説明

マグネット錠

【課題】キーを挿入しただけで、開錠することができるマグネット錠を提供する。
【解決手段】磁力によって互いに反発するように同極を対向して支持されたマグネット5a,5bと、一方のマグネット5aを固定して他方のマグネット5bを移動自在にし、または、両方のマグネット5a,5bを移動自在にして、互いに離間または接近するように支持する支持手段4と、マグネット5a,5bが互いに離間するように前記支持手段4を保持するストッパ部材3と、を備え、離間されて保持されたマグネット5a,5bの間に強磁性体からなるキー9を挿入することで、対向する前記マグネット5a,5b同士が反発状態から吸着状態に変わって接近することにより施錠状態から開錠状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強磁性体からなるキーを挿入して施錠状態から開錠状態にするマグネット錠に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、バイク便に使用している封書や書類、書籍入れのボックスは、防犯上施錠する必要がある。書類を取り出す場合は、カギ穴にキーを挿入し、キーを回して開錠する。一方、施錠する場合には、ボックスの蓋を閉め、カギ穴にキーを挿入し、キーを逆に回して施錠し、キーを抜く。特にバイクから離れる場合は、必ず施錠する必要があり、例えば50軒分の配達があれば最大で50回、このような開錠・施錠の動作を繰り返すことになる。
【0003】
このように、従来のキー方式では、キーをカギ穴に挿入して、キーを回す操作を連続して何度も何度も行うとなると、煩雑な操作であり、施錠を忘れることもある。また、従来のキー方式では、ボックスの開錠と施錠が一目で判らず、蓋を開けてみないと施錠されているかどうかが判らないという問題があった。
一方、マグネットとばねを使用したマグネット錠が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−299750号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ばねは伸び縮みの回数に起因して付勢力が次第に劣化し、信頼性に劣るという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、簡単な操作であるキーを挿入しただけで確実に開錠し、キーを抜き取るだけで確実に施錠の準備が完了するマグネット錠を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のマグネット錠(10)の発明は、磁力によって互いに反発するように同極を対向して支持されたマグネット(5a,5b)と、一方のマグネット(5a)を固定して他方のマグネット(5b)を移動自在にし、または、両方のマグネット(5a,5b)を移動自在にして、互いに離間または接近するように支持する支持手段(4)と、前記マグネット(5a,5b)が互いに離間するように前記支持手段(4)を保持するストッパ部材(3)と、を備え、前記離間されて保持された前記マグネット(5a,5b)の間に強磁性体からなるキー(9)を挿入することで、対向する前記マグネット(5a,5b)同士が反発状態から吸着状態に変わって接近することにより施錠状態から開錠状態にすることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマグネット錠(10)であって、前記支持手段(4)は、一方のマグネット(5a)を固定するケース本体(3)と、他方のマグネット(5b)を支持し、前記ケース本体(3)に回動自在に設けられたレバー(6)と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、本発明は、同極を対向して配設されたマグネットの間に簡単な操作である強磁性体のキーの挿入により、マグネット同士を反発状態から吸着状態に変えることができることから、ロック状態が解除され、確実に開錠することができる。また、簡単な操作であるキーを抜き取ることにより、マグネット同士を吸着状態から反発状態に変えることができることから、施錠の準備が完了し、蓋の閉鎖により確実に施錠することができる。このように、簡単な操作で開錠と施錠ができるマグネット錠を提供することができる。また、マグネットの反発力と磁着力を利用した結果、ばねが不用なため、ばねの劣化に起因する寿命の短命はなく、商品寿命の延長ができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、支持手段は、一方のマグネットを固定するケース本体(3)と、他方のマグネットを支持し、ケース本体に回動自在に設けられたレバーとを備えたことにより、機構が簡素化され、耐久性が向上して確実に作動するマグネット錠を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のマグネット錠のケース本体とロック部材固定具を示す拡大図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】図1の(b)に示すA−A線の断面図である。
