説明

マシン・タイプ通信のためのネットワーク・アクセスの方法およびシステム

本発明は、マシン・タイプ通信(MTC)のためのネットワーク・アクセスの方法およびシステムを提供しており、本方法は、以下のステップ、すなわち、MTCデバイスが、基地局に対してプリアンブルを送信するステップと、基地局がMTCデバイスに対してランダム・アクセス応答(RAR)を送信するステップと、RARが一時的なアクセス・リソース割当表示を含まない場合に、MTCデバイスが、基地局に対してレイヤ2/レイヤ3メッセージを送信するステップと、そうでない場合には、MTCデバイスが、ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するステップと、基地局が、MTCデバイスに対して競合解決メッセージを送信するステップと、競合解決メッセージが、MTCデバイスによって送信されるレイヤ2/レイヤ3メッセージの中に含まれる自己識別情報を含む場合に、ネットワーク・アクセスが完了されるステップと、競合解決メッセージが一時的なアクセス・リソース割当表示を含む場合に、MTCデバイスが、ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するステップと、そうでない場合には、MTCデバイスが、再び最初に使用されたアクセス・リソースを使用してネットワーク・アクセスを実行しようと試みるステップとを含む。本発明によれば、実際のアクセス・リソースの衝突に基づいてMTCのアクセス・リソースの割当てと解放とを動的に、かつ迅速に実行することが可能にされ、それによって、準静的コンフィギュレーションにおけるアップリンク・リソースの浪費が回避され、衝突の可能性が低下し、また非MTCデバイスの通常アクセスが保護される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通信技術に関し、詳細にはマシン・タイプ通信MTCのためのネットワーク・アクセスの方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
マシン・ツー・マシン通信(Machine−to−Machine communication)は、必ずしも人間の相互作用を必要とするとは限らない1つまたは複数のエンティティを伴うデータ通信の一形態である。マシン・タイプ通信(Machine Type Communication)(MTC)サービスは、例えば、現在のモバイル・ネットワーク通信によって提供されるサービスとは異なる複数の新しい特徴を導入してきている。例えば、MTCサービスは、バースト特性を有しており、また潜在的に多数の通信端末が関係する可能性があり、短時間内における通信接続の劇的な増大をもたらしている。MTCサービスにおいては、潜在的に多数の通信端末は、ほとんど同時にアクセス・ネットワークに接続しようと、または接続をアクティブにしようと試みることができる。例えば、典型的なアプリケーション−多数のセンサを用いた橋の監視について考察する。数百個の、または数千個さえもあるセンサは、車両が橋を通過するときに、同時にネットワーク・アクセスを開始することができる。あるいは、別の典型的なアプリケーション−計測(metering)について考察する。建物の中の数千個のメーター(meter)は、ほとんど同じあらかじめ決定された時刻に、例えば午後12:00にそれらの測定値、または読取り結果を報告することを開始することができる(一般的に、正確な報告時刻は、メーターごとにスケジュールされないことになる)。明らかにそのようなアクセスの試みの集中(バースト)は、アクセス・ネットワークのアクセス・チャネルの中で互いに衝突することがあり、またアクセス・ネットワークによって提供される他の非MTCデバイスの通常のアクセスの試みと衝突することさえある可能性が高い。これは、もともとヒューマン・ツー・ヒューマン通信(human−to−human communications)のアクセスの試みのために設計されているアクセス・ネットワークのアクセス・チャネル(例えば、ランダム・アクセス・チャネル)において輻輳を引き起こし、またそれゆえに、例えば、保証伝送品質においてより厳しい要件を有する従来のユーザ装置の間の通常の通信を遅らせることになる。3GPP LTEにおける典型的な共通のRACH(PRACH)ロード(load)は、10MHzにおいて毎秒約128回の試みである。しかしながら、多数のMTCデバイスによって引き起こされるPRACHロードは、これをはるかに超過している可能性がある。
【0003】
加えて、マシン・ツー・マシン通信についての現在の研究は、さらに、モバイル・ネットワークを通してMTCを実行する可能性を指摘している。しかしながら、マシン・タイプ・アプリケーションにおいてモバイル・ネットワークに競争力を提供するためには、MTCの特徴をサポートするための最適化の必要性が存在する。
【0004】
3GPP LTEにおいては、様々な使用可能なRACH時間−周波数リソース・コンフィギュレーションが、異なるシステム帯域幅と、各基地局(または拡張された基地局eNB)のセルの異なる数について指定される。より多くのRACH時間−周波数リソースが、MTCデバイス・アクセスの潜在的なバーストを受け入れるようにあらかじめ構成されていることが可能であり、すなわち、バースト中のMTCアクセスの試みの数に基づいてシステムのRACHビデオ・リソースを構成していることを理解すべきである。しかしながら、準静的リソース・コンフィギュレーションは、MTCデバイス・アクセスのバースト特性に起因してアップリンク・リソースの多くを浪費する可能性がある。さらに、たとえ基地局がより多くの時間−周波数リソースを提供するように構成されているとしても、MTCデバイスのかなりの数と、それらのアクセス・オペレーションの同時性とを考慮すると、MTCデバイス・アクセスのバーストを受け入れるアップリンク・リソースは、とりわけ高いシステム帯域幅を有するシステムでは、あるいは各基地局の下の複数のセルの場合には、十分でない可能性がある。そのようなシステムとそのような場合とでは、非MTCデバイス・アクセスのためのアクセスの時間−周波数リソースの数は、かなりのものになるので、非MTCデバイスのアクセスに影響を及ぼさずに、MTCデバイスのために十分な時間−周波数リソースを確保することは難しいであろう。
【0005】
