセルラインは、miRNA分子の発現により、異なる細胞タイプ又は幹細胞に形質転換できた。
【0020】
診断又は治療的適用のために、特許請求の範囲に記載のRNA分子は、薬剤学的組成物として提供されるのが有利である。この薬剤学的組成物は、活性薬剤として少なくとも1種の前記のような核酸分子及び場合による薬剤学的に認容しうる賦形剤を含有する。
【0021】
この薬剤学的組成物の投薬は、公知方法で実施することができ、ここで、核酸が所望のターゲット細胞中にインビトロ又はインビボで導入される。
【0022】
一般に使用される遺伝子導入法には、燐酸カルシウム、DEAE−デキストラン、電気泳動及びマイクロインジェクシヨン及びウイルス法が包含される「30、31、32、33、34]。細胞中へDNAを導入するためのこの公知技術への最近の追加は、カチオン性リポソームの使用である[35]。
【0023】
市場で入手可能なカチオン性脂質処方物は、例えばTfx50(Promega)又はリポフェクタミン2000(Life Technologies)である。
【0024】
この組成物は、溶液、例えば、注射液、クリーム、軟膏、錠剤、懸濁液又は類似物の形であってよい。この組成物は、任意の適当な方法で、例えば注射、経口、局所、経鼻、直腸適用等により投薬することができる。賦形剤は任意の好適な薬剤学的賦形剤であってよい。ターゲット細胞へ入るためのRNA分子の効果を増加することのできる賦形剤が有利に使用される。このような賦形剤の好適な例は、リポソーム、特にカチオン性リポソームである。
【0025】
更に、本発明は、真核生物、特に脊椎動物及び特に哺乳動物、例えばヒト又はマウス中の新規マイクロRNA−分子及びその前駆体を同定する方法に関する。この方法は次のことからなる:サイズ−分別されたRNA−集団の末端への5’−及び3’−アダプター分子のライゲーション、前記アダプターライゲートされたRNA−集団の逆翻訳及び前記の逆翻訳されたRNA−分子の、例えば増幅、コンカテマー化、クローニング及びシークエンシングによるキャラクテライゼーション。
【0026】
前記のような方法は既に文献に記載されている[8]が、siRNA分子の同定のためである。意外にも、今般、この方法は、本発明の請求の範囲に記載のようなmiRNA分子又はその前駆体の同定のためにも好適であることが判明した。
【0027】
更に、3’−OH基の誘導のための3’−アダプターとしては、4−ヒドロキシメチルベンジルだけでなく他のタイプの誘導化基、例えばアルキル、アルキルアミノ、エチレングリコール又は3’−デオキシ基も好適であることに注目すべきである。
【0028】
更に、本発明を、次の図面及び実施例につき、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1A】図1A.キイロショウジョウバエ(D.melanogaster)miRNAの発現。キイロショウジョウバエの段階集団から単離された全てのRNAのノーザンブロットを、指示miRNAのプローブとした。このブロット上に76−nt val−tRNAの位置も指示されている。5SrRNAは、ローデイングコントロールとしての役目をする。Eは胚;Lは幼虫段階;Pは蛹;Aは成虫;S2はシュナイダー−2細胞。S2細胞はポリクローナルであり、胚組織の未知のサブセットから誘導されており、培養液中に保持されている間のオリジンのそれらの組織の失われたいくつかの特徴も有しうることが指摘されるべきである。miR−3〜miR−6RNAは、S2細胞中に検出不可能であった(データが示されていない)。miR−14はノーザンブロッティングで検出されず、おそらく非常に弱く発現されており、これはそのクローニング頻度と一致した。類似のmiRNA配列は、プローブの潜在的クロス−ハイブリダイゼーシヨンの故に、ノーザンブロッティングで区別するのが困難である。
【図1B】図1B.脊椎動物miRNAの発現。HeLa細胞、マウス腎臓、ゼブラフィッシュ成魚、カエル卵巣及びS2細胞から単離された全てのRNAのノーザンブロットを、指示miRNAのプローブとした。76−nt val−tRNAの位置もこのブロット上に指示されている。指示された種からの全てのRNAの集団からの5SrRNAも示されている。miR−18、miR−19a、miR−30及びmiR−31のプロービングのために使用されたゲルは、他のゲルのようにはランしなかった(tRNAマーカー位置参照)。ノーザンブロッティングで、miR−32及びmiR−33は検出されておらず、これはそれらの低いクローニング頻度に一致していた。ノーザンプローブとして使用されたオリゴデオキシヌクレオチドは、次の通りであった:
【化1】

【図2】図2.miRNA遺伝子クラスターのゲノム構成。前駆体構造がボックスとして指示されており、この前駆体中のmiRNAの位置が灰色で示されている;染色体位置も右に指示されている。(A)キイロショウジョウバエmiRNA遺伝子クラスター。(B)ヒトmiRNA遺伝子クラスター。let−7a−1及びlet−7f−1のクラスターは、染色体9及び17上でlet−7dのコピーから26500ntだけ離れている。染色体22上で938ntだけ離れているlet−7a−3及びlet−7bのクラスターは図示されていない。
【図3】図3.キイロショウジョウバエmiRNAの予言前駆体構造。RNA二次構造予言をmフォールドバージョン3.1を用いて行い[28]、らせんセグメント中でのG/Uゆらぎ塩基対を適応させるために手で精製した。miRNA配列に下線が付されている。ステムループ構造の実際のサイズは実験的には未知であり、描写されているより僅かに短いか又は長いかもしれない。マルチコピーmiRNA及びそれらの相応する前駆体構造も示されている。
【図4】図4.ヒトmiRNAの予言前駆体構造。説明に関しては図3を参照。
【図5】図5.新規マウスmiRNAの発現。新規マウスmiRNAのノーザンブロット分析。種々のマウス組織からの全てのRNAをブロッテイングし、指示miRNAに対して相補的な5’−放射能ラベルされたオリゴデオキシヌクレオチドを用いて試験した。ゲル上の全てのRNAのイコールローデイングは、形質転換の前の臭化エチジウムステイニングにより実証され;tRNAを表しているバンドが示されている。フォールドバック前駆体が大文字Lで示されている。マウス脳を中脳mb、皮質cx、小脳cb中まで解剖した。この脳の残分rbも使用した。他の組織は、心臓ht、肺lg、肝臓lv、結腸co、小腸si、膵臓pc、脾臓sp、腎臓kd、骨格筋sm、胃stであり、Hは、ヒトHeLa SS3細胞である。ノーザンプローブとして使用されたオリゴデオキシヌクレオチドは次の通りであった:
【化2】