【図3】本発明のマグネット錠の開錠の動作を示し、(a)は施錠時の状態を示す断面図、(b)はキーを挿入時の状態を示す断面図、(c)は上蓋が開錠時の状態を示す断面図である。
【図4】本発明のマグネット錠の施錠の動作を示し、(a)は開錠時の状態を示す断面図、(b)は上蓋が接近すると、ロック部材のロック棒がフックを押しのけたときの状態を示す断面図、(c)はロック棒がフックに係合した施錠時の状態を示す断面図である。
【図5】本発明のマグネット錠のキーを示す平面図である。
【図6】本発明のマグネット錠のマグネットの磁力線を示す説明図であり、(a)は正面視で離間状態、(b)は正面視で磁着状態、(c)は平面視で磁着状態を示す断面図である。
【図7】本発明のマグネット錠の使用例を示し、(a)は閉鎖中のボックスの斜視図、(b)は蓋を開けた状態を示すボックスの斜視図である。
【図8】動作を比較したブロック図であり、(a)は従来の場合、(b)は本実施形態の場合である。
【図9】本発明の第2実施の形態を示し、両方のマグネットを移動自在に支持する支持手段を説明するダブルロック方式のマグネット錠の説明図である。
【図10】本発明の第2実施の形態の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施の形態>
以下、本発明の第1実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、マグネット錠10は、磁力によって互いに反発するように同極を対向して支持されたマグネット5a,5bと、一方である左側のマグネット5aを固定し、他方である右側のマグネット5bを移動自在にしている支持手段4と、マグネット5a,5bが互いに離間するように支持手段4を保持するストッパ部材3とを備えている。
または、図9、図10に示すように、両方のマグネット5a,5bを移動自在にして、互いに離間または接近するように支持する支持手段4を備えている。
さらに、図2に示すように、支持手段4は、一方のマグネット5aを、ブロック8を介して固定するケース本体3と、他方のマグネット5bを支持し、ケース本体3に回動自在に設けられたレバー6とを備えている。また、ケース本体3の上部には上蓋2が配置されている。上蓋のロック部材固定具2にはレバー6と係合してロックするロック棒2aが装着されている。
【0013】
支持手段4は、図2に示すように、一方のマグネット5aを、ブロック8を介して固定するケース本体3と、他方のマグネット5bを移動自在にするレバー6とを備えている。
<マグネットの構成>
マグネット5a,5bは、ネオジウム磁石であり、ネオジム磁石とも呼ばれている。ネオジウム磁石は、ネオジム・鉄・ボロン等を主成分とする焼結材の永久磁石であり、フェライト磁石やサマリウム磁石よりも強力な永久磁石である。ネオジウム磁石の磁束密度は、従来のフェライト磁石の6〜4倍を有する。このため、マグネット5a,5bは、ネオジウム磁石を採用することにより、フェライト磁石の1/4〜1/6に小さくすることが可能である。
また、マグネットは、同極同士では反発して離間し、異極同士では磁着力が発生し引き合う性質があり、その磁着力はその距離の二乗に反比例する点であり、接近すればするほど磁着力は強くなり、離れれば離れるほど磁着力は弱くなるという特徴を有している。
【0014】
<ケース本体の構成>
図1の(a)に示すように、ケース本体3の正面は四角形であり、各稜はR面取りが施されている。ケース本体3のサイズは例えば60mm×60mm×20mmほどである。ケース本体3の正面には円形の凸部3aが形成され、この凸部3aの中央部にはカギ穴3bが設けられている。ケース本体3の背面は開口部になっており、図1の(b)に示すように、その背面と上面の開口部はL字形状のカバー3cによって閉鎖されている。