したがって、かなりの数のMTCデバイスが同時にアクセスを実行しようと試みるときでさえ、非MTCデバイスのアクセスが影響を受けないことをなおも保証することができるようなMTCのためのネットワーク・アクセス方法の必要性が存在する。同時に、この方法は、バースト、かなりの数のアクセス要求などのようなMTCサービスのそのような特徴をサポートして、要件に応じて必要とされるアクセス時間−周波数リソースを動的に割り当て、RACHチャネルにおける輻輳を解決し、またアップリンク・リソースの浪費を回避することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の問題を考慮して、本発明は、以下のステップ、すなわち、
a.ネットワーク・アクセスを実行しようと試みるために、セルの中のMTCデバイスによりそのセルの基地局に対してプリアンブルを送信するステップと、
b.そのプリアンブルを受信した後、基地局によりMTCデバイスに対してアクセス応答を送信するステップと、
c.そのアクセス応答を受信した後、アクセス応答が一時的なアクセス・リソース割当表示を含まない場合に、MTCデバイスにより基地局に対してレイヤ2/レイヤ3メッセージを送信し、アクセス応答が一時的なアクセス・リソース割当表示を含む場合に、ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するために、ステップaに戻り、表示に基づき、割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用して、MTCデバイスによりプリアンブルを送信するステップと、
d.レイヤ2/レイヤ3メッセージを受信した後、基地局によりMTCデバイスに対して競合解決メッセージを送信するステップと、
e.その競合解決メッセージを受信した後、競合解決メッセージが、ステップcにおいてMTCデバイスによって送信されるレイヤ2/レイヤ3メッセージの中に含まれる自己識別情報を含む場合に、MTCデバイスによりネットワーク・アクセスを完了し、競合解決メッセージが一時的なアクセス・リソース割当表示を含む場合に、ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するために、ステップaに戻り、表示に基づき、割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用して、MTCデバイスによりプリアンブルを送信し、そうでない場合には、ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するために、ステップaに戻り、再び最初に使用されたアクセス・リソースを使用して、MTCデバイスによりプリアンブルを送信するステップと
を含む、マシン・タイプ通信(MTC)のためのネットワーク・アクセス方法を提供する。
【0007】
このようにして、実際の衝突の激しさに基づいて、一時的なアクセス・リソースをMTCデバイスに迅速に割り当てることが可能にされ、それによってアクセス・チャネルにおける輻輳を回避している。
【0008】
好ましくは、ステップaとステップbとの間に/ステップdとステップeとの間に、以下のステップ、すなわち、
f.プリアンブル/レイヤ2/レイヤ3メッセージに基づいて、基地局により、衝突検出を実行するステップと、
g.衝突がステップfにおいて検出される場合に、基地局により、衝突の激しさを決定するステップと、
h.衝突の激しさが、第1の衝突しきい値を超過することがステップgにおいて決定される場合に、基地局により、一時的なアクセス・リソースを割り当て、送信されたアクセス応答/競合解決メッセージの中に一時的なアクセス・リソース割当表示を含めるステップと
がさらに含まれる。
【0009】
本方法は、好ましくは、i.一時的なアクセス・リソースが、割り当てられた後、衝突の激しさが、第2の衝突しきい値を下回る場合に、基地局により、一時的なアクセス・リソースの割当てを停止するステップをさらに含む。ステップiにおいて、MTCデバイスが、一時的なアクセス・リソースを使用してネットワーク・アクセスを完了した後、基地局は、さらに、割り当てられた一時的なアクセス・リソース、またはその一部分を解放する。
【0010】
このようにして、割り当てられたリソースを動的に解放し、またアップリンク・リソースの浪費を回避することが可能になる。
【0011】
好ましくはMTCデバイスが、非一時的なアクセス・リソースを使用してアクセス試行を実行するとき、ステップaにおいて、MTCデバイスによって送信されるプリアンブルは、プリアンブルのサブセットから選択され、プリアンブルのサブセットは、セルのすべての使用可能なプリアンブルの一部分を含む。MTCデバイスは、基地局によって送信されるシステム・ブロードキャスト情報を聞くことにより、プリアンブルのサブセットを知ることができる。
【0012】
このようにして、MTCデバイスと、非MTCデバイスとの間の衝突の確率は、さらに低減されることになり、また非MTCデバイスの通常のアクセスは、保護されることになる。
【0013】
本発明は、さらに、
セルの中の1つまたは複数のMTCデバイスと、
そのセルの基地局と
を備える、マシン・タイプ通信(MTC)のためのネットワーク・アクセス・システムをさらに提供し、
MTCデバイスは、
ネットワーク・アクセスを実行しようと試みるために、基地局に対してプリアンブルを送信し、
アクセス応答を基地局から受信した後、アクセス応答が一時的なアクセス・リソース割当表示を含まない場合に、基地局に対してレイヤ2/レイヤ3メッセージを送信し、アクセス応答が一時的なアクセス・リソース割当表示を含む場合に、ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するために、表示に基づき、割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用してプリアンブルを送信し、
競合解決メッセージを基地局から受信した後、競合解決メッセージがMTCデバイスによって送信されるレイヤ2/レイヤ3メッセージの中に含まれる自己識別情報を含む場合に、ネットワーク・アクセスを完了するようになされており、競合解決メッセージが一時的なアクセス・リソース割当表示を含む場合に、MTCデバイスは、ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するために、表示に基づき、割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用してプリアンブルを送信し、そうでない場合には、MTCデバイスは、ネットワーク・アクセスを実行しようと試行するために、再び最初に使用されたアクセス・リソースを使用してプリアンブルを送信する。