【図6】図6.lin−4 stRNAの可能なオーソログ。(A)マウスmiR−125a及びmiR−125b及びキイロショウジョウバエmiR−125と一緒のC.エレガンスlin−4 stRNAの配列アラインメント。差異は、灰色ボックスで強調されている。(B)キイロショウジョウバエの段階集団から単離された全てのRNAのノーザンブロットをmiR−125に関して試験した。Eは胚;Lは幼虫段階;Pは蛹;Aは成虫;S2はシュナイダー−2細胞。
【図7】図7.miRNAsの予言前駆体構造、配列アクセッシヨン番号及び相同性情報。RNA二次構造予言は、mフォールドバージョン3.1を用いて行われ、らせんセグメント中でのG/Uゆらぎ塩基対に適応させるために手で精製された。非対称的に膨らんだヌクレオチドが適応されるべき場合には、二次構造表示中にダッシュを挿入した。切出されるmiRNA配列には下線が付されている。ステムループ構造の実際のサイズは実験的には知られておらず、表示されているより僅かに短いか又は長いかもしれない。マルチコピーmiRNA及びそれらの相応する前駆体構造も指示されている。マウス前駆体がなおこのデータベースに寄託されていない場合には、ヒトオーソログが指示されている。ショウジョウバエ又はヒト配列に相応するmiRNAが包含されている。この表中には、公表されているC.エレガンスmiRNA[36、37]も包含されている。新しいHeLa細胞miRNAの最新のセットも指示されている[46]。データベースで、1つの生物に関していくつかのESTが想起された場合は、異なる前駆体配列を有するもののみが挙げられている。他の種中に見出されるmiRNA相同体が指示されている。染色体位置及び配列アクセッション番号及びmiRNA遺伝子のクラスターが指示されている。クローニングされたmiRNAからの配列を、マウス及びヒトに関しては遺伝子バンク(トレースデータを包含)で、かつフグ ルブリペス(Fugu rubripes)及びダニオ レリオ(Danio rerio)に関しては、それぞれwww.jgi.doe.gov及びwww.sanger.ac.ukでサーチした。
【実施例】
【0030】
実施例1:キイロショウジョウバエ及びヒトからのマイクロRNA
本発明者は、以前に、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)胚リゼート中での長いdsRNAのプロセッシングの後のsiRNAを単離するために、方向性クローニング法を開発した(8)。簡単にいえば、5’及び3’アダプター分子をサイズ−分別されたRNA集団の末端にライゲートさせ、引き続き、逆転写、PCR増幅、コンカテマー化、クローニング及びシークエンシングを行った。元来siRNAを単離するために意図されたこの方法は、14の新規20−〜23−ntの短かいRNA(これらはキイロショウジョウバエゲノムでコードされ、かつ0〜2h胚中に発現されている)の同時同定をもたらした(第1表)。この方法は、HeLa細胞全RNAからの類似サイズ範囲内のクローンRNAに適応され、これは19の新規ヒトstRNAの同定をもたらし(第2表)、従って、更に、潜在的調節役割を有する小さいRNAの大クラスの存在の証拠を提供していた。それらの小さいサイズに従って、これらの新規RNAをマイクロRNA又はmiRNAと称する。これらのmiRNAは、miR−1〜miR−33と略記され、この遺伝子をコードしているmiRNAは、mir−1〜mir−33と名付けられている。高い相同性のmiRNAが、小文字の付加、引き続くダッシュ及びmir遺伝子のマルチプルゲノミックコピーを指名する番号により分類されている。
【0031】
クローニングされた内因性の短かいRNAの発現及びサイズもノーザンブロッティングにより検査された(図1、第1及び2表)。酸性グアニジニウムチオシアネート−フェノール−クロロフォルム抽出により全てのRNA単離を実施した[45]。全てのRNAを15%変性ポリアクリルアミドゲル上に溶かし、ハイボンド−N+メンブラン(Amersham Pharmacia Biotech)上に移行させ、かつハイブリダイゼーシヨン及び洗浄工程を50℃で行ったことを除き、[1]に記載のようにノーザン分析を行った。ノーザンプローブとして使用されたオリゴデオキシヌクレオチドは、5’−32P−リン酸化されており、miRNA配列に対して相補的であり、かつ長さが20〜25ntであった。
【0032】
トランスファーの前に、ポリアクリルアミドゲルのエチジウムステイニングにより、5SrRNAを検出した。ブロットを、0.1%水性ドデシル硫酸ナトリウム/0.1×SSC(15mM塩化ナトリウム、1.5mMクエン酸ナトリウム、pH7.0)中での10分間の沸騰によりストリッピングし、21−ntシグナルが検出のためには弱すぎるようになるまで4回まで再プローブ化させた。最後に、ブロットをサイズマーカーとしてのval−tRNAのプローブとした。
【0033】
キイロショウジョウバエRNAの分析のために、全てのRNAを、異なる発生段階から、同様に培養シュナイダーー2(S2)細胞(これは、元来20−24hキイロショウジョウバエ胚から誘導された[15])から製造した(図1、第1表)。miR−3〜miR−7は、胚形成の間にのみ発現されており、後期発生段階には発現されていない。miR−1、miR−2及びmiR−8〜miR−13の一時的発現は、ほとんど制限されなかった。これらのmiRNAは、すべての発生段階で観察されたが、発現レベルでの著しい変異が屡々観察された。興味深いことに、miR−1、miR−3〜MiR−6及びMiR−8〜miR−11は、元来20〜24hキイロショウジョウバエ胚から誘導された培養シュナイダー−2(S2)細胞からは完全に不在であったが、miR−2、miR−7、miR−12及びmiR−13は、S2細胞中に存在したので、細胞タイプ−特異的miRNA発現を示している。miR−1、miR−8及びmiR−12発現パターンは、C.エレガンス中のlin−4 stRNAのそれに類似しており、それらの発現は、幼虫中で強くアップレギュレートされており、成虫期まで保持されている[16]。miR−9及びmiR−11は、全ての段階で存在するが、生殖細胞からの母系寄与又は1セックス中のみでの発現を反映することができる成虫中では著しく減少されている。
【0034】
mir−3〜mir−6遺伝子はクラスター化されており(図2A)、mir−6が、miRNA配列それ自体中ではなく、mir−6前駆体配列中に、僅かな変異を有するトリプル反復として存在している。miR−3〜miR−6の発現プロフィルは、高度に類似しており(第1表)、これは、単一胚−特異性前駆体転写産物が、異なるmiRNAの元でありうるか、又は同じエンハンサーが、miRNA−特異性プロモーターを調節することを示している。いくつかの他のハエmiRNAが、遺伝子クラスター中にも見出されている(図2A)。
【0035】
HeLa細胞miR−5〜miR−33の発現を、マウス腎臓、ゼブラフィッシュ成魚、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵巣及びキイロショウジョウバエS2細胞から製造された全RNAに加えて、HeLa細胞全RNAを用いるノーザンブロッティングにより検査した(図1B、第2表)。miR−15及びmiR−16が、遺伝子クラスター中でコードされており(図2B)、マウス腎臓、フィッシュ中で、かつ非常に弱くカエル卵巣中で検出されており、これは、卵母細胞中よりも体性卵巣組織中でのmiRNA発現からの結果でありうる。mir−17〜mir−20もクラスター化されており(図2B)、HeLa細胞及びフィッシュ中に発現されているが、マウス腎臓及びカエル卵巣中では検出不能であり(図1、第2表)、従って組織−特異的miRNA発現の有望なケースを表している。
【0036】
この研究で同定された脊椎動物及び無脊椎動物miRNAの大部分は、配列で関係付けられていないが、高度に保存されたlet−7RNA[6]と類似する僅かな例外が存在する。キイロショウジョウバエmiRNAの配列分析は、無脊椎動物と脊椎動物との間の配列保存の4つのこのような例を示していた。miR−1同族体(homolog)が、C.エレガンス、C.ビリッグサエ(briggsae)及びヒトのゲノム中でコードされており、ゼブラフィッシュ、マウス、牛及びヒトからのcDNA中に見出されている。mir−1の発現は、ゼブラフィッシュ成魚及びC.エレガンスからの全RNA中でのノーザンブロッティングにより検出されたが、HeLa細胞又はマウス腎臓からの全RNA中には検出されなかった(第2表及び示されていないデータ)。興味深いことに、mir−1及びlet−7が共に成熟ハエ中に発現されており(図1.A)[6]、かつ双方はS2細胞中には検出されておらず、miR−1は、let−7とは異なり、HeLa細胞中に検出不能である。このことは、miRNAの組織−特異的発現の他のケースを表しており、miRNAが発生タイミングにおいてだけでなく、組織特異化時においても調節役割を演じることができることを示している。miR−7同族体がマウス及びヒトゲノム及び発現配列tag配列(ESTs)のデータベースサーチによって見出された。2つの哺乳動物miR−7変異体がマウス及びヒトでの配列分析により予言されており、HeLa細胞及びフィッシュ中でのノーザンブロッティングで検出されたが、マウス腎臓中では検出されなかった(第2表)。同様に、データベースサーチにより、マウス及びヒトmiR−9及びmiR−10同族体を同定したが、マウス腎臓中ではmir−10発現を検出しただけである。