図2に示すように、一方のマグネット5aの支持手段であるケース本体3はブロック8を介してマグネット5aを支持している。ケース本体3の背面を開口部として窪み形状に形成されており、このケース本体3の正面視で上部の左側にブロック8が固定されている。また、他方のマグネット5bの支持手段であるレバー6は、ケース本体3の窪みに段差付きのピン7が設けられ、このピン7に回動自在のレバー6が配設され、このレバー6の左側面にマグネット5bが固定されている。
【0015】
<レバーの構成>
レバー6は、図2に示すように、他方のマグネット5bが回動可能に支持された支持手段4の一つである。レバー6は、ケース本体3に移動(回動)可能に設けられ、レバー6にはマグネット5bが固定されている。
レバー6は、平面視で、U字状に折り曲げられ、上端部の右側には三角片が突設されている。この三角片には傾斜部6aが形成され、さらに、ロック棒2の水平部2cと係合する係合部6bが形成されており、上端部の左側面には他方のマグネット5bがさら小ねじ5dおよびナット5eによって固定されている。
また、ケース本体3の内周面には、ちょうどレバー6が直立した状態の姿勢を保つことができるようにストッパ部材であるストッパ3dが凸状に形成されている。
【0016】
<ブロックの構成>
ブロック8は、一方のマグネット5aをケース本体3に固定するためのブロック状の支持部材である。また、カギ穴3b(図1(a)参照)に挿通したキー9(図5参照)の位置決め、および、案内の役目を有する部材である。ブロック8は、非磁性体の合成樹脂(ABS)からなり、カギ穴3bの2辺を構成する段差8aと段差8bが形成され、さらに、非磁性体のステンレス板(SUS304)で略L字状に形成されたガイド8dによってカギ穴3bの1辺の側面を覆うように形成されている。そして、一方のマグネット5aがブロック8の傾斜面8cにガイド8dを挟持して共締めされて固定されている。
なお、ケース本体3にブロック8を含めて一体としてもよい。
【0017】
図2に示すブロック8の段差8aと段差8bと、ガイド8dとによって形成された4角穴のカギ穴の位置と、図1の(a)に示すカギ穴3bの位置は、一致している。
また、ガイド8dは、マグネット5bの磁力により、キー9が右方向へ引張られてもずれないようにガードする役目も有している。
図2に示すように、ブロック8の傾斜面8cの角度は、約45度であるが、それ以外の角度であっても構わない。このもう傾斜面8cの目的は、マグネット5bの接近により傾斜するのに合わせて、磁着力を高めるためであるが、このスペースの中ではこの傾斜面8cにより、最も接近させることができる。
マグネット5aは、丸小ねじ5cによってブロック8の傾斜面8cに固定され、ケース本体3と干渉しないように逃がし3eが施されている。また、下面には水抜き穴3hが設けられている。
【0018】
キー9は、図5に示すように、矩形で先端部の角が一部切り欠かれている。キー9の材質は、強磁性体のステンレス430であり、厚みが約2mmの板材である。このキー9の形状は、これが基本形である。実際のキー9の形状は、適宜、溝を形成するなどした複数種類のキー9が用意されている。なお、ステンレス430の代わりにSPCCでもよい。
【0019】
<ロック部材固定具の構成>
図2に示すように、ロック部材固定具2はロック部材であるロック棒2aを固定する固定具であり、ケース本体3の上面をカバーする上蓋の機能も有している。ロック部材固定具2にはロック部材であるロック棒2aの位置決めをするための溝2bが設けられ、ロック棒2aはこの溝2bに挿入されて位置決めされ、図1の(b)に示す押え板2dによって固定されている。
【0020】
<ロック棒の構成>
ロック棒2aは、ボックス1の蓋1aを閉鎖する際にロックするロック部材である。ロック棒2aは、例えば、非磁性体のステンレス(SUS304)製のパイプ材であり、直角に曲げられ、ロック部材固定具2の下面から全長の約半分が下方に突出しており、その最下端部は、約1/3が前方へ直角に曲げられて水平部2cを形成した形状になっている。この水平部2cは、施錠時、後記するレバー6に係合して係止する。なお、このステンレス製のパイプ材は、非磁性体の丸棒であっても構わない。
なお、マグネット5a,5b以外の、強磁性体はキー9のみであり、ロック部材固定具2、および、ケース本体3は、すべて非磁性体で形成されている。
【0021】
<開錠の動作>
ここで、マグネット錠10の開錠の動作を説明する。
図3の(a)に示すように、これは施錠されている状態を示し、2つのマグネット5a,5bは、同極同士で反発し合っている。
