説明

マグネットローラの組立て装置

【課題】長尺磁石成形体の折れ・欠けを防止して確実に円筒状磁石成形体に貼り付けることができるマグネットローラの組立て装置を提供する。
【解決手段】マグネットローラの組立て装置30は、磁性材料で形成された固定具64と、該固定具64に吸着したマグネットブロック27をローラ本体26の溝28内まで搬送する搬送ユニット62と、マグネットブロック27との間の距離が変化するように固定具64内を移動自在に設けられた磁石74と、該磁石74を移動自在に支持する第3シリンダ70とを備えており、搬送ユニット62がマグネットブロック27を溝28内まで搬送した後に、マグネットブロック27側の極性が該マグネットブロック27の磁石74側の極性と等しくなるように配置された磁石74がマグネットブロック27に近づく方向に移動することで、マグネットブロック27の固定具64への吸着力を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に用いる現像ローラを構成するマグネットローラの組立て装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、像担持体上に形成された静電潜像を可視像化するために、トナーとキャリアとを含んだ2成分現像剤を用いた、磁気ブラシ方式による現像装置が多く知られている。かかる現像装置は、現像剤供給装置でトナーとキャリアを攪拌混合した現像剤を、内部に複数の磁極を有する磁石体(以下、マグネットローラという)を備えた現像剤担持体に供給し、該現像剤担持体により現像剤を像担持体と対向する領域に搬送して、像担持体表面の静電潜像にトナーを付着させて現像する。
【0003】
上述した現像装置において、高い画像品質を得るためには、現像剤担持体内部に配されたマグネットローラの現像極(像担持体と対向する位置に配される磁極をいう)の磁束密度を高くする必要がある。特に、近年の小型化された画像形成装置の場合、その現像極において、狭い極間角度にて高磁力を確保する必要がある。
【0004】
一方、マグネットローラは、用いられる材料によって、その磁気特性とコストとが大きく異なってくる。例えば、フェライト系マグネットは安価に得られる反面、高磁力を確保することが難しい。これに対して、希土類マグネットは高磁力を確保でき小型化にも有利であるが、非常に高価である。
【0005】
このような高画像品質及び低コストの要求を満足するために、フェライト系マグネットと希土類マグネットとを組み合わせたマグネットローラが、提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0006】
図24及び図25は、従来のマグネットローラである。図24及び図25に示すように、従来のマグネットローラ125は、ステンレス鋼からなる芯金122と、芯金122の外周に設けられかつ、フェライト系マグネットからなる円筒状磁石成形体としてのローラ本体126と、ローラ本体126の長手方向に沿って設けられた断面矩形状の溝128に係合する希土類からなる長尺磁石成形体としてのマグネットブロック127と、を備えている。また、溝128の幅寸法は、マグネットブロック127の幅寸法よりも通常+0.4〜1mm余裕を持たせて設定されているが、高画像品質を達成するためには、規格の位置決め角度±1〜1.5°以下の高い位置決め精度を達成する必要がある。
【0007】
上記構成のマグネットローラ125を組立てる際には、図26に示すように、マグネットブロック127を磁性体からなる固定具130に吸着させるとともに、該マグネットブロック127の幅方向に沿って一対のチャック140間に挟み、固定具130及びチャック140で保持したマグネットブロック127をローラ本体126に設けられた溝128に近づける。そして、図27に示すように、溝128表面に接着剤129を塗布して、溝128に向かってマグネットブロック127を押圧部材131で押し付けて、該マグネットブロック127を溝128内に貼り付ける。
【特許文献1】特開平7−191541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図24及び図25に示したマグネットローラ125では、より高磁力を得るために、幅厚(3mm以上)のマグネットブロック127を使用することがある。この場合、図26及び図27に示した従来のマグネットローラの組立て装置では、ローラ本体126とマグネットブロック127が接合する際に、接着剤129の接着力よりも、固定具130とマグネットブロック127との吸着力が強くなってしまうことがあった。このため、マグネットブロック127が固定具130から離れず、ローラ本体126の溝128に貼り付かずに折れてしまったり一部が欠けてしまうという問題があった。また、接着剤129が十分に硬化するまでマグネットブロック127を溝128に押し付けていなければならないため、貼り付け保持に時間を費やしてしまうなどの問題があった。また、これらの問題が発生することにより、設備停止等のトラブルを招いたり、不良品を作ってしまう結果となり生産効率が悪くなるという問題があった。
【0009】
上記問題を解決する技術として、マグネットブロック127を吸引することで固定具130に吸着させるようにした技術が提案されているが、吸引装置を使用することによる設備の複雑化、吸引時間が必要になることによる生産効率の低下、及び、吸引装置を使用することによる消費エネルギーの増大といった問題があった。
【0010】
また、他の問題解決手段として、マグネットブロック127と当接する固定具130の表面が非磁性体で形成されるとともに、該固定具130の内部が磁性体で形成された固定具130を使用して、マグネットブロック127と固定具130との吸着力を弱めるようにした技術が提案されている。しかし、この技術においては、ローラ本体126の溝128に向かってマグネットブロック127を搬送している途中で、ローラ本体126の磁力にマグネットブロック127が引き寄せられて、溝128へ接合する前にマグネットブロック127が固定具130から離れてしまうという問題があった。
【0011】
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、長尺磁石成形体の折れ・欠けを防止して確実に円筒状磁石成形体に貼り付けることができるマグネットローラの組立て装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のマグネットローラは、極に相当する部分に他の部材が埋設できるような凹状の溝が少なくとも一つ設けられた円筒状磁石成形体と、該溝に接着剤により接着された長尺磁石成形体と、を備えたマグネットローラの組立て装置において、前記長尺磁石成形体が磁力によって吸着される固定具と、該固定具に吸着した前記長尺磁石成形体を前記溝内まで搬送する搬送手段と、前記長尺磁石成形体の前記固定具への吸着力を、前記搬送手段が前記長尺磁石成形体を前記溝内まで搬送した後に、減少させる吸着力可変手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の本発明のマグネットローラは、請求項1に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記吸着力可変手段が、前記長尺磁石成形体との間の距離が変化するように移動自在に設けられた磁力発生手段と、該磁力発生手段を移動自在に支持する移動手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の本発明のマグネットローラは、請求項2に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記磁力発生手段が、前記固定具内に配されかつ前記固定具に対して相対的に接離する方向にスライド自在に設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の