【0037】
既にマルチプル配列突然変異を獲得している進化に関連するmiRNAの同定は、標準的なバイオ情報サーによっては不可能であった。キイロショウジョウバエmiRNAとヒトmiRNAとの直接比較は、キイロショウジョウバエmiR−6とHeLa miR−27との間に分配された11nt−セグメントを同定したが、更なる関連性を検出しなかった。大抵のmiRNAは、単一ターゲット上に作用するだけであり、従って共変による迅速評価を可能とすること、及び高度に保存されたmiRNAは、1より多いターゲット配列上に作用し、従って共変による進化による移動の低い可能性を有することが推測できる[6]。二者択一的解釈は、キイロショウジョウバエ及びヒトからのmiRNAのセットはかなり不完全であり、かつ失われた進化リンクを提供する多くのmiRNAがなお発見されるべきことである。
【0038】
lin−4及びlet−7 stRNAは、ほぼ30塩基対のステムループ構造を有する長い転写物から切出されると予言されていた[1、6]。新たに同定されたmiRNAのデータベースサーチは、全てのmiRNAが安定なステム−ループ構造を形成する能力を有する配列によりフランクされていることを示していた(図3及び4)。多くの場合に、ノーザンブロッティングにより、予言されたほぼ70−ntの前駆体を検出することができた(図1)。
【0039】
いくつかのmiRNA前駆体配列も哺乳動物cDNA(EST)データベース[27]で同定されており、70−ntステム−ループ前駆体より長い一次転写産物も存在することを示していた。本発明者は、新たに同定されたmiRNAに対して相補的な22nt−RNAをクローニングしなかったし、miRNAとその相補的ストランドとの間の細胞プロセッシング機械的区別をいかにして行うかはなお未知である。前駆体ステム−ループ構造の比較分析は、塩基対合miRNAセグメントに隣接するループがmiRNA配列のどちら側上にも局在することができることを示しており(図3及び4)、ステム−終結ループの5’又は3’位置はmiRNA切出しのデテルミナントではないことを暗示している。前駆体ステムの構造、長さ又は安定性は、この塩基対合構造が屡々不完全であり、低い安定性の非−ワトソン−クリック塩基対、例えばG/A、U/U、C/U、A/A及びG/Uゆらぎにより散在されているので、重要なデテルミナントでありそうもない。従って、配列−特異的認識プロセスは、おそらくアルゴナウテ(Argonaute)(rde−1/ago1/piwi)蛋白質ファミリーのメンバーにより介在されるmiRNA切出しのための有望なデテルミナントである。最近、このファミリーの2メンバー、alg−1及びalg−2は、C.エレガンス中のstRNAプロセッシングのために重要であることが明らかにされた[13]。このアルゴナウテ蛋白質ファミリーのメンバーは、RNAi及びPTGS中にも包含されている。キイロショウジョウバエ中でこれらは、アルゴナウテ2、siRNA−エンドヌクレアーゼ複合体の1成分(RISC)[17]及びその関連オーバージーン(aubergine)(これは反復遺伝子のサイレンシングのために重要である)[18]を包含する。他の種において、これらは、rde−1、アルゴナウテ1及びqde−2を、それぞれC.エレガンス[19]、シロイロナズナ(Arabidopsis thaliana)[20]及びアカパンカビ(Neurospora crassa)[21]中に包含する。従って、このアルゴナウテ蛋白質ファミリーは、RNアーゼIII Dicer[12、13]と並んで、RNAiとmiRNA突然変異との間の他の進化リンクを表す。
【0040】
進んだゲノムプロジェクトにもかかわらず、遺伝子をコードする機能的RNAのコンピュータ−補助検査は、問題が残っている[22]。発現された短い機能的RNAのクローニングは、ESTアプローチ(RNomics)と同様に、有力な選択的で、かつおそらくこのような新規遺伝子産生物の同定のための最も有効な方法である「23−26]。機能的RNAの数は、すこぶる過小評価されており、新規の機能的RNAクローニング方法論の開発の故に急速に成長することが期待されている。
【0041】
将来への挑戦は、バイオ情報学並びに遺伝子学を用いることによりこれら新規miRNAの機能及び可能なターゲットを定義し、かつ既に同定された及びなお同定されていないmiRNAの時間−及び組織−特異的分布の完全なカタログを確立することである。lin−4及びlet−7 stRNAは、その3’未翻訳領域がstRNAに対して相補性の部位を有するmiRNAによりコードされた蛋白質の発現を負に調節する[3−5]。
【0042】
従って、19−〜23−ヌクレオチドマイクロRNA(miRNA)をコードする一連の33の新規遺伝子が、ハエ胚及びヒト細胞からクローニングされている。これらmiRNAのいくつかは、脊椎動物と無脊椎動物との間で高度に保存されており、発生学的に又は組織−特異的に発現されている。キャラクテライズされたヒトmiRNAの2つは、B−細胞慢性リンパ球白血病で腫瘍サプレッサーとして機能することができる。miRNAは、既に記載の21−及び22−ntRNAの小クラス(lin−4及びlet−7RNA)、いわゆる小さい一時的なRNA(stRNA)と関連しており、C.エレガンス及び他の種中での発生タイミングを調節する。stRNAと同様に、miRNAは、それらの3’−未翻訳領域中に存在している部分的に相補的な部位への結合により特異的ターゲットmRNAの翻訳を調節すると考えられている。
【0043】
miRNA発現の脱調節は、ヒト疾病の原因となり得、miRNAの発現の検出は、診断学として有用になり得る。特別なmiRNAを欠いている細胞又は組織中でのmiRNAの調節された発現は、組織工学のために有用であり、かつmiRNAの放出又はトランスジェニック発現は、治療的介在のために有用でありうる。miRNAは、有用な薬剤ターゲットそれ自体をも意味することができる。最後に、miRNA及びそれらの前駆体配列は、治療学的に重要なターゲットを認識するために巧みに計画することができる。
【0044】
実施例2:マウスからのmiRNA
哺乳動物中のmiRNAの分布及び機能へのより詳細な洞察を得るために、成熟マウスでのmiRNAの組織−特異的分布を調査した。通常はノーザンブロット分析で検出されない低量miRNAはクローン的に同定されるので、特異組織からのmiRNAのクローニングを、全体の生物−ベースクローニングに渡って実施した。21−ntRNAを検出するためのin situ ハイブリダイゼーシヨン法は、未だ開発されてもいない。従って、18.5週齢BL6マウスから単離された全RNAから19−〜25−ヌクレオチドRNAをクローニングし、かつシークエンシングした。miRNAのクローニングを次のように実施した:全RNAの0.2〜1mgを15%変性ポリアクリルアミドゲル上で分離し、19−〜25−ntサイズのRNAを回収した。5’−リン酸化された3’−アダプターオリゴヌクレオチド(5’−pUUUaaccgcgaattccagx:大文字はRNA;小文字はDNA;pはホスフェート;xは3’−アミノ−モディファイアーC−7、ChemGenes,Ashland,Ma,USA,Cat.No.NSS−1004;SEQ ID NO:54)及び5’−アダプターオリゴヌクレオチド(5’−acggaattcctcactAAA:大文字はRNA;小文字はDNA;SEQ ID NO:55)を短かいRNAにライゲートさせた。RT/PCRを、3’−プライマー(5’−GACTAGCTGGAATTCGCGGTTAAA;SEQ ID NO:56)及び5’−プライマー(5’−CAGCCAACGGAATTCCTCACTAAA;SEQ ID NO:57)を用いて実施した。BanI制限部位を導入するために、プライマー対5’−CAGCCAACAGGCACCGAATTCCTCACTAAA(SEQ ID NO:57)及び5’−GACTAGCTTGGTGCCGAATTCGCGGTTAAA(SEQ ID NO:56)を用いて第2PCRを実施し、引き続きBan I消化の後のコンカテマー化及びT4DNAライゲーションを行った。400〜600塩基対のコンカテマーを、1.5%アガロースゲルから切出し、バイオトラップ(Schleicher & Schuell)電気溶出(1×TAEバッファ)及びエタノール沈殿により回収した。引き続き、このコンカテマーの3’末端を、72℃で、Taqポリメラーゼと一緒の15分間インキュベーシヨンにより、充填した。この溶液を水で3倍に希釈し、直接、pCR2.1 TOPOベクター中へのライゲーションのために使用した。クローンをPCRでの挿入のためにスクリーニングし、30〜50試料をシークエンシングに供した。RNAが数匹のマウスの結合組織から製造されたので、多クローン中で複数回検出された微量配列変異は、RT/PCR突然変異よりもむしろ多型を反映しているらしい。約21−ntのRNAをコードするゲノム配列の同定のためにパブリックデータベースサ−チングを使用した。隣接上流又は下流フランキング配列を包含する20〜30塩基対フォールド−バック構造の発生が、miRNAを指定するために用いられた[36−38]。