【0014】
本発明は、以下の利点を有している。第1に、本発明は、MTCデバイス・アクセスのバースト特性を考慮しており、一時的なアクセス・リソースを動的に割り当て(また解放し)、またかなりの数のアップリンク・リソースを節約する。第2に、本発明は、非MTCデバイスのネットワーク・アクセスを非常によく保護し、またMTCデバイス・アクセスのバーストの影響が無いようにする。第3に、先行技術は、最高のコンフィギュレーションに基づいて、より多くのリソースを割り当てることができないが、本発明は、新しいアクセス・リソースを迅速に割り当て、元のアクセス・チャネルにおける輻輳を解決する。
【0015】
本発明の、上記および他の目的、特徴および利点は、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態についての以下の説明を通してより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】セルの中のMTCデバイスと、非MTCデバイスと、基地局とが、概略的に示される、本発明のアプリケーション環境の一例を示す図である。
【図2】本発明におけるMTCについてのネットワーク・アクセス・プロシージャを概略的に示す図である。
【図3】本発明における一時的なアクセス・リソースの割当てを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、セルの中のMTCデバイスのネットワーク・アクセスによって引き起こされる衝突の激しさが甚大で、例えば、非MTCデバイスのアクセス・チャネル(例えば、RACH)における輻輳をもたらし、またその通常のアクセス・オペレーションに影響を及ぼすときに、MTCデバイスのために使用され得る一時的なアクセス・リソースが割り当てられるように、また衝突の激しさが許容レベルを下回るときに、一時的なアクセス・リソースのすべてまたは一部分が解放されるように、バーストやかなりの量のアクセスなど、MTCネットワークの特徴に関して動的な一時的なアクセス・リソースの割当スキームを採用する。さらに、本発明の一実施形態においては、MTCデバイスによって使用されるプリアンブルのサブセットもまた提供され、サブセットは、セルのすべての使用可能なプリアンブルの一部分から成る。MTCデバイスは、ネットワーク・アクセスの試みを送信するために、そのサブセットからプリアンブルを選択することができるにすぎない。このようにして、MTCデバイスのネットワーク・アクセスと、非MTCデバイスのネットワーク・アクセスとの間の衝突が、さらに低減されるであろう。
【0018】
本発明においては、非MTCデバイスは、MTCデバイス以外の他の任意のデバイスを、例えば、従来のユーザ装置(user equipment)(UE)、アクセスおよび通信を実行するためにユーザによって動作させられる端末デバイスを含むことができる。非MTCタイプの通信またはアクセスは、MTCタイプの通信またはアクセスを除いて、任意の通信またはアクセスとすることができ、例えば、それは、端末としてのユーザ装置の間の通信、または端末と基地局との間の通信とすることができる。以下の説明においては、3GPP LTEワイヤレス通信アプリケーション環境が、一例として取り上げられる。本発明の実施形態は、これらのアプリケーションだけには限定されず、より多くの他の関連のある通信アプリケーション環境、例えば、MTCデバイスを備えるアプリケーション環境に適合されることに注意すべきである。
【0019】
本出願の発明者等は、現在のネットワーク・サービス機能、特にモバイル・ネットワーク・サービスが、バーストやかなりの量のアクセスなど、MTCサービスの特徴を考慮することなく、主として非MTCサービスのために設計されていることに注目する。それゆえに、現在のネットワーク・サービスに基づいて、MTCサービスが、直接に追加される場合、チャネルの輻輳を引き起こし、また例えば、従来のユーザ装置の間の通常の通信に影響を及ぼす可能性が非常に高い。そのようなマシン・タイプ・アプリケーションを受け入れるために、MTCの特徴をサポートするための最適化が必要とされる。
【0020】
本発明の実施形態においては、MTCデバイスのアクセス・アクションを受け入れるために、ほんのわずかな修正が、既存の規格におけるアクセス応答および競合解決のメッセージに対して行われる。本発明の一実施形態によれば、MTCデバイスが、基地局からのアクセス応答を受信した後に、アクセス応答が、一時的なアクセス・リソース割当表示を含まない場合に、MTCデバイスは、レイヤ2/レイヤ3メッセージを基地局に対して送信し、アクセス応答が、一時的なアクセス・リソース割当表示を含む場合に、MTCデバイスは、ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するために、表示に基づいて、割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用してプリアンブルを再送信する。さらに、MTCデバイスが、競合解決メッセージを基地局から受信した後に、競合解決メッセージが、MTCデバイスによって送信されるレイヤ2/レイヤ3メッセージに含まれる自己識別情報を含む場合に、ネットワーク・アクセスは完了され、競合解決メッセージが、一時的なアクセス・リソース割当表示を含む場合に、MTCデバイスは、ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するために、その表示に基づいて、割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用してプリアンブルを再送信し、そうでない場合には、プリアンブルは、ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するために、再び最初に使用されたアクセス・リソースを使用することにより再送信される。基地局では、アクセス・リソースに関して衝突検出を実行することに加えて、それは、さらに、衝突の激しさを決定し、またそれによって一時的なアクセス・リソースを割り当てるべきかどうかを決定する。割当てを行うことが決定される場合、一時的なアクセス・リソース割当表示は、送信されたアクセス応答/競合解決メッセージの中に含まれ、その結果、MTCデバイスは、表示に基づいて、割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用してネットワーク・アクセスを実行することができるようになる。以下では、例示のネットワーク・アクセス・プロシージャが、図1および図2を参照して説明される。