本発明のマグネットローラは、請求項2または請求項3に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記磁力発生手段の前記長尺磁石成形体側の極性が、前記長尺磁石成形体の前記磁力発生手段側の極性と同極性であることを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載の本発明のマグネットローラは、請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記吸着力可変手段が、前記固定具内に設けられた電磁石と、該電磁石のコイルを流れる電流を制御する制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載の本発明のマグネットローラは、極に相当する部分に他の部材が埋設できるような凹状の溝が少なくとも一つ設けられた円筒状磁石成形体と、該溝に接着剤により接着された長尺磁石成形体と、を備えたマグネットローラの組立て装置において、前記長尺磁石成形体が磁力によって吸着される固定具と、該固定具に吸着した前記長尺磁石成形体を前記溝内まで搬送する搬送手段と、前記固定具が、前記溝内に挿入された前記長尺磁石成形体から離れる際に、前記長尺磁石成形体が前記円筒状磁石成形体から離れることを規制する押さえ板と、を備えたことを特徴としている。
【0018】
請求項7に記載の本発明のマグネットローラは、請求項6に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記押さえ板が、前記固定具内に配されかつ前記固定具に対して相対的に接離する方向にスライド自在に設けられていることを特徴としている。
【0019】
請求項8に記載の本発明のマグネットローラは、請求項6または請求項7に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記押さえ板が、前記固定具の外側に配されかつ前記固定具に対して相対的に接離する方向にスライド自在に設けられていることを特徴としている。
【0020】
請求項9に記載の本発明のマグネットローラは、請求項6ないし請求項8のうちいずれか1項に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記押さえ板が、非磁性材料で形成されていることを特徴としている。
【0021】
請求項10に記載の本発明のマグネットローラは、請求項1ないし請求項9のうちいずれか1項に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記固定具が前記マグネットローラの長手方向に沿って複数並んでいるとともに、前記長尺磁石成形体が前記溝内に搬送された後に、前記複数の固定具に、前記長尺磁石成形体を前記溝に向かって一定時間の間、押圧させる押圧手段と、各々の固定具の前記長尺磁石成形体を押圧する力が等しくなるように前記押圧手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0022】
請求項11に記載の本発明のマグネットローラは、請求項1ないし請求項10のうちいずれか1項に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記固定具が、前記長尺磁石成形体の外形に沿って該長尺磁石成形体を吸着する吸着面を備えたことを特徴としている。
【0023】
請求項12に記載の本発明のマグネットローラは、請求項11に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記固定具が、前記長尺磁石成形体の磁力に応じて設けられた前記吸着面から凹の凹部を備えたことを特徴としている。
【0024】
請求項13に記載の本発明のマグネットローラは、請求項11または請求項12に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記吸着面の幅が、前記長尺磁石成形体の幅よりも狭いとともに、前記長尺磁石成形体の幅方向の両側から、該長尺磁石成形体を挟んで位置決めを行う第2の固定具を備えたことを特徴としている。
【0025】
請求項14に記載の本発明のマグネットローラは、請求項1ないし請求項13のうちいずれか1項に記載のマグネットローラの組立て装置において、前記固定具が、磁性材料で形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、請求項1に記載のマグネットローラの組立て装置は、長尺磁石成形体の固定具への吸着力を、搬送手段が長尺磁石成形体を円筒状磁石成形体の溝内まで搬送した後に減少させる吸着力可変手段を備えているので、前記吸着力を、溝内に塗布された接着剤と長尺磁石成形体との接着力よりも弱くすることができ、そのために、長尺磁石成形体が固定具に吸着したまま剥がれなくなることを防止できるとともに、長尺磁石成形体の折れ・欠けを防止して確実に円筒状磁石成形体に貼り付けることができる。また、円筒状磁石成形体と長尺磁石成形体との接合(接着剤の硬化)に要する時間を短く設定することができるとともに、不良品発生率が低下することにより該装置稼働停止時間を最小限にすることができ、そのために、生産効率を向上させることができる。
【0027】
請求項2及び請求項3に記載のマグネットローラの組立て装置は、前記吸着力可変手段が、長尺磁石成形体との間の距離が変化するように移動自在に設けられた磁力発生手段を備えているので、前記距離を調節することによって磁力即ち長尺磁石成形体の固定具への吸着力を調節することができ、そのために、短時間で確実に長尺磁石成形体を円筒状磁石成形体に貼り付けることができる。また、磁力を利用して前記吸着力を可変するので、少ないエネルギーで該装置を稼働させることができる。
【0028】
請求項4に記載のマグネットローラの組立て装置は、前記磁力発生手段の長尺磁石成形体側の極性が、長尺磁石成形体の磁力発生手段側の極性と同極性であるので、磁力発生手段が長尺磁石成形体に近づくことで両者が反発し合い、そのために、長尺磁石成形体を前記溝に向かって確実に押圧することができる。
【0029】
請求項5に記載のマグネットローラの組立て装置は、前記吸着力可変手段が、固定具内に設けられた電磁石と、該電磁石のコイルを流れる電流を制御する制御部と、を備えているので、前記電流を通電制御することによって磁力即ち長尺磁石成形体の固定具への吸着力を調節することができ、そのために、短時間で確実に長尺磁石成形体を円筒状磁石成形体に貼り付けることができる。
【0030】
請求項6に記載のマグネットローラの組立て装置は、固定具が、円筒状磁石成形体の溝内に挿入された長尺磁石成形体から離れる際に、長尺磁石成形体が円筒状磁石成形体から離れることを規制する押さえ板を備えているので、長尺磁石成形体が固定具に吸着したまま剥がれなくなることを防止できるとともに、長尺磁石成形体の折れ・欠けを防止して確実に円筒状磁石成形体に貼り付けることができる。また、円筒状磁石成形体と長尺磁石成形体との接合(接着剤の硬化)に要する時間を短く設定することができるとともに、不良品発生率が低下することにより該装置稼働停止時間を最小限にすることができ、そのために、生産効率を向上させることができる。
【0031】
請求項7及び請求項8に記載のマグネットローラの組立て装置は、前記押さえ板が、前記固定具に対して相対的に接離する方向にスライド自在に設けられているので、固定具が前記長尺磁石成形体から離れるに従って、押さえ板が長尺磁石成形体に近づく方向、即ち長尺磁石成形体を円筒状磁石成形体に向かって押さえる方向にスライドし、長尺磁石成形体が円筒状磁石成形体から離れることを規制することができる。また、このような押さえ板は簡素な構成であり、少ないエネルギーで該装置を稼働させることができる。
【0032】