【0045】
9種の異なるマウス組織を試験し、そのいくつかが高度に組織−特異的に発現される34の新規miRNAを同定した(第3表及び図5)。更に、異なるマウス組織から、かつヒトSoas−2骨肉腫細胞からも33の新しいmiRNAを同定した(第4表)。miR−1は、以前に、ノーザン分析で成体心臓中に強く発現されるが、脳、肝臓、腎臓、肺又は結腸中には発現されないことが明らかにされた[37]。ここで、本発明者は、miR−1が、心臓中に見出される全てのマウスmiRNAの45%を占めるが、なおmiR−1は、ノーザン分析で検出不可能のままであるとはいえ肝臓及び中脳中に低いレベルで発現されていたことを明らかにする。miR−1の3コピー又は多型対立遺伝子がマウス中に見出された。マウスとヒトとの間の組織−特異的miR−1発現の保存は、このmiRNAの保存された調節役割の付加的証拠を提供する。肝臓中で、miR−122の変異体が全てのクローニングされたmiRNAの72%を占め、miR−122は分析された他の全ての組織中には検出されなかった。脾臓中で、miR−143が、最も豊富に、ほぼ30%の頻度で現われた。結腸中で、miR−142−asが数回クローニングされ、30%の頻度で現われてもいた。小腸中では、統計的分析を許容するためには少なすぎるmiRNA配列が得られた。これは、この組織中の強力なRNアーゼ活性(これが、多量の非−コーデイングRNA即ちrRNAの顕著なブリークダウンを引き起こした)に基づいたので、このクローニングされた配列中のmiRNAのこのフラクシヨンは、非常に低かった。同様な理由で、膵臓からmiRNA配列は得られなかった。
【0046】
神経組織miRNA分布での洞察を得るために、皮質、小脳及び中脳を分析した。心臓、肝臓及び小腸と同様に、特別なmiRNAの変異体 miR−124が優位を占め、全ての脳miRNAの25〜48%を占めた。脳組織からもクローニングされたmiR−101、−127、−128、−131及び−132を、更にノーザンブロッティングで分析し、かつ主に脳−特異的であることが明らかにした。ノーザンブロット分析を、実施例1の記載と同様に実施した。イコールローデイング(equal loading)を立証するために、転写の前に、ポリアクリルアミドゲルのエチジウムステイニングにより、tRNA及び5SrRNAを検出した。脱イオン化水中で5分間の沸騰によりブロットをストリッピングし、21−ntシグナルが検出のために弱すぎるようになるまで、4回まで再プローブ化した。
【0047】
miR−125a及miR−125bは、C.エレガンスlin−4stRNAの配列に非常に類似しており、そのオーソログを意味することができる(図6A)。他の種中で既に検出されたlet−7に似ず、lin−4は、中心領域中に僅かな突然変異を獲得し、従って、バイオ情報データベースサーチを脱したので、このことは非常に重要である。マウス配列miR−125bを用いて、容易に、キイロショウジョウバエゲノム中で、そのオーソログを同定することができた。miR−125a及びmiR−125bは、中心ジウリジン挿入によって、かつUからCへの変化によってのみ異なっている。miR−125bは、ターゲットmRNA認識の間に膨張すると推定されている中心領域中のみに位置する差異を有して、lin−4stRNAに非常に類似している[41]。脳組織から、miR−125a及びmiR−125bがクローニングされたが、他の組織中でのノーザン分析でも、発現が検出され、lin−14発現をコントロールすることによる調節性神経リモデリングでのlin−4の役割と一致した[43]。不幸にも、C.エレガンスlin−14に対するオーソログは記載されておらず、miR−125ターゲットは、キイロショウジョウバエ又は哺乳動物中で同定されるべきことが残っている。最後に、miR−125b発現は発生的にも調節されており、キイロショウジョウバエの蛹及び成虫中でのみ検出可能であるが、胚又は幼虫中では検出不能である(図6B)。
【0048】
マウスmiRNAと既に記載のmiRNAとの配列比較は、miR−99b及びmiR−99aが、キイロショウジョウバエ、マウス及びヒトmiR−10、並びにC.エレガンスmiR−51に類似しており[36]、miR−141はキイロショウジョウバエmiR−8に類似し、miR−29bはC.エレガンスmiR−83に類似し、かつ、miR−131及びmiR−142−sはキイロショウジョウバエmiR−4及びC.エレガンスmiR−79に類似している[36]ことを表している。miR−124aは、無脊椎動物と脊椎動物との間で保存されている。この関係で、マウスからクローニングされた殆ど全てのmiRNAもヒトゲノム中でコードされており、屡々、他の脊椎動物、例えばフグ類、フグ リブリペス(Fugu rubripesu)及びゼブラフィッシュ ダニオ レリオ(Danio rerio)中に検出されたことに注目すべきである。配列保存は、これらのmiRNAの機能での保存を指摘することができる。図7中に、オーソロガス配列に関する包括的情報が挙げられている。
【0049】
二つのケースで、以前にC.エレガンスmiRNAに関して観察されたmiRNA前駆体の双方のストランドをクローニングした(第3表)[36]。miRNA前駆体の最も頻繁にクローニングされたストランドは機能的miRNAを表すと考えられており、これは、miR−30c−s及びmiR−142−as(s及びasはそれぞれフォールド−バック構造の5’又は3’側を指示している)である。
【0050】
mir−142遺伝子は、染色体17上に位置しているがt(8;17)転座の切断点接合部にも見出されており、これが、転座されたMYC遺伝子の強いアップレギュレーションに基づく攻撃的B−細胞白血病を起こさせる[44]。最初のエキソンの所で先端切断されてもいる転座されたMYC遺伝子は、miR−142前駆体の3’−末端の4−ntだけ下流に局在していた。このことは、転座されたMYCが上流miR−142プロモーターのコントロール下にあったことを示している。EST配列を有するマウス及びヒトmiR−142のアラインメントは、mir−142ヘアピンのほぼ20nt保存された配列エレメント下流を指示している。このエレメントは、転座時に失われた。推定miR−142/miRNA融合時に保存された下流配列エレメントの不存在は、miRNA前駆体としての転写産物の認識を妨げたので、融合転写産物の集積及びMYCの過剰発現を起こさせたかもしれないと考えられる。
【0051】
結腸からクローニングされたmiR−155が公知の非コーディングBIC RNAから切出されている[47]。BICは、元来、トリ白血病ウイルスにより誘発されるB細胞リンパ腫中の共通レトロウイルス組み込み部位でのプロモーター挿入により転写活性化された遺伝子として同定されていた。ヒト、マウス及びニワトリからのBICcDNAの比較は、138ヌクレオチドにわたる78%アイデンティティを示した[47]。このアイデンティティ領域は、miR−155フォールド−バック前駆体及びこのフォールド−バック配列のいくつかの保存ボックス下流をカバーする。ヒト、マウス及びニワトリ中のリンパ器官及び細胞中のBICの発現の比較的高いレベルは、進化により保存された機能を意味しているが、BIC RNAは非−造血組織中に低レベルで検出されてもいる[47]。
【0052】
他の重要な観察は、miRNAに対して完全に相補性のセグメントは、mRNA配列中又はmiRNA逆方向反復の外側のゲノム配列中には観察されないことであった。これはRNAiとmiRNAプロセッシングの間のリンクに基づく偶然であり得る[11、13、43]とはいえ、miRNAは完全に相補的なターゲットRNAを分断する能力を保持していることが推測できる。ターゲットデグラデーションなしの翻訳コントロールは、よりフレキシビリティを提供することができるはずなので、mRNAデグラデーシヨンよりも有利であり得る。
【0053】
要約すると、63の新規miRNAがマウスから同定され、ヒトSoas−2骨肉腫細胞から4の新規miRNAが同定され(第3表及び第4表)、これらはヒト及び屡々他の非哺乳脊椎動物中でも保存されている。これらのmiRNAのいくつかは、極めて組織特異性であることが明らかであり、組織−特異性及び細胞系譜決定でのいくつかのmiRNAの重大な役割を暗示している。本発明者は、C.エレガンスlin−4 stRNAのミバエ及び哺乳動物オーソログも同定することができた。miRNA配列の総括的なリストの確立は、miRNA−調節ターゲットmRNAを同定するために完全ゲノム及び系統発生学的比較の力を使用させるバイオ情報学的研究のための手段になるであろう。
【0054】
参照文献及び注意事項
【表1】