【0021】
図1は、本発明のアプリケーション環境の一例を示しており、そこでは、セルの中のMTCデバイスと、非MTCデバイスと、基地局(これは、3GPP LTEワイヤレス通信アプリケーション環境の中の拡張された基地局eNBである)とが、概略的に示される。図1は、単にeNBのカバレッジの下の1つのセルを示しているにすぎず、これは、明確にするためにすぎず、また本発明は、各基地局が、複数のセルを有する状況に対しても適用可能である。セルは、1つまたは複数の非MTCデバイスと、1つまたは複数のMTCデバイスとを有することができる。以下では、MTCデバイスのネットワーク・アクセス・プロシージャが、主として説明されるが、非MTCデバイスのネットワーク・アクセス・プロシージャは、当業者によく知られているプロシージャまたはアプローチを採用することができる。さらに、説明中では、本発明についての不必要な詳細および機能と、当業者によく知られているこれらの詳細および機能とは、本発明の理解をあいまいにしないようにするために省略されている。図2は、本発明の一実施形態による、MTCについてのネットワーク・アクセス・プロシージャを概略的に示しており、そこでは、ランダム・アクセス・アプローチが、一例として取り上げられる。当業者は、本発明が、特定のランダム・アクセス・アプローチだけには限定されず、複数のネットワーク・アクセス・アプローチに対して適用可能であることを理解するであろう。以下では、本発明の好ましい実施形態を、図1および2を参照して説明する。
【0022】
図1において、1つまたは複数のMTCデバイス20が、ランダム・アクセス・プロシージャを通してネットワーク・アクセスを実行する準備をするときに、MTCデバイス20は、セルとの同期化を得るためにセルのシステム情報を受信する。ステップ201において、MTCデバイス20は、ランダム・アクセスの試みを開始するためにプリアンブルを送信する。ステップ203において、eNB10は、プリアンブルを受信した後にランダム・アクセス応答(Random Access Response)(RAR)をMTCデバイス20に対して送信する。ステップ205において、MTCデバイス20は、ランダム・アクセス応答を受信した後に、レイヤ2/レイヤ3メッセージをeNB10に対して送信する。ステップ207において、eNB10は、レイヤ2/レイヤ3メッセージを受信した後に、競合解決メッセージをMTCデバイス20に対して送信する。eNB10が、RARを送信する前に、またeNB10が、CRMを送信する前に、eNB10は、衝突検出を実行することになる。衝突が検出されない場合には、MTCデバイス20のランダム・アクセス・プロシージャは、既存の規格(例えば、3GPP LTE)の中の非MTCデバイスについてのランダム・アクセス・プロシージャ・ステップと実質的に同じであり、そこでは、RARと、レイヤ2/レイヤ3メッセージと、CRMとは、既存の規格の中の対応するメッセージを採用することもできる。ステップ207の後に、MTCデバイス20のアクセスは成功し、次いで、アクセス・プロシージャは終了する。
【0023】
eNB10が、ステップ203の前に、衝突を検出する場合、具体的にはMTCデバイス20と、1つまたは複数の他のMTCまたは非MTCのデバイスが、同じ時間−周波数リソースにおいて同時に同じプリアンブルを送信することを検出する場合、上記プロシージャは、いくらか異なっていくことになる。非MTCデバイスについての既存の方法においては、eNB10が、ステップ203の前に衝突を検出する場合、RARは送信されないことになり、その結果非MTCデバイスは、ランダム・アクセスを試みる前に衝突の発生を知り、またある種の期間にわたって、例えばタイム・ウィンドウにわたって、待つことができるようになる。本発明の一実施形態によれば、eNB10が、このポイントにおけるプリアンブルに基づいて衝突を検出するときに、eNB10はさらに衝突の激しさを検出し、例えば、衝突の激しさが衝突しきい値を超過するかどうかを決定する。ここで、衝突の激しさと、衝突しきい値とは、周波数(frequency)、MTCデバイスのランダム・アクセスによって招かれる衝突の確率、またはあらかじめ決定された期間内に(例えば、ある種の数のフレーム内に)衝突を引き起こすデバイスの数に応じて決定可能であり、あるいはシステムまたはアプリケーションの要件を考慮して設定されることも可能である。衝突しきい値は、衝突の激しさを表すあらかじめ設定された値とすることができる。衝突しきい値の値は、可変であることが好ましい。例えば、衝突しきい値の値は、一時的なアクセス・リソースの割当てと共に変化してもよい。例えば、一時的なアクセス・リソースが、まだ割り当てられていないときには、衝突しきい値は、アクセスのバーストについてのエラー決定確率を低減させるために、より大きな値とすることができるが、アクセスのバーストの発生が、決定されており、また一時的なアクセス・リソースが、割り当てられているときには、衝突しきい値は、元のアクセス・チャネルにおける衝突確率を効果的に低減させるために、より小さい値とすることができる。
【0024】