請求項9に記載のマグネットローラの組立て装置は、前記押さえ板が非磁性材料で形成されているので、長尺磁石成形体が該押さえ板に吸着することが防止でき、短時間で確実に長尺磁石成形体を円筒状磁石成形体に貼り付けることができる。
【0033】
請求項10に記載のマグネットローラの組立て装置は、前記固定具がマグネットローラの長手方向に沿って複数並んでいるとともに、各々の固定具が、均等な力で長尺磁石成形体を円筒状磁石成形体に向かって押圧するため、反り・うねりを持つ長尺磁石成形体及び円筒状磁石成形体であっても、破損させることなく確実に両者を接合させることができる。
【0034】
請求項11に記載のマグネットローラの組立て装置は、前記固定具が、前記長尺磁石成形体に沿って該長尺磁石成形体を吸着する吸着面を備えているので、該吸着面によって長尺磁石成形体を確実に位置決め・保持することができ、そのために、長尺磁石成形体を高精度に円筒状磁石成形体に貼り付けることができる。
【0035】
請求項12に記載のマグネットローラの組立て装置は、前記固定具が、前記長尺磁石成形体の磁力に応じて設けられた前記吸着面から凹の凹部を備えているので、適切な大きさの凹部を備えた固定具を選択することによって長尺磁石成形体の固定具への吸着力を調節することができる。
【0036】
請求項13に記載のマグネットローラの組立て装置は、前記吸着面の幅が、前記長尺磁石成形体の幅よりも狭いとともに、該長尺磁石成形体を幅方向の両側を挟んで位置決めを行う第2の固定具を備えているので、該第2の固定具によって長尺磁石成形体を幅方向に確実に位置決め・保持することができるとともに、前記固定具が長尺磁石成形体を円筒状磁石成形体に向かって押圧する際に、第2の固定具が長尺磁石成形体の貼り付け位置へのガイドの役割をなし、そのために、長尺磁石成形体を高精度に円筒状磁石成形体に貼り付けることができる。
【0037】
請求項14に記載のマグネットローラの組立て装置は、前記固定具が磁性材料で形成されているので、長尺磁石成形体と該固定具との間に働く磁力によって長尺磁石成形体を固定具に保持することができ、そのために、少ないエネルギーで該装置を稼働させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を、図1ないし図16に基づいて説明する。図1及び図2に示す本実施形態のマグネットローラの組立て装置30(以下、組立て装置と呼ぶ。)は、図3及び図4に示す円筒状磁石成形体としてのローラ本体26の現像極に設けられた少なくとも一つの溝28内に長尺磁石成形体としてのマグネットブロック27が埋設されて構成されるマグネットローラ25を組み立てる組立て装置30である。
【0039】
また、前記マグネットローラ25は、図3に示すように、現像剤担持体(以下、現像ローラと呼ぶ。)15の非磁性円筒体である現像スリーブ24に内包されるとともに現像ローラ15の中心に配された芯金22に回転することなく固定される。該マグネットローラ25は、複数の固定磁極S3,N3,S4,N1,S1,N2,S2を備えている。この固定磁極S3は現像剤汲み上げ磁極であり、固定磁極N3,S4は現像前の現像剤を像担持体に搬送する現像剤搬送磁極であり、固定磁極N1,S1,N2は像担持体との対向位置(現像領域)に現像剤の穂立ちを生じさせる現像極であり、固定磁極S2は、現像済みの現像剤を搬送する現像剤搬送磁極である。なお、このマグネットローラ25における法線方向の磁力分布とその大きさを図3中の破線に示す。
【0040】
本実施形態のローラ本体26は、磁性粉に高分子化合物を混合したプラスチックマグネットもしくはゴムマグネットからなり、射出成形及び押出成形にて製造される。磁製粉としてはSrもしくはBaを用いることができ、高分子化合物としては6PAもしくは12PA等のPA系材料、EEA(エチレン・エチル共重合体)・EVA(エチレン・ビニル共重合体)等のエチレン系化合物、CPE(塩素化ポリエチレン)等の塩素系材料、NBR等のゴム材料を用いることができる。
【0041】
上記ローラ本体26の現像極をなす固定磁極N1,S1,N2に相当する部分には、図4に示すように、ローラ本体26の外表面から凹の断面矩形状でかつ該ローラ本体26の軸(長手)方向に沿って直線状に延びた溝28が形成されているとともに、該溝28には、像担持体との対向位置(現像領域)に現像剤の穂立ちを生じさせるのに必要な高磁力を有した他の部材としてのマグネットブロック27が埋設される。また、現像極以外の固定磁極S2,S3,N3,S4はローラ本体26が着磁されることで形成される。なお、本実施形態におけるマグネットローラ25では3つ(3極)のマグネットブロック27で現像極を形成しているが、本発明では1つ(1極)或いは2つ(2極)のマグネットブロック27により現像極を形成しても良い。
【0042】
上記マグネットブロック27は、図4に示すように、断面矩形状でかつ長尺の棒状に形成され、前述した溝28の長手方向全長に亘って埋設される。また、該マグネットブロック27は、幅を狭くし、且つ高い磁気特性を得るためにBr>0.5Tの材料を用いることが望ましく、多くはNd系(Nd‐Fe‐B等)またはSm系(Sm‐Co、Sm‐Fe‐N等)の希土類マグネットもしくはこれらのマグネット粉をローラ本体26と同様の高分子化合物と混合したプラスチックマグネットもしくはゴムマグネットを用いることができる。さらに、上記構成のマグネットローラ25を備えた現像装置では、例えばφ16〜φ20の現像ローラ15であると、現像スリーブ24表面の磁束密度として80〜90mTが必要となるので、現像極N1,S1,N2をなすマグネットブロック27の形状としては構成上、幅2mm・高さ3mm程度の大きさに収める必要がある。
【0043】
このようなマグネットローラ25の組立て装置30は、図1及び図2に示すように、工場のフロア31上などに設置されるとともに後述の本体ユニット60に向かって延びかつ互いに直交した第1のレール40及び第2のレール50と、第1のレール40上を移動するとともにマグネットブロック27を本体ユニット60に向かって搬送する第1の搬送ユニット41と、第2のレール50上を移動するとともにローラ本体26を本体ユニット60に向かって搬送する第2の搬送ユニット51と、第1の搬送ユニット41及び第2の搬送ユニット51をレール40,50上でスライド自在に移動させる駆動手段32と、ローラ本体26の溝28内に接着剤29を塗布するディスペンサーユニット80と、マグネットブロック27をローラ本体26の溝28に接合させる本体ユニット60などを備えている。なお、本実施形態の組立て装置30は、図2に示すようにその平面視において、本体ユニット60を中心に第1のレール40と、第2のレール50と、ディスペンサーユニット80とがL字状に配置されている。
【0044】
第1の搬送ユニット41は、マグネットブロック27が載置される台座42と、台座42の底面に設けられるとともに第1のレール40上を摺動するスライダ43と、を備えている。
【0045】
駆動手段32は、第1のレール40と平行に設けられたスクリュ軸33と、該スクリュ軸33を回転駆動させるモータ34と、スクリュ軸33の回転を第1の搬送ユニット41に伝えるナット35とを備えている。
【0046】
ナット35は、第1の搬送ユニット41の台座42に取り付けられているとともに、該ナット35の孔内にスクリュ軸33が通されている。また、ナット35の孔の内側にはスクリュ軸33に設けられたねじ溝と互いに噛み合うねじ山が設けられている。
【0047】
上記構成の駆動手段32は、モータ34がスクリュ軸33を回転させることにより、ナット35をスクリュ軸33の長手方向に沿って移動させて、第1の搬送ユニット41の台座42を第1のレール40に沿ってスライド移動させる。また、駆動手段32は、モータ34により第1の搬送ユニット41の台座42を第1のレール40に沿ってスライド移動させることで、該台座42上のマグネットブロック27を、本体ユニット60から離れた初期位置と本体ユニット60の後述の固定具64の下方位置とに亘って搬送する。なお、固定具64の下方位置とは、固定具64とフロア31の間の位置をいう。