14.キイロショウジョウバエ0−2h胚リゼートからの19−〜24−ntRNAのクローニングを、記載のように実施した(8)。HeLa miRNAのクローニングのために、HeLa全RNAの1mgを15%変性ポリアクリルアミドゲル上で分離させ、19−〜25nt−サイズのRNAを回収した。5’リン酸化された3’アダプターオリゴヌクレオチド(5’pUUU−aaccgcgaattccagx:大文字はRNA;小文字はDNA;pはホスフェート;xは4−ヒドロキシメチルベンジル;SEQ ID NO:54)及び5’アダプターオリゴヌクレオチド(5’acggaattcctcactAAA:大文字はRNA;小文字はDNA;SEQ ID NO:55)を短かいHeLa細胞RNAにライゲートさせた。RT/PCRを、3’プライマー(5’GACTAGCTGGAATTCGCGGTTAAA;SEQ ID NO:56)及び5’プライマー(5’CAGCCAACGGAATTCCTCACTAAA;SEQ ID NO:57)を用いて実施し、かつ引き続きEcoRI消化後のコンカテマー化及びT4DNAライゲーションを行った(8)。コンカテマーのpCR2.1TOPOベクター中へのライゲーションの後に、約100のクローンを選択し、シークエンシングに供した。
【0055】
【表2】