衝突の激しさが、衝突しきい値を超過する場合、それは、MTCデバイス20のアクセスが、アップリンク・チャネルにおいて輻輳を引き起こす可能性があり、また非MTCデバイスのアクセスに影響を及ぼす、より高い確率を有しており、またそれゆえに、MTCデバイス20のランダム・アクセスについての一時的なアクセス・リソースを割り当てることが必要とされることを示す。したがってeNB10は、一時的なランダム・アクセス・リソースを割り当て、また後で送信されるべきRARの中に一時的なランダム・アクセス・リソース割当表示を含んでいる。一時的なランダム・アクセス・リソース割当表示は、ランダム・アクセス・リソースのサイズおよびロケーションについての表示を含むことができる。複数の解決法が、サイズおよびロケーションを設定するために採用され得る。一時的なランダム・アクセス・リソースのサイズは、衝突の激しさに基づいて決定可能であることが好ましい。例えば、サイズは、セル・コンフィギュレーションにおけるランダム・アクセス・リソースのリソース・ユニットの整数倍とすることができる。好ましくは、割り当てられた一時的なランダム・アクセス・リソースは、セルの元のランダム・アクセス・リソースにオーバーラップしておらず、またそのロケーションは、図3に示されるように、もともとはランダム・アクセス・リソースを含んでいない各フレームの中の、または各フレームの中のサブフレームの内部の元のランダム・アクセス・リソースに近接していてもよい。eNB10が一時的なランダム・アクセス・リソースを割り当てているときに、一時的なランダム・アクセス・リソースは、解放されるまで次の各フレームの中に現れることになる。一時的なランダム・アクセス・リソースを使用してランダム・アクセスを実行するMTCデバイス20では、eNB10は、一時的なランダム・アクセス・リソースに対応する一時的なランダム・アクセス無線ネットワーク一時的識別子(temporary Random Access Radio Network Temporary Identifier)(temp−RA−RNTI)を生成し、また後で送信されることになるRARの中に、その生成されたtemp−RA−RNTIを含むことになる。temp−RA−RNTIは、RARメッセージのターゲット・デバイスを識別するアクセスのすぐ後に使用されるようなランダム・アクセス・プリアンブルと組み合わせて使用される。本発明の一実施形態によれば、一時的なランダム・アクセス・リソースと元のランダム・アクセス・リソースとの間にオーバーラップが存在しないので、ランダム・アクセス無線ネットワーク一時的識別子は、既存の規格におけるRA−RNTI生成方法と同じ方法を用いて生成可能であり、すなわち、temp−RA−RNTIは、割り当てられた一時的なランダム・アクセス・リソースに対応する。例えば、現在のフレームが、10個のサブフレームを含む場合、temp−RA−RNTIは、次の式、すなわち、
temp−RA−RNTI=t_t_id+10*t_f_id+1
に応じて生成可能であり、そこでは、t_t_idは、割り当てられた一時的なランダム・アクセス・リソースの第1のサブフレームのインデックスであり、0≦t_t_id<10であり、t_f_idは、第1のサブフレームにおける割り当てられた一時的なランダム・アクセス・リソースのインデックスであり、またそれらは、周波数ドメインの中で昇順に配列される。
【0025】
一時的なアクセス・リソース割当表示を含むRARを受信した後に、MTCデバイス20は、ステップ209において、その中の一時的なランダム・アクセス・リソース割当てについての表示に基づいて、割り当てられた一時的なランダム・アクセス・リソースを使用して新しいランダム・アクセスの試みを開始する。一時的なランダム・アクセス・リソースを利用したランダム・アクセス・プロシージャは、元のランダム・アクセス・リソースを使用した非MTCデバイスのアクセス・プロシージャに類似したものとすることができる。例えば、MTCデバイス20は、ランダム・アクセスの試みを開始するためにプリアンブルを送信する。eNB10が、プリアンブルを受信した後に、eNB10は、RARをMTCデバイス20に対して送信する。MTCデバイス20は、ランダム・アクセス応答を受信した後に、レイヤ2/レイヤ3メッセージをeNB10に対して送信する。eNB10は、レイヤ2/レイヤ3メッセージを受信した後に、競合解決メッセージをMTCデバイス20に対して送信する。MTCデバイス20は、競合解決メッセージを受信する。衝突が起こる場合、MTCデバイス20は、プリアンブルを再選択し、また新しいランダム・アクセスの試みを開始するために一時的なランダム・アクセス・リソースを用いて再選択されたプリアンブルを送信する。
【0026】
一方、衝突の激しさが、衝突しきい値より下にあるように決定される場合、eNB10は、一時的なランダム・アクセス・リソースを割り当てない。非MTCデバイスとは違って、MTCデバイス20は、もともとはステップ201においてプリアンブルを送信するときに使用されたアクセス・リソースを再び使用することによりランダム・アクセスを実行する。
【0027】
既存の規格における衝突検出と同様に、eNB10が、MTCデバイス20によって送信されるレイヤ2/レイヤ3メッセージを受信した後に、そのeNB10はまた、衝突検出を実行することになる。上記説明と同様に、eNB10がこのポイントにおいてレイヤ2/レイヤ3メッセージに基づいて衝突を検出するときに、eNB10はさらに衝突の激しさを検出することになり、衝突の激しさが衝突しきい値を超過することが測定された場合、eNB10は、一時的なランダム・アクセス・リソースを割り当て、また後で送信されることになる競合解決メッセージ(CRM)の中に一時的なランダム・アクセス・リソース割当表示を含める。上記で述べられているように、CRMを受信した後に、MTCデバイス20は、ステップ209において、一時的なランダム・アクセス・リソース割当表示に基づいて、割り当てられた一時的なランダム・アクセス・リソースを使用して新しいランダム・アクセスの試みを開始する。
【0028】
ランダム・アクセス・アプローチを用いてネットワーク・アクセスを実行するMTCデバイスのアクセス・プロシージャは、図2を参照して説明されている。しかしながら本発明は、上記の特定の例の特定の流れだけには限定されず、また当業者は本発明の基本的なアイデアがMTCを伴う他のネットワーク・アクセスに対しても適用され得ることを理解するであろう。
【0029】
MTCデバイス20のネットワーク・アクセスおよび/またはアップリンクの輻輳によって引き起こされる衝突の激しさに基づいてeNB10は、新しいMTCデバイスのネットワーク・アクセスの試みについての一時的なアクセス・リソースを割り当て続けることができる。衝突する2つの異なるプリアンブルまたは時間−周波数リソース・ユニットでは、同じ、または異なる一時的なアクセス・リソースが割り当てられることが可能である。上述のように、ひとたび一時的なアクセス・リソースが割り当てられた後に、一時的なアクセス・リソースは、解放されるまで次の各フレームの中に現れることになる。例えばeNB10は、すべての割り当てられた一時的なアクセス・リソースのリストを保持し、また衝突を引き起こす新しいMTCデバイスのネットワーク・アクセスの試みに対してこれらのリソースを割り当てることができる。