【0048】
このように、駆動手段32は、前述した初期位置に位置付けられた第1の搬送ユニット41の台座42上に載置されたマグネットブロック27を、第1のレール40に沿って本体ユニット60の後述の固定具64の下方位置に向かって搬送するとともに、該固定具64によってマグネットブロック27が台座42から持ち上げられた後に、第1の搬送ユニット41を本体ユニット60から離れた初期位置向かって搬送する。
【0049】
第2の搬送ユニット51は、ローラ本体26を載置する台座52と、ローラ本体26の芯金22を支持するローラ受け部53及び固定手段54と、台座52の底面に設けられるとともに第2のレール50上を摺動するスライダ55と、を備えている。
【0050】
ローラ受け部53は、台座52の本体ユニット60から離れた側の端部から立設しているとともに、台座52との設置面から離れた側に設けられた切り欠きを備えている。ローラ受け部53は、該切り欠き内に、ローラ本体26の芯金22の一方の端部が通されて、ローラ本体26を支持する。
【0051】
固定手段54は、台座52の本体ユニット60寄りの端部から立設しているとともに、芯金22の他方の端部を拘束して、ローラ本体26を支持する。さらに、固定手段54は、図示しないモータによって、ローラ本体26に設けられた溝28が真上に向くようにローラ本体26を回転させるとともに、ローラ本体26を不回転に固定保持する。
【0052】
上記構成の第2の搬送ユニット51は、第1の搬送ユニット41と同様に、駆動手段32によって第2のレール50に沿ってスライド移動する。即ち、第2の搬送ユニット51は、駆動手段32が台座52を第2のレール50に沿ってスライド移動させることで、該台座52上のローラ本体26を、本体ユニット60から離れた初期位置と本体ユニット60の後述の固定具64の下方位置とに亘って搬送する。なお、該駆動手段32は、第1の搬送ユニット41を移動させるものと同じ構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
このように、第2の搬送ユニット51は、駆動手段32によって、前述した初期位置に位置付けられた第2の搬送ユニット51の台座52上に載置されたローラ本体26を、第2のレール50に沿って前記固定具64の下方位置に向かって搬送するとともに、該固定具64によってマグネットブロック27が溝28内に貼り付けられたローラ本体26を前述した初期位置向かって搬送する。
【0054】
ディスペンサーユニット80は、第2のレール50上でかつ第2の搬送ユニット51の前述した初期位置と本体ユニット60との間に配置されている。そして、該ディスペンサーユニット80の接着剤29が噴出する噴出口81の下方(鉛直方向の下方でフロア31に向かう方向をいう。)を前述した初期位置と本体ユニット60の後述の固定具64の下方位置とに亘って移動する第2の搬送ユニット51に支持されたローラ本体26の溝28が通過する。
【0055】
このようなディスペンサーユニット80は、第2の搬送ユニット51に支持されたローラ本体26が噴出口81の下方を通過する際に噴出口81から接着剤29を噴出させることで、ローラ本体26の溝28の全長に亘って接着剤29を塗布する。
【0056】
本体ユニット60は、フロア31から立設したフレーム61と、マグネットブロック27をローラ本体26の溝28まで搬送する搬送手段としての搬送ユニット62と、マグネットブロック27を吸着させる固定具64と、該固定具64とマグネットブロック27との吸着力を増減させる吸着力可変手段65と、マグネットブロック27をその幅方向の両側から挟んで位置決めする第2の固定具66と、搬送ユニット62を制御する制御手段としての制御ユニット67と、を備えている。
【0057】
搬送ユニット62は、フレーム61に取り付けられた第1シリンダ63と、該第1シリンダ63に連結した第2シリンダ68と、該第2シリンダ68に連結板69を介して連結した第3シリンダ70と、を備えている。なお、搬送ユニット62は、第1シリンダ63と、第2シリンダ68と、第3シリンダとが、フレーム61に吊下げられる格好でフレーム61からフロア31に向かって順に取り付けられている。
【0058】
第1シリンダ63は、フロア31から立設したフレームに取り付けられたシリンダ本体63aと、該シリンダ本体63aから伸縮自在に設けられたロッド63bと、を備えている。該第1シリンダ63は、ロッド63bがシリンダ本体63aから伸長すると、該ロッド63bが下方(鉛直方向の下方でフロア31に向かう方向をいう。)に向かうように配置されている。
【0059】
第2シリンダ68は、第1シリンダ63のロッド63bに取り付けられたシリンダ本体68aと、該シリンダ本体68aから伸縮自在に設けられたロッド68bと、を備えている。該第2シリンダ68は、ロッド68bがシリンダ本体68aから伸長すると、該ロッド68bが下方に向かうように配置されている。また、この第2シリンダ68のロッド68bには連結板69が取り付けられている。なお、連結板69は、本体ユニット60の後述の固定具64の下方位置に搬送されるローラ本体26の長手方向に沿って延びた1枚の板である。
【0060】
第3シリンダ70は、連結板69に取り付けられたシリンダ本体70aと、該シリンダ本体70aから伸縮自在に設けられたロッド70bと、を備えている。該第3シリンダ70は、ロッド70bがシリンダ本体70aから伸長すると、該ロッド70bが下方に向かうように配置されている。また、この第3シリンダ70のロッド70bには取付板71が取り付けられている。さらに、この第3シリンダ70は、本体ユニット60の後述の固定具64の下方位置に搬送されるローラ本体26の長手方向に沿って複数並べられている。
【0061】
上記構成の搬送ユニット62は、シリンダ63,68,70のロッド63b,68b,70を伸縮させることによって、後述の固定具64を鉛直方向に沿って昇降自在に支持するとともに、固定具64の下方位置に搬送されたマグネットブロック27を持ち上げて、固定具64の下方位置に搬送されたローラ本体26の溝28内に挿入する。なお、本実施形態では、特許請求の範囲に記載した搬送手段をなすシリンダ63,68,70として、周知のエアシリンダを用いているが、本発明では搬送手段として、油圧シリンダやモータを用いることもできる。
【0062】
また、上述した第3シリンダ70各々には、図示しない圧力カウンタが設けられている。第3シリンダ70は、該圧力カウンタと後述の制御ユニット67によって、一定の(同じ)圧力値で固定具64を押圧させるように制御されている。第3シリンダ70は、ローラ本体26の溝28内にマグネットブロック27が搬送(挿入)されると、固定具64にマグネットブロック27を溝28に向かって一定時間の間、押圧させる。なお、第3シリンダ70は、特許請求の範囲に記載した押圧手段をなしている。
【0063】
固定具64は、取付板71に着脱可能に取り付けられている。該固定具64は、前述した第3シリンダ70と同数設けられ、該固定具64の下方に搬送されるローラ本体26の長手方向に沿って複数設けられている。また、該固定具64は、磁性材料で形成されており、フロア31と相対する吸着面72に、磁力によってマグネットブロック27を吸着させる。
【0064】
この吸着面72は、図5などに示すように、マグネットブロック27の外形に沿う形状をなしており、そのために、マグネットブロック27を高精度に位置決めすることができる。また、吸着面72の幅は、マグネットブロック27の幅よりも狭く形成されている。なお、吸着面72は、図示例ではアーチ型に形成されている。
【0065】
また、固定具64は、図5などに示すように、吸着面72から凹の凹部73を備えている。該凹部73の幅及び高さは、マグネットブロック27の磁力に応じて設計されている。このように凹部73を設けることで、高磁力のマグネットブロック27が固定具64に吸着する吸着力を減少させる(弱くする)ことができる。
【0066】