27.www.sciencemag.org/cgi/content/full/xxxでのサイエンスオンラインで補助的Webマテリアルが利用できる。
【0056】
【表3】

【0057】
第1表
キイロショウジョウバエmiRNA。与えられている配列は、クローニングにより同定された最も豊富で、かつ典型的な最長のmiRNA配列を表し;miRNAは、屡々その3’末端で1又は2個のヌクレオチドの長さで変動する。シークエンシングされた222の短かいRNAのうち、69(31%)はmiRNAに、103(46%)は既にキャラクテライズされた機能的RNA(rRNA、7SLRNA、tRNA)に、30(14%)はトランスポゾンRNAフラグメントに、かつ20(10%)はデータベース登録のない配列に相当した。全ての同定されたmiRNAに関連している特別なmiRNAをクローニングの頻度(freq)が、パーセントで示されている。キイロショウジョウバエの段階集団から単離された全RNAのノーザンブロッティングの結果がまとめられている。Eは胚;Lは幼虫段階;Pは蛹;Aは成虫:S2はSchneider−2細胞。各ブロットのシグナルの強さは、最強(+++)〜非検出(−)で表されている。対照としてlet−7stRNAを検査した。他の種中でのデータベースサーチングにより同定された遺伝子バンクアクセッシヨン番号及びmiRNAの相同体が補助的マテリアルとして提供されている。
【0058】
【表4】