【0030】
MTCのバースト特性を考慮すると、そのようなかなりの数のMTCデバイスのネットワーク・アクセスの試みは、ある期間にわたってのみ持続することができる。MTCデバイスのネットワーク・アクセスのバーストが過ぎ去った後に、またはMTCデバイスによって引き起こされる衝突の激しさがある種のレベルを下回ったときに、例えば、ある種のしきい値より小さくなるときに、eNB10は、RARまたはCRMの中の一時的なアクセス・リソースの表示を送信することを停止し、またそれによって新しいMTCネットワーク・アクセスの試みに一時的なアクセス・リソースを割り当てることを停止することができる。さらに、MTCデバイスによって引き起こされる衝突の激しさが衝突しきい値よりも小さくなるときに、またMTCデバイス20が割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用してネットワーク・アクセスを完了した後に、eNB10は、割り当てられた一時的なアクセス・リソースのすべてまたは一部分を柔軟に解放することができる。それゆえに、MTCデバイスに専用のアクセス・リソースを動的に割り当て、解放し、またアップリンク・リソースの浪費を回避することが可能である。本明細書におけるしきい値は、上記の衝突しきい値を使用することができ、またその値は、ネットワーク・アクセスの試みと、一時的なアクセス・リソースの割当てとを開始するMTCデバイスの数、および他の要素と共に変化する。例えば、新しいMTCネットワーク・アクセスの試みに一時的なアクセス・リソースを割り当てることを停止した後に、タイマーは、特定のMTCデバイスの特性に基づいて、eNB10の中で設定可能であり、タイマーが満了する場合、一時的なアクセス・リソースを使用したすべてのアクセスの試みは、それらのネットワーク・アクセス・プロシージャを完了させるように決めることができる。この時点において、eNB10は、アップリンク・リソースを節約するために一時的なアクセス・リソースを解放することができる。eNB10は、一時的なアクセス・リソースの一部分だけを解放することもできる。一時的なアクセス・リソースの一部分を解放することが決定されるときに、eNB10は、衝突を引き起こす新しいMTCデバイスのネットワーク・アクセスの試みに一時的なアクセス・リソースの残りの部分を割り当て続けることができる。
【0031】
MTCデバイス20のネットワーク・アクセス・プロシージャは、MTCデバイス20によって引き起こされる衝突を考慮して、主として上記で説明されてきている。非MTCデバイスでは、それらは既存のネットワーク・アクセス・プロシージャを使用してネットワーク・アクセスを実行することができる。上記で説明されているように本発明の一実施形態によれば、eNB10がステップ203の前に衝突を検出する場合、RARは依然として送信されるべきであり、そこでは一時的なアクセス・リソースの表示が含められることが可能である。非MTCデバイスがこのRARを受信する場合、それはこの表示を直接に無視し、次のアクセスの試みの準備をすることができる。別の解決法は、非MTCデバイスがまた一時的なアクセス・リソースを使用して、後続のアクセスの試みを実行することもできる。どの解決法が選択されることになるかは、非MTCデバイスの能力と好みとに依存する可能性がある。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によれば、非MTCデバイスのアクセスに対するMTCデバイス20のアクセスの影響をさらに低減させるために、プリアンブルの専用サブセットがMTCデバイス20のために生成可能であり、サブセットは、セルのすべての使用可能なプリアンブルの一部分を含むことができる。例えば、MTCデバイス20に専用のプリアンブルのサブセットは、セルの中の非MTCデバイスのロードに基づいて、セルのすべての使用可能なプリアンブル(例えば、64個)からある種の数のプリアンブル(例えば、10個)を選択することにより構成可能である。より重い非MTCデバイスのロードでは、より少ないプリアンブルを含むサブセットが、衝突の可能性を低下させるように設定可能である。プリアンブルのサブセットは、システム情報を通して、MTCデバイス20に転送可能である。例えば、MTCデバイスは、基地局によって送信されるシステム・ブロードキャスト情報を聞くことにより、プリアンブルのサブセットを知ることができる。このようにして、MTCデバイス20は、単に、ステップ201においてネットワーク・アクセスの試みを開始するそのサブセットの中のプリアンブルを採用することができる。MTCデバイス20が、非一時的なアクセス・リソース(すなわち、元のアクセス・リソース)を使用してアクセスの試みを実行するときに、MTCデバイス20は、衝突の可能性を低下させるために、送信のためのプリアンブルのサブセットからプリアンブルを選択することができることが好ましい。しかしながら、MTCデバイス20が、一時的なアクセス・リソースを使用して、アクセスの試みを実行するときに、選択され得るプリアンブルは、プリアンブルのサブセットだけには限定されず、セルのすべての使用可能なプリアンブルから選択可能であり、これは、一時的なアクセス・リソースを使用してアクセスの試みを実行することが、衝突の可能性を既に低下させている可能性があるからである。
【0033】
これまで本発明の例示的実施形態が説明されてきた。本発明の実施形態によれば、MTCデバイスによって引き起こされるアクセス・リソースの衝突が十分に激しいときに、MTCデバイスに専用の一時的なアクセス・リソースが割り当てられ、また衝突の激しさがある種のレベルまで低下するときに、割り当てられた一時的なアクセス・リソースは解放され、それによって実際のアクセス・リソースの衝突に基づいてMTCのアクセス・リソースの割当てと解放とを動的に実行することが可能であり、これは、準静的コンフィギュレーションにおいてアップリンク・リソースの浪費を回避させ、またMTCデバイスがアクセス・チャネルにおける輻輳を引き起こすときに、新しいアクセス・リソースが迅速に割り当てられることが可能である。さらに、MTCデバイスのためにプリアンブルの専用サブセットを設定することは、MTCデバイスにとって使用可能なプリアンブルを制限し、これはさらに衝突の可能性を低下させ、また非MTCデバイスの通常アクセスを保護する。それと同時に、良好な下位互換性(backward compatibility)が、単に既存のアクセス・プロシージャに対する小さな修正を行うことにより、例えばRARメッセージおよびCRMメッセージをわずかに修正することにより提供され、非MTCデバイスでは、そのネットワーク・アクセス・プロシージャも変更する必要がない。