このような固定具64は、吸着させるマグネットブロック27の形状・磁力に応じて最適な形状の凹部73を有したものが複数種設けられている。そして固定具64は吸着させるマグネットブロック27の形状・磁力に応じて最適な形状の凹部73を有したものが適宜選択されて取付板71に取り付けられる。
【0067】
吸着力可変手段65は、磁力発生手段としての磁石74と、前述した第3シリンダ70と、を備えている。磁石74は、棒状に形成されているとともに、長手方向の一方の端部が第3シリンダ70のシリンダ本体70aに取り付けられている。また、磁石74のシリンダ本体70aに取り付けられた側と反対側、即ち吸着面72側の部分は、固定具64内に挿入されている。なお、この磁石74は、該磁石74の吸着面72側の端部の極性が、固定具64に吸着するマグネットブロック27の吸着面側の極性と等しくなるように配置されている。
【0068】
吸着力可変手段65は、第3シリンダ70のロッド70bが伸長することによって、磁石74を固定具64に吸着されるマグネットブロック27に対して相対的に接離(近づいたり離れたりすることをいう。)する方向にスライドさせる。即ち、吸着力可変手段65は、磁石74の吸着面72側の端部と固定具64に吸着したマグネットブロック27との間の距離を変化させることによって、マグネットブロック27の固定具64への吸着力を増減させる。
【0069】
また、吸着力可変手段65は、磁石74の吸着面72側の端部の極性が、固定具64に吸着するマグネットブロック27の吸着面側の極性と等しくなるように配置されているため、ロッド70bが収縮して磁石74とマグネットブロック27とが近づいた際に、マグネットブロック27と磁石74との反発磁力によって、マグネットブロック27の固定具64への吸着力を減少させる。なお、第3シリンダ70は、特許請求の範囲に記載した移動手段をなしている。なお、本実施形態の吸着力可変手段65では、図1に示すように、1つの固定具64に対して2つの磁石74を設けているが、本発明では、1つの固定具64に対して少なくとも1つの磁石74を設けていれば良い。
【0070】
第2の固定具66は、連結板69の幅方向の両縁から下方に向かって立設したアーム部69Aに取り付けられたシリンダ66cのロッド66bに固定されて固定具64の幅方向の両側に一対設けられている。シリンダ66cは、シリンダ本体66aと、該シリンダ本体66aから伸縮自在に設けられたロッド66bと、を備えている。該シリンダ66cは、ロッド66bが伸長すると、該ロッド66bに固定された第2の固定具66の先端同士が互いに近づくように配置されている。
【0071】
上記構成の第2の固定具66は、シリンダ66cのロッド66bが該シリンダ66cのシリンダ本体66aから伸縮することで第2の固定具66の先端同士が互いに接離するとともに、該先端同士が互いに近づいた際に、互いの間にマグネットブロック27を挟んでこれを位置決めする。
【0072】
また、第2の固定具66のマグネットブロック27と当接する表面は、マグネットブロック27の外形に沿った形状に形成されている。このため、マグネットブロック27を高精度に位置決めすることができる。
【0073】
さらに、第2の固定具66がマグネットブロック27の両側面に当接した際の第2の固定具66間の幅は、前述した固定具64の幅よりも広くなるように形成されている。このため、ローラ本体26の溝28にマグネットブロック27を挿入する際に、第2の固定具66を溝28への位置決め部材として利用することができ、溝28内に高精度にマグネットブロック27を貼り付けることができる。
【0074】
制御ユニット67は、加圧源67aと制御装置67bとを備えている。加圧源67aは、加圧された気体を前述した各シリンダ63,66c,68,70のシリンダ本体63a,66a,68a,70aに供給する。制御装置67bは、RAM、ROM、CPUなどを備えた周知のコンピュータであって、本体ユニット60などと接続して組立て装置30全体の制御を司る。制御装置67bは、加圧源67aが各シリンダ63,66c,68,70のシリンダ本体63a,66a,68a,70aに供給する加圧された気体の圧力値を制御する。即ち制御装置67bは、各シリンダ63,66c,68,70の伸縮を制御する。
【0075】
前述した構成の組立て装置30は、以下のようにマグネットローラ25を製造する。まず、組立て装置30は、図6に示すように、駆動手段32によって、第1の搬送ユニット41の台座42上に載置されたマグネットブロック27が、第1のレール40に沿ってスライド移動されて、本体ユニット60の固定具64の下方位置に搬送される。この際の本体ユニット60は、第1シリンダ63のロッド63bと第2シリンダ68のロッド68bとが収縮しているとともに、第3シリンダ70のロッド70bが収縮して磁石74の吸着面72側の端部が吸着面72(マグネットブロック27)寄りの位置に位置付けられている。また、シリンダ66cのロッド66bが収縮して第2の固定具66が互いに離れた開放位置に位置付けられている。
【0076】
続いて、図7に示すように、第3シリンダ70のロッド70bが伸長して磁石74の吸着面72側の端部が吸着面72(マグネットブロック27)から離れた位置に位置付けられる。
【0077】
続いて、図8に示すように、第1シリンダ63のロッド63bが伸長することで固定具64,66がマグネットブロック27に近づく方向に下降し、固定具64の吸着面72がマグネットブロック27の表面に当接するとともにマグネットブロック27が吸着面72に吸着される。
【0078】
また、図9に示すように、一対の第2の固定具66が、シリンダ66cのロッド66bが伸長することで互いに近づくとともに、マグネットブロック27を挟んで位置決めする。なお、前述したように、固定具64の吸着面72及び第2の固定具66のマグネットブロック27との当接面が、マグネットブロック27の外形に沿う形状に形成されているため、マグネットブロック27は、これら固定具64,66に当接することによって高精度に位置決めされる。
【0079】
こうしてマグネットブロック27が固定具64に吸着されるとともに固定具64,66によって位置決めされて、さらに第1シリンダ63のロッド63bが収縮することで台座42から持ち上げられる(上方に移動される)。マグネットブロック27が台座42から持ち上げられると、該台座42は駆動手段32によって本体ユニット60から離れるとともに初期位置に戻される。
【0080】
また、マグネットブロック27が固定具64,66に持ち上げられるのと平行して、第2の搬送ユニット51の台座52上に載置されたローラ本体26が、固定手段54によって溝28が真上を向くように位置合わせがなされるとともに不回転に固定保持され、図10に示すように駆動手段32によって第2のレール50に沿ってスライド移動されて、ディスペンサーユニット80の噴出口81の下方に搬送される。
【0081】
そして、図11に示すように、噴出口81から間欠的に噴出した接着剤29が溝28内に塗布されるとともに、ローラ本体26が第2のレール50上を本体ユニット60に向かって図中矢印Kで示す方向にスライド移動されて、溝28の全域に亘って接着剤29が塗布される。
【0082】
さらに、接着剤29が塗布されたローラ本体26が引き続き駆動手段32によって第2のレール50に沿ってスライド移動され、本体ユニット60の固定具64の下方位置に搬送されて、図12に示すように、ローラ本体26の溝28が固定具64,66に持ち上げられた状態のマグネットブロック27と相対する。
【0083】
そして、図13に示すように、第2シリンダ68のロッド68bが伸長することでマグネットブロック27がローラ本体26に近づく方向に下降して溝28内に挿入される。
【0084】