*類似のmiRNA配列は、プローブの潜在的クロスハイブリダイゼーシヨンの故に、ノーザンブロッティングにより区別することが困難である。
【0059】
第2表
ヒトmiRNA。シークエンシングされた220の短かいRNAのうち、100(45%)はmiRNAに、53(24%)は既にキャラクテライズされた機能的RNA(rRNA、snRNA、tRNA)に、かつ67(30%)はデータベース登録のない配列に相当した。異なる脊椎動物種及びS2から単離された全RNAのノーザンブロッティングの結果が示されている。説明に関しては第1表を参照。
【0060】
【表5】

【0061】
【表6】

【0062】
*類似のmiRNA配列は、プローブの潜在的クロス−ハイブリダイゼーシヨンの故に、ノーザンブロッティングにより区別するのが困難である。
【0063】
第3表
マウスmiRNA。指示されている配列は、クローニングにより同定された最長のmiRNA配列を表す。miRNAの3’−末端は、屡々1又は2個のヌクレオチドで先端切断されている。85%(即ち、21ヌクレオチドの18を占める)より多くが配列において同じであるか又は1−又は2−ヌクレオチド内部欠失を有するmiRNAは、同じ遺伝子番号、引き続く小文字で記載されている。関連miRNAの間の微量配列変異は、一般にmiRNA配列の末端近くに見出され、ターゲットRNA認識を害しないと考えられている。微量配列変異は、ターゲット認識の間にG−Uゆらぎ塩基対として適応されるAからGへ及びCからUへの変化をも表すことができる。末尾の−s又は−asを有するmiRNAは、miRNA前駆体の5’−ハーフ又は3’−ハーフのいずれかから誘導されたRNAを示している。マウス脳を中脳mb、皮質cx、小脳cb中まで解剖した。分析された組織は、心臓ht;肝臓lv;小腸si;結腸co;皮質ct;小脳cb;中脳mbであった。
【0064】
【表7】

【0065】
【表8】

【0066】
【表9】

【0067】
【表10】

【0068】
a)当初に記載されたmiR−30が、mir−30a遺伝子でコードされた前駆体の反対側のストランドから誘導されたmiRNAから区別するために、miR−30a−asに名称変更された。miR−3a−sはmiR−97に均等である[46]。
【0069】
b)1−nt長さ不均一が5’及び3’末端の双方上に見出されている。22−nt miR配列が示されているが、21−nt miRAのみがクローニングされた。
【0070】
第4表
マウス及びヒトmiRNA。指示されている配列は、クローニングにより同定された最長のmiRNA配列を表している。miRNAの3’末端は、屡々1又は2個のヌクレオチドで先端切断されている。85%(即ち21ヌクレオチドの18を占める)より多くが配列において同じであるか、又は1−又は2−ヌクレオチド内部欠失を有するmiRNAが、同じ遺伝子番号、引き続く小文字で記載されている。関連miRNAの間の微量配列変異は、一般にmiRNA配列の末端近くに見出され、ターゲットRNA認識を害しないと考えられている。微量配列変異は、ターゲット認識の間のG−Uゆらぎ塩基対として適応されるAからG及びCからUへの変化をも表すこともできる。マウス脳を中脳mb;皮質cx;小脳cb中まで解剖した。分析された組織は、肺ln;肝臓lv;脾臓sp;腎臓kd;皮膚sk;精巣ts;卵巣ov;胸腺thy;眼ey;皮質ct;小脳cb;中脳mbであった。ヒト骨肉腫細胞SAOS−2細胞は、誘導可能なp53遺伝子(p53−は誘導されていないp53;p53+は誘導されたp53)を含有し、誘導された及び誘導されていないSAOS細胞から同定されたmiRNA中の差異は、統計的に有意ではなかった。
【0071】
【表11】