図6の(a)に示すように、2つのマグネット5a,5bは、例えば、N極同士が対向して配置され、各N極からは磁力線が放出され、反発し合う様子が判る。
そのため、図3の(a)に示すように、レバー6はピン7を中心に時計方向へ回動し、ストッパ3dが一方のマグネット5aから離間して直立の状態に保持し、ロック棒2aがレバー6の係止部6bに係止される。
【0022】
図3の(b)に示すように、ひとたび、カギ穴にキー9が挿入されると、図6の(b)、(c)に示すように、強磁性体のキー9は磁化され、一端はS極、他端はN極の磁石になる。その結果、回動可能なレバー6のマグネット5bは、キー9の一端のS極と引き付け合い、レバー6はピン7を中心に反時計方向(ブロック8の方向)へ回動して接近して傾く。そして、図6の(b)に示すように、N極―S極―N極の構図となり、お互いが磁着する。そうすると、図3の(b)に示すように、レバー6の係合部6bとロック棒2aの水平部2cとの係止状態が解除される。
【0023】
図3の(c)に示すように、蓋1aが上方へ開放される。カギ穴3bからキー9を抜くと、レバー6に固定されたマグネット5bは、一方のマグネット5aと反発し合って回動し、元の位置にもどる。キー9が抜けてS極がなくなると、図6の(a)に示すように、N極―N極同士の構図となり、また、反発し合う。
【0024】
<施錠の動作>
図4の(a)に示すように、開錠時、2つのマグネット5a,5bは反発し合ってレバー6は時計方向(ストッパ3d方向)へ回動して直立状態になっている。蓋1aが上方へ開放されている。
【0025】
図4の(b)に示すように、蓋1aの上面に手を宛がい、蓋1aをケース本体3へ押し付けると、上蓋のロック部材固定具2が下降し、ロック棒2aが下降して、水平部2cがレバー6の傾斜部6aに当接する。そうすると、レバー6は、傾斜部6aが水平部2cに押圧されることにより、ブロック8側に回動する。
そして、図4の(c)に示すように、さらに、水平部2cが係合部6bより下まで下降すると、2つのマグネット5a,5bの反発力に抗してレバー6は左に傾き、ついにレバー6の係合部6bとロック棒2aとの係止状態になり、レバー6は2つのマグネット5a,5bの反発力により、また元の位置にもどる。これにより、確実に施錠される。
このように、施錠する場合は、上蓋のロック部材固定具2をケース本体3上に当接されるように閉鎖することにより、確実にロック状態にすることができる。つまり、蓋1aがされている場合はすべて施錠されており、この状態で開錠されているケースはない。
【0026】
図7の(a)に示すように、ボックス1は、蓋1aとボックス本体1bとから構成されている。マグネット錠10のケース本体3はボックス本体1bに装着され、ロック部材固定具2は蓋1aに装着されている。
図7の(b)に示すように、マグネット錠10のカギ穴3bにキー9が挿入されると、ロック部材固定具2のロック棒2aはレバー6との係合が外れ、蓋1aが開口する。
図1の(a)に示すように、今度はカギ穴3bからキー9が抜き取られた状態で、ボックス1の蓋1aが閉鎖されると、蓋1aのロック棒2aがレバー6に係合し、施錠する。
【0027】
図8は、動作を比較したブロック図であり、(a)は従来の場合、(b)は本実施形態の場合である。図8の(a)に示すように、従来の場合では、6工程から構成されている。まず、第1工程は、キーをカギ穴へ挿入する。第2工程は、キーを回して開錠する。第3工程は、蓋を開けて、書類を取り出す。第4工程は、蓋を閉める。第5工程は、キーを反転して施錠する。第6工程は、キーを抜く、ことで一連の動作が終了する。
これに対して、(b)の本実施形態の場合は、図8の(b)に示すように、まず、第1工程は、キーをカギ穴へ挿入(開錠)する。第2工程は、キーを抜く。第3工程は、蓋を開けて、書類を取り出す。第4工程は、蓋を閉め、施錠する、の4工程から構成されている。
この結果、この工程分析によれば、6工程を4工程に工程を短縮されており、33%の工程短縮を可能にしている。これにより、煩雑な操作がなくなり、蓋が閉まっていれば施錠されていることになるから、施錠を忘れることもない。
【0028】
<第2実施の形態>
図9に示す第2実施の形態のマグネット錠11は、ダブルロック方式である。図2に示すキー9を中心に左右対称にして右側のレバー6と同じサイズのレバー16を設けた構成になっている。この構成では、2つのレバー6、レバー16は、両方のマグネット(5a,5b)を移動自在にしている。