【0034】
上記の説明において、複数の実施形態がそれぞれのステップのために列挙される。本発明者等は、互いに関連するインスタンス(instances)をラベル付けするために最善を尽くしているが、それは、これらのインスタンスが対応する参照番号による対応関係を有する必要があることを意味してはいない。選択されたインスタンスによって与えられる条件の間に矛盾が存在しない限りでは、対応する技術的解決法は、異なるステップにおける対応する番号のないインスタンスを選択することにより構成可能であり、またそのような技術的解決法は、本発明の範囲の中に含められるものと見なされるべきである。
【0035】
当業者なら、上記方法の異なるステップが、プログラムされたコンピュータを通して実行され得ることを簡単に認識すべきである。ここで、いくつかの実施形態は、同様に、マシン読取り可能プログラム・ストレージ・デバイス、またはコンピュータ読取り可能プログラム・ストレージ・デバイス(例えば、デジタル・データ・ストレージ媒体)と、符号化マシン実行可能プログラム命令、またはコンピュータ実行可能プログラム命令とを含み、そこでは命令は、上記方法の一部のステップまたは全部のステップを実行する。例えば、プログラム・ストレージ・デバイスは、デジタル・メモリ、磁気ストレージ媒体(例えば、磁気ディスクまたは磁気テープ)、ハードウェア、または光学的読取り可能なデジタル・データ・ストレージ媒体とすることができる。実施形態は同様に、上記方法のステップを実行するプログラムされたコンピュータを含んでいる。
【0036】
上記説明は単に本発明の技術的解決法を一例として示すにすぎないが、それは本発明が、上記のステップと、ユニット構造とだけに限定されることを意味してはいないことに注意すべきである。可能性のあるシナリオにおいては、ステップとユニット構造とは、必要に応じて調整され、選択され、または破棄され得る。それゆえに、いくつかのステップとユニットとは、必ずしも本発明の一般的な発明の概念を実現するための要素であるとは限らない。それゆえに、本発明のために必要な技術的特徴は、単に本発明の一般的な発明の概念を実現するための最小要件に限定されるだけであるが、上記の特定のインスタンスによって限定されはしない。
【0037】
とりわけ、本発明は好ましい実施形態と組み合わされて説明されている。当業者は、本発明の意図および範囲を逸脱することなく、様々な他の変更、置換、および追加を行うことができることを理解すべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の特定の実施形態だけには限定されず、添付の特許請求の範囲によって限定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ネットワーク・アクセスを実行しようと試みるために、セルの中のMTCデバイスにより前記セルの基地局に対してプリアンブルを送信するステップと、
b.前記プリアンブルを受信した後、前記基地局により前記MTCデバイスに対してアクセス応答を送信するステップと、
c.前記アクセス応答を受信した後、前記アクセス応答が一時的なアクセス・リソース割当表示を含まない場合に前記MTCデバイスにより前記基地局に対してレイヤ2/レイヤ3メッセージを送信し、前記アクセス応答が前記一時的なアクセス・リソース割当表示を含む場合に前記ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するためにステップaに戻り、前記表示に基づき割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用して前記MTCデバイスにより前記プリアンブルを再送信するステップと、
d.前記レイヤ2/レイヤ3メッセージを受信した後、前記基地局により前記MTCデバイスに対して競合解決メッセージを送信するステップと、
e.前記競合解決メッセージを受信した後、前記競合解決メッセージが、ステップcにおいて前記MTCデバイスによって送信される前記レイヤ2/レイヤ3メッセージの中に含まれる自己識別情報を含む場合に、前記MTCデバイスにより前記ネットワーク・アクセスを完了し、前記競合解決メッセージが前記一時的なアクセス・リソース割当表示を含む場合に、前記ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するためにステップaに戻り、前記表示に基づき前記割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用して前記MTCデバイスにより前記プリアンブルを送信し、そうでない場合には、前記ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するためにステップaに戻り、再び最初に使用されたアクセス・リソースを使用して前記MTCデバイスにより前記プリアンブルを送信するステップと
を含む、マシン・タイプ通信MTCのためのネットワーク・アクセス方法。
【請求項2】
ステップaとステップbとの間に/ステップdとステップeとの間に、
f.前記プリアンブル/レイヤ2/レイヤ3メッセージに基づいて、前記基地局により、衝突検出を実行するステップと、
g.衝突がステップfにおいて検出される場合に、前記基地局により、前記衝突の激しさを決定するステップと、
h.前記衝突の激しさが第1の衝突しきい値を超過することがステップgにおいて決定される場合に、前記基地局により、一時的なアクセス・リソースを割り当て、前記送信されたアクセス応答/競合解決メッセージの中に前記一時的なアクセス・リソース割当表示を含めるステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
i.前記一時的なアクセス・リソースが割り当てられた後、前記衝突の激しさが第2の衝突しきい値を下回る場合に、前記基地局により、前記一時的なアクセス・リソースの前記割当てを停止するステップ