マグネットブロック27が溝28内に挿入されると、図14に示すように、一対の第2の固定具66が、シリンダ66cのロッド66bが収縮することで互いに離れた開放位置に位置付けられるとともに、マグネットブロック27を開放する。続いて、第1シリンダ63のロッド63bが伸長するとともに、該ロッド63bが伸長することで圧力が加えられた第2シリンダ68が、ロッド68bを収縮させながら同時に第3シリンダ70に圧力を加える。そして、第2シリンダ68から圧力が加えられた第3シリンダ70が、ロッド70bを収縮させながらマグネットブロック27を溝28内に向かって押圧する。この際、第3シリンダ70内に設けられた圧力カウンタと制御ユニット67とによって第3シリンダ70が固定具64に加える圧力値が調整されるとともに、全ての第3シリンダ70の圧力カウンタが定められた圧力値に達した時点で、接着剤29硬化のための時間が置かれる。このように本組立て装置30は、複数の固定具64が均しい圧力でマグネットブロック27を押圧するため、反り・うねりのあるマグネットブロック27でも破損することなくローラ本体26に接合できる。
【0085】
また、マグネットブロック27がローラ本体26の溝28内に貼り付けられるのに連続して、図15に示すように、第1シリンダ63のロッド63bがさらに伸長するとともに第3シリンダ70のロッド70bが収縮することで、磁石74の吸着面72側の端部が吸着面72(マグネットブロック27)に近づく方向にスライド移動される。この際、マグネットブロック27の吸着面72側の極性が、磁石74の吸着面72側の極性と等しいため、反発磁力によってマグネットブロック27の吸着面72への吸着力が減少するとともに、マグネットブロック27が吸着面72と相反する方向即ち溝28側に押し付けられる。
【0086】
そして、第2及び第3のシリンダ68,70のロッド68b,70bが収縮したまま第1シリンダ63のロッド63bが収縮することで、図16に示すように、マグネットブロック27との吸着力が減少した固定具64がローラ本体26から離れる方向に上昇する。
【0087】
こうしてマグネットブロック27がローラ本体26に貼り付けられた後、ローラ本体26を載置した第2の搬送ユニット51が駆動手段32によって第2のレール50に沿って本体ユニット60から離れた初期位置に戻されるとともに、ローラ本体26のマグネットブロック27が貼り付けられていない残りの溝28に上述した一連の貼り付け工程が繰り返される。このようにして、3箇所の溝28内全てにマグネットブロック27が貼り付けられたローラ本体26は、図3に示した完成品のマグネットローラ25となる。
【0088】
このように、本実施形態の組立て装置30によれば、マグネットブロック27の固定具64への吸着力を、マグネットブロック27が溝28に挿入された後に減少させる吸着力可変手段65を備えているので、前記吸着力を、溝28内に塗布された接着剤29とマグネットブロック27との接着力よりも弱くすることができ、そのために、マグネットブロック27が固定具64に吸着したまま剥がれなくなることを防止できるとともに、マグネットブロック27の折れ・欠けを防止して確実にローラ本体26に貼り付けることができる。また、ローラ本体26とマグネットブロック27との貼り付け(接着剤29の硬化)に要する時間を短く設定することができるとともに、不良品発生率が低下することにより該組立て装置30の稼働停止時間を最小限にすることができ、そのために、生産効率を向上させることができる。
【0089】
また、固定具64が磁性材料で形成されているため、磁力を利用してマグネットブロック27を該固定具64に吸着させることができるとともに、吸着力可変手段65が磁石74とマグネットブロック27との反発磁力を利用して吸着力を可変するので、少ないエネルギーで組立て装置30を稼働させることができる。さらに、該磁石74のマグネットブロック27側の極性と、マグネットブロック27の磁石74側の極性とが同極性であるので、反発磁力を利用することによってマグネットブロック27を溝28に向かって確実に押圧することができる。即ち、マグネットブロック27を確実に吸着面72から離すことができる。
【0090】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態に係る組立て装置30を、図17を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0091】
本実施形態の組立て装置30は、吸着力可変手段65として、図17に示すように、固定具64の外側に配された磁力発生手段としての一対の磁石74と、該磁石74を固定具64に対して接離自在に支持するシリンダ75とを備えている。該シリンダ75は、特許請求の範囲に記載した移動手段をなしている。
【0092】
磁石74は、アーム部69Aに取り付けられたシリンダ75のロッド75bに固定されている。シリンダ75は、シリンダ本体75aと、該シリンダ本体75aから伸縮自在に設けられたロッド75bと、を備えている。該シリンダ75は、ロッド75bが伸長すると、磁石74が固定具64に近づくように配置されている。さらに、磁石74は、固定具64に近づく(当接する)ことで該固定具64の吸着面72とマグネットブロック27との間に反発磁力が生じるように設けられている。
【0093】
本実施形態の組立て装置30では、マグネットブロック27を溝28内に貼り付けるまでは、シリンダ75のロッド75bを収縮させて、固定具64にマグネットブロック27を吸着しておく。そして、マグネットブロック27がローラ本体26の溝28内に貼り付けられると、図17に示すように、シリンダ75のロッド75bが伸長することで磁石74が固定具64に近づく方向にスライドして、吸着面72とマグネットブロック27との間に反発磁力を生じさせる。このことによりマグネットブロック27の吸着面72への吸着力が減少するとともに、マグネットブロック27が吸着面72と相反する方向即ち溝28側に押し付けられる。
【0094】
このように、本実施形態の組立て装置30によれば、吸着力可変手段65が、マグネットローラ27との間の距離が変化するように移動自在に設けられた磁石74と、該磁石74を移動させる移動手段としてのシリンダ75を備えているので、前記距離を調節することによって磁力即ちマグネットブロック27の固定具64への吸着力を調節することができ、そのために、短時間で確実にマグネットブロック27をローラ本体26に貼り付けることができる。また、磁力を利用して前記吸着力を可変するので、少ないエネルギーで該組立て装置30を稼働させることができる。
【0095】
(第3の実施形態)
続いて、本発明の第3の実施形態に係る組立て装置30を、図18を参照して説明する。なお、前述した第1及び第2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0096】
本実施形態の組立て装置30は、吸着力可変手段65として、図18に示すように、固定具64内に設けられた電磁石76と、該電磁石76のコイルを流れる電流を制御する制御部としての前述した制御装置67bと、電磁石76と制御装置67bとの間に配された電源77を備えている。該電源77には、インバータが内蔵されている。該インバータは、電源がコイルに印加する電力の周波数、電流値、電圧値を変更自在である。インバータは、制御装置67bの命令に従ってコイルに印加する電力の周波数、電流値、電圧値を変更することで、電源がコイルに印加する電力を増減させて、コイルが発生する磁場の強さを変更する。
【0097】
吸着力可変手段65は、マグネットブロック27がローラ本体26の溝28内に貼り付けられると、図18に示すように、制御装置67b及び電源77が電磁石76を通電制御するとともに、固定具64の吸着面72とマグネットブロック27との間に反発磁力が生じるように、電磁石76に磁場を発生させる。このため、マグネットブロック27は、吸着面72との反発磁力によって吸着面72への吸着力が減少するとともに、吸着面72と相反する方向即ち溝28側に押し付けられる。
【0098】