つまり、両方のマグネット5a、5bが互いの反発力で離間、または、磁着力で接近するように支持するレバーの支持手段で構成されている。
また、ロック部材固定具(上蓋)2には、2本のロック棒2aが設けられ、それぞれのレバー6,16の係合部6b,16bに係合する。これにより、強力なロックが可能であり、信頼性を高めることができる。なお、ロック部材の2本のロック棒2aは左右対称に一本で成形してもよい。
【0029】
<変形例>
図10は、第2実施の形態の変形例を説明する説明図である。図10に示すように、このマグネット錠12の構成では、2つのレバー6、レバー26は、両方のマグネット(5a,5b)を移動自在にしている点は同様であるが、レバー26のサイズは、レバー6よりも小さく、また、ロック棒2aと係合する係合部はない。このような構成にすることにより、余り、全幅を広げる必要がない。このような構成であっても構わない。
なお、ストッパ部材3d,3eには、レバー6,26が当接しているが、ストッパ部材3d,3eに直接マグネット5a,5bが当接するようにしてもよい。
【0030】
なお、本発明はその技術思想の範囲内で種々の改造、変更が可能である。例えば、レバー6、16はピン7を支点に回動するようにしているが、スライド方式であってもよい。また、キー9の挿入で開錠としたが、逆パターンのキー9の挿入で施錠としてもよい。
本発明は、2つのマグネット5a,5bが反発する例えばN極−N極の同極同士を対向に設け、その間に磁性体を挿入すると、瞬時に磁気誘導が起こり、磁性体が磁石になってS極とN極が両端に現われ、磁石のN極とキーのS極とが強く引き合う。この引き付け合う磁石の原理を利用している。そこで、本実施の形態は、2つのマグネット5a,5bを極力近づけて、2倍の吸着力でロックを解除するように配置している。ここではマグネットはN極−N極の2つとしたが、S極−S極の組み合わせであっても構わない。
また、カギ穴3bからの雨水の浸入対策として、キーを覆う袋状のケースを設けてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 ボックス
1a 蓋
1b ボックス本体
2 ロック部材固定具(上蓋)
2a ロック部材(ロック棒)
2b 溝
2c 水平部
2d 押え板
3,13,23 ケース本体
3a 凸部
3b カギ穴
3c カバー
3d,3e ストッパ部材(ストッパ)
3e,3f,3g 逃がし
3h 水抜き穴
4 支持手段
5a,5b マグネット
5c 丸小ねじ
5d さら小ねじ
6,16,26 レバー
6a 傾斜部
6b,16b 係合部
7 ピン
8 ブロック
8a,8b 段差部
8c ガイド
8d 傾斜部
9 キー
10,11,12 マグネット錠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁力によって互いに反発するように同極を対向して支持されたマグネット(5a,5b)と、
一方のマグネット(5a)を固定して他方のマグネット(5b)を移動自在にし、または、両方のマグネット(5a,5b)を移動自在にして、互いに離間または接近するように支持する支持手段(4)と、
前記マグネット(5a,5b)が互いに離間するように前記支持手段(4)を保持するストッパ部材(3)と、を備え、
前記離間されて保持された前記マグネット(5a,5b)の間に強磁性体からなるキー(9)を挿入することで、対向する前記マグネット(5a,5b)同士が反発状態から吸着状態に変わって接近することにより施錠状態から開錠状態にすることを特徴とするマグネット錠(10)。
【請求項2】
前記支持手段(4)は、
一方のマグネット(5a)を固定するケース本体(3)と、
他方のマグネット(5b)を支持し、前記ケース本体(3)に回動自在に設けられたレバー(6)と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のマグネット錠(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−137347(P2011−137347A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299178(P2009−299178)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(392009467)東京マグネット応用製品株式会社 (5)
【出願人】(000152169)株式会社栃木屋 (50)
【Fターム(参考)】