【0072】
【表12】

【0073】
第5表
キイロショウジョウバエmiRNA配列及びゲノム位置。挙げられている配列は、クローニングにより同定された最も豊富でかつ典型的な最長のmiRNA配列を表している。miRNAsは、それらの3’−末端で1又は2個のヌクレオチドの長さで変動することが屡々観察された。シークエンシングされた222の短かいRNAのうち、69(31%)はmiRNAに、103(14%)は既にキャラクテライズされた機能的RNA(rRNA、7SLRNA、tRNA)に、30(14%)はトランスポゾンRNAフラグメントに、かつ20(10%)はデータベース登録のない配列に相当していた。5’−グアノシンを有するRNA配列は、クローニング操作の故に、おそらく他より少ない(8)。他の種中に見出されたmiRNA相同体が指示されている。染色体位置(chr)及び遺伝子バンクアクセッシヨン番号(acc.nb.)が示されている。データベースサーチングによってESTマッチングmiR−1〜miR−4は検出不能であった。
【0074】
【表13】

【0075】
【表14】

【0076】
第6表
ヒトmiRNA配列及びゲノム位置。シークエンシングされた220の短かいRNAのうち、100(45%)はmiRNAsに、53(24%)は既にキャラクテライズされた機能的RNA(rRNA、snRNA、tRNA)に、かつ67(39%)はデータベース登録のない配列に相当した。
【0077】
【表15】

【0078】
【表16】

【0079】
【表17】

【0080】
*データベースで1生物に関していくつかのESTが引出された場合には、異なる前駆体配列を有するもののみが挙げられている。
【0081】
+ 前駆体構造は、図4中に示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1表、第2表、第3表又は第4表に示されているようなヌクレオチド配列又は図3、図4又は図7中に示されているようなそれらの前駆体、
(b)(a)の補体であるヌクレオチド配列、
(c)(a)又は(b)の配列に対して少なくとも80%のアイデンティティを有するヌクレオチド配列及び/又は
(d)ストリンジェント条件下に、(a)、(b)及び/又は(c)の配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列
を有する単離された核酸分子。
【請求項2】
配列(c)のアイデンティティが少なくとも90%である、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項3】
配列(c)のアイデンティティが少なくとも95%である、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項4】
第1表中に示されているようなmiR1〜14又は第2表中に示されているようなmiR15〜33又は第3表中に示されているようなmiR1〜155又は第4表中に示されているようなmiR−C1〜34又はこれらの補体から選択されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の核酸分子。
【請求項5】
図3中に示されているようなmir1〜14又は図4中に示されているようなlet−7a〜7f又はmir15〜33又は図7中に示されているようなlet7a〜i又はmir1〜155又はmir−c1〜34又はこれらの補体から選択されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の核酸分子。
【請求項6】
18〜25ヌクレオチドの長さを有するmiRNA分子又はその類似体である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の核酸分子。
【請求項7】
60〜80ヌクレオチドの長さを有するmiRNA前駆体分子又はそれをコードするDNA分子である、請求項1から3又は5のいずれか1項に記載の核酸分子。
【請求項8】
一本鎖である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の核酸分子。
【請求項9】
少なくとも部分的に二本鎖である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の核酸分子。
【請求項10】
RNA、DNA又は核酸類似体分子から選択されている、請求項1から9までのいずれか1項に記載の核酸分子。
【請求項11】
少なくとも1個の修飾ヌクレオチド類似体を含有する分子である、請求項10に記載の核酸分子。
【請求項12】
組み換え発現ベクターである、請求項10に記載の核酸分子。
【請求項13】
活性薬剤としての請求項1から12までのいずれか1項に記載の核酸分子少なくとも1種及び場合により薬剤学的に認容性の賦形剤を含有する、薬剤組成物。
【請求項14】
診断学的適用のための、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
治療的適用のための、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
発生的又は病原性プロセスのマーカー又はモジュレーターとしての、請求項13から15までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
発生的疾病、特にB−細胞慢性白血病のような癌のマーカー又はモジュレーターとしての、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
遺伝子発現のマーカー又はモジュレーターとしての、請求項13から15までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
記載の核酸分子に対して少なくとも部分的に相補的である遺伝子の発現のマーカー又はモジュレーターとしての、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
サイズ−分別されたRNA集団の末端への5’−及び3’−アダプター分子のライゲーション、記載のアダプター含有RNA集団の逆転写及びこの逆転写産生物のキャラクテライゼーションからなる、マイクロRNA分子又はその前駆体分子を同定する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図7−4】
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【図7−5】
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【図7−6】
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【図7−7】
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【図7−8】
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【図7−9】
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【図7−10】
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【図7−11】
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【図7−12】
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【図7−13】
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【図7−14】
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【図7−15】
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【図7−16】
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【図7−17】
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【図7−18】
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【図7−19】
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【図7−20】
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【図7−21】
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【図7−22】
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【図7−23】
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【図7−24】
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【図7−25】
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【図7−26】
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【図7−27】
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【図7−28】
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【図7−29】
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【図7−30】
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【図7−31】
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【図7−32】
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【図7−33】
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【図7−34】
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【図7−35】
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【図7−36】
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【公開番号】特開2009−278981(P2009−278981A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155226(P2009−155226)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【分割の表示】特願2003−532675(P2003−532675)の分割
【原出願日】平成14年9月27日(2002.9.27)
【出願人】(390040420)マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ (54)
【氏名又は名称原語表記】Max−Planck−Gesellschaft zur Foerderung der Wissenschaften e.V.
【住所又は居所原語表記】Berlin, Germany
【Fターム(参考)】