このように、本実施形態の組立て装置30によれば、吸着力可変手段65が、固定具64内に設けられた電磁石76と、該電磁石76のコイルを流れる電流を制御する制御装置67bと、電源77と、を備えているので、電磁石76を通電制御することによって磁力即ちマグネットブロック27の固定具64への吸着力を調節することができ、そのために、短時間で確実に長尺磁石成形体を円筒状磁石成形体に貼り付けることができる。
【0099】
(第4の実施形態)
続いて、本発明の第4の実施形態に係る組立て装置30を、図19を参照して説明する。なお、前述した第1ないし第3の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0100】
本実施形態の組立て装置30は、図19に示すように、マグネットブロック27がローラ本体26に接合された後に、マグネットブロック27がローラ本体26から離れることを規制する、即ち固定具64に吸着したまま溝28から浮き上がることを規制する押さえ板78を備えている。
【0101】
押さえ板78は、非磁性材料で形成されているとともに薄板状に形成されている。また、押さえ板78は、一端が第3シリンダ70のシリンダ本体70aに固定されているとともに、他端側が固定具64内にスライド自在に設けられており、固定具64に対して相対的に接離する。
【0102】
このような押さえ板78を備えた本実施形態の組立て装置30は、固定具64にマグネットブロック27を吸着させる際には、第3シリンダ70のロッド70bを伸長させて押さえ板78をマグネットブロック27に接触させておく。即ち、固定具64にマグネットブロック27を吸着させる際の押さえ板78は、その吸着面72側の端部が、固定具64の吸着面72と同面に配されている。そして、第2シリンダ68のロッド68bを伸長させてマグネットブロック27を溝28内に挿入させる際も押さえ板78をマグネットブロック27に接触させておく。その後、図19に示すように、第1シリンダ63のロッド63bを伸長させるとともに第2シリンダ68及び第3シリンダ70を収縮させてマグネットブロック27を溝28に向かって押圧する際に、押さえ板78が、マグネットブロック27に接触したままに保たれることで、押さえ板78は、固定具64が溝28内に挿入されたマグネットブロック27から離れる際に、マグネットブロック27が溝28内から抜け出てローラ本体26から離れることを規制する。
【0103】
このように、本実施形態の組立て装置30によれば、固定具64が、ローラ本体26の溝28内に挿入されたマグネットブロック27から離れる際に、マグネットブロック27がローラ本体26から離れることを規制する押さえ板78を備えているので、マグネットブロック27が固定具64に吸着したまま剥がれなくなることを防止できるとともに、マグネットブロック27の折れ・欠けを防止して確実にローラ本体26に貼り付けることができる。また、ローラ本体26とマグネットブロック27との接合(接着剤の硬化)に要する時間を短く設定することができるとともに、不良品発生率が低下することにより組立て装置30の稼働停止時間を最小限にすることができ、そのために、生産効率を向上させることができる。
【0104】
また、このような押さえ板78は簡素な形状であるとともに、第3シリンダ70の昇降動作を利用することで固定具64に対してスライドする構成であるため、少ないエネルギーで組立て装置30を稼働させることができる。さらに、この押さえ板78が非磁性材料で形成されているので、マグネットブロック27が該押さえ板78に吸着することが防止でき、短時間で確実に長尺磁石成形体を円筒状磁石成形体に貼り付けることができる。
【0105】
(第5の実施形態)
続いて、本発明の第5の実施形態に係る組立て装置30を、図20を参照して説明する。なお、前述した第1ないし第4の実施形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0106】
本実施形態の組立て装置30は、図20に示すように、固定具64の両側の外側面にスライド自在に設けられた一対の押さえ板78を供えている。
【0107】
このような一対の押さえ板78を備えた本実施形態の組立て装置30は、前述した第4の実施形態の押さえ板78と同様に、図20に示すように、第1シリンダ63のロッド63bを伸長させるとともに第2シリンダ68及び第3シリンダ70を収縮させてマグネットブロック27を溝28に向かって押圧する際に、一対の押さえ板78が、マグネットブロック27に接触したままに保たれることで、該一対の押さえ板78は、固定具64が溝28内に挿入されたマグネットブロック27から離れる際に、マグネットブロック27が溝28内から抜け出てローラ本体26から離れることを規制する。
【0108】
このように、本発明では、必ずしも押さえ板78が固定具64内に設けられていなくても良く、固定具64の外側に設けられていても良い。また、押さえ板78は少なくとも一つ設けられていれば良い。
【0109】
なお、前述した第1の実施形態の固定具64は、磁力発生手段としての磁石74が固定具64内に設けられていたが、本発明では、必ずしも磁力発生手段としての磁石74が固定具64内に設けられていなくても良く、第2の実施形態で示したように、固定具64の外側に設けられていても良い。また、第1及び第2の実施形態では、該磁石74はマグネットブロック27に対して鉛直方向または水平方向に接離させていたが、本発明はこれに限らず、マグネットブロック27に対して斜め方向に接離させても良い。即ち、本発明では、磁力発生手段としての磁石74と長尺磁石成形体としてのマグネットブロック27との間の距離が変更可能に設けられていれば良い。
【0110】
なお、前述した第1ないし第5の実施形態の固定具64は、吸着面72から凹の凹部73を備えていたが、本発明の固定具64は、図21及び図22に示すように必ずしもこの凹部73を備えていなくとも良い。さらに、第1ないし第5の実施形態の固定具64は、吸着面72がマグネットブロック27の外形に沿ったアーチ型をしていたが、本発明の固定具64は、マグネットブロック27の外形に応じて図21に示すようなフラットな吸着面72を備えていても良く、図22に示すような断面台形状の吸着面72を備えていても良い。
【0111】
さらに、前述したマグネットローラ25は、図23に示された画像形成装置1を構成する。画像形成装置1は、図23に示すように、感光体ドラム8を回転して、この感光体ドラム8の外表面を一様に帯電ローラ9により帯電する。そして、感光体ドラム8の外表面にレーザ光10を照射して、該感光体ドラム8の外表面に静電潜像を形成する。そして、静電潜像が現像領域23に位置付けられると、現像装置13の現像スリーブ24の外表面に付着した現像剤が感光体ドラム8の外表面に付着して、静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム8の外表面に形成する。そして、画像形成装置1は、給紙ローラ3などにより搬送されてきた記録紙7が転写部材4と感光体ドラム8との間に位置して、感光体ドラム8の外表面上に形成されたトナー像を記録紙7に転写する。画像形成装置1は、定着装置5で、記録紙7にトナー像を定着する。こうして、画像形成装置1は、記録紙7に画像を形成する。
【0112】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマグネットローラの組立て装置を示す正面図である。
【図2】図1に示された組立て装置の平面図である。
【図3】図1に示された組立て装置によって組み立てられるマグネットローラを示す断面図である。
【図4】図3に示されたマグネットローラの分解図である。
【図5】図1に示された組立て装置の要部を示す正面図である。
【図6】図1に示された組立て装置の動作を示し、第1の搬送ユニットの台座上に固定具を位置付けた状態を示す説明図である。
【図7】図6に示された第2シリンダのロッドが伸長した状態を示す説明図ある。
【図8】図7に示された第1シリンダのロッドが伸長した状態を示す説明図ある。
【図9】図8に示された一対の第2の固定具間にマグネットブロックを挟んだ状態を示す説明図ある。