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップiにおいて、前記MTCデバイスが、前記一時的なアクセス・リソースを使用して前記ネットワーク・アクセスを完了した後、前記基地局により、さらに前記割り当てられた一時的なアクセス・リソース、またはその一部分を解放する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基地局は、割り当てられた一時的なアクセス・リソースのリストを保持して、前記ネットワーク・アクセスを実行しようと試みている新しいMTCデバイスにそれらを割り当てる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記割り当てられた一時的なアクセス・リソースは、前記セルの元のランダム・アクセス・リソースにオーバーラップしていない、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記衝突の激しさと、前記第1および第2の衝突しきい値とは、あらかじめ決定された期間内の前記MTCデバイスの前記ネットワーク・アクセスによって招かれる衝突の確率、または前記セルの中のデバイスの数とに応じて決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
ステップaにおいて、
前記MTCデバイスが元のアクセス・リソースを使用してネットワーク・アクセスの試みを開始する場合に、前記MTCデバイスによって送信される前記プリアンブルは、プリアンブルのサブセットから選択され、プリアンブルの前記サブセットは、前記セルのすべての使用可能なプリアンブルの一部分を備え、
前記MTCデバイスが一時的なアクセス・リソースを使用して前記ネットワーク・アクセスの試みを開始する場合に、前記MTCデバイスによって送信される前記プリアンブルは、前記セルのすべての使用可能なプリアンブルから選択される、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プリアンブルの前記サブセットは、前記セルのシステム・メッセージを通して前記MTCデバイスに対して示される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
プリアンブルの前記サブセットのサイズは、前記セルの中の非MTCデバイスのアクセス・ロードに応じて設定される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記一時的なアクセス・リソースを割り当てるとき、前記基地局は、前記衝突の激しさに基づいて前記一時的なアクセス・リソースのサイズを決定する、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記基地局は、ステップhにおいて前記一時的なアクセス・リソースを割り当てるとき、さらに、前記割り当てられた一時的なアクセス・リソースに対応する一時的なアクセス無線ネットワーク一時的識別子(temp−RA−RNTI)を生成し、送信されるべき前記アクセス応答/競合解決メッセージの中に前記生成されたtemp−RA−RNTIを含める、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
セルの中の1つまたは複数のMTCデバイスと、
前記セルの基地局と
を備える、マシン・タイプ通信のためのネットワーク・アクセス・システムであって、
前記MTCデバイスは、
ネットワーク・アクセスを実行しようと試みるために、前記基地局に対してプリアンブルを送信し、
アクセス応答を前記基地局から受信した後、前記アクセス応答が一時的なアクセス・リソース割当表示を含まない場合に、前記基地局に対してレイヤ2/レイヤ3メッセージを送信し、前記アクセス応答が前記一時的なアクセス・リソース割当表示を含む場合に、前記ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するために、前記表示に基づき、割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用して前記プリアンブルを再送信し、
競合解決メッセージを前記基地局から受信した後、前記競合解決メッセージが前記MTCデバイスによって送信される前記レイヤ2/レイヤ3メッセージの中に含まれる自己識別情報を含む場合に、前記ネットワーク・アクセスを完了するようになされており、前記競合解決メッセージが前記一時的なアクセス・リソース割当表示を含む場合に、前記MTCデバイスは、前記ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するために、前記表示に基づいて前記割り当てられた一時的なアクセス・リソースを使用して前記プリアンブルを送信し、そうでない場合には、前記MTCデバイスは、前記ネットワーク・アクセスを実行しようと再試行するために、再び最初に使用されたアクセス・リソースを使用して前記プリアンブルを送信するように適合され、
前記基地局は、
前記MTCデバイスから前記プリアンブルを受信した後、前記アクセス応答を前記MTCデバイスに対して送信し、
前記レイヤ2/レイヤ3メッセージを前記MTCデバイスから受信した後、前記競合解決メッセージを前記MTCデバイスに対して送信するように適合された、
システム。
【請求項14】
前記基地局は、さらに、
前記MTCデバイスからの前記プリアンブル/レイヤ2/レイヤ3メッセージに基づいて衝突検出を実行し、
衝突が検出される場合に、前記衝突の激しさを決定し、
前記衝突の激しさが、第1の衝突しきい値を超過することが決定される場合に、一時的なアクセス・リソースを割り当て、前記送信されたアクセス応答/競合解決メッセージの中に前記一時的なアクセス・リソース割当表示を含めるように適合された、請求項13に記載のシステム。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−520041(P2013−520041A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552224(P2012−552224)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際出願番号】PCT/CN2010/000207
【国際公開番号】WO2011/097767
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】