【図10】図1に示された組立て装置の動作を示し、ディスペンサーユニットが接着剤を塗布している様子を示す正面図である。
【図11】図10に示されたディスペンサーユニットが接着剤を塗布している様子を示す側面図である。
【図12】図9に示された固定具がローラ本体の溝上に位置付けられた状態を示す説明図ある。
【図13】図12に示された第2シリンダのロッドが伸長した状態を示す説明図ある。
【図14】図13に示された一対の第2の固定具が、マグネットブロックから離れた状態を示す説明図ある。
【図15】図14に示された第1シリンダのロッドが伸長し、第2及び第3シリンダが収縮した状態を示す説明図ある。
【図16】図15に示された第1シリンダのロッドが収縮した状態を示す説明図ある。
【図17】本発明の第2の実施形態に係るマグネットローラの組立て装置を示す正面図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係るマグネットローラの組立て装置を示す正面図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係るマグネットローラの組立て装置を示す正面図である。
【図20】本発明の第5の実施形態に係るマグネットローラの組立て装置を示す正面図である。
【図21】本発明の第1ないし第5の実施形態に係るマグネットローラの組立て装置の変形例の要部を示す正面図である。
【図22】本発明の第1ないし第5の実施形態に係るマグネットローラの組立て装置の他の変形例の要部を示す正面図である。
【図23】本発明のマグネットローラの組立て装置によって組み立てられるマグネットローラが適用される画像形成装置の構成を示す説明図である。
【図24】従来のマグネットローラを示す分解図である。
【図25】図24に示したマグネットローラの断面図である。
【図26】図24に示したマグネットローラを組み立てる従来の組立て装置を示す説明図である。
【図27】図24に示したマグネットローラを組み立てる従来の組立て装置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0114】
26 ローラ本体(円筒状磁石成形体)
27 マグネットブロック(長尺磁石成形体)
28 溝
29 接着剤
30 マグネットローラの組立て装置
62 搬送ユニット(搬送手段)
64 固定具
65 吸着力可変手段
66 第2の固定具
67 制御ユニット(制御手段)
67b 制御装置(制御部)
70 第3シリンダ(押圧手段)
72 吸着面
73 凹部
74 磁石(磁力発生手段)
75 シリンダ(移動手段)
76 電磁石
78 押さえ板
N1,S1,N2 現像極(極)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極に相当する部分に他の部材が埋設できるような凹状の溝が少なくとも一つ設けられた円筒状磁石成形体と、該溝に接着剤により接着された長尺磁石成形体と、を備えたマグネットローラの組立て装置において、
前記長尺磁石成形体が磁力によって吸着される固定具と、
該固定具に吸着した前記長尺磁石成形体を前記溝内まで搬送する搬送手段と、
前記長尺磁石成形体の前記固定具への吸着力を、前記搬送手段が前記長尺磁石成形体を前記溝内まで搬送した後に、減少させる吸着力可変手段と、を備えたことを特徴とするマグネットローラの組立て装置。
【請求項2】
前記吸着力可変手段が、前記長尺磁石成形体との間の距離が変化するように移動自在に設けられた磁力発生手段と、該磁力発生手段を移動自在に支持する移動手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のマグネットローラの組立て装置。
【請求項3】
前記磁力発生手段が、前記固定具内に配されかつ前記固定具に対して相対的に接離する方向にスライド自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のマグネットローラの組立て装置。
【請求項4】
前記磁力発生手段の前記長尺磁石成形体側の極性が、前記長尺磁石成形体の前記磁力発生手段側の極性と同極性であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のマグネットローラの組立て装置。
【請求項5】
前記吸着力可変手段が、前記固定具内に設けられた電磁石と、該電磁石のコイルを流れる電流を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載のマグネットローラの組立て装置。
【請求項6】
極に相当する部分に他の部材が埋設できるような凹状の溝が少なくとも一つ設けられた円筒状磁石成形体と、該溝に接着剤により接着された長尺磁石成形体と、を備えたマグネットローラの組立て装置において、
前記長尺磁石成形体が磁力によって吸着される固定具と、
該固定具に吸着した前記長尺磁石成形体を前記溝内まで搬送する搬送手段と、
前記固定具が、前記溝内に挿入された前記長尺磁石成形体から離れる際に、前記長尺磁石成形体が前記円筒状磁石成形体から離れることを規制する押さえ板と、を備えたことを特徴とするマグネットローラの組立て装置。
【請求項7】
前記押さえ板が、前記固定具内に配されかつ前記固定具に対して相対的に接離する方向にスライド自在に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のマグネットローラの組立て装置。
【請求項8】
前記押さえ板が、前記固定具の外側に配されかつ前記固定具に対して相対的に接離する方向にスライド自在に設けられていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のマグネットローラの組立て装置。
【請求項9】
前記押さえ板が、非磁性材料で形成されていることを特徴とする請求項6ないし請求項8のうちいずれか1項に記載のマグネットローラの組立て装置。
【請求項10】
前記固定具が前記マグネットローラの長手方向に沿って複数並んでいるとともに、
前記長尺磁石成形体が前記溝内に搬送された後に、前記複数の固定具に、前記長尺磁石成形体を前記溝に向かって一定時間の間、押圧させる押圧手段と、
各々の固定具の前記長尺磁石成形体を押圧する力が等しくなるように前記押圧手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項9のうちいずれか1項に記載のマグネットローラの組立て装置。
【請求項11】
前記固定具が、前記長尺磁石成形体の外形に沿って該長尺磁石成形体を吸着する吸着面を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項10のうちいずれか1項に記載のマグネットローラの組立て装置。
【請求項12】
前記固定具が、前記長尺磁石成形体の磁力に応じて設けられた前記吸着面から凹の凹部を備えたことを特徴とする請求項11に記載のマグネットローラの組立て装置。
【請求項13】
前記吸着面の幅が、前記長尺磁石成形体の幅よりも狭いとともに、
前記長尺磁石成形体の幅方向の両側から、該長尺磁石成形体を挟んで位置決めを行う第2の固定具を備えたことを特徴とする請求項11または請求項12に記載のマグネットローラの組立て装置。
【請求項14】
前記固定具が、磁性材料で形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項13のうちいずれか1項に記載のマグネットローラの組立て装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−41295(P2007−41295A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−225440(P2005−225